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JP2003259878A - 乳酸脱水素酵素をコードするdnaおよびその利用 - Google Patents

乳酸脱水素酵素をコードするdnaおよびその利用

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Publication number
JP2003259878A
JP2003259878A JP2002065879A JP2002065879A JP2003259878A JP 2003259878 A JP2003259878 A JP 2003259878A JP 2002065879 A JP2002065879 A JP 2002065879A JP 2002065879 A JP2002065879 A JP 2002065879A JP 2003259878 A JP2003259878 A JP 2003259878A
Authority
JP
Japan
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dna
sequence
val
promoter
leu
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002065879A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Ishida
亘広 石田
Masakata Hirai
正名 平井
Takao Imaeda
孝夫 今枝
Tsutomu Miyazaki
力 宮崎
Tateo Tokuhiro
健郎 徳弘
Satoshi Saito
聡志 齋藤
Osamu Saotome
理 早乙女
Noriko Hoya
典子 保谷
Yasuo Matsuo
康生 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2002065879A priority Critical patent/JP2003259878A/ja
Priority to AU2003213456A priority patent/AU2003213456A1/en
Priority to PCT/JP2003/002845 priority patent/WO2003076616A1/ja
Publication of JP2003259878A publication Critical patent/JP2003259878A/ja
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/40Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a carboxyl group including Peroxycarboxylic acids
    • C12P7/56Lactic acid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y101/00Oxidoreductases acting on the CH-OH group of donors (1.1)
    • C12Y101/01Oxidoreductases acting on the CH-OH group of donors (1.1) with NAD+ or NADP+ as acceptor (1.1.1)
    • C12Y101/01027L-Lactate dehydrogenase (1.1.1.27)

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高等真核生物の遺伝子を、サッカロマイセス・
セレビシエなどの酵母を始めとする異種の生物中で発現
させる際の不完全さを是正することにより、より効率的
な遺伝子発現系を提供する。 【解決手段】以下の(a)および(b)のいずれかの特
徴を有するDNA。(a)乳酸脱水素酵素活性を備える
タンパク質をコードする塩基配列を有する。(b)該塩
基配列の全体若しくは一部の配列からなるDNAあるい
はその相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイ
ズし、乳酸脱水素酵素活性を備えるタンパク質をコード
する塩基配列を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、乳酸の効率的生
産技術に関し、詳しくは、酵母に乳酸を産生させるのに
適する乳酸脱水素酵素活性を備えるタンパク質をコード
する塩基配列を有するDNA、およびこのDNAの利用
に関する。
【0002】
【従来の技術】組換えDNA技術の進歩により、微生
物、カビ、動植物および昆虫などの宿主で外来遺伝子を
発現させ、その形質転換体を増殖させることによって、
目的遺伝子産物を取得する技術が発展してきた。例え
ば、酵母などの培養によれば、発酵生産により大量の目
的遺伝子産物を産生させることも可能である。
【0003】これまで、酵母によってL−乳酸を生産さ
せようとする試みはいくつか存在している。ウシ由来の
乳酸脱水素酵素(LDH)遺伝子を酵母サッカロマイセ
ス・セレビシエに導入し、L−乳酸を生産させる試みが
ある(Eri Adahi et al., "Modification of metabolic
pasthway of Saccaromyces cerevisiae by the express
ion of lactate dehydrogenase and deletion of pyruv
ate genes fo the lactic acid fermentation at low p
H value", J. Ferment. Bioeng. Vol.86, No.3, 284-28
9, 1988、Danio Porro et al., "Development of metab
olically engineered Saccaromyces cerevisiae cells
for the production of lactic asid",Biotechnol.Pro
g. Vol.11, 294-298, 1995, 特表2001−51658
4号公報)。しかしながら、いずれの報告においても、
L−乳酸の高生産は認められていない。
【0004】タンパク質をコードする遺伝子は、そのタ
ンパク質のアミノ酸配列を、1アミノ酸につき、DNA
の3塩基からなるコドン(遺伝暗号)によってコードし
ているが、一つのアミノ酸に対応する遺伝暗号は必ずし
も一つではない。大量に発現している遺伝子では、生物
種によって使用されている遺伝暗号に偏りがあることが
知られている。したがって、ウシ由来のLDHをコード
する遺伝子は、ほ乳類などの高等真核生物において多用
される遺伝暗号からなる遺伝子であり、必ずしも酵母、
特にサッカロマイセス・セレビシエにおける発現には好
適なものではないと考えられる。
【0005】また、遺伝子を効率的に発現させるために
は、最適な発現制御系に接続する必要がある。開始コド
ンの上流に発現に好適な配列を付加したり、より好適な
プロモーター遺伝子の下流に接続することによって、目
的とする遺伝子をより効率的に発現させることが可能と
なる。一方、宿主における目的産物に関連する代謝系も
考慮する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、形質転換
微生物の培養によって乳酸を効率的に生産するには、宿
主において効率よく発現するDNA配列であることが望
まれるとともに、効率的発現が可能な発現制御系による
制御を受けることが望まれる。本発明の目的は、高等真
核生物のDNA、例えば、ウシなどの哺乳類のLDH遺
伝子を、サッカロマイセス・セレビシエなどの酵母を始
めとする異種の生物中で発現させる際の不完全さを是正
することにより、より効率的な遺伝子発現系、具体的に
は、L−乳酸の生産を行うための発現系を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種のL
DH遺伝子について微生物での発現に対して各種の最適
化を試みた結果、L−乳酸の産生量を増大させるのに適
したDNA配列を見出した。そして、かかるDNA配列
を有するDNA構築物を利用することにより、上記した
課題を解決するに至った。すなわち、本発明によれば、
以下の手段を提供することができる。
【0008】(1)以下の(a)および(b)のいずれ
かの特徴を有するDNA。 (a)乳酸脱水素酵素活性を備えるタンパク質をコード
し、配列番号1に記載の塩基配列を有する。 (b)配列番号1に記載の塩基配列の全体若しくは一部
の配列からなるDNAあるいはその相補鎖とストリンジ
ェントな条件でハイブリダイズし、乳酸脱水素酵素活性
を備えるタンパク質をコードする塩基配列を有する。 (2)以下の(c)および(d)のいずれかの特徴を有
するDNA。 (c)乳酸脱水素酵素活性を備えるタンパク質をコード
し、配列番号3に記載の塩基配列を有する。 (d)配列番号3に記載の塩基配列の全体若しくは一部
の配列からなるDNAあるいはその相補鎖とストリンジ
ェントな条件でハイブリダイズし、乳酸脱水素酵素活性
を備えるタンパク質をコードする塩基配列を有する。 (3)開始コドンを挟んでコザック配列を有する、
(1)または(2)に記載のDNA。 (4)乳酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコード
するDNAであって、以下の特徴(e)〜(g): (e)サッカロマイセス・セレビシエにおけるコドン用
法を用いて設計されている、 (f)開始コドンを挟んでコザック配列を有している、
および (g)コード領域の開始コドンから100塩基毎に区切
られる複数の領域のGC含量が20%以上40%以下の
範囲である、のうち少なくとも2種類を備える、DN
A。 (5)前記乳酸脱水素酵素活性を有するタンパク質は、
ウシ由来の乳酸脱水素酵素、あるいはウシ由来の乳酸脱
水素酵素のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミ
ノ酸が、置換、欠失、挿入および/または付加されたア
ミノ酸配列からなタンパク質である、(4)記載のDN
A。 (6)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1若し
くは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入および/また
は付加されたアミノ酸配列からなり、乳酸脱水素酵素活
性を有するタンパク質をコードし、配列番号1または3
に記載の塩基配列の全部若しくはその一部からなるDN
Aあるいはその相補鎖とストリンジェントな条件でハイ
ブリダイズする、DNA。 (7)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1若し
くは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入および/また
は付加されたアミノ酸配列からなり、乳酸脱水素酵素活
性を有するタンパク質をコードし、配列番号1あるいは
配列番号3のコード領域の塩基配列において、前記アミ
ノ酸の置換、欠失、挿入および/または付加による改変
がなされた塩基配列を有する、DNA。 (8)(1)〜(7)のいずれかに記載のDNAからな
るDNAセグメントと、このDNAセグメントを発現可
能に連結されるプロモーターセグメント、とを備える、
DNA構築物。 (9)前記プロモーターセグメントは、サッカロマイセ
ス・セレビシエ由来のピルビン酸脱炭酸酵素1遺伝子プ
ロモーター活性を有する、(8)記載のDNA構築物。 (10)宿主染色体との相同組換えのためのDNAセグ
メントを備える、(8)または(9)に記載のDNA構
築物。 (11)(1)〜(7)のいずれかに記載のDNAから
なるDNAセグメントと、宿主染色体との相同組換えの
ためのDNAセグメントと、とを備える、DNA構築
物。 (12)(1)〜(7)のいずれかに記載のDNAから
なるDNAセグメントが宿主染色体のプロモーターによ
って制御可能となるように相同組換え用DNAセグメン
トを備える、(11)記載のDNA構築物。 (13)前記宿主染色体プロモーターは、サッカロマイ
セス・セレビシエ由来のピルビン酸脱炭酸酵素1遺伝子
プロモーターである、(11)または(12)に記載の
DNA構築物。 (14)前記DNA構築物は、さらに、プラスミド、バ
クテリオファージ、レトロトランスポゾンおよび人工染
色体からなる群から選択されるいずれかのベクターの構
成セグメントを備える、(8)〜(13)のいずれかに
記載のDNA構築物。 (15)(8)〜(13)のいずれかに記載のDNA構
築物を用いて宿主細胞を形質転換させて得られる形質転
換体。 (16)前記宿主細胞は、細菌、酵母、動物細胞、昆虫
細胞および植物細胞のいずれかである、(15)記載の
形質転換体。 (17)前記宿主細胞は、サッカロマイセス・セレビシ
エである、(15)記載の形質転換体。 (18)宿主染色体上のピルビン酸脱炭酸酵素1遺伝子
プロモーターあるいは当該プロモーターと置換された当
該プロモーターのホモログの下流に当該プロモーターに
よって制御可能に連結された、請求項1〜7のいずれか
に記載のDNAであるDNAセグメントを備える、形質
転換サッカロマイセス属酵母。 (19)(15)〜(18)のいずれかに記載の形質転
換体に由来する細胞を培養する工程と、前記工程でえら
れる培養物から乳酸を分離する工程、とを備える、乳酸
の製造方法。
【0009】本発明によれば、微生物、特に酵母におけ
る発現が最適化されたLDH活性を備えるタンパク質を
コードする塩基配列を有するDNAが提供される。この
DNAを利用することにより、L−乳酸を高生産可能な
形質転換体を容易に得ることができ、ひいては、L−乳
酸を効率よく生産することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 (DNA)本発明のDNAは、L−乳酸脱水素酵素(L
DH)活性を備えるタンパク質をコードする塩基配列を
有する、あるいは当該塩基配列からなるDNAである。
ここで、LDHは、乳酸菌などの原核生物もしくはカビ
などの真核微生物の解糖系、または高等生物の筋肉組織
において、ピルビン酸からL−乳酸を産生する反応を媒
介する酵素として知られている。また、本明細書におい
て、DNAは、cDNA、ゲノムDNA、合成DNAな
ど、その由来を問うものではない。また、1本鎖でも、
その相補鎖を有する2本鎖であってもよい。また、天然
のあるいは人工のヌクレオチド誘導体を含んでいてもよ
い。
【0011】LDHとしては、生物の種類に応じてある
いは生体内においても各種同族体が存在する。本発明に
おけるLDH活性を備えるタンパク質としては、天然由
来のLDHの他、化学合成的あるいは遺伝子工学的に人
工的に合成されたLDHも包含している。LDHとして
は、好ましくは、乳酸菌などの原核生物もしくはカビな
どの真核微生物由来であり、より好ましくは、植物、動
物、昆虫などの高等真核生物由来であり、さらに好まし
くは、ウシを始めとする哺乳類を含む高等真核生物由来
である。最も好ましくは、ウシ由来のLDHである。例
えば、ウシ由来のLDHとして配列番号2に示すアミノ
酸配列からなるタンパク質を挙げることができる。さら
に、本発明におけるLDHは、これらのLDHのホモロ
グも包含している。LDHホモログは、天然由来のLD
Hのアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸
の置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸
でありかつLDH活性を有しているタンパク質、およ
び、天然由来のLDHとアミノ配列の相同性が少なくと
も70%、好ましくは80%以上を有しかつLDH活性
を有しているタンパク質を含んでいる。
【0012】本発明のDNAは、形質転換しようとする
宿主生物において多用されるコドン用法を用いた塩基配
列を有することができる。例えば、本DNAは、サッカ
ロマイセス属、とくに、サッカロマイセス・セレビシエ
におけるコドン用法を用いて遺伝暗号化された塩基配列
を有することができる。サッカロマイセス・セレビシエ
におけるコドン用法を図2示す。このコドン用法におい
て、下線が施してあるコドンを、それに対応つけられて
いるアミノ酸のコドンとして用いることが好ましい。す
なわち、UUU(Phe)、UCU(Ser)、UAU
(Tyr)、UGU(Cys)、UUG(Leu)、C
AU(His)、CCA(Pro)、CAA(Gl
n)、AUU(Ile)、ACU(Thr)、AAU
(Asn)、AAA(Lys)、AGA(Arg)、A
UG(Met)、GUU(Val)、GCU(Al
a)、GAU(Asp),GGU(Gly)、GAA
(Glu)を用いることが好ましい。なお、これらはい
ずれもRNA上の塩基配列の形態で示されているが、D
NAの場合は、UがTとなる。
【0013】LDHをコードするDNAに対して、サッ
カロマイセス属など異種生物のコドン用法に基づいて改
変して新たな塩基配列のDNAを設計する場合、改変前
(天然由来)の塩基配列のコドンの70%以上にこのコ
ドン用法が適用されていることが好ましく、より好まし
くは、80%以上であり、さらに好ましくは、90%以
上であり、もっとも好ましくは、全てのコドンについて
このコドン用法が適用されている。
【0014】本発明のDNAの好ましい態様として、ウ
シ由来のLDHの塩基配列(配列番号41)を上記コド
ン用法(サッカロマイセス・セレビシエのコドン用法)
を適用して設計したDNAを挙げることができる。なか
でも、配列番号1および配列番号3に記載の塩基配列を
有する、あるいはこれらの塩基配列からなるDNAが好
適な態様である。当該塩基配列のコード領域の塩基配列
においては、メチオニン以外の全てのアミノ酸におい
て、本来のコドンと異なるコドンが用いられている。
【0015】また、好ましい態様として、LDH活性を
有するタンパク質のコード領域の開始コドン近傍に(開
始コドンを挟んで)コザック配列を有することが好まし
い。具体的には、DNAにあっては、5’−ANNAT
GG−3’ただし、Nは、A、T、C、およびGのいず
れであってもよい。)を有するようにすることが好まし
い(なお、RNAにあっては、この配列に対してTをU
に置換した形態をいうものとする。)。例えば、配列番
号3に記載の塩基配列では、開始コドン(ATG)を挟
んで、5’−ACAATGG−3’の塩基配列を有して
いる。
【0016】また、本DNAにおいては、mRNAを不
安定化する配列を含まないようにすることが好ましい。
例えば、ポリAシグナル配列、ステムループ構造を含む
配列、TATATA配列などの配列の他、著しい繰り返
し配列を含まないようすることが好ましい。例えば、1
0bp程度の配列の出現率がDNA(特にタンパク質の
コード領域)において2%以下となるようにすることが
好ましく、より好ましくは、全く含まないものとする。
【0017】また、DNA全体において、GC含量の偏
りに差がでないように設計することが好ましい。例え
ば、5’側(特に、開始コドン)から100塩基毎に区
切られる複数の領域のGC含量がそれぞれ約20%以上
約40%以下の範囲であることが好ましい。また、全体
のGC含量が約20%以上約40%以下であることが好
ましい。ウシ由来の天然のLDH配列(配列番号41)
の全体のGC含量が44.94%であることと、例え
ば、配列番号1および3に記載の塩基配列においては、
全体のGC含量が、それぞれ31.4%、32.0%と
なっているからである。より好ましくは、約25%以上
約35%以下である。あるいは、天然のDNA配列に比
較して、全体のGC含量を10%以上15%以下程度、
好ましくは、13%以上14%以下程度減少させるよう
に設計することが好ましい。
【0018】本発明のDNAとしては、導入しようとす
る宿主生物におけるコドン用法の適用、コザック配列の
存在、好適なGC含量(GC含量の分散性、全体のGC
含量)のうち、少なくとも1種類の特徴を有することが
好ましい。より好ましくは、2種類以上、もっとも好ま
しくは3種類の特徴を有する。また、本DNAにおいて
は、宿主生物におけるコドン用法が適用されていること
が好ましい。特に、サッカロマイセス属(セレビシエ種
を含む)を宿主として形質転換する場合には、サッカロ
マイセス属(特に、セレビシエ種)におけるコドン用法
が適用されていることが好ましい。
【0019】さらに、DNAにおいて、特にコード領域
において遺伝子クローニング工程上不適当な制限酵素部
位を有しないように設計されていることが好ましい。具
体的には、Eco RI, Xho I、Afl IIなどのサイトを含ま
ないことが好ましい。また一方、遺伝子クローニング操
作を考慮すれば、コード領域の外側には操作上有用な制
限酵素部位を備えていることが好ましい。例えば、Eco
RI, Xho I、Afl IIなどのサイトをコード領域の上流お
よび/または下流に有することができる。例えば、配列
番号1および3に記載の塩基配列においては、開始コド
ンから終止コドンまでの範囲においては、Eco RI、Xho
I、Afl IIのサイトを備えていない。また、配列番号3
に記載の塩基配列においては、開始コドンの上流側に、
Eco RIサイトを備え、終止コドンの下流側には、Xho
I、Afl IIを備えている。
【0020】本発明のDNAは、配列番号1および3に
示す塩基配列からなるDNAのホモログも包含してい
る。ホモログとしては、例えば、これらのDNAとスト
リンジェントな条件でハイブリダイズするDNAを挙げ
ることができる。すなわち、これらのいずれかのDNA
の全体若しくは一部あるいはその相補鎖とストリンジェ
ントな条件でハイブリダイズするDNAである。かかる
ホモログは、同時にLDH活性を備えるタンパク質をコ
ードしている。ストリンジェントな条件でハイブリダイ
ズするDNAとは、例えば、もとの塩基配列の任意の少
なくとも20個、好ましくは25個、より好ましくは少
なくとも30個の連続した配列を一つあるいは複数個選
択したDNAをプローブDNAとして、当業者の周知の
ハイブリダイセーション技術(Current Protocols I Mo
lecular Biology edit. Ausubel et al., (1987) Publi
sh . John Wily & SonsSectoin 6.3-6.4)などを用い
て、ハイブリダイズするDNAである。ここでストリン
ジェントな条件としては、50%ホルムアミド存在下で
ハイブリダイゼーション温度が37℃であり、より厳し
い条件としては、約42℃である。さらに厳しい条件と
してはホルムアミド存在下で約65℃とすることができ
る。
【0021】また、ウシ由来のLDHのアミノ酸配列
(例えば、配列番号2)において、1若しくは数個のア
ミノ酸が、置換、欠失、挿入および/または付加された
アミノ酸配列からなり、LDH活性を有するタンパク質
をコードするとともに、前記ウシ由来のLDHをコード
する塩基配列(例えば、配列番号1または3に記載の塩
基配列)の全部若しくは一部からなるDNAあるいはそ
の相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズす
る、DNAも、本発明のDNAに含まれる。また、配列
番号1あるいは配列番号3のコード領域に記載の塩基配
列によってコードされるアミノ酸配列において、1若し
くは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入および/また
は付加されたアミノ酸配列からなり、LDH活性を有す
るタンパク質をコードするとともに、配列番号1あるい
は配列番号3のコード領域において、前記アミノ酸の置
換などに対応する塩基の改変がなされた塩基配列を有す
るDNAも、本発明のDNAに含まれる。なお、アミノ
酸配列における変異の数は、もとのタンパク質の機能が
維持できる限り制限されないが、全アミノ酸の70%以
内であることが好ましく、より好ましくは、30%以内
であり、さらに好ましくは20%以内である。
【0022】また、このようなDNAのホモログは、も
とのDNAの塩基配列のコード領域に対して、少なくと
も80%、好ましくは、90%以上のホモロジーを有す
る塩基配列を含む、あるいは当該塩基配列からなるDN
Aであることが好ましい。なお、DNAの塩基配列のホ
モロジーは、遺伝子解析プログラムBLASTなどによ
って決定することができる。
【0023】なお、DNAは、化学的に合成することも
できるし、長鎖DNAの合成方法として知られている藤
本らの手法(藤本英也、合成遺伝子の作製法、植物細胞
工学シリーズ7 植物のPCR実験プロトコール、19
97、秀潤社、p95−100)を採用することもでき
る。
【0024】また、アミノ酸配列における改変は、改変
しようとするアミノ酸配列に、部位特異的変位導入法
(Current Protocols I Molecular Biology edit. Ausu
bel etal., (1987) Publish . John Wily & Sons Secto
in 8.1-8.5)等を用いて、適宜、置換、欠失、挿入、お
よび/または付加変異を導入することにより行うことが
できる。また、このような改変は、人工的に変異を導入
しあるいは合成したものに限られず、人工的な変異処理
に基づいてあるいはこれに限られず自然界におけるアミ
ノ酸の変異によっても生じたものも包含される。
【0025】(DNA構築物)本発明のDNAを用いて
宿主細胞を形質転換して、このDNAによってコードさ
れるタンパク質を発現させることにより、そのLDH活
性により宿主細胞においてL−乳酸を産生させることが
できる。形質転換にあたっては、本DNAからなるDN
Aセグメントを、宿主細胞内で発現可能とするDNA構
築物を用いる。形質転換のためのDNA構築物の態様と
しては、特に限定しないでプラスミド(DNA)、バク
テリオファージ(DNA)、レトロトランスポゾン(D
NA)、人工染色体(YAC、PAC、BAC、MAC
等)を、外来遺伝子の導入形態(染色体外あるいは染色
体内)や宿主細胞の種類に応じて選択して採用すること
ができる。したがって、本DNA構築物は、本DNAの
他、これらのいずれかの態様のベクターの構成セグメン
トを備えることができる。好ましい原核細胞性ベクタ
ー、真核細胞性ベクター、動物細胞性ベクター、植物細
胞性ベクターは当該分野において周知である。
【0026】なお、プラスミドDNAとしては、例え
ば、pRS413、pRS415、pRS416、YC
p50、pAUR112またはpAUR123などのY
Cp型大腸菌−酵母シャトルベクター、pYES32ま
たはYEp13などのYEp型大腸菌−酵母シャトルベ
クター、pRS403、pRS404、pRS405、
pRS406、pAUR101またはpAUR135な
どのYIp型大腸菌−酵母シャトルベクター、大腸菌由
来のプラスミド(pBR322、pBR325、pUC
18、pUC19、pUC119、pTV118N、p
TV119N、pBluescript、pHSG29
8、pHSG396又はpTrc99AなどのColE
系プラスミド、pACYC177又はpACYC184
などのp1A系プラスミド、pMW118、pMW11
9、pMW218又はpMW219などのpSC101
系プラスミド等)、枯草菌由来のプラスミド(例えば、
pUB110、pTP5等)などを挙げることができ
る。ファージDNAとしては、λファージ(Charo
n4A、Charon21A、EMBL3、EMBL
4、λgt100、gt11、zap)、φX174、
M13mp18又はM13mp19などを挙げることが
できる。レトロトランスポゾンとしては、Ty因子など
を挙げることができる。YACとしては、pYACC2
などを挙げることができる。
【0027】本DNA構築物を作製するには、本DNA
を含むフラグメントなどを適当な制限酵素で切断し、使
用するベクターDNAの制限酵素部位あるいはマルチク
ローニングサイトに挿入などすることによる。本DNA
構築物の第1の態様は、本DNAからなるDNAセグメ
ントを発現可能に連結されるプロモーターセグメントを
備えている。すなわち、プロモーターにより制御可能に
そのプロモーターの下流側に本DNAセグメントが連結
されている。
【0028】本DNA、すなわち、LDH活性を備える
タンパク質の発現にあっては、酵母における発現が好ま
しいことから、酵母中で発現するプロモーターを使用す
ることが好ましい。かかるプロモーターとしては、例え
ば、ピルビン酸脱炭酸酵素遺伝子プロモーター、gal
1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショ
ックタンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、
PH05プロモーター、PGKプロモーター、GAPプ
ロモーター、ADHプロモーター、AOX1プロモータ
ーなどを使用することが好ましい。特に、サッカロマイ
セス属由来のピルビン酸脱炭酸酵素(1)プロモーター
が好ましく、サッカロマイセス・セレビシエ由来のピル
ビン酸脱炭酸酵素1遺伝子プロモーターを利用すること
がより好ましい。これらのプロモーターは、サッカロマ
イセス属(セレビシエ)のエタノール発酵経路において
高発現されているからである。なお、かかるプロモータ
ー配列は、サッカロマイセス属酵母のピルビン酸脱炭酸
酵素1遺伝子のゲノムDNAを鋳型とするPCR増幅法
によって単離することができる。サッカロマイセス・セ
レビシエ由来の当該プロモーターの塩基配列を、配列番
号40に示す。なお、本DNA構築物におけるプロモー
ターセグメントには、この配列番号40記載の塩基配列
からなるDNAの他、この塩基配列において1若しくは
数個の塩基が欠失,置換若しくは付加された塩基配列か
らなり、かつプロモーター活性を有するDNA、配列番
号40で示される塩基配列の全部若しくは一部の配列か
ら調製されたDNAあるいはその相補鎖とストリンジェ
ントな条件でハイブリダイズし、かつプロモーター活性
を有するDNA(換言すれば、当該プロモーターのホモ
ログ)を用いることができる。
【0029】また、本DNA構築物の他の態様である第
2のDNA構築物は、本DNAの他、宿主染色体を相同
組換えのためのDNAセグメントを備える。相同組換え
用DNAセグメントは、宿主染色体において本DNAを
導入しようとするターゲット部位近傍のDNA配列と相
同なDNA配列である。相同組換え用DNAセグメント
は、少なくとも1個備えられ、好ましくは、2個備えら
れている。例えば、2個の相同組換え用DNAセグメン
トを、染色体上のターゲット部位の上流側と下流側のD
NAに相同なDNA配列とし、これらのDNAセグメン
トの間に本DNAを連結することが好ましい。
【0030】相同組換えにより宿主染色体に本DNAを
導入する場合、宿主染色体上のプロモーターにより制御
可能に本DNAを導入することができる。この場合、目
的遺伝子の導入によって、同時に、本来当該プロモータ
ーによって制御されるべき内在性遺伝子を破壊し、この
内在性遺伝子に替えて外来の本DNAを発現させること
ができる。特に、当該プロモーターが、宿主細胞におい
て高発現プロモーターである場合に有用である。
【0031】かかる発現系を宿主染色体上に創出するに
は、宿主染色体において高発現遺伝子をターゲットと
し、この遺伝子を制御するプロモーターの下流にプロモ
ーターにより制御を受けるように本DNAを導入するよ
うにすることが好ましい。酵母などのエタノール発酵性
微生物を宿主とする場合、ピルビン酸脱炭酸酵素遺伝子
(特に、ピルビン酸脱炭酸酵素1遺伝子)をターゲット
とし、内在性のピルビン酸脱炭酸酵素遺伝子プロモータ
ーの制御下にLDH活性タンパク質をコードするDNA
を導入することができる。この場合、相同組換え用DN
Aセグメントは、ピルビン酸脱炭酸酵素1遺伝子のLD
Hの構造遺伝子領域あるいはその近傍の配列(開始コド
ンの近傍の配列、開始コドンの上流域の配列、構造遺伝
子内の配列などを含む)と相同とすることができる。好
ましくは、サッカロマイセス属(特にセレビシエ)を宿
主として、この宿主のピルビン酸脱炭酸酵素1遺伝子を
ターゲットとするDNA構築物とする。かかるDNA構
築物によれば、ピルビン酸脱炭酸酵素1遺伝子の破壊と
この構造遺伝子部分のLDHによる置換を一つのベクタ
ーで達成することができる。ピルビン酸脱炭酸酵素1
は、ピルビン酸からアセトアルデヒドへの付加逆反応を
媒介する酵素であり、この遺伝子を破壊することによ
り、アセトアルデヒドを経たエタノール産生が抑制され
ることが期待されるとともに、ピルビン酸を基質とする
LDHによる乳酸産生が促進されることが期待できる。
【0032】なお、第1のDNA構築物あっても、宿主
染色体との相同組換えのためのDNAセグメントを備え
ることにより、相同組換え用のDNA構築物とすること
ができる。第1のDNA構築物にあっては、DNA構築
物中のプロモーターセグメントを、宿主染色体との相同
組換え用のDNAセグメントに兼用することもできる。
例えば、宿主サッカロマイセス・セレビシエに対して、
サッカロマイセス・セレビシエ宿主染色体にあるプロモ
ーター、例えば、ピルビン酸脱炭酸酵素1遺伝子プロモ
ーターをプロモーターセグメントとして有するDNA構
築物は、当該遺伝子をターゲット部位とするターゲティ
ングベクターを構成する。この場合、ピルビン酸脱炭酸
酵素1遺伝子の構造遺伝子領域に対する相同配列を備え
ることが好ましい。
【0033】なお、DNA構築物には、ターミネーター
他、必要に応じてエンハンサーなどのシスエレメント、
スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マ
ーカー、リボソーム結合配列(SD配列)を連結するこ
とができる。選択マーカーとしては、特に限定しない
で、薬剤抵抗性遺伝子、栄養要求性遺伝子などを始めと
する公知の各種選択マーカー遺伝子を利用できる。例え
ば、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺
伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等を使用することができ
る。
【0034】(DNA構築物による形質転換)一旦、D
NA構築物が構築されたら、適当な宿主細胞に、トラン
スフォーメーション法や、トランスフェクション法、接
合法、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション
法、リポフェクション法、酢酸リチウム法、パーティク
ルガン法、リン酸カルシウム沈殿法、アグロバクテリウ
ム法、PEG法、直接マイクロインジェクション法等の
各種の適切な手段のいずれかにより、これを導入するこ
とができる。するDNA構築物の導入後、その受容細胞
は、選択培地で培養される。
【0035】宿主細胞は、Eshrichia coli、Bacillus s
ubtilisなどの細菌、サッカロマイセス・セレビシエ、シ
ゾサッカロマイセス・ポンベ(Saccharomyces pombe)、
ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)などの酵母、
sf9、sf21等の昆虫細胞、COS細胞、チャイニ
ーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)などの動物細
胞、サツマイモ、タバコなどの植物細胞などとすること
ができる。好ましくは、酵母などのアルコール発酵を行
う微生物あるいは耐酸性微生物であり、例えば、サッカ
ロマイセス・セレビシエなどのサッカロマイセス属を始
めとする酵母である。具体的には、サッカロマイセス・
セレビシエIFO2260株や同YPH株である。
【0036】DNA構築物によって形質転換された形質
転換体においては、DNA構築物の構成成分が染色体上
あるいは染色体外因子(人工染色体を含む)上に存在す
ることになる。なお、DNA構築物が染色体外に維持さ
れている場合、あるいは、ランダムインテグレーション
により染色体に組み込まれている場合には、LDHの基
質であるピルビン酸を基質とする他の酵素、例えば、ピ
ルビン酸脱炭酸酵素の遺伝子(サッカロマイセス属酵母
においては、ピルビン酸脱炭酸酵素1遺伝子)は、ター
ゲティングベクターによりノックアウトされていること
が好ましい。上述のDNA構築物であって、相同組換え
を達成できるDNA構築物が導入されると、宿主染色体
上の所望のプロモーターあるいは当該プロモーターと置
換された当該プロモーターのホモログの下流に当該プロ
モーターによって制御可能に連結された本DNAである
DNAセグメントが存在することになる。サッカロマイ
セス属酵母の形質転換体にあっては、宿主染色体上にお
いて、ピルビン酸脱炭酸酵素1遺伝子プロモーターある
いは当該プロモーターと置換された当該プロモーターの
ホモログの下流に当該プロモーターによって制御可能に
本DNAを備えることが好ましい。また、通常、相同組
換え体における本DNAの下流側には、選択マーカー遺
伝子や、破壊された構造遺伝子の一部(DNA構築物上
の相同配列に対応する部位)が存在する。
【0037】なお、所望のプロモーター下に本DNAが
導入されたか否かの確認は、PCR法やサザンハイブリ
ダイゼーション法により行うことができる。例えば、形
質転換体からDNAを調製し、導入部位特異的プライマ
ーによりPCRを行い、PCR産物について、電気泳動
において予期されるバンドを検出することによって確認
できる。あるいは蛍光色素などで標識したプライマーで
PCRを行うことでも確認できる。これらの方法は、当
業者において周知である。
【0038】(乳酸の製造)DNA構築物が導入されて
得られる形質転換体を培養することにより、培養物中に
外来遺伝子の発現産物である乳酸が生成する。培養物か
ら乳酸を分離する工程を実施することにより、乳酸を得
ることができる。なお、本発明において培養物とは、培
養上清の他、培養細胞あるいは菌体、細胞若しくは菌体
の破砕物を包含している。本発明の形質転換体の培養に
あたっては、形質転換体の種類に応じて培養条件を選択
することができる。このような培養条件は、当業者にお
いては周知である。大腸菌や酵母等の微生物を宿主とし
て得られた形質転換体を培養する培地としては、微生物
が資化可能な炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形
質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれ
ば、天然培地、合成培地のいずれも使用することができ
る。炭素源としては、グルコース、フルクトース、スク
ロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等
の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコールを
用いることができる。窒素源としては、アンモニア、塩
化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のア
ンモニウム塩またはその他の含窒素化合物の他、ペプト
ン、肉エキス、コーンスティープリカー等を用いること
ができる。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン
酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、
硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウムな
どを用いることができる。
【0039】培養は、通常、振とう培養または通気攪拌
培養等の好気条件下、30℃で6〜24時間行う。培養
期間中、pHは2.0〜6.0に保持することが好まし
い。また、pHの調整は、無機あるいは有機酸、アルカ
リ溶液等を用いて行うことができる。培養中は、必要に
応じてアンピシリン、テトラサイクリンなどの構成物質
を培地に添加することができる。
【0040】動物細胞を宿主として得られた形質転換体
を培養する倍地としては、一般に使用されているRPM
I1640倍地、DMEM倍地またはこれらの培地にウ
シ胎児血清などを添加した培地を用いることができる。
培養は、通常、5%CO2存在下、37℃で1〜30日
行う。培養中は必要に応じてカナマイシン、ペニシリン
などの抗生物質を培地に添加してもよい。
【0041】培養終了後、培養物から遺伝子産物を分離
するには、通常のタンパク質の生成手段などを使用する
ことができる。例えば、形質転換細胞内に生産された場
合は、常法により菌体を超音波破壊処理、摩砕処理、加
圧破砕などに細胞を破壊して,遺伝子産物を細胞と分離
することができる。この場合、必要に応じてプロテアー
ゼを添加する。また、培養上清に遺伝子産物が生産され
た場合には、この溶液を、ろ過、遠心分離などにより固
形分を除去し、必要によりプロトタミン処理などにより
核酸を除去する。
【0042】これらの粗抽出画分に対して、硫安、アル
コール、アセトン等などを添加し分画し、沈殿物を採取
し、粗タンパク質溶液を得る。このタンパク溶液を、各
種クロマトグラフィー、電気泳動などにかけて精製酵素
標品を得ることができる。たとえば、セファデックス、
ウルトラゲルもしくはバイオゲルなどを用いるゲルろ
過、イオン交換体クロマトグラフィー、ポリアクリルア
ミドゲルなどを用いる電気泳動法、アフィニティクロマ
トグラフィー、逆相クロマトグラフィー等を用いる分画
法を適宜選択し、又はこれらの組み合わせることによ
り、精製された目的の遺伝子産物を取得することができ
る。なお、精製された遺伝子産物が有するアミノ酸配列
は、公知のアミノ酸分析法により行うことができる。上
記した培養法、精製法は、一例であってこれに限定する
趣旨ではない。
【0043】
【実施例】以下に、本発明の具体例を記載するが、本発
明を以下の具体例に限定する趣旨ではない。
【0044】(実施例1:L−乳酸脱脂素酵素遺伝子の
DNA配列の設計)高等真核生物であるウシ由来のタン
パク質であるL−乳酸脱水素酵素を、酵母サッカロマイ
セス・セレビシエ属において効率的に生産するために、
ウシ由来L−乳酸脱水素酵素のアミノ酸配列をコードす
るDNA(配列番号41)に対して、以下の項目を設計
指針として、天然にない新規な遺伝子配列を設計した。 1)サッカロマイセス・セレビシエにおいて多用されて
いるコドンを用いた。 2)開始コドンをはさんでコザック配列(ANNATG
G)を付加した。 3)mRNAの不安定配列や繰り返し配列をできる限り
排除した 4)全領域にわたってGC含量の偏りに差がでないよう
にした。 5)設計した配列中に遺伝子クローニングに不適当な制
限酵素部位ができないようにした。 6)染色体導入型ベクターに組み込むための両末端に有
用な制限酵素EcoRI、XhoI、AflIII部位を付加した。酵
母におけるコドンの使用頻度は、コドンユーセージデー
タベース(http://www.kazusa.or.jp/codon/)から得ら
れるサッカロマイセス・セレビシエのコドンユーセージ
を図2に示す。この図において特定アミノ酸に対応して
多用されているコドンを特定した(下線をしたコド
ン)。
【0045】図2に示すコドンユーセージにおける多用
コドンの適用の他、上記2)〜5)の設計指針に基づい
て得られたLDH活性を有するタンパク質をコードする
新規なDNA配列(999bp)(以下、LDHKCB
遺伝子と称す。)を配列番号1に示す。また、配列番号
1に示すDNA配列とその開始コドンの上流側および終
止コドンの下流側を含むDNA配列(1052bp)
(以下、LDHKCB配列と称す。)を配列番号3およ
び図1に示す。
【0046】配列番号1に記載のDNA配列において
は、メチオニン以外の全てのアミノ酸において、もとの
DNA配列で使用したのと異なるコドンを使用してい
た。なお、新たに採用されたコドンは、全て図2に示す
多用コドンであった。さらに、もとのウシ由来のLDH
遺伝子とLDHKCB遺伝子とについて、コンピュータ
ーによるホモロジー解析を行った結果を図3に示す。図
3から明らかなように、DNA配列のほぼ全域にわたっ
て多数の置換を要することがわかった。
【0047】(実施例2:LDHKCB配列の全合成)
本実施例では、長鎖DNAの合成方法として知られてい
る藤本らの手法(藤本英也、合成遺伝子の作製法、植物
細胞工学シリーズ7 植物のPCR実験プロトコール、
1997、秀潤社、p95−100)を用いた。この方
法の原理は、100MER程度のオリゴヌクレオチドプラ
イマーを3’末端に10〜12mer程度のオーバーラ
ップを持つように作製し、お互いのオリゴヌクレオチド
プライマーのオーバーラップ領域を利用して、欠損部分
を伸張させ、さらに両末端のプライマーを用いてPCR
を行うことによって増幅するというものである。この操
作を順次繰り返し、目的とする長鎖DNAを合成する。
PCR増幅装置には、Gene Amp PCR sys
tem9700(PE、Applied Biosys
tems)を使用した。具体的には、最初に連結させた
い2種類のオリゴヌクレオチドプライマーを混合し、K
OD−plus−DNA polymerase(東洋
紡)存在下で、96℃、2分、68℃2分、54℃2
分、72℃30分の反応条件でDNA伸張反応を行っ
た。次に、本試料の1/10量を鋳型にして、両末端の
プライマー存在下で、96℃2分後、(96℃30秒→
55℃30秒→72℃90秒)を25サイクル行い、そ
の後4℃とするPCR反応をおこなった。反応における
バッファ、dNTPmixなどは、DNA polym
eraseに附属のものを使用した。一連のオーバーラ
ップPCR法を図4に従って順次行っていき、最終目的
とすつ遺伝子断片を作製した。図4に示す各種プライマ
ー(BA、B01、BB、B02、BC、B03、BD、B04、BE、B05、B
F、B06、BG、B07、BH、B08、BI、B09、BJ、B10、BK、B1
1、BL、B12、BM、B13、BN、B14の全28種のプライマー
のDNA配列を配列番号5〜32にそれぞれ示す。合成
したLDHKCB配列について、塩基配列を確認した
後、EcoRIにて制限酵素処理し、同様にEcoRI
にて酵素処理したpCR2.1 TOPO Vector
(Invitirogen)に常法により連結した。こ
のベクターをpBTOPO−LDHKCBベクターと称
した。
【0048】(実施例3:酵母染色体導入用ベクターの
構築)実施例2において全合成したLDHKCB配列を
用いて、酵母染色体導入型ベクターを構築した。このベ
クターを、pBTRP-PDC1-LDHKCBと称し、このプラスミド
マップを図5に示す。 1.pBTrp-PDC1-LDHKCB構築のためのPDC1P断片の単離 PDC1P断片は、サッカロマイセス・セレビシエYPH株(St
ratagene社)のゲノムDNAを鋳型として使用したPCR
増幅法によって単離を行った。
【0049】サッカロマイセス・セレビシエYPH株のゲ
ノムDNAは、ゲノム調製キットであるFast DNA Kit
(Bio 101社)を用い、詳細は、附属のプロトコールに
従い、調製した。DNA濃度は分光光度計Ultro
spec 3000(Amersham Pharma
cia Biotech社)にて測定した。
【0050】PCR反応には、増幅酵素として、増幅断片
の正確性が高いとされるPyrobest DNA Polymerase(宝
酒造)を使用した。上記手法にて調製したサッカロマイ
セス・セレビシエYPH株のゲノムDNA50ng/サ
ンプル、プライマーDNA50pmol/サンプル、及
びPyrobestDNApolymerase 0.
2ユニット/サンプルを合計で50μlの反応系に調製
した。反応溶液を、PCR増幅装置 Gene Amp
PCR system 9700(PE Applled
Biosystem社)によってDNA増幅を行つた。
PCR増幅装置の反応条件は、96℃2分の後、 (9
6℃30秒→55℃30秒→72℃90秒)を25サイ
クル行い、その後4℃とした。PDClプライマーの増
幅断片を1%TBEアガロースゲル電気泳動にて遺伝子
増幅断片の確認を行つた。なお反応に使用したプライマ
ーDNAは、合成DNA(サワデーテクノロジー社)を
用い、このプライマーのDNA配列は以下の通りであっ
た。
【0051】・PDCIP−LDH−U(31mer,
Tm値58.3℃)未端に制限酵素BamH1サイトを付
加:ATA TAT GGA TCC GCG TTT AT
T TAC CTA TCTC (配列番号33) ・PDClP−LDH−D(31mer、Tm値54.
4℃)末端に制限酵素EcoRIサイトを付加:ATA
TAT GAA TTC TTT GAT TGA TTT
GAC TGTG (配列番号34)
【0052】2.プロモーター及び目的遺伝子を含む組
換えベクターの構築 サッカロマイセス・セレビシエ由来のビルビン酸脱炭酸
酵素1遺伝子(PDCl)プロモーター配列の制御下
で、目的遺伝子としてウシ由来のL-乳酸脱水素酵素遺伝
子(LDH遺伝子)を使用した。
【0053】本組換えベクター構築のために新たに構築
した染色体導入型ベクターをpBTrp−PDC1−L
DHKCBと名付けた。以下に本ベクター構築例の詳細
を記す。なお本実施例の概要を図6〜9に示す。但し、
ベクター構築の手順はこれに限定されるものではない。
ベクターの構築にあたつて、必要な遺伝子断片であるP
DCl遺伝子のプロモーター断片(PDCIP)971
bpと、PDCl遺伝子下流領域断片(PDC1D)5
18bpは、上述のように、サッカロマイセス・セレビ
シエYPH株のゲノムDNAを鋳型として使用したPC
R増幅法によって単離を行った。PCR増幅の手順は上
記の通りであるが、PDCl遺伝子下流領域断片の増幅
には、以下のプライマーを使用した。 ・PDC1D−LDH−U(34mer、Tm値55.
3℃)未端に制限酵素XhoIサイトを付加:ATA
TAT CTC GAG GCC AGC TAA CTT
CTT GGTCGA C (配列番号35) ・PDCID−LDH−D(31mer、Tm値54.
4℃)末端に制限酵素ApaIサイトを付加:ATA
TAT GAA TTC TTT GAT TGA TTT
GAC TGTG (配列番号36)
【0054】上記反応にて取得したPDC1P及びPD
C1D各遺伝子増幅断片をそれぞれ、エタノール沈殿処
理によって精製した後、PDC1P増幅断片を制限酵素
BamHI/EcoRI及びPDC1D増幅断片を制限
酵素XhoI/ApaIにて制限酵素反応処理を行っ
た。なお、以下に用いた酵素類はすべて宝酒造社製のも
のを用いた。また、エタノール沈殿処理、制限酵素処理
の一連操作の詳細なマニュアルはMolecular
Cloning A Laboratory Manua
l second editlon (Maniatis
et al.,Cold Spring Harbor L
aboratory press.1989)に従っ
た。
【0055】ベクターの構築における一連の反応操作
は、一般的なDNAサブクローニング法に準じて行っ
た。すなわち、制限酵素BamHI/EcoRI(宝酒
造社)及び脱リン酸化酵素Alkaline Phos
phatase(BAP、宝酒造社)を施したpBlu
escriptII SK+ベクター(東洋紡社)に、
上記PCR法にて増幅し制限酵素処理を施したPDC1
P断片をT4 DNA Ligase反応によって連結さ
せた(図6上段)。T4 DNA Ligase反応に
は、LigaFast Rapid DNA Ligat
ion System(プロメガ社)を用い、詳細は付
属のプロトコールに従った。
【0056】次にLigation反応を行った溶液を
用いて、コンピテント細胞への形質転換を行った。コン
ピテント細胞は大腸菌JM109株(東洋紡社)を用
い、詳細は付属のプロトコールに従って行った。得られ
た培養液は抗生物質アンピシリン100μg/mlを含
有したLBプレートにまいて一晩培養した。生育したコ
ロニーにつき、インサート断片のプライマーDNAを用
いたコロニーPCR法による確認、及びミニプレップに
よるプラスミドDNA調製溶液に対する制限酵素処理に
よる確認を行い、目的とするベクターpBPDC1Pベ
クターを単離した(図6中段)。
【0057】ついで、図6の中段に示すように、株式会
社豊田中央研究所によって構築されたpBTOPO−L
DHKCBベクターを制限酵素EcoRI処理及び末端
修飾酵素T4 DNA polymerase処理するこ
とで得られるLDHKCB遺伝子断片を、同じく制限酵
素EcoRI処理、末端修飾酵素T4 DNA poly
merase処理を行ったpBPDC1Pベクター中
に、上述と同様の操作でサブクローニングを行い、pB
PDC1P−LDHKCBベクターを作製した(図6下
段)。
【0058】一方、図7に示すように、トヨタ自動車
(株)によって構築されたpYLDlベクターを制限酵
素EcoRI/AatII処理及び末端修飾酵素T4
DNApolymerase処理することで得られるL
DH遺伝子(ビフィドバクテリウム・ロンガム由来)断
片を、同じく制限酵素EcoRI処理、末端修飾酵素T
4 DNA polymerase処理を行ったpBPD
C1Pベクター中に、上述と同様の操作でサブクローニ
ングを行い、pBPDC1P−LDH1ベクターを作製
した(図7)。なお、上記のpYLDlベクターは大腸
菌に導入され(名称: 「E.coll pYLD
1」)、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託
センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1)に、受託
番号FERM BP−7423としてブダベスト条約に
基づき国際寄託されている(原寄託日:平成11(19
99)年10月26日)。
【0059】続いて、図8に示すように、このベクター
をXhoI/ApaI処理し、同様に制限酵素処理を施
した増幅PDC1D断片を連結させてpBPDC1P−
LDHベクターを作製した(図8上段)。最後にpBP
DC1P−LDHIIベクターをEcoRV処理したも
のに、pRS404ベクター(Stratagene
社)をAatII/SspI処理、T4 DNApol
ymerase処理して得られたTrpマーカー断片を
連結させて、pBTrp−PDCl−LDHベクターを
構築した。
【0060】次に、図9に示すように、pBPDC1P
−LDHKCBベクターをApaI/EcoRIにて制
限酵素処理し、一方、pBTrp−PDC1−LDHベ
クターを、制限酵素ApaIおよびStuIで処理した
Trpマーカーを含む断片に処理し、増幅させた断片を
連結させて、最終コンストラクトである染色体導入型p
BTrp−PDC1−LDHKCBベクターを構築し
た。
【0061】構築した染色体導入型pBTrp−PDC
1−LDHKCBベクターの確認の為に塩基配列決定を
行った。塩基配列解析装置としてABI PRISM 3
10Genetic Analyzer(PE Appl
ied Blosystems社)を使用し、試料の調
製法、及び機器の使用方法等の詳細は本装置付属のマニ
ュアルに従った。試料となるベクターDNAはアルカリ
抽出法により調製したものを用い、これをGFX DN
A Purification kit(Amersha
n Pharmacia Blotech社)にてカラム
精製した後、分光光度計Ultro spec 3000
(Amershan Pharmacia Blotec
h社)にてDNA濃度を測定したものを用いた。
【0062】(実施例4:酵母の形質転換)酵母への遺
伝子導入法は、Itoらの手法(Ito, H., Y. Fukuda,
K.Murata and A. Kimura, Transformation of intact y
east cells treated with alkali cations J. Bacterio
l. Vol.153, p163-168)に従った。すなわち、宿主であ
る酵母IFO2260株(社団法人発酵研究所に登録さ
れている菌株)のトリプトファン合成能を欠損した株
を、10mlYPD培地にて30℃で対数増殖期まで培
養を行い、集菌およびTEバッファによる洗浄を行っ
た。次に、0.5ml TEバッファと0.5ml 0.
2Mの酢酸リチウムを加え、30℃にて1時間の振とう
培養を行った後に、実施例3の手法を用いて構築した染
色体導入型ベクターpBTrp−PDCl−LDHKC
Bベクターを、制限酵素ApaIおよびSacI(いず
れも宝酒造)で処理して、これを添加した。
【0063】本酵母懸濁液を30℃で30分振とう培養
後、150μlの70%ポリエチレングリコール400
0(和光純薬)を加え、よく攪拌した。さらに、30℃
にて1時間振とう培養した後、42℃にて5分間ヒート
ショックを与え、菌体を洗浄した後、200μlの水に
懸濁したものをトリプトファン選択培地に塗沫した。
【0064】得られたコロニーを新たなトリプトファン
選択培地に画線培養し、安定性が確認できた選抜株につ
いて、遺伝子導入の有無をPCR解析によって確認し
た。PCRに鋳型として用いる酵母のゲノムDNAは、
シングルコロニーを2mlYPD培地で一晩振とう培養
を行った後、集菌し、50mM Tris−HCl 50
0μlおよびガラスビーズ(425〜600μm、Ac
id washed、SIGMA)を加え、4℃で15
分間ボルテックスを行うことにより調製した。本溶液の
上清を用いてエタノール沈殿を行い、滅菌水50μlに
溶解した、調製したゲノムDNA5μlを鋳型として、
50μlの反応系でPCRを行った。DNA増幅酵素と
しては、EX Taq DNA Polymerase
(宝酒造)を用い、PCR増幅装置Gene Amp P
CR system 9700(PE Applied B
iosystems)を使用した。PCR増幅装置の反
応条件は、96℃2分の後、(96℃30秒→55℃3
0秒→72℃90秒)を30サイクル行い、その後4℃
とした。使用したプライマーの配列は以下の通りであっ
た。 LDH−KCB−U:TGG TTG ATG TTA T
GG AAG AT(20mer)(配列番号37) LDH−KCB−D:GAC AAG GTA CAT A
AA ACC CAG(21mer)(配列番号38) PDC1P−U3:GTA ATA AAC ACA CC
C CGC G(19mer)(配列番号39)
【0065】安定したトリプトファン合成能を有し、か
つ、これらのプライマーのもとでPCR増幅が確認でき
たものを、LDHKCB遺伝子が適切に導入された形質
転換株であると判断した。本実施例においては、かかる
形質転換株として、KCB−27株、KCB−210
株、およびKCB−211株の3種の菌株を取得するこ
とができた。これら酵母サッカロマイセス・セレビシエ
形質転換体のゲノム染色体上の構造を図10に示す。
【0066】(実施例5:形質転換体におけるL−乳酸
生産量の測定)作製した3種の形質転換株について発酵
試験を行った。前培養として、グルコース濃度2%のY
PD液体培地で一晩培養を行い、これを集菌および洗浄
後、グルコース濃度15%のYPD液体培地に菌体濃度
が1%(0.5g/50ml)になるように植菌し、3
0℃の静置培養にて数日間発酵を行った。本発酵液を2
4時間ごとに採取し、溶液中に含まれるL−乳酸量を想
定した。生産量の測定は、バイオセンサBF−4(王子
計測機器)を用い、測定方法の詳細は、附属の取り扱い
説明書に従った。
【0067】グルコース濃度15%で発酵3日目におけ
る培養液中のL−乳酸量を測定した結果を図11および
表1に示す。
【表1】 LDHKCB遺伝子が導入された形質転換体(KCB−
27株、KCB−210株、KCB−211株)では、
それぞれLDHKCB遺伝子が1コピーしか導入されて
いないのにもかかわらず、培養液1Lあたり、4.5〜
5.0%(45.0〜50.0g)のL−乳酸生産が認
められた。本結果は、過去に報告されているサッカロマ
イセス・セレビシエにおけるL−乳酸生産と比較して飛
躍的な生産量の増大であることは明らかであった。ま
た、かかる生産量の増大は、LDHKCB遺伝子の導入
そのものに起因していると考えられる。さらに、1コピ
ーによってもかかる生産量の増大を得られることから、
2コピー以上が導入された場合には、さらなる生産量の
増大を確保できることが推測される。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、外来の乳酸脱水素酵素
を酵母などの宿主生物において高発現させることができ
る発現系を提供することができる。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha <120> Synthetic DNA and Use thereof <130> 010769(P01-3850) <140> <141> <160> 41 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 999 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Modified DNA coding lactate dehydrogenase <221> CDS <222> (1)..(996) <400> 1 atg gct act ttg aaa gat caa ttg att caa aat ttg ttg aaa gaa gaa 48 Met Ala Thr Leu Lys Asp Gln Leu Ile Gln Asn Leu Leu Lys Glu Glu 1 5 10 15 cat gtt cca caa aat aaa att act att gtt ggt gtt ggt gct gtt ggt 96 His Val Pro Gln Asn Lys Ile Thr Ile Val Gly Val Gly Ala Val Gly 20 25 30 atg gct tgt gct att tct att ttg atg aaa gat ttg gct gat gaa gtt 144 Met Ala Cys Ala Ile Ser Ile Leu Met Lys Asp Leu Ala Asp Glu Val 35 40 45 gct ttg gtt gat gtt atg gaa gat aaa ttg aaa ggt gaa atg atg gat 192 Ala Leu Val Asp Val Met Glu Asp Lys Leu Lys Gly Glu Met Met Asp 50 55 60 ttg caa cat ggt tct ttg ttt ttg aga act cca aaa att gtt tct ggt 240 Leu Gln His Gly Ser Leu Phe Leu Arg Thr Pro Lys Ile Val Ser Gly 65 70 75 80 aaa gat tat aat gtt act gct aat tct aga ttg gtt att att act gct 288 Lys Asp Tyr Asn Val Thr Ala Asn Ser Arg Leu Val Ile Ile Thr Ala 85 90 95 ggt gct aga caa caa gaa ggt gaa tct aga ttg aat ttg gtt caa aga 336 Gly Ala Arg Gln Gln Glu Gly Glu Ser Arg Leu Asn Leu Val Gln Arg 100 105 110 aat gtt aat att ttt aaa ttt att att cca aat att gtt aaa tat tct 384 Asn Val Asn Ile Phe Lys Phe Ile Ile Pro Asn Ile Val Lys Tyr Ser 115 120 125 cca aat tgt aaa ttg ttg gtt gtt tct aat cca gtt gat att ttg act 432 Pro Asn Cys Lys Leu Leu Val Val Ser Asn Pro Val Asp Ile Leu Thr 130 135 140 tat gtt gct tgg aaa att tct ggt ttt cca aaa aat aga gtt att ggt 480 Tyr Val Ala Trp Lys Ile Ser Gly Phe Pro Lys Asn Arg Val Ile Gly 145 150 155 160 tct ggt tgt aat ttg gat tct gct aga ttt aga tat ttg atg ggt gaa 528 Ser Gly Cys Asn Leu Asp Ser Ala Arg Phe Arg Tyr Leu Met Gly Glu 165 170 175 aga ttg ggt gtt cat cca ttg tct tgt cat ggt tgg att ttg ggt gaa 576 Arg Leu Gly Val His Pro Leu Ser Cys His Gly Trp Ile Leu Gly Glu 180 185 190 cat ggt gat tct tct gtt cca gtt tgg tct ggt gtt aat gtt gct ggt 624 His Gly Asp Ser Ser Val Pro Val Trp Ser Gly Val Asn Val Ala Gly 195 200 205 gtt tct ttg aaa aat ttg cat cca gaa ttg ggt act gat gct gat aaa 672 Val Ser Leu Lys Asn Leu His Pro Glu Leu Gly Thr Asp Ala Asp Lys 210 215 220 gaa caa tgg aaa gct gtt cat aaa caa gtt gtt gat tct gct tat gaa 720 Glu Gln Trp Lys Ala Val His Lys Gln Val Val Asp Ser Ala Tyr Glu 225 230 235 240 gtt att aaa ttg aaa ggt tat act tct tgg gct att ggt ttg tct gtt 768 Val Ile Lys Leu Lys Gly Tyr Thr Ser Trp Ala Ile Gly Leu Ser Val 245 250 255 gct gat ttg gct gaa tct att atg aaa aat ttg aga aga gtt cat cca 816 Ala Asp Leu Ala Glu Ser Ile Met Lys Asn Leu Arg Arg Val His Pro 260 265 270 att tct act atg att aaa ggt ttg tat ggt att aaa gaa gat gtt ttt 864 Ile Ser Thr Met Ile Lys Gly Leu Tyr Gly Ile Lys Glu Asp Val Phe 275 280 285 ttg tct gtt cca tgt att ttg ggt caa aat ggt att tct gat gtt gtt 912 Leu Ser Val Pro Cys Ile Leu Gly Gln Asn Gly Ile Ser Asp Val Val 290 295 300 aaa gtt act ttg act cat gaa gaa gaa gct tgt ttg aaa aaa tct gct 960 Lys Val Thr Leu Thr His Glu Glu Glu Ala Cys Leu Lys Lys Ser Ala 305 310 315 320 gat act ttg tgg ggt att caa aaa gaa ttg caa ttt taa 999 Asp Thr Leu Trp Gly Ile Gln Lys Glu Leu Gln Phe 325 330 <210> 2 <211> 332 <212> PRT <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence: Modified DNA coding lactate dehydrogenase <400> 2 Met Ala Thr Leu Lys Asp Gln Leu Ile Gln Asn Leu Leu Lys Glu Glu 1 5 10 15 His Val Pro Gln Asn Lys Ile Thr Ile Val Gly Val Gly Ala Val Gly 20 25 30 Met Ala Cys Ala Ile Ser Ile Leu Met Lys Asp Leu Ala Asp Glu Val 35 40 45 Ala Leu Val Asp Val Met Glu Asp Lys Leu Lys Gly Glu Met Met Asp 50 55 60 Leu Gln His Gly Ser Leu Phe Leu Arg Thr Pro Lys Ile Val Ser Gly 65 70 75 80 Lys Asp Tyr Asn Val Thr Ala Asn Ser Arg Leu Val Ile Ile Thr Ala 85 90 95 Gly Ala Arg Gln Gln Glu Gly Glu Ser Arg Leu Asn Leu Val Gln Arg 100 105 110 Asn Val Asn Ile Phe Lys Phe Ile Ile Pro Asn Ile Val Lys Tyr Ser 115 120 125 Pro Asn Cys Lys Leu Leu Val Val Ser Asn Pro Val Asp Ile Leu Thr 130 135 140 Tyr Val Ala Trp Lys Ile Ser Gly Phe Pro Lys Asn Arg Val Ile Gly 145 150 155 160 Ser Gly Cys Asn Leu Asp Ser Ala Arg Phe Arg Tyr Leu Met Gly Glu 165 170 175 Arg Leu Gly Val His Pro Leu Ser Cys His Gly Trp Ile Leu Gly Glu 180 185 190 His Gly Asp Ser Ser Val Pro Val Trp Ser Gly Val Asn Val Ala Gly 195 200 205 Val Ser Leu Lys Asn Leu His Pro Glu Leu Gly Thr Asp Ala Asp Lys 210 215 220 Glu Gln Trp Lys Ala Val His Lys Gln Val Val Asp Ser Ala Tyr Glu 225 230 235 240 Val Ile Lys Leu Lys Gly Tyr Thr Ser Trp Ala Ile Gly Leu Ser Val 245 250 255 Ala Asp Leu Ala Glu Ser Ile Met Lys Asn Leu Arg Arg Val His Pro 260 265 270 Ile Ser Thr Met Ile Lys Gly Leu Tyr Gly Ile Lys Glu Asp Val Phe 275 280 285 Leu Ser Val Pro Cys Ile Leu Gly Gln Asn Gly Ile Ser Asp Val Val 290 295 300 Lys Val Thr Leu Thr His Glu Glu Glu Ala Cys Leu Lys Lys Ser Ala 305 310 315 320 Asp Thr Leu Trp Gly Ile Gln Lys Glu Leu Gln Phe 325 330 <210> 3 <211> 1052 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Modified DNA coding lactate dehydrogenase <220> <221> CDS <222> (13)..(1008) <400> 3 acagaattca ca atg gct act ttg aaa gat caa ttg att caa aat ttg ttg 51 Met Ala Thr Leu Lys Asp Gln Leu Ile Gln Asn Leu Leu 1 5 10 aaa gaa gaa cat gtt cca caa aat aaa att act att gtt ggt gtt ggt 99 Lys Glu Glu His Val Pro Gln Asn Lys Ile Thr Ile Val Gly Val Gly 15 20 25 gct gtt ggt atg gct tgt gct att tct att ttg atg aaa gat ttg gct 147 Ala Val Gly Met Ala Cys Ala Ile Ser Ile Leu Met Lys Asp Leu Ala 30 35 40 45 gat gaa gtt gct ttg gtt gat gtt atg gaa gat aaa ttg aaa ggt gaa 195 Asp Glu Val Ala Leu Val Asp Val Met Glu Asp Lys Leu Lys Gly Glu 50 55 60 atg atg gat ttg caa cat ggt tct ttg ttt ttg aga act cca aaa att 243 Met Met Asp Leu Gln His Gly Ser Leu Phe Leu Arg Thr Pro Lys Ile 65 70 75 gtt tct ggt aaa gat tat aat gtt act gct aat tct aga ttg gtt att 291 Val Ser Gly Lys Asp Tyr Asn Val Thr Ala Asn Ser Arg Leu Val Ile 80 85 90 att act gct ggt gct aga caa caa gaa ggt gaa tct aga ttg aat ttg 339 Ile Thr Ala Gly Ala Arg Gln Gln Glu Gly Glu Ser Arg Leu Asn Leu 95 100 105 gtt caa aga aat gtt aat att ttt aaa ttt att att cca aat att gtt 387 Val Gln Arg Asn Val Asn Ile Phe Lys Phe Ile Ile Pro Asn Ile Val 110 115 120 125 aaa tat tct cca aat tgt aaa ttg ttg gtt gtt tct aat cca gtt gat 435 Lys Tyr Ser Pro Asn Cys Lys Leu Leu Val Val Ser Asn Pro Val Asp 130 135 140 att ttg act tat gtt gct tgg aaa att tct ggt ttt cca aaa aat aga 483 Ile Leu Thr Tyr Val Ala Trp Lys Ile Ser Gly Phe Pro Lys Asn Arg 145 150 155 gtt att ggt tct ggt tgt aat ttg gat tct gct aga ttt aga tat ttg 531 Val Ile Gly Ser Gly Cys Asn Leu Asp Ser Ala Arg Phe Arg Tyr Leu 160 165 170 atg ggt gaa aga ttg ggt gtt cat cca ttg tct tgt cat ggt tgg att 579 Met Gly Glu Arg Leu Gly Val His Pro Leu Ser Cys His Gly Trp Ile 175 180 185 ttg ggt gaa cat ggt gat tct tct gtt cca gtt tgg tct ggt gtt aat 627 Leu Gly Glu His Gly Asp Ser Ser Val Pro Val Trp Ser Gly Val Asn 190 195 200 205 gtt gct ggt gtt tct ttg aaa aat ttg cat cca gaa ttg ggt act gat 675 Val Ala Gly Val Ser Leu Lys Asn Leu His Pro Glu Leu Gly Thr Asp 210 215 220 gct gat aaa gaa caa tgg aaa gct gtt cat aaa caa gtt gtt gat tct 723 Ala Asp Lys Glu Gln Trp Lys Ala Val His Lys Gln Val Val Asp Ser 225 230 235 gct tat gaa gtt att aaa ttg aaa ggt tat act tct tgg gct att ggt 771 Ala Tyr Glu Val Ile Lys Leu Lys Gly Tyr Thr Ser Trp Ala Ile Gly 240 245 250 ttg tct gtt gct gat ttg gct gaa tct att atg aaa aat ttg aga aga 819 Leu Ser Val Ala Asp Leu Ala Glu Ser Ile Met Lys Asn Leu Arg Arg 255 260 265 gtt cat cca att tct act atg att aaa ggt ttg tat ggt att aaa gaa 867 Val His Pro Ile Ser Thr Met Ile Lys Gly Leu Tyr Gly Ile Lys Glu 270 275 280 285 gat gtt ttt ttg tct gtt cca tgt att ttg ggt caa aat ggt att tct 915 Asp Val Phe Leu Ser Val Pro Cys Ile Leu Gly Gln Asn Gly Ile Ser 290 295 300 gat gtt gtt aaa gtt act ttg act cat gaa gaa gaa gct tgt ttg aaa 963 Asp Val Val Lys Val Thr Leu Thr His Glu Glu Glu Ala Cys Leu Lys 305 310 315 aaa tct gct gat act ttg tgg ggt att caa aaa gaa ttg caa ttt 1008 Lys Ser Ala Asp Thr Leu Trp Gly Ile Gln Lys Glu Leu Gln Phe 320 325 330 taataactcg agcttggttg aacacgttgc caaggcttaa gtga 1052 <210> 4 <211> 332 <212> PRT <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence: Modified DNA coding lactate dehydrogenase <400> 4 Met Ala Thr Leu Lys Asp Gln Leu Ile Gln Asn Leu Leu Lys Glu Glu 1 5 10 15 His Val Pro Gln Asn Lys Ile Thr Ile Val Gly Val Gly Ala Val Gly 20 25 30 Met Ala Cys Ala Ile Ser Ile Leu Met Lys Asp Leu Ala Asp Glu Val 35 40 45 Ala Leu Val Asp Val Met Glu Asp Lys Leu Lys Gly Glu Met Met Asp 50 55 60 Leu Gln His Gly Ser Leu Phe Leu Arg Thr Pro Lys Ile Val Ser Gly 65 70 75 80 Lys Asp Tyr Asn Val Thr Ala Asn Ser Arg Leu Val Ile Ile Thr Ala 85 90 95 Gly Ala Arg Gln Gln Glu Gly Glu Ser Arg Leu Asn Leu Val Gln Arg 100 105 110 Asn Val Asn Ile Phe Lys Phe Ile Ile Pro Asn Ile Val Lys Tyr Ser 115 120 125 Pro Asn Cys Lys Leu Leu Val Val Ser Asn Pro Val Asp Ile Leu Thr 130 135 140 Tyr Val Ala Trp Lys Ile Ser Gly Phe Pro Lys Asn Arg Val Ile Gly 145 150 155 160 Ser Gly Cys Asn Leu Asp Ser Ala Arg Phe Arg Tyr Leu Met Gly Glu 165 170 175 Arg Leu Gly Val His Pro Leu Ser Cys His Gly Trp Ile Leu Gly Glu 180 185 190 His Gly Asp Ser Ser Val Pro Val Trp Ser Gly Val Asn Val Ala Gly 195 200 205 Val Ser Leu Lys Asn Leu His Pro Glu Leu Gly Thr Asp Ala Asp Lys 210 215 220 Glu Gln Trp Lys Ala Val His Lys Gln Val Val Asp Ser Ala Tyr Glu 225 230 235 240 Val Ile Lys Leu Lys Gly Tyr Thr Ser Trp Ala Ile Gly Leu Ser Val 245 250 255 Ala Asp Leu Ala Glu Ser Ile Met Lys Asn Leu Arg Arg Val His Pro 260 265 270 Ile Ser Thr Met Ile Lys Gly Leu Tyr Gly Ile Lys Glu Asp Val Phe 275 280 285 Leu Ser Val Pro Cys Ile Leu Gly Gln Asn Gly Ile Ser Asp Val Val 290 295 300 Lys Val Thr Leu Thr His Glu Glu Glu Ala Cys Leu Lys Lys Ser Ala 305 310 315 320 Asp Thr Leu Trp Gly Ile Gln Lys Glu Leu Gln Phe 325 330 <210> 5 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 5 acagaattca caatggctac tttgaaagat caattgattc aaaatttgtt gaaagaagaa 60 catgttccac aaaataaaat tactattgtt ggtgttggtg 100 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 6 acagaattca caatggctac 20 <210> 7 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 7 atgataacaa ccacaaccac gacaaccata ccgaacacga taaagataaa actactttct 60 aaaccgacta cttcaacgaa accaactaca ataccttcta 100 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 8 atgataacaa ccacaaccac 20 <210> 9 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 9 tggttgatgt tatggaagat aaattgaaag gtgaaatgat ggatttgcaa catggttctt 60 tgtttttgag aactccaaaa attgtttctg gtaaagatta 100 <210> 10 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 10 tggttgatgt tatggaagat 20 <210> 11 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 11 taacaaagac catttctaat attacaatga cgattaagat ctaaccaata ataatgacga 60 ccacgatctg ttgttcttcc acttagatct aacttaaacc 100 <210> 12 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 12 taacaaagac catttctaat a 21 <210> 13 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 13 tgaatctaga ttgaatttgg ttcaaagaaa tgttaatatt tttaaattta ttattccaaa 60 tattgttaaa tattctccaa attgtaaatt gttggttgtt 100 <210> 14 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 14 tgaatctaga ttgaatttgg t 21 <210> 15 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 15 taacatttaa caaccaacaa agattaggtc aactataaaa ctgaatacaa cgaacctttt 60 aaagaccaaa aggtttttta tctcaataac caagaccaac 100 <210> 16 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 16 taacatttaa caaccaacaa a 21 <210> 17 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 17 agagttattg gttctggttg taatttggat tctgctagat ttagatattt gatgggtgaa 60 agattgggtg ttcatccatt gtcttgtcat ggttggattt 100 <210> 18 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 18 agagttattg gttctggttg t 21 <210> 19 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 19 cagaacagta ccaacctaaa acccacttgt accactaaga agacaaggtc aaaccagacc 60 acaattacaa cgaccacaaa gaaacttttt aaacgtaggt 100 <210> 20 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 20 cagaacagta ccaacctaaa a 21 <210> 21 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 21 ctttgaaaaa tttgcatcca gaattgggta ctgatgctga taaagaacaa tggaaagctg 60 ttcataaaca agttgttgat tctgcttatg aagttattaa 100 <210> 22 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 22 ctttgaaaaa tttgcatcca g 21 <210> 23 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 23 agacgaatac ttcaataatt taactttcca atatgaagaa cccgataacc aaacagacaa 60 cgactaaacc gacttagata atacttttta aactcttctc 100 <210> 24 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 24 agacgaatac ttcaataatt t 21 <210> 25 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 25 tatgaaaaat ttgagaagag ttcatccaat ttctactatg attaaaggtt tgtatggtat 60 taaagaagat gtttttttgt ctgttccatg tattttgggt 100 <210> 26 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 26 atgaaaaatt tgagaagagt 20 <210> 27 <211> 100 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 27 gacaaggtac ataaaaccca gttttaccat aaagactaca acaatttcaa tgaaactgag 60 tacttcttct tcgaacaaac ttttttagac gactatgaaa 100 <210> 28 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 28 gacaaggtac ataaaaccca g 21 <210> 29 <211> 60 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 29 aaaaaatctg ctgatacttt gtggggtatt caaaaagaat tgcaatttta ataactcgag 60 <210> 30 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 30 aaaaaatctg ctgatacttt g 21 <210> 31 <211> 52 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 31 acgttaaaat tattgagctc gaaccaactt gtgcaacggt tccgaattca ct 52 <210> 32 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 32 acgttaaaat tattgagctc g 21 <210> 33 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 33 atatatggat ccgcgtttat ttacctatct c 31 <210> 34 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 34 atatatgaat tctttgattg atttgactgt g 31 <210> 35 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 35 atatatctcg aggccagcta acttcttggt cgac 34 <210> 36 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 36 atatatgaat tctttgattg atttgactgt g 31 <210> 37 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 37 tggttgatgt tatggaagat 20 <210> 38 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 38 gacaaggtac ataaaaccca g 21 <210> 39 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 39 gtaataaaca caccccgcg 19 <210> 40 <211> 971 <212> DNA <213> Saccharomyces cerevisiae <400> 40 aagggtagcc tccccataac ataaactcaa taaaatatat agtcttcaac ttgaaaaagg 60 aacaagctca tgcaaagagg tggtacccgc acgccgaaat gcatgcaagt aacctattca 120 aagtaatatc tcatacatgt ttcatgaggg taacaacatg cgactgggtg agcatatgct 180 ccgctgatgt gatgtgcaag ataaacaagc aagacggaaa ctaacttctt cttcatgtaa 240 taaacacacc ccgcgtttat ttacctatct ttaaacttca acaccttata tcataactaa 300 tatttcttga gataagcaca ctgcacccat accttcctta aaagcgtagc ttccagtttt 360 tggtggttcc ggcttccttc ccgattccgc ccgctaaacg catatttttg ttgcctggtg 420 gcatttgcaa aatgcataac ctatgcattt aaaagattat gtatgctctt ctgacttttc 480 gtgtgatgaa gctcgtggaa aaaatgaata atttatgaat ttgagaacaa ttctgtgttg 540 ttacggtatt ttactatgga ataattaatc aattgaggat tttatgcaaa tatcgtttga 600 atatttttcc gaccctttga gtacttttct tcataattgc ataatattgt ccgctgcccg 660 tttttctgtt agacggtgtc ttgatctact tgctatcgtt caacaccacc ttattttcta 720 actatttttt ttttagctca tttgaatcag cttatggtga tggcacattt ttgcataaac 780 ctagctgtcc tcgttgaaca taggaaaaaa aaatatatta acaaggctct ttcactctcc 840 ttgcaatcag atttgggttt gttcccttta ttttcatatt tcttgtcata ttcctttctc 900 aattattatt ttctactcat aaccacacgc aaaataacac agtcaaatca atcaaagatc 960 ccccaattct c 971 <210> 41 <211> 999 <212> DNA <213> Bovine <400> 41 atggcaactc tcaaggatca gctgattcag aatcttctta aggaagaaca tgtcccccag 60 aataagatta caattgttgg ggttggtgct gttggcatgg cctgtgccat cagtatctta 120 atgaaggact tggcagatga agttgctctt gttgatgtca tggaagataa actgaaggga 180 gagatgatgg atctccaaca tggcagcctt ttccttagaa caccaaaaat tgtctctggc 240 aaagactata atgtgacagc aaactccagg ctggttatta tcacagctgg ggcacgtcag 300 caagagggag agagccgtct gaatttggtc cagcgtaacg tgaacatctt taaattcatc 360 attcctaata ttgtaaaata cagcccaaat tgcaagttgc ttgttgtttc caatccagtc 420 gatattttga cctatgtggc ttggaagata agtggctttc ccaaaaaccg tgttattgga 480 agtggttgca atctggattc agctcgcttc cgttatctca tgggggagag gctgggagtt 540 cacccattaa gctgccatgg gtggatcctt ggggagcatg gtgactctag tgtgcctgta 600 tggagtggag tgaatgttgc tggtgtctcc ctgaagaatt tacaccctga attaggcact 660 gatgcagata aggaacagtg gaaagcggtt cacaaacaag tggttgacag tgcttatgag 720 gtgatcaaac tgaaaggcta cacatcctgg gccattggac tgtcagtggc cgatttggca 780 gaaagtataa tgaagaatct taggcgggtg catccgattt ccaccatgat taagggtctc 840 tatggaataa aagaggatgt cttccttagt gttccttgca tcttgggaca gaatggaatc 900 tcagacgttg tgaaagtgac tctgactcat gaagaagagg cctgtttgaa gaagagtgca 960 gatacacttt gggggatcca gaaagaactg cagttttaa 999
【図面の簡単な説明】
【図1】全合成したLDH活性を有するタンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列を示す図である。
【図2】サッカロマイセス・セレビシエにおけるコドン
用法と使用頻度を示す図である。
【図3】ウシ由来のLDHの塩基配列とこれを改変設計
した塩基配列とのホモロジー解析結果を示す図である。
上段がウシ由来のLDH塩基配列であり、下段が改変塩
基配列であり、改変塩基配列においてウシ由来の塩基配
列と異なる塩基が記号(A,T,CあるいはG)で記載
されている。
【図4】実施例1で用いたPCRによる長鎖DNA合成
に使用したプライマー構成と、合成ステップ(ステップ
1〜4)を示す図である。
【図5】構築されたベクターpBTrp−PDC1−L
DHKCBのプラスミドマップを示す図である。
【図6】図5に示すベクターの構築工程の一部を示す図
である。
【図7】pBTrp−PDC1−LDHの構築工程の一
部を示す図である。
【図8】pBTrp−PDC1−LDHの構築工程の一
部を示す図である。
【図9】図5に示すベクターの構築工程の一部(最終工
程)を示す図である。
【図10】実施例において得られた形質転換体における
染色体DNA上のターゲット部位の構造変化を示す図で
ある。
【図11】実施例における乳酸生産量を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/00 C (72)発明者 平井 正名 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 今枝 孝夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 宮崎 力 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 徳弘 健郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 齋藤 聡志 愛知県豊田市トヨタ町一番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 早乙女 理 愛知県豊田市トヨタ町一番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 保谷 典子 愛知県豊田市トヨタ町一番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松尾 康生 愛知県豊田市トヨタ町一番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA05 BA80 CA02 CA05 DA01 DA02 DA05 DA12 EA04 FA02 4B064 AD33 CA06 CA19 CC24 DA01 DA10 4B065 AA80 AA88 AA90 AB01 AC14 BA02 CA10 CA41 CA44

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の(a)および(b)のいずれかの特
    徴を有するDNA。 (a)乳酸脱水素酵素活性を備えるタンパク質をコード
    し、配列番号1に記載の塩基配列を有する。 (b)配列番号1に記載の塩基配列の全体若しくは一部
    の配列からなるDNAあるいはその相補鎖とストリンジ
    ェントな条件でハイブリダイズし、乳酸脱水素酵素活性
    を備えるタンパク質をコードする塩基配列を有する。
  2. 【請求項2】以下の(c)および(d)のいずれかの特
    徴を有するDNA。 (c)乳酸脱水素酵素活性を備えるタンパク質をコード
    し、配列番号3に記載の塩基配列を有する。 (d)配列番号3に記載の塩基配列の全体若しくは一部
    の配列からなるDNAあるいはその相補鎖とストリンジ
    ェントな条件でハイブリダイズし、乳酸脱水素酵素活性
    を備えるタンパク質をコードする塩基配列を有する。
  3. 【請求項3】開始コドンを挟んでコザック配列を有す
    る、請求項1または2に記載のDNA。
  4. 【請求項4】乳酸脱水素酵素活性を有するタンパク質を
    コードするDNAであって、以下の特徴(e)〜
    (g): (e)サッカロマイセス・セレビシエにおけるコドン用
    法を用いて設計されている、 (f)開始コドンを挟んでコザック配列を有している、
    および (g)開始コドンから100塩基毎に区切られる複数の
    領域のGC含量が20%〜40%の範囲である、のうち
    少なくとも2種類を備える、DNA。
  5. 【請求項5】前記乳酸脱水素酵素活性を有するタンパク
    質は、ウシ由来の乳酸脱水素酵素、あるいはウシ由来の
    乳酸脱水素酵素のアミノ酸配列において、1若しくは数
    個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入および/または付加
    されたアミノ酸配列からなるタンパク質である、請求項
    4記載のDNA。
  6. 【請求項6】配列番号2に示すアミノ酸配列において、
    1若しくは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入および
    /または付加されたアミノ酸配列からなり、乳酸脱水素
    酵素活性を有するタンパク質をコードし、 配列番号1または3に記載の塩基配列の全部若しくはそ
    の一部からなるDNAドあるいはその相補鎖とストリン
    ジェントな条件でハイブリダイズする、DNA。
  7. 【請求項7】配列番号2に示すアミノ酸配列において、
    1若しくは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入および
    /または付加されたアミノ酸配列からなり、乳酸脱水素
    酵素活性を有するタンパク質をコードし、 配列番号1あるいは配列番号3のコード領域の塩基配列
    において、前記アミノ酸の置換、欠失、挿入および/ま
    たは付加による改変がなされた塩基配列を有する、DN
    A。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載のDNAか
    らなるDNAセグメントと、 このDNAセグメントを発現可能に連結されるプロモー
    ターセグメント、とを備える、DNA構築物。
  9. 【請求項9】前記プロモーターセグメントは、サッカロ
    マイセス・セレビシエ由来のピルビン酸脱炭酸酵素1遺
    伝子プロモーター活性を有する、請求項9記載のDNA
    構築物。
  10. 【請求項10】宿主染色体との相同組換えのためのDN
    Aセグメントを備える、請求項8または9に記載のDN
    A構築物。
  11. 【請求項11】請求項1〜7のいずれかに記載のDNA
    からなるDNAセグメントと、 宿主染色体との相同組換えのためのDNAセグメント
    と、とを備える、DNA構築物。
  12. 【請求項12】請求項1〜7のいずれかに記載のDNA
    からなるDNAセグメントが宿主染色体のプロモーター
    によって制御可能となるように相同組換え用DNAセグ
    メントを備える、請求項11記載のDNA構築物。
  13. 【請求項13】前記宿主染色体プロモーターは、サッカ
    ロマイセス・セレビシエ由来のピルビン酸脱炭酸酵素1
    遺伝子プロモーターである、請求項11または12に記
    載のDNA構築物。
  14. 【請求項14】前記DNA構築物は、さらに、プラスミ
    ド、バクテリオファージ、レトロトランスポゾンおよび
    人工染色体からなる群から選択されるいずれかのベクタ
    ーの構成セグメントを備える、請求項8〜13のいずれ
    かに記載のDNA構築物。
  15. 【請求項15】請求項8〜13のいずれかに記載のDN
    A構築物を用いて宿主細胞を形質転換させて得られる形
    質転換体。
  16. 【請求項16】前記宿主細胞は、細菌、酵母、動物細
    胞、昆虫細胞および植物細胞のいずれかである、請求項
    15記載の形質転換体。
  17. 【請求項17】前記宿主細胞は、サッカロマイセス・セ
    レビシエである、請求項15記載の形質転換体。
  18. 【請求項18】宿主染色体上のピルビン酸脱炭酸酵素1
    遺伝子プロモーターあるいは当該プロモーターと置換さ
    れた当該プロモーターのホモログの下流に当該プロモー
    ターによって制御可能に連結された、請求項1〜7のい
    ずれかに記載のDNAからなるDNAセグメントを備え
    る、形質転換サッカロマイセス属酵母。
  19. 【請求項19】請求項15〜18のいずれかに記載の形
    質転換体に由来する細胞を培養する工程と、 前記工程でえられる培養物から乳酸を分離する工程、と
    を備える、乳酸の製造方法。
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