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JP2005078722A - 情報記録装置、情報記録媒体及び情報記録方法 - Google Patents

情報記録装置、情報記録媒体及び情報記録方法 Download PDF

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JP2005078722A JP2003308197A JP2003308197A JP2005078722A JP 2005078722 A JP2005078722 A JP 2005078722A JP 2003308197 A JP2003308197 A JP 2003308197A JP 2003308197 A JP2003308197 A JP 2003308197A JP 2005078722 A JP2005078722 A JP 2005078722A
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Abstract

【課題】 高速記録、高密度記録を達成する。
【解決手段】 複数の記録層のそれぞれを一対の電極で挟んで電圧を印加する。各記録層に別々のレーザービームを照射して並列記録する。最初に記録媒体に照射される光スポットの予熱または予備照射効果により、記録層は順次高速で着色、または消色する。記録層自身、あるいは記録層に隣接する他の層として電圧印加によって吸収スペクトルが変化し、光吸収する層を設ける。
【効果】 本発明の情報記録・再生装置、媒体、情報記録・再生方法では、多層記録媒体の各層に複数のレーザービームのそれぞれを集光することにより、記録・再生の高速化効果が得られる。ディスク回転速度を極端に高速にしなくて良いので、安定な高速記録が行える。テレビの複数チャンネルを同時並列録画するのにも適合する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光を用いて情報を記録、再生する情報記録装置、情報記録方法に関する。
光ディスクでは、光源として半導体レーザが使えること、記録媒体(ディスク)を記録再生装置から外せることと、記録媒体のビットあたりコストが安価であることが大きな特長になっている。従って光ディスク装置では、この特徴を失わずに高密度・高速化するのが望ましい。
記録の大容量化のために、透明有機材料に厚さ方向も含めて3次元記録するものが知られているが、2光子吸収を利用するものでは大型のレーザーが必要であり、記録に光重合を利用する場合は保存安定性と記録感度が悪い。ホログラム記録ではディスクの着脱が難しい。
記録を高速度にするために、ディスクの回転数を上げるのには限界が有る。光ディスクはディスクを装置に着脱できるのと、記録媒体にプラスチック基板を用いて低価格であるのが特徴であるから、ディスクの外周部の上下振れや偏心は避け難い。上下振れや偏心は回転数を上げると高周波となるので、オートフォーカスやトラッキングの追従が困難となる。従ってある程度以上の高速化には並列記録を考慮する必要があり、並列記録方式としてマルチビーム記録が従来から提案されている(従来例1)。
一方、光導電体と相変化記録膜を透明電極で挟み、この透明電極で電圧を印加しながら光を照射すると、光電流が増倍されて光照射だけの場合に比べて2桁近く弱いレーザー光で記録できる実験結果も報告されている(従来例2:特許文献1及び2、非特許文献1)。
特許第895112号公報
USP3,801,966 M.Terao, H.Yamamoto and E. Maruyama : Highly Sensitive Amorphous Optical Memory: supplement to the J. of the Japan Society of Applied Physics Vol.42, pp233-238
従来例1のマルチビーム記録を用いた方式では、1周書いたリ読んだりした後、ビーム本数分大きくトラックジャンプしなければならない。また、ビームの本数毎にディスクのフォーマットが異なるという問題点が有る。マルチビームを集光した各光スポットが、多層記録媒体のそれぞれ別の層上に焦点位置を有するようにすれば、この問題点は無くなるが、そのためにはレーザーの設置角を含めて光軸を傾けるか、レンズを傾ける。例えば4ビーム同時記録で相変化追記型4層記録媒体の場合、4層の記録感度が同程度になるように光吸収や熱拡散を設計する。しかしこの場合、層間クロストークを防ぐために層間隔が約20ミクロンと大きいので、図9に示したように光軸を大きく傾ける必要が有り、収差によって集光しにくい、レンズがディスクにぶつかる、という問題が生じる。例えばビーム間隔が100ミクロンの半導体アレーレーザの場合、コリメーターレンズと絞り込みレンズのNA比から光スポット間隔は10ミクロン程度となるので、ディスクの層間隔が20ミクロンだと傾きのtangentは2となり、収差によって集光しにくい、絞込みレンズが基板にぶつかってしまう、などの問題点が有る。従って複数の個別レーザーを段差を付けて接着する必要が有り、精度や歩留まりが上がりにくい。また、各層の光吸収のために記録感度が低く、パワー不足で記録速度が遅くなる可能性がある。
従来例2では、記録感度が極めて高いので上記構成によってレーザパワー不足にならずに高速記録でき、また、多層化により大容量化した場合、隣接する層にも光が当たっても電圧を印加していなければ記録・再生されないので層選択性が得られる。しかし、光吸収が少しは必要なので、光吸収のために奥の層には光が届きにくい。
本発明の目的は、これらの問題点を解決することにある。
上記の問題点を解決するための本発明の構成を以下に述べる。
本願の記録再生装置、記録・再生方法に用いる多層記録媒体では、電圧層選択式多層記録媒体を用い、各記録層の基本状態は透明な状態とする。記録層を挟む電極層間にプラス電圧をかけた層だけが着色する。記録レーザー光照射によって着色機能が失われて記録マークが形成されれば、層全体を透明に戻した時記録マークが見えず、他の層の記録・再生時に障害とならない。これにより、他の層の干渉が無いので層間隔を狭くでき、従来の複数層ディスクより多層・大容量化できる。具体的に言うと、層間隔は1ミクロン以下なので、従来例2で述べたスポット間隔が10ミクロンであっても、光軸の傾斜角は小さくすることができる。
本願では、エレクトロクロミック材料層とは、電圧印加(電流が流れる)によって、直接発色する(吸収スペクトルが変化する)材料の層と、電圧印加によって発光する領域とその光を受けて発色又は消色する領域を有する層をも指すものとする。
このようにするための記録媒体では、記録層として、有機または無機のエレクトロクロミック材料層と固体電解質層との積層膜、またはエレクトロルミネッセント材料とフォトクロミック材料との混合材料層あるいは積層膜を用いれば良い。これにより任意の層だけ光吸収し、他の層はほとんど光吸収が無いようにできる。多層積層するとアドレス情報を表わすピットや溝が変形する場合が有るが、場合によっては何層か積層する毎にピットや溝を転写した薄い層を設けることにより、移動した焦点位置で焦点深度内の少なくとも一部の層のアドレスが読めるようにしておく必要が有る。エレクトロクロミック材料としては、例えば酸化タングステン、チオフェン系有機分子の重合体が挙げられる。
さらにエレクトロクロミック材料としては、産業図書(株)平成3年6月28日初版発行の「エレクトロクロミックディスプレイ」に述べられている各種材料など、現時点で論文発表されている多くのエレクトロクロミック材料が使用可能である。
エレクトロクロミック材料層とそれを挟む第1または第2の電極との間に相変化記録層(たとえばGe2Sb2Te5の層)を設けても良い。光入射側と反対側に設けるのが光学的により好ましい。この場合、エレクトロクロミック層は記録しきい値が高いものとし、相変化記録層にはSb4Te3S2など硫黄を含む低融点のものを選んで相変化記録層にのみ記録が起こるようにするか、エレクトロクロミック層を除去してもよい。このように相変化記録層をもうけると、記録した情報を書換え可能にすることができる。エレクトロクロミック層自身が光導電体層を兼ねたり、相変化して着色あるいは消色特性が変わるものであっても良い。
第1または第2の電極と記録膜との間に、光導電体層を設けた構成としても良い。光導電体層は記録膜より光入射側の電極寄りに設けるのが良い。この場合には、光照射によって光導電体層で発生したフォトキャリアが移動することによって光導電体層の抵抗が下がり、記録層にかかる電圧と電流が急激に増大し、光照射部分の記録層の温度が上昇する。これにより記録層を記録状態にする。キャリアをアバランシェ増倍効果により増加させてもよい。このように、光導電体膜を設けると高密度電流を記録膜に流すことができるため、光照射のエネルギーを小さくできる。
但し、記録層が光導電体層を兼ねている、あるいは、記録層が温度上昇により電気抵抗が低下するタイプのものであってもよい。Ge−Sb−Teなどのカルコゲナイド材料やポリチオフェンなどの有機導電性材料が温度上昇により電気抵抗が低下するタイプに該当する。エレクトロクロミック層が光導電体層である場合、記録の促進ばかりでなく、アレーレーザの先行照射されるビームによる着色あるいは消色の促進効果も得られる。
第1の電極と第2の電極のうち、少なくとも一方の電極を複数に分割して形成すると良い。放射状に複数に分割すればCAV(constant angular velocity)記録にも適合しやすく、電極間容量を小さくできるので応答速度を向上できる。
記録媒体の少なくとも片面の基板の内周部には貫通する電極が設けられ、ディスク上の各電極と回転軸上の各電極を電気的に接続する役割をする。
装置としては、ディスク回転モーターの回転軸または回転軸に取付けられたディスク受け部品の、ディスク側電極と接する部分に複数の電極が配置され、ディスク取り付け時に回転軸側電極とディスク側電極が接触する手段を設ける。これによって、各電極に所定の電圧を印加することができる。
本発明は、上記述べた多層記録媒体に対し複数の光スポットを形成する略平行な複数のレーザービームを、略同一直線上に並んだ複数の発生源から生成するレーザー光源、例えばアレーレーザを用いて情報を記録する。アレーレーザからの各ビームの焦点位置が、別々の層上に有るようにするのが良い。順次隣接する層上に配置されるのが特に好ましい。
本発明は2.6GB DVD−RAMの規格以上の記録密度(トラックピッチ、ビットピッチ)の場合に効果を発揮し,4.7GB DVD−RAMの規格以上の記録密度の場合に特に効果を発揮する。光源の波長が660nm付近でない場合や、集光レンズの開口数(NA)が0.6でない場合は、これらから半径方向,円周方向ともに波長比、NA比で換算した記録密度以上で効果を発揮する。
本明細書では、基板の凹部で溝となっている部分をグルーブと呼ぶ。グルーブとグルーブの間をランドと呼ぶ。光が基板を通して膜に入射する場合は、入射側から見てグルーブは凸に見える。このため、光を基板と反対の側から入射させる方式でも、同様に入射側から見て凸となっている側がグルーブと呼ばれる場合も有る。この部分は、基板だけに注目したときは凸部であってグルーブとグルーブの間のランド部分であるから、この呼び方は本発明の定義とは逆ということになる。ランドとグルーブの一方だけに記録する、いわゆるイングルーブ記録の場合、光入射が基板側からの場合も基板と反対側からの場合も光入射側から見て凸部に記録した方が記録特性が良い場合が多いが、大きな差ではないので光入射側から見て凹部に記録しても良い。
また、本明細書では、結晶−非晶質間の相変化ばかりでなく、融解(液相への変化)と再結晶化、結晶状態−結晶状態間の相変化も含むものとして「相変化」という用語を使用する。
また、本発明のエレクトロクロミック材料が導電性を持つとは、直径80mm以上のディスクの第1と第2の電極間に2Vの電圧を印加した時、0.1mA以上の電流が定常的に流れることで定義する。
本発明の情報記録・再生装置、媒体、情報記録・再生方法では、多層記録媒体の各層に複数のレーザービームのそれぞれを集光することにより、記録・再生の高速化効果が得られる。ディスク回転速度を極端に高速にしなくて良いので、安定な高速記録が行える。テレビの複数チャンネルを同時並列録画するのにも適合する。
(構成、製法)
図1は、この発明の第1実施例におけるアレーレーザを光源として形成された光スポット群と記録媒体との関係を示す。記録媒体の各層に各レーザービームの焦点位置が一致するように光ヘッド、およびその1部であるアレーレーザの取り付け角度と、レンズの位置を調節する。
この媒体は次のようにして製作された。まず、直径12cm、厚さ0.6mmで表面にトラックピッチが0.615ミクロンで深さ70nmのランド・グルーブ記録用のトラッキング用の溝(幅0.615ミクロン)を有し、トラック1周を複数のセクターに分割して各セクターの始まりにピット列によってアドレス、同期信号などを表したヘッダー部を持ち、溝のウォブルによってクロックが表現されたポリカーボネイト基板を用いた。DVD−RAMの基板とほぼ同様な基板である。
図2に示したように、上記ポリカーボネート基板11上に、Ag94PdCu半透明反射層10を膜厚20nm、ITO透明電極9を100nm、エレクトロクロミック材料層8を100nm、固体電解質層7を100nm、WO 保護層6を300nm、ITO透明電極5を100nm、あとは同様に繰り返してエレクトロクロミック材料層、固体電解質層、WO3 保護層、ITO透明電極、エレクトロクロミック材料層、固体電解質層、WO3 保護層、ITO透明電極、エレクトロクロミック材料層、固体電解質層、WO3 保護層、ITO透明電極の順にITO透明電極で両側を挟まれた記録層を4層積層した。さらにこの上に内周部に内径(直径)15mm、外径40mmの電極が貫通した基板、外周部に内径約40mm外径120mm厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を貼り付けた。光はこの張り合せ基板側から入射させた。ポリカーボネート基板11側から光を入射させて記録・再生することも可能である。ITO透明電極はスパッタリング、WO3保護層は真空蒸着で形成した。真空蒸着としたのは、その下の層が有機材料から成る場合、スパッタリング時のイオン衝撃から保護するためである。イオン衝撃あるいは酸素イオンの影響を受けると絶縁層が形成され、駆動電圧が10ボルト以上高くなった。WO層の膜厚は薄い(30nm程度)方が透過率の点では好ましい。保護の目的では、真空蒸着、または塗布、または酸素を全くまたはほとんど添加しないArだけのスパッタリングで形成できる既知の透明導電性無機材料がWO3の代わりに使用できる。WO保護層は保護層としてでなく、オートフォーカスおよび/またはトラッキングおよび/または再生用の光反射層としても用いることができる。この層も電圧印加によって着色し、反射率が高くなりやすいためである。光反射層として用いる場合はすべての記録層に付加せず、1層おき、2層おきなど、複数層おきに設けても良い。グルーブなどの凹凸を転写した層に付けるのが望ましい。このような場合、サーボ信号は光反射層にフォーカスしたレーザービームから、再生信号は同じ、または別の層にフォーカスしたビームから得る。保護層を薄くした場合、上記透明電極から透明電極の周期は約0.45ミクロンであった。この周期は、0.1ミクロン以上の範囲が隣接層への熱拡散による記録状態の変化防止の面で必要であった。15ミクロン以下の範囲がレンズの基板への衝突障害、収差などの光学的な問題が起きないのに必要であった。より好ましい範囲は0.2ミクロン以上2ミクロン以下であった。2ミクロン以下であれば、レーザー素子間隔を広げず、1チップアレーレーザーをそのまま用いても光学的な問題が生じない。
各記録層は固体電解質層の上にもう1層加えた3層構成でも良く、3層構成の場合、例えば酸化発色型第1発色層であるIrOxまたはNiOx(xは1未満の正の数)の層150nm,固体電解質層であるTaの層300nm,還元発色型第2発色層であるWOの層200nmの3層とする。有機材料の既知の酸化発色型と還元発色型のもので固体電解質層を挟んでも良い。また、2層の場合、例えばCrより成るOHイオン貯蔵層200nm、IrOxより成る発色材料層200nmの2層である。なお、光入射側から最も遠い透明電極の代わりにW−Tiなどの金属電極を用いてもよい。エレクトロクロミック材料層を塗布によって形成する場合、積層によって少しずつグルーブが埋まり、記録層の両側の電極間距離はランド部の方がグルーブ部より近い。
エレクトロクロミック材料層に用いる材料としては、チオフェン系有機物のオリゴマーやポリマーなどの有機材料が好ましい。特に、導電性有機材料が好ましい。なお、例えばポリエチレンジオキシチオフェンのようなチオフェンの重合体の場合、レーザーの波長は660nmとした。チオフェンの重合体は塗布または真空蒸着または電解重合によって形成する。電解重合では、モノマーとしてはチオフェン誘導体であるポリ(3−メチルチオフェン)を用い、支持電解質としてLiBF,溶媒としてベンゾニトリルを用いる。一方、ポリアニリンを用いれば青色(波長400nm付近)レーザーで大きな再生信号が得られる。
層構成は、アクリル系紫外線硬化樹脂にLiトリフレート(正式名Liトリフロロメタンスルフォネート,Li trifluorometanesulfonate:CFSOLi)と可塑剤を混合した材料の固体電解質層、およびPEDT/PSSの層、すなわちpoly(3,4 etylenedioxythiophene)とpoly(stylene sulfonate) との混合材料よりなる電子活性導電性ポリマー発色材料層の2層である。
層構成の他の例は、Helmut W. Heuer氏らの、Advanced Functional Materials vol.12, No.2 pp89-94 (Feb. 2002) 記載の、electrochromic Window Based on conducting Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)-Poly(styrene sulfonate)の論文に着色制御窓ガラス材料として述べられている材料と層構成のうち、(CeO67(TiO33より成るイオン貯蔵兼暗電流ブロック層、Liトリフレート(正式名Liトリフロロメタンスルフォネート,Li trifluoromethansulfonate:CFSOLi)の電解質層、およびPEDT/PSSの層、すなわちpoly(3,4 etylenedioxythiophene)とpoly(stylene sulfonate) との混合材料よりなる電子活性導電性ポリマー発色材料層の3層である。チオフェン系ポリマーの層を形成する前に、チオフェン系ポリマーの端部にシアノ基(−NC)、チオール基(−SH)、S−アセチル基(−SAc)のいずれかを付ける処理を行えばさらに好ましい。チオフェン系ポリマーの長手方向がなるべく膜厚方向に向いて、膜厚方向の電流が流れやすいようにするためである。有機電解質層としてはポリエチレンオキサイド−チオシアン酸カリウム系も好ましい。
上記PEDT/PSS層の代わりに、Fei Wang 氏他著のMicromolecules vol.33 pp2083-2091(2000)のElectrochromic Linear and StarBranched poly(3,4-ethylenedioxychiophene-didodecyloxybenzene) Polymers の論文に記載されているエレクトロクロミック発色するポリチオフェン系ポリマー材料であるStar-branched poly(3,4-ethylenedioxychiophene-didodecyloxybenzene)(略称SPEB)を用いると、発色・消色が速く、良好な特性が得られる。電解質には上記電解質を用いる。
電解質層と電子活性導電性ポリマー発色材料層は、チオフェン系ポリマー層を電界重合によって形成し、例えばLiトリフレートのようなドーパントを膜中に取り込んでしまうことにより、一層化することもできる。このような有機材料層を用いる場合のメリットは、導電性が有り、導電率は温度上昇とともに高くなり、また、光導電性も持たせることができるのでフォトキャリアーを電界によって加速し、温度上昇により着色を促進したり記録感度を高めることができること、WOのように発色消色に膜中への水分の出入りを必要としないことである。着色は分子中に電子が取り込まれることにより正電荷によるポーラロンが消滅して光で励起状態にできるようになることによって起こる。この電子移動を助けるためにLiなどのイオンが移動する。モノマー、または数分子が結合しただけの低分子量のものを高速真空蒸着し、基板上でオリゴマーやポリマーにするのも好ましい。基板上でオリゴマーやポリマーにするには、真空蒸着中に青色または近紫外光を照射して分子を励起状態にする。チオフェン系ポリマー(略してポリチオフェン)のほか、Lu−ジフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、ヘプチルビオロゲン、タングステン蓚酸錯体,スチリル系化合物である 3,3ジメチル-2-(P-ジメチルアミノスチリル)インドリノ[2,1−b]オキサゾリン(IRPDM)(光源波長5145nm)や3,3ジメチル-2-(P-ジメチルアミノシンナミリデンビニル)インドリノ[2,1−b]オキサゾリン、青色レーザー記録再生用としてポリアニリンとポリ(2−アクリルアミド−メタン−2−プロパンスルフォン酸(略称PANPS))との積層膜(D. DeLongchamp and P. T. Hammond によるAdvanced Materials Vol.13, No. 19, 1455(2001)の論文に記載)なども使用可能である。
さらに、光導電効果をもたせるために、TCNQ(7,7,8,8−Tetracyanoquinodimethane)の層を形成してもよい。
これら有機物を用いる場合も、ディスクの他の部分は上記実施例と同様とした。
WOに代わる無機物の材料としては鉄のシアン化物であるプルシャンブルー(KxFeIIyFeIIIz(CN)、MoO,Nb,V,TiO,NiOOH,CoOOH,Rh,IrOx(xは1未満の正の数)、ZrNCl,InN,SnNx(xは1未満の正の数)、MnOx(xは2未満の正の数),WO−MoO複合(混合)薄膜なども使用可能である。これらの材料は保護層のWOの代わりに用いることもできる。
エレクトロクロミック材料では、電流によってLiなどの金属や水素などの陽イオンが所定の場所から動いてしまったり光スポット内の基底状態にある電子のほとんどが励起されてしまうと、自動的に光吸収が減ったり電流が流れにくくなるので、ディスク全体に大きな電流が流れたり、光スポット照射部分で過大な電流が流れて記録マークが大きくなりすぎるのが防止できる。すなわち現象としては、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加しながら光を照射すると、照射した場所付近の電流が増大し、光照射が終わってからも電圧を印加し続けた場合、一定時間後に電流が低下し、記録層(エレクトロクロミック層など)の状態変化が観測される。光照射中に自動的に電流が低下する場合も有る。
エレクトロクロミック層の代わりにエレクトロルミネッセント(EL)材料とフォトクロミック材料の混合材料を用いても良い。EL材料が発する光によって、フォトクロミック材料の色が変化し、記録あるいは読出し光の波長に対して光吸収が生じるようにする。EL材料としてはZnOなどの無機材料や有機材料を用いることができるが、有機材料については、例えば豊田中央研究所R&DレビューのVol.33,No.2(1998年6月)の3ページから22ページの解説に述べられている有機EL材料のうち、ジアリルエテン、フルギドなどのフォトクロミック材料を変色させるのに発光波長が適合するものを当該フォトクロミック材料と組み合わせて用いる。これら有機材料の層の場合は、真空蒸着、気相成長、塗布などの方法で形成する。塗布の場合は溶媒で十分に希釈して、グルーブ部分とグルーブ間の部分で膜厚差が大きくなり過ぎないようにした。有機EL材料は電子またはホール輸送層材料と発光層材料と、効率を向上させたい場合はドーピング材料からなり、ホール輸送層材料としては、トリフェルアミンを星形分子にしたスターバーストアミン(m−MTDATA)膜厚60nm,発光層材料としてはベンゾオキサゾールZn錯体(Zn(BOX)2)膜厚40nmを用いて青色発光する。
フォトクロミック材料としてはフルギド、ジアリールエテンなどが使用できる。フルギドの場合、青色光照射によって波長500nm付近に吸収が生じるので、波長514.5nmのKrレーザーで記録可能である。
上記積層膜の上に紫外線硬化樹脂によるオーバーコート層を形成し、もう1枚の基板と張り合わせた。
レーザー光を照射しながら、記録または読出しをしたい記録層の両側の透明電極に電圧を印加すると、その層だけが着色し、レーザー光を吸収、反射するようになるので、選択的に情報の記録や読出しができる。電圧印加は必ず1つの記録層だけに限定する必要は無く、アレーレーザーで複数記録層に同時に記録する場合は、複数対の電極間に電圧を印加する。また、記録しない記録層の電極間の電圧を固体電解質側がプラスの低めの値にして各層に順次間歇的に電圧を印加しておけば、電極間容量や着色する材料の応答速度により、着色に時間がかかるのを防ぐことができた。また、消色させる場合は逆電圧を印加した。
記録はレーザー光、および/または電流の作用によって、膜のエレクトロクロミック作用を失わせ、電圧を印加しても発色しない、あるいは記録前と異なる吸収スペクトルを持つようにして行う。有機導電性材料層または固体電解質層を少なくとも部分的に分解、あるいは重合させて、エレクトロクロミック作用を失わせたり、着色または消色の速度を遅くしたりしても良いし、ポリアセチレンのような結晶化しやすい有機導電性材料をエレクトロクロミック層に用いる場合、相変化(非晶質化や結晶性の変化)でエレクトロクロミック作用を失わせたり、着色または消色の速度を遅くしたりしても良い。相変化の場合、連続光照射による結晶化消去の速度は遅いが、書換え可能になる。逆に発色が強まることにより記録されても良いが、逆電圧をかけた時は記録していない部分と光学的に同じ状態になって、記録が見えないようになる必要が有る。別の方法として、熱または電流による物理的変化(相変化など)、または化学変化(例えばLiイオンとの反応)によって屈折率、消衰係数のうちの少なくとも一方が変化する有機、あるいは無機材料の層を別の層として積層し、この層の変化によって記録を行ってもよい。例えば、無機の相変化記録膜として、In50Se45Tlの組成のものを用いると波長780nmあるいは660nmの光、特に波長780nmの光に対して透過率が高いので好ましい。 記録時にはエレクトロクロミック材料層の光吸収によって間接的に加熱される。エレクトロクロミック材料層は材料によって大小が有るものの光導電性を持つので、フォトキャリアのうちの電子がエレクトロクロミック材料分子に吸収され、着色が加速されたり、逆に消色が加速されたり、電流によって発生する熱によって着色や消色が加速されたりする。効果も生じる。相変化記録層を設けた場合は、加熱により、記録膜は結晶化、あるいは非晶質化の相変化を起こす。相変化による屈折率変化がエレクトロクロミック層の着色時に特に反射率差として見えやすいように光学設計しておくことにより、多層の記録膜のそれぞれをほぼ独立に読み出すことができる。透明電極から透明電極までの光学的膜厚が読み出し光の波長に対してほぼ1波長分になるようにすると、どの記録層も光学的に等価となるので好ましい。
電圧印加を複数層に同時に、あるいは順次行って記録時、および/または再生時に複数層が発色するようにしても良い。各層の透明電極から透明電極までの厚さを絞込みレンズの焦点深度程度の厚さにし、光吸収係数が奥の層ほど大きくなるように発色させてもよい。記録時と再生時の各層の光吸収係数の分布を変えられるのも本発明の特徴である。記録時には、単層で測定した時の吸収率が光入射側から20%、30%、40%、50%と奥ほど大きくなるように各層のエレクトロクロミック材料濃度や各層への発色電圧印加時間を変え、再生時にはどの層も20%で均一とすると、Ag−Pd−Cu反射層で反射して来た光には各層の情報が均一に含まれるので好都合である。
全積層をいくつかにグループ化し、例えば本実施例の場合では4層を2層ずつのグループにして同一グループのエレクトロクロミック層は同時に発色、消色させるようにすれば、
発色、消色に要する時間を短くすることができる。同一グループ内では上記のように光入射側から遠い層の方の光吸収率が高くなるように電圧や、エレクトロクロミック材料のアクリル系ポリマーなどでの希釈程度を調整すると、より良好な記録特性が得られる。
発色・消色に要する時間が記録・再生速度の制約要因にならないようにする他の方法として、光入射側から見て奥の層から順次発色させ、消色は手前の層から順次消色させるのが有効である。このようにすれば、一つの層の発色中に隣接する層に電圧をかけ始めて発色を準備することができ、スピードアップできる。
シート抵抗が大きいことがあまり問題とならない小型の記録媒体では、透明電極もポリアセチレン、ポリチオフェンなどの導電性ポリマーで形成することが可能である。その場合、無機物透明電極に比べてエレクトロクロミック層との屈折率差が小さく、界面で反射した光の干渉などの悪影響を避けることができる点で好ましい。下地層として疎水性表面処理剤、シランカップリング剤、または平均0.5から3nmの膜厚の薄い銅族元素(Cu,Ag,Au)層を設けても良い。
さらに、記録層間の透明電極を2層に分けてその間の断熱層を設け、断熱層も有機材料とすれば上記と同じ理由で光学的に好ましい。断熱層は導電性が有っても良いが、無い方がより好ましく、アクリル系オリゴマー、ポリマー、金属フタロシアニンの真空蒸着膜など、多くの材料が使用可能である。ZnS−SiO2などの無機材料を用いてもよい。
この他、エレクトロクロミック材料層に電流や予熱レ−ザービームによる昇温で吸収端が変化する導電性有機材料層を用いてもよい。
記録層に相変化材料層を用いる場合、相変化記録層は屈折率が高いので界面での反射を防ぐために透明電極層の膜厚を反射防止効果を持つように選ぶのが良い。
厚さ20〜40ミクロンのスペーサー層を多層記録層の数層毎(例えば5層おきで、アレーレーザを用いる場合、ビーム数、またはビーム数−予備照射ビーム数に一致させるのが特に好ましい。)に挟んでもよい。スペーサー層にはニッケルスタンパーからトラッキング用のグルーブ、ピットのうちの少なくとも一方を含む凹凸パターンを転写してトラッキング信号やアドレス、クロック、同期信号などの検出に用いるのが良い。スペーサー層に転写したパターンの上にエレクトロクロミック材料か固体電解質材料を薄く塗布して、層の厚さが凹部で厚く、凸部で薄くなるようにして、エレクトロクロミック材料層と固体電解質材料層の残る一層を塗布して透明電極層で挟まれた構造とした時、正電圧を印加すると凹部が強く着色するようにしてアドレス信号などを検出できるようにするのも好ましい。この場合、スペーサー層を2層以上用いる場合は、光学系に球面収差を補償する素子を設けた方が良い。
張り合わせ基板を0.1mm程度に薄くして、絞込みレンズのNAを0.85と大きくしても良い。そうすれば最短記録マーク長やトラックピッチは約3/4程度にできる。
なお、記録層と光導電体層を別の層とする場合、それらの間には相互拡散・反応を抑制するため、導電体層(金属層や透明電極層)を極めて薄く設ければ、繰返し書換え時に信頼性が増す。ただし、光導電体層で発生したフォトキャリアが突き抜けるように、1nm以上10nm以下の平均膜厚にする必要がある。縞状や網目状の不連続膜であっても良い。例えば記録層と光導電体層との間に厚さ5nmのAlあるいはW80Ti20の電極層を設けると、界面での電位の均一化ができた。真空蒸着によるAl層を記録層形成後で透明電極のスパッタリング形成の前に付けると、有機材料をイオン衝撃や酸素イオンの影響から保護する効果が得られる。
透明電極は、ディスク全体が一電極でも複数の扇形透明電極に分離してもよい。ただし、分離した方が電極間容量が小さくなるので、電圧の立上り、立下りが早くなって好ましい。発色、消色に要する時間と電流が実用的な範囲であるために電極間容量は0.1F以下が特に望ましいが、素子の特性が良好であるためには、0.01F以上となる構造とするのが良い。透明電極は複数の扇形電極に分離せず、光入射側から見て奥にある金属電極の方を分離してもよい。また、上下の両電極を分離してもよい。この場合、上下の電極の切れ目の位置は一致していても良いが、一致していなくてもよい。
図6に示したように、各層は、形成時に内周マスクを少しずつ大きくして行って、各電極が同心円状に内周部に露出するようにした。張り合わせ基板の内周部は別の基板となっており、この基板はプリント基板状で両面に透明電極の数に対応した同心円の金属層が形成されており、金属ピン(細い金属円筒、または金属線)が貫通していて表面と裏面の対応する同心円電極を接続している。記録層を有する基板側に貼り付ける側は、通常のプリント基板では表面の金属配線にハンダメッキされているが、この場合はIn層を形成しておく、Inは撮像管のフェースプレートの圧着に使われていたように低融点で柔らかいので、記録層を有する基板に押し付けると変形して透明電極に接着する。Inの代わりに市販の導電性両面テープのような、導電性と弾力性の有る有機材料、あるいは有機材料と金属の複合材料を用いても良い。内周側基板と、記録・および/または再生領域を有する外周側基板は一体であっても、互いに接着されていても、あるいは別々に相手側の基板に接着されていても良い。
ディスク回転モーターの回転軸上部のディスク受け部分上部には図7に示したようにディスクの内周側基板表面の同心円電極と接触するバネを内蔵したピン電極が1つの同心円電極あたり3つづつ設けられており、ディスクを置けば各電極に電流を流すことができる。図7では簡単のため3つの同心円電極に対応するピン電極だけを描いている。ピン電極は円筒状でもよい。内周側基板は外周側張り合わせ基板と一体化してもよい。ディスク側の各同心円状電極は、複数の円弧に分割してもよい。内周側基板の一方または両方の面の複数の同心円状電極を省略することもできる。上記内周側基板をディスク製作に用いることにより、各電極間接続が確実に行える。繰返しディスク着脱の耐久性も非常に良好になる。また、別の方法として、反射層兼電極と上記透明電極には、それぞれの最内周部に引き出し電極を設け、この引出し電極はディスク最内周部まで達しており、図3に示すように、記録再生装置のディスク回転軸上のそれぞれ別の電極に接続するため、ディスク中心穴付近または穴の端面の複数の電極に接続してもよい。ディスクを置いた時、回転軸上のディスク受け部分の各電極がディスク側の引き出し電極、またはそれに接続した電極に接触する。この場合、接続すべき電極同士を対応させるため、凸部と凹部の組合わせなどによる、ディスク回転方向の位置合わせが必要である。先に述べた同心円状電極の方が、位置合わせが必要無い点、透明電極の面抵抗が十分低くない場合でも円周方向に均一な電圧がかかる点で好ましい。
ディスク受け部分(円板)に接続するディスク回転モーターの回転軸の内部の表面付近を通って、5層までの多層ディスクに対応できるように6本の分離した電線が上記ディスク受けの電極に接続されている。各電線が、上記の同心円状の3個ずつのピン電極に接続されている。ディスク回転軸の各電線には複数のブラシとリングとの組み合わせの電圧伝達機構(図3の31)により記録装置の回路基板より給電した。ブラシとリング部分の回転軸直径(リングの外径)は3mmとした。各リングからは回転軸内をディスク受け部分に向かって各リングからの配線が上がっていく。ブラシとリングの場合、その部分の回転軸をできるだけ細くし、直径5mm以下、より好ましくは3mm以下として、線速度を小さくすれば、磨耗を抑制することができ、長寿命化できる。この場合、その部分に回転方向以外の力がかからないよう、その部分の上下(横置きの場合は左右)を軸受けで支える構造とした。ブラシは、1電極ごとに独立としても良いが、ここでは6本をまとめて1枚のバネ板状とした。このようにまとめる方法では、50電極程度の多数電極になっても相互干渉無く安定に動作できる。ブラシとリングとの組み合わせの代わりにボールベアリングを用いてもよい。ボールベアリングにはカーボン微粉を混合した導電性グリースを充填して導電性を向上させた。電圧伝達機構(給電方法)はレーザーまたはLEDと太陽電池との組み合わせによる非接触式など、他の方法を用いても良い。電圧伝達機構はディスク回転モーターのディスク側に有っても、反対側に有っても良い。反対側の方がトルクを要求されないので、軸を細くしやすいというメリットが有るが、モーター下部にスペースが必要である。
記録・再生レーザー光は、張り合わせ基板側から入射させた。基板表面に金属反射層を設けず、最上部にグルーブ等の凹凸の転写層を設け、必要が有れば金属反射層を設けて、基板側からレーザー光を入射させても良い。
(記録・消去・再生)
上記記録媒体に対して、情報の記録再生を行った。以下に、図3を用いて、本情報記録再生の動作を説明する。まず、記録再生を行う際のモーター制御方法としては、記録再生を行うゾーン毎にディスクの回転数を変化させるZCLV(Zoned Constant Linear Ve1ocity)方式を採用したものについて述べる。予熱、予備照射の効果が一様であるためには、ZCLV方式が最適であった。
(ZCLV記録方式、CAV記録方式)
記録波形を変えない場合、良好な記録再生特性を得るのに最適線速度で記録するのが望ましい。しかし、ディスク上の半径の異なる記録トラック間をアクセスする時、線速度を同じにするために回転数を変えるのには時間がかかる。そこで例えばDVD−RAMでは、アクセス速度が小さくならないようにディスクの半径方向を24のゾーンに分け、ゾーン内では一定回転数とし、別のゾーンにアクセスしなければならない時だけ回転数を変えるZCLV(Zoned Constant Linear Velocity)方式を採用している。この方式では、ゾーン内の1番内周のトラックと一番外周のトラックで線速度が少し異なるので記録密度も少し異なるが、ディスク全域にわたってほぼ最大の密度で記録することができる。
一方、半径方向に大きくアクセスしても回転数を変えなくても良い点では回転数一定のCAV記録方式が好ましく、回転数を変える際の電力消費を抑制できるのでモバイル機器にも適している。本発明は既に述べたように半径方向位置によらず一定の加熱時間が得られるので、CAV記録も容易にする効果が有る。
(マークエッジ記録)
例えばDVD−RAMおよびDVD−RWには高密度記録が実現できるマークエッジ記録方式が採用されている。マークエッジ記録とは、記録膜に形成する記録マークの両端の位置をディジタルデータの1に対応させるもので、これにより、最短記録マークの長さを基準クロック1個でなく2〜3個分に対応させて高密度化することもできる。DVD−RAMでは8−16変調方式を採用しており、基準クロック3個分に対応させている。マークエッジ記録方式は、円形記録マークの中心位置をディジタルデータの1に対応させるマークポジション記録に比べると、記録マークを極端に小さくしなくても高密度記録できるという長所がある。ただし、記録マークの形状歪みが小さいことが記録媒体に要求される。
本実施例では、マルチビームを集光した各光スポットが、それぞれ別の層上に焦点位置を有するようにレーザーの設置角を含めて光軸を傾ける。これによって各記録媒体上では通常の記録を行えばよい。
4ビーム同時記録で従来の相変化追記型4層記録媒体の場合、層間クロストークを防ぐために層間隔が大きいので、光軸を大きく傾ける必要が有り、収差によって集光しにくい、レンズがディスクにぶつかる、という問題が生じる。例えばビーム間隔が100ミクロンのレーザーアレイの場合、層間隔が20ミクロンだと傾き角は1/5となる。また、各層の光吸収のために記録感度が低く、パワー不足で記録速度が遅くなる可能性がある。
しかし、電圧層選択方式多層記録媒体の場合は、相変化記録媒体の上記の問題点を解決できる。まず、層間隔は1ミクロン以下なので、ビーム間隔100ミクロン程度に対して、傾斜角は十分小さい。ここでは層周期約300nm,ビーム間隔約50ミクロンとした。
本実施例では通常の1チップアレーレーザーを用いることもできるが、アレーレーザーの各レーザーチップを切り離し、シリコン基板上でチップ間の間隔を離して接着するのも好ましい。光スポット間隔は、コリメーターレンズ(NA0.1程度)と絞込み(集光)レンズとのNA比によって、ビーム間隔の約1/8程度になるので、レーザー素子間隔を広くした方がディスク上でのスポット間隔を広げ、下記のメカニズムによる予備加熱着色の時間を稼ぐことができる。しかし、間隔を広げ過ぎると1つのレンズで集光する場合、両端のビームに収差が出るなどの問題点が生じる。1つのレンズに入るビーム数を5とすると、両端のビームの収差を十分小さく抑えるために、NA0.85ではビーム間隔50ミクロン以下であるのが特に好ましい。
電圧層選択方式多層記録媒体は、光吸収が少なくても記録できるのでビーム本数に対応する層を着色させて記録しても良いが、さらに高速記録する場合は次のようにして制御する。まず1番先行してディスクに当たる第1ビームに対応する1番奥の層を電圧印加により薄い着色状態にしてオートフォーカス、トラッキングは可能で、レーザー光を照射しても記録状態は変化しないようにしておく。記録状態が変化しないようにするのが難しい場合は記録を行わないダミー層としても良い。1番先行するビームはパワー変調せず、連続的加熱専用とする。この層から数えてビーム本数までの層は完全焦点位置ではないが光パワー密度が高い範囲内に存在するので、前もって通常の着色時より高めの電圧のパルス電圧印加を行うか、1番奥の層とほぼ同時または僅かに遅れて電圧印加を開始し、少し着色させておき、先行ビームの照射により予備照射される。記録媒体は予備照射により着色が加速され、急速に光吸収が増加するので、第2ビームにより奥から2番目の層が照射されるときには十分な吸収量となる。記録トラックはらせん状であるから、第2ビームは第1ビームが照射されてからディスクの数回転後にディスク上の同じ場所に当たるように配置すれば、予備照射後十分着色するまでにms単位の時間を要する記録媒体であっても、十分着色した状態で第2ビームが照射される。3回転待てば0.1秒程度(正確にはrpsで表した1秒間の回転数の逆数×3)の待ち時間になるので、電圧印加だけで1秒で着色する材料であれば予備照射による1桁の着色加速で十分着色させられる。すなわち、ビーム数×3トラック以内であれば効果が大きいことになる。多数回転待ち過ぎる場合は、予備照射の効果がなくなるし、ビームスポット間隔が広くなり過ぎ、レーザー価格が高くなってしまう。しかし100ミクロンピッチのレーザーアレイの場合スポット間隔20ミクロンまでの可能性は有り、例えばトラックピッチを約0.6ミクロンとすれば33トラック離れ、すなわち33回転待ちまでは可能性が有ることになる。第3、第4ビームについても同様である。このようにして目標の層だけ十分に着色した状態で記録・再生を行う。記録は熱によって着色機能が失われることによって行われた。予備照射の効果以外に、透明電極の面抵抗による内周から外周への着色や消色の遅れを利用することもできる。この場合は着色や消色のフロントが直径120mmのディスクの最内周から最外周に動くのに1秒程度の時間がかかるので、例えば回転速度が30rpsの場合1回転の間に1mm程度着色や消色のフロントが進むことになる。ある半径上の点で上記の最大スポット間隔20ミクロンで隣接する層間で着色と透明の差を付けるには、1/50秒間隔で着色電圧をかけ始めれば良いことになる。
ビーム数より層数が多い場合は、他の層に記録・再生するにはビーム本数分層をジャンプして同様に記録を行う。
予備加熱および/または予備照射により着色が加速されるメカニズムについて、図1を用いてもう少し詳しく述べる。そのためには、まず着色のメカニズムから述べる必要が有る。各記録層は基本的に2層または3層から構成され、主要な役割を果たしているのは固体電解質層とエレクトロクロミック材料層である。固体電解質層は、最初は電解液であったのを固体化したものであり、その動作は液体電解質で考えると考えやすい。
エレクトロクロミック層内にはポリスチレンスルフォン酸(PSS)が混合されているので、電解液内のLiがイオン化してプラスに帯電するのに対応して、ポリエチレンジオキシチオフェン分子から電子を奪ってマイナスに帯電する。ポリエチレンジオキシチオフェン中には正電荷が生じ、ポーラロン、バイポーラロンが形成される。ポーラロン、バイポーラロンが形成された分子は可視域の光吸収がほとんど無くなる。電解液側の電極をプラス、エレクトロクロミック層側の電極をマイナスにして電圧を印加すると、電解液中のLiイオンはエレクトロクロミック層側に動いて層の表面に集まる。1部のLiイオンはエレクトロクロミック層内に入り込む。エレクトロクロミック層側の電極からは電子が注入されるので、エレクトロクロミック材料層内の電子濃度は高まり、電子がポリチオフェンジオキシチオフェン分子の正電荷と結合する。これによって着色が起こる。PSSに捕えられていた電子は、1部がLiイオンに引かれて電解液方向に出て行く。
この着色過程において光が照射されてフォトキャリアが生成され、かつエレクトロクロミック層の温度が上がると、ホッピング電導の導電率が上昇する。そうすると電子注入は大幅に高速化し、フォトキャリアとして電子も生成するので、着色が大幅に促進される。この現象を利用したのが先行ビームによる予備照射である。ホッピング伝導、または半導体的伝導であることや、光伝導性が有ることが知られている材料であれば、本実施例で述べた材料以外でも同様な効果が得られる。無機エレクトロクロミック材料の多くは半導体的で、光導電性も有る。
温度上昇、フォトキャリアに起因する導電率上昇による色変化速度の向上が不十分な場合でも、別の予備照射効果として、温度上昇による吸収端の変化を利用することもできる。両方の効果を利用しても良い。通常、温度が上昇すると有機高分子は分子の平面性が保たれず、時間平均的に3次元的な変形が生じて、光吸収端が動く場合が多い。この効果によっても、予熱効果によって着色、または消色が高速化する。温度上昇による吸収端の変化は、可視域では透過率が上昇する方向に動く場合の方が多い。基底状態に存在する確率が下がったり、ポリマー分子の平坦性が失われて吸収が減少したり、電子を放出することによって吸収が減少する分子が、逆の場合より多いことによる。温度が上がっている間透過率が上昇する効果が他の効果より大きい場合は、予備照射ビームを一番光入射側に配置し、続くビームを順々に奥の層に焦点合わせするようにするのが良い。このような配置では記録によって記録マークの部分の透過率が上昇して奥の層に透過する平均光量が増加する効果も利用することができる。以上述べた各種過程はLiイオンの動きに比べて桁違いに速いので、着色・または消色を大幅に高速化することができる。予熱以外に、光化学または物理効果による着色の高速化を利用しても良い。
逆に加熱により消色が速くなる方が顕著な特性の記録媒体を用いる場合には、図5に示すように、第1ビームを1番手前の層に焦点合わせし、一つ奥の層を消色し始めさせる。消色が始まっても第2ビームが当たるときにはまだ色が濃いので記録・再生が容易であるが、第3ビームが当たる時には二つ奥の層の記録・再生の障害にならないように消色している。例えば吸収飽和により吸収が減衰する現象を利用することができる。
上記の予熱効果を得るために、アレーレーザーは、ほぼ平行な複数のレーザービームを、ほぼ同一直線上に並んだ複数の発生源(レーザー)から生成するが、レーザー素子を分離し、間隔を広げたものでも、シリコン単結晶へき開面を利用するなどの方法で直線状に配置するのが良い。
第1の層に第1のレーザービームからの第1の光スポットを照射し、第1の層に第1の光スポットを照射した後に、前記第1の層に隣接した光入射側の第2の層に第2の光スポットを照射されるように光スポットを位置決めして情報を記録または再生する。複数のレーザービームから多層記録媒体の各層に形成される光スポットは、隣接するビームが基板の半径方向の同一トラック上、またはビーム数×3トラック以内にあるように位置決めまたは制御すると、予備照射効果が得られたが、それ以上の位置ズレが有ると、予備照射効果は他の層の影響無く記録・再生するのに不十分であった。ビーム数×1トラック以内であれば、ほぼ最内周トラックまたは最外周トラックから同時に書き始めることができるというメリットが有る。
このように、多数のレーザービームスポットをディスクの円周方向に、同一トラックまたは近接したトラック上に並べることは、アドレス確認の容易さ、いずれのビームも最外周や最内周のトラックから外れることが無い点でも好ましい。
上記複数のレーザービームのうち、図8に示すように、両端に近い少なくとも2つのレーザービームでトラッキングエラー信号またはトラックアドレス信号を検出する手段を設けることにより、位置ズレを検出する必要が有る。
上記多層記録媒体は、予熱用光スポットを照射する層で記録状態の破壊が起きないように、所定の周期で情報を記録しないが電圧印加により着色し反射率上昇が可能な予熱・予備照射ビームのフォーカス・トラッキング専用層を有するのが好ましい。
図4は、本発明の多層媒体の記録層周期と波長、NAとについて効果を得ることのできる範囲についてプロットしたものである。このように、焦点位置から離れた層で予熱または予備照射の適度なレーザーパワー密度が得られるように、λ/NA (λはレーザーの波長、NAは絞込みレンズの開口数)と特に好ましい層周期との間にはほぼ比例する関係が有る。しかし、これは記録層の予備照射効果の大小にも依存し、ポリチオフェンに添加する材料の量と種類を変えて実験すると、図4に細い点線で示したように、図の比例する関係を示すグラフの縦軸方向の値の1/3から3倍の範囲の任意性が有った。すなわち、1/3から3倍の範囲であれば着色、または消色促進効果が得られた。図4に太い点線で示したように1/2から2倍の範囲であればより好ましい。ただし、黒丸でプロットした線より上はレーザービームが広がって予熱効果が得にくくなる方向であるから、黒丸でプロットした線より下側が、より好ましい。消色促進効果が得られる記録媒体の場合は、読み出しレーザーパワー密度を予備照射より低くしないとコントラストが低下してしまう。
記録装置外部からの情報は8ビットを1単位として、8−16変調器3−8に伝送される。情報記録媒体(以下、光ディスクと呼ぶ)3−1上に情報を記録する際には、情報8ビットを16ビットに変換する変調方式、いわゆる8−16変調方式を用い記録が行われた。この変調方式では媒体上に、8ビットの情報に対応させた3T〜14Tのマーク長の情報の記録を行っている。図中の8−16変調器3−8はこの変調を行っている。なお、ここでTとは情報記録時のクロックの周期を表している。ディスクは光スポットとの相対速度が15m/sの線速度となるよう回転させた。
8−16変調器3−8により変換された3T〜14Tのデジタル信号は分配装置により各ビームに分配される。もちろん、例えばテレビの各チャンネルの映像・音声信号のように元々別々の信号を各ビームに割り振って並列記録しても良い。各ビームの記録信号は記録波形発生回路3−6に転送され、マルチパルス記録波形が生成される。
この際、記録マークを形成するためのパワーレベルを12mW、パワーを下げたパワーレベルを0.1mWとした。線速度を8.2m/sから変えても、この範囲に大きな変化は無かった。読出しは、電圧を印加せずに1mWで行う。2mWを越えるパワーで長時間読むと、記録されているデータの劣化が生じた。また、上記記録波形発生回路内において、3T〜14Tの信号を時系列的に交互に「0」と「1」に対応させるようにしている。この際、高パワーレベルのパルスが照射された領域は非晶質(マーク部)に変化する。また、上記記録波形発生回路3−6内は、マーク部を形成するための一連の高パワーパルス列を形成する際に、マーク部の前後のスペース部の長さに応じてマルチパルス波形の先頭パルス幅と最後尾のパルス幅を変化させる方式(適応型記録波形制御)に対応したマルチパルス波形テーブルを有しており、これによりマーク間に発生するマーク間熱干渉の影響を極力排除できるマルチパルス記録波形を発生している。
記録波形発生回路3−6により生成された記録波形は、レーザー駆動回路3−7に転送され、レーザー駆動回路3−7はこの記録波形をもとに、光ヘッド3−3内の半導体レーザーを発光させる。
本記録装置に搭載された光ヘッド3−3には、情報記録用のレーザービームとして光波長660nmの半導体レーザーアレーが使用されている。また、このレーザー光をレンズNA0.65の対物レンズにより上記光ディスク3−1の記録層上に絞り込み、レーザービームを照射することにより情報の記録を行う。
本実施例の記録媒体では、記録マークとそれ以外の部分とで約2:1の光反射率のコントラスト比が得られた。コントラスト比がこれ以下になると、再生信号のノイズによる揺らぎが上限値の9%を越えてしまい、実用的な再生信号品質の範囲を外れる。透明電極にSiOを含有させて(SiO40(In55(SnOとすると、屈折率が低下して光学的に有利になり、コントラスト比は2.5:1以上にできた。
消去は、印加電圧を下げ、レーザー光を連続照射することによって非晶質領域を結晶化させて行う。消去もパルスレーザー照射を行い、どの記録パルスよりも広いパルスを繰り返して消去しても良い。
記録された情報の再生も上記光ヘッドを用いて行った。アレーレーザーで再生すべき層を記録時と同様に予備加熱により着色させ、レーザービームを記録されたマーク上に照射し、マークとマーク以外の部分からの反射光を検出することにより、再生信号を得る。
多数ビームの場合、各ビームの焦点位置が必ず別々の層の上にある必要は無く、例えば2ビームずつ同じ層上に記録・再生しても良い。
各ビームの再生信号は必要が有れば多重化手段(合成手段)により、時系列的な1つの信号に復元される。
この再生信号の振幅をプリアンプ回路により増大させ、8−16復調器3−10では16ビット毎に8ビットの情報に変換する。以上の動作により、記録されたマークの再生が完了する。
以上の条件でマークエッジ記録を行った場合、最短マークである3Tマークのマーク長は約0.4μmとなる。記録信号には、情報信号の始端部、終端部に4Tマークと4Tスペースの繰り返しのダミーデータが含まれている。始端部にはVFOも含まれている。
信号変調方式として8−16変調以外を用いることももちろん可能である。
(光導電体層)
光導電体層としては、上記のAs−Se系材料のほか、高温熱処理が必要なため基板材質が制約されるがCdTe,CdS,CdSeなどの既知の無機光導電性材料、実施例2で詳しく述べるポリチオフェンなどの既知の各種有機導電性材料も、着色した状態で光導電材料として使用することができる。
(電極材料)
反射層を兼ねた電極材料として好ましいものは、用途によって異なる。多数回書換えを要求される場合は、タングステン、またはモリブデン、あるいはその少なくともいずれかを含み、チタンなどの他の金属元素を50原子%未満含むものが好ましい。
一方、1回だけ記録する追記型や少数回の書換えでよい場合は、光学特性や熱拡散率を重視した、光ディスク用に好ましい金属を電極として用いるのが良い。反射率と熱伝導率が高い金属層は,AlあるいはAl合金の場合,Cr,Tiなどの添加元素が4原子%以下の高熱伝導率材料であるのが,基板表面の温度上昇を防止する効果があって好ましい。次いで,Au,Ag,Cu,Ni,Fe,Co,Cr,Ti,Pd,Pt,W,Ta,Mo,Sb,Bi,Dy,Cd,Mn,Mg,Vの元素単体、またはAu合金,Ag合金,Cu合金,Pd合金,Pt合金,Sb−Bi,SUS,Ni−Cr,などこれらを主成分とする合金、あるいはこれら同志の合金よりなる層を用いてもよい。このように、電極兼反射層は、金属元素、半金属元素、これらの合金、混合物、からなる。この中で、Cu,Ag,Au単体あるいはCu合金、Ag合金、特にPd,Cuなどの添加元素が8原子%以下のもの、Au合金等のように熱伝導率が大きいものは、有機材料の熱劣化を抑制する。
透明電極の材料としては、(In)x(SnO)1−xの組成で、xが5%から99%の範囲の材料、抵抗値の面でより好ましくは、xが90%から98%の範囲の材料、これにモル%で50%以下のSiOを添加したもの、SnOにモル%で2から5%のSbなどの他の酸化物を添加したもの、などの既知の透明電極材料、ポリチオフェン、ポリアセチレンなどの導電性有機材料が使用可能である。
(基板)
本実施例では、表面に直接、トラッキング用の溝を有するポリカーボネート基板77を用いているが、トラッキング用の溝を有する基板とは、基板表面全面または一部に、記録・再生波長をλとしたとき、λ/15n(nは基板材料の屈折率)以上の深さの溝を持つ基板である。溝は一周で連続的に形成されていても、途中分割されていてもよい。また、その溝幅は場所により異なっていてもよい。溝部とランド部の両方に記録・再生が行えるフォーマットを有する基板でも、どちらか一方に記録を行うフォーマットの基板でも良い。グルーブのみに記録するタイプでは、トラックピッチが波長/絞込みレンズのNAの0.7倍付近、グルーブ幅がその1/2付近のものが好ましい。
本発明の一実施例の複数のレーザビームと記録媒体の各層との位置関係を示す図である。 本発明の一実施例の情報記録媒体の積層膜の断面図である。 本発明の一実施例の記録・再生装置の構成を示す図。 本発明の一実施例の情報記録装置に用いる媒体の層の周期と波長、NAとの好ましい関係を示す図である。 本発明の予備加熱/予備照射により消色が加速される状況を表す図である。 本発明の一実施例におけるディスクの断面構造を示す図である。 本発明の一実施例における、ディスク回転軸上部の構造を示す図。 本発明の一実施例の光ヘッドの光学系およびトラッキングエラー信号およびトラックアドレスなどの再生信号検出手段を表す図である。 従来方式の多層ディスクのマルチレーザービーム照射の問題点を表す図である。
符号の説明
1: 記録層
2: 透明電極層
3: 基板
4: 張り合わせ基板
5: 透明電極層
6: 保護層
7: 固体電解質層
8: エレクトロクロミック材料層
9: 透明電極
10:金属反射層
11:基板
31:電圧伝達機構
32:ディスク受け部分
61:基板
62:透明電極
63:インジウム接着層
64:張り合わせ基板
65:ディスク受け側同心円電極
66:ディスク内周基板(プリント基板)
71:回転軸
72:スリップリング
73:上へ向かう配線
74:ディスク受け部分
75:バネ入りピン電極
81:アレーレーザ
82:コリメーターレンズ
83:ハーフプリズム
84:球面収差補償素子
85:4Dディテクターアレイ
86:絞込みレンズ
87:ディスク
88:レンズ
89:シリンドリカルレンズ
91:基板
92:記録層
93:スペーサー層
94:反射層。

Claims (14)

  1. エレクトロクロミック材料を含む第1の層と、前記第1の層に電圧を印加して着色させるための電極層と、エレクトロクロミック材料を含む第2の層を少なくとも有する多層情報記録媒体を用い、光を照射して情報を記録する情報記録装置であって、
    前記電極層に電圧を印加する手段、
    前記第1の層に第1の光スポットを照射する第1の光照射手段、
    前記第1の光スポットを照射した後に、前記第2の層に第2の光スポットを照射する第2の光照射手段を有することを特徴とする情報記録装置。
  2. 請求項1記載の情報記録装置において、前記第1の光スポットと前記第2の光スポットは、略平行なレーザビームであり、前記第1の光照射手段と前記第2の光照射手段は、略同一直線上に並んだ複数の光源を構成していることを特徴とする情報記録装置。
  3. 請求項2記載の情報記録装置において、前記第1の光スポットと前記第2の光スポットを、基板方向の同一トラック上又はビーム数×3トラック以内に位置決めするよう制御する手段を有することを特徴とする情報記録装置。
  4. 請求項2記載の情報記録装置において、前記複数の光源から照射される少なくとも2つのレーザビームを用い、トラッキングエラー信号又はトラックアドレス信号を検出する手段を有することを特徴とする情報記録装置。
  5. 請求項1記載の情報記録装置において、前記第1の光照射手段は、前記第1の層に前記第1の光スポットを照射することにより、前記第2の層の着色又は消色を促進させることを特徴とする情報記録装置。
  6. 請求項1記載の情報記録装置において、さらに前記第1の層に第1の光スポットを照射することにより、オートフォーカスする手段を有することを特徴とする情報記録装置。
  7. エレクトロクロミック材料を含む第1の層と、前記第1の層に電圧を印加して着色させるための電極層と、前記第1の層とは光入射側のエレクトロクロミック材料を含む第2の層を少なくとも有する情報記録媒体を用い、
    前記電極層に電圧を印加し、
    前記第1の層に第1の光スポットを照射し、
    前記第1の層に第1の光スポットを照射することにより、前記第2の層の着色反応を促進させ、
    前記第1の層に第1の光スポットを照射した後に、前記第2の層に第2の光スポットを照射して情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
  8. エレクトロクロミック材料を含む第1の層と、前記第1の層に電圧を印加して着色させるための電極層と、前記第1の層とは光入射側とは逆側のエレクトロクロミック材料を含む第2の層を少なくとも有する情報記録媒体を用い、
    前記電極層に電圧を印加し、
    前記第1の層に第1の光スポットを照射し、
    前記第1の層に第1の光スポットを照射することにより、前記第2の層の消色反応を促進させ、
    前記第1の層に第1の光スポットを照射した後に、前記第2の層に第2の光スポットを照射して情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
  9. エレクトロクロミック材料を含む第1の層と、
    前記第1の層に電圧を印加して着色させるための電極層と、
    光照射又は温度に応じて着色又は消色を開始する層とを少なくとも有することを特徴とする情報記録媒体。
  10. 請求項9記載の情報記録媒体において、さらに、情報を記録しないが電圧印加により着色可能な層を所定の周期で有することを特徴とする情報記録媒体。
  11. 請求項9記載の情報記録媒体において、前記第1の層と前記電極層との間に、相変化記録層を有することを特徴とする情報記録媒体。
  12. 請求項9記載の情報記録媒体において、前記第1の層と前記電極層との間に、光導電体層を有することを特徴とする情報記録媒体。
  13. 請求項9記載の情報記録媒体において、前記エレクトロクロミック層は、チオフェン系有機材料であることを特徴とする情報記録媒体。
  14. 請求項9記載の情報記録媒体において、前記第1の層が、エレクトロルミネッセント材料とフォトクロミック材料の混合材料であることを特徴とする情報記録媒体。
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