[go: up one dir, main page]

JP2007184442A - 強誘電体キャパシタ - Google Patents

強誘電体キャパシタ Download PDF

Info

Publication number
JP2007184442A
JP2007184442A JP2006002121A JP2006002121A JP2007184442A JP 2007184442 A JP2007184442 A JP 2007184442A JP 2006002121 A JP2006002121 A JP 2006002121A JP 2006002121 A JP2006002121 A JP 2006002121A JP 2007184442 A JP2007184442 A JP 2007184442A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ferroelectric
film
ferroelectric film
lower electrode
ferroelectric capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006002121A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Hayashi
慎一郎 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2006002121A priority Critical patent/JP2007184442A/ja
Priority to US11/540,761 priority patent/US20070158715A1/en
Publication of JP2007184442A publication Critical patent/JP2007184442A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10DINORGANIC ELECTRIC SEMICONDUCTOR DEVICES
    • H10D1/00Resistors, capacitors or inductors
    • H10D1/60Capacitors
    • H10D1/68Capacitors having no potential barriers
    • H10D1/692Electrodes
    • H10D1/696Electrodes comprising multiple layers, e.g. comprising a barrier layer and a metal layer
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10DINORGANIC ELECTRIC SEMICONDUCTOR DEVICES
    • H10D1/00Resistors, capacitors or inductors
    • H10D1/60Capacitors
    • H10D1/68Capacitors having no potential barriers
    • H10D1/682Capacitors having no potential barriers having dielectrics comprising perovskite structures
    • H10D1/684Capacitors having no potential barriers having dielectrics comprising perovskite structures the dielectrics comprising multiple layers, e.g. comprising buffer layers, seed layers or gradient layers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10DINORGANIC ELECTRIC SEMICONDUCTOR DEVICES
    • H10D1/00Resistors, capacitors or inductors
    • H10D1/60Capacitors
    • H10D1/68Capacitors having no potential barriers
    • H10D1/692Electrodes
    • H10D1/694Electrodes comprising noble metals or noble metal oxides
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10BELECTRONIC MEMORY DEVICES
    • H10B53/00Ferroelectric RAM [FeRAM] devices comprising ferroelectric memory capacitors
    • H10B53/30Ferroelectric RAM [FeRAM] devices comprising ferroelectric memory capacitors characterised by the memory core region

Landscapes

  • Semiconductor Memories (AREA)

Abstract

【課題】分極反転特性に優れ、安定動作が可能な強誘電体キャパシタを提供する。
【解決手段】強誘電体キャパシタは、下部電極と、下部電極の上に形成された強誘電体膜と、強誘電体膜の上に形成された上部電極とよりなる強誘電体キャパシタであって、強誘電体膜を構成する元素の組成プロファイルのばらつきが、強誘電体膜の膜厚方向において50%以下であるとき、強誘電体膜の分極反転時間として1μs以下である。
【選択図】図4

Description

本発明は、誘電体材料を用いた強誘電体メモリに関し、強誘電体膜の分極反転速度の高速化を可能とする強誘電体キャパシタ及びその製造方法に関するものである。
強誘電体メモリの開発において、スタック型構造を採用した256kbit〜4Mbitの大容量の強誘電体メモリを実現するためには、集積度の大幅な向上、すなわち、微細化が不可欠であり、さらに高速動作を図ることが要求されている。例えば、特許文献1及び2に、強誘電体メモリの高速動作を図る方法が提案されている。
例えば、第1の従来例は、強誘電体膜として、ABO3 (但し、A及びBは金属)の強誘電体結晶構造を持つPZTよりなる強誘電体膜を形成する場合については、PTOよりなるシード層を形成した後にPZTよりなる強誘電体膜を成膜してキュリー温度Tcを低下させることにより、強誘電体キャパシタの分極反転特性の劣化を防止して、強誘電体メモリの高速動作を図る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、第2の従来例は、例えば、強誘電体膜として、ビスマス層状の強誘電体結晶構造を持つSBTよりなる強誘電体膜を形成する場合については、強誘電体膜を構成するSrをBaに置換することによって抗電圧を小さくすることができること、又はTaをNbに置換することによって残留分極を大きくすることができることを利用して、強誘電体メモリの高速動作を図る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−99252号公報 特開平9−25124号公報(特許第3106913号公報)
ところで、第1の従来例では、強誘電体のキュリー温度Tcを低下させるために、高温でのキャパシタの動作が不安定になり、リテンション又はインプリントの信頼性特性が劣化する。また、所望のキュリー温度Tcに調整するために精密な組成制御が要求される。また、プロセスの安定性が不安定であって、その安定性の劣化を完全に抑制することは未だに困難な状況である。
また、本件発明者が詳細に検討したところ、第1及び第2の従来例の方法を用いて強誘電体キャパシタを形成した場合には、強誘電体キャパシタの分極反転特性が劣化することが分かった。
前記に鑑み、本発明の目的は、高速動作が可能な強誘電体メモリを実現するための強誘電体キャパシタ及びその製造方法を提供することである。また、安定動作が可能な強誘電体メモリを実現するための強誘電体キャパシタ及びその製造方法を提供することである。
前記の目的を達成するために、本件発明者が上述の第1及び第2の従来例について鋭意検討を重ねた結果、強誘電体キャパシタの強誘電体膜を構成する元素の組成プロファイルのばらつきを低減すること、又は、強誘電体膜を構成するグレインの配向ばらつきを低減させることにより、強誘電体キャパシタの分極反転特性が向上すると共に、安定動作が可能な強誘電体メモリを実現できることを見出した。
前記の知見に鑑みてなされた本発明の第1の側面に係る強誘電体キャパシタは、下部電極と、下部電極の上に形成された強誘電体膜と、強誘電体膜の上に形成された上部電極とよりなる強誘電体キャパシタであって、強誘電体膜を構成する元素の組成プロファイルのばらつきが、強誘電体膜の膜厚方向において50%以下であるとき、強誘電体膜の分極反転時間として1μs以下であり、優れた分極反転特性及び安定動作を実現する。
また、本発明の第1の側面に係る強誘電体キャパシタにおいて、組成プロファイルのばらつきが25%以下であるとき、分極反転時間として100ns以下であり、さらに、組成プロファイルのばらつきが13%以下であるとき、分極反転時間として20ns以下であり、優れた分極反転特性及び安定動作が実現される。
次に、本発明の第2の側面に係る強誘電体キャパシタは、下部電極と、下部電極の上に形成された強誘電体膜と、強誘電体膜の上に形成された上部電極とよりなる強誘電体キャパシタであって、強誘電体膜の配向ばらつきが100%以下であるとき、強誘電体膜の分極反転時間が1μs以下であり、優れた分極反転特性及び安定動作を実現する。
また、本発明の第2の側面に係る強誘電体キャパシタにおいて、強誘電体膜の配向ばらつきが50%以下であるとき、強誘電体膜の分極反転時間が100ns以下であり、さらに、強誘電体膜の配向ばらつきが20%以下であるとき、強誘電体膜の分極反転時間が20ns以下であり、優れた分極反転特性及び安定動作が実現される。
本発明の第3の側面に係る強誘電体キャパシタは、下部電極と、下部電極の上に形成された強誘電体膜と、強誘電体膜の上に形成された上部電極とよりなる強誘電体キャパシタであって、強誘電体膜を構成する元素のうち揮発性が相対的に高い元素の組成比が強誘電体膜の膜厚方向に滑らかな分布を有し、揮発性が相対的に高い元素が強誘電体膜の膜厚中心近傍で極小となり、揮発性が相対的に高い元素が強誘電体膜と下部電極と、上部電極との界面近傍で極大となり、優れた分極反転特性及び安定動作を実現する。
本発明の第3の側面に係る強誘電体キャパシタにおける具体的な構成例として、強誘電体膜は、Pbを含むABO3 の(但し、A及びBは金属)強誘電体結晶構造を有しており、相対的に揮発性が高い元素はPbである。
また、本発明の第3の側面に係る強誘電体キャパシタにおける具体的な他の構成例として、強誘電体膜は、ビスマス層状の強誘電体結晶構造を有しており、相対的に揮発性が高い元素がBiである。
本発明の第3の側面に係る強誘電体キャパシタの製造方法の第1は、上述の本発明の第3の側面に係る強誘電体キャパシタを製造する方法に関し、強誘電体膜は、Pbを含むABO3 の(但し、A及びBは金属)強誘電体結晶構造を有しており、相対的に揮発性が高い元素は、Pbであり、強誘電体膜の形成は、下部電極の上に、組成比が化学量論組成比よりも大きくなる数のPbを含有する第1の強誘電体膜を形成する第1の工程と、第1の強誘電体膜の上に、組成比が化学量論組成比よりも小さくなる数のPbを含有する第2の強誘電体膜を形成する第2の工程と、第2の強誘電体膜の上に、組成比が化学量論組成比よりも大きくなる数のPbを含有する第3の強誘電体膜を形成する第3の工程とを有する。
本発明の第3の側面に係る強誘電体キャパシタの製造方法の第2は、上述の本発明の第3の側面に係る強誘電体キャパシタを製造する方法であって、強誘電体膜は、ビスマス層状の強誘電体結晶構造を有しており、相対的に揮発性が高い元素は、Biであり、強誘電体膜の形成は、下部電極の上に、組成比が化学量論組成比よりも大きくなる数のPbを含有する第1の強誘電体膜を形成する第1の工程と、第1の強誘電体膜の上に、組成比が化学量論組成比よりも小さくなる数のPbを含有する第2の強誘電体膜を形成する第2の工程と、第2の強誘電体膜の上に、組成比が化学量論組成比よりも大きくなる数のPbを含有する第3の強誘電体膜を形成する第3の工程とを有する。
本発明の第3の側面に係る強誘電体キャパシタの製造方法の第1又は第2によると、強誘電体膜の配向ばらつきを減少させることができ、強誘電体膜の分極反転特性のばらつきを防いで、優れた分極反転特性及び安定動作が実現される。
本発明の第3の側面に係る強誘電体キャパシタの製造方法の第1又は第2において、第1の工程及び第2の工程の後に、第1の強誘電体膜及び第2の強誘電体膜の結晶化温度よりも高い温度にて熱処理を行うことにより、Pb元素の濃度又はBi元素の濃度勾配を持たせることができる。
本発明の強誘電体キャパシタによると、半導体プロセス中における強誘電体材料の劣化、特に半導体の微細化に伴う電気的特性の低下を防いで、高速動作及び安定動作に優れた強誘電体キャパシタを実現できる。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る強誘電体キャパシタ及びその製造方法について説明する。
図1(a)〜(c)並びに図2(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。
図1(a)に示すように、メモリセルトランジスタ(図示せず)などが形成されている半導体基板101の上に、例えばBPSG(例えばB又はPなどが添加されてなるSiO2 )膜よりなる第1の層間絶縁膜102を形成する。続いて、第1の層間絶縁膜102に、下端が半導体基板101の上面に到達し、例えばタングステン又はポリシリコンよりなるコンタクトプラグ103を形成する。続いて、第1の層間絶縁膜102の上に、下面がコンタクトプラグ103の上端に接続し、例えばIrO、Ir、TiAlN及びTiNのうちいずれか一層又は選択された複数層よりなる酸素バリアとして機能するバリア層と、後述する強誘電体膜の結晶成長を促進する貴金属層とが下からこの順で積層されてなる下部電極104を形成する。なお、下部電極104は、第1のコンタクトプラグ303を覆うようにパターニングされる。
次に、図1(b)に示すように、第1の層間絶縁膜102の上に、下部電極104を覆うように、例えばSiO2 又はO3TEOS よりなる埋め込み絶縁膜を成膜した後に、CMPを用いて下部電極104の上面を露出させることにより、第1の層間絶縁膜102の上に、下部電極104を取り囲む埋め込み絶縁膜105を形成する。なお、ここでは、下部電極104を絶縁膜中に埋め込む構成にしているが、この構成に限定されるものではない。
次に、図1(c)に示すように、下部電極104及び埋め込み絶縁膜105の上に、例えば、SBTN(SrBi2(Ta1-bNbb29)からなる強誘電体膜106、及びPt、Ir及びIrOのうちいずれか1層又は選択された複数層よりなる導電膜107を下から順に形成する。ここで、強誘電体膜106の形成としては、強誘電体膜を構成する元素のうち相対的に揮発性が高い元素を過剰に含む(少なくとも、当該元素の組成比が化学量論組成比よりも大きくなるように)第1の強誘電体膜を形成した後に、当該第1の強誘電体膜の上に、強誘電体膜を構成する元素のうち相対的に揮発性が高い元素を過少に含む(少なくとも、当該元素の組成比が化学量論組成比よりも小さくなるように)第2の強誘電体膜を形成した後に、当該第2の強誘電体膜の上に、強誘電体膜を構成する元素のうち相対的に揮発性が高い元素を過剰に含む(少なくとも、当該元素の組成比が化学量論組成比よりも大きくなるように)第3の強誘電体膜を形成してなる強誘電体膜106を形成することが好ましい。その後、結晶成長の基点となる核を形成する目的で、高速加熱処理(RTP)によって仮焼結を行う。
次に、図2(a)に示すように、強誘電体膜106a及び導電膜107をパターニングすることにより、下部電極104の上面を被覆する強誘電体膜106a及び上部電極107aを形成する。なお、ここでは、強誘電体膜106a及び導電膜107を同じマスクを用いてパターニングしたが、別マスクを用いるようにしてもよい。
次に、図2(b)に示すように、強誘電体膜106aを結晶化するための熱処理を行うことにより、結晶化された強誘電体膜106bを形成する。このようにして、下部電極104、強誘電体膜106b及び上部電極107aよりなる強誘電体キャパシタが形成される。また、熱処理として、強誘電体膜106を塗布した直後(図1(c)参照)と本図2(b)に示した工程の2回行う場合について説明したが、強誘電体膜形106を塗布した後に少なくとも一回いずれかの工程で行うようにすればよい。なお、その後の工程としては、図示していないが、例えば、強誘電体キャパシタを覆うように第3の層間絶縁膜を形成し、該第3の層間絶縁膜に、下端が上部電極107aの上面に接続する第2のコンタクトプラグを形成した後に、該第3の層間絶縁膜の上に、下面が第2のコンタクトプラグの上端に接続するAl/TiN/Tiの積層膜よりなる配線(ビット線)を形成する。
以上のように、本発明の第1の実施形態によると、強誘電体膜から揮発性の高い元素が拡散することによる強誘電体の該元素欠損、又は該元素欠損に伴って生じる強誘電体膜の他の構成元素の欠損を防止することができるので、強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜を構成する元素の膜厚方向における組成プロファイルを均一にすることができる。
ここで、本発明の第1の実施形態による効果について具体的に説明する。
図3(a)は、実際に作製した本実施形態に係る強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜を構成する元素の膜厚方向における組成プロファイルを示している。図3(a)に示す強誘電体膜(SBTN)としては、一例として、Sr0.8Bi2.54Ta2x を10nm塗布した後に、Sr0.7Ba0.1Bi2La0.14Ta2x を80nm塗布し、さらにSr0.8Bi2.54Ta2x を10nm塗布して形成したもので、有機金属熱分解法を用いた。図3(b)は、実際に作製した従来に係る強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜を構成する元素の膜厚方向における組成プロファイルを示している。
図3(a)及び(b)から明らかなように、図3(a)に示した本実施形態に係る強誘電体キャパシタは、図3(b)に示した従来例に係る強誘電体キャパシタを構成する元素の膜厚方向における組成プロファイルと比較すると、下部電極と強誘電体膜との界面近傍においてBi欠損が増強され、界面付近でのいわゆる劣化層の形成が抑制され、分極反転の阻害要因が補償されていることが分かる。つまり、強誘電体膜を構成する元素のうち揮発性が相対的に高いBi元素の組成比が強誘電体膜の膜厚方向に滑らかな分布を有し、Bi元素が膜厚中心近傍で極小となり、Bi元素が強誘電体膜と下部電極、及び強誘電体膜と上部電極との界面近傍で極大となっている。
なお、強誘電体膜として、ビスマス層状の強誘電体結晶構造を有するSBTNを用いたが、Pbを含むABO3 の(但し、A及びBは金属)強誘電体結晶構造を用いてもよい。
また、図4は、本実施形態に係る強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜を構成する元素の組成プロファイルのばらつき(%)と、強誘電体キャパシタにおける分極反転速度(ナノ秒)との関係図を示している。ここで、横軸の組成プロファイルのばらつきは、下部電極を形成する際における酸素ガスの添加量を変化させることにより、該下部電極の上に形成される強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜を構成する元素の膜厚方向における組成プロファイルのばらつきを変化させた値を示しており、この値に対応する強誘電体キャパシタにおける分極反転速度(ナノ秒)を縦軸に示している。また、横軸の組成プロファイルのばらつきの値は、上述の図3(a)に示したSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)プロファイルの各膜厚での最大値を100%として膜厚方向に積分して計算した。
図4から明らかなように、本実施形態に係る強誘電体キャパシタにおいて、強誘電体膜を構成する元素の膜厚方向における組成プロファイルのばらつきが50%以下であるときに、強誘電体膜の分極反転時間として1μs以下を実現できることが分かる。このとき使用した強誘電体SBTNの膜厚は240nmである。同様に、組成プロファイルのばらつきが25%以下であるときに、分極反転時間として100ns以下を実現できることが分かる。このとき使用した強誘電体SBTNの膜厚は100nmである。組成プロファイルのばらつきが13%以下であるときに、分極反転時間として20ns以下を実現することが分かる。このとき使用した強誘電体SBTNの膜厚は60nmである。
以上のように、本発明によれば、強誘電体膜を構成する元素のうち揮発性が相対的に高い元素の組成比が強誘電体膜の膜厚方向に滑らかな分布を有し、該元素が膜厚中心近傍で極小となり、該元素が強誘電体膜と下部電極、及び強誘電体膜と上部電極との界面近傍で極大となると共に、強誘電体膜の構成元素の組成プロファイルのばらつきをより少なくすることにより、強誘電体キャパシタの高速動作を実現することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る強誘電体キャパシタ及びその製造方法について説明する。
図5(a)〜(c)並びに図5(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。
図5(a)に示すように、メモリセルトランジスタ(図示せず)などが形成されている半導体基板201の上に、例えばBPSG(例えばB又はPなどが添加されてなるSiO2 )膜よりなる第1の層間絶縁膜202を形成する。続いて、第1の層間絶縁膜202に、下端が半導体基板201の上面に到達し、例えばタングステン又はポリシリコンよりなる第1のコンタクトプラグ203を形成する。続いて、第1の層間絶縁膜202の上に、下面が第1のコンタクトプラグ203の上端に接続し、例えばIrO、Ir、TiAlN及びTiNのうちいずれか一層又は選択された複数層よりなる酸素バリアとして機能するバリア層と、後述する強誘電体膜の結晶成長を促進する貴金属層とが下からこの順で積層されてなる下部電極204を形成する。なお、下部電極204は、第1のコンタクトプラグ203を覆うようにパターニングされる。
ここで、下部電極204のうち、少なくとも後述する強誘電体膜206と接する部分を形成する際には、例えば、基板温度が200℃以上であって且つ2kW以下の電力量条件下にてスパッタリングによって形成する。これにより、下部電極204における上層部分は均一な配向性を実現する。このため、該下部電極204の上に形成する強誘電体膜206の配向ばらつきを低減させることができる。
次に、図5(b)に示すように、第1の層間絶縁膜202の上に、下部電極204を覆うように、例えばSiO2 又はO3TEOS よりなる埋め込み絶縁膜を成膜した後に、CMPを用いて下部電極204の上面を露出させることにより、第1の層間絶縁膜202の上に、下部電極204を取り囲む埋め込み絶縁膜205を形成する。なお、ここでは、下部電極204を絶縁膜中に埋め込む構成にしているが、この構成に限定されるものではない。
次に、図5(c)に示すように、下部電極204及び埋め込み絶縁膜205の上に、強誘電体膜206、及びPt、Ir及びIrOのうちいずれか1層又は選択された複数層よりなる導電膜207を下から順に形成する。ここで、強誘電体膜206は、配向ばらつきが低減された下部電極204上に形成されることになるので、強誘電体膜206の配向ばらつきが低減される。また、強誘電体膜206の形成としては、強誘電体膜を構成する元素のうち相対的に揮発性が高い元素を過剰に含む(少なくとも、当該元素の組成比が化学量論組成比よりも大きくなるように)第1の強誘電体膜を形成した後に、当該第1の強誘電体膜の上に、強誘電体膜を構成する元素のうち相対的に揮発性が高い元素を過少に含む(少なくとも、当該元素の組成比が化学量論組成比よりも小さくなるように)第2の強誘電体膜を形成した後に、当該第2の強誘電体膜の上に、強誘電体膜を構成する元素のうち相対的に揮発性が高い元素を過剰に含む(少なくとも、当該元素の組成比が化学量論組成比よりも大きくなるように)第3の強誘電体膜を形成してなる強誘電体膜106を形成してもよい。その後、結晶成長の基点となる核を形成する目的で、高速加熱処理(RTP)によって仮焼結を行う。
次に、図6(a)に示すように、強誘電体膜206a及び導電膜207をパターニングすることにより、下部電極204の上面を被覆する強誘電体膜206a及び上部電極207aを形成する。なお、ここでは、強誘電体膜206a及び導電膜207を同じマスクを用いてパターニングしたが、別マスクを用いるようにしてもよい。
次に、図6(b)に示すように、強誘電体膜206aを結晶化するための熱処理を行うことにより、結晶化された強誘電体膜206bを形成する。このようにして、下部電極204、強誘電体膜206b及び上部電極207aよりなる強誘電体キャパシタが形成される。また、熱処理として、強誘電体膜206を塗布した直後(図5(c)参照)と本図6(b)に示した工程の2回行う場合について説明したが、強誘電体膜形206を塗布した後に少なくとも一回いずれかの工程で行うようにすればよい。なお、その後の工程としては、図示していないが、例えば、強誘電体キャパシタを覆うように第2の層間絶縁膜を形成し、該第2の層間絶縁膜に、下端が上部電極207aの上面に接続する第2のコンタクトプラグを形成した後に、該第2の層間絶縁膜の上に、下面が第2のコンタクトプラグの上端に接続するAl/TiN/Tiの積層膜よりなる配線(ビット線)を形成する。
以上のように、本発明の第2の実施形態によると、下部電極における強誘電体膜と接する部分の配向性を均一にすることにより、下部電極の上に形成する強誘電体膜の配向ばらつきを低減させることができるので、強誘電体膜の分極反転特性の劣化を防止することができる。
ここで、本発明の第2の実施形態による効果について具体的に説明する。
図7は、本実施形態における強誘電体膜の配向ばらつき(%)と、強誘電体キャパシタにおける分極反転速度(ナノ秒)との関係図を示している。なお、図7に示す結果は、実際に作製した本実施形態に係る強誘電体キャパシタについて得られた結果であり、具体的には以下の条件で作製したものである。つまり、図5(a)に示す下部電極204の形成としては、一例として、基板温度が300℃であって且つ2kWの電力量条件下でスパッタリングによって行った(但し、図7では、本スパッタリングの条件として前述した200℃以上であって且つ2kW以下の電力量条件下で種々変化させることにより、強誘電体膜の配向ばらつきを変化させた結果を示している)。また、図5(c)に示す強誘電体膜206の形成としては、一例として、有機金属熱分解法を用いて、ビスマスが過剰に添加されたSr0.8Bi2.54Ta2x よりなる強誘電体溶液を10nm塗布し、さらに、ビスマスを過少に含むSr0.7Ba0.1Bi2La0.14Ta2x よりなる強誘電体溶液を80nm塗布し、さらにSr0.8Bi2.54Ta2x を10nm塗布してなる強誘電体膜206を形成した。
図7から明らかなように、本実施形態に係る強誘電体キャパシタにおいて、強誘電体膜の配向ばらつきが100%以下であるときに、強誘電体膜の分極反転時間として1μs以下を実現できることが分かる。なお、配向ばらつき100%とはランダム配向している状態を意味する。このとき使用した強誘電体SBTNの膜厚は240nmである。同様に、配向ばらつきが50%以下であるときに、分極反転時間として100ns以下を実現できることが分かる。このとき使用した強誘電体SBTNの膜厚は100nmである。配向ばらつきが20%以下であるときに、分極反転時間として20ns以下を実現することが分かる。このとき使用した強誘電体SBTNの膜厚は60nmである。
以上のように、本発明によれば、強誘電体キャパシタを構成する強誘電体膜の配向のばらつきをより少なくすることにより、強誘電体キャパシタの分極反転速度の劣化を引き起こすばらつき分布のすその部分が除去される構成となり、強誘電体キャパシタの高速動作を実現することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、上述した第1及び第2の実施形態で説明したように、強誘電体膜の分極反転時間を短縮することによって分極反転特性の劣化を低減する目的で、強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜を構成する元素の組成プロファイルのばらつきを低減できる、さらには、強誘電体膜の配向ばらつきを低減できる、強誘電体キャパシタの製造方法について、強誘電体膜を構成する材料毎に分けて説明する。
−SBTNよりなる強誘電体膜の場合−
図8(a)〜(c)並びに図9(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態におけるSBTNよりなる強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。
図8(a)に示すように、メモリセルトランジスタ(図示せず)などが形成されている半導体基板301の上に、例えばBPSG(例えばB又はPなどが添加されてなるSiO2 )膜よりなる第1の層間絶縁膜302を形成する。続いて、第1の層間絶縁膜302に、下端が半導体基板301の上面に到達し、例えばタングステン又はポリシリコンよりなる第1のコンタクトプラグ303を形成する。続いて、第1の層間絶縁膜302の上に、下面が第1のコンタクトプラグ303の上端に接続し、例えばIrO、Ir、TiAlN及びTiNのうちいずれか一層又は選択された複数層よりなり、酸素バリアとして機能するバリア層と、後述する強誘電体膜の結晶成長を促進する貴金属層とが下からこの順で積層されてなる下部電極304を形成する。なお、下部電極304は、第1のコンタクトプラグ303を覆うようにパターニングされる。
次に、図8(b)に示すように、第1の層間絶縁膜302の上に、下部電極304を覆うように、例えばSiO2 又はO3TEOS よりなる埋め込み絶縁膜を成膜した後に、CMPを用いて下部電極304の上面を露出させることにより、第1の層間絶縁膜302の上に、下部電極304を取り囲む埋め込み絶縁膜305を形成する。なお、ここでは、下部電極304を絶縁膜中に埋め込む構成にしているが、この構成に限定されるものではない。
次に、図8(c)に示すように、下部電極304及び埋め込み絶縁膜305の上に、強誘電体膜306、及びPt、Ir及びIrOのうちいずれか1層又は選択された複数層よりなる導電膜307を下から順に形成する。
ここで、強誘電体膜306の形成としては、下部電極304及び埋め込み絶縁膜305上に、スピンコート法を用いて、ビスマスが過剰に添加されたSr0.8Bi2.54Ta2x よりなる強誘電体溶液を10nm塗布し、ビスマスを過少に含むSr0.7Ba0.1Bi2La0.14Ta2y よりなる強誘電体溶液を70nm塗布し、さらにビスマスが過剰に添加されたSr0.8Bi2.54Ta2x よりなる強誘電体溶液を10nm塗布した後に、溶媒が揮発する温度程度(150〜300℃)でウエハベークすることにより、強誘電体膜306を形成する。その後、結晶成長の基点となる核を形成する目的で、高速加熱処理(RTP)によって仮焼結を行う。強誘電体材料の種類によって核を形成する温度は異なるが、SBT材料の場合には約650℃程度の温度での仮焼結となる。
次に、図9(a)に示すように、強誘電体膜306a及び導電膜307をパターニングすることにより、下部電極304の上面を被覆する強誘電体膜306a及び上部電極307aを形成する。なお、ここでは、強誘電体膜306a及び導電膜307を同じマスクを用いてパターニングしたが、別マスクを用いるようにしてもよい。
次に、図9(b)に示すように、強誘電体膜306aを結晶化するための熱処理を行うことにより、結晶化された強誘電体膜306bを形成する。ここでは、SBTNよりなる強誘電体膜306aであるので、約650℃〜800℃程度の温度で熱処理を行う。また、熱処理として、強誘電体膜306を塗布した直後(図8(c)参照)と本図9(b)に示した工程の2回行う場合について説明したが、強誘電体膜形306を塗布した後に少なくとも一回いずれかの工程で行うようにすればよい。このようにして、下部電極304、強誘電体膜306b及び上部電極307aよりなる強誘電体キャパシタが形成される。なお、その後の工程としては、図示していないが、例えば、強誘電体キャパシタを覆うように第2の層間絶縁膜を形成し、該第2の層間絶縁膜に、下端が上部電極307aの上面に接続する第2のコンタクトプラグを形成した後に、該第2の層間絶縁膜の上に、下面が第2のコンタクトプラグの上端に接続するAl/TiN/Tiの積層膜よりなる配線(ビット線)を形成する。
以上のようにすると、Biを過剰に内包する強誘電体膜を形成することにより、熱処理後においても強誘電体膜を構成するBiの欠損を抑制し、電極近傍に強誘電体膜の分極反転特性に寄与しない界面層が生成されることを抑制できるため、強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜を構成する膜厚方向における組成プロファイルのばらつきを低減すると共に強誘電体膜の配向ばらつきを低減することができるので、強誘電体膜を構成するBiの欠損による強誘電体膜の分極反転特性の劣化を防止することできる。
−PZTよりなる強誘電体膜の場合−
図10(a)〜(c)並びに図11(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態におけるPZTよりなる強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。
図10(a)に示すように、メモリセルトランジスタ(図示せず)などが形成されている半導体基板401の上に、例えばBPSG(例えばB又はPなどが添加されてなるSiO2 )膜よりなる第1の層間絶縁膜402を形成する。続いて、第1の層間絶縁膜402に、下端が半導体基板401の上面に到達し、例えばタングステン又はポリシリコンよりなる第1のコンタクトプラグ403を形成する。続いて、第1の層間絶縁膜402の上に、下面が第1のコンタクトプラグ403の上端に接続し、例えばIrO、Ir、TiAlN及びTiNのうちいずれか一層又は選択された複数層よりなり、酸素バリアとして機能するバリア層と、後述する強誘電体膜の結晶成長を促進する貴金属層とが下からこの順で積層されてなる下部電極404を形成する。なお、下部電極404は、第1のコンタクトプラグ403を覆うようにパターニングされる。
次に、図10(b)に示すように、第1の層間絶縁膜402の上に、下部電極404を覆うように、例えばSiO2 又はO3TEOS よりなる埋め込み絶縁膜を成膜した後に、CMPを用いて下部電極404の上面を露出させることにより、第1の層間絶縁膜402の上に、下部電極404を取り囲む埋め込み絶縁膜405を形成する。なお、ここでは、下部電極404を絶縁膜中に埋め込む構成にしているが、この構成に限定されるものではない。
次に、図10(c)に示すように、下部電極404及び埋め込み絶縁膜405の上に、強誘電体膜406、及びPt、Ir及びIrOのうちいずれか1層又は選択された複数層よりなる導電膜407を下から順に形成する。
ここで、強誘電体膜406の形成としては、下部電極404及び埋め込み絶縁膜405上に、スピンコート法を用いて、Pbが過剰に添加されたPb1.5Ca0.1Zr0.47Ti0.53x よりなる強誘電体溶液を5nm塗布し、Pbを過少に含むPb0.95Zr0.47Ti0.53y よりなる強誘電体溶液を40nm塗布し、さらにPb1.5Ca0.1Zr0.47Ti0.53x よりなる強誘電体溶液を5nm塗布した後に、溶媒が揮発する温度程度(150〜300℃)でウエハベークすることにより、強誘電体膜406を形成する。その後、結晶成長の基点となる核を形成する目的で、高速加熱処理(RTP)によって仮焼結を行う。強誘電体材料の種類によって核を形成する温度は異なるが、PZT材料の場合には約450℃程度の温度での仮焼結となる。
次に、図11(a)に示すように、強誘電体膜406a及び導電膜407をパターニングすることにより、下部電極404の上面を被覆する強誘電体膜406a及び上部電極407aを形成する。なお、ここでは、強誘電体膜406a及び導電膜407を同じマスクを用いてパターニングしたが、別マスクを用いるようにしてもよい。
次に、図11(b)に示すように、強誘電体膜406aを結晶化するための熱処理を行うことにより、結晶化された強誘電体膜406bを形成する。ここでは、PZTよりなる強誘電体膜406aであるので、約450℃〜650℃程度の温度で熱処理を行う。また、熱処理として、強誘電体膜406を塗布した直後(図10(c)参照)と本図11(b)に示した工程の2回行う場合について説明したが、強誘電体膜形406を塗布した後に少なくとも一回いずれかの工程で行うようにすればよい。このようにして、下部電極404、強誘電体膜406b及び上部電極407aよりなる強誘電体キャパシタが形成される。なお、その後の工程としては、図示していないが、例えば、強誘電体キャパシタを覆うように第2の層間絶縁膜を形成し、該第2の層間絶縁膜に、下端が上部電極407aの上面に接続する第2のコンタクトプラグを形成した後に、該第2の層間絶縁膜の上に、下面が第2のコンタクトプラグの上端に接続するAl/TiN/Tiの積層膜よりなる配線(ビット線)を形成する。
以上のようにすると、Pbを過剰に内包する強誘電体膜を形成することにより、熱処理後においても強誘電体膜を構成するPbの欠損を抑制し、電極近傍に強誘電体膜の分極反転特性に寄与しない界面層が生成されることを抑制できるため、強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜を構成する元素の膜厚方向における組成プロファイルのばらつきを低減すると共に強誘電体膜の配向ばらつきを低減することができるので、強誘電体膜を構成するPbの欠損による強誘電体膜の分極反転特性の劣化を防止することできる。
−BLTよりなる強誘電体膜の場合−
図12(a)〜(c)並びに図12(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態におけるPZTよりなる強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。
図12(a)に示すように、メモリセルトランジスタ(図示せず)などが形成されている半導体基板501の上に、例えばBPSG(例えばB又はPなどが添加されてなるSiO2 )膜よりなる第1の層間絶縁膜502を形成する。続いて、第1の層間絶縁膜502に、下端が半導体基板501の上面に到達し、例えばタングステン又はポリシリコンよりなる第1のコンタクトプラグ503を形成する。続いて、第1の層間絶縁膜502の上に、下面が第1のコンタクトプラグ503の上端に接続し、例えばIrO、Ir、TiAlN及びTiNのうちいずれか一層又は選択された複数層よりなり、酸素バリアとして機能するバリア層と、後述する強誘電体膜の結晶成長を促進する貴金属層とが下からこの順で積層されてなる下部電極504を形成する。なお、下部電極504は、第1のコンタクトプラグ503を覆うようにパターニングされる。
次に、図12(b)に示すように、第1の層間絶縁膜502の上に、下部電極504を覆うように、例えばSiO2 又はO3TEOS よりなる埋め込み絶縁膜を成膜した後に、CMPを用いて下部電極504の上面を露出させることにより、第1の層間絶縁膜502の上に、下部電極504を取り囲む埋め込み絶縁膜505を形成する。なお、ここでは、下部電極504を絶縁膜中に埋め込む構成にしているが、この構成に限定されるものではない。
次に、図12(c)に示すように、下部電504及び埋め込み絶縁膜505の上に、強誘電体膜506、及びPt、Ir及びIrOのうちいずれか1層又は選択された複数層よりなる導電膜507を下から順に形成する。
ここで、強誘電体膜506の形成としては、下部電極504及び埋め込み絶縁膜505上に、スピンコート法を用いて、Biが過剰に添加されたBi4.4La0.25Ti3x よりなる強誘電体溶液を8nm塗布し、Biを過少に含むBi3.9La0.25Ti3y よりなる強誘電体溶液を60nm塗布し、さらにBiが過剰に添加されたBi4.4La0.25Ti3x よりなる強誘電体溶液を7nm塗布した後に、溶媒が揮発する温度程度(150〜300℃)でウエハベークすることにより、強誘電体膜506を形成する。その後、結晶成長の基点となる核を形成する目的で、高速加熱処理(RTP)によって仮焼結を行う。強誘電体材料の種類によって核を形成する温度は異なるが、BLT材料の場合には約500℃程度の温度での仮焼結となる。
次に、図13(a)に示すように、強誘電体膜506a及び導電膜507をパターニングすることにより、下部電極504の上面を被覆する強誘電体膜506a及び上部電極507aを形成する。なお、ここでは、強誘電体膜506a及び導電膜507を同じマスクを用いてパターニングしたが、別マスクを用いるようにしてもよい。
次に、図13(b)に示すように、強誘電体膜506aを結晶化するための熱処理を行うことにより、結晶化された強誘電体膜506bを形成する。ここでは、BLTよりなる強誘電体膜506aであるので、約500℃〜700℃程度の温度で熱処理を行う。また、熱処理として、強誘電体膜506を塗布した直後(図12(c)参照)と本図13(b)に示した工程の2回行う場合について説明したが、強誘電体膜形506を塗布した後に少なくとも一回いずれかの工程で行うようにすればよい。このようにして、下部電極504、強誘電体膜506b及び上部電極507aよりなる強誘電体キャパシタが形成される。なお、その後の工程としては、図示していないが、例えば、強誘電体キャパシタを覆うように第2の層間絶縁膜を形成し、該第2の層間絶縁膜に、下端が上部電極507aの上面に接続する第2のコンタクトプラグを形成した後に、該第2の層間絶縁膜の上に、下面が第2のコンタクトプラグの上端に接続するAl/TiN/Tiの積層膜よりなる配線(ビット線)を形成する。
以上のようにすると、Biを過剰に内包する強誘電体膜を形成することにより、熱処理後においても強誘電体膜を構成するBiの欠損を抑制し、電極近傍に強誘電体膜の分極反転特性に寄与しない界面層が生成されることを抑制できるため、強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜を構成する元素の膜厚方向における組成プロファイルのばらつきを低減すると共に強誘電体膜の配向ばらつきを低減することができるので、強誘電体膜を構成するBiの欠損による強誘電体膜の分極反転特性の劣化を防止することできる。
上述の実施形態において、強誘電体のAサイト置換金属としてBa、Bi置換材料としてLaを使用したが、上述の例に限定されるものではない。
なお、以上の第1〜第3の実施形態では、下部電極が容量規定口となる、すなわち、下部電極が上部電極よりも小さい構造について説明したが、上部電極が容量規定口となる構造であってもかまわない。また、強誘電体膜が水素によって劣化することを防止する目的で、強誘電体キャパシタの周囲を水素バリア膜によって覆う構造、すなわち、例えば、強誘電体キャパシタの下部に形成される第1の水素バリア膜(SiN、SiON、TiAlO、Al23 )と、強誘電体キャパシタの上部を覆うように形成される第2の水素バリア膜(SiN、SiON、TiAlO、Al23 )とによって、強誘電体キャパシタの上下左右を被覆する構造としてもよい。
以上の各実施形態では、強誘電体膜の形成として、例えばSBTよりなる強誘電体膜の場合、Sr0.8Bi2.54Ta2x よりなる強誘電体溶液とSr0.7Ba0.1Bi2La0.14Ta2x よりなる強誘電体溶液とを用いた場合について説明したが、Sr0.7Ba0.2Bi2.64Ta2x よりなる強誘電体溶液とSr0.8Bi1.99La0.1Ta2xをよりなる強誘電体溶液とを用いてもよく、熱処理に応じて、電極界面におけるBi欠損が補償されるように組成を調整すれば、上記に限定されるものではない。この点、PZT又はBLTよりなる強誘電体膜を形成する場合も同様である。
また、Ba、La等の低Vcが実現される金属は、Biが過剰に含まれる層及び過少に含まれる層のうちのいずれか一方に存在させればよい。LaやCa等の強誘電体キャパシタの特性や信頼性が実現される金属のドーピングをした場合について説明したが、上述の例に限定されるものではなく、さらになくても本発明の効果に影響を与えるものではない。
また、強誘電体膜の膜厚としては、上述の例に限定されるものではなく、所望の分極反転速度が実現されるように設定すればよい。
強誘電体膜を容量絶縁膜として用いた強誘電体キャパシタ及びそれを用いた強誘電体メモリにとって有用である。
(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体キャパシタの膜厚方向プロファイルを示す断面図であり、(b)は、従来例に係る強誘電体キャパシタの膜厚方向プロファイルを示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る強誘電体キャパシタにおける強誘電体構成元素の組成プロファイルのばらつき(%)と分極反転速度(ナノ秒)との関係図である。 (a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態における強誘電体膜の配向ばらつき(%)と分極反転速度(ナノ秒)との関係図である。 (a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態に係るSBTNよりなる強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係るSBTNよりなる強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態に係るPZTよりなる強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係るPZTよりなる強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態に係るBLTよりなる強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係るBLTよりなる強誘電体キャパシタの製造方法を工程順に示す断面図である。
符号の説明
101、201、301、401、501 半導体基板
102、202、302、402、502 第1の層間絶縁膜
103、203、303、403、503 第1のコンタクトプラグ
104、204、304、404、504 下部電極
105、205、305、405、505 埋め込み絶縁膜
106、206、306、406、506 強誘電体膜
106a、206a、306a、406a、506a パターニング後の強誘電体膜
106b、206b、306b、406b、506b 結晶化された強誘電体膜
107、207、307、407、507 導電膜
107a、207a、307a、407a、507a 上部電極

Claims (12)

  1. 下部電極と、前記下部電極の上に形成された強誘電体膜と、前記強誘電体膜の上に形成された上部電極とよりなる強誘電体キャパシタであって、
    前記強誘電体膜を構成する元素の組成プロファイルのばらつきは、前記強誘電体膜の膜厚方向において、50%以下であって、且つ、
    前記強誘電体膜の分極反転時間は、1μs以下である
    ことを特徴とする強誘電体キャパシタ。
  2. 前記組成プロファイルのばらつきは、25%以下であって、且つ、
    前記分極反転時間は、100ns以下ある
    ことを特徴とする請求項1に記載の強誘電体キャパシタ。
  3. 前記組成プロファイルのばらつきは、13%以下であって、且つ、
    前記分極反転時間は、20ns以下ある
    ことを特徴とする請求項1に記載の強誘電体キャパシタ。
  4. 下部電極と、前記下部電極の上に形成された強誘電体膜と、前記強誘電体膜の上に形成された上部電極とよりなる強誘電体キャパシタであって、
    前記強誘電体膜の配向ばらつきは、100%以下であって、且つ、
    前記強誘電体膜の分極反転時間は、1μs以下である
    ことを特徴とする強誘電体キャパシタ。
  5. 前記強誘電体膜の配向ばらつきは、50%以下であり、
    前記強誘電体膜の分極反転時間は、100ns以下であって、且つ、
    ことを特徴とする請求項4に記載の強誘電体キャパシタ。
  6. 前記強誘電体膜の配向ばらつきは、20%以下であって、且つ、
    前記強誘電体膜の分極反転時間は、20ns以下である
    ことを特徴とする請求項4に記載の強誘電体キャパシタ。
  7. 下部電極と、前記下部電極の上に形成された強誘電体膜と、前記強誘電体膜の上に形成された上部電極とよりなる強誘電体キャパシタであって、
    前記強誘電体膜を構成する元素のうち揮発性が相対的に高い元素の組成比が前記強誘電体膜の膜厚方向に滑らかな分布を有し、
    前記揮発性が相対的に高い元素が前記強誘電体膜の膜厚中心近傍で極小となり、
    前記揮発性が相対的に高い元素が前記強誘電体膜と前記下部電極と、前記上部電極との界面近傍で極大となる
    ことを特徴とする請求項1から6に記載の強誘電体キャパシタ。
  8. 前記強誘電体膜は、Pbを含むABO3 の(但し、A及びBは金属)強誘電体結晶構造を有しており、
    前記揮発性が相対的に高い元素は、Pbである
    ことを特徴とする請求項7に記載の強誘電体キャパシタ。
  9. 前記強誘電体膜は、ビスマス層状の強誘電体結晶構造を有しており、
    前記揮発性が相対的に高い元素は、Biである
    ことを特徴とする請求項7に記載の強誘電体キャパシタ。
  10. 請求項7に記載の強誘電体キャパシタを製造する方法であって、
    前記強誘電体膜は、Pbを含むABO3 の(但し、A及びBは金属)強誘電体結晶構造を有しており、
    前記揮発性が相対的に高い元素は、Pbであり、
    前記強誘電体膜の形成は、
    前記下部電極の上に、組成比が化学量論組成比よりも大きくなる数のPbを含有する第1の強誘電体膜を形成する第1の工程と、
    前記第1の強誘電体膜の上に、組成比が化学量論組成比よりも小さくなる数のPbを含有する第2の強誘電体膜を形成する第2の工程と、
    前記第2の強誘電体膜の上に、組成比が化学量論組成比よりも大きくなる数のPbを含有する第3の強誘電体膜を形成する第3の工程と
    を備えたことを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法。
  11. 請求項7に記載の強誘電体キャパシタを製造する方法であって、
    前記強誘電体膜は、ビスマス層状の強誘電体結晶構造を有しており、
    前記揮発性が相対的に高い元素は、Biであり、
    前記強誘電体膜の形成は、
    前記下部電極の上に、組成比が化学量論組成比よりも大きくなる数のBiを含有する第1の強誘電体膜を形成する第1の工程と、
    前記第1の強誘電体膜の上に、組成比が化学量論組成比よりも小さくなる数のBiを含有する第2の強誘電体膜を形成する第2の工程と、
    前記第2の強誘電体膜の上に、組成比が化学量論組成比よりも大きくなる数のBiを含有する第3の強誘電体膜を形成する第3の工程と
    を備えたことを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法。
  12. 前記第3の工程の後に、前記第1の強誘電体膜及び前記第2の強誘電体膜及び前記第3の強誘電体膜の結晶化温度よりも高い温度にて熱処理を行う工程をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
JP2006002121A 2006-01-10 2006-01-10 強誘電体キャパシタ Pending JP2007184442A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006002121A JP2007184442A (ja) 2006-01-10 2006-01-10 強誘電体キャパシタ
US11/540,761 US20070158715A1 (en) 2006-01-10 2006-10-02 Ferroelectric capacitor and method for fabricating the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006002121A JP2007184442A (ja) 2006-01-10 2006-01-10 強誘電体キャパシタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007184442A true JP2007184442A (ja) 2007-07-19

Family

ID=38231971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006002121A Pending JP2007184442A (ja) 2006-01-10 2006-01-10 強誘電体キャパシタ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20070158715A1 (ja)
JP (1) JP2007184442A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012009661A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Konica Minolta Holdings Inc 圧電素子の製造方法ならびに圧電素子およびそれを用いる振動板

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI605587B (zh) * 2015-11-02 2017-11-11 聯華電子股份有限公司 半導體元件及其製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4011334B2 (ja) * 2001-12-04 2007-11-21 富士通株式会社 強誘電体キャパシタの製造方法およびターゲット
JP4221576B2 (ja) * 2003-03-10 2009-02-12 セイコーエプソン株式会社 セラミックス膜の製造方法および強誘電体キャパシタの製造方法、ならびにセラミックス膜、強誘電体キャパシタおよび半導体装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012009661A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Konica Minolta Holdings Inc 圧電素子の製造方法ならびに圧電素子およびそれを用いる振動板

Also Published As

Publication number Publication date
US20070158715A1 (en) 2007-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4428500B2 (ja) 容量素子及びその製造方法
JP4884104B2 (ja) キャパシタを含む半導体装置及びその製造方法
US8236643B2 (en) Method of manufacturing semiconductor device including ferroelectric capacitor
US20130178038A1 (en) Semiconductor device and method of manufacturing the same
JP2008078390A (ja) 半導体装置およびその製造方法
KR19990013720A (ko) 강유전체 캐패시터와 그 제조 방법 및 그 캐패시터를이용한 메모리셀
JP2006270095A (ja) 強誘電体構造物、これの製造方法、これを含む半導体装置及びそれの製造方法
JP2009212448A (ja) 半導体記憶装置およびその製造方法
KR101084408B1 (ko) 반도체 장치 및 그 제조방법
JP2010056275A (ja) 半導体装置の製造方法
JP5655585B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR100405146B1 (ko) 구조화된 금속 산화물 함유 층의 제조 방법
US6872618B2 (en) Methods of forming ferroelectric capacitors with metal oxide for inhibiting fatigue
JP2005327847A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2004253627A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2007184442A (ja) 強誘電体キャパシタ
JP4284228B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR100633330B1 (ko) 반도체 장치의 캐패시터 제조방법
JP2005093605A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2009105223A (ja) 半導体装置及びその製造方法
KR100443362B1 (ko) 2단계 열처리를 적용한 반도체 소자의 캐패시터 제조방법
JP2006318941A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP5007723B2 (ja) キャパシタを含む半導体装置及びその製造方法
KR100448242B1 (ko) 반도체 소자의 캐패시터 상부전극 제조방법
JP2007184440A (ja) 強誘電体キャパシタ及びその製造方法