JP2007024851A - 検体分析チップおよび検体分析チップの使用方法 - Google Patents
検体分析チップおよび検体分析チップの使用方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007024851A JP2007024851A JP2005234992A JP2005234992A JP2007024851A JP 2007024851 A JP2007024851 A JP 2007024851A JP 2005234992 A JP2005234992 A JP 2005234992A JP 2005234992 A JP2005234992 A JP 2005234992A JP 2007024851 A JP2007024851 A JP 2007024851A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sample
- weighing
- chip
- separation
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
Abstract
【課題】 従来の検査対象成分を含む試料の分析を行う検査チップにおいては、試料ならびに試薬試料の当該チップ上での移送に、チップを回転させたときに生起する遠心力と外部ポンプ等の移送手段を混在させており、操作手順が煩雑で、かつ外部装置が高価にならざるを得なかった。また、検査項目数の増加と共に、ほぼそれに比例して当該チップ面積が増大するチップ構造的な問題もあった。
【解決手段】 対象成分を含む試料が導入された検体分析チップは、試料の分離、秤量を一度のチップ回転で実現する分離流路を含む。また当該チップは、チップ回転により少なくとも2種類の試料を混合する混合流路を含む。さらに溝流路を形成した少なくとも2つの基板を、両側に粘着層を有し、当該溝流路間の接続部位に貫通穴を形成した、少なくとも1つの接着板を介して接着して一体のチップ形成し、チップ面積の増大を抑制する。
【選択図】 図2
【解決手段】 対象成分を含む試料が導入された検体分析チップは、試料の分離、秤量を一度のチップ回転で実現する分離流路を含む。また当該チップは、チップ回転により少なくとも2種類の試料を混合する混合流路を含む。さらに溝流路を形成した少なくとも2つの基板を、両側に粘着層を有し、当該溝流路間の接続部位に貫通穴を形成した、少なくとも1つの接着板を介して接着して一体のチップ形成し、チップ面積の増大を抑制する。
【選択図】 図2
Description
本発明は検査対象成分を包含する検体成分の分析を行うチップと、このようなチップの使用方法に関する。
従来、ヒトやペットなどの動物の病状や健康状態把握のために行われる血液分析は、主として注射法により血管から試料である血液を採取し、これに適当な前処理を施した後に病院等の医療機関に設置された大型血液分析装置を用い行われてきた。しかしながら近年、微小な採血用針を備え、微細な溝流路や種々の分析器、分析装置を配設した数mmから数cm四方のチップ状血液分析装置が開示されている。(例えば、特許文献1)このようなチップ状血液分析装置の採血用針を被験者の皮膚に穿刺し、皮下の血管から血液を採取して、これをチップへと導き、遠心分離またはフィルターろ過により検体成分である血漿を抽出し、これをバイオセンサへと導いて、種々の生化学物質(ナトリウム、カリウムイオン、グルコース、尿素窒素、クレアチニンなど)の濃度を分析する。
また、特許文献2ならびに同3においては、検査対象成分を含む検体成分を遠心分離する遠心分離管、この分離した検体成分を秤量する部分、試薬溜、混合部、混合物質を通過させる光検出路、光導入口ならびに光導出口と、を有する検査チップが開示されている。具体的には、これらの検査チップを用いて、チップ上に導入した試料である血液を、遠心分離により検体成分である血漿成分とそれ以外の成分(非検体成分)である血球の分離を行った後に、当該血漿成分を秤量して試薬と混合し、これを光検出路へと導き、そこで吸光度測定を行い、検査対象成分の測定を行うというものである。
特許文献1に示されるチップ状の血液分析装置は、バイオセンサを用い検査対象成分を測定しており、使用前にバイオセンサの較正操作が必要ではあるが、数マイクロリットルという微量の血液から遠心操作により血球と血漿成分を分離して、当該血漿成分中の複数の検査対象成分を測定することができる。しかしながらこのような電気化学式のバイオセンサを用いた場合、測定可能である検査項目は上述したような電解質イオン、グルコース、尿素窒素、クレアチニンなど非常に限られたものになっており、血液が試料である場合、腎機能などの特定の健康状態しか把握できないという問題がある。
一方、特許文献2ならびに同3においては、現在用いられている大型血液分析装置の有する機能を検査チップ上に集積したものであるため、多くの検査項目を網羅している。このような検査チップを用いた基本的な測定の手順は、(1)血液の導入、(2)血球と血漿の分離、(3)分離した血漿の秤量、(4)少なくとも1種類以上の試薬試料の秤量、(5)秤量した血漿および試薬試料の混合、(6)光学測定、から成っている。試薬試料の種類や量ならびに血漿量を適宜選択、調整することによって多くの検査項目を測定することが可能となっている。チップ構造は遠心分離管、秤量部、保持部、試薬溜、混合部、光検出路などから構成され、これらの構造物間は溝流路によって連通されている。
当該検査チップの使用に当たって特許文献2においては、チップを回転したときに生じる遠心力を用いて血球と血漿の分離を行い、引き続いて外部ポンプのような移送手段とチップとを連結して、当該血漿を秤量管へと移送し、再度同一中心とするチップの回転によって、秤量した血漿と試薬試料を混合部へと移送し、最後にこれを前記移送手段によって当該混合部から光検出路へ導き、チップ外に設置された光源と光検出器を用い、光学測定を行う。このように血液、血漿ならびに試薬試料の移送には遠心力と外部ポンプのような移送手段を混在させており、非常に煩雑となっている。
また特許文献3においては、まず第1の回転軸を中心としてチップを回転させたときに生じる遠心力により血球と血漿の分離を行い、次に第2の回転軸を中心としてチップを回転させ、分離した血漿を秤量部へと導き、再度第1の回転軸を中心としてチップを回転させ、秤量した血漿と試薬試料を混合部へと移送し、最後にこれを外部ポンプのような移送手段により混合流路を経て光検出路へ導かれ、チップ外に設置された光源と光検出器を用い、光学測定を行う。この場合、外部ポンプの使用頻度は特許文献2と比較して減少しているものの、やはり血液、血漿ならびに試薬試料の移送には遠心力と外部ポンプのような移送手段を混在しているために煩雑である。
一般に微少量液体の移送の際には、シリンジポンプなどの吐出量が精密制御可能なポンプが用いられるが、ポンプ自体が高価であり、移送中の液体の位置確認機構など付随する装置が求められ、なおかつ分岐流路での移送への適用、気泡が一旦液体中に含まれるとその除去が困難であるなどの欠点を有する。一方、遠心力を用いた液体の移送においては、チップを回転させる機構は必要ではあるものの、あらかじめチップ上の構造物や溝流路を適切に設計しておけば、チップを回転させるだけで所定の部位に気泡等が含まれることなく液体を移送することがでるという利点を有する。また、血球と血漿の分離を簡便に行うために、チップを回転させる遠心分離法を採用した場合には、いずれにしても回転機構は必要とされるので、チップ上での液体の移送すべてに関し、遠心力を用い行うことが手順の簡略化、装置を廉価にする上では非常に望ましい。さらに、上述した(1)乃至(6)の操作ステップ中の複数の連続するステップを、可能な限り単一の操作(たとえば遠心操作)で行うことができれば、高い測定スループットを得ることができ、望ましい。
また、特許文献2ならびに同3に示す検査チップにおいては、検査項目数の増加に伴い、チップ面積がほぼ比例して増加していく。このようなチップの大型化は、外部測定器の大型化に直結し好ましくない。
本発明の目的は、検査対象成分を含む試料を一度のチップ回転で、当該試料から検体成分と非検体成分の分離と当該検体成分の秤量を行う分離・秤量チップと、一度のチップ回転で少なくとも2種類の試料を均質に混合する混合チップと、一度のチップ回転で大容量の、少なくとも1種類の試料を秤量する秤量チップと、光学測定を行う光学測定セル長の2倍の実効的な光路長を確保できる光学測定チップと、これらのチップ構成要素を組み合わせて、試料から検体成分を分離・秤量し、少なくとも1種類の試薬試料と当該検体成分を混合して得た混合試料の発色の度合いから、被検査項目の濃度を調べる検体分析チップを提供することである。また、これらのチップの使用方法も提供する。さらに検査項目やチップの機能が増加しても、チップ面積が大きく増加することを抑制するチップ構造ならびにチップの製造方法を提供する。
本願第1の発明は、ある回転軸を中心とする回転により試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップであって、前記チップ外部から試料を導入する試料導入口と、前記試料導入口から見て遠心加圧方向に位置し、当該試料導入口と連通されており、前記試料から前記検体成分と検体成分以外の成分(以下、非検体成分という)を遠心分離する分離流路と、前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該分離流路と連通されており、非検体成分を蓄積する、少なくとも1つの非検体成分蓄積槽と、前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、非検体成分蓄積槽と連通されており、前記検体成分を蓄積ならびに秤量する少なくとも1つの検体成分秤量槽と、を含むことを特徴とする分離・秤量チップを提供する。
本願第2の発明は、本願第1の発明の分離・秤量チップの分離流路が、遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする分離・秤量チップを提供する。
本願第3の発明は、本願第1の発明の分離・秤量チップの分離流路の少なくとも一部が、非検体成分蓄積槽へと至る当該分離流路中を流れる試料の進行方向を、遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向にする構造であることを特徴とする分離・秤量チップを提供する。
本願第4の発明は、本願第1の発明の分離・秤量チップの分離流路の少なくとも一部が、その他部分の分離流路の断面積よりも小さいことを特徴とする分離・秤量チップを提供する。
本願第5の発明は、本願第1の発明の分離・秤量チップの分離流路表面の少なくとも一部が、疎水性を有する膜で覆われていることを特徴とする分離・秤量チップを提供する。
本願第6の発明は、本願第1の発明の分離・秤量チップの試料導入口に、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置を導入できることを特徴とする分離・秤量チップを提供する。
本願第7の発明は、ある回転軸を中心とする回転により試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップであって、前記チップ外部から試料を導入する試料導入口と、前記試料導入口から見て遠心加圧方向に位置し、当該試料導入口と連通されており、前記試料から前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、非検体成分を蓄積する非検体成分蓄積部を含む分離・非検体成分蓄積流路と、前記分離・非検体成分蓄積流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該分離・非検体成分蓄積流路と連通されており、前記検体成分を蓄積ならびに秤量する少なくとも1つの検体成分秤量槽と、を含むことを特徴とする分離・秤量チップを提供する。
本願第8の発明は、本願第7の発明の分離・秤量チップの非検体成分蓄積部が、分離・非検体成分蓄積流路の遠心加圧方向側に配設されていること特徴とする、分離・秤量チップを提供する。
本願第9の発明は、本願第7の発明の分離・秤量チップの分離・非検体成分蓄積流路が、遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、分離・秤量チップを提供する。
本願第10の発明は、本願第7の発明の分離・秤量チップの分離・非検体成分蓄積流路の少なくとも一部が、検体成分秤量槽へと至る当該分離・非検体成分蓄積流路中を流れる試料の進行方向を、遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向にする構造であることを特徴とする、分離・秤量チップを提供する。
本願第11の発明は、本願第7の発明の分離・秤量チップの分離・非検体成分蓄積流路の少なくとも一部が、その他部分の分離・非検体成分蓄積流路の断面積よりも小さいことを特徴とする、分離・秤量チップを提供する。
本願第12の発明は、本願第7の発明の分離・秤量チップの分離・非検体成分蓄積流路表面の少なくとも一部が、疎水性を有する膜で覆われていることを特徴とする、分離・秤量チップを提供する。
本願第13の発明は、本願第7の発明の分離・秤量チップの試料導入口に、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置を導入できることを特徴とする、分離・秤量チップを提供する。
本願第14の発明は、ある回転軸を中心とする回転により少なくとも2種類の試料の混合を行う混合チップであって、前記試料を合流部へと導く、少なくとも2つの合流流路と、前記合流流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該合流流路と連通されており、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む混合流路と、を含むことを特徴とする、混合チップを提供する。
本願第15の発明は、本願第14の発明の混合チップの混合流路の少なくとも一部が、当該流路中を流れる試料の進行方向を、遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向にする構造であることを特徴とする、混合チップを提供する。
本願第16の発明は、本願第14の発明の混合チップの混合流路が、遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、混合チップを提供する。
本願第17の発明は、本願第14の発明の混合チップの突起形状が、混合流路の遠心加圧方向と反対側に配設されていること特徴とする、混合チップを提供する。
本願第18の発明は、本願第14の発明の混合チップの複数の合流流路の断面積の比が、特にそれぞれの合流流路を通過するそれぞれの試料の量の比にほぼ等しいことを特徴とする、混合チップを提供する。
本願第19の発明は、被光学測定試料を導入し、当該試料を満たして光学測定を行う光学測定セルを含む光学測定チップであって、上記光学測定セルは、前記光学測定チップ平面とほぼ平行であり、かつ当該チップ外からの入射光と当該光学測定セルからの出射光を透過し、また当該入射光ならびに出射光となす角が直角、もしくは直角近くである一方の面であり、光学的透過率の高い材料で構成される光学窓と、前記光学窓とほぼ平行、かつ対向し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成され、当該光学測定セル内へと導かれた入射光を反射する反射層と、を含むことを特徴とする、光学測定チップを提供する。
本願第20の発明は、本願第19の発明の光学測定チップの反射層を構成する光学的反射率の高い材料の主成分が、特にアルミニウムであることを特徴とする、光学測定チップを提供する。
本願第21の発明は、本願第19の発明の光学測定チップの光学窓が、特に凸レンズ形状を成していることを特徴とする、光学測定チップを提供する。
本願第22の発明は、ある回転軸を中心とする回転により試料の秤量を行う秤量チップであって、秤量する量よりも大きい量の前記試料を蓄積する試料溜と、前記試料溜から見て遠心加圧方向に位置し、当該試料溜と連通されており、予め予想される遠心加圧後の試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の部分の深さよりも浅くなっている秤量槽と、秤量された試料以外の試料を蓄積する廃液溜槽と、を含むことを特徴とする、秤量チップを提供する。
本願第23の発明は、本願第22の発明の秤量チップの秤量槽中の予め予想される前記チップ回転後の試料喫水線を含む一部の深さが浅くなっている部分の深さが、特に0.5mm以下であることを特徴とする、秤量チップを提供する。
本願第24の発明は、第1および第2回転軸を中心とする回転により、試料中から検体成分を分離・秤量、第1の試薬試料の秤量、秤量した検体成分と第1の試薬試料の混合(混合したものを以下、第1混合試料)、第2の試薬試料の秤量、第1混合試料と秤量した第2の試薬試料の混合(混合したものを以下、第2混合試料)ならびに第2混合試料の光学測定セルへの移送、を行う検体分析チップであって、
前記検体分析チップ外部から検体成分を含む前記試料を導入する試料導入口と、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
前記試料導入口と連通し、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置し、前記試料から前記検体成分と非検体成分を遠心分離する分離流路と、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該分離流路と連通されており、非検体成分を蓄積する、少なくとも1つの非検体成分蓄積槽と、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、非検体成分蓄積槽と連通されており、前記検体成分を蓄積ならびに秤量する少なくとも1つの検体成分秤量槽と、
前記第1の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽と、
前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第1の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第1の試薬試料以外の試薬試料を蓄積、前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第1の廃液溜槽と、
(2)前記検体分析チップを、前記第2回転軸を中心として回転させる第2のチップ回転により、
前記検体蓄積槽に秤量蓄積された検体成分と前記第1の試薬試料秤量槽に秤量蓄積された第1の試薬試料を混合蓄積し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの1次混合槽と、
前記第2の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料溜槽と、
前記第2の試薬試料溜槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第2の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第2の試薬試料以外の試薬試料を蓄積し、前記第2の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第2の廃液溜槽と、
(3)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第3のチップ回転により、
前記1次混合槽に蓄積されていた第1混合試料と、前記第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積されていた第2の試薬試料と、を合流部へと導き、当該1次混合槽と当該第2の試薬試料秤量槽から見て、第1の遠心加圧方向に位置する、少なくとも2つの合流流路と、
前記合流流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該合流流路と連通されており、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む少なくとも1つの混合流路と、
前記混合流路を経て、均質に混合された第2混合試料を蓄積し、当該混合流路から見て第1の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの光学測定セルと、
を含む検体分析チップを提供する。
前記検体分析チップ外部から検体成分を含む前記試料を導入する試料導入口と、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
前記試料導入口と連通し、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置し、前記試料から前記検体成分と非検体成分を遠心分離する分離流路と、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該分離流路と連通されており、非検体成分を蓄積する、少なくとも1つの非検体成分蓄積槽と、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、非検体成分蓄積槽と連通されており、前記検体成分を蓄積ならびに秤量する少なくとも1つの検体成分秤量槽と、
前記第1の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽と、
前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第1の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第1の試薬試料以外の試薬試料を蓄積、前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第1の廃液溜槽と、
(2)前記検体分析チップを、前記第2回転軸を中心として回転させる第2のチップ回転により、
前記検体蓄積槽に秤量蓄積された検体成分と前記第1の試薬試料秤量槽に秤量蓄積された第1の試薬試料を混合蓄積し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの1次混合槽と、
前記第2の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料溜槽と、
前記第2の試薬試料溜槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第2の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第2の試薬試料以外の試薬試料を蓄積し、前記第2の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第2の廃液溜槽と、
(3)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第3のチップ回転により、
前記1次混合槽に蓄積されていた第1混合試料と、前記第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積されていた第2の試薬試料と、を合流部へと導き、当該1次混合槽と当該第2の試薬試料秤量槽から見て、第1の遠心加圧方向に位置する、少なくとも2つの合流流路と、
前記合流流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該合流流路と連通されており、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む少なくとも1つの混合流路と、
前記混合流路を経て、均質に混合された第2混合試料を蓄積し、当該混合流路から見て第1の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの光学測定セルと、
を含む検体分析チップを提供する。
本願第25の発明は、第1および第2回転軸を中心とする回転により、試料中から検体成分を分離・秤量、第1の試薬試料の秤量、秤量した検体成分と第1の試薬試料の混合、第2の試薬試料の秤量、第1混合試料と秤量した第2の試薬試料の混合ならびに第2混合試料の光学測定セルへの移送、を行う検体分析チップであって、
前記検体分析チップ外部から検体成分を含む前記試料を導入する試料導入口と、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
前記試料導入口と連通し、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置し、前記試料から前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、非検体成分を蓄積する非検体成分蓄積部を含む分離・非検体成分蓄積流路と、
前記分離・非検体成分蓄積から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該分離・非検体成分蓄積流路と連通されており、前記検体成分を蓄積ならびに秤量する少なくとも1つの検体成分秤量槽と、
前記第1の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽と、
前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第1の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第1の試薬試料以外の試薬試料を蓄積、前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第1の廃液溜槽と、
(2)前記検体分析チップを、前記第2回転軸を中心として回転させる第2のチップ回転により、
前記検体蓄積槽に秤量蓄積された検体成分と前記第1の試薬試料秤量槽に秤量蓄積された第1の試薬試料を混合蓄積し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの1次混合槽と、
前記第2の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料溜槽と、
前記第2の試薬試料溜槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第2の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第2の試薬試料以外の試薬試料を蓄積し、前記第2の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第2の廃液溜槽と、
(3)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第3のチップ回転により、
前記1次混合槽に蓄積されていた第1混合試料と、前記第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積されていた第2の試薬試料と、を合流部へと導き、当該1次混合槽と当該第2の試薬試料秤量槽から見て、第1の遠心加圧方向に位置する、少なくとも2つの合流流路と、
前記合流流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該合流流路と連通されており、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む少なくとも1つの混合流路と、
前記混合流路を経て、均質に混合された第2混合試料を蓄積し、当該混合流路から見て第1の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの光学測定セルと、
を含む検体分析チップを提供する。
前記検体分析チップ外部から検体成分を含む前記試料を導入する試料導入口と、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
前記試料導入口と連通し、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置し、前記試料から前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、非検体成分を蓄積する非検体成分蓄積部を含む分離・非検体成分蓄積流路と、
前記分離・非検体成分蓄積から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該分離・非検体成分蓄積流路と連通されており、前記検体成分を蓄積ならびに秤量する少なくとも1つの検体成分秤量槽と、
前記第1の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽と、
前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第1の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第1の試薬試料以外の試薬試料を蓄積、前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第1の廃液溜槽と、
(2)前記検体分析チップを、前記第2回転軸を中心として回転させる第2のチップ回転により、
前記検体蓄積槽に秤量蓄積された検体成分と前記第1の試薬試料秤量槽に秤量蓄積された第1の試薬試料を混合蓄積し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの1次混合槽と、
前記第2の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料溜槽と、
前記第2の試薬試料溜槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第2の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第2の試薬試料以外の試薬試料を蓄積し、前記第2の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第2の廃液溜槽と、
(3)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第3のチップ回転により、
前記1次混合槽に蓄積されていた第1混合試料と、前記第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積されていた第2の試薬試料と、を合流部へと導き、当該1次混合槽と当該第2の試薬試料秤量槽から見て、第1の遠心加圧方向に位置する、少なくとも2つの合流流路と、
前記合流流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該合流流路と連通されており、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む少なくとも1つの混合流路と、
前記混合流路を経て、均質に混合された第2混合試料を蓄積し、当該混合流路から見て第1の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの光学測定セルと、
を含む検体分析チップを提供する。
本願第26の発明は、溝流路を形成した少なくとも2つの基板を接着して一体とし、かつ当該基板上の溝流路間が接続されている検体分析チップであって、
両側に粘着層を有し、当該溝流路間の接続部位に貫通穴を形成した、少なくとも1つの接着板が、当該基板間に挿入されていることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
両側に粘着層を有し、当該溝流路間の接続部位に貫通穴を形成した、少なくとも1つの接着板が、当該基板間に挿入されていることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第27の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップが、溝流路を形成した少なくとも2つの基板を貼り合わせて構成していることを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップを提供する。
本願第28の発明は、本願第27の発明の検体分析チップを構成する基板の貼り合わせと、少なくとも2つの基板上の溝流路間の接続を、両側に粘着層を有し、当該溝流路間の接続部位に貫通穴を形成した、少なくとも1つの接着板を当該基板間に挿入し、構成されることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第29の発明は、本願第24の発明の検体分析チップの分離流路が、第1の遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第30の発明は、本願第24の発明の検体分析チップの分離流路の少なくとも一部が、非検体成分蓄積槽へと至る当該分離流路中を流れる試料の進行方向を、第1の遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向にする構造であることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第31の発明は、本願第24の発明の検体分析チップの分離流路の少なくとも一部が、その他部分の分離流路の断面積よりも小さいことを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第32の発明は、本願第24の発明の検体分析チップの分離流路表面の少なくとも一部が、疎水性を有する膜で覆われていることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第33の発明は、本願第25の発明の検体分析チップの非検体成分蓄積部が、分離・非検体成分蓄積流路の第1の遠心加圧方向側に配設されていること特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第34の発明は、本願第25の発明の検体分析チップの分離・非検体成分蓄積流路が、第1の遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第35の発明は、本願第25の発明の検体分析チップの分離・非検体成分蓄積流路の少なくとも一部が、前記検体成分秤量槽へと至る当該分離・非検体成分蓄積流路中を流れる試料の進行方向を、第1の遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向にする構造であることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第36の発明は、本願第25の発明の検体分析チップの分離・非検体成分蓄積流路の少なくとも一部が、その他部分の分離・非検体成分蓄積流路の断面積よりも小さいことを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第37の発明は、本願第25の発明の検体分析チップの分離・非検体成分蓄積流路表面の少なくとも一部が、疎水性を有する膜で覆われていることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第38の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップの混合流路の少なくとも一部が、当該流路中を流れる試料の進行方向を、第1の遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向にする構造であることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第39の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップの混合流路が、第1の遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第40の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップの複数の合流流路の断面積の比が、それぞれの合流流路を通過するそれぞれの試料の量の比にほぼ等しいことを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第41の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップの光学測定セルが、前記検体分析チップ平面とほぼ平行であり、かつ当該チップ外からの入射光と当該光学測定セルからの出射光を透過し、また当該入射光ならびに出射光となす角が直角、もしくは直角近くである一方の面であり、光学的透過率の高い材料で構成される光学窓と、前記光学窓とほぼ平行、かつ対向し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成され、当該光学測定セル内へと導かれた入射光を反射する反射層と、を含むことを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第42の発明は、本願第41の発明の検体分析チップの反射層を構成する光学的反射率の高い材料の主成分が、特にアルミニウムであることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第43の発明は、本願第41の発明の検体分析チップの光学窓が、特に凸レンズ形状を成していることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第44の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップの光学測定セルが、前記検体分析チップ平面とほぼ平行で、光学的透渦率の高い材料で構成され、当該チップの外部からの入射光を透過して当該光学測定セル内へと光を導く、第1の光学窓と、前記第1の光学窓と平行で、かつ対向し、光学的透過率の高い材料で構成され、光学測定セル内を通過してきた光を透過して、出射光として当該チップの外部へと導く、第2の光学窓と、を含むことを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第45の発明は、本願第44の発明の検体分析チップの光学窓1と光学窓2のうち、少なくとも一方の光学窓が、特に凸レンズ形状を成していることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第46の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップの少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽の、予め予想される第1のチップ回転後の試薬試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の部分の深さよりも浅くなっていることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第47の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップの少なくとも1つの1次混合槽の、予め予想される第2のチップ回転後の1次混合試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の部分の深さよりも浅くなっていることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第48の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップの少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽の、予め予想される第2のチップ回転後の1次混合試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の部分の深さよりも浅くなっていることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第49の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップの試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置を導入できることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第50の発明は、本願第24〜25の発明の検体分析チップにおいて、第1の遠心加圧方向と前記第2の遠心加圧方向は、略直交していることを特徴とする、検体分析チップを提供する。
本願第51の発明は、試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、前記チップ外部から試料導入口に試料を導入する試料導入ステップと、前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に回転させて、前記試料から検体成分と非検体成分を分離流路において遠心分離し、当該非検体成分を前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、前記分離流路と連通する少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に蓄積し、前記検体成分を前記非検体成分蓄積槽と連通する、少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、を含む分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第52の発明は、試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、前記チップ外部から試料導入口に試料を導入する試料導入ステップと、前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、大部分の前記試料を、試料導入口の近傍に保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップと、前記分離・秤量チップを上記第1遠心分離ステップと同一の中心で第2の回転数で回転させて、前記試料を前記試料導入口から見て、遠心加圧方向に位置する分離流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、前記分離流路と連通する少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に蓄積し、前記検体成分を前記非検体成分蓄積槽と連通する、少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、を含む分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第53の発明は、本願第52の発明の分離・秤量チップの使用方法の第1遠心分離ステップが、前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、分離流路の一部に設けられた断面積が他の当該流路よりも小さい部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップ、である、分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第54の発明は、本願第52の発明の分離・秤量チップの使用方法の第1遠心分離ステップが、前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、分離流路の一部の疎水性を有する膜で覆われている表面部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1遠心分離ステップと、である、分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第55の発明は、本願第51〜54の発明の分離・秤量チップの使用方法の試料導入ステップが、試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する、試料導入ステップ、である、分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第56の発明は、試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する試料導入ステップと、前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、大部分の前記試料を、前記血液溜パイプ内に蓄積したまま、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップと、前記分離・秤量チップを上記第1遠心分離ステップと同一の中心で第2の回転数で回転させて、前記試料を前記試料導入口から見て、遠心加圧方向に位置する分離流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、前記分離流路と連通する少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に蓄積し、前記検体成分を前記非検体成分蓄積槽と連通する、少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、を含む分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第57の発明は、試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、前記チップ外部から試料導入口に試料を導入する試料導入ステップと、前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に回転させて、前記試料から検体成分と非検体成分を分離・非検体成分蓄積流路において遠心分離し、当該非検体成分を当該流路途中に配設されている非検体成分蓄積部に蓄積し、前記検体成分を、当該流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通する少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、を含む分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第58の発明は、試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、前記チップ外部から試料導入口に試料を導入する試料導入ステップと、前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、大部分の前記試料を、試料導入口の近傍に保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップと、前記分離・秤量チップを上記第1遠心分離ステップと同一の中心で第2の回転数で回転させて、前記試料を遠心加圧方向に分離・非検体成分蓄積流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を当該流路途中に配設された非検体成分蓄積部に蓄積し、当該検体成分を当該流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通する少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、を含む分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第59の発明は、本願第58の発明の分離・秤量チップの使用方法の第1遠心分離ステップが、前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、分離・非検体成分蓄積流路の一部に設けられた断面積が他の当該流路よりも小さい部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップ、である、分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第60の発明は、本願第58の発明の分離・秤量チップの使用方法の第1遠心分離ステップが、前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、分離・非検体成分蓄積流路の一部の疎水性を有する膜で覆われている表面部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1遠心分離ステップ、である、分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第61の発明は、本願第57〜60の発明の分離・秤量チップの使用方法の試料導入ステップが、試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する、試料導入ステップ、である、分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第62の発明は、試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する試料導入ステップと、前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、大部分の前記試料を、前記血液溜パイプ内に蓄積したまま、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップと、前記分離・秤量チップを上記第1遠心分離ステップと同一の中心で第2の回転数で回転させて、前記試料を前記試料導入口から見て、遠心加圧方向に位置する分離・非検体成分蓄積流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を当該流路途中に配設された非検体成分蓄積部に蓄積し、当該検体成分を当該流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通する少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、を含む分離・秤量チップの使用方法を提供する。
本願第63の発明は、少なくとも2種類の試料の混合を行う混合チップの使用方法であって、前記混合チップを所定の回転軸を中心に回転させて、それぞれの蓄積槽に蓄積されている前記試料を、それぞれの合流流路を経て、合流部で合流させ、さらに当該合流させた試料を、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む混合流路へと導き、通過させる混合ステップ、を含む混合チップの使用方法を提供する。
本願第64の発明は、被光学測定試料を導入し、当該試料を満たして光学測定を行う光学測定セル含む光学測定チップの使用方法であって、前記光学測定セルに前記被光学測定試料を導入する試料導入ステップと、前記光学測定チップ外にある光源より、当該チップ平面とほぼ平行で、光学測定セルを構成する一方の面である光学窓へ、垂直、もしくは垂直近くの入射角で光を入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成される反射層において、当該光学測定セル内へと導かれた当該入射光を反射し、;当該反射光が当該セル内を通過して、再度、当該光学窓を透過し当該チップ外にある光検出器に到達した光の強度を測定する光学測定ステップと、を含む光学測定チップの使用方法を提供する。
本願第65の発明は、本願第64の発明の光学測定チップの使用方法の光学測定ステップが、前記光学測定チップ外にある光源より出射された光を半透鏡に導き、;当該半透鏡を直進透過してきた光を、当該チップ平面とほぼ平行で、前記光学測定セルを構成する一方の面である光学窓へ、ほぼ垂直である入射角で入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成される反射層において、当該光学測定セル内へと導かれた当該入射光を反射し、;当該反射光が当該セル内を通過して、再度、当該光学窓を透過し、前記チップ外へと導き;前記半透鏡に入射し、そこで光路が約90度変化して出射してきた光を光検出器に導き、その強度を測定する光学測定ステップ、である、光学測定チップの使用方法を提供する。
本願第66の発明は、試料の秤量を行う秤量チップの使用方法であって、前記秤量チップを所定の回転軸を中心に回転させて、試料溜に蓄積されていた前記試料を、当該試料溜から見て遠心加圧方向に位置し、当該試料溜と連通されており、予め予想される遠心加圧後の試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の部分の深さよりも浅くなっている秤量槽へと導き、そこで秤量、蓄積し、当該秤量された試料以外の試料を当該秤量槽と連通されている廃液溜槽に蓄積する秤量ステップ、を含む秤量チップの使用方法を提供する。
本願第67の発明は、第1および第2回転軸を中心とするチップの回転により、試料中から検体成分を分離・秤量、第1の試薬試料の秤量、秤量した検体成分と第1の試薬試料の混合(第1混合試料)、第2の試薬試料の秤量、第1混合試料と秤量した第2の試薬試料の混合(第2混合試料)ならびに第2混合試料の光学測定セルへの移送、を行う検体分析チップの使用方法であって、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
試料導入口にある試料を、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置する分離流路に導き、そこで前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該分離流路と連通されている、少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に非検体成分を蓄積し、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、非検体成分蓄積槽と連通されている、少なくとも1つの検体成分秤量槽に前記検体成分を蓄積ならびに秤量し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する第1のチップ回転ステップと、
(2)前記検体分析チップを、前記第2回転軸を中心として回転させる第2のチップ回転により、
前記検体蓄積槽に秤量蓄積された検体成分と前記第1の試薬試料秤量槽に秤量蓄積された第1の試薬試料を、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽から見て、第2の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの1次混合槽に混合蓄積し、
少なくとも1つの第2の試薬試料溜槽にある第2の試薬試料を、前記第2の試薬試料溜槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積する第2のチップ回転ステップと、
(3)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第3のチップ回転により、
前記1次混合槽に蓄積されていた第1混合試料と、前記第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積されていた第2の試薬試料とを、前記1次混合槽ならびに第2の試薬試料秤量槽から見て第1の遠心加圧方向に位置する、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む少なくとも1つの混合流路に導き、通過させて混合し、
前記混合流路を経て、均等に混合された第2混合試料を、当該混合流路から見て第1の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの光学測定セルに蓄積する第3のチップ回転ステップと、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
試料導入口にある試料を、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置する分離流路に導き、そこで前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該分離流路と連通されている、少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に非検体成分を蓄積し、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、非検体成分蓄積槽と連通されている、少なくとも1つの検体成分秤量槽に前記検体成分を蓄積ならびに秤量し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する第1のチップ回転ステップと、
(2)前記検体分析チップを、前記第2回転軸を中心として回転させる第2のチップ回転により、
前記検体蓄積槽に秤量蓄積された検体成分と前記第1の試薬試料秤量槽に秤量蓄積された第1の試薬試料を、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽から見て、第2の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの1次混合槽に混合蓄積し、
少なくとも1つの第2の試薬試料溜槽にある第2の試薬試料を、前記第2の試薬試料溜槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積する第2のチップ回転ステップと、
(3)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第3のチップ回転により、
前記1次混合槽に蓄積されていた第1混合試料と、前記第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積されていた第2の試薬試料とを、前記1次混合槽ならびに第2の試薬試料秤量槽から見て第1の遠心加圧方向に位置する、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む少なくとも1つの混合流路に導き、通過させて混合し、
前記混合流路を経て、均等に混合された第2混合試料を、当該混合流路から見て第1の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの光学測定セルに蓄積する第3のチップ回転ステップと、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第68の発明は、本願第67の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転ステップが、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
試料導入口にある試料の大部分を、当該試料導入口の近傍に保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップと、
(b)引き続き、当該チップの回転を第2の回転数に変化させ、
前記試料を遠心加圧方向に前記分離流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、前記分離流路と連通する少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に蓄積し、前記検体成分を前記非検体成分蓄積槽と連通する、少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する、第1のチップ回転第2回転数ステップと、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
試料導入口にある試料の大部分を、当該試料導入口の近傍に保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップと、
(b)引き続き、当該チップの回転を第2の回転数に変化させ、
前記試料を遠心加圧方向に前記分離流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、前記分離流路と連通する少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に蓄積し、前記検体成分を前記非検体成分蓄積槽と連通する、少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する、第1のチップ回転第2回転数ステップと、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第69の発明は、本願第68の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転第1回転数ステップが、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離流路の一部に設けられた断面積が他の当該流路よりも小さい部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離流路の一部に設けられた断面積が他の当該流路よりも小さい部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第70の発明は、本願第68の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転第1回転数ステップが、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離流路の一部の疎水性を有する膜で覆われている表面部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離流路の一部の疎水性を有する膜で覆われている表面部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第71の発明は、本願第67〜70の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転ステップの前に、
試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する、試料導入ステップ、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する、試料導入ステップ、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第72の発明は、本願第71の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転第1回転数ステップが、
大部分の前記試料を、前記血液溜パイプ内に蓄積したまま、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
大部分の前記試料を、前記血液溜パイプ内に蓄積したまま、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第73の発明は、本願第67の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転ステップが、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
試料導入口にある試料を、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置する非検体成分蓄積部を含む分離・非検体成分蓄積流路に導き、そこで前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、当該非検体成分を当該流路途中に配設されている非検体成分蓄積部に蓄積し、
前記分離・非検体成分蓄積流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通されている、少なくとも1つの検体成分秤量槽に前記検体成分を蓄積ならびに秤量し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する、第1のチップ回転ステップ
である検体分析チップの使用方法を提供する。
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
試料導入口にある試料を、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置する非検体成分蓄積部を含む分離・非検体成分蓄積流路に導き、そこで前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、当該非検体成分を当該流路途中に配設されている非検体成分蓄積部に蓄積し、
前記分離・非検体成分蓄積流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通されている、少なくとも1つの検体成分秤量槽に前記検体成分を蓄積ならびに秤量し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する、第1のチップ回転ステップ
である検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第74の発明は、本願第73の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転ステップが、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
試料導入口にある試料の大部分を、当該試料導入口の近傍に保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップと、
(b)引き続き、当該チップの回転を第2の回転数に変化させ、
前記試料を遠心加圧方向に前記分離・非検体成分蓄積流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を当該流路途中に配設されている非検体成分蓄積部に蓄積し、当該流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通されている、少なくとも1つの検体成分秤量槽に前記検体成分を蓄積ならびに秤量し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する、第1のチップ回転第2回転数ステップと、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
試料導入口にある試料の大部分を、当該試料導入口の近傍に保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップと、
(b)引き続き、当該チップの回転を第2の回転数に変化させ、
前記試料を遠心加圧方向に前記分離・非検体成分蓄積流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を当該流路途中に配設されている非検体成分蓄積部に蓄積し、当該流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通されている、少なくとも1つの検体成分秤量槽に前記検体成分を蓄積ならびに秤量し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する、第1のチップ回転第2回転数ステップと、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第75の発明は、本願第74の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転第1回転数ステップが、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離・非検体成分蓄積流路の一部に設けられた断面積が他の当該流路よりも小さい部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離・非検体成分蓄積流路の一部に設けられた断面積が他の当該流路よりも小さい部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第76の発明は、本願第74の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転第1回転数ステップが、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離・非検体成分蓄積流路の一部の疎水性を有する膜で覆われている表面部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離・非検体成分蓄積流路の一部の疎水性を有する膜で覆われている表面部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第77の発明は、本願第73〜76の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転ステップの前に、
試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する、試料導入ステップ、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する、試料導入ステップ、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第78の発明は、本願第77の発明の検体分析チップの使用方法の第1のチップ回転第1回転数ステップが、
大部分の前記試料を、前記血液溜パイプ内に蓄積したまま、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
大部分の前記試料を、前記血液溜パイプ内に蓄積したまま、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第79の発明は、本願第67ならびに73の発明の検体分析チップの使用方法の第3のチップ回転ステップ後に、
前記検体分析チップ外にある光源より、当該チップ平面とほぼ平行で、第2混合試料を蓄積している少なくとも1つの光学測定セルを構成する一方の面である光学窓へ、垂直、もしくは垂直近くの入射角で光を入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成される反射層において、当該光学測定セル内へと導かれた当該入射光を反射し、;当該反射光が当該セル内を通過して、再度、当該光学窓を透過し当該チップ外にある光検出器に到達した光の強度を測定する光学測定ステップと、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
前記検体分析チップ外にある光源より、当該チップ平面とほぼ平行で、第2混合試料を蓄積している少なくとも1つの光学測定セルを構成する一方の面である光学窓へ、垂直、もしくは垂直近くの入射角で光を入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成される反射層において、当該光学測定セル内へと導かれた当該入射光を反射し、;当該反射光が当該セル内を通過して、再度、当該光学窓を透過し当該チップ外にある光検出器に到達した光の強度を測定する光学測定ステップと、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第80の発明は、本願第67ならびに73の発明の検体分析チップの第3のチップ回転ステップ後に、
前記検体分析チップ外にある光源より出射された光を、半透鏡に導き、直進透過してきた光を、当該チップ平面とほぼ平行で、第2混合試料を蓄積している少なくとも1つの光学測定セルを構成する一方の面である光学窓へ、ほぼ垂直である入射角で入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成される反射層において、当該光学測定セル内へと導かれた当該入射光を反射し、;当該反射光が当該セル内を通過して、再度、当該光学窓を透過し、当該半透鏡に入射し、そこで光路が約90度変化して出射してきた光を光検出器に導き、その強度を測定する光学測定ステップと、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
前記検体分析チップ外にある光源より出射された光を、半透鏡に導き、直進透過してきた光を、当該チップ平面とほぼ平行で、第2混合試料を蓄積している少なくとも1つの光学測定セルを構成する一方の面である光学窓へ、ほぼ垂直である入射角で入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成される反射層において、当該光学測定セル内へと導かれた当該入射光を反射し、;当該反射光が当該セル内を通過して、再度、当該光学窓を透過し、当該半透鏡に入射し、そこで光路が約90度変化して出射してきた光を光検出器に導き、その強度を測定する光学測定ステップと、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第81の発明は、本願第67ならびに73の発明の検体分析チップの第3のチップ回転ステップ後に、
前記検体分析チップ外にある光源より、当該チップ平面とほぼ平行で、第2混合試料を蓄積している少なくとも1つの光学測定セルを構成する一方の面である第1の光学窓へ、垂直、もしくは垂直近くの入射角で光を入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学測定セル内を通過、透過してきた光を、当該第1の光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成する第2の光学窓を透過させ、前記検体分析チップ外にある光検出器へと導き、その光の強度を測定する光学測定ステップと、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
前記検体分析チップ外にある光源より、当該チップ平面とほぼ平行で、第2混合試料を蓄積している少なくとも1つの光学測定セルを構成する一方の面である第1の光学窓へ、垂直、もしくは垂直近くの入射角で光を入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学測定セル内を通過、透過してきた光を、当該第1の光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成する第2の光学窓を透過させ、前記検体分析チップ外にある光検出器へと導き、その光の強度を測定する光学測定ステップと、
を含む検体分析チップの使用方法を提供する。
本願第82の発明は、溝流路を形成した少なくとも2つの基板を、両側に粘着層を有し、当該溝流路間の接続部位に貫通穴を形成した、少なくとも1つの接着板を介して接着して一体のチップとすることを特徴とする、検体分析チップの製造方法を提供する。
本願第83の発明は、ある回転軸を中心とする回転により試料を移動させ、当該移動させた試料を蓄積する槽を含む検体分析チップであって、
前記槽の、予め予想される遠心加圧後の試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の当該槽の部分の深さよりも浅くなっている槽、
であることを特徴とする検体分析チップを提供する。
前記槽の、予め予想される遠心加圧後の試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の当該槽の部分の深さよりも浅くなっている槽、
であることを特徴とする検体分析チップを提供する。
本発明の分離・秤量チップにより、ある回転軸を中心とする一度のチップ回転によって、検体成分と非検体成分の分離と、当該検体成分の秤量が可能となった。また本発明の混合チップにより、ある回転軸を中心とする一度のチップ回転によって、少なくとも2種類の試料の混合が可能となった。本発明の光学測定チップにより、実効的な光路長を維持したまま、当該チップ上の光学測定セルの長さを約半分にすることが可能となった。本発明の秤量チップにより、大容量の試料の秤量が可能となった。溝流路を有する少なくとも2つの基板を、両側に粘着層を有し、当該溝流路間の接続部位に貫通穴を形成した接着板を介して接着し、一体のチップを提供する本発明のチップ構造により、チップの多機能化に伴うチップ面積の増大を抑制することが可能となった。さらに本発明の検体分析チップにより、3回のチップ回転によって、試料の分離、検体成分ならびに試薬試料の秤量、検体成分と試薬試料の混合等の操作を行い、複数の検査対象成分を光学測定によって評価することが可能となった。
<第一実施態様>
図1は本発明の一実施態様による分離・秤量チップの分解斜視図を示している。基板A101には貫通穴が形成されており、基板B102には微細な溝流路などの構造が形成されている。これらの基板は安価に作製するために、チップ上の溝構造などの反転型を作製し、これを例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)などの樹脂に転写するモールディングや射出成型などの方法により作製する。そしてこれらの基板同士を貼り合わせて、図2の透過斜視図に示すように一体のチップ形状を形成する。図3は上面図を示すが、チップ外部より試料を導入する試料導入口301、当該試料を蓄積する試料溜302、そこより右往左往しながら多段に配設されている分離流路303、非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305、同B306、同C307、廃液溜槽308、空気抜き穴309へと溝流路を介して連通している構造となっている。
図1は本発明の一実施態様による分離・秤量チップの分解斜視図を示している。基板A101には貫通穴が形成されており、基板B102には微細な溝流路などの構造が形成されている。これらの基板は安価に作製するために、チップ上の溝構造などの反転型を作製し、これを例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)などの樹脂に転写するモールディングや射出成型などの方法により作製する。そしてこれらの基板同士を貼り合わせて、図2の透過斜視図に示すように一体のチップ形状を形成する。図3は上面図を示すが、チップ外部より試料を導入する試料導入口301、当該試料を蓄積する試料溜302、そこより右往左往しながら多段に配設されている分離流路303、非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305、同B306、同C307、廃液溜槽308、空気抜き穴309へと溝流路を介して連通している構造となっている。
本チップは導入した試料を、チップを回転させたときに生起する遠心力によって、当該試料から検体成分と非検体成分に遠心分離すると同時に、当該検体成分を少なくとも1つの分画に秤量、蓄積することを可能とするものである。特に、検体成分の比重が、非検体成分のそれと比較すると小さい場合に適用でき、例えば、血液を試料とした場合には、血漿成分が検体成分、血球(主として赤血球)成分が非検体成分となって、血球血漿分離と、少なくとも1つの血漿成分分画秤量が、一度のチップ回転で実現される。
同図中の試料導入口301よりチップ外から試料を導入し、当該試料を試料溜302に蓄積した後に、回転軸Cを中心として当該チップを回転させたときに、当該試料から検体成分と非検体成分の分離ならびに分離した検体成分を少なくとも1つの分画に秤量、蓄積する。原則的に試料溜302から分離流路303、非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305、同B306、同C307、廃液溜槽308という順に、図中の遠心加圧方向Fに沿って配設されており、試料溜302中の試料は、この順にチップ回転時に生起する遠心力によって移動していく。
図4にはチップの回転を行う遠心装置の一例を示している。図中のシャフト402が回転軸と一致する。図5は図3中310の分離流路の一部の拡大図を示している。分離流路501の遠心加圧方向F側の側壁輪郭線上の任意の一点502において、当該側壁輪郭線の接線503と、点502とチップ回転軸上の点を通過する線504の、試料進行方向505側のなす角をθとする。この接線503は、点502における局所的な試料の進行方向を示しており、このθが遠心加圧方向F側の側壁輪郭線上の任意の一点で、常に直角未満であれば、当該流路中の試料は試料進行方向505の方向へ澱みなく進行していく。そしてこのθを直角近くになるように分離流路、特に遠心加圧方向F側の側壁輪郭線を、当該流路全般にわたって設定すると、チップ回転に由来する遠心力と試料進行方向は直交に近い角度をなすので、結果としては当該遠心力が当該流路内試料を進行方向へと押し出す力への寄与が小さくなり、試料の進行速度を小さくすることができる。
そしてこのような構造の分離流路を図3の303のように多段で配置しているのは、狭いチップ占有面積で、実効的に当該分離流路の長さを長くし、かつ上述のように極力試料の進行速度を小さくさせることで、試料の分離流路中での滞在時間を増大させ、結果として試料の分離をこの流路中で十分進行させた後に、非検体成分蓄積槽304に導くためである。
図6には試料を分離・秤量チップに導入し、当該試料を検体成分と非検体成分に分離して、なおかつ分離した検体成分を秤量した上、3分割する過程を示す。まず、図6(a)に示すように、試料導入口301よりピペット等を用い、試料601を試料溜302に導入する。その後にCを回転軸としてチップを回転させる。回転中、遠心力が図中のFの方向に印加され、その結果、図6(b)に示すように試料601が分離流路303へと移動していく。同図中の丸印602は、試料601の分離流路での先頭部分を指示しており、当該部分の拡大図を図7に示す。本図に示すように試料は分離流路303中において、遠心加圧側に比重の大きい非検体成分701と、その反対側に比重の小さい検体成分702と分離されていきながら、その進行方向703へと進行していく。このような非検体成分と検体成分の分離は、試料601が進行していき、図6に示すように多段に配設された分離流路303の下段に達するほど、回転軸Cからの距離(回転半径)が大きくなるために、試料に印加される遠心力が大きくなり、より顕著に進行する。そして、図6(c)に示すように試料601の先頭が非検体成分蓄積槽304に到達する直前には、当該先端部の試料はほとんど検体成分と非検体成分の分離が完了している。
図8には図6に引き続き、本発明の分離・秤量チップの回転中の当該チップ上の非検体成分蓄積槽、検体成分秤量槽、廃液槽での試料の流れを説明する図を示す。同図(a)は、検体成分と非検体成分の遠心分離がほぼ完了した試料801が非検体成分蓄積槽304に流入するのに伴い、当該槽304の遠心加圧方向F側に非検体成分802が、その上部には検体成分803が分画されるように収容されていく様子を示している。そして、試料801がさらに流入すると、同図(b)に示すように、検体成分の喫水線が非検体成分蓄積槽304と連結路A804の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側の交点808を通過する回転軸Cを中心とする円の軌跡809よりも回転中心側に転じると、直ちに連結路A804を介して、検体成分秤量槽A305へと流れ込み、そこに蓄積されていく。この連結路A804において、検体成分が澱みなく検体成分秤量槽A305へと流れ込むよう、分離流路と同様に、少なくとも連結路流路の遠心加圧方向側に位置する側壁輪郭線上の任意の点において、検体成分の進行方向に延伸する側壁輪郭線接線と、当該点と回転軸上の点を通過する線となす角が、90度未満となるように連結路A804は設計されている。以下に述べる連結路B乃至Dにおいても同様である。
図8(c)に示すように、さらに試料が非検体成分蓄積槽304に流入してくると、当該槽内の非検体成分の比率は増加し、検体成分は検体成分秤量槽Aに流入して、そこでの検体成分の喫水線が検体成分秤量槽Aと連結路B805の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側の交点811を通過する回転軸Cを中心とする円の軌跡812よりも回転中心側に転じると、直ちに連結路B805を介して、検体成分秤量槽B306へと流れ込み、そこに蓄積されていく。最終的には図8(d)に示すように、検体成分秤量槽B306と同C307のそれぞれ連結路C806と同D807の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側のそれぞれの交点813と815を通過する円の軌跡814と816を喫水線として検体成分秤量槽B306と同C307を満たし、検体成分の一部は廃液槽308へと流れ込み、非検体成分蓄積槽304へと流れ込む試料が無くなった所で、これらの検体成分と非検体成分の移動は終了する。この後にチップの回転を停止する。
検体成分秤量槽A乃至Cに蓄積された検体成分の喫水線は、連結路の位置から予め予想できるものであるから、その他検体成分秤量槽の形状寸法により、各槽に検体成分を秤量して蓄積することができる。以上のことから本発明の分離・秤量チップにより、一度のチップの回転で、試料の検体成分と非検体成分の分離と当該分離した検体成分の複数区画への分割とそれぞれの秤量が実現できる。
図7(d)において、本来非検体成分蓄積槽304上部と廃液槽308中には検体成分は無く、検体成分秤量槽にのみそれがあることが望ましいが、分離・秤量する試料の非検体成分と検体成分の比率が一定ではなく、幅があることが多いため、ある程度は許容せざるを得ない。一例として、血液を試料とした場合、当該血液に含まれる検体成分である血漿成分の容積比は、成人男性:36〜48%、成人女性:34〜43%(非特許文献1による)であり、ある程度の幅を有する。実際的には検体成分比率が最も低い場合を想定し、かつ秤量する検体成分容量から導入する試料容量、非検体成分蓄積槽、検体成分蓄積槽、廃液槽の形状寸法、チップ上でのそれら槽の配設位置を決定する。また、分離流路303の長さは、長ければ長いほど検体成分と非検体成分の分離をより確実にするが、チップ上の占有面積の都合からはできるだけ短いほうが望ましい。通常はチップの回転数と回転半径から決定される遠心力等を勘案して決定する。
「臨床検査法提要 改訂第31版」 金井 泉 原著、金井正光 編著、金原出版株式会社 p.271
図3に示した分離・秤量チップにおいて、試料中の非検体成分を蓄積する非検体成分蓄積槽304は、試料が分離流路303を通過した後に1箇所のみ配設されていたが、もちろん連絡路を介して複数の非検体成分蓄積槽を接続、配設しても良い。さらに、分離流路途中に試料体積に比して小さい非検体成分蓄積槽を多数配設することによっても図3と同じ効果が得られる。このような分離・秤量チップの一例を図9に示す。同図に示すチップは、回転軸C側から試料導入口301、試料溜302、多段構成されている分離・非検体成分蓄積流路901、複数(3個)の検体成分秤量槽、廃液溜槽308、空気抜き穴309という順に連結されている。図3に示したチップと異なる点は、非検体成分蓄積槽304を廃している点と、分離・非検体成分蓄積流路901の遠心加圧方向側の側壁に半円状の突起を多数設けている点である。上記試料導入口より、試料を導入し、図中のCを中心としてチップを回転させると、図3の場合と同様に試料は分離・非検体成分蓄積流路901へと移動していく。
試料が分離・非検体成分蓄積流路901を移動していくときの様子を、図9中の分離・非検体成分蓄積流路901の一部902の拡大図である図10で説明する。試料601が分離・非検体成分蓄積流路901を流れてくる過程において、当該流路の遠心加圧方向側にある半円状の突起、非検体成分蓄積部1001には試料が満たされる。当該非検体成分蓄積部1001は遠心加圧方向側に位置するので、主に試料中の比重の大きい非検体成分が蓄積される。当該非検体成分とともに検体成分も一旦蓄積されたとしても、後から到達する試料中の非検体成分がそこに蓄積され、上記検体成分を半円状の突起1001から溢れさせ、試料ともに下流側へと流れていく。このような過程を繰り返し、同図に示すように各々の非検体成分蓄積部1001に非検体成分のみが蓄積されるようになると、上流から到達する試料は素通りして下流へと流れていく。このときの蓄積された非検体成分と下流へと流れていく試料の界面は、各々の非検体成分蓄積部の下流側の端点(図中、各々、1002、1003、1004)を通過するチップ回転軸を中心とする円の軌跡(図中、各々、1005、1006、1007)で表される。このような突起を多数、流路途中に配設することによって、徐々に試料中の非検体成分をそこに蓄積して、試料中から除去し、最終的に図9の検体成分秤量槽A305に到達するまでには、検体成分のみがそこに到達するようにする。
図3の分離・秤量チップの場合と同様に、このすべての非検体成分蓄積部に蓄積される非検体成分の容積の総和は、分離する試料量と非検体成分比率より自ずと決まる。また、個々の突起に検体成分を含まず、非検体成分のみを蓄積するためには、できるだけこの突起の容積を小さくして多数配設することが望ましいが、これは分離・非検体成分蓄積流路901を長くすることと関連しているので、両者の兼ね合いにより決定する。さらにこのような非検体成分蓄積部の突起は、本例で示した半円状のものに限らず、三角形や四角形などの多角形でも良い。
このようにして検体成分秤量槽305へと流入していった検体成分は、図3の分離・秤量チップの場合と同様に、図11に示す如く蓄積、秤量される。すなわち、検体成分秤量槽に蓄積された検体成分の喫水線は、回転軸Cを中心とした円で表され、当該円は検体成分秤量槽とその下流に配設された連結路との遠心加圧方向側の交点を通過する。同様に同図中の検体成分秤量槽306、ならびに307においても検体成分が蓄積秤量され、余分な検体成分は廃液槽308へと蓄積される。上述のように分離・非検体成分蓄積流路901の遠心加圧方向に配設された非検体成分蓄積部には非検体成分が蓄積されているが、導入される試料中の非検体成分と検体成分の比率には幅があり、これを考慮して非検体成分蓄積部の寸法形状や配設個数を決める。したがって、多くの場合においては図中の1102に示す検体成分秤量槽305に至る直前で、既に試料中の非検体成分は除去されているため、当該部分の非検体成分蓄積部には検体成分が蓄積されているようになる。以上述べた分離・秤量チップによって、一度の回転操作で試料の検体成分と非検体成分の分離を行い、なおかつ分離した検体成分を少なくとも一つの分画に蓄積秤量することが可能となった。
<第二実施態様>
図3に示した分離・秤量チップにおいて、より確実に、また比較的短い分離流路で検体成分と非検体成分の分離を実現するために、図12に示すように分離流路303の少なくとも一部の幅、すなわち流路の断面積が小さくなっている部位1201を形成する。特にこのような表面における水の接触角は60度以上の疎水性の性質を持つような材料で覆われていることが望ましい。このようにすることによって、導入した試料は流路表面との間に毛細管力が作用し、特にこの1201部のように断面積を小さくした部位においては顕著となるため、試料がこの1201部を通過するためには、より高い力必要となり、そこを通過しにくくなる。したがって、試料が1201部を通過できない程度の遠心力を、Cを回転軸としたチップ回転で生起する。遠心力の制御は回転数で行い、これを第1の回転数とする。試料は分離流路下流へと移動することができず、その大部分は試料溜302内に留まり、そこである程度の検体成分と非検体成分の分離を行う。その後に第1の回転数よりも高い、第2の回転数まで回転数を増加させる。これに伴い遠心力も増加することから、ある程度検体成分と非検体成分の分離が進行した血液は、1201部を通過し、分離流路下流へと検体成分と非検体成分の分離をより進行させながら進行していき、図3の場合と同様に非検体成分蓄積槽304に非検体成分を蓄積し、その下流の検体成分秤量槽に検体成分を蓄積、秤量させ、余った検体成分は廃液溜槽308に蓄積することができる。
図3に示した分離・秤量チップにおいて、より確実に、また比較的短い分離流路で検体成分と非検体成分の分離を実現するために、図12に示すように分離流路303の少なくとも一部の幅、すなわち流路の断面積が小さくなっている部位1201を形成する。特にこのような表面における水の接触角は60度以上の疎水性の性質を持つような材料で覆われていることが望ましい。このようにすることによって、導入した試料は流路表面との間に毛細管力が作用し、特にこの1201部のように断面積を小さくした部位においては顕著となるため、試料がこの1201部を通過するためには、より高い力必要となり、そこを通過しにくくなる。したがって、試料が1201部を通過できない程度の遠心力を、Cを回転軸としたチップ回転で生起する。遠心力の制御は回転数で行い、これを第1の回転数とする。試料は分離流路下流へと移動することができず、その大部分は試料溜302内に留まり、そこである程度の検体成分と非検体成分の分離を行う。その後に第1の回転数よりも高い、第2の回転数まで回転数を増加させる。これに伴い遠心力も増加することから、ある程度検体成分と非検体成分の分離が進行した血液は、1201部を通過し、分離流路下流へと検体成分と非検体成分の分離をより進行させながら進行していき、図3の場合と同様に非検体成分蓄積槽304に非検体成分を蓄積し、その下流の検体成分秤量槽に検体成分を蓄積、秤量させ、余った検体成分は廃液溜槽308に蓄積することができる。
このようにある程度検体成分と非検体成分の分離を進行させた試料を、分離流路303に導くことで、当該分離に要する分離流路303の全長を図3に示した場合よりも短くすることができる。または、当該分離流路長はそのままでも第2の回転数を、図3に示した分離・秤量チップの場合の回転数よりも低くできる。さらに第1の回転数をより高くすることができれば、試料溜302内で試料の検体成分と非検体成分の分離をより進行させることができ、結果として分離流路を短く、また第2の回転数を低くすることができる。これによりチップ面積の縮小、または外部回転装置に及ぼす負荷を低減することができる。そのためには、1201部の少なくとも一部の流路幅をより狭くして、そこの断面積を小さくすることと、当該部分の表面の接触角を大きくさせれば良い。チップの作製に用いられるPETやPCなどの樹脂の多くは、もともと70〜80度の接触角を有するので、特に表面処理を施さなくてもある程度は有用であるが、より高い接触角を得るために、1201部の少なくとも一部をフッ素樹脂、シリコーン樹脂などの接触角の高い樹脂で覆うことが効果的である。また図12においては分離流路901の一部の断面積が小さくなっていたが、もちろん分離流路全体にわたって当該断面積が小さくなっていても良い。
以上述べたような、分離流路の一部の部分の流路断面積を小さくすることや、当該流路一部の表面の接触角を大きくして、第1の回転数である程度の検体成分と非検体成分の分離を進行させるという手法は、当然図9に示した分離・非検体成分蓄積流路を有する分離・秤量チップにおいても適用できる。
<第三実施態様>
図13には本発明の混合チップを示している。チップの作製方法等は図1、図2で説明した分離・秤量チップと同様である。本チップは2種の試薬試料等の液体試料をチップ上に導入した後に、チップ回転させ、その時生起する遠心力により、両者を混合し、均質な混合試料を得るチップであり、基本的な混合操作の手順は以下の通りである。同図の試料導入口A1301と試料導入口B1302より、それぞれ試料AとBを試料溜A1303と試料溜B1304に導入する。その後にCを回転軸としてチップを回転させ、Fの方向に遠心力を生起させる。すると試料Aと試料Bは、それぞれ合流流路A1311と同B1312を経て、合流部1305に向かって移動を始める。そして試料AとBを合流した後に混合流路1306に導き、当該流路の移動中に両試料を均質に混合する。そして、このような混合流路1306を通過し、混合された試料は、混合試料溜槽1307に蓄積されていく。すべての試料が混合試料溜槽1307に蓄積された後に、チップの回転を停止して、チップ上での混合操作が完了する。以上のように非常に簡単で、短時間に複数の試料の混合が達成できる。
図13には本発明の混合チップを示している。チップの作製方法等は図1、図2で説明した分離・秤量チップと同様である。本チップは2種の試薬試料等の液体試料をチップ上に導入した後に、チップ回転させ、その時生起する遠心力により、両者を混合し、均質な混合試料を得るチップであり、基本的な混合操作の手順は以下の通りである。同図の試料導入口A1301と試料導入口B1302より、それぞれ試料AとBを試料溜A1303と試料溜B1304に導入する。その後にCを回転軸としてチップを回転させ、Fの方向に遠心力を生起させる。すると試料Aと試料Bは、それぞれ合流流路A1311と同B1312を経て、合流部1305に向かって移動を始める。そして試料AとBを合流した後に混合流路1306に導き、当該流路の移動中に両試料を均質に混合する。そして、このような混合流路1306を通過し、混合された試料は、混合試料溜槽1307に蓄積されていく。すべての試料が混合試料溜槽1307に蓄積された後に、チップの回転を停止して、チップ上での混合操作が完了する。以上のように非常に簡単で、短時間に複数の試料の混合が達成できる。
本チップで実際に2種類の試料の混合を行っている箇所は、両試料が合流した後の混合流路1306においてである。図13中に指示している1310部の拡大図を図14に示す。当該流路は図3に示した分離・秤量チップ中の分離流路と同様に、遠心加圧方向F側の側壁輪郭線上の任意の点において、図5に示したθが90度近くになるようになっている。一方、遠心加圧方向Fと逆側には、多数の三角状の突起1401が配設され、これにより狭い範囲で流路幅が狭い流路幅A1402または広い流路幅B1403が繰り返し出現するようになっており、このような特徴を有する流路が多段に構成されているのが本混合流路の特徴である。
一般的に、微細な溝流路における液体試料の流れは、レイノルズ数が小さいために層流となる。図15に示すように、図14の突起形状が無い流路1501に、図示していないが、図13の試料溜A1303と同B1304にそれぞれ試料A1502と同B1503を導入して、チップを回転させ、それぞれの合流流路を通過して合流部に達し、両試料を1501流路へと導入する。すると両試料は流路内でそれぞれの層を形成したまま下流へと流れて行き、ほとんど両者の混合が進まない。これが層流といわれるものである。したがって、このような微細な溝流路内で複数種類の試料を混合するために、特許文献4に示されるような試料の進行方向を著しく変化させ、乱流を起こさせる構造を有する流路を多数配置した混合流路が開示されている。しかしながら同文献に示される混合流路は、360度反転するような流路を多数含むため、チップ回転により生起する遠心力のように、単方向にのみ作用する力を利用して試料の移動を行うことができず、移動手段として外部ポンプ等の付加設備によってこれを行う必要が生じる。
微細な溝流路において複数種類の試料の混合に寄与する一つの現象は拡散である。拡散現象により混合を促進するためには、当該流路内での滞在時間を長くすることが必要であり、この要求に応えるために図13の混合流路1306のようにチップ回転に由来する遠心加圧方向Fに対して直交しているのに近い流路を折り返し多段に構成している。これにより、狭いチップ占有面積で比較的長い流路長を確保し、また遠心加圧方向と流路内を流れる試料の進行方向がほぼ直交していることから、試料の遠心力に由来する進行速度を極力抑制し、当該混合流路内での試料の滞在時間を長くしている。
図13の混合流路1306の特徴である多くの突起形状構造は、図14の拡大図においても明らかのように、試料の短い移動距離間に流路幅が大きく変化する構造を与えていることになり、このような構造が流路内を進行する試料の乱流発生を促進し、結果として混合を促進する。本来このような突起形状構造を、混合流路の両側(遠心加圧方向とその逆方向)に配設することがより高い混合効率を得るためには望ましいが、遠心加圧方向にこのような構造を与えると、図9の分離・非検体成分蓄積流路901と同様に、当該構造内に試料が蓄積されてしまうため、本発明の混合流路においては遠心加圧方向と逆方向側の側壁にのみこのような構造を与えた。このような構造の場合、層流をしている2種類の試料の遠心加圧方向と逆側を流れる一方の試料側で優先的に乱流が生起し、混合が進むことになり、均一に混合が進むとは言い難い。
しかし、図15の突起形状構造を含まない流路における層流現象から明らかのように、流路内の試料の進行方向が360度近く反転する折り返し部1505の前後で、例えば図中の試料A1502は、折り返し部1505に到達する前は遠心加圧方向と逆側の流路側壁に沿って下流へと進行しているが、折り返し部1505通過後には遠心加圧方向側の側壁に沿って、下流へと進行するようになる。このように折り返し流路の前後において、試料AとBの遠心加圧方向に対する位置関係が逆転する。すなわち、このような突起形状構造が流路の片側にのみにしか無くても、折り返し流路によって、混合流路を図13のように多段構成にすることで、均質な混合を達成することができるのである。なお、本例では三角状の突起を形成していたが、半円もしくは多角形形状でも良い。
<第四実施態様>
図16には図13に示した混合チップの混合試料溜槽1307を排して光学測定セル1601を付与したチップの分解斜視図を示している。当該チップは図の基板A101と基板B102を貼り合わせて作製する。特に基板B102の貼り合わせる面側の表面には、近紫外光域あるいは可視光域で高い光学反射率を有する薄膜で覆われておることが特徴である。図17には、本チップの上面図を示している。試料Aと同Bをそれぞれ同図の試料導入口A1301と同B1302より、試料溜A1303と同B1304に導入し、Cを回転軸としてチップを回転させ、Fの方向に遠心力を生起させる。試料Aと同Bは混合流路1306へと導かれ、当該流路の移動中に両試料を均質に混合する。このような混合流路1306を通渦し、混合された試料は、光学測定セル1601に蓄積されていく。当該光学測定セル1601を満たした後に余分な試料はすべて廃液溜槽308に収容される。このような試料の移動が完了したならば、チップの回転を停止する。
図16には図13に示した混合チップの混合試料溜槽1307を排して光学測定セル1601を付与したチップの分解斜視図を示している。当該チップは図の基板A101と基板B102を貼り合わせて作製する。特に基板B102の貼り合わせる面側の表面には、近紫外光域あるいは可視光域で高い光学反射率を有する薄膜で覆われておることが特徴である。図17には、本チップの上面図を示している。試料Aと同Bをそれぞれ同図の試料導入口A1301と同B1302より、試料溜A1303と同B1304に導入し、Cを回転軸としてチップを回転させ、Fの方向に遠心力を生起させる。試料Aと同Bは混合流路1306へと導かれ、当該流路の移動中に両試料を均質に混合する。このような混合流路1306を通渦し、混合された試料は、光学測定セル1601に蓄積されていく。当該光学測定セル1601を満たした後に余分な試料はすべて廃液溜槽308に収容される。このような試料の移動が完了したならば、チップの回転を停止する。
このように複数の試料を混合した後に、光学測定セル1601において光学測定を行う。従来、特許文献4に示されるように光学測定セル中の光の進行方向はチップ平面に対し平行方向にあり、セル端面より光を入射、セル内を透過させ、反対側のセル端面より出射させて、これを光検出器で受光することで測定を行っていた。図18には光学測定セルの側面図と、測定光学光路を説明する図を示している。同図の(a)、(b)においても、光学測定セル中の光の進行方向はチップ平面に対しほぼ垂直であることが本発明の第1の特徴である。また、光学測定セルの光を入射する面と対向する面に、光学的反射率の高い材料で被覆された面を設置しており、これによりセル内を光が往復できるようになるので、実効的な光路長は維持したままセル長を従来の透過測定の場合と比較して半分にすることができる。これが第2の特徴となっている。
図18(a)では、混合した試料1801で満たされた光学測定セル1601の上方から、チップ平面に対してほぼ垂直に光源1802から出射した光1803を光学測定セル槽内へと導入する。当該光源から光学測定セルまでの間に、光を単色化するために帯域フィルターを挿入したり、光を集光するためにレンズを挿入する場合もある(図示しない)。また光の減衰をできるだけ抑制するために、少なくとも光学測定セル上部の光が通過する光学窓1807は、少なくとも通過する光の波長領域で高い透過率を有する材料で構成されていることが望ましい。また、当該光学窓自体を平凸レンズ等のレンズ形状に加工しておいて光を集光しても良い。このように光学測定セル内に導かれた光は、セル内の試料1801に吸収されながら基板B102表面を覆う光学反射率の高い薄膜1602に到達し、そこで正反射して、再度セル内へと入射した面に到達する。ここで光学反射率の高い薄膜1602は少なくとも光学測定セルと接する部分を覆っていることが望ましい。また、ここでは基板102に光学反射率の高い薄膜を被覆した例を示したが、基板102自体が光学反射率の高い材料で構成されていても良い。そしてチップ外へと出射して、光検出器へと到達し、信号として検出される。この光検出器と光学測定セル槽との間に、光を単色化するために帯域フィルターを挿入したり、光を集光するためにレンズを挿入する場合もある(図示しない)。
図18(b)では、光源1802と光学測定セル槽1601の間に半透鏡1806を挿入する。これによってチップ平面に対しほぼ垂直に光源1802を出射した光1803は、当該半透鏡に入射して、その一部はそのまま直進して光学測定セル槽1601へと導入される。そして試料1801に吸収されながら、光学反射率の高い薄膜1602部分で正反射され、再度半透鏡1806に入射し、そこで進行方向を90度変えて、光検出器へと到達し、信号として検出される。ここではキューブ型の半透鏡の例を示したが、もちろんプレート型の半透鏡を用いても良い。
<第五実施態様>
図19には、秤量チップの一例を示しており、図20には本チップの分解斜視図を示している。本チップは試料導入口301より試料を試料溜302に導入し、第1の回転軸C1を中心としたチップの回転により生ずる遠心力で、当該試料を連結路A804を介し、秤量槽1901へと導く。この際、秤量槽1901の遠心加圧方向に試料が蓄積され、その喫水線は、図8の検体成分秤量槽の場合と同様に、秤量槽に接続される連結路B805の交点を通過する、第1の回転軸C1を中心とする円の軌跡で表される。(図21)そしてこの第1の回転軸側に喫水線を超えた試料は、連結路B805を介して廃液槽308へと排出、蓄積される。排出された試料も、廃液槽308の遠心加圧方向に蓄積され、その喫水線は、やはり第1の回転軸C1を中心とする円の軌跡で表される。
図19には、秤量チップの一例を示しており、図20には本チップの分解斜視図を示している。本チップは試料導入口301より試料を試料溜302に導入し、第1の回転軸C1を中心としたチップの回転により生ずる遠心力で、当該試料を連結路A804を介し、秤量槽1901へと導く。この際、秤量槽1901の遠心加圧方向に試料が蓄積され、その喫水線は、図8の検体成分秤量槽の場合と同様に、秤量槽に接続される連結路B805の交点を通過する、第1の回転軸C1を中心とする円の軌跡で表される。(図21)そしてこの第1の回転軸側に喫水線を超えた試料は、連結路B805を介して廃液槽308へと排出、蓄積される。排出された試料も、廃液槽308の遠心加圧方向に蓄積され、その喫水線は、やはり第1の回転軸C1を中心とする円の軌跡で表される。
このような手法は一般的によく用いられており、特に微量の試料の秤量に多く適用されている。しかしながら、例えば血液を試料として、これから分離抽出した血漿や血清を検体成分とし、これを試薬試料と混合して、その発色程度を光学測定により見積もる比色法においては、血漿や血清の体積に比して20倍乃至100倍という大容量の試薬試料との混合を行う必要がある。例えば血漿や血清試料の容量を1マイクロリットル(1/1000cc)とすると、20乃至100マイクロリットルの試薬試料と混合する場合がある。このような大容量の試薬試料を秤量するには、比較的大きなチップ占有面積で、かつ深い秤量槽が必要となる。
図21に示すようにチップの回転を止め、秤量操作が完了した後の秤量槽1901の斜視図を図22に示す。同図(a)は理想的に秤量が完了したときの様子を表しており、このように槽内で試料が蓄積されることを予想し、秤量槽1901の寸法形状や連結路B805の秤量槽1901への取り付け位置等を決定し、秤量を行っている。しかしながら実際には、槽の表面の親水性、疎水性の度合いや、試料の表面張力(多くは水のそれとほぼ等しい)により、メニスカス現象が生じ、同図(b)中の丸印内に示すようにチップの奥行き方向の喫水線が湾曲する場合が多い。この場合は表面の接触角が90度以下であり、槽の試料蓄積側に湾曲しているが、接触角が90度以上の疎水性の場合には逆側に盛り上がるように湾曲する。このような湾曲形状は、図23に示す秤量槽の側面図のように、一次近似として槽の深さを直径(図中の半径Rの2倍)とする半円で表されるので、この深さが深いほど湾曲が顕著になる。
すなわち、チップを回転して遠心力を印加している間は図22(a)に示すように試料は理想的に秤量槽に蓄積されているが、回転を停止すると槽表面の濡れ性如何で喫水線が湾曲する。湾曲を抑制するためには、槽表面の接触角を90度にすればよいが、それによりチップ材料の制約を受けたり、接触角が90度の材料を表面に被覆するなどの手間がかかる。また、秤量槽全体の深さを、メニスカス現象が無視し得るほど浅くすればよいが、そうすると槽の上面面積が大きくなり、チップ全体の面積が大きくなってしまい得策ではない。この回転終了後の喫水線の湾曲は、図24に示すように、喫水線の位置が変化することを示し、秤量槽の形状によっては図中の矢印のように各連絡路へ試料が移動してしまう可能性がある。このような現象は、当該秤量操作後に行う秤量した試料の遠心輸送に障害を及ぼすことから好ましくない。そこで本発明では、ほとんどの試料は深さの深い遠心加圧方向に位置する秤量槽に蓄積し、喫水線を含む秤量槽の一部においては深さが浅くなっている構造の新規秤量槽を提供する。
図25には本発明の秤量槽の構造の透過斜視図を示している。同図(a)は、従来の秤量槽の遠心加圧方向に位置する試薬蓄積部の深さはそのままにして、喫水線のわずかに遠心加圧方向側で、槽の深さが浅くなるようになっている。このようにすると、試料の喫水線では、槽の深さが浅いために、メニスカス現象に由来する試料の深さ方向の湾曲は、従来の場合と比して大きく緩和される。この場合では、試料喫水線の遠心加圧方向とは反対側の秤量槽の深さを全体的に浅くしているが、メニスカス現象は喫水線部でのみ起こるので、必ずしも試料喫水線の遠心加圧方向とは反対側の全体を浅くする必要はない。同図(b)の秤量槽では、試料喫水線の遠心加圧方向とその逆方向を幅とする帯状の槽深さが浅い構造が示されており、試料喫水線部分の深さが浅くなっているので、これでも同図(a)と同じ効果が得られる。
図26には図25の透過斜視図を上面図にしたものを示している。同図(a)では、試料喫水線2101のわずかに遠心加圧方向に秤量槽の深さが深い部分と浅い部分の境界2601があり、ほとんどの試料はこの境界よりも紙面の下方向、すなわち遠心加圧方向に蓄積されている。そして試料喫水線部分では槽の深さが浅くなっているために、メニスカス現象に由来する試料の深さ方向の湾曲は無視でき、試料が移動してしまうようなことはない。同図(b)では試料喫水線2101の両側に、秤量槽の深さが深い部分と浅い部分の境界2601があり、当該喫水線部分の槽の深さは浅くなっている。このように試料喫水線を含むわずかな秤量槽部分の深さが浅ければ良く、必ずしも(a)のように喫水線より遠心加圧方向と逆方向のすべての秤量槽部の奥行きを浅くする必要はない。本発明の秤量槽の構造により、槽の上面面積は従来の場合とほとんど変わらない上、多量の試料を秤量した後の試料のメニスカス現象に由来する移動は極力排除できる。また本発明の秤量槽構造は、秤量槽だけにとどまらず、多量の試料を蓄積するチップ上の種々の槽において適用することができる。
<第六実施態様>
上述した、チップを回転させたときに生じる遠心力のみで、試料より検体成分と非検体成分の分離、検体成分の秤量、複数の試料の均質な混合、大容量の試料の秤量を行う機構装置を融合して、検体成分を含む試料を導入して、測定対象成分を分析する本発明の検体分析チップを示す。当該チップにおいて、すべての試料の搬送、秤量、混合、ならびに検体成分と非検体成分の分離等は、装置を回転させたときに生じる遠心力により行うことを特徴としている。さらに、これらのさまざまな機能を集積して、複数の測定対象成分を分析可能とし、なおかつ装置の大型化、特に大面積化を抑制するために、装置の溝流路をチップ平面内に配設するのみでなく、このような平面内に溝流路を配設した複数の基板を積層することで、立体的に溝流路を配設する。このように溝流路を立体的に配設することより、チップの厚みは増すが、光学測定を行うセル槽の光路方向をチップ平面に対し、鉛直方向に配設することで、この厚みを有効的に利用する。
上述した、チップを回転させたときに生じる遠心力のみで、試料より検体成分と非検体成分の分離、検体成分の秤量、複数の試料の均質な混合、大容量の試料の秤量を行う機構装置を融合して、検体成分を含む試料を導入して、測定対象成分を分析する本発明の検体分析チップを示す。当該チップにおいて、すべての試料の搬送、秤量、混合、ならびに検体成分と非検体成分の分離等は、装置を回転させたときに生じる遠心力により行うことを特徴としている。さらに、これらのさまざまな機能を集積して、複数の測定対象成分を分析可能とし、なおかつ装置の大型化、特に大面積化を抑制するために、装置の溝流路をチップ平面内に配設するのみでなく、このような平面内に溝流路を配設した複数の基板を積層することで、立体的に溝流路を配設する。このように溝流路を立体的に配設することより、チップの厚みは増すが、光学測定を行うセル槽の光路方向をチップ平面に対し、鉛直方向に配設することで、この厚みを有効的に利用する。
本発明の検体分析チップの一つの適用例として、血液を試料とした場合の基本的な測定手順は、上述のように(1)試料である血液の導入、(2)非検体成分である血球と検体成分である血漿の分離、(3)分離した血漿の秤量、(4)少なくとも1種類の試薬試料の秤量、(5)秤量した血漿および試薬試料の混合、(6)光学測定、から成っている。本発明では、比色測定分析の典型的な例として、血漿に、試薬試料Aを混合し、この混合した試料を試薬試料Bとさらに混合した後に、光学測定を行うという、2種類の試薬試料を用いる分析に対応し、かつ同一チップにより3項目の測定対象成分を分析する検体分析チップの一例を示す。図27の分解透過斜視図に示すように、本チップは溝流路を形成してある基板A2701、基板B2702、基板C2703の3つの基板から成り、それぞれ基板A2701と基板B2702の界面ならびに基板B2702と基板C2703の界面には所々に貫通穴を設けた接着板A2704と接着板B2705を介して接着して、一体のチップとしている。
基板各層の構造を図28乃至図30に、接着板AとBの構造を図31に示す。さらに図32にはこれらの基板を接着板を介して貼り合わせて一体とした本検体分析チップの透過斜視図を示し、特に光学測定セル部3201の詳細を図33に示す。光学測定セルA3304は、図29中の光学測定セル1A2916と図30中の光学測定セル2A3017が結合して形成したものであり、そのセルの両端は、セル部に貫通穴を形成してある接着板A2704と接着板C3303を介して、光学窓A3301と光学窓B3302により蓋がされている。光学測定セルB3305ならびに同C3306についても同様である。
図34には試料である血液を採取するための採血装置の一例を示しており、採血用針3401、変換パイプ3402、血液溜めパイプ3403を連結接着した構造からなっており、これらの間は連通している。採血用針3401の変換パイプ3402と接続されている側と反対側の端面は、皮膚や血管を痛みが少なく穿刺できるように鋭く研磨されている。血液溜めパイプ3403は、採取した血液を蓄積しておくためのものである。当該採血装置はガンマ線照射などの処理により滅菌されており、血管に採血用針3401を導き、血液を採取して、血液溜めパイプ内にこれを必要量蓄積した後に針を血管から抜いて、採血操作を完了する。そしてこの血液を蓄積した採血装置を、そのまま検体分析チップの試料導入口2801に導入する。もちろんこのような採血装置を用いることなく、血液等の試料を当該試料導入口2801に直接導入してもよい。また、同時に試薬試料1A導入口2802乃至試薬試料1C導入口2804より3種類の試薬をそれぞれ試薬試料1A溜槽2805乃至試薬試料1C溜槽2807へ導入する。
図35にはこの様子を示す。ここでは見易くするために1層目の基板A2701のみ図示する。この後同図中のC1を回転軸としてチップを回転させる。(第1のチップ回転)採血装置3501に蓄積されていた血液は、第1の遠心加圧方向F1方向へと、すなわち分離流路2808へと移動していく。当該分離流路2808では、上記第一実施態様で説明した図3中の分離流路303の場合と同様に、血球と血漿の分離が進行しながら、血液が下段の方へ移動していく。そして非検体成分蓄積槽A2809ならびに同B2810まで到達すると、そこに分離された血球成分が捕獲され、その下流に位置する検体成分秤量槽A2811乃至同C2813に分離された血漿が秤量、蓄積され、余分な血漿成分は、廃液溜槽2817へと蓄積される。ここでは図3に示した分離流路を用いた例を示したが、もちろん図9に示した非検体成分蓄積部を含む分離流路を用いても良い。また第二実施態様に示したように、これらの分離流路の一部の断面積が他の部分よりも小さい構造(図12)、あるいは当該分離流路の一部に疎水性を有する膜を塗布した構造で第1と第2回転数で、分離、秤量操作を行っても良い。
一方、試薬試料1A溜槽2805乃至同1C溜槽2807に導入された3種類の試薬試料、試薬試料1A3502乃至同1C3504は、C1を回転軸としたチップの回転により、それぞれ秤量槽1A2814乃至同1C2816へと移動していく。この秤量槽は、第五実施態様の図26で説明したように、秤量時に形成される試薬試料の喫水線部分を少なくとも含む当該槽の一部の部分の深さが局所的に浅くなった構造をしている。ここでは一定量の試薬試料をそれぞれの秤量槽で蓄積し、余分な試薬試料は、それぞれの秤量槽よりも遠心加圧方向に位置する廃液溜槽A2817に蓄積される。このC1を中心とする第1のチップ回転後の様子を図36に示す。
図36に示す如く、分離流路2808で分離された血液は、血球成分を非検体成分蓄積槽A2809ならびに非検体成分蓄積槽B2810に蓄積して、同時に一部の血漿成分は当該非検体成分蓄積槽B2810に蓄積されるが、検体成分秤量槽A2811乃至同C2813にも秤量、蓄積される。非検体成分蓄積槽B2810に蓄積される血漿量は検体の血液の血球と血漿の成分比に依存して変化するが、その成分比の範囲は概ね明らかであることから、本検体分析チップに導入する血液量から、非検体成分蓄積槽A2809ならびに非検体成分蓄積槽B2810の容積を決定してある。すべての槽に蓄積されている血球、血漿成分を含む液体の喫水線は、第1の回転軸C1を中心とし、かつ各々の槽に接続されている下流側の流路の遠心加圧方向の側壁を通過する円で表されるので予め、蓄積される液体の容積は既知である。よって血漿成分3601は検体成分秤量槽A2811乃至同C2813の各槽に秤量蓄積され、同様に3種類の試薬試料は、それぞれ秤量槽1A2814乃至同1C2816に、秤量された試薬試料1A3602乃至同1C3604として蓄積される。
次にこのように秤量して、3分割した血漿成分と3種の試薬試料をそれぞれ混合(第1混合)する。これと同時に、この混合した1次混合試料と、その後に混合する3種の第2の試料試薬をそれぞれ秤量する。そのために、まず図35において、試薬試料2A導入口A2824乃至同2C導入口A2825を介し、試薬試料2A、同2B、同2Cの3種類の試料試薬を検体分析チップにそれぞれ導入する。これらの導入口は、図27乃至図31より明らかのように、接着板A2704の試薬試料2A貫通穴3110乃至同2C貫通穴3112を介し、第2層の基板B上の試薬試料2A導入口B2910乃至同2C導入口B2912にそれぞれ接続され、さらにこれらの基板B上の導入口は、接着板B2705の試薬試料2A溜槽貫通穴3130乃至同2C溜槽貫通穴3132を介し、第3層の基板C上の試薬試料2A溜槽3001乃至同2C溜槽3003に接続されている。結局、上記の検体分析チップに導入した3種類の試薬試料2A、同2B、同3Cは、それぞれ試薬試料2A溜槽3001乃至同2C溜槽3003に蓄積される。そしてこの後に図35の第2の回転軸C2を中心としてチップを回転する。(第2のチップ回転)回転に伴い第2の遠心加圧方向F2に遠心力が印加される。
すると図36に示した3分割に秤量された血漿3606ならびに秤量された3種類の試薬試料1A3602乃至同1C3604は、第2の遠心加圧方向F2に移動を開始する。まず3分割されている血漿成分は、それぞれ検体成分秤量槽A接続部A2818乃至同C接続部A2820から、接着板A上の検体成分秤量槽A貫通穴3104乃至同C貫通穴3106を介し、第2層の基板B2702上の検体成分秤量槽A接続部B2901乃至同C接続部B2903へと到達し、最終的には1次混合槽1A2907乃至同1C2909に蓄積される。また、図36に示した秤量された試薬試料1A3602乃至同1C3604も同様に、秤量槽1A貫通穴3101乃至同1C貫通穴3103を介し、第2層の基板B2702上の秤量槽1A接続部B2904乃至同1C接続部B2906へと到達し、最終的には秤量された血漿の移動先とそれぞれ同一の1次混合槽1A2907乃至同1C2909に蓄積される。この様子を図37に示す。(第2層基板Bのみ図示)
秤量された血漿ならび試薬試料1A乃至1Cが、これらの1次混合槽に至る過程、および当該混合槽内において、両者がよく混合されるための方策は、特には施していない。通常、この血漿と第1の試薬試料を混合した後に、5分乃至10分間程度、37℃前後まで加温するので、この間に1次混合試料は拡散と昇温時の対流により、均一に混合されることが期待されるからである。もちろん、第3実施態様に示したような混合流路を1次混合槽に至る流路に配設しても良い。また当該1次混合槽は1次混合試料を蓄積するのみで、別段秤量を行っているわけではないが、図37中の1次混合試料の喫水線3606の第2の遠心加圧方向F2と逆方向側の槽の奥行きが、図29(a)に示すように浅くなっている。これは第五実施態様で説明したように、チップの回転を停止した後に、メニスカス現象により蓄積した1次混合試料が槽外へと移動してしまうのを抑制するためである。
また、上述のように、第1層の基板Aと第2層の基板Bの溝流路を、貫通穴を施した接着板Aを介して接続するという形態は、本発明の検体分析チップの大きな特徴の一つである。このような多層の基板にまたがった溝流路の透過側面図を図38に示す。同図の(a)は、溝流路A3801を形成してある基板A2701と、同じく溝流路B3803を形成してある基板B2702とを、両基板の溝流路を連結するための貫通穴3802を形成してある接着板A2704を介して同図(b)のように接着、一体化する。図中の遠心加圧方向Fの方向に遠心力が印加されるようにチップを回転すると、チップ溝流路内の試料は、試料の流れ方向3804の方向へと流れ、異なる基板上の溝流路同士の結合が実現できていることが分かる。接着板A2704は、貫通穴3802では、基板Aと基板B上の流路の連結部として作用し、それ以外の部位では、両基板上の流路の一面を構成する壁として作用している。このような構造により、多層の基板にまたがる三次元の溝流路を容易に形成することができ、従来の単層基板に溝流路を形成したときと比較して、小さいチップ面積でより高い機能を集積することが可能となる。同図(b)において、接着板A2704の厚みが大きいと、貫通穴3802は遠心加圧方向Fと直交するために、澱みなく試料を通渦することが困難となってくるので、当該接着板の厚みは極力薄くすることが望ましい。このために一例として、同図(c)に示すように基材3805の両側に粘着層3806を形成してあるような両面接着板であれば、この厚みを0.1mm以下にすることが可能である。さらに粘着層3806として耐水性を有するものを用いれば、試料に当該粘着層が溶出することを抑制することができる。
上述の第2の回転軸C2を中心としたチップの回転で、試薬試料2A溜槽3001乃至同2C溜槽3003に蓄積されていた、3種類の試薬試料2A、同2B、同3Cは、図39(第3層、基板Cのみ図示)に示すように第2の遠心加圧方向F2に位置する秤量槽2A3004乃至同2C3006へと秤量、蓄積される。喫水線3606を凌駕する試薬試料はそれぞれ廃液溜槽2A3007乃至同2C3009へと流れ込み、蓄積される。これらの秤量槽2A3004乃至同2C3006の喫水線部分は、図30(a)に示すように、その深さが浅くなっており、チップの回転が停止した後にメニスカス現象で試料が移動しないようになっている。
また、図36に示したように、第1の回転軸C1を中心としたチップの回転後に廃液溜槽A2817に蓄積されていた廃液3605は、引き続いて行われる第2の回転軸C2を中心としたチップの回転で、図40に示すように、同じ廃液溜槽A2817内で移動するだけで、当該溜槽外へと移動することは無い。
以上のように、第2の回転軸C2を中心としたチップの回転により、1次混合槽1A2907乃至同1C2909(図29)に蓄積されている秤量された血漿と試薬試料1Aの1次混合試料3701乃至同1Cの1次混合試料3703(図37)と、秤量槽2A3004乃至同2C3006(図30)に蓄積さている秤量された試薬試料2A3901乃至同2C3903(図39)を混合して、それぞれ光学測定セルA3304乃至同C3306(図33)に導く。そのために再度第1の回転軸C1を中心としてチップを回転させる。(第3のチップ回転)すると1次混合槽1A2907乃至同1C2909(図29)に蓄積されている秤量された血漿と試薬試料1Aの1次混合試料3701乃至同1Cの1次混合試料3703(図37)は、第1の遠心加圧方向F1の方向、すなわち、1次混合槽1A接続部B2913乃至同1C接続部B2915へと移動して行き、下層の接着板B2705(図27)上の1次混合槽1A貫通穴3121乃至同1C貫通穴3123(図31(b))を介して、第3層の基板C2703上の1次混合槽1A接続部C3011乃至同1C接続部C3013(図30)へと導かれる。
図41には、回転軸をC1とした第3のチップ回転中の検体分析チップの状態を示す。(第3層、基板Cのみ図示)上記秤量された血漿と試薬試料1Aの1次混合試料3701乃至同1C3703は、それぞれ1次混合槽1A接続部C3011乃至同1C接続部C3013、合流流路1A3020乃至同1C3022を経て、それぞれ合流部A4101乃至同C4103へと移動していく。一方、秤量槽2A3004乃至同2C3006に蓄積されていた秤量された試薬試料2A3901乃至同2C3903も、この第3のチップ回転に伴い、遠心加圧方向F2へと移動をはじめ、それぞれ合流流路2A3023乃至同2C3025を経て、合流部A4101乃至同C4103へと到達する。このとき廃液溜槽2A3007乃至同2C3009に蓄積されていた、廃棄された試薬試料2A3904乃至同2C3906も、F2の方向へと移動するが、同図に示すように、各々の槽内での移動に止まり、槽外へと出て行くことはない。
そして、合流部A4101乃至同C4103で出会った、上記秤量された血漿と試薬試料1Aの1次混合試料3701乃至同1Cの1次混合試料3703と秤量された試薬試料2A3901乃至同2C3903は、それぞれ混合流路A3014乃至同C3016へと移動して行く。当該混合流路は第三実施態様の図13で説明した通り、遠心加圧方向と逆方向の流路側壁に突起形状を多数配設してあり、このような流路を折り返し多段にすることで、上記の2種の試料の均質な混合を達成し、それぞれ光学測定セル2A3017乃至同2C3019へと導き、そこを満たす。当該光学測定セルは、図29からも明らかのようにそれぞれ廃液溜槽1A2919乃至同1Cとも連結されており、当該光学測定セルが混合された試料で満たされると、それ以降当該セルに流入する混合された試料は、この廃液溜槽に収容されるようになる。そしてチップの回転を停止させて、最後に混合された試料で満たされた光学測定セルに対し光学測定を行う。また図40に示した第2のチップ回転後の廃液溜槽A2817中に蓄積されている廃液3605は、C2を回転軸とした第3のチップ回転においても当該廃液溜槽A2817中の遠心加圧方向に移動するだけで、当該槽外へと移動することは無い。
図42には図33に示した光学測定セル部の透過斜視図の透過側面図を示している。それぞれ測定対象の試料で満たされた3つの光学測定セルA3304乃至同C3306において、第四実施態様で説明したように、光をセルの片側の窓、例えば光学窓A3301から入射し、反対側の光学窓B3302のセルと接する面で反射してきた光を検出器に導き測定を行う。この際、光学窓A3301は用いる光の波長領域において、高い透過率を有することが望ましい。さらに、セルに入射した光を反射させる光学窓B3302の表面の少なくともセルと接する面の表面は、入射する光に対し高い反射率を有する材料で被覆されているか、もしくはこのように高い反射率を有する材料で光学窓B3302を構成していることが望ましい。また、このように反射光学系ではなく、光学窓A3301ならびに同B3302共に入射する光に対し高い透過率を有する材料で構成し、片方の光学窓、例えばA3301より光を入射し、対となる光学窓B3302より光を出射させて、これを検出器に導く透過法によって測定を行っても良い。
本実施態様で説明した検体分析チップでは、まず第1のチップ回転により、検体である血液から血漿成分を分離、秤量した上で3分割し、さらに3種類の第1の試薬試料を秤量した。次に第2のチップ回転により、これらの血漿と第1の試薬試料を混合すると共に、3種類の第2の試薬試料を秤量した。そして第3のチップ回転により、血漿と第1の試薬試料の混合試料と第2の試薬試料を混合流路を経て均質に混合した上で、各々光学測定セルに導き、当該セルを被光学測定試料で満たす。最後に3箇所の光学測定セルにおいて反射系あるいは透過系光学測定(吸収測定)を行い、3項目の分析を行う。本発明の検体分析チップのように複数の溝流路を形成した基板を積層することで、チップ面積の肥大化を抑制しつつ、より高い機能、すなわちより多くの分析項目に対応すること、またより多くの試薬試料を用いる検査項目にも対応することが可能である。さらに本実施態様では、血液を試料、血漿成分を検体成分、血球成分を非検体成分として説明したが、もちろんこれに制限されるものではない。
<実施例1>
図3に示した分離・秤量チップを、透明PET樹脂基板を用い作製した。当該チップの大きさは25×25mm2で、分離流路303の幅は0.3mm、深さ0.1mmである。このようなチップの試料導入口301より5マイクロリットルの試料である血液を試料溜302にピペットを用い導入する。本例では、血液中の血球成分が、前記非検体成分、血漿成分を検体成分としている。その後回転軸Cを中心としてチップを回転させる。このCからチップの上辺までの距離は3mmであり、回転数は7000回転毎分、その加速時間は3秒であった。このようなチップ回転を30秒間行い回転を停止させた後のチップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を目視ならびに実体顕微鏡で観察した。その写真を図43に示す。同図に示すように、血球成分701はすべて非検体成分蓄積槽304に蓄積され、その下流にある検体成分秤量槽A305乃至同C307には血漿成分が秤量、蓄積され、余分な血漿成分は廃液溜槽308に蓄積されている。このときの各槽の喫水線は、図8で説明したように予め予想できるものであるので、蓄積される試料の面積と各槽の深さから、試料の容積が予め決定できる。図43に示したチップの場合、検体成分秤量槽A305乃至同C307には各0.4マイクロリットルの血漿成分が、非検体成分蓄積槽304には、3.4マイクロリットルの血球成分と血漿成分が蓄積されるように設計されている。このように、本発明の分離・秤量チップによって、導入した血液から一度のチップの回転操作により、血球成分と血漿成分の分離と、この分離した血漿成分を複数秤量し、分画することが可能となった。
図3に示した分離・秤量チップを、透明PET樹脂基板を用い作製した。当該チップの大きさは25×25mm2で、分離流路303の幅は0.3mm、深さ0.1mmである。このようなチップの試料導入口301より5マイクロリットルの試料である血液を試料溜302にピペットを用い導入する。本例では、血液中の血球成分が、前記非検体成分、血漿成分を検体成分としている。その後回転軸Cを中心としてチップを回転させる。このCからチップの上辺までの距離は3mmであり、回転数は7000回転毎分、その加速時間は3秒であった。このようなチップ回転を30秒間行い回転を停止させた後のチップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を目視ならびに実体顕微鏡で観察した。その写真を図43に示す。同図に示すように、血球成分701はすべて非検体成分蓄積槽304に蓄積され、その下流にある検体成分秤量槽A305乃至同C307には血漿成分が秤量、蓄積され、余分な血漿成分は廃液溜槽308に蓄積されている。このときの各槽の喫水線は、図8で説明したように予め予想できるものであるので、蓄積される試料の面積と各槽の深さから、試料の容積が予め決定できる。図43に示したチップの場合、検体成分秤量槽A305乃至同C307には各0.4マイクロリットルの血漿成分が、非検体成分蓄積槽304には、3.4マイクロリットルの血球成分と血漿成分が蓄積されるように設計されている。このように、本発明の分離・秤量チップによって、導入した血液から一度のチップの回転操作により、血球成分と血漿成分の分離と、この分離した血漿成分を複数秤量し、分画することが可能となった。
<比較例1>
図44には図3に示した本発明の分離・秤量チップの多段に配設された分離流路303の代わりに、試料溜302よりほぼ最短距離で非検体成分蓄積槽304へと接続される流路を設けたチップを示している。その他のチップ寸法、各槽の形状寸法は図43のチップと全く同じである。本チップを用い、試料溜302に5マイクロリットルの血液を試料として導入し、その後回転軸Cを中心としてチップを回転させる。このCからチップの上辺までの距離は3mmであり、回転数は7000回転毎分、その加速時間は3秒であり、図3のチップでの実施例1と同一である。回転を停止させた後のチップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を実体顕微鏡で観察した。その写真を図45に示す。同図に示すように、非検体成分である血球成分701は検体成分である血漿成分702とともに非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の各槽に共存ながら蓄積されていることが分かる。これは本来望むべく結果ではない。これは図43のように分離流路が配設されていないチップでは、献球血漿分離が不十分なまま非検体成分蓄積槽304へと血液が到達してしまい、血球成分は非検体成分蓄積槽304の他、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308まで達していることを示している。
図44には図3に示した本発明の分離・秤量チップの多段に配設された分離流路303の代わりに、試料溜302よりほぼ最短距離で非検体成分蓄積槽304へと接続される流路を設けたチップを示している。その他のチップ寸法、各槽の形状寸法は図43のチップと全く同じである。本チップを用い、試料溜302に5マイクロリットルの血液を試料として導入し、その後回転軸Cを中心としてチップを回転させる。このCからチップの上辺までの距離は3mmであり、回転数は7000回転毎分、その加速時間は3秒であり、図3のチップでの実施例1と同一である。回転を停止させた後のチップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を実体顕微鏡で観察した。その写真を図45に示す。同図に示すように、非検体成分である血球成分701は検体成分である血漿成分702とともに非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の各槽に共存ながら蓄積されていることが分かる。これは本来望むべく結果ではない。これは図43のように分離流路が配設されていないチップでは、献球血漿分離が不十分なまま非検体成分蓄積槽304へと血液が到達してしまい、血球成分は非検体成分蓄積槽304の他、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308まで達していることを示している。
図43に結果を示した本発明の分離・秤量チップの場合の分離流路303の長さは約100mmであり、一方、図45の試料溜302から非検体成分蓄積槽304の間の流路長は約23mmであるので、この長さの長短が当該流路を移動している血液に対し、十分な血球血漿分離を施すことができるか否かに影響を及ぼす一つの理由になっていると考えられる。さらに本発明の分離・秤量チップのように、図3の分離流路303に示した如く、遠心加圧方向Fに対しほぼ直交しているような分離流路を配設することで、試料の進行速度を抑制して当該流路での試料の滞在時間を長くしていることも、血球血漿分離をより進行させるのに寄与している。さらに当該分離流路303のように多段に流路を配設することで、比較的狭いチップ上の占有面積で長い流路長を確保することができるという利点もある。
<実施例2>
図9に示した多段の分離流路の遠心加圧方向側の側壁に半円状の突起を多数配設した分離・秤量チップを透明PET樹脂基板を用い作製した。当該チップの大きさは25×25mm2で、分離・非検体成分蓄積流路901の幅は0.3mm、非検体成分蓄積部の半円の半径は0.2mmであり、これらの深さは0.1mmである。この分離・非検体成分蓄積流路901にわたって配設されているすべての半円状突起の、図10に示した非検体成分である血球成分が蓄積される部分の容積の和は、約3.4マイクロリットルである。
図9に示した多段の分離流路の遠心加圧方向側の側壁に半円状の突起を多数配設した分離・秤量チップを透明PET樹脂基板を用い作製した。当該チップの大きさは25×25mm2で、分離・非検体成分蓄積流路901の幅は0.3mm、非検体成分蓄積部の半円の半径は0.2mmであり、これらの深さは0.1mmである。この分離・非検体成分蓄積流路901にわたって配設されているすべての半円状突起の、図10に示した非検体成分である血球成分が蓄積される部分の容積の和は、約3.4マイクロリットルである。
このようなチップの試料導入口301より5マイクロリットルの試料である血液を試料溜302にピペットを用い導入する。その後回転軸Cを中心としてチップを回転させる。このCからチップの上辺までの距離は3mmであり、回転数は7000回転毎分、その加速時間は3秒であった。このようなチップ回転を30秒間行い、回転を停止させた後のチップ上の分離・非検体成分蓄積流路901、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308を目視ならびに実体顕微鏡で観察した。その結果、図11に示した如く、すべての血球成分は分離・非検体成分蓄積流路901に配設された半球状突起に蓄積され、検体成分秤量槽A305乃至同C307は検体成分である血漿成分で予想される喫水線を満たし、さらに若干の余分な血漿成分は廃液溜槽308に蓄積された。当該検体成分秤量槽にそれぞれ分割、秤量された血漿量は各々0.4マイクロリットルである。
本実施例に示した如く、図3の分離・秤量チップのように多段の分離流路を経て非検体成分蓄積槽を配設せずとも、分離・非検体成分蓄積流路内に配設した非検体成分蓄積部に徐々に血球成分を蓄積して行き、下流、遠心加圧方向に配設されている検体成分秤量槽に至るまでにすべての血球成分を除去し、当該検体成分秤量槽において血漿成分を秤量、蓄積することも可能である。
<実施例3>
図12に示したように、試料溜302に近い分離流路303に、当該流路の断面積が小さくなっている部位1201を形成した分離・秤量チップを透明PET樹脂基板を用い作製した。当該チップの大きさは25×25mm2で、分離流路の幅は0.3mm、1201部の幅は0.1mm、長さを3mmとし、深さは0.1mmである。予めこのようなチップの試料導入口301より試料である血液を試料溜302に導入した後に、回転軸Cを中心としてチップを回転させ、徐々に回転数を高めて行き、血液が1201部を通過して、下流の方へと流れていく回転数を調べたところ、2500回転毎分までは血液は1201部を通過しないことが明らかとなった。なお、Cからチップの上辺までの距離は3mmである。次に再度、未使用チップの試料導入口301より5マイクロリットルの血液を試料溜302に導入し、チップを2500回転毎分で1分間回転させる。このとき血液は1201部を通過して下流へとは流れて行かず、1201部より上流側に留まっている。その後に回転数を5000回転毎分に上昇させ、30秒間回転させた後に、回転を停止した。なお、2500回転毎分から5000回転毎分に至るまでの加速時間は3秒とした。
図12に示したように、試料溜302に近い分離流路303に、当該流路の断面積が小さくなっている部位1201を形成した分離・秤量チップを透明PET樹脂基板を用い作製した。当該チップの大きさは25×25mm2で、分離流路の幅は0.3mm、1201部の幅は0.1mm、長さを3mmとし、深さは0.1mmである。予めこのようなチップの試料導入口301より試料である血液を試料溜302に導入した後に、回転軸Cを中心としてチップを回転させ、徐々に回転数を高めて行き、血液が1201部を通過して、下流の方へと流れていく回転数を調べたところ、2500回転毎分までは血液は1201部を通過しないことが明らかとなった。なお、Cからチップの上辺までの距離は3mmである。次に再度、未使用チップの試料導入口301より5マイクロリットルの血液を試料溜302に導入し、チップを2500回転毎分で1分間回転させる。このとき血液は1201部を通過して下流へとは流れて行かず、1201部より上流側に留まっている。その後に回転数を5000回転毎分に上昇させ、30秒間回転させた後に、回転を停止した。なお、2500回転毎分から5000回転毎分に至るまでの加速時間は3秒とした。
回転停止後のチップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を目視ならびに実体顕微鏡で観察した。その結果は図43と同様に、非検体成分である血球成分701はすべて非検体成分蓄積槽304に蓄積され、その下流にある検体成分秤量槽A305乃至同C307には検体成分である血漿成分が秤量、蓄積され、余分な血漿成分は廃液溜槽308に蓄積されていた。本チップでも図43に示したチップと同様に、検体成分秤量槽A305乃至同C307には各0.4マイクロリットルの血漿が、非検体成分蓄積槽304には、3.4マイクロリットルの血球成分と血漿成分が蓄積されるように設計されている。以上のように、まず、第1の回転数におけるチップ回転により、血液を分離流路中に移動させること無く、血球血漿分離をある程度進行させた上で、第2の回転数におけるチップ回転によって当該血液を分離流路に移動させ、より血球血漿分離を進行させた上で非検体成分蓄積槽に導き、血球成分を当該非検体成分蓄積槽に蓄積し、血漿成分を複数秤量分画することが可能となった。
<比較例2>
実施例1で示した図3の分離・秤量チップにおいて、試料溜302に試料である5マイクロリットルの血液を導入した後に、上記実施例3の第2の回転数である5000回転毎分で30秒間、Cを回転軸としてチップを回転させた。当該回転数に至るまでの加速時間は3秒であった。回転終了後、チップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を目視ならびに実体顕微鏡で観察した。その結果は、図45と同様に非検体成分である血球成分701は検体成分である血漿成分702とともに非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の各槽に共存ながら蓄積されていた。この結果は、本例での回転数では血球血漿分離を十分進行させることなく血液が非検体成分蓄積槽に到達してしまったためであると考えられる。一方、実施例3で示した図12の分離・秤量チップでは、第2の回転数が5000回転毎分であっても、血球成分701はすべて非検体成分蓄積槽304に蓄積され、その下流にある検体成分秤量槽A305乃至同C307には血漿成分が秤量、蓄積され、余分な血漿成分は廃液溜槽308に蓄積されていた。したがって、実施例3のように第1の回転数におけるチップ回転である程度血球血漿分離を進行させることで、より高回転数の第2の回転数を実施例1の単一回転数の場合と比較して低減でき、外部回転機構に及ぼす負荷を低減することができる。
実施例1で示した図3の分離・秤量チップにおいて、試料溜302に試料である5マイクロリットルの血液を導入した後に、上記実施例3の第2の回転数である5000回転毎分で30秒間、Cを回転軸としてチップを回転させた。当該回転数に至るまでの加速時間は3秒であった。回転終了後、チップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を目視ならびに実体顕微鏡で観察した。その結果は、図45と同様に非検体成分である血球成分701は検体成分である血漿成分702とともに非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の各槽に共存ながら蓄積されていた。この結果は、本例での回転数では血球血漿分離を十分進行させることなく血液が非検体成分蓄積槽に到達してしまったためであると考えられる。一方、実施例3で示した図12の分離・秤量チップでは、第2の回転数が5000回転毎分であっても、血球成分701はすべて非検体成分蓄積槽304に蓄積され、その下流にある検体成分秤量槽A305乃至同C307には血漿成分が秤量、蓄積され、余分な血漿成分は廃液溜槽308に蓄積されていた。したがって、実施例3のように第1の回転数におけるチップ回転である程度血球血漿分離を進行させることで、より高回転数の第2の回転数を実施例1の単一回転数の場合と比較して低減でき、外部回転機構に及ぼす負荷を低減することができる。
<比較例3>
図46に示すように、実施例3で図12に示した分離・秤量チップ上の多段に配設された分離流路303の段数を少なくし、当該流路の総長を短くしたチップを示す。図12の場合、分離流路の総長は約100mmに対し、図46のそれは約50mmと、ほぼ半分の長さになっている。チップならびに流路等の寸法は実施例3と同様である。試料導入口301より試料である5マイクロリットルの血液を試料溜302に導入し、チップを2500回転毎分で1分間回転させる。このとき血液は1201部を通過して下流へとは流れて行かず、1201部より上流側に留まっている。その後に回転数を7000回転毎分に上昇させ、30秒間回転させた後に、回転を停止した。なお、2500回転毎分から7000回転毎分に至るまでの加速時間は3秒とした。回転停止後のチップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を目視ならびに実体顕微鏡で観察した。その結果は図43と同様に、非検体成分であ血球成分701はすべて非検体成分蓄積槽304に捕獲蓄積され、その下流にある検体成分秤量槽A305乃至同C307には検体成分である血漿成分が秤量、蓄積され、余分な血漿成分は廃液溜槽308に蓄積されていた。
図46に示すように、実施例3で図12に示した分離・秤量チップ上の多段に配設された分離流路303の段数を少なくし、当該流路の総長を短くしたチップを示す。図12の場合、分離流路の総長は約100mmに対し、図46のそれは約50mmと、ほぼ半分の長さになっている。チップならびに流路等の寸法は実施例3と同様である。試料導入口301より試料である5マイクロリットルの血液を試料溜302に導入し、チップを2500回転毎分で1分間回転させる。このとき血液は1201部を通過して下流へとは流れて行かず、1201部より上流側に留まっている。その後に回転数を7000回転毎分に上昇させ、30秒間回転させた後に、回転を停止した。なお、2500回転毎分から7000回転毎分に至るまでの加速時間は3秒とした。回転停止後のチップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を目視ならびに実体顕微鏡で観察した。その結果は図43と同様に、非検体成分であ血球成分701はすべて非検体成分蓄積槽304に捕獲蓄積され、その下流にある検体成分秤量槽A305乃至同C307には検体成分である血漿成分が秤量、蓄積され、余分な血漿成分は廃液溜槽308に蓄積されていた。
一方、図46のチップにおいて、分離流路の一部の断面積が小さくなっている1201部を排し、分離流路の幅0.3mm、深さ0.1m、総長約50mmとしたチップも同様にして作製した。そして試料である5マイクロリットルの血液を試料溜302に導入し、チップを回転数7000回転毎分で30秒間回転させた後に、回転を停止した。なお、7000回転毎分に至るまでの加速時間は3秒とした。回転停止後のチップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を目視ならびに実体顕微鏡で観察した。その結果は図45に示した場合と同様に、非検体成分である血球成分701は検体成分である血漿成分702とともに非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の各槽に共存ながら蓄積されてしまっていた。これは本来望むべく結果ではなく、分離流路の総長が約100mmであった実施例1の場合においては、同じチップ回転数でも血球血漿分離ならびに血漿の3分割秤量が実現できていたことを考えると、分離流路の総長が50mmでは、当該流路中で進行する直球血漿分離が不十分であることを示している。
しかし、上記の図46のように、同じく分離流路長が50mmであっても、2段階のチップ回転数で、まず血球血漿分離を1201部より上流である程度進行させた後に、分離流路303を通過して非検体成分蓄積槽304に導くことで、血球血漿分離ならびに血漿の3分割秤量が実現できることから、1201部のような断面積の小さい流路を分離流路途中に設けて、2段階の回転数の遠心分離を行うことで、分離流路の総長を短くでき、これによりチップ面積を縮小できることが明らかとなった。
<比較例4>
上記比較例2の図46に示した分離・秤量チップ上の1201部に、局所的にシリコーン樹脂薄膜(信越化学工業株式会社製KR255)を滴下乾燥により形成したチップを作製した。予め当該シリコーン樹脂薄膜で被覆したPET基板表面の水に対する接触角を調べ、それが120度であり、また未被覆のものは70度であることを確認した。そしてこのようなチップの試料導入口301より試料である血液を試料溜302に導入した後に、回転軸Cを中心としてチップを回転させ、徐々に回転数を高めて行き、血液が1201部を通過して、下流の方へと流れていく回転数を調べたところ、3300回転毎分までは血液は1201部を通過しないことが明らかとなった。なお、Cからチップの上辺までの距離は3mmである。
上記比較例2の図46に示した分離・秤量チップ上の1201部に、局所的にシリコーン樹脂薄膜(信越化学工業株式会社製KR255)を滴下乾燥により形成したチップを作製した。予め当該シリコーン樹脂薄膜で被覆したPET基板表面の水に対する接触角を調べ、それが120度であり、また未被覆のものは70度であることを確認した。そしてこのようなチップの試料導入口301より試料である血液を試料溜302に導入した後に、回転軸Cを中心としてチップを回転させ、徐々に回転数を高めて行き、血液が1201部を通過して、下流の方へと流れていく回転数を調べたところ、3300回転毎分までは血液は1201部を通過しないことが明らかとなった。なお、Cからチップの上辺までの距離は3mmである。
次に再度、試料導入口301より5マイクロリットルの血液を試料溜302に導入し、チップを3300回転毎分で1分間回転させる。このとき血液は1201部を通過して下流へとは流れて行かず、1201部より上流側に留まっている。その後に回転数を5000回転毎分に上昇させ、30秒間回転させた後に、回転を停止した。なお、3300回転毎分から5000回転毎分に至るまでの加速時間は3秒とした。回転停止後のチップ上の非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の周辺を目視ならびに実体顕微鏡で観察した。その結果は図43と同様に、検体成分である血球成分701はすべて非検体成分蓄積槽304に蓄積され、その下流にある検体成分秤量槽A305乃至同C307には検体成分である血漿成分が秤量、蓄積され、余分な血漿成分は廃液溜槽308に蓄積されていた。
一方、上記比較例3の図46の1201部にシリコーン樹脂薄膜を被覆していないチップを用い、第1のチップ回転数2500回転毎分で1分、第2のチップ回転数5000回転毎分で30秒として実験を実施したところ、図45に示した場合と同様に、血球成分701は血漿成分702とともに非検体成分蓄積槽304、検体成分秤量槽A305乃至同C307ならびに廃液溜槽308の各槽に共存ながら蓄積されてしまっていた。これは、第1のチップ回転数の違いによって、血球血漿分離の進行程度が異なることに起因していると考えられる。すなわち1201部にシリコーン樹脂薄膜を被覆した場合、より高いチップ回転数で1201部より上流に血液を留めておきながら血球血漿分離を行うことができるので、第2の回転数が低くても血球血漿分離ならびに血漿の3分割秤量が実現できる。またこのように疎水性の高い材料を分離流路の一部に被覆することで、第1の回転数を高め、より血球血漿分離を進行させることで、第2の回転数を低減する他、分離流路長も短くすることができる。
<実施例4>
図13に示した混合チップを透明PET基板を用いて作製した。チップ寸法は25×25mm2、混合流路1306の突起形状の無い部分の幅(1402、図14)は0.3mm、突起部分の幅(1403、図14)は0.5mmであり、深さは0.1mmであり、混合試料溜槽1307の深さは0.2mmである。試料導入口A1301および同B1302より、それぞれ赤色系(ローダミンB)と青色系(フタロシアニン系)の色素水溶液試料を5マイクロリットルずつ試料溜A1303ならびに同B1304に導入する。その後Cを回転軸としてチップを4000回転毎分で30秒間回転させ、両色素溶液を混合流路1306へと導いて通過させ、混合試料溜槽1307へと移動させる。このときの回転軸Cよりチップの上辺までの距離は15mmであった。チップの回転を停止した後、両色素水溶液は混合試料溜槽1307中に図47に示すが如く蓄積されている。そして暗室内に設置してある空間的に均等に白色光を放射する光源の上に、当該チップを載せて、混合試料溜槽1307部分の反対側にカラーCCD(Charge Coupled Device)撮像装置を配置して画像を保存し、この画像から当該層に蓄積されている色素水溶液に色斑が無いかどうかを調べた。
図13に示した混合チップを透明PET基板を用いて作製した。チップ寸法は25×25mm2、混合流路1306の突起形状の無い部分の幅(1402、図14)は0.3mm、突起部分の幅(1403、図14)は0.5mmであり、深さは0.1mmであり、混合試料溜槽1307の深さは0.2mmである。試料導入口A1301および同B1302より、それぞれ赤色系(ローダミンB)と青色系(フタロシアニン系)の色素水溶液試料を5マイクロリットルずつ試料溜A1303ならびに同B1304に導入する。その後Cを回転軸としてチップを4000回転毎分で30秒間回転させ、両色素溶液を混合流路1306へと導いて通過させ、混合試料溜槽1307へと移動させる。このときの回転軸Cよりチップの上辺までの距離は15mmであった。チップの回転を停止した後、両色素水溶液は混合試料溜槽1307中に図47に示すが如く蓄積されている。そして暗室内に設置してある空間的に均等に白色光を放射する光源の上に、当該チップを載せて、混合試料溜槽1307部分の反対側にカラーCCD(Charge Coupled Device)撮像装置を配置して画像を保存し、この画像から当該層に蓄積されている色素水溶液に色斑が無いかどうかを調べた。
この結果、混合試料の全般にわたって赤もしくは青の色素が偏っている箇所は見出すことができず、均等に混合されていることが明らかとなった。また、多段に構成されている混合流路1306を実体顕微鏡により詳細に調べたところ、回転軸C側から1段目の流路の突起が形成されている側と逆側(遠心加圧方向F側)の側壁には、青色の色素が付着しており、2段目の流路の中途までの側壁には赤色の色素が付着していることが確認された。しかしこれ以降の混合流路の遠心加圧側側壁には、青色と赤色の色素が混合した紫色の色素が混合試料溜槽1307に至るまで付着していた。このことからも当該混合流路途中で両者の混合は完了し、この均等に混合された溶液が混合試料溜槽1307に蓄積されたことが判明した。
<比較例5>
上記実施例4で作製した図13に示した混合チップにおいて、その特徴である混合流路1306の突起形状を排した以外の構造は同一のチップを作製し、同様の実験を行った。この突起を排した流路の幅は0.3mmである。それぞれ赤色と青色の色素水溶液試料を5マイクロリットルずつ試料溜A1303ならびに同B1304に導入し、その後Cを回転軸としてチップを4000回転毎分で30秒間回転させ、混合試料溜槽1307へと移動させる。チップの回転を停止した後、図47のように混合試料溜槽1307に蓄積されている両色素水溶液の混合水溶液の様子を観察した。その結果、混合試料溜槽1307の中央部分は紫色で青と赤色の色素溶液が混合されていることを示していたが、紙面向かって左側に行くほど赤色の色彩が強く、逆に右側では青色の色彩が強く、均一に混合されていないことが示唆された。そして多段に構成されている突起形状を排した混合流路1306を実体顕微鏡により詳細に調べたところ、回転軸C側から一段目の流路の遠心加圧方向F側の側壁に、青色の色素が、反対の回転中心側の側壁には赤色の色素がそれぞれ付着しており、2段目以降、それらの色素が回転中心側と遠心加圧方向側の側壁に交互に付着して、混合試料溜槽1307まで至っていることが判明した。このことはこのような突起を排した混合流路中では、混合が行われずに2液が層流で下流へと流れていっていることを示している。以上のことより実施例4に示した混合流路途中に配設された多数の突起形状の均一な混合への寄与が確認された。
上記実施例4で作製した図13に示した混合チップにおいて、その特徴である混合流路1306の突起形状を排した以外の構造は同一のチップを作製し、同様の実験を行った。この突起を排した流路の幅は0.3mmである。それぞれ赤色と青色の色素水溶液試料を5マイクロリットルずつ試料溜A1303ならびに同B1304に導入し、その後Cを回転軸としてチップを4000回転毎分で30秒間回転させ、混合試料溜槽1307へと移動させる。チップの回転を停止した後、図47のように混合試料溜槽1307に蓄積されている両色素水溶液の混合水溶液の様子を観察した。その結果、混合試料溜槽1307の中央部分は紫色で青と赤色の色素溶液が混合されていることを示していたが、紙面向かって左側に行くほど赤色の色彩が強く、逆に右側では青色の色彩が強く、均一に混合されていないことが示唆された。そして多段に構成されている突起形状を排した混合流路1306を実体顕微鏡により詳細に調べたところ、回転軸C側から一段目の流路の遠心加圧方向F側の側壁に、青色の色素が、反対の回転中心側の側壁には赤色の色素がそれぞれ付着しており、2段目以降、それらの色素が回転中心側と遠心加圧方向側の側壁に交互に付着して、混合試料溜槽1307まで至っていることが判明した。このことはこのような突起を排した混合流路中では、混合が行われずに2液が層流で下流へと流れていっていることを示している。以上のことより実施例4に示した混合流路途中に配設された多数の突起形状の均一な混合への寄与が確認された。
<実施例5>
実施例4の図13に示した混合チップを同様にして作製し、赤色と青色の色素水溶液をそれぞれ2.5マイクロリットルと7.5マイクロリットル、試料溜A1303ならびに同B1304に導入する。その後Cを回転軸としてチップを4000回転毎分で30秒間回転させ、両色素溶液を混合流路1306へと導いて通過させ、混合試料溜槽1307へと移動させる。このときの回転軸Cよりチップの上辺までの距離は15mmであった。チップの回転を停止した後、混合試料溜槽1307中に図47に示すが如く蓄積されている両色素水溶液の様子を観察した。その結果、混合試料溜槽1307の遠心加圧方向F側に蓄積されている混合溶液は、紫色をしており、両色素水溶液が均一に混合されていることを示唆していた。しかしながら、それより回転中心C側に蓄積されている混合溶液は、青色を呈していた。
実施例4の図13に示した混合チップを同様にして作製し、赤色と青色の色素水溶液をそれぞれ2.5マイクロリットルと7.5マイクロリットル、試料溜A1303ならびに同B1304に導入する。その後Cを回転軸としてチップを4000回転毎分で30秒間回転させ、両色素溶液を混合流路1306へと導いて通過させ、混合試料溜槽1307へと移動させる。このときの回転軸Cよりチップの上辺までの距離は15mmであった。チップの回転を停止した後、混合試料溜槽1307中に図47に示すが如く蓄積されている両色素水溶液の様子を観察した。その結果、混合試料溜槽1307の遠心加圧方向F側に蓄積されている混合溶液は、紫色をしており、両色素水溶液が均一に混合されていることを示唆していた。しかしながら、それより回転中心C側に蓄積されている混合溶液は、青色を呈していた。
この結果は、試料溜A1303ならびに同B1304より合流地点である合流部1305に至る流路の断面積が両者相等しく、そこでの流速は両者でほぼ等しいために、導入した色素水溶液の内、少ない量の色素水溶液(今の場合は赤色)が、チップ回転を開始して、混合流路1306へと移動して行き、試料溜A1303に残留している内は両色素水溶液が均等に混合流路内を通過していくため均質な混合が進行するが、一度試料溜A1303にあった少ない量の赤色の色素水溶液がすべて混合流路へと移動してしまうと、そのとき未だ試料溜B1304には青色の色素水溶液が蓄積されているので、これ以降は当該青色の色素溶液のみ混合流路1306を通過して混合試料溜槽1307へと移動する。よって本例に示した混合チップでは、異なる量の試薬同士の混合は困難である。
<比較例6>
図48に示すように試料溜より合流部に至る合流流路A4801ならびに同B4802の流路幅が異なる混合チップを作製した。その他のチップ、流路形状寸法は実施例4の場合と同様である。なお、合流流路A4801の幅は0.3mm、同B4802のそれは0.9mm、深さは両者共に0.1mmであり、断面積比は1:3となっている。このようなチップの試料溜A1303ならびに同B1304に赤色と青色の色素水溶液試料をそれぞれ2.5マイクロリットルと7.5マイクロリットル導入し、その後Cを回転軸としてチップを4000回転毎分で30秒間回転させ、両色素溶液を混合流路1306へと導いて通過させ、混合試料溜槽1307へと移動させる。チップの回転を停止した後、混合試料溜槽1307中に図47に示すが如く蓄積されている両色素水溶液の様子を観察した。その結果、混合試料溜槽1307の全般にわたって均一に紫色を早しており、両色素水溶液が均一に当該槽内で均一に混合されていることを示唆していた。
図48に示すように試料溜より合流部に至る合流流路A4801ならびに同B4802の流路幅が異なる混合チップを作製した。その他のチップ、流路形状寸法は実施例4の場合と同様である。なお、合流流路A4801の幅は0.3mm、同B4802のそれは0.9mm、深さは両者共に0.1mmであり、断面積比は1:3となっている。このようなチップの試料溜A1303ならびに同B1304に赤色と青色の色素水溶液試料をそれぞれ2.5マイクロリットルと7.5マイクロリットル導入し、その後Cを回転軸としてチップを4000回転毎分で30秒間回転させ、両色素溶液を混合流路1306へと導いて通過させ、混合試料溜槽1307へと移動させる。チップの回転を停止した後、混合試料溜槽1307中に図47に示すが如く蓄積されている両色素水溶液の様子を観察した。その結果、混合試料溜槽1307の全般にわたって均一に紫色を早しており、両色素水溶液が均一に当該槽内で均一に混合されていることを示唆していた。
この結果はそれぞれの合流流路の断面積比、すなわち当該流路を通過する試料の流量比を、それぞれの試料溜に導入された色素水溶液の容積比と等しくすることで、混合流路1306内を通過する試料がどちらか一方だけ流れることが無く、常に両者が一緒に流れるようなったため均質な混合が実現されたと考えられる。このように、異なる容積の試料を混合する際にはその容積比に応じて合流流路の断面積比を設定すれば均質な混合が実現される。
<実施例6>
図25(b)に示す秤量槽を有する図19と同様な秤量チップを透明PET基板を用い作製した。チップ面積は25×25mm2で、図26(b)における槽の深さが深い部分2602の深さは4mm、槽の深さが浅い部分2603の深さは0.5mmである。また廃液溜槽308の深さは4mmである。このようなチップの試料導入口301より、0.1モル/リットルのリン酸緩衝液に赤色色素を若干添加して着色した試料、約45マイクロリットルを試料溜302に導入し、C1を回転軸としてチップを5000回転毎分で30秒間回転させる。なお、C1よりチップ上辺までの距離は15mmであった。回転停止後、秤量槽1901を観察したところ、図26(b)に示すが如く、試料が2102のように気泡等を含むことなく秤量蓄積されており、また廃液溜槽308には余分な試料が蓄積されていた。そしてこの秤量蓄積された試料の容積は、秤量槽1901の寸法形状ならびにこの試料の喫水線2191の位置から36マイクロリットルと予め見積もられており、このような量の試料が秤量蓄積されている。そして、この喫水線部の槽の深さは局所的に他よりも浅くなっているために、回転停止後も顕著なメニスカス現象は観察されず、試料が槽内で移動してしまうということも観察されなかった。
図25(b)に示す秤量槽を有する図19と同様な秤量チップを透明PET基板を用い作製した。チップ面積は25×25mm2で、図26(b)における槽の深さが深い部分2602の深さは4mm、槽の深さが浅い部分2603の深さは0.5mmである。また廃液溜槽308の深さは4mmである。このようなチップの試料導入口301より、0.1モル/リットルのリン酸緩衝液に赤色色素を若干添加して着色した試料、約45マイクロリットルを試料溜302に導入し、C1を回転軸としてチップを5000回転毎分で30秒間回転させる。なお、C1よりチップ上辺までの距離は15mmであった。回転停止後、秤量槽1901を観察したところ、図26(b)に示すが如く、試料が2102のように気泡等を含むことなく秤量蓄積されており、また廃液溜槽308には余分な試料が蓄積されていた。そしてこの秤量蓄積された試料の容積は、秤量槽1901の寸法形状ならびにこの試料の喫水線2191の位置から36マイクロリットルと予め見積もられており、このような量の試料が秤量蓄積されている。そして、この喫水線部の槽の深さは局所的に他よりも浅くなっているために、回転停止後も顕著なメニスカス現象は観察されず、試料が槽内で移動してしまうということも観察されなかった。
そして、このように秤量蓄積を行った後に図19中の第2の回転軸C2を中心としてチップを5000回転毎分で30秒間回転させ、秤量した試料を蓄積層1902に移送することを試みた。その結果、図49に示すが如く、秤量槽に蓄積していた試料をすべて蓄積槽1902へと移送することができた。なお、当該蓄積槽1902内の試料喫水線を含む一部の部分は、秤量槽1901と同様に槽の深さが浅くなっており、チップ回転停止後にメニスカス現象により試料が移動しないようになっている。また、廃液溜槽308に蓄積されていた試料は、同図のように当該廃液溜槽内で移動するだけで、槽外へと移動することは無い。
<比較例7>
図19に示した秤量チップを透明PET基板を用いて作製した。本チップは上記実施例6のチップと比較すると、秤量槽1901の深さが4mmと槽内で均一で、部分的に浅い部分が無いこと以外、形状寸法が全く同じである。実施例6と同様に、0.1モル/リットルのリン酸緩衝液に赤色色素を若干添加して着色した試料、約45マイクロリットルを試料溜302に導入して、C1を回転軸としてチップを5000回転毎分で30秒間回転させた。回転停止後、秤量槽1901を観察したところ、槽内に試料は蓄積されているものの、その蓄積された試料は図22(b)に示すようにメニスカス現象により、試料の側壁部喫水線は湾曲し、その結果喫水線2101は、本来の位置よりも、回転軸C1側に位置するようになっていた。この様子を図50に示す。そして、チップ回転時に連結路A804から秤量槽1901に試料が流入する経路上の当該秤量槽側壁は、一旦試料が通過したことにより、表面が湿潤して濡れ性が高くなっているために、その部分(図中5001)への試料の移動が特に顕著であることが認められた。このように喫水線部分の槽の深さが深いと、チップ回転終了後にメニスカス現象に由来した試料の移動が顕著になることが確認された。
図19に示した秤量チップを透明PET基板を用いて作製した。本チップは上記実施例6のチップと比較すると、秤量槽1901の深さが4mmと槽内で均一で、部分的に浅い部分が無いこと以外、形状寸法が全く同じである。実施例6と同様に、0.1モル/リットルのリン酸緩衝液に赤色色素を若干添加して着色した試料、約45マイクロリットルを試料溜302に導入して、C1を回転軸としてチップを5000回転毎分で30秒間回転させた。回転停止後、秤量槽1901を観察したところ、槽内に試料は蓄積されているものの、その蓄積された試料は図22(b)に示すようにメニスカス現象により、試料の側壁部喫水線は湾曲し、その結果喫水線2101は、本来の位置よりも、回転軸C1側に位置するようになっていた。この様子を図50に示す。そして、チップ回転時に連結路A804から秤量槽1901に試料が流入する経路上の当該秤量槽側壁は、一旦試料が通過したことにより、表面が湿潤して濡れ性が高くなっているために、その部分(図中5001)への試料の移動が特に顕著であることが認められた。このように喫水線部分の槽の深さが深いと、チップ回転終了後にメニスカス現象に由来した試料の移動が顕著になることが確認された。
次に第2の回転軸C2を中心としてチップを5000回転毎分で30秒間回転させ、秤量槽1901に蓄積した試料を、蓄積槽1902へと移送する。このチップ回転終了後の様子を図51に示す。同図に示すように、蓄積槽1902には秤量槽1901へと大部分の試料が移送されるが、一部の試料5101は試料溜302に移送されてしまっている。これはチップ回転開始前に秤量槽1901内に蓄積されていた試料が、本来の喫水線に沿わず、当該槽内で図50に示すが如く移動しており、特に連結路A804近くまで這い上がっていた試料の一部が、C2を回転軸としたチップ回転により、当該連結路A804を通過して試料溜302へと移動してしまったものと考えられる。なお、蓄積槽1902の本来の喫水線部分周辺には、本例の場合には槽の深さが浅い部分を形成しなかったので、ここでも移送された試料は本来の喫水線に沿わず、槽内で移動してしまっている。以上のように、本発明の秤量槽のように、秤量蓄積された試料の喫水線部分の槽の深さを浅くすることで、メニスカス現象に由来する試料の移動を抑制できることが確認された。
<実施例7>
(1)検体分析チップの構成
第六実施態様中の図32に示した検体分析チップ以下のようにして作製した。溝流路の金型を作製し、射出成形によりPC樹脂を用い基板A2701乃至同C2703を作製する。図33中の光学窓A3301ならびに同B3302は、近紫外域から可視光域全般(300から800nm)にわたって90%程度の高い光透過性を有する日本ゼオン株式会社製のZEONEX(同社の登録商標)樹脂を用い、成形製作した。そして光学窓B3302の接着板C3303と接着される面の表面には、直流マグネトロンスパッタリングにより約200nmのアルミニウムの薄膜を形成した。図31に示した接着板AならびにB、図33中の接着板Cは、図38(c)の粘着層の断面図において、基材3805の厚さ0.012mm、両側の粘着層厚さ0.02mmで、基材材料はPET、粘着層材料は耐水性アクリル系樹脂のものを用い、全厚は0.052mmである。このような粘着層を介し、図27、図33のように、基板同士を接着し、一体のチップを形成する。なお、粘着層の上下の基板のそれぞれの流路同士の接続箇所や、光学測定セル部の光が通過する部位には、プレス加工により貫通穴が設けられている。基板A2701乃至同C2703の最外の上面面積は40×40mm2、厚さはそれぞれ、5mm、2.5mm、5mmであり、光学窓A3301ならびに同B3302の上面面積は22.5×5.5mm、厚さは2mmである。さらに光学測定セルA3304乃至同C3306の光路長に相当する長さは5mmである。
(1)検体分析チップの構成
第六実施態様中の図32に示した検体分析チップ以下のようにして作製した。溝流路の金型を作製し、射出成形によりPC樹脂を用い基板A2701乃至同C2703を作製する。図33中の光学窓A3301ならびに同B3302は、近紫外域から可視光域全般(300から800nm)にわたって90%程度の高い光透過性を有する日本ゼオン株式会社製のZEONEX(同社の登録商標)樹脂を用い、成形製作した。そして光学窓B3302の接着板C3303と接着される面の表面には、直流マグネトロンスパッタリングにより約200nmのアルミニウムの薄膜を形成した。図31に示した接着板AならびにB、図33中の接着板Cは、図38(c)の粘着層の断面図において、基材3805の厚さ0.012mm、両側の粘着層厚さ0.02mmで、基材材料はPET、粘着層材料は耐水性アクリル系樹脂のものを用い、全厚は0.052mmである。このような粘着層を介し、図27、図33のように、基板同士を接着し、一体のチップを形成する。なお、粘着層の上下の基板のそれぞれの流路同士の接続箇所や、光学測定セル部の光が通過する部位には、プレス加工により貫通穴が設けられている。基板A2701乃至同C2703の最外の上面面積は40×40mm2、厚さはそれぞれ、5mm、2.5mm、5mmであり、光学窓A3301ならびに同B3302の上面面積は22.5×5.5mm、厚さは2mmである。さらに光学測定セルA3304乃至同C3306の光路長に相当する長さは5mmである。
(2)試薬試料
このように作製したチップを用い、血液を試料とし、本例ではその中の脂質検査の指標となる総コレステロール、中性脂肪、HDL(High Density Lipoprotein)コレステロールの3項目を同時に分析する。これらの検査項目は動脈硬化、虚血性心疾患、冠状硬化性心臓病などの循環器系の異常の有無を判断するために不可欠なものである。これらの分析用に用いる試薬試料は、和光純薬株式会社製の検査試薬キット、LタイプワコーTG・M(中性脂肪測定用)、LタイプワコーHDL−C(HDLコレステロール測定用)、LタイプワコーCHO・M(総コレステロール測定用)をそれぞれの検査項目に対し用いた。それぞれの検査試薬キットには2種類の試薬試料があり、これらを表1にまとめた。本表において、例えば中性脂肪が検査項目の場合、製造元の呼び名が酵素発色液Aならびに同Bという2種類の試薬試料があり、その下の括弧内に記されている、それぞれ試薬試料1Aならびに同2Aというのは、本実施例においての呼び名とし、これは上記第六実施態様中の試薬試料名と符合する。そしてさらに下に記載されている数字は、検体成分である血漿または血清の容積を1に対して、それぞれの試薬試料を容積比でどの程度混合するかということを示しており、製造元が提供する操作法に従っている。以下、その他の検査項目についても同様である。第六実施態様中の試薬試料1ならびに同2がこれらに対応する。
このように作製したチップを用い、血液を試料とし、本例ではその中の脂質検査の指標となる総コレステロール、中性脂肪、HDL(High Density Lipoprotein)コレステロールの3項目を同時に分析する。これらの検査項目は動脈硬化、虚血性心疾患、冠状硬化性心臓病などの循環器系の異常の有無を判断するために不可欠なものである。これらの分析用に用いる試薬試料は、和光純薬株式会社製の検査試薬キット、LタイプワコーTG・M(中性脂肪測定用)、LタイプワコーHDL−C(HDLコレステロール測定用)、LタイプワコーCHO・M(総コレステロール測定用)をそれぞれの検査項目に対し用いた。それぞれの検査試薬キットには2種類の試薬試料があり、これらを表1にまとめた。本表において、例えば中性脂肪が検査項目の場合、製造元の呼び名が酵素発色液Aならびに同Bという2種類の試薬試料があり、その下の括弧内に記されている、それぞれ試薬試料1Aならびに同2Aというのは、本実施例においての呼び名とし、これは上記第六実施態様中の試薬試料名と符合する。そしてさらに下に記載されている数字は、検体成分である血漿または血清の容積を1に対して、それぞれの試薬試料を容積比でどの程度混合するかということを示しており、製造元が提供する操作法に従っている。以下、その他の検査項目についても同様である。第六実施態様中の試薬試料1ならびに同2がこれらに対応する。
またそれぞれの試薬試料の組成は、基本的には緩衝液中に種々の酵素等を溶解した液体で構成されているが、その詳細については非特許文献2乃至4を参照されたい。使用法は中性脂肪を例に取ると、(1)血漿または血清と試薬試料1Aとを表1に示す容積比で混合する、(2)5分間待つ、(3)5分経過後、(1)の混合試料と試薬試料2Aとを混合する、(4)さらに5分間待った後、光学測定を行う、となっており、他の検査項目についてもそれぞれ試薬の種類と、その比率を変更するだけで操作法は全く同じである。今の場合、いずれの検査項目も基本的には被検査成分の酵素反応に由来して生成する過酸化水素を、ペルオキシダーゼ(POD)による酵素反応で青色色素を生成させ、この濃淡を吸光度測定で調べ、被検査成分の濃度に換算するというものであり、表1の検査項目に関してはすべて600nmの波長の光に対し光学測定を行う。そして上述した操作をすべて37℃で行う必要があるため、本実施例では小型恒温槽の中にチップの回転を行う回転装置、ならびに吸光度測定を行う光源、検出系を組み込んだ装置を作製し、すべての操作を本装置内で行った。
和光純薬株式会社LタイプワコーTG・M製品添付文書 2004年1月作成
和光純薬株式会社LタイプワコーHDL−C製品添付文書 2001年3月作成
和光純薬株式会社LタイプワコーCHO・M製品添付文書 2004年4月作成
表1の検査項目の測定操作手順では、上述のように第2試薬試料混合後、5分間待った後に光学測定を行うが、このときの比較対象となる参照光強度を知っておかなければならない。すなわち光学測定(吸光度測定)では、被検査成分の濃度に応じて発色の程度が異なり、光学測定セルを光が通過する際に吸収される光量に応じて検出される光強度が増減するが、その増減の程度を見積もる基準として、予め光吸収の無い媒質を当該セル内に満たしておき、同じように光を導入して検出した際の強度が必要になる。通常は、光学測定セルに水などを満たし、最後の吸光度測定を行う同一の光学系で測定してこの参照光強度を求めておくが、本例では簡単のために媒質を空気として参照光強度を求めた。
(3)測定操作
図52には小型恒温槽内の光学測定ステージにチップを設置したときの、光学系を説明する図を示している。同図の検体分析チップの光学測定セル部は、図42に示した光学測定セル部の側面図の紙面向かって右側より見た側面図を示している。ここに示すように、光学素子設置基板5201に取り付けられた光源1802から出射した光は、直径1mmのスリット光路5202を通過し、光学窓A3301を透過して、本図の場合は光学測定セルA3303へと入射していく。本例では光源としてレンズ付、放射角2θが±3度、中心波長600nm、半値幅15nmのLED(Light Emitting Device)を用いている。また、光の入射角は検体分析チップ平面の法線から5度であり、セル内は空気である。当該セル内を光が通過して光学窓B3302に至ると、この表面に被覆してあるアルミニウムにより光が正反射し、図のようにセルから出て平凸集光レンズ5203で集光され、光検出器1805へと入射し、その光強度は電気信号へと変換されて記憶される。(電気的配線は図示しない)このようにセル内を光が往復しているので、実効的な光路長は約10mmとなる。図52には図示しないが、検体分析チップの3つの光学測定セルに対して、同図に示したような一対の光源と光検出器を配置しており、上の光学測定操作を同時に行う。
図52には小型恒温槽内の光学測定ステージにチップを設置したときの、光学系を説明する図を示している。同図の検体分析チップの光学測定セル部は、図42に示した光学測定セル部の側面図の紙面向かって右側より見た側面図を示している。ここに示すように、光学素子設置基板5201に取り付けられた光源1802から出射した光は、直径1mmのスリット光路5202を通過し、光学窓A3301を透過して、本図の場合は光学測定セルA3303へと入射していく。本例では光源としてレンズ付、放射角2θが±3度、中心波長600nm、半値幅15nmのLED(Light Emitting Device)を用いている。また、光の入射角は検体分析チップ平面の法線から5度であり、セル内は空気である。当該セル内を光が通過して光学窓B3302に至ると、この表面に被覆してあるアルミニウムにより光が正反射し、図のようにセルから出て平凸集光レンズ5203で集光され、光検出器1805へと入射し、その光強度は電気信号へと変換されて記憶される。(電気的配線は図示しない)このようにセル内を光が往復しているので、実効的な光路長は約10mmとなる。図52には図示しないが、検体分析チップの3つの光学測定セルに対して、同図に示したような一対の光源と光検出器を配置しており、上の光学測定操作を同時に行う。
次に図34に示した採血装置を用い、ヒトの静脈より採取して同装置の血液溜めパイプ3403内に5マイクロリットルの血液を蓄積した。本装置を図35に示すように検体分析チップの試料導入口2801に挿入した。また、同時に試薬試料1A導入口2802乃至同1C導入口2804より表1に示した3種類の試薬、試薬試料1A乃至同1Cをそれぞれ約45、約45、約36マイクロリットル、試薬試料1A溜槽2805乃至同1C溜槽2807へピペットにより導入した。この後同図中のC1を回転軸としてチップを5000回転毎分で30秒間回転させる(第1のチップ回転)。加速時間は2秒であり、またC1より検体分析チップ上辺までの距離は20mmであった。チップ回転終了後、図36に示すように、採血装置に蓄積されていた血液は、分離流路2808で血球血漿分離され、非検体成分蓄積槽A2809ならびに非検体成分蓄積槽B2810に血球成分が蓄積され、血漿成分は検体成分秤量槽A2811乃至同C2813に秤量蓄積された。なお、本例の分離流路の総長は約100mmで、流路幅0.2mm深さ0.1mmであった。この秤量された血漿量は槽の形状寸法と喫水線位置から各槽で相等しく、各々0.4マイクロリットルであった。
一方、この第1のチップ回転で、試薬試料1A溜槽2805乃至同1C溜槽2807に導入されていた3種類の試薬、試薬試料1A3502乃至同1C3504は、それぞれ秤量槽1A2814乃至同1C2816へと移動してき、そこで各々秤量蓄積され、余分な各試薬試料は、廃液溜槽A2817に蓄積される。この秤量蓄積された秤量槽1A2814乃至同1C2816内の試薬試料1A3502乃至同1C3504量は、当該秤量槽の寸法形状と喫水線位置から、それぞれ36、36、28.8マイクロリットルであった。これらの容量は上記の秤量された血漿量に対し、表1に示した比率を維持するようになっている。なお、当該秤量槽の深さは4mmであり、試薬試料の喫水線を含む一部の部分のみ0.5mmとして回転終了後の試料試薬のメニスカス現象に由来する移動を抑制している。
次に表1の試薬試料2A、同2B、同2Cの3種類の試料試薬を検体分析チップの第3層の基板C上の試薬試料2A溜槽3001乃至同2C溜槽3003(図30)にそれぞれ約15、15、12マイクロリットルずつピペットにより導入した。そしてこの後に図35の第2の回転軸C2を中心としてチップを4000回転毎分で30秒間回転させた。(第2のチップ回転)回転終了後、図37に示すように、チップの第2層基板Bに形成されている1次混合槽1A2907乃至同1C2909に、それぞれ検体成分秤量槽A2811乃至同C2813に秤量蓄積されていた血漿と秤量槽1A2814乃至同1C2816に秤量蓄積されていた試薬試料1A3502乃至同1C3504が、それぞれの槽で混合蓄積された。当該槽の深さはいずれも2.5mmで、槽内に蓄積された1次混合試料の喫水線部近傍の深さは0.5mmとなっており、やはりメニスカス現象に由来する試料の移動を抑制するようにしている。
また同時に、この第2のチップ回転で、試薬試料2A溜槽3001乃至同2C溜槽3003に蓄積されていた3種類の試薬試料2A、同2B、同3Cは、図39に示すように秤量槽2A3004乃至同2C3006へと秤量蓄積された。この秤量蓄積された試薬試料2A、同2B、同3Cは、それぞれ12、12、9.6マイクロリットルであり、余分な試薬試料は廃液溜槽2A3007乃至同2C3009へと蓄積された。これらの秤量された第2の試薬試料の容積は、第1のチップ回転で秤量蓄積した血漿量容積に対し、表1に示した比率を維持するようになっている。なお、秤量槽2A3004乃至同2C3006の深さは3mmであるが、槽内に秤量蓄積された第2の試薬試料の喫水線部を含む一部の部分の深さは0.5mmとなっており、やはりメニスカス現象に由来する試料の移動を抑制するようにしている。
以上の第2のチップ回転終了後の状態で5分経過した後に、再度第1の回転軸C1を中心として、4000回転毎分、30秒間チップを回転させた。(第3のチップ回転)これによって図41に示すように1次混合槽1A2907乃至同1C2909に蓄積されていた3種の1次混合試料と、秤量槽2A3004乃至同2C3006に秤量蓄積されていた第2の試薬試料は、それぞれ混合流路A3014乃至同C3016を経て、均等に混合された後に光学測定セルA3304乃至同C3306を満たすように蓄積され、余分な試料は廃液溜槽1A2919乃至同1C2921(図28)に蓄積される。なお、混合される1次混合試料と第2の試薬試料の容積比が、表1より約3:1であるので、それぞれ混合流路A3014乃至同C3016前の合流部A4101乃至同C4103(図41)の1次混合試料と第2の試薬試料が流入してくる流路の幅は0.6mmと0.2mmと3:1で深さは0.1mm相等しくなっており、常に均等な流量比で被混合試料が混合流路に流入するようになっている。
このように光学測定セルA3304乃至同C3306に混合した試料を満たし、5分間待った後に、図52に示した光学系によって参照光強度測定を行った場合と同様に光学測定を行い、それぞれの検査項目に対応する光学測定セルでの試料光強度を得た。そしてこの試料光強度(Is)と上記の参照光強度(Ir)の比の対数をとったものが吸光度Aとなる。すなわちA=Log(Ir/Is)である。そして、光学測定セルA3304(中性脂肪)、同B3305(HDLコレステロール)、同C3306(総コレステロール)の吸光度をそれぞれ求めたところ、それぞれ0.0488、0.163、0.223であった。
(4)較正
上述したように、ヒトから採取した血液中の中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロールに関し、それぞれ血液から血漿成分を秤量し、これと第1の試薬試料を混合させ、さらにこの第1混合試料と第2の試薬試料を混合させて、それぞれの検査項目の被検査成分濃度に応じた色素を発色させ、光学測定によりこれを定量的に吸光度として求めた。この求めた吸光度がどの程度の検査項目の濃度に対応するのかを明らかにするために、較正曲線を求めた。
上述したように、ヒトから採取した血液中の中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロールに関し、それぞれ血液から血漿成分を秤量し、これと第1の試薬試料を混合させ、さらにこの第1混合試料と第2の試薬試料を混合させて、それぞれの検査項目の被検査成分濃度に応じた色素を発色させ、光学測定によりこれを定量的に吸光度として求めた。この求めた吸光度がどの程度の検査項目の濃度に対応するのかを明らかにするために、較正曲線を求めた。
それぞれの検査項目の濃度が既知であり、またその濃度が様々の較正試料を複数用意する。そして、その内の一つの較正試料を5マイクロリットル、ピペットにより採取し、図35の検体分析チップの試料導入口2801に導入した。また、同時に表1に示した3種類の試薬、試薬試料1A乃至同1Cをそれぞれ約45、約45、約36マイクロリットル、試薬試料1A溜槽2805乃至同1C溜槽2807へピペットにより導入した。そしてこれ以後は実施例7と同様にして、第1のチップ回転、第2の試薬試料の導入、第3のチップ回転を行い、光学測定セルA3304乃至同C3306に混合した試料を満たして、光学測定を行い、それぞれの光強度を求める。そして、このような操作をそれぞれの濃度の較正試料に対して行い、各検査項目の濃度と吸光度との関係をまとめた図を図53に示す。このようにすべての検査項目に対して、その濃度が増加するに伴い、吸光度が増加し、また図中の実線の回帰直線も良く測定値のプロットと良く適合している。そしてこの較正直線から、上述したヒトの血液のから得られた吸光度の測定結果から中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロールの値を換算したところ、それぞれ、92.5、55.0、185.9mg/dLであった。
<比較例8>
実施例7において、同時にヒトから採取した血液を検体として、従来の透過測定法用のガラス製光学セル(内寸法:10×10×40mm3)を用いて、その中の中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロール濃度を調べた。まず、採取した血液1ccを試験管に入れ、3000回転毎分で5分間遠心分離を行った。回転半径は約50mmである。試験管中の上澄み血漿をピペットで10マイクロリットル秤量採取して、光学セルに導入し、第1の試薬試料(中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロールの検査項目で、それぞれ0.9、0.9、0.72mL)もそれぞれ導入する。これを37℃の恒温槽に入れながら5分間混合した。次に第2の試薬試料(中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロールの検査項目で、それぞれ0.3、0.3、0.24mL)を当該光学セルに導入し、5分間恒温槽で振動させながら混合する。最後に通常の透過法で試料光強度を得た。光路長は10mmであった。このような測定を各項目についてそれぞれ行い、また参照光強度は光学セルに純水を導入して測定を行い得た。そしてそれぞれの検査項目に関して吸光度を計算し、予め得ていたそれぞれの較正直線から、各検査項目の濃度に換算した。その結果、中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロールの濃度は、それぞれ89.7、53.7、179.6mg/dLと見積もられた。
実施例7において、同時にヒトから採取した血液を検体として、従来の透過測定法用のガラス製光学セル(内寸法:10×10×40mm3)を用いて、その中の中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロール濃度を調べた。まず、採取した血液1ccを試験管に入れ、3000回転毎分で5分間遠心分離を行った。回転半径は約50mmである。試験管中の上澄み血漿をピペットで10マイクロリットル秤量採取して、光学セルに導入し、第1の試薬試料(中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロールの検査項目で、それぞれ0.9、0.9、0.72mL)もそれぞれ導入する。これを37℃の恒温槽に入れながら5分間混合した。次に第2の試薬試料(中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロールの検査項目で、それぞれ0.3、0.3、0.24mL)を当該光学セルに導入し、5分間恒温槽で振動させながら混合する。最後に通常の透過法で試料光強度を得た。光路長は10mmであった。このような測定を各項目についてそれぞれ行い、また参照光強度は光学セルに純水を導入して測定を行い得た。そしてそれぞれの検査項目に関して吸光度を計算し、予め得ていたそれぞれの較正直線から、各検査項目の濃度に換算した。その結果、中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロールの濃度は、それぞれ89.7、53.7、179.6mg/dLと見積もられた。
上述した本発明の検体分析チップを用いて得られた結果と比較してみると、両者の間の違いは5%以内であり、お互い良く適合しており、従来法と比較しても遜色は認められない。また本発明の検体分析チップの場合は3つの検査項目を同時に測定でき、また用いる血漿量ならびに試薬試料量が少なくて良いなどの有利な点がある。
なお、実施例7で示した検体分析チップにおいては、図52のように反射光学系を用い光学測定を行った。しかしその他、光学窓B3302表面へのアルミニウムの被覆をせず、光学系窓A3301へ光を入射し、同B3302より出射してくる光を検出する透過測定を用い、実施例7と同様の検体分析を行った場合においても(光路長5mm)、検体濃度の低い場合に若干の感度低下が認められるものの、図53に示したような直線性の良い較正直線が得られ、また血液の分析も同様に行うことができた。
さらに実施例7の検査項目の場合の試薬試料では、予め(あるいは事後に)測定して得ておいた参照光強度と、検体と第1、第2試薬試料を混合し、発色させたものを測定して得た試料光強度から吸光度を算出するという終点検出法による分析であった。その他、検体と第1、第2試薬試料を混合した後の所定の時間から、所定の時間の間測定を連続して行い、吸光度の時間変化の割合から検査項目濃度に換算するレート測定法があるが、この場合の参照光強度は、測定を開始したときのはじめの値がそれに相当するので、予めこれを測定しておく必要は無く、本発明の検体分析チップの構造を変えることなくそのまま適用することができる。
また検査項目によっては試薬試料を1つしか用いないもの、あるいは3つ以上用いるものもあるが、1つの場合は実施例7で示したチップの構造を省き、より小型化することができる。また3つ以上の試薬試料を用いる場合にも、チップを構成する溝流路を形成した基板を積層していくことでチップ面積の肥大化を抑制しつつ、実現できる。
また本例では、血液を試料とし、また脂質検査の3項目を検査項目の例としてあげたが、血液を試料としても、その他、糖尿病(グルコース、グリコヘモグロビン)、肝臓疾患(アスパラギン酸アミノ基転移酵素、アスパラギン酸アミノ基転移酵素、アスパラギン酸アミノ基転移酵素、アスパラギン酸アミノ基転移酵素)、腎臓疾患(尿素窒素、クレアチニン、尿酸)、等の検査項目、各種免疫検査、各種感染症診断、腫瘍マーカーなどの検査項目についても適用が可能である。
<実施例8>
第7実施例で用いた図34の採血装置の採血用針3401の内径は約0.1mm、外径は0.15mmと非常に細く、皮膚に穿刺したときの痛みを極力緩和している。当該針の内壁全般にわたって平滑化処理を施してあり、細いにも関わらず、針先端が血管に到達すれば、血液が血圧のみで当該針内を通過して血液溜めパイプ3403に蓄積されるようになっている。そして図35に示した検体分析チップの試料導入口2801に、血液を採取して血液溜めパイプ3403に5マイクロリットルの血液を蓄積した採血装置を挿入して、第1の回転軸C1を中心としたチップ回転により血液を分離流路2808へと導き、当該流路で血球血漿分離を進行させ、非検体成分蓄積槽A2809ならびに同B2810に血球成分を蓄積し、検体成分秤量槽A2811乃至同C2813に血漿成分を秤量蓄積した。
第7実施例で用いた図34の採血装置の採血用針3401の内径は約0.1mm、外径は0.15mmと非常に細く、皮膚に穿刺したときの痛みを極力緩和している。当該針の内壁全般にわたって平滑化処理を施してあり、細いにも関わらず、針先端が血管に到達すれば、血液が血圧のみで当該針内を通過して血液溜めパイプ3403に蓄積されるようになっている。そして図35に示した検体分析チップの試料導入口2801に、血液を採取して血液溜めパイプ3403に5マイクロリットルの血液を蓄積した採血装置を挿入して、第1の回転軸C1を中心としたチップ回転により血液を分離流路2808へと導き、当該流路で血球血漿分離を進行させ、非検体成分蓄積槽A2809ならびに同B2810に血球成分を蓄積し、検体成分秤量槽A2811乃至同C2813に血漿成分を秤量蓄積した。
チップ回転時に生起する遠心力により、採血用針3401内にあった血液も血液溜めパイプ3403の方へ移動して行くが、針の内径が細いためにある程度の遠心力が印加されないと移動できない。そこでまず、第1の回転数を2000回転毎分として1分間チップを回転させる。C1より検体分析チップ上辺までの距離は20mmであった。回転終了後、採血装置より分離流路へと血液が流入しておらず、そのほとんどは血液溜めパイプ3403に蓄積されたままである。次に第2の回転数を4000回転毎分とし、30秒間回転させた。加速時間は2秒であった。回転終了後、チップ内を観察してみると図36に示すが如く、非検体成分蓄積槽A2809ならびに同B2810に血球成分が、検体成分秤量槽A2811乃至同C2813に血漿成分が秤量蓄積されていた。
<比較例9>
実施例8と同様に、図35に示した検体分析チップの試料導入口2801に、血液を採取して血液溜めパイプ3403に5マイクロリットルの血液を蓄積した採血装置を挿入した。その後、第1の回転軸C1を中心としたチップ回転を4000回転毎分、30秒間、加速時間2秒の条件の下、行った。回転終了後、チップ内を観察してみると、非検体成分蓄積槽A2809、同B2810、また検体成分秤量槽A2811乃至同C2813に血球と血漿が混在して蓄積されていた。この結果は、分離流路中2808中で十分に血球血漿分離が進行しないまま非検体成分蓄積槽A2809に血液が到達してしまったことを示している。
実施例8と同様に、図35に示した検体分析チップの試料導入口2801に、血液を採取して血液溜めパイプ3403に5マイクロリットルの血液を蓄積した採血装置を挿入した。その後、第1の回転軸C1を中心としたチップ回転を4000回転毎分、30秒間、加速時間2秒の条件の下、行った。回転終了後、チップ内を観察してみると、非検体成分蓄積槽A2809、同B2810、また検体成分秤量槽A2811乃至同C2813に血球と血漿が混在して蓄積されていた。この結果は、分離流路中2808中で十分に血球血漿分離が進行しないまま非検体成分蓄積槽A2809に血液が到達してしまったことを示している。
以上の結果より、第1のチップ回転数で図34に示したような採血装置に血液を蓄積したままある程度血球血漿分離を進行させた上で、第1の回転数よりも高い第2の回転数でチップを回転させて、血液を分離流路へと導き、より血球血漿分離を進行させた上で、血液を非検体成分蓄積槽A2809、同B2810へと導き、血球成分を蓄積して、検体成分秤量槽A2811乃至同C2813に血漿成分を秤量蓄積することができる。そしてこの第2の回転数は、単一の回転のみで血液を分離流路2808を通過させ、非検体成分蓄積槽A2809へと導いた場合よりも低くすることができ、回転機構などの外部装置に及ぼす負荷を低減することができる。あるいは分離流路2808をより短くすることができ、チップ面積の縮小に寄与する。
さらに本例が、実施例3で述べた図12の分離・秤量チップと異なる点は、図12の場合には試料である血液のすべてが断面積の小さくなっている部分1201を通過するのに対し、本例では血液のほとんどが、このように断面積の小さくなっている部分(本例では採血針3401内部)を通過することが無い点である。血液の場合、断面積の小さい流路を高速で通過させると血球が破壊される溶血が起こり、成分組成の変化を招来する可能性があるので、本例の態様は実施例3のものよりもより良いと考えられる。
101 基板A
102 基板B
201 分離・秤量チップ
301 試料導入口
302 試料溜
303 分離流路
304 非検体成分蓄積槽
305 検体成分秤量槽A
306 検体成分秤量槽B
307 検体成分秤量槽C
308 廃液溜槽
309 空気抜き穴
310 分離流路の一部を指示
401 モータ
402 シャフト
403 ローター
404 バランサチップ
501 分離流路
502 分離流路の遠心加圧方向Fの側壁輪郭の任意の一点
503 点502における分離流路の側壁輪郭の接線
504 点502と回転軸C上の点を通過する線
505 試料進行方向
506 回転軸方向
601 試料
602 試料601の分離流路での先頭部分を指示する丸印
701 非検体成分
702 検体成分
703 試料の進行方向
801 検体成分と非検体成分の遠心分離がほぼ完了した試料
802 非検体成分
803 検体成分
804 連結路A
805 連結路B
806 連結路C
807 連結路D
808 非検体成分蓄積槽304と連結路A804の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側の交点
809 回転軸Cを中心とし、点808を通過する円の軌跡
810 検体成分の喫水線を表す回転軸Cを中心とした円の軌跡
811 検体成分秤量槽A305と連結路B805の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側の交点
812 回転軸Cを中心とし、点811を通過する円の軌跡
813 検体成分秤量槽B306と連結路C806の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側の交点
814 回転軸Cを中心とし、点813を通過する円の軌跡
813 検体成分秤量槽B307と連結路D807の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側の交点
816 回転軸Cを中心とし、点815を通過する円の軌跡
901 分離・非検体成分蓄積流路
902 分離・非検体成分蓄積流路の一部を指示
1001 非検体成分蓄積部
1002 非検体成分蓄積部下流側端点A
1003 非検体成分蓄積部下流側端点B
1004 非検体成分蓄積部下流側端点C
1005 回転軸Cを中心とし、点1002を通過する円の軌跡
1006 回転軸Cを中心とし、点1003を通過する円の軌跡
1007 回転軸Cを中心とし、点1004を通過する円の軌跡
1101 回転軸Cを中心とした円の軌跡で、検体成分秤量槽内の検体成分の喫水線を表す
1102 検体成分が蓄積された非検体成分蓄積部を指示
1201 分離流路の一部であって、断面積が他より小さくなっている部位
1301 試料導入口A
1302 試料導入口B
1303 試料溜A
1304 試料溜B
1305 合流部
1306 混合流路
1307 混合試料溜槽
1308 空気抜きA
1309 空気抜きB
1310 混合流路の一部を指示
1311 合流流路A
1312 合流流路B
1401 突起形状
1402 流路幅A
1403 流路幅B
1501 突起形状の無い流路
1502 試料A
1503 試料B
1504 試料の進行方向
1505 折り返し部
1601 光学測定セル
1602 光学反射率の高い薄膜
1801 混合した試料
1802 光源
1803 入射光
1804 出射光
1805 光検出器
1806 半透鏡
1807 光学窓
1808 反射層
1901 秤量槽
1902 蓄積槽
2101 秤量槽1901に蓄積される試料の喫水線
2102 秤量された試料
2103 廃液槽308に蓄積される試料の喫水線
2104 廃棄された試料
2105 秤量槽1901を指示
2401 本来の試料喫水線
2402 試料喫水線湾曲後の喫水線
2601 槽の深さが浅い部分と深い部分の境界
2602 槽の深さが深い部分
2603 槽の深さが浅い部分
2701 基板A
2702 基板B
2703 基板C
2704 接着板A
2705 接着板B
2801 試料導入口
2802 試薬試料1A導入口
2803 試薬試料1B導入口
2804 試薬試料1C導入口
2805 試薬試料1A溜槽
2806 試薬試料1B溜槽
2807 試薬試料1C溜槽
2808 分離流路
2809 非検体成分蓄積槽A
2810 非検体成分蓄積槽B
2811 検体成分秤量槽A
2812 検体成分秤量槽B
2813 検体成分秤量槽C
2814 秤量槽1A
2815 秤量槽1B
2816 秤量槽1C
2817 廃液溜槽A
2818 検体成分秤量槽A接続部A
2819 検体成分秤量槽B接続部A
2820 検体成分秤量槽C接続部A
2821 秤量槽1A接続部A
2822 秤量槽1B接続部A
2823 秤量槽1C接続部A
2824 試薬試料2A導入口A
2825 試薬試料2B導入口A
2826 試薬試料2C導入口A
2827 空気抜きA
2901 検体成分秤量槽A接続部B
2902 検体成分秤量槽B接続部B
2903 検体成分秤量槽C接続部B
2904 秤量槽1A接続部B
2905 秤量槽1B接続部B
2906 秤量槽1C接続部B
2907 1次混合槽1A
2908 1次混合槽1B
2909 1次混合槽1C
2910 試薬試料2A導入口B
2911 試薬試料2B導入口B
2912 試薬試料2C導入口B
2913 1次混合槽1A接続部B
2914 1次混合槽1B接続部B
2915 1次混合槽1C接続部B
2916 光学測定セル1A
2917 光学測定セル1B
2918 光学測定セル1C
2919 廃液溜槽1A
2920 廃液溜槽1B
2921 廃液溜槽1C
2922 空気抜きB
3001 試薬試料2A溜槽
3002 試薬試料2B溜槽
3003 試薬試料2C溜槽
3004 秤量槽2A
3005 秤量槽2B
3006 秤量槽2C
3007 廃液溜槽2A
3008 廃液溜槽2B
3009 廃液溜槽2C
3010 空気抜きC
3011 1次混合槽1A接続部C
3012 1次混合槽1B接続部C
3013 1次混合槽1C接続部C
3014 混合流路A
3015 混合流路B
3016 混合流路C
3017 光学測定セル2A
3018 光学測定セル2B
3019 光学測定セル2C
3020 合流流路1A
3021 合流流路1B
3022 合流流路1C
3023 合流流路2A
3024 合流流路2B
3025 合流流路2C
3101 秤量槽1A貫通穴
3102 秤量槽1B貫通穴
3103 秤量槽1C貫通穴
3104 検体成分秤量槽A貫通穴
3105 検体成分秤量槽B貫通穴
3106 検体成分秤量槽C貫通穴
3107 光学測定セル1A貫通穴
3108 光学測定セル1B貫通穴
3109 光学測定セル1C貫通穴
3110 試薬試料2A貫通穴
3111 試薬試料2B貫通穴
3112 試薬試料2C貫通穴
3121 1次混合槽1A貫通穴
3122 1次混合槽1B貫通穴
3123 1次混合槽1C貫通穴
3124 空気抜き貫通穴A
3125 空気抜き貫通穴B
3126 空気抜き貫通穴C
3127 光学測定セル2A貫通穴
3128 光学測定セル2B貫通穴
3129 光学測定セル2C貫通穴
3130 試薬試料2A溜槽貫通穴
3131 試薬試料2B溜槽貫通穴
3132 試薬試料2C溜槽貫通穴
3201 光学測定セル部を指示
3301 光学窓A
3302 光学窓B
3303 接着板C
3304 光学測定セルA
3305 光学測定セルB
3306 光学測定セルC
3401 採血用針
3402 変換パイプ
3403 血液溜めパイプ
3501 血液が蓄積された採血装置
3502 試薬試料1A
3503 試薬試料1B
3504 試薬試料1C
3601 秤量された血漿成分
3602 秤量された試薬試料1A
3603 秤量された試薬試料1B
3604 秤量された試薬試料1C
3605 廃液
3606 喫水線
3607 血球成分と血漿成分の境界線
3701 秤量された血漿と試薬試料1Aの1次混合試料
3702 秤量された血漿と試薬試料1Bの1次混合試料
3703 秤量された血漿と試薬試料1Cの1次混合試料
3704 槽の奥行きが浅くなっている部位
3801 溝流路A
3802 貫通穴
3803 溝流路B
3804 試料の流れ方向
3805 基材
3806 粘着層
3901 秤量された試薬試料2A
3902 秤量された試薬試料2B
3903 秤量された試薬試料2C
3904 廃棄された試薬試料2A
3905 廃棄された試薬試料2B
3906 廃棄された試薬試料2C
4101 合流部A
4102 合流部B
4103 合流部C
4701 青と赤の色素水溶液の混合水溶液
4801 合流流路A
4802 合流流路B
5001 槽内を移動した試料
5101 試料溜に移送されてしまった秤量された試料の一部
5201 光学素子設置基板
5202 スリット光路
5203 平凸集光レンズ
C 回転軸
θ 角度
C1 第1の回転軸
C2 第2の回転軸
F 遠心加圧方向
F1 第1の遠心加圧方向
F2 第1の遠心加圧方向
102 基板B
201 分離・秤量チップ
301 試料導入口
302 試料溜
303 分離流路
304 非検体成分蓄積槽
305 検体成分秤量槽A
306 検体成分秤量槽B
307 検体成分秤量槽C
308 廃液溜槽
309 空気抜き穴
310 分離流路の一部を指示
401 モータ
402 シャフト
403 ローター
404 バランサチップ
501 分離流路
502 分離流路の遠心加圧方向Fの側壁輪郭の任意の一点
503 点502における分離流路の側壁輪郭の接線
504 点502と回転軸C上の点を通過する線
505 試料進行方向
506 回転軸方向
601 試料
602 試料601の分離流路での先頭部分を指示する丸印
701 非検体成分
702 検体成分
703 試料の進行方向
801 検体成分と非検体成分の遠心分離がほぼ完了した試料
802 非検体成分
803 検体成分
804 連結路A
805 連結路B
806 連結路C
807 連結路D
808 非検体成分蓄積槽304と連結路A804の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側の交点
809 回転軸Cを中心とし、点808を通過する円の軌跡
810 検体成分の喫水線を表す回転軸Cを中心とした円の軌跡
811 検体成分秤量槽A305と連結路B805の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側の交点
812 回転軸Cを中心とし、点811を通過する円の軌跡
813 検体成分秤量槽B306と連結路C806の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側の交点
814 回転軸Cを中心とし、点813を通過する円の軌跡
813 検体成分秤量槽B307と連結路D807の輪郭線の交点の内、より遠心加圧方向側の交点
816 回転軸Cを中心とし、点815を通過する円の軌跡
901 分離・非検体成分蓄積流路
902 分離・非検体成分蓄積流路の一部を指示
1001 非検体成分蓄積部
1002 非検体成分蓄積部下流側端点A
1003 非検体成分蓄積部下流側端点B
1004 非検体成分蓄積部下流側端点C
1005 回転軸Cを中心とし、点1002を通過する円の軌跡
1006 回転軸Cを中心とし、点1003を通過する円の軌跡
1007 回転軸Cを中心とし、点1004を通過する円の軌跡
1101 回転軸Cを中心とした円の軌跡で、検体成分秤量槽内の検体成分の喫水線を表す
1102 検体成分が蓄積された非検体成分蓄積部を指示
1201 分離流路の一部であって、断面積が他より小さくなっている部位
1301 試料導入口A
1302 試料導入口B
1303 試料溜A
1304 試料溜B
1305 合流部
1306 混合流路
1307 混合試料溜槽
1308 空気抜きA
1309 空気抜きB
1310 混合流路の一部を指示
1311 合流流路A
1312 合流流路B
1401 突起形状
1402 流路幅A
1403 流路幅B
1501 突起形状の無い流路
1502 試料A
1503 試料B
1504 試料の進行方向
1505 折り返し部
1601 光学測定セル
1602 光学反射率の高い薄膜
1801 混合した試料
1802 光源
1803 入射光
1804 出射光
1805 光検出器
1806 半透鏡
1807 光学窓
1808 反射層
1901 秤量槽
1902 蓄積槽
2101 秤量槽1901に蓄積される試料の喫水線
2102 秤量された試料
2103 廃液槽308に蓄積される試料の喫水線
2104 廃棄された試料
2105 秤量槽1901を指示
2401 本来の試料喫水線
2402 試料喫水線湾曲後の喫水線
2601 槽の深さが浅い部分と深い部分の境界
2602 槽の深さが深い部分
2603 槽の深さが浅い部分
2701 基板A
2702 基板B
2703 基板C
2704 接着板A
2705 接着板B
2801 試料導入口
2802 試薬試料1A導入口
2803 試薬試料1B導入口
2804 試薬試料1C導入口
2805 試薬試料1A溜槽
2806 試薬試料1B溜槽
2807 試薬試料1C溜槽
2808 分離流路
2809 非検体成分蓄積槽A
2810 非検体成分蓄積槽B
2811 検体成分秤量槽A
2812 検体成分秤量槽B
2813 検体成分秤量槽C
2814 秤量槽1A
2815 秤量槽1B
2816 秤量槽1C
2817 廃液溜槽A
2818 検体成分秤量槽A接続部A
2819 検体成分秤量槽B接続部A
2820 検体成分秤量槽C接続部A
2821 秤量槽1A接続部A
2822 秤量槽1B接続部A
2823 秤量槽1C接続部A
2824 試薬試料2A導入口A
2825 試薬試料2B導入口A
2826 試薬試料2C導入口A
2827 空気抜きA
2901 検体成分秤量槽A接続部B
2902 検体成分秤量槽B接続部B
2903 検体成分秤量槽C接続部B
2904 秤量槽1A接続部B
2905 秤量槽1B接続部B
2906 秤量槽1C接続部B
2907 1次混合槽1A
2908 1次混合槽1B
2909 1次混合槽1C
2910 試薬試料2A導入口B
2911 試薬試料2B導入口B
2912 試薬試料2C導入口B
2913 1次混合槽1A接続部B
2914 1次混合槽1B接続部B
2915 1次混合槽1C接続部B
2916 光学測定セル1A
2917 光学測定セル1B
2918 光学測定セル1C
2919 廃液溜槽1A
2920 廃液溜槽1B
2921 廃液溜槽1C
2922 空気抜きB
3001 試薬試料2A溜槽
3002 試薬試料2B溜槽
3003 試薬試料2C溜槽
3004 秤量槽2A
3005 秤量槽2B
3006 秤量槽2C
3007 廃液溜槽2A
3008 廃液溜槽2B
3009 廃液溜槽2C
3010 空気抜きC
3011 1次混合槽1A接続部C
3012 1次混合槽1B接続部C
3013 1次混合槽1C接続部C
3014 混合流路A
3015 混合流路B
3016 混合流路C
3017 光学測定セル2A
3018 光学測定セル2B
3019 光学測定セル2C
3020 合流流路1A
3021 合流流路1B
3022 合流流路1C
3023 合流流路2A
3024 合流流路2B
3025 合流流路2C
3101 秤量槽1A貫通穴
3102 秤量槽1B貫通穴
3103 秤量槽1C貫通穴
3104 検体成分秤量槽A貫通穴
3105 検体成分秤量槽B貫通穴
3106 検体成分秤量槽C貫通穴
3107 光学測定セル1A貫通穴
3108 光学測定セル1B貫通穴
3109 光学測定セル1C貫通穴
3110 試薬試料2A貫通穴
3111 試薬試料2B貫通穴
3112 試薬試料2C貫通穴
3121 1次混合槽1A貫通穴
3122 1次混合槽1B貫通穴
3123 1次混合槽1C貫通穴
3124 空気抜き貫通穴A
3125 空気抜き貫通穴B
3126 空気抜き貫通穴C
3127 光学測定セル2A貫通穴
3128 光学測定セル2B貫通穴
3129 光学測定セル2C貫通穴
3130 試薬試料2A溜槽貫通穴
3131 試薬試料2B溜槽貫通穴
3132 試薬試料2C溜槽貫通穴
3201 光学測定セル部を指示
3301 光学窓A
3302 光学窓B
3303 接着板C
3304 光学測定セルA
3305 光学測定セルB
3306 光学測定セルC
3401 採血用針
3402 変換パイプ
3403 血液溜めパイプ
3501 血液が蓄積された採血装置
3502 試薬試料1A
3503 試薬試料1B
3504 試薬試料1C
3601 秤量された血漿成分
3602 秤量された試薬試料1A
3603 秤量された試薬試料1B
3604 秤量された試薬試料1C
3605 廃液
3606 喫水線
3607 血球成分と血漿成分の境界線
3701 秤量された血漿と試薬試料1Aの1次混合試料
3702 秤量された血漿と試薬試料1Bの1次混合試料
3703 秤量された血漿と試薬試料1Cの1次混合試料
3704 槽の奥行きが浅くなっている部位
3801 溝流路A
3802 貫通穴
3803 溝流路B
3804 試料の流れ方向
3805 基材
3806 粘着層
3901 秤量された試薬試料2A
3902 秤量された試薬試料2B
3903 秤量された試薬試料2C
3904 廃棄された試薬試料2A
3905 廃棄された試薬試料2B
3906 廃棄された試薬試料2C
4101 合流部A
4102 合流部B
4103 合流部C
4701 青と赤の色素水溶液の混合水溶液
4801 合流流路A
4802 合流流路B
5001 槽内を移動した試料
5101 試料溜に移送されてしまった秤量された試料の一部
5201 光学素子設置基板
5202 スリット光路
5203 平凸集光レンズ
C 回転軸
θ 角度
C1 第1の回転軸
C2 第2の回転軸
F 遠心加圧方向
F1 第1の遠心加圧方向
F2 第1の遠心加圧方向
Claims (83)
- ある回転軸を中心とする回転により試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップであって、
前記チップ外部から試料を導入する試料導入口と、
前記試料導入口から見て遠心加圧方向に位置し、当該試料導入口と連通されており、前記試料から前記検体成分と検体成分以外の成分(以下、非検体成分という)を遠心分離する分離流路と、
前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該分離流路と連通されており、非検体成分を蓄積する、少なくとも1つの非検体成分蓄積槽と、
前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、非検体成分蓄積槽と連通されており、前記検体成分を蓄積ならびに秤量する少なくとも1つの検体成分秤量槽と、
を含むことを特徴とする分離・秤量チップ。 - 前記分離流路は、遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、請求項1記載の分離・秤量チップ。
- 前記分離流路の少なくとも一部は、前記非検体成分蓄積槽へと至る当該分離流路中を流れる試料の進行方向が、遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向になる構造であることを特徴とする、請求項1記載の分離・秤量チップ。
- 前記分離流路の少なくとも一部は、その他部分の分離流路の断面積よりも小さいことを特徴とする、請求項1記載の分離・秤量チップ。
- 前記分離流路表面の少なくとも一部は、疎水性を有する膜で覆われていることを特徴とする、請求項1記載の分離・秤量チップ。
- 前記試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置を導入できることを特徴とする、請求項1記載の分離・秤量チップ。
- ある回転軸を中心とする回転により試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップであって、
前記チップ外部から試料を導入する試料導入口と、
前記試料導入口から見て遠心加圧方向に位置し、当該試料導入口と連通されており、前記試料から前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、非検体成分を蓄積する非検体成分蓄積部を含む分離・非検体成分蓄積流路と、
前記分離・非検体成分蓄積流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該分離・非検体成分蓄積流路と連通されており、前記検体成分を蓄積ならびに秤量する少なくとも1つの検体成分秤量槽と、
を含むことを特徴とする分離・秤量チップ。 - 前記非検体成分蓄積部は、分離・非検体成分蓄積流路の遠心加圧方向側に配設されていること特徴とする、請求項7記載の分離・秤量チップ。
- 前記分離・非検体成分蓄積流路は、遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、請求項7記載の分離・秤量チップ。
- 前記分離・非検体成分蓄積流路の少なくとも一部は、前記検体成分秤量槽へと至る当該分離・非検体成分蓄積流路中を流れる試料の進行方向が、遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向になる構造であることを特徴とする、請求項7記載の分離・秤量チップ。
- 前記分離・非検体成分蓄積流路の少なくとも一部は、その他部分の分離・非検体成分蓄積流路の断面積よりも小さいことを特徴とする、請求項7記載の分離・秤量チップ。
- 前記分離・非検体成分蓄積流路表面の少なくとも一部は、疎水性を有する膜で覆われていることを特徴とする、請求項7記載の分離・秤量チップ。
- 前記試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置を導入できることを特徴とする、請求項7記載の分離・秤量チップ。
- ある回転軸を中心とする回転により少なくとも2種類の試料の混合を行う混合チップであって、
前記試料を合流部へと導く、少なくとも2つの合流流路と、
前記合流流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該合流流路と連通されており、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む混合流路と、
を含むことを特徴とする混合チップ。 - 前記混合流路の少なくとも一部は、当該流路中を流れる試料の進行方向が、遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向になる構造であることを特徴とする、請求項14記載の混合チップ。
- 前記混合流路は、遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、請求項14記載の混合チップ。
- 前記突起形状は、前記混合流路の遠心加圧方向と反対側に配設されていること特徴とする、請求項14記載の混合チップ。
- 前記複数の合流流路の断面積の比が、特にそれぞれの合流流路を通過するそれぞれの試料の量の比にほぼ等しいことを特徴とする、請求項14記載の混合チップ。
- 被光学測定試料を導入し、当該試料を満たして光学測定を行う光学測定セルを含む光学測定チップであって、上記光学測定セルは、
前記光学測定チップ平面とほぼ平行であり、かつ当該チップ外からの入射光と当該光学測定セルからの出射光を透過し、また当該入射光ならびに出射光となす角が直角、もしくは直角近くである一方の面であり、光学的透過率の高い材料で構成される光学窓と、
前記光学窓とほぼ平行、かつ対向し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成され、当該光学測定セル内へと導かれた入射光を反射する反射層と、
を含むことを特徴とする光学測定チップ。 - 前記反射層を構成する光学的反射率の高い材料の主成分が、特にアルミニウムであることを特徴とする、請求項19記載の光学測定チップ。
- 前記光学窓が、特に凸レンズ形状を成していることを特徴とする、請求項19記載の光学測定チップ。
- ある回転軸を中心とする回転により試料の秤量を行う秤量チップであって、
秤量する量よりも大きい量の前記試料を蓄積する試料溜と、
前記試料溜から見て遠心加圧方向に位置し、当該試料溜と連通されており、予め予想される遠心加圧後の試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の部分の深さよりも浅くなっている秤量槽と、
秤量された試料以外の試料を蓄積する廃液溜槽と、
を含むことを特徴とする秤量チップ。 - 前記秤量槽中の予め予想される前記チップ回転後の試料喫水線を含む一部の深さが浅くなっている部分の深さが、特に0.5mm以下であることを特徴とする、請求項22記載の秤量チップ。
- 第1および第2回転軸を中心とする回転により、試料中から検体成分を分離・秤量、第1の試薬試料の秤量、秤量した検体成分と第1の試薬試料の混合(混合したものを以下、第1混合試料)、第2の試薬試料の秤量、第1混合試料と秤量した第2の試薬試料の混合(混合したものを以下、第2混合試料)ならびに第2混合試料の光学測定セルへの移送、を行う検体分析チップであって、
前記検体分析チップ外部から検体成分を含む前記試料を導入する試料導入口と、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
前記試料導入口と連通し、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置し、前記試料から前記検体成分と非検体成分を遠心分離する分離流路と、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該分離流路と連通されており、非検体成分を蓄積する、少なくとも1つの非検体成分蓄積槽と、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、非検体成分蓄積槽と連通されており、前記検体成分を蓄積ならびに秤量する少なくとも1つの検体成分秤量槽と、
前記第1の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽と、
前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第1の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第1の試薬試料以外の試薬試料を蓄積、前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第1の廃液溜槽と、
(2)前記検体分析チップを、前記第2回転軸を中心として回転させる第2のチップ回転により、
前記検体蓄積槽に秤量蓄積された検体成分と前記第1の試薬試料秤量槽に秤量蓄積された第1の試薬試料を混合蓄積し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの1次混合槽と、
前記第2の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料溜槽と、
前記第2の試薬試料溜槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第2の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第2の試薬試料以外の試薬試料を蓄積し、前記第2の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第2の廃液溜槽と、
(3)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第3のチップ回転により、
前記1次混合槽に蓄積されていた第1混合試料と、前記第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積されていた第2の試薬試料と、を合流部へと導き、当該1次混合槽と当該第2の試薬試料秤量槽から見て、第1の遠心加圧方向に位置する、少なくとも2つの合流流路と、
前記合流流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該合流流路と連通されており、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む少なくとも1つの混合流路と、
前記混合流路を経て、均質に混合された第2混合試料を蓄積し、当該混合流路から見て第1の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの光学測定セルと、
を含む検体分析チップ。 - 第1および第2回転軸を中心とする回転により、試料中から検体成分を分離・秤量、第1の試薬試料の秤量、秤量した検体成分と第1の試薬試料の混合、第2の試薬試料の秤量、第1混合試料と秤量した第2の試薬試料の混合ならびに第2混合試料の光学測定セルへの移送、を行う検体分析チップであって、
前記検体分析チップ外部から検体成分を含む前記試料を導入する試料導入口と、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
前記試料導入口と連通し、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置し、前記試料から前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、非検体成分を蓄積する非検体成分蓄積部を含む分離・非検体成分蓄積流路と、
前記分離・非検体成分蓄積から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該分離・非検体成分蓄積流路と連通されており、前記検体成分を蓄積ならびに秤量する少なくとも1つの検体成分秤量槽と、
前記第1の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽と、
前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第1の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第1の試薬試料以外の試薬試料を蓄積、前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第1の廃液溜槽と、
(2)前記検体分析チップを、前記第2回転軸を中心として回転させる第2のチップ回転により、
前記検体蓄積槽に秤量蓄積された検体成分と前記第1の試薬試料秤量槽に秤量蓄積された第1の試薬試料を混合蓄積し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの1次混合槽と、
前記第2の試薬試料の秤量する量よりも大きい量の当該試薬試料を蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料溜槽と、
前記第2の試薬試料溜槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されており、第2の試薬試料を秤量蓄積する少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽と、
前記秤量された第2の試薬試料以外の試薬試料を蓄積し、前記第2の試薬試料秤量槽と連通する少なくとも1つの第2の廃液溜槽と、
(3)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第3のチップ回転により、
前記1次混合槽に蓄積されていた第1混合試料と、前記第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積されていた第2の試薬試料と、を合流部へと導き、当該1次混合槽と当該第2の試薬試料秤量槽から見て、第1の遠心加圧方向に位置する、少なくとも2つの合流流路と、
前記合流流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該合流流路と連通されており、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む少なくとも1つの混合流路と、
前記混合流路を経て、均質に混合された第2混合試料を蓄積し、当該混合流路から見て第1の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの光学測定セルと、
を含む検体分析チップ。 - 溝流路を形成した少なくとも2つの基板を接着して一体とし、かつ当該基板上の溝流路間が接続されている検体分析チップであって、
両側に粘着層を有し、当該溝流路間の接続部位に貫通穴を形成した、少なくとも1つの接着板が、当該基板間に挿入されていることを特徴とする、検体分析チップ。 - 前記検体分析チップは、溝流路を形成した少なくとも2つの基板を貼り合わせて構成していることを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。
- 前記基板の貼り合わせと、前記少なくとも2つの基板上の溝流路間の接続を、
両側に粘着層を有し、当該溝流路間の接続部位に貫通穴を形成した、少なくとも1つの接着板を当該基板間に挿入し、構成されることを特徴とする、請求項27記載の検体分析チップ。 - 前記分離流路は、第1の遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、請求項24記載の検体分析チップ。
- 前記分離流路の少なくとも一部は、前記非検体成分蓄積槽へと至る当該分離流路中を流れる試料の進行方向が、第1の遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向になる構造であることを特徴とする、請求項24記載の検体分析チップ。
- 前記分離流路の少なくとも一部は、その他部分の分離流路の断面積よりも小さいことを特徴とする、請求項24記載の検体分析チップ。
- 前記分離流路表面の少なくとも一部は、疎水性を有する膜で覆われていることを特徴とする、請求項24記載の検体分析チップ。
- 前記非検体成分蓄積部は、分離・非検体成分蓄積流路の第1の遠心加圧方向側に配設されていること特徴とする、請求項25記載の検体分析チップ。
- 前記分離・非検体成分蓄積流路は、第1の遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、請求項25記載の検体分析チップ。
- 前記分離・非検体成分蓄積流路の少なくとも一部は、前記検体成分秤量槽へと至る当該分離・非検体成分蓄積流路中を流れる試料の進行方向が、第1の遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向になる構造であることを特徴とする、請求項25記載の検体分析チップ。
- 前記分離・非検体成分蓄積流路の少なくとも一部は、その他部分の分離・非検体成分蓄積流路の断面積よりも小さいことを特徴とする、請求項25記載の検体分析チップ。
- 前記分離・非検体成分蓄積流路表面の少なくとも一部は、疎水性を有する膜で覆われていることを特徴とする、請求項25記載の検体分析チップ。
- 前記混合流路の少なくとも一部は、当該流路中を流れる試料の進行方向が、第1の遠心加圧方向に対し、直交よりわずかに当該遠心加圧方向寄りの方向になる構造であることを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。
- 前記混合流路は、第1の遠心加圧方向に多段に配設されていること特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。
- 前記複数の合流流路の断面積の比が、それぞれの合流流路を通過するそれぞれの試料の量の比にほぼ等しいことを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。
- 前記光学測定セルは、
前記検体分析チップ平面とほぼ平行であり、かつ当該チップ外からの入射光と当該光学測定セルからの出射光を透過し、また当該入射光ならびに出射光となす角が直角、もしくは直角近くである一方の面であり、光学的透過率の高い材料で構成される光学窓と、
前記光学窓とほぼ平行、かつ対向し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成され、当該光学測定セル内へと導かれた入射光を反射する反射層と、
を含むことを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。 - 前記反射層を構成する光学的反射率の高い材料の主成分が、特にアルミニウムであることを特徴とする、請求項41記載の検体分析チップ。
- 前記光学窓が、特に凸レンズ形状を成していることを特徴とする、請求項41記載の検体分析チップ。
- 前記光学測定セルは、
前記検体分析チップ平面とほぼ平行で、光学的透過率の高い材料で構成され、当該チップの外部からの入射光を透過して当該光学測定セル内へと光を導く、第1の光学窓と、
前記第1の光学窓と平行で、かつ対向し、光学的透過率の高い材料で構成され、光学測定セル内を通過してきた光を透過して、出射光として当該チップの外部へと導く、第2の光学窓と、
を含むことを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。 - 前記光学窓1と光学窓2のうち、少なくとも一方の光学窓が、特に凸レンズ形状を成していることを特徴とする、請求項44記載の検体分析チップ。
- 前記少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽の、予め予想される第1のチップ回転後の試薬試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の部分の深さよりも浅くなっていることを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。
- 前記少なくとも1つの1次混合槽の、予め予想される第2のチップ回転後の1次混合試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の部分の深さよりも浅くなっていることを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。
- 前記少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽の、予め予想される第2のチップ回転後の1次混合試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の部分の深さよりも浅くなっていることを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。
- 前記試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置を導入できることを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。
- 前記第1の遠心加圧方向と前記第2の遠心加圧方向は、略直交していることを特徴とする、請求項24〜25記載の検体分析チップ。
- 試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、
前記チップ外部から試料導入口に試料を導入する試料導入ステップと、
前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に回転させて、前記試料から検体成分と非検体成分を分離流路において遠心分離し、当該非検体成分を前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、前記分離流路と連通する少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に蓄積し、前記検体成分を前記非検体成分蓄積槽と連通する、少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、
を含む分離・秤量チップの使用方法。 - 試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、
前記チップ外部から試料導入口に試料を導入する試料導入ステップと、
前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、大部分の前記試料を、試料導入口の近傍に保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップと、
前記分離・秤量チップを上記第1遠心分離ステップと同一の中心で第2の回転数で回転させて、前記試料を前記試料導入口から見て、遠心加圧方向に位置する分離流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、前記分離流路と連通する少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に蓄積し、前記検体成分を前記非検体成分蓄積槽と連通する、少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、
を含む分離・秤量チップの使用方法。 - 前記第1遠心分離ステップが、
前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、分離流路の一部に設けられた断面積が他の当該流路よりも小さい部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップ、
である、請求項52記載の分離・秤量チップの使用方法。 - 前記第1遠心分離ステップが、
前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、分離流路の一部の疎水性を有する膜で覆われている表面部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1遠心分離ステップ
である、請求項52記載の分離・秤量チップの使用方法。 - 前記試料導入ステップが、
試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する、試料導入ステップ、
である、請求項51〜54記載の分離・秤量チップの使用方法。 - 試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、
試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する試料導入ステップと、
前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、大部分の前記試料を、前記血液溜パイプ内に蓄積したまま、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップと、
前記分離・秤量チップを上記第1遠心分離ステップと同一の中心で第2の回転数で回転させて、前記試料を前記試料導入口から見て、遠心加圧方向に位置する分離流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、前記分離流路と連通する少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に蓄積し、前記検体成分を前記非検体成分蓄積槽と連通する、少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、
を含む分離・秤量チップの使用方法。 - 試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、
前記チップ外部から試料導入口に試料を導入する試料導入ステップと、
前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に回転させて、前記試料から検体成分と非検体成分を分離・非検体成分蓄積流路において遠心分離し、当該非検体成分を当該流路途中に配設されている非検体成分蓄積部に蓄積し、前記検体成分を、当該流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通する少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、
を含む分離・秤量チップの使用方法。 - 試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、
前記チップ外部から試料導入口に試料を導入する試料導入ステップと、
前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、大部分の前記試料を、試料導入口の近傍に保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップと、
前記分離・秤量チップを上記第1遠心分離ステップと同一の中心で第2の回転数で回転させて、前記試料を遠心加圧方向に分離・非検体成分蓄積流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を当該流路途中に配設された非検体成分蓄積部に蓄積し、当該検体成分を当該流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通する少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、
を含む分離・秤量チップの使用方法。 - 前記第1遠心分離ステップが、
前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、分離・非検体成分蓄積流路の一部に設けられた断面積が他の当該流路よりも小さい部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップ、
である、請求項58記載の分離・秤量チップの使用方法。 - 前記第1遠心分離ステップが、
前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、分離・非検体成分蓄積流路の一部の疎水性を有する膜で覆われている表面部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1遠心分離ステップ、
である、請求項58記載の分離・秤量チップの使用方法。 - 前記試料導入ステップが、
試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する、試料導入ステップ、
である、請求項57〜60記載の分離・秤量チップの使用方法。 - 試料中の検体成分を分離・秤量する分離・秤量チップの使用方法であって、
試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する試料導入ステップと、
前記分離・秤量チップを所定の回転軸を中心に第1の回転数で回転させて、大部分の前記試料を、前記血液溜パイプ内に蓄積したまま、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1遠心分離ステップと、
前記分離・秤量チップを上記第1遠心分離ステップと同一の中心で第2の回転数で回転させて、前記試料を前記試料導入口から見て、遠心加圧方向に位置する分離・非検体成分蓄積流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を当該流路途中に配設された非検体成分蓄積部に蓄積し、当該検体成分を当該流路から見て遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通する少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積する分離・秤量ステップと、
を含む分離・秤量チップの使用方法。 - 少なくとも2種類の試料の混合を行う混合チップの使用方法であって、
前記混合チップを所定の回転軸を中心に回転させて、それぞれの蓄積槽に蓄積されている前記試料を、それぞれの合流流路を経て、合流部で合流させ、さらに当該合流させた試料を、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む混合流路へと導き、通過させる混合ステップ、
を含む混合チップの使用方法。 - 被光学測定試料を導入し、当該試料を満たして光学測定を行う光学測定セル含む光学測定チップの使用方法であって、
前記光学測定セルに前記被光学測定試料を導入する試料導入ステップと、
前記光学測定チップ外にある光源より、当該チップ平面とほぼ平行で、光学測定セルを構成する一方の面である光学窓へ、垂直、もしくは垂直近くの入射角で光を入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成される反射層において、当該光学測定セル内へと導かれた当該入射光を反射し、;当該反射光が当該セル内を通過して、再度、当該光学窓を透過し当該チップ外にある光検出器に到達した光の強度を測定する光学測定ステップと、
を含む光学測定チップの使用方法。 - 前記光学測定ステップが、
前記光学測定チップ外にある光源より出射された光を半透鏡に導き、;当該半透鏡を直進透過してきた光を、当該チップ平面とほぼ平行で、前記光学測定セルを構成する一方の面である光学窓へ、ほぼ垂直である入射角で入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成される反射層において、当該光学測定セル内へと導かれた当該入射光を反射し、;当該反射光が当該セル内を通過して、再度、当該光学窓を透過し、前記チップ外へと導き;前記半透鏡に入射し、そこで光路が約90度変化して出射してきた光を光検出器に導き、その強度を測定する光学測定ステップ、
である、請求項64記載の光学測定チップの使用方法。 - 試料の秤量を行う秤量チップの使用方法であって、
前記秤量チップを所定の回転軸を中心に回転させて、試料溜に蓄積されていた前記試料を、当該試料溜から見て遠心加圧方向に位置し、当該試料溜と連通されており、予め予想される遠心加圧後の試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の部分の深さよりも浅くなっている秤量槽へと導き、そこで秤量、蓄積し、当該秤量された試料以外の試料を当該秤量槽と連通されている廃液溜槽に蓄積する秤量ステップ、
を含む秤量チップの使用方法。 - 第1および第2回転軸を中心とするチップの回転により、試料中から検体成分を分離・秤量、第1の試薬試料の秤量、秤量した検体成分と第1の試薬試料の混合(第1混合試料)、第2の試薬試料の秤量、第1混合試料と秤量した第2の試薬試料の混合(第2混合試料)ならびに第2混合試料の光学測定セルへの移送、を行う検体分析チップの使用方法であって、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
試料導入口にある試料を、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置する分離流路に導き、そこで前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該分離流路と連通されている、少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に非検体成分を蓄積し、
前記分離流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、非検体成分蓄積槽と連通されている、少なくとも1つの検体成分秤量槽に前記検体成分を蓄積ならびに秤量し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する第1のチップ回転ステップと、
(2)前記検体分析チップを、前記第2回転軸を中心として回転させる第2のチップ回転により、
前記検体蓄積槽に秤量蓄積された検体成分と前記第1の試薬試料秤量槽に秤量蓄積された第1の試薬試料を、前記検体蓄積槽と前記第1の試薬試料秤量槽から見て、第2の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの1次混合槽に混合蓄積し、
少なくとも1つの第2の試薬試料溜槽にある第2の試薬試料を、前記第2の試薬試料溜槽から見て第2の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積する第2のチップ回転ステップと、
(3)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第3のチップ回転により、
前記1次混合槽に蓄積されていた第1混合試料と、前記第2の試薬試料秤量槽に秤量蓄積されていた第2の試薬試料とを、前記1次混合槽ならびに第2の試薬試料秤量槽から見て第1の遠心加圧方向に位置する、急峻に流路幅が狭まる部位と広まる部位を与える突起形状を少なくとも一部に含む少なくとも1つの混合流路に導き、通過させて混合し、
前記混合流路を経て、均等に混合された第2混合試料を、当該混合流路から見て第1の遠心加圧方向に位置する少なくとも1つの光学測定セルに蓄積する第3のチップ回転ステップと、
を含む検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転ステップが、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
試料導入口にある試料の大部分を、当該試料導入口の近傍に保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップと、
(b)引き続き、当該チップの回転を第2の回転数に変化させ、
前記試料を遠心加圧方向に前記分離流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を前記分離流路から見て遠心加圧方向に位置し、前記分離流路と連通する少なくとも1つの非検体成分蓄積槽に蓄積し、前記検体成分を前記非検体成分蓄積槽と連通する、少なくとも1つの検体成分秤量槽に秤量ならびに蓄積し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する、第1のチップ回転第2回転数ステップと、
である請求項67記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転第1回転数ステップが、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離流路の一部に設けられた断面積が他の当該流路よりも小さい部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である請求項68記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転第1回転数ステップが、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離流路の一部の疎水性を有する膜で覆われている表面部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である請求項68記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転ステップの前に、
試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する、試料導入ステップ、
を含む請求項67〜70記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転第1回転数ステップが、
大部分の前記試料を、前記血液溜パイプ内に蓄積したまま、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である請求項71記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転ステップが、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
試料導入口にある試料を、当該試料導入口から見て第1の遠心加圧方向に位置する非検体成分蓄積部を含む分離・非検体成分蓄積流路に導き、そこで前記検体成分と非検体成分を遠心分離し、当該非検体成分を当該流路途中に配設されている非検体成分蓄積部に蓄積し、
前記分離・非検体成分蓄積流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通されている、少なくとも1つの検体成分秤量槽に前記検体成分を蓄積ならびに秤量し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する、第1のチップ回転ステップ
である請求項67記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転ステップが、
(1)前記検体分析チップを、前記第1回転軸を中心として回転させる第1のチップ回転により、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
試料導入口にある試料の大部分を、当該試料導入口の近傍に保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップと、
(b)引き続き、当該チップの回転を第2の回転数に変化させ、
前記試料を遠心加圧方向に前記分離・非検体成分蓄積流路内を進行させながら、当該試料の前記検体成分と前記非検体成分への遠心分離をより進行させ、当該非検体成分を当該流路途中に配設されている非検体成分蓄積部に蓄積し、当該流路から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該流路と連通されている、少なくとも1つの検体成分秤量槽に前記検体成分を蓄積ならびに秤量し、
少なくとも1つの第1の試薬試料溜槽にある第1の試薬試料を、前記第1の試薬試料溜槽から見て第1の遠心加圧方向に位置し、当該試薬試料溜槽と連通されている、少なくとも1つの第1の試薬試料秤量槽に第1の試薬試料を秤量蓄積する、第1のチップ回転第2回転数ステップと、
である請求項73記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転第1回転数ステップが、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離・非検体成分蓄積流路の一部に設けられた断面積が他の当該流路よりも小さい部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である請求項74記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転第1回転数ステップが、
(a)当該チップの回転は第1の回転数であって、
分離・非検体成分蓄積流路の一部の疎水性を有する膜で覆われている表面部位よりも試料導入口側に前記試料を保持しながら、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる、第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である請求項74記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転ステップの前に、
試料導入口には、血液を採取する採血用針ならびに採取した血液を蓄積する血液溜パイプを含む採血装置であって、当該血液溜パイプに試料を蓄積している当該採血装置を導入する、試料導入ステップ、
を含む請求項73〜76記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第1のチップ回転第1回転数ステップが、
大部分の前記試料を、前記血液溜パイプ内に蓄積したまま、ある程度当該試料から検体成分と非検体成分への遠心分離を進行させる第1のチップ回転第1回転数ステップ、
である請求項77記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第3のチップ回転ステップ後に、
前記検体分析チップ外にある光源より、当該チップ平面とほぼ平行で、第2混合試料を蓄積している少なくとも1つの光学測定セルを構成する一方の面である光学窓へ、垂直、もしくは垂直近くの入射角で光を入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成される反射層において、当該光学測定セル内へと導かれた当該入射光を反射し、;当該反射光が当該セル内を通過して、再度、当該光学窓を透過し当該チップ外にある光検出器に到達した光の強度を測定する光学測定ステップと、
を含む請求項67ならびに73記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第3のチップ回転ステップ後に、
前記検体分析チップ外にある光源より出射された光を、半透鏡に導き、直進透過してきた光を、当該チップ平面とほぼ平行で、第2混合試料を蓄積している少なくとも1つの光学測定セルを構成する一方の面である光学窓へ、ほぼ垂直である入射角で入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成し、その表面は光学的反射率の高い材料で構成される反射層において、当該光学測定セル内へと導かれた当該入射光を反射し、;当該反射光が当該セル内を通過して、再度、当該光学窓を透過し、当該半透鏡に入射し、そこで光路が約90度変化して出射してきた光を光検出器に導き、その強度を測定する光学測定ステップと、
を含む請求項67ならびに73記載の検体分析チップの使用方法。 - 前記第3のチップ回転ステップ後に、
前記検体分析チップ外にある光源より、当該チップ平面とほぼ平行で、第2混合試料を蓄積している少なくとも1つの光学測定セルを構成する一方の面である第1の光学窓へ、垂直、もしくは垂直近くの入射角で光を入射し、;当該光学測定セル内に光を透過導入させ、;当該光学測定セル内を通過、透過してきた光を、当該第1の光学窓とほぼ平行、かつ対向し、当該光学測定セルを構成する第2の光学窓を透過させ、前記検体分析チップ外にある光検出器へと導き、その光の強度を測定する光学測定ステップと、
を含む請求項67ならびに73記載の検体分析チップの使用方法。 - 溝流路を形成した少なくとも2つの基板を、両側に粘着層を有し、当該溝流路間の接続部位に貫通穴を形成した、少なくとも1つの接着板を介して接着して一体のチップとすることを特徴とする、検体分析チップの製造方法。
- ある回転軸を中心とする回転により試料を移動させ、当該移動させた試料を蓄積する槽を含む検体分析チップであって、
前記槽の、予め予想される遠心加圧後の試料喫水線を含む当該槽内の一部の部分が、その他の当該槽の部分の深さよりも浅くなっている槽、
であることを特徴とする検体分析チップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005234992A JP2007024851A (ja) | 2005-07-16 | 2005-07-16 | 検体分析チップおよび検体分析チップの使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005234992A JP2007024851A (ja) | 2005-07-16 | 2005-07-16 | 検体分析チップおよび検体分析チップの使用方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007024851A true JP2007024851A (ja) | 2007-02-01 |
Family
ID=37785791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005234992A Pending JP2007024851A (ja) | 2005-07-16 | 2005-07-16 | 検体分析チップおよび検体分析チップの使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007024851A (ja) |
Cited By (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009016811A1 (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-05 | Panasonic Corporation | 分析用デバイスとこれを使用する分析装置および分析方法 |
JP2009109272A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Rohm Co Ltd | 光学測定用キュベットを有するマイクロチップおよびその使用方法 |
JP2009133805A (ja) * | 2007-10-31 | 2009-06-18 | Rohm Co Ltd | マイクロチップ |
JP2009139369A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-25 | Rohm Co Ltd | マイクロチップ |
JP2010071675A (ja) * | 2008-09-16 | 2010-04-02 | Yuichi Uchiumi | 微小化学システム及び微小化学システム装置 |
JP2012013552A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Brother Ind Ltd | 検査対象受体 |
WO2012165006A1 (ja) * | 2011-05-30 | 2012-12-06 | ブラザー工業株式会社 | 検査対象受体、その検査対象受体を備えた液体混合システム、及びその液体混合システムを用いる液体混合方法 |
US8343428B2 (en) | 2007-10-29 | 2013-01-01 | Rohm Co., Ltd. | Microchip and method of using the same |
US8367424B2 (en) | 2007-10-15 | 2013-02-05 | Rohm Co., Ltd. | Microchip and method of using the same |
JP2014092420A (ja) * | 2012-11-02 | 2014-05-19 | Panasonic Healthcare Co Ltd | 生体化学分析用の処理チップ |
JP2014518374A (ja) * | 2011-06-03 | 2014-07-28 | ラディセンス ダイアグノスティクス リミテッド | ビーズベースの免疫アッセイで使用するための微小流体ディスク |
JP2017519223A (ja) * | 2014-05-08 | 2017-07-13 | ラディセンス ダイアグノスティクス リミテッド | ポイントオブケアデバイスのためのサンプルアプリケータ |
US10023897B2 (en) | 2012-05-16 | 2018-07-17 | Phc Holdings Corporation | Biosensor chip, and biosensor device equipped with same |
JP2018141798A (ja) * | 2011-01-21 | 2018-09-13 | セラノス アイピー カンパニー エルエルシー | 試料使用の極大化のためのシステム及び方法 |
US10309976B2 (en) | 2014-06-30 | 2019-06-04 | Phc Holdings Corporation | Substrate for sample analysis, sample analysis device, sample analysis system, and program for sample analysis system |
US10520521B2 (en) | 2014-06-30 | 2019-12-31 | Phc Holdings Corporation | Substrate for sample analysis, sample analysis device, sample analysis system, and program for sample analysis system |
US10539583B2 (en) | 2014-12-12 | 2020-01-21 | Phc Holdings Corporation | Substrate for sample analysis, sample analysis device, sample analysis system, and program for sample analysis system |
US10539582B2 (en) | 2014-06-30 | 2020-01-21 | Phc Holdings Corporation | Substrate for sample analysis, sample analysis device, sample analysis system, and method for removing liquid from liquid that contains magnetic particles |
US10539560B2 (en) | 2014-06-30 | 2020-01-21 | Phc Holdings Corporation | Substrate for sample analysis, and sample analysis apparatus |
WO2024204223A1 (ja) * | 2023-03-29 | 2024-10-03 | デンカ株式会社 | マイクロ流体デバイスおよび検査方法 |
WO2024204229A1 (ja) * | 2023-03-29 | 2024-10-03 | デンカ株式会社 | マイクロ流体デバイスおよび検査方法 |
-
2005
- 2005-07-16 JP JP2005234992A patent/JP2007024851A/ja active Pending
Cited By (30)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009031116A (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-12 | Panasonic Corp | 分析用デバイスとこれを使用する分析装置および分析方法 |
WO2009016811A1 (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-05 | Panasonic Corporation | 分析用デバイスとこれを使用する分析装置および分析方法 |
CN101680906B (zh) * | 2007-07-27 | 2013-10-02 | 松下电器产业株式会社 | 分析用仪器和使用该分析用仪器的分析装置及分析方法 |
JP4614992B2 (ja) * | 2007-07-27 | 2011-01-19 | パナソニック株式会社 | 分析用デバイスとこれを使用する分析装置および分析方法 |
US7897398B2 (en) | 2007-07-27 | 2011-03-01 | Panasonic Corporation | Centrifugal analysis device with improved mixing and method using the device |
US8367424B2 (en) | 2007-10-15 | 2013-02-05 | Rohm Co., Ltd. | Microchip and method of using the same |
US8343428B2 (en) | 2007-10-29 | 2013-01-01 | Rohm Co., Ltd. | Microchip and method of using the same |
JP2009109272A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Rohm Co Ltd | 光学測定用キュベットを有するマイクロチップおよびその使用方法 |
JP2009133805A (ja) * | 2007-10-31 | 2009-06-18 | Rohm Co Ltd | マイクロチップ |
JP2009139369A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-25 | Rohm Co Ltd | マイクロチップ |
JP2010071675A (ja) * | 2008-09-16 | 2010-04-02 | Yuichi Uchiumi | 微小化学システム及び微小化学システム装置 |
JP2012013552A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Brother Ind Ltd | 検査対象受体 |
US11199489B2 (en) | 2011-01-20 | 2021-12-14 | Labrador Diagnostics Llc | Systems and methods for sample use maximization |
US11644410B2 (en) | 2011-01-21 | 2023-05-09 | Labrador Diagnostics Llc | Systems and methods for sample use maximization |
JP2018141798A (ja) * | 2011-01-21 | 2018-09-13 | セラノス アイピー カンパニー エルエルシー | 試料使用の極大化のためのシステム及び方法 |
JP2012247342A (ja) * | 2011-05-30 | 2012-12-13 | Brother Ind Ltd | 検査対象受体、その検査対象受体を備えた液体混合システム、及びその液体混合システムを用いる液体混合方法 |
WO2012165006A1 (ja) * | 2011-05-30 | 2012-12-06 | ブラザー工業株式会社 | 検査対象受体、その検査対象受体を備えた液体混合システム、及びその液体混合システムを用いる液体混合方法 |
JP2014518374A (ja) * | 2011-06-03 | 2014-07-28 | ラディセンス ダイアグノスティクス リミテッド | ビーズベースの免疫アッセイで使用するための微小流体ディスク |
US10023897B2 (en) | 2012-05-16 | 2018-07-17 | Phc Holdings Corporation | Biosensor chip, and biosensor device equipped with same |
JP2014092420A (ja) * | 2012-11-02 | 2014-05-19 | Panasonic Healthcare Co Ltd | 生体化学分析用の処理チップ |
JP2020126062A (ja) * | 2014-05-08 | 2020-08-20 | ラディセンス ダイアグノスティクス リミテッド | ポイントオブケアデバイスのためのサンプルアプリケータ |
JP2022044735A (ja) * | 2014-05-08 | 2022-03-17 | ラディセンス ダイアグノスティクス リミテッド | ポイントオブケアデバイスのためのサンプルアプリケータ |
JP2017519223A (ja) * | 2014-05-08 | 2017-07-13 | ラディセンス ダイアグノスティクス リミテッド | ポイントオブケアデバイスのためのサンプルアプリケータ |
US10520521B2 (en) | 2014-06-30 | 2019-12-31 | Phc Holdings Corporation | Substrate for sample analysis, sample analysis device, sample analysis system, and program for sample analysis system |
US10539582B2 (en) | 2014-06-30 | 2020-01-21 | Phc Holdings Corporation | Substrate for sample analysis, sample analysis device, sample analysis system, and method for removing liquid from liquid that contains magnetic particles |
US10539560B2 (en) | 2014-06-30 | 2020-01-21 | Phc Holdings Corporation | Substrate for sample analysis, and sample analysis apparatus |
US10309976B2 (en) | 2014-06-30 | 2019-06-04 | Phc Holdings Corporation | Substrate for sample analysis, sample analysis device, sample analysis system, and program for sample analysis system |
US10539583B2 (en) | 2014-12-12 | 2020-01-21 | Phc Holdings Corporation | Substrate for sample analysis, sample analysis device, sample analysis system, and program for sample analysis system |
WO2024204223A1 (ja) * | 2023-03-29 | 2024-10-03 | デンカ株式会社 | マイクロ流体デバイスおよび検査方法 |
WO2024204229A1 (ja) * | 2023-03-29 | 2024-10-03 | デンカ株式会社 | マイクロ流体デバイスおよび検査方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007024851A (ja) | 検体分析チップおよび検体分析チップの使用方法 | |
US10101317B2 (en) | Rotatable analyzing device with a separating cavity and a capillary cavity | |
JP4336834B2 (ja) | チップの使用方法及び検査チップ | |
JP2941063B2 (ja) | 毛管マイクロキュベット | |
JP4178169B2 (ja) | 測定精度を改善するための改良サイホン | |
CA2643663C (en) | Body fluid analysis system with priming structures integrated in test elements | |
JP5726167B2 (ja) | マイクロ流体臨床分析器 | |
WO2011137039A1 (en) | Sample analysis system and method of use | |
EP3775845B1 (en) | Porous membrane sensor element | |
JP2006058093A (ja) | 血液分析装置 | |
JP2008524605A (ja) | 診断アッセイのためのカートリッジ | |
CN112756018A (zh) | 微流控芯片及体外检测系统 | |
JP2024099599A (ja) | センサ組立体および多孔質膜センサ素子 | |
CN114778468A (zh) | 一种基于离心式微流控芯片的血液生化指标自动检测系统 | |
WO2006038682A1 (ja) | 固液分離・測定構造体及び固液分離・測定方法 | |
CN212632728U (zh) | 微流控芯片及体外检测装置 | |
Takai et al. | Colorimetric microchip assay using our own whole blood collected by a painless needle for home medical care | |
US20230020985A1 (en) | Porous membrane sensor assembly | |
Thomaz | Spinit Clinical Chemistry Assay | |
WO2024189501A1 (en) | Microfluidic sample handling |