JP2004314915A - 聴取点位置測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存の装置を用いて聴取点、例えば運転者の聴取点の位置を測定できるようにする。
【解決手段】左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報αL,αR及び水平軸回りの回転角情報βL,βRを取得し、これら2つの回転角情報に基づいて聴取点SRPの車室内における基準点からの位置を算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報αL,αR及び水平軸回りの回転角情報βL,βRを取得し、これら2つの回転角情報に基づいて聴取点SRPの車室内における基準点からの位置を算出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内における聴取点位置測定装置に係わり、特に、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報及び水平軸回りの回転角情報に基づいて車室内における運転者の聴取点を測定する聴取点位置測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数のスピーカを備えたオーディオ装置、例えば、フロント側左/右、リア側左/右等にスピーカを有する車載用オーディオ装置において、各スピーカから聴取点、例えばドライバの耳元までの距離が相違する。スピーカから聴取点までの距離が異なると、各スピーカから同時に音を発生してもドライバの耳に音が到達する時間が異なり、音楽などの臨場感が低下して快適に音楽を楽しむことができない。
【0003】
このため、Auto TCR(Time Correction)という機能が車載オーディオシステムに設けられている。Auto TCR機能は、各スピーカから出力したテスト信号を聴取点に設置したマイクロホンで受信することにより、各スピーカと聴取点までの音声信号の伝達時間を測定し、その結果を利用して各スピーカから出力される音声信号に対して時間補正を施し、これにより、各スピーカと聴取点の距離の差を打ち消す機能である。すなわち、Auto TCR機能は、各スピーカから聴取点までの伝達時間を測定し、かつ、伝達時間のうち最大伝達時間を求め、各スピーカに入力するオーディオ信号を、各スピーカから聴取点までの伝達時間と最大伝達時間との差分に応じた時間遅延することにより、各スピーカからの音を同時に聴取点に到達させる機能である。
【0004】
図4は従来のスピーカから聴取点までの伝達時間を測定する装置の構成図であり(特許文献1)、伝達時間測定の基準となるパルスPLやVOL/TONE制御信号を出力すると共に、マイクロホン検出信号MDTSを取り込んで伝達時間を測定するマイコン1、マイコン1からのパルス(テスト信号)PLを増幅するアンプ(Amp−a)2、オーディオ信号の音量/音質(VOL/TONE)を可変制御するVOL/TONE制御部3、スピーカ駆動用のアンプ(Amp−b)4、オーディオ信号を入力されて音を車室内空間に放射するスピーカ5、聴取位置、例えば、運転席のヘッドレストに設けられ、スピーカから放射された音を検出するマイクロホン6、マイクロホンの検出信号MDTSを増幅するアンプ(Amp−c)7を有している。
【0005】
マイコン1から出力するパルスPLはアンプ2→Vol/TONE制御部3→アンプ4を介してスピーカ5に入力し、スピーカは該パルスに応じた音を車室内空間に放射し、マイクロホン6は該音を検出する。アンプ7はマイクロホン検出信号を増幅し、マイコン1はA/D端子を介してマイクロホン検出信号を取り込む。マイコン1は、パルスPLの出力と同時に予め定められた時間間隔、例えば0.1msec毎に、A/D端子に入力するマイクロホン検出信号MDTSをサンプリングする。規定のサンプリング回数、例えば、100回(=10msec)サンプリングを終えれば、サンプリング中で最大電圧値を取得した時間をスピーカ5から聴取点までの伝達時間とする。
図4ではスピーカを1つしか示していないが、車載の全スピーカから聴取点までの伝達時間が測定できるように構成されている。
【特許文献1】特願平11−283943
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で聴取点位置を認識するために、特別の装置(マイク6、アンプ7等)が必要となりコスト的に高価になる。又、音を使用した位置認識であるため、ノイズの影響や車内の構造による音の反射の影響があり、測定誤差が含まれる可能性が高い。この場合、測定に影響する音の無い特別な環境で位置認識測定を行えれば良いが、そのような環境を作るための設備が必要になる。
以上から、本発明は既存の装置を用いて聴取点、例えば運転者の聴取点を測定できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明の第1の態様によれば、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報及び水平軸回りの回転角情報を取得する手段、左右ドアミラーの上記2つの回転角情報に基づいて聴取点の車室内における基準点からの位置を算出する手段、を備えた聴取点位置測定装置により達成される。
上記課題は本発明の第2の態様によれば、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報の組み合せに応じた聴取点の車室内における前後方向の位置を記憶する第1のテーブル、左右ドアミラーの水平軸回りの回転角情報の組み合せに応じた聴取点の車室内における垂直方向の位置を記憶する第2のテーブル、左右ドアミラーを垂直軸回り及び水平軸回りにそれぞれ回転させる回転制御系、左右ドアミラーの垂直軸回り及び水平軸回りの回転角情報を取得する手段、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報の組合わせに応じた聴取点の前後方向位置を前記第1テーブルより求め、左右ドアミラーの水平軸回りの回転角情報の組み合せに応じた聴取点の垂直方向位置を前記第2テーブルより求める手段、を備えた聴取点位置測定装置により達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
(A)本発明の概略
図1は本発明の概略説明図であり、(A)は上から見た運転手とドアミラーの位置関係説明図、(B)は後ろから見た運転手とドアミラーの位置関係説明図である。
本発明は、運転手DRの目の位置(視点)を左右ドアミラーDML,DMRの角度から判断し、その情報から聴取点SRPの位置を特定する。尚、図において、HDLはハンドル、DRS運転席、ASSは助手席、BKSは後座席である。
運転手の視点の前後方向位置は、運転席DRSの前後方向位置、運転席の背もたれの傾斜、運転手の体格などに依存して変化する。また、運転手の視点の垂直方向位置(高さ)は、運転席の背もたれの傾斜や運転手の座高などに依存して変化する。
【0009】
運転手DRは左後方、右後方の一定範囲を眺められるように左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角αL,αR(図1(A))及び水平軸回りの回転角βL,βR(図1(B))を調整する。運転手の視点位置により、左後方、右後方の一定範囲を眺められる左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角及び水平軸回りの回転角は異なる。換言すれば、左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角αL,αR(図1(A))の組合わせから車室内の前後方向における運転手の目の位置(視点位置)が求まり、左右ドアミラーDML,DMRの水平軸回りの回転角βL,βR(図1(B))の組合わせから車室内の垂直方向における運転手の目の位置(視点高さ)が求まる。なお、車両幅方向の視点位置は座席がその方向に移動できないので一定である。
視点と聴取点(両耳の中間点)の位置関係はほぼ一定であるから視点位置より聴取点位置が求まる。
【0010】
以上から、本発明では、左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角αL,αR及び水平軸回りの回転角βL,βRに基づいて聴取点の車室内における基準点からの位置を算出する。すなわち、本発明では、▲1▼左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角αL,αRの組み合せに応じた聴取点の車室内における前後方向の位置xを記憶する第1のテーブル、▲2▼左右ドアミラーDML,DMRの水平軸回りの回転角βL,βRの組み合せに応じた聴取点の車室内における垂直方向の位置yを記憶する第2のテーブル、▲3▼左右ドアミラーDML,DMRを垂直軸回り及び水平軸回りに回転させる回転制御系、▲4▼左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回り及び水平軸回りの回転角αL,αR;βL,βRを取得する手段、▲5▼聴取点位置測定制御手段を備え、該制御手段は、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角αL,αRの組合わせに応じた聴取点の前後方向位置xを第1テーブルより求め、左右ドアミラーの水平軸回りの回転角βL,βRの組み合せに応じた聴取点の垂直方向位置yを第2テーブルより求める。
【0011】
(B)聴取点位置測定装置
図2は本発明の聴取点位置測定装置の構成図である。
聴取点位置測定制御部11は、プロセッサ構成になっており、聴取点位置測定制御を行う制御部(CPU) 51、前後方向位置テーブル52、垂直方向位置テーブル53、左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回り及び水平軸回りの回転角αL,αR;βL,βRや車室内のフロント左右スピーカSPFL,SPFR、リア左右のスピーカSPRL,SPRRの位置を記憶するメモリ54を備えている。前後方向位置テーブル52は図3(A)に示すように、左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角情報(回転ステップ)αL,αRの組み合せに応じた聴取点の車室内における前後方向の位置xを保存する。垂直方向位置テーブル53は図3(B)に示すように、左右ドアミラーDML,DMRの水平軸回りの回転角βL,βRの組み合せに応じた聴取点の車室内における垂直方向の位置(高さ)yを保存する。
【0012】
なお、左右ドアミラーDML,DMRを結ぶ方向(幅方向)をZ軸方向、前後方向をX軸方向、上下方向をY軸方向とする。また、ドアミラー位置がX=0、視点のZ軸方向位置をZ=0、車底をY=0とし、(X,Y,Z)=(0,0,0)を基準点とする。
【0013】
ドアミラー回転操作部12は、左右ドアミラーDML,DMRをそれぞれ垂直軸回り及び水平軸回りに回転させる操作部を備えている。制御部51はドアミラー回転操作部12から左ドアミラーDMLの垂直軸回りの所定方向の回転が指令されると、指令回転方向に応じてメモリ54に記憶されている垂直軸回りの回転ステップ(回転角) αLを1増減すると共に左ドアミラー回転駆動部13に所定方向に1ステップ回転するよう指示する。これにより、左ドアミラー回転駆動部13は1ステップ指示された方向にステッピングモータを回転し、左ドアミラー回転機構14を介して左ドアミラーDMLを1ステップ回転させる。以後、ドアミラー回転操作部12から左ドアミラーDMLの垂直軸回りの所定方向の回転指令が停止するまで、制御部51は上記制御を繰返し、1ステップづつ左ドアミラーDMLを垂直軸回りに回転し、垂直軸回りの回転ステップ(回転角) αLを更新する。また、制御部51はドアミラー回転操作部12から左ドアミラーDMLの水平軸回りの所定方向の回転が指令されると同様に1ステップづつ左ドアミラーDMLを水平軸回りに回転し、水平軸回りの回転ステップ(回転角) βLを更新する。
【0014】
更に、制御部51はドアミラー回転操作部12から右ドアミラーDMRの垂直軸回りの所定方向の回転が指令されると、指令回転方向に応じてメモリ54に記憶されている垂直軸回りの回転ステップ(回転角) αRを1増減すると共に右ドアミラー回転駆動部15に所定方向に1ステップ回転するよう指示する。これにより、右ドアミラー回転駆動部15は1ステップ指示された方向にステッピングモータを回転し、右ドアミラー回転機構16を介して右ドアミラーDMRを1ステップ回転させる。以後、ドアミラー回転操作部12から右ドアミラーDMRの垂直軸回りの所定方向の回転指令が停止するまで、制御部51は上記制御を繰返し、1ステップづつ右ドアミラーDMRを垂直軸回りに回転し、垂直軸回りの回転ステップ(回転角) αRを更新する。また、制御部51はドアミラー回転操作部12から右ドアミラーDMRの水平軸回りの所定方向の回転が指令されると同様に1ステップづつ右ドアミラーDMRを水平軸回りに回転し、水平軸回りの回転ステップ(回転角) βRを更新する。
【0015】
運転手がドアミラー回転操作部12を操作して左右ドアミラーDML,DMRの位置調整を完了し、所定時間経過すると、制御部51はドアミラーの位置調整が完了したものとみなし、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角αL,αRの組合わせに応じた聴取点の前後方向位置xを前後方向位置テーブル52より求め、左右ドアミラーの水平軸回りの回転角βL,βRの組み合せに応じた聴取点の垂直方向位置yを垂直方向位置テーブル53より求める。これにより、聴取点位置は(x,y,0)として求まる。
【0016】
ついで、制御部51は、メモリ54に保存されている車室内の各スピーカ位置と聴取点位置とからそれらの間の距離を算出し、該距離より各スピーカから聴取点までの伝達時間を算出してオーディオプロセッサ17に入力する。
オーディオプロセッサ17は、伝達時間のうち最大伝達時間を求め、各スピーカSPFL,SPFR,SPRL,SPRRに入力するオーディオ信号(オーディオソース18から入力)を、各スピーカから聴取点までの伝達時間と最大伝達時間との差分に応じた時間遅延する。これにより、各スピーカからの音が同時に聴取点に到達する。
なお、サラウンドシステムを構築する場合には、聴取点までの伝達時間を考慮してエコー音を発生するための遅延時間を決定する。
以上では、テーブルを用いて前後方向位置、垂直方向位置を算出したが、別の方法、たとえば計算式により求めることもできる。
【0017】
【発明の効果】
以上本発明によれば、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報及び水平軸回りの回転角情報を取得し、これら2つの回転角情報に基づいて聴取点の車室内における基準点からの位置を算出するようにしたから、既存の装置を用いるだけで聴取点、例えば運転者の聴取点を測定することができ、コスト的に有利である。又、オーディオプロセッサに各スピーカから聴取点までの伝達時間を通知することにより、運転手がほとんで意識することなく、最適な音場を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略説明図である。
【図2】本発明の聴取点位置測定装置の構成図である。
【図3】前後方向位置テーブル、垂直方向位置テーブルの説明図である。
【図4】従来のスピーカから聴取点までの伝達時間を測定する装置の構成図である。
【符号の説明】
11 聴取点位置測定制御部
12 ドアミラー回転操作部
13 左ドアミラー回転駆動部
14 左ドアミラー回転機構
15 右ドアミラー回転駆動部
16 右ドアミラー回転機構
17 オーディオプロセッサ
51 制御部(CPU)
52 前後方向位置テーブル
53 垂直方向位置テーブル
54 メモリ
DML 左ドアミラー
DMR 右ドアミラー
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内における聴取点位置測定装置に係わり、特に、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報及び水平軸回りの回転角情報に基づいて車室内における運転者の聴取点を測定する聴取点位置測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数のスピーカを備えたオーディオ装置、例えば、フロント側左/右、リア側左/右等にスピーカを有する車載用オーディオ装置において、各スピーカから聴取点、例えばドライバの耳元までの距離が相違する。スピーカから聴取点までの距離が異なると、各スピーカから同時に音を発生してもドライバの耳に音が到達する時間が異なり、音楽などの臨場感が低下して快適に音楽を楽しむことができない。
【0003】
このため、Auto TCR(Time Correction)という機能が車載オーディオシステムに設けられている。Auto TCR機能は、各スピーカから出力したテスト信号を聴取点に設置したマイクロホンで受信することにより、各スピーカと聴取点までの音声信号の伝達時間を測定し、その結果を利用して各スピーカから出力される音声信号に対して時間補正を施し、これにより、各スピーカと聴取点の距離の差を打ち消す機能である。すなわち、Auto TCR機能は、各スピーカから聴取点までの伝達時間を測定し、かつ、伝達時間のうち最大伝達時間を求め、各スピーカに入力するオーディオ信号を、各スピーカから聴取点までの伝達時間と最大伝達時間との差分に応じた時間遅延することにより、各スピーカからの音を同時に聴取点に到達させる機能である。
【0004】
図4は従来のスピーカから聴取点までの伝達時間を測定する装置の構成図であり(特許文献1)、伝達時間測定の基準となるパルスPLやVOL/TONE制御信号を出力すると共に、マイクロホン検出信号MDTSを取り込んで伝達時間を測定するマイコン1、マイコン1からのパルス(テスト信号)PLを増幅するアンプ(Amp−a)2、オーディオ信号の音量/音質(VOL/TONE)を可変制御するVOL/TONE制御部3、スピーカ駆動用のアンプ(Amp−b)4、オーディオ信号を入力されて音を車室内空間に放射するスピーカ5、聴取位置、例えば、運転席のヘッドレストに設けられ、スピーカから放射された音を検出するマイクロホン6、マイクロホンの検出信号MDTSを増幅するアンプ(Amp−c)7を有している。
【0005】
マイコン1から出力するパルスPLはアンプ2→Vol/TONE制御部3→アンプ4を介してスピーカ5に入力し、スピーカは該パルスに応じた音を車室内空間に放射し、マイクロホン6は該音を検出する。アンプ7はマイクロホン検出信号を増幅し、マイコン1はA/D端子を介してマイクロホン検出信号を取り込む。マイコン1は、パルスPLの出力と同時に予め定められた時間間隔、例えば0.1msec毎に、A/D端子に入力するマイクロホン検出信号MDTSをサンプリングする。規定のサンプリング回数、例えば、100回(=10msec)サンプリングを終えれば、サンプリング中で最大電圧値を取得した時間をスピーカ5から聴取点までの伝達時間とする。
図4ではスピーカを1つしか示していないが、車載の全スピーカから聴取点までの伝達時間が測定できるように構成されている。
【特許文献1】特願平11−283943
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で聴取点位置を認識するために、特別の装置(マイク6、アンプ7等)が必要となりコスト的に高価になる。又、音を使用した位置認識であるため、ノイズの影響や車内の構造による音の反射の影響があり、測定誤差が含まれる可能性が高い。この場合、測定に影響する音の無い特別な環境で位置認識測定を行えれば良いが、そのような環境を作るための設備が必要になる。
以上から、本発明は既存の装置を用いて聴取点、例えば運転者の聴取点を測定できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明の第1の態様によれば、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報及び水平軸回りの回転角情報を取得する手段、左右ドアミラーの上記2つの回転角情報に基づいて聴取点の車室内における基準点からの位置を算出する手段、を備えた聴取点位置測定装置により達成される。
上記課題は本発明の第2の態様によれば、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報の組み合せに応じた聴取点の車室内における前後方向の位置を記憶する第1のテーブル、左右ドアミラーの水平軸回りの回転角情報の組み合せに応じた聴取点の車室内における垂直方向の位置を記憶する第2のテーブル、左右ドアミラーを垂直軸回り及び水平軸回りにそれぞれ回転させる回転制御系、左右ドアミラーの垂直軸回り及び水平軸回りの回転角情報を取得する手段、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報の組合わせに応じた聴取点の前後方向位置を前記第1テーブルより求め、左右ドアミラーの水平軸回りの回転角情報の組み合せに応じた聴取点の垂直方向位置を前記第2テーブルより求める手段、を備えた聴取点位置測定装置により達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
(A)本発明の概略
図1は本発明の概略説明図であり、(A)は上から見た運転手とドアミラーの位置関係説明図、(B)は後ろから見た運転手とドアミラーの位置関係説明図である。
本発明は、運転手DRの目の位置(視点)を左右ドアミラーDML,DMRの角度から判断し、その情報から聴取点SRPの位置を特定する。尚、図において、HDLはハンドル、DRS運転席、ASSは助手席、BKSは後座席である。
運転手の視点の前後方向位置は、運転席DRSの前後方向位置、運転席の背もたれの傾斜、運転手の体格などに依存して変化する。また、運転手の視点の垂直方向位置(高さ)は、運転席の背もたれの傾斜や運転手の座高などに依存して変化する。
【0009】
運転手DRは左後方、右後方の一定範囲を眺められるように左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角αL,αR(図1(A))及び水平軸回りの回転角βL,βR(図1(B))を調整する。運転手の視点位置により、左後方、右後方の一定範囲を眺められる左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角及び水平軸回りの回転角は異なる。換言すれば、左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角αL,αR(図1(A))の組合わせから車室内の前後方向における運転手の目の位置(視点位置)が求まり、左右ドアミラーDML,DMRの水平軸回りの回転角βL,βR(図1(B))の組合わせから車室内の垂直方向における運転手の目の位置(視点高さ)が求まる。なお、車両幅方向の視点位置は座席がその方向に移動できないので一定である。
視点と聴取点(両耳の中間点)の位置関係はほぼ一定であるから視点位置より聴取点位置が求まる。
【0010】
以上から、本発明では、左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角αL,αR及び水平軸回りの回転角βL,βRに基づいて聴取点の車室内における基準点からの位置を算出する。すなわち、本発明では、▲1▼左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角αL,αRの組み合せに応じた聴取点の車室内における前後方向の位置xを記憶する第1のテーブル、▲2▼左右ドアミラーDML,DMRの水平軸回りの回転角βL,βRの組み合せに応じた聴取点の車室内における垂直方向の位置yを記憶する第2のテーブル、▲3▼左右ドアミラーDML,DMRを垂直軸回り及び水平軸回りに回転させる回転制御系、▲4▼左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回り及び水平軸回りの回転角αL,αR;βL,βRを取得する手段、▲5▼聴取点位置測定制御手段を備え、該制御手段は、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角αL,αRの組合わせに応じた聴取点の前後方向位置xを第1テーブルより求め、左右ドアミラーの水平軸回りの回転角βL,βRの組み合せに応じた聴取点の垂直方向位置yを第2テーブルより求める。
【0011】
(B)聴取点位置測定装置
図2は本発明の聴取点位置測定装置の構成図である。
聴取点位置測定制御部11は、プロセッサ構成になっており、聴取点位置測定制御を行う制御部(CPU) 51、前後方向位置テーブル52、垂直方向位置テーブル53、左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回り及び水平軸回りの回転角αL,αR;βL,βRや車室内のフロント左右スピーカSPFL,SPFR、リア左右のスピーカSPRL,SPRRの位置を記憶するメモリ54を備えている。前後方向位置テーブル52は図3(A)に示すように、左右ドアミラーDML,DMRの垂直軸回りの回転角情報(回転ステップ)αL,αRの組み合せに応じた聴取点の車室内における前後方向の位置xを保存する。垂直方向位置テーブル53は図3(B)に示すように、左右ドアミラーDML,DMRの水平軸回りの回転角βL,βRの組み合せに応じた聴取点の車室内における垂直方向の位置(高さ)yを保存する。
【0012】
なお、左右ドアミラーDML,DMRを結ぶ方向(幅方向)をZ軸方向、前後方向をX軸方向、上下方向をY軸方向とする。また、ドアミラー位置がX=0、視点のZ軸方向位置をZ=0、車底をY=0とし、(X,Y,Z)=(0,0,0)を基準点とする。
【0013】
ドアミラー回転操作部12は、左右ドアミラーDML,DMRをそれぞれ垂直軸回り及び水平軸回りに回転させる操作部を備えている。制御部51はドアミラー回転操作部12から左ドアミラーDMLの垂直軸回りの所定方向の回転が指令されると、指令回転方向に応じてメモリ54に記憶されている垂直軸回りの回転ステップ(回転角) αLを1増減すると共に左ドアミラー回転駆動部13に所定方向に1ステップ回転するよう指示する。これにより、左ドアミラー回転駆動部13は1ステップ指示された方向にステッピングモータを回転し、左ドアミラー回転機構14を介して左ドアミラーDMLを1ステップ回転させる。以後、ドアミラー回転操作部12から左ドアミラーDMLの垂直軸回りの所定方向の回転指令が停止するまで、制御部51は上記制御を繰返し、1ステップづつ左ドアミラーDMLを垂直軸回りに回転し、垂直軸回りの回転ステップ(回転角) αLを更新する。また、制御部51はドアミラー回転操作部12から左ドアミラーDMLの水平軸回りの所定方向の回転が指令されると同様に1ステップづつ左ドアミラーDMLを水平軸回りに回転し、水平軸回りの回転ステップ(回転角) βLを更新する。
【0014】
更に、制御部51はドアミラー回転操作部12から右ドアミラーDMRの垂直軸回りの所定方向の回転が指令されると、指令回転方向に応じてメモリ54に記憶されている垂直軸回りの回転ステップ(回転角) αRを1増減すると共に右ドアミラー回転駆動部15に所定方向に1ステップ回転するよう指示する。これにより、右ドアミラー回転駆動部15は1ステップ指示された方向にステッピングモータを回転し、右ドアミラー回転機構16を介して右ドアミラーDMRを1ステップ回転させる。以後、ドアミラー回転操作部12から右ドアミラーDMRの垂直軸回りの所定方向の回転指令が停止するまで、制御部51は上記制御を繰返し、1ステップづつ右ドアミラーDMRを垂直軸回りに回転し、垂直軸回りの回転ステップ(回転角) αRを更新する。また、制御部51はドアミラー回転操作部12から右ドアミラーDMRの水平軸回りの所定方向の回転が指令されると同様に1ステップづつ右ドアミラーDMRを水平軸回りに回転し、水平軸回りの回転ステップ(回転角) βRを更新する。
【0015】
運転手がドアミラー回転操作部12を操作して左右ドアミラーDML,DMRの位置調整を完了し、所定時間経過すると、制御部51はドアミラーの位置調整が完了したものとみなし、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角αL,αRの組合わせに応じた聴取点の前後方向位置xを前後方向位置テーブル52より求め、左右ドアミラーの水平軸回りの回転角βL,βRの組み合せに応じた聴取点の垂直方向位置yを垂直方向位置テーブル53より求める。これにより、聴取点位置は(x,y,0)として求まる。
【0016】
ついで、制御部51は、メモリ54に保存されている車室内の各スピーカ位置と聴取点位置とからそれらの間の距離を算出し、該距離より各スピーカから聴取点までの伝達時間を算出してオーディオプロセッサ17に入力する。
オーディオプロセッサ17は、伝達時間のうち最大伝達時間を求め、各スピーカSPFL,SPFR,SPRL,SPRRに入力するオーディオ信号(オーディオソース18から入力)を、各スピーカから聴取点までの伝達時間と最大伝達時間との差分に応じた時間遅延する。これにより、各スピーカからの音が同時に聴取点に到達する。
なお、サラウンドシステムを構築する場合には、聴取点までの伝達時間を考慮してエコー音を発生するための遅延時間を決定する。
以上では、テーブルを用いて前後方向位置、垂直方向位置を算出したが、別の方法、たとえば計算式により求めることもできる。
【0017】
【発明の効果】
以上本発明によれば、左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報及び水平軸回りの回転角情報を取得し、これら2つの回転角情報に基づいて聴取点の車室内における基準点からの位置を算出するようにしたから、既存の装置を用いるだけで聴取点、例えば運転者の聴取点を測定することができ、コスト的に有利である。又、オーディオプロセッサに各スピーカから聴取点までの伝達時間を通知することにより、運転手がほとんで意識することなく、最適な音場を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略説明図である。
【図2】本発明の聴取点位置測定装置の構成図である。
【図3】前後方向位置テーブル、垂直方向位置テーブルの説明図である。
【図4】従来のスピーカから聴取点までの伝達時間を測定する装置の構成図である。
【符号の説明】
11 聴取点位置測定制御部
12 ドアミラー回転操作部
13 左ドアミラー回転駆動部
14 左ドアミラー回転機構
15 右ドアミラー回転駆動部
16 右ドアミラー回転機構
17 オーディオプロセッサ
51 制御部(CPU)
52 前後方向位置テーブル
53 垂直方向位置テーブル
54 メモリ
DML 左ドアミラー
DMR 右ドアミラー
Claims (2)
- 聴取点位置を測定する聴取点位置測定装置において、
左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報及び水平軸回りの回転角情報を取得する手段、
左右ドアミラーの上記2つの回転角情報に基づいて聴取点の車室内における基準点からの位置を算出する手段、
を備えたことを特徴とする聴取点位置測定装置。 - 聴取点位置を測定する聴取点位置測定装置において、
左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報の組み合せに応じた聴取点の車室内における前後方向の位置を記憶する第1のテーブル、
左右ドアミラーの水平軸回りの回転角情報の組み合せに応じた聴取点の車室内における垂直方向の位置を記憶する第2のテーブル、
左右ドアミラーを垂直軸回り及び水平軸回りにそれぞれ回転させる回転制御系、
左右ドアミラーの垂直軸回り及び水平軸回りの回転角情報を取得する手段、
左右ドアミラーの垂直軸回りの回転角情報の組合わせに応じた聴取点の前後方向位置を前記第1テーブルより求め、左右ドアミラーの水平軸回りの回転角情報の組み合せに応じた聴取点の垂直方向位置を前記第2テーブルより求める手段、
を備えたことを特徴とする聴取点位置測定装置。
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JP2003115396A JP2004314915A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 聴取点位置測定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2003-04-21 JP JP2003115396A patent/JP2004314915A/ja not_active Withdrawn
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