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JP2005158253A - 光ディスク - Google Patents

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JP2005158253A JP2004353057A JP2004353057A JP2005158253A JP 2005158253 A JP2005158253 A JP 2005158253A JP 2004353057 A JP2004353057 A JP 2004353057A JP 2004353057 A JP2004353057 A JP 2004353057A JP 2005158253 A JP2005158253 A JP 2005158253A
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acrylate
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Juichi Fujimoto
寿一 藤本
Hiroshi Fukushima
洋 福島
Yasushi Hayama
康司 葉山
Seiji Nurishi
誠司 塗師
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

【課題】耐摩耗性、透明性、スリップ性および機械特性を有し、かつ反りのない書き込みおよび/または読み取りを行う高密度型光ディスクを得る。
【解決手段】基板、記録層、保護層、ハードコート層の順に積層された光ディスクであって、該保護層が、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)、(A)以外のエチレン性不飽和化合物(B)、および光重合開始剤(C)を含む組成物の硬化物層であり、該ハードコート層が、コロイダルシリカ微粒子(d1)および有機シラン化合物の加水分解生成物(d2)を縮合反応して得られる有機被覆シリカ(D)、エチレン性不飽和化合物(E)、スリップ剤(F)、および光重合開始剤(C)を含む組成物の硬化物層である光ディスクであり、ハードコート層の厚みが0.3〜3μmである光ディスク。
【選択図】なし

Description

本発明は、基板、記録層、保護層、ハードコート層の順に積層され、レーザー光により、ハードコート層側から記録層に対して、書き込みおよび/または読み取りを行う高密度型光ディスクに関する。
さらに詳しくは、保護層およびハードコート層が光硬化型組成物を硬化せしめて得た透明膜である、優れた耐摩耗性、透明性、スリップ性および機械的強度等の耐久性を有し、かつ反りのない光ディスクに関する。
近年、情報記録の媒体としてコンパクトディスク、追記型光ディスク、光磁気ディスク、相変化型光ディスク等の光ディスクが多く用いられるようになってきた。これらの光ディスクは、微細なランドおよびグルーブを形成した、ポリカーボネート等の透明樹脂基板記録面に、スパッタリング法により、記録膜や光反射膜として働く金属薄膜層を形成し、これら薄膜層の劣化を防ぐために紫外線硬化型樹脂による保護層を設けて製造することが一般的である。
これらの光ディスクは1.2mm厚の透明樹脂基板を用いて製造されていた。しかしながら、近年は、記録容量を高めるために、0.6mm厚の光ディスクを貼り合わせたDVD(デジタルビデオディスクまたはデジタルバーサタイルディスク)が広く、普及しつつある。
ところが、このDVDでは、長時間の映像録画は未だ困難であるのが現状である。
そこで、次世代の高密度光ディスクとして、非特許文献1や非特許文献2に記載されているように、基板上に記録層と、100μmの透明カバー層を積層し、透明カバー層側から青色レーザー光により書き込みおよび/または読み取りを行うタイプの光ディスクが実用化されつつある。
この透明カバー層(本発明では以下、保護層という)の形成方法としては、100μmの透明フィルムを貼り付ける手法、紫外線硬化型樹脂を記録層上にのせ、平坦で透明なガラス板等で樹脂厚み100μmとなるように押しつけたのち、ガラス板を介して紫外線硬化を行い、ガラス板を離型して保護層を得る2P(フォトポリマー)法、紫外線硬化型樹脂をスピンコートして100μmの厚みに塗装硬化する手法等が挙げられる。
このような保護層の形成に用いる紫外線硬化型樹脂としては、例えば、特許文献1や特許文献2等に記載される組成物など公知の光ディスク記録層保護用のコーティング材組成物が挙げられる。
特開平3−131605号公報 特開平4−264167号公報 「日経エレクトロニクス」2000.6.19(No.722) 57〜64頁 「日経エレクトロニクス」2000.7.17(No.774) 151頁〜160頁
前記した次世代の高密度型光ディスクはレーザー光を通すピックアップレンズと保護層表面の距離が1mm以下であり、その使用時に停電や衝撃等があった場合、ピックアップデバイス部と光ディスクの保護層が接触する可能性がある。
そのため、この保護層には、表面硬度とスリップ性が要求される。
しかしながら前記した光ディスク記録層の保護用コーティング材組成物では、このような要求を満足できない。
また、該組成物では硬化収縮が大きいため、100μm厚みの保護層を形成する際、光ディスクに反りが生じてしまう。そこで、保護層形成面と反対側に、予め反らせて成型したディスク基板に保護層を形成しなければならない。さらに、このような方法で保護層を形成できたとしても、耐久試験を行うと徐々に光ディスクの反りが大きくなるという課題があった。
本発明は、基板上に記録層を形成し、100μm程度の保護層を積層し、レーザー光により、保護層側から記録層に対して、書き込みおよび/または読み取りを行う高密度型光ディスクにおいて、反りがなく、作業性、透明性、表面硬度、スリップ性および耐久性に優れた光ディスクを提供することにある。
即ち、本発明は、基板、記録層、保護層、ハードコート層の順に積層された光ディスクであって、該保護層が、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)、(A)以外のエチレン性不飽和化合物(B)、および光重合開始剤(C)を含む組成物の硬化物層であり、該ハードコート層が、コロイダルシリカ微粒子(d1)および有機シラン化合物の加水分解生成物(d2)を縮合反応して得られる有機被覆シリカ(D)、エチレン性不飽和化合物(E)、スリップ剤(F)、および光重合開始剤(C)を含む組成物の硬化物層である光ディスクであり、ハードコート層の厚みが0.3〜3μmである光ディスクである。
また本発明は、有機シラン化合物の加水分解生成物(d2)が、下記一般式(I)
Figure 2005158253
(式中、Xはメタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、スチリル基またはビニル基を、R1は直接結合もしくは炭素数1〜8の直鎖型または分岐型アルキレン基を、R2、R3は炭素数1〜8の直鎖型または分岐型アルキル基を、aは1〜3の正の整数を、bは0〜2の正の整数を示し、a+bは1〜3の正の整数である。)
で示される単量体を加水分解して得たシラノール化合物である上記光ディスクである。
本発明の光ディスクは、耐摩耗性、透明性、スリップ性および機械特性を有し、かつ従来の光ディスクに比べ反りがないため、青色レーザーを用いて読み取りおよび/または書き込みを行う光ディスクとして極めて有用なものである。
以下、本発明の光ディスクについて、詳細に説明する。
本発明の光ディスクは、基板、記録層、保護層、ハードコート層の順に積層され、レーザー光により、ハードコート層側から記録層に対して、書き込みおよび/または読み取りを行う高密度型光ディスクに関し、該保護層および該ハードコート層を光硬化型組成物を硬化せしめて得た透明膜とすることに特徴がある。
このような構成にすることにより、表面硬度、透明性、および耐久性に優れた、反りのない高性能な高密度型光ディスクを得ることができる。
本発明に使用する光ディスクの基板は、透明でも非透明であってもよく、その材質としては、ガラス、セラミックス、金属、プラスチック等、公知のものを使用することができる。
中でも、低コスト、軽量、光ディスクのランドおよびグルーブを成型する容易性の観点から、プラスチックが好ましく、特にポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレフィン樹脂の成型品が好ましい。
本発明に使用する記録層としては、特に限定されず、従来公知の記録用材料を使用すればよい。
例えば、読み取り専用光ディスクの場合は、金、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の光の反射率の高い金属が使用可能であり、好ましくは低コストで耐久性の高いアルミニウム合金である。
また、例えば書き換え可能な光ディスクの場合には、相変化記録膜として、銀・In・Te・Sb合金、Ge・Sb・Te合金、 Ge・Sn・Sb・Te合金、Sb・Te合金等が使用可能であり、光磁気記録膜として、Tb・Fe・Co系合金等が使用可能である。
さらに、これらの各種記録膜に対して、SiN、ZnS、SiO2等の誘電膜を積層することも可能であるが、特に限定されるものではない。これらの記録層は真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等公知の薄膜形成技術が使用可能である。
後述する光ディスク保護層形成用組成物を硬化させることにより、本発明の光ディスクの保護層が得られるが、この保護層の厚みは5〜200μmの範囲が好ましく、40〜160μmの範囲がより好ましい。
保護層の厚みが5μmより薄いと、記録層の酸化による劣化や、水分による劣化を抑制できない傾向にあり、200μmを超えると、得られる光ディスクの反り角が大きくなる傾向にある。
該保護層のガラス転移温度(以下、Tgという)は50℃以上であることが好ましく、より好ましくは60℃以上である。
Tgが50℃より低い保護層を有する光ディスクは、炎天下の車内等の高温条件下で使用すると、反り角が大きくなる傾向にある。
本発明の光ディスクは、前記保護層上に、特定の有機化処理を施したシリカ微粒子と特定の界面活性剤を含有するハードコート層形成用組成物を塗布、硬化してハードコート層をを設けることにより、透明性、硬さ、スリップ性および耐久性を有する光ディスクを得ることが可能となる。
ハードコート層の膜厚は光ディスクの反りや表面平滑性の観点から、0.1〜5μmの範囲が好ましく、0.3〜3μmの範囲がより好ましい。
この膜厚が0.1μm未満の場合は十分な耐摩耗性が得られず、5μmを超える場合は、ハードコート層の硬化収縮による光ディスクの反りが増加する傾向にある。
ハードコート層は光ディスクドライブのピックアップデバイスが衝突した際、光ディスクおよびピックアップデバイスを傷つけないようにスリップ性が必要である。そのため、ハードコート層の動摩擦係数は0.2以下であることが好ましく、より好ましくは0.15以下である。動摩擦係数が0.2を超えると、ハードコート層表面をピックアップデバイスが摺動した際、光ディスクおよびまたはピックアップデバイスが傷つき使用不可能になる恐れがあり好ましくない。
本発明の光ディスクにおいて保護層およびハードコート層は、記録層に情報を書き込みおよび/または読み取りをする場合にレーザー光が透過する。レーザー光として、波長400nm前後の青紫色レーザー光を利用する場合、保護層およびハードコート層の2層を通した波長400nmの光線透過率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上である。波長400nmの光線透過率が70%未満の場合、光ディスクの読み取りおよびまたは書き込みエラーが発生する確率が上昇する傾向にある。
本発明の光ディスクは、基材、記録層、保護層、ハードコート層から構成されるが、保護層およびハードコート層を形成するためには、それぞれ、特定の光硬化型組成物を、前記した特定の膜厚範囲内でスピンコーター法等により塗装して硬化せしめればよい。特に、光ディスク外周部の盛り上がりを少なくするために、スピンコート後、回転させながら活性エネルギー線照射により硬化させたり、スピンコートの回転を止めた直後〜0.8秒以内に硬化させたりすることが好ましい。
また、塗布された組成物の被膜を硬化させる手段としては、光エネルギー照射、例えばα,βおよびγ線などの活性エネルギー線を公知の方法で該硬化性組成物に照射することにより行えばよいが、硬化手段として紫外線を用いることが特に好ましい。この際に用いる紫外線発生源としては、実用性、経済性の面から一般に使用されている紫外線ランプでよい。
紫外線ランプの具体例としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、セノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。
光エネルギー照射時の雰囲気下は、空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよいが、実用性、経済性の面からは空気中が好ましい。
次に、本発明の光ディスクにおける保護層について詳細に説明する。
本発明の光ディスクは、前記記録層の表面を保護するために、前記記録層上に光硬化型組成物を塗布、硬化させた保護層を有する構造である。
該保護層は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)、(A)以外のエチレン性不飽和化合物(B)、光重合開始剤(C)を含む組成物(以下、保護層形成用組成物という)を塗布、硬化してなる層である。
この組成物は、低収縮で、その硬化物は透明性が高く、記録膜保護性能や、硬度、耐衝撃性、機械的強度等の耐久性に優れるものである。
保護層形成用組成物の(A)成分であるウレタン(メタ)アクリレート化合物は、組成物に低収縮性を、得られる硬化物に硬度、耐衝撃性等の耐久性を付与する成分である。
本発明に使用するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、特に限定されるものではない。
(A)成分の具体例としては、例えば、有機ジイソシアネート化合物の1種単独または2種以上の混合物に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のNCO反応性ヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルの1種単独または2種以上の混合物を反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート類や、アルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリブタジエンジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、スピログリコール、アミドヒドロキシ化合物等の1種または2種以上の混合物からなるアルコール類の水酸基に有機ジイソシアネート化合物を付加し、残ったイソシアネート基に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のNCO反応性ヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
このうち、低収縮、透明性および硬度の性能がバランスよく発現する傾向にあることから、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性(メタ)アクリロイルオキシ基、少なくとも1個のアミド基、および少なくとも2個のウレタン基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
このようなウレタン(メタ)アクリレート化合物は、例えば下記(a1)〜(a4)の4成分から合成することができる。
(a1)分子内に1個以上のアミド基、および少なくとも2個のNCO反応性ヒドロキシ基を有するアミドヒドロキシ化合物
(a2)ポリエーテルジオール、ポリエステルジオールおよびポリカーボネートジオールから選ばれる少なくとも1種のジオール化合物
(a3)有機ジイソシナネート化合物、および
(a4)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のNCO反応性ヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル
この分子内に1個以上のアミド基、および少なくとも2個のNCO反応性ヒドロキシ基を有するアミドヒドロキシ化合物(a1)は、本発明の組成物を重合硬化してなる硬化物の伸度を維持したまま、機械的強度を向上させるという、靭性を向上させる作用を有する成分である。
(a1)成分の具体例としては、環状ヒドロキシカルボン酸エステルとアンモニア、または1個の第一級または第二級アミノ窒素を含む化合物との反応生成物が挙げられる。
環状ヒドロキシカルボン酸エステルの具体例としては、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができるが、上記した中でもγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンが特に好ましい。
1個の第一級または第二級アミノ窒素を含む化合物の具体例としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、6−アミノ−1−ヘキサノール、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノデカン等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
中でも、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびN−メチルエタノールアミンが特に好ましい。
環状ヒドロキシカルボン酸エステルと1個の第一級または第二級アミノ窒素を含む化合物の反応は、当モル量の両者を混合し、約100℃で6〜24時間加熱することにより行われる。
最も好ましい(a1)成分としては、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド等が挙げられる。
前記(a2)成分であるポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、およびポリカーボネートジオールから選ばれる少なくとも1種のジオール化合物は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)の硬化物の柔軟性と伸度をさらに向上させ、低収縮性を与える作用を有するものである。これは、特に限定されるものではなく、種々市販されている公知のものでよい。
(a2)成分の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール(n=6〜20)、ポリプロピレングリコール(n=6〜20)、ポリブチレングリコール(n=6〜20)、1−メチルブチレングリコール(n=6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アルキレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付加(n=2〜10)ジオール、ポリカーボネートジオール(炭素数4〜6の脂肪族骨格)、フタル酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール、マレイン酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール、フマル酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール等が挙げられる。
これらは、1種単独または2種以上を併用して用いることができる。
上記した中でも、ポリブチレングリコール(n=6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アルキレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付加(n=2〜10)ジオールが特に好ましい。
また、この中でも、重量平均分子量は300〜2000程度のものが好ましい。
前記(a3)成分である有機ジイソシナネート化合物は、前記2種のジオール成分にウレタン結合を導入し、強靱性を増すための必須成分であるだけでなく、後述するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを付加するためのウレタン(メタ)アクリレート合成における必須成分である。
(a3)成分の具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−イソシアナトフェニル)メタン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタン、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
これらは1種単独または2種以上を併用して用いることができる。
上記した中でも、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネートが好ましい。
更に、硬化物に優れた耐候性を付与できることから、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環族骨格のジイソシナネート化合物が特に好ましく、なかでも、加水分解性塩素量が100ppm以下であるジイソシアネート化合物を使用することが、光ディスクの記録膜保護性能向上の観点から好ましい。
前記(a4)成分である分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のNCO反応性ヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルは、製造したポリウレタン前駆体の末端に付加することで、ラジカル反応性を付与する成分である。
前記(a4)成分の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
これらは、1種単独または2種以上を併用して用いることができる。
上記した中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明において、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)を構成する、(a1)〜(a4)の使用比率は、モル当量で、[(a3)]/[(a1)+(a2)]/[(a4)]=2.0/0.8〜1.2/0.8〜1.2で、かつ(a1)/(a2)=0.2〜1.0/1.0〜0.2である。
具体的な合成方法としては、例えば、(a1)成分と(a2)成分の総ヒドロキシル基含有当量で0.9モル当量を合成釜内に仕込み、これに加熱・攪拌下、(a3)成分のイソシアネート2.0モル当量を滴下することで前駆体のイソシアネート末端ポリウレタンが得られる。これに更に(a4)成分の1.1から1.3モル当量分を滴下、加熱付加することにより、(A)成分のウレタン(メタ)アクリレート化合物が得られる。
なお、ここでいうモル当量とは、使用する化合物のモル数と官能基数を乗じた数である。
具体的には、分子内に1個以上のアミド基、および少なくとも2個のNCO反応性ヒドロキシ基を有するアミドヒドロキシ化合物(a1)、および、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、およびポリカーボネートジオールから選ばれる少なくとも1種のジオール化合物(a2)の場合は、分子内のヒドロキシル基数(2)と使用モル数を乗じた数を指す。
有機ジイソシナネート化合物(a3)の場合は、分子内のNCO基数(2)と使用モル数を乗じたものを指す。
分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のNCO反応性ヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(a4)の場合は、使用モル数を指す。
保護層形成用組成物の(B)成分である(A)成分以外のエチレン性不飽和化合物化合物は、組成物を塗装に適した粘度に調整し、さらに硬化性および耐久性を向上する成分である。
(B)成分の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;
ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA等のジ(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデカニル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル類;
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
ジアリルフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物類;
アクリルアミド、 N,N−ジメチルアクリルアミド、 N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;
フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールおよび(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート類;
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類とエピクロルヒドリンの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸またはその誘導体を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらの化合物は、1種または2種以上を併用して用いることができる。
本発明において、(B)成分は、耐水性に優れることから、分子内に環状構造を有する化合物が好ましい。
この分子内に環状構造を有する化合物の具体例としては、例えば、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデカニル等の化合物類や、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類とエピクロルヒドリンの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸またはその誘導体を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
この中でも、粘度と耐熱性のバランスに優れることから、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートおよびビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
また、そのうち、得られる組成物の粘度および重合に伴う体積収縮率が低いことから、重量平均分子量800〜5000の範囲にあるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートの重量平均分子量が800より低いと、得られる組成物の重合に伴う体積収縮率が大きくなり、光ディスクの反りが大きくなる傾向にある。
また、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートの重量平均分子量が5000を超えると組成物の粘度が極端に高くなり、塗工作業性が低下する傾向にある。
保護層形成用組成物において、(A)成分と(B)成分の配合比率は特に限定されないが、本発明の光ディスクにバランスよく諸物性を付与するという観点から、(A)成分と(B)成分の配合比率は、(A)成分と(B)成分の合計量100質量%中、(A)成分は20〜80質量%の範囲、(B)成分は20〜80質量%の範囲が好ましい。
特に(A)成分は25〜75質量%の範囲がより好ましく、(B)成分は25〜75質量%の範囲がより好ましい。
(A)成分が20質量%より少ない場合、つまり(B)成分が80質量%を超える場合には、得られる保護層の機械的強度が低下し、かつ重合硬化に伴う体積収縮率が増加して、光ディスクの反りが大きくなる傾向にある。また、(A)成分が80質量%を超える場合、つまり(B)成分が20質量%より少ない場合には、組成物の液粘度が高くなり、光ディスクへの塗工作業性が低下する傾向にある。
保護層形成用組成物の(C)成分である光重合開始剤は、効率よく活性エネルギー線照射により硬化させるための成分であり、特に限定されるものではない。
この(C)成分の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
例えば、光ディスクの読み取りに用いるレーザーの波長が380〜800nmの範囲である場合には、読みとりに必要なレーザー光が十分に保護層を通過するよう、光重合開始剤の種類および使用量を適宜選択して用いることが好ましい。
この場合、得られる保護層がレーザー光を吸収し難い、短波長感光型光重合開始剤を使用することが特に好ましい。
この短波長感光型光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
保護層形成用組成物において、光重合開始剤(C)の含有量は特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、0.001〜10質量部の範囲が好ましく、0.01〜9質量部の範囲がさらに好ましく、0.1〜7質量部の範囲が特に好ましい。
本発明において、(C)成分の含有量が0.001質量部より少ないと、塗膜の硬化性が不十分となる傾向にあり、10質量部を超えると、塗膜の深部硬化性が不良となったり、硬化膜が着色して、青色レーザーでの記録層の情報読みとりが不良となる傾向にある。
更に、保護層形成用組成物には、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の公知の光増感剤を添加することもできる。
以上が本発明の光ディスクにおける、保護層形成用組成物の構成成分であるが、その性能を損なわない範囲であれば、必要に応じて、例えば、熱可塑性高分子、滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等、公知の添加剤等を適宜配合して用いてもよいが、特に酸化防止剤や光安定剤が保護層の着色を防ぐために好適に用いられる。
また、本発明の光ディスクにおけるハードコート層について、以下に説明する。
本発明の光ディスクは、前記保護層に優れた表面硬度とスリップ性を付与するために、前記保護層上にハードコート層を有する構造である。該ハードコート層もまた、光硬化性組成物の硬化物層であり、具体的には、(d1)コロイダルシリカ微粒子と(d2)有機シラン化合物の加水分解生成物を縮合反応して得られる有機被覆シリカ(D)、エチレン性不飽和化合物(E)、スリップ剤(F)、および光重合開始剤(C)を含む組成物(以下、ハードコート層形成用組成物という)を塗布、硬化してなる層である。
前記有機被覆シリカ(D)は、コロイダルシリカ微粒子(d1)と有機シラン化合物の加水分解生成物(d2)の存在下で、コロイダルシリカ微粒子中の分散媒を常圧または減圧下でトルエン等の非極性溶媒とともに共沸留出させ、該分散媒を非極性溶媒に置換した後、加熱下で反応させる工程で行うことにより製造できる。
この有機被覆シリカ(D)は、ハードコート層の耐摩耗性、耐久性を付与する成分である。
以下、(D)成分の製法について、具体例を挙げて詳細に説明する。
ここでいうコロイダルシリカ微粒子(d1)と有機シラン化合物の加水分解生成物(d2)の存在下とは、有機シラン化合物の加水分解生成物が一般式(I)で示される単量体を加水分解して得たシラノール化合物である場合、下記2通りの方法により得られる状態を意味する。
[1] (d1)成分と一般式(I)で示される単量体を混合した後、加水分解触媒を加え、常温または加熱下で攪拌する等の常法により(d1)および(d2)を共存させる手法。
[2] 予め一般式(I)で示される単量体を加水分解して得た(d2)成分と(d1)成分を混合し、共存させる手法。
前記[1]および前記[2]の方法により得られたものに、一般式(I)で示される単量体1モルに対して、アルコール溶媒等有機溶媒の存在下または非存在下において、前記[1]の方法の場合には(d1)成分も存在下、0.5〜6モルの水、あるいは0.001〜0.1規定の塩酸または酢酸水溶液等の加水分解触媒を加え、加熱下で攪拌しつつ、加水分解で生じるアルコールを系外に除去することにより、加水分解生成物は製造できる。
次いで行われる縮合反応は、以下の如く行えばよい。
具体的には、前記[1]の方法で得られた(d2)成分存在下、前記[2]の方法ではここで(d2)成分を加えて、まず、コロイダルシリカ微粒子(d1)中の分散媒と縮合反応で生じる水を常圧または減圧下で60〜100℃、好ましくは70〜90℃の温度で共沸留出させ、固形分濃度を50〜90質量%とする。
次に系内にトルエン等の非極性溶媒を加え、この非極性溶媒、水、およびコロイダルシリカ微粒子の分散媒をさらに共沸留出させながら60〜150℃、好ましくは80〜130℃の温度で固形分濃度を30〜90質量%、好ましくは50〜80質量%に保持しながら、0.5〜10時間攪拌し縮合反応を行う。
この際、反応を促進させる目的で、水、酸、塩基、塩等の触媒を用いてもよい。
このようにして、有機被覆シリカ(D)を得ることができる。
ハードコート層形成用組成物は、このようにして得られた、親水性であるコロイダルシリカ微粒子表面をシリコーンで被覆して疎水化した有機被覆シリカ(D)を用いることにより、組成物に含まれるエチレン性不飽和化合物(E)との相溶性が向上し、透明性が良好な硬化被膜が得られる。
以下、ハードコート層形成用組成物において、有機被覆シリカ(D)を得るために用いる(d1)成分および(d2)成分について説明する。
(d1)成分であるコロイダルシリカ微粒子は、一次粒子径が1〜200nmの範囲の無水ケイ酸の超微粒子を、水または有機溶媒に分散させた状態のものであるが、特に限定されるものではない。
この無水ケイ酸の超微粒子の分散に使用される分散媒の具体例としては、例えば水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤;エチレングリコールなどの多価アルコール系溶剤;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどの多価アルコール誘導体;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン系溶剤;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなどのモノマー類等が挙げられる。
この中でも、炭素数3以下のアルコール系溶剤が、(d2)成分との反応工程上、特に好ましい。
このようなコロイダルシリカ微粒子(d1)は、公知の方法で製造することもできるが、市販もされている。
本発明において、(d1)成分の一次粒子径は1〜200nmの範囲であることが好ましく、5〜80nmの範囲が特に好ましい。
(d1)成分の一次粒子径が1nmより小さい場合には、(d2)成分との反応工程においてゲル化を起こしやすく、また、一次粒子径が200nmを超える場合には、硬化被膜の透明性が低下する傾向にある。
コロイダルシリカ微粒子(d1)は、硬化被膜の耐摩耗性を著しく改善でき、特に、ケイ砂等の微粒子に対する耐摩耗性の改善効果が大きい。しかしながら、コロイダルシリカを単独で硬化被膜とした場合には、透明性が低下したり、保護層に対する密着性が劣る。
(d2)成分を得るための有機シラン化合物としては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。
この具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリス(3−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
また、これらの化合物のエポキシ基やグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加したシラン化合物、アミノ基に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有する化合物をマイケル付加したシラン化合物、アミノ基やメルカプト基に(メタ)アクリロイルオキシ基およびイソシアネート基を有する化合物を付加したシラン化合物、イソシアネート基に(メタ)アクリロイルオキシ基および水酸基を有する化合物を付加したシラン化合物等も用いることができる。
この中でも、ハードコート層形成用組成物において、最も好ましい有機シラン化合物は、前記一般式(I)で示される単量体である。
一般式(I)で示される単量体は、加水分解してシラノール化合物とし、コロイダルシリカ微粒子(d1)と予め反応させることにより、エチレン性不飽和化合物(E)との相溶性を向上させる成分である。
一般式(I)で示される単量体としては、活性エネルギー線照射により重合活性を示すアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、スチリル基またはビニル基を有するシラン化合物が用いられる。
このようなシラン化合物を用いることにより、(E)成分との化学結合形成が可能な光硬化性の有機被覆シリカ(D)を形成することができ、かつ得られる硬化被膜に強靭性を付与することができる。
ハードコート層形成用組成物において用いる、一般式(I)で示される単量体の具体例としては、例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
この中でも、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランから選択されるシラン化合物は、(E)成分との反応性が優れる点で特に好ましい。
ハードコート層形成用組成物において、有機被覆シリカ(D)を得る際に用いる非極性溶媒は、誘電率、双極子能率あるいは水素結合パラメータを基準として選ばれるものであり、広義には、中程度の極性を有する溶媒も含むものである。
例えば、20℃の誘電率が2〜10の範囲の非極性溶媒が本発明においては好ましい溶媒である。
非極性溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル等のエーテル類;メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;1−メトキシ−2プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体等を挙げることができる。
また、エチレン性不飽和化合物、例えば、1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体を非極性溶媒として用いることもできる。
これらの非極性溶媒のなかでも、炭化水素類、芳香族炭化水素類、または多価アルコール誘導体は、(d1)成分と(d2)成分との反応の面から好ましく、特に好ましい非極性溶媒としては、トルエン、1−メトキシ−2プロパノールを挙げることができる。
(D)成分の製造工程において、反応中の固形分濃度は30〜90質量%の範囲が好ましい。
この固形分濃度が30質量%より低い、すなわち溶媒が70質量%を超える場合には、(d1)成分と(d2)成分との反応が不十分となり、これを用いた被覆組成物を用いて得られる架橋硬化被膜は、透明性が劣る傾向にある。
一方、この固形分濃度が90質量%を超えると、縮合反応が急激に起こり、反応系がゲル化状態となる等、組成物の塗工作業性や得られる硬化物の物性が不良となる傾向にある。
(D)成分を得るために行う縮合反応中の温度は、60〜150℃の範囲が好ましい。これは、反応温度が60℃より低い場合には、反応が十分に進行しないため反応時間が長くなる傾向にあり、一方反応温度が150℃を超える場合には、シラノールの縮合以外の反応が起こったり、またはゲルが生成する等の不都合が生じる傾向にある。
この(D)成分の製造において、反応工程での(d1)成分の固形分と(d2)成分の固形分との使用割合は、質量比で(d1)/(d2)=40〜90/10〜60、好ましくは50〜80/20〜50(合計100質量部)である。
(d1)成分の含有量が90質量部を超えると、反応系が白濁したり、ゲルが生成したりする等の不都合が生じる傾向にあり、またこれを用いた硬化被膜はクラックが発生し易い傾向にある。
一方、(d1)成分が40質量部より少ないと、反応が不十分となり、また、これを用いた硬化被膜の耐摩耗性が低下する傾向にある。
このように、非極性溶媒中で(d1)成分と(d2)成分とを反応させることにより、本発明のハードコート層形成用組成物は硬化性が改善され、5μm以下の薄膜ハードコート層を形成することが可能となり、かつ大気雰囲気下においても透明で耐摩耗性に優れるハードコート層の形成が可能となる。
前記の方法以外で製造された有機被覆シリカを用いたハードコート層形成用組成物では、その硬化性が十分でなく、5μm以下の薄膜、かつ大気雰囲気下では十分に硬化できず、透明性の低下等、外観欠陥が起こりやすく、また、ハードコート層に十分な耐摩耗性や耐久性等を付与することができない。
ハードコート層形成用組成物の配合比率は特に限定されないが、本発明の光ディスクにバランスよく諸物性を付与するという観点から、(D)成分の含有量は、固形分量で(D)、(E)および(F)成分の合計量100質量%中10〜70質量%の範囲、好ましくは20〜60質量%の範囲、さらに好ましくは25〜55質量%の範囲である。
(D)成分の含有量が10質量%より少ない場合には、硬化性が十分ではなく、得られる硬化被膜に十分な耐摩耗性や耐久性が発現しない傾向にあり、一方、70質量%を超える場合には、得られるハードコート層にクラックが発生しやすい傾向にある。
ハードコート層形成用組成物において、(E)成分として用いるエチレン性不飽和化合物は、(D)成分と効率よく反応し、該組成物の硬化性を向上させる成分であり、また、保護層との密着性も付与する必須成分である。
(E)成分の具体例としては、例えば前記(A)成分および前記(B)成分と同様の化合物を用いることができる。
これらの中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレ−ト、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたウレタントリ(メタ)アクリレート、有機ジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート等が特に好ましい。
ハードコート層形成用組成物において、(E)成分の含有量は、(D)、(E)および(F)成分の合計量100質量%中20〜89.99質量%の範囲である。また、好ましくは30〜80質量%の範囲、より好ましくは40〜75質量%の範囲である。
(E)成分の含有量が、20質量%より少ない場合には、得られるハードコート層の耐久性、および基材との密着性が低下する傾向にあり、一方89.99質量%を超える場合には、得られるハードコート層の耐摩耗性が低下する傾向にある。
ハードコート層形成用組成物において、(F)成分として用いられるスリップ剤は、得られるハードコート層にスリップ性を付与するための成分である。
(F)成分は特に限定されるものではないが、例えば、ポリジメチルシロキサン等のシリコーンオイルや変性シリコーンオイル等を挙げることができる。
この中でも、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、アクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、高級アルコキシ変性、フッ素変性等の変性シリコーンが好ましい。
また、メタクリル変性、アクリル変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性および高級アルコキシ変性シリコーンがより好ましい。
これらのスリップ剤(F)のうち、より好ましい例として、市販品である信越化学工業(株)製X−22−164B、X−22−164C、X−22−2404、KF−351、KF−352、KF−410、KF−412、KF−413、KF−414、X−22−715、X−22−904、KF−905およびKF851、日本ユニカー(株)製L−77、L−720、L−722、L7001、L−7002、L7602、L−7604、L−7605、L7607N、Y7006、FZ2104、FZ−2110、FZ2161、FZ2162、FZ2163、FZ2164、FZ2165、FZ2166およびFZ2171、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH510、SH550、SH710、SH203、SH230、SF8427、BY16−005、SH3746、SH3771、SH8400、SH3749、SH3748、SF8410、SH28PA、ダイセル・ユーシービー(株)製EB350、EB1360等を挙げることができる。
(F)成分の含有量は、(D)、(E)および(F)成分の合計量100質量%中0.01〜10質量%の範囲である。
また、好ましくは0.05〜8質量%の範囲、より好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。
(F)成分の含有量が0.01質量%より少ない場合には、得られるハードコート層の動摩擦係数が0.2を超え、スリップ性が低下する傾向にあり、10質量%を超えると、耐摩耗性と空気中での反応性が低下する傾向にある。
光重合開始剤(C)は、ハードコート層形成用組成物を効率よく活性エネルギー線硬化法により硬化させるために必要な成分である。
(C)成分の具体例としては、保護層形成用組成物で前記した通りであるが、5μm以下の薄膜で空気中において硬化させる場合には、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート等が好ましい例として挙げられる。
さらに、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の公知の光増感剤を添加してもよい。
以上が本発明に用いるハードコート層形成用組成物を構成する必須成分であるが、さらに、必要に応じて、有機溶剤、酸化防止剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
前記ハードコート層形成用組成物を塗装するためには、粘度調整の他、分散安定性、さらには基材との密着性およびハードコート層の平滑性、均一性などの面から、有機溶剤を用いることが好ましい。
この有機溶剤としては特に限定されるものではなく、(D)〜(F)成分の合計量100質量部に対して30〜2000質量部の範囲で、好ましくは50〜1000質量部の範囲で、少なくとも1種の有機溶剤を配合すればよい。
使用可能な有機溶剤としては、アルコール系、炭化水素系、ケトン系、エーテル系、エステル系、多価アルコール誘導体、ハロゲン化炭化水素系等の有機溶剤から選ばれる少なくとも1種以上を挙げることができる。
該有機溶剤の具体例としては、例えば、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、高沸点芳香族溶剤(スワゾール1000等)等の炭化水素系溶剤、MEK、MIBK、DIBK、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、エチルエーテル等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル、酢酸メトキシプロピル、酢酸エトキシエチル等のエステル系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノール、メトキシプロピルアセテート、メトキシブタノール、エチルジグリコール等の多価アルコール誘導体溶剤が挙げられる。
これらは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、ハードコート層形成用組成物の均一溶解性、分散安定性、さらには基材との密着性および被膜の平滑性、均一性などの面から、メトキシプロパノールおよびメトキシプロピルアセテートが特に好ましいが、該溶剤を使用する場合、塗装後、活性エネルギー線による硬化を行う前に溶剤を揮発させる必要がある。
その手法としては特に限定されるものではないが、自然乾燥のほか、赤外線乾燥または熱風炉による乾燥等公知の手段を用いて、20〜120℃で1〜60分間の熱処理を行ってもよい。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。
なお、実施例中の反り角とは、光ディスク最外周における保護層側への半径方向の最大反り角を意味する。
<合成例1>[ウレタンアクリレート(UA1:A成分)の製造]
(1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製デスモジュールI:加水分解塩素量60ppm)1112g(10モル当量)、およびジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
(2)N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド193g(2.4モル当量)とポリブチレングリコール(n=12;平均分子量:850)1105g(2.6モル当量)を均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。
(3)次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート581g(5モル当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタンアクリレート(UA1)を製造した。反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により判断し、反応率99%以上であることを確認して、ウレタンアクリレートUA1を得た。
<合成例2>[ウレタンアクリレート(UA2:A成分)の製造]
(1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(住友バイエルウレタン社製デスモジュールW:加水分解塩素量4ppm)1324g(10モル当量)、およびジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
(2)N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド274g(3.4モル当量)とポリブチレングリコール(n=12;平均分子量:850)680g(1.6モル当量)を均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。
(3)次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート581g(5モル当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタンアクリレート(UA2)を製造した。反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により判断し、反応率99%以上であることを確認して、ウレタンアクリレートUA2を得た。
<合成例3>[ウレタンアクリレート(UA3:A成分)の製造]
(1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン1324g(10モル当量)、およびジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
(2)N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブチルアミド70g(0.8モル当量)とポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製プラクセル205;平均分子量:530)848g(3.2モル当量)を均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。
(3)次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2-ヒドロキシエチルアクリレート696g(6モル当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタンアクリレート(UA3)を製造した。反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により判断し、反応率99%以上であることを確認して、ウレタンアクリレートUA3を得た。
<合成例4>[ウレタンアクリレート(UA4:A成分)の製造]
(1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート1112g(10モル当量)、およびジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
(2)N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド161g(2モル当量)とポリカーボネートジオール(旭化成(株)製CX−4710;平均分子量:1002)1303g(2.6モル当量)を均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。
(3)次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート626g(5.4モル当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタンアクリレート(UA4)を製造した。反応の終点は、残存イソシアネート当量の測定により判断し、反応率99%以上であることを確認して、ウレタンアクリレートUA4を得た。
<合成例5>[エポキシアクリレート(EA1:b1成分)の製造]
攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積2リットルの三つ口フラスコに、油化シェルエポキシ(株)製エピコート1001(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量479)958g、アクリル酸144g、メタクリル酸ジメチルアミノエチル11g、テトラヒドロフルフリルアクリレート278.6g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.1g、2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.5g仕込み、95℃で24時間反応させた。反応の終点は酸価測定により行い、酸価1mgKOH/gであることを確認し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(EA1)80質量%およびテトラヒドロフルフリルアクリレート20質量%の混合物を得た。得られた混合物をGPC測定したところ、EA1の重量平均分子量は2360であった。
<合成例6>[エポキシアクリレート(EA2:b1成分)の製造]
攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積2リットルの三つ口フラスコに、油化シェルエポキシ(株)製エピコート1003(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量743)891.6g、アクリル酸86.4g、メタクリル酸ジメチルアミノエチル9.8g、テトラヒドロフルフリルアクリレート247.2g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1g、2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.5g仕込み、95℃で24時間反応させた。反応の終点は酸価測定により行い、酸価1mgKOH/gであることを確認し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(EA2)80質量%およびテトラヒドロフルフリルアクリレート20質量%の混合物を得た。得られた混合物をGPC測定したところ、EA2の重量平均分子量は3910であった。
<合成例7>[エポキシアクリレート(EA3:b1成分)の製造]
攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、油化シェルエポキシ(株)製エピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量189)756g、アクリル酸288g、メタクリル酸ジメチルアミノエチル10.4g、テトラヒドロフルフリルアクリレート263.9g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1g、2,6-ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.5g仕込み、95℃で24時間反応させた。反応の終点は酸価測定により行い、酸価1mgKOH/gであることを確認し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(EA3)80質量%およびテトラヒドロフルフリルアクリレート20質量%の混合物を得た。得られた混合物をGPC測定したところ、EA3の重量平均分子量は700であった。
<合成例8>〔光硬化性シリコーン(CS1:D成分)の製造〕
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた3リットルの4ツ口フラスコに、イソープロパノールシリカゾル(分散媒;イソ−プロパノール、SiO2濃度;30質量%、一次粒子径;12mμ、商品名;IPA−ST、日産化学工業(株))(以下、IPA−STと略記する。)2,000部と、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(商品名;TSL−8370、東芝シリコン(株))(以下、TSL−8370と略記する。)382部を計量し、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水を150部徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間攪拌しながら加水分解を行った。
加水分解終了後、常圧状態でアルコール、水等の揮発成分を留出させ、固形分(IPA−STのSiO2600部とTSL−8370の317部の合計量917部)濃度が約60%の時点でトルエン600部を追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。
次に、トルエン1,500部を数回に分けて追加し、完全に溶媒置換を行い、トルエン分散系とした。このときの固形分濃度は約40質量%であった。
さらに、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を行ない、固形分濃度を約60質量%とした。この後さらにメトキシプロパノール1000部を追加し、トルエンを蒸発留出させ溶媒置換を行い、メトキシプロパノール分散系とした。得られた光硬化性シリコーン(以下、SC−1と略記する。)は、黄色状でニュートン流体の透明、粘稠な液体であり、25℃の粘度が30mP・sであった。また、固形分濃度は加熱残分で58質量%であった。
なお、加熱残分は、(加熱後の重量(g)/加熱前重量(g))100(質量%)で示し、加熱条件は105℃で3時間である。
このようにして合成例1〜8で得られた化合物を使用して、以下実施例を行った。
[実施例1]
(1)保護層形成用組成物の調製
(A)成分として合成例1で得られたUA1を50質量部、(B)成分として合成例6で得られたビスフェノールA型エポキシアクリレートEA2とテトラヒドロフルフリルアクリレートの混合物を18.75質量部(その内、EA2は15質量部、テトラヒドロフルフリルアクリレートは3.75質量部)、テトラヒドロフルフリルアクリレート16.25質量部、イソボルニルアクリレート15質量部、(C)成分として1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン3質量部を混合溶解し、保護層形成用組成物を得た。
(2)ハードコート層形成用組成物の調製
(D)成分として合成例8で得られたSC−1を86.2質量部(固形分として50質量部、溶剤成分として1−メトキシ−2−プロパノールを36.2質量部含む)、(E)成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート47質量部、(F)成分として日本ユニカー(株)製ポリエーテル変性シリコーンL−7001を3質量部、(C)成分としてチバスペシャリティーケミカルズ(株)製光重合開始剤イルガキュア907を6質量部混合溶解し、ハードコート層形成用組成物を得た。
(3)評価用光ディスクの作製および評価
帝人化成(株)製パンライトAD9000TG(ポリカーボネート樹脂)を射出成型して得た光ディスク形状を有する透明円盤状基板(直径12cm、板厚1.1mm、反り角0度)に、前記保護層形成用組成物をスピンコーターを用いて、平均膜厚98μmとなるように塗装し、ランプ高さ10cmの高圧水銀灯(120W/cm)により、積算光量1000mJ/cm2のエネルギー量で硬化させて、保護層を有する透明円盤を得た。
さらにその保護層上に前記ハードコート層形成用組成物をスピンコーターを用いて平均膜厚2μmとなるように塗装し、室温で1分間放置して組成物中に含有されるメトキシプロパノールを揮発させた後、ランプ高さ10cmの高圧水銀灯(120W/cm)により、積算光量1000mJ/cm2のエネルギー量で硬化させて、保護層およびハードコート層を有する透明円盤を得た。
得られた透明円盤について、ジャパンイーエム(株)製DLD−3000光ディスク光学機械特性測定装置を用いて、20℃、50%RH環境下にて、反り角を測定したところ、反り角は0.1度であり、良好な機械特性を示した。
該円盤を80℃、85%RHの環境条件下に100時間放置した後、取り出して20℃、50%RHの環境条件下に100時間放置して、再び反り角を測定したところ、反り角は0.2度であり、良好な機械特性を示した。なお、反り角の範囲は0〜0.3度を許容範囲とした。
更に、JIS K−7125準拠し、滑り片としてABS樹脂を用い、動摩擦係数を測定したところ、0.1であり、良好なスリップ性を示した。なお、動摩擦係数の範囲は0.2未満を許容範囲とした。
次にASTM D−1044に準拠し、摩耗輪CS−10F、荷重500g、回転数100サイクルの条件で摩耗テストを行った。摩耗した後、試料を中性洗剤を用いて洗浄し、ヘーズメータで曇価を測定して、初期との曇価の差をデルタヘーズとして測定したところ、2%であり良好な耐摩耗性を示した。なお、耐摩耗性はデルタヘーズ10%未満を許容範囲とした。
次に、帝人化成(株)製パンライトAD9000TGを射出成型して得た、直径12cm、板厚1.1mmの透明円盤にバルザース(株)製スパッタリング装置CDI−900により、アルミニウム合金を膜厚50nmでスパッタリングし、信号記録面にアルミ合金反射膜を有する光ディスクを得た。
得られた光ディスクのアルミ合金反射膜上に、前記保護層形成用組成物をスピンコーターで平均膜厚98μmとなるように塗装し、ランプ高さ10cmの高圧水銀灯(120W/cm)により、積算光量1000mJ/cm2のエネルギー量で硬化させて、保護層を有する光ディスクを得た。
さらにその保護層上に前記ハードコート層形成用組成物をスピンコーターを用いて平均膜厚2μmとなるように塗装し、室温で1分間放置して組成物中に含有されるメトキシプロパノールを揮発させた後、ランプ高さ10cmの高圧水銀灯(120W/cm)により、積算光量1000mJ/cm2のエネルギー量で硬化させて、記録層、保護層およびハードコート層を有する光ディスクを得た。
該光ディスクを80℃、85%RHの環境条件下に100時間放置した後、取り出して、微分干渉顕微鏡にて800倍の倍率でアルミ合金面を観察したところ、白化やピンホール等の腐食は発生しておらず、良好な保護性能を示した。
また、同様にして得られた光ディスクのアルミ合金面から、保護層およびハードコート層を一体で剥離し、得られた透明膜について、日立製作所(株)製分光光度計U−3400を用いて、波長400nmでの光線透過率を測定したところ85%であり、良好な光透過率であった。
なお、400nm光線透過率は70%以上を許容範囲とした。
[実施例2〜5、比較例4]
表1の実施例2〜3および比較例4の欄に示す保護層形成用組成物およびハードコート層形成用組成物を用いて、実施例1と同様にして光ディスクを得て、評価を行った。この評価結果は、それぞれ表1に示した。
[比較例1〜3]
表1の比較例1〜3の欄に示す保護層形成用組成物を用いて、実施例1と同様に保護層を形成した。このハードコート層を有さない光ディスクについて、実施例1と同様に評価を行い、この評価結果を表1に示した。
Figure 2005158253
表1中の略号は、以下の通りである。
注1:反り角が測定装置の測定可能範囲(1度)を大きく超え、測定不可能
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
TCDA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
BPE4:ビスフェノールAテトラオキシエチレンジアクリレート
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
NPGDA:ネオペンチルグリコールジアクリレート
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
HCPK:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン
BNP:ベンゾフェノン
EPA:p−ジメチルアミノ安息香酸エチル
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート

Claims (2)

  1. 基板、記録層、保護層、ハードコート層の順に積層された光ディスクであって、該保護層が、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)、(A)以外のエチレン性不飽和化合物(B)、および光重合開始剤(C)を含む組成物の硬化物層であり、該ハードコート層が、コロイダルシリカ微粒子(d1)および有機シラン化合物の加水分解生成物(d2)を縮合反応して得られる有機被覆シリカ(D)、エチレン性不飽和化合物(E)、スリップ剤(F)、および光重合開始剤(C)を含む組成物の硬化物層である光ディスクであり、ハードコート層の厚みが0.3〜3μmである光ディスク。
  2. 有機シラン化合物の加水分解生成物(d2)が、下記一般式(I)
    Figure 2005158253
    (式中、Xはメタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、スチリル基またはビニル基を、R1は直接結合もしくは炭素数1〜8の直鎖型または分岐型アルキレン基を、R2、R3は炭素数1〜8の直鎖型または分岐型アルキル基を、aは1〜3の正の整数を、bは0〜2の正の整数を示し、a+bは1〜3の正の整数である。)
    で示される単量体を加水分解して得たシラノール化合物である、請求項1記載の光ディスク。
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