JP2005064947A - 無線通信装置及び受信品質報告方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パケットの再送回数の低減により、伝送効率の向上とシステム容量の増大を図ること。
【解決手段】 SIR測定部107は、受信信号より受信SIRを測定する。受信品質判定部108は、復調データの品質を測定して、再送回数情報をCQI選択調整部111へ出力する。fD推定部109は、受信信号よりfDを推定して、基地局装置に対する相対移動速度を推定する。調整ステップ制御部110は、fDに応じた補正幅を選択する。CQI選択調整部111は、再送回数情報と補正幅情報とに基づいて、CQIを選択する際のしきい値の最終的な補正幅及び補正方向を決定する。CQI選択部112は、CQI選択調整部111の指示により補正されたしきい値と受信SIRとを比較することによりCQIを選択する。多重部113は、基地局装置へ送信される送信データとCQIを多重する。
【選択図】 図1
【解決手段】 SIR測定部107は、受信信号より受信SIRを測定する。受信品質判定部108は、復調データの品質を測定して、再送回数情報をCQI選択調整部111へ出力する。fD推定部109は、受信信号よりfDを推定して、基地局装置に対する相対移動速度を推定する。調整ステップ制御部110は、fDに応じた補正幅を選択する。CQI選択調整部111は、再送回数情報と補正幅情報とに基づいて、CQIを選択する際のしきい値の最終的な補正幅及び補正方向を決定する。CQI選択部112は、CQI選択調整部111の指示により補正されたしきい値と受信SIRとを比較することによりCQIを選択する。多重部113は、基地局装置へ送信される送信データとCQIを多重する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、無線通信装置及び受信品質報告方法に関し、例えば共有チャネルを用いて高速パケット伝送を行う無線通信装置及び受信品質報告方法に関する。
従来、高速大容量な下りチャネルを複数の通信端末装置が共有し、高速なパケット伝送を行う下り高速パケット伝送方式(例えば、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access))が開発されている。この伝送方式では、伝送効率を高めるために、スケジューリング技術及び適応変調技術等の技術が用いられている。スケジューリング技術とは、個々の通信端末装置が下り回線の伝搬路の状態を観測し、基地局装置が各通信端末装置から報告された伝搬環境を比較して、伝搬環境の良い通信端末装置にパケット送信する技術である。ここで、通信端末装置が測定した下り回線の伝搬路の状態はCQI(Channel Quality Indicator)と呼ばれる。通信端末装置は、図17に示すような受信SIRとCQIとを関係付けた受信品質情報を記憶しており、所定のタイミングにて測定した受信SIRを用いて受信品質情報を参照することにより、あらかじめ定められた受信品質が得られる最大のCQIを選択する。ここで、高いCQIは伝送レートが高いが伝送誤りに脆弱であり、低いCQIは伝送レートが低いが伝送誤りに対して耐性がある。
また、基地局装置は、個々の通信端末装置に対する伝送効率を考慮し、再送が必要なデータを優先的に送信するなどの順序制御を行う。適応変調技術とは、基地局装置が、CQI報告値に応じて、適応的に変調方式または符号化レート(MCS(Modulation and Coding Scheme))を変更する技術である。そして、基地局装置から送信された高速パケットが、通信端末装置において所定の受信品質を満たさなかった場合、基地局装置はパケットを再送する。
また、従来、基地局装置が、伝搬環境に応じてMCSを選択する際のしきい値を変更するものが知られている(例えば、特許文献1。)。この時、基地局装置は、再送回数に基づいて、MCSを選択する際のしきい値を調整して最適な変調方式及び符号化率を設定する。
特開2003−37554号公報
しかしながら、従来の無線通信装置においては、CQIによる報告に基づいてMCS選択を行うため、MCS選択の際のしきい値を調整しても、CQIが伝搬環境を正しく反映していない場合は、CQIに基づいて選択されたMCSも不正確なものである。この結果、パケットの再送が繰り返されることにより、伝送効率が低下してしまうという問題がある。
また、従来の無線通信装置においては、通信相手に対する相対移動速度が大きい場合等の伝搬環境の変動が激しい場合、CQIを選択する時には伝搬環境に応じた最適なCQIを選択しても、CQIを受信した基地局装置がCQIに基づいて符号化等してパケットデータを送信する時には、伝搬環境がCQIを選択した時に較べて変動している場合がある。このような場合、CQI選択の精度を向上させても、CQIに基づいて符号化等されたパケットデータには誤りが生じ、パケットの再送が繰り返されることにより伝送効率が低下してしまうとともに、伝送効率が低下することによりシステム容量が限られてしまうという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、パケットの再送回数の低減により、伝送効率の向上とシステム容量の増大を図ることができる無線通信装置及び受信品質報告方法を提供することを目的とする。
本発明の無線通信装置は、受信信号より伝搬環境推定を行う伝搬環境推定手段と、前記伝搬環境推定手段により推定した伝搬環境状況、及び通信相手との通信品質を示す情報である通信品質情報に基づいて、しきい値を可変に設定するしきい値設定手段と、前記しきい値設定手段により設定されたしきい値と受信品質を示す測定値とを比較することにより受信品質報告値を決定する受信品質報告値決定手段と、前記受信品質報告値決定手段により決定された受信品質報告値の情報を前記通信相手に送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、伝搬環境状況を推定し、推定した伝搬環境状況に応じて、受信品質を示す測定値を用いて受信品質報告値を選択する際のしきい値の補正幅を適応的に変化させるので、伝搬環境状況が精度良く反映されていないしきい値の設定による誤った受信品質報告値の選択を防ぐことができ、パケットの再送回数の低減により、伝送効率の向上とシステム容量の増大を図ることができる。
本発明の無線通信装置は、前記構成において、前記しきい値設定手段は、前記通信品質情報より通信品質が劣化するほど前記しきい値を受信品質が悪い方向へ補正し、前記通信品質情報より通信品質が良好なほど前記しきい値を受信品質が良い方向へ補正するとともに、前記伝搬環境推定手段により推定した伝搬環境の変動が激しいほど前記しきい値の補正幅を大きくする構成を採る。
この構成によれば、前記効果に加えて、伝搬環境状況の変動が激しい場合には、補正幅を大きくして適切なしきい値が設定されるまでの時間を短縮することができ、伝搬環境状況の変動が緩やかな場合には、補正幅を小さくして僅かな伝搬環境状況の変動に対する追従性を向上させることができる。
本発明の無線通信装置は、前記構成において、前記伝搬環境推定手段は、受信信号より通信相手に対する相対移動速度を測定し、前記受信品質報告値決定手段は、前記伝搬環境推定手段にて測定された前記相対移動速度が大きいほど前記しきい値の補正幅を大きくする構成を採る。
この構成によれば、前記効果に加えて、通信相手に対する相対移動速度が大きい場合には、補正幅を大きくして適切なしきい値が設定されるまでの時間を短縮することができ、通信相手に対する相対移動速度が小さい場合には、補正幅を小さくして僅かな伝搬環境状況の変動に対する追従性を向上させることができる。
本発明の無線通信装置は、前記構成において、前記伝搬環境推定手段は、遅延プロファイルより遅延スプレッドを推定し、前記受信品質報告値決定手段は、前記伝搬環境推定手段により推定された遅延スプレッドが長いほど前記しきい値の補正幅を大きくする構成を採る。
この構成によれば、前記効果に加えて、マルチパス環境による伝搬環境状況の激しい変動を遅延スプレッドの広がりにより判定することができるとともに、遅延スプレッドの広がりに応じたしきい値の補正幅を選択することができるので、通信品質に精度良く対応した受信品質報告値を選択することができる。
本発明の無線通信装置は、前記構成において、前記通信品質を測定する測定時間を設定する設定時定数制御手段を具備し、前記しきい値設定手段は、前記設定時定数制御手段にて設定された前記測定時間毎に、前記通信品質情報と前記伝搬環境推定手段により推定された伝搬環境状況に基づいて、前記しきい値を可変に設定する構成を採る。
この構成によれば、前記効果に加えて、適切な平均化時定数を設定することにより、精度良く通信品質を測定することができるので、精度の良い通信品質情報を用いて精度良く受信品質報告値を選択することができる。
本発明の無線通信装置は、前記構成において、前記設定時定数制御手段は、前記伝搬環境推定手段により推定された伝搬環境状況の変動が激しいほど前記測定時間を短く設定する構成を採る。
この構成によれば、前記効果に加えて、伝搬環境の変動が激しい時には短い平均化時定数を設定することにより通信品質を測定する時間を短くすることができ、伝搬環境の変動が緩やか時には長い平均化時定数を設定することにより通信品質を測定する時間を長くすることができるので、伝搬環境に応じた正確な通信品質を測定することができる。
本発明の無線通信装置は、前記構成において、前記伝搬環境推定手段は、受信信号より通信相手に対する相対移動速度を測定し、前記設定時定数制御手段は、前記伝搬環境推定手段により測定された前記相対移動速度が大きいほど前記測定時間を短くする構成を採る。
この構成によれば、前記効果に加えて、通信相手に対する相対移動速度が大きい場合には、短い平均化時定数を設定することにより通信品質を測定する時間を短くすることができ、通信相手に対する相対移動速度が緩やかな場合には、長い平均化時定数を設定することにより通信品質を測定する時間を長くすることができるので、通信相手に対する相対移動速度に応じた正確な通信品質を測定することができる。
本発明の無線通信装置は、前記構成において、前記伝搬環境推定手段は、遅延プロファイルより遅延スプレッドを推定し、前記設定時定数制御手段は、前記伝搬環境推定手段により推定された前記遅延スプレッドが長いほど前記測定時間を短く設定する構成を採る。
この構成によれば、前記効果に加えて、遅延スプレッドが長い場合には、短い平均化時定数を設定することにより通信品質を測定する時間を短くすることができ、遅延スプレッドが短い場合には、長い平均化時定数を設定することにより通信品質を測定する時間を長くすることができるので、遅延スプレッドの広がりに応じた正確な通信品質を測定することができる。
本発明の無線通信装置は、前記構成において、前記伝搬環境推定手段は、他のセルの基地局装置からの受信信号の電力密度に対する自セルの基地局装置からの受信信号の電力密度の電力密度比を測定し、前記受信品質報告値決定手段は、前記電力密度比が大きいほど前記しきい値の補正幅を大きくする構成を採る。
この構成によれば、前記効果に加えて、例えば他のセルの基地局装置の受信信号の電力密度に対する自セル内の基地局装置の受信信号の電力密度の電力密度比を求めることにより、自セル内の自局の位置が分かるとともに、自セルの基地局装置に近い場合はマルチパス干渉が強いので補正幅を大きくすることにより激しい伝搬環境の変動に追従させることができ、他のセルの基地局装置に近い場合はマルチパス干渉がそれほど強くないので補正幅を小さくすることにより緩やかな伝搬環境の変動に追従させることができる。これにより、基地局装置との距離に応じた正確な受信品質報告値を選択することができる。
本発明の無線通信装置は、前記構成において、前記伝搬環境推定手段は、他のセルの基地局装置からの受信信号の電力密度に対する自セルの基地局装置からの受信信号の電力密度の電力密度比を測定し、前記設定時定数制御手段は、前記電力密度比が大きいほど前記測定時間を短く設定する構成を採る。
この構成によれば、前記効果に加えて、例えば他のセルの基地局装置の受信信号の電力密度に対する自セル内の基地局装置の受信信号の電力密度の電力密度比を求めることにより、自セル内の自局の位置が分かるとともに、自セルの基地局装置に近い場合はマルチパス干渉が強いので短い平均化時定数を設定することにより通信品質を測定する時間を短くすることができ、遠くの基地局装置である自セルに隣接する他セルの基地局装置に近い場合は、マルチパス干渉がそれほど強くないので長い平均化時定数を設定することにより通信品質を測定する時間を長くすることができる。これにより、基地局装置との距離に応じた正確な通信品質を測定することができる。
本発明の通信端末装置は、前記のいずれかに記載の無線通信装置を具備する構成を採る。
この構成によれば、伝搬環境を推定し、推定した伝搬環境に応じて、受信品質を示す測定値を用いてCQIを選択する際のしきい値の補正幅を適応的に変化させるので、伝搬環境が精度良く反映されていないしきい値の設定による誤ったCQIの選択を防ぐことができ、パケットの再送回数の低減により、伝送効率の向上とシステム容量の増大を図ることができる。
本発明の基地局装置は、前記のいずれかに記載の無線通信装置を具備する構成を採る。
この構成によれば、伝搬環境を推定し、推定した伝搬環境に応じて、受信品質を示す測定値を用いて受信品質報告値を選択する際のしきい値の補正幅を適応的に変化させるので、伝搬環境が精度良く反映されていないしきい値の設定による誤った受信品質報告値の選択を防ぐことができ、パケットの再送回数の低減により、伝送効率の向上とシステム容量の増大を図ることができる。
本発明の受信品質報告方法は、受信信号より伝搬環境推定を行うステップと、推定された伝搬環境状況、及び通信相手との通信品質を示す情報である通信品質情報とに基づいて、しきい値を可変に設定するステップと、前記しきい値と受信品質を示す測定値とを比較することにより受信品質報告値を決定するステップと、決定された前記受信品質報告値の情報を前記通信相手に送信するステップと、を具備するようにした。
この方法によれば、伝搬環境を推定し、推定した伝搬環境に応じて、受信品質を示す測定値を用いて受信品質報告値を選択する際のしきい値の補正幅を適応的に変化させるので、伝搬環境が精度良く反映されていないしきい値の設定による誤った受信品質報告値の選択を防ぐことができ、パケットの再送回数の低減により、伝送効率の向上とシステム容量の増大を図ることができる。
本発明の受信品質報告方法は、前記方法において、前記通信品質情報より通信品質が劣化するほど前記しきい値を受信品質が悪い方向へ補正し、前記通信品質情報より通信品質が良好なほど前記しきい値を受信品質が良い方向へ補正するとともに、推定した伝搬環境状況の変動が激しいほど前記しきい値の補正幅を大きくするようにした。
この方法によれば、前記効果に加えて、例えば基地局装置に対する相対移動速度が大きい場合には、補正幅を大きくして適切なしきい値が設定されるまでの時間を短縮することができ、基地局装置に対する相対移動速度が小さい場合には、補正幅を小さくして僅かな伝搬環境の変動に対する追従性を向上させることができる。
本発明によれば、パケットの再送回数の低減により、伝送効率の向上とシステム容量の増大を図ることができる。
本発明の骨子は、通信相手との伝搬環境(相対移動速度)を推定し、推定した伝搬環境と通信品質情報(再送回数情報)とを用いて、受信品質を示す測定値と比較されるしきい値を補正することである。この時、推定した伝搬環境の変動が激しい場合には、推定した伝搬環境が緩やかな場合に較べてしきい値の補正幅を大きくすることである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置100の構成を示すブロック図である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置100の構成を示すブロック図である。
共用器102は、アンテナ101にて受信した受信信号を受信RF部103へ出力するとともに、送信RF部116から入力した送信データをアンテナ101から送信する。
受信RF部103は、共用器102から入力した無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換して逆拡散部104へ出力する。
逆拡散部104は、受信RF部103から入力したベースバンド信号に対して逆拡散処理を行い、RAKE合成部105及び最大ドップラー周波数(以下「fD」と記載する)推定部109へ出力する。
RAKE合成部105は、逆拡散部104から入力した逆拡散後の各パスの信号をRAKE合成し、合成した信号を復調部106及びSIR測定部107へ出力する。
復調部106は、RAKE合成部105から入力したRAKE合成後の信号を復調処理して復調データを得るとともに、復調データを受信品質判定部108へ出力する。
SIR測定部107は、RAKE合成部105から入力した逆拡散後の信号から受信品質を示すSIRを測定し、CQI選択部112へ出力する。
受信品質判定部108は、復調部106から入力した復調データの品質を所定時間計測し、所定時間経過する毎に所定時間毎の品質が悪く再送が必要となったパケット数の情報、即ち再送回数情報(通信品質情報)をCQI選択調整部111へ出力する。復調データの品質の判定は、受信信号に含まれている誤り検出符号(CRC(Cyclic Redundancy Check)等)を復号した結果を用いる。なお、復調データの品質を判定する方法は、誤り検出符号を用いる場合に限らず、任意の方法にて判定することが可能である。
伝搬環境推定手段であるfD推定部109は、逆拡散部104から入力した逆拡散後の信号を基に下り回線における伝搬環境のうち、fDを推定する。推定されたfDは通信端末装置と基地局装置間の相対移動速度に相当し、fDが高いほど相対移動速度が速く伝搬環境の変動が急であることを意味し、fDが低いほど相対移動速度が遅く伝搬環境の変動が緩やかであることを意味する。fD推定部109は、fD推定結果を調整ステップ制御部110へ出力する。なお、fD推定方法は、特開2002−152088号公報に開示されている技術等を用いることが可能である。
調整ステップ制御部110は、fD推定部109から入力した伝搬路のfD推定結果を基に、後述するCQI選択調整部111において設定されるしきい値の補正幅を決定し、決定した補正幅情報をCQI選択調整部111に出力する。即ち、調整ステップ制御部110は、fDが高いと推定されるときには、伝搬路の変動が急激であるので、緩やかな調整では適切なしきい値が設定されるまでに時間がかかるため、大きな補正幅にする補正幅情報を出力する。一方、調整ステップ制御部110は、fDが低いと推定されるときには、緩やかな変動に精度良く追従させるため、小さな補正幅にする補正幅情報を出力する。なお、調整ステップ制御部110における調整ステップの決定方法は後述する。
しきい値設定手段であるCQI選択調整部111は、受信品質判定部108から入力した再送回数情報と調整ステップ制御部110から入力した補正幅情報とより、受信品質報告値であるCQIを決定する際に受信SIRと比較するしきい値の補正を行う。即ち、CQI選択調整部111は、再送回数情報より、受信SIRが高い方へしきい値を補正するのかまたは受信SIRが低い方へしきい値を補正するのかを決定し、決定した方向へあらかじめ設定されている補正幅(以下「基準補正幅」と記載する)だけしきい値を移動させることを決定する。さらに、CQI選択調整部111は、基準補正幅に対して、調整ステップ制御部110から入力した補正幅情報より、基地局装置との相対移動速度に応じた補正幅を加算または減算することにより、基地局装置との相対移動速度に応じた最終的な補正幅を決定し、決定した最終補正幅情報をCQI選択部112へ出力する。なお、CQI選択調整部111におけるしきい値の補正方法については後述する。
受信品質報告値決定手段であるCQI選択部112は、受信SIRとCQIとが関係付けられた受信品質情報を保存した参照テーブルを保有している。この参照テーブルは、あらかじめ一定間隔のしきい値にて受信SIRが区切られており、しきい値により区切られた範囲毎に異なるCQIが選択されるようになっている。CQI選択部112は、CQI選択調整部111から入力した最終補正幅情報より、受信品質情報のしきい値の補正を行う。そして、CQI選択部112は、SIR測定部107から入力した受信SIRを用いて参照テーブルを参照してしきい値と比較することにより、CQIを選択して多重部113へ出力する。
多重部113は、CQI選択部112から入力したCQIと送信データとを多重して変調部114へ出力する。
変調部114は、多重部113から入力したCQIを含む送信データを変調して拡散部115へ出力する。
拡散部115は、変調部114から入力した変調された送信データを拡散処理して送信RF部116へ出力する。
送信RF部116は、拡散部115から入力した拡散されたベースバンド周波数の送信データを無線周波数のアナログ信号に変換して共用器102へ出力する。なお、一般に、受信品質報告値としてCQIを送信するのは無線通信装置100を通信端末装置に適用した場合であり、無線通信装置100を基地局装置に適用した場合には、無線通信装置100はCQIとは異なる受信品質報告値であって、かつCQIに相当する受信品質報告値を通信端末装置へ送信する。
次に、無線通信装置100の動作について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、無線通信装置100の動作を示すフロー図であり、図3は、調整ステップ制御部110が有するfDと調整ステップとを関係付けた補正幅情報を保存する参照テーブルを示すものである。
最初に、fD推定部109は、逆拡散処理された受信信号よりfDを推定する(ステップST201)。
次に、調整ステップ制御部110は、推定したfDが60Hzよりも小さいか否かを判定する(ステップST202)。
調整ステップ制御部110は、fDが60Hzよりも小さい場合には、図3の補正幅情報を参照することにより、調整ステップHとして0.1dBを選択する(ステップST203)。
fDが60Hzよりも小さくない場合には、調整ステップ制御部110は、推定したfDが120Hzよりも小さいか否かを判定する(ステップST204)。
fdが120Hzよりも小さい場合には、調整ステップ制御部110は、図3の補正幅情報を参照することにより、調整ステップHとして0.2dBを選択する(ステップST205)。
fDが120Hzよりも小さくない場合には、調整ステップ制御部110は、図3の補正幅情報を参照することにより、調整ステップHとして0.5dBを選択する(ステップST206)。
次に、受信品質判定部108は、再送回数情報より再送回数が第1のしきい値以上であるか否かを判定する(ステップST207)。
再送回数が第1のしきい値以上である場合、CQI選択調整部111は、通信品質が劣化しているものと判断し、あらかじめ設定されている基準補正幅に調整ステップHを加算する(ステップST208)。
そして、CQI選択調整部111は、CQI選択用のしきい値を受信SIRの高い方向に、基準補正幅に調整ステップHを加算して得られた補正幅だけ補正する(ステップST209)。
再送回数が第1のしきい値以上でない場合、CQI選択調整部111は、再送回数が第2のしきい値(第1のしきい値≧第2のしきい値)以下であるか否かを判定する(ステップST210)。再送回数が第2のしきい値以下である場合、CQI選択調整部111は、あらかじめ設定されている基準補正幅から調整ステップHを減算する(ステップST211)。
そして、CQI選択調整部111は、CQI選択用のしきい値を受信SIRの低い方向に、基準補正幅から調整ステップHを減算して得られた補正幅だけ補正する(ステップST212)。
一方、ステップST210において、再送回数が第2のしきい値以下でない場合、CQI選択調整部111は、しきい値の補正は行わない。即ち、CQI選択調整部111は、再送回数が第1のしきい値未満で、かつ第2のしきい値より大きい場合には、伝搬環境の変動が急激ではないとともに緩やかでもないので、しきい値の補正は行わない。
次に、SIR測定部107は、受信信号より受信SIRを測定する(ステップST213)。
次に、CQI選択部112は、測定された受信SIRと補正された参照テーブルのしきい値とを比較することにより、測定した受信SIRに対応するCQIを選択する(ステップST214)。
次に、CQI選択部112において、fDに応じてしきい値の補正幅を変える方法について、図4を用いてさらに詳細に説明する。
時刻t1において、fDが130Hzであり、かつ再送回数がしきい値未満であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、通信品質が良好であるものと判断し、受信SIRの低い方向(図4の下方向)へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが130Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.5dBを選択し、再送回数がしきい値未満であることより基準補正幅は0dBであるので、最終補正幅情報として0.5dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、現在のしきい値の設定値である2dBと1dBの各々について、0.5dB小さい1.5dBと0.5dBの位置に、新たにしきい値を設定する。
時刻t2において、fDが30Hzであり、かつ再送回数がしきい値未満であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、通信品質が良好であるものと判断し、受信SIRの低い方向へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが30Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.1dBを選択し、基準補正幅は0dBであるので最終補正幅情報として0.1dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、現在のしきい値の設定値である1.5dBと0.5dBの各々について、0.1dB小さい1.4dBと0.4dBの位置に、新たにしきい値を設定する。
時刻t3において、fDが140Hzであり、かつ再送回数がしきい値以上であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、通信品質が劣化したものと判断し、受信SIRの高い方向(図4の上方向)へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが140Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.5dBを選択し、基準補正幅は0.1dBであるので最終補正幅情報として0.6dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、現在のしきい値の設定値である1.4dBと0.4dBの各々について、0.6dB大きい2dBと1dBの位置に、新たにしきい値を設定する。
時刻t4において、fDが10Hzであり、かつ再送回数がしきい値以上であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、通信品質が劣化しているものと判断し、受信SIRの高い方向へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが10Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.1dBを選択し、基準補正幅は0.1dBであるので最終補正幅情報として0.2dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、現在のしきい値の設定値である2dBと1dBの各々について、0.2dB大きい2.2dBと1.2dBの位置に、新たにしきい値を設定する。
時刻t6において、fDが0Hzであり、かつ再送回数がしきい値以上であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、通信品質が劣化しているものと判断し、受信SIRの高い方向へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが0Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.1dBを選択し、基準補正幅は0.1dBであるので最終補正幅情報として0.2dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、現在のしきい値の設定値である2.2dBと1.2dBの各々について、0.2dB大きい2.4dBと1.4dBの位置に、新たにしきい値を設定する。
図4において、時刻t0〜時刻t1の間にCQI#3を選択している場合、時刻t1〜時刻t3の間にて測定された受信SIRが2dB未満になっても、CQI#2とCQI#3との間のしきい値は低く設定されているので、CQI#3を選択し続けることができる。さらに、時刻t1〜時刻t2の間においては、基地局装置に対する相対移動速度が大きくなるが、相対移動速度に応じてしきい値の補正幅を大きくすることにより、基地局装置に対する相対移動速度に追従したしきい値を設定することができるので、時刻t1〜時刻t2においても確実にCQI#3を選択し続けることができる。
一方、時刻t6において、測定された受信SIRが小さくなった場合は、受信SIRが2dBに低下する前の2.4dBにてCQI#2を選択するので、受信品質が劣化し始めると直ちにCQI#2を選択することができ、その時々の受信品質を正確に反映したCQIを基地局装置へ送信することができる。さらに、時刻t6において、基地局装置に対する相対移動速度が0の場合は、補正幅を小さくするので、測定された受信SIRの僅かな変化に対しても正確なCQIを選択することができる。
因みに、MCSは、数種類の変調方式、数十種類の符号化率及び数十種類の多重コード数等の組み合わせを表すものであり、組み合わせに多数のバリエーションがある。したがって、MCSを選択する際、何らかの指標に基づくしきい値により一意にMCSを選択することは困難である。一方、CQIは、MCSのサブセットであり、受信品質順に数十段階設定されているので、CQIを選択するためのしきい値を設定することは比較的容易であり、さらにしきい値を調整することは効果的である。
このように、本実施の形態1によれば、相対移動速度が大きい場合にはしきい値の補正幅を大きくし、相対移動速度が小さい場合にはしきい値の補正幅を小さくすることにより、CQIを選択するためのしきい値の補正幅を伝搬環境に応じて適応的に設定することができるので、誤ったCQIの選択により再送が繰り返されることを防ぐことができて、パケットの再送回数の低減により、伝送効率の向上とシステム容量の増大を図ることができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置500の構成を示すブロック図である。なお、図5において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図5は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置500の構成を示すブロック図である。なお、図5において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
CQI選択調整部111は、CQI選択部112から入力したCQI選択情報より、CQI選択部112が選択したCQIを認識する。そして、CQI選択調整部111は、受信品質判定部108から入力した再送回数情報と調整ステップ制御部110から入力した補正幅情報とより、選択したCQIと選択したCQIの次の下位のCQIとのしきい値のみの補正を行う。即ち、CQI選択調整部111は、選択したCQIと選択したCQIの次の下位のCQIとのしきい値に関して、再送回数情報より、受信SIRが高い方へしきい値を補正するのかまたは受信SIRが低い方へしきい値を補正するのかを決定し、決定した方向へ基準補正幅だけしきい値を移動させることを決定する。さらに、CQI選択調整部111は、基準補正幅に対して、調整ステップ制御部110から入力した補正幅情報より、基地局装置との相対移動速度に応じた補正幅を加算または減算することにより、基地局装置との相対移動速度に応じた最終的な補正幅を決定し、決定した最終補正幅情報をCQI選択部112へ出力する。なお、CQI選択調整部111におけるしきい値の補正方法については後述する。
CQI選択部112は、受信SIRとCQIとが関係付けられた受信品質情報を保存した参照テーブルを保有している。この参照テーブルは、あらかじめ一定間隔のしきい値にて受信SIRが区切られており、しきい値により区切られた範囲毎に異なるCQIが選択されるようになっている。CQI選択部112は、CQI選択調整部111から入力した最終補正幅情報より、前回選択したCQIと前回選択したCQIの次の下位のCQIとの間の受信品質情報のしきい値の補正を行う。そして、CQI選択部112は、SIR測定部107から入力した受信SIRを用いて参照テーブルを参照してしきい値と比較することにより、CQIを選択して多重部113へ出力するとともに、選択したCQIの情報であるCQI選択情報をCQI選択調整部111へ出力する。
次に、CQI選択部112において、fDに応じてしきい値の補正幅を変える方法について、図6を用いて説明する。
時刻t1において、fDが130Hzであり、かつ再送回数がしきい値未満であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、CQI選択部112から入力した選択CQI情報より、前回CQI#3を選択したことを認識するとともに、通信品質が良好であるものと判断し、受信SIRの低い方向(図4の下方向)へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが130Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.5dBを選択し、基準補正幅は0dBであるので前回選択したCQI#2と前回選択したCQIの次の下位のCQI#3とのしきい値S1の最終補正幅情報として0.5dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、CQI#3とCQI#2との間のしきい値として、現在のしきい値の設定値である2dBよりも0.5dB小さい1.5dBの位置に、新たにしきい値を設定する。なお、CQIは、時刻t1〜t6の各時刻以外の時刻においても選択されるものとする。
時刻t2において、fDが30Hzであり、かつ再送回数がしきい値未満であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、CQI選択部112から入力した選択CQI情報より、前回CQI#3を選択したことを認識するとともに、通信品質が良好であるものと判断し、受信SIRの低い方向へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが30Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.1dBを選択し、基準補正幅は0dBであるのでCQI#2とCQI#3とのしきい値S1の最終補正幅情報として0.1dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、CQI#3とCQI#2との間のしきい値として、現在のしきい値の設定値である1.5dBよりも0.1dB小さい1.4dBの位置に、新たにしきい値を設定する。
時刻t3において、fDが140Hzであり、かつ再送回数がしきい値以上であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、CQI選択部112から入力したCQI選択情報より、前回CQI#3を選択したことを認識するとともに、通信品質が劣化したものと判断し、受信SIRの高い方向(図4の上方向)へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが140Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.5dBを選択し、基準補正幅は0.1dBであるのでCQI#2とCQI#3とのしきい値S1の最終補正幅情報として0.6dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、CQI#3とCQI#2との間のしきい値として、現在のしきい値の設定値である1.4dBよりも0.6dB大きい2dBの位置に、新たにしきい値を設定する。
時刻t4において、fDが10Hzであり、かつ再送回数がしきい値以上であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、CQI選択部112から入力した選択CQI情報より、前回CQI#3を選択したことを認識するとともに、通信品質が劣化しているものと判断し、受信SIRの高い方向へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが10Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.1dBを選択し、基準補正幅は0.1dBであるのでCQI#2とCQI#3とのしきい値S1の最終補正幅情報として0.2dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、CQI#3とCQI#2との間のしきい値として、現在のしきい値の設定値である2dBよりも0.2dB大きい2.2dBの位置に、新たにしきい値を設定する。
時刻t5において、fDが10Hzであり、かつ再送回数がしきい値以上であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、CQI選択部112から入力した選択CQI情報より、前回CQI#2を選択したことを認識するとともに、通信品質が劣化しているものと判断し、受信SIRの高い方向へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが10Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.1dBを選択し、基準補正幅は0.1dBであるのでCQI#1とCQI#2とのしきい値S2の最終補正幅情報として0.2dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、前回選択したCQI#2と前回選択したCQIの次の下位のCQI#1との間のしきい値として、現在のしきい値の設定値である1dBよりも0.2dB大きい1.2dBの位置に、新たにしきい値を設定する。
時刻t6において、fDが0Hzであり、かつ再送回数がしきい値以上であるものとする。この時、CQI選択調整部111は、CQI選択部112から入力した選択CQI情報より、前回CQI#2を選択したことを認識するとともに、通信品質が劣化しているものと判断し、受信SIRの高い方向へしきい値を補正することを決定する。そして、CQI選択調整部111は、fDが0Hzであることより、図3の参照テーブルを参照して調整ステップHとして0.1dBを選択し、基準補正幅は0.1dBであるのでCQI#1とCQI#2とのしきい値S2の最終補正幅情報として0.2dBをCQI選択部112へ出力する。CQI選択部112は、CQI#2とCQI#1との間のしきい値として、現在のしきい値の設定値である1.2dBよりも0.2dB大きい1.4dBの位置に、新たにしきい値を設定する。
このように、本実施の形態2によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、前回選択したCQIと前回選択したCQIの次の下位のCQIとのしきい値のみを、伝搬環境に応じて適応的に補正するので、受信品質の変動が激しくなく、かつ受信SIRが低い場合に、誤って低いCQIを選択してしまうことを防ぐことができる。また、受信品質の変動が激しく、かつ受信SIRが低い場合に、確実に低いCQIを選択することができる。また、本実施の形態2によれば、CQI選択に用いるしきい値のみを補正するので、しきい値を補正する処理を間単にすることができる。特に、HSDPAにおいて、受信品質に応じて30種類のCQIを用いる場合には、29個のしきい値の内の1個のしきい値を補正するだけで良いので、HSDPAにおけるしきい値を補正する際の処理を極めて簡単にすることができる。
なお、本実施の形態2において、前回選択したCQIと前回選択したCQIの次の下位のCQIとの間のしきい値のみを適応的に補正することとしたが、これに限らず、前回選択したCQIと前回選択したCQIの次の上位のCQIとの間のしきい値のみを適応的に補正しても良い。この場合には、受信品質の変動が激しくなく、かつ受信SIRが高い場合に、高いCQIを早期に選択することができるとともに、受信品質の変動が激しく、かつ受信SIRが高い場合に、低いCQIを早期に選択することができる。さらに、本実施の形態2において、前回選択したCQIと前回選択したCQIの前後のCQIとのしきい値のみを適応的に補正するようにしても良い。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る無線通信装置700の構成を示すブロック図である。
図7は、本発明の実施の形態3に係る無線通信装置700の構成を示すブロック図である。
本実施の形態3に係る無線通信装置700は、図1に示す実施の形態1に係る無線通信装置100において、図7に示すように、マルチパス推定部701、ジオメトリ推定部702及び設定時定数制御部703を追加する。なお、図7において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
調整ステップ制御部110は、fD推定部109から入力したfD推定結果、マルチパス推定部701から入力した遅延スプレッド情報及びジオメトリ推定部702から入力したジオメトリ情報より、CQI選択調整部111において設定されるしきい値の補正幅を決定し、決定した補正幅情報をCQI選択調整部111に出力する。即ち、調整ステップ制御部110は、fDが高いと推定されるときには、伝搬路の変動が急激であるので、緩やかな調整では適切なしきい値が設定されるまでに時間がかかるため、大きな補正幅の係数を選択するとともに、fDが低いと推定されるときには、緩やかな変動に精度良く追従させるため、小さな補正幅の係数を選択する。さらに、調整ステップ制御部110は、推定した遅延スプレッドの広がりに応じた係数を選択するとともに、推定したジオメトリに応じた係数を選択し、選択した各係数をfDに応じて選択した係数に乗算することにより調整幅を計算する。そして、調整ステップ制御部110は、計算した調整幅を調整幅情報としてCQI選択調整部111へ出力する。なお、調整ステップ制御部110における調整ステップの決定方法は後述する。
伝搬環境推定手段であるマルチパス推定部701は、逆拡散部104から入力した逆拡散された受信信号より遅延プロファイルを作成し、作成した遅延プロファイルより遅延スプレッドを推定し、推定した遅延スプレッド情報をジオメトリ推定部702、設定時定数制御部703及び調整ステップ制御部110へ出力する。ここで、遅延スプレッドが長いほど遅延波の影響が強いため、マルチパス干渉により伝搬環境が変動する可能性が高い。
伝搬環境推定手段であるジオメトリ推定部702は、受信RF部103から入力した総受信信号、逆拡散部104から入力した逆拡散された受信信号及びマルチパス推定部701から入力したマルチパス推定結果より、セル内における無線通信装置700の位置を表す電力比であるジオメトリを測定し、測定したジオメトリ情報を設定時定数制御部703及び調整ステップ制御部110へ出力する。ここで、ジオメトリは、式(1)より求めることができる。
無線通信装置700が、図示しない自セルの基地局装置に近づくほど自セルの基地局装置からの受信信号の電力密度が大きくなるとともに他のセルの基地局装置からの受信信号の電力密度は小さくなるので、ジオメトリの値は大きくなる。一方、無線通信装置700が、自セルの基地局装置から遠ざかってセル端に近づくほど自セルの基地局装置からの受信信号の電力密度が小さくなるとともに他のセルの基地局装置からの受信信号の電力密度は大きくなるので、ジオメトリの値は小さくなる。ジオメトリが大きい場合には、自セルのマルチパス干渉が強く、伝搬環境が変動する可能性が高い。
また、ジオメトリは、式(2)より求めることもできる。
ただし、セルラ移動体通信においては、通常の環境では受信機熱雑音に比較して干渉電力が支配的であるため、式(1)の計算結果と式(2)の計算結果は、ほぼ同じ値になる。
設定時定数制御部703は、fD推定部109から入力したfD推定結果、マルチパス推定部701から入力した遅延スプレッド情報及びジオメトリ推定部702から入力したジオメトリ情報より、受信品質の判定に用いる平均化時定数を決定し、決定した平均化時定数情報を受信品質判定部108へ出力する。即ち、設定時定数制御部703は、伝搬環境が変動する可能性が高い場合には平均化時定数を短くし、伝搬環境が変動する可能性が低い場合には平均化時定数を長くする。
受信品質判定部108は、設定時定数制御部703から入力した平均化時定数を用いることにより設定した測定時間内の再送回数を測定し、測定時間が経過する毎に測定した再送回数情報をCQI選択調整部111へ出力する。
次に、無線通信装置700の動作について説明する。最初に、設定時定数を設定する動作を除いた無線通信装置700の動作について、図8〜図12を用いて説明する。図8及び図9は、無線通信装置700の動作を示すフロー図であり、図10は、fDと調整ステップ基本値αとを関係付けた調整ステップ基本値情報を保存する参照テーブルを示すものであり、図11は、マルチパス推定部701が有する遅延スプレッドと係数βとを関係付けた遅延スプレッド情報を保存する参照テーブルを示すものであり、図12は、ジオメトリ推定部702が有するジオメトリと係数γとを関係付けたジオメトリ情報を保存する参照テーブルを示すものである。
最初に、fD推定部109は、逆拡散処理された受信信号よりfDを推定する(ステップST801)。
次に、調整ステップ制御部110は、推定したfDが60Hzよりも小さいか否かを判定する(ステップST802)。
調整ステップ制御部110は、fDが60Hzよりも小さい場合には、図10の調整ステップ基本値情報を参照することにより、調整ステップ基本値αとして0.1dBを選択する(ステップST803)。
fDが60Hzよりも小さくない場合には、調整ステップ制御部110は、推定したfDが120Hzよりも小さいか否かを判定する(ステップST804)。
fdが120hzよりも小さい場合には、調整ステップ制御部110は、図10の調整ステップ基本値情報を参照することにより、調整ステップ基本値αとして0.2dBを選択する(ステップST805)。
fDが120Hzよりも小さくない場合には、調整ステップ制御部110は、図10の調整ステップ基本値情報を参照することにより、調整ステップ基本値αとして0.5dBを選択する(ステップST806)。
次に、調整ステップ制御部110は、推定された遅延スプレッドが500nsよりも小さいか否かを判定する(ステップST807)。
推定された遅延スプレッドが500nsよりも小さい場合には、調整ステップ制御部110は、図11の遅延スプレッド情報を参照することにより、係数βとして0.7を選択する(ステップST808)。
推定された遅延スプレッドが500nsよりも小さくない場合には、調整ステップ制御部110は、図11の遅延スプレッド情報を参照することにより、係数βとして1.3を選択する(ステップST809)。
次に、調整ステップ制御部110は、推定したジオメトリが5dBよりも小さいか否かを判定する(ステップST810)。
推定したジオメトリが5dBよりも小さい場合には、調整ステップ制御部110は、図12のジオメトリ情報を参照することにより、係数γとして0.7を選択する(ステップST811)。
推定したジオメトリが5dBよりも小さくない場合には、調整ステップ制御部110は、図12のジオメトリ情報を参照することにより、係数γとして1.3を選択する(ステップST812)。
次に、調整ステップ制御部110は、調整ステップ基本値αと係数βと係数γを乗算することにより調整ステップHを求める(ステップST813)。そして、求めた調整ステップHを補正幅情報としてCQI選択調整部111へ出力する。
次に、受信品質判定部108は、再送回数情報より再送回数が第1のしきい値以上であるか否かを判定する(ステップST814)。
再送回数が第1のしきい値以上である場合、CQI選択調整部111は、通信品質が劣化しているものと判断し、あらかじめ設定されている基準補正幅に調整ステップHを加算する(ステップST815)。そして、CQI選択調整部111は、CQI選択用のしきい値を受信SIRの高い方向に、基準補正幅に調整ステップHを加算して得られた補正幅だけ補正する(ステップST816)。
再送回数が第1のしきい値以上でない場合、CQI選択調整部111は、再送回数が第2のしきい値(第1のしきい値≧第2のしきい値)以下であるか否かを判定する(ステップST817)。再送回数が第2のしきい値以下である場合、CQI選択調整部111は、あらかじめ設定されている基準補正幅から調整ステップHを減算する(ステップST818)。そして、CQI選択調整部111は、CQI選択用のしきい値を受信SIRの低い方向に、基準補正幅から調整ステップHを減算して得られた補正幅だけ補正する(ステップST819)。
一方、ステップST817において、再送回数が第2のしきい値以下でない場合、CQI選択調整部111は、しきい値の補正は行わない。即ち、CQI選択調整部111は、再送回数が第1のしきい値未満で、かつ第2のしきい値より大きい場合には、伝搬環境の変動が急激ではないとともに緩やかでもないので、しきい値の補正は行わない。
次に、SIR測定部107は、受信信号より受信SIRを測定する(ステップST820)。
次に、CQI選択部112は、測定された受信SIRと補正された参照テーブルのしきい値とを比較することにより、測定した受信SIRに対応するCQIを選択する(ステップST821)。
これにより調整ステップ制御部110は、fDが大きいことにより基地局装置に対する相対移動速度が大きいと判断できる場合、遅延スプレッドが広がることにより遅延波の影響が大きいと判断できる場合、またはジオメトリが大きいことにより自セルマルチパス干渉が強いと判断できる場合には、CQI選択の際のしきい値の補正幅を大きくして、急激な伝搬路の変動に追従させることができる。一方、調整ステップ制御部110は、fDが小さいことにより基地局装置に対する相対移動速度が小さいと判断できる場合、遅延スプレッドが広がっていないことにより遅延波の影響が小さいと判断できる場合、またはジオメトリが小さいことにより自セル以外の基地局装置と通信しているものと判断できる場合には、CQI選択の際のしきい値の補正幅を小さくして、緩やかな伝搬路の変動に精度良く追従させることができる。
次に、設定時定数を設定する際の無線通信装置700の動作について、図13及び図14を用いて説明する。図13は、設定時定数を求める際の無線通信装置700の動作を示すフロー図、図14は、fDと設定時定数基本値aとを関係付けた設定時定数情報を保存している参照テーブルを示すものである。
最初に、fD推定部109は、逆拡散処理された受信信号よりfDを推定する(ステップST1301)。
次に、設定時定数制御部703は、推定したfDが60Hzよりも小さいか否かを判定する(ステップST1302)。
設定時定数制御部703は、fDが60Hzよりも小さい場合には、図14の設定時定数情報を参照することにより、設定時定数基本値aとして1/10,000を選択する(ステップST1303)。
fDが60Hzよりも大きくない場合には、設定時定数制御部703は、推定したfDが120Hzよりも小さいか否かを判定する(ステップST1304)。
fdが120Hzよりも小さい場合には、設定時定数制御部703は、図14の設定時定数情報を参照することにより、設定時定数基本値aとして1/20,000を選択する(ステップST1305)。
fDが120Hzよりも小さくない場合には、設定時定数制御部703は、図14の設定時定数情報を参照することにより、設定時定数基本値aとして1/50,000を選択する(ステップST1306)。
次に、設定時定数制御部703は、推定された遅延スプレッドが500nsよりも小さいか否かを判定する(ステップST1307)。
推定された遅延スプレッドが500nsよりも小さい場合には、設定時定数制御部703は、図11の遅延スプレッド情報を参照することにより、係数βとして0.7を選択する(ステップST1308)。
推定された遅延スプレッドが500nsよりも小さくない場合には、設定時定数制御部703は、図11の遅延スプレッド情報を参照することにより、係数βとして1.3を選択する(ステップST1309)。
次に、設定時定数制御部703は、推定したジオメトリが5dBよりも小さいか否かを判定する(ステップST1310)。
推定したジオメトリが5dBよりも小さい場合には、設定時定数制御部703は、図12のジオメトリ情報を参照することにより、係数γとして0.7を選択する(ステップST1311)。
推定したジオメトリが5dBよりも小さくない場合には、設定時定数制御部703は、図12のジオメトリ情報を参照することにより、係数γとして1.3を選択する(ステップST1312)。
次に、設定時定数制御部703は、設定時定数基本値aと係数βと係数γを除算することにより平均化時定数を求める(ステップST1313)。そして、設定時定数制御部703は、求めた平均化時定数を平均化時定数情報として受信品質判定部108へ出力する。
これにより設定時定数制御部703は、fDが大きいことにより基地局装置に対する相対移動速度が大きいと判断できる場合、遅延スプレッドが広がることにより遅延波の影響が大きいと判断できる場合、またはジオメトリが大きいことにより自セルのマルチパス干渉が強いと判断できる場合には、平均化時定数を小さくして受信品質を判定する際の平均化時間を短くすることができる。一方、設定時定数制御部703は、fDが小さいことにより基地局装置に対する相対移動速度が小さいと判断できる場合、遅延スプレッドが広がっていないことにより遅延波の影響が小さいと判断できる場合、またはジオメトリが小さいことにより他セルの基地局装置と通信していると判断できる場合には、平均化時定数を大きくして受信品質を判定する際の平均化時間を長くすることができる。
このように、本実施の形態3によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、遅延スプレッド情報及びジオメトリ情報を用いて伝搬環境に応じて補正幅を適応的に変化させるので、遅延波の影響が強い場合または自セルのマルチパス干渉が強い場合にしきい値の補正幅を大きくすることができることにより、CQI選択の際のしきい値を極めて精度良く設定することができる。また、本実施の形態3によれば、遅延スプレッド情報及びジオメトリ情報に応じて平均化時定数を変化させるので、遅延波の影響が強い場合または自セルのマルチパス干渉が強い場合に平均化時定数を小さくすることができることにより、極めて精度良く受信品質を判定することができる。
なお、本実施の形態3において、fDの推定結果を用いて選択した調整ステップ基本値αに対して、遅延スプレッドの推定結果及びジオメトリの推定結果を用いて選択した係数を乗算することとしたが、これに限らず、遅延スプレッドを用いて選択した調整ステップ基本値に対して、fDの推定結果及びジオメトリの推定結果を用いて選択した係数を乗算するようにしても良く、あるいはジオメトリの推定結果を用いて選択した調整ステップ基本値に対して、fDの推定結果及び遅延スプレッドの推定結果を用いて選択した係数を乗算するようにしても良い。
また、本実施の形態3において、調整ステップ基本値αと係数β、γとを乗算することとしたが、これに限らず、調整ステップ基本値αに対して係数β、γを加減算しても良いし、若しくは調整ステップ基本値αと係数β、γとを除算するようにしても良いし、任意の計算方法を適用することができる。また、本実施の形態3において、設定時定数基本値aと係数β、γとを除算することとしたが、これに限らず、設定時定数基本値aに対して係数β、γを加減算しても良いし、若しくは設定時定数基本値aと係数β、γとを乗算するようにしても良いし、任意の計算方法を適用することができる。また、本実施の形態3において、伝搬環境の推定にジオメトリを用いることとしたが、これに限らず、無線通信装置の位置に対応して値が変化する任意のパラメータを用いて伝搬環境を推定することができる。
さらに、本実施の形態3において、マルチパス推定結果として遅延スプレッドを用いたが、これに限らず、作成した遅延プロファイルから検出されたパスの数などを適用することができる。
(実施の形態4)
図15は、本発明の実施の形態4に係る無線通信装置の動作を示すフロー図である。なお、無線通信装置の構成は、図1と同一構成であるので、その説明は省略する。
図15は、本発明の実施の形態4に係る無線通信装置の動作を示すフロー図である。なお、無線通信装置の構成は、図1と同一構成であるので、その説明は省略する。
最初に、fD推定部109は、逆拡散処理された受信信号よりfDを推定する(ステップST1501)。
次に、調整ステップ制御部110は、推定したfDが60Hzよりも小さいか否かを判定する(ステップST1502)。
調整ステップ制御部110は、fDが60Hzよりも小さい場合には、図3の補正幅情報を参照することにより、調整ステップHとして0.1dBを選択する(ステップST1503)。
fDが60Hzよりも小さくない場合には、調整ステップ制御部110は、推定したfDが120Hzよりも小さいか否かを判定する(ステップST1504)。
fdが120Hzよりも小さい場合には、調整ステップ制御部110は、図3の補正幅情報を参照することにより、調整ステップHとして0.2dBを選択する(ステップST1505)。
fDが120Hzよりも小さくない場合には、調整ステップ制御部110は、図3の補正幅情報を参照することにより、調整ステップHとして0.5dBを選択する(ステップST1506)。
次に、受信品質判定部108は、再送回数情報より再送回数が第1のしきい値以上であるか否かを判定する(ステップST1507)。
再送回数がしきい値以上である場合、CQI選択調整部111は、CQI選択用のしきい値を受信SIRの高い方向に、調整ステップHの補正幅だけ補正する(ステップST1508)。
一方、再送回数がしきい値以上でない場合、CQI選択調整部111は、CQI選択用のしきい値を受信SIRの低い方向に、調整ステップHの補正幅だけ補正する(ステップST1509)。
次に、SIR測定部107は、受信信号より受信SIRを測定する(ステップST1510)。
次に、CQI選択部112は、測定された受信SIRと補正された参照テーブルのしきい値とを比較することにより、測定した受信SIRに対応するCQIを選択する(ステップST1511)。
このように、本実施の形態4によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、再送回数としきい値との比較結果は、CQI選択用のしきい値を補正する方向を決めるためにのみ用いるとともに、調整ステップHは基準補正値に加算する演算を行うだけであるので、しきい値を補正する処理を簡単にすることができる。
(実施の形態5)
図16は、本発明の実施の形態5に係る無線通信装置の調整ステップ制御部における、補正幅情報を保存する参照テーブルを示す図である。なお、本実施の形態5の無線通信装置の構成は図1と同一であるとともに動作は図2と同一であるので、その説明は省略する。
図16は、本発明の実施の形態5に係る無線通信装置の調整ステップ制御部における、補正幅情報を保存する参照テーブルを示す図である。なお、本実施の形態5の無線通信装置の構成は図1と同一であるとともに動作は図2と同一であるので、その説明は省略する。
図16は、図3の補正幅情報を保存する参照テーブルに代えて適用することができる。図16に示すように、fDと関係付けられる調整ステップHは、CQI#1とCQI#2との間のしきい値、及びCQI#2とCQI#3との間のしきい値で異ならせることが可能である。
このように、本実施の形態5によれば、調整ステップHをしきい値毎に異ならせるので、低いCQIのしきい値の補正幅を小さくすることにより受信品質が劣化している場合には、CQIの選択を僅かな受信SIRの変動に追従させて誤り率特性の劣化を防ぐことができ、高いCQIのしきい値の補正幅を大きくすることにより受信品質が良好な場合には、受信SIRの多少の変動では選択されるCQIが変更されないようにして符号化率を大きくする等の伝送効率を優先することができ、誤り率特性と伝送効率との両立を図ることができる。
なお、上記実施の形態1〜実施の形態5において、再送回数に応じて選択される補正幅は、あらかじめ設定されている基準補正幅(0.1dB)に固定されることとしたが、これに限らず、再送回数に応じて補正幅を変えるようにしても良い。また、上記実施の形態1〜実施の形態5において、あらかじめ決められている基準補正幅に対してCQI選択調整部111にて最終的に決定した補正幅を加減算することとしたが、これに限らず、基準補正幅に対してCQI選択調整部111にて最終的に決定した補正幅を乗算または除算するようにしても良いし、任意の計算方法を適用することができる。また、上記実施の形態1〜実施の形態5において、fD、遅延スプレッド及びジオメトリにより伝搬環境を推定することとしたが、これに限らず、伝搬環境の推定に利用可能な任意に選択した要素を適宜組み合わせることにより伝搬環境を推定することが可能である。
本発明にかかる無線通信装置及び受信品質報告方法は、パケットの再送回数の低減により、伝送効率の向上とシステム容量の増大を図る効果を有し、受信品質情報を選択する際のしきい値を適応的に変化させるのに有用である。
100 無線通信装置
107 SIR測定部
108 受信品質判定部
109 fD推定部
110 調整ステップ制御部
111 CQI選択調整部
112 CQI選択部
107 SIR測定部
108 受信品質判定部
109 fD推定部
110 調整ステップ制御部
111 CQI選択調整部
112 CQI選択部
Claims (14)
- 受信信号より伝搬環境推定を行う伝搬環境推定手段と、
前記伝搬環境推定手段により推定した伝搬環境状況、及び通信相手との通信品質を示す情報である通信品質情報に基づいて、しきい値を可変に設定するしきい値設定手段と、
前記しきい値設定手段により設定されたしきい値と受信品質を示す測定値とを比較することにより受信品質報告値を決定する受信品質報告値決定手段と、
前記受信品質報告値決定手段により決定された受信品質報告値の情報を前記通信相手に送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする無線通信装置。 - 前記しきい値設定手段は、前記通信品質情報より通信品質が劣化するほど前記しきい値を受信品質が悪い方向へ補正し、前記通信品質情報より通信品質が良好なほど前記しきい値を受信品質が良い方向へ補正するとともに、前記伝搬環境推定手段により推定した伝搬環境の変動が激しいほど前記しきい値の補正幅を大きくすることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
- 前記伝搬環境推定手段は、受信信号より通信相手に対する相対移動速度を測定し、前記受信品質報告値決定手段は、前記伝搬環境推定手段にて測定された前記相対移動速度が大きいほど前記しきい値の補正幅を大きくすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線通信装置。
- 前記伝搬環境推定手段は、遅延プロファイルより遅延スプレッドを推定し、前記受信品質報告値決定手段は、前記伝搬環境推定手段により推定された遅延スプレッドが長いほど前記しきい値の補正幅を大きくすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線通信装置。
- 前記通信品質を測定する測定時間を設定する設定時定数制御手段を具備し、前記しきい値設定手段は、前記設定時定数制御手段にて設定された前記測定時間毎に、前記通信品質情報と前記伝搬環境推定手段により推定された伝搬環境状況に基づいて、前記しきい値を可変に設定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線通信装置。
- 前記設定時定数制御手段は、前記伝搬環境推定手段により推定された伝搬環境状況の変動が激しいほど前記測定時間を短く設定することを特徴とする請求項5記載の無線通信装置。
- 前記伝搬環境推定手段は、受信信号より通信相手に対する相対移動速度を測定し、前記設定時定数制御手段は、前記伝搬環境推定手段により測定された前記相対移動速度が大きいほど前記測定時間を短くすることを特徴とする請求項5または請求項6記載の無線通信装置。
- 前記伝搬環境推定手段は、遅延プロファイルより遅延スプレッドを推定し、前記設定時定数制御手段は、前記伝搬環境推定手段により推定された前記遅延スプレッドが長いほど前記測定時間を短く設定することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の無線通信装置。
- 前記伝搬環境推定手段は、他のセルの基地局装置からの受信信号の電力密度に対する自セルの基地局装置からの受信信号の電力密度の電力密度比を測定し、前記受信品質報告値決定手段は、前記電力密度比が大きいほど前記しきい値の補正幅を大きくすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線通信装置。
- 前記伝搬環境推定手段は、他のセルの基地局装置からの受信信号の電力密度に対する自セルの基地局装置からの受信信号の電力密度の電力密度比を測定し、前記設定時定数制御手段は、前記電力密度比が大きいほど前記測定時間を短く設定することを特徴とする請求項5から請求項8のいずれかに記載の無線通信装置。
- 請求項1から請求項10のいずれかに記載の無線通信装置を具備することを特徴とする通信端末装置。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載の無線通信装置を具備することを特徴とする基地局装置。
- 受信信号より伝搬環境推定を行うステップと、
推定された伝搬環境状況、及び通信相手との通信品質を示す情報である通信品質情報とに基づいて、しきい値を可変に設定するステップと、
前記しきい値と受信品質を示す測定値とを比較することにより受信品質報告値を決定するステップと、
決定された前記受信品質報告値の情報を前記通信相手に送信するステップと、
を具備することを特徴とする受信品質報告方法。 - 前記通信品質情報より通信品質が劣化するほど前記しきい値を受信品質が悪い方向へ補正し、前記通信品質情報より通信品質が良好なほど前記しきい値を受信品質が良い方向へ補正するとともに、推定した伝搬環境状況の変動が激しいほど前記しきい値の補正幅を大きくすることを特徴とする請求項13記載の受信品質報告方法。
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