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JP2004329302A - 体液吸収性パッドおよび体液吸収性物品 - Google Patents

体液吸収性パッドおよび体液吸収性物品 Download PDF

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JP2004329302A JP2003125699A JP2003125699A JP2004329302A JP 2004329302 A JP2004329302 A JP 2004329302A JP 2003125699 A JP2003125699 A JP 2003125699A JP 2003125699 A JP2003125699 A JP 2003125699A JP 2004329302 A JP2004329302 A JP 2004329302A
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Abstract

【課題】ウェットバックを防止する。
【解決手段】体液透過性のトップシート3と体液透過性のバックシート2との間に吸収体4を介在させた尿吸収パッド1において、トップシート3として、身体側から吸収体4側へ通じる孔3pが加工形成されたシートを用いる。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙おむつの使用面に取り付けて使用する尿吸収パッド等の体液吸収性パッド、ならびに体液吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
尿吸収パッドは、図1に示すように、体液吸収保持能力を有する紙おむつ等と組合せて使用されるものであり、特に大人用紙おむつにおいて介護の容易化を図るために使用されている。
【0003】
かかる尿吸収パッドは、頻繁に取り替え可能なものであるが、夜間のように取り替え間隔が長くなる時間帯や点滴後等において大量の排尿があると、その全てを吸収できずに漏れを生じてしまうおそれがある。
【0004】
このため、体液透過性のトップシートと体液透過性のバックシートとの間に吸収体を介在させ、吸収体で吸収しきれない体液は、バックシートを通過させて紙おむつに吸収させる技術(以下、先行技術という)が提案されている。
【特許文献1】
特開平11−267145号公報
【特許文献2】
特開平11−332899号公報
【特許文献3】
特開2002−85453号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記先行技術では、所謂ウェットバック(トップシートの吸収体側に透過した体液がトップシートの身体側に逆戻りする現象のこと。逆戻りともいう。)防止に関して改善の余地があった。
したがって、本発明の主たる課題は、ウェットバックの防止を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
トップシートと体液透過性のバックシートとの間に吸収体を介在させた体液吸収性パッドにおいて、
前記トップシートが、身体側から吸収体側へ通じる孔が加工形成されたものであることを特徴とする体液吸収性パッド。
【0007】
(作用効果)
ウェットバックを防ぐためには、トップシートを透過した体液が速やかにトップシートを離れる作用を有することが重要である。このため、体液不透過性のバックシートを有する一般的な体液吸収性物品では、トップシートの吸収体側面にセカンドシートを設けたり、隙間を設ける等の対策が提案されている。
【0008】
しかし、上記先行技術のように、吸収しきれない体液をバックシートを透過させ外部の物品により吸収する形態では、ある程度の間、トップシートとバックシートとの間に吸収しきれない体液が存在する。よって、大量の体液を処理する場合には、仮にセカンドシートを設ける等の周知技術を応用したとしても、トップシートから体液を素早く隔離するのは困難である。
【0009】
このことは、上記先行技術のような尿吸収パッドにおけるウェットバックを防止するためには、吸収しきれない体液を速やかに外部の吸収性物品に供給することが非常に重要であることを意味する。
【0010】
そこで、本発明者らはバックシートの体液透過容易性について鋭意研究を行った結果、トップシートに保持された体液が、トップシートとバックシートとの間への空気の流入を妨げ、それがバックシートを通じた体液透過を妨げることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明によれば、トップシートが身体側から吸収体側へ通じる孔が加工形成された孔開きシートとされているため、孔によりトップシートとバックシートとの間への空気の流入が確保され、バックシートを通じた体液透過が妨げられ難くなる。よって、吸収体により吸収しきれない体液は速やかに外部に供給され、トップシートから隔離される結果、ウェットバックが起こり難くなるのである。
【0012】
<請求項2記載の発明>
前記吸収体は、直径7mmの円形部分を人工尿150ccが通過する通液時間が8秒以内のものである、請求項1記載の体液吸収性パッド。
【0013】
(作用効果)
前述のとおり、本発明はバックシートを通じた体液透過を促すことにより、ウェットバックを防止するものであるから、吸収体としては本請求項2記載の程度の優れた通液性を有するものが好適である。本請求項規定の通液時間が8秒を超えると、逆戻りする前に吸収体表面に残存時間が長く不快感がある。
【0014】
<請求項3記載の発明>
前記トップシートは、身体側面が親水性を有し、且つ吸収体側面が撥水性若しくは疎水性を有するものである、請求項1または2記載の体液吸収性パッド。
【0015】
(作用効果)
かかるトップシートは、身体側から吸収体側への体液の通過は円滑迅速に行われるものの、反対に吸収体側から身体側への体液の通過は困難なものであり、かかる構成を前述の本発明の中核作用と組み合わせることにより、よりウェットバック防止効果に優れるようになる。
【0016】
<請求項4記載の発明>
前記吸収体は、毛管吸引力が0.8g以上の高吸収性ポリマーを含むものである、請求項1〜3記載の体液吸収性パッド。
【0017】
(作用効果)
製品においては高吸収性ポリマーに接触する繊維が高吸収性ポリマーの吸収に重大な影響を及ぼす。すなわち、体液吸収性物品における高吸収性ポリマーは、繊維とともに吸収体を構成していたり、また単独で存在しても周囲の繊維部材と接触していたりするものであり、高吸収性ポリマーへの体液供給は、ポリマーに対して直接になされるものと、繊維を介してなされるものとがあり、特に後者は、体液の吸収容量・拡散性に重大な影響を及ぼす。そして、繊維からポリマーに対する体液の移行が困難であると、繊維に保持された体液が他の体液の移動を阻害するため拡散性が低下し、またその結果吸収容量も低下する。
【0018】
本請求項4記載の毛管吸引力は、繊維から体液を吸い取る能力を表すものであり、毛管吸引力が0.8g以上の高吸収性ポリマーを用いると、高吸収性ポリマーの本来の能力が十分に発揮され、製品としての吸収性能が向上するものである。
【0019】
ここで、本発明にいう「毛管吸引力」とは、下記手順▲1▼〜▲6▼により定まる毛管吸引力試験によって測定される所定時間あたりの吸収量であり、高吸収性ポリマーが繊維から体液を吸い取る能力の指標となるものである。
▲1▼ 40mm以上の長さの直線状端縁を有する、厚さ5mmのアクリル板を用意し、これを水平支持し、その直線状端縁の下方に容器を設置する。
▲2▼ 長さ80mm×幅40mmの長方形をなすNo.2ろ紙を用意し、このろ紙を長手方向の中央線に沿って直角に折り曲げ、折り曲げ線から一方側の部分をアクリル板上に載置し、かつ折り曲げ線から他方側の部分をアクリル板の直線状端縁から鉛直下向きに容器内に垂下させる。このとき、ろ紙が容器内壁面に接触しないようにする。
▲3▼ 前記容器内に37℃の人工尿を満たし、前記ろ紙の垂下部分のうち下側20mmを人工尿中に浸漬し、ろ紙による人工尿の吸い上げが飽和状態となるまで静置する。
▲4▼ 長さ20mm×幅20mmの正方形をなす支持材を用意し、その一方側面に、目付け20g/mで塗布された撥水性ホットメルト接着剤を介して、0.15gの高吸収性ポリマーを均一に付着させ、試験片を形成する。
▲5▼ 前記試験片を、高吸収性ポリマーが付着されている側の面を下向きにし、アクリル板上に載置されたろ紙の一方側部分上に載置する。このとき、試験片の幅方向中心線を前記ろ紙の一方側部分における幅方向中心線に合わせ、かつ試験片の一辺が前記ろ紙の折り曲げ線から5mm離間させる。
▲6▼ 試験片をろ紙上に載置してから30分経過した時点で、容器から吸い上げられた人工尿の量を計測し、これを重さに換算した値を毛管吸引力とする。
【0020】
<請求項5記載の発明>
前記バックシートは直径7mmの円形部分を人工尿150ccが通過する通液時間が5〜8秒である、請求項1〜4記載の体液吸収性パッド。
【0021】
(作用効果)
前述のとおり、本発明はバックシートを通じた体液透過を促すことにより、ウェットバックを防止するものであるから、バックシートとしては本請求項5記載の程度の優れた通液性を有するものが好適である。本請求項規定の通液時間が5秒未満であるとパッドによる吸収量が低下し、パッドによる吸収が補完的になるおそれがあり、通液時間が8秒を超えるとウェットバック防止効果自体は発揮されるものの、効果が弱くなる。
【0022】
<請求項6記載の発明>
体液を吸収可能な吸収体と、この吸収体の身体に接する側にトップシートを有する体液吸収性物品において、
前記トップシートは、身体側面が親水性を有し且つ吸収体側面が撥水性または疎水性を有し身体側から吸収体側へ通じる孔が形成されたものであることを特徴とする体液吸収性物品。
【0023】
(作用効果)
かかる体液吸収性物品においては、トップシートが、身体側から吸収体側への体液の通過を円滑迅速に行わしめるものの、反対に吸収体側から身体側への体液の通過は困難ならしめるため、ウェットバックを効果的に防止できる。
【0024】
<請求項7記載の発明>
前記吸収体は、毛管吸引力が0.8g以上の高吸収性ポリマーを含むものである請求項6記載の体液吸収性物品。
【0025】
(作用効果)
前述のとおり、繊維からポリマーに対する体液の移行が困難であると、繊維に保持された体液が他の体液の移動を阻害するため拡散性が低下し、またその結果吸収容量も低下するが、本請求項7記載のように、毛管吸引力が0.8g以上の高吸収性ポリマーを用いると、高吸収性ポリマーの本来の能力が十分に発揮され、製品としての吸収性能が向上する結果、前述のウェットバック防止効果が更に向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】
尿吸収パッドへの応用例を引いて詳説するが、本発明は体液をバックシートを介して外部に送出するものであれば尿吸収パッドに限られるものではない。
【0027】
図1および図2は、本発明を適用した尿吸収パッド例1を示している。このパッド1は、尿等の体液を速やかに透過させる透液性トップシート(表面材)3と、透液性バックシート(裏面材)2と、これら両シート2,3間に設けられた体液を吸収し保持する吸収体4が介在されており、この吸収体4により吸収しきれない体液は透液性バックシートを介して外部に透過するようになっている。
【0028】
透液性裏面シート2としては、通液性に優れる不織布、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートに体液透過孔を多数設けたもの、またはこれに不織布を積層したラミネート不織布等を用いることができ、特に直径7mmの円形部分を人工尿150ccが通過する通液時間が5〜8秒の範囲にあるものが好ましい。
【0029】
この通液時間は、図3に示すように、底面に直径7mmの円孔が開口された測定容器10を用い、底面の外面に試料(この場合)吸収体4を固定し、容器10内に150ccの人孔尿Uを入れ、その全量が吸収体4を通過し終えるまでの時間を測ることにより測定できる。
【0030】
透液性トップシート3としては、身体側から吸収体4側へ通じる孔3pが加工形成されている限り、不織布や多孔性プラスチックシートなど公知の素材を用いることができるが、不織布が好適である。トップシート3に用いる不織布としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法により製造することができる。
【0031】
本発明のトップシート3における孔3pの大きさは適宜定めれば良いが、一つの孔3pの面積が0.3〜4mmであることが好ましく、さらにシートにおける孔3pの占有面積が全面積の5〜30%であることが好ましい。孔3pの面積が0.3mm以下であったり、シートにおける孔3pの占有面積が5%未満であると、通液及び通気性の確保が困難となり易く、孔面積が4mm以上であったり、占有面積が30%以上であるウェットバックの防止が困難となり易い。
【0032】
さらに、本発明のトップシート3は、身体側面が親水性を有し、且つ吸収体側面が撥水性若しくは疎水性を有するものが好ましい。かかる特性のトップシート3は、一層の不織布を用いる場合には、吸収体4側となる面にのみシリコン加工やフッ素加工を施すことで形成でき、複数層(ラミネート不織布含む)の不織布シートを用いる場合には、吸収体4側となる面に撥水加工を施す他、吸収体4となる側の層を疎水性繊維または撥水処理された繊維で構成することにより形成できる。
【0033】
吸収体4としては、例えばフラッフパルプと高吸収性ポリマーとにより形成された公知のものを用いることができる。高吸収性ポリマーは吸収体4を構成するパルプ中に例えば粉粒体として混入できるほか、吸収体4の表面に保持させたり、繊維表面における重合により固着させることもできる。パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。
【0034】
本発明の吸収体4としては、直径7mmの円形部分を人工尿150ccが通過する通液時間が5〜8秒のものが好ましい。かかる通液性に優れる吸収体4は、例えば吸収体4自体の密度を変えずに厚さを薄くしたり、通液性に優れる高吸収性ポリマー、例えば特開2000−273107号公報や特開2001−2935号公報に開示されているもの等を用いることにより形成することができる。
【0035】
また、吸収体4に用いる高吸収性ポリマーの種類としては、自重のたとえば20倍以上の体液を吸収して保持するもの、具体的には、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などを挙げることができる。
【0036】
高吸収性ポリマーとしては、毛管吸引力が0.8g以上、特に1.2g以上のものを用いるのが望ましい。ちなみに、従来一般的に用いられてきた高吸収性ポリマーの毛管吸引力は0.7g以下である。毛管吸引力は体液吸収時における膨潤挙動と深い関係がある。すなわち、吸収速度が速すぎると膨潤した高吸収性ポリマー層内に空隙が発生し、毛管吸引力が減少する。よって、毛管吸引力が0.8g以上の高吸収性ポリマーは、吸収速度を中程度にするとともに、粒子間隙の均一性を確保するために粒径分布をシャープ(単分散に近づける)にすることにより製造できる。かかる高吸収性ポリマーとしては、粉砕タイプのものでも良いが、粒径の均一性の観点から逆相懸濁乳化重合法によるクラスター粒子が好適である。
【0037】
前述の毛管吸引力試験は、具体的には、図4及び図5に示すように、ビュレット20と容器21とを用意し、鉛直方向に沿って支持されたビュレット20先端開口と容器21底部開口とをフレキシブルチューブ22により連通させるとともに、50mm×50mm×厚さ5mmの正方形アクリル板23を水平に支持し、このアクリル板23の一辺の直線状端縁23eを容器21の略中央上方に離間して配置してなる試験装置を用い、下記に示す(a)〜(e)の手順により行うことができる。
【0038】
(a) 長さ80mm×幅40mmの長方形をなすNo.2ろ紙30を用意し、このろ紙30を長手方向の中央線に沿って直角に折り曲げ、折り曲げ線から一方側の部分31をアクリル板23上に載置し、かつ折り曲げ線から他方側の部分32をアクリル板23の直線状端縁23eから鉛直下向きに容器21内に垂下させる。このとき、ろ紙30が容器21内壁面に接触しないようにする。
【0039】
(b) 容器21内に37℃の人工尿U(100g中に、NHCONH …2.00g、NaCl…0.80g、MaSO・2HO…0.08g、CaCl・2HO…0.03g、イオン交換水…97.09g)を満たし、ろ紙30の垂下部分32のうち下側半分32u(20mm)を人工尿U中に浸漬し、ろ紙30が人工尿Uを吸い上げて飽和状態(ろ紙30全体が人工尿で濡れ、それ以上吸い上げが進行しない状態)となるまで、具体的に本試験装置の場合、人工尿Uの吸い上げに伴うビュレット内液面fの低下が停止してから1分後の状態となるまで静置する。この飽和状態となるまでには、およそ12〜15分程度かかる。飽和状態となったならば、ビュレット内液面fの目盛値を控えておく。
【0040】
(c) 他方で、不織布シート(ポリエステルスパンボンド不織布、坪量18g/m)を用いて長さ20mm×幅20mmの正方形をなす支持材41を用意し、その一方側面に、撥水性ホットメルト接着剤(日本NSC社製の商品名ME117)を目付け20g/mで塗布したものを、バット内に0.5cmの厚さまで入れられた高吸収性ポリマーパウダーの平坦な表面に押し付け、支持材41の一方側面全体に0.15gの高吸収性ポリマーpを均一に付着させ、試験片40を形成する。
【0041】
(d) 試験片40を、高吸収性ポリマーpが付着されている側の面を下向きにし、アクリル板23上に載置されたろ紙30の一方側部分上に載置する。このとき、図6に示すように試験片40の幅方向中心線をろ紙30の一方側部分における幅方向中心線に合わせ、かつ試験片40の一辺がろ紙30の折り曲げ線から5mm離間させる。
【0042】
(e) 試験片40をろ紙30上に載置してから、30分経過した時点でビュレット内液面fの目盛値を読み、これを先に計測したろ紙飽和状態におけるビュレット内液面fの目盛値から差して、高吸収性ポリマーpの吸引力により容器21内から吸い上げられた人工尿の量を求め、これを重さに換算した値を毛管吸引力とする。
【0043】
他方、本発明においては、図示形態のように、トップシート3と吸収体4との間に、トップシート3よりも体液浸透速度の速いセカンドシート5を介在させることもできる。本発明は、孔開きトップシート3と透液性バックシート2の組み合わせによりウェットバックを防止することを基本とするものであるが、その効果の質はセカンドシート5の機能とは無関係であり、セカンドシート5を組み込むことにより、トップシート3で受け入れた体液がセカンドシート5に速やかに浸透することにより、ウェットバック防止効果を更に向上させることができる。
【0044】
この機能を満足させるセカンドシート5としては、繊維密度がトップシート3の繊維密度より小さいものを使用できる。また、セカンドシート5は肌に直接接触しないから、短繊維不織布からなるものを用いることもできる。さらに、セカンドシート5として、メッシュ状のフィルムや孔開き不織布なども用いることができる。セカンドシート5は、保水性繊維を含むものであってもよい。この保水性繊維としては、レーヨンやセルロース誘導体などの繊維を挙げることができ、これを他の素材に対して織り込むことができる。セカンドシート5に上記親水剤を添加することもできる。不織布の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ナイロン、レーヨン、ビニロン、アクリルなどを挙げることができ、直接法による場合には、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン繊維からなるものが好適に採用できる。短繊維の接合には、湿式法、乾式法(エアレイ法やカード法)、スパンレース法などにより、熱や接着剤により点接着、水流や針等で交絡させる形態を挙げることができる。コア/シェル、サイドバイサイド構造の複合繊維からなる不織布も挙げることができ、この複合繊維として、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリプロピレンなどを挙げることができる。
【0045】
他方、本実施形態においては、パッド1の表面がわ両側部にそれぞれ、長手方向に沿って、かつほぼ全長に亘ってサイド不織布6,6が設けられているとともに、このサイド不織布6,6の一部6bが側方に延在されるとともに、前記不透液性裏面シート2の一部が側方に延在され、これら側方に延在されたサイド不織布6部分と不透液性裏面シート2部分とがホットメルト接着剤等により接合されている。
【0046】
サイド不織布6としては、重要視する機能に応じてそれぞれ撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、尿の浸透を防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用い、前記ウイング状張り出し部W、Wにおける経血等の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるようにする。サイド不織布6として親水処理不織布を用いるのが望ましい。かかるサイド不織布6としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくは目付け量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。
【0047】
サイド不織布6,6は二重シート構造を有し、その内側部分6Cは吸収コア4の側縁より幅方向中央側に延在され、かつその先端部の二重シート間に糸ゴムなどの弾性伸縮部材6A,6Aが伸張状態でホットメルト接着剤により接着されている。サイド不織布6の長手方向前後端部は、トップシート3表面に接着されているが、中間部分は接着されていない。したがって、使用状態においては、弾性伸縮部材6A,6Aの収縮力により折り返し部分が起立し、横漏れ防止バリヤーとして機能する。
【0048】
(機能的特長)
かくして構成された吸収パッド1は、例えば図6及び図7に示すように紙おむつ50の使用面側に且つ紙おむつの吸収体54と重なるように配置されて使用される。図示の紙おむつ50は、透液性トップシート53と、不透液性バックシート54との間に吸収体54を介在させたものであり、吸収パッド1と同様に両脇に横漏れ防止バリヤー56,56が形成され、不透液性バックシート54の外面が不織布等の外装シート55により覆われ、背側両側部に設けられた止着テープ57を腹側外面に止着するテープ止着式おむつである。これらの構成はあまりにも周知であるためここでは説明を省略する。もちろん、他の構成の紙おむつ或いは他の体液吸収性物品に対して本実施形態の吸収パッド1を用いることもできる。
【0049】
図6及び図7に示す形態において、身体からゾーンZに排泄された体液は、主にパッド1のトップシート3およびセカンドシート5を順に透過して吸収体4に吸収される。一方、吸収体4により吸収しきれない体液は、バックシート2を介してその外側にある紙おむつ50に供給され、当該おむつ50の吸収体54により吸収される。この際、吸収パッド1のトップシート3に加工形成された孔3pにより、トップシート3とバックシート2との間への空気の流入が確保され、バックシート2を通じた体液透過が促進される。よって、吸収体4により吸収しきれない体液は速やかに外部の紙おむつ50に供給され、トップシート3から隔離される結果、ウェットバックが起こり難くなる。
【0050】
したがって、かかる本発明の機能から、前述したように、吸収パッド1の吸収体4およびバックシート2としては直径7mmの円形部分を人工尿150ccが通過する通液時間が5〜8秒の通液性に優れたものが好ましい。
【0051】
ただし、バックシート2を通じた体液の透過を促進できるとしても、一時的には吸収されない体液がトップシート3とバックシート2との間に存在することになる。よって、この点を改善する上で、トップシート3は、身体側面が親水性を有し、且つ吸収体4側面が撥水性若しくは疎水性を有するものとし、一度吸収体4側に透過した体液をトップシート3の撥水性若しくは疎水性により身体側へ逆戻りし難くするのが好ましい。また、毛管吸引力が0.8g以上の高吸収性ポリマーを有する吸収体4を用いることによって、体液の吸収体への移行が円滑・迅速になされるようにするのが好ましい。
【0052】
(他の本発明に係る形態)
他方、上記身体側面が親水性を有し且つ吸収体側面が撥水性または疎水性を有するトップシートは、吸収パッドのみならず、体液を吸収可能な吸収体と、この吸収体の身体に接する側にトップシートを有する体液吸収性物品に適用しても、顕著なウェットバック防止効果がある。この場合、特に吸収体の毛管吸引力が0.8g以上の高吸収性ポリマーを含むであるのが望ましい。また前述の吸収パッドにおけるセカンドシート等の構成も、この場合に好適に応用できる。
【0053】
【実施例】
体液透過性素材に孔を形成したトップシートおよび体液透過性素材からなり孔を有しないバックシートを備えた尿吸収パッド(実施例)と、トップシートに孔が無く且つバックシートが体液不透過性の素材からなる尿吸収パッド(従来例)を製作し、ウェットバック防止効果の確認試験を行った。特記していない条件は各例共通とした。
【0054】
また確認試験は、次のようにして行った。
▲1▼身体装着時の傾斜を想定した15度の傾斜版上に、パッドを平坦に配置し傾斜の上下方向にパッドの長手方向を合わせて固定した。
▲2▼パッドの上端から中央側に100mm、かつパッドの幅方向中央の位置に、ピペットを用いて15cc/secの速さで10秒間人工尿を注入し、その直後にパッドのトップシート全体を覆うように5枚重ねのろ紙を配置し、その上面全体に圧力がかかるように5kgの錘を載せた。
▲3▼錘を載せてから所定時間(1分及び5分の2回試験した)経過した時点で、錘を取り除き、ろ紙に移行した人工尿の重量を測定し、ウェットバック量とした。なお、このウェットバック量は、予めろ紙の重量を測定しておき、これを人工尿吸収後のろ紙重量から差して産出した。
【0055】
測定結果を図8に示した。本発明に係る実施例は従来例と比べてウェットバック防止効果に優れることが確認された。
【0056】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば効果的にウェットバックを防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸収パッド例を示す平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】毛管吸引力試験装置の概要図である。
【図4】毛管吸引力試験に用いる試験装置例を示す概略図である。
【図5】試験片の載置位置を示す平面図である。
【図6】吸収パッドを紙おむつの使用面に配置した状態を示す平面図である。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【図8】試験結果のグラフである。
【符号の説明】
1…尿吸収パッド、2…バックシート、3…トップシート、3p…孔、4…吸収体、5…セカンドシート。

Claims (7)

  1. トップシートと体液透過性のバックシートとの間に吸収体を介在させた体液吸収性パッドにおいて、
    前記トップシートが、身体側から吸収体側へ通じる孔が加工形成されたものであることを特徴とする体液吸収性パッド。
  2. 前記吸収体は、直径7mmの円形部分を人工尿150ccが通過する通液時間が8秒以内のものである、請求項1記載の体液吸収性パッド。
  3. 前記トップシートは、身体側面が親水性を有し、且つ吸収体側面が撥水性若しくは疎水性を有するものである、請求項1または2記載の体液吸収性パッド。
  4. 前記吸収体は、毛管吸引力が0.8g以上の高吸収性ポリマーを含むものである、請求項1〜3記載の体液吸収性パッド。
  5. 前記バックシートは直径7mmの円形部分を人工尿150ccが通過する通液時間が5〜8秒である、請求項1〜4記載の体液吸収性パッド。
  6. 体液を吸収可能な吸収体と、この吸収体の身体に接する側にトップシートを有する体液吸収性物品において、
    前記トップシートは、身体側面が親水性を有し且つ吸収体側面が撥水性または疎水性を有し身体側から吸収体側へ通じる孔が形成されたものであることを特徴とする体液吸収性物品。
  7. 前記吸収体は、毛管吸引力が0.8g以上の高吸収性ポリマーを含むものである請求項6記載の体液吸収性物品。
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