JP2004529736A - 歪硬化ニッケルチタン管材料から形成された医療用機器 - Google Patents
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Abstract
相変態あるいは応力誘起マルテンサイトの発現がない線形の擬弾性挙動を呈し、シースから展開される支柱が形成された本体を有する医療用機器に適用される、冷間加工されたニッケルチタン合金が開示されている。一つの用途として、自己展開する線形擬弾性ニチノールの支柱組立体を用いて小さな輪郭の配送システムを有する、侵襲的な手技に用いる塞栓予防装置が開示されている。非線形擬弾性(すなわち超弾性)ニチノールとは異なる線形擬弾性ニチノールが医療用機器に用いられる。展開可能な支柱組立体は、冷間加工されたニッケルチタン合金製の小さな直径の管状材料から作られる。フィルタ要素を展開させる自己展開する支柱は、大きな直径の冷間加工されたニッケルチタン合金からレーザー切断され、次いで小さな直径の管状材料に接合される。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、ニッケルチタン合金の医療用機器への適用に関する。より詳しくは、本発明は、シースから配置される医療用機器に適用される、相変態あるいは応力誘起マルテンサイトの出現なしに擬弾性挙動を示す、冷間加工されたニッケルチタン合金に向けられている。
【背景技術】
【0002】
原子の割合がほぼ等しい2元ニッケルチタン合金(ニチノール)が、特定の冷間加工工程、あるいは熱間加工後の冷間加工および熱処理工程を経たときに「擬弾性」を呈することは知られている。一般的に「擬弾性」とは、応力が負荷されたときに8パーセントを上回るオーダーの大きな弾性歪が生じるとともに、応力が除荷されると実質的に完全に全ての歪が元に戻るという、ニッケルチタン合金の能力である。実質的に完全に元に戻るということは、永久歪あるいは記憶喪失(amnesia)として知られている、元に戻らない歪みが0.5パーセント未満であることであると典型的に理解されている。
【0003】
擬弾性は「線形な」擬弾性および「非線形な」擬弾性という2つの区分に分けることができる。「非線形」な擬弾性は、この業界において時には「超弾性」と同義に用いられている。
【0004】
線形な擬弾性は冷間加工のみから生じる。非線形な擬弾性は、冷間加工およびその後の熱処理から生じる。非線形な擬弾性は、その理想的な状態において、ほとんど応力が増加することなしに大きな量の復元可能な歪が起こりうる、比較的平坦な荷重プラトーを呈する。この平坦なプラトーは、合金の応力歪ヒステリシス曲線において見ることができる。線形な擬弾性は、そのような平坦なプラトーを呈することはない。非線形な擬弾性は、オーステナイトから、より正確には「応力誘起マルテンサイト」(SIM)と呼ばれるマルテンサイトへの可逆的な相変態によって生じることが知られている。線形な擬弾性は、それに関連する相変態とは無縁である。線形な擬弾性に関する更なる解説は、例えば、T.W.Duerig他の「冷間加工されたニッケルチタンにおける線形な超弾性」、形状記憶合金の技術的側面(pp.414−19(1990))に見出すことができる。
【0005】
ニッケルチタン合金の有用な性質により、異なる設計ニーズを解決するためにその特性を変更することが試みられてきた。例えば、DiCarlo他への米国特許第6,106,642号公報には、延性および他の機械的な性質の改良を達成するために、ニチノールをアニールすることが開示されている。Flomenblit他への米国特許第5,876,434号は、異なる応力−歪関係を得るためにニチノール合金をアニールし変形させることを教示している。
【0006】
2元ニッケルチタン合金は、医療分野において用いられて来た。医療用機器に関連した多くの用途においては、ニチノールの非線形な疑弾性の能力を利用してきた。その例には、Jervisへの米国特許第4,665,906号、第5,067,957号、第5,190,546号および第5,597,378号と、Middleman他への米国特許第5,509,923号、第5,486,183号、第5,632,746号、第5,720,754号および第6,004,629号とが含まれる。
【0007】
ニッケルチタン合金のさらに他の用途は、塞栓予防あるいはフィルタ装置である。そのような塞栓フィルタ装置およびシステムは、血流中への塞栓破片の放出が、脳あるいは他の極めて重要な器官への酸素が与えられた血液の流れを閉塞し得る頸動脈のような重要な脈管において、バルーン血管形成術、ステント手技、レーザー血管形成術、あるいはアテレクトミーを実施するときに特に有用である。そのような閉塞は患者に恐ろしい結果を生じさせ得る。塞栓予防装置およびシステムは、特に頸動脈の手技において有用であるが、塞栓のリスクがあるあらゆる脈管侵襲手技においても等しく有用である。Cordis Corporationによって市場に最近発売された、超弾性ニチノールを用いる塞栓予防装置は、ANGIOGUARDとして知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術において必要とされていたが利用できなかったものは、線形な擬弾性のニチノールの利点を活用する医療機器である。線形な擬弾性のニチノールを用いることにより、装置の単位歪みあたりの機械的強度は、超弾性ニチノール製の同等の装置よりもかなり大きくなる。さらに、線形擬弾性ニチノール製の装置においてはより大量のエネルギの貯蔵が可能なため、支柱のようなより小さな構成要素を用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、全般的に、シースから配置される支柱が形成された本体を有する医療機器に適用される、相変態あるいは応力誘起マルテンサイトの出現なしに線形な擬弾性を呈する、冷間加工されたニッケルチタン合金に向けられている。
【0010】
好ましい実施例において、本発明は、支柱から形成された本体を備える、体内管腔において用いる医療用機器に向けられており、この本体は冷間成形されたニッケルチタン合金から成り、このニッケルチタン合金は、本体に第1の形状のための応力が負荷されたとき、および第2の形状を取るために本体の応力が除去されたときにも、マルテンサイト相となっている。本発明は、その第1の形状において少なくとも部分的に本体を包囲するシースを更に含む。このシースは、患者の解剖学的構造内の目標位置へと装置を搬送するとともに、装置を配置し、かつ手技が終了した後に装置を回収するために用いることができる。
【0011】
本発明に用いる原材料ニチノールは冷間成形されたものであるが、所望の展開形状にセットするためにさらに冷間加工される。さらに、この冷間成形および冷間加工は、ニチノール合金の再結晶温度より下で行われる。
【0012】
この操作の間、線形擬弾性ニチノール装置には、応力誘起マルテンサイトを合金内に出現させることなしに応力を負荷することができる。この性質と矛盾することなく、線形擬弾性ニチノールの理想的な応力−歪み曲線はどのような平坦応力プラトーをも含まない。さらに、応力負荷にかかわらず、ニチノール合金にはオーステナイトからマルテンサイトあるいはその逆の相変態が生じない。
【0013】
その結果として得られる好ましい実施例の装置は、任意の与えられた歪みにおいて、標準的な超弾性ニチノール製の装置に比較してより大きな機械的強度を有する。本発明の線形擬弾性ニチノール装置の応力ひずみ曲線エネルギはまた、より大きなエネルギ貯蔵容量を有する。その結果、与えられた所望の性能要件において、本発明の線形擬弾性ニチノール装置はより小さな支柱を持つことができ、したがって狭い病変を通過するために有用なより小さな輪郭を持つことができる。
【0014】
他の利点は、本発明が線形擬弾性ニチノールを用いるので、基礎となる合金を、安定した機械的な特性を維持しつつ、より広い範囲の入手可能な材料から選択することができる。言い換えると、超弾性ニチノールに比較して、材料のバラツキおよび加工時の予測がつかない変化に対する感受性が小さい。加えて、線形擬弾性ニチノールはマルテンサイトからオーステナイトあるいはその逆方向に相変態しないので、温度に関連する効果による影響がより小さい。
【0015】
本発明には、少し例を挙げれば大静脈フィルタ、隔膜プラグを含む、多くの特定の用途がある。本発明のための1つの特定の用途は、バルーン血管形成術あるいはステント手技のような治療上の侵襲的手技を実行する間に生成される塞栓破片が侵襲的部位よりも下流にある血管の流れを止めることを防止するために、この塞栓破片を血管内において捕捉するためのフィルタ装置およびシステムである。本発明の装置およびシステムは、脳に通じている主要な血管を含む極めて重要なその下流側の血管が塞栓破片によって容易にせき止められ得る、頸動脈のような重要な動脈内に侵襲的な手技を施すときに特に有用である。頸動脈の手技に用いられるときに、本発明は、手技の間に生じる脳卒中の可能性を最小化する。その結果、本発明は、侵襲的な手技の間に塞栓破片が適切に集められて患者の脈管系から取り除かれるという、より高度の信頼性を医師にもたらす。
【0016】
本発明に基づいて作られる塞栓予防装置およびシステムは、好ましくは、ガイドワイヤのような円筒状シャフトの遠位端に取り付けられる拡張可能なフィルタ装置を備える。このフィルタ装置は、好ましくは線形擬弾性ニチノールから製造されて拡張可能な支柱組立体を有するとともに、患者の脈管系内において収縮しあるいはつぶれた状態から広げられあるいは配置された状態へと自己展開可能な、外側に付勢されて延びる多数の支柱を有する。塞栓捕捉ろ過物質から製造されるフィルタ要素は、拡張可能な支柱組立体に取り付けられる。フィルタ要素は、傘のそれと同様な拡張可能な支柱の動きにより、つぶれた形状から広がった形状へと開く。
【0017】
本発明は、小さな直径の管状材料から形成された管状体と;負荷される応力に関わらずマルテンサイト相となっているニッケルチタン合金から冷間成形された大きな直径の管状材料から形成されるとともに、強制されない状態において半径方向外側に突出するように前記管状体上に配設された複数の支柱と;体内管腔内への配送およびそこからの回収のために、少なくとも部分的に前記管状体を包囲するとともに前記支柱を圧縮状態に拘束するシースと;を備えた、体内管腔ための医療用機器をさらに意図している。
【0018】
この実施例においては、もはや、拡げられる支柱組立体を、拡げられた状態へと熱処理される小さな管状材料から製造する必要がない。むしろ、拡げられる支柱組立体は大きな直径の管状材料から出発し、そこにおいてこれらの支柱自身は大きな直径の管状材料から形成されるとともに所望の塞栓予防装置の形状へと内側に組立てられる。支柱は好ましくは大きな管状材料からレーザー切断されるとともに、拘束を受けていない安定した状態において半径方向外側に突出し、それによって熱処理する必要なしに同一の拡げられた状態を達成するように、小さな直径の管状材料に接続される。
【0019】
拡げられた支柱組立体を組み立てるときに大きな直径の、冷間加工されあるいは歪硬化されたニッケルチタンハイポチューブを用いることにより、この歪み硬化されたニッケルチタン材料はその機械的性質を増し、より薄い壁の侵襲的装置の設計を可能とする。大きな直径ハイポチューブから侵襲的装置を加工することは、大きな直径のニッケルチタンハイポチューブの拡大された表面積によって、より大きな設計自由度およびより複雑なデザインを作成する能力をもたらす。さらに、より薄い壁の装置は全体的な横断輪郭の縮小をもたらすとともに、曲がりくねった解剖学的構造を通るシステムの追従性を改良する。
【0020】
本発明の他の特徴および利点は、添付の例示的な図面とともになされる以下の詳細な説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、シースから配置される支柱が形成された本体を有する医療機器に適用されたときに、相変態あるいは応力誘起マルテンサイトの出現なしに擬弾性挙動を示す、冷間加工されたニッケルチタン合金に向けられている。本発明は、数多くの医療用機器に適用できるとともにそれを意図しているが、例示のために、以下の詳細な説明は、治療上の侵襲的手技を実行する間に生成される塞栓破片を血管内で捕捉するためのフィルタ装置およびシステムを含む、典型的な実施例にその焦点を合わせている。
【0022】
好ましい実施例において、本発明の医療用機器は支柱から形成された本体を有しており、この本体は冷間加工されたニッケルチタン合金から成り、このニッケルチタン合金は、第1の形状へと本体に応力が加えられたとき、および第2の形状を呈するために本体上の応力が除荷されたときにマルテンサイト相となっている。この好ましい実施例は、第1の形状にある本体を少なくとも部分的に包囲するシースをさらに有している。このシースは、患者の解剖学的構造内の目標位置に装置を搬送し、装置を配置し、かつ手技が終了した後に装置を回収するために用いることができる。
【0023】
ここで図面を参照すると、類似の参照符号は類似のあるいは対応する要素を表している。図1および図2は、本発明の特徴を取り入れた好ましい実施例の塞栓予防装置10を示している。図1および図2に示されている特定のかつ例示的な実施例において、塞栓予防装置10は、拡張可能な支柱組立体14およびフィルタ要素16を有したフィルタ装置12として識別される本体を備えている。このフィルタ装置12は、随意的に、細長い管状シャフトの遠位端上に回転可能に取り付けられ、あるいは固定される。図1および図2に示したシャフトは、例えばガイドワイヤ18である。
【0024】
図1はまた、小さな配送輪郭Pを有した配送システムを描写している。この減少した輪郭Pは、本発明のフィルタ装置14および配送システム(拘束シース46および復元シース48)の利点であり、かつ線形擬弾性ニチノールの応力−歪ヒステリシス曲線の賜である。この斬新なアプローチは、より詳細に後述される。
【0025】
図1および図2の側面断面図において、塞栓予防装置10は患者の動脈20あるいは他の管腔内に配置されている。動脈20のこの部分は、アテローム硬化性プラーク24が動脈20の内壁26に堆積した処置領域22を有している。フィルタ装置12は、この処置領域22の遠位側で、そこよりも下流側に配置されている。
【0026】
バルーン血管形成術カテーテル(図示せず)は、随意的に、従来のセルジンガー技術により案内カテーテル(図示せず)を通して、患者の脈管系内に導入することができる。ガイドワイヤ18が処置領域22を通り過ぎると、膨張カテーテルは、そのバルーン部分が処置領域22に直接対向するように配置されるまで、動脈20内においてガイドワイヤ18上を前進することができる。膨張カテーテルのバルーンを膨張させることにより、動脈20の内壁26にプラーク24を押し拡げることができる。このことが閉塞を開き、動脈20を拡げて、プラーク24による脈管内の閉塞を減少させる。
【0027】
膨張カテーテルを患者の脈管系から取り除いた後、オーバーザワイヤ技術を用いてステント25(図2)を処置領域22に配送することができる。このステント25は、足場を組んで処置領域22の維持を助けるとともに、翻って処置領域22に再狭窄が生じることの防止を助ける。
【0028】
侵襲的な手技の間にプラーク24から分離するあらゆる塞栓破片27が血流中に放出される。塞栓破片27は、(矢印で示した)血流によって運ばれて、配備された、すなわち拡げられた、処置領域22よりも下流に配置されているフィルタ装置12のフィルタ要素16によって捕捉される。侵襲的な手技が完了すると、フィルタ装置12はつぶされて、フィルタ要素16内に捉えた塞栓破片27と共に患者の脈管系から取り除かれる。
【0029】
拡張可能な支柱組立体14の1つの典型的な実施例が、図1および図2に示されている。これらの図から分かるように、拡張可能な支柱組立体14は、図1に示されている圧縮されたあるいはつぶれた状態から、図2に示されている拡げられたあるいは配置された状態へと動くことができる、複数の半径方向に拡張可能な支柱28を有している。拡張可能な支柱組立体14は、支柱28が拡げられた状態に向かって半径方向外側への付勢力を持つように、好ましくは線形擬弾性ニチノール合金から製造される。
【0030】
拡張可能な支柱組立体14は、随意的に、ガイドワイヤ18に対して回転可能に取り付けられる近位端32を有している。遠位端34は、ガイドワイヤ18に沿って長手方向に自由にスライドすることができるとともに、その回りに回転することができる。遠位端34は、支柱28が拡げられた状態と収縮した状態との間で動くときにはいつでも、ガイドワイヤ18に沿って並進する。近位端32は、短い管状部分あるいはスリーブ36を有しており、それはそこに形成されたコイルスプリングを具備し、減衰部材あるいは要素38として作用する。減衰要素38の機能は以下に説明される。管状材料30の遠位端34は、好ましくは、ガイドワイヤ18上にスライド自在かつ回転自在に配設された短い部分あるいはスリーブ40を有する。
【0031】
図1および図2に示したように、本発明による好ましい一実施形態におけるフィルタ要素16はテーパ状のあるいは円錐形状の部分50を有している。このフィルタ要素16は、随意的に、(矢印で示したように)血液を灌流させることができる複数の開口53を有するが、この開口53は塞栓破片27を円錐形状部分50の内部で捕捉するために十分に小さい。フィルタ要素16は短い近位側部分52を有しており、この近位側部分52は円錐形状部分50と一体であり、支柱組立体14の支柱28が展開したときに実質的に円柱形状に拡がる。円錐形状部分50の短い近位側の部分52に位置する入口開口51は、塞栓破片27を集めるとともに、この破片27をフィルタ要素16に導く。
【0032】
短い近位側部分52はまた、フィルタ要素16および支柱組立体14の支柱28が接着あるいは別の方法で取り付けられる上部構造として機能する。反対側の端部において、フィルタ要素16は短い遠位側の円筒状部分54を有しており、この円筒状部分54はフィルタ要素の残りの部分と一体であり、拡張可能な支柱組立体14の遠位端34に取り付けられる。
【0033】
図1に最も良く示されているように、フィルタ組立体12は、拘束シース46を使用するときにはつぶれたあるいは圧縮状態に維持される。拘束シース46は、支柱28の外向きの付勢力に抵抗するために、充分な弾力性を有していなければならない。必須の弾力性を達成する1つの方法は、シース46に適切な寸法および壁厚を選択することである。もう1つの方法は、その内部に保持されている支柱28の膨脹力に抵抗するために充分な反発力を有する、適切な弾性体を使用することである。そのようなシースの材料および設計は、従来技術において周知である。
【0034】
ガイドワイヤ18および拘束シース46は、患者の体外に延びる近位端(図示せず)を有している。患者の体外からは、支柱28を露出させるためにその近位端を介して拘束シース46を引き出すことにより、拡開位置へと支柱28を操作することができる。支柱28自体が自己展開性を有しているので、拘束シース46を引き出すことによって支柱28をそのばね力によって開かせ、かつ動脈20内の展開位置にフィルタ要素16を拡げることができる。このことは図2に描かれている。
【0035】
ガイドワイヤ18は、随意的に、それに取り付けられる小さな球56を有する。この小さい球56は、患者の脈管内に塞栓予防装置10を配送する間に有用である。具体的には、この球56は拘束シース46の内径とほぼ同じ大きさであり、ノーズコーンとして効果的に用いられる。このノーズコーンは、患者の動脈を通して配送されるときに塞栓予防装置10が起こしうる「雪かき」を防止する。
【0036】
塞栓予防装置10を患者の脈管系から取り出すときには、図2に示したように、フィルタ組立体12をつぶして回収するために、随意的に、復元シース48を用いる。一般的にこの復元シース48は、支柱28が展開しているので、拘束シース46よりもわずかに大きい内径を有している。さらに、この復元シース48は、展開している支柱組立体14をつぶすことができるように、その遠位端47に充分な引張強さおよび弾力性を有していなければならない。
【0037】
展開可能な支柱組立体14を閉じることは、ガイドワイヤ18を保持するとともに、復元シース48の近位端(図示せず)を前方に移動させてシース48の遠位端47を支柱28上に動かすことによって達成することができる。これに代えて、復元シース48が動かないように保持するとともに、ガイドワイヤ18の近位端を後方に引いてフィルタ組立体12の全体をシース48内に引き込んでもよい。フィルタ組立体12をつぶすと、侵襲的な手技の間に生じて血流中に入ったあらゆる塞栓破片27はフィルタ要素16の内部に捉えられたまま残り、塞栓予防装置10を患者の脈管系から取り出すときに血流中から回収される。
【0038】
展開可能な支柱組立体14上に形成する支柱28の数は、フィルタ要素16を所定の場所に適切に展開して維持するために充分な拡張性を動脈内において与える、任意の数とすることができる。図1および図2に示した実施例においては、展開可能な支柱組立体は自己展開する4本の支柱28を有している。また、各支柱28の特定の寸法および形状は変更することができる。
【0039】
図3および図4は、逆転させた三角形形状第1部分60、実質的に真っ直ぐな中央部分62、および支柱を完成させる逆転させた三角形状の第2の部分64から形成された支柱パターンを有する、展開可能な支柱組立体14を示している。この特定の支柱パターンは、破壊するあるいは弱くなる傾向がある支柱の領域により大きな強度をもたらす1つの好ましい設計である。これらの領域は、より広いベース部分と共に設計された各支柱のまさに近位側および遠位側の端部を含む。この特殊な設計により、展開可能な支柱組立体14はより一様に開閉することができる。このことは、特に患者から取り出すための支柱をつぶすときに有利である。さらに中央部分62は、支柱28がより大きな容積へと展開できるようにし、必要なときには、より大きなフィルタ要素を支柱組立体14上に配置できるようにしている。
【0040】
正確なパターンを管状材料30にカットするときには、近位端32を形成するスリーブ36を、随意的に、図3に示したようなヘリカルコイルに形成することができる。このヘリカルコイルは、展開可能な支柱組立体14のための減衰要素38として機能する。図1および図2に示したように、このスリーブ36はガイドワイヤ18上をスライドする。展開可能な支柱組立体14の近位端32は、テーパ状の取付部品42と随意的に設けられるX線不透過性標識バンド44との間に取り付けられる。テーパ状の端部金具42およびマーカー帯44は、近位端32をガイドワイヤ18上に取り付けてあらゆる長手方向の運動を防止するが、フィルタ組立体12の回転は許容する。
【0041】
図4は、支柱28を形成するために用いられる管状材料30を平面展開させた薄板の平面図である。しかしながら、好ましくは、この管状材料30はニチノール製であり、かつこの管状材料の初期状態は冷間加工されて受取状態においては完全にマルテンサイトである。各々の支柱を形成するために、特定の設計パターンが管状材料30の薄壁にカットされる。図3に示した例示的な実施例の場合、このパターンは切り詰めたダイヤモンド形の開口65を有しているが、これは第1の部分60、中央部分62および三角形状の部分64の形成を助ける。開口65を生成するために、管状材料30の各部分が好ましくはレーザー切断によって選択的に取り除かれるが、各々の特定の支柱を正確な形状、幅および長さに作ることができる限りにおいて、エッチング、プレス加工、あるいは他の工程もまた適切である。図4に示したように、この切り詰めたダイヤモンド形の開口パターン65が反復することにより、その内部に形成される各々の支柱28に一様な寸法を与えている。図1および図2に示したような狭い支柱もまた、上述したように形成することができる。
【0042】
その後、レーザー切断されたニチノール製の管状材料30は好ましくは冷間加工され、特に完全なマルテンサイト状態のまま維持されるように熱処理なしに冷間加工される。この冷間加工は、ニチノール合金の再結晶温度より低い温度において進められる。次に、レーザー切断されたニチノール製の管状材料30は、その所望の展開寸法へと冷間加工される。所望の展開寸法が、このようにしてレーザー切断した管に与えられる。
【0043】
あるいは、管をスウェージ加工して所望の形状および寸法に引き抜き加工することができる。また、この管状材料は、ニチノール製の薄板材料を管状に丸めてシームで接合して形成し、次いで所望の寸法に冷間引抜加工することもできる。次いでこの管は、レーザー切断されるとともに材料が完全にマルテンサイト状態のまま維持されることを保証する処理が行われる。
【0044】
重要なことは、このレーザー切断されたニチノール管状材料30は、あらゆる荷重負荷あるいは荷重除荷プラトーが応力歪み曲線に生じないようにするために、熱処理されないことである。他の実施例においては、このニチノール製の管状材料は、低い温度においてごく限られた時間だけ熱処理されることもあり得る。本発明が認識するところでは、線形の擬弾性および非線形の擬弾性の間の重要な差異は、応力誘起マルテンサイトの存在あるいは不存在である。さらに認識するところでは、特定の形状をニチノールにセットするために、ニチノールを短い時間だけ比較的高い温度で熱処理しなければならない。通常の状況下においては、この材料は非線形の擬弾性を呈し、したがってオーステナイトからマルテンサイトへの可逆的に相変態する。例えば摂氏550度で5分間といった標準条件下で形状をセットするときには、ニチノールは基本的にスプリングバックを示さない。すなわち、熱処理後の強制されない形状は、熱処理の間に強制された形状とほとんど同一である。ニチノールは、熱処理の前のその最初の形状にスプリングバックしない。熱処理していない他の極端に線形な擬弾性ニチノールは100パーセントスプリングバックして、その最初の冷間加工された形状に常に復元する。
【0045】
スプリングバックは、熱処理なし(100パーセントのスプリングバック)と理想的な形状をセットする熱処理(ほぼ0パーセントのスプリングバック)との間で連続する作用である。ニチノールベースの擬弾性の装置の技術的な観点からは、スプリングバックが少ないことの方が、スプリングバックが多いよりも好ましい。しかしながら、いくつかの状況下においては、線形の擬弾性は非線形の擬弾性よりも好ましい。したがって、本発明は、冷間加工のみを施したニチノールを意図することに加え、所望の形状を成功裏にニチノール構造に与えるためにそれによってスプリングバックが適切に最小化されるとともに、およびそれによってニチノールが安定かつ可逆的なマルテンサイト相を発現させない、熱処理温度および時間の管理体制に取り組む。
【0046】
本発明の好適な実施例においては、線形の擬弾性挙動を達成するために、2元ニッケルチタン管状材料は約55.8原子パーセントのニッケルを含有する。管状材料は、断面積の減少で測定したときに、最低でもほぼ38パーセントの冷間加工を含まなければならず、かつ最終的な冷間リダクションに続いていかなる熱処理もあってはならない。他の実施例に関しては、本発明は、最高で5分間かつ最高で摂氏300度の管状材料の累積された熱処理を意図する。理想的な状態下においては、これらのプロセスパラメータは、ニチノールが応力下における相変態なしにマルテンサイトのままで残ることを確実なものとしなければならない。
【0047】
冷間加工されたニッケルチタン合金の冶金的な様相を示すために、図5は、316Lステンレス鋼、線形擬弾性ニチノール、および非線形擬弾性ニチノールにおける3つの理想的な応力ひずみ曲線の弾性部分を含んでいる。好ましい実施例においては、本発明の展開可能な支柱組立体14は、例えば図5に示されている線形擬弾性ニチノールのような合金から部分的にあるいは完全に形成される。
【0048】
図5においては、非線形擬弾性ニチノールの理想化した曲線Aが、X軸歪を表すとともにY軸が応力を表しているX−Y座標系にプロットされている。X軸およびY軸には、それぞれ、0〜320ksiの応力および0〜9パーセントの歪が割り当てられている。
【0049】
曲線Aにおいては、マルテンサイト相からオーステナイト相への相変態が完了する温度若しくはそれ以上の温度において非線形な擬弾性を呈するニチノールのような金属の試験片に応力が負荷されたときに、この試験片は、その合金がオーステナイト相からマルテンサイト相への応力誘起相変態(すなわち応力誘起マルテンサイト相)を示す特定の応力レベルに達するまで弾性的に変形する。相変態が進行するにつれて、この合金においては、対応する応力の増加なしに歪がかなり増加する。曲線A上において、このことは、ほぼ70〜80ksiにおける、上側の、ほとんど平坦な応力プラトーによって示されている。オーステナイト相からマルテンサイト相への変態が完了するまで、応力が本質的に一定のままで歪が増加する。その後、更なる変形を生じさせるためには応力の更なる増加が必要である。マルテンサイト状の金属は最初に、追加的な応力が負荷されると弾性的に降伏し、次いで永久的な残存性の変形(図示せず)を伴って塑性的に降伏する。
【0050】
いかなる永久変形も生じない前に試験片上の負荷が除荷されると、マルテンサイト状の試験片は弾性的に復元してオーステナイト相に変態する。応力の減少は最初に、歪の減少を生じさせる。マルテンサイト相がオーステナイト相へと変態するレベルに応力の減少が達すると、試験片の応力レベルは本質的に一定のままとなる(しかしながら、オーステナイトへの相変態が完了するまでは、オーステナイト結晶がマルテンサイト結晶構造へと変態する一定の応力レベルよりも少ない)。すなわち、対応する応力がごくわずかに減少しつつ、歪みが大幅に回復する。このことは、曲線Aにおいて約20ksiの下側の応力プラトーによって示されている。
【0051】
オーステナイトへの変態が完了した後、更なる応力の減少は弾性的な歪の減少に帰着する。荷重が負荷されると比較的一定な応力において歪がかなり大きくなるとともに、荷重を除荷すると変形から回復するという、この能力は、一般に非線形擬弾性(または超弾性)と呼ばれている。
【0052】
図5はまた、本発明において用いられる線形擬弾性ニチノールの理想化された挙動を表す曲線Bを有している。曲線Bは全般的に、非線形疑似弾性ニチノールの曲線Aよりも大きな傾斜あるいはヤング率を有している。また、曲線Bは、曲線Aに見い出されるような平坦なプラトー応力を全く含んでいない。これは、曲線Bのニチノールはその全体がマルテンサイト相のままであっていかなる相変化も生じないから、当然である。曲線Aを生じさせるものと同一の応力サイクルにおける応力負荷および応力放出が、曲線Bを生じさせるために用いられている。そのために、曲線Bは、応力の増加が可逆性の歪の比例的な増加を生じさせ、かつ応力の放出が歪の比例的な減少を生じさせることを示している。曲線AおよびBで囲まれる領域は、ニチノールにおけるヒステリシスを表している。
【0053】
図5において曲線Bと曲線Aと比較すると明らかなように、線形の擬弾性ニチノールを用いることにより、本発明の医療用機器の単位歪みあたりの機械的な強度は超弾性ニチノール製の相当する装置よりもかなり大きい。その結果として、主要な利点は、支柱のようなより小さい構成部品を用いることができるということである。線形擬弾性ニチノール製の装置においてはより大きなエネルギを貯蔵できるからである。小さな輪郭は、狭い病変部を横断するための、あるいは遠く離れて曲がりくねった動脈にアクセスするための1つの重要なファクターである。
【0054】
図5は、標準的な316Lステンレス鋼の弾性的な挙動を示す曲線Cを含んでいる。応力は、金属が塑性的に変形する前に、鋼に対して漸増的に負荷され、かつ漸減的に放出される。これは、曲線AおよびBとの単なる比較のためにここに描かれている。
【0055】
上述したように、本発明の医療用機器は、好ましくは2元ニッケルチタン合金を用いる。しかしながら、他の実施例においては、ニッケルチタン合金は、パラジウム、プラチナ、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、ホウ素、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、あるいはジルコニウムといった成分の3元合金とすることもできる。
【0056】
図6aから図6eは、展開可能な支柱組立体14の好ましい実施例の構造を示しているが、そこにおいては、大きな直径の歪硬化された(すなわち、冷間加工された線形擬弾性の)ニッケルチタン製の管状材料が用いられている。前述したように、冷間加工されたニチノール材料の使用が装置の機械的性質を高めるので、より薄い壁の侵襲的装置の設計を可能とする。また、大きな直径のハイポチューブから装置を加工することによる高い設計自由度、および大きいな直径のニッケルチタンハイポチューブの増加した表面積によるより複雑な設計オプションが可能となる。
【0057】
解決すべき課題は、ニッケルチタン合金の熱処理を回避しつつ、展開可能な支柱組立体あるいはバスケットをどのようにして管状材料から製造するかということであった。多くの設計は、展開形状をセットするために熱処理された小さな直径の管状材料から作られるバスケットを用いる。本発明においては、展開する支柱は大きな直径の管状材料から作られて、小さな直径の管状材料に取り付けられる。管状材料の寸法の組み合わせから製造される医療用機器は、熱処理工程の必要性を回避しあるいは最小化する。
【0058】
様々な他の実施例においては、バスケットの形状は大きな直径の管状材料からスウェージ加工することによって作ることができる。さらに、ニチノール材料の薄板を管に加工することができるし、あるいは所望のバスケット形状の約半分を生成するために薄板を形成することもできる。
【0059】
図6eは、好ましい実施例の展開可能な支柱組立体70の斜視図である。拡張可能な支柱組立体70は、図6aおよび図6bの2つの主要な構成要素に分離されている。図6aは、小さな直径の管状材料から形成された管状体72を示している。相当する寸法は0.5〜1.0mmの直径のハイポチューブである。
【0060】
図6bは、大きな直径の管状材料から作られた支柱74の斜視図である。相当する大きな直径の管状材料は、4〜50mmの直径のハイポチューブから見出すことができる。小さな直径の管状材料および大きな直径の管状材料は、好ましくは前述した冷間加工したニッケルチタン合金から形成される。公知の他の材料もまた用いることができる。
【0061】
図6aにおける管状体72は、その内部に形成された開口あるいは鍵穴76を有する特定の形状を生成するために、公知の工程によりレーザー切断されている。鍵孔76は管状体72の円周方向に分散しており、好ましくは4つの鍵孔がある。明らかに、設計に応じてより多くのあるいはより少ない鍵孔を設けることができるし、後に詳述するように支柱74の組立体位置に応じてそれらの位置を変更することもできる。管状体72は、近位端82および遠位端80を有している。遠位端80には、展開可能な支柱組立体70のガイドワイヤ18への取り付けを容易にするための、好ましくは4つのタブ78が設けられている。さらに鍵孔76は、それらが開口の周縁に沿った斜面84を有するようにカットされあるいは形成されている。鍵孔76の周縁に沿った斜面84は、管状体72の内部に向かってその開口寸法が減少している。従って、相補的部分が鍵孔76をカバーするように組み付けられたときに、その部品には斜面を有する開口内に楔のように入り込もうとする傾向が生じる。
【0062】
図6bは、大きな直径の管状材料から好ましくはレーザー切断された支柱74の斜視図である。この支柱74は、広いベース部86に終端する長い梁を有している。好ましくは、広いベース部86は、鍵孔76の斜面84と嵌合する斜面84を具備した周縁を有している。さらに、広いベース部86は随意的な湾曲88と共に示されている。この湾曲88は、管状体72の湾曲に適合することが意図されている。
【0063】
図6cおよび図6dは、他の展開可能な支柱組立体70の斜視図であり、それぞれ遠位端80および近位端82を前方に示している。いずれの図面からもわかるように、2つの支柱74が管状体72に組み付けられており、相補的に形成された鍵孔76に広いベース部86が嵌合している。さらに2つの支柱74を残りの2つの鍵孔76に取り付けることができるが、図示を明瞭にするためにこの図面からは省略されている。図6cおよび図6dに示すように、支柱74はS字カーブの輪郭を有しているが、長い梁は外側に湾曲した後に管状体72に向かって戻るように湾曲している。支柱74のこれらの湾曲は、それらの基礎的な形状が大きな直径の管状材料から切断された後に、好ましくは冷間加工によって形成される。支柱74の湾曲形状は、もちろん、展開可能な支柱組立体の設計およびフィルタ要素16を展開するために必要なバネ力に合わせて変更することができる。従来のニチノール材料から区別されるように、本発明の支柱は、好ましくは熱による固定ではなく冷間加工によって必要な曲線をその輪郭に組み込んでいる。最小の熱処理であるいは熱処理なしに、ニッケルチタン合金は図5に示されているそれと同様の応力ひずみ曲線を有する。そこにおいて、曲線Bには見分けることができる平坦な応力プラトーが欠如している。その結果、支柱74が配送シース等によって管状体72の外側にきつく保持されたときに、応力誘起マルテンサイトが出現しあるいは相変態することはない。むしろ、支柱74に用いられているニッケルチタン合金は、配送、配置および体内管腔からの回収の全体においてマルテンサイト相のままである。
【0064】
鍵孔76の斜面を有する周縁および広いベース部86のくさび作用により、支柱74は鍵孔を通って管状体72の内側に向かって落下することができない。支柱74の広いベース部86は、接着剤、はんだ等を用いて鍵孔76に接合される。支柱74を管状体にさらに固定するために、管状体の近位端82上でスライドするスリーブ90が随意的に設けられており、それによって各鍵孔の内部に広いベース部86を保持している。このことは、図6eの斜視図に示されている。
【0065】
他の実施例においては、図10に示したように、所定の場所に支柱74を保持するために、管状体72の内部に嵌合する管状の内側スリーブ94を用いることができる。この内側スリーブ94もまた外側スリーブ90と同様に、ステンレス鋼、ポリアミドのような硬い樹脂材料、または同様の公知な材料から作ることができる。
【0066】
また、図6cおよび図6dには広いベース部86の2つの他の実施例が示されているが、湾曲88が小さな直径の管状体72の半径へと減少しており、それによって表面輪郭に一致している。これに対して、広いベース部92は小さな直径の管状体72の半径には合致していない。広いベース部86,92のいずれもが意図し得るが、湾曲88を有した広いベース部86の方が好ましい設計である。はめ込み式の結合部の方が許容誤差が小さく、支柱74がより安定した足場から延びることになるからである。
【0067】
支柱74は、大きな管の直径のままとされるか、あるいは図示の湾曲形状に冷間および/または熱間成形される。広いベース部86は、材料をマルテンサイト状態に維持するために熱間成形もまた可能である。配送、配置および回収の間に、広いベース部86がいかなる曲げをも受けないからである。大きい管の直径形状のままとされる場合、広いベース部86を鍵孔76に押圧するスリーブ90により、それは図6cおよび図6dに示した位置に湾曲する。
【0068】
典型的に、小さな直径の管状材料は0.026インチの直径を有するハイポチューブからレーザー切断される。次いで、展開されるとともに、完全に展開された状態において熱固定される。本発明においては2つの異なる直径の管状材料から作られる部品を用いるので、展開および熱固定を実行する必要性を排除できる。このようにして、4.0mmの装置は約4.5mmの管状材料から切断され、かつ5.0mmの装置は約5.5mmの管状材料から切断される。
【0069】
本発明は、塞栓予防装置の線形擬弾性ニチノールフィルター組立体およびその配送システムに関してこの明細書に図示されてかつ説明されているが、他の事例にも用い得ることは当業者にとって明らかである。他の変更および改善を本発明の範囲内においてなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】拘束シース内でつぶれた状態にあるとともに脈管内に配設された拡張可能なフィルタ装置を示す、本発明の特徴を具現化している塞栓予防装置の要部破断側面立面図。
【図2】拡張可能なフィルタ装置が脈管内において拡げられた状態にある、図1に示されているそれと同様な要部破断側面立面図。
【図3】本発明のフィルタ装置の一部を形成する拡張可能な支柱組立体をつぶれた状態で示す斜視図。
【図4】1つの特定の支柱パターンを図解する、図3に示した拡張可能な支柱組立体の展開平面図。
【図5】従来の316Lステンレス鋼、線形擬弾性ニチノール、および非線形擬弾性ニチノールの応力ひずみ曲線を示す図。
【図6a】その内部に開口が切断されている、小さな直径の管状材料から切断された管状体の斜視図。
【図6b】大きな直径の管状材料から形成された支柱を示す図。
【図6c】図6aの管状体に図6bの支柱を接続した後の、拡張可能な支柱組立体の一実施例の斜視図。
【図6d】近位端が最も前方にある、図6cの拡張可能な支柱組立体の斜視図。
【図6e】そこに支柱を保持するために保持スリーブが本体に完全に係合している、図6cおよび図6dの拡張可能な支柱組立体の斜視図。
【0001】
本発明は、全般的に、ニッケルチタン合金の医療用機器への適用に関する。より詳しくは、本発明は、シースから配置される医療用機器に適用される、相変態あるいは応力誘起マルテンサイトの出現なしに擬弾性挙動を示す、冷間加工されたニッケルチタン合金に向けられている。
【背景技術】
【0002】
原子の割合がほぼ等しい2元ニッケルチタン合金(ニチノール)が、特定の冷間加工工程、あるいは熱間加工後の冷間加工および熱処理工程を経たときに「擬弾性」を呈することは知られている。一般的に「擬弾性」とは、応力が負荷されたときに8パーセントを上回るオーダーの大きな弾性歪が生じるとともに、応力が除荷されると実質的に完全に全ての歪が元に戻るという、ニッケルチタン合金の能力である。実質的に完全に元に戻るということは、永久歪あるいは記憶喪失(amnesia)として知られている、元に戻らない歪みが0.5パーセント未満であることであると典型的に理解されている。
【0003】
擬弾性は「線形な」擬弾性および「非線形な」擬弾性という2つの区分に分けることができる。「非線形」な擬弾性は、この業界において時には「超弾性」と同義に用いられている。
【0004】
線形な擬弾性は冷間加工のみから生じる。非線形な擬弾性は、冷間加工およびその後の熱処理から生じる。非線形な擬弾性は、その理想的な状態において、ほとんど応力が増加することなしに大きな量の復元可能な歪が起こりうる、比較的平坦な荷重プラトーを呈する。この平坦なプラトーは、合金の応力歪ヒステリシス曲線において見ることができる。線形な擬弾性は、そのような平坦なプラトーを呈することはない。非線形な擬弾性は、オーステナイトから、より正確には「応力誘起マルテンサイト」(SIM)と呼ばれるマルテンサイトへの可逆的な相変態によって生じることが知られている。線形な擬弾性は、それに関連する相変態とは無縁である。線形な擬弾性に関する更なる解説は、例えば、T.W.Duerig他の「冷間加工されたニッケルチタンにおける線形な超弾性」、形状記憶合金の技術的側面(pp.414−19(1990))に見出すことができる。
【0005】
ニッケルチタン合金の有用な性質により、異なる設計ニーズを解決するためにその特性を変更することが試みられてきた。例えば、DiCarlo他への米国特許第6,106,642号公報には、延性および他の機械的な性質の改良を達成するために、ニチノールをアニールすることが開示されている。Flomenblit他への米国特許第5,876,434号は、異なる応力−歪関係を得るためにニチノール合金をアニールし変形させることを教示している。
【0006】
2元ニッケルチタン合金は、医療分野において用いられて来た。医療用機器に関連した多くの用途においては、ニチノールの非線形な疑弾性の能力を利用してきた。その例には、Jervisへの米国特許第4,665,906号、第5,067,957号、第5,190,546号および第5,597,378号と、Middleman他への米国特許第5,509,923号、第5,486,183号、第5,632,746号、第5,720,754号および第6,004,629号とが含まれる。
【0007】
ニッケルチタン合金のさらに他の用途は、塞栓予防あるいはフィルタ装置である。そのような塞栓フィルタ装置およびシステムは、血流中への塞栓破片の放出が、脳あるいは他の極めて重要な器官への酸素が与えられた血液の流れを閉塞し得る頸動脈のような重要な脈管において、バルーン血管形成術、ステント手技、レーザー血管形成術、あるいはアテレクトミーを実施するときに特に有用である。そのような閉塞は患者に恐ろしい結果を生じさせ得る。塞栓予防装置およびシステムは、特に頸動脈の手技において有用であるが、塞栓のリスクがあるあらゆる脈管侵襲手技においても等しく有用である。Cordis Corporationによって市場に最近発売された、超弾性ニチノールを用いる塞栓予防装置は、ANGIOGUARDとして知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術において必要とされていたが利用できなかったものは、線形な擬弾性のニチノールの利点を活用する医療機器である。線形な擬弾性のニチノールを用いることにより、装置の単位歪みあたりの機械的強度は、超弾性ニチノール製の同等の装置よりもかなり大きくなる。さらに、線形擬弾性ニチノール製の装置においてはより大量のエネルギの貯蔵が可能なため、支柱のようなより小さな構成要素を用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、全般的に、シースから配置される支柱が形成された本体を有する医療機器に適用される、相変態あるいは応力誘起マルテンサイトの出現なしに線形な擬弾性を呈する、冷間加工されたニッケルチタン合金に向けられている。
【0010】
好ましい実施例において、本発明は、支柱から形成された本体を備える、体内管腔において用いる医療用機器に向けられており、この本体は冷間成形されたニッケルチタン合金から成り、このニッケルチタン合金は、本体に第1の形状のための応力が負荷されたとき、および第2の形状を取るために本体の応力が除去されたときにも、マルテンサイト相となっている。本発明は、その第1の形状において少なくとも部分的に本体を包囲するシースを更に含む。このシースは、患者の解剖学的構造内の目標位置へと装置を搬送するとともに、装置を配置し、かつ手技が終了した後に装置を回収するために用いることができる。
【0011】
本発明に用いる原材料ニチノールは冷間成形されたものであるが、所望の展開形状にセットするためにさらに冷間加工される。さらに、この冷間成形および冷間加工は、ニチノール合金の再結晶温度より下で行われる。
【0012】
この操作の間、線形擬弾性ニチノール装置には、応力誘起マルテンサイトを合金内に出現させることなしに応力を負荷することができる。この性質と矛盾することなく、線形擬弾性ニチノールの理想的な応力−歪み曲線はどのような平坦応力プラトーをも含まない。さらに、応力負荷にかかわらず、ニチノール合金にはオーステナイトからマルテンサイトあるいはその逆の相変態が生じない。
【0013】
その結果として得られる好ましい実施例の装置は、任意の与えられた歪みにおいて、標準的な超弾性ニチノール製の装置に比較してより大きな機械的強度を有する。本発明の線形擬弾性ニチノール装置の応力ひずみ曲線エネルギはまた、より大きなエネルギ貯蔵容量を有する。その結果、与えられた所望の性能要件において、本発明の線形擬弾性ニチノール装置はより小さな支柱を持つことができ、したがって狭い病変を通過するために有用なより小さな輪郭を持つことができる。
【0014】
他の利点は、本発明が線形擬弾性ニチノールを用いるので、基礎となる合金を、安定した機械的な特性を維持しつつ、より広い範囲の入手可能な材料から選択することができる。言い換えると、超弾性ニチノールに比較して、材料のバラツキおよび加工時の予測がつかない変化に対する感受性が小さい。加えて、線形擬弾性ニチノールはマルテンサイトからオーステナイトあるいはその逆方向に相変態しないので、温度に関連する効果による影響がより小さい。
【0015】
本発明には、少し例を挙げれば大静脈フィルタ、隔膜プラグを含む、多くの特定の用途がある。本発明のための1つの特定の用途は、バルーン血管形成術あるいはステント手技のような治療上の侵襲的手技を実行する間に生成される塞栓破片が侵襲的部位よりも下流にある血管の流れを止めることを防止するために、この塞栓破片を血管内において捕捉するためのフィルタ装置およびシステムである。本発明の装置およびシステムは、脳に通じている主要な血管を含む極めて重要なその下流側の血管が塞栓破片によって容易にせき止められ得る、頸動脈のような重要な動脈内に侵襲的な手技を施すときに特に有用である。頸動脈の手技に用いられるときに、本発明は、手技の間に生じる脳卒中の可能性を最小化する。その結果、本発明は、侵襲的な手技の間に塞栓破片が適切に集められて患者の脈管系から取り除かれるという、より高度の信頼性を医師にもたらす。
【0016】
本発明に基づいて作られる塞栓予防装置およびシステムは、好ましくは、ガイドワイヤのような円筒状シャフトの遠位端に取り付けられる拡張可能なフィルタ装置を備える。このフィルタ装置は、好ましくは線形擬弾性ニチノールから製造されて拡張可能な支柱組立体を有するとともに、患者の脈管系内において収縮しあるいはつぶれた状態から広げられあるいは配置された状態へと自己展開可能な、外側に付勢されて延びる多数の支柱を有する。塞栓捕捉ろ過物質から製造されるフィルタ要素は、拡張可能な支柱組立体に取り付けられる。フィルタ要素は、傘のそれと同様な拡張可能な支柱の動きにより、つぶれた形状から広がった形状へと開く。
【0017】
本発明は、小さな直径の管状材料から形成された管状体と;負荷される応力に関わらずマルテンサイト相となっているニッケルチタン合金から冷間成形された大きな直径の管状材料から形成されるとともに、強制されない状態において半径方向外側に突出するように前記管状体上に配設された複数の支柱と;体内管腔内への配送およびそこからの回収のために、少なくとも部分的に前記管状体を包囲するとともに前記支柱を圧縮状態に拘束するシースと;を備えた、体内管腔ための医療用機器をさらに意図している。
【0018】
この実施例においては、もはや、拡げられる支柱組立体を、拡げられた状態へと熱処理される小さな管状材料から製造する必要がない。むしろ、拡げられる支柱組立体は大きな直径の管状材料から出発し、そこにおいてこれらの支柱自身は大きな直径の管状材料から形成されるとともに所望の塞栓予防装置の形状へと内側に組立てられる。支柱は好ましくは大きな管状材料からレーザー切断されるとともに、拘束を受けていない安定した状態において半径方向外側に突出し、それによって熱処理する必要なしに同一の拡げられた状態を達成するように、小さな直径の管状材料に接続される。
【0019】
拡げられた支柱組立体を組み立てるときに大きな直径の、冷間加工されあるいは歪硬化されたニッケルチタンハイポチューブを用いることにより、この歪み硬化されたニッケルチタン材料はその機械的性質を増し、より薄い壁の侵襲的装置の設計を可能とする。大きな直径ハイポチューブから侵襲的装置を加工することは、大きな直径のニッケルチタンハイポチューブの拡大された表面積によって、より大きな設計自由度およびより複雑なデザインを作成する能力をもたらす。さらに、より薄い壁の装置は全体的な横断輪郭の縮小をもたらすとともに、曲がりくねった解剖学的構造を通るシステムの追従性を改良する。
【0020】
本発明の他の特徴および利点は、添付の例示的な図面とともになされる以下の詳細な説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、シースから配置される支柱が形成された本体を有する医療機器に適用されたときに、相変態あるいは応力誘起マルテンサイトの出現なしに擬弾性挙動を示す、冷間加工されたニッケルチタン合金に向けられている。本発明は、数多くの医療用機器に適用できるとともにそれを意図しているが、例示のために、以下の詳細な説明は、治療上の侵襲的手技を実行する間に生成される塞栓破片を血管内で捕捉するためのフィルタ装置およびシステムを含む、典型的な実施例にその焦点を合わせている。
【0022】
好ましい実施例において、本発明の医療用機器は支柱から形成された本体を有しており、この本体は冷間加工されたニッケルチタン合金から成り、このニッケルチタン合金は、第1の形状へと本体に応力が加えられたとき、および第2の形状を呈するために本体上の応力が除荷されたときにマルテンサイト相となっている。この好ましい実施例は、第1の形状にある本体を少なくとも部分的に包囲するシースをさらに有している。このシースは、患者の解剖学的構造内の目標位置に装置を搬送し、装置を配置し、かつ手技が終了した後に装置を回収するために用いることができる。
【0023】
ここで図面を参照すると、類似の参照符号は類似のあるいは対応する要素を表している。図1および図2は、本発明の特徴を取り入れた好ましい実施例の塞栓予防装置10を示している。図1および図2に示されている特定のかつ例示的な実施例において、塞栓予防装置10は、拡張可能な支柱組立体14およびフィルタ要素16を有したフィルタ装置12として識別される本体を備えている。このフィルタ装置12は、随意的に、細長い管状シャフトの遠位端上に回転可能に取り付けられ、あるいは固定される。図1および図2に示したシャフトは、例えばガイドワイヤ18である。
【0024】
図1はまた、小さな配送輪郭Pを有した配送システムを描写している。この減少した輪郭Pは、本発明のフィルタ装置14および配送システム(拘束シース46および復元シース48)の利点であり、かつ線形擬弾性ニチノールの応力−歪ヒステリシス曲線の賜である。この斬新なアプローチは、より詳細に後述される。
【0025】
図1および図2の側面断面図において、塞栓予防装置10は患者の動脈20あるいは他の管腔内に配置されている。動脈20のこの部分は、アテローム硬化性プラーク24が動脈20の内壁26に堆積した処置領域22を有している。フィルタ装置12は、この処置領域22の遠位側で、そこよりも下流側に配置されている。
【0026】
バルーン血管形成術カテーテル(図示せず)は、随意的に、従来のセルジンガー技術により案内カテーテル(図示せず)を通して、患者の脈管系内に導入することができる。ガイドワイヤ18が処置領域22を通り過ぎると、膨張カテーテルは、そのバルーン部分が処置領域22に直接対向するように配置されるまで、動脈20内においてガイドワイヤ18上を前進することができる。膨張カテーテルのバルーンを膨張させることにより、動脈20の内壁26にプラーク24を押し拡げることができる。このことが閉塞を開き、動脈20を拡げて、プラーク24による脈管内の閉塞を減少させる。
【0027】
膨張カテーテルを患者の脈管系から取り除いた後、オーバーザワイヤ技術を用いてステント25(図2)を処置領域22に配送することができる。このステント25は、足場を組んで処置領域22の維持を助けるとともに、翻って処置領域22に再狭窄が生じることの防止を助ける。
【0028】
侵襲的な手技の間にプラーク24から分離するあらゆる塞栓破片27が血流中に放出される。塞栓破片27は、(矢印で示した)血流によって運ばれて、配備された、すなわち拡げられた、処置領域22よりも下流に配置されているフィルタ装置12のフィルタ要素16によって捕捉される。侵襲的な手技が完了すると、フィルタ装置12はつぶされて、フィルタ要素16内に捉えた塞栓破片27と共に患者の脈管系から取り除かれる。
【0029】
拡張可能な支柱組立体14の1つの典型的な実施例が、図1および図2に示されている。これらの図から分かるように、拡張可能な支柱組立体14は、図1に示されている圧縮されたあるいはつぶれた状態から、図2に示されている拡げられたあるいは配置された状態へと動くことができる、複数の半径方向に拡張可能な支柱28を有している。拡張可能な支柱組立体14は、支柱28が拡げられた状態に向かって半径方向外側への付勢力を持つように、好ましくは線形擬弾性ニチノール合金から製造される。
【0030】
拡張可能な支柱組立体14は、随意的に、ガイドワイヤ18に対して回転可能に取り付けられる近位端32を有している。遠位端34は、ガイドワイヤ18に沿って長手方向に自由にスライドすることができるとともに、その回りに回転することができる。遠位端34は、支柱28が拡げられた状態と収縮した状態との間で動くときにはいつでも、ガイドワイヤ18に沿って並進する。近位端32は、短い管状部分あるいはスリーブ36を有しており、それはそこに形成されたコイルスプリングを具備し、減衰部材あるいは要素38として作用する。減衰要素38の機能は以下に説明される。管状材料30の遠位端34は、好ましくは、ガイドワイヤ18上にスライド自在かつ回転自在に配設された短い部分あるいはスリーブ40を有する。
【0031】
図1および図2に示したように、本発明による好ましい一実施形態におけるフィルタ要素16はテーパ状のあるいは円錐形状の部分50を有している。このフィルタ要素16は、随意的に、(矢印で示したように)血液を灌流させることができる複数の開口53を有するが、この開口53は塞栓破片27を円錐形状部分50の内部で捕捉するために十分に小さい。フィルタ要素16は短い近位側部分52を有しており、この近位側部分52は円錐形状部分50と一体であり、支柱組立体14の支柱28が展開したときに実質的に円柱形状に拡がる。円錐形状部分50の短い近位側の部分52に位置する入口開口51は、塞栓破片27を集めるとともに、この破片27をフィルタ要素16に導く。
【0032】
短い近位側部分52はまた、フィルタ要素16および支柱組立体14の支柱28が接着あるいは別の方法で取り付けられる上部構造として機能する。反対側の端部において、フィルタ要素16は短い遠位側の円筒状部分54を有しており、この円筒状部分54はフィルタ要素の残りの部分と一体であり、拡張可能な支柱組立体14の遠位端34に取り付けられる。
【0033】
図1に最も良く示されているように、フィルタ組立体12は、拘束シース46を使用するときにはつぶれたあるいは圧縮状態に維持される。拘束シース46は、支柱28の外向きの付勢力に抵抗するために、充分な弾力性を有していなければならない。必須の弾力性を達成する1つの方法は、シース46に適切な寸法および壁厚を選択することである。もう1つの方法は、その内部に保持されている支柱28の膨脹力に抵抗するために充分な反発力を有する、適切な弾性体を使用することである。そのようなシースの材料および設計は、従来技術において周知である。
【0034】
ガイドワイヤ18および拘束シース46は、患者の体外に延びる近位端(図示せず)を有している。患者の体外からは、支柱28を露出させるためにその近位端を介して拘束シース46を引き出すことにより、拡開位置へと支柱28を操作することができる。支柱28自体が自己展開性を有しているので、拘束シース46を引き出すことによって支柱28をそのばね力によって開かせ、かつ動脈20内の展開位置にフィルタ要素16を拡げることができる。このことは図2に描かれている。
【0035】
ガイドワイヤ18は、随意的に、それに取り付けられる小さな球56を有する。この小さい球56は、患者の脈管内に塞栓予防装置10を配送する間に有用である。具体的には、この球56は拘束シース46の内径とほぼ同じ大きさであり、ノーズコーンとして効果的に用いられる。このノーズコーンは、患者の動脈を通して配送されるときに塞栓予防装置10が起こしうる「雪かき」を防止する。
【0036】
塞栓予防装置10を患者の脈管系から取り出すときには、図2に示したように、フィルタ組立体12をつぶして回収するために、随意的に、復元シース48を用いる。一般的にこの復元シース48は、支柱28が展開しているので、拘束シース46よりもわずかに大きい内径を有している。さらに、この復元シース48は、展開している支柱組立体14をつぶすことができるように、その遠位端47に充分な引張強さおよび弾力性を有していなければならない。
【0037】
展開可能な支柱組立体14を閉じることは、ガイドワイヤ18を保持するとともに、復元シース48の近位端(図示せず)を前方に移動させてシース48の遠位端47を支柱28上に動かすことによって達成することができる。これに代えて、復元シース48が動かないように保持するとともに、ガイドワイヤ18の近位端を後方に引いてフィルタ組立体12の全体をシース48内に引き込んでもよい。フィルタ組立体12をつぶすと、侵襲的な手技の間に生じて血流中に入ったあらゆる塞栓破片27はフィルタ要素16の内部に捉えられたまま残り、塞栓予防装置10を患者の脈管系から取り出すときに血流中から回収される。
【0038】
展開可能な支柱組立体14上に形成する支柱28の数は、フィルタ要素16を所定の場所に適切に展開して維持するために充分な拡張性を動脈内において与える、任意の数とすることができる。図1および図2に示した実施例においては、展開可能な支柱組立体は自己展開する4本の支柱28を有している。また、各支柱28の特定の寸法および形状は変更することができる。
【0039】
図3および図4は、逆転させた三角形形状第1部分60、実質的に真っ直ぐな中央部分62、および支柱を完成させる逆転させた三角形状の第2の部分64から形成された支柱パターンを有する、展開可能な支柱組立体14を示している。この特定の支柱パターンは、破壊するあるいは弱くなる傾向がある支柱の領域により大きな強度をもたらす1つの好ましい設計である。これらの領域は、より広いベース部分と共に設計された各支柱のまさに近位側および遠位側の端部を含む。この特殊な設計により、展開可能な支柱組立体14はより一様に開閉することができる。このことは、特に患者から取り出すための支柱をつぶすときに有利である。さらに中央部分62は、支柱28がより大きな容積へと展開できるようにし、必要なときには、より大きなフィルタ要素を支柱組立体14上に配置できるようにしている。
【0040】
正確なパターンを管状材料30にカットするときには、近位端32を形成するスリーブ36を、随意的に、図3に示したようなヘリカルコイルに形成することができる。このヘリカルコイルは、展開可能な支柱組立体14のための減衰要素38として機能する。図1および図2に示したように、このスリーブ36はガイドワイヤ18上をスライドする。展開可能な支柱組立体14の近位端32は、テーパ状の取付部品42と随意的に設けられるX線不透過性標識バンド44との間に取り付けられる。テーパ状の端部金具42およびマーカー帯44は、近位端32をガイドワイヤ18上に取り付けてあらゆる長手方向の運動を防止するが、フィルタ組立体12の回転は許容する。
【0041】
図4は、支柱28を形成するために用いられる管状材料30を平面展開させた薄板の平面図である。しかしながら、好ましくは、この管状材料30はニチノール製であり、かつこの管状材料の初期状態は冷間加工されて受取状態においては完全にマルテンサイトである。各々の支柱を形成するために、特定の設計パターンが管状材料30の薄壁にカットされる。図3に示した例示的な実施例の場合、このパターンは切り詰めたダイヤモンド形の開口65を有しているが、これは第1の部分60、中央部分62および三角形状の部分64の形成を助ける。開口65を生成するために、管状材料30の各部分が好ましくはレーザー切断によって選択的に取り除かれるが、各々の特定の支柱を正確な形状、幅および長さに作ることができる限りにおいて、エッチング、プレス加工、あるいは他の工程もまた適切である。図4に示したように、この切り詰めたダイヤモンド形の開口パターン65が反復することにより、その内部に形成される各々の支柱28に一様な寸法を与えている。図1および図2に示したような狭い支柱もまた、上述したように形成することができる。
【0042】
その後、レーザー切断されたニチノール製の管状材料30は好ましくは冷間加工され、特に完全なマルテンサイト状態のまま維持されるように熱処理なしに冷間加工される。この冷間加工は、ニチノール合金の再結晶温度より低い温度において進められる。次に、レーザー切断されたニチノール製の管状材料30は、その所望の展開寸法へと冷間加工される。所望の展開寸法が、このようにしてレーザー切断した管に与えられる。
【0043】
あるいは、管をスウェージ加工して所望の形状および寸法に引き抜き加工することができる。また、この管状材料は、ニチノール製の薄板材料を管状に丸めてシームで接合して形成し、次いで所望の寸法に冷間引抜加工することもできる。次いでこの管は、レーザー切断されるとともに材料が完全にマルテンサイト状態のまま維持されることを保証する処理が行われる。
【0044】
重要なことは、このレーザー切断されたニチノール管状材料30は、あらゆる荷重負荷あるいは荷重除荷プラトーが応力歪み曲線に生じないようにするために、熱処理されないことである。他の実施例においては、このニチノール製の管状材料は、低い温度においてごく限られた時間だけ熱処理されることもあり得る。本発明が認識するところでは、線形の擬弾性および非線形の擬弾性の間の重要な差異は、応力誘起マルテンサイトの存在あるいは不存在である。さらに認識するところでは、特定の形状をニチノールにセットするために、ニチノールを短い時間だけ比較的高い温度で熱処理しなければならない。通常の状況下においては、この材料は非線形の擬弾性を呈し、したがってオーステナイトからマルテンサイトへの可逆的に相変態する。例えば摂氏550度で5分間といった標準条件下で形状をセットするときには、ニチノールは基本的にスプリングバックを示さない。すなわち、熱処理後の強制されない形状は、熱処理の間に強制された形状とほとんど同一である。ニチノールは、熱処理の前のその最初の形状にスプリングバックしない。熱処理していない他の極端に線形な擬弾性ニチノールは100パーセントスプリングバックして、その最初の冷間加工された形状に常に復元する。
【0045】
スプリングバックは、熱処理なし(100パーセントのスプリングバック)と理想的な形状をセットする熱処理(ほぼ0パーセントのスプリングバック)との間で連続する作用である。ニチノールベースの擬弾性の装置の技術的な観点からは、スプリングバックが少ないことの方が、スプリングバックが多いよりも好ましい。しかしながら、いくつかの状況下においては、線形の擬弾性は非線形の擬弾性よりも好ましい。したがって、本発明は、冷間加工のみを施したニチノールを意図することに加え、所望の形状を成功裏にニチノール構造に与えるためにそれによってスプリングバックが適切に最小化されるとともに、およびそれによってニチノールが安定かつ可逆的なマルテンサイト相を発現させない、熱処理温度および時間の管理体制に取り組む。
【0046】
本発明の好適な実施例においては、線形の擬弾性挙動を達成するために、2元ニッケルチタン管状材料は約55.8原子パーセントのニッケルを含有する。管状材料は、断面積の減少で測定したときに、最低でもほぼ38パーセントの冷間加工を含まなければならず、かつ最終的な冷間リダクションに続いていかなる熱処理もあってはならない。他の実施例に関しては、本発明は、最高で5分間かつ最高で摂氏300度の管状材料の累積された熱処理を意図する。理想的な状態下においては、これらのプロセスパラメータは、ニチノールが応力下における相変態なしにマルテンサイトのままで残ることを確実なものとしなければならない。
【0047】
冷間加工されたニッケルチタン合金の冶金的な様相を示すために、図5は、316Lステンレス鋼、線形擬弾性ニチノール、および非線形擬弾性ニチノールにおける3つの理想的な応力ひずみ曲線の弾性部分を含んでいる。好ましい実施例においては、本発明の展開可能な支柱組立体14は、例えば図5に示されている線形擬弾性ニチノールのような合金から部分的にあるいは完全に形成される。
【0048】
図5においては、非線形擬弾性ニチノールの理想化した曲線Aが、X軸歪を表すとともにY軸が応力を表しているX−Y座標系にプロットされている。X軸およびY軸には、それぞれ、0〜320ksiの応力および0〜9パーセントの歪が割り当てられている。
【0049】
曲線Aにおいては、マルテンサイト相からオーステナイト相への相変態が完了する温度若しくはそれ以上の温度において非線形な擬弾性を呈するニチノールのような金属の試験片に応力が負荷されたときに、この試験片は、その合金がオーステナイト相からマルテンサイト相への応力誘起相変態(すなわち応力誘起マルテンサイト相)を示す特定の応力レベルに達するまで弾性的に変形する。相変態が進行するにつれて、この合金においては、対応する応力の増加なしに歪がかなり増加する。曲線A上において、このことは、ほぼ70〜80ksiにおける、上側の、ほとんど平坦な応力プラトーによって示されている。オーステナイト相からマルテンサイト相への変態が完了するまで、応力が本質的に一定のままで歪が増加する。その後、更なる変形を生じさせるためには応力の更なる増加が必要である。マルテンサイト状の金属は最初に、追加的な応力が負荷されると弾性的に降伏し、次いで永久的な残存性の変形(図示せず)を伴って塑性的に降伏する。
【0050】
いかなる永久変形も生じない前に試験片上の負荷が除荷されると、マルテンサイト状の試験片は弾性的に復元してオーステナイト相に変態する。応力の減少は最初に、歪の減少を生じさせる。マルテンサイト相がオーステナイト相へと変態するレベルに応力の減少が達すると、試験片の応力レベルは本質的に一定のままとなる(しかしながら、オーステナイトへの相変態が完了するまでは、オーステナイト結晶がマルテンサイト結晶構造へと変態する一定の応力レベルよりも少ない)。すなわち、対応する応力がごくわずかに減少しつつ、歪みが大幅に回復する。このことは、曲線Aにおいて約20ksiの下側の応力プラトーによって示されている。
【0051】
オーステナイトへの変態が完了した後、更なる応力の減少は弾性的な歪の減少に帰着する。荷重が負荷されると比較的一定な応力において歪がかなり大きくなるとともに、荷重を除荷すると変形から回復するという、この能力は、一般に非線形擬弾性(または超弾性)と呼ばれている。
【0052】
図5はまた、本発明において用いられる線形擬弾性ニチノールの理想化された挙動を表す曲線Bを有している。曲線Bは全般的に、非線形疑似弾性ニチノールの曲線Aよりも大きな傾斜あるいはヤング率を有している。また、曲線Bは、曲線Aに見い出されるような平坦なプラトー応力を全く含んでいない。これは、曲線Bのニチノールはその全体がマルテンサイト相のままであっていかなる相変化も生じないから、当然である。曲線Aを生じさせるものと同一の応力サイクルにおける応力負荷および応力放出が、曲線Bを生じさせるために用いられている。そのために、曲線Bは、応力の増加が可逆性の歪の比例的な増加を生じさせ、かつ応力の放出が歪の比例的な減少を生じさせることを示している。曲線AおよびBで囲まれる領域は、ニチノールにおけるヒステリシスを表している。
【0053】
図5において曲線Bと曲線Aと比較すると明らかなように、線形の擬弾性ニチノールを用いることにより、本発明の医療用機器の単位歪みあたりの機械的な強度は超弾性ニチノール製の相当する装置よりもかなり大きい。その結果として、主要な利点は、支柱のようなより小さい構成部品を用いることができるということである。線形擬弾性ニチノール製の装置においてはより大きなエネルギを貯蔵できるからである。小さな輪郭は、狭い病変部を横断するための、あるいは遠く離れて曲がりくねった動脈にアクセスするための1つの重要なファクターである。
【0054】
図5は、標準的な316Lステンレス鋼の弾性的な挙動を示す曲線Cを含んでいる。応力は、金属が塑性的に変形する前に、鋼に対して漸増的に負荷され、かつ漸減的に放出される。これは、曲線AおよびBとの単なる比較のためにここに描かれている。
【0055】
上述したように、本発明の医療用機器は、好ましくは2元ニッケルチタン合金を用いる。しかしながら、他の実施例においては、ニッケルチタン合金は、パラジウム、プラチナ、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、ホウ素、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、あるいはジルコニウムといった成分の3元合金とすることもできる。
【0056】
図6aから図6eは、展開可能な支柱組立体14の好ましい実施例の構造を示しているが、そこにおいては、大きな直径の歪硬化された(すなわち、冷間加工された線形擬弾性の)ニッケルチタン製の管状材料が用いられている。前述したように、冷間加工されたニチノール材料の使用が装置の機械的性質を高めるので、より薄い壁の侵襲的装置の設計を可能とする。また、大きな直径のハイポチューブから装置を加工することによる高い設計自由度、および大きいな直径のニッケルチタンハイポチューブの増加した表面積によるより複雑な設計オプションが可能となる。
【0057】
解決すべき課題は、ニッケルチタン合金の熱処理を回避しつつ、展開可能な支柱組立体あるいはバスケットをどのようにして管状材料から製造するかということであった。多くの設計は、展開形状をセットするために熱処理された小さな直径の管状材料から作られるバスケットを用いる。本発明においては、展開する支柱は大きな直径の管状材料から作られて、小さな直径の管状材料に取り付けられる。管状材料の寸法の組み合わせから製造される医療用機器は、熱処理工程の必要性を回避しあるいは最小化する。
【0058】
様々な他の実施例においては、バスケットの形状は大きな直径の管状材料からスウェージ加工することによって作ることができる。さらに、ニチノール材料の薄板を管に加工することができるし、あるいは所望のバスケット形状の約半分を生成するために薄板を形成することもできる。
【0059】
図6eは、好ましい実施例の展開可能な支柱組立体70の斜視図である。拡張可能な支柱組立体70は、図6aおよび図6bの2つの主要な構成要素に分離されている。図6aは、小さな直径の管状材料から形成された管状体72を示している。相当する寸法は0.5〜1.0mmの直径のハイポチューブである。
【0060】
図6bは、大きな直径の管状材料から作られた支柱74の斜視図である。相当する大きな直径の管状材料は、4〜50mmの直径のハイポチューブから見出すことができる。小さな直径の管状材料および大きな直径の管状材料は、好ましくは前述した冷間加工したニッケルチタン合金から形成される。公知の他の材料もまた用いることができる。
【0061】
図6aにおける管状体72は、その内部に形成された開口あるいは鍵穴76を有する特定の形状を生成するために、公知の工程によりレーザー切断されている。鍵孔76は管状体72の円周方向に分散しており、好ましくは4つの鍵孔がある。明らかに、設計に応じてより多くのあるいはより少ない鍵孔を設けることができるし、後に詳述するように支柱74の組立体位置に応じてそれらの位置を変更することもできる。管状体72は、近位端82および遠位端80を有している。遠位端80には、展開可能な支柱組立体70のガイドワイヤ18への取り付けを容易にするための、好ましくは4つのタブ78が設けられている。さらに鍵孔76は、それらが開口の周縁に沿った斜面84を有するようにカットされあるいは形成されている。鍵孔76の周縁に沿った斜面84は、管状体72の内部に向かってその開口寸法が減少している。従って、相補的部分が鍵孔76をカバーするように組み付けられたときに、その部品には斜面を有する開口内に楔のように入り込もうとする傾向が生じる。
【0062】
図6bは、大きな直径の管状材料から好ましくはレーザー切断された支柱74の斜視図である。この支柱74は、広いベース部86に終端する長い梁を有している。好ましくは、広いベース部86は、鍵孔76の斜面84と嵌合する斜面84を具備した周縁を有している。さらに、広いベース部86は随意的な湾曲88と共に示されている。この湾曲88は、管状体72の湾曲に適合することが意図されている。
【0063】
図6cおよび図6dは、他の展開可能な支柱組立体70の斜視図であり、それぞれ遠位端80および近位端82を前方に示している。いずれの図面からもわかるように、2つの支柱74が管状体72に組み付けられており、相補的に形成された鍵孔76に広いベース部86が嵌合している。さらに2つの支柱74を残りの2つの鍵孔76に取り付けることができるが、図示を明瞭にするためにこの図面からは省略されている。図6cおよび図6dに示すように、支柱74はS字カーブの輪郭を有しているが、長い梁は外側に湾曲した後に管状体72に向かって戻るように湾曲している。支柱74のこれらの湾曲は、それらの基礎的な形状が大きな直径の管状材料から切断された後に、好ましくは冷間加工によって形成される。支柱74の湾曲形状は、もちろん、展開可能な支柱組立体の設計およびフィルタ要素16を展開するために必要なバネ力に合わせて変更することができる。従来のニチノール材料から区別されるように、本発明の支柱は、好ましくは熱による固定ではなく冷間加工によって必要な曲線をその輪郭に組み込んでいる。最小の熱処理であるいは熱処理なしに、ニッケルチタン合金は図5に示されているそれと同様の応力ひずみ曲線を有する。そこにおいて、曲線Bには見分けることができる平坦な応力プラトーが欠如している。その結果、支柱74が配送シース等によって管状体72の外側にきつく保持されたときに、応力誘起マルテンサイトが出現しあるいは相変態することはない。むしろ、支柱74に用いられているニッケルチタン合金は、配送、配置および体内管腔からの回収の全体においてマルテンサイト相のままである。
【0064】
鍵孔76の斜面を有する周縁および広いベース部86のくさび作用により、支柱74は鍵孔を通って管状体72の内側に向かって落下することができない。支柱74の広いベース部86は、接着剤、はんだ等を用いて鍵孔76に接合される。支柱74を管状体にさらに固定するために、管状体の近位端82上でスライドするスリーブ90が随意的に設けられており、それによって各鍵孔の内部に広いベース部86を保持している。このことは、図6eの斜視図に示されている。
【0065】
他の実施例においては、図10に示したように、所定の場所に支柱74を保持するために、管状体72の内部に嵌合する管状の内側スリーブ94を用いることができる。この内側スリーブ94もまた外側スリーブ90と同様に、ステンレス鋼、ポリアミドのような硬い樹脂材料、または同様の公知な材料から作ることができる。
【0066】
また、図6cおよび図6dには広いベース部86の2つの他の実施例が示されているが、湾曲88が小さな直径の管状体72の半径へと減少しており、それによって表面輪郭に一致している。これに対して、広いベース部92は小さな直径の管状体72の半径には合致していない。広いベース部86,92のいずれもが意図し得るが、湾曲88を有した広いベース部86の方が好ましい設計である。はめ込み式の結合部の方が許容誤差が小さく、支柱74がより安定した足場から延びることになるからである。
【0067】
支柱74は、大きな管の直径のままとされるか、あるいは図示の湾曲形状に冷間および/または熱間成形される。広いベース部86は、材料をマルテンサイト状態に維持するために熱間成形もまた可能である。配送、配置および回収の間に、広いベース部86がいかなる曲げをも受けないからである。大きい管の直径形状のままとされる場合、広いベース部86を鍵孔76に押圧するスリーブ90により、それは図6cおよび図6dに示した位置に湾曲する。
【0068】
典型的に、小さな直径の管状材料は0.026インチの直径を有するハイポチューブからレーザー切断される。次いで、展開されるとともに、完全に展開された状態において熱固定される。本発明においては2つの異なる直径の管状材料から作られる部品を用いるので、展開および熱固定を実行する必要性を排除できる。このようにして、4.0mmの装置は約4.5mmの管状材料から切断され、かつ5.0mmの装置は約5.5mmの管状材料から切断される。
【0069】
本発明は、塞栓予防装置の線形擬弾性ニチノールフィルター組立体およびその配送システムに関してこの明細書に図示されてかつ説明されているが、他の事例にも用い得ることは当業者にとって明らかである。他の変更および改善を本発明の範囲内においてなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】拘束シース内でつぶれた状態にあるとともに脈管内に配設された拡張可能なフィルタ装置を示す、本発明の特徴を具現化している塞栓予防装置の要部破断側面立面図。
【図2】拡張可能なフィルタ装置が脈管内において拡げられた状態にある、図1に示されているそれと同様な要部破断側面立面図。
【図3】本発明のフィルタ装置の一部を形成する拡張可能な支柱組立体をつぶれた状態で示す斜視図。
【図4】1つの特定の支柱パターンを図解する、図3に示した拡張可能な支柱組立体の展開平面図。
【図5】従来の316Lステンレス鋼、線形擬弾性ニチノール、および非線形擬弾性ニチノールの応力ひずみ曲線を示す図。
【図6a】その内部に開口が切断されている、小さな直径の管状材料から切断された管状体の斜視図。
【図6b】大きな直径の管状材料から形成された支柱を示す図。
【図6c】図6aの管状体に図6bの支柱を接続した後の、拡張可能な支柱組立体の一実施例の斜視図。
【図6d】近位端が最も前方にある、図6cの拡張可能な支柱組立体の斜視図。
【図6e】そこに支柱を保持するために保持スリーブが本体に完全に係合している、図6cおよび図6dの拡張可能な支柱組立体の斜視図。
Claims (23)
- 体内管腔内で用いられる医療用機器であって、
小さな直径の管状材料から形成された管状体と、
負荷される応力に関わらずマルテンサイト相にある冷間成形されたニッケルチタン合金を含む大きな直径の管状材料から形成されるとともに、強制されない状態において半径方向外側に突出するように前記管状体上に配設された複数の支柱と、
体内管腔内への配送およびそこからの回収のために、少なくとも部分的に前記管状体を包囲するとともに前記支柱を圧縮状態に拘束するシースと、
を備えたことを特徴とする医療用機器。 - 前記支柱が広いベース部から延びる長い梁を含むとともに、前記管状体に開口が形成されており、前記開口がそれぞれその内部に前記支柱の広いベース部を受容していることを特徴とする、請求項1に記載の医療用機器。
- 前記支柱の長い梁が傾斜した輪郭を有していることを特徴とする、請求項2に記載の医療用機器。
- 前記開口が傾斜した内縁を有し、前記広いベース部がそれに適合した傾斜した縁を有していることを特徴とする、請求項2に記載の医療用機器。
- 前記管状体に摺動可能に係合するととともに前記支柱の広いベース部を覆うスリーブを有し、それによって前記管状体に前記支柱が保持されることを特徴とする、請求項2に記載の医療用機器。
- 前記管状体が熱処理されており、前記ニッケルチタン合金のヒステリシス曲線が応力プラトーを有しないことを特徴とする、請求項1に記載の医療用機器。
- 前記支柱が冷間成形によって与えられた形状を呈することを特徴とする、請求項1に記載の医療用機器。
- 前記冷間成形が前記ニッケルチタン合金の再結晶温度より低い温度で行われることを特徴とする、請求項7に記載の医療用機器。
- 前記ニッケルチタン合金のインゴット変態温度が摂氏37度より高く設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の医療用機器。
- 前記小さな直径の管状材料がニッケルチタン合金から成ることを特徴とする、請求項1に記載の医療用機器。
- 哺乳類の身体管腔への配送、そこでの配置、およびそこからの除去のための医療用機器であって、
複数の開口を有する、小さな直径の管状材料に由来する管状体と、
大きな直径の管状材料に由来する複数の支柱と、
少なくとも部分的に前記管状体を包囲して前記支柱を圧縮状態に拘束する、前記管腔への配送および前記管腔からの回収のためのシースと、
を備え、
前記開口は、応力が負荷されていない状態で前記管状体から離れるように湾曲している支柱をその内部に受容し、
前記小さな直径および大きな直径の管状材料は冷間成形されたニッケルチタン合金から成り、前記ニッケルチタン合金は負荷される応力に関わらずにマルテンサイト相のみからなる、
ことを特徴とする医療用機器。 - 前記支柱は、その輪郭に湾曲を与えるように冷間加工されていることを特徴とする請求項11に記載の医療用機器。
- 前記支柱が広いベース部から延びる長い梁を有しており、前記広いベース部が前記管状体の曲率半径に適合した曲率半径を有していることを特徴とする、請求項11に記載の医療用機器。
- 前記開口のいくつかが第1の形状を有しており、前記支柱の広いベース部は、前記管状体に取り付けられたときに少なくとも前記支柱の一部が前記管状体に嵌め込まれるように、前記第1の形状と相補的な第2の形状を有していることを特徴とする、請求項13に記載の医療用機器。
- 前記支柱が広いベース部から延びる長い梁を有しており、前記広いベース部は、前記開口の傾斜した周縁に楔止めされる傾斜した周縁を有していることを特徴とする、請求項11に記載の医療用機器。
- 前記支柱が熱処理され、かつ前記ニッケルチタン合金のヒステリシス曲線が応力プラトーを有していないことを特徴とする、請求項11に記載の医療用機器。
- 前記ニッケルチタン合金が低温での熱処理を受けており、応力が負荷されたときに相変態を生じないことを特徴とする、請求項11に記載の医療用機器。
- 前記支柱が前記管状体に結合されていることを特徴とする、請求項11に記載の医療用機器。
- 体内管腔に用いる医療用機器を提供する方法であって、
小さい直径の管状材料を提供し、
前記小さな直径の管状材料を管状体に加工し、
負荷された応力にかかわらずマルテンサイト相のみからなる冷間成形されたニッケルチタン合金から成る、大きな直径管状材料を提供し、
前記大きな直径の管状材料から複数の支柱を作り、
前記支柱が拘束されない状態において半径方向外側に突出するように前記管状体に前記支柱を配設し、
体内管腔内への配送およびそこからの回収のために、少なくとも部分的に前記管状体を包囲するとともに前記支柱を圧縮状体に拘束するシースを提供する、
こと含む方法。 - 負荷される応力に関わらずマルテンサイト相のみからなる冷間成形されたニッケルチタン合金から成る小さな管状材料を供給することを更に含む、請求項19に記載の医療用機器を提供する方法。
- 曲線状の輪郭を達成するために前記支柱を冷間成形することを特徴とする、請求項19に記載の医療用機器を提供する方法。
- 前記ニッケルチタン合金を低温で熱処理すること含む、請求項19に記載の医療用機器を提供する方法。
- 体内管腔で用いる医療用機器であって、
小さな直径の管状材料から形成された管状体と、
負荷される応力に関わらずマルテンサイト相のみからなる、熱間成形を含んで冷間加工されたニッケルチタン合金から成る、大きな直径の管状材料から形成されるとともに、強制されない状態において半径方向外側に突出するように前記管状体上に配設された複数の支柱と、
体内管腔内への配送およびそこからの回収のために、少なくとも部分的に前記管状体を包囲するとともに前記支柱を圧縮状態に拘束するシースと、
を備えたことを特徴とする医療用機器。
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