[go: up one dir, main page]

JP2002234906A - 紫外線硬化性樹脂組成物 - Google Patents

紫外線硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2002234906A
JP2002234906A JP2001032442A JP2001032442A JP2002234906A JP 2002234906 A JP2002234906 A JP 2002234906A JP 2001032442 A JP2001032442 A JP 2001032442A JP 2001032442 A JP2001032442 A JP 2001032442A JP 2002234906 A JP2002234906 A JP 2002234906A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylate
resin composition
curable resin
ultraviolet
propylene glycol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001032442A
Other languages
English (en)
Inventor
Noritaka Hosokawa
範孝 細川
Kazuhide Hayama
和秀 葉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001032442A priority Critical patent/JP2002234906A/ja
Publication of JP2002234906A publication Critical patent/JP2002234906A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高度な耐摩耗性およびスリップ性に優れた被膜
を形成する紫外線硬化性樹脂組成物で、かつスピンコー
ターでの塗工性に優れる光ディスクのハードコート剤を
提供する。 【構成】(a)アルコキシシリル基を有するアクリレー
トとシリカゾルを加水分解縮合して得られる有機・無機
複合体、(b)分子中に3個以上のアクリロイル基を有
する多官能アクリレート、(c)オルガノポリシロキサ
ン骨格を有するアクリル樹脂、(d)プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル及び/又はプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、および(e)光重合
開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度な耐摩耗性お
よびスリップ性に優れた被膜を形成する紫外線硬化性樹
脂組成物に関し、更に詳しくは、スピンコーターでの塗
工性に優れる光ディスク、液晶基板用樹脂板などのオー
バーコート剤として有用な紫外線硬化性樹脂組成物およ
びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチック製品、例えば、ポ
リカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチ
レンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢
酸セルロース等は、その軽量性、易加工性、耐衝撃性な
どに優れているので種々の用途に使用されている。しか
しながら、これらプラスチック製品は表面硬度が低いた
め傷がつき易く、ポリカーボネートのような透明な樹脂
においては、その樹脂が持つ本来の透明性あるいは外観
を著しく損なうという欠点があり、耐摩耗性を必要とす
る分野でのプラスチック製品の使用を困難なものとして
いる。このため、これらプラスチック製品の表面に耐摩
耗性を付与する活性エネルギー線硬化性ハードコート材
料が求められている。
【0003】光ディスク基板はポリカーボネート板が使
用されており、これまでも傷付き防止のためハードコー
ト剤で表面処理が行われている。これまでの光ディスク
は、光ディスク基板の記録層の反対側に光ヘッドが設け
られているため、光ヘッドから出射した読み出し光およ
び記録光が、基板を通過して記録層に到達する、いわゆ
る基板面入射方式が採られているが、最近、記録層に対
し光ヘッドを対向させて設け、基板を介さずに記録層側
から光を照射する、いわゆる膜面入射により記録再生を
行うことで、対物レンズの開口数を大きくし、光スポッ
トを小さくすることにより大容量化を図ることが提案さ
れている。しかしながらこの方式では光ディスクとヘッ
ドとの距離は、従来の基板面入射方式の1mmと比較
し、2〜10μmと小さくなる。この方式では、光ディ
スクとヘッドの距離が小さいため、光ディスクとヘッド
の間に入ったほこりにより、光ディスク表面は従来以上
に傷付き易い。このため、光ディスクのオーバーコート
剤として、光ディスクとヘッドの間に入ったほこりがと
れやすくするためのスリップ性を有し、かつ従来以上の
耐摩耗性を有するハードコート剤が求められている。
【0004】また、従来使用されている液晶表示用パネ
ルはガラス板を基板とするものであるが、ガラス基板の
パネルではガラスの低密度化と機械的強度の向上に関し
て限界があるため、現在強く要望されている軽量化、薄
型化に対し十分対応できない状況にある。このため、ガ
ラスに替わり軽量化、薄型化の図れる樹脂板を液晶基板
として用いることが検討されているが、樹脂板はガラス
板と比較しガスバリア性や耐摩耗性に劣るため、樹脂板
上にSiOxなどのケイ素酸化物のガスバリア膜を形成
した後、ハードコート層を形成する方法が考えられてい
る。また、この樹脂板を用い液晶表示パネルを作成する
工程においては、偏光板を積層する際の作業性を良くす
るため樹脂板表面に滑り性が要求されている。これらの
ことから、液晶基板用樹脂板のオーバーコート剤として
も、スリップ性と高度な耐摩耗性を有するハードコート
剤が求められている。
【0005】高度な耐摩耗性を有するハードコート剤と
して、紫外線硬化性樹脂である多官能アクリレートに加
え、無機材料であるシリカゾルを用いる組成物が特表昭
57−500984、特開平3−56514、特開平5
−179157、特開平5−287215等に開示され
ている。しかしながら、これらのハードコート剤はスピ
ンコーターでの塗布を想定していないため、スピンコー
ターで塗布すると溶剤の乾燥性が速く塗工面にスジが入
る等、良好な塗工面が得られない。一方、スピンコータ
ーで好適に用いることのできるプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルやプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテートを溶剤に用いると、これら溶剤を分散
媒とするシリカゾルは多官能アクリレートを加えると二
次凝集が起こるという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高度な耐摩
耗性およびスリップ性に優れた被膜を形成する紫外線硬
化性樹脂組成物で、かつスピンコーターでの塗工性に優
れる光ディスク、液晶基板用樹脂板などのハードコート
剤を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】これらの課題を達成する
ため鋭意検討を進めた結果、シリカゾルを、アルコキシ
シリル基を有するアクリレート化合物と加水分解縮合し
て、有機・無機複合体を形成することにより、シリカゾ
ル表面が表面処理され、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテートをシリカゾルの分散媒として用いても多官能
アクリレートと共存できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち本発明は、(a)アルコキシシリ
ル基を有するアクリレートとシリカゾルを加水分解縮合
して得られる有機・無機複合体、(b)分子中に3個以
上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート、
(c)オルガノポリシロキサン骨格を有するアクリル樹
脂、(d)プロピレングリコールモノメチルエーテル及
び/又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、及び(e)光重合開始剤を含有する樹脂組成物
であって、前記(a)有機・無機複合体の含有量が、該
樹脂組成物の固形分量の15〜80重量%であることを
特徴とするする紫外線硬化性樹脂組成物を提供するもの
である。
【0009】また、本発明は、上記紫外線硬化性樹脂組
成物の硬化物層を有することを特徴とする光ディスク又
は液晶基板用樹脂板を提供するものである。また、本発
明は、アルコキシシリル基を有するアクリレートとシリ
カゾルを、シリカゾル(固形分)100重量部に対し
て、アクリレートのアルコキシシリル基1〜20重量部
の割合で加水分解縮合して得られる有機・無機複合体を
提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施の形
態について詳細に説明する。 (a)アルコキシシリル基を有するアクリレートとシリ
カゾルを加水分解縮合して得られる有機・無機複合体:
本発明のアルコキシシリル基を有するアクリレートは、
官能基とアルコキシシリル基を有する化合物(シランカ
ップリング剤)とアクリレートを反応することにより得
られる。シランカップリング剤の官能基としては、イソ
シアネート基、エポキシ基、アミノ基などがあげられ
る。
【0011】具体的には、例えば、イソシアナトプロピ
ルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエト
キシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシ
ラン、イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン等
のイソシアネート基を有するシランカップリング剤:γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、β−(3、4エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポ
キシ基を有するシランカップリング剤:γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−
フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等の
アミノ基を有するシランカップリング剤があげられる。
【0012】イソシアネート基を有するシランカップリ
ング剤に対しては、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロ
キシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノ
キシプロピルアクリレート、ビス(アクリロキシエチ
ル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアク
リレート等の水酸基含有アクリレートを付加反応させ
る。
【0013】エポキシ基を有するシランカップリング剤
に対しては、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエ
チルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水
酸基含有アクリレートと無水コハク酸、無水マレイン
酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ト
リメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物を反応
して得られるカルボキシル基含有アクリレートを付加反
応させる。
【0014】アミノ基を有するシランカップリング剤に
対しては、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチ
ルイソシアヌレート、トリス(アクリロキシエチル)イ
ソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト等を付加反応(マイケル付加)させる。
【0015】上記したイソシアネート基、エポキシ基、
アミノ基を有するシランカップリング剤と反応させるア
クリレートは、光重合硬化性、塗膜の耐摩耗性などの面
から1分子中に2〜5個のアクリロイル基を有する多官
能アクリレートが好ましい。
【0016】次に、シリカゾルとしては、有機溶剤を分
散媒とする粒子径5〜100nm程度のシリカゾルを用
いることができる。具体的には、例えば、メチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、
エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセト
アミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、キシレンとn−ブチルアルコールの混合溶媒等を分
散媒としたものが挙げられる。また、水を分散媒とする
シリカゾルも、上記の有機溶剤に溶剤置換することによ
り用いることができる。
【0017】(a)の有機・無機複合体は、アルコキシ
シリル基を有するアクリレートとシリカゾルおよび水、
加水分解触媒を配合し、室温〜80℃で1時間〜7日間
加水分解縮合反応することにより得られる。水の添加量
はアルコキシシリル基が理論量として100%加水分解
し得る量以上の量であればよく、100〜300%相当
量、好ましくは100〜200%相当量を添加する。加
水分解触媒としては、例えば、アセチルアセトンアルミ
ニウム、ホウ酸ブトキシド、酢酸、塩酸、マレイン酸、
シュウ酸、フマル酸、ジブチルスズジラウレート、ジブ
チルスズジオクテート、p−トルエンスルホン酸および
これらの混合物を使用することができる。その使用量は
アルコキシシリル基を有するアクリレート100重量部
に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜5重
量部である。
【0018】アルコキシシリル基を有するアクリレート
とシリカゾルの配合割合は、アクリレートのアルコキシ
シリル基(−SiRm(OR)n:R=メチル基、エチル
基などのアルキル基、フェニル基などの芳香族炭化水素
基を示す。また、m+n=3、n=1〜3を示す。)と
シリカゾルの固形分の重量比が、通常0.01〜0.2
0、好ましくは0.02〜0.15である。アルコキシ
シリル基とシリカゾルの重量比が0.20を超えると、
アルコキシシリル基とシリカゾルの反応以外に、アルコ
キシシリル基間同士の架橋反応(副反応)が増加しゲル
化するためハードコート剤として用いることができな
い。一方、0.01以下では得られる有機・無機複合体
量が低下し、溶剤をプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートに置換すると、アクリレートの存在下、シリカゾ
ルの二次凝集が起こりハードコート剤として用いること
ができない。
【0019】シリカゾルの固形分量は、紫外線硬化性樹
脂の固形分100重量%に対して好ましくは10〜60
重量%、より好ましくは20〜50重量%である。シリ
カゾルの固形分量が10重量%未満では、得られる硬化
被膜の耐摩耗性が十分でない。また、シリカゾルの固形
分量が60重量%を超えると、紫外線硬化性樹脂組成物
の粘度が高くなり、スピンコーターで塗工できる粘度ま
で低下するためには、紫外線硬化性樹脂組成物の固形分
を下げることになり、それに伴い、乾燥性が悪くなり、
また十分な塗膜厚の確保が困難となり好ましくない。上
記のような範囲でシリカゾルを使用すると、紫外線硬化
性樹脂組成物の固形分量中における(a)有機・無機複
合体の含有量は15〜80重量%となる。
【0020】(b)分子中に3個以上のアクリロイル基
を有する多官能アクリレート:分子中に3個以上のアク
リロイル基を有する多官能アクリレートとしては、例え
ば、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げること
ができる。有機・無機複合体に加え、これらの分子中に
3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート
を、紫外線硬化性樹脂組成物の固形分に対して、20〜
85重量%、好ましくは25〜80重量%用いることに
より、高度な耐摩耗性を発現することができる。
【0021】(c)オルガノポリシロキサン骨格を有す
るアクリル樹脂:オルガノポリシロキサン骨格を有する
アクリル樹脂は、分子中に1個のラジカル重合性基を有
するオルガノポリシロキサン化合物、または分子中にメ
ルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合物と、
(メタ)アクリロイル基を有する化合物を共重合するこ
とにより得られる。上記オルガノポリシロキサン化合物
は、下記一般式(I)で表されるオルガノポリシロキサ
ン骨格を有する。
【0022】
【化1】
【0023】(式中、R1とR2は同一でも異なっていて
もよく、メチル基もしくはフェニル基であり、nは5〜
300の整数を表す。)
【0024】分子中に1個のラジカル重合性基を有する
オルガノポリシロキサン化合物は、(メタ)アクリロイ
ル基、スチリル基、ビニル基、アリル基等のラジカル重
合性基を分子中に1個有するものであるのが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を分子中に1個有する化合物と
の共重合の容易性を考慮すると、(メタ)アクリロイル
基、スチリル基を末端に有するオルガノポリシロキサン
化合物であることが好ましい。また、(メタ)アクリロ
イル基を分子中に1個有する化合物が重合する際、連鎖
移動によりスルフィド結合を介して重合体中に導入され
る、分子中にメルカプト基を有するオルガノポリシロキ
サン化合物も好適に用いることができる。メルカプト基
の数としては、分子中に1個又は2個有するものが使用
できる。
【0025】(メタ)アクリロイル基を分子中に1個有
する化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、メ
トキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル
(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)ア
クリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、シ
アノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト等を挙げることができる。
【0026】(メタ)アクリロイル基を分子中に1個有
する化合物と共重合する分子中に1個のラジカル重合性
基を有するオルガノポリシロキサン化合物、または分子
中にメルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合
物の使用量は、共重合性単量体に対して、通常0.5〜
30重量%、好ましくは1〜20重量%である。
【0027】上記オルガノポリシロキサン化合物と(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物との共重合は、溶剤
中で、通常のラジカル重合開始剤を用いて行われる。溶
剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコー
ル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエス
テル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエー
テル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシ
エチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の
エーテルエステル類等が挙げられ、またこれらを混合使
用することもできる。
【0028】重合反応に使用するラジカル重合開始剤と
しては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸
化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2.2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が好適に用いら
れる。重合液中の単量体濃度は通常10〜60重量%、
好ましくは15〜50重量%である。また、重合開始剤
は単量体混合物に対し、通常0.1〜5重量%、好まし
くは0.3〜2重量%で使用する。
【0029】これらの方法で得られるオルガノポリシロ
キサン骨格を有するアクリル樹脂の中でも、特に、スピ
ンコーターで塗工する場合は、分子中にメルカプト基を
有するオルガノポリシロキサン化合物と(メタ)アクリ
ロイル基を分子中に1個有する化合物を重合して得られ
るアクリル樹脂が好ましい。このものは、オルガノポリ
シロキサン骨格がアクリル樹脂の主鎖に導入されてお
り、分子中に1個のラジカル重合性基を有するオルガノ
ポリシロキサン化合物から得られる側鎖にオルガノポリ
シロキサン骨格が導入されたアクリル樹脂と比較して、
塗工表面により出やすいためスリップ剤としてより好ま
しい。
【0030】得られたオルガノポリシロキサン骨格を有
するアクリル樹脂は固形分量として、紫外線硬化性樹脂
組成物の固形分に対して、通常0.5〜10重量%、好
ましくは1〜5重量%が用いられる。オルガノポリシロ
キサン骨格を有するアクリル樹脂の含有量が0.5重量
%未満では十分なスリップ性が得られない。一方、10
重量%を超えると硬化被膜の耐摩耗性が低下するため好
ましくない。
【0031】(d)プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル及び/又はプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート:本発明の紫外線硬化性樹脂の溶剤とし
ては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび
これらの混合物を用いる。塗工方法としてスピンコータ
ーを用いる場合、溶剤として沸点が120〜130℃の
ものを用いることが乾燥性の点から好ましく、これら溶
剤を用いると良好な塗膜を得ることができる。
【0032】(a)成分の有機・無機複合体を調製する
際、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、または
これらの混合物を分散媒とするシリカゾルを用いると、
得られる(a)成分の溶剤はプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、またはこれらの混合物となり、そのま
ま本発明の紫外線硬化性樹脂の溶剤として用いることが
できる。一方、シリカゾルの分散媒がこれらの溶剤でな
い場合は、(a)成分の有機・無機複合体を調製した
後、またはこの(a)成分にさらに(b)成分を加えた
後、溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートま
たはこれらの混合物に溶剤置換する。
【0033】また、(c)成分のオルガノポリシロキサ
ン骨格を有するアクリル樹脂も、溶剤としてプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテートまたはこれらの混合物以
外のものを用いて調製した場合、溶剤をプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテートまたはこれらの混合物に溶剤
置換して用いる。また、(a)成分、(b)成分に
(c)成分を加えた後、溶剤をプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテートまたはこれらの混合物に溶剤置換する
こともできる。
【0034】上記したように、溶剤がプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートまたはこれらの混合物である有
機・無機複合体を調製する際、特に、分散媒がメチルエ
チルケトンのシリカゾルを用い有機・無機複合体を調製
し、(b)成分を加えた後、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテートまたはこれらの混合物に溶剤を置換する
ことがより好ましい。このようにして得られる紫外線硬
化性樹脂組成物は、有機・無機複合体が形成されるまで
の間は、溶剤がメチルエチルケトンであるためシリカゾ
ルの凝集が起こらず、有機・無機複合体が形成された後
溶剤置換を行うためシリカゾルの二次凝集が少なく、ス
ピンコーターで塗工した場合、スジの発生がない良好な
塗膜が得られる。
【0035】本発明の紫外線硬化性樹脂組成物をスピン
コーターで塗工する場合、25℃における粘度は好まし
くは100mPa・s以下である。また、紫外線硬化性
樹脂組成物の固形分は上記粘度範囲内で高い方が好まし
く、固形分量は30〜60重量%である。
【0036】(e)光重合開始剤:光重合開始剤として
は、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブ
チルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジ
メチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオ
フェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ンジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−〔4
−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−
プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミ
ヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソ
アミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチル
チオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は
2種以上を適宜に併用することもでき、被膜を形成する
組成物中に5重量%以下、好ましくは1〜3重量%で使
用する。
【0037】本発明の紫外線硬化性樹脂組成物には、硬
化被膜の物性を改良する目的で紫外線吸収剤(例えば、
ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸
系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤)、紫外線安定
剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定剤)、酸化
防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防
止剤)、ブロッキング防止剤、レベリング剤等のこの種
の組成物に配合される種々の添加剤を被膜を形成する組
成物中に各々、0.01〜2重量%配合することができ
る。
【0038】本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、例え
ば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、塩化ビニ
ル樹脂、ABS樹脂、合成紙、紙等の基材に、ディッピ
ング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート
法、バーコート法、およびグラビアコート、ロールコー
ト、ブレードコートおよびエアーナイフコート等の塗工
器具による塗工方法で、溶剤を乾燥し、活性エネルギー
線照射後、基材表面に1〜50μm、好ましくは1〜2
0μmの膜厚の被膜が得られるよう塗工する。次いで、
溶剤を乾燥した後、塗布した被覆組成物層を架橋硬化せ
しめるため、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンア
ーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫
外線を照射し、硬化させて被膜を形成させる。
【0039】本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、光デ
ィスク、液晶基板用樹脂板等のハードコート剤として好
適に用いられるが、液晶ディスプレー、プラズマディス
プレー、プロジェクションTV等ディスプレー表面のハ
ードコートや、プラスチック部材のハードコート、さら
にOPニス、UV印刷インキのビヒクル等に使用するこ
とができる。
【0040】光ディスクのハードコート剤として用いる
場合は、光ディスクの記録層、絶縁層の上に、また、液
晶基板用樹脂板のハードコート剤として用いる場合は、
液晶用樹脂基板上に設けたSiOxのガスバリア層の上
に、スピンコート法で塗布し、紫外線を照射して硬化す
ることによってハードコート層を形成させる。その厚さ
は通常1〜20μm程度とするのが好ましい。本発明の
紫外線硬化性樹脂を用いることにより、高度な耐摩耗性
およびスリップ性を有する硬化被膜が得られる。
【0041】
【実施例】以下に合成例および実施例を記載して、本発
明をさらに具体的に説明する。以下の合成例および実施
例に記載される成分、割合、手順等は、本発明の趣旨か
ら逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に記載される具体例に制限され
るものではない。なお、合成例および実施例に記載され
る部および%は、重量部および重量%をそれぞれ意味す
る。
【0042】アルコキシシリル基を有する多官能アクリ
レートの合成例: (合成例1)3−イソシアナトプロピルトリエトキシシ
ラン(信越化学工業(株)製商品名:KBE9007)
と、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(4
6.7重量%)とジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート(53.3重量%)の混合物(日本化薬(株)製
商品名:カヤラッドDPHA、水酸基価50mgKOH
/g)とを、−NCO基/OH基=1となるように各々
18.0部と82.0部をフラスコにとり、ジブチルス
ズジラウレート0.05部、p−メトキシフェノール
0.05部を加え、80℃で2時間反応(赤外吸収スペ
クトルで2250cm-1のイソシアネート基の吸収の消
滅を確認)し、3−イソシアナトプロピルトリエトキシ
シランとジペンタエリスリトールペンタアクリレートと
の反応物であるアルコキシシリル基を有する多官能アク
リレート(I)56.3部(アルコキシシリル基11.
9部)とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート4
3.7部の混合物を得た。
【0043】(合成例2)無水コハク酸と、ジペンタエ
リスリトールペンタアクリレート(46.7重量%)と
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(53.3
重量%)の混合物(日本化薬(株)製商品名:カヤラッ
ドDPHA、水酸基価50mgKOH/g)とを、−C
OOCO−基/−OH基=1となるように各々6.9部
と76.9部をフラスコにとり、p−メトキシフェノー
ル0.05部を加え、110℃で3時間反応し、酸価が
46mgKOH/gの反応物を得た。次いでこのもの
に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信
越化学工業(株)製商品名:KBM403)16.2
部、テトラメチルアンモニウムブロマイド0.5部を加
え、110℃で10時間反応したところ、酸価が2mg
KOH/gとなった。この結果、無水コハク酸とジペン
タエリスリトールペンタアクリレートとγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランとの反応物であるアルコ
キシシリル基を有する多官能アクリレート(II)59.
0部(アルコキシシリル基8.3部)とジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート41.0部の混合物を得
た。
【0044】オルガノポリシロキサン骨格を有するアク
リル樹脂: (合成例3)メチルメタクリレート90部、両末端にメ
ルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合物(信
越化学工業(株)製商品名:X−22−167B、数平
均分子量3,340)10部、およびプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル300部の混合物を加熱して8
0℃に昇温した時、及び同昇温時より2時間後に、それ
ぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加
し、80℃で8時間反応して、固形分25%のオルガノ
ポリシロキサン骨格を有するアクリル樹脂(III)を得
た。
【0045】(合成例4)メチルメタクリレート80
部、片末端にメタクリロイル基を有するオルガノポリシ
ロキサン化合物(チッソ(株)製商品名:FM072
5、数平均数分子量10,000)20部、およびプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル300部の混合物
を加熱して80℃に昇温した時、及び同昇温時より2時
間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3
部ずつ添加し、80℃で8時間反応して、固形分25%
のオルガノポリシロキサン骨格を有するアクリル樹脂
(IV)を得た。
【0046】(実施例1〜8、比較例1〜5) 紫外線硬化性樹脂組成物の製造例:アルコキシシリル基
を有する多官能アクリレート、多官能アクリレート、シ
リカゾル、水、加水分解触媒、及び(b)多官能アクリ
レートを表1又は表3に示す割合で配合し、75℃で2
時間反応し、有機・無機複合体と多官能アクリレートの
混合物を得た。このものに、(c)オルガノポリシロキ
サン骨格を有するアクリル樹脂、(d)置換溶剤、
(e)光重合開始剤を表2又は表4に示す割合で添加し
た後、減圧下昇温し、メチルエチルケトンおよび置換溶
剤の一部を留去し、固形分60%の紫外線硬化性樹脂組
成物を調製した。なお、比較例2は溶剤置換時にゲル化
した。また、比較例3は75℃で加水分解処理を行った
ところ30分後にゲル化した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】得られた紫外線硬化性樹脂組成物の性状を
表5に示す。この紫外線硬化性樹脂組成物を、スピンコ
ーターを用い、5.25インチの透明なポリカーボネー
ト板上に8ml供給し、300rpmで5秒間、次いで4
000rpmで10秒間振り切った後、60℃で2分間加
熱乾燥した。このものを、出力密度120W/cmの高
圧水銀灯を用い、光源下10cmの位置で600mJ/
cm2の紫外線照射を行い被膜を形成した。得られた被
膜の評価結果を表5に示す。
【0052】各評価項目は次の方法に拠って評価した。 (塗布性)目視で塗膜面のスジ、シワ、凝集物等の有無
を確認した。 (耐摩耗性)Calibrase社製CS−10Fの摩
耗輪を用い、荷重500gで100回転テーバー摩耗試
験を行い、テーバー摩耗試験後のヘイズとテーバー摩耗
試験前のヘイズとの差ΔH%で評価した。 (スリップ性)スリップテスターを用い、JIS K−
7125にしたがって動摩擦係数を測定した。なお、基
材のポリカーボネート板の動摩擦係数は0.51であっ
た。
【0053】
【表5】
【0054】実施例1〜8はいずれもスピンコーターを
用い、ポリカーボネート板上に高度な耐摩耗性およびス
リップ性を有するハードコート被膜を形成することがで
きる。これらの中でも、分散媒がメチルエチルケトンの
シリカゾルを用い、アルコキシシリル基を有する多官能
アクリレートと加水分解処理した後、溶剤をプロピレン
グリコールモノメチルエテル及び/又はプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテートに溶剤置換したも
のが特に塗膜面が良好であった。
【0055】実施例5、6では加水分解の初期に大きな
増粘現象が観測され、その後、有機・無機複合体が形成
されるにしたがい粘度が低下する。これは、有機・無機
複合体が形成される前のシリカゾルがプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルまたはプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート中では多官能アクリレート
の存在下で二次凝集するためと推定される。このため加
水分解処理が進むに従い粘度は低下するが、完全には二
次凝集が無くならず、これが塗布面の状態に影響を及ぼ
していると考えられる。
【0056】比較例1はシリカゾルを含まないため耐摩
耗性が十分でない。比較例2は溶剤置換の段階でゲル化
するが、この系はアルコキシシリル基含有多官能アクリ
レートを含まないため有機・無機複合体が形成されず、
溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルに置換
するにともない多官能アクリレートの存在下でシリカゾ
ルの二次凝集が進んだためと考えられる。比較例3はシ
リカゾルに対するアルコキシシリル基量が多いため、有
機・無機複合体間の架橋がおこりゲル化したものと推定
される。また、比較例4は溶剤のメチルイソブチルケト
ンの乾燥性が高いためスピンコーターでは良好な塗膜が
得られない。
【0057】(実施例9)実施例3で調製した紫外線硬
化性樹脂組成物を、スピンコーターを用い、ポリカーボ
ネート板/記録層/絶縁層からなる5.25インチの光
ディスク表面に8ml供給し、300rpmで5秒間、次
いで4000rpmで10秒間振り切った後、60℃で2
分間加熱乾燥した。このものを、出力密度120W/c
mの高圧水銀灯を用い、光源下10cmの位置で600
mJ/cm2の紫外線照射を行った。この結果、高度な
耐摩耗性とスリップ性を有する膜面入射方式の光ディス
クとして十分な性能の被膜が得られた。
【0058】
【発明の効果】アルコキシシリル基を有するアクリレー
トとシリカゾルを加水分解縮合し有機・無機複合体を形
成することにより、スピンコートで好適に用いられるプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルやプロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテートの溶剤中にシリ
カゾルの無機成分を導入することができた。本発明の紫
外線硬化性樹脂は、高度な耐摩耗性とスリップ性を有
し、光ディスク、液晶基板用樹脂板などのハードコート
剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 292/00 C08F 292/00 4J038 C08J 7/04 CFD C08J 7/04 CFDK 5D029 G02F 1/1333 500 G02F 1/1333 500 G11B 7/24 534 G11B 7/24 534D 534C 534E // C09D 4/06 C09D 4/06 5/00 5/00 Z 183/07 183/07 Fターム(参考) 2H090 HB02X HB07X HC01 HC19 HD01 HD02 JB03 4F006 AA02 AA11 AA17 AA22 AA35 AA36 AA58 AB24 AB39 AB43 AB76 BA02 CA01 DA04 4F100 AK22A AK25A AK52A AL05A AT00B BA02 CC00A EJ54 GB90 JB14 4J011 PA13 PA26 PA69 PA99 QA21 QA22 QA23 QA24 QA25 RA03 RA10 SA22 SA34 SA61 SA64 SA78 SA84 UA01 VA01 WA02 4J026 AA45 AB44 BA28 BB01 DA02 GA07 4J038 AA011 AA012 CG141 CG142 CJ291 CJ292 CR061 CR062 DL121 DL122 DL131 DL132 FA111 FA112 FA241 FA242 HA441 HA442 JA26 JA57 KA03 LA02 LA06 NA11 PA17 PB08 PB11 5D029 LA03 LA04 LA05 LA06 LC21

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アルコキシシリル基を有するアクリ
    レートとシリカゾルを加水分解縮合して得られる有機・
    無機複合体、(b)分子中に3個以上のアクリロイル基
    を有する多官能アクリレート、(c)オルガノポリシロ
    キサン骨格を有するアクリル樹脂、(d)プロピレング
    リコールモノメチルエーテル及び/又はプロピレングリ
    コールモノメチルエーテルアセテート、及び(e)光重
    合開始剤を含有する樹脂組成物であって、前記(a)有
    機・無機複合体の含有量が、該樹脂組成物の固形分量の
    15〜80重量%であることを特徴とするする紫外線硬
    化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(a)有機・無機複合体が、シリカゾル
    (固形分)100重量部に対して、アクリレートのアル
    コキシシリル基1〜20重量部の割合で加水分解縮合し
    て得られるものである請求項1に記載の紫外線硬化性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】アルコキシシリル基を有するアクリレート
    が、1分子中に複数個のアルコキシ基を有する請求項1
    又は2に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】アルコキシシリル基を有するアクリレート
    が、1分子中に複数個のアクリロイル基を有する請求項
    1〜3いずれか1項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(c)オルガノポリシロキサン骨格を有す
    るアクリル樹脂が、メルカプト基を有するオルガノポリ
    シロキサン化合物と、(メタ)アクリロイル基を有する
    化合物を共重合することにより得られるものである請求
    項1〜4いずれか1項に記載の紫外線硬化性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】アルコキシシリル基を有するアクリレート
    とシリカゾルの加水分解縮合を、溶剤としてメチルエチ
    ルケトンの存在下で行い、その後溶剤をプロピレングリ
    コールモノメチルエーテル及び/又はプロピレングリコ
    ールモノメチルエーテルアセテートに置換することによ
    り、(a)及び(d)を含有する組成物を調製し、その
    後、又はこれまでの任意の段階で(b)、(c)及び
    (e)を混合することを特徴とする請求項1に記載の紫
    外線硬化性樹脂組成物の製造法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5いずれか1項に記載の紫外線
    硬化性樹脂組成物の硬化物層を有することを特徴とする
    物品。
  8. 【請求項8】請求項1〜5いずれか1項に記載の紫外線
    硬化性樹脂組成物の硬化物層を有することを特徴とする
    光ディスク又は液晶基板用樹脂板。
  9. 【請求項9】アルコキシシリル基を有するアクリレート
    とシリカゾルを、シリカゾル(固形分)100重量部に
    対して、アクリレートのアルコキシシリル基1〜20重
    量部の割合で加水分解縮合して得られる有機・無機複合
    体。
JP2001032442A 2001-02-08 2001-02-08 紫外線硬化性樹脂組成物 Pending JP2002234906A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001032442A JP2002234906A (ja) 2001-02-08 2001-02-08 紫外線硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001032442A JP2002234906A (ja) 2001-02-08 2001-02-08 紫外線硬化性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002234906A true JP2002234906A (ja) 2002-08-23

Family

ID=18896373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001032442A Pending JP2002234906A (ja) 2001-02-08 2001-02-08 紫外線硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002234906A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105034A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Jsr Corp 液状硬化性樹脂組成物
EP1544857A1 (en) * 2003-10-31 2005-06-22 LINTEC Corporation Coating composition, hard coat film and optical disk
JP2006219657A (ja) * 2005-01-13 2006-08-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd 活性エネルギー線硬化性組成物
JP2007246907A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Dongwoo Fine-Chem Co Ltd 高硬度ハードコーティングフィルム及びそれを用いた偏光板並びに表示装置
JP2008034049A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Toppan Printing Co Ltd Ovd付き磁気転写シート
JP2009286925A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Jsr Corp 硬化性組成物
JP2010121013A (ja) * 2008-11-18 2010-06-03 Mitsubishi Chemicals Corp 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、ハードコート用硬化膜及び積層体
US7868117B2 (en) * 2006-10-31 2011-01-11 Nidek Co., Ltd. Resin composition and production method thereof
US8017211B2 (en) 2004-12-03 2011-09-13 Mitsubishi Chemical Corporation Composition, cured product and article
KR101093577B1 (ko) * 2010-09-30 2011-12-15 주식회사 카노텍 내지문성이 우수한 자외선 경화형 도료 조성물
JP2012000869A (ja) * 2010-06-17 2012-01-05 Kansai Paint Co Ltd 塗装フィルム
JP2015030851A (ja) * 2013-08-06 2015-02-16 達興材料股▲ふん▼有限公司 多官能アクリル化合物および感光性樹脂組成物
KR20150029559A (ko) * 2013-09-10 2015-03-18 쇼와 덴코 가부시키가이샤 유기무기 복합체의 제조 방법, 경화성 조성물, 경화성 조성물의 경화물, 하드 코팅재, 하드 코팅막, 및 실란 커플링제
JP2015199916A (ja) * 2014-04-02 2015-11-12 Jsr株式会社 膜形成用組成物及びパターン形成方法
WO2018003880A1 (ja) * 2016-07-01 2018-01-04 三菱ケミカル株式会社 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、樹脂成形品および樹脂成形品の製造方法

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105034A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Jsr Corp 液状硬化性樹脂組成物
US7384676B2 (en) 2003-10-31 2008-06-10 Lintec Corporation Coating composition, hard coat film, and optical disk
EP1544857A1 (en) * 2003-10-31 2005-06-22 LINTEC Corporation Coating composition, hard coat film and optical disk
CN100403062C (zh) * 2003-10-31 2008-07-16 琳得科株式会社 涂料组合物、硬涂膜和光盘
US8017211B2 (en) 2004-12-03 2011-09-13 Mitsubishi Chemical Corporation Composition, cured product and article
JP2006219657A (ja) * 2005-01-13 2006-08-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd 活性エネルギー線硬化性組成物
JP2007246907A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Dongwoo Fine-Chem Co Ltd 高硬度ハードコーティングフィルム及びそれを用いた偏光板並びに表示装置
JP2008034049A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Toppan Printing Co Ltd Ovd付き磁気転写シート
US7868117B2 (en) * 2006-10-31 2011-01-11 Nidek Co., Ltd. Resin composition and production method thereof
JP2009286925A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Jsr Corp 硬化性組成物
JP2010121013A (ja) * 2008-11-18 2010-06-03 Mitsubishi Chemicals Corp 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、ハードコート用硬化膜及び積層体
JP2012000869A (ja) * 2010-06-17 2012-01-05 Kansai Paint Co Ltd 塗装フィルム
KR101093577B1 (ko) * 2010-09-30 2011-12-15 주식회사 카노텍 내지문성이 우수한 자외선 경화형 도료 조성물
JP2015030851A (ja) * 2013-08-06 2015-02-16 達興材料股▲ふん▼有限公司 多官能アクリル化合物および感光性樹脂組成物
KR20150029559A (ko) * 2013-09-10 2015-03-18 쇼와 덴코 가부시키가이샤 유기무기 복합체의 제조 방법, 경화성 조성물, 경화성 조성물의 경화물, 하드 코팅재, 하드 코팅막, 및 실란 커플링제
JP2015078339A (ja) * 2013-09-10 2015-04-23 昭和電工株式会社 有機無機複合体の製造方法、硬化性組成物、硬化性組成物の製造方法、硬化性組成物の硬化物、ハードコート材、及びハードコート膜
KR101686025B1 (ko) * 2013-09-10 2016-12-13 쇼와 덴코 가부시키가이샤 유기무기 복합체의 제조 방법, 경화성 조성물, 경화성 조성물의 경화물, 하드 코팅재, 하드 코팅막, 및 실란 커플링제
JP2015199916A (ja) * 2014-04-02 2015-11-12 Jsr株式会社 膜形成用組成物及びパターン形成方法
WO2018003880A1 (ja) * 2016-07-01 2018-01-04 三菱ケミカル株式会社 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、樹脂成形品および樹脂成形品の製造方法
JPWO2018003880A1 (ja) * 2016-07-01 2019-04-18 三菱ケミカル株式会社 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、樹脂成形品および樹脂成形品の製造方法
US11248065B2 (en) 2016-07-01 2022-02-15 Mitsubishi Chemical Corporation Active energy ray-curable resin composition, resin molded article, and method for producing resin molded article
JP7135321B2 (ja) 2016-07-01 2022-09-13 三菱ケミカル株式会社 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、樹脂成形品および樹脂成形品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5477299B2 (ja) マレイミド基で表面修飾した無機酸化物微粒子を含む硬化型組成物
KR20050045873A (ko) 광학용 필름
CN102985500B (zh) 防眩涂料组合物和具有优异的耐磨性和耐沾污性的防眩涂膜
JP4360510B2 (ja) 放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルム
JP3897583B2 (ja) 光ディスク
JP2002234906A (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物
JP4363077B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム
JP2008150484A (ja) ハードコート用組成物
JP2013173871A (ja) 組成物、帯電防止性コート剤及び帯電防止性積層体
JP2010121013A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、ハードコート用硬化膜及び積層体
JP5092744B2 (ja) 反射防止積層体
JP2009102513A (ja) 重合体、組成物、硬化物および光記録媒体
JPH10279833A (ja) 活性エネルギー線硬化性被覆組成物
JP2001262011A (ja) 含フッ素硬化性塗液、用途及び製造方法
JP2009035680A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびその積層体
JP3861562B2 (ja) ハードコート膜の製造方法
JP4239030B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物及びその硬化皮膜を有する物品
JP2009084395A (ja) 重合体、組成物、硬化物および光記録媒体
JP2014084360A (ja) 活性エネルギー線硬化型アンダーコート用組成物及び積層体
JP3436492B2 (ja) 耐摩耗性薄膜を有する薄型物品、及び光学ディスク
JP3164431B2 (ja) 耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物
JP5332166B2 (ja) 重合体、組成物、硬化物および光記録媒体
US8168690B2 (en) Solvent-free photocurable resin composition for protective film
JP2002194250A (ja) 活性エネルギー線硬化性被覆組成物及び該組成物の硬化被膜を有する材料
JP2003057402A (ja) ハードコートフイルム