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JP2004185653A - 光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物、及び光ディスク - Google Patents

光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物、及び光ディスク Download PDF

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JP2004185653A
JP2004185653A JP2002347642A JP2002347642A JP2004185653A JP 2004185653 A JP2004185653 A JP 2004185653A JP 2002347642 A JP2002347642 A JP 2002347642A JP 2002347642 A JP2002347642 A JP 2002347642A JP 2004185653 A JP2004185653 A JP 2004185653A
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JP2002347642A
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Juichi Fujimoto
寿一 藤本
Kimio Tamura
公夫 田村
Satoshi Matsumoto
松本  聡
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

【課題】反りがなく、優れた表面硬度及び記録膜の保護性能、耐湿性を有する光ディスク、及びそれを形成しうる光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物を得る。
【解決手段】下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル類(A)、及びウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、及びポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーから選ばれるオリゴマー(B)を含有する光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物。
【化1】
Figure 2004185653

(但し、式中、Rは水素原子又はメチル基、R及びRは炭素数2〜10のアルキレン基を、Rは水素原子、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、単環式アルキル基、多環式アルキル基、又は芳香環を有する炭化水素基を示す。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物、及び光ディスクに関する。具体的には、本発明の硬化性組成物は、重合時の硬化収縮率が低く、記録膜保護性能、表面硬度、及び透明性に優れた硬化物層を光ディスク用基板に形成しうる材料であり、また本発明の光ディスクは反りがなく耐湿性に優れた光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年は、情報記録媒体として、コンパクトディスク(以下、CDと略記)、追記型光ディスク、光磁気ディスク、相変化型光ディスク等の光ディスクが広く一般に用いられている。
かかる光ディスクの構造は、ピット、グルーブ等の微細な凹凸を形成した透明樹脂基板の記録面に、金属薄膜等からなる記録膜と、該記録膜の劣化を防止するための紫外線硬化性組成物からなる保護層とが順次積層形成されてなる構造が一般的である。その該保護層を形成するための紫外線硬化性組成物も開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。
【0003】
一方で、近年、記憶容量を高めるために、0.6mm厚の光ディスク基板を貼り合わせたデジタルビデオディスク又はデジタルバーサタイルディスク(以下、DVDと略記)が広く、普及しつつある(例えば、特許文献4参照)。
さらにDVDよりも記憶容量を向上させ、高品位の動画情報等を長時間録画することが可能な高密度光ディスクが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
前記高密度型光ディスクは、プラスチック等で形成される透明又は不透明の支持体基板上に記録膜を形成し、次いで記録膜上に約100μmの光透過層を積層してなり、該光透過層側を通して記録光及び/又は再生光が入射するように使用される光ディスクである。
かかる高密度光ディスクの光透過層の形成に用いる紫外線硬化性組成物としては、上述したCD等の従来の光ディスクの保護層形成用材料を適用することができると考えられていた。
【0004】
ところが、そのような紫外線硬化性組成物は、アルミ合金等で記録膜を形成してなるCD用の光ディスクの製造に有効なものであり、該記録膜との密着性を高めるために、COOH基含有アクリル酸エステルやリン酸エステル系モノマー等の酸性モノマーを多量に含有する。
一方で、近年の該記録膜の高光反射率化に伴い、記録膜の材質はアルミ合金等から銀合金系へと置き換わりつつあるが、該銀合金系の記録膜は、高温高湿条件下における保存安定性が不良で腐食が生じる傾向にあるという課題があった。
さらに、前記特許文献1〜3に記載される紫外線硬化性組成物を用いて、特許文献5記載の高密度型光ディスクの光透過層を形成すると、該硬化性組成物の硬化収縮率が高いために、得られる光ディスクは大きく反ってしまうという実用上の課題もあった。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−123172号公報
【特許文献2】
特開平3−131605号公報
【特許文献3】
特開平4−264167号公報
【特許文献4】
特開平8−212597号公報
【特許文献5】
特開平8−235638号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透明性、表面硬度に優れ、かつ反り、光線透過率、記録膜の保護性能等の耐湿性に優れた硬化塗膜が得られる、硬化収縮率が低い、活性エネルギー線硬化性組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル類(A)、及びウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、及びポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーから選ばれるオリゴマー(B)を含有する光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物である。
【0008】
【化2】
Figure 2004185653
【0009】
(但し、式中、Rは水素原子又はメチル基、R及びRは炭素数2〜10のアルキレン基を、Rは水素原子、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、単環式アルキル基、多環式アルキル基、又は芳香環を有する炭化水素基を示す。)
【0010】
また、本発明のもう1つの発明は、前記活性エネルギー線硬化性組成物を塗布した後、活性エネルギー線により硬化させてなる硬化物層を有する光ディスクである。
【0011】
なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を、「(メタ)アクリロイル基」は、「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及び/又はメタクリレート」をそれぞれ意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物は、下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル類(A)を含有するので、低粘度でありながら、硬化性に優れ、硬化収縮率が低く、表面硬度や耐湿性、特に光ディスクの記録膜に対する保護性能にも優れた硬化塗膜を形成できる。
【0013】
【化3】
Figure 2004185653
【0014】
(但し、式中、Rは水素原子又はメチル基、R及びRは炭素数2〜10のアルキレン基を、Rは水素原子、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、単環式アルキル基、多環式アルキル基、又は芳香環を有する炭化水素基を示す。)
【0015】
この(A)成分は、下記一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルであり、これらは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
前記一般式(I)において、Rは水素原子又はメチル基を示す。特に、硬化速度の観点から、Rは水素原子であることが好ましい。
また、R及びRは、炭素数2〜10のアルキレン基を示す。R及びRの炭素数が2以上の場合には、化合物の硬化収縮率が低くなる傾向にある。また、炭素数は10以下の場合には、化合物の硬化性が良好となる。
は、水素原子、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、単環式アルキル基、多環式アルキル基、又は芳香環を有する炭化水素基を示す。
が水素原子あるいは炭素数10以下のアルキル基の場合には、得られる化合物の粘度が低くなる。またRが(メタ)アクリロイルオキシアルキル基の場合には、得られる化合物の硬化性が良好となる。
【0016】
本発明に用いる(A)成分の具体例としては、例えば、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N,N−ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−4−アクリロイルオキシブタナミド、N,N−ビス(3−アクリロイルオキシプロピル)−4−アクリロイルオキシブタナミド、N,N−ビス(2−アクリロイルオキシプロピル)−4−アクリロイルオキシブタナミド、N,N−ビス(4−アクリロイルオキシブチル)−4−アクリロイルオキシブタナミド等が挙げられる。
これらは1種単独で、又は2種以上を併用して用いても良い。
【0017】
本発明に用いる(A)成分の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、まず環状ヒドロキシカルボン酸エステルと、第一級又は第二級アミノ基を含むアミノアルコール化合物とを反応させてアミド基含有アルコールを合成し、これを前駆体として、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類を得ることができる。
【0018】
環状ヒドロキシカルボン酸エステルの具体例としては、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンが挙げられる。
これらは1種単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0019】
第一級又は第二級アミノ基を含むアミノアルコール化合物の具体例としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、6−アミノ−1−ヘキサノール等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
それらの中でも、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミンが、得られる化合物の粘度が低くなることから、特に好ましい。
【0020】
環状ヒドロキシカルボン酸エステルと、第一級又は第二級アミノ基を含むアミノアルコール化合物の反応は、例えば、当量比となるように両者を混合し、90〜100℃で6時間以上、好ましくは6〜12時間程度、加熱することにより行うことができる。
【0021】
このように合成したアミド基含有アルコールを前駆体とし、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類を製造する方法としては、例えば、触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と脱水エステル化する方法、あるいは、エステル交換触媒の存在下で、(メタ)アクリル酸エステル類とのエステル交換反応を行う方法等がある。
【0022】
本発明において、前記(A)成分の含有量は特に限定されないが、本発明の組成物中、下限値が5質量%以上、上限値が85質量%以下であることが好ましい。
本発明において、(A)成分の含有量は、5質量%以上の場合には低粘度で作業性が良好となり、また得られる硬化物層の表面硬度が高くなる傾向にある。また、85質量%以下の場合には、組成物の硬化性に優れ硬化塗膜の表面硬度も高くなる傾向にある。
その中でも、(A)成分の含有量の下限値は、10質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上が特に好ましい。また(A)成分の上限値は、80質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
【0023】
本発明において用いる、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、及びポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーから選ばれるオリゴマー(B)は、組成物に低収縮性を、得られる硬化物層に記録膜の保護性能及び表面硬度を付与する成分である。
このようなオリゴマー(B)は、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、及びポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーから選ばれるオリゴマーであれば特に限定されるものではない。
【0024】
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの具体例としては、例えばイソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−イソシアナトフェニル)メタン、2、4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタン、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカリンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物類やこれらの化合物の二量体もしくは三量体の1種又は2種以上の混合物に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、及び1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルの1種単独又は2種以上の混合物を反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート系オリゴマー;
【0025】
ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA等のアルカンジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール類;前記各種アルカンジオールから得られる共重合ポリエーテルジオール類;ポリブタジエンジオール類;
前記ジオール類と、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸類又はこれら多塩基酸の酸無水物類との反応によって得られるポリエステルジオール類;
【0026】
前記ジオール類と、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類との反応によって得られるポリカプロラクトンジオール等のポリエステルジオール類;ポリカーボネートジオール類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン等のアミノアルコール類とγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状カルボン酸エステル類との反応で得られるアミドジオール類;
スピログリコール化合物等の1種又は2種以上の混合物からなるアルコール類と前記ジイソシアネート化合物類を反応させて得られるウレタンプレポリマー類に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、及び1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0027】
また、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーの具体例としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノキシフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシフルオレンエタノールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸等の不飽和一塩基酸類を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0028】
なお、それらのエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーの原料となるエポキシ樹脂は、全塩素含有量が少ないほどよい。
塩素を含有するエポキシ樹脂を原料として合成したエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いて、硬化性組成物を調製し、光ディスク基板に硬化物層を形成する場合には、記録膜が腐食する傾向にある。
そこで、具体的には、該エポキシ樹脂中に占める全塩素含有量は、2000ppm以下の範囲であることが好ましく、1500ppm以下の範囲であることがより好ましい。さらに該エポキシ樹脂中に塩素が全く含有されないことが特に好ましい。
【0029】
ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーの具体例としては、例えば、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、1−メチルブチレングリコール等のジオール類と、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸類、又はこれら多塩基酸の酸無水物類と、(メタ)アクリル酸及びその誘導体との反応によって得られるポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
【0030】
これらのウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、及びポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
本発明において、上記オリゴマー(B)の含有量は特に限定されないが、本発明の組成物中、下限値が15質量%以上、上限値が95質量%以下であることが好ましい。
(B)成分の含有量は、15質量%以上の場合に組成物の硬化性、低収縮性及び記録膜の保護性能が良好となる傾向にあり、95質量%以下の場合に低粘度で作業性が良好な組成物となる傾向にある。
その中でも、(B)成分の含有量の下限値は、20質量%以上がさらに好ましく、45質量%以上が特に好ましい。また(B)成分の含有量の上限値は、90質量%以下がさらに好ましく、60質量%以下が特に好ましい。
【0032】
以上が本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物の構成成分であるが、その性能を損なわない範囲であれば、必要に応じて、例えば、前記(A)、(B)成分以外の化合物や、光重合開始剤、光増感剤、熱可塑性高分子、スリップ剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、難燃剤、難燃助剤、連鎖移動剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等、公知の添加剤等を適宜配合して用いてもよい。
【0033】
本発明の組成物には、目的に応じて、前記(A)成分及び前記(B)成分以外のエチレン性不飽和化合物(C)を併用することができる。
該化合物(C)は、本発明の組成物中に前記(B)成分とともに希釈剤として配合しても良いし、架橋剤として配合することもできる。
【0034】
前記(A)成分及び前記(B)成分以外のエチレン性不飽和化合物(C)の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性トリメチロールプロパントリアクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0035】
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0036】
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシー2−エチルヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ノルボルニルアクリレート、2−メチル−2−ノルボルニルメチルアクリレート、トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、アダマンチルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、テトラシクロドデカニルアクリレート、2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラニルメチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジオキソラニルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリル酸エステル類;
【0037】
酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
【0038】
アクリルアミド、 N,N−ジメチルアクリルアミド、 N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類等が挙げられる。
これらの中でも、耐水性に優れることから、分子内に環状構造を有する化合物(c1)が好ましい。
【0039】
分子内に環状構造を有する化合物(c1)の具体例としては、例えば、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ポリプロポキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ノルボルニルアクリレート、2−メチル−2−ノルボルニルメチルアクリレート、トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、アダマンチルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、テトラシクロドデカニルアクリレート、2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラニルメチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジオキソラニルメチル(メタ)アクリレート等の化合物類等が挙げられる。
これらは1種単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0040】
本発明の硬化性組成物において、(C)成分は任意成分でありその添加量は特に限定されるものではなく、所望に応じて適宜添加すればよい。
例えば組成物の低収縮性の観点からは、本発明において(C)成分の添加量は、本発明の組成物中に80質量%以下の範囲とすることが好ましい。70質量%以下の範囲で添加することが特に好ましい。
その中でも、(C)成分の添加量の下限値は、1質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上が特に好ましい。(C)成分の添加量の上限値は、70質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
【0041】
また、(c1)成分を用いる場合には、(C)成分全量中に、一部又は全量を(c1)成分とすればよい。
【0042】
本発明の硬化性組成物には、活性エネルギー線の照射による硬化性組成物の重合硬化を促進させるために、光重合開始剤(D)を適宜添加してもよい。
【0043】
(D)成分の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種単独で、又は2種以上を併用して用いることが可能である。
【0044】
例えば、特開平8−235638号公報記載の光ディスクの光透過層として、本発明の組成物の硬化物を用いる場合には、再生又は記録に用いるレーザー光が十分に硬化物層を通過するよう、光重合開始剤の種類及び使用量を適宜選択して用いることが好ましい。
具体的には、波長400nm程度の記録再生用レーザー光を利用する場合、得られる硬化物層が該レーザー光を吸収しないよう、短波長感光型光重合開始剤(d1)を添加することが好ましい。
【0045】
この短波長感光型光重合開始剤(d1)の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
これらは、1種単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0046】
本発明において、光重合開始剤(D)の使用量は特に限定されないが、(A)〜(C)成分の合計量に対して0.001〜10質量部の範囲で添加することが好ましい。
【0047】
本発明において、(D)成分の使用量は硬化性が良好となることから0.001質量部以上であることが好ましく、深部硬化性や難黄変性が良好であることから10質量部以下であることが好ましい。より好ましくは、下限値が0.1質量部以上であり、上限値が5質量部以上である。
【0048】
更に、本発明の組成物には、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の公知の光増感剤を添加してもよい。
【0049】
また、本発明の組成物には、光ディスクの長期使用において、青色レーザーによる光ディスクの読み込みあるいは書き込みに支障をきたす硬化塗膜の黄変を防ぐために、酸化防止剤や光安定剤を適宜添加してもよい。
【0050】
酸化防止剤や光安定剤の具体例としては、例えば、各種市販されている、住友化学(株)製のスミライザーBHT、スミライザーS、スミライザーBP−76、スミライザーMDP−S、スミライザーGM、スミライザーBBM−S、スミライザーWX−R、スミライザーNW、スミライザーBP−179、スミライザーBP−101、スミライザーGA−80、スミライザーTNP、スミライザーTPP−R、スミライザーP−16;旭電化工業(株)製のアデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60AO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ329K、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010;チバスペシャリティーケミカルズ(株)製のチヌビン770、チヌビン765、チヌビン144、チヌビン622、チヌビン111、チヌビン123、チヌビン292;日立化成工業(株)製のファンクリルFA−711M、FA−712HM等が挙げられる。
【0051】
これら酸化防止剤や光安定剤の添加量は特に限定されないが、本発明の組成物中、0.001〜2質量%の範囲が好ましく、0.01〜1質量%の範囲がさらに好ましい。
【0052】
本発明の組成物の塗工方法は、特に限定されるものではなく公知の方法で行えばよい。
光ディスクの生産性の観点から、本発明の組成物の塗工方法としては、スピンコーター法が好ましい。
【0053】
また、塗布された組成物の塗膜を硬化させるには、例えばα,β及びγ線等の放射線、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線を公知の方法で該硬化性組成物に照射することにより行えばよい。その中でも、特に装置コストや生産性の観点から、活性エネルギー線としては、紫外線を用いることが好ましい。
【0054】
前記活性エネルギー線を発生させる光源としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどがあげられる。用いる紫外線発生源としては、特に限定されるものではないが、実用性、経済性の観点からは、一般に使用されている高圧水銀ランプやメタルハライドランプを用いることが好ましい。
【0055】
光エネルギー照射の雰囲気下は、空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよい。
【0056】
次に本発明の光ディスクについて、以下詳細に説明する。
本発明の光ディスクは、前記活性エネルギー線硬化性組成物を塗布した後、活性エネルギー線により硬化させてなる硬化物層を有するものである。
ここでいう硬化物層とは、CD等従来の光ディスクの記録膜を保護する保護コート層、高密度光ディスクの光透過層や、DVD等の多層記録型ディスクの接着剤兼光透過層等、光ディスクを構成する硬化物層全般を意味する。この硬化物層は、外観上、及び記録膜のデータの読み取りや書き込みを行う場合には読み取り障害が生じないよう、透明性に優れていることが好ましい。
本発明の光ディスクは、得られる光ディスクの機械的精度の観点から、前記活性エネルギー線硬化性組成物のうち硬化収縮率が低い組成物が好ましく、好ましくは8%未満、更に好ましくは7.5%未満である。
【0057】
なお、本発明でいう硬化収縮率とは、以下の方法により算出した値である。
即ち、20℃における硬化前の液比重(x1)と、硬化して得られた硬化物層の20℃における比重(x2)をそれぞれ測定し、下記の数式(1)により求めた値を硬化収縮率(%)とする。
【0058】
【数1】
Figure 2004185653
【0059】
その硬化収縮率が8%より高いと、硬化物層と記録膜との密着性不良や、本発明の組成物の硬化時収縮により光ディスクが大きく反る等の不具合が生じやすく、記録や読み取りが困難となる傾向にある。
また、本発明の光ディスクにおける該硬化物層の表面硬度は、鉛筆硬度で2B以上が好ましく、該硬化物層上が光ディスクの最表面に形成される場合には、B以上がより好ましい。
なお、ここでいう鉛筆硬度とは、ポリカーボネート上に形成した硬化物をJIS K−5400準拠の方法で評価して得られる値である。この鉛筆硬度が2Bより柔らかい場合には、硬化物層表面に傷がつきやすいため、光ディスクの書き込み又は読み込みエラーの原因となる傾向にある。
【0060】
本発明の光ディスクを構成する硬化物層は、読み取りや書き込みのエラーを防ぐために、レーザー光の光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上がより好ましい。
このレーザー光の波長は、特に限定されないが、一般に、光ディスクの読み取りや書き込みに使用されている、一般に波長380〜800nmの範囲のレーザー光が好ましく、特に光ディスクの記録容量を高密度にできることから、400nm前後の青紫色レーザー光であることが好ましい。
【0061】
本発明において、光ディスクの硬化物層の厚みは、所望する特性を有する光ディスクが得られる範囲で適宜最適化すればよい。
具体的には、例えばCD等の従来光ディスクの保護コートに利用する場合には、5〜20μmの範囲が好ましく、DVDの接着剤として利用する場合には、20〜60μmの範囲が好ましい。さらに特開平8−235638号公報記載の光ディスク用光透過層として利用する場合には、20〜200μmの範囲が好ましい。
【0062】
本発明の光ディスクにおける硬化物層を形成するには、例えば、光ディスク用基板が1枚の場合には、記録膜を有する支持体基板上に、該記録膜側に活性エネルギー線硬化性組成物を塗布して均一塗膜を形成し、これに活性エネルギー線を照射して硬化させればよい。
また、貼り合わせ光ディスクを形成するには、光ディスク用貼り合わせ基板2枚の片方の片面又は両方の片面ずつ該組成物を塗布して貼り合わせした後に、該基板側から活性エネルギー線を照射して硬化させてもよい。
【0063】
本発明の光ディスクに形成された硬化物層のガラス転移温度(以下、Tgと略記)は、特に限定されない。しかしながら、車載用途等、耐熱性の要求される環境での使用を考慮すると、Tgは50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。
【0064】
本発明の光ディスクに用いる基板としては、低コスト、軽量、光ディスクのランド及びグルーブを成型する容易性の観点から、プラスチックが好ましい。
【0065】
前記プラスチックの材質の具体例としては、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
本発明においては、このようなプラスチック材料の成型品を光ディスク用基板として用いることが特に好ましい。
【0066】
本発明の光ディスクにおいて、記録膜としては特に限定されず、従来公知の記録用材料を使用すればよい。
【0067】
例えば、読み取り専用光ディスクの場合、記録膜の材質としては、金、白金、銀、アルミニウム等の光反射率の高い金属であれば使用可能であり、これらとTi、Cr、Mn、Cu、Pd、Ta等の金属との合金も使用可能である。
追記型光ディスクの場合、記録膜の材質としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、アゾメチン色素、アゾ金属キレート等の色素が使用可能である。
【0068】
また、例えば書き換え可能な光ディスクの場合、相変化記録膜の材質としては、例えば銀・In・Te・Sb合金、銀・In・Te・Sb・Ge合金、Ge・Sb・Te合金、 Ge・Sn・Sb・Te合金、Sb・Te合金等が挙げられ、光磁気記録膜の材質としては、例えばTb・Fe・Co系合金等が挙げられる。
【0069】
さらに、これらの各種記録膜上に、SiN、ZnS、SiO等の誘電膜を積層してもよい。
【0070】
これらの記録膜を形成するには、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等公知の薄膜形成技術を使用すればよい。
【0071】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明を具体的に示す。以下の記載において「部」は「質量部」を意味する。
なお、実施例中の評価は、下記評価方法や評価基準に従って行った。
また、実施例中の反り角とは、光ディスク最外周における光透過層側への半径方向の最大反り角を意味する。
【0072】
(粘度)
得られた組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業(株)製、TV−20型粘度計)を用いて測定する。得られた測定値を表1に示す。
【0073】
(硬化収縮率)
20℃における硬化前の組成物の液比重(x1)と、硬化して得られた硬化物層の20℃における比重(x2)をそれぞれ測定し、下記式により硬化収縮率(%)を求め、下記評価基準により評価する。
【0074】
【数2】
Figure 2004185653
【0075】
○:8%未満
×:8%以上
【0076】
(表面硬度)
得られた光ディスクに形成された硬化物層について、JIS K−5400に準拠して鉛筆硬度を測定し、下記基準により評価した。
○:2Bより硬い
×:2Bより柔らかい
【0077】
(光線透過率)
〔初期〕
得られた光ディスクの記録膜から剥離した硬化物層について、80℃、85%RHの環境条件下に96時間放置した後、取り出した直後に再び前記と同様の方法で光線透過率を測定し、耐湿性試験後の評価を下記評価基準に基づき評価する。
【0078】
〔耐湿試験後〕
得られた光ディスクの記録膜から剥離した硬化物層について、日立製作所(株)製分光光度計U−3400を用い、空気をリファレンスとして、波長400nmにおける光線透過率を測定し、下記評価基準により評価する。
○:80%以上
×:80%未満
【0079】
(反り角)
〔初期〕
得られた評価用光ディスクについて、光ディスク光学器械特性測定装置(ジャパンイーエム(株)製、商品名:DLD−3000)を用いて、20℃、50%RH環境下にて光ディスクの中心から半径55mm位置における半径方向最大反り角を測定しこれを初期の反り角とし、下記評価基準により評価した。
【0080】
〔耐湿試験後〕
また、耐湿試験後の反り角は、該円盤状基板を80℃、85%RHの環境条件下に96時間放置し、次いで20℃、50%RH環境下にて96時間放置した後、前記と同様の方法で反り角を測定し、下記評価基準により評価した。
○:0〜0.3度
×:0.3度<
【0081】
(記録膜の保護性能)
反り角の耐湿試験を行った光ディスクについて、硬化物層側から記録膜表面を微分干渉顕微鏡(倍率:800倍)にて観察し、下記基準により評価した。
○:変化なし(欠陥はなく、良好な鏡面を維持。)
×:表面に荒れ、白化、ピンホールが発生
【0082】
(合成例1):(A)成分の合成
(1)アミド基含有アルコールの合成
N−メチルエタノールアミンを1モル、γ−ブチロラクトンを1モルの比率で混合し、90℃で12時間加熱攪拌することにより、N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシブタナミドを得た。
【0083】
(2)アクリレートの合成
N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシブタナミドを1モルに対し、メチルアクリレートを10モル、n−ジオクチルスズオキサイドを0.01モルの比率で混合し、還流下に9時間加熱攪拌しながら副生メタノールを留出させ、次いでメチルアクリレートを減圧留去することにより、N−メチル−N−2−アクリロイルオキシエチル−4−アクリロイルオキシブタナミド(以下、MAEABと略記)を得た。
【0084】
(合成例2):(A)成分の合成
(1)アミド基含有アルコールの合成
N−メチルエタノールアミンを1モル、ε−カプロラクトンを1モルの比率で混合する以外は、合成例1と同様にして、N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシヘキサナミドを得た。
(2)アクリレートの合成
得られたN−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシヘキサナミドを用いる以外は、合成例1と同様にして、N−メチル−N−2−アクリロイルオキシエチル−6−アクリロイルオキシヘキサナミド(以下、MAEAHと略記)を得た。
【0085】
(合成例3):(A)成分の合成
(1)アミド基含有アルコールの合成
ジエタノールアミンを1モル、γ−ブチロラクトンを1モルの比率で混合する以外は、合成例1と同様にして、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブタナミドを得た。
(2)アクリレートの合成
得られたN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブタナミドを1モルに対し、メチルアクリレートを10モル、n−ジオクチルスズオキサイドを0.01モルの比率で混合する以外は、合成例1と同様にして、N,N−ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−4−アクリロイルオキシブタナミド(以下、BAEABと略記)を得た。
【0086】
(合成例4)[ウレタンアクリレート(B1)の製造]
(1)攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(住友バイエルウレタン社製、商品名:デスモジュールW、加水分解塩素量4ppm)1324g(5モル)、及びジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
【0087】
(2)一方で、テトラメチレンエーテル及びネオペンチルグリコールの共重合体(旭化成(株)製、商品名:PTXG−1000、平均分子量:1000)2300g(2.3モル)を側管付きの滴下ロートに仕込んだ。次に上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながらこの滴下ロート内の液を、4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。
【0088】
(3)次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート626g(5.4モル相当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液を、フラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させた。反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により判断し、反応率99%以上であることを確認して、ウレタンアクリレート(B1)を得た。
【0089】
(合成例5)[ウレタンアクリレート(B2)の製造]
(1)攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、商品名:デスモジュールI、加水分解塩素量80ppm)1110g(5モル)、及びジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
【0090】
(2)ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)社製、商品名:プラクセル205;平均分子量:530)1219g(2.3モル)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を35〜45℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。
【0091】
(3)次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に上げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート626g(5.4モル相当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液をフラスコ内温55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させた。反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により判断し、反応率99%以上であることを確認して、ウレタンアクリレート(B2)を得た。
【0092】
(合成例6)[エポキシアクリレート(B3)の製造]
攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積1リットルの三つ口フラスコに、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコートYL980、全塩素含有量190ppm、エポキシ当量186)372g、アクリル酸144g、メタクリル酸ジメチルアミノエチル2.6g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.5g仕込み、95℃で24時間反応させた。反応の終点は酸価測定により行い、酸価1mgKOH/gであることを確認し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(B3)を得た。
【0093】
[実施例1]
(1)活性エネルギー線硬化性組成物の調製
(A)成分として合成例1で得られたMAEABを30部、(B)成分として合成例4で得られたウレタンアクリレートB1を55部、(C)成分としてトリメチロールプロパントリアクリレート10部、テトラヒドロフルフリルアクリレート5部、及び光重合開始剤(D)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3部を添加して、混合溶解し、25℃におけるB型粘度が6500mPa・sである活性エネルギー線硬化性組成物を得た。得られた組成物の硬化収縮率は6.0%であった。
【0094】
(2)光ディスクの作製及び評価
ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製、商品名:パンライトAD9000TG)を射出成型して得た光ディスク形状を有する透明円盤状基板(直径12cm、板厚1.1mm、反り角0度)に、バルザース(株)製スパッタリング装置CDI−900により、純度99.9%の銀を膜厚50nmとなるようにスパッタリングし、記録膜として銀反射膜を有する光ディスク基板を得た。
得られた光ディスク基板の銀反射膜上に、前記硬化性組成物を平均硬化膜厚100μmとなるようにスピンコーターで塗布して塗膜を形成した。次に該塗膜を、ランプ高さ10cmの高圧水銀灯(120w/cm)により、積算光量1000mJ/cmのエネルギー量で硬化させて、鏡面状の硬化物層を有する光ディスクを得た。
得られた光ディスクの硬化物層表面について、鉛筆硬度を測定したところBであり、良好な表面硬度を示した。なお、鉛筆硬度は2B以上を許容範囲とした。
また、得られた光ディスクについて初期及び耐湿性試験後の反り角を測定したところ、いずれも、反り角が少なく優れた機械特性を示した。
さらに、得られた光ディスクの記録膜から硬化物層を剥離し、得られた硬化物層について光線透過率を評価したところ、88%と良好であった。
【0095】
[実施例2〜3、比較例1〜3]
表1に示す硬化性組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
得られた光ディスクについて、前記した評価方法に基づいて評価を行い、その評価結果を表1に示した。
【0096】
【表1】
Figure 2004185653
【0097】
表1中の略号は、以下の通りである。
注1:反り角が1度を超えて、測定不可能。
MAEAB:合成例1で得られたN−メチル−N−2−アクリロイルオキシエチル−4−アクリロイルオキシブタナミド
MAEAH:合成例2で得られたN−メチル−N−2−アクリロイルオキシエチル−6−アクリロイルオキシヘキサナミド
BAEAB:合成例3で得られたN,N−ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−4−アクリロイルオキシブタナミド
B1:合成例4で得られたウレタンアクリレート(B1)
B2:合成例5で得られたウレタンアクリレート(B2)
B3:合成例6で得られたエポキシアクリレート(B3)
M315:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成(株)製)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製)
A−BPE4:エチレンオキサイド(4モル)変性ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学(株)製)
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(第一工業製薬(株)製)
M203S:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(東亞合成(株)製)
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)PM2:エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート(日本化薬(株)製)
HCPK:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン
【0098】
〔考察〕
実施例の評価結果から明らかなように、本発明の組成物は、得られる硬化物層の硬化収縮率が低いため初期及び耐湿性試験後の反り角が小さく、かつ該硬化物層の表面硬度や光線透過率にも非常に優れることがわかる。
【0099】
比較例1は、本発明に用いる(B)成分が不含有である組成物を用いた例である。低粘度な組成物が得られたものの、硬化収縮率が高いため光ディスクの反りが発生した。
比較例2は、本発明に用いる(A)成分を不含有とした組成物を用いた例である。非常に高粘度な組成物となり、得られた硬化物層は非常に柔らかく表面硬度不足であった。
比較例3は、本発明の構成要件である(A)、(B)成分が不含有である組成物の例であり、具体的には特開平4−264167号公報の実施例に記載の組成に相当する。
その場合には、組成物は低粘度であるものの、得られる硬化物層の表面硬度、光線透過率、反り角ともに不良であり実用化困難な評価結果であった。
【0100】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物を用いれば、硬化収縮率が小さいため100μm程度の硬化物層を形成してもほとんど反らない光ディスクを得ることが可能である。また、該硬化物層は、優れた透明性と記録膜の保護性能とを有し、かつ優れた機械特性を発揮するものである。
従って、CD、DVD等従来の光ディスク用硬化性組成物として有用であるばかりでなく、特に400nm付近の青色レーザーを用いて記録及び/又は再生を行う光ディスクとして極めて有用である。

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル類(A)、及びウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、及びポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーから選ばれるオリゴマー(B)を含有する光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物。
    Figure 2004185653
    (但し、式中、Rは水素原子又はメチル基、R及びRは炭素数2〜10のアルキレン基を、Rは水素原子、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、単環式アルキル基、多環式アルキル基、又は芳香環を有する炭化水素基を示す。)
  2. 請求項1記載の硬化性組成物を塗布した後、活性エネルギー線により硬化させてなる硬化物層を有する光ディスク。
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