JP2006116444A - 排ガス浄化用触媒およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 炭化水素を還元剤として窒素酸化物を浄化できる触媒であって、水蒸気などの活性阻害物質の存在下でも安定な活性を維持できる触媒を提供すること、および窒素酸化物を分解する反応において活性の高い同触媒の製造方法を提供すること
【解決手段】 強酸化処理した酸化スズに周期律表第VIII族金属を担持してなる触媒であって、酸素を過剰に含む雰囲気下で、炭化水素を還元剤として窒素酸化物を分解する反応に用いられる排ガス浄化用触媒、および結晶性の酸化スズを有機酸イオンと接触させた後、硫酸根を含む化合物と接触させ、その後、焼成し、次いで周期律表第VIII族金属を担持させることを特徴とする該排ガス浄化用触媒の製造方法
【選択図】 なし
【解決手段】 強酸化処理した酸化スズに周期律表第VIII族金属を担持してなる触媒であって、酸素を過剰に含む雰囲気下で、炭化水素を還元剤として窒素酸化物を分解する反応に用いられる排ガス浄化用触媒、および結晶性の酸化スズを有機酸イオンと接触させた後、硫酸根を含む化合物と接触させ、その後、焼成し、次いで周期律表第VIII族金属を担持させることを特徴とする該排ガス浄化用触媒の製造方法
【選択図】 なし
Description
本発明は、排気ガス中に含まれる環境に有害な窒素酸化物を酸素過剰の雰囲気下で、炭化水素を還元剤として分解する触媒および該触媒の製造方法および該触媒を用いた排ガス浄化方法に関する。特にディーゼルエンジンから排出される排気ガスの浄化に好適であるが、一般の工場排ガスの浄化にも有効である。
近年、環境保護の観点から、固定式及び移動式ディーゼルエンジンから排出される排ガス中のNOxや粒子状物質に対して、排出規制が強化されつつある。ディーゼルエンジンは、希薄燃焼方式であるため、排ガス中に過剰の酸素を含み、従来の自動車用ガソリンエンジンに使用されてきた3元触媒は使用できない。この3元触媒は、白金、ロジウム、パラジウムなどの貴金属を含むアルミナ触媒で、理論空燃比(A/F)=14.7付近で排ガス中のCO、NOx、炭化水素を同時に除去するものである。
このような、酸素を過剰に含む排ガス中のNOxの除去方法として、これまでいくつかの脱硝方法が提案されている。例えば、NH3を還元剤に用いる選択接触還元法は、用いるNH3の貯蔵や安全管理が難しく、移動式のディーゼルエンジンの排ガス脱硝法には適さない。
また、酸素過剰雰囲気下で炭化水素を還元剤に用いてNOxを除去する触媒は、これまでに多数報告されている。例えば、特許文献1(特開平4−90826号公報)には、硫酸根ジルコニアに白金を担持した触媒が開示されている。しかしながら、排ガス中に多量に存在する水蒸気存在下における耐久性および炭化水素活性化能力に関しては、何も述べられていない。
特開平4−90826号公報
本発明は、このような状況を鑑みて行われたもので、その目的とするところは炭化水素を還元剤として窒素酸化物を浄化できる触媒であって、水蒸気などの活性阻害物質の存在下でも安定な活性を維持できる触媒を提供すること、および窒素酸化物を分解する反応において活性の高い同触媒の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、先にスズを含有する固体酸触媒の製造において、結晶性の酸化スズ、好ましくはメタスズ酸を含む担体を用意し、その担体を有機酸イオンと接触させた後、硫酸根含有化合物と接触させ、その後、焼成を行うことで、従来にない強い固体酸特性を示すことを見出した(特願2003-117891)。
本発明者らは、さらに鋭意検討を重ねた結果、上記により製造した固体酸を担体として、これに周期律表第VIII族金属を担持した触媒が、炭化水素を還元剤に用いて酸素過剰の雰囲気下で窒素酸化物を分解する反応において、低温でも有効な脱硝率を示すことを見出した。
本発明は、かかる知見に基づきなされたものであり、下記の排ガス浄化用触媒および同触媒の製造方法および該触媒を用いた排ガス浄化方法を提供する。
すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒は、強酸化処理した酸化スズに周期律表第VIII族金属を担持してなる触媒であって、酸素を過剰に含む雰囲気下で、炭化水素を還元剤として窒素酸化物を分解する反応に用いられることを特徴とする触媒である。
この触媒上に担持する周期律表第VIII族金属の担持量は、好ましくは担体に対する重量比で0.1〜5%である。
また、上記触媒の製造方法は、強酸化処理した酸化スズが、結晶性の酸化スズを有機酸イオンと接触させた後、硫酸根を含む化合物と接触させ、その後、焼成することにより得られることを特徴とする。
すなわち、結晶性の酸化スズを有機酸イオンと接触させた後、硫酸根を含む化合物と接触させ、その後、焼成し、次いで周期律表第VIII族金属を担持させることを特徴とする前記排ガス浄化用触媒の製造方法である。
すなわち、結晶性の酸化スズを有機酸イオンと接触させた後、硫酸根を含む化合物と接触させ、その後、焼成し、次いで周期律表第VIII族金属を担持させることを特徴とする前記排ガス浄化用触媒の製造方法である。
この結晶性の酸化スズとしては、メタスズ酸が好ましい。
また、本発明の排ガス浄化方法は、排気ガスを酸素を過剰に含む雰囲気下で、炭化水素を還元剤として前記の排ガス浄化用触媒で処理することを特徴とする排ガス浄化方法であり、また、排気流入側に酸化触媒を配置し、排ガス中のNOxをNO2に変換した後、酸素を過剰に含む雰囲気下で炭化水素を還元剤として前記触媒で処理することを特徴とする、窒素酸化物を分解する排ガス浄化方法である。
前記排ガス中のNOxのNO2への酸化は、NOxの60%以上をNO2に変換することが好ましい。
前記排ガス中のNOxのNO2への酸化は、NOxの60%以上をNO2に変換することが好ましい。
本発明の触媒を用いれば、炭化水素を還元剤とした窒素酸化物の浄化において、特に低い温度域でも有効な脱硝率が得られるとともに、長期にわたって安定した活性を維持することができる。
本発明の触媒は、以下のようにして製造することができる。
担体は結晶性の酸化スズ、好ましくはメタスズ酸を含むものである。担体は粉体でも、成形体でもよく、スズ酸化物以外の成分からなる担体の表面に酸化スズを形成したものでもよい。酸化スズは、非晶質でなく結晶質のものであれば、どのような形態でも用いることができるが、特にはメタスズ酸が好ましく用いられる。メタスズ酸とは、スズの地金に濃硝酸を作用させ、洗浄することで製造できる。実質的に正方晶の結晶構造を持つ酸化物からなることが好ましい。これは、粉末X線回折により確認でき、具体的にはCuKα線による2θ=26.6°の回折ピークで確認できる。スズ酸化物は含水酸化物であってもよい。
担体は結晶性の酸化スズ、好ましくはメタスズ酸を含むものである。担体は粉体でも、成形体でもよく、スズ酸化物以外の成分からなる担体の表面に酸化スズを形成したものでもよい。酸化スズは、非晶質でなく結晶質のものであれば、どのような形態でも用いることができるが、特にはメタスズ酸が好ましく用いられる。メタスズ酸とは、スズの地金に濃硝酸を作用させ、洗浄することで製造できる。実質的に正方晶の結晶構造を持つ酸化物からなることが好ましい。これは、粉末X線回折により確認でき、具体的にはCuKα線による2θ=26.6°の回折ピークで確認できる。スズ酸化物は含水酸化物であってもよい。
スズ酸化物の表面は、硫酸根含有化合物に接触させる前に、有機酸イオン、特にはカルボン酸イオンを含む溶液、特には水溶液で前処理することが好ましい。このような水溶液としては、酢酸アンモニウムなどのカルボン酸アンモニウム塩、カルボン酸金属塩の水溶液が好ましく用いられる。
有機酸イオンとの接触は、通常、0.1〜10時間、温度10〜80℃、特には15〜40℃の温度で行われる。溶液を用いる場合の有機酸イオンの濃度は、1質量%以上、特には3〜50質量%が好ましい。
硫酸根含有化合物は、硫酸分を含有する化合物、または、その後焼成などの処理により硫酸分に変換されうる硫黄分を含んだ化合物であり、硫酸根含有化合物としては、硫酸、硫酸アンモニウム、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、塩化チオニル、ジメチル硫酸などが挙げられる。通常、硫酸根含有化合物は水溶液のような溶液を用いて、スズ酸化物に接触させる。
硫酸根含有化合物との接触は、通常、0.1〜10時間、10〜80℃特には15〜40℃の温度で行われる。溶液を用いる場合の硫酸根含有化合物の濃度は、10質量%以上、特には20〜98質量%が好ましい。有機酸イオンと接触し、乾燥した後に硫酸根含有化合物に接触させてもよいが、乾燥させなくてもよい。
焼成は、空気または窒素などのガス雰囲気中で行われるが、特には空気中で行うことが好ましい。焼成温度は、焼成時間、ガス流量など他の焼成条件によっても異なるが、一般に200〜900℃、好ましくは400〜800℃である。焼成時間は、焼成温度、ガス流量など他の焼成条件によっても異なるが、一般に0.05〜20時間、特に0.1〜10時間、さらには0.2〜5時間が好ましい。なお、焼成に先立ち、50〜200℃で乾燥しても良い。
上記のようにして得られた固体酸担体は、酸化スズ部分を含み、硫酸分を含有する。酸化スズ部分は、実質的に正方晶の結晶構造を持つ酸化物からなることが好ましい。担体中に酸化スズをスズ元素重量として20〜72重量%、特には30〜72重量%含むことが好ましい。酸化スズは、回折ピークで確認できる程度に結晶化しており、結晶子径が5〜500nm、特には20〜45nmであることが好ましい。担体の比表面積は50m2/g以上、特には100〜200m2/gが好ましい。
硫酸分の割合は、硫黄元素重量として0.7〜10重量%、好ましくは1〜9重量%、特には2〜8重量%である。硫酸分が多すぎても少なすぎても固体酸強度は低下する。固体酸の特性としては、ハメットの酸度関数Hoが−14以下、特には−16以下が好ましい。
本発明の触媒は、上記のようにして得られた固体酸担体に、周期律表第VIII族金属を担持して得られる。本発明に使用する周期律表第VIII族金属としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウムが好ましい。とくに好ましいのは、白金、および/またはパラジウムである。
その担持量は、好ましくは担体に対する重量比で、0.1〜5%である。
その担持量は、好ましくは担体に対する重量比で、0.1〜5%である。
周期律表第VIII族金属の担持方法は、該金属が高分散に担持される限り特に制限はない。周期律表第VIII族金属の化合物、たとえば白金化合物(例えば、塩化白金酸、白金のアンミン錯体、白金有機錯体など)および/またはパラジウム化合物(例えば、硝酸パラジウム、パラジウムアンミン錯体、パラジウム有機錯体など)の水溶液を、予め調製した硫酸担持酸化スズ担体に含浸担持させ、乾燥し、空気などの酸化雰囲気中で焼成する。焼成温度は、200〜900℃程度がよく、より好ましくは400〜700℃である。焼成時間は、焼成温度などによっても異なるが、通常1〜20時間、好ましくは1〜10時間である。
本発明で還元剤として使用する炭化水素は、NOxを還元できるものであれば、どのようなものでも使用することができる。
例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、エチレン、プロピレン、ブチレン、トルエン等の不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、オレイン酸メチル等のエステル類、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、及びこれらの混合物、ナフサ、灯油、軽油、重油等の混合物を使用することができる。
例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、エチレン、プロピレン、ブチレン、トルエン等の不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、オレイン酸メチル等のエステル類、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、及びこれらの混合物、ナフサ、灯油、軽油、重油等の混合物を使用することができる。
本発明の排ガス浄化方法は、排気ガスを酸素を過剰に含む雰囲気下でかつ還元剤としての炭化水素の存在下に前記本発明の触媒を排気ガスと接触させて行うことができる。特に好ましくは、排気流入側に酸化触媒を配置し、排ガス中のNOxをNO2に酸化した後、本発明の触媒で処理する方法である。この際、好ましくは、排ガス中のNOxの60%以上をNO2に酸化する。一般にディーゼルエンジンの排ガス中に含まれるNOxの大部分はNOであるが、このNOは脱硝触媒上でNO2に酸化された後、炭化水素によりN2に還元されると考えられている。このため、NOをNO2に酸化する能力の小さい触媒でも、NO2であれば高い脱硝性能を示すことがある。
前記酸素を過剰に含むとは、処理する排気ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素等の還元性成分を完全に酸化するのに必要な量以上の酸素を含むことを意味する。
前記酸化触媒としては、たとえばアルミナ、シリカ、ジルコニア等の多孔質担体に、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、ランタン、セリウム、銅、鉄等の卑金属を担持したものなどを使用することができる。
前記酸素を過剰に含むとは、処理する排気ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素等の還元性成分を完全に酸化するのに必要な量以上の酸素を含むことを意味する。
前記酸化触媒としては、たとえばアルミナ、シリカ、ジルコニア等の多孔質担体に、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、ランタン、セリウム、銅、鉄等の卑金属を担持したものなどを使用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(Pt(1%)/硫酸担持酸化スズ触媒の調製)
市販のメタスズ酸(山中産業製)100gを4重量%の酢酸アンモニウム水溶液に分散させ、濾別して空気中100℃で24時間乾燥し、前駆体1を得た。得られた前駆体1の60gを6N硫酸900mLに1時間接触させ、濾過し、空気中100℃で2時間乾燥し、さらに空気中500℃で3時間焼成して、硫酸担持酸化スズ担体1を得た。
この硫酸担持酸化スズ担体1の20gをヘキサクロロ白金(VI)酸六水和物0.53gを水20mLに溶解させた溶液に浸漬し、110℃で18時間乾燥した後、500℃で2時間焼成して、Pt(1%)/硫酸担持酸化スズ触媒を得た。
実施例1(Pt(1%)/硫酸担持酸化スズ触媒の調製)
市販のメタスズ酸(山中産業製)100gを4重量%の酢酸アンモニウム水溶液に分散させ、濾別して空気中100℃で24時間乾燥し、前駆体1を得た。得られた前駆体1の60gを6N硫酸900mLに1時間接触させ、濾過し、空気中100℃で2時間乾燥し、さらに空気中500℃で3時間焼成して、硫酸担持酸化スズ担体1を得た。
この硫酸担持酸化スズ担体1の20gをヘキサクロロ白金(VI)酸六水和物0.53gを水20mLに溶解させた溶液に浸漬し、110℃で18時間乾燥した後、500℃で2時間焼成して、Pt(1%)/硫酸担持酸化スズ触媒を得た。
実施例2(Pt(0.5%)/硫酸担持酸化スズ触媒の調製)
実施例1でヘキサクロロ白金(VI)酸六水和物の量を0.26gとした他は、実施例1と同様にして、Pt(0.5%)/硫酸担持酸化スズ触媒を得た。
実施例1でヘキサクロロ白金(VI)酸六水和物の量を0.26gとした他は、実施例1と同様にして、Pt(0.5%)/硫酸担持酸化スズ触媒を得た。
実施例3(Pt(0.5%)-Pd(0.5%)/硫酸担持酸化スズ触媒の調製)
Ptとして1.47重量%を含むテトラアンミン白金硝酸水溶液0.08gとPdとして硝酸パラジウム0.10gを水10mLに溶かし、この溶液に実施例1で作製した硫酸担持酸化スズ担体1の10gを9時間浸漬した後、110℃で18時間乾燥後、500℃で9時間焼成して、Pt(0.5%)-Pd(0.5%)/硫酸担持酸化スズ触媒を得た。
Ptとして1.47重量%を含むテトラアンミン白金硝酸水溶液0.08gとPdとして硝酸パラジウム0.10gを水10mLに溶かし、この溶液に実施例1で作製した硫酸担持酸化スズ担体1の10gを9時間浸漬した後、110℃で18時間乾燥後、500℃で9時間焼成して、Pt(0.5%)-Pd(0.5%)/硫酸担持酸化スズ触媒を得た。
実施例4(Pt(1%)/硫酸担持酸化スズ触媒−2の調製)
実施例1で得られた前駆体1の60gを硫酸アンモニウム45gを水60gに溶解した水溶液に2時間含浸させた後、濾過し、100℃で2時間乾燥させた。さらに、空気中500℃で3時間焼成して、硫酸担持酸化スズ担体2を得た。
この硫酸担持酸化スズ担体2の20gをヘキサクロロ白金(VI)酸六水和物0.53gを水20mLに溶解させた溶液に浸漬し、110℃で18時間乾燥した後、500℃で2時間焼成して、Pt(1%)/硫酸担持酸化スズ触媒−2を得た。
実施例1で得られた前駆体1の60gを硫酸アンモニウム45gを水60gに溶解した水溶液に2時間含浸させた後、濾過し、100℃で2時間乾燥させた。さらに、空気中500℃で3時間焼成して、硫酸担持酸化スズ担体2を得た。
この硫酸担持酸化スズ担体2の20gをヘキサクロロ白金(VI)酸六水和物0.53gを水20mLに溶解させた溶液に浸漬し、110℃で18時間乾燥した後、500℃で2時間焼成して、Pt(1%)/硫酸担持酸化スズ触媒−2を得た。
実施例5(Pt(1%)/硫酸担持酸化スズ触媒−3の調製)
実施例1で得られた前駆体1の60gと硫酸アンモニウム45gを物理混合し、空気中500℃で3時間焼成して、硫酸担持酸化スズ担体3を得た。
この硫酸担持酸化スズ担体3の20gをヘキサクロロ白金(VI)酸六水和物0.53gを水20mLに溶解させた溶液に浸漬し、110℃で18時間乾燥した後、500℃で2時間焼成して、Pt(1%)/硫酸担持酸化スズ触媒−3を得た。
実施例1で得られた前駆体1の60gと硫酸アンモニウム45gを物理混合し、空気中500℃で3時間焼成して、硫酸担持酸化スズ担体3を得た。
この硫酸担持酸化スズ担体3の20gをヘキサクロロ白金(VI)酸六水和物0.53gを水20mLに溶解させた溶液に浸漬し、110℃で18時間乾燥した後、500℃で2時間焼成して、Pt(1%)/硫酸担持酸化スズ触媒−3を得た。
触媒活性試験1
実施例1〜5で得られた触媒をディスク状に成形した後、粉砕してメッシュ16〜24 に整粒した。得られた粒状触媒1mLを固定床流通式反応管に充填し、NO, プロパン、CO2,N2を含む混合ガスに、空気を02濃度が5%になるように混合して、下記の組成を有する模擬ガス1を空間速度40000h−1で反応管に通し、触媒床の温度が150℃、250℃、350℃、450℃、550℃で脱硝率の測定を行った。NOx濃度は、化学発光式NOx分析計により測定した。得られた触媒活性試験結果を表1および図1に示す。
なお、脱硝率とは{1−(NOx−out/NOx−in)}×100で表される。
ここで、NOx−in:触媒床入り口のNOx濃度(供給ガス中のNOx濃度)、
NOx−out:触媒床出口のNOx濃度
模擬ガス1の組成:NO 500ppm, プロパン 2000ppm、CO2 10%、O2 5%、
残部 N2
実施例1〜5で得られた触媒をディスク状に成形した後、粉砕してメッシュ16〜24 に整粒した。得られた粒状触媒1mLを固定床流通式反応管に充填し、NO, プロパン、CO2,N2を含む混合ガスに、空気を02濃度が5%になるように混合して、下記の組成を有する模擬ガス1を空間速度40000h−1で反応管に通し、触媒床の温度が150℃、250℃、350℃、450℃、550℃で脱硝率の測定を行った。NOx濃度は、化学発光式NOx分析計により測定した。得られた触媒活性試験結果を表1および図1に示す。
なお、脱硝率とは{1−(NOx−out/NOx−in)}×100で表される。
ここで、NOx−in:触媒床入り口のNOx濃度(供給ガス中のNOx濃度)、
NOx−out:触媒床出口のNOx濃度
模擬ガス1の組成:NO 500ppm, プロパン 2000ppm、CO2 10%、O2 5%、
残部 N2
触媒活性試験2
本試験は、酸化触媒を通した後の排気ガスを処理する態様をモデル化したものである。
触媒活性試験1において、模擬ガス1に代えて下記の組成を有する模擬ガス2を用いた以外は同様にして触媒活性試験を行った。脱硝率は、出口ガスを5%NaOHと過酸化水素を含む吸収液を入れた吸収ビンに一定時間通した後、吸収液をイオンクロマト法により分析して求めた。得られた活性試験結果を表2及び図2に示す。
模擬ガス2の組成:NO2 500ppm、プロパン 2000ppm、CO2 10%、O2 5%、残部 N2
本試験は、酸化触媒を通した後の排気ガスを処理する態様をモデル化したものである。
触媒活性試験1において、模擬ガス1に代えて下記の組成を有する模擬ガス2を用いた以外は同様にして触媒活性試験を行った。脱硝率は、出口ガスを5%NaOHと過酸化水素を含む吸収液を入れた吸収ビンに一定時間通した後、吸収液をイオンクロマト法により分析して求めた。得られた活性試験結果を表2及び図2に示す。
模擬ガス2の組成:NO2 500ppm、プロパン 2000ppm、CO2 10%、O2 5%、残部 N2
触媒活性試験3(耐久性試験)
実施例1で得られた触媒をディスク状に成形した後、粉砕してメッシュ16〜24に整粒した。得られた粒状触媒0.6mLを固定床流通式反応管に充填し、NO, プロパン、CO2,N2を含む混合ガスに、空気を02濃度が5%になるように混合し、かつ70℃の水にバブリングさせて、水蒸気濃度が10%になるようにした下記の組成を有する模擬ガス3を空間速度40000h−1で反応管に通し、触媒床の温度が350℃で脱硝率の経時変化を測定した。NOx濃度は、化学発光式NOx分析計により測定した。得られた触媒活性試験結果を表3および図3に示す。
模擬ガス3の組成:NO 500ppm, プロパン 2000ppm、CO2 10%、O2 5%、H2O 10%、残部 N2
実施例1で得られた触媒をディスク状に成形した後、粉砕してメッシュ16〜24に整粒した。得られた粒状触媒0.6mLを固定床流通式反応管に充填し、NO, プロパン、CO2,N2を含む混合ガスに、空気を02濃度が5%になるように混合し、かつ70℃の水にバブリングさせて、水蒸気濃度が10%になるようにした下記の組成を有する模擬ガス3を空間速度40000h−1で反応管に通し、触媒床の温度が350℃で脱硝率の経時変化を測定した。NOx濃度は、化学発光式NOx分析計により測定した。得られた触媒活性試験結果を表3および図3に示す。
模擬ガス3の組成:NO 500ppm, プロパン 2000ppm、CO2 10%、O2 5%、H2O 10%、残部 N2
Claims (6)
- 強酸化処理した酸化スズに周期律表第VIII族金属を担持してなる触媒であって、酸素を過剰に含む雰囲気下で、炭化水素を還元剤として窒素酸化物を分解する反応に用いられる排ガス浄化用触媒。
- 周期律表第VIII族金属の担持量が担体に対する重量比で0.1〜5%である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- 結晶性の酸化スズを有機酸イオンと接触させた後、硫酸根を含む化合物と接触させ、その後、焼成し、次いで周期律表第VIII族金属を担持させることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法
- 結晶性の酸化スズがメタスズ酸である請求項3記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
- 排気ガスを酸素を過剰に含む雰囲気下で、炭化水素を還元剤として請求項1または2に記載の排ガス浄化用触媒で処理することを特徴とする排ガス浄化方法。
- 排気流入側に酸化触媒を配置し、排ガス中のNOxをNO2に変換した後、酸素を過剰に含む雰囲気下で炭化水素を還元剤として請求項1または2に記載の触媒で処理することを特徴とする、窒素酸化物を分解する排ガス浄化方法。
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JP2004307642A Pending JP2006116444A (ja) | 2004-10-22 | 2004-10-22 | 排ガス浄化用触媒およびその製造方法 |
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Citations (6)
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JPH0490826A (ja) * | 1990-08-01 | 1992-03-24 | Agency Of Ind Science & Technol | 排ガス浄化方法 |
JPH0538420A (ja) * | 1991-01-08 | 1993-02-19 | Agency Of Ind Science & Technol | 窒素酸化物の除去処理方法 |
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-
2004
- 2004-10-22 JP JP2004307642A patent/JP2006116444A/ja active Pending
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