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JP2004322201A - 固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置 - Google Patents

固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置 Download PDF

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JP2004322201A JP2003143710A JP2003143710A JP2004322201A JP 2004322201 A JP2004322201 A JP 2004322201A JP 2003143710 A JP2003143710 A JP 2003143710A JP 2003143710 A JP2003143710 A JP 2003143710A JP 2004322201 A JP2004322201 A JP 2004322201A
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Abstract

【課題】より微細かつ均一な球状化粒子を得ると同時にエネルギ効率の改善、製造コストの節減、機械的性質の向上、鋳造工程の簡便化および製造時間短縮の利点を実現できる半溶融成形用ビレットの製造装置を提供する。
【解決手段】第2スリーブ22の他端側を下方に向けて回動して第2プランジャ32にて閉塞する。第2スリーブ22に攪拌部1で電磁気場を印加する。第2スリーブ22の一端側から溶融金属Mを注湯して半溶融金属スラリを製造する。第2スリーブ22の他端側を上方に向けて回動して、第2スリーブ22を第1スリーブ21に連通する。第1スリーブ21内の第1プランジャ31を固定する。第2プランジャ32で第2スリーブ22内の半溶融金属スラリを加圧して半溶融成形用ビレットを形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁気場を印加しつつ溶融金属を注湯して固液共存状態金属成形用のビレットを製造する固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
固液共存状態金属材料の成形方法としての半溶融成形法は、半凝固成形法と合わせて半凝固あるいは半溶融成形法と呼ばれるが、ここで、半凝固成形法とは、完全に凝固されずに所定の粘性を有する半凝固金属スラリを鋳造あるいは鍛造してビレットや最終成形品を製造する加工法である。また、半溶融成形法とは、前記半凝固成形法により製造されたビレットを半溶融状態のスラリに再加熱した後、このスラリを鋳造あるいは鍛造して最終製品に製造する加工法をいう。
【0003】
ここで、半凝固金属スラリとは、半凝固領域の温度で液相と球状の結晶粒が適切な割合で混在した状態でチクソトロピー(Thixotropic)性により小さな力によっても変形が可能であり、かつ流動性に優れて液相のように成形加工が容易な状態の金属材料を意味する。
【0004】
そして、このような半凝固あるいは半溶融成形法は、鋳造や溶融鍛造など溶融金属を利用する一般的な成形方法に比べて色々な長所を有している。例えば、これら半凝固あるいは半溶融成形法で使用する半凝固あるいは半溶融金属スラリは溶融金属より低温で流動性を有するので、このスラリに露出されるダイの温度を溶融金属の場合よりさらに低めることができ、これによりダイの寿命が延びる。
【0005】
また、スラリがシリンダに沿って押し出される時に乱流の発生が少なくて鋳造過程で空気の混入を減らし、これにより最終製品への気孔発生を減らすことができる。その他にも凝固収縮が少なくて作業性が改善され、製品の機械的特性および耐食性が向上し、製品の軽量化が可能である。これにより、自動車や航空機産業分野、電気電子情報通信装備などの新素材として利用できる。
【0006】
一方、従来の半凝固成形法は、溶融金属を冷却させる時に主に液相線以下の温度で攪拌して既に生成された樹枝状結晶組織を破砕することによって半凝固成形に適合するように球状の粒子に作る方法である。攪拌方法には、機械的攪拌法や電磁気的攪拌法、ガスバブリング、低周波、高周波あるいは電磁気波振動を利用するか、電気的衝撃による攪拌法などが利用された。
【0007】
そして、液相固相混合物を製造する方法としては、溶融金属が固相化する間に強く攪拌しながら冷却している。さらに、この液相固相混合物を製造するための製造装置は、容器に固液混合物を注湯した状態で攪拌棒により攪拌するが、この攪拌棒は所定の粘性を有する固液混合物を攪拌して流動させることによって混合物内の樹枝状構造を破砕するか、破砕された樹枝状構造を分散させるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
ところが、上記液相固相混合物を製造する方法では、冷却過程で既に形成された樹枝状結晶形態を粉砕し、この粉砕した樹枝状結晶を結晶核として球状の結晶を得ているため、初期凝固層の形成による潜熱の発生により冷却速度の低下と製造時間の延長および攪拌容器内での温度不均一による不均一な結晶状態など多くの問題を有している。また、この液相固相混合物を製造するための製造装置の場合にも、機械的攪拌が有する限界によって容器内の温度分布が不均一であり、チャンバ内で作動するために作業時間および後続工程への連係が非常に難しい限界を有している。
【0009】
また、半凝固合金スラリの製造装置としては、コイル付き電磁気場印加手段の内側に順次に冷却マニホールドおよび金型を備えている。そして、この金型の上側は溶融金属が連続して注湯されるように形成されており、冷却マニホールドには冷却水が流れて金型を冷却するように構成されている。さらに、上記半凝固合金スラリの製造装置による半凝固合金スラリの製造方法によれば、まず、金型の上側から溶融金属を注湯し、この溶融金属が金型内を通過しながら冷却マニホールドにより固相化領域を形成するが、ここで電磁気場印加手段により磁場が印加されて樹脂状組織を破砕しながら冷却が進み、下部からインゴットが形成される(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
ところが、上記半凝固合金スラリの製造方法においても、凝固した後に振動を加えて樹枝状組織を破砕するものであるため、工程上および組織構成上の多くの問題を有している。また、上記半凝固合金スラリの製造装置の場合にも、溶融金属が上部から下部に進みながら連続してインゴットを形成しているが、この溶融金属を連続して成長させることによって金属の状態を調節し難く、全体的な工程制御が容易ではない。さらには、電磁気場を印加する前の段階で金型を水冷させているため、この金型の壁面付近と中心付近とでの温度差が著しく大きくなる。
【0011】
さらに、半溶融成形材の製造方法としては、合金中のあらゆる金属成分が液体状態に存在するように合金を加熱した後、得られる液体金属を液相線と固相線との間の温度に冷却させる。この後、剪断力を加えて冷却される溶融金属から形成される樹脂状構造を破壊することによって半溶融成形材を製造している(例えば、特許文献3参照。)。
【0012】
また、半凝固鋳造用金属スラリの製造方法としては、液相線温度の付近または液相線より50℃まで高い温度で溶融金属を容器に注湯する。この後、溶融金属が冷却される過程で溶融金属の少なくとも一部が液相線温度以下になる時点、すなわち、最初に液相線温度を通過する時点で、例えば超音波振動により溶融金属に運動を加える。さらに、この溶融金属に運動を加えた後、徐々に冷却させることによって粒相結晶形態の金属組織を有する半凝固鋳造用金属スラリを製造している(例えば、特許文献4参照。)。
【0013】
ところが、上記半凝固鋳造用金属スラリの製造方法でも、超音波振動などの力が冷却初期に形成される樹脂状結晶組織を破砕するために使われている。また、注湯温度を液相線温度より高くすれば、粒相の結晶形態を得がたく、同時に溶湯を急激に冷却させ難い。さらに、表面部と中心部の組織が不均一になる。
【0014】
さらに、半溶融金属の成形方法としては、溶融金属を容器に注湯した後、振動バーを溶融金属中に浸漬させて溶融金属と直接接触させた状態で振動させて溶融金属に振動を与えている。具体的には、振動バーの振動力を溶融金属に伝達することによって、液相線温度以下で結晶核を有する固液共存状態の合金を形成する。この後、所定の液相率を示す成形温度まで溶融金属を容器内で冷却させながら30秒以上60分以下の間維持することによって結晶核を成長させて半溶融金属を得る。ところが、この方法で得られる結晶核の大きさは約100μmであり、工程時間が相当長く、所定大きさ以上の容器に適用し難い(例えば、特許文献5参照。)。
【0015】
また、半溶融金属スラリの製造方法としては、冷却と攪拌とを同時に精密に制御することによって半溶融金属スラリを製造している。具体的には、溶融金属を混合容器に注湯した後、混合容器周囲に設置された固定子アセンブリを作動させて容器内の溶融金属を急速に攪拌するのに十分な起磁力を発生させる。さらに、混合容器の周囲に設けられて容器および溶融金属の温度を精密に調節する作用をするサーマルジャケットを利用して溶融金属の温度を急速に落とす。溶融金属が冷却される時に溶融金属は攪拌され続け、固相率が低い時には速い攪拌を提供し、固相率が高まるにつれて強まった起電力を提供する方式で調節される(例えば、特許文献6参照。)。
【0016】
【特許文献1】
米国特許第3948650号明細書(第3−8欄および図3)
【0017】
【特許文献2】
米国特許第4465118号明細書(第4−12欄、図1、図2、図5および図6)
【0018】
【特許文献3】
米国特許第4694881号明細書(第2−6欄)
【0019】
【特許文献4】
特開平11−33692号公報(第3−5頁および図1)
【0020】
【特許文献5】
特開平10−128516号公報(第4−7頁および図3)
【0021】
【特許文献6】
米国特許第6432160号明細書(第7−15欄、図1Aないし図2Bおよび図4)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、上記従来の半凝固あるいは半溶融成形法およびその製造装置では、冷却過程で既に形成された樹脂状結晶形態を粉砕して粒相の金属組織にするために剪断力を利用している。したがって、溶融金属の少なくとも一部が液相線以下に下がってこそ振動などの力を加えるので初期凝固層の形成による潜熱の発生により冷却速度の減少および製造時間の増加など各種の問題を避けにくい。また、得られた金属組織も容器内での温度の不均一によって全体的に均一でかつ微細な組織を得難く、溶融金属の容器への注湯温度を調節しなければ容器壁面部と中心部との温度差によって組織の不均一性はさらに増大してしまう。
【0023】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、より微細かつ均一な球状化粒子を得ると同時にエネルギ効率の改善、製造コストの節減、機械的性質の向上、鋳造工程の簡便化および製造時間短縮の利点を実現できるとともに、短時間に高品質の固液共存状態金属成形用ビレットを連続して複数製造できる固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、第1の筒状部と、この第1の筒状部の軸方向に沿った一端部に対して軸方向に沿った一端部が所定の角度を介して回動可能に配設されて、この一端部が回動によって前記第1の筒状部の一端部に連通され、内部に溶融金属が注湯される第2の筒状部と、この第2の筒状部内に注湯された溶融金属に電磁気場を印加する攪拌部と、前記第1の筒状部の軸方向に沿った他端側から進退可能に挿入され、前記第2の筒状部内の固液共存状態金属材料を押圧して固液共存状態金属成形用ビレットを形成する際に固定される第1の押圧手段と、前記第2の筒状部の軸方向に沿った他端側から進退可能に挿入され、この第2の筒状部の一端側から溶融金属が注湯されて収容されるようにこの第2の筒状部の他端側を閉塞するとともに、この第2の筒状部内で製造された固液共存状態金属材料を押圧して固液共存状態金属成形用ビレットを形成する第2の押圧手段とを具備したものである。
【0025】
そして、第2の筒状部の一端側から溶融金属が注湯されて収容されるようにこの第2の筒状部の他端側を第2の押圧手段にて閉塞する。この状態で、第2の筒状部に攪拌部にて電磁気場を印加するとともに、この第2の筒状部内に溶融金属を注湯して、この第2の筒状部内で固液共存状態金属材料を製造する。この後、この第2の筒状部を回動させて、この第2の筒状部の一端部を第1の筒状部の一端部に連通する。この状態で、この第1の筒状部内の第1の押圧手段を固定させた後、第2の押圧手段にて第2の筒状部内の固液共存状態金属材料を押圧して固液共存状態金属成形用ビレットを形成する。この結果、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有する固液共存状態金属成形用ビレットを得ることができるとともに、液相線より高い温度での短時間の攪拌だけでも第2の筒状部の壁面での核生成密度を顕著に増加させて粒子の球状化を実現できる。また、製造された合金の機械的性質の向上を実現できるとともに、攪拌部による電磁攪拌時間を大きく短縮できるので攪拌に必要なエネルギの消耗が少なく、全体工程を単純化し、かつ製品成形時間も短縮されて生産性を向上できる。よって、短時間に高品質の固液共存状態金属成形用ビレットを連続して複数製造できるので、量産適用性に優れている。したがって、高品質の固液共存状態金属成形用ビレットの製造工程を簡単にできる。
【0026】
請求項2記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項1記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、第1の筒状部に設けられ、この第1の筒状部内からビレットを排出する排出口を具備したものである。
【0027】
そして、第1の筒状部内からビレットを排出する排出口を設けたことにより、この第1の筒状部内からのビレットの排出が容易になる。よって、より短時間に高品質の固液共存状態金属成形用ビレットを連続して複数製造できるため、より量産適用性に優れている。
【0028】
請求項3記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項1または2記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、第1の筒状部内のビレットを冷却する冷却手段を具備したものである。
【0029】
そして、冷却手段で第1の筒状部内のビレットを冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができる。
【0030】
請求項4記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属が注湯される前に電磁気場を印加するものである。
【0031】
そして、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融金属が注湯される前に電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットを容易に得ることができる。
【0032】
請求項5記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属を注湯されると同時に電磁気場を印加するものである。
【0033】
そして、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融金属が注湯されると同時に電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットを容易に得ることができる。
【0034】
請求項6記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属を注湯しながら電磁気場を印加するものである。
【0035】
そして、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融金属を注湯しながら電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットを容易に得ることができる。
【0036】
請求項7記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項1ないし6いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.7以下となるまで電磁気場を印加するものである。
【0037】
そして、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.7以下となるまで電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易に得ることができる。
【0038】
請求項8記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項1ないし6いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.4以下となるまで電磁気場を印加するものである。
【0039】
そして、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.4以下となるまで電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易に得ることができるから、より望ましい。
【0040】
請求項9記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項1ないし6いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.1以下となるまで電磁気場を印加するものである。
【0041】
そして、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.1以下となるまで電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易に得ることができるから、より望ましい。
【0042】
請求項10記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項1ないし9いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、冷却手段は、固液共存状態金属材料の固相率が0.1以上0.7以下となるまで冷却するものである。
【0043】
そして、冷却手段にて固液共存状態金属材料の固相率が0.1以上0.7以下となるまで冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができる。
【0044】
請求項11記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項1ないし10いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、第2の筒状部内の溶融金属を冷却する温度調節手段を具備したものである。
【0045】
そして、温度調節手段で第2の筒状部内の溶融金属を冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができる。
【0046】
請求項12記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項11記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、温度調節手段は、冷却手段および加熱手段の少なくともいずれか一方を備えたものである。
【0047】
そして、温度調節手段が冷却手段および加熱手段の少なくともいずれか一方を備えるので、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができる。
【0048】
請求項13記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項11または12記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、温度調節手段は、第2の筒状部内の溶融金属を0.2℃/s以上5.0℃/s以下の速度で冷却するものである。
【0049】
そして、温度調節手段にて第2の筒状部内の溶融金属を0.2℃/s以上5.0℃/s以下の速度で冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができるので、より望ましい。
【0050】
請求項14記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置は、請求項11または12記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、温度調節手段は、第2の筒状部内の溶融金属を0.2℃/s以上2.0℃/s以下の速度で冷却するものである。
【0051】
そして、温度調節手段にて第2の筒状部内の溶融金属を0.2℃/s以上2.0℃/s以下の速度で冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができるので、より望ましい。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態を図面を参照して説明する。
【0053】
まず、第1の実施の形態の固液共存状態金属成形用ビレットの製造方法について説明する。
【0054】
固液共存状態金属成形用ビレットとしての半溶融成形用ビレットBは半溶融成形法で使用するビレットで、これら半溶融成形用ビレットBは半凝固成形法により製造される。したがって、この半溶融成形用ビレットBを製造する方法としては基本的には半凝固成形法に基づいている。
【0055】
そして、この半溶融成形用ビレットBの製造方法は、第2スリーブ22に溶融金属Mを注湯して固液共存状態金属材料としての半溶融金属スラリを製造した後、この半溶融金属スラリを加圧および成形して所定の大きさの半溶融成形用ビレットBを製造する固液共存状態金属材料成形用ビレットの製造方法である。
【0056】
このとき、第2スリーブ22への溶融金属Mの注湯が完了する前に電磁気場を印加して攪拌する。すなわち、この第2スリーブ22に溶融金属Mを注湯する前、この第2スリーブ22に溶融金属Mを注湯すると同時に、またはこの第2スリーブ22に溶融金属Mを注湯する最中、すなわち注湯しながら電磁気場による攪拌をすることによって、初期樹枝状組織の生成を遮断する。このとき、この攪拌には電磁気場の代わりに超音波などを利用することもできる。
【0057】
すなわち、所定の空間部12に溶融金属Mが注湯されずに空いている第2スリーブ22を配置させ、この空いている第2スリーブ22の所定領域であるスラリ製造領域に電磁気場を印加する。このとき、電磁気場の印加は溶融金属Mを攪拌できる強度でなされる。
【0058】
この後、図5に示すように、溶融金属Mを注湯温度Tで第2スリーブ22内に注湯する。このとき、この第2スリーブ22には電磁気場が印加されて攪拌が実施され得る状態とされている。なお、このとき、溶融金属Mの注湯と同時に電磁気場の攪拌を実施できるとともに、この溶融金属Mが注湯される最中で電磁気場の攪拌を実施することもできる。
【0059】
このように、第2スリーブ22への溶融金属Mの注湯が完了する前に電磁気場の攪拌を実施することによって、溶融金属Mが低温の第2スリーブ22の内壁で初期凝固層は形成しにくくなる。そして、この第2スリーブ22内のスラリ製造領域全体にわたって微細な結晶核が同時に発生し、このスラリ製造領域内の溶融金属M全体が均一に液相線温度直下に急速に冷却させて多数の結晶核が同時に発生する。
【0060】
これは、このスラリ製造領域に溶融金属Mを注湯する前または注湯と同時に電磁気場を印加することによって活発な初期攪拌作用により内部の溶融金属Mと表面の溶融金属Mとがよく攪拌されて溶融金属M内での熱伝逹が速く、第2スリーブ22の内壁での初期凝固層の形成が抑制されるからである。
【0061】
また、よく攪拌されている溶融金属Mと低温の第2スリーブ22の内壁との対流熱伝逹が増加して溶融金属M全体の温度を急速に冷却させる。すなわち、注湯された溶融金属Mが注湯と同時に電磁攪拌により分散粒子に分散され、この分散粒子が結晶核として第2スリーブ22内に均一に分布され、これにより第2スリーブ22全体にわたって温度差が発生しなくなる。これに対し、上述の従来の技術によれば、注湯された溶融金属Mが低温のスリーブの内壁と接触して急速な対流熱伝逹により初期凝固層での樹枝状結晶として成長する。
【0062】
そして、このような原理は凝固潜熱と関連して説明できる。すなわち、第2スリーブ22の壁面での溶融金属Mの初期凝固が発生しないので、それ以上凝固潜熱が発生せず、これにより溶融金属Mの冷却は単に溶融金属Mの比熱(凝固潜熱の約1/400に過ぎない)に該当する程度の熱量の放出だけで可能になる。
【0063】
したがって、従来の技術において第2スリーブ22内側壁面部でよく発生する初期凝固層での樹枝状結晶が形成されずに、この第2スリーブ22内の溶融金属Mがこの第2スリーブ22の壁面から中心部にわたって全体的に均一にかつ急速に温度が低下する様子を示す。このときの温度を下げるのに必要な時間は溶融金属Mの注湯後約1秒以上10秒以下程度の短い時間にすぎない。これにより、多数の結晶核が第2スリーブ22内の溶融金属M全体にわたって均一に生成され、結晶核生成密度の増加により結晶核間の距離は非常に短くなって樹枝状結晶が形成されずに独立的に成長して球状粒子を形成する。
【0064】
これは溶融金属Mが注湯される最中で電磁気場が印加される場合にも同じである。すなわち第2スリーブ22の内壁面において初期凝固層は、注湯される過程での電磁攪拌により形成しにくくなる。
【0065】
このとき、溶融金属Mの注湯温度Tは液相線温度以上液相線+100℃以下の温度(溶湯過熱度=0℃以上100℃以下)に維持されることが望ましい。上述のように、溶融金属Mが注湯された第2スリーブ22内全体が均一に冷却されるので、この第2スリーブ22内に溶融金属Mを注湯する前に液相線温度付近まで冷却させる必要がなく、液相線温度より100℃程度高い温度を維持してもよいからである。
【0066】
一方、溶融金属Mをスラリ製造容器に注湯した後、溶融金属Mの一部が液相線以下になる時点でスラリ製造容器に電磁気場を印加する従来の方法によれば、スラリ製造容器の壁面に初期凝固層が形成されながら凝固潜熱が発生するが、凝固潜熱は比熱の約400倍程度であるため、スラリ製造容器全体の溶融金属Mの温度が下がるには長時間がかかる。したがって、このような従来の方法では、液相線程度または液相線より50℃程度高い温度まで溶融金属Mの温度を冷却させた後、スラリ製造容器に注湯することが一般であった。したがって、このときには注湯される溶融金属の温度が適正温度になるまで待たねばならないが、この適正温度を調節することは実際工程では非常に難しい。
【0067】
また、電磁攪拌を終了する時点は、図5に示すように、第2スリーブ22内の溶融金属Mが一部分でも、この溶融金属Mの温度が液相線温度T以下に下がった時に、すなわち、この溶融金属Mの固相率が約0.001程度で所定の結晶核が形成された後ならいつ終了しても余り問題にならない。すなわち、第2スリーブ22に溶融金属Mを注湯してこの溶融金属Mを冷却させる段階および後続の加圧する段階まで電磁攪拌を継続させてもよい。これは既に第2スリーブ22のスラリ製造領域全体にわたって結晶核が均一に分布しているために、この結晶核を中心として結晶粒が成長する段階での電磁攪拌は製造される半溶融金属スラリの特性に影響を及ぼさないからである。
【0068】
ただし、上記電磁攪拌は、第2スリーブ22内で半溶融金属スラリを製造する間にのみすれば十分なので、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.001以上0.7以下になるまで持続させる。さらに、エネルギ効率面からは、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.001以上0.4以下になるまで持続させ、さらに望ましくは溶融金属Mの固相率が0.001以上0.1以下になるまで持続させる。
【0069】
一方、第2スリーブ22内に溶融金属Mを注湯して、均一な分布の結晶核を形成した後には、冷却工程として冷却させて生成された結晶核の成長を加速させる。したがって、このような冷却工程での段階は、第2スリーブ22に溶融金属Mを注湯するときからしてもよい。また、上述のように、この冷却工程中にも電磁気場を持続的に印加させてもよい。
【0070】
さらに、このような冷却工程は、半溶融金属スラリを加圧する段階まで持続できる。すなわち、溶融金属Mが0.1以上0.7以下の固相率に到達する時点tまで冷却工程を維持させる。このとき、溶融金属Mの冷却速度を0.2℃/sec以上5.0℃/sec以下程度とするが、より好ましくは、結晶核の分布度および粒子の微細度によって、0.2℃/sec以上2.0℃/sec以下にする。
【0071】
この結果、所定の固相率を有する半溶融状態の金属スラリである半溶融金属スラリを製造でき、これを直ちに加圧すると同時に冷却させて半溶融成形用ビレットBを製造できる。
【0072】
このとき、半溶融金属スラリの製造時間を顕著に短縮できるが、溶融金属Mの第2スリーブ22への注湯時点から固相率0.1以上0.7以下の半溶融金属スラリ形態の金属材料として形成される時点までかかる時間は30秒以上60秒以下にすぎない。これにより製造された半溶融金属スラリを使用してダイカストすれば均一にかつ緻密な球状の結晶構造を有する成形品を得ることができる。
【0073】
次に、上記半溶融成形用ビレットの製造方法を用いた半溶融成形用ビレットの製造装置を図1ないし図4を参照して説明する。
【0074】
図1ないし図4に示す半溶融成形用ビレットの製造装置は、攪拌部1を備えている。この攪拌部1の内側には、所定の空間部12が設けられている。さらに、この攪拌部1には、電磁気場印加用コイル装置11が所定の空間部12を取り囲むように形成されている。
【0075】
また、この空間部12には、細長円筒状の筒状部としてのスリーブ20の軸方向における一端側が収容されている。このスリーブ20は、第1の筒状部としての第1スリーブ21と、第2の筒状部としての第2スリーブ22とに軸方向に沿った中央部において分割されて形成されている。これら第1スリーブ21および第2スリーブ22は、半溶融金属スラリの製造、および半溶融成形用ビレットBの製造に必要である。
【0076】
そして、これら第1スリーブ21と第2スリーブ22とは、それぞれの軸方向に沿った一端側を所定の角度を介して回動可能に配設されている。さらに、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22は、この第1スリーブ21に対して第2スリーブ22の軸方向に沿った他端側を上方に向けて回動させることにより、この第2スリーブ22の軸方向に沿った一端部が第1スリーブ21の一端部に同心状に連通するように構成されている。
【0077】
ここで、この第1スリーブ21の他端側には、加圧時に固定される第1の押圧手段としての第1プランジャ31が進退可能に挿入されて取り付けられている。また、第2スリーブ22の軸方向に沿った他端側には、加圧用の第2の押圧手段としての第2プランジャ32が進退可能に挿入されて取り付けられている。
【0078】
さらに、この第2スリーブ22の一端側には、この第2スリーブ22を回動させて、この第2スリーブ22の他端側を鉛直下方に向けた状態で、溶融金属Mが注湯されて収容される。そして、この第2スリーブ22内に溶融金属Mが収容されたスラリ製造領域には、攪拌部1の電磁気場印加用コイル装置11によって電磁気場が印加される。すなわち、この第2スリーブ22は、攪拌部1の空間部12を貫通した状態で、この空間部12に取り付けられている。
【0079】
そして、攪拌部1の空間部12と電磁気場印加用コイル装置11とは、図示しないフレーム構造により固定されている。また、この電磁気場印加用コイル装置11は、所定強度の電磁気場を空間部12に向けて発散するように構成されている。すなわち、この電磁気場印加用コイル装置11は、空間部12に収容される第2スリーブ22に印加させて、この第2スリーブ22内に注湯される溶融金属Mを電磁攪拌する。
【0080】
さらに、この電磁気場印加用コイル装置11は、図示しない制御部に電気的に接続されており、この制御部により強度および作動時間などが調節される。ここで、この電磁気場印加用コイル装置11は、通常の電磁攪拌に使用できるコイル装置であればよい。また、攪拌部1は、電磁気場以外の超音波攪拌などであってもよい。
【0081】
また、この電磁気場印加用コイル装置11は、図1に示すように、第2スリーブ22と空間部12とを介さず、この第2スリーブ22の外側に密着させて結合させることも可能である。このため、第2スリーブ22内に注湯される溶融金属Mは注湯の段階から徹底的に攪拌される。なお、この電磁気場印加用コイル装置11を備えた攪拌部1は、図1および図3に示すように、第2スリーブ22の回動とともに移動して回動するように構成されている。このような電磁気場の印加、すなわち攪拌部1による電磁攪拌は、上述のように、製造された半溶融金属スラリが圧縮されるまで持続させることもできる。よって、この攪拌部1による電磁攪拌は終了させなくてもよい。
【0082】
ただし、エネルギ効率次元で半溶融金属スラリの製造過程まで電磁気場を攪拌するため、この攪拌部1による電磁気場の攪拌は、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.001以上0.7以下となるまで持続させる。なお、この溶融金属Mの固相率が0.001以上0.4以下となるまで持続させることが望ましく、より望ましくは、この溶融金属Mの固相率が0.001以上0.1以下となるまで持続させる。ここで、電磁気場印加用コイル装置11による電磁気場の印加を継続させる時間は、予め実験により求めることができ、このようにして所定時間電磁気場を印加する。
【0083】
一方、第1スリーブ21および第2スリーブ22は、図1に示すように、軸方向に沿った一端側を互いに向かい合わせた状態で、水平に結合されている。そして、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22の連結部分である一端側を回動中心として、この状態から第2スリーブ22の他端側が下方に向けて所定の角度θの割合で回動するように構成されている。ここで、この回動角度θは、90°以内であることが望ましい。
【0084】
さらに、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22のそれぞれは、金属材あるいは絶縁性素材などにより製造されている。すなわち、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22は、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22それぞれの融点が、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22内に注湯されて収容される溶融金属Mの温度より高いものを使用することが望ましい。
【0085】
また、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22のそれぞれは、両端が開放された細長円筒状のスリーブを互いに結合させて形成されている。そして、第1スリーブ21は、この第1スリーブ21の軸方向を地面に対して水平にさせた状態で配置されている。また、第2スリーブ22は、第1スリーブ21に結合される側の一端部を回転中心として他端側が下方に向けて所定角度、回動可能に構成されている。
【0086】
ここで、第2スリーブ22内の領域は、溶融金属Mが収容されて電磁攪拌によって半溶融金属スラリが形成される領域である。また、第1スリーブ21内の領域は、第2スリーブ22内で形成された半溶融金属スラリを半溶融成形用ビレットBに成形するための領域である。よって、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22は、電磁攪拌により溶融金属Mから半溶融金属スラリを製造するスラリ製造容器の機能と、製造された半溶融金属スラリを半溶融成形用ビレットBに製造する際の成形枠としての機能とを兼備している。
【0087】
したがって、第2スリーブ22の他端側である一側端部に挿入された第2プランジャ32は、図1に示すように、所定角度で屈折された第2スリーブ22の一端側から溶融金属Mが注湯されて受容できるように、この第2スリーブ22の他端側を閉鎖する。また、第1スリーブ21の他端側である他側端部に挿入された第1プランジャ31は、半溶融金属スラリの加圧時に第1スリーブ21内に固定されて半溶融成形用ビレットBを形成させる。
【0088】
ここで、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22は、必ず両端が開放された構造でなくてもよく、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22それぞれの端部に、第1プランジャ31および第2プランジャ32がそれぞれ挿入できる構造であればよい。そして、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22には、図示しない熱電対を内蔵させるとともに、この熱電対を制御部に電気的に接続させて、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22内の溶融金属Mなどの温度情報を制御部に送出させることもできる。
【0089】
さらに、第1スリープ21の軸方向における中間部の下側には、この第1スリーブ21内で製造した半溶融成形用ビレットBを外部へと吐出させる矩形状の排出口としての吐出口23が開口形成されている。
【0090】
また、第1スリーブ21の外側には、図1に示すように、冷却手段としての冷却装置41が取り付けられている。この冷却装置41は、第1スリーブ21の外側を取り囲むように同心状に取り付けられた円筒状のウォータジャケット43を備えている。そして、このウォータジャケット43には、第1スリーブ21の外側を取り囲むように冷却水パイプ42が螺旋状に内蔵されている。ここで、この冷却装置41は、第1スリーブ21の所定の領域が冷却できる構成であれば、いかなる構成であってもよい。そして、この冷却装置41は、第2スリーブ22内で製造された半溶融金属スラリを加圧して半溶融成形用ビレットBに成形する際に加圧される半溶融金属スラリを冷却させる。
【0091】
そして、第2スリーブ22の外側にも、図2に示すように、温度調節手段としての温度調節装置44が取り付けられている。この温度調節装置44は、冷却手段としての冷却パイプ45が螺旋状に内蔵された円筒状の冷却装置としてのウォータジャケット46を備えている。そして、このウォータジャケット46は、この第2スリーブ22の外側を取り囲むように、この第2スリーブ22の外側に同心状に取り付けられている。ここで、このウォータジャケット46内の冷却パイプ45は、第2スリーブ22内に埋設させることもできる。また、このような冷却パイプ45以外でも第2スリーブ22内の溶融金属Mを冷却できる構成であればいかなる冷却装置であってもよい。
【0092】
さらに、温度調節装置44は、加熱手段としての加熱装置である電熱コイル47を備えている。この電熱コイル47は、ウォータジャケット46の外側を取り囲むように、このウォータジャケット46の外側に螺旋状に巻回された状態で同心状に取り付けられている。ここで、この電熱コイル47以外のいかなる加熱機構であってもよい。したがって、温度調節装置44は、第2スリーブ22内の溶融金属Mあるいは半溶融金属スラリの温度を調節できる構造であればどのような構成であってもよい。また、この温度調節装置44によって、第2スリーブ22内の溶融金属Mを適正な速度で冷却できる。さらに、この温度調節装置44は、図2に示すように、第2スリーブ22の全体にわたって設置できるが、この第2スリーブ22内に溶融金属Mが収容される領域の周囲のみに集中的に設置することもできる。
【0093】
そして、この温度調節装置44は、第2スリーブ22内に収容された溶融金属Mの固相率が0.1以上0.7以下となるまで冷却する。また、この温度調節装置44による冷却速度も調節されて0.2℃/s以上5.0℃/s以下の速度で冷却し、より望ましくは0.2℃/s以上2.0℃/s以下の速度で冷却する。
【0094】
このとき、この温度調節装置44による冷却は、上述のように、電磁気場の攪拌が終了した後にすることもあり、電磁攪拌とは関係なく、すなわち、電磁気場の印加を持続している最中ですることもあるとともに、溶湯金属Mの注湯段階からすることもある。ところが、この第2スリーブ22内の溶融金属Mの冷却は、必ずしも温度調節装置44のみで可能ではない。すなわち、第2スリーブ22内の溶融金属Mを温度調節装置44ではなく自然に冷却させて、上述のような固相率の半溶融金属スラリを製造することもできる。
【0095】
一方、第1スリーブ21および第2スリーブ22のそれぞれに挿入されて取り付けられた第1プランジャ31および第2プランジャ32のそれぞれは、図示しないシリンダ装置に連結されて第1スリーブ21および第2スリーブ22内をピストン往復動する。このシリンダ装置は、制御部により制御されている。
【0096】
そして、第2プランジャ32は、攪拌部1により電磁気場が印加されて冷却が進行される間、すなわち半溶融金属スラリの製造中に第2スリーブ22内の他端側に固定されて、この第2スリーブ22の一端側を容器形状にする。また、この第2プランジャ32は、半溶融金属スラリの製造が終了した後に第2スリーブ22が上方に向けて回動して、この第2スリーブ22の一端部が第1スリーブ21の一端部に連通されて連結された状態で、第2スリーブ22内の半溶融金属スラリを第1プランジャ31側に向けて駆動されて加圧して、この半溶融金属スラリを第1スリーブ21内へと移動させる。
【0097】
さらに、第1プランジャ31は、第2プランジャ32が半溶融金属スラリを加圧する間、第1スリーブ22内に固定される。また、この第1プランジャ31は、第1スリーブ21内で所定の大きさの半溶融成形用ビレットBを形成した後に、この第1スリーブ21の他端側に向けて移動されて後退されて、この第1スリーブ21内の半溶融成形用ビレットBを吐出口23から吐出させる。
【0098】
次に、上記第1の実施の形態の半溶融成形用ビレットの製造装置の作用を説明する。
【0099】
まず、図1に示すように、第2スリーブ22が第1スリーブ21に対して所定角度、望ましくは90°に屈折された状態で、下側を第2プランジャ32にて閉鎖して、第2スリーブ22の上側全体に溶融金属Mを収容できる容器形状にする。
【0100】
そして、攪拌部1の電磁気場印加用コイル装置11により、第2スリーブ22に所定周波数および強度の電磁気場を印加する。このとき、電磁気場印加用コイル装置11は、電圧、周波数、強度のそれぞれが250V、60Hz、500Gaussで電磁気場を印加する。なお、この際の電磁気場の印加は、半凝固成形用電磁攪拌に使われる電磁気場であれば、いかなる電磁気場であってもよい。
【0101】
この状態で、図示しない炉で溶融された溶融金属Mを鉢状の注湯容器5により移送して電磁気場の影響下にある第2スリーブ22内に注湯する。
【0102】
このとき、炉と第2スリーブ22とを直接連結して溶融された液相の溶融金属Mを直ちに第2スリーブ22内に注湯することもできる。また、このときの溶融金属Mは、上述のように液相線温度+100℃程度の温度となっていてもよい。
【0103】
さらに、溶融金属Mが注湯される第2スリーブ22の内部には、図示しないガス供給管が連結されて溶融金属Mの酸化を防止するためにN、Arなどの不活性ガスを供給する。
【0104】
このように、完全に溶融された液相の溶融金属Mを電磁攪拌が進行している第2スリーブ22に注湯すれば、この第2スリーブ22全体にわたって微細な再結晶粒子が分布し、この再結晶粒子は速く成長して樹枝状構造の生成が生じなくなる。
【0105】
ここで、電磁気場印加用コイル装置11による電磁気場は、溶融金属Mの注湯と同時に印加してもよく、あるいは溶融金属Mが注湯される最中で印加してもよい。
【0106】
また、この電磁気場印加用コイル装置11による電磁気場の印加は、上述のように、半溶融成形用ビレットBの成形のために半溶融金属スラリを加圧するまで継続させる。
【0107】
すなわち、この電磁気場印加用コイル装置11による電磁気場の印加は、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.001以上0.7以下になるまで持続させる。望ましくは、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.001以上し0.4以下になるまで持続させる。より望ましくは、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.001以上し0.1以下になるまで持続する。なお、電磁気場の印加を継続させる時間は、予め実験によって調べることができる。
【0108】
そして、電磁気場印加用コイル装置11による電磁気場の印加が終了した後または電磁気場の印加が持続されている間に、第2スリーブ22内の溶融金属Mが0.1以上0.7以下の固相率に到達するまで所定の速度で冷却させる冷却段階を経て半溶融金属スラリを製造する。
【0109】
このときの冷却速度は、第2スリーブ22の外側に設置された温度調節装置44により調節されて0.2℃/sec以上5℃/sec以下の速度であり、より望ましくは0.2℃/sec以上2℃/sec以下の速度である。なお、溶融金属Mの固相率が0.1以上0.7以下に到達する時間tは予め実験によって分かる。
【0110】
そして、このように半溶融金属スラリを製造した後には、図3に示すように、第1スリーブ21を固定させた状態で第2スリーブ22の他端側を上方に向けて回動させて、この第2スリーブ22の一端部を第1スリーブ21の一端部に対向させて同心状に結合させる。
【0111】
この後、第1プランジャ31を固定させた状態で、第2プランジャ32を第1プランジャ31側に向けて移動させて加圧して、第2スリーブ22内の半溶融金属スラリを第1スリーブ21内に圧縮して、この半溶融金属スラリから所定大きさの半溶融成形用ビレットBを形成する。
【0112】
このとき、第1スリーブ21の外側の冷却装置41によって、第2プランジャ32にて圧縮される半溶融金属スラリを急冷させる。
【0113】
なお、溶融金属Mが注湯された第2スリーブ22を回動させて第1スリーブ21に結合させた後に、この第2スリーブ22内の溶融金属Mを冷却させることもできる。
【0114】
さらに、このように半溶融成形用ビレットBが形成された後には、図4に示すように、第2プランジャ32を第1プランジャ31側に向けてさらに移動させて加圧して、第1プランジャ31および半溶融成形用ビレットBを吐出口23側に向けて移送させ、この半溶融成形用ビレットBを吐出口23から外部へと排出させる。
【0115】
したがって、この吐出口23は、第1スリーブ21内で形成される半溶融成形用ビレットBの大きさに対応した大きさとすればよいが、多様なサイズの半溶融成形用ビレットBを製造して吐出できるように、この半溶融成形用ビレットBの大きさよりも吐出口23の大きさをより大きく形成することが望ましい。
【0116】
さらに、第1プランジャ31の移送は、第2プランジャ32の加圧力に依存させたが、第1プランジャ31自体を別途シリンダ装置に連結させて駆動させて後退させることもできる。
【0117】
また、このように半溶融成形用ビレットBを排出させた後には、第1プランジャ31および第2プランジャ32を元の位置に復帰させた後、図1に示すように、第2スリーブ22の他端側を下方に向けて所定の角度で回動させて、この第2スリーブの一端側に溶融金属Mが収容できるようにしてから、上述した製造過程を反復させる。
【0118】
この結果、この反復過程によって組織が微細でかつ均一な半溶融成形用ビレットBが連続して排出口から排出される。
【0119】
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、全体的に結晶核組織が均一でかつ微細な球状の組織を有する半溶融成形用ビレットBを得ることができるとともに、液相線より高い温度での短時間の攪拌だけでも第2スリーブ22の壁面での核生成密度を顕著に増加させて粒子の球状化を実現できる。
【0120】
また、製造された合金の機械的性質の向上を実現できるとともに、電磁攪拌時間を大きく短縮できるので攪拌に必要なエネルギの消耗が少なく、全体工程を単純化され、かつ製品成形時間も短縮されて生産性を向上できる。よって、短時間に高品質の半溶融成形用ビレットBを連続して複数製造できるので、量産適用性に優れている。したがって、高品質の半溶融成形用ビレットBの製造工程を簡単にできる。
【0121】
次に、本発明の第2の実施の形態の半溶融成形用ビレットの製造装置を図6を参照して説明する。
【0122】
この図6に示す半溶融成形用ビレットの製造装置は、複数の固液共存状態金属成形用ビレットとしての半溶融成形用ビレットB,Bを連続して形成させた後に、これら複数の半溶融成形用ビレットB,Bを排出させるものである。この場合、これらこれら複数の半溶融成形用ビレットB,Bを吐出させる吐出口23を第1スリーブ21に形成する必要はない。すなわち、第2スリーブ22内で製造された半溶融金属スラリを加圧して半溶融成形用ビレットBを形成させた後に、第2プランジャ32を第1プランジャ31側に向けてさらに加圧して移動させて、これら第1プランジャ31および半溶融成形用ビレットBのそれぞれを第1プランジャ31側に向けて移送する。
【0123】
このとき、この第1プランジャ31の移送は、第2プランジャ32の加圧力に依存させることもできるが、第1プランジャ31自体を駆動させることもできる。また、この第1プランジャ31および半溶融成形用ビレットBの移送距離は、この半溶融成形用ビレットBおよび第2プランジャ32により第2の半溶融成形用ビレットBが形成できる程度の距離であれば十分である。
【0124】
このように、第1の半溶融成形用ビレットBを形成した後には、第2プランジャ32を後退させてから第2スリーブ22の他端側を下方に向けて回動させて、この第2スリーブ22の一端側に溶融金属Mが収容できるようにする。そして、上述のように第2スリーブ22内で半溶融金属スラリを製造してから、第2スリーブ22の他端側を上方に向けて回動させて、この第2スリーブ22の一端部に第1スリーブ21の一端部を結合させる。
【0125】
そして、図6に示すように、第1プランジャ31を第1スリーブ21内で固定させた状態で、第2プランジャ32を第1の半溶融成形用ビレットB側に向けて移動させて加圧して、この半溶融成形用ビレットBと第2プランジャ32との間で第2の半溶融成形用ビレットBを形成する。そして、この第2の半溶融成形用ビレットBを形成した後には、上述した過程を反復させて繰り返して、図示しない第3の半溶融成形用ビレットおよび第4の半溶融成形用ビレットなどの複数の半溶融成形用ビレットを連続して製造する。
【0126】
この結果、連続して品質の優秀な複数の半溶融成形用ビレットB,Bを製造できる。そして、製造された複数の半溶融成形用ビレットB,Bは、互いに隣接した半溶融成形用ビレットB,B同士が溶融により接合するおそれがあるが、これら半溶融成形用ビレットB,B間の接合強度は非常に弱いので、これら半溶融成形用ビレットB,Bを使用時に容易に分離できる。
【0127】
なお、第1スリーブ21内で製造された複数の連続した半溶融成形用ビレットB,Bは、第1プランジャ31を第1スリーブ21内から分離させた後に排出させたり、この第1スリーブ21に図示しない吐出口を形成して、この吐出口から排出させたりすることもできる。
【0128】
なお、上記各実施の形態において、多様な金属あるいは合金、例えばアルミニウムまたはその合金、マグネシウムまたはその合金、亜鉛またはその合金、銅またはその合金、鉄またはその合金などの半凝固成形法であっても汎用的に適用できる。
【0129】
【発明の効果】
請求項1記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、短時間に高品質の固液共存状態金属成形用ビレットを連続して複数製造できるので、量産適用性に優れている。したがって、高品質の固液共存状態金属成形用ビレットの製造工程を簡単にできる。
【0130】
請求項2記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項1記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、第1の筒状部の排出口からビレットを容易に排出できるため、より短時間に高品質の固液共存状態金属成形用ビレットを連続して複数製造できる。
【0131】
請求項3記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項1または2記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、冷却手段で第1の筒状部内のビレットを冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができる。
【0132】
請求項4記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融金属が注湯される前に電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットを容易に得ることができる。
【0133】
請求項5記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融金属が注湯されると同時に電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットを容易に得ることができる。
【0134】
請求項6記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融金属を注湯しながら電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットを容易に得ることができる。
【0135】
請求項7記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項1ないし6いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.7以下となるまで電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易に得ることができる。
【0136】
請求項8記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項1ないし6いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.4以下となるまで電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易に得ることができるから、より望ましい。
【0137】
請求項9記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項1ないし6いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.1以下となるまで電磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易に得ることができるから、より望ましい。
【0138】
請求項10記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項1ないし9いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、冷却手段にて固液共存状態金属材料の固相率が0.1以上0.7以下となるまで冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができる。
【0139】
請求項11記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項1ないし10いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、温度調節手段で第2の筒状部内の溶融金属を冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができる。
【0140】
請求項12記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項11記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、温度調節手段が冷却手段および加熱手段の少なくともいずれか一方を備えるので、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができる。
【0141】
請求項13記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項11または12記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、温度調節手段にて第2の筒状部内の溶融金属を0.2℃/s以上5.0℃/s以下の速度で冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができるので、より望ましい。
【0142】
請求項14記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置によれば、請求項11または12記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、温度調節手段にて第2の筒状部内の溶融金属を0.2℃/s以上2.0℃/s以下の速度で冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ることができるので、より望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の溶融金属注湯工程を示す概略断面図である。
【図2】同上固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の温度調節手段を示す概略断面図である。
【図3】同上固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置のビレット製造工程を示す概略断面図である。
【図4】同上固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置のビレット吐出工程を示す概略断面図である。
【図5】同上固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置での時間に対する溶融金属の注湯温度を示す二次グラフである。
【図6】本発明の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の第2の実施の形態のビレット製造工程を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 攪拌部
21 第1の筒状部としての第1スリーブ
22 第2の筒状部としての第2スリーブ
23 排出口としての吐出口
31 第1の押圧手段としての第1プランジャ
32 第2の押圧手段としての第2プランジャ
41 冷却手段としての冷却装置
44 温度調節手段としての温度調節装置
45 冷却手段としての冷却パイプ
47 加熱手段としての電熱コイル
B,B,B 固液共存状態金属成形用ビレットとしての半溶融成形用ビレット
M 溶融金属

Claims (14)

  1. 第1の筒状部と、
    この第1の筒状部の軸方向に沿った一端部に対して軸方向に沿った一端部が所定の角度を介して回動可能に配設されて、この一端部が回動によって前記第1の筒状部の一端部に連通され、内部に溶融金属が注湯される第2の筒状部と、
    この第2の筒状部内に注湯された溶融金属に電磁気場を印加する攪拌部と、
    前記第1の筒状部の軸方向に沿った他端側から進退可能に挿入され、前記第2の筒状部内の固液共存状態金属材料を押圧して固液共存状態金属成形用ビレットを形成する際に固定される第1の押圧手段と、
    前記第2の筒状部の軸方向に沿った他端側から進退可能に挿入され、この第2の筒状部の一端側から溶融金属が注湯されて収容されるようにこの第2の筒状部の他端側を閉塞するとともに、この第2の筒状部内で製造された固液共存状態金属材料を押圧して固液共存状態金属成形用ビレットを形成する第2の押圧手段と
    を具備したことを特徴とした固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  2. 第1の筒状部に設けられ、この第1の筒状部内からビレットを排出する排出口を具備した
    ことを特徴とした請求項1記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  3. 第1の筒状部内のビレットを冷却する冷却手段を具備した
    ことを特徴とした請求項1または2記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  4. 攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属が注湯される前に電磁気場を印加する
    ことを特徴とした請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  5. 攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属を注湯されると同時に電磁気場を印加する
    ことを特徴とした請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  6. 攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属を注湯しながら電磁気場を印加する
    ことを特徴とした請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  7. 攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.7以下となるまで電磁気場を印加する
    ことを特徴とした請求項1ないし6いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  8. 攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.4以下となるまで電磁気場を印加する
    ことを特徴とした請求項1ないし6いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  9. 攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.001以上0.1以下となるまで電磁気場を印加する
    ことを特徴とした請求項1ないし6いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  10. 冷却手段は、固液共存状態金属材料の固相率が0.1以上0.7以下となるまで冷却する
    ことを特徴とした請求項1ないし9いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  11. 第2の筒状部内の溶融金属を冷却する温度調節手段を具備した
    ことを特徴とした請求項1ないし10いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  12. 温度調節手段は、冷却手段および加熱手段の少なくともいずれか一方を備えた
    ことを特徴とした請求項11記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  13. 温度調節手段は、第2の筒状部内の溶融金属を0.2℃/s以上5.0℃/s以下の速度で冷却する
    ことを特徴とした請求項11または12記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  14. 温度調節手段は、第2の筒状部内の溶融金属を0.2℃/s以上2.0℃/s以下の速度で冷却する
    ことを特徴とした請求項11または12記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
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