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JP2007303197A - 土木建築物防水構造体の改修工法 - Google Patents

土木建築物防水構造体の改修工法 Download PDF

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JP2007303197A
JP2007303197A JP2006133719A JP2006133719A JP2007303197A JP 2007303197 A JP2007303197 A JP 2007303197A JP 2006133719 A JP2006133719 A JP 2006133719A JP 2006133719 A JP2006133719 A JP 2006133719A JP 2007303197 A JP2007303197 A JP 2007303197A
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JP2006133719A
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Isao Kawai
功 河合
Yasuhiro Takada
泰廣 高田
Masaki Watanabe
正樹 渡辺
Masahiro Miyake
正浩 三宅
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

【課題】 屋根、壁、床、道路などの防水構造体の改修において、既存塗膜への接着性、リフティング防止性かつ低臭化に優れる土木建築物防水構造体の改修工法を提供する。
【解決手段】 土木建築物防水構造体を改修するに際し、水分散性ポリイソシアネート組成物(A)と活性水素含有基を有する樹脂(B)と水とを含む水性プライマーを塗布し、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする土木建築物防水構造体の改修工法、および土木建築物防水構造体を改修するに際し、水分散性ポリイソシアネート組成物(A)と水とを含む水性プライマーを塗布し、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする土木建築物防水構造体の改修工法に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、土木・建築分野における既存防水構造体の改修工法に関する。さらに詳細には、既存防水構造体上に水性プライマーを塗布し、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする土木建築物防水構造体の改修工法に関する。
一般に、経年劣化した土木建築物防水構造体は耐候性の確保のために塗布された上塗り剤の劣化進行にともなう剥離や、防水材自体からヘアークラックと呼ばれる微細なクラックの発生が見られるようになっている。
このような防水構造体の改修には、ウレタン塗膜防水材が使用されることが多く(例えば特許文献1参照)、その際、劣化した防水構造体との接着性を確保するため、主に溶剤系プライマーが使用されてきた。
しかしながら、溶剤系プライマーを塗布すると塗膜が劣化したり、クラックへ溶剤成分が浸透したりすることによって、既存防水構造体がリフティング現象を起こしやすいという問題があった。
また、揮散する有機溶剤による作業環境への悪影響や大気汚染への影響も懸念されるため、プライマーの水性化など、有機溶剤の使用削減による新たな改修工法の確立が期待されていた。
特開平10−17820号公報
本発明の目的は、屋根、壁、床、道路などの土木建築物分野における既存の防水構造体の改修において、既存塗膜への接着性、リフティング防止性かつ低臭化に優れる土木建築物防水構造体の改修工法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記課題について鋭意研究した結果、特定の水性プライマーを用いることにより、既存の土木建築物防水構造体との接着性に優れ、かつリフティング防止性および低臭化が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、土木建築物防水構造体を改修するに際し、水分散性ポリイソシアネート組成物(A)と活性水素含有基を有する樹脂(B)と水とを含む水性プライマーを塗布し、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする土木建築物防水構造体の改修工法を提供するものである。また本発明は、土木建築物防水構造体を改修するに際し、水分散性ポリイソシアネート組成物(A)と水とを含む水性プライマーを塗布し、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする土木建築物防水構造体の改修工法を提供するものである。
本発明の改修工法は、特定の水分散性ポリイソシアネート組成物と樹脂と水とを含有する水性プライマーを用いるので、土木建築物防水構造体との接着性に優れ、かつリフティング防止性が良好で低臭化が可能である。
以下に、本発明をより詳細に説明する。
まず本発明における水分散性ポリイソシアネート組成物(A)は、ポリイソシアネート(p)を含むものである。
ポリイソシアネート(p)としては、公知慣用の各種のものを用いることができる。例えば1,4−テトラメチレンジイソシアネート、エチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート;1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナート−4−イソシアナートメチルオクタン、2−イソシアナートエチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエートの如き脂肪族トリイソシアネート;
1,3−または1,4−ビス(イソシアナートメチルシクロヘキサン)、1,3−または1,4−ジイソシアナートシクロヘキサン、3,5,5−トリメチル(3−イソシアナートメチル)シクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5−または2,6−ジイソシアナートメチルノルボルナンの如き脂環族ジイソシアネート;2,5−または2,6−ジイソシアナートメチル−2−イソシネートプロピルノルボルナンの如き脂環族トリイソシアネート;m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネートの如きアラルキレンジイソシアネート;
m−またはp−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−または2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナート−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチル−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート; トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアナートフェニル)チオホスフェートの如き芳香族トリイソシアネート;
前記した如き各種のジイソシアネートあるいはトリイソシアネートのイソシアネート基同士を環化二量化して得られるウレトジオン構造を有するジイソシアネートあるいはポリイソシアネート;前記した如き各種のジイソシアネートあるいはトリイソシアネートのイソシアネート基どうしを環化三量化して得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート;前記した如き各種のジイソシアネートあるいはトリイソシアネートを水と反応させることにより得られるビュレット構造を有するポリイソシアネート;
前記した如き各種のジイソシアネートあるいはトリイソシアネートを二酸化炭素と反応せしめて得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート;前記した如き各種のジイソシアネートあるいはトリイソシアネートを、ポリヒドロキシ化合物、ポリカルボキシ化合物、ポリアミン化合物の如き活性水素を含有する化合物と反応させて得られるポリイソシアネート等が挙げられる。これらの中では、脂肪族系あるいは脂環族系のジイソシアネートまたはトリイソシアネート、アラルキレンジイソシアネートあるいは、それらから誘導されるポリイソシアネートが特に好ましい。
本発明に使用する前記水分散性ポリイソシアネート組成物は、系中にノニオン性基を含むものであることが好ましい。
系中にノニオン性基を含むことにより、得られる水分散性ポリイソシアネート組成物(A)に優れた水への分散性を付与し、且つ、当該組成物の水分散液に含有されるイソシアネート基の水に対する安定性を付与する。
水分散性ポリイソシアネート組成物(A)中にノニオン性基を存在させるには、ノニオン性基を有するビニル重合体を含ませることが好ましい。
かかるビニル重合体としては、例えばアクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合体、芳香族ビニル系重合体またはポリオレフィン系重合体の如きものが挙げられる。
前記ノニオン性基を含有するビニル系重合体としては、(1)官能基としてイソシアネート基を含有しない重合体〔以下、重合体(q−1)と略記する〕、(2)官能基としてイソシアネート基を含有する重合体であって、当該イソシアネート基がイソシアネート基を含有するビニル系単量体の共重合により導入された重合体〔以下、重合体(q−2)と略記する〕、(3)官能基としてイソシアネート基を含有する重合体であって、イソシアネート基と反応する活性水素含有基ならびにノニオン性基を含有するビニル系重合体〔以下重合体(q−3−1)と略記する〕とポリイソシアネートとの反応により得られる重合体〔以下、重合体(q−3)と略記する〕等が挙げられる。
前記ノニオン性基としては、公知慣用の各種のものが挙げられるが、その中で、末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオキシアルキレン基が好ましい。
ポリオキシアルキレン基としては、例えばポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基の如き、各種ポリオキシアルキレン基;ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)基の如き、前記したオキシアルキレン単位の2種以上がランダムに共重合された構造を有するポリオキシアルキレン基;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基の如き、相異なるポリオキシアルキレン基がブロック状に結合したもの;ジオキソラン環の開環重合によって得られるポリオキシアルキレン基等が挙げられる。そして、末端封鎖に使用されるアルコキシ基の代表的なものとしては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
かかるポリオキシアルキレン基の数平均分子量は、ポリイソシアネート組成物の水分散性、当該組成物を含む本発明の水性プライマーの硬化性の点から、130〜10,000なる範囲内であり、好ましくは、150〜6,000なる範囲内であり、最も好ましくは、200〜2,000なる範囲内である。
ビニル系重合体(q−1)、(q−2)及び(q−3−1)のそれぞれに導入される好適なノニオン性基の量は、ポリイソシアネートを容易に水に分散せしめ、且つ、ポリイソシアネート組成物(A)を水に分散して得られる分散液に含有されるイソシアネート基の安定性を損なわない範囲の量である。その量としては、ビニル系重合体(q−1)、(q−2)または(q−3−1)のそれぞれの重量の10〜90重量%であり、より好ましい量は、15〜70重量%であり、最も好ましい量は、20〜60重量%である。
ポリオキシアルキレン基をビニル系重合体(q−1)、(q−2)または(q−3−1)に導入する方法としては、1)末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオキシアルキレン基を含有するビニル系単量体を共重合する方法、2)予め調製した官能基を含有するビニル系重合体と、当該官能基と反応する官能基を有する片末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオキシアルキレン化合物を反応させる方法等が挙げられる。これらのうち前者の1)なる方法が簡便で好ましい。
そして、1)なる方法を実施する際に使用される単量体としては、例えば、前記した如き各種のポリオキシアルキレン基を有する、(メタ)アクリル酸エステル、クロトン酸エステル、イタコン酸エステル、フマル酸エステルの如き不飽和カルボン酸エステル、あるいは前記各種のポリオキシアルキレン基を有するビニルエーテル等が挙げられる。
かかる不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばモノメトキシ化ポリエチレングリコール、モノメトキシ化ポリプロピレングリコールもしくはオキシエチレン単位と、オキシプロピレン単位とを併有するポリエーテルジオールのモノメトキシ化物の如き、ポリエーテルジオールのモノアルコキシ化合物とそれぞれ(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステルフマル酸ハーフエステルの如きカルボキシル基を有するエステルが挙げられる。
またビニルエーテルとしては、モノメトキシ化ポリエチレングリコール、モノメトキシ化ポリプロピレングリコールもしくはオキシエチレン単位と、オキシプロピレン単位とを併有するポリエーテルジオールのモノメトキシ化物の如き、ポリエーテルジオールのモノアルコキシ化合物のビニルエーテル化物が挙げられる。
また、ビニル系重合体(q−1)、(q−2)または(q−3−1)に加水分解性シリル基、ブロックされた活性水素含有基、エポキシ基等の反応性官能基を導入することにより、本発明で使用される水性プライマーの硬化性を高めて、より優れた性能を有する塗膜を得ることができる。
前記した官能基のうち、加水分解性シリル基とは、加水分解により脱離して珪素原子に結合した水酸基を生じさせる基であるアルコキシ基、置換アルコキシ基、フェノキシ基、イミノオキシ基、アルケニルオキシ基、ハロゲン原子の如き加水分解性基が結合したシリル基を指称するものである。かかるシリル基の中で、特に好ましいものは、加水分解性基としてアルコキシ基あるいは置換アルコキシ基が結合したアルコキシシリル基である。
アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリn−プロポキシシリル基、トリn−ブトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、トリス(2−メトキシエトキシ)シリル基等が挙げられる。
ブロックされた活性水素含有基の代表的なものとしては、ブロックされた水酸基、ブロックされたカルボキシル基、ブロックされたアミノ基等が挙げられる。
かかるブロックされた水酸基としては、トリメチルシリルエーテル基、トリエチルシリルエーテル基、ジメチルシクロヘキシルシリルエーテル基、ジメチル−tert−ブチルシリルエーテル基の如きトリオルガノシリル基でブロックされた水酸基;水酸基にメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−メトキシプロペン、ジヒドロフラン、の如きα、β−不飽和エーテル化合物を付加して得られるアセタールあるいはケタールとしてブロックされた水酸基が挙げられる。
またブロックされたカルボキシル基としては、トリメチルシリルエステル基、トリエチルシリルエステル基、ジメチルシクロヘキシルシリルエステル基、ジメチル−tert−ブチルシリルエステル基の如きトリオルガノシリルエステルとしてブロックされたカルボキシル基;カルボキシル基にメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−メトキシプロペン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、の如きα,β−不飽和エーテル化合物を付加して得られるヘミアセタールエステルあるいはヘミケタールエステルとしてブロックされたカルボキシル基が挙げられる。
ブロックされたアミノ基としては、ビス(トリメチルシリル)アミノ基、ビス(トリエチルシリル)アミノ基、ビス(ジメチル−tert−ブチルシリル)アミノ基の如きビス(トリオルガノシリル)アミノ基としてブロックされたアミノ基;アミノ基とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒドの如きアルデヒド化合物を反応させて得られるアルジミンとしてブロックされたアミノ基、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン化合物を反応させて得られるケチミンとしてブロックされたアミノ基;アミノ基をアルジミンあるいはケチミンに変換する際に使用されるものとして上掲した如きアルデヒド化合物あるいはケトン化合物を、2−アミノアルコール化合物と反応させて得られるオキサゾリジンとしてブロックされたアミノ基等が挙げられる。
ブロックされた官能基の中では、トリオルガノシリル基でブロックされた水酸基が特に好ましい。トリオルガノシリル基でブロックされた水酸基は、疎水性を有することから、かかる基をビニル系重合体(q)に導入することにより、ポリイソシアネート組成物(A)にいっそう優れた水への分散性を付与することができるし、本発明の水性プライマーに含有されるイソシアネート基の安定性をいっそう高めることができて、より性能に優れる硬化塗膜を得ることができる。
エポキシ基の代表的なものとしては、グリシジル基、メチルグリシジル基、エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
ビニル系重合体(q−1)、(q−2)または(q−3−1)に、加水分解性シリル基、ブロックされた活性水素含有基、エポキシ基のいずれかの官能基を導入する場合、その導入量としては、ポリイソシアネート組成物(A)の水分散性および本発明の水性プライマーの硬化性の点から、ビニル系重合体(q−1)、(q−2)または(q−3−1)のそれぞれの1000g当たり、0.05〜2.0モルなる範囲であり、0.1〜1.0モルなる範囲が好ましい。
加水分解性シリル基、ブロックされた活性水素含有基、エポキシ基をビニル系重合体(q−1)、(q−2)または(q−3−1)に導入するには、公知慣用の各種の方法を適用できるが、前記官能基を含有するビニル系単量体を共重合せしめることにより導入するのが簡便である。
加水分解性シリル基を有するビニル系単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、3−(メチルジメトキシシリル)プロピルビニルエーテル、
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリiso−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
トリオルガノシリル基でブロックされた水酸基を有するビニル系単量体としては、2−トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−トリメチルシロキシブチル(メタ)アクリレート、2−トリエチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリブチルシロキシプロピル(メタ)アクリレートまたは3−トリフェニルシロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシロキシエチルビニルエーテル、4−トリメチルシロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。
シリルエステル基を有するビニル系単量体としては、トリメチルシリル(メタ)アクリレート、ジメチル−tert−ブチルシリル(メタ)アクリレート、ジメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルクロトネート、アジピン酸のモノビニル−モノトリメチルシリルエステル等が挙げられる。
ヘミアセタールエステル基またはヘミケタールエステル基を有するビニル系単量体としては、1−メトキシエチル(メタ)アクリレート、1−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシプロパンもしくは2−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフラン等が挙げられる。
エポキシ基を含有するビニル系単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
ビニル系重合体(q−2)は、イソシアネート基を有するビニル系単量体の共重合によりイソシアネート基が導入されるが、その導入量は、ビニル系重合体(q−2)が、樹脂(B)中の活性水素含有基あるいは水(B)と反応することが可能であり、且つ、ポリイソシアネート組成物(A)の安定性を損なわない範囲であることが好ましい。その範囲は、ビニル系重合体(q−2)の1000g当たり、0,05〜2.0モルなる範囲であり、より好ましくは0.1〜1.5モルなる範囲であり、最も好ましくは0.2〜1.0モルなる範囲である。
イソシアネート基を含有するビニル系単量体としては、2−イソシアナートプロペン、2−イソシアナートエチルビニルエーテル、2−イソシアナートエチルメタアクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
ビニル系重合体(q−3−1)には、イソシアネート基と反応する活性水素含有基が導入される。そして、かかる活性水素含有基としては、公知慣用の各種のものが挙げられ、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、燐酸基、亜燐酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、メルカプト基、シラノール基、活性メチレン基、カーバメート基、ウレイド基、カルボン酸アミド基、スルホン酸アミド基等が挙げられる。これらの中で好ましいものは、水酸基、アミノ基、カルボキシル基および活性メチレン基であり、とくに好ましいものは水酸基およびカルボキシル基である。これらの活性水素含有基は、単独で導入されてもよいし、2種類以上が導入されてもよい。
前記活性水素含有基を重合体(q−3−1)に活性水素含有基を導入するには、前記したノニオン性基を導入する場合と同様に公知慣用の各種の方法を適用できるが、前記した活性水素含有基を有するビニル系単量体を共重合せしめる方法が簡便である。
ビニル系重合体(q−3−1)を調製する際に使用される活性水素含有基を有する単量体のうち、水酸基を有する単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(2−ヒドロキシメチル)アクリレート、エチル(2−ヒドロキシメチル)アクリレート、ブチル(2−ヒドロキシメチル)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートの如き水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアリルエーテルの如き水酸基を含有するアリル化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテルの如き水酸基を含有するビニルエーテル化合物;N―メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールクロトン酸アミドの如き水酸基を有する不飽和カルボン酸アミド化合物;
リシノール酸等の水酸基含有不飽和脂肪酸類;リシノール酸アルキル等の水酸基含有不飽和脂肪酸エステル類;前記した如き各種の水酸基含有単量体をε−カプロラクトン付加物と付加反応せしめて得られる単量体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
またカルボキシル基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、クロトン酸、ビニル酢酸、アジピン酸モノビニル、セバシン酸モノビニル、イタコン酸モノメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、ヘキサヒドロフタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、ソルビン酸の如き不飽和二重結合を有するモノカルボン酸類;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸の如き不飽和ジカルボン酸等が挙げられる。
活性水素含有基としてアミノ基を有する単量体としては、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−n−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチルクロトネート、N−エチルアミノエチルクロトネート、N−n−ブチルアミノエチルクロトネートの如き、2級アミノ基含有ビニル系単量体が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし2種類以上を用いてもよい。
活性水素含有基として活性メチレン基を有する単量体としては、ビニルアセトセテート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、4−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート、2,3−ジ(アセトアセトキシ)プロピルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし2種類以上を用いてもよい。
重合体(q−3−1)に導入される活性水素含有基の量は、重合体(q−3−1)とポリイソシアネートとの反応が容易であり、重合体(q−3−1)とポリイソシアネートを反応して得られる重合体(q−3)が、活性水素含有基を有する樹脂(B)に含有される当該活性水素含有基あるいは水と反応して架橋に関与することが可能であり、且つ、ポリイソシアネート組成物(A)の安定性を損なわない範囲が好ましい。その導入量は、重合体(q−3−1)の1,000g当たり、0.01〜5.0モルであり、好ましくは、0.05〜3.0モルであり、最も好ましくは0.1〜2.0モルなる範囲である。
またビニル系重合体(q−1)、(q−2)または(q−3−1)に、総炭素原子数が4個以上の疎水性基を導入することが好ましい。これにより、ポリイソシアネート組成物(A)にいっそう優れた水への分散性を付与するとともに、当該組成物を含有する水性プライマーに含まれるイソシアネート基の水に対する安定性をいっそう向上させることができる。その結果、本発明の水性プライマーから得られたトップコートは発泡が少なく優れた外観となる。
前記総炭素原子数が4個以上の疎水性基としては、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基の如き、炭素原子数が4以上のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ジシクロペンタニル基、ボルニル基、イソボルニル基の如き、炭素原子数が4以上のシクロアルキル基;
シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロペンチルエチル基、2−シクロヘキシルエチル基の如きシクロアルキル基が置換したアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基もしくは1−ナフチル基の如き、総炭素原子数が6以上のアリール基もしくは置換アリール基;さらにはベンジル基もしくは2−フェニルエチル基の如き、アラルキル基等が挙げられる。
前記総炭素原子数が4個以上の疎水性基のなかで、本発明に使用する水性プライマー中のイソシアネート基の水に対する安定性の観点から、好ましいものは総炭素原子数が4〜22のものであり、特に好ましいものは総炭素原子数が5〜18のものである。かかる疎水性基の中で、特に好ましいものは、アルキル基、シクロアルキル基もしくはシクロアルキル基が置換したアルキル基である。
総炭素原子数が4個以上の疎水性基の導入量としては、本発明に使用する水性プライマー中のイソシアネート基の安定性の観点から、ビニル系共重合体(q−1)、(q−2)または(q−3−1)それぞれに含有される疎水性基の重量割合が1〜50重量%であることが好ましく、特に好ましくは、5〜30重量%である。
総炭素原子数が4個以上の疎水性基は、こうした基を有するビニル系単量体を共重合せしめることによりビニル系重合体(q−1)、(q−2)または(q−3−1)に導入することができる。前記総炭素原子数が4個以上の疎水性基を有する単量体としては、例えばn−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ドコサニル(メタ)アクリレートの如き、総炭素原子数が4〜22なるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの如き、各種のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;シクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−シクロヘキシルエチル(メタ)アクリレートの如きシクロアルキルアルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレートもしくは2−フェニルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアラルキル(メタ)アクリレート類;
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き、各種の芳香族ビニル系単量体類;ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニルもしくは安息香酸ビニルの如き、総炭素原子数が5以上のカルボン酸のビニルエステル類;クロトン酸−n−ブチル、クロトン酸−2−エチルヘキシルの如き、炭素原子数が4〜22のアルキル基を有する各種のクロトン酸エステル類;
ジ−n−ブチルマレート、ジ−n−ブチルフマレート、ジ−n−ブチルイタコネートの如き、炭素原子数が4〜22のアルキル基を少なくとも1つ有する各種の不飽和二塩基酸ジエステル類;n−ブチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテルの如き、炭素原子数が4〜22のアルキル基を有する各種のアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルビニルエーテルの如き、各種のシクロアルキルビニルエーテル類等が挙げられる。
また、総炭素原子数が4個以上の疎水性基に加えて、これらと共重合可能な公知慣用の単量体を併用することができる。その代表的なものとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレートの如き、炭素原子数が3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレートもしくは4−メトキシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種のω−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルの如き、総炭素原子数が4以下のカルボン酸のビニルエステル類;クロトン酸メチルもしくはクロトン酸エチルの如き、炭素原子数が3以下のアルキル基を有する各種のクロトン酸エステル類;
ジメチルマレート、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネートの如き、炭素数が3以下のアルキル基を有する各種の不飽和二塩基酸ジエステル類;(メタ)アクリロニトリル、クロトノニトリルの如き、各種のシアノ基含有ビニル系単量体類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチエレン、ヘキサフルオロプロピレンの如き、各種のフルオロオレフィン類;
塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、各種のクロル化オレフィン類;エチレンもしくはプロピレンの如き、各種のα−オレフィン類;エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテルの如き、炭素数が3以下のアルキル基を有する各種のアルキルビニルエーテル類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジンもしくはN−ビニルピロリドンの如き、3級アミド基含有ビニル系単量体類等が挙げられる。
上述のビニル系重合体(q−1)、(q−2)または(q−3−1)を調製する場合、公知慣用の種々の重合法を適用できる。それらのうちでも、特に、有機溶剤中での溶液ラジカル重合法が、簡便であり好ましい。
溶液ラジカル重合法を適用する際に、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、公知慣用の種々の化合物が使用できる。代表的なものとしては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルブチロニトリル)もしくは2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の如き、各種のアゾ化合物類;tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドもしくはジイソプロピルパーオキシカーボネートの如き、各種の過酸化物類、等が挙げられる。
溶液ラジカル重合法に使用する有機溶剤としては、イソシアネート基に対して不活性な化合物であれば、いずれをも使用することが出来る。例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタンの如き、脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き、芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートの如き、各種のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノンの如き、各種ケトン類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルの如き、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンの如き、エーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはエチレンカーボネート等が挙げられる。そして、かかる化合物はそれぞれを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤は、本発明に使用するポリイソシアネート組成物の安定性等に悪影響を及ぼすので、可能な限り含水率の低いものを使用することが好ましい。また、含水率が比較的高いものを使用した場合には、重合終了後に溶剤の一部分を留去する共沸脱水法等により脱水を行って含水率を下げることができる。
水分散性ポリイソシアネート組成物(A)の水への分散性と水性プライマーに含まれるイソシアネート基の水に対する安定性を維持して外観と性能に優れる硬化塗膜を得る観点から、前記ビニル系重合体(q−1)、(q−2)、(q−3−1)のそれぞれの重量平均分子量は3,000〜100,000であることが好ましく、さらに5,000〜40,000であることが好ましい。
上述のようにして調製される重合体(q−1)または(q−2)をポリイソシアネート(p)と混合することにより、水分散性ポリイソシアネート組成物(A)を調製することができる。重合体(q−1)または(q−2)とポリイソシアネート(p)との混合比率は、本発明の水性プライマーから得られる硬化塗膜の外観と塗膜性能の観点から、重量比率で(p)/[(q−1)または(q−2)]=30/70〜85/15であることが好ましく、(p)/[(q−1)または(q−2)]=50/50〜80/20であることが特に好ましい。
ポリイソシアネート(p)とビニル系重合体(q−1)または(q−2)とを混合してポリイソシアネート組成物(A)を調製する場合、概ね、20〜150℃、好ましくは20〜100℃、なる範囲の温度で混合することが好ましい。
前記ビニル系重合体(q−3−1)とポリイソシアネート(r)を、ビニル系重合体(q−3−1)に含有される活性水素含有基の当量数に対してポリイソシアネート(r)に含有されるイソシアネート基の当量数が、過剰になるように反応させることにより、ビニル系重合体(q)の一つであるイソシアネート基を含有するビニル系重合体(q−3)を調製することができる。イソシアネート基の活性水素含有基に対する当量比が1より大きくなるような比率で重合体(q−3−1)とポリイソシアネート(r)を反応させることにより、ポリイソシアネート(r)とビニル系重合体(q−3)との混合物である水分散性ポリイソシアネート組成物(A)を得ることができる。この場合、必要に応じて、さらにポリイソシアネート(r)を添加することにより、ポリイソシアネートの含有率がより高いポリイソシアネート組成物(A)を得ることができる。
水分散性ポリイソシアネート組成物(A)を調製する際に使用されるポリイソシアネート(r)としては、前記のポリイソシアネート(p)を用いることができる。
ビニル系重合体(q−3−1)とポリイソシアネート(r)とは、硬化塗膜の外観と性能の観点から、ポリイソシアネート(r)に含有されるイソシアネート基の当量数/ビニル系重合体(q−3−1)に含有される活性水素含有基の当量数が2〜300、好ましくは5〜250、さらに好ましくは10〜100なる範囲内である。
また、重合体(q−3−1)とポリイソシアネート(r)から調製されるポリイソシアネート組成物(A)における、ポリイソシアネート(r)と重合体(q−3)の好適な比率は、硬化塗膜の外観と塗膜性能の観点から、重量比率で(r)/(q−3)=30/70〜85/15であり、好ましくは、(r)/(q−3)=50/50〜80/20である。
ポリイソシアネート(r)と重合体(q−3−1)とを反応させるには、1)両成分を一括仕込みして反応させる方法、2)ポリイソシアネート(r)に重合体(q−3−1)の溶液を添加しながら、反応させる方法、3)重合体(q−3−1)の溶液にポリイソシアネート(r)を添加しながら反応させる方法等を適用できる。
そして、これらのうち、ゲル物の生成を抑制する観点から、1)または2)なる方法が好ましい。
かかる両成分を反応させるに当たり、両成分の混合物を、不活性ガス雰囲気下に、10℃から50℃未満程度の比較的低い温度に長時間放置したり、長時間攪拌してもよいが、50〜130℃程度の温度で0.5〜20時間程度加熱・攪拌せしめるのが好ましい。また、かかる反応を行うに当たって、イソシアネート基と活性水素含有基の反応を促進する公知慣用の触媒を添加してもよい。
また、重合体(q−3−1)を調製する際に、溶剤の一部あるいは溶剤の全量に代えてポリイソシアネート(r)を使用して、重合体(q−3−1)の調製と、重合体(q−3−1)とポリソシアネート(r)の反応を並行して進行せしめることにより、本発明で使用されるポリイソシアネート組成物(A)の一つを調製することもできる。
本発明の水性プライマーは、前記水分散性ポリイソシアネート組成物(A)と活性水素含有基を有する樹脂(B)と水とを含むものである。
かかる樹脂(B)は、イソシアネート基と反応し得る活性水素含有基を有するものであれば良く、その形態、種類等は制限されない。かかる活性水素含有基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、燐酸基、亜燐酸基、アミノ基、カルボン酸アミド基、スルホン酸アミド基、カーバメート基、ウレイド基、アセトアセチル基の如き活性メチレン基を含有する基等が挙げられる。そして、これらのうち好ましいものは水酸基、カルボキシル基、活性メチレン基であり、特に好ましいものは、水酸基とカルボキシル基である。
また、樹脂(B)は、水と混合されることにより、水溶性タイプ、コロイダルディスパージョンやエマルジョンの如き水分散性タイプ等の形態となる。
そして、かかる樹脂(B)としては、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−アクリロニトリル系樹脂、アクリル系樹脂、フルオロオレフィン系樹脂、シリコン変性ビニル系重合体、ポリビニルアルコールの如きビニル系重合体;ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコン系樹脂等のビニル系重合体以外の合成樹脂類;動物性たんぱく質、でんぷん、セルロース誘導体、デキストリン、アラビアゴム等の天然高分子が挙げられる。そして、これらのなかで好ましいものは、ビニル系重合体およびビニル系重合体以外の各種の合成樹脂である。
前記樹脂(B)に含まれる活性水素含有基の量は、本発明の水性プライマーの硬化性および硬化塗膜の性能の点から、樹脂の固形分1000g当たり、0.1〜6モル、好ましくは0.2〜4モル、最も好ましくは、0.4〜3モルである。また、これらの樹脂は、単独使用であってもよいし、2種類以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート組成物(A)と活性水素含有基を有する樹脂(B)とから水性プライマーを調製する場合の好適な両者の混合比率は、当該水性プライマーの硬化性ならびに得られる硬化塗膜の性能の点から、(1)ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基の当量数と、(2)樹脂(B)に含有される活性水素含有基とビニル系重合体(q)に含有されるブロックされた活性水素含有基の合計当量数、との比率(1)/(2)が0.1〜5であり、好ましくは0.3〜3であり、最も好ましくは、0.5〜2である。
また、本発明に使用する水性プライマーは、水分散性ポリイソシアネート組成物(A)と水とを混合せしめることにより調製することもできる。この場合、かかる水性プライマーを得るには、当該塗料から得られる硬化塗膜の外観および性能の点から、当該ポリイソシアネート組成物(A)の100重量部に対して、10〜1,000重量部の水、好ましくは50〜500重量部の水を添加して、両者を混合せしめればよい。
本発明に使用する水性プライマーは、顔料を含まないクリヤー塗料として使用することができるし、有機系あるいは無機系の公知慣用の各種の顔料を配合して着色塗料として使用することもできる。
また、かかる水性プライマーには、必要に応じて、各種用途に適した添加剤、例えば、充填剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、有機溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤または顔料分散剤のような、公知慣用の各種の添加剤類などをも配合して、使用することが出来る。
顔料としては、例えばカーボン・ブラック、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、キナクリドン・レッドの如き、有機系顔料;酸化チタン、酸化鉄、チタンイエロー、銅クロムブラックの如き、体質顔料;さらには、アルミニウムフレーク、パールマイカの如き、無機系のフレーク状の顔料等が挙げられる。
前記着色塗料を調製する場合、ポリイソシアネート組成物(A)の固形分の100重量部に対して、または、ポリイソシアネート組成物(A)の固形分と樹脂(B)の固形分の合計量の100重量部に対して、顔料が0.1〜300重量部、好ましくは、0.2〜200重量部となるような比率で顔料を配合すればよい。
また前記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系、ヒドロキシベンゾフェノン系等の公知慣用の各種の化合物を挙げることができる。
また酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、燐系化合物等の公知慣用の化合物を使用することができる。酸化防止剤の添加量は、ポリイソシアネート組成物(A)の固形分の100重量部に対して、または、ポリイソシアネート組成物(A)の固形分と樹脂(B)の固形分の合計量の100重量部に対して、紫外線吸収剤および/または酸化防止剤を0.2〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部となるような比率で顔料を配合すればよい。
本発明は、改修すべき土木建築物防水構造体に、かくして得られる水性プライマーを塗布してから、塗膜防水剤を塗布するものである。既存の土木建築物防水構造体は、少なくとも基体とその上に設けられた防水材層との2層からなるものである。かかる既存防水材層の上に前記水性プライマーを塗装してプライマー層を形成したのちに、さらに塗膜防水材を塗布することにより、リフティング防止性かつ低臭化に優れる土木建築物防水構造体を得ることができる。
こうして得られる土木建築物防水構造体の用途の具体的なものとしては、壁、屋根、ベランダ、バルコニー、ひさし、屋上、床、浴室、厨房、建築物の駐車場、建築物の地下等の建築物の構造体;道路、地下鉄、地下街、共同溝、高架橋、ずい道等の土木構造体等が挙げられる。
土木建築物防水構造体の基体としては、公知慣用の各種の無機質基材、カルシウム化合物から製造される硬化体、木材類;鉄、アルミニウムの如き各種の金属板類等が挙げられる。無機質基材としては、珪酸カルシウム、アルミン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウムの如きカルシウム化合物から製造される硬化体;アルミナ、シリカ、ジルコニアの如き金属酸化物を焼結して得られるセラミック;各種の粘度鉱物を焼結して得られるタイル類;各種のガラス類等が挙げられる。そして、カルシウム化合物から製造される硬化体としては、コンクリートやモルタルの如きセメント組成物の硬化物、スレート、軽量気泡コンクリート(ALC)硬化体、ドロマイトプラスター硬化体、石膏プラスター硬化体、珪酸カルシウム板等が挙げられる。
塗膜防水材としては、例えばアスファルト防水材;加硫ゴム系シート、非加硫ブチルゴム系ルーフィング、塩化ビニル樹脂系ルーフィング、ゴム化アスファルト系シートの如き各種の合成高分子ルーフィング防水材;ウレタン系塗膜防水材、クロロプレン系塗膜防水材、アクリル系塗膜防水材の如き各種の塗膜防水材等が挙げられる。
塗膜防水材を塗布する場合、塗布して得られる塗膜防水材層の補強を目的として補強布等を用いることができる。
補強布としては、公知慣用の各種のものが使用されるが、例えばガラス繊維、アミド繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維またはフェノール繊維の如き各種の有機繊維類;カーボン繊維、金属繊維、セラミック繊維の如き各種の無機繊維類が挙げられる。これらは、単独で使用しても、組み合わせて使用してもよい。繊維の形態としては、平織り、朱子織り、不織布、マット状などが挙げられる。
また基体と既存防水材層との層間には、防水材層と基体とを密着させる目的で、基体面に、液状のプライマーを用いることができる。プライマーとしては、公知慣用の各種のものが使用されるが、代表的なものとしては、1液湿気硬化型ウレタンプライマー、2液ビスフェノールA型エポキシ/ポリアミン系プライマー、不飽和ポリエステル系プラーマ−、ビニルエステル系プライマー、アクリル系プライマー、ゴム系プライマ−等が挙げられる。
さらに、基体と既存防水材層との層間に、基体にクラックが発生した場合の追従性の向上とフクレ発生防止を目的として、通気緩衝シートを設けることもできる。通気緩衝シートとしては、公知慣用の各種のものが使用されるが、例えばポリマー改質アスファルトシートの如きアスファルトシート類;エチレンプロピレンゴムシート、クロロスルホン化ポリエチレンシート、塩化ビニル樹脂シート、塩素化ポリエチレンシート、ブチルゴムシートの如きゴムシート類;合成樹脂発泡体シート類;合成不織布シート類等が挙げられる。
本発明の土木建築物防水構造体の改修工法は、水性プライマーを前記の改修すべき既存の防水材層上に塗装し、次いで、乾燥せしめることによってプライマー層を形成させ、さらに塗膜防水材を塗布するものである。この場合、必要に応じてさらに上塗り剤を塗布し、硬化せしめることもできる。
次に参考例、実施例および比較例により本発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお文中の部、および%は、特に断りのない限り全て重量基準である。
まず、実施例および比較例により、水分散性ポリイソシアネート組成物について説明するが、はじめに、実施例および比較例にて使用するポリイソシアネートを説明する。
ポリイソシアネート(p−1)
ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略称する)系イソシアヌレート型ポリイソシアネートである「バーノックDN−980S」〔大日本インキ化学工業(株)製のイソシアネート基含有率(以下NCO基含有率と略称する) 21重量%、不揮発分 100%〕
ポリイソシアネート(p−2)
HDIとトリオールとの付加物タイプのポリイソシアネートである「バーノックDN−950」(大日本インキ化学工業(株)製、酢酸エチル溶液)から溶剤を除去したもの。NCO基含有率 17重量%、不揮発分 100%。
参考例1〔ポリイソシアネート組成物(A)の調製〕
攪拌機、温度計、冷却管、窒素導入管を装備した、4つ口のフラスコにジエチレングリコールジエチルエーテル(以下、EDEと略称する) 429部を仕込み、窒素気流下に110℃に昇温した後、ポリオキシエチレン基の数平均分子量が400なるメトキシポリエチレングリコールのメタアクリレート(以下、MPEGMAと略称する) 400部、シクロヘキシルメタクリレート(以下、CHMAと略称する) 200部、メチルメタクリレート(以下、MMAと略称する) 400部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以下、TBPEHと略称する) 45部、t−ブチルパーオキシベンゾエート 5部からなる混合液を5時間かけて滴下した。滴下後、110℃にて9時間反応せしめ、不揮発分が70%、重量平均分子量が18,000なるアクリル系重合体の溶液を得た。以下、これをアクリル系重合体(q−1)と略称する。
次いで、アクリル系重合体の調製に使用したものと同様の反応器に、ポリイソシアネート(p−1) 200部とビニル系重合体(q−1) 100部を仕込み、窒素気流下に50℃に昇温した後、同温度で1時間攪拌混合し、不揮発分が90%、NCO基含有率が14.0重量%なる水分散性ポリイソシアネート組成物を得た。以下、これをポリイソシアネート組成物(A−1)と略称する。
参考例2〔ポリイソシアネート組成物(A)の調製〕
MPEGMAの400部、CHMAの200部およびMMAの400部に代えて、ビニル系単量体として、MPEGMA 500部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAと略称する) 50部、CHMA 150部、MMA 300部を使用する以外は、参考例1と同様に重合を行って、不揮発分が70%、重量平均分子量が17,000なるアクリル系重合体の溶液を得た。以下、これをビニル系重合体(q−2)と略称する。
次いで、アクリル系重合体の調製に使用したものと同様の反応器に、ポリイソシアネート(p−1) 200部とビニル系重合体(q−2) 100部を仕込み、窒素気流下に90℃に昇温した後、同温度で6時間攪拌下に反応を行って、不揮発分が90%、NCO基含有率が13.0重量%なる水分散性ポリイソシアネート組成物を得た。以下、これをポリイソシアネート組成物(A−2)と略称する。
参考例3〔ポリイソシアネート組成物(A)の調製〕
参考例1のアクリル系重合体調製に使用したものと同様の反応器に、ポリイソシアネート(p−2) 200部とビニル系重合体(q−2) 100部を仕込み、窒素気流下に90℃に昇温した後、同温度で6時間攪拌下に反応を行って、不揮発分が90%、NCO基含有率が13.0重量%なる水分散性ポリイソシアネート組成物を得た。以下、これをポリイソシアネート組成物(A−3)と略称する。
参考例4〔ポリイソシアネート組成物(A)の調製〕
参考例1と同様の反応器に、EDE 34部、数平均分子量が560なるメトキシポリエチレングリコール 36部、ポリイソシアネート(p−1) 100部を仕込み、30分かけて90℃に昇温した後、90℃にて6時間反応させて、不揮発分が80%、NCO基含有率が11.0重量%なるメトキシポリエチレングリコールで変性されたポリイソシアネートを得た。以下、これをポリイソシアネート組成物(A−4)と略称する。
参考例5〔樹脂(B)の調製〕
参考例1と同様の反応器に「ハイテノールN−08」〔第一工業製薬(株)製のアニオン性乳化剤〕 5部、「エマルゲン931」〔花王(株)製のノニオン性乳化剤〕 5部、脱イオン水 270部を仕込み、窒素気流下に80℃に昇温した後、過硫酸アンモニウム 0.8部を脱イオン水 16部に溶解した水溶液を投入する。さらに、n−ブチルアクリレート(以下、BAと略称する) 80部、MMA 99部、アクリル酸 4部、HEMA 17部からなる混合液を、3時間かけて滴下した。滴下後、2時間反応せしめた後、25℃まで冷却し、28%アンモニア水 1.5部で中和せしめ、水 500部とEDE 30部を混合して、不揮発分 20%、固形分水酸基価 35mgKOH/gなる水酸基含有アクリル樹脂エマルジョンを得た。以下この樹脂を水性樹脂(B−1)と略称する。
参考例6〔樹脂(B)の調製〕
BAの80部、MMA 99部、アクリル酸 4部、HEMA 17部に代えて、BAの100部、MMAの96部及びアクリル酸 4部を使用する以外は、参考例10と同様に重合を行って、不揮発分 40%なるアクリル樹脂エマルジョンを得た。以下、これを水性樹脂(B−2)と略称する。
参考例7〔上塗り剤T−1の調製〕
アクリディック48−261(大日本インキ化学工業(株)製、アクリル樹脂溶液、不揮発分濃度60%、水酸基価36mgKOH/mg)100部、タイペークCR−93(石原産業(株)、酸化チタン)41部、酢酸ブチル17.7部を3本ロールで混練し、白色塗料ベースを得た。この白色塗料ベース158.7部にバーノックDN−950 21.6部を加えたものを上塗り剤T−1とした。
防水材層を備えた基体(BA−1)の作成
フレキシブル板上に、プライマーとしてプライアデックT−44〔大日本インキ化学工業株(株)製の湿気硬化型ウレタンプライマー〕を刷毛で0.2kg/m2の塗布量にて塗布した後、温度20℃、湿度60%RHの雰囲気下で1日間硬化せしめたてプライマー層を成形させた。次いで、プライマー層の上に、ディックウレタンN〔大日本インキ化学工業株(株)製の防水材用2液型ウレタン樹脂〕の主剤および硬化剤を主剤/硬化剤の重量比が1/2となるように配合したもの(以下、WP−1と略称する)を、金コテを用いて、2.0kg/m2の塗布量となるように塗布した後、温度20℃、湿度60%RHの雰囲気下で1日間硬化せしめた。さらに上塗り剤T−1を0.3kg/mの塗布量で塗布した後、温度20℃、湿度60%RHの雰囲気下で1日間硬化せしめ、サンシャインウエザォメーターで5000時間曝露し、ポリウレタン系防水材層を備えた基体(BA−1)を得た。
防水材層を備えた基体(BA−2)の作成
フレキシブル板上に、プライマーとしてボンコート2310〔大日本インキ化学工業株(株)製の酢酸ビニル系樹脂エマルジョン〕を水で二倍に希釈後、ロール刷毛で0.2kg/m2の塗布量にて塗布し、温度20℃、湿度60%RHの雰囲気下で6時間乾燥せしめたてプライマー層を成形させた。次いで、プライマー層の上に、ボンコート3660H〔大日本インキ化学工業株(株)製のアクリル−スチレン系樹脂エマルジョン〕117部、トリポリリン酸ソーダ1.5g、デモールEP1.5部、エチレングリコール3部、SNディフォーマー154(サンノプコ(株)製の消泡剤)を1.5部、ノイゲンEA−120(第一工業製薬(株)製の湿潤剤)を1.5部、セルトップHP−103(興人(株)性の流動性調整剤)を1.5部、NS−200(日東粉化(株)製の炭酸カルシウム)を72部、SS−30(日東粉化(株)製の炭酸カルシウム)を64部、寒水#70(日東粉化(株)製の充填材)を6部、タイペークR−550(石原産業(株)製の酸化チタン)を2部、ハイメトローズ90SH−15000(信越化学(株)製の増粘剤)を0.3部、28%アンモニア水1部をディスパーで分散して得られる防水材(以下、WP−2と略称する)を、金コテを用いて、2.0kg/m2の塗布量となるように塗布した後、温度20℃、湿度60%RHの雰囲気下で10日間乾燥、さらにサンシャインウエザォメーターで5000時間曝露し、せしめてアクリルゴム系防水材層を備えた基体(BA−2)を得た。
実施例1
ポリイソシアネート組成物(A−1) 10部と水性樹脂(B−1) 50部を混合して、層間プライマー(V−1)を調製した。
かくして得られた層間プライマー(V−1)を調製直後に、予め下記のようにして作成した防水材層を備えた基体(BA−1)の当該防水材層の上に、ローラー刷毛を用いて塗布量が0.2kg/m2となるように塗装せしめた。ついで、温度20℃、湿度60%RHの雰囲気下で6時間乾燥後、ディックウレタンNを2kg/mで塗装し、10日間硬化せしめた。得られた硬化塗膜について、接着強度、基体防水材のリフティング(膨潤)、プライマー塗布時の臭気、耐水性を評価した。評価結果を第1表に示した。
実施例2〜7
ポリイソシアネート組成物(A−1)〜(A−4)と水性樹脂(B−1)〜(B−2)及び水を第1表に記載した比率で混合して、層間プライマー(V−2)〜(V−7)を調製した。次いで、層間プライマー(V−1)に代えて、調製直後の層間プライマーそれぞれを使用する以外は実施例1と同様に塗装、養生を行って硬化塗膜を得た。かくして得られた硬化塗膜について接着強度、基体防水材のリフティング(膨潤)、プライマー塗布時の臭気、耐水性を評価した。評価結果を第1表に示した。
比較例1
層間プライマーとしてプライアデックT−44を用いる以外は実施例1と同様に塗装・養生を行い、硬化塗膜を得た。かくして得られた硬化塗膜について接着強度、基体防水材のリフティング(膨潤)、プライマー塗布時の臭気、耐水性を評価した。評価結果を第1表に示した。
比較例2
層間プライマーとしてプライアデックT−44を用いる以外は実施例4と同様に塗装・養生を行い、硬化塗膜を得た。かくして得られた硬化塗膜について接着強度、基体防水材のリフティング(膨潤)、プライマー塗布時の臭気、耐水性を評価した。評価結果を第1表に示した。
比較例3
ポリイソシアネート組成物(p−1) 10部と水性樹脂(B−2)30部混合して調製した比較用層間プライマーを層間プライマー(V−1)に代えて、調製直後のこの塗料を使用する以外は実施例1と同様に塗装、乾燥を行って硬化塗膜を得た。かくして得られた硬化塗膜について塗膜外観と耐水性を評価した。評価結果を第1表に示した。
比較例4
層間プライマーを塗装しない以外は実施例1と同様に塗装、乾燥を行って硬化塗膜を得た。かくして得られた硬化塗膜について塗膜外観と耐水性を評価した。評価結果を第1表に示した。
Figure 2007303197































Figure 2007303197
Figure 2007303197
《第1表の脚注》
原料類の使用割合を示す各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
「接着強度」:
温度20℃、湿度60%RHで10日間乾燥させた硬化塗膜に、カッターナイフを用いて1インチ幅で切込みを入れ、90℃ピーリング剥離を行い、その抵抗をもって接着強度を評価した。
「臭気」:
層間プライマー塗装作業時の臭気を官能試験で評価した。全く臭わないレベルを◎、かすかに臭うレベルを○、はっきりとした臭気するレベルを×とした。
「リフティング」:
層間プライマー塗装時点から防水材塗装作業までの間に、基体表面が波打つなどの異常を呈するものを×、全く変化が認められないものを◎とした。
「耐水性」:
50℃に加温した脱イオン水に24時間浸漬した後、温度20℃、湿度60%RHで2日間乾燥させた硬化塗膜に、カッターナイフを用いて1インチ幅で切込みを入れ、90°ピーリング剥離を行い、その剥離抵抗をもって耐水性を評価した。
保持率[%]=(耐水性試験後の剥離抵抗/接着強度)×100

Claims (4)

  1. 土木建築物防水構造体を改修するに際し、水分散性ポリイソシアネート組成物(A)と活性水素含有基を有する樹脂(B)と水とを含む水性プライマーを塗布し、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする土木建築物防水構造体の改修工法。
  2. 土木建築物防水構造体を改修するに際し、水分散性ポリイソシアネート組成物(A)と水とを含む水性プライマーを塗布し、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする土木建築物防水構造体の改修工法。
  3. 前記水分散性ポリイソシアネート組成物(A)が、系中にノニオン性基を有する水分散性ポリイソシアネート組成物である請求項1又は2記載の土木建築物防水構造体の改修工法。
  4. 前記ノニオン性基を有する水分散性ポリイソシアネート組成物が、ノニオン性基を有するビニル系重合体を含む請求項3に記載の土木建築物防水構造体の改修工法。
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