本発明の1つの特徴は、支持基板と、正孔障壁層と、光発生層と、電荷輸送層と、を備える光導電性部材であって、前記正孔障壁層は、金属含有成分とバインダ成分とを含むことである。
本発明による光導電性部材において、前記金属含有成分は、二酸化チタン(TiO2)であり、前記バインダ成分は、フェノール樹脂であることが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記金属含有成分は、金属酸化物であり、前記金属酸化物は、約10〜約100ナノメートルのサイズ直径であり、前記金属酸化物は、約10〜約25ナノメートルの一次粒子サイズ直径を有し、必要に応じて、推定アスペクト比が約4〜約5であり、約650〜約50kg/cm2の圧力を適用した場合粉末抵抗(powder resistance)が約1×104〜約6×104オーム/cm(Ω/cm)であることが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記二酸化チタンは、約20〜約90重量%の量で存在し、また前記金属酸化物は、約12〜約17ナノメートルの一次粒子サイズ直径を有し、推定アスペクト比は約4〜約5であり、前記金属酸化物は、必要に応じて約1〜約3重量%のメタリン酸ナトリウム(sodium metaphosphate)で表面処理され、前記金属酸化物は、約650〜約50kg/cm2の圧力下で適用すると約1×104〜約6×104オーム/cmの粉末抵抗を有することが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記二酸化チタンは、約30〜約80重量%の量で存在し、前記バインダは、フェノール樹脂であり、前記酸化チタンは、約12〜約16ナノメートルの一次粒子サイズ直径を有し、推定アスペクト比は、約4〜約5であり、前記金属酸化物は、必要に応じて約1〜約3重量%のメタリン酸ナトリウムで表面処理され、前記金属酸化物は、約650〜約50kg/cm2の圧力下で適用すると約1×104〜約6×104オーム/cmの粉末抵抗を有することが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記バインダは、約50〜約95重量%の量で存在する樹脂であり、前記酸化チタンは、約12〜約16ナノメートルの一次粒子サイズ直径を有し、推定アスペクト比は、約4〜約5であり、前記金属酸化物は、約650〜約50kg/cm2の圧力下で適用すると約1×104〜約6×104オーム/cmの粉末抵抗を有することが好ましい。
また、本発明による光導電性部材において、前記バインダは、約96〜約98重量%の量で存在するフェノール樹脂であり、前記酸化チタンは、約10〜約17ナノメートルの一次粒子サイズ直径を有し、推定アスペクト比は、約4〜約5であり、前記金属酸化物は、約1〜約3重量%のメタリン酸ナトリウムで表面処理され、前記金属酸化物は、約650〜約50kg/cm2の圧力下で適用すると約1×104〜約6×104オーム/cmの粉末抵抗を有することが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記正孔障壁層は、N,N’−ビス(1,2−ジメチルプロピル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ビス(2−ヘプチルイミド)ペリノン(perinone)、ブトキシカルボニルフルオレニリデンマロノニトリル(BCFM)、ベンゾフェノンビスイミド(bisimide)、または置換カルボキシベンジルナフタキノンの電子輸送成分をさらに含むことが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記置換カルボキシベンジルナフタキノンは、アルキルで置換されていることが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記電子輸送成分はベンゾフェノンであり、前記バインダはフェノール樹脂またはポリカーボネートであることが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記電子輸送成分は、好ましくは約1〜約15重量%の量で存在する。
本発明による光導電性部材において、前記電子輸送成分は、より好ましくは約2〜約10重量%の量で選択される。
本発明による光導電性部材において、前記正孔障壁層の厚さは、好ましくは約2〜約12μmである。
本発明による光導電性部材において、前記支持基板と、前記正孔障壁層と、必要に応じて用いる接着層と、前記光発生層と、前記電荷輸送層と、をこの順に備え、前記電荷輸送層は、正孔輸送層であり、前記正孔障壁層は、一次粒子サイズ直径が約12〜約17ナノメートルであって、推定アスペクト比が約4〜約5である酸化チタンを含み、前記金属酸化物は、約1〜約3重量%のメタリン酸ナトリウムにより必要に応じて表面処理され、前記金属酸化物は、約650〜約50kg/cm2の圧力を適用した場合、約1×104〜約6×104Ω/cmの粉末抵抗を有することが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記接着層は、重量平均分子量Mwが約45,000〜約75,000、数平均分子量Mnが約25,000〜約40,000であるポリエステルを含むことが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記支持基板は、導電性金属基板を備え、必要に応じて、前記導電性金属基板は、アルミニウム、アルミニウム処理したポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)またはチタン処理したポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記光発生層の厚さは、約0.05〜約10μmであり、前記電荷輸送層の厚さは、約10〜約50μmであることが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記光発生層は、必要に応じて、樹脂バインダに分散した約5重量%〜約95重量%の光発生顔料を含み、また、必要に応じて、前記樹脂バインダは、ポリエステル類、ポリビニルブチラール類、ポリカーボネート類、ポリスチレン−b−ポリビニルピリジン、およびポリビニルホルマール類からなる群から選択されることが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記電荷輸送層は、下記化学式により表されるアリールアミンを含み、式中、Xはアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される。
上記アリールアミンにおいて、アルキルは、約1〜約10の炭素原子、または約1〜約5の炭素原子を含み、ハロゲンは、塩化物イオン(chloride)であることが好ましい。また必要に応じて、前記電荷輸送層中に、ポリカーボネート類、ポリスチレン類からなる群から選択される樹脂バインダをさらに含むことが好ましい。
また、本発明による光導電性部材において、前記アリールアミンは、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンである。
本発明による光導電性部材において、前記光発生層は、好ましくは金属フタロシアニン類、ヒドロキシガリウムフタロシアニン類、クロロガリウムフタロシアニン類、または無金属(metal free)フタロシアニン類のうちいずれかを含み、より好ましくはクロロガリウムフタロシアニン類を含む。
また、本発明による方法は、上記光導電性部材上で静電潜像を作成する工程と、潜像を現像する工程と、必要に応じて現像した静電画像を適した基材に転写する工程と、を含む。
本発明による光導電性部材において、前記正孔障壁層の厚さは、約10〜約15μmであることが好ましい。
本発明による光導電性部材において、前記部材は、前記支持基板と、前記正孔障壁層と、前記光発生層と、前記電荷輸送(層)とを順に備え、前記電荷輸送は、正孔輸送であり、前記正孔障壁層は、酸化チタンを含み、前記酸化チタンは、一次粒子サイズ直径が約11〜約18ナノメートルであることが好ましい。
また、本発明の他の特徴は、支持基板と、正孔障壁層と、さらに、光発生層と、電荷輸送層とを備える部材であって、前記正孔障壁層は、金属含有成分(metalic component)とバインダ成分とを含み、前記金属含有成分は、二酸化チタンである。
また、本発明にさらに別の特徴は、必要に応じて用いる支持基板と、正孔障壁層と、さらに、光発生層と、電荷輸送層とを順に備える光導電性部材であって、前記正孔障壁層は、酸化チタン成分または二酸化チタン成分、およびバインダ成分を含み、前記酸化チタンは、一次粒子サイズ直径が約12〜約18ナノメートルであることが好ましい。
前記二酸化チタンは、好ましくはアルカリ金属塩で処理されている。または前記二酸化チタンは、好ましくはアルカリ金属塩のコーティングを含む。さらに好ましくは、前記アルカリ金属塩は、リン酸ナトリウム(sodium phosphate)である。
以下、詳細に説明する。本発明の1つの特徴は、本明細書で説明した多くの利点を有し、例えば、優れた摩耗特性、暗注入(dark injection)を阻止する、または最小に抑える厚い正孔障壁層を備える画像形成部材を提供することであり、得られた光導電性部材は、例えば、優れた光誘起放電特性、サイクルおよび環境安定性ならびに電荷担体の暗注入により生じる許容可能な電荷不足スポットレベルを有する。実施の態様では、正孔障壁層のためにフェノール成分バインダが選択され、フェノール成分は少なくとも2つのフェノール基を含み、例えば、ビスフェノールA(4,4’−イソプロピリデンジフェノール)、ビスフェノールE(4,4’−エチリデンビスフェノール)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノールM(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール)、ビスフェノールP(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール)、などであり;さらに具体的には、オキシケム社(Oxychem Company)から得られるバルカム(VARCUM、登録商標)29159のフェノール樹脂であり;フェノール樹脂と金属酸化物との重量比は約90:10〜約80:20であり、より具体的には約40:60である。
本発明のさらに別の特徴は、可視光に対し感度を有する層状光応答性画像形成部材を提供することである。この部材は改善されたコーティング特性を有し、電荷輸送分子は光発生層に拡散せず、またはその拡散は最小に抑えられる。
さらに、本発明の別の特徴は、機械的に強固な、溶剤耐性のある正孔障壁層を備えた層状光応答性画像形成部材を提供することに関する。
本発明の態様は、支持基板と、その上の正孔障壁層と、光発生層と、電荷輸送層とを備える光導電性部材であって、該正孔障壁層は金属含有成分とバインダ成分とを含む部材に関し;また、支持基板と、その上の正孔障壁層と、光発生層と、電荷輸送層とを備える部材であって、該正孔障壁層は金属含有成分とバインダ成分とを含み、該金属含有成分は二酸化チタンである部材に関し;必要に応じて用いる支持基板と、その上の正孔障壁層と、光発生層と、電荷輸送層とを順に備える光導電性部材であって、該正孔障壁層は酸化チタン(titanium oxide)または二酸化チタン(titanium dioxide)成分と、バインダ成分とを含み、酸化チタン(titanium oxide)は約12〜約18ナノメートルの一次粒子サイズ直径を有する部材に関し;支持基板と、その上の正孔障壁層と、光発生層と、電荷輸送層とを備える光導電性画像形成部材であって、該正孔障壁層は、例えば、TiO
2のような金属酸化物の混合物と、ポリマバインダと、必要に応じて、例えば、N,N’−ビス(1,2−ジメチルプロピル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドの電子輸送成分とを含む部材に関し;その上の正孔障壁層と、光発生層と、電荷輸送層とを備える光導電性画像形成部材であって、該正孔障壁層は、金属含有成分、例えば、TiO
2のような酸化チタンの粒子分散物と、適した樹脂とを含み、その酸化物は、実施の態様では、半導体であると考えられ、すなわち、例えば、約100〜約700kg/cm
2の圧力下で適用すると約5×10
2Ωcm〜約5×10
4Ωcmの粉末抵抗(powder resistivity)を有し、該金属含有成分は約20〜約95重量%の量で存在する部材に関し;金属含有成分がTiO
2、より具体的には、酸化チタンの混合物であり、ポリマもしくは樹脂バインダは、例えばフェノール樹脂であり、TiO
2は半導体特性を有すると考えられ、必要に応じて約30〜約80重量%の量で存在する部材に関し、金属化合物が、約94〜約98重量%の量で存在するTiO
2である装置に関し;例えば、約2〜約50、約10〜約40重量%のN,N’−ビス(1,2−ジメチルプロピル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ビス(2−ヘプチルイミド)ペリノン(perinone)、ブトキシカルボニルフルオレニリデンマロノニトリル(BCFM)、ベンゾフェノンビスイミド(bisimide)、または置換カルボキシベンジルナフタキノンの電子輸送体(electron transport)を含む光導電性装置に関し;正孔障壁層の厚さが約1〜約15μm、または約2〜約6μmである光導電性画像形成部材に関し;支持基板と、正孔障壁層と、接着層と、光発生層と、電荷輸送層とを順に備える光導電性画像形成部材に関し;接着層が、例えば、約70,000の重量平均分子量M
w、および約35,000の数平均分子量M
nを有するポリエステルを含む光導電性画像形成部材に関し;支持基板は、導電性金属基板を含む光導電性画像形成部材に関し;導電性基板がアルミニウム、アルミニウム処理した(aluminized)ポリエチレンテレフタレートまたはチタン処理した(titanized)ポリエチレンである光導電性画像形成部材に関し;光発生層の厚さが約0.05〜約12μmである光導電性画像形成部材に関し;電荷、例えば正孔輸送層、の厚さが約10〜約55μmである光導電性画像形成部材に関し;光発生層が、樹脂バインダ中に分散された、光発生顔料を約10重量%〜約95重量%の量で含む光導電性画像形成部材に関し;電荷輸送体および/または正孔障壁層に対する樹脂バインダは、フェノール樹脂類、ポリエステル類、ポリビニルブチラール類、ポリカーボネート類、ポリスチレン−b−ポリビニルピリジン、およびポリビニルホルマール類からなる群から選択される光導電性画像形成部材に関し;電荷輸送層がアリールアミン分子、および他の周知の電荷、とりわけ正孔輸送体を含む光導電性画像形成部材に関し;電荷輸送アリールアミン類が下記化学式を有し、式中、Xはアルキルであって、アリールアミンは樹脂バインダ中に分散される光導電性画像形成部材に関し;
上記化学式で表されるアリールアミンに対し、アルキルがメチルであり、ハロゲンが塩化物であり、樹脂バインダが、ポリカーボネート類とポリスチレンとからなる群から選択される光導電性画像形成部材に関し;上記化学式で表されるアリールアミンがN,N’−ジフェニル−N,N−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンである光導電性画像形成部材に関し;重量平均分子量Mwが約75,000および数平均分子量Mnが約40,000のポリエステルを有する接着層をさらに含む光導電性画像形成部材に関し;光発生層は金属フタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、ペリレン類、ヒドロキシガリウムフタロシアニン類、クロロガリウムフタロシアニン類、チタニルフタロシアニン類、バナジルフタロシアニン類、セレン、セレン合金、三方晶系セレンなどを含む光導電性画像形成部材に関し;光発生層はチタニルフタロシアニン類、ペリレン類、またはヒドロキシガリウムフタロシアニン類を含む光導電性画像形成部材に関し;光発生層はV型ヒドロキシガリウムフタロシアニンを含む光導電性画像形成部材に関し;本明細書で説明した画像形成部材上で静電潜像を作成する工程と、潜像を現像する工程と、現像した静電画像を適した基材に転写する工程と、を含む画像形成法に関する。
本発明の画像形成部材のための正孔障壁層は、例えば、下記化学式により表されるN,N’−ビス(1,2−ジメチルプロピル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドと、
下記化学式により表され、式中、RおよびRはそれぞれ、水素、例えば1〜約4の炭素原子を有するアルキル、例えば1〜約4の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される、1,1’−ジオキソ−2−(4−メチルフェニル)−6−フェニル−4−(ジシアノメチリデン)チオピランと、
たとえば、下記化学式により表されるカルボキシベンジルナフタキノン、
および、下記化学式により表されるテトラ(t−ブチル)ジフェノールキノン、それらの混合物などからなる群から選択されるキノンと、
カルボキシフルオレノンマロノニトリル(carboxyfluorenone malononitrile)のブトキシ誘導体と、カルボキシフルオレノンマロノニトリルの2−エチルヘキサノールと、N,N’−ビス(1,2−ジエチルプロピル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドの2−ヘプチル誘導体と、1,1−(N,N’−ビスアルキル−ビス−4−フタルイミド)−2,2−ビスシアノ−エチレンのsec−イソブチルおよびn−ブチル誘導体と、からなる群から選択される電子輸送成分を含んでもよい。
特定の電子輸送成分は、溶媒に実質的に(substantially)溶解するものであり、そのような成分は、例えば、下記化学式により表され、式中、各Rはそれぞれ、水素、1〜約40の炭素原子(例えば、炭素原子の数に関して)を有するアルキル、1〜約40の炭素原子を有するアルコキシ、フェニル、置換フェニル、ナフタレンおよびアントラセン、6〜約40の炭素を有するアルキルフェニル、6〜約40の炭素を有するアルコキシフェニル、6〜約30の炭素を有するアリール、6〜約30の炭素とハロゲンを有する置換アリール、からなる群から選択されるカルボキシフルオレノンマロノニトリル(CFM)誘導体、
下記化学式により表され、式中、各Rはそれぞれ、水素、アルキル、アルコキシ、例えばフェニルおよび置換フェニルなどのアリール、例えばナフタレンおよびアントラセンなどの高級芳香族(higher aromatics)、アルキルフェニル、アルコキシフェニル、炭素(carbons)、置換アリールならびにハロゲンからなる群から選択され、少なくとも2つのR基はニトロ基であるニトロ化フルオレノン誘導体(nitrated fluorenone derivative)、
下記一般式/構造により表され、式中、R
1は、例えば、置換もしくは非置換アルキル、分枝アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、またはフェニル、ナフチルのようなアリール、またはアントラセンのような高級多環式(higher polycyclic aromatic)芳香族であり;R
2は、アルキル、分枝アルキル、シクロアルキル、またはフェニル、ナフチルのようなアリール、またはアントラセンのような高級多環式芳香族であり、またはR
2はR
1と同じであり;R
1およびR
2はそれぞれ、1〜約50の炭素、より具体的には、1〜約12の炭素を有することができ、R
3、R
4、R
5およびR
6はアルキル、分枝アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、またはフェニル、ナフチルのようなアリール、またはアントラセンのような高級多環式芳香族、またはハロゲンなどであり;R
3、R
4、R
5およびR
6は同じであっても異なってもよい、N,N’−ビス(ジアルキル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体またはN,N’−ビス(ジアリール)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体、
下記化学式により表され、式中、各Rは、例えば、それぞれ、水素、1〜約40の炭素原子を有するアルキル、1〜約40の炭素原子を有するアルコキシ、フェニル、置換フェニル、ナフタレンおよびアントラセンのような高級芳香族(higher aromatics)、6〜約40の炭素原子を有するアルキルフェニル、6〜約40の炭素原子を有するアルコキシフェニル、6〜約30の炭素原子を有するアリール、6〜約30の炭素原子およびハロゲンを有する置換アリールからなる群から選択される、1,1’−ジオキソ−2−(アリール)−6−フェニル−4−(ジシアノメチリデン)チオピラン、
下記化学式、化11および/または化12により表され、式中、各Rはそれぞれ、水素、1〜約40の炭素原子を有するアルキル(全体を通して、炭素鎖長は例示であり、特定した範囲外の置換基を複数の態様において選択してもよい)、1〜約40の炭素原子を有するアルコキシ、フェニル、置換フェニル、ナフタレンおよびアントラセンのような高級芳香族、6〜約40の炭素を有するアルキルフェニル、6〜約40の炭素を有するアルコキシフェニル、6〜約30の炭素を有するアリール、6〜約30の炭素およびハロゲンを有する置換アリール、からなる群から選択される、カルボキシベンジルナフタキノン、
下記化学式により表され、式中、R置換基の各々(R
1〜R
8)は、本明細書で説明した通りである、ジフェノキノン(diphenoquinone)、およびそれらの混合物、
または、上記部分がオリゴマまたはポリマ繰り返しユニットの一部を表すオリゴマまたはポリマ誘導体、およびそれらの混合物(ここで、混合物は1〜約99重量%の第1の電子輸送体成分と、約99〜約1重量%の第2の電子輸送体成分を含むことができ、電子輸送体は、樹脂バインダ中に分散させることができ、それらの総量は約100%である)、からなる群から選択される電子輸送成分を含んでもよい。
正孔障壁層成分の例としては、n−ブタノール:キシレンの1:1混合物中に溶解したTiO2/バルカム(VARCUM、登録商標)樹脂混合物が挙げられ、これは、溶液中の総固体濃度に対し約2〜約50重量%の添加電子輸送材料(added electron transport material)を含み、前記主成分の混合物量は、例えば、約80〜約100、より具体的には約90〜約99重量%である。さらに具体的には、酸化チタンは約10〜約25ナノメートル、より具体的には約12〜約17ナノメートル、さらに具体的には約15ナノメートルの一次粒子サイズ直径(primary particle size diameter)を有し、推定アスペクト比(estimated aspect ratio)は約4〜約5であり、必要に応じて、例えば、約1〜約3重量%のアルカリ金属、例えばメタリン酸ナトリウム、を含む成分により、例えば、表面処理され、粉末抵抗は約650〜約50kg/cm2の圧力で適用すると約1×104〜約6×104 Ω/cm(ohm/cm)であり、MT−150Wは日本のテイカ株式会社(Tayca Corporation)から入手可能な酸化チタン(titanium oxide)であり、正孔障壁層は、より具体的には、約15μmの厚さを有し、これにより電荷漏出(charge leakage)が避けられ、または最小に抑えられる。
正孔障壁層は、実施の態様では、多くの周知の方法により調製することができ、プロセスパラメータは、例えば、所望の部材に依存する。正孔障壁層は、溶液または分散物として選択した基板上に、スプレーコータ、ディップ・コータ、押出コータ、ローラコータ、ワイヤ−バーコータ、スロットコータ、ドクターブレードコータ、グラビアコータ、などを用いてコートし、約40℃〜約200℃で適した期間、例えば、約10分〜約10時間、定常状態下または空気流下で乾燥させることができる。コーティングを完了すると、乾燥後約1〜約15μmの最終コーティング厚が得られる。
本発明の画像形成部材のために選択される基板層(substrate layers)の具体例は、不透明な、または実質的に透明なものとすることができ、必要な機械的特性を有する任意の適した材料を含んでもよい。このように、基板は、例えば、市販のポリマであって、チタンを含むマイラー(MYLAR、登録商標)のような、無機または有機ポリマ材料を有する絶縁材料層(a layer of insulating material)や、たとえば酸化スズインジウム(indium tin oxide)、またはその上にアルミニウムを有する(aluminum arranged thereon)、またはアルミニウム、クロム、ニッケル、黄銅(brass)などを含む導電性材料、のような半導電性表面層(semiconductive surface layer)を有する有機または無機材料層を含んでもよい。
基板はフレキシブル、シームレス、またはリジッド(rigid)であってよく、多くの異なる構造、例えば、プレート、円筒形ドラム、スクロール、エンドレスフレキシブルベルト、などをとってもよい。1つの態様では、基板はシームレスフレキシブルベルトの形態である。いくつかの状況では、特に、基板がフレキシブル有機ポリマ材料である場合、アンチカール層、例えば、マクロロン(MAKROLON、登録商標)として市販されているポリカーボネート材料、を基板の裏にコートすることが望ましいかもしれない。さらに、基板はその上にアンダーコート層を含んでよい。このアンダーコート層は、周知のアンダーコート層であってもよく、例えば適したフェノール樹脂、フェノール化合物、フェノール樹脂とフェノール化合物との混合物、酸化チタン、TiO2/SiO2のような酸化珪素混合物、共に係属中の米国特許出願第10/144,147号、公開番号第20030211413号の成分、などを含んでもよい。この開示内容は、引用により本明細書に全体として組み込まれる。
基板層の厚さは、経済的な考慮を含む多くの要因に依存し、このためこの層は、例えば、3,000μmを超える実質的な厚さ、または部材に有意の(significant)悪影響を与えない最小の厚さを有してもよい。実施の態様では、この層の厚さは約75μm〜約300μmである。
本明細書で示した成分、例えばヒドロキシクロロガリウム(hydroxychlorogallium)フタロシアニンを含むことができる光発生層は、実施の態様では、例えば、約50重量%のヒドロキシガリウムまたは他の適した光発生顔料と、約50重量%のポリスチレン/ポリビニルピリジンのような樹脂バインダと、を含む。光発生層は、周知の光発生顔料、例えば金属フタロシアニン類、無金属(metal free)フタロシアニン類、ヒドロキシガリウムフタロシアニン類、ペリレン類、特にビス(ベンズイミダゾ)ペリレン(bis(benzimidazo)perylene)、チタニルフタロシアニン類、など、より具体的には、バナジルフタロシアニン類、V型クロロヒドロキシガリウム(Type V chlorohydroxygallium)フタロシアニン類、およびセレン、特に三方晶系(trigonal)セレンのような無機成分、を含むことができる。
光発生顔料は、電荷輸送層用に選択した樹脂バインダと同様の樹脂バインダ中に分散させることができ、または樹脂バインダは必要ない。一般に、光発生層の厚さは、例えば、他の層の厚さおよび光発生層中に含まれる光発生体材料の量のような多くの要因に依存する。したがって、この層は、例えば、光発生体組成物(photogenerator compositions)が約30〜約75体積%(percent by volume)の量で存在する場合、例えば約0.05μm〜約15μm、より具体的には、約0.25μm〜約2μmの厚さを有することができる。
実施の態様におけるこの層の最大厚さは、主に感光性、電気的特性および機械的考慮などの因子に依存する。様々な適した量、例えば約1〜約50、より具体的には約1〜約10重量%の量で存在する光発生層バインダ樹脂は、多くの周知のポリマ類、例えば、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリ塩化ビニル(ポリ(ビニルクロライド))、ポリアクリレート類およびメタクリレート類、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー類、フェノキシ樹脂類、ポリウレタン類、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリロニトリル、ポリスチレンなど、から選択してもよい。装置の他の、あらかじめコートした層を実質的に阻害する、または悪影響を及ぼすことのないコーティング溶剤を選択することが望ましい。
光発生層のためのコーティング溶剤として使用するために選択することができる溶剤の例は、ケトン類、アルコール類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、エーテル類、アミン類、アミド類、エステル類などである。具体的な例は、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ブタノール、アミルアルコール、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メトキシエチル、などである。
本発明の態様における光発生層のコーティングは、噴霧、浸漬またはワイヤ−バー(wire−bar)法により達成することができ、そのため、光発生層の最終乾燥厚(final dry thickness)は、例えば、約40℃〜約150℃で約15〜約90分間乾燥させた後、例えば、約0.01〜約30μm、より具体的には、約0.1〜約15μmとなる。
光発生層のために選択することができるポリマバインダ材料の例示的な例は、本明細書に示した通りであり、米国特許第3,121,006号において開示されているようなポリマ、本明細書で引用されている適当な共に係属中の出願で説明されているようなフェノール樹脂が挙げられる。これらの開示内容は参照により全体として本明細書に組み込まれる。一般に、光発生層で使用されるポリマバインダの有効量は、光発生層の約0〜約95重量%、好ましくは約25〜約60重量%である。
正孔障壁層と通常接触する、必要に応じて用いられる接着層として、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリウレタンおよびポリアクリロニトリルを含む様々な周知の物質を選択することができる。この層は、例えば、約0.001〜約3μm、より具体的には、約1μmの厚さを有する。必要に応じて、この層は適した有効量、例えば約1〜約10重量%の導電性および非導電性粒子、例えば、酸化亜鉛、二酸化チタン、窒化ケイ素、カーボンブラック、などを含んでもよく、例えば、本発明の態様では、さらに望ましい電気特性および光学特性(electrical and optical properties)が提供される。
電荷輸送層のために、様々な適した周知の電荷輸送化合物、分子などを選択することができ、例えば、下記化学式のアリールアミン類が挙げられる。この場合、電荷輸送層の厚さは、例えば、約5μm〜約75μm、約10μm〜約40μmであり、ポリマバインダに分散される。下記化学式中、Xはアルキル基、ハロゲン、またはそれらの混合物であり、特に、ClおよびCH
3を含む群から選択される置換基である。
特定のアリールアミン類の例は、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(アルキルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4’−ジアミン(ここで、アルキルはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどからなる群から選択される)、およびN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(ハロフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(ここで、ハロ置換基(halo substituent)は、好ましくはクロロ置換基である)である。他の周知の電荷輸送層分子を選択することができる。例えば、米国特許第4,921,773号および同第4,464,450号を参照のこと。
電荷輸送層(the transport layers)のためのバインダ材料の例としては、米国特許第3,121,006号において記述されているものなどの成分が挙げられる。ポリマバインダ材料の特定の例としては、ポリカーボネート類、アクリレートポリマ類、ビニルポリマ類、セルロースポリマ類、ポリエステル類、ポリシロキサン類、ポリアミド類、ポリウレタン類およびエポキシ類、ならびに、それらのブロック、ランダムまたは交互コポリマ類が挙げられる。好ましい電気的に不活性なバインダは、分子量が約20,000〜約100,000のポリカーボネート樹脂類を含み、分子量は約50,000〜約100,000が特に好ましい。一般に、電荷輸送層は、約10〜約75重量%、好ましくは約35%〜約50%の電荷輸送材料を含む。
本明細書で説明した光応答装置(the photoresponsive devices)を用いて画像形成および印刷する方法もまた、本発明の範囲内に含まれる。これらの方法は一般に、画像形成部材上に静電潜像を形成する工程と、続いて、例えば、熱可塑性樹脂と、着色剤、例えば顔料と、帯電添加物と、表面添加物(米国特許第4,560,635号、同第4,298,697号および同第4,338,390号を参照のこと)とを含むトナー組成物でその像を現像する工程と、その後に、その画像を適した基板に転写する工程と、永久的に画像をその上に付着させる工程と、を含む。装置を印刷モードで使用するそれらの環境では、画像形成法は、露光工程をレーザ装置またはイメージバー(image bar)により達成することができることを除き、同じ工程を含む。