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JP2005097694A - 脆性亀裂伝播停止性能に優れた非調質高強度厚鋼板の製造方法 - Google Patents

脆性亀裂伝播停止性能に優れた非調質高強度厚鋼板の製造方法 Download PDF

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JP2005097694A JP2003334755A JP2003334755A JP2005097694A JP 2005097694 A JP2005097694 A JP 2005097694A JP 2003334755 A JP2003334755 A JP 2003334755A JP 2003334755 A JP2003334755 A JP 2003334755A JP 2005097694 A JP2005097694 A JP 2005097694A
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Kimihiro Nishimura
公宏 西村
Akio Omori
章夫 大森
Toshiyuki Hoshino
俊幸 星野
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JFE Steel Corp
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JFE Steel Corp
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Abstract

【課題】 引張強さが 700 MPa以上の高強度と、優れた脆性亀裂伝播停止性能を兼ね備える非調質高強度厚鋼板を提供する。
【解決手段】 質量%で、C:0.005 〜0.03%、Si:0.05〜0.5 %、Mn:1.3 〜3.0 %、Al:0.01〜0.08%、Ti:0.005 〜0.05%、Nb:0.005 〜0.060 %、B:0.0015〜0.0040%、P:0.05%以下およびS:0.0050%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、1000〜1300℃に加熱後、オーステナイト未再結晶域での累積圧下率:60%以上、圧延終了温度:700 〜850 ℃の条件で熱間圧延したのち、冷却速度:10℃/s以上の速度で 450℃以下まで冷却する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特に船舶、橋梁、建築物、建築機械、産業機械、海洋構造物およびペンストック等に用いて好適な、引張強さが 700 MPa以上の高強度を有し、かつ脆性亀裂伝播停止性能に優れた非調質厚鋼板の製造方法に関するものである。
船舶、海洋構造物、低温貯蔵タンク、ラインパイプおよび土木・建築等の分野の溶接構造物に使用される鋼材は、高い靱性を備えることが必要とされ、TMCP法(Thermo-Mechanical Control Process )に代表される技術によって優れた靱性を有する鋼材が製造されている。また、実際の構造物においては、予想しない施工上の欠陥や腐食、地震および衝突による変形などにより、脆性破壊が発生する可能性を完全に払拭することは不可能であるため、脆性破壊が発生したときに亀裂の進展を停止する能力(脆性亀裂伝播停止性能)が要求される。さらに、実際の構造物における脆性亀裂は、ある程度の塑性変形の後に発生することが想定されることから、鋼材に予歪を与えた後にも優れた脆性亀裂伝播停止性能を保持することが望まれる。
従来から、特に船舶、海洋構造物およびラインパイプなどの分野では、脆性亀裂伝播停止性能が重要な材料特性として注目されてきた。
例えば、特許文献1には、(α+γ)2相域圧延を行うことによって、フェライト−パーライト組織の徹底した微細化を図ると共に、加工フェライトによるセパレーションの効果によって、脆性亀裂伝播抵抗を向上させる技術が提示されている。しかしながら、2相域圧延を用いる本技術では、低温での圧延が不可欠なため、生産能率が低下したり、フェライト域での加工に起因したシャルピー吸収エネルギーの極端な低下といった問題があった。また、この技術は、フェライト−パーライトを基本組織とする技術であるため、490MPa (50 kgf/mm2)程度までの引張強度レベルの鋼材にしか適用できなかった。
また、特許文献2には、鋼板の表層部のフェライト粒径を3μm 未満にまで微細化することによって、脆性亀裂伝播停止性能を向上させる技術が示されている。この方法は、板厚方向の温度分布が冷却中に不均一になることを利用して、鋼板表層部のみを改質するものである。従って、必然的に板厚方向の材質が不均一になることに加え、鋼材間のばらつきを抑えて安定した特性を維持するには、非常に高精度の温度制御が要求されるため、大量生産に際しては様々な困難が予想される。また、鋼材の成分や圧延方法にも、様々な制約があると考えられる。
さらに、脆性亀裂伝播停止性能の向上を達成する上で、フェライト結晶粒の細粒化を利用する技術は、原理的に高強度化が困難である。つまり、高強度化のためには合金成分を添加して炭素当量を上げる必要であるが、これにより熱間圧延中にフェライトが生成し難くなるので、その細粒化を図るというプロセスに相反するのである。
その他、特許文献3には、圧延中の鋼材温度の極端に精密な制御を必要とせずに、鋼材表面と内部の特性差あるいは鋼材間の材質のばらつきを少なくしながら、塑性変形後の脆性亀裂伝播停止性能に優れた鋼材を製造する方法として、鋼材全体を極低炭素ベイナイト組織とし、圧延条件によってその集合組織を制御して脆性亀裂伝播停止性能の向上を図る方法が提案されている。
しかしながら、この技術では、高強度化については何ら検討がなされていない。
この点、高強度と脆性亀裂伝播停止性能を両立させた技術として、特許文献4に開示された技術がある。しかしながら、この技術では、表層のみを冷却した状態で、復熱前に10%以上の圧延を施す必要があるため、不可避的に低温での圧延が必要となり、その結果生産能率が低下するという問題がある。
特開昭55−148746号公報 特開平5−148542号公報 特開2002−241891号公報 特開2000−336428号公報
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、生産性の低下を招いたり、製造上の制約を受けることなしに、引張強さが 700 MPa以上の高強度と、優れた脆性亀裂伝播停止性能を兼ね備える非調質高強度厚鋼板の有利な製造方法を提案することを目的とする。
本発明において、引張強さの目標値を 700 MPa以上としたのは、近年、鋼構建造物の軽量化や施工コストの低減という要望に応えるために、鋼材の高強度化が求められているからである。
さて、発明者らは、上記した引張強さが 700 MPa以上の高強度と優れた脆性亀裂伝播停止性能の両立という課題を達成すべく、鋼材の成分組成および製造条件とくに熱間圧延条件について詳細な検討を行った。
その結果、鋼材に含有されるC量を0.03mass%以下に制限し、かつ他の合金成分を適正化した鋼素材に、オーステナイト未再結晶域で強加工を加えた上で、加速冷却を用いて、ミクロ組成をベイナイト単相組織とすることが、極めて有効であることの新規知見を得た。
すなわち、従来の技術では、胞性亀裂伝播停止性能を向上させるためにフェライト粒の細粒化を利用していたが、発明者らの研究によれば、鋼材のC量を低減し、ひずみが蓄積されたオーステナイトから変態させたベイナイト単相組織とすることにより、引張強さが700 MPa 以上の高強度と共に、優れた脆性亀裂伝播停止性能が併せて得られることが新たに究明されたのである。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに研究を重ねた末に完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で
C:0.005 〜0.03%、
Si:0.05〜0.5 %、
Mn:1.3 〜3.0 %、
Al:0.01〜0.08%、
Ti:0.005 〜0.05%、
Nb:0.005 〜0.060 %、
B:0.0015〜0.0040%、
P:0.05%以下および
S:0.0050%以下
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、1000〜1300℃に加熱後、オーステナイト未再結晶域での累積圧下率:60%以上、圧延終了温度:700 〜850 ℃の条件で熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、冷却速度:10℃/s以上で冷却し、冷却停止温度を 450℃以下とすることを特徴とする、引張強さが 700 MPa以上の脆性亀裂伝播停止性能に優れた非調質高強度厚鋼板の製造方法。
2.上記1において、鋼素材が、質量%でさらに
Cu:0.05〜2.0 %、
Ni:0.05〜2.0 %、
Cr:0.05〜2.0 %、
Mo:0.05〜1.0 %、
V:0.003 〜0.08%、
Ca:0.0003〜0.0030%、
REM:0.0003〜0.010 %および
Mg:0.0003〜0.005 %
のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成になることを特徴とする、引張強さが 700 MPa以上の脆性亀裂伝播停止性能に優れた非調質高強度厚鋼板の製造方法。
本発明によれば、引張強さが 700 MPa以上の高強度と、優れた脆性亀裂伝播停止性能とを兼ね備える非調質高強度厚鋼板を、生産性の低下を招いたり、製造上の制約を受けることなしに、安定して製造することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において、鋼素材の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.005 〜0.03%
Cは、鋼の強度を増加させる有用元素であり、本発明では所定の強度を確保するために0.005 %以上の含有を必要とするが、0.03%を超えて含有させると靱性が劣化し易くなるので、Cは 0.005〜0.03%の範囲に限定した。好ましくは 0.015〜0.025 %の範囲である。
Si:0.05〜0.5 %
Siは、脱酸剤として有用な元素であり、本発明では製鋼上、少なくとも0.05%のSiの含有を必要とするが、0.5 %を超えて含有させると、かえって靱性の劣化を招くため、Siは0.05〜0.5 %の範囲に限定した。好ましくは0.20〜0.35%の範囲である。
Mn:1.3 〜3.0 %
Mnは、鋼の強度を増加させる元素であり、母材の引張強さを 700 MPa以上とするためには、少なくとも 1.3%の含有を必要とする。一方、3.0 %を超える含有は、母材の靱性を劣化させ、ひいては脆性亀裂伝播停止性能を劣化させるので、Mnは 1.3〜3.0 %の範囲に限定した。
Al:0.01〜0.08%
Alは、脱酸剤として作用し、このためには少なくとも0.01%の含有を必要とするが、含有量が0.08%を超えると、母材の靱性を劣化させるだけでなく、溶接金属郡への希釈によって溶接金属部の靱性も劣化させるため、Alは0.01〜0.08%の範囲に限定した。好ましくは0.02〜0.04%の範囲である。
Ti:0.005 〜0.05%
Tiは、TiNを形成して鋼中のNを固定することにより、Bの効果を有効に発揮させる有用元素である。また、スラブ加熱時や溶接熱影響部でのオーステナイト粒成長を抑制して組織を微細化する効果もある。これらの効果を十分に発揮させるためには 0.005%以上の含有を必要とするが、0.05%を超えて含有させると母材の靱性が劣化するので、Tiは 0.005〜0.05%の範囲に限定した。好ましくは 0.008〜0.02%の範囲である。
Nb:0.005 〜0.060 %
Nbは、焼入れ性を向上させて鋼の強度を高める元素であり、母材の高強度化に有効に作用する。また、オーステナイト未再結晶域を拡大させる作用を持ち、母材靱性の向上および脆性亀裂伝播停止性能の向上に有効に作用する。この効果を得るためには、0.005 %以上の含有を必要とするが、含有量が 0.060%を超えると、靱性に悪影響を与えるため、Nbは 0.005〜0.060 %の範囲に限定した。好ましくは 0.020〜0.040 %の範囲である。
B:0.0015〜0.0040%
Bは、微量の添加によって旧オーステナイト粒界エネルギーを減少させ、フェライトの核生成を抑制するのに有効に寄与する。この効果を発現させるには、0.0015%以上の添加が必要であるが、0.0040%を超えると母材の靱性を劣化させるので、Bは0.0015〜0.0040%の範囲に限定した。好ましくは0.0015〜0.0025%である。
P:0.05%以下、S:0.0050%以下
Pは、含有量が0.05%を超えると溶接部の靱性を劣化させるので、0.05%以下に抑制するものとする。
同じく、Sも、0.0050%を超えると母材および溶接部の靱性を劣化させるので、0.0050%以下に抑制するものとする。
以上、基本成分について説明したが、本発明ではその他にも、鋼の強度改善成分として、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Cu:0.05〜2.0 %
Cuは、固溶強化および析出強化によって鋼の強度を上昇させる有用元素である。本発明では、含有させる場合には、0.05%以上とすることが好ましいが、2.0 %を超えて含有させると靱性の劣化を招くので、Cuは0.05〜2.0 %の範囲で含有させることが好ましい。
Ni:0.05〜2.0 %
Niは、母材靱性を保ちつつ強度を増加できる有用元素である。本発明では、含有させる場合には、0.05%以上とすることが好ましいが、2.0 %を超えて含有させてもその効果は飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなるだけでなく、コスト的にも不利となるので、Niは0.05〜2.0 %程度とするのが好ましい。
Cr:0.05〜2.0 %
Crは、鋼の強度を上昇させる有用元素である。本発明では、含有させる場合には、0.05%以上とすることが好ましいが、2.0 %を超えて含有させると靱性が劣化するので、Crは0.05〜2.0 %の範囲で含有させることが好ましい。
Mo:0.05〜1.0 %
Moは、少量の添加によって鋼の強度を向上させる有用元素である。本発明では、含有させる場合には、0.05%以上とすることが好ましいが、1.0 %を超えて含有させると溶接部靱性の劣化を招くので、Moは0.05〜1.0 %の範囲で含有させることが好ましい。
V:0.003 〜0.08%
Vは、V(C,N) として析出し、この析出強化により強度上昇に有効に寄与する元素である。しかしながら、含有量が 0.003%に満たないとその添加効果に乏しく、一方0.08%を超えて含有されると、靱性が低下するので、Vは 0.003〜0.08%の範囲で含有させることが好ましい。
Ca:0.0003〜0.0030%
Caは、介在物の形態制御により、S,Oと適正にバランスさせることによってHAZ 靱性を向上させる有用元素である。しかしながら、含有量が0.0003%に満たないとその添加効果に乏しく、一方0.0030%を超えて含有させてもその効果は飽和するので、Caは0.0003〜0.0030%の範囲で含有させることが好ましい。
REM : 0.0003〜0.010 %
REM は、REM(O,S)を形成して HAZ靱性を向上させる有用元素である。この効果は、含有量が0.0003%以上で認められるが、0.010 %を超えて含有させてもその効果は飽和するので、REM は0.0003〜0.010 %の範囲で含有させることが好ましい。
Mg:0.0003〜0.005 %
Mgは、介在物を微細分散させて HAZ靱性を向上させる有用元素である。この効果は、含有量が0.0003%以上で認められるが、0.005 %を超えて含有させてもその効果は飽和するので、Mgは0.0003〜0.005 %の範囲で含有させることが好ましい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物中、特にNは0.0080%以下で許容できる。
次に、本発明の製造方法を具体的に説明する。
まず、上記の好適成分組成に調整した溶鋼を、転炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造等の通常公知の鋳造方法で鋼素材とする。
ついで、鋼素材を、1000〜1300℃の温度に加熱し、鋼素材を完全にオーステナイト化する。ここに、加熱温度が1000℃未満では、熱間圧延温度が低すぎて圧延能率が低下する。一方、加熱温度が1300℃を超えると、結晶粒が粗大化するだけでなく、酸化ロスが顕著となり歩留りが低下する。
上記の加熱後、熱間圧延を行うが、本発明では、オーステナイト未再結晶域での累積圧下率を60%以上、圧延終了温度を 700〜850 ℃とすることが肝要である。
オーステナイト未再結晶域で累積圧下率が60%以上となる熱間圧延を行うことにより、単位面積(単位体積)当たりのオーステナイト結晶粒界の量を大幅に増大させることができ、かつ圧延による歪エネルギーを蓄積させることができる。これにより、オーステナイト粒界およびオーステナイト粒内からのベイナイト変態が促進される。そして、上記したオーステナイト未再結晶域での強加工によるオーステナイト粒の微細化との相乗効果により、母材靱性は向上し、また脆性亀裂伝播停止性能も向上する。
なお、本発明におけるオーステナイト未再結晶温度域は、概ね 700〜950 ℃の範囲である。
熱間圧延終了温度は 700〜850 ℃の範囲に制限する必要がある。というのは、圧延終了温度が 700℃を下回ると、圧延中にフェライトが生成し、高靱性は得られるものの高強度が得られなくなり、一方圧延終了温度が 850℃超では、上記した制御圧延の効果が十分には得られず、高靱性と高い脆性亀裂伝播停止性能を得ることができないからである。
上記の熱間圧延終了後、鋼板を冷却速度:10℃/s以上の速度で、450 ℃以下まで冷却する。
ここに、冷却速度を10℃/s以上としたのは、冷却速度が10℃/s未満では高温で変態が始まるため、ベイナイトとはいえない硬度が高くないものが生成し、またベイナイト結晶粒の粗大化を余儀なくされる結果、母材の強度不足を生じるからである。また、ベイナイト変態を良好に完了させるためには、冷却停止温度は 450℃以下とする必要がある。
上記の工程により、引張強さが 700 MPa以上で、脆性亀裂伝播停止性能に優れた非調質高強度厚鋼板を得ることができる。
なお、本発明における厚鋼板とは、板厚が6〜100 mm程度のものを意味する。
表1に示す種々の成分組成になる溶鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造法で鋼素材(スラブ)とした。これらのスラブ(板厚:250 mm)に対し、表2に示す条件で、加熱処理、圧延処理および冷却処理を施して、板厚:25mmの厚鋼板とした。
得られた厚鋼板の引張特性、母材靱性および脆性亀裂伝播停止性能について調査した結果を表2に併記する。
なお、各特性は次のようにして評価した。
(1) 引張特性
各厚鋼板の板厚1/4t位置から、JIS 4 号引張試験片を採取して引張試験を実施し、降伏点(Y.P.)および引張強さ(T.S.)を測定した。
(2) 母材靱性
各厚鋼板の板厚中心部から、JIS 4 号衝撃試験片を採取し.シャルピー試験を実施して母材の脆性破面遷移温度(vTrs) を求めた。
(3) 脆性亀裂伝播停止性能
日本溶接協会の鋼種認定試験方法に規定される方法に準拠して試験を行った。すなわち、500 mm正方試験片に29mm深さのノッチを加工した試験(ESSO試験)により、脆性亀裂伝播停止性能(Kca値)が 6000 N/mm1.5 を示す温度(Tk)(℃)を求めることにより評価した。
Figure 2005097694
Figure 2005097694
表2に示したとおり、発明例はいずれも、引張強さが 700 MPa以上の高強度が得られ、また靱性も良好であった。さらに、、脆性亀裂伝播停止性能もTk <−50℃と極めて良好であった。

Claims (2)

  1. 質量%で
    C:0.005 〜0.03%、
    Si:0.05〜0.5 %、
    Mn:1.3 〜3.0 %、
    Al:0.01〜0.08%、
    Ti:0.005 〜0.05%、
    Nb:0.005 〜0.060 %、
    B:0.0015〜0.0040%、
    P:0.05%以下および
    S:0.0050%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、1000〜1300℃に加熱後、オーステナイト未再結晶域での累積圧下率:60%以上、圧延終了温度:700 〜850 ℃の条件で熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、冷却速度:10℃/s以上で冷却し、冷却停止温度を 450℃以下とすることを特徴とする、引張強さが 700 MPa以上の脆性亀裂伝播停止性能に優れた非調質高強度厚鋼板の製造方法。
  2. 請求項1において、鋼素材が、質量%でさらに
    Cu:0.05〜2.0 %、
    Ni:0.05〜2.0 %、
    Cr:0.05〜2.0 %、
    Mo:0.05〜1.0 %、
    V:0.003 〜0.08%、
    Ca:0.0003〜0.0030%、
    REM:0.0003〜0.010 %および
    Mg:0.0003〜0.005 %
    のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成になることを特徴とする、引張強さが 700 MPa以上の脆性亀裂伝播停止性能に優れた非調質高強度厚鋼板の製造方法。
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