[go: up one dir, main page]

JP2004363492A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004363492A
JP2004363492A JP2003162743A JP2003162743A JP2004363492A JP 2004363492 A JP2004363492 A JP 2004363492A JP 2003162743 A JP2003162743 A JP 2003162743A JP 2003162743 A JP2003162743 A JP 2003162743A JP 2004363492 A JP2004363492 A JP 2004363492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
ferroelectric film
electrode
semiconductor device
ferroelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003162743A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Tanaka
圭介 田中
Takashi Uno
高史 夘野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2003162743A priority Critical patent/JP2004363492A/ja
Publication of JP2004363492A publication Critical patent/JP2004363492A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Memories (AREA)

Abstract

【課題】微少な体積であっても優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、下地となる第1の電極18と、第1の電極18の上に形成された強誘電体膜よりなる容量絶縁膜19と、容量絶縁膜19の上に形成された第2の電極20とを有する半導体装置であって、第1の電極18と容量絶縁膜19との界面近傍における強誘電体膜の結晶粒の平均粒径は、5nm以上で且つ50nm以下である。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いた半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを処理及び保存する傾向が推進されている状況において、電子機器が一段と高度化していると共に電子機器に使用される半導体装置における半導体素子の微細化が急速に進んできている。それに伴って、ダイナミックランダムアクセスメモリの高集積化を実現するために、従来の珪素酸化物又は珪素窒化物に代えて高誘電体材料を容量絶縁膜材料として用いる技術が広く研究開発されている。また、従来にない低動作電圧と従来にない高速の書き込み及び読み出しとを可能にする不揮発性メモリの実用化を目指して、自発分極特性を有する強誘電体材料からなる強誘電体膜を用いた半導体記憶装置に関する研究開発が盛んに行われおり、キロビットクラスの不揮発性メモリが実用化されている。
【0003】
現在、強誘電体膜を用いた不揮発性メモリのさらなる高集積化を実現するため、容量素子の電極の小面積化及び強誘電体膜よりなる容量絶縁膜の薄膜化によって容量素子の微細化を図る研究開発が特に盛んに行われている。
【0004】
強誘電体膜を用いた高集積不揮発性メモリを実現するためには、微細な容量素子をその特性を劣化させることなく、CMOS集積回路に集積化できる手法を開発することが重要である。
【0005】
強誘電体膜を用いた従来の高集積不揮発性メモリの場合、強誘電体膜が不揮発性メモリにとって不可欠なデータ保持に必要な分極特性を十分に発揮するためには、強誘電体膜は大きな粒径を有する結晶粒により構成される必要がある。
【0006】
【特許文献1】
特許第3135483号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電極面積が小さく且つ薄膜の強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる微細な容量素子の場合、すなわち強誘電体膜の体積が小さい場合において、強誘電体膜の結晶粒の粒径を大きくすると、下地となる電極に用いられる材料と強誘電体膜に用いられる材料との格子整合により、強誘電体膜の結晶粒は非分極方向に配向するので、強誘電体膜は小さい分極量しか得ることができない。このため、強誘電体膜は不揮発性メモリに必要な分極特性を得ることができなかった。
【0008】
前記に鑑み、本発明は、微少な体積であっても優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を有する半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本件発明者らは、微小な体積を有する強誘電体膜の特性が劣化する理由について検討を加えた。その結果、特に、微小な体積を有する強誘電体膜においては、強誘電体膜の結晶粒の粒径と強誘電体膜の結晶粒の配向との間に密接な関係があることを見出すことにより、微少な体積を有する強誘電体膜の特性が劣化する理由を解明した。
【0010】
本件発明は、前記の知見に基づいてなされたものであって、具体的には、本発明に係る半導体装置は、下地となる第1の電極と、第1の電極の上に形成された強誘電体膜よりなる容量絶縁膜と、容量絶縁膜の上に形成された第2の電極とを有する半導体装置であって、第1の電極と容量絶縁膜との界面近傍における強誘電体膜の結晶粒の平均粒径は、5nm以上で且つ50nm以下である。
【0011】
本発明に係る半導体装置によると、第1の電極と容量絶縁膜との界面近傍における強誘電体膜の結晶粒の平均粒径が、5nm以上で且つ50nm以下であるため、強誘電体膜の結晶粒が強誘電体膜の材料と電極の材料との格子整合により非分極方向へ配向することが抑制されると共に、強誘電体膜を構成する結晶粒は第1の電極と第2の電極との間に生じる電界の方向と略平行に配向するので、優れた分極特性を有する微細な強誘電体膜を得ることができる。これにより、微少な体積であっても優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。
【0012】
本発明に係る半導体装置において、強誘電体膜の結晶粒のうち、第1の電極と第2の電極との間に生じる電界の方向に対してプラスマイナス30度以内に配向している結晶粒の割合が25%以上であれば、微少な体積であっても優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。
【0013】
本発明に係る半導体装置において、強誘電体膜の膜厚は、100nm以下の場合であっても、強誘電体膜の結晶粒の平均粒径が5nm以上で且つ50nm以下であることにより、強誘電体膜の膜厚方向に強誘電体膜の結晶粒の粒数を多くできるため、強誘電体膜の結晶粒は第1の電極と第2の電極との間に生じる電界の方向と略平行に配向するので、微少な体積であっても優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。
【0014】
本発明に係る半導体装置において、強誘電体膜の結晶粒の平均粒径に対する結晶粒の粒径の分布は、相対標準偏差で15%以内の場合に、強誘電体膜の結晶粒は第1の電極と第2の電極との間に生じる電界の方向と略平行に配向するので、微少な体積であっても優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。
【0015】
本発明に係る半導体装置において、前記強誘電体膜の表面における平均面から最高部までの距離と前記平均面から最低部までの距離との差は、前記強誘電体膜の平均膜厚に対して15%以下の場合に、微少な体積であっても優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できると共に、リーク電流値が低減された半導体装置を提供できる。
【0016】
本発明に係る半導体装置において、前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの少なくとも1つの電極の面積が1μm以下であれば、微少な体積を有し且つ優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。
【0017】
本発明に係る半導体装置において、強誘電体膜は、酸化ビスマスランタンチタン膜、酸化ストロンチウムタンタル膜及び酸化ストロンチウムタンタルニオブ膜の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0018】
このようにすると、微少な体積を有し且つ優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。
【0019】
本発明に係る半導体装置において、第1の電極及び第2の電極のうちの少なくとも1つの電極は、白金膜、イリジウム膜、ルテニウム膜、酸化白金膜、酸化イリジウム膜及び酸化ルテニウム膜の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0020】
このようにすると、微少な体積を有し且つ優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。
【0021】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、下地となる第1の電極の上に強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を形成する工程を備えた半導体装置の製造方法であって、容量絶縁膜を形成する工程は、強誘電体膜をこの強誘電体膜の上面側と下面側とから加熱する工程を含む。
【0022】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、強誘電体膜の下面側と上面側とから強誘電体膜を加熱するため、加熱時における強誘電体膜の膜厚方向の温度分布を小さくできるので、強誘電体膜中の全体において均一に核形成及び核成長が生じる。これにより、結晶性が良く且つ結晶粒の粒径が小さい結晶粒を有する強誘電体膜を形成できるので、微少な体積を有し且つ優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。
【0023】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、強誘電体膜を加熱する工程は、強誘電体膜の下面側から供給される熱量に対する強誘電体膜の上面側から供給される熱量の割合が4分の1以上で且つ4分の3以下が好ましい。
【0024】
このようにすると、加熱時における強誘電体膜の膜厚方向の温度分布を均一にできるので、強誘電体膜中の全体において核形成及び核成長が生じる。これにより、結晶性が良く且つ結晶粒の粒径が小さい結晶粒を有する強誘電体膜を形成できるので、微少な体積を有し且つより優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。
【0025】
本発明の半導体装置の製造方法において、強誘電体膜を加熱する工程は、0.1℃/秒以上で且つ50℃/秒以下の昇温レートで強誘電体膜に対して加熱する工程を含むことが好ましい。
【0026】
このようにすると、強誘電体膜中において結晶核を発生させる温度領域で加熱する時間を長くできるので、結晶核の発生数を増加させると共に結晶核の成長を促進させる。これにより、結晶性が良く且つ結晶粒の粒径が小さい結晶粒を有する強誘電体膜を形成できるので、微少な体積を有し且つより優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0028】
本発明の一実施形態は、強誘電体膜の両面に電極を有する強誘電体キャパシタ、MFS(Metal/Ferroelectric/Semiconductor )の積層構造を有するMFS型トランジスタ、MFIS(Metal/Ferroelectric/Insulator/Semiconductor)の積層構造を有するMFIS型トランジスタ又はMFMIS( Metal/Ferroelectric/Metal/Insulator/Semiconductor)の積層構造を有するMFMIS型トランジスタ等の半導体装置に広く用いられるが、本発明の一実施形態に係る半導体装置の一例について、図1を参照しながら説明する。
【0029】
図1に示すように、半導体基板10の表面部に素子分離領域11を形成することにより、トランジスタ領域を区画する。その後、該トランジスタ領域の半導体基板10の上にゲート絶縁膜12を介してゲート電極13を形成する。また、ゲート電極13をマスクとして半導体基板10に低濃度の不純物をイオン注入した後、ゲート絶縁膜12及びゲート電極13を覆うように第1の保護絶縁膜14を形成する。その後、ゲート電極13及び第1の保護絶縁膜14をマスクとして半導体基板10に高濃度の不純物をイオン注入する。これにより、メモリセルを構成する電界効果型トランジスタのソース領域又はドレイン領域となり且つLDD構造を有する不純物拡散層15が形成される。
【0030】
次に、半導体基板10の上に全面に亘って第2の保護絶縁膜16を形成した後、ドライエッチングにより第2の保護絶縁膜16にコンタクトホールを形成する。次に、CVD法により、コンタクトホールの内部及び第2の保護絶縁膜16の上に全面に亘ってタングステン又はポリシリコン膜からなる導電膜を堆積する。その後、エッチバック又はCMP法により、第2の保護絶縁膜16の上面に堆積されている導電膜を除去する。これにより、メモリセルを構成する電界効果型トランジスタの不純物拡散層15のうちソース領域又はドレイン領域のいずれか一方と接続するコンタクトプラグ17が形成される。
【0031】
次に、スパッタリング法により、第2の保護絶縁膜16の上に全面に亘って、下から順にチタン膜、窒化チタン膜、イリジウム、酸化イリジウム膜及び白金膜を堆積することにより積層膜を形成した後、該積層膜をドライエッチングによりパターニングする。これにより、コンタクトプラグ17と接続する第1の電極18が形成される。
【0032】
次に、有機金属分解法(MOD法)、有機金属化学的気相成膜法(MOCVD法)又はスパッタリング法により、第1の電極18を覆うように第2の保護絶縁膜16の上に全面に亘って、ビスマス層状ペロブスカイト構造を有するチタン酸ビスマスランタンからなり100nm以下の膜厚を有する強誘電体膜(後述で詳細する)を堆積した後、該強誘電体膜をパターニングする。これにより、強誘電体膜よりなる容量絶縁膜19が形成される。尚、容量絶縁膜19は、複数の第1の電極18の上に跨ると共に各第1の電極18の外側まで延びるように形成されている。
【0033】
次に、容量絶縁膜19の上に全面に亘って、下から順に白金膜及びチタン膜が堆積されてなる積層膜又は下から順に白金膜及び窒化チタン膜が堆積されてなる積層膜を形成した後、該積層膜をドライエッチングによりパターニングして第2の電極20を形成する。これにより、第1の電極18、容量絶縁膜19及び面積が1μm以下の第2の電極20からなる容量素子が形成される。
【0034】
次に、容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜について図2〜図7を参照しながら説明する。
【0035】
まず、強誘電体膜の結晶構造と分極方向とについて簡単に説明する。
【0036】
一般に、強誘電体膜は等方な結晶構造を有するものではなく、自発分極の分極値が大きな値を有する分極方向、自発分極の分極値が小さな値を有する分極方向又は自発分極を起こさない非極性方向からなる非対称な結晶構造を持つ。
【0037】
図2は、強誘電体膜に用いられる強誘電体の材料であるチタン酸ビスマスランタンの単位結晶格子の模式図を示している。尚、図2において、◎で囲まれたLa(ランタン)はペロブスカイト構造を構成し、強誘電体膜の特性に大きな影響を及ぼす元素を示し、○で囲まれたBiはペロブスカイト構造の近傍に位置し、強誘電体膜の特性に大きな影響を及ぼさない元素を示し、白丸はO(酸素)を示し、黒丸はTi(チタン)を示している。
【0038】
図2に示すように、チタン酸ビスマスランタンは、a軸方向及びb軸方向を含むab面内に自発分極が大きい方向を有すると共に、c軸方向に自発分極が小さい方向を有する結晶構造を持つ。不揮発性メモリとしてデータを保持するためには、チタン酸ビスマスランタンが大きな分極値を示すab面を強誘電体膜の下地となる電極と強誘電体膜を挟んで対向する電極との間に生じる電界の方向に対して略平行に配置しなければならない。
【0039】
しかしながら、従来の強誘電体成膜方法では、大きな粒径を有する結晶粒からなる強誘電体膜を有する微細な容量素子を形成する場合も、微少な粒径だけからなる強誘電体膜を有する微細な容量素子を形成する場合のいずれでも小さな分極量を得ることしかできず、不揮発性メモリとして必要な分極特性を得ることができない。
【0040】
そこで、本件発明者らは、微小な体積の強誘電体膜の分極特性が劣化する理由について検討を加えた。すなわち、前記従来例のように、大きな粒径を有する結晶粒からなる強誘電体膜を解析すると、強誘電体膜の結晶粒は分極量が小さい方向へ配向しており、そのため強誘電体膜の分極量が小さくなることが判明した。
【0041】
図3は、下地となる電極38と大きな粒径を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜39とにおける結晶粒の概略模式図を示している。
【0042】
図3から明らかなように、下地となる電極38の上に大きな粒径を有する結晶粒からなる強誘電体膜よりなる容量絶縁膜39を形成すると、下地となる電極38を構成する積層された白金等の白金系材料の結晶粒38aと容量絶縁膜39を構成する強誘電体膜の結晶粒39aとの格子歪みが一番小さくなる方向31、すなわち分極量が小さくなる方向に強誘電体膜の結晶粒39aは配向する。このため、強誘電体膜の分極量は小さくなるので、得られる微細な容量素子は不揮発性メモリとして十分な分極量を確保することができない。
【0043】
これらに鑑みて、本件発明者らは、前記図1に示した容量絶縁膜19の下地となる第1の電極18を構成する結晶粒の配向による影響を小さくするために、結晶粒の粒径と結晶粒の配向とに着目することにより、特に、微小な体積の容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜においては、結晶粒の粒径と結晶粒の配向との間に密接な関係があることを見出した。
【0044】
図4は、容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜の結晶粒の平均粒径と、強誘電体膜の結晶粒のうち、結晶粒の分極方向が第1の電極18と第2の電極20との間に生じる電界の方向に対してプラスマイナス30度以内に配向している結晶粒の割合との関係を示しており、図5は、容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜の結晶粒の平均粒径と容量素子の分極値との関係を示している。
【0045】
図4及び図5から明らかなように、容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜の結晶粒の粒径を小さくすることにより、強誘電体膜の膜厚方向に存在する強誘電体膜の結晶粒の粒数を多くすることができるので、強誘電体膜の結晶粒の配向は第1の電極18の結晶粒の配向による影響を受けることが低減される。従って、容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜の結晶粒のうち、第1の電極18と第2の電極20との間に生じる電界の方向、すなわち分極量が大きい方向と略平行な方向に分極する結晶粒の割合が増加する。
【0046】
図6は、本発明の一実施形態に係る第1の電極18と容量絶縁膜19とにおける結晶粒の概略模式図を示している。
【0047】
容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜の結晶粒の粒径を小さくすることにより、図6から明らかなように、強誘電体膜の結晶粒19aは、第1の電極18の結晶粒18aの配向による強い影響を受けて分極量が小さい方向に配向されることが低減されるので、強誘電体膜の結晶粒19aは第1の電極18と第2の電極20との間に生じる電界の方向に略平行な方向61に配向する。
【0048】
このようすると、前記図4からも明らかなように、容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜の膜厚が100nmであっても、第1の電極18と容量絶縁膜19との界面近傍における強誘電体膜の結晶粒の粒径を5nm以上で且つ50nm以下にすることにより、強誘電体膜の結晶粒のうち結晶粒の分極方向が前記電界の方向とプラスマイナス30度以内に配向する結晶粒の割合を25%以上にすることができる。これにより、前記図5からも明らかなように、第1の電極18、容量絶縁膜19及び第2の電極20からなる容量素子の分極量を20μC/cm以上にすることができる。
【0049】
次に、下地となる第1の電極18の上に強誘電体膜よりなる容量絶縁膜19を形成する工程を備えた半導体装置の製造方法について説明する。
【0050】
容量絶縁膜19を形成する工程において、容量絶縁膜19の上面側と下面側との両側から容量絶縁膜19を加熱することにより、焼結(加熱)時における容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜の膜厚方向の温度分布を均一に保つことができるので、強誘電体膜の全体において核形成及び核成長を行わせることができる。これにより、結晶性に優れ且つ結晶粒の粒径が小さい結晶粒からなる強誘電体膜を形成することができるので、強誘電体膜よりなる容量絶縁膜19はより大きな分極値を得ることができる。従って、容量絶縁膜19を形成する工程において、容量絶縁膜19を容量絶縁膜19の上面側及び下面側の両側から加熱することが好ましい。
【0051】
また、第1の電極18、容量絶縁膜19及び第2の電極20からなる容量素子の電極面積が1μm以下の場合に、容量絶縁膜19の分極特性は向上する。従って、容量素子の電極面積は1μm以下であることが好ましい。
【0052】
図7は、容量絶縁膜19を容量絶縁膜19の上面側及び下面側の両側から加熱できる赤外線ランプ加熱炉を用いて容量絶縁膜19を焼結(加熱)する場合に、容量絶縁膜19の上面側及び下面側から容量絶縁膜19に対して供給される熱量の比と容量素子の分極値との関係を示している。
【0053】
図7から明らかなように、容量絶縁膜19の上面側から供給される熱量に対する容量絶縁膜19の下面側から供給される熱量の割合を1/4以上で且つ3/4以下の範囲に設定することにより、容量素子の分極量を20μC/cm以上にすることができる。このようにすると、容量絶縁膜19を加熱する工程において、容量絶縁膜19の温度分布を均一に保ちながら容量絶縁膜19を加熱することができるので、容量絶縁膜19中の全体において核形成及び核成長を行わせることができる。従って、容量絶縁膜19の上面側から供給される熱量に対する容量絶縁膜19の下面側から供給される熱量の割合は1/4以上で且つ3/4以下の範囲であることが好ましい。これにより、結晶性に優れ且つ結晶粒の粒径が小さい結晶粒からなる強誘電体膜を形成することができるので、容量絶縁膜19はさらに大きな分極値を得ることができる。
【0054】
図8は、容量絶縁膜19を焼結(加熱)する場合の昇温レートと容量素子の分極値との関係を示している。
【0055】
図8から明らかなように、容量絶縁膜19を焼結する工程において、昇温レートを低下させることにより、容量絶縁膜19中で結晶核を発生させる温度領域において容量絶縁膜19を加熱する時間を長くする。これにより、容量絶縁膜19中において発生する結晶核の数が増加すると共に結晶成長を行なう時間が長くなるので、結晶性に優れ且つ結晶粒の粒径が小さい結晶粒からなる強誘電体膜を形成することができる。従って、図8に示すように、容量絶縁膜19を焼結する場合に、0.1℃/秒以上且つ50℃/秒以下の昇温レートで容量絶縁膜19を加熱することが好ましい。この場合、容量素子の分極量は20μC/cm以上の値を得ることができる。
【0056】
図9は、容量絶縁膜19の表面粗さと容量素子のリーク電流値との関係を示している。
【0057】
図9から明らかなように、容量絶縁膜19の表面粗さとして、容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜の表面における平均面から最高部までの距離と前記平均面から最低部までの距離との差が、強誘電体膜の平均膜厚に対して15%以下の値になるので、容量素子のリーク電流値を低減することができる。
【0058】
また、容量絶縁膜19は、容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜の結晶粒の平均粒径に対する強誘電体膜の結晶粒の粒径の分布として、相対標準偏差で15%以内の値を得ることができる。
【0059】
尚、本実施形態において、容量絶縁膜19を構成する強誘電体膜は、酸化ビスマスランタンチタン膜、酸化ストロンチウムタンタル膜及び酸化ストロンチウムタンタルニオブ膜のうち少なくとも1つを含む。また、前記チタン酸ビスマスランタン膜の代わりに、チタン酸ビスマス膜、タンタル酸ストロンチウムビスマス膜若しくはチタン酸鉛等の他の強誘電体材料膜又はチタン酸バリウム等の高誘電体材料膜を用いても前記と同様の効果が得られる。
【0060】
また、本実施形態において、容量素子を構成する第1の電極18の材料又は第2の電極20の材料として白金膜を用いる代わりに、強誘電体膜の材料に対する酸素雰囲気下での焼結中に電気伝導性が失われない材料よりなる膜であれば使用可能であり、例えば、白金膜、イリジウム膜、ルテニウム膜、酸化白金膜、酸化イリジウム膜、酸化ルテニウム膜又はこれらを含む積層膜を白金膜の代わりに用いても前記と同様の効果が得られる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、第1の電極と容量絶縁膜との界面近傍における強誘電体膜の結晶粒の平均粒径が、5nm以上で且つ50nm以下であるため、強誘電体膜の結晶粒が強誘電体膜の材料と電極の材料との格子整合により非分極方向へ配向することが抑制されると共に、強誘電体膜を構成する結晶粒は第1の電極と第2の電極との間に生じる電界の方向と略平行に配向するので、優れた分極特性を有する微細な強誘電体膜を得ることができる。これにより、微少な体積であっても優れた分極特性を有する強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を用いる半導体装置を提供できる。その結果、不揮発性メモリに必要な分極特性を発揮すると共に小型化された高集積の半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図2】強誘電体膜に用いられる強誘電体材料であるチタン酸ビスマスランタンの単位結晶格子の模式図である。
【図3】大きな粒径を有する結晶粒からなる強誘電体膜の概略模式図である。
【図4】容量絶縁膜を構成する強誘電体膜の結晶粒の平均粒径と、強誘電体膜の結晶粒のうち、結晶粒の分極方向が第1の電極と第2の電極との間に生じる電界の方向に対してプラスマイナス30度以内に配向している結晶粒の割合との関係を示すグラフである。
【図5】容量絶縁膜を構成する強誘電体膜の結晶粒の平均粒径と容量素子の分極値との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の本実施形態に係る強誘電体膜の概略模式図である。
【図7】容量絶縁膜の上面側から供給される熱量と下面側から供給される熱量との比と、容量素子の分極値との関係を示すグラブである。
【図8】容量絶縁膜を焼結(加熱)する場合の昇温レートと容量素子の分極値との関係を示すグラフである。
【図9】容量絶縁膜の表面粗さと容量素子のリーク電流値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 半導体基板
11 素子分離領域
12 ゲート絶縁膜
13 ゲート電極
14 第1の保護絶縁膜
15 不純物拡散層
16 第2の保護絶縁膜
17 コンタクトプラグ
18 第1の電極
18a 第1の電極の結晶粒
19 容量絶縁膜
19a 容量絶縁膜の結晶粒
20 第2の電極
61 容量絶縁膜の結晶粒の配向方向

Claims (11)

  1. 下地となる第1の電極と、前記第1の電極の上に形成された強誘電体膜よりなる容量絶縁膜と、前記容量絶縁膜の上に形成された第2の電極とを有する半導体装置であって、
    前記第1の電極と前記容量絶縁膜との界面近傍における前記強誘電体膜の結晶粒の平均粒径は、5nm以上で且つ50nm以下であることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記強誘電体膜の結晶粒のうち、前記第1の電極と前記第2の電極との間に生じる電界の方向に対してプラスマイナス30度以内に配向している結晶粒の割合が25%以上であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記強誘電体膜の膜厚は、100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記強誘電体膜の結晶粒の平均粒径に対する前記結晶粒の粒径の分布は、相対標準偏差で15%以内であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記強誘電体膜の表面における平均面から最高部までの距離および前記平均面から最低部までの距離との差は、前記強誘電体膜の平均膜厚に対して15%以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  6. 前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの少なくとも1つの電極の面積が、1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  7. 前記強誘電体膜は、酸化ビスマスランタンチタン膜、酸化ストロンチウムタンタル膜及び酸化ストロンチウムタンタルニオブ膜の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置
  8. 前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの少なくとも1つの電極は、白金膜、イリジウム膜、ルテニウム膜、酸化白金膜、酸化イリジウム膜及び酸化ルテニウム膜の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  9. 下地となる第1の電極の上に強誘電体膜よりなる容量絶縁膜を形成する工程を備えた半導体装置の製造方法であって、
    前記容量絶縁膜を形成する工程は、前記強誘電体膜を前記強誘電体膜の上面側と下面側とから加熱する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 前記強誘電体膜を加熱する工程は、前記強誘電体膜の下面側から供給される熱量に対する前記強誘電体膜の上面側から供給される熱量の割合が4分の1以上で且つ4分の3以下であることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記強誘電体膜を加熱する工程は、0.1℃/秒以上で且つ50℃/秒以下の昇温レートで前記強誘電体膜に対して加熱する工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
JP2003162743A 2003-06-06 2003-06-06 半導体装置及びその製造方法 Withdrawn JP2004363492A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003162743A JP2004363492A (ja) 2003-06-06 2003-06-06 半導体装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003162743A JP2004363492A (ja) 2003-06-06 2003-06-06 半導体装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004363492A true JP2004363492A (ja) 2004-12-24

Family

ID=34054806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003162743A Withdrawn JP2004363492A (ja) 2003-06-06 2003-06-06 半導体装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004363492A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010016127A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Tohoku Univ 強誘電体膜、強誘電体膜を有する半導体装置、及びそれらの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010016127A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Tohoku Univ 強誘電体膜、強誘電体膜を有する半導体装置、及びそれらの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3103916B2 (ja) 強誘電体キャパシタおよびその製造方法並びにそれを用いたメモリセル
US7598095B2 (en) Ferroelectric memory and ferroelectric capacitor with Ir-alloy electrode or Ru-alloy electrode and method of manufacturing same
JPH11330411A (ja) 半導体記憶装置及びその製造方法
KR20010101386A (ko) 90 나노미터 이하의 두께를 갖는 강유전성 박막을 지닌강유전성 메모리와 그 제조 방법
JP2009117768A (ja) 半導体記憶装置およびその製造方法
KR100382719B1 (ko) 강유전체 커패시터를 포함하는 반도체 장치 및 그 제조방법
CN101641782B (zh) 半导体器件及其制造方法
JP3931113B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
KR100590536B1 (ko) 반도체 장치의 커패시터, 이를 포함하는 메모리 소자 및커패시터 제조 방법
US20050230725A1 (en) Ferroelectric capacitor having an oxide electrode template and a method of manufacture therefor
JP5655585B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US6297085B1 (en) Method for manufacturing ferroelectric capacitor and method for manufacturing ferroelectric memory
KR100405146B1 (ko) 구조화된 금속 산화물 함유 층의 제조 방법
US20060006450A1 (en) Capacitors having a capacitor dielectric layer comprising a metal oxide having multiple different metals bonded with oxygen
JP2001326337A (ja) 誘電体膜の製造方法、キャパシタの製造方法および半導体装置の製造方法
JP3212194B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2004363492A (ja) 半導体装置及びその製造方法
US8102023B2 (en) Capacitor insulating film, capacitor, and semiconductor device
JP4289843B2 (ja) 半導体素子のキャパシタ製造方法
JP2004335659A (ja) 三次元強誘電体キャパシタ及びその製造方法並びに半導体記憶装置
JP2001028426A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2007184442A (ja) 強誘電体キャパシタ
JP4167792B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2018010934A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2005209870A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080929

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20091001