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JP2004235107A - 発光素子 - Google Patents

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JP2004235107A
JP2004235107A JP2003025006A JP2003025006A JP2004235107A JP 2004235107 A JP2004235107 A JP 2004235107A JP 2003025006 A JP2003025006 A JP 2003025006A JP 2003025006 A JP2003025006 A JP 2003025006A JP 2004235107 A JP2004235107 A JP 2004235107A
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light
oxide
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emitting device
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JP2003025006A
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English (en)
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Junya Ishizaki
順也 石崎
Shinji Nozaki
眞次 野崎
Kazuo Uchida
和男 内田
Hiroshi Morizaki
弘 森崎
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
Nanoteco Corp
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Nanoteco Corp
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd, Nanoteco Corp filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Priority to PCT/JP2003/015579 priority patent/WO2004068661A1/ja
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10HINORGANIC LIGHT-EMITTING SEMICONDUCTOR DEVICES HAVING POTENTIAL BARRIERS
    • H10H20/00Individual inorganic light-emitting semiconductor devices having potential barriers, e.g. light-emitting diodes [LED]
    • H10H20/80Constructional details
    • H10H20/83Electrodes
    • H10H20/832Electrodes characterised by their material
    • H10H20/833Transparent materials

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

【課題】発光駆動用の電極として酸化物透明電極層を用いるとともに、発光層部側のAl酸化に伴う発光効率あるいは光取出効率の低下を効果的に防止できる発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子100は、Alを含有した化合物半導体層4,5,6からなる発光層部24と、該発光層24部に発光駆動電圧を印加するための酸化物透明電極層8,10とを有し、発光層部24からの光を、酸化物透明電極層8,10を透過させる形で取り出す。そして、発光層部24と酸化物透明電極層8,10との間に、発光層部24のAl酸化を抑制するための酸化物保護層7,9が介挿形成されてなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平1−225178号公報
【特許文献2】
米国特許公報第5789768号
【0003】
(AlGa1−xIn1−yP(但し、0≦x≦1,0≦y≦1:以下、AlGaInPとも記載する)混晶により発光層部が形成された発光素子は、薄いAlGaInP活性層を、それよりもバンドギャップの大きいn型AlGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによりサンドイッチ状に挟んだダブルへテロ構造を採用することにより、高輝度の素子を実現できる。また、近年では、InGaAl1−x−yN(但し、0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1:以下、InGaAlNとも記載する)を用いて同様のダブルへテロ構造を形成した青色発光素子も実用化されている。
【0004】
上記のような発光素子においては、駆動電圧を印加するための電極として、従来、金属電極が用いられてきた。金属電極は遮光体として作用するため、例えば発光層部主表面の中央部のみを覆う形で形成し、その周囲の電極非形成領域から光を取り出す。金属電極は、面積をなるべく小さくしたほうが、電極の周囲に形成される光漏出領域の面積を大きくできるので、光取出し効率を向上させる観点において有利である。しかし、電極を小さくしすぎると素子の面内方向に電流を拡げることが困難となり、光取出量が却って制限される問題がある。これを解決するために、例えば、発光層部との金属電極との間に、ドーパント濃度を高めた低抵抗率の電流拡散層を形成する方法が採用されている。しかし、面内方向の電流密度分布を完全に均一化するには、電流拡散層の層厚をかなり厚く設定しなければならない(例えば50μm程度)。しかし、これでは成膜に必要な時間が長くなるとともに多量の原料を必要とするため、生産性の悪化ひいては素子の高価格化は必至である。そこで、電流拡散効果と光取出効率との双方を高めるために、電極と電流拡散層との機能を兼用する高導電率の酸化物透明電極層(例えば、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫))にて発光層部を覆う提案が、例えば特許文献1あるいは特許文献2に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ダブルへテロ構造を有する発光素子の内部量子効率を高めるためには、活性層へのキャリア閉じ込め効果を高めることが重要である。具体的には、活性層とクラッド層とのバンド端不連続値を大きくする必要があり、そのためにはクラッド層のバンドギャップエネルギーを高めることが有効である。AlGaInP系あるいはInGaAlN系の発光素子は、該観点から、いずれもクラッド層に相当量のAlが添加される。
【0006】
ところで、III−V族化合物半導体に含有されるAlは、いずれも酸化されやすく、特に、酸素を含有する高温雰囲気での酸化が著しい。従って、Alを含有する発光層部の表面に、前記のような酸化物透明電極層を、スパッタリングやCVDなどにより直接堆積すると、発光層部の相当厚さ部分がAlの酸化により劣化する問題がある。また、酸化物透明電極層は、基板を加熱して成膜することが、結晶性の改善ひいては導電性向上の観点において有効であるが、昇温環境下での成膜は、発光層部側のAlの酸化が一層進みやすい問題がある。クラッド層のAlの酸化が進むと、絶縁性のAl層がかなりの厚さで形成されるため、素子の直列抵抗が増加する。また、クラッド層の実効厚さが目減りするために、活性層へのキャリア注入効率が低下する。さらに、Alが酸化された後に残る残余の原子が、結晶欠陥を形成して発光層部からの光を散乱あるいは吸収する。これらはいずれも発光効率あるいは光取出効率の低下を招く。
【0007】
本発明は、発光駆動用の電極として酸化物透明電極層を用いるとともに、発光層部側のAl酸化に伴う発光効率あるいは光取出効率の低下を効果的に防止できる発光素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明の発光素子は、Alを含有した化合物半導体層からなる発光層部と、該発光層部に発光駆動電圧を印加するための酸化物透明電極層とを有し、発光層部からの光を、酸化物透明電極層を透過させる形で取り出すようにした発光素子において、発光層部と酸化物透明電極層との間に、発光層部のAl酸化を抑制するための、金属酸化物よりなる酸化物保護層が介挿形成されてなることを特徴とする。
【0009】
上記の構成によると、酸化物透明電極層を使用することにより、電流拡散層を用いることなく電流を効果的に発光素子領域全面に拡散することが可能となり、発光量を増大させることが可能となる。そして、発光層部と酸化物透明電極層との間に、金属酸化物よりなる酸化物保護層を積極形成することにより、酸化物透明電極層を形成する際の発光層部のAl酸化を大幅に減少させることができる。これにより、発光層部のAl酸化による劣化が抑制され、発光効率あるいは光取出効率を高めることができる。
【0010】
酸化物保護層は、導電性酸化物又は半導体酸化物により形成すると、保護層形成に伴う直列抵抗の増加を抑制でき、ひいては発光効率をさらに高めることができる。このような酸化物としては、具体的には、ZnO、MgO及びSnOの1種又は2種以上を主成分(50質量%以上)とするものを使用することができる。
【0011】
酸化物保護層の厚さは、酸化物透明電極層の形成時において、発光層部のAl酸化抑制効果が十分達成される範囲で可及的に薄く形成することが望ましく、例えば該厚さを5nm以上1μm以下の範囲にて調整することができる。厚さが5nm未満ではAl酸化防止抑制効果に乏しく、1μmを超える厚さは成膜に時間を要するために素子の製造効率低下につながる。また、厚すぎる酸化物保護層は、素子の直列抵抗増大を招きやすく、発光効率の低下を引き起こす場合がある。
【0012】
また、酸化物保護層は、トンネリングによる導通が許容される厚さ、例えば15nm以下の厚さに制限することで、絶縁性酸化物により構成することも可能である。例えば、Alは非常に安定な酸化物であり、発光層部を薄く均一に覆うことさえできれば、内層側の発光層部のAl酸化をむしろ抑制する働きをなすので、本発明に効果的に使用することが可能である。
【0013】
酸化物保護層は、絶縁性酸化物で構成する場合に限らず、発光層部を薄く均一に覆う形で形成することが、発光層部のAl酸化を十分に果たしつつ、余分な層を形成することに伴う発光素子性能への影響を必要最小限に留める上で有効である。この観点から、酸化物保護層は層厚方向に金属原子層と酸素原子層とが交互に積層された構造を有するものとして形成することが望ましい。また、該構造は、光散乱や吸収の原因となる結晶粒界を、電流通過方向を横切る向きに生じない観点においても有効である。
【0014】
このような酸化物保護層は、原子層エピタキシ法(ALE:Atomic Layer Epitaxy)を用いて成長することが有効である。例えば、原子層エピタキシ法により発光層部上に、酸化物保護層の金属原子層を金属単原子層として形成した後、残余の酸素原子層と金属原子層とを成長させるようにする。ALE法を採用すると、最初の金属単原子層が完成すれば、金属原子層の形成を1原子層分で飽和させることができ(いわゆる自己停止機能)、層内に配列した原子にも欠損や変位などの乱れを生じ難い。このように乱れの少ない金属原子層を、1原子層分完成させた後、後続の金属原子層と酸素原子層とを成長させることで、結晶性の極めて良好な酸化物保護層が得られ、高性能の発光素子を実現する上で好都合となる。また、層内に欠損や変位が生じ難いため、発光層部に対する被覆性も極めて良好であり、酸化物保護層を非常に薄く形成しても、発光層部のAl酸化防止効果を十分に達成できる。具体的には、酸化物保護層は、金属原子層と酸素原子層とが5層以上500層以下の範囲で積層されたものとすることができる。5層未満ではAl酸化防止効果が不十分となる可能性があり、500層以上では逆に効果が飽和し、製造能率の低下をきたす。
【0015】
上記ALE法は、基板を配置した反応容器内に有機金属ガス及び酸素成分源ガスを供給する、有機金属気相成長法(MOVPE(Metal Organic Vapour PhaseEpitaxy)法)の形で実施することができる。具体的には、金属原子層の原料となる有機金属ガスのみを反応容器内に流通して、バッファ層を構成する最初の金属原子層を1原子層分で飽和するように形成し、金属単原子層とする。図5(a)に示すように、有機金属(MO)分子は、結合している有機基を分解・離脱させつつ、金属原子を基板上に化学吸着させる。このとき、ALE法を採用すると、金属原子は、結合している有機基の一部を残留させた形で吸着し、図5(b)に示すように、残留有機基を表面側に配向した形で金属原子層を形成する。この配向した残留有機基が新たな金属原子の吸着を阻害するため、1原子層が完成すれば自己停止機能の発現が顕著となり、層内に配列した原子に欠損や変位などの乱れが極めて生じ難にくくなる。
【0016】
発光層部は、(AlGa1−xIn1−yP(但し、0≦x≦1,0≦y≦1:AlGaInP)又はInGaAl1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1:InGaAlN)にて構成することができる。該発光層部は、各々(AlGa1−xIn1−yP又はInGaAl1−x−yNにて構成される第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層がこの順序にて積層されたダブルへテロ構造を有するものとして形成できる。活性層の両側に形成されるクラッド層とのバンドギャップ差に起因したエネルギー障壁により、注入されたホールと電子とが狭い活性層中に閉じ込められて効率よく再結合するので、非常に高い発光効率を実現できる。さらに、活性層の組成調整により、前者は緑色から赤色領域(ピーク発光波長が520nm以上670nm以下)にかけて、後者は紫外領域から赤色(ピーク発光波長が300nm以上700nm以下)にかけての、それぞれ広範囲の発光波長を実現することができる。AlGaInP又はInGaAlNからなる発光層部は、いずれもAlを含有するので、酸化劣化の問題を考慮しなければならないが、酸化物保護層にて覆った後、酸化物透明電極層を形成する構成を採用することで、Al酸化劣化の影響を効果的に抑制することができる。
【0017】
上記構成においては、第一導電型クラッド層及び第二導電型クラッド層の少なくともいずれかと接する位置に酸化物保護層及び酸化物透明電極層を形成することができる。例えば、ダブルへテロ構造からなる発光層部の片側の主表面のみを光取出面として使用する場合は、該側に位置するクラッド層と酸化物透明電極層との間に該酸化物透明電極と接する形にて酸化物保護層を形成して、酸化物透明電極層を形成することができる。他方、発光層部の両側の主表面を光取出面として使用する場合は、両側のクラッド層のそれぞれに対応して酸化物透明電極を形成するとともに、各酸化物透明電極とクラッド層との間には、酸化物透明電極に接する酸化物保護層を形成することができる。
【0018】
AlGaInP(閃亜鉛鉱型構造)及びInGaAlN(ウルツ鉱型構造)からなる化合物半導体層は、いずれもIII族原子充填層とV族原子充填層とが交互積層された構造を有し、その積層方向に成長がなされる。従って、該化合物半導体層上にALE法等により金属原子層と酸素原子層とを交互積層する形で酸化物保護層を成長・形成する場合は、その成長方向に金属原子層と酸素原子層とが交互積層される結晶構造の酸化物を用いることが、健全な酸化物保護層を効率的に成長できるので望ましい。この観点において、ZnO、MgO(いずれもウルツ鉱型構造)あるいはAl(コランダム型構造)を酸化物保護層として採用することが望ましいといえる。ZnOとMgOとは両者の混晶を用いることも可能であるが、ZnOあるいはMgOを単独で用いるほうが、ALE法等の採用がより容易である。また、導電性を考慮すれば、酸化物保護層をZnO単独にて形成することがより望ましいといえる。
【0019】
上記本発明の発光素子の構成において、酸化物透明電極層の材質は、酸化スズ(SnO)あるいは酸化インジウム(In)を主体とするものを使用できる。具体的には、酸化物透明電極層は、ITOが高導電率であり、本発明に好適に使用できる。ITOは、酸化スズをドープした酸化インジウム膜であり、酸化スズの含有量を1〜9質量%とすることで、電極層の抵抗率を5×10−4Ω・cm以下の十分低い値とすることができる。なお、ITO電極層以外では、ZnO電極層が高導電率であり、本発明に採用可能である。また、酸化アンチモンをドープした酸化スズ(いわゆるネサ)、CdSnO、ZnSnO、ZnSnO、MgIn、酸化イットリウム(Y)をドープしたCdSb、酸化スズをドープしたGaInOなども酸化物透明電極層の材質として使用することができる。
【0020】
これらの酸化物透明電極層は、公知の気相成膜法、例えば化学蒸着法(chemical vapor deposition:CVD)、スパッタリングや真空蒸着などの物理蒸着法(physical vapor deposition:PVD)、あるいは分子線エピタキシャル成長法(molecular beam epitaxy:MBE)にて形成することができる。例えば、ITO電極層やZnO電極層は高周波スパッタリング又は真空蒸着により製造でき、また、ネサ膜はCVD法により製造できる。また、これら気相成長法に代えて、ゾル−ゲル法など他の方法を用いて形成してもよい。酸化物透明電極層は、発光層部の全面を被覆する形にて形成することができる。このように構成すると、酸化物透明電極層に電流拡散層の機能を担わせることができ、従来のような化合物半導体からなる厚い電流拡散層の形成が不要となったり、仮に形成する場合でも、その厚みを大幅に減ずることができるから、工程の簡略化によるコスト削減に寄与し、産業利用上非常に有効である。
【0021】
酸化物透明電極層をITO層にて構成する場合は、結晶性の良好なITO層を形成することが導電性の向上、ひいては電流拡散効果の向上による発光効率に改善に有効である。結晶性の良好なITO層を得るには、スパッタリングの採用が有効であり、特に基板温度を400〜800℃に昇温して成長するとよい。また、酸化物透明電極層の厚さは、0.2μm以上1μm以下に形成することが望ましい。酸化物透明電極層の厚さが0.2μm未満では面内方向の電気抵抗率が高くなりすぎて、電流拡散層としての機能が損なわれるおそれがある。また、1μmを超える厚さは製造能率の低下を招く。
【0022】
そして、発光層部のAl酸化抑制効果を十分に達成するには、酸化物保護層を酸化物透明電極層よりも低温で形成する必要がある。例えば前述のALE法を採用する場合は、250℃以上400℃以下にて酸化物保護層を成長することが望ましい。250℃以下では原料ガスの分解反応が十分に進まず、400℃を超えると発光層部のAl酸化が進みやすくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である発光素子100を示す概念図である。発光素子100は、発光層部24の第一主表面17側に、酸化物保護層としてのZnO保護層7と酸化物透明電極層としてのITO電極層8とがこの順序にて形成されている。また、発光層部24の第二主表面18側に、酸化物保護層としてのZnO保護層9と酸化物透明電極層としてのITO電極層10とがこの順序にて形成されている。ITO電極層8,10は、ZnO保護層7及びZnO保護層9とともに、発光層部24の両主表面17,18のそれぞれ全面を覆う形にて形成されている。
【0024】
発光層部24は、各々(AlGa1−xIn1−yP混晶とされるとともに、第一導電型クラッド層6、第二導電型クラッド層4、及び第一導電型クラッド層6と第二導電型クラッド層4との間に位置する活性層5からなるダブルへテロ構造とされている。具体的には、ノンドープ(AlGa1−xIn1−yP(但し、0≦x≦0.55,0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、p型(AlGa1−xIn1−yPクラッド層6とn型(AlGa1−xIn1−yPクラッド層4とにより挟んだ構造となっている。図1の発光素子100では、ITO電極層8側にp型AlGaInPクラッド層6が配置されており、ITO電極層10側にn型AlGaInPクラッド層4が配置されている。従って、通電極性はITO電極層8側が正である。なお、当業者には自明のことであるが、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1013〜1016/cm程度を上限とする)をも排除するものではない。
【0025】
なお、図1の発光素子100において、各層の厚さの実例として以下のような数値を例示できる:
・ZnO保護層7=厚さ:約5原子層分
・ITO電極層8=厚さ:0.1μm、酸化スズ含有率:7質量%(残部酸化インジウム);
・p型AlGaInPクラッド層6=1μm;
・AlGaInP活性層5=0.6μm;
・n型AlGaInPクラッド層4=1μm;
・ZnO保護層9=約5原子層分
・ITO電極層10=ITO電極層8と同一構成。
【0026】
以下、図1の発光素子100の製造方法について説明する。
まず、図3に示すように、AlGaInP混晶と格子整合する化合物半導体単結晶基板であるGaAs単結晶基板1の第一主表面1aに、n型GaAsバッファ層2を例えば0.5μm、次いで、発光層部24として、1μmのn型AlGaInPクラッド層4、0.6μmのAlGaInP活性層(ノンドープ)5、及び1μmのp型AlGaInPクラッド層6をエピタキシャル成長させる。発光層部24のエピタキシャル成長は、公知の有機金属気相エピタキシャル成長(Metalorganic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE)法により行なうことができる。
【0027】
次に、発光層部24の第一主表面24a(基板1に接しているのと反対側の主表面)に、ZnO保護層7をALE法により成長する。具体的には、図5の工程(a)及び工程(b)に示すように、有機金属ガスMOを反応容器内に供給し、ZnO保護層9の一部をなす最初の金属原子層をALE法により単原子金属層として形成する。既に説明した通り、ALE法では自己停止機能により金属原子層の成長は1原子層分で飽和し、有機金属ガスMOの供給を継続しても、それ以上の金属原子層の成長は起こらない。
【0028】
その後、有機金属ガスMOの供給を停止し、窒素ガスで反応容器内を置換して有機金属ガスMOを十分にパージアウトした後、工程(c)に示すように、酸素成分源ガス(酸化性ガス雰囲気でもある)としてNOを導入し、ALE法により酸素原子層を1原子層分形成する。これにより、基板10上にはZnO層が1分子層分だけ形成されたことになる。その後、工程(d)に示すように、上記工程を交互に繰り返すことにより、金属原子層と酸素原子層が交互に積層されたZnO保護層7が形成される。
【0029】
上記の成長後、例えば硫酸系水溶液(濃硫酸:30%過酸化水素水:水=3:1:1容量比)からなるエッチング液に浸漬することにより、GaAs基板1およびGaAsバッファ層2をエッチング除去することができる(図4(a))。そして、同図(b)に示すように、そのエッチング剥離された側において、n型AlGaInPクラッド層4の主表面18に、ZnO保護層9を、ALE法により同様に成長させる。
【0030】
そして、それぞれのZnO保護層7及びZnO保護層9の両主表面に、公知の高周波スパッタリング法により、ITO電極層8,10をそれぞれ厚さ0.1μmにて形成し、積層体ウェーハ13を得る。積層体ウェーハ13はダイシングにより半導体チップとされ、支持体に固着した後、図1に示すようにリード線14b,15bを取り付け、さらに図示しない樹脂封止部を形成することにより発光素子100が得られる。
【0031】
なお、図6に示す発光素子50のように、ダブルへテロ構造層からなる発光層部24に、その片側にのみ酸化物保護層(ZnO保護層)7及び酸化物透明電極層(ITO電極層)8を接合してもよい。この場合は、n型GaAs基板1は素子基板に流用され、その第一主表面側にZnO保護層7及びITO電極層8が形成される。また、図7に示す発光素子51のように、GaAs基板1と発光層部24との間に、例えば特開平7−66455号公報に開示されている半導体多層膜や、あるいはAuないしAu合金にて構成された金属層を反射層16として挿入することができる。これにより、発光層部24から直接光取出層側に漏出する光Lに加え、反射層16での反射光L’が加わるので、光取出効率を高めることができる。また、全反射損失をさらに低減するために、特開平5−190893号公報に開示されているように、発光層部と光取出層との界面を光取出方向に向けて凸状に湾曲させることもできる。
【0032】
図1の発光素子100においては、ダブルへテロ構造をなす発光層部24の各層をAlGaInP混晶にて形成していたが、図2に示すように、ダブルへテロ構造をなす発光層部124の各層(p型クラッド層106、活性層105及びn型クラッド層104)をAlGaInN混晶により形成することにより、青色あるいは紫外発光用のワイドギャップ型発光素子200を構成することもできる。発光層部124は、図1の発光素子100と同様にMOVPE法により形成される。該図2の発光素子200は、発光層部124を除き、残りの部分は図1の発光素子100と同一構成であるので、詳細な説明は省略する。
【0033】
また、活性層5あるいは105は上記実施形態では単一層として形成していたが、これを、バンドギャップエネルギーの異なる複数の化合物半導体層が積層されたもの、具体的には、図8(a)に示すような量子井戸構造を有するものとして構成することもできる。量子井戸構造を有する活性層は、図8(b)及び図8(c)に示すように、混晶比の調整によりバンドギャップが互いに相違する2層、すなわちバンドギャップエネルギーの小さい井戸層Bと大きい障壁層Aとを、各々電子の平均自由工程もしくはそれ以下の厚さ(一般に、1原子層〜数nm)となるように格子整合させる形で積層したものである。上記構造では、井戸層Bの電子(あるいはホール)のエネルギーが量子化されるため、例えば半導体レーザー等に適用した場合に、発振波長をエネルギー井戸層の幅や深さにより自由に調整でき、また、発振波長の安定化、発光効率の向上、さらには発振しきい電流密度の低減などに効果がある。さらに、井戸層Bと障壁層Aとは厚さが非常に小さいため、2〜3%程度までであれば格子定数のずれが許容され、発振波長領域の拡大も容易である。なお、量子井戸構造は、(b)に示すように、井戸層Bを複数有する多重量子井戸構造としてもよいし、(c)に示すように、井戸層Bを1層のみ有する単一量子井戸構造としてもいずれでもよい。図では、p型及びn型の各クラッド層を(Al0.7Ga0.30.5In0.5P混晶により、障壁層Aを(Al0.5Ga0.50.5In0.5P混晶により、井戸層Bを(Al0.2Ga0.80.5In0.5P混晶によりそれぞれ構成している。なお、障壁層Aの厚さは、例えばクラッド層と接するもののみ50nm程度とし、他は6nm程度とすることができる。また、井戸層Bは5nm程度とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子の一例を積層構造にて示す模式図。
【図2】本発明の発光素子の別例を積層構造にて示す模式図。
【図3】図1の発光素子の製造工程を示す模式図。
【図4】図3に続く模式図。
【図5】ALE法による酸化物保護層の形成工程を示す説明図。
【図6】発光層部の第一主表面にのみ酸化物保護層及び酸化物透明電極層を形成した素子構造の例を示す模式図。
【図7】図5において、光取出層の第二主表面側に反射層を挿入した素子構造の例を示す模式図。
【図8】量子井戸構造を有する活性層の模式図。
【符号の説明】
4 n型AlGaInPクラッド層(第二導電型クラッド層)
5 AlGaInP活性層
6 p型AlGaInPクラッド層(第一導電型クラッド層)
7 ZnO保護層(酸化物保護層)
8 ITO電極層(酸化物透明電極層)
9 ZnO保護層(酸化物保護層)
10 ITO電極層(酸化物透明電極層)
24 発光層部
104 n型AlGaInNクラッド層(第二導電型クラッド層)
105 AlGaInN活性層
106 p型AlGaInNクラッド層(第一導電型クラッド層)
50,51,100,200 発光素子

Claims (11)

  1. Alを含有した化合物半導体層からなる発光層部と、該発光層部に発光駆動電圧を印加するための酸化物透明電極層とを有し、前記発光層部からの光を、前記酸化物透明電極層を透過させる形で取り出すようにした発光素子において、前記発光層部と前記酸化物透明電極層との間に、前記発光層部のAl酸化を抑制するための、金属酸化物よりなる酸化物保護層が介挿形成されてなることを特徴とする発光素子。
  2. 前記酸化物保護層は、導電性酸化物又は半導体酸化物よりなることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 前記酸化物保護層は、ZnO、MgO及びSnOの1種又は2種以上を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 前記酸化物保護層の厚さが5nm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光素子。
  5. 前記酸化物保護層は、厚さが15nm以下であり、かつ絶縁性酸化物よりなることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  6. 前記絶縁性酸化物がAlよりなることを特徴とする請求項5記載の発光素子。
  7. 前記酸化物保護層は、層厚方向に金属原子層と酸素原子層とが交互に積層された構造を有することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の発光素子。
  8. 前記酸化物保護層は、原子層エピタキシ法を用いて成長されたものであることを特徴とする請求項7記載の発光素子。
  9. 前記酸化物保護層は、前記金属原子層と前記酸素原子層とが5層以上500層以下の範囲で積層されたものであることを特徴とする請求項7又は8に記載の発光素子。
  10. 前記発光層部は、(AlGa1−xIn1−yP(但し、0≦x≦1,0≦y≦1)又はInGaAl1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)にて構成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の発光素子。
  11. 前記酸化物透明電極層がITO電極層であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の発光素子。
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