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JP2005025974A - 高分子型燃料電池とその製造方法 - Google Patents

高分子型燃料電池とその製造方法 Download PDF

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JP2005025974A
JP2005025974A JP2003187262A JP2003187262A JP2005025974A JP 2005025974 A JP2005025974 A JP 2005025974A JP 2003187262 A JP2003187262 A JP 2003187262A JP 2003187262 A JP2003187262 A JP 2003187262A JP 2005025974 A JP2005025974 A JP 2005025974A
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electrolyte membrane
layer
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Manabu Kaseda
学 加世田
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】電池内部の水を効率的に利用でき、低加湿条件下または無加湿条件下での運転時においても、充分な発電性能を発現する固体高分子型燃料電池を提供する。
【解決手段】アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータがこの順序で積層されてなる固体高分子型燃料電池であって、前記高分子電解質膜と前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層との間に親水層が形成されてなる、固体高分子型燃料電池によって、上記課題は解決される。物質を親水化するためには、電子線照射が用いられうる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんど無いクリーンな発電システムである。燃料電池は、固体高分子型燃料電池、直接メタノール型燃料電池、固体酸化物型燃料電池、りん酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池などに分類される。固体高分子型燃料電池は、他の燃料電池より低温で動作することから、自動車等の移動体用動力源として期待されている。
【0003】
固体高分子型燃料電池は、電解質として高分子電解質膜を用いた燃料電池である。高分子電解質膜としては、デュポン社製ナフィオン(登録商標)に代表されるパーフルオロ系電解質や炭化水素系電解質が知られている。しかし、これらの電解質は、充分なイオン伝導性を発現するために水を必要とする。そのため、燃料電池の運転条件がドライ条件になると、高分子電解質膜の含水率が低下し、イオン伝導度が低下するドライアップが発生する。その結果、燃料電池の発電性能が低下する。
【0004】
ドライ条件下でも充分な発電性能を確保するために、これまでのところ、補機を用いて高分子電解質に水分を補給する方法が提案されている。例えば、バブラーやミスト発生器などを用いて反応ガスを加湿する方法、セパレータ内部に形成された反応ガス流路に直接水分を注入する方法等が提案されている。つまり、高分子電解質膜においては、ある程度の水分が存在することが好ましい。
【0005】
しかしながら、補機を用いて高分子電解質膜を加湿するためには、加湿用の水を貯蔵するための水タンク、加湿器、燃料電池から排出される水を回収するための凝縮機等、様々なコンポーネントが必要である。そのため、燃料電池システム全体が、複雑かつ大型化する。また、補機を用いた高分子電解質膜の加湿は、余分な補機動力が必要となり、燃料電池の発電効率を低下させる。したがって、補機を用いずに、または、簡素な補機を用いて、高分子電解質を加湿することができれば、非常に有意義である。
【0006】
一方、触媒層における水分量に目を向けると、逆に、水分によって発電性能の低下が生じる、フラッディング現象と呼ばれる問題がある。発電に伴い、カソードおよびアノードでは、以下の反応が進行する。
【0007】
【化1】
Figure 2005025974
【0008】
電池反応の反応速度が比較的高い作動条件下では、アノードからカソードに向けて高分子電解質を移動するプロトンに伴って移動する水の量、およびカソードの電極反応により生成し、凝縮する生成水の量が増加する。フラッディング現象とは、これらの水がカソード外部に速やかに排出されず、カソードの触媒層内に滞留する現象である。フラッディング現象が生じると、反応ガスを触媒層内の反応サイトへ、安定かつ充分に供給することが困難となり、反応サイトの一部が機能しなくなる。その結果、燃料電池の電池出力が低下する。
【0009】
フラッディング現象を抑制するためには、電極に撥水性を付与する手段が提案されている。電極に撥水性を付与する手段として、含フッ素化合物の使用が提案されている。例えば、イオン交換基を実質上有さない可溶性含フッ素重合体の溶液を使用して得られた含フッ素重合体が電極の細孔に存在する、固体高分子型燃料電池用電極が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
上述のように、高分子電解質膜には、ある程度の水分を供給することが好ましい。その一方で、触媒層においては、水分の滞留が問題となる。前記式(1)の反応によってカソード側において生成した水を高分子電解質膜の加湿に直接利用できれば、高分子電解質膜に水分を供給するための補機の除去や簡略化による、燃料電池システムの小型化、軽量化および高効率化が期待できる。
【0011】
しかしながら、従来の電極は、フラッディングによる出力低下を抑制するために、電極の細孔内表面に撥水処理を施す等、電極内に滞留する水を排出しやすくしたものが一般的であり、生成水の有効利用に適した構造にはなっていない。例えば、特許文献1に開示された固体高分子型燃料電池において、カソード側において生成した水分を高分子電解質膜の加湿に用いることは困難である。従って、高分子電解質膜にある程度の水分を供給するために、補機による加湿が必要となる。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−320611号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明が目的とするところは、電池内部の水を効率的に利用でき、低加湿条件下または無加湿条件下での運転時においても、充分な発電性能を発現する固体高分子型燃料電池を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータがこの順序で積層されてなる固体高分子型燃料電池であって、前記高分子電解質膜と前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層との間に親水層が形成されてなる、固体高分子型燃料電池である。
【0015】
【発明の効果】
本発明の固体高分子型燃料電池は、高分子電解質膜と触媒層との間に親水層が形成されているため、触媒層で生成した水が、親水層を経て、高分子電解質に効率よく供給される。その結果、固体高分子型燃料電池は、低加湿条件下または無加湿条件下での運転時においても、充分な発電性能を発現する。
【0016】
【発明の実施の形態】
一般的には、固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性の高分子電解質膜により隔てられた二つの多孔性電極を含んで形成される。図1は、固体高分子型燃料電池の一実施形態の構造を示す模式図である。燃料電池は、膜・電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)102がアノード側セパレータ104aおよびカソード側セパレータ104cによって挟持された構造を有する。セパレータは、さらに集電体105によって挟持される。膜・電極接合体102は、電極基材106、アノード側触媒層108a、カソード側触媒層108c、高分子電解質膜110、および必要に応じて他の層からなる積層体である。他の層としては、カーボン層116などが積層されうる。ただし、固体高分子型燃料電池は、図示する構造に限定されず、他の構造を有していても良い。
【0017】
一般的な固体高分子型燃料電池は、アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータがこの順序で積層される。なお、本願において、「この順序で積層される」とは、積層される層が隣接して積層される形態のみを意味するものではない。他の層が層間に介在する場合であっても、所定の層が順番に積層されていれば、「この順序で積層される」に該当する。なお、本願の符号において、数字の後についている「a」および「c」は、アノード側およびカソード側をそれぞれ示す。例えば、「108a」とは、アノード側に配置されている触媒層108を意味する。
【0018】
まず、本発明について詳細に説明する前に、一般的な固体高分子型燃料電池を用いた発電について簡単に説明する。
【0019】
電極基材106は、高いガス拡散性を有する材料からなる。例えば、カーボンクロス、カーボンペーパ、不織布などのポーラスカーボン材が電極基材として用いられる。撥水性ポリマーを電極基材に含浸されることにより、フラッディングが防止される。セパレータに供給された反応ガスは、電極基材を拡散して、触媒層に供給される。
【0020】
触媒層108には、白金や白金合金を担持させたカーボン粉末や白金黒などの電極触媒が含まれる。また、好ましくは、触媒層108中には、プロトン伝導性ポリマーおよび/または撥水性ポリマーが含まれる。より好ましくは、触媒層は、プロトン伝導性ポリマーを含み、電極触媒がプロトン伝導性ポリマーによって被覆される。プロトン伝導性を有するポリマーとしては、後述する高分子電解質膜に用いられるポリマーのように、内部をプロトンが伝達する特性を有するポリマーが用いられる。プロトン伝導性を有するポリマーは、高分子電解質膜に用いられるポリマーと同種であっても、異種であってもよい。触媒層内では、触媒層を構成するカーボン粉末の二次粒子間に形成される微小な細孔からなる空隙部が、反応ガスの拡散流路として機能する。
【0021】
電極基材106と触媒層108との間には、燃料電池をアッセンブリーする際の圧縮による破損や部材間の電気抵抗を抑制するために、カーボン層116が配置されてもよい。
【0022】
高分子電解質膜110は、プロトン伝導性ポリマーからなる。プロトン伝導性ポリマーは、イオン伝導性のポリマーであれば、特に限定されない。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、スルホン酸型ポリエーテルスルホン系ポリマー、スルホン酸型ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、スルホン酸型ポリアリレンエーテルスルホン系ポリマー、スルホン酸型ポリイミダゾール系ポリマー、スルホン酸型ポリイミド系ポリマーなどからなる膜が挙げられる。プロトン伝導性ポリマーに含まれるイオン交換基は、特に限定されず、上記スルホン酸以外のカルボン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸等のいずれであってもよい。また、二種類以上のイオン交換基が含まれていてもよい。
【0023】
アノード側セパレータ104aには、アノードガスが流れる流通溝112が形成される。また、カソード側セパレータ104cには、カソードガスが流れる流通溝114が形成される。流通溝が設けられる位置は特に限定されないが、好ましくは膜・電極接合体側の面に流通溝が形成される。
【0024】
固体高分子型燃料電池は、通常は、触媒層と高分子電解質膜とが対向するように高分子電解質膜を配置して、ホットプレスにより接合することによって、膜・電極接合体が作製される。触媒層および高分子電解質膜以外の膜を配置する場合には、配置した後、ホットプレスにより接合すればよい。膜・電極接合体をセパレータで挟持することによって、固体高分子型燃料電池の単セルが完成する。
【0025】
なお、本発明において、集電体、セパレータ、触媒、高分子電解質膜など、従来の固体高分子型燃料電池にも用いられている構成材料は、特に限定されない。得られている知見に基づいて材料や組み立て方法を選択すればよい。得られている知見に基づいて、固体高分子型燃料電池を適宜改変してもよい。
【0026】
アノードガス用の流通溝112には、水素ガスからなる燃料ガスが供給される。一方、カソードガス用の流通溝114には、酸素ガスからなる酸化剤が供給される。酸化剤として空気が用いられてもよい。水素ガスおよび酸素ガスは、多孔性電極基材106を経て、触媒層108a,108cに拡散される。このように反応ガスを供給することにより、式(1)および式(2)に示す電気化学的反応が生じ、その進行に伴い電子が発生する。この電子を電極から外部回路に取り出すことにより、電気エネルギーが発生する。
【0027】
【化2】
Figure 2005025974
【0028】
燃料電池の電気化学的反応においては、アノード側触媒層の電極触媒上で、燃料の酸化によりプロトンが生成する(式(1))。生成したプロトンは、触媒層内に分散されたプロトン伝導性ポリマーを介して、高分子電解質膜に到達する。そして、プロトンは、さらに高分子電解質膜内を通過してカソード側に移行する。その後、同じくカソード側触媒層に分散されたプロトン伝導性ポリマーを介して、カソード側触媒層の電極触媒に達する。電極触媒においては、酸化剤として供給された酸素ガス及び外部回路を通ってきた電子と反応して水を生成する(式(2))。
【0029】
長時間の運転や高電流密度での作動条件下においては、アノードからカソードに向けて高分子電解質膜を移動するプロトンに伴って移動する水の量とカソードの電極反応により生成し、凝縮する生成水の量とが増加する。これらの水が大量に生成すると、水がカソードから外部に速やかに排出されず、カソード側触媒層内に水が滞留するフラッディング現象が起こりやすい。
【0030】
本発明の固体高分子型燃料電池は、高分子電解質膜110とアノード側触媒層108aとの間、または、高分子電解質膜とカソード側触媒層108cとの間に、親水層118を形成することによって、この問題を解決する。即ち、本発明の第1は、アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータがこの順序で積層されてなる固体高分子型燃料電池であって、前記高分子電解質膜と前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層との間に親水層が形成されてなる、固体高分子型燃料電池である。本願においては、親水層とは、触媒層よりも親水性が高い層を意味する。親水層は、親水性に有意な差異が生じる部位が形成されていれば、親水層である部分と親水層でない部分との境界が明瞭でなくてもよい。例えば、後述するように、高分子電解質膜の表面に電子線を照射することによって、高分子電解質膜の表面近傍を親水化させる場合には、高分子電解質膜の表面近傍が親水層となる。この場合には、親水層とそうでない部分との境界は、親水層を塗布形成する場合に比べて、不明瞭であり、連続的に親水性が変化するかもしれない。しかしながら、本願においては、高分子電解質膜の表面を親水化した場合には、高分子電解質膜と親水層との積層体が形成されているものとみなす。なお、親水性は、水との接触角を測定することによって評価されうる。具体的には、親水層は、水との接触角が好ましくは90°未満である。
【0031】
親水層118を高分子電解質膜110と触媒層108との間に設けることによって、カソード側触媒層で生成した水が、高分子電解質膜110の加湿に効果的に利用される。親水層118を設けると、カソード側触媒層108cで生成した水は、親水性の親水層118によって高分子電解質膜110まで戻され、高分子電解質膜110の加湿に再利用される。この効果を大きく引き出すためには、親水層118は、高分子電解質膜110とカソード側触媒層108cとの間に配置されることが好ましい。
【0032】
一方、高分子電解質膜110とアノード側触媒層108aとの間に親水層118が配置されている場合も高分子電解質膜の加湿に有効である。高分子電解質膜とアノード側触媒層との間にも親水層が存在すると、カソード側触媒層から高分子電解質膜に戻された水の一部がアノード側にスムーズに逆拡散する。そのとき、高分子電解質膜とアノード側触媒層との間にも親水層が存在すると、逆拡散した水およびアノードに流入した水が親水層に保有される。このような機構を通じて、燃料電池内部で生じた水を効果的に利用し、高分子電解質膜を湿潤状態に保持できる。したがって、高分子電解質膜とアノード側触媒層との間にのみ親水層が配置されていてもよいし、高分子電解質膜とカソード側触媒層との間にのみ親水層が配置されていてもよい。高分子電解質膜とアノード側触媒層との間、および、高分子電解質膜とカソード側触媒層との間の双方に、親水層が配置されていてもよい。好ましくは、少なくとも高分子電解質膜とカソード側触媒層との間に、親水層が配置される。より好ましくは、高分子電解質膜とアノード側触媒層との間、および、高分子電解質膜とカソード側触媒層との間の双方に、親水層が配置される。
【0033】
従来は、高分子電解質膜を加湿するために、補機などの装置が必要とされていた。しかし、本発明においては、親水層を配置することによって、燃料電池内部で生じた水を効率的に利用できる。このため、低加湿条件下または無加湿条件下での運転時においても、固体高分子型燃料電池は充分な発電性能を発現する。補機の存在は、燃料電池システムを複雑化および大型化させる。また、補機の動力が必要となる分、燃料電池の発電効率が低下する。本発明によって、このような補機によって生じていた弊害が除去される。ただし、本発明の固体高分子型燃料電池を有する燃料電池システムは、補機が存在しない燃料電池システムに限定されない。補機によって高分子電解質膜が加湿される場合であっても、補機による加湿量が減少し、燃料電池の発電効率が向上する。
【0034】
触媒層よりも親水性が高い親水層を形成するには、種々の方法がある。例えば、▲1▼親水性が高い材料からなる溶液またはスラリーを塗布して親水層とする、▲2▼所定の成分を含む膜を形成し、その膜を親水化させる、▲3▼高分子電解質膜や触媒層の表面近傍を親水化させる、などの方法が挙げられる。前記▲1▼〜▲3▼のいずれを用いる場合であっても、電子線照射を用いて材料を親水化させる処理が有効である。電子線照射を用いれば、親水化処理が容易であり、電池性能に悪影響を及ぼすような不純物が混入しにくい。電子線照射された表面では、有機物等の不純物が除去され、カルボキシル基等の含酸素親水性官能基が形成される。
【0035】
▲1▼を採用する場合には、導電性粒子などの親水層を構成する材料を、電子線照射によって、親水化させる。その後、親水化された導電性粒子を含む溶液またはスラリーを塗布し、親水層とする。▲2▼を採用する場合には、導電性粒子などの親水層を構成する材料を含む溶液またはスラリーを塗布し、塗膜に電子線を照射して親水層とする。▲3▼を採用する場合には、物性を親水性に改質したい箇所に、電子線を照射すればよい。
【0036】
▲1▼や▲2▼の方法を採用する場合には、塗膜の形成方法としては、ダイコーター法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スプレー法、カーテンコーター法等が挙げられる。また、テトラフルオロエチレン、ポリイミド等のシート状の基板面に、所定の成分を含む溶液から、前述の方法を用いて親水層を形成し、乾燥後、高分子電解質膜と加熱・加圧し、シートのみを剥離する転写法を用いてもよい。このように、高分子電解質膜上、または、触媒層上に親水層を形成する場合、親水層形成の作業性が優れる。ただし、高分子電解質膜の表面が電子線照射などにより親水化されても、勿論よい。高分子電解質膜の表面を電子線照射によって親水化した場合、高分子電解質膜の界面での抵抗を小さくすることができる。
【0037】
親水層は、高分子電解質膜と触媒層との間に配置されていれば、その配置箇所は特に限定されない。高分子電解質膜と触媒層との間に、本願の効果を損なわない他の層が配置されてもよい。親水層の配置箇所は、親水層の形成方法に依拠するところが多い。例えば、高分子電解質膜の表面に電子線を照射して、高分子電解質膜の表面近傍を親水化して、親水層とする場合には、高分子電解質膜と親水層とは必然的に隣接する。一方、親水層を形成するための溶液やスラリーを調製し、それを塗布する製法を採用する場合には、親水層の配置位置は、比較的容易に設計変更されうる。
【0038】
好ましくは、親水層は、高分子電解質膜上、または、触媒層上に形成される。親水層を高分子電解質膜上または触媒層上に形成することによって、燃料電池内部の生成水が有効に再利用される。なお、ここでいう「高分子電解質膜上」とは、高分子電解質膜の表面上に、文字通り親水層が形成される態様を意味する。従って、高分子電解質膜の表面に電子線を照射して、高分子電解質膜の表面近傍を親水性に変質される態様は含まない。
【0039】
親水層の構成材料は、親水性が確保できるのであれば、特に限定されないが、好ましくは、親水層は、少なくともプロトン伝導性ポリマーまたは導電性粒子を含む。親水層は、プロトン伝導性ポリマーおよび導電性粒子の双方を含んでも良い。高分子電解質膜および触媒層を構成する材料と類似した性質の材料で、親水層を構成することによって、高分子電解質膜および/または触媒層と親水層との界面におけるプロトン伝導抵抗が小さくなる。
【0040】
プロトン伝導性ポリマーは、イオン伝導性のポリマーであれば、特に限定されない。プロトン伝導性ポリマーの具体例としては、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、スルホン酸型ポリエーテルスルホン系ポリマー、スルホン酸型ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、スルホン酸型ポリアリレンエーテルスルホン系ポリマー、スルホン酸型ポリイミダゾール系ポリマー、スルホン酸型ポリイミド系ポリマー等が挙げられる。プロトン伝導性ポリマーに含まれるイオン交換基は、特に限定されず、上記スルホン酸以外のカルボン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸等のいずれであってもよい。また、二種類以上のイオン交換基が含まれていてもよい。
【0041】
一方、導電性粒子としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛、各種金属などが用いられうる。水素の酸化反応及び酸素の還元反応に対する触媒金属が、導電性粒子として用いられてもよい。例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属又はそれらの合金が、導電性粒子として用いられうる。
【0042】
例えば、導電性粒子としてのカーボンブラック等の表面は、元来は疎水性である。また、触媒金属においても親水性の状態にはない。これらの成分を含む親水層を形成するには、前述したように導電性粒子を親水化させるために、電子線照射が用いられる。電子線照射のタイミングは、導電性粒子を含む塗膜が形成された後であっても、導電性粒子を含む塗膜が形成される前であってもよい。
【0043】
導電性粒子の粒径は、特に限定されないが、固体高分子型燃料電池の発電性能への影響を考慮すると、導電性粒子の平均粒径が0.001〜0.01μm程度であるとよい。
【0044】
プロトン伝導性ポリマーまたは導電性粒子を含む親水層を形成するには、これらの少なくとも一方を含むスラリーを調製して、スラリーを塗布および乾燥させるとよい。親水層中におけるプロトン伝導性ポリマーおよび導電性粒子の配合量は、特に限定されない。適度な量のプロトン伝導性ポリマーおよび/または導電性粒子が含まれていると、高分子電解質膜および触媒層と親水層との界面におけるプロトン伝導抵抗が充分小さくなる。
【0045】
親水層の厚さは、親水層の形態、親水層の面積、親水層を構成する材料によって適宜調整されるべきものであり、特に限定されない。一般的には、親水層の厚さは1〜50μm程度である。
【0046】
続いて、本発明の第2について説明する。本発明の第2は、本発明の第1の固体高分子型燃料電池の製造方法である。前述のように、親水性が高い親水層を得るためには、種々の方法があるが、容易に処理が可能であり、電池性能に悪影響を及ぼすような不純物が混入しにくい方法として、電子線照射が好ましい。電子線照射された表面では、有機物等の不純物が除去され、カルボキシル基等の含酸素親水性官能基が形成される。
【0047】
固体高分子型燃料電池は、アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータを積層させることによって作製される。ただし、これらの積層順序は特に限定されないし、他の層がさらに配置されてもよい。親水層の形成方法としては、▲1▼高分子電解質膜と触媒層とを積層させる前に、高分子電解質膜の触媒層が積層される側の面に、電子線照射によって親水化させた親水層を形成する方法、▲2▼高分子電解質膜と触媒層とを積層させる前に、触媒層の高分子電解質膜が積層される側の面に、電子線照射によって親水化させた親水層を形成する方法、▲3▼高分子電解質膜と触媒層とを積層させる前に、高分子電解質膜の触媒層が積層される面を電子線照射によって親水化させる方法、が挙げられる。なお、高分子電解質膜とアノード側触媒層との間にのみ親水層が配置されていてもよいし、高分子電解質膜とカソード側触媒層との間にのみ親水層が配置されていてもよい。高分子電解質膜とアノード側触媒層との間、および、高分子電解質膜とカソード側触媒層との間の双方に、親水層が配置されていてもよい。好ましくは、少なくとも高分子電解質膜とカソード側触媒層との間に、親水層が配置される。より好ましくは、高分子電解質膜とアノード側触媒層との間、および、高分子電解質膜とカソード側触媒層との間の双方に、親水層が配置される。
【0048】
本発明の第2は、このように、電子線照射によって、親水層が高分子電解質膜と触媒層との間に形成された固体高分子型燃料電池を製造する方法である。即ち、本発明の一実施形態は、アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータをこの順序に積層させる、固体高分子型燃料電池の製造方法であって、前記高分子電解質膜と前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層とを積層させる前に、前記高分子電解質膜の前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層が積層される側の面に、電子線照射によって親水化させた親水層を形成する、固体高分子型燃料電池の製造方法である。本発明の他の実施形態は、アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータをこの順序に積層させる、固体高分子型燃料電池の製造方法であって、前記高分子電解質膜と前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層とを積層させる前に、前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層の前記高分子電解質膜が積層される側の面に、電子線照射によって親水化させた親水層を形成する、固体高分子型燃料電池の製造方法である。また、本発明のさらに他の実施形態は、アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータを積層させる、固体高分子型燃料電池の製造方法であって、前記高分子電解質膜と前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層とを積層させる前に、前記高分子電解質膜の前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層が積層される側の面を、電子線照射によって親水化させる、固体高分子型燃料電池の製造方法である。
【0049】
電子線は、ウシオ電機株式会社製(Min−EB−Lab)など、公知の電子線照射装置を用いて照射されうる。電子線照射の条件は、好ましくは、加速電圧が5kV以上、照射量が100μC/cm以上である。
【0050】
加速電圧が小さすぎると、導電性粒子などの親水化される材料を均一に処理することが困難であり、電子線照射による燃料電池の性能が充分向上しない虞がある。この観点から、加速電圧は、好ましくは5kVであり、より好ましくは15〜100kVである。
【0051】
照射量が小さすぎると、導電性粒子などの親水化される材料を均一に処理することが困難であり、電子線照射による燃料電池の性能が充分向上しない虞がある。この観点から、照射量は、好ましくは100μC/cm以上であり、より好ましくは150〜350μC/cmである。
【0052】
また、プロトン伝導性ポリマーは、電子線照射によって、側鎖が分解し、ラジカルが生成する。その後、酸化反応と架橋反応が競争的に起こる。
【0053】
【化3】
Figure 2005025974
【0054】
式中、mは0〜3の整数、nは1〜12の整数、pは0又は1であり、XはF又はCFである。
【0055】
酸素濃度が50ppmより低い場合、架橋反応が優先するため、プロトン伝導性が低下する虞がある。一方、酸素濃度が50ppm以上であると、カルボキシル基が生成するため、プロトン伝導性の低下が抑えられる。この観点から、電子線照射時の酸素濃度は、好ましくは50ppm以上であり、より好ましくは100〜5000ppmである。なお、ここでいう酸素濃度とは、電子線が照射させる空間における酸素濃度を意味する。酸素濃度は、供給するガスバランスから算出されうる。例えば、窒素ガスと酸素ガスとを供給する場合には、それらのガスバランスから酸素濃度を算出できる。実際に、系中に、酸素センサーを組込んで酸素濃度を測定してもよい。
【0056】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の内容を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
(実施例1)
図1に示す、高分子電解質膜106と触媒層108a,108cとの間に親水層118が形成されている構造を有する固体高分子型燃料電池を、以下の手順によって製造した。
【0058】
1 電極の作製
1.1 触媒層用スラリーの調製
白金担持カーボン(田中貴金属工業株式会社製、10V30E:ValcanXc−72に白金を30質量%担持)と、純水および陽イオン交換樹脂(アルドリッチ社製、5重量%ナフィオン溶液)とを混合分散させて、触媒層の形成に用いられるスラリーAを調製した。
【0059】
1.2 ポーラスカーボンの準備
電極基材106となるポーラスカーボンとして、厚さ0.27mmのカーボンペーパー(東レ株式会社製TGP−H−090)を60×60mmに切り出したものを準備した。カーボンペーパーは、テトラフルオロエチレン分散液(ダイキン工業株式会社製D−1E)を純水で希釈した溶液に3分間浸漬された後、60℃にて10分間乾燥され、さらにその後、大気雰囲気下350℃にて60分間熱処理が施された。処理後に得られたカーボンペーパーには、テトラフルオロエチレン粒子が25質量%含浸されている。
【0060】
1.3 カーボン層の形成
次に、この撥水処理済みのカーボンペーパー上に、カーボンブラック(ファーネスブラック)粒子およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子をイソプロピルアルコール(IPA)に均一に分散させてなるスラリーを片側にダイコーター法により塗布し、乾燥させて、電極基材106としてのカーボンペーパーとカーボン層116からなる拡散層を形成した。
【0061】
1.4 電極の作製
調整済みのスラリーAを、カーボン層116上に、白金担持量が0.30mg/cmとなるようにダイコーター法により塗布した。さらに、これを5時間風乾して触媒層108とし、電極を完成させた。この電極を50mm×50mmに切り出し、電極を完成させた。
【0062】
2 親水層の形成
ポリエーテルエーテルケトン(アルドリッチ社製)を発煙硫酸中に入れて、イオン交換容量(1gあたりのスルホン酸基のミリ等量)が2.2meq/gになるまでスルホン化し、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンを得た。スルホン化ポリエーテルエーテルケトンをN−メチルピロリジン(アルドリッチ社製)に還流溶解させ、濃度15質量%のスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを生成させた。
【0063】
次に、カーボンブラック(アセチレンブラック)上に白金を担持した導電性粒子に対して、加速電圧35kV、照射量200μC/cm、照射室部分の酸素濃度500ppmとして電子線照射処理を行った。電子線照射はウシオ電機株式会社製(Min−EB−Lab)のEB装置を用いて行った。この親水化処理した導電性粒子と調製済みのスルホン化ポリエーテルエーテルケトン溶液とを窒素雰囲気下で撹拌混合して、均一なペーストを得た。これを作製済み電極の触媒層108上に、膜厚が5μmとなるようにスプレーコートし、3時間風乾し、親水層118を形成した。
【0064】
3 膜・電極複合体の作製
親水層を形成した後、親水層が形成された電極と高分子電解質膜とを、図1のように、電極/親水層/高分子電解質膜/親水層/電極の順に積層するようにホットプレスすることにより、膜・電極複合体102を得た。なお、高分子電解質膜は、デュポン社製ナフィオン112;50μmを100×100mmに切り出したものを用いた。ホットプレスの条件は、130℃、15kgf/cmとした。
【0065】
4 固体高分子型燃料電池の作製
得られた膜・電極接合体102をセパレータ104で挟持し、さらにそれを集電板105で挟持し、固体高分子型燃料電池の単セルを作製した。
【0066】
この固体高分子型燃料電池の発電性能について評価した。ガス圧力は大気圧、セル温度は80℃とし、燃料として水素ガス、酸化剤として空気ガスを用いた。いずれのガスともに無加湿で単セルへ供給した。結果を図2に示す。
【0067】
セル抵抗の測定は、上記評価に用いられたのと同じ条件下で、燃料極、空気極側の集電板にACミリオームメータ(HIOKI電機製、3560ACミリオームハイテスタ)を接続して、電流密度0.8A/cm時のセル抵抗(Ω/cm)を測定した。この時の抵抗は3.88(mΩ/cm)であった。
【0068】
(実施例2)
実施例1で用いた導電性粒子とスルホン化ポリエーテルエーテルケトン溶液とを窒素雰囲気下で撹拌混合して、均一なペーストとし、これを実施例1と同じ電極上に膜厚が5μmとなるようにスプレーコートし、3時間風乾した後、実施例1と同じ条件で電子線照射を行い、親水層を形成した。つまり、本実施例においては、電子線は、導電性粒子とスルホン化ポリエーテルエーテルケトン溶液とを用いて形成された膜に対して照射された。親水層をかような方法で形成した以外は、実施例1と同様にして、固体高分子型燃料電池の単セルを作製した。
【0069】
この固体高分子型燃料電池の発電性能について、実施例1と同様にして評価した。結果を図2に示す。また、電流密度0.8A/cm時のセル抵抗は3.80(mΩ/cm)であった。
【0070】
(実施例3)
電子線が、高分子電解質膜としてのナフィオン112(デュポン社製;50μm)の表面に照射し、高分子電解質膜の表面を親水化した。親水化によって作製された親水面を、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンからなる親水面の代わりとして、実施例1の手順に従い、固体高分子型燃料電池の単セルを作製した。つまり、本実施例においては、高分子電解質の表面が、電子線照射によって親水層に変質されている。
【0071】
この固体高分子型燃料電池の発電性能について、実施例1と同様にして評価した。結果を図2に示す。また、電流密度0.8A/cm時のセル抵抗は3.68(mΩ/cm)であった。
【0072】
(比較例1)
親水層を形成せずに、電極/高分子電解質膜/電極の順に積層された膜・電極複合体からなる固体高分子型燃料電池の単セルを作製した。その他の製造条件は、実施例1と同様である。
【0073】
この固体高分子型燃料電池の発電性能について、実施例1と同様にして評価した。結果を図2に示す。また、電流密度0.8A/cm時のセル抵抗は8.04(mΩ/cm)であった。
【0074】
(評価)
図2に示すように、親水層を形成することによって、相対湿度が低い環境下においても優れた発電性能が得られる。また、触媒層と高分子電解質膜との間に親水層が設けられてもよいし、高分子電解質膜の表面が親水化されてもよいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子型燃料電池のセル構造の模式図である。
【図2】固体高分子型燃料電池の発電性能を示すグラフである。
【符号の説明】
102…膜・電極接合体、104…セパレータ、105…集電板、106…電極基材、108…触媒層、110…高分子電解質膜、112…アノードガス流通溝、114…カソードガス流通溝、116…カーボン層、118…親水層。

Claims (10)

  1. アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータがこの順序で積層されてなる固体高分子型燃料電池であって、
    前記高分子電解質膜と前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層との間に親水層が形成されてなる、固体高分子型燃料電池。
  2. 前記親水層は、前記高分子電解質膜上、または、前記触媒層上に形成されてなる、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  3. 前記親水層は、前記触媒層よりも親水性が高い、請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池。
  4. 前記親水層は、少なくともプロトン伝導性ポリマーまたは導電性粒子を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池。
  5. 前記導電性粒子は、電子線照射によって親水化されている、請求項4に記載の固体高分子型燃料電池。
  6. 前記触媒層は、少なくとも電極触媒およびプロトン伝導性ポリマーを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池。
  7. アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータをこの順序に積層させる、固体高分子型燃料電池の製造方法であって、
    前記高分子電解質膜と前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層とを積層させる前に、前記高分子電解質膜の前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層が積層される側の面に、電子線照射によって親水化させた親水層を形成する、固体高分子型燃料電池の製造方法。
  8. アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータをこの順序に積層させる、固体高分子型燃料電池の製造方法であって、
    前記高分子電解質膜と前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層とを積層させる前に、前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層の前記高分子電解質膜が積層される側の面に、電子線照射によって親水化させた親水層を形成する、固体高分子型燃料電池の製造方法。
  9. アノード側セパレータ、アノード側触媒層、高分子電解質膜、カソード側触媒層、およびカソード側セパレータを積層させる、固体高分子型燃料電池の製造方法であって、
    前記高分子電解質膜と前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層とを積層させる前に、前記高分子電解質膜の前記アノード側触媒層または前記カソード側触媒層が積層される側の面を、電子線照射によって親水化させる、固体高分子型燃料電池の製造方法。
  10. 前記電子線照射の条件は、加速電圧が5kV以上、照射量が100μC/cm以上、かつ前記電子線照射時の酸素濃度が50ppm以上である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池の製造方法。
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