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JP2003268613A - サポート型手袋 - Google Patents

サポート型手袋

Info

Publication number
JP2003268613A
JP2003268613A JP2002067397A JP2002067397A JP2003268613A JP 2003268613 A JP2003268613 A JP 2003268613A JP 2002067397 A JP2002067397 A JP 2002067397A JP 2002067397 A JP2002067397 A JP 2002067397A JP 2003268613 A JP2003268613 A JP 2003268613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glove
gloves
knitted
film
count
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002067397A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuko Ochi
敦子 越智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2002067397A priority Critical patent/JP2003268613A/ja
Publication of JP2003268613A publication Critical patent/JP2003268613A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手袋の内部での手の滑り易さが適度に調節さ
れており、手袋の着脱性が良好である一方で、手袋を装
着した状態で手が滑りにくくて把持性が良好であり、し
かもフィット感、作業性および断熱性に優れ、蒸れや袖
部のたれを防止することのできるサポート型手袋を提供
する。 【解決手段】 綿番手単糸1本取り換算で5〜80番手
の糸を用いて編成してなる、編目の数が1平方インチ当
たり10〜2000である編手袋12と、当該編手袋の
外表面12aに設けられてなる弾性体皮膜11と、を備
え、弾性体皮膜11が編手袋の内表面12bに現出して
いる箇所の総面積が、当該皮膜11が設けられている領
域の全面積に対して10〜90%であるサポート型手
袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は裏地を備える弾性体
製の手袋に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ゴム
製または樹脂製の手袋には、編成された手袋や縫製の手
袋を裏地として有するいわゆるサポート型のものと、裏
地を有しないいわゆるノンサポート型のものとがある。
このうち、サポート型手袋はノンサポート型手袋に比べ
て強度が大きいことから、種々の重・軽作業用の手袋と
して用いられる。サポート型手袋の裏地には、厚みが均
一で外観が良好な皮膜を形成するという観点から、シー
ムレスの編手袋が好んで用いられている。さらに、吸汗
性と装着性の観点から、編手袋の素材には綿糸が好んで
用いられている。
【0003】しかし、編手袋の外表面には、弾性体の皮
膜が設けられることによって編手袋単体に比べてモジュ
ラスが高くなることから、たとえ本来、吸汗性や装着性
に優れていたとしても、サポート型手袋全体としての吸
汗性や装着性、さらにはフィット感や作業性までもが低
下することは避けられない。また、通常のサポート型手
袋は、手袋の内表面(すなわち、掌と接する面)の全面
にわたって裏地があり、当該内表面には弾性体の皮膜が
現れていないことから、着脱性は良好であるものの、手
袋の内部で手が滑り易い。それゆえ、手袋を装着した状
態で作業をするときに不都合が生じるという問題があ
る。
【0004】そこで、本発明の目的は、手袋の内部での
手の滑り易さが適度に調節されており、手袋の着脱性が
良好である一方で、手袋を装着した状態で手が滑りにく
くて把持性が良好であり、しかもフィット感、作業性お
よび断熱性に優れ、蒸れや袖部のたれを防止することの
できるサポート型手袋を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するための本発明のサポート型手袋は、綿番手
単糸1本取り換算で5〜80番手の糸を用いて編成して
なる、編目の数が1平方インチ当たり10〜2000で
ある編手袋と、当該編手袋の外表面に設けられてなる弾
性体の皮膜と、を備えており、当該皮膜が編手袋の内表
面に現出している個所の総面積が、当該皮膜が設けられ
ている領域の全面積に対して10〜90%であることを
特徴とする。
【0006】本発明のサポート型手袋によれば、裏地と
しての編手袋を備えていることによって、弾性体皮膜単
独の手袋に比べて伸びが制限されており、それゆえ良好
な着脱性、フィット感、および柔軟性を得ることができ
る。さらに、使用する糸の番手および編目の数を適宜調
節してなる編手袋を備えることによって手袋の内部で蒸
れが生じにくくなり、手袋の断熱性も優れたものとな
る。しかも、当該編手袋を備えることで袖部に張りが生
じることから、装着時に袖部が垂れたり、ずれたりする
問題が生じない。
【0007】また、弾性体の皮膜が編手袋の内表面の一
部に現出しており、当該皮膜が現出している割合を適宜
調節していることから、裏地である編手袋と表面の弾性
体皮膜との剥離を防止しつつ、手袋を着脱するときには
編手袋との接触によって手袋内で手が滑り易く、一方
で、手袋を装着して作業をするときには皮膜との接触に
よって手袋が手のひらに密着し、滑りにくくなるよう
に、適宜調整することができる。
【0008】さらに、本発明のサポート型手袋は、後述
するように、その構造上、手袋の型に編手袋を被せてか
ら、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンに手型を浸
漬するなどして当該手型および編手袋の表面に弾性体皮
膜を形成し、さらに手袋を反転させずに手型から取り外
すという工程を経て製造される。このように、脱型時に
反転させないことから、サポート型手袋の弾性体皮膜に
は歪みが生じにくい。さらに、弾性体皮膜に歪みが生じ
にくいことから、裏地を有しないノンサポート型の手袋
に比べると、当該皮膜のひび割れや損傷が起こりにく
く、耐老化性や耐オゾン性も良好なものとなる。
【0009】本発明のサポート型手袋において、弾性体
の皮膜が編手袋の外表面の全面に設けられている場合に
は、手袋の外部から内部へと水が浸透するのを防止する
こともできる。一方、本発明のサポート型手袋におい
て、弾性体の皮膜が、編手袋の甲部に相当する個所で設
けられていない場合には、汗などで生じる蒸れ等を防止
することもできる。
【0010】本発明のサポート型手袋において、弾性体
は天然ゴムまたは脱蛋白天然ゴムであるのが好ましい。
この場合、弾性体皮膜のモジュラスを低く抑えることが
でき、フィット感、柔軟性および着脱性がより一層優れ
たサポート型手袋を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るサポート型手
袋について詳細に説明する。本発明のサポート型手袋の
一実施形態には、例えば図1(a) に示すものが挙げられ
る。図1(a) 中、点線で囲んだ領域内は、サポート型手
袋10の外表面をなす弾性体皮膜11が取り去られて、
サポート型手袋10の内表面をなす編手袋12が現れた
状態を示している。編手袋12の外表面12aには、そ
の一部においてまたはその全面にわたって、弾性体皮膜
11が設けられており、図1(b) に示すような断面構造
を有している。編手袋12の内表面12bには、符号1
1aを付して示すように、その一部において弾性体皮膜
11が現出している。
【0012】〔編手袋〕編手袋を形成する糸については
特に限定されるものではなく、従来公知の種々の糸が挙
げられる。具体的には、綿、毛、麻等の天然繊維からな
る糸、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル、
ポリウレタン等の合成繊維からなる糸、またはこれらを
混紡してなる糸が挙げられる。
【0013】編手袋用の糸には、アラミド繊維等の高強
度繊維からなる糸を用いることもできる。この場合、例
えば刃物を用いる作業時にも手指を十分に保護すること
ができる。また、例えば横断面における外周部に凸部ま
たは凹部を備えるような、異形断面繊維からなる糸を用
いることもできる。使用する繊維形状に応じて、例えば
汗等による蒸れの防止効果をより一層向上させるといっ
た効果を得ることができる。
【0014】本発明のサポート型手袋において、編手袋
には、綿番手単糸1本取り換算で5〜80番手の糸を使
用し、その目数が1平方インチ当たり10〜2000と
なるように設定されたものが用いられる。糸の番手が上
記範囲を下回る(糸が太い)場合、または編目の数が上
記範囲を超える場合には、編手袋の目が細かくなりすぎ
て伸縮性が低下するため、フィット感や作業性が低下す
る。
【0015】一方、糸番手が上記範囲を超える(糸が細
い)場合、または編目の数が上記範囲を下回る場合に
は、手袋の張りが少なく、伸縮性が大きくなりすぎるこ
とから着脱性が低下し、袖部のたれが生じ易くなる。ま
た、吸汗性や断熱性も低下する。さらにこの場合、皮膜
を形成する際に編手袋を手型に取り付けにくくなる(皮
膜形成時の作業性が低下する)という問題も生じる。編
手袋を形成する糸の番手(綿番手単糸1本取り換算)の
下限は前述のように5番手であって、好ましくは10番
手である。一方、当該番手の上限は前述のように80番
手であって、好ましくは50番手、より好ましくは20
番手、さらに好ましくは15番手である。
【0016】編目の数(1平方インチ当たりの個数)の
下限は前述のように10であって、好ましくは25、よ
り好ましくは50である。一方、当該編目の数の上限は
前述のように2000であって、好ましくは1500、
より好ましくは1000、さらに好ましくは300、な
かんずく200である。なお、上記の範囲は、糸が1本
取りで編まれたものであることを前提とする。本発明に
おいて、編手袋に使用する糸は1本取りに限定されるも
のではなく、2〜数本取りの糸であってもよい。双糸を
用いたり、取り数が異なったりする場合には、換算値に
よって前述の範囲を決定すればよい。
【0017】編手袋は、通常、1層からなるものである
が、手袋の強度を上げたり、刃物作業用の手袋を製造し
たりする場合などには、複数の層を重ね合わせたものと
してもよい。また、編手袋の編目組織は平編み、ゴム編
み等の、従来公知のいずれの編地であってもよく、その
選択は、手袋に要求される特性に応じて適宜行なえばよ
い。部分的に編目の数を変えてもよい。
【0018】〔弾性体皮膜〕本発明において、編手袋の
外表面に設けられる皮膜を形成するための弾性体材料と
しては、例えば天然ゴム(NR)、脱蛋白天然ゴム(D
PNR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR)等のゴム、アクリル樹脂、塩化ビニル
樹脂等の樹脂、またはこれらのブレンドもしくは複合体
が挙げられる。
【0019】上記例示の弾性体材料の中でも、天然ゴム
や脱蛋白天然ゴムは、モジュラスが低く、柔軟性に優れ
た皮膜を形成することができることから、より好適であ
る。ここで、脱蛋白天然ゴムとは、天然ゴムラテックス
に含まれる蛋白質を除去して得られる天然ゴムをいう。
天然ゴム(ラテックス)に対する脱蛋白処理の方法につ
いては特に限定されるものではなく、従来公知の種々の
方法を採用することができるが、天然ゴムラテックスに
プロテアーゼと界面活性剤とを加えて熟成させ、遠心分
離によってゴム分を分離、精製する方法が、脱蛋白の効
果が高いことから好適である。
【0020】弾性体皮膜の厚みは、手袋全体の厚みや、
手袋に要求される柔軟性、強度、断熱性等に応じて設定
されるものである。それゆえ特に限定されるものではな
いが、通常、皮膜の厚みは0.05〜0.7mmである
のが好ましく、0.3〜0.5mmであるのがより好ま
しい。
【0021】本発明において、編手袋の内表面12bに
弾性体皮膜11が現出している割合、すなわち編手袋の
外表面12a全体に占める、弾性体皮膜の現出部11a
の割合(以下、「皮膜出現率」という。)は、10〜9
0%の範囲に設定される。皮膜出現率が上記範囲を下回
ると、柔軟性が低下して、フィット感や作業性が低下す
る。また、手袋の内表面で編手袋の露出面積が多くなる
ために、手袋内で手が滑り易くなってグリップ力が低下
する。逆に、皮膜出現率が上記範囲を超えると、手袋の
内表面において繊維部分が少なくなりすぎることから、
着脱時の滑りが悪くなったり、装着時に手袋内が蒸れた
りする。皮膜出現率の下限は前述のように10%であっ
て、好ましくは15%、より好ましくは30%である。
一方、皮膜出現率の上限は前述のように90%であっ
て、好ましくは85%、より好ましくは70%である。
【0022】皮膜出現率は、例えば、サポート型手袋の
内表面を画像処理装置によって分析したり、写真にとっ
て肉眼で判別したりすることによって測定すればよい。
前者の場合、手袋内表面におけるゴムまたは樹脂の弾性
体部分と繊維(編手袋)部分との色差を二値化して、両
者の面積をそれぞれ自動的に計測することができる。後
者の場合、例えば弾性体部分と繊維部分との別を方眼紙
に写し取り、その面積比率によって計測すればよい。本
発明のサポート型手袋には、例えば、弾性体皮膜の表面
に凹凸を設けるといった滑り止め加工を施してもよい。
【0023】〔サポート型手袋の製造方法〕 (編手袋の作製)編手袋は、例えば手袋専用の編み機等
の編成機を使用することによって製造することができ
る。使用する糸の番手と編目の数は、所望の皮膜出現
率、および編手袋に求められる強度、柔軟性等の物性に
応じて適宜調節すればよい。
【0024】(弾性体皮膜の形成)弾性体の皮膜は、例
えば、前述のゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンを
用いた浸漬法によって形成することができる。すなわ
ち、弾性体皮膜は、上記例示のゴムを含むラテックスに
常法に従って加硫剤、加硫促進剤、充填剤等を配合し、
または上記例示の樹脂を含むエマルジョンに常法に従っ
て架橋剤等を配合した上で、こうして得られた配合ラテ
ックスまたはエマルジョンに編手袋を被せた手袋の型を
浸漬することによって形成することができる。ラテック
スまたはエマルジョンへの浸漬後、編手袋の表面に形成
された皮膜は、常法に従って乾燥、加硫(架橋)させれ
ばよい。
【0025】弾性体皮膜の形成は、上記の浸漬法によっ
て行なうほかに、例えば(a) ゴムラテックスまたは樹脂
エマルジョンを編手袋に噴霧するいわゆるシャワー法、
(b)増粘したゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンの
中に編手袋を装着した型をつけ、回転させながら液だれ
を防ぎつつ乾燥させる粘度ピックアップ法、(c) 感熱性
を付与したゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンを浸
漬するいわゆる感熱法、(d) 編手袋の表面に凝固液を付
着させた上で配合ラテックスまたは樹脂エマルジョンに
型を浸漬するといった通常の凝固液法等によって形成す
ることもできる。これらの方法による皮膜の形成は、常
法に従って行なえばよい。
【0026】ゴムラテックスに添加される配合剤として
は、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤(活性化剤)、
老化防止剤、充填剤、分散剤等が挙げられる。加硫剤と
しては、例えば硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられ
る。その配合量は、ゴムラテックスのゴム分100重量
部に対して0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。
加硫促進剤としては、例えばPX(N−エチル−N−フ
ェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ(ジメチルジチ
オカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチルジチオカルバミ
ン酸亜鉛)、BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜
鉛)、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛
塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィド)等が
挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して
用いることができる。その配合量は、ゴムラテックスの
ゴム分100重量部に対して0.5〜3重量部程度であ
るのが好ましい。加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華
等が挙げられる。その配合量は、ゴムラテックスのゴム
分100重量部に対して0.5〜3重量部であるのが好
ましい。
【0027】老化防止剤としては、一般に、非汚染性の
フェノール類が好適に用いられるが、アミン類を使用し
てもよい。老化防止剤の配合量は、ゴムラテックスのゴ
ム分100重量部に対して0.5〜3重量部程度である
のが好ましい。充填剤としては、例えばカオリンクレ
ー、ハードクレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。そ
の配合量は、ゴムラテックスのゴム分100重量部に対
して10重量部以下であるのが好ましい。また、上記各
添加剤のゴムラテックス中への分散を良好にするために
分散剤を配合してもよい。かかる分散剤としては、例え
ば各種アニオン界面活性剤等が挙げられる。分散剤の配
合量は、分散対象である成分における重量の0.3〜
1.0重量%程度であるのが好ましい。
【0028】ゴムラテックスを用いて得られた皮膜の加
硫条件は特に限定されるものではなく、常法に従って、
通常100〜120℃にて、約30〜90分間程度行な
うのが好ましい。当該ラテックスには前加硫を施しても
よい。前加硫は常法に従って、通常30〜50℃にて、
約15〜30時間行なうのが好ましい。樹脂エマルジョ
ンには、樹脂の架橋性を十分なものとし、かつ手袋の強
度を向上させるために、架橋剤を含有するのが好まし
い。樹脂エマルジョンが自己架橋性を有する場合には架
橋剤を配合しなくても成膜できるが、架橋剤を配合する
ことによって手袋の強度をより一層向上させることがで
きる。
【0029】上記架橋剤としては、例えば亜鉛華、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂等の、ポリマーの加工用に用い
られる従来公知の種々の架橋剤が挙げられる。架橋剤の
配合量は特に限定されないが、樹脂エマルジョンの樹脂
固形分100重量部に対して1〜10重量部、特に1〜
5重量部であるのが好ましい。弾性体皮膜を形成するの
に用いる型(手型)には、例えば陶器、セラミック製の
もの等が使用可能である。手型を予熱する場合におい
て、その予熱温度は、成膜方法や使用する感熱化剤等に
応じて適宜決定すればよい。
【0030】(皮膜出現率の調整方法)編手袋の内表面
に皮膜が現出している割合(皮膜出現率)は、ゴムラテ
ックスまたは樹脂エマルジョンの粘度、当該ラテックス
またはエマルジョンにおけるゴム分または樹脂分の濃
度、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンの温度、ゴ
ムラテックスまたは樹脂エマルジョン中での手型の浸漬
時間、凝固液の濃度、編手袋に使用する糸の番手、編手
袋の編目の数といった各種のパラメータを変更すること
によって、適宜調節することができる。
【0031】通常、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジ
ョンの粘度を高くすることで、皮膜出現率を低く抑える
ことができ、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョン中
での手型の浸漬時間を長くすることで、皮膜出現率を高
くすることができる。
【0032】
〔実施例1〕
編手袋の作製 綿番手単糸1本取り換算で15番手の綿糸を用いて、手
袋専用編み機によって1平方インチ当たりの編目の数
(目数)が150の手袋を編成した。
【0033】ゴム皮膜の形成 手袋の型に上記の編手袋(糸番手15,目数150)を
被せて、20%の硝酸カルシウム水溶液(凝固液)に浸
漬した。編手袋を凝固液から引き上げ、その表面を十分
に乾燥させた後、当該編手袋を天然ゴム(NR)ラテッ
クス中に手型ごと浸漬した。NRラテックスには、粘度
を100cP(センチポアズ)程度に、ゴム分の濃度を
50重量%に、温度を20℃に、それぞれ調整したもの
を用いた。
【0034】次いで、手型をNRラテックスから引き上
げ、オーブン中にて100℃で30分間加熱してゴム皮
膜を乾燥、加硫させた。加硫後、編手袋とゴム皮膜との
積層体をそのままの状態で脱型することにより、編手袋
の外表面に天然ゴムの皮膜が形成されてなるサポート型
手袋を得た。こうして得られたサポート型手袋の内表面
を画像処理装置(PIAS社製、型番「LA−55
5」)を用いて分析し、綿の編手袋とNR皮膜との色差
に基づいて、編手袋の内表面に皮膜が現出している割合
(皮膜出現率)を求めた。その結果、上記サポート型手
袋の皮膜出現率は10%であった。
【0035】〔実施例2〜5および比較例2,3〕NR
ラテックスの粘度、凝固液の濃度、ならびに凝固液およ
びNRラテックス中での手型の浸漬時間の、各種パラメ
ータを変えることによって前述の皮膜出現率を調節した
ほかは、実施例1と同様にしてサポート型手袋の製造と
皮膜出現率の測定とを行なった。上記サポート型手袋の
皮膜出現率は、5%(比較例2)、20%(実施例
2)、50%(実施例3)、80%(実施例4)、90
%(実施例5)および95%(比較例3)となるように
調節した。
【0036】〔比較例1〕綿番手単糸1本取り換算で1
0番手の綿糸を用いて、手袋専用編み機によって1平方
インチ当たりの編目の数が300の手袋を編成した。さ
らに、上記の編手袋を使用し、NRラテックスの粘度、
凝固液の濃度、ならびに凝固液およびNRラテックス中
での手型の浸漬時間を適宜調節したほかは、実施例1と
同様にしてサポート型手袋の製造と皮膜出現率の測定と
を行なった。上記サポート型手袋の皮膜出現率は0%で
あった。
【0037】〔実施例6〜8,実施例10,比較例5〜
6〕綿番手単糸1本取り換算で15番手の綿糸を使用
し、1平方インチ当たりの編目の数を1(比較例4)、
10(実施例6)、40(実施例7)、400(実施例
8)および2000(実施例10)となるように調節し
て、手袋専用編み機によって手袋を編成した。さらに、
上記の編手袋を使用し、かつ、皮膜出現率が50%とな
るように、NRラテックスのゴム分濃度、粘度および温
度、凝固液の濃度、ならびに凝固液およびNRラテック
ス中での手型の浸漬時間を適宜調節したほかは、実施例
1と同様にしてサポート型手袋の製造を行なった。
【0038】〔実施例9〕綿番手単糸1本取り換算で4
0番手の綿糸を用いて、手袋専用編み機によって1平方
インチ当たりの編目の数が1100の手袋を編成した。
さらに、上記の編手袋を使用し、かつ、皮膜出現率が5
0%となるように、NRラテックスのゴム分濃度、粘度
および温度、凝固液の濃度、ならびに凝固液およびNR
ラテックス中での手型の浸漬時間を適宜調節したほか
は、実施例1と同様にしてサポート型手袋の製造を行な
った。
【0039】〔実施例11〜13,比較例7〜8〕綿番
手単糸1本取り換算で1番手(比較例7)、5番手(実
施例11)、40番手(実施例12)、80番手(実施
例13)または90番手(比較例8)である綿糸を用い
て、手袋専用編み機によって1平方インチ当たりの編目
の数が150の手袋を編成した。さらに、上記の編手袋
を使用し、かつ、皮膜出現率が50%となるように、N
Rラテックスのゴム分濃度、粘度および温度、凝固液の
濃度、ならびに凝固液およびNRラテックス中での手型
の浸漬時間を適宜調節したほかは、実施例1と同様にし
てサポート型手袋の製造を行なった。
【0040】〔対照〕手袋の型を直接、20%の硝酸カ
ルシウム水溶液(凝固液)に浸漬し、その表面を十分に
乾燥させた後、天然ゴム(NR)ラテックス中に浸漬し
た。NRラテックスには、粘度を100cP(センチポ
アズ)程度に、ゴム分の濃度を50重量%に、温度を2
0℃に、それぞれ調整したものを用いた。次いで、手型
をNRラテックスから引き上げ、オーブン中にて100
℃で30分間加熱してゴム皮膜を乾燥、加硫させた。加
硫後、ゴム皮膜をそのままの状態で脱型することによ
り、天然ゴム製のノンサポート型手袋を得た。
【0041】〔物性試験〕上記実施例1〜13および比
較例1〜8のサポート型手袋と、対照のノンサポート型
手袋とを計10名の被験者に着用してもらった上で、下
記(1) 〜(6) の特性評価を行なった。 (1) フィット感:実際に手袋を装着して手指の曲げ伸ば
しを繰り返し行なったときの手袋と手指との密着状態に
よって評価した。 (2) 作業性:実際に手袋を装着した状態での、手指の曲
げ伸ばしを繰り返し行なったときの曲げ伸ばしの行ない
易さ、および瓶の蓋を開ける作業を行なったときの作業
性(手のひらと手袋との滑りの程度等)によって評価し
た。 (3) 吸汗性:実際に手袋を装着して手指の曲げ伸ばしや
荷物の持ち運びを繰り返し行なったときの手袋内での蒸
れ状態によって評価した。 (4) 断熱性:実際に手袋を装着して60℃程度および0
℃程度の荷物を把持したときの当該荷物の体感温度によ
って評価した。 (5) 袖たれ:実際に手袋を装着したときの袖部の拡がり
具合によって評価した。 (6) 着脱性:実際に手袋の付け外しを繰り返し行なった
ときの装着し易さおよび脱ぎ易さによって評価した。
【0042】上記(1) 〜(6) の評価基準は次のとおりで
ある。 AA:全ての被験者がその評価項目について極めて良好
であると感じたことを示す。 A:全ての被験者がその評価項目について良好であると
感じたことを示す。 A−:その評価項目について良好であると感じた被験者
だけでなく、多少改善の余地があると感じた被験者がい
たことを示す。 B:その評価項目について多少不十分である旨を指摘し
た被験者がいたことを示す。 C:その評価項目について不十分であると感じた被験者
がいたことを示す。
【0043】上記特性評価の結果、評価Cの項目が1つ
でもある場合や評価A以上の項目がない場合について
は、その手袋を不合格品と判断した。特性評価の結果
を、編手袋に用いた綿糸の糸番手、編手袋の編目の数
(目数)および皮膜出現率とともに、表1〜3に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】表1より明らかなように、皮膜出現率が1
0%を下回るとフィット感や作業性が低下し、逆に90
%を超えると、吸汗性や着脱性が低下することが分かっ
た。表2より明らかなように、編手袋の編目数が1平方
インチ当たり10を下回ると、吸汗性、断熱性、袖部の
たれ、着脱性のいずれもが不十分になり、逆に、編目の
数が1平方インチあたり2000を超えると、フィット
感や作業性が低下することがわかった。
【0048】表3より明らかなように、編手袋に用いる
糸の番手が綿番手単糸1本取り換算で5番手を下回ると
フィット感や作業性が低下し、逆に80番手を超える
と、吸汗性、断熱性、袖部のたれ、着脱性のいずれもが
不十分になることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の手袋の一実施形態を示す部分欠
截正面図であって、(b) はその部分断面図である。
【符号の説明】
10 手袋 11 弾性体皮膜 11a (弾性体皮膜の)現出部 12 編手袋 12a (編手袋の)外表面 12b (編手袋の)内表面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】綿番手単糸1本取り換算で5〜80番手の
    糸を用いて編成してなる、編目の数が1平方インチ当た
    り10〜2000である編手袋と、当該編手袋の外表面
    に設けられてなる弾性体の皮膜と、を備えており、 当該皮膜が編手袋の内表面に現出している箇所の総面積
    が、当該皮膜が設けられている領域の全面積に対して1
    0〜90%であるサポート型手袋。
  2. 【請求項2】上記弾性体が天然ゴムまたは脱蛋白天然ゴ
    ムである請求項1記載のサポート型手袋。
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