[go: up one dir, main page]

JP2007228882A - 機能性素材の光安定性の向上方法 - Google Patents

機能性素材の光安定性の向上方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007228882A
JP2007228882A JP2006054499A JP2006054499A JP2007228882A JP 2007228882 A JP2007228882 A JP 2007228882A JP 2006054499 A JP2006054499 A JP 2006054499A JP 2006054499 A JP2006054499 A JP 2006054499A JP 2007228882 A JP2007228882 A JP 2007228882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
food
thickening polysaccharide
jelly
drink
functional material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006054499A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Matsubayashi
秀貴 松林
Hayashi Yabuki
林 矢吹
満広 ▲ゼイ▼田
Mitsuhiro Zeita
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
Priority to JP2006054499A priority Critical patent/JP2007228882A/ja
Publication of JP2007228882A publication Critical patent/JP2007228882A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

【課題】機能性素材の光安定性を向上させる方法、及び該方法で光安定性を向上させた機能性素材を含む、飲食品の提供を目的とする。
【解決手段】光安定性の低い機能性素材を、増粘多糖類ゼリー中に含有させることを特徴とし、さらに所望により前記増粘多糖類ゼリーが着色されている、前記機能性素材の光安定性を向上する方法を提供する。また、機能性素材を含有する増粘多糖類ゼリーを含む飲食品及びその製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、機能性素材の光安定性を向上させる方法に関する。より詳しくは、本発明は、光安定性の低い機能性素材を、増粘多糖類ゼリー中に含有させることにより、機能性素材の光安定性を向上させる方法並びにそのような方法で光安定性を向上させた機能性素材を含む飲食品及びその製造方法に関する。
近年の健康志向の高まりにより、多様な機能性素材を簡便に摂取することを可能にする食品への需要が高まっている。機能性素材は、特有の呈味を有するものや、反応性が高いものが多く、その食品への配合には様々な工夫がなされている。例えば特許文献1は、栄養成分をゼリーに含有させることで、香味の優れない栄養成分を添加しても、風味の良好な飲料が得られることについて記載する。
このような機能性素材のうち、特に光に対する安定性の低いものを配合した飲食品は、遮光した容器に充填して販売するほかなく、市場での伸張が著しいPETボトルなどの透明容器に充填しての販売は困難であった。
特許第3420445号
このような状況下、光安定性の低い機能性素材の光安定性を向上する方法が望まれていた。また、該機能性素材を簡便に摂取することを可能にする飲食品として、特に、透明容器に充填した際にも視覚的な特徴を有して購買欲を増進する、透明性の高い飲食品の提供が望まれていた。
上記の課題を解決すべく研究を重ねた結果、本発明者らは、驚くべきことに、光安定性の低い機能性素材を、増粘多糖類ゼリー中に含有させることで、該機能性素材の光安定性が向上することを見出した。機能性素材の光安定性を向上させることで、このような、光安定性の低い機能性素材を含有する飲食品を、ペットボトルやビン容器のような透明容器に充填して提供することが可能になる。そして、また該増粘多糖類ゼリーを着色することで、さらに該機能性素材の光安定性が向上することを見出した。該増粘多糖類ゼリーを滴下型増粘多糖類ゼリーとして透明性の高い飲食品用組成物中に含ませることで、特に、視覚的な特徴及び食感的な特徴を有し、購買欲を増進する、透明性の高い飲食品の提供が可能になる。
すなわち、本発明は、光安定性の低い機能性素材、好ましくは光安定性の低い脂溶性機能性素材、より好ましくはCoQ10を、増粘多糖類ゼリー、好ましくは増粘多糖類を含む溶液と1価又は2価カチオンを含む溶液とを接触させて得られる増粘多糖類ゼリー、より好ましくは増粘多糖類を含む溶液を2価カチオンを含む溶液に滴下して得られる滴下型増粘多糖類ゼリーに含有させることを特徴とする、前記機能性素材の光安定性、より好ましくは蛍光に対する光安定性を向上する方法に関する。
本明細書中において、機能性素材とは、以下の3つの機能:[1]栄養素としての働き(第一次機能);[2]人間の五感に訴える働き(第二次機能):及び、[3]人間の健康、身体能力、心理状態に好ましい影響を与える働き(第三次機能)(例えば、消化器系、循環器系、内分泌系、免疫系、神経系などの生理系統を調節して、健康の維持や健康の回復に好ましい効果を及ぼす働き);があることが知られている素材であって、[3]の働き(第三次機能)が科学的に明らかにされ、これらの生体調節機能を十分に発現できるよう設計・加工された素材をいう。本明細書中における機能性素材としては、例えばCoQ10、α-リポ酸、セサミン、各種ビタミン(ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K等)、食物繊維等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、上記の機能性素材のうち光安定性が低いものの光安定性を向上させることを目的とする。本明細書中において、光安定性が低いとは、光(例えば日光、可視光、紫外線等)を照射したときに、照射しない場合と比較して、構造等が変化し、機能性素材としての上記の所望の機能を発揮しなくなることをいう。上記の機能性素材は、好ましくは、例えばCoQ10、αリポ酸、ビタミンK、βカロチンのような、光安定性の低い脂溶性機能性素材であり、より好ましくはCoQ10である。
CoQ10(コエンザイムQ10、ユビキノンともいう。)は、水に不溶で脂溶性であり、動物組織では細胞内のミトコンドリア中に存在する。体内でのATP生成に重要であり、またその抗酸化作用により、近年多くのサプリメントや化粧品に配合されている。しかしながら、その光安定性は非常に低く、例えば5時間の紫外線照射(照射照度:600W/m2、照射温度:20℃)で残存率が0%になるというデータも得られていた。従って、これまで、CoQ10を配合し、かつラベル等で遮光されていない食品は存在しなかった。
本明細書中において、機能性素材の光安定性を向上するとは、本発明の方法を用いない場合と比較して、同じ条件(波長、光量、照射時間等)の光を照射した場合に、機能性素材の安定性が高まることをいう。光に対する安定性(光安定性)は、当業者に公知の手法を用いて測定することができ、例えば、後述の実施例3に記載した方法に準じて測定することができる。本発明が、機能性素材を含有する透明性の高い飲食品であって、蛍光灯下で販売することを意図する飲食品にも関するという観点からは、好ましくは、本発明は、機能性素材の蛍光に対する光安定性を向上する方法に関する。
本明細書中において、増粘多糖類ゼリーとは、一般に水分を多量に含み、主に増粘多糖類による系全体にわたる支持構造で形状を保ち、食品用組成物と混合した際、溶解等により変形、変質しないものを指す。上記の機能性素材を含有させることができ、かつ飲食用に適するものであれば、その材質は問わない。機能性素材を簡便に含有させることができ、機能性素材との反応性が一般に低くその所望の機能に影響せず、また、色や固さ等を変化させることが容易な増粘多糖類ゼリーが好ましい。
増粘多糖類ゼリーの製造に用いる増粘多糖類の種類は、一般に食品の分野で増粘安定剤として用いられている既存添加物、一般飲食物添加物又は指定添加物の中から、所望の食感を基準に選択することができ、例えば、アルギン酸Na、カラギーナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、ペクチン、ローカストビーンガム等から選択することができる。含有させる機能性素材の光安定性及び/又は増粘多糖類ゼリーの食感を変化させるために、そのような増粘多糖類の2以上を組み合わせて用いることもできる。例えば、2価カチオンと架橋する増粘多糖類とキサンタンガムとを組み合わせて用いることができる。増粘多糖類からの増粘多糖類ゼリーの製造は、各増粘多糖類について当業者に公知の手法を用いて行うことができる。
本発明は、前記増粘多糖類ゼリーが、2価カチオンで架橋する増粘多糖類、好ましくは、アルギン酸Na、カラギーナン、ジェランガム及びペクチンからなる群から選択される1以上、より好ましくはアルギン酸Naを用いて得られる、前記の方法を提供する。2価カチオンで架橋する増粘多糖類を用いることで、特有の食感を有する増粘多糖類ゼリーを得ることができる。
本発明は、さらに、前記増粘多糖類ゼリーが着色されている、前記の方法を提供する。
増粘多糖類ゼリーの着色は、当業者に公知の手法を用いて行うことができ、例えば、食用色素を用いて行うことができる。色素は食用であれば制限されず、既存添加物リストや一般飲食物添加物リストに収載のものから選択することができ、例えば、カロチン色素(デュナリエラカロテン、ニンジンカロテン、パーム油カロテン等)、マリーゴールド色素、クチナシ青色素、カラメル色素(カラメルI、II、III、IV)等を用いることができる。機能性素材との反応性が低い色素及び/又は光安定性の高い色素を用いることが好ましいであろう。増粘多糖類ゼリーを着色することにより、該増粘多糖類ゼリーが含有する機能性素材の光安定性がさらに向上し、かつ、下記に詳述するように、視覚的に特徴がある飲食品の提供にも適する。
本発明は、さらに、前記の方法によって光安定性が向上した前記機能性素材を含有する前記増粘多糖類ゼリーを提供する。
本発明はまた、以下の工程(a)及び(b):(a) 機能性素材及び増粘多糖類を含む水溶液を得る工程;及び、(b) 工程(a)で得た水溶液と、2価カチオンを含む水溶液とを接触させる工程;を含む、光安定性が向上した機能性素材を含有する増粘多糖類ゼリーの製造方法を提供する。
本発明はまた、以下の工程(a')〜(c'):(a') 機能性素材及び増粘多糖類を含む水溶液を得る工程;(b') 工程(a')で得た水溶液と、2価カチオンを含む水溶液とを接触させて、機能性素材含有増粘多糖類ゼリーを得る工程;及び、(c') 工程(b')で得た増粘多糖類ゼリーを、飲食品用組成物に混合する工程;を含む、光安定性が向上した機能性素材を含有する飲食品の製造方法を提供する。
本発明はさらに、以下の工程(a'')〜(c''):(a'') 機能性素材及び増粘多糖類を含む水溶液を得る工程;(b'') 工程(a'')で得た水溶液を、2価カチオンを含む水溶液に滴下して、機能性素材含有滴下型増粘多糖類ゼリーを得る工程;及び、(c'') 工程(b'')で得た滴下型増粘多糖類ゼリーを、飲食品用組成物に混合する工程;を含む方法により得られた、光安定性が向上した機能性素材を含有する飲食品を提供する。
上記の飲食品としては、機能性素材を含有させたいものであれば特に制限はないが、機能性素材を増粘多糖類ゼリー中に含有させ、該増粘多糖類ゼリーを飲食品に含ませるという観点からは、例えば、ゼリー入り飲料、ドレッシング、ところてん、ゼリー、寒天デザート、ヨーグルト、プリン、はんぺん等が挙げられる。
上記の各工程は、それぞれ、例えば後述の実施例の手法に準じて、当業者であれば適宜行うことが出来る。上記の工程(b')は、工程(a')で得た水溶液と、2価カチオンを含む水溶液とを含む加熱溶液(60℃以上)を容器に注ぎ、冷却及び/又は放置してこれを固め、固まったゼリーを所望の大きさにカットして、機能性素材含有増粘多糖類ゼリーを得る手法により行うこともできる。
本明細書中において、飲食品用組成物とは、前記機能性素材含有増粘多糖類ゼリーを含有させることができるものであって、飲食用に適するものであれば制限されない。
機能性素材を含有する増粘多糖類ゼリーが飲食品用組成物と食感及び/又は味が異なれば、食感的な特徴や味の変化を楽しむことができる飲食品が得られるであろう。また、飲食品用組成物が透明性を有して、前記増粘多糖類ゼリー、特に着色した増粘多糖類ゼリーを(好ましくは分散して)含有すれば、視覚的な特徴を有する飲食品が得られるであろう。
本発明の飲食品は、透明性を損なわない程度に着色することにより、着色し、又は着色しない増粘多糖類ゼリーとの視覚的な対比を楽しむことができる。飲食品の着色は、当業者に公知の手法を用いて行うことができ、例えば、食用色素を用いて行うことができる。着色に用いる色素は食用であれば制限されず、既存添加物リストや一般飲食物添加物リストに収載のものから選択することができ、例えば、カロチン色素(デュナリエラカロテン、ニンジンカロテン、パーム油カロテン等)、マリーゴールド色素、クチナシ青色素、カラメル色素(カラメルI、II、III、IV)等を用いることができる。
従って、本発明は、前記飲食品用組成物が、前記滴下型増粘多糖類ゼリーを目視できる程度の透明性を有する、前記の飲食品を提供する。増粘多糖類ゼリーの配合量、配合方法等は、提供する飲食品の目的により、当業者であれば適宜決定することができ、例えば後述の実施例に記載の方法を用いることができる。このような飲食品としては、例えば、ゼリー入り飲料、ドレッシング等が挙げられる。
本発明はまた、前記飲食品用組成物が糖度0.05〜20%(好ましくは1〜20%)の飲用組成物である、前記の飲食品を提供する。このような飲食品は、機能性素材を手軽に美味しく摂取することを可能にする。なお、飲料における糖度は、糖などの可溶性固形分の量を表す指標であり、飲料に含まれるゲル化剤、ビタミン等も糖度に影響する。前記の糖度は、当業者に公知の手法により算出及び/又は測定することができる。該組成物に配合し得る糖類としては、例えばショ糖、ブドウ糖、果糖、はちみつ、水飴等の糖質系甘味料、例えばステビア、グリチルリチン、アスパルテーム、グリチルリチン酸ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース等の非糖質系甘味料(天然甘味料及び合成甘味料を含む)が挙げられる。これらの糖類は、目的に応じて単独で、又は複数を組み合わせて使用することができる。
本発明はさらに、前記飲食品用組成物がゲル化剤(好ましくはジェランガム、より好ましくは0.002〜0.44%ジェランガム)含有飲食品用組成物(好ましくは飲用組成物)である、前記の飲食品を提供する。
前記の飲食品用組成物がゲル化剤含有飲食品用組成物であれば、増粘多糖類ゼリーを含有する、視覚的特徴及び食感的特徴を有する飲食品を得ることができ、さらに該飲食品用組成物が増粘多糖類ゼリーを分散して含有することができれば、より視覚的特徴の際立った飲食品を得ることができる。なお、本明細書中において、飲食品用組成物が含有する「ゲル化剤」の文言と、増粘多糖類ゼリーが含有する「増粘多糖類」の文言とを、便宜上使い分けることがあるが、上記に詳述した「増粘多糖類」のいずれを「ゲル化剤」として用いてもよい。例えば、ジェランガム、カラギーナン、ペクチン、アルギン酸、グアーガム、ゼラチン、マンナン、寒天、アラビアガム等の一般的に飲食品用として用いられる増粘剤の一種以上を上記ゲル化剤として用いることができる。透明性の高い飲食品を得るという観点から、例えばジェランガムを用いることができる。ゲル化剤の使用量、使用方法は、目的の食感、含有させようとする増粘多糖類性ゼリーの大きさ、所望の含有形態(例えば、浮遊、沈殿、分散等)、比重、量等に応じて当業者であれば適宜決定することができる。ゲル化剤で固めた流動性のない飲食品用組成物に増粘多糖類ゼリーを含有させることもできるが、例えば、飲料に適するような流動性のある飲食品用組成物中に増粘多糖類ゼリーを含有させる場合には、該目的に応じて適宜ゲル化剤を選択することができ、例えばジェランガムをゲル化剤として用いることが出来る。ジェランガムをゲル化剤として用いて飲用組成物を得ようとする場合、0.002〜0.44%(好ましくは0.004〜0.4重量%、より好ましくは0.004〜0.2重量%、さらにより好ましくは0.02〜0.08重量%)の量を使用すると、飲料に適した粘度の飲用組成物を得ることができる。
ジェランガム含有飲食品用組成物の製造においては、脱アシル型ジェランガムとネイティブジェランガムのいずれのジェランガムも使用することができるが、特に脱アシル型ジェランガムを用いることが好ましい。ジェランガムのゲル化には、カチオン類及びpHが関与し、例えば以下の実施例に記載の方法でジェランガム水溶液と、カチオン類含有水溶液とを混合し、さらにpHを調整することにより、ジェランガム水溶液はゲル化する。前記のカチオン類は、好ましくは2価のカチオンであり、例えば、食品添加物として許容されるCa又はMgの塩(例えば乳酸Ca)の水溶液を使用することができる。当業者であれば、ジェランガムの使用量に応じて適宜上記のカチオン類の使用量を決定することができる。また、前記のpHの調整は、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、アスコルビン酸、グルコン酸、燐酸等の各種酸味料及びそれらの塩並びにレモン汁等を、単独又は混合して用いて行う等、食品のpH調整について当業者に公知の手法により行うことができる。ジェランガム溶液のpHとゲルの硬さに関して、例えばクエン酸で調整した場合に、0.2%ジェランガム水溶液はpH3.5付近で硬さが最大になる。
以下に示す実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1:CoQ10含有滴下型増粘多糖類ゼリーの製造
(1) 表1の各欄に記載の原料をそれぞれ混合し、調合液を準備した。なお、表1中、アルギン酸NaはI-1G(株式会社キミカ)、キサンタンガムはグリーンステッドキサンタン(ダニスコ社)、色素はサンブルー(クチナシ色素、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)を用いた。
(2) これと別に、5%乳酸カルシウム水溶液を準備した。
(3) 攪拌下、(2)の水溶液に、(1)の調合液を滴下し、表1の調合液(I)から(I)CoQ10含有滴下型増粘多糖類ゼリーを、表1の調合液(II)から(II)CoQ10含有滴下型増粘多糖類ゼリー(着色)を得た。100gの調合液からそれぞれ約1000粒のゼリー(直径約3〜6mm)を得た。また、該ゼリー1個当たりのCoQ10含有量は約150μgであった。
実施例2:各種形態でCoQ10を含有する飲料の製造
以下に記載の方法により、表2に記載の配合で、(A) CoQ10含有飲料、(B) CoQ10含有滴下型増粘多糖類ゼリー含有飲料及び、(C) CoQ10含有滴下型増粘多糖類ゼリー(着色)含有飲料をそれぞれ得た。なお、表2中、ジェランガムはゲルアップK-S(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社、40%ジェランガム)を用いた。各飲料について、Bx、TA及びpHを測定した。(A)〜(C)ともに、各飲料1本(120ml)当たりのCoQ10含有量は10mgであった。
(A) CoQ10含有飲料
(1) 常温の水400mlにグラニュー糖を溶解した。
(2) 別容器中で、約80℃の温水100mlにジェランガムを溶解し、攪拌下、(1)に投入した。
(3) 別容器中で、約60℃の温水50mlに乳酸Caを溶解し、攪拌下、(2)に投入した。
(4) 別容器中で、常温の水50mlにクエン酸、クエン酸3Naを溶解し、攪拌下、(3)に投入し、次いで香料及びCoQ10ベースを投入し、1Lまで加水した。
(5) 120mlビンに充填後、殺菌した(65℃、10分同等以上)。
(B) CoQ10含有滴下型ゼリー含有飲料
CoQ10ベースの代わりに実施例1で得た(I)CoQ10含有滴下型増粘多糖類ゼリーを用いて、上記(A)の製造方法に基づき製造した。上記ゼリーが66粒/本となるよう120mlビンに充填後、殺菌した(65℃、10分同等以上)。透明溶液に、CoQ10の色である淡黄色の滴下型ゼリーが分散した、見た目及び食感に特徴のある飲料が得られた。
(C) CoQ10含有滴下型ゼリー(着色)含有飲料
CoQ10ベースの代わりに実施例1で得た(II)CoQ10含有滴下型ゼリー(着色)を用いて、上記(A)の製造方法に基づき製造した。上記ゼリーが66粒/本となるよう120mlビンに充填後、殺菌した(65℃、10分同等以上)。透明溶液に、着色色素の色である青色の滴下型ゼリーが分散した、見た目及び食感に特徴のある飲料が得られた。
実施例3:飲料中における、CoQ10の光安定性の評価
実施例2で得た飲料(A)〜(C)を、それぞれ以下の表3に示す条件で保管した。
保管後、各飲料について、以下に記載の方法によりCoQ10含有量を分析した。
飲料(A)中のCoQ10分析
(1) 飲料中から液体1mlを採取し、プロパノール4mlを加えた。
(2) vortex(攪拌粉砕)及び超音波粉砕(15分)にかけた。
(3) エッペンチューブに1mlとり、遠心及びろ過後、以下の条件でHPLCにより分析した。
飲料(B)及び(C)中のCoQ10分析
(1) 各ビン中から6粒を飲料中から取り出し、キムワイプ上におき、3分間放置した。
(2) 重量を測定し、重量のバラツキがないことを確認した。
(3) 10mlのプロパノールを加え、すりつぶした。この際、適宜超音波処理をした。
(4) エッペンチューブに1mlとり、遠心及びろ過後、以下の条件でHPLCにより分析した。
HPLC分析条件
溶媒:メタノール/イソプロパノール=8/2、流速:1ml/min、カラム:Wakoshil-II 5C18 HG Size4.6mm×250mm、カラム温度:40℃、検出波長:275nm。
分析結果
(A)〜(C)について、5℃、ラベル有のビンで保管した飲料中のCoQ10残存量をそれぞれ100とし、各飲料中のCoQ10残存率を測定した結果を図1に示す。図1から、どの保管条件下においても、CoQ10ベースをそのまま溶液に混合した(A)よりも、滴下型ゼリーの形態とした(B)の方がCoQ10の残存率が高く、CoQ10の光安定性が向上したことがわかった。さらに、滴下型ゼリーを着色した(C)については、特に蛍光下において、(B)よりもCoQ10の残存率が高く、CoQ10の光安定性がさらに向上したことがわかった。このことから、本発明の方法で得られた飲食品によって、例えばスーパーやコンビニエンスストアのような、蛍光灯下の陳列棚においても、CoQ10のような光安定性が低い機能性素材を配合した飲料を、透明容器に充填して陳列することができる可能性が示唆された。
図1は、実施例3における、各飲料中のCoQ10の残存率を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 光安定性の低い機能性素材を、増粘多糖類ゼリー中に含有させることを特徴とする、前記機能性素材の光安定性を向上する方法。
  2. 前記増粘多糖類ゼリーが着色されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記増粘多糖類ゼリーが、2価カチオンで架橋する増粘多糖類を用いて得られる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法によって光安定性が向上した前記機能性素材を含有する、前記増粘多糖類ゼリー。
  5. 以下の工程(a)及び(b):
    (a) 機能性素材及び増粘多糖類を含む水溶液を得る工程;及び
    (b) 工程(a)で得た水溶液と、2価カチオンを含む水溶液とを接触させる工程;
    を含む、光安定性が向上した機能性素材を含有する増粘多糖類ゼリーの製造方法。
  6. 以下の工程(a')〜(c'):
    (a') 機能性素材及び増粘多糖類を含む水溶液を得る工程;
    (b') 工程(a')で得た水溶液と、2価カチオンを含む水溶液とを接触させて、機能性素材含有増粘多糖類ゼリーを得る工程;及び
    (c’) 工程(b’)で得た増粘多糖類ゼリーを、飲食品用組成物に混合する工程;
    を含む、光安定性が向上した機能性素材を含有する飲食品の製造方法。
  7. 以下の工程(a'')〜(c''):
    (a'') 機能性素材及び増粘多糖類を含む水溶液を得る工程;
    (b'') 工程(a'')で得た水溶液を、2価カチオンを含む水溶液に滴下して、機能性素材含有滴下型増粘多糖類ゼリーを得る工程;及び
    (c'') 工程(b'')で得た滴下型増粘多糖類ゼリーを、飲食品用組成物に混合する工程;
    を含む方法により得られた、光安定性が向上した機能性素材を含有する飲食品。
  8. 前記飲食品用組成物が、前記滴下型増粘多糖類ゼリーを目視できる程度の透明性を有する、請求項7に記載の飲食品。
  9. 前記飲食品用組成物が、糖度0.05〜20%の飲用組成物である、請求項7又は8に記載の飲食品。
  10. 前記飲食品用組成物がゲル化剤含有飲食品用組成物である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の飲食品。
JP2006054499A 2006-03-01 2006-03-01 機能性素材の光安定性の向上方法 Pending JP2007228882A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006054499A JP2007228882A (ja) 2006-03-01 2006-03-01 機能性素材の光安定性の向上方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006054499A JP2007228882A (ja) 2006-03-01 2006-03-01 機能性素材の光安定性の向上方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007228882A true JP2007228882A (ja) 2007-09-13

Family

ID=38550101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006054499A Pending JP2007228882A (ja) 2006-03-01 2006-03-01 機能性素材の光安定性の向上方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007228882A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012514457A (ja) * 2009-01-06 2012-06-28 ネステク ソシエテ アノニム チャンクゼリー食品組成物
JP2015529448A (ja) * 2012-06-27 2015-10-08 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 水溶性活性成分を含むナノゲル
JP2019131504A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 伯東株式会社 カプセル及びその製造方法、並びにカプセル入り化粧料及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6012957A (ja) * 1983-07-04 1985-01-23 Yukijirushi Shokuhin Kk ビタミン類を内包したゼリ−体の製造法
JPH05269366A (ja) * 1992-03-26 1993-10-19 Yasuko Takahashi ゲスト物質内包ゲルの製造方法
JP2000069937A (ja) * 1998-08-28 2000-03-07 Sakai Chem Ind Co Ltd レスベラトロールを成分として含む天然産物と アルギン酸塩とからなる健康補助食品
JP2005263700A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Kanebo Ltd コエンザイムq10の光劣化防止剤及び経口組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6012957A (ja) * 1983-07-04 1985-01-23 Yukijirushi Shokuhin Kk ビタミン類を内包したゼリ−体の製造法
JPH05269366A (ja) * 1992-03-26 1993-10-19 Yasuko Takahashi ゲスト物質内包ゲルの製造方法
JP2000069937A (ja) * 1998-08-28 2000-03-07 Sakai Chem Ind Co Ltd レスベラトロールを成分として含む天然産物と アルギン酸塩とからなる健康補助食品
JP2005263700A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Kanebo Ltd コエンザイムq10の光劣化防止剤及び経口組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012514457A (ja) * 2009-01-06 2012-06-28 ネステク ソシエテ アノニム チャンクゼリー食品組成物
JP2015529448A (ja) * 2012-06-27 2015-10-08 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 水溶性活性成分を含むナノゲル
JP2019131504A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 伯東株式会社 カプセル及びその製造方法、並びにカプセル入り化粧料及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102669377B (zh) 叶黄素酯软糖及其制备方法
US20090041911A1 (en) Methods for delivering transparent shelf-stable liquid drink concentrates
KR101110271B1 (ko) 기능성 알긴산 비드를 함유한 유제품 및 이의 제조 방법
US20090041897A1 (en) Transparent, concentrated liquid nutritional supplement composition
JP2004000126A (ja) ゼリー入り飲料及びその製造方法
CN105767819A (zh) 一种奇亚籽悬浮颗粒饮料及其制备方法
JP3563330B2 (ja) 粒状食品入り酸性ゾル状食品及びその製造法
AU2011279469B2 (en) Carbonated jelly beverage with inclusions
CN114946988A (zh) 一种抑制无糖果胶凝胶糖果出水返砂的方法
JP3747976B2 (ja) 固形物入り液状飲食品の製造方法
JP2007228882A (ja) 機能性素材の光安定性の向上方法
KR101551323B1 (ko) 수화 치아시드를 포함한 음료 제조방법
CN103504445A (zh) 一种添加白藜芦醇、原花青素的饮品
JP3620757B2 (ja) 固形物入り液状飲食品
KR102392078B1 (ko) 제분된 루테인의 안정한 과립을 포함하는 음료
CN113973948B (zh) 一种可变色透明质酸饮品的制备方法
JP2015186475A (ja) コラーゲンペプチド含有粉末食品
JP2004208595A (ja) 経口組成物とその着色方法
JP2016154486A (ja) コラーゲンペプチド含有粉末食品
JP6710900B2 (ja) 水溶性ビタミン類含有グミキャンディの製造方法および該製造方法を用いて得られるグミキャンディ
JP6580318B2 (ja) 加温販売用果汁入り容器詰め飲料
Sobini et al. Effect of Xanthan Gum and Homogenization on the Stability of Palmyrah (Borassus flabellifer L) Ready-to-Serve Drink
JP2019041735A (ja) 飲食品およびその製造方法
JP6946035B2 (ja) 高糖質ゼリー飲料の製造方法
JP5731380B2 (ja) ゲル状物を含有する飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090130

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111031

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120116