JP2010245890A - 車載用スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スピーカ部の設置場所を最適化して、被聴者の耳にスピーカ部からの直接音が入るようにし、かつ左右対のスピーカ部の音圧差を低減して音質向上を図る。
【解決手段】車載用スピーカ装置は、左右対のスピーカ部10を運転席および助手席よりも前方で、かつ各ウインドウの下端を基準として上下7.25cmの制限範囲6に収まる高さに設置し、かつスピーカ部10からの直接音が被聴者の耳に入るようにスピーカ部10の向きを設定するため、特別な構造のスピーカ部を用いなくても、左右の音圧差を軽減でき、また直接音が被聴者9の耳に確実に入るようになり、音質向上が図れる。
【選択図】図1
【解決手段】車載用スピーカ装置は、左右対のスピーカ部10を運転席および助手席よりも前方で、かつ各ウインドウの下端を基準として上下7.25cmの制限範囲6に収まる高さに設置し、かつスピーカ部10からの直接音が被聴者の耳に入るようにスピーカ部10の向きを設定するため、特別な構造のスピーカ部を用いなくても、左右の音圧差を軽減でき、また直接音が被聴者9の耳に確実に入るようになり、音質向上が図れる。
【選択図】図1
Description
本発明は、乗用車等の車内に設置される複数のスピーカ部を備えた車載用スピーカ装置に関する。
乗用車等の車内は、空間が限られている上に、シートやダッシュボード、コンソールボックスなどが所狭しと置かれており、音楽の再生には決して良好な環境とはいえない。
その一方で、車内で音楽を楽しむ者も数多く存在し、大口径のスピーカや多チャネルのスピーカを用いた本格的な車載用オーディオシステムも普及している。
車内におけるスピーカの設置場所としては、ドアの下部に15cm前後の比較的大きな口径のスピーカを設置する例や、ダッシュボードの上面や下部、あるいはリヤウインドウの下端部周辺にスピーカを設置する例などが知られている。ダッシュボードの上面にスピーカを設置して、スピーカ前面を上方に向ける場合は、フロント・ウインドウでの反射音を積極的に利用することを前提としている(特許文献1参照)。
この他、ドアの上部に、高域補償用のスピーカを設置する例や、特定周波数領域(例えば中域)の強調のためにダッシュボードにセンタースピーカを設置する例や、ウインドウの間のピラーにスピーカを設置する例なども提案されている(特許文献2参照)。
また、座席下等に小口径のスピーカを設置して、床面等のバッフル効果を利用して音圧向上を図る例が提案されている(特許文献3参照)。
特許文献1のように、ダッシュボードの上面に略平行にスピーカの前面を設置すると、車内の人間の耳にはスピーカからの直接音ではなく、フロント・ウインドウで反射された反射音が入るため、音質があまりよくないという問題がある。ドアやダッシュボードの下部にスピーカを設置した場合も同様の問題がある。
また、特許文献2のように、ピラーにスピーカを設置した場合も、スピーカが設置される高さによっては、車内の人間の耳に直接音が入らない可能性があり、良質の音が得られる保証はない。
さらに、特許文献3の場合も、音圧は向上できるものの、直接音が車内の人間の耳に入らないため、やはり音質向上は図れない。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スピーカ部の設置場所を最適化して、被聴者の耳にスピーカ部からの直接音が入るようにし、かつ左右対のスピーカ部の音圧差を低減して音質向上を図った車載用スピーカ装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様は、フロント・ウインドウ、サイド・ウインドウおよびリヤ・ウインドウの少なくとも一つの下端部を基準として上下7.25cmの制限範囲に収まる高さに設置される複数のスピーカ部を備え、
前記複数のスピーカ部のうち、少なくとも左右対となる2個のスピーカ部は、運転席および助手席よりも前方に設置され、
少なくとも運転席および助手席に着座した被聴者の耳に前記2個のスピーカ部からの直接音が入るように、前記スピーカ部の向きが設定されることを特徴とする車載用スピーカ装置を提供するものである。
前記複数のスピーカ部のうち、少なくとも左右対となる2個のスピーカ部は、運転席および助手席よりも前方に設置され、
少なくとも運転席および助手席に着座した被聴者の耳に前記2個のスピーカ部からの直接音が入るように、前記スピーカ部の向きが設定されることを特徴とする車載用スピーカ装置を提供するものである。
本発明によれば、スピーカ部の設置場所を最適化するため、被聴者の耳にスピーカ部からの直接音がより多く入るようになり、かつ左右対のスピーカ部の音圧差も低減されて、結果として音質が向上する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
図1(a)は本発明の実施形態に係る車載用スピーカ装置の設置場所を説明する図である。図1(b)は車両1の車内のフロント・ウインドウ2、サイド・ウインドウ3およびリヤ・ウインドウ4を展開した展開図である。
本実施形態のスピーカ装置は複数のスピーカ部を備えており、このうちの少なくとも左右対となる2個のスピーカ部は、運転席および助手席よりも前方の車室内に設置され、より具体的には、フロント・ウインドウ2、サイド・ウインドウ3およびリヤ・ウインドウ4の少なくとも一つの下端部5を基準として上下7.25cmの制限範囲に収まるように車内に設置されている。図1(a)では、この制限範囲6を破線で表している。
図1(a)に示すように、各ウインドウの下端部5の位置は、必ずしも同じ高さではない。このため、制限範囲6も上下に多少変化する。ただし、本実施形態では、この制限範囲6ぎりぎりの口径のスピーカを設置することは想定しておらず、エッジ可動部最外径が40mm程度の小口径のスピーカ部を設置することを念頭に置いている。このため、制限範囲6が上下に多少変化しても、それに合わせてスピーカ部の設置高さを変える必要は必ずしも生じない。すなわち、本実施形態における左右対のスピーカ部は、運転席および助手席よりも前方の範囲で、かつ上記制限範囲6内に収まる高さであれば、設置場所についてはある程度自由度を持たせている。
ここで、オーディオにおけるステレオ再生の基本を説明すると、一対のスピーカの中心線上で試聴し、一対のスピーカに同一音量の音を加えたとき、試聴者の耳に同一の音圧が得られることが望ましい。
被聴者の耳に入る、左右対のスピーカ部の音圧差が大きいほど、音像が再現しにくくなり、被聴者は良質の音とは感じられなくなる。音圧差をできるだけ小さくするには、左側のスピーカ部と被聴者との距離と、右側のスピーカ部と被聴者との距離が同じであることが必要である。
音圧と距離の関係は、距離の2乗に反比例して音圧が下がることがわかっている。これを踏まえて車室内に当てはめて考えると、被聴者は運転席だけでなく、助手席に着座する場合もあるため、どちらの席に着座しても、左右対のスピーカ部の音圧差ができるだけ小さい方が望ましい。
また、左右の席で同程度の音質で音が聞けるようにするには、車両の中心から左右対称にスピーカを配置するのが望ましい。
このことから、被聴者と左右のスピーカの距離は同じにはならないが、できるだけ左右の距離の差が少ないほうが音圧差が小さくなって望ましいことになる。
以下、本実施形態が、図1(a)のような制限範囲6を設ける理由を詳述する。図2は運転席に着座した被聴者を横から見た図である。
図2の水平線5はサイド・ウインドウ3の下端部を示している。
まず、身長と人間の胴体各部の長さの比率との関係を、165cmの身長の人間を対象に算出し、その比率に基づいて、150cm〜190cmの人間について胴体各部の長さを算出する。
165cmの身長を対象として胴体各部の長さを測定し比率を算出すると、以下の通りとなる。
身長に対する座高Aの比率は6/11であり A=身長×6/11となる。
座高に対する頭頂部から耳元までの長さBは、B=A/6となる。
座高に対する耳元から肩口までの長さCは、C=A/6となる。
座高に対する肩口から胸元までの長さDは、D=2A/9となる。
座高に対する胸元から座面までの長さEは、E=4A/9となる。
身長に対する座高Aの比率は6/11であり A=身長×6/11となる。
座高に対する頭頂部から耳元までの長さBは、B=A/6となる。
座高に対する耳元から肩口までの長さCは、C=A/6となる。
座高に対する肩口から胸元までの長さDは、D=2A/9となる。
座高に対する胸元から座面までの長さEは、E=4A/9となる。
図3は、150cm〜190cmの範囲の身長を5cmごとに分類して、上記A〜Eを計算した結果を示す図である。
図4は、身長150cmと身長190cmで、上記DとEの長さを比較した図である。図示のように、上記Dの中には、身長150cmと身長190cmの共通部分Fがある。図5は共通部分Fを模式的に示した図である。この共通部分Fは、以下の(1)式で計算される。
共通部分F=(身長150cmのE)+(身長150cmのD)−(身長190cmのE)
=8.48cm …(1)
共通部分F=(身長150cmのE)+(身長150cmのD)−(身長190cmのE)
=8.48cm …(1)
車両の座席には、シートリフタが通常設置されており、座面の高さ調整を行うことができる。シートリフタにより上下に±3cm移動できると仮定すると、上記共通部分Fは、以下の(2)式で計算される。
共通部分F=(身長150cmのE+3cm)+(身長150cmのD)
−(身長190cmのE−3cm)
=14.48cm …(2)
共通部分F=(身長150cmのE+3cm)+(身長150cmのD)
−(身長190cmのE−3cm)
=14.48cm …(2)
図3に示すように、共通部分Fの下限位置の高さは、身長190cmのE=約46cmに等しい。したがって、共通部分Fは、標準座面位置から考えると座面から46cmの高さを下限とし、そこから約14.5cmの範囲である。
次に、上述した領域A〜Eの音環境について検討する。領域Eを含んで下方側の領域は、被聴者の耳よりもかなり下方に位置し、スピーカ部からの直接音が被聴者の耳に入りづらくなる。また、シートやコンソールボックスなどの障害物が多く、反射や吸収が多い音になり、良質の音は得られない。
共通部分Fは、身長150cmでは肩口付近の高さである。これよりも上の領域は、人間の視野に入る可視領域であり、この領域にスピーカ部を設置する場合、車内の空きスペースの関係から、ウインドウの間のピラーか天井に限られる。
ここで、領域D及び領域Dよりも上方にスピーカ部を取り付けた場合の音響特性について検証する。図6は車内を眺めた鳥瞰図である。図2および図6では、スピーカ部の設置場所として、a,b,c,dの4種類を想定している。図6では、左右対のスピーカ部の位置を(a,a’)、(b,b’)、(c,c’)、(d,d’)としている。aはフロント・ウインドウ2と天井との境界位置であり、領域Bより上において運転席及び助手席の前方にて最も左右の距離差が小さくなる位置を想定している。bはフロント・ウインドウとサイド・ウインドウの間のピラーの中央位置である。図2の領域B及び領域Cは、ピラー7以外はフロント・ウインドウやサイド・ウインドウで占められており、スピーカ部を設置できるのはピラー7の中央部以外には存在しない。
スピーカ部は運転席および助手席よりも前方側で、車内の左右対称の位置に設置されるが、運転席や助手席は、左右の片側に偏って配置されるため、運転席や助手席で音圧差が小さくなるのは、運転席や助手席からの距離ができるだけ長い領域、具体的には、天井部分か、ウインドウ間のピラーと天井との境界付近である。
例えば、図2のaとbは、一方のスピーカ部が運転手の耳に近い位置に配置されるため、左右対のスピーカ部の距離差が大きくなり、音の再現性はよくない。
図2のc及びdは、サイドウィンドウやフロントウィンドウの下端部であり、この周辺は、スピーカ部を設置するスペースがあるため、スピーカ部の設置が容易である。
サイドウィンドウの下端部cは、サイドウィンドウ側では、運転手の耳との距離を最も長く取れる位置であり、cであれば、左右対のスピーカ部の距離差を小さくでき、音圧差も小さくできる。
一方、フロントウィンドウの下端部dには、左右対のスピーカ部を設置するスペースが十分にあり、また、運転手の耳との距離も長く取れる。実際には、cよりもdの方が運転手の耳との距離が長くなるため、左右対のスピーカ部の距離差をより小さくできる。
以上をまとめると、図2の|a’−a|>|b’−b|>|c’−c|>|d’−d|の順で、被聴者とスピーカ部との距離差が小さくなる。すなわち、a>b>c>dの順で音圧差が小さくなる。
上述したように、左右の音圧差が小さい方が、被聴者は良質の音を得ることができるため、図2のa〜dの中では、dが最も音の再現性がよく、次にcである。cもdも、図6の領域Dの範囲内に位置する。
図2のDは、被聴者の肩口から胸元までの長さであり、通常の車両は、Dの中心線の高さがウインドウの下端部とほぼ一致している。上述したように、被聴者の背の高さによって、Dの長さも変化し、150cm〜190cmの範囲の身長を念頭に置いた場合、Dの共通部分は、座面から46cmの高さを下限とする、14.5cmの範囲内である。すなわち、身長が変化しても、上記14.5cmの範囲内はDの共通部分である。したがって、この14.5cmの範囲内の中心線の高さにウインドウの下端部が位置するとみなせる。
本実施形態では、ウインドウの下端部を基準として、上下7.25cmの範囲を、図1(a)の破線で示す制限範囲6としている。この上下7.25cmの範囲を制限範囲6とする理由は、被聴者の耳とスピーカ部との距離を比較的大きく確保できて、左右対のスピーカ部の音圧差を小さくできるためである。仮に耳に最も近い領域BやCを制限範囲6とすると、被聴者の耳とスピーカ部との距離が短くなり、上述したように、左右対のスピーカ部の音圧差が大きくなって、良質の音が聴けなくなる。
被聴者の耳とスピーカ部との距離を大きくするという点では、領域Dよりも領域Eにスピーカ部を設置する方が望ましいが、領域Eは、被聴者の耳よりもかなり下方にあり、今度はスピーカ部からの直接音が被聴者の耳に入りづらくなる。
このように、左右対のスピーカ部の音圧差を小さくしつつ、スピーカ部からの直接音をより多く聴けるようにするという両方の要求を満足する高さとして、本実施形態では、ウインドウの下端部を基準とする上下7.25cmの範囲を、スピーカ部を設置可能な制限範囲6として選択した。
ただし、制限範囲6内であっても、ダッシュボードの上面に略平行にスピーカ部の前面を形成したとすると、スピーカ部からの音は上方に放射されてフロント・ウインドウ2で反射されて、その反射音が被聴者の耳に入ることになる。これでは、直接音が被聴者の耳に入らないことになり、音質の向上は望めない。
そこで、図7のようにダッシュボードの上面にスピーカ部10を設置する場合は、ダッシュボードの上面方向から傾けてスピーカ部10の前面を配置するのが望ましい。これにより、スピーカ部10からの直接音が被聴者の耳に入る割合が多くなる。
図7はダッシュボード8の上面にスピーカ部10を立てて設置した例を示しているが、これは一例にすぎない。例えば、ダッシュボード8に凹部を形成して、この凹部にスピーカ部10の少なくとも一部を斜めに埋め込んで、スピーカ部10がダッシュボード8の上面から上に突出しないようにしつつ、スピーカ部10からの直接音が被聴者9の耳に入るようにしてもよい。
スピーカ部10の前面をダッシュボード8の上面方向から傾けるということは、スピーカ部10の前面とダッシュボード8の上面を面一にできないことになるが、本実施形態では、後述するように小口径のスピーカ部10を用いることを念頭に置いているため、スピーカ部10がダッシュボード8のデザイン的な統一感や美観を損ねる要因にはならないと考える。
なお、スピーカの設置場所は、必ずしもダッシュボード8の上面には限られない。例えば、図2および図6の位置c,c’に示すように、フロント・ウインドウ2とサイド・ウインドウ3の間のピラー7の根元付近に設けてもよい。この場合は、左右対のスピーカ部10は、ピラー7の外表面とスピーカ部10の前面を面一にしても、被聴者9の耳に直接音を入れることができる。
したがって、スピーカ部10がピラー7の外表面から突出しなくなり、スピーカ部10の存在が目立たなくなり、デザイン的にも望ましく、また直接音が耳に届けられる位置であることからスピーカの設置位置としては適切な位置といえる。
本発明者は、スピーカの向きによって被聴者の耳に入る直接音がどのように変化するかを調べるために図8に示す実験を行った。図8(a)はスピーカ部10の正面にマイク11を配置した例を示す図、図8(b)はマイク11とは90度異なる方向にスピーカ部10の前面を配置した例を示す図である。
図9は図8の音圧測定結果を示すグラフであり、曲線c1は図8(a)の特性、曲線c2は図8(b)の特性を示している。
曲線c1は曲線c2よりも、高周波帯域まで音圧が高くなっており、スピーカ部10の正面にマイク11を配置すると、より直接音が多くマイク11に入ることを示している。
図9の結果より、スピーカ部10を設置する際には、スピーカ部10の前面ができるだけ被聴者の方向を向くようにスピーカ部10を設置するのが望ましいことがわかる。
図10(a)はエッジ可動部最外径が40mmのスピーカ部10の音圧周波数特性を示すグラフ、図10(b)は16cm口径のスピーカ部10の音圧周波数特性を示すグラフである。
図10(a)と図10(b)のそれぞれには、曲線c3,c4,c5が図示されている。曲線c3はスピーカの真正面にマイク11を配置した例、曲線c4はスピーカの真正面から30度ずらしてマイク11を配置した例、曲線c5はスピーカの真正面から60度ずらしてマイク11を配置した例をそれぞれ示している。
エッジ可動部最外径が40mmのスピーカ部10の場合、12kHz程度までは、0度と30度のいずれも、音圧を維持している。一方、16cm口径のスピーカ部10の場合、30度の音圧は4kHz付近から0度の音圧と比較して低下し始める。
このように、エッジ可動部最外径が40mmのスピーカ部10は、16cm口径よりも、広帯域の指向性を有することがわかる。
図10の結果を受けて、本実施形態では、広帯域の指向性が得られるエッジ可動部最外径が40mmのスピーカ部10を用いることにした。なお、エッジ可動部最外径が40mm以下のスピーカ部10であれば、おおむね図10(a)のような音圧周波数特性が得られるため、必ずしもエッジ可動部最外径が40mmには限定されない。
図11は左右対のスピーカ部10それぞれの一例を示す鳥瞰図である。図示のように、各スピーカ部10は、2個のスピーカ本体12とパッシブ・ラジエータ13を備えている。スピーカ部10を2個備えている理由は、音圧を上げるためと、パワーを増大させるためである。なお、スピーカ部10の数は2個に限定されず、1個でもよいし、3個以上でもよい。
パッシブ・ラジエータ13は、低域を補償するためのものである。パッシブ・ラジエータ13を設ける代わりに、バスレフ方式を採用してもよいし、低域補償を特に行わない密閉型のスピーカ部10を採用してもよい。
図12は図11のスピーカ部10の音圧周波数特性を示すグラフである。上述したように、左右対のスピーカ部10は、運転席および助手席よりも前方で、かつ各ウインドウの下端を基準とした上下±7.25cmの制限範囲6内の高さに設置される。
最近は、3つ以上のスピーカ部10を利用した多チャネル音響システムを採用することも多い。そこで、本実施形態においても、多チャネル構成にすることが可能である。
その場合、例えば図13に示すように、上述した左右対のスピーカ部10の他に、運転席および助手席の脇にあるピラー14、すなわち、前方サイド・ウインドウ3と後方サイド・ウインドウ3の間のピラー14にも、左右対のスピーカ部10を配置してもよい。
この場合、スピーカ部10の設置高さは、やはり上述した制限範囲6内に設定するのが望ましい。これにより、2列目や3列目に着座した被聴者との左右の距離差をある程度小さくでき、左右の音圧差を比較的小さくできる。
また、制限範囲6内の高さにスピーカ部10を設置することで、直接音が被聴者の耳に入りやすくなる。
さらに、このピラー14に設置するスピーカ口径を、エッジ可動部最外径が40mm以下にすることで、音圧を広帯域で高く維持でき、音の再現性がよくなる。
図13に示すスピーカ部10の配置は一例であり、後方サイド・ウインドウ3とリヤ・ウインドウ4の間のピラーや、後部座席よりも後方側にスピーカ部10を配置してもよい。
このように、本実施形態では、左右対のスピーカ部10を運転席および助手席よりも前方で、かつ各ウインドウの下端を基準とした上下±7.25cmの制限範囲6内の高さに設置し、かつスピーカ部10からの直接音が被聴者9の耳に入るようにスピーカ部10の向きを設定するため、特別な構造のスピーカ部10を用いなくても、左右の音圧差を軽減でき、また直接音が被聴者9の耳に確実に入るようになり、音質向上が図れる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。
すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 車両
2 フロント・ウインドウ
3 サイド・ウインドウ
4 リヤ・ウインドウ
6 制限範囲
7 ピラー
8 ダッシュボード
10 スピーカ部
11 マイク
12 スピーカ本体
13 パッシブ・ラジエータ
2 フロント・ウインドウ
3 サイド・ウインドウ
4 リヤ・ウインドウ
6 制限範囲
7 ピラー
8 ダッシュボード
10 スピーカ部
11 マイク
12 スピーカ本体
13 パッシブ・ラジエータ
Claims (6)
- フロント・ウインドウ、サイド・ウインドウおよびリヤ・ウインドウの少なくとも一つの下端部を基準として上下7.25cmの制限範囲に収まる高さに設置される複数のスピーカ部を備え、
前記複数のスピーカ部のうち、少なくとも左右対となる2個のスピーカ部は、運転席および助手席よりも前方に設置され、
少なくとも運転席および助手席に着座した被聴者の耳に前記2個のスピーカ部からの直接音が入るように、前記スピーカ部の向きが設定されることを特徴とする車載用スピーカ装置。 - 前記スピーカ部のエッジ可動部の最外径は40mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の車載用スピーカ装置。
- 前記スピーカ部は、ダッシュボードと、フロント・ウインドウおよびサイド・ウインドウの間のピラーと、の少なくとも一つに設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の車載用スピーカ装置。
- 前記左右対となる2個のスピーカ部をダッシュボードの上面に沿って設置する場合には、該スピーカ部の前面を前記ダッシュボードの上面方向から傾けて設置することを特徴とする請求項3に記載の車載用スピーカ装置。
- 前記左右対となる2個のスピーカ部を前記ピラーに設置する場合には、該スピーカの前面が前記ピラーの外表面から突出しないように設置することを特徴とする請求項3に記載の車載用スピーカ装置。
- 前方のサイド・ウインドウおよび後方のサイド・ウインドウの間のピラーと、後方のサイド・ウインドウおよびリヤウインドウの間のピラーとの少なくとも一つに、前記2個のスピーカ部とは別個の少なくとも左右対の2個のスピーカ部が設置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスピーカ装置。
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