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JP2004138662A - 反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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JP2004138662A JP2002300747A JP2002300747A JP2004138662A JP 2004138662 A JP2004138662 A JP 2004138662A JP 2002300747 A JP2002300747 A JP 2002300747A JP 2002300747 A JP2002300747 A JP 2002300747A JP 2004138662 A JP2004138662 A JP 2004138662A
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Abstract

【課題】反射光の色味が良好な反射防止膜、並びにこれを用いた反射防止フィルム及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】5度入射における鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値が0.5%以下、かつ、波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光が、CIE1976L*a*b*色空間において、0≦a*≦7、―10≦b*≦0かつ、5〜45度のあらゆる角度からの入射光に対する正反射光が、該色空間において、a*≧0、b*≦0を満たすことを特徴とする反射防止膜。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止膜、並びにそれを用いた反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設けられている。
反射防止フィルムとしては、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により、無機酸化物の透明薄膜を積層させた多層膜が従来から用いられている。しかし、生産性が低いため、大量生産には適していない。
一方、安価な製造コストにて、膜強度と反射特性を両立する技術として、オールウェット塗布による、3層構成の反射防止膜(例えば、特許文献1参照。)が開示されている。
【0003】
3層反射防止膜は基板側から、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順で積層され、それぞれの層の光学膜厚、すなわち屈折率と膜厚の積が設計波長λに対してλ/4、λ/4、λ/4、またはλ/4、λ/2、λ/4(例えば非特許文献1参照。)という設計が公知である。前者はV字型の反射スペクトルを示し、視感反射率は低いものの、反射光が濃い紫色に着色し、かつ入射角変化にともなう色味変化も大きい。一方、後者は、反射スペクトルが広帯域化されており、反射光の着色が小さいものの、視感反射率が高く、映りこみを十分に低減することはできない。
【0004】
写りこみ像を乱反射させるために、表面凹凸を形成するためのマット粒子を反射防止層を形成する塗布液に添加(例えば、特許文献1参照。)したり、平滑な反射防止フィルムの作成後に、エンボス法等によって表面凹凸構造を形成(例えば、特許文献2参照。)したりすることにより、反射防止フィルムに防眩性を付与することもできる。この方法によって写りこみが防止されるものの、その反面、画像の解像度が悪くなるという難点がある。
【0005】
【非特許文献1】
「反射防止膜の特性と最適設計・膜作成技術」技術情報協会発行、2002年2月5日、p.15―16
【特許文献1】
特開2000―258606号公報
【特許文献2】
特開2000−275401号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、支持体上にわずか3層の反射防止層をウェットコーティングするだけで、防眩性を付与することなく、外光の移りこみを防止し、かつその色味を低減し、かつ色味の入射角変化を低減した反射防止フィルムを提供することにある。本発明の他の目的は、外光の映り込み、及びその色味、色味の入射角変化を低減した偏光板および該偏光板を用いた液晶表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記構成の反射防止フィルム、偏光板、および液晶表示装置が提供されて、本発明の上記目的が達成される。
1.5度入射における鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値が0.5%以下、かつ、波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光が、CIE1976L*a*b*色空間において、0≦a*≦7、―10≦b*≦0かつ、5〜45度のあらゆる角度からの入射光に対する正反射光が、該色空間において、a*≧0、b*≦0を満たすことを特徴とする反射防止膜。
2.度入射における鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値が0.4%以下である、上記1に記載の反射防止膜。
3.波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5〜45度のあらゆる角度からの入射光に対する正反射光が、該色空間において、C*=(a*+b*1/2≦12であることを特徴とする上記1または2に記載の反射防止膜。
4.波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5〜45度のあらゆる角度からの入射光に対する正反射光が、該色空間において、C*=(a*+b*1/2≦10であることを特徴とする上記1〜3に記載の反射防止膜。
5.反射防止層が実質3層であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の反射防止膜。
6.透明基材上に、直接、もしくは他の層を介して、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層とがこの順序で設けられてなり、かつ、設計波長λに対して中屈折率層が下式(I)を、高屈折率層が下式(II)を、低屈折率層が下式(III)をそれぞれ満足することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の反射防止膜。
λ/4×0.60<n1d1<λ/4×0.80         (I)
λ/4×1.00<n2d2<λ/4×1.50         (II)
λ/4×0.85<n3d3<λ/4×1.05         (III)
(但し、式中、n1:中屈折率層の屈折率、d1:中屈折率層の層厚(nm)、n2:高屈折率層の屈折率、d2:高屈折率層の層厚(nm)、n3:低屈折率層の屈折率、d3:低屈折率層の層厚(nm)である)
7.反射防止膜のそれぞれの層が、膜形成性の溶質と少なくとも1種類の溶媒を含有する塗布組成物の塗布、溶媒の乾燥、熱および/または電離放射線による硬化により形成されたものであることを特徴とする、上記1〜6のいずれかに記載の反射防止膜。
8.透明基材にプラスチックフィルムを用い、該プラスチックフィルム上に上記1〜7のいずれかに記載の反射防止膜を設けたことを特徴とする反射防止フィルム.
9.上記1〜8のいずれかに記載の反射防止膜を有することを特徴とする画像表示装置。
10.上記1〜8のいずれかに記載の反射防止膜を少なくとも片面の保護フィルムに用いたことを特徴とする偏光板。
11.上記10に記載の偏光板を少なくとも1枚有するTN、STN、VA、IPS、OCB、ECBのモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明の反射防止フィルムの基本的な構成を図面を引用しながら説明する。
【0009】
[反射防止フィルムの構成]
図1は、本発明に用いられる反射防止膜の基本的な層構成を示す断面模式図である。図1に示す態様は、透明支持体1、ハードコート層2、中屈折率層3、高屈折率層4、低屈折率層5からなる反射防止膜を示す。このような3層構成の反射防止膜は、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層のそれぞれの層の光学膜厚、すなわち屈折率と膜厚の積が設計波長λに対してλ/4前後、またはその倍数であることが好ましいことが特開昭59−50401号公報に記載されている。
しかしながら、本発明の低反射率且つ反射光の色味が低減され、しかもその色味の入射角による変化が小さいという反射率特性を実現するためには、特に設計波長λに対して中屈折率層が下式(I)を、高屈折率層が下式(II)を、低屈折率層が下式(III)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0010】
λ/4×0.60<n3d3<nλ/4×0.80        (I)
【0011】
λ/4×1.00<n2d2<mλ/4×1.50        (II)
【0012】
λ/4×0.85<n1d1<λ/4×1.05          (III)
【0013】
式中、n1、d1はそれぞれ中屈折率層の設計波長における屈折率、及び層厚(nm)であり、n2、d2はそれぞれ高屈折率層の設計波長における屈折率、及び層厚(nm)であり、n3、d3は低屈折率層の設計波長における屈折率、及び層厚(nm)である。さらに、例えばトリアセチルセルロース(屈折率:1.49)からなる透明支持体に対しては、n1は1.65〜1.75、n2は1.85〜1.95、n3は1.35〜1.45の屈折率である必要がある。上記のような屈折率を有する中屈折率層や高屈折率層の素材が選択できない場合には、設定屈折率よりも高い屈折率を有する層と低い屈折率を有する層を複数層組み合わせた等価膜の原理を用いて、実質的に設定屈折率の中屈折率層あるいは高屈折率層と光学的に等価な層を形成できることは公知であり、本発明の反射率特性を実現するためにも用いることができる。本発明の「実質的に3層」とは、このような等価膜を用いた4層以上の反射防止層も含むものである。また、設計波長λは目的に合わせて可視域380〜780nmから選択することができる。
【0014】
上記のような層構成とすることで達成される本特許の反射防止フィルムは、低反射と反射光の色味の低減、さらに入射角によるその色味変化の低減を両立することができるため、例えば液晶表示装置の最表面に適用した場合、これまでにない視認性の高さを有する表示装置が得られる。5度入射における鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値が0.5%以下であることによって、表示装置表面での外光の反射による視認性の低下を防止でき、さらに0.4%以下であることによって、外光の反射を十分に防止することができる。波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光が、CIE1976L*a*b*色空間において、0≦a*≦7、−10≦b*≦0、かつ、5〜45度のあらゆる角度からの入射光に対する正反射光が、該色空間において、a*≧0、b*≦0を満たすことで、低入射角における反射光の色味を低減し、かつ、反射光の入射角にともなう色味変化を低減することができる.さらに5〜45度のあらゆる角度からの入射光に対する正反射光が、該色空間において、C*=(a*+b*1/2≦12の範囲内であることによって、従来の多層反射防止フィルムで問題となっていた赤紫色から青紫色の反射光の着色を低減し、かつ反射光の入射角にともなう色味の変化をさらに低減することができる.さらにC*=(a*+b*1/2≦10の範囲内とすることで、反射光の色味、及びその入射角による変化を十分に低減することができる.この反射防止フィルムを液晶表示装置に適用した場合、室内の蛍光灯のような、輝度の高い外光が僅かに映り込んだ場合の色味が、広い入射角に渡ってニュートラルで、気にならない。詳しくはa*<0ではシアン味を、b*>0では黄味を帯び、好ましくない。a*>0かつb*<0かつC*=(a*+b*1/2≧12では、マゼンタ味が強くなり、好ましくない。鏡面反射率及び色味の測定は、分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角θ(θ=5〜45°、5°間隔)における出射角−θの鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価することができる。さらに、測定された反射スペクトルから、CIE標準光源D65の各入射角の入射光に対する正反射光の色味を表すCIE1976L*a*b*色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、反射光の色味を評価することができる。
【0015】
さらに、上記のように反射光の色味が大幅に低減されたことで、反射光の色味が大幅に低減されたことで、反射防止層の膜厚ムラに起因する反射光の色味ムラも大幅に低減される。すなわち。膜厚ムラの許容範囲が広がることになり、製造得率が上がり、コストの更なる低減が可能となる。定量的には、TD方向(支持体長手方向と直交する方向)あるいはMD方向(支持体長手方向)に10cm離れた任意の2つの場所における波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5°入射光に対する正反射光の色味ムラで表すことができ、CIE1976L*a*b*色空間のΔEab*値で2未満であることが好ましく、1.5未満であると完全に人間の目でムラを検出できなくなり、より好ましい。
【0016】
本発明において5〜45°のすべての角度におけるa*b*値、もしくはC*値が、上記範囲内にある、とは、5〜45°の5°間隔の入射光に対する正反射光スペクトルから算出されたa*b*値、もしくはC*が上記範囲内にある、ということである。
【0017】
以下、本発明の反射防止フィルムを構成する層について詳しく説明する。
〔支持体(透明基材)〕
本発明の反射防止フィルムに用いる透明支持体としては、透明でかつ、反射防止層を設ける際の工程で破断等を起こさない程度の強度を有していれば特に構わないが、連続生産などの製造適性や取扱いの簡便さなどからプラスチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチックフイルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。
特に液晶表示装置や有機EL表示装置等に用いるために本発明の反射防止フィルムを偏光板の表面保護フィルムの片側として用いる場合にはトリアセチルセルロースが好ましく、特に公開技報番号2001−1745にて公開されたものが好ましく用いられる。また、平面CRTやPDP等に用いるためにガラス基板等に張り合わせて用いる場合にはポリエチレンテレフタレート、あるいははポリエチレンナフタレートが好ましい。
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4乃至1.7であることが好ましい。
【0018】
トリアセチルセルロースを支持体に用いる場合、表面硬度を大きくする目的で、金属酸化物微粒子をトリアセチルセルロースのドープへ添加することができる。本発明に用いられる金属酸化物微粒子としては、モース硬度が7以上の金属酸化物粒子が好ましい。具体的には、二酸化ケイ素、二酸チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどが挙げられる。トリアセチルセルロースとの屈折率差が小さい二酸化ケイ素、酸化アルミニウムがより好ましい。これらの金属酸化物微粒子の平均粒子径は、1nm以上400nm以下、より好ましくは5nm以上200nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下が好ましい。1nm以下では分散が難しく凝集粒子ができ易く、400nm以上ではヘイズが大きくなり、どちらも透明性を落としてしまい好ましくない。これらの微粒子の添加量は、トリアセチルセルロースの1ないし99体積%であり、5ないし80体積%であることが好ましく、5ないし50体積%であることがより好ましく、5ないし20体積%であることが特に好ましい。一般に金属酸化物微粒子は表面の親水性が大きく、トリアセチルセルロースとの親和性が悪いため単に両者を混合するだけでは界面が破壊しやすく、膜として割れ、耐傷性を改善することは困難である。無機微粒子とトリアセチルセルロースとの親和性を改良するため、無機微粒子表面を有機セグメントを含む表面修飾剤で表面処理することが好ましい。出来上がり(乾燥後)のトリアセチルセルロースフィルムの厚さは、通常5〜500μmの範囲であり、更に10〜250μmの範囲が好ましく、特に本発明の反射防止フィルムとしては10〜120μmの範囲が最も好ましい。
【0019】
[ハードコート層]
ハードコート層は、透明支持体に耐傷性を付与するために設ける。ハードコート層は、下層と上層との接着を強化する機能も有する。ハードコート層は、多官能アクリルモノマー、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のオリゴマー、各種重合開始剤を溶媒に溶解した組成物に、必要に応じてシリカ、アルミナ等の無機フィラーを添加して得られた塗布組成物の塗布、溶媒の乾燥、熱および/または電離放射線により硬化することで好ましく形成される。
【0020】
[高,中屈折率層]
中屈折率層および高屈折率層は、屈折率の高い無機微粒子、熱または電離放射線硬化性のモノマー、開始剤および溶媒を含有する塗布組成物の塗布、溶媒の乾燥、熱および/または電離放射線による硬化によって形成される。無機微粒子としては、Ti、Zr、In、Zn、Sn、Sbの酸化物から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物からなるものが好ましい。このようにして形成された中屈折率層および高屈折率層は、高屈折率を有するポリマー溶液を塗布、乾燥したものと比較して、耐傷性や密着性に優れる。分散液安定性や、硬化後の膜強度等を確保するために、特開平11−153703号公報や特許番号US6210858 B1等に記載されているような、多官能(メタ)アクリレートモノマーとアニオン性基含有(メタ)アクリレート分散剤とが塗布組成物中に含まれることが好ましい。
【0021】
無機微粒子の平均粒径は、コールターカウンター法で測定したときの平均粒径で1から100nmであることが好ましい。1nm以下では、比表面積が大きすぎるために、分散液中での安定性に乏しく、好ましくない。100nm以上では、バインダとの屈折率差に起因する可視光の散乱が発生し、好ましくない。高屈折率層および中屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。
【0022】
[低屈折率層]
低屈折率層には、熱または電離放射線により硬化する含フッ素化合物が用いられる。該硬化物の動摩擦係数は好ましくは0.03〜0.15、純水に対する接触角は好ましくは100〜120度である。動摩擦係数が0.15より高いと、表面を擦った時に傷つきやすくなり、好ましくない。また、純水に対する接触角が100度未満では指紋や油汚れ等が付着しやすくなるため、防汚性の観点で好ましくない。
該硬化性の含フッ素高分子化合物としてはパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。
含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等であり、これらのなかでも低屈折率、モノマーの扱いやすさの観点で特にヘキサフルオロプロピレンが好ましい。
架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。後者は共重合の後、架橋構造を導入できることが特開平10−25388号公報および特開平10−147739号公報により開示されており、特に好ましい。
【0023】
また上記含フッ素モノマーを構成単位とするポリマーだけでなく、フッ素原子を含有しないモノマーとの共重合体を用いてもよい。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができ、特開平10−25388号公報および特開平10−147739号公報により開示されている。
【0024】
さらに耐傷性を付与するために動摩擦係数を低下させる手段として、滑り性を良化できる共重合単位を導入することができる。主鎖中にポリジメチルシロキサンセグメントを導入する方法が特開平11−228631号公報に開示されており、特に好ましい。
【0025】
低屈折率層の形成に用いる含フッ素樹脂には、耐傷性を付与するためにSiの酸化物超微粒子を添加して用いるのが好ましい。反射防止性の観点からは屈折率が低いほど好ましいが、含フッ素樹脂の屈折率を下げていくと耐傷性が悪化する。そこで、含フッ素樹脂の屈折率とSiの酸化物超微粒子の添加量を最適化することにより、耐傷性と低屈折率のバランスの最も良い点を見出すことができる。Siの酸化物超微粒子としては、市販の有機溶剤に分散されたシリカゾルをそのまま塗布組成物に添加しても、市販の各種シリカ紛体を有機溶剤に分散して使用してもよい。
【0026】
さらに、皮膜自体の強度、および下層への密着性を改良するために、シランカップリング剤を添加することもできる。しかしながら、沸点が低いシランカップリング剤は塗布乾燥工程で揮散してしまうため、シランカップリング剤をあらかじめ加水分解/脱水縮合してから添加することが好ましい。
【0027】
シランカップリング剤としては、酸触媒の存在下で製造されてなる、下記一般式(1)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物を含有する硬化性組成物を用いることができる。
一般式(1)
(R10−Si(X)4−m
(式中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
10はラジカル重合性置換基を含むことが好ましく、オルガノシランが、下記一般式(2)で表されることが好ましい。
一般式(2)
【0028】
【化1】
Figure 2004138662
【0029】
(式中、Rは水素原子もしくはメチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子を表す。Yは単結合もしくはエステル基、アミド基、エーテル基又はウレア基を表す。Lは2価の連結鎖を表す。nは0または1を表す。R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。)
【0030】
該オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物における分子量300以上の成分のうち、分子量1000〜20000の成分は80質量%以上であることが好ましい。
【0031】
低屈折率層における、含フッ素ポリマーに対するオルガノシランのゾルの使用量は、5〜100質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、8〜35質量%が更に好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。使用量が少なすぎると本発明の効果が得にくく、使用量が多すぎると屈折率が増加したり、膜の形状・面状が悪化したりするので好ましくない。
【0032】
[所望により設ける層]
反射防止フィルムには、さらに、前方散乱層、帯電防止層や保護層を設けてもよい。
【0033】
前方散乱層は、液晶表示装置に適用した場合の、上下左右方向に視角を傾斜させたときの視野角改良効果を付与するために設ける。上記ハードコート層中に屈折率の異なる微粒子を分散することで、ハードコート機能と兼ねることもできる。
【0034】
本発明の塗布組成物のウエット塗布による多層反射防止フィルムに表面凹凸によって背景の映り込みをぼかし、防眩性を付与する場合には、一般に用いられているようなマット粒子等を含有する表面凹凸を有する層の上に反射防止層を形成するよりも、エンボス法等によって反射防止層形成後に表面凹凸構造を形成したほうが、反射防止層の膜厚均一性が良化し、反射防止性能が向上するので好ましい。
【0035】
反射防止フィルムの各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート、マイクログラビア法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。ウエット塗布量を最小化することで乾燥ムラをなくす観点でマイクログラビア法およびグラビア法が好ましく、幅方向の膜厚均一性の観点で特にグラビア法が好ましい。2層以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
【0036】
グラビア法において、塗布面にスジ故障が発生しないようにするために、塗布液が過剰に給液されたグラビアロールのロール面と連続走行する可撓性支持体との間で塗布液のビード部を形成しながら、可撓性支持体をバックアップロールを用いてグラビアロールに押し付けることにより可撓性支持体に所望の塗布液量を塗布するグラビア塗布装置において、ビード部のグラビアロール回転方向上流側近傍に給液手段を設け、該給液手段から前記グラビアロールに塗布液を給液することが好ましい。
この場合、給液手段は、グラビアロールのロール面方向に下向きに傾斜した傾斜面を有し、該傾斜面に塗布液を流下させて給液すると共に、傾斜面の先端とロール面との間には、0μmを超えて400μm以下の隙間を有することが好ましい。こうして塗布液を傾斜面に流下させることで、ロール面への安定した給液を行うことができ、傾斜面の先端とロール面との間には、0μmを超えて400μm以下の隙間を形成することにより、ロール面に傾斜面の先端が接触することなく、且つ上記した塗布液の堰止め効果を発揮させることができる。この隙間は、0μmを超えて200μm以下であればさらに好ましい。隙間の上限を200μm以下とすることで、塗布液が隙間から流れ落ちることを確実に防止できるので、塗布液の液戻りを確実に防止できる。
ビード部における余剰の塗布液が液戻りしようとしても直ぐに堰止められてグラビアロール下部まで流れ落ちないようにすることが重要である。従って、傾斜面のロール側先端位置は、グラビアロール中心から、可撓性支持体がグラビアロールに接触する接触点に向けて引いた線と、傾斜面のロール面側先端に向けて引いた線との成す中心角が45°以下になるように位置していることが好ましい。また、給液手段の傾斜面の角度が大きすぎると傾斜面を流れる塗布液が乱れるため、傾斜面の下方傾斜角度は水平に対して15°を超えないことが好ましい。
【0037】
帯状支持体の送出から巻き取りまでの一回の搬送で、多層塗布膜を形成することが好ましく、帯状支持体上に多層の塗布層が形成された多層塗布膜を製造する多層塗布膜の製造装置において、製造室の床面上に配設された前記帯状支持体の送出機と前記帯状支持体の巻取機との間に、前記帯状支持体の入口と出口を有するケーシング内に、前記帯状支持体を搬送路に沿って搬送するフィードローラ、前記搬送路に設けられて前記帯状支持体に一層の塗布層を形成する塗布機、前記塗布層を乾燥する乾燥機、を少なくとも一体的に組み込んでユニットとして構成した塗布装置を、前記帯状支持体に形成される多層塗布層の層数だけ配設することが好ましい。
【0038】
前記製造装置は、前記帯状支持体の入口と出口を有するケーシング内に、前記帯状支持体を搬送路に沿って搬送するフィードローラ、前記搬送路に設けられて前記帯状支持体の塵埃を除塵する除塵機、を少なくとも一体的に組み込んでユニットとして構成した除塵装置と、前記帯状支持体の入口と出口を有するケーシング内に、前記帯状支持体を搬送路に沿って搬送するフィードローラ、前記搬送路に設けられて前記帯状支持体を熱処理する熱処理機、を少なくとも一体的に組み込んでユニットとして構成した熱処理装置と、前記帯状支持体の入口と出口を有するケーシング内に、前記帯状支持体を搬送路に沿って搬送するフィードローラ、前記搬送路に設けられて前記帯状支持体の塗布面状を検査する面検査機、を少なくとも一体的に組み込んでユニットとして構成した面検査装置と、を備え、前記送出機と前記塗布装置との間に前記除塵装置を配置し、前記塗布装置と前記巻取機との間に前記帯状支持体の搬送方向上流側から順に熱処理装置、前記面検査装置を配設していることが好ましい。
前記各装置のケーシングの天井面に形成したエア吹出口にファンフィルタユニットを設けると共に、前記ケーシングの底面にエア排気口を形成し、前記ファンフィルタユニットから前記ケーシング内に吹き出した清浄エアを前記エア排気口から排気することが好ましい。前記各装置における帯状支持体の搬送路は、該搬送路に沿って前記帯状支持体の入口と出口を有すると共にエア導入口とエア排出口を有する箱状又は筒状の搬送路ケースで囲われ、前記エア導入口に清浄エアが供給されることが好ましい。
【0039】
前記塗布装置の乾燥機は、前記帯状支持体の搬送方向に沿って3個以上の乾燥ゾーンに分割されており、各乾燥ゾーンごとに乾燥エアを供給する供給手段と排出手段が設けられていると共に、各乾燥ゾーン間の静圧管理を行うための微圧差計を用いることが好ましい。
前記塗布機は、ダイレクトグラビアコータ、リバースコータ、キスコータ、マイクログラビアコータ、バーコータ、エクストルージョンコータの何れか1つであり、該塗布機は互いに交換可能であることが好ましい。
前記塗布装置内の塗布機は、床面又は床面近傍に位置するように配置されていることが好ましい。
【0040】
電離放射線により硬化する層を硬化するには、窒素パージにより酸素濃度を低下させることが好ましい。酸素濃度は6%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
【0041】
本発明の反射防止フィルムを偏光子の表面保護フィルムの片側として用いる場合には、透明支持体の反射防止層が形成される面とは反対側の面をアルカリによって鹸化処理することが必要である。アルカリ鹸化処理の具体的手段としては、以下の2つから選択することができる。汎用のトリアセチルセルロースフィルムと同一の工程で処理できる点で(1)が優れているが、反射防止膜面まで鹸化処理されるため、表面がアルカリ加水分解されて膜が劣化する点、鹸化処理液が残ると汚れになる点が問題になり得る。その場合には、特別な工程となるが、(2)が優れる。
(1)透明支持体上に反射防止層を形成後に、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬することで、該フィルムの裏面を鹸化処理する
(2)透明支持体上に反射防止層を形成する前または後に、アルカリ液を該反射防止フィルムの反射防止フィルムを形成する面とは反対側の面に塗布し、加熱、水洗および/または中和することで、該フィルムの裏面だけを鹸化処理する
【0042】
(1)の鹸化処理としては、1.0〜2.5規定、40〜80℃のNaOH、もしくはKOH水溶液で1〜3分間鹸化処理することが好ましく、1.5〜2.0規定、40〜60℃のNaOH、もしくはKOH水溶液で1〜2分間鹸化処理することがさらに好ましい。また、(2)の鹸化処理としては、0.5〜2.0規定のNaOH、もしくはKOH水溶液を#2〜#5バーで塗布し、膜面温度50〜90℃にて5〜30秒間処理した後に水洗、乾燥することが好ましく、1.0〜2.0規定のNaOH、もしくはKOH水溶液を#3〜#5バーで塗布し、膜面温度50〜70℃にて5〜20秒間処理した後に水洗、乾燥することがさらに好ましい。
【0043】
本発明の反射防止膜は、偏光子の表面保護フィルムの片側として用いた場合、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。また、透過型または半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。また、λ/4板と組み合わせることで、有機ELディスプレイ用表面保護板として表面および内部からの反射光を低減するのに用いることができる。また、画像表示装置に本発明の反射防止膜を設ける場合、反射防止膜を設けたフィルムを貼ることで設けても良いし、画像表示装置の前面板や表示面に直接設けても良い。
【0044】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが,本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
(ハードコート層用塗布液の調整)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)306質量部を、16質量部のメチルエチルケトンと220質量部のシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5質量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、450質量部の MEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%のSiOゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)を添加し、撹拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層用塗布液を調製した。
【0046】
(二酸化チタン分散物の調製)
二酸化チタン超微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)250g、架橋反応性基含有アニオン性ポリマー37.5g、カチオン性モノマー(DMAEA、(株)興人)2.5g、およびシクロヘキサノン710gを、ダイノミルにより分散し、重量平均径65nmの二酸化チタン分散液を調整した。
【0047】
【化2】
Figure 2004138662
【0048】
(中屈折率層用塗布液の調製)
上記の二酸化チタン分散液214.22gに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)112.85g、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)9.32g、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.12g、メチルエチルケトン662.5g、およびシクロヘキサノン1865.0gを添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して中屈折率層用の塗布液を調液した。
【0049】
(高屈折率層用塗布液の調製)
上記の二酸化チタン分散液985.7gに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA,日本化薬(株)製)48.8g、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)4.03g、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.35g、メチルエチルケトン622.5g、およびシクロヘキサノン1865.0gを添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層用の塗布液を調整した。
【0050】
(ゾル液の調整)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン161質量部、シュウ酸 123質量部、エタノール415質量部を加え混合したのち、70℃で4時間反応させた後、室温まで冷却し、透明なゾル液を得た。重量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
【0051】
(低屈折率層用塗布液の調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(オプスターJN7228、固形分濃度6質量%、JSR(株)製)120.46gにシリカ微粒子のメチルエチルケトン分散液(MEK−ST、固形分濃度30質量%、日産化学(株)製)17.8g、上記のゾル液3.9g、およびメチルエチルケトン177.3g、シクロヘキサノン76.4gを添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して低屈折率層用の塗布液を調整した。
【0052】
[実施例]
(反射防止フィルムA〜Eの作成)
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フィルム(株)製)に、上記のハードコート層用塗布液を、グラビアコーターを用いて塗布し、100℃で2分間乾燥した。次に2%以下の酸素濃度のもと、450mJ/mの紫外線を照射して、塗布層を硬化させ、ハードコート層(屈折率:1.52、膜厚:5.1μm)を形成した。
続いて、上記の中屈折率層用塗布液をグラビアコーターを用いて塗布し、100℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層を設けた。中屈折率層の上に、上記の高屈折率層用塗布液をグラビアコーターを用いて塗布し、100℃で乾燥した後、2%以下の酸素濃度のもと、450mJ/mの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層を設けた。
さらに高屈折率層の上に、上記の低屈折率層用塗布液をグラビアコーターを用いて塗布し、120℃で8分間、塗布層を硬化させ、低屈折率層を設けた。このようにして反射防止フィルムAを作成した。
また、固形分中のTiO分散液起因の固形分重量含率を変えることにより中屈折率層の屈折率を、塗布液中の固形分濃度を変えることにより膜厚を調整することにより、反射防止フィルムB〜Fを作成した。
【0053】
(反射防止フィルムGの作成)
BK7の上に、プラズマアシスト蒸着法により、高屈折率層(ZrO、n=2.0)、低屈折率層(SiO、n=1.46)を交互に合計4層成膜した。各層の膜厚は、基板側から順に28nm、23nm、86nm、95nmとした。膜厚は、光学式モニターにより監視し、目的光量値に達したところで成膜を中止した。
【0054】
(反射防止フィルムの評価)
得られたフィルムについて、鏡面反射率を測定し、反射率及び色味の評価を行った。
分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角θ°(θ=5〜45°、5°間隔)における出射角−θ°の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価した。
さらに、測定された反射スペクトルから、CIE標準光源D65のθ°入射光(θ=5〜45°、5°間隔)に対する正反射光の色味を表わすCIE1976L*a*b*色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、反射光の色味を評価した。
得られたフィルムの反射特性を、表1に示す。
【表1】
Figure 2004138662
【0055】
本発明の反射防止フィルムA、Bは、5°入射光に対する平均反射率が0.35%、0.36%と低いため、写りこみを十分に防止することができる。また、5〜45°入射光に対する反射光の色味がいずれもa*≧0、b*≦0かつC*≦10であるため、反射光の着色が小さい。また、入射角にともない反射光は薄青紫色から薄赤紫色へと変化するが、その色味変化が小さく、気にならない。比較例の反射防止フィルムC、Dは、それぞれ設計波長を490nm、550nmとした場合のλ/4−λ/2―λ/4設計である。いずれの設計も5〜45°入射光に対するC*が小さいため、反射光の着色、及びその入射角による変化はほとんど気にならないが、5°入射光に対する平均反射率が0.56%、0.53%と高いため、写りこみを十分に防止することができない。比較例の反射防止フィルムEは、設計波長を550nmとした場合のλ/4−λ/4―λ/4設計である。反射防止フィルムEは、5°入射光に対する平均反射率が0.28%と低いため、写りこみを十分に防止することができるが、5°入射光に対する反射光のC*が大きく、反射光の着色が気になり、また、入射角にともなう、濃い紫色から黄橙色への変化も気になる。比較例の反射防止フィルムFは、5°入射光に対する平均反射率が0.28%と低いため、写りこみを十分に防止することができる。但し、45°入射光に対する反射光の色味がa*≧0、b*≧0であるため、入射角にともない反射光は薄青紫色から橙色へと変化し、その色味変化が気になる。比較例の反射防止フィルムGは、平均反射率が0.30%と低いため、写りこみを十分に防止することができるが、反射光の色味が着色が大きく、また、入射角にともない濃い紫色から黄色へと変化し、入射角による色味変化が大きい。
【0056】
[実施例2]
実施例1で作成した反射防止フィルムAを、2.0規定、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬してフィルムの裏面のトリアセチルセルロース面を鹸化処理し、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)を同条件で鹸化処理したフィルムとでポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作成した偏光子の両面を接着、保護して偏光板を作成した。このようにして作成した偏光板を、反射防止膜側が最表面となるように透過型TN液晶表示装置搭載のノートパソコンの液晶表示装置(偏光選択層を有する偏光分離フィルムである住友3M(株)製のD−BEFをバックライトと液晶セルとの間に有する)の視認側の偏光板と貼り代えたところ、背景の映りこみが極めて少なく、かつ反射光の色味の小さい、表示品位の非常に高い表示装置が得られた。
【0057】
[実施例3]
実施例2の反射防止フィルムを貼り付けた透過型TN液晶セルの視認側の偏光板の液晶セル側の保護フィルムおよびバックライト側の偏光板の液晶セル側の保護フィルムに、ディスコティック構造単位の円盤面が透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化している光学補償層を有する視野角拡大フィルム(ワイドビューフィルムSA−12B、富士写真フイルム(株)製)を用いたところ、明室でのコントラストに優れ、且つ、上下左右の視野角が非常に広く、極めて視認性に優れた、表示品位の高い液晶表示装置が得られた。
【0058】
[実施例4]
反射防止フィルムAを片面に有した偏光板の、反射防止膜を有している側の反対面にλ/4板を張り合わせ、有機EL表示装置の表面のガラス板に貼り付けたところ、表面反射および、表面ガラスの内部からの反射がカットされ、極めて視認性の高い表示が得られた。
【0059】
[実施例5]
ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、フィルム長手方向に対し斜め延伸された偏光子を用い、実施例2と同様に偏光板を作成したところ、実施例2と同様に視認性に優れ、なおかつ面積効率のよい偏光板が得られた。
【0060】
【発明の効果】
本発明の反射防止フィルムは、低反射率且つ反射光の色味が低減され、しかもその色味の入射角変化が小さいため、広い入射角に渡り、外光の映り込みによる視認性の悪化が高いレベルで防止される。また、ディスプレイに向かう使用者の背面の蛍光灯等、輝度の高い光源がディスプレイ表面に映りこんだときにも赤紫色や青紫色の着色が小さく、表示品位の低下が少ない。これを偏光板に適用し、液晶表示装置等の表示装置に配置した場合、視認性に優れた液晶表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止フィルムの具体例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 ハードコート層
3 中屈折率層
4 高屈折率層
5 低屈折率層

Claims (6)

  1. 5度入射における鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値が0.5%以下、かつ、波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光が、CIE1976L*a*b*色空間において、0≦a*≦7、―10≦b*≦0かつ、5〜45度のあらゆる角度からの入射光に対する正反射光が、該色空間において、a*≧0、b*≦0を満たすことを特徴とする反射防止膜。
  2. 波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5〜45度のあらゆる角度からの入射光に対する正反射光が、該色空間において、C*=(a*+b*1/2≦12であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 透明基材上に、直接、もしくは他の層を介して、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層とがこの順序で設けられてなり、かつ、設計波長λに対して中屈折率層が下式(I)を、高屈折率層が下式(II)を、低屈折率層が下式(III)をそれぞれ満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止膜。
    λ/4×0.60<n1d1<λ/4×0.80         (I)
    λ/4×1.00<n2d2<λ/4×1.50         (II)
    λ/4×0.85<n3d3<λ/4×1.05         (III)
    (但し、式中、n1:中屈折率層の屈折率、d1:中屈折率層の層厚(nm)、n2:高屈折率層の屈折率、d2:高屈折率層の層厚(nm)、n3:低屈折率層の屈折率、d3:低屈折率層の層厚(nm)である)
  4. 反射防止膜のそれぞれの層が、膜形成性の溶質と少なくとも1種類の溶媒を含有する塗布組成物の塗布、溶媒の乾燥、熱および/または電離放射線による硬化により形成されたものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜。
  5. 透明基材にプラスチックフィルムを用い、該プラスチックフィルム上に請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜を設けたことを特徴とする反射防止フィルム。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜を有することを特徴とする画像表示装置。
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