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JP2003221470A - 伝動ベルト用ゴム組成物及び伝動ベルト - Google Patents

伝動ベルト用ゴム組成物及び伝動ベルト

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Publication number
JP2003221470A
JP2003221470A JP2002335722A JP2002335722A JP2003221470A JP 2003221470 A JP2003221470 A JP 2003221470A JP 2002335722 A JP2002335722 A JP 2002335722A JP 2002335722 A JP2002335722 A JP 2002335722A JP 2003221470 A JP2003221470 A JP 2003221470A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
mass
parts
carboxylic acid
hydrogenated nitrile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002335722A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Takehara
剛 竹原
Masakuni Yoshida
正邦 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP2002335722A priority Critical patent/JP2003221470A/ja
Publication of JP2003221470A publication Critical patent/JP2003221470A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 未架橋時には粘度が上がることがなく圧延や
成形などの加工が容易であり、架橋後は非常に高硬度で
強度の高いベルトを提供する。 【解決手段】 不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素
化ニトリルゴムを主成分としたベルトにおいて、不飽和
カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマト
リックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に
対してシリカを10〜60質量部添加し、共架橋剤とし
てトリアリルイソシアヌレートもしくはトリアリルシア
ヌレートを5〜20質量部配合し有機過酸化物により架
橋したゴムからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伝動用ベルト用ゴム
組成物及びベルトに係り、詳しくは不飽和カルボン酸金
属塩を含有した水素化ニトリルゴムを用いたベルトにお
いて硬度を上げるとともに圧延などの加工性に優れた伝
動ベルト用ゴム組成物及び伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの高出力化、高回転化に
ともない動力を伝達するベルトの使用環境温度が上昇
し、ベルトに求められる負荷も大きくなっている。従来
のベルトとしては主としてクロロプレンゴムを素材とし
ていたが、クロロプレンゴムでは高温雰囲気下で硬化し
やすく早期に硬化によるクラックを生じたり、また、高
温雰囲気下での側圧剛性不足によりベルトがプーリ内へ
落ち込むように変形しディッシングと呼ばれる座屈変形
を起こしてしまい動力の伝達ができなくなったり、心線
と接着ゴムとの剥離が発生することによって心線が飛び
出すポップアウトなどの故障を引き起こしベルト寿命に
至ることがあった。
【0003】そこで特許文献1に開示されているよう
に、耐摩耗性及び耐熱性に優れたベルトとして水素化ニ
トリルゴム(H−NBR)にメタクリル酸亜鉛などの不
飽和カルボン酸金属塩を分散させたゴムを使用したベル
トが提案されている。
【0004】また、特許文献2には水素化ニトリルゴム
にメタクリル酸亜鉛などの不飽和カルボン酸金属塩を分
散させて強度を向上させたゴムに、シリカとトリアリル
イソシアヌレートを配合しても良いということが開示さ
れている。
【0005】
【特許文献1】特開平5−271472号公報
【特許文献2】特開平5−39364号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高負荷伝動の
要求は更に高まっている。また、単に不飽和カルボン酸
金属塩を含んだ水素化ニトリルゴムを用いるだけでは、
未加硫ゴムの粘度が高くなってしまって加工性に劣るな
どの不具合もあることから、ゴムの硬度は今までものよ
りも高く、しかも圧延性などの加工性にも優れたゴムの
提供が求められていた。
【0007】そこで本発明では不飽和カルボン酸金属塩
を含んだ水素化ニトリルゴムを主成分とするゴムからな
るベルトにおいて、圧延性などの加工性を低下させるこ
となく、硬度を非常に高くすることのできる伝動ベルト
用ゴム組成物及び伝動ベルトの提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を達成
するために本発明の請求項1では不飽和カルボン酸金属
塩を含有した水素化ニトリルゴムを主成分とした伝動ベ
ルト用ゴム組成物において、不飽和カルボン酸金属塩を
含有した水素化ニトリルゴム(H−NBR)をマトリッ
クスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対し
てシリカを10〜60質量部添加し、共架橋剤としてト
リアリルイソシアヌレート(TAIC)もしくはトリア
リルシアヌレート(TAC)を5〜20質量部配合し有
機過酸化物により架橋したゴムからなることを特徴とす
る。
【0009】このように不飽和カルボン酸金属塩を含有
したH−NBRにシリカと特定の共架橋剤を多量に配合
することによって、未架橋時には粘度が上がることがな
く圧延や成形などの加工が容易であり、架橋後は非常に
高硬度で強度の高いベルトを得ることができる。
【0010】請求項2では、マトリックスゴムは不飽和
カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素
化ニトリルゴムを1:1〜1:9の割合でブレンドした
ものである伝動ベルト用ゴム組成物としている。
【0011】必要に応じて不飽和カルボン酸金属塩を含
有したH−NBRと不飽和カルボン酸金属塩を含んでい
ないH−NBRをブレンドして用いることは可能であ
る。
【0012】請求項3ではシリカの配合量が30〜60
質量部である伝動ベルト用ゴム組成物としており、シリ
カの配合量をより多い範囲に限定することによって、よ
り高硬度なベルトを得ることができる。
【0013】請求項4では、不飽和カルボン酸金属塩を
含有した水素化ニトリルゴムを主成分とした伝動もしく
は搬送に用いられる伝動ベルトにおいて、不飽和カルボ
ン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリック
スゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対して
シリカを10〜60質量部添加し、共架橋剤としてトリ
アリルイソシアヌレートもしくはトリアリルシアヌレー
トを5〜20質量部および有機過酸化物を0.2〜10
質量部添加したことを特徴とする。
【0014】このように不飽和カルボン酸金属塩を含有
したH−NBRにシリカと特定の共架橋剤を多量に配合
することによって、未架橋時には粘度が上がることがな
く圧延や成形などの加工が容易であり、架橋後は非常に
高硬度で強度の高いベルトを得ることができる。
【0015】請求項5では、マトリックスゴムは不飽和
カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素
化ニトリルゴムを1:1〜1:9の割合でブレンドした
ものである伝動ベルトとしている。
【0016】必要に応じて不飽和カルボン酸金属塩を含
有したH−NBRと不飽和カルボン酸金属塩を含んでい
ないH−NBRをブレンドして用いることは可能であ
る。
【0017】請求項6ではシリカの配合量が30〜60
質量部である伝動ベルトとしており、シリカの配合量を
より多い範囲に限定することによって、より高硬度なベ
ルトを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明のベルトの一例を示
す歯付ベルトの要部断面斜視図である。
【0019】図1は本発明に係る歯付ベルトの1例であ
り、本発明歯付ベルト1はベルト長手方向に沿ってガラ
ス繊維コード又はアラミドコードなど、低伸度、高強力
のロープからなる心線4を埋設した接着ゴム3の下部に
歯布5を外表面に積層した歯ゴム6を配層すると共に、
接着ゴム3の上部に背ゴム2を配層することによって構
成されている。
【0020】ここで、上記の歯付ベルト1は接着ゴム層
3、歯ゴム層6及び背ゴム層2の原料ゴムとして不飽和
カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマト
リックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に
対してシリカを10〜60質量部、より好ましくは30
〜60質量部添加し、共架橋剤としてトリアリルイソシ
アヌレート(TAIC)もしくはトリアリルシアヌレー
ト(TAC)を5〜20質量部および有機過酸化物を
0.2〜10質量部配合したゴムの架橋物からなってい
る。
【0021】この原料ゴムに用いられる水素化ニトリル
ゴムは特に限定されるものではないが水素添加率80%
以上であり、特に耐熱性,耐オゾン性の特性を発揮する
ためには90%以上が好ましい。水素添加率80%未満
の水素化ニトリルゴムは耐熱性,耐オゾン性が極度に低
下するので好ましくなく、耐熱性を考慮すればヨウ素価
は5〜35であることが好ましく、更に耐油性及び耐寒
性の観点から、結合アクリロニトリル量は20〜40%
の範囲が好ましい。また、ムーニー粘度(ML1+4
(100℃))が70〜85のものであることが機械的
強度や側圧剛性を良好にすること、また、屈曲性や加工
性を良好にする上で好ましい。
【0022】不飽和カルボン酸金属塩はカルボキシル基
を有する不飽和カルボン酸と金属とがイオン結合したも
のであり、不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタ
クリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸等のジカルボン酸が好ましく、金属として
は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウム、チタン、クロム、モリブデン、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミ
ウム、アルミニウム、錫、鉛、アンチモン等を用いるこ
とができる。
【0023】そして水素化ニトリルゴムと不飽和カルボ
ン酸金属塩との組成比は98:2〜55:45とする。
水素化ニトリルゴムが98より大きい割合になると耐摩
耗性が不足することになり、55より小さい割合になる
と耐摩耗性はよいが、ベルトの屈曲性が悪くなるので好
ましくない。また、この組成比を調整するために不飽和
カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと通常
の水素化ニトリルゴムとをブレンドしてマトリックスゴ
ムとすることも可能である。
【0024】有機過酸化物は架橋剤として用いられるも
のであって、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、
1,1−t−ブチルペロキシ−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(t
−ブチルペロキシ)ヘキサン−3、ビス(t−ブチルポ
エロキシ−ジ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジ−
メチル−2,5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、
t−ブチルペロキシベンゾアート、t−ブチルペロキシ
−2−エチル−ヘキシルカーボネートなどを挙げること
ができる。その配合量としてはマトリックスゴム100
質量部に対して0.2〜10質量部とする。0.2質量
部未満であると架橋が十分に行われず、10質量部を超
えると十分な弾性が得られなくなる。
【0025】シリカはマトリックスゴム100質量部に
対して10〜60質量部、より好ましくは30〜60質
量部の範囲で配合するものとする。10質量部未満であ
るとゴムと心線との間の接着力が乏しくなって心線の剥
離による飛び出しなどの故障につながり、60質量部を
超えると未加硫での粘度が大きくなりベルトが成形でき
なくなるので好ましくない。また、30質量部以上であ
ることがより高硬度なベルトを得ることができることか
ら好ましい。
【0026】一般的に共架橋剤としては、TAIC、T
AC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属
塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレ
ート、N−N′−m−フェニレンビスマレイミドが挙げ
られるが、本発明ではTAICとTACのいずれか少な
くとも一方を用いる。TAICあるいはTACを用いる
ことによって他の共架橋剤を用いる場合よりも、架橋後
のゴムの硬度を高くすることができ、また未架橋ゴムの
粘度を上昇させすぎないので加工や成形性を悪くするこ
とがない。またこれら共架橋剤の配合量は5〜20質量
部の範囲とする。5質量部未満であるとベルトの硬度を
十分に挙げることができず、20質量部を超えて配合す
ると架橋度が大きくなりすぎて引裂き抵抗力が小さくな
るので好ましくない。
【0027】また、上記以外にも通常ゴムに配合される
カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルクなどの耐摩
耗性を向上させる充填剤、架橋補助剤、架橋促進剤、可
塑剤、安定剤、加工補助剤、老化防止剤、着色剤などの
添加剤を使用目的に応じて配合することは可能である。
これらの配合剤を混合する方法も通常用いられる手段、
例えばバンバリーミキサやニーダーなどを用いて混練す
る方法が挙げられる。
【0028】心線4としては、低伸度高強力のロープが
用いられ、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレ
ンテレフチレート繊維、エチレン−2,6−ナフタレー
トを主たる構成単位とするポリエステル繊維などの有機
繊維や、ガラス繊維などの無機繊維や金属繊維からなる
撚成したロープが挙げられる。この心線4は一般にレゾ
ルシン−ホルマリン−ラテックス処理することによって
接着ゴム3と接着する。また、レゾルシン−ホルマリン
−ラテックス処理した表面に更にゴム糊などをコーティ
ングしたものも用いられる。
【0029】このような接着処理としては繊維をレゾル
シン−ホルマリン−ラテックス(RFL液)に浸漬後、
加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するのが一般的
である。しかし、これに限ることなくエポキシ又はイソ
シアネート化合物で前処理を行った後に、RFL液で処
理する方法等もある。
【0030】RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初
期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使
用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブ
タジエン・ビニルピリジン三元とも重合体、水素化ニト
リル、NBR等が挙げられるが、接着ゴム層、背ゴム層
の構成原料より水素化ニトリルゴムが好適である。
【0031】歯布5は、綿、ポリアミド、ポリエチレン
テレフタレート、アラミド繊維からなるフィラメント状
又は紡績糸を用いて、平織、綾織、朱子織等に製織又は
製編した布を使用する。これらはその後、RFL処理に
て接着処理して厚みを硬くし、スピニング工程で筒状の
ベルト帆布のしわの発生を阻止する。RFL処理はRF
L液に0.1〜20秒間浸漬した後、100〜200℃
で30〜600秒にて乾燥させる。
【0032】このRFL処理で使用するRFL液は、前
記心線のそれと同じくレゾルシンとホルマリンの初期縮
合物とゴムラテックスとを混合したものであるが、この
場合レゾルシンとホルマリンのモル比は1:0.5〜3
にすることが接着力を高める上で好適である。また、レ
ゾルシンとホルマリンの初期縮合物は、これをラテック
スのゴム分100重量部に対してその樹脂分が10〜1
00重量部になるようにラテックスと混合した上、全固
形物濃度が5〜40%になるように調節される。
【0033】なお、RFL液には適宜カーボンブラック
液を混合して処理反を黒染めする場合もある。綿織物の
場合には、RFL液に公知の界面活性剤を0.1〜1
3.0重量%加えるとよい。
【0034】上記ラテックスはスチレン−ブタジエン−
ヒニルビリジン三元とも重合体、クロロスルフォン化ポ
リエチレン、水素化ニトリルゴム、エビクロルヒドリ
ン、天然ゴム、SBR、クロロプレンゴム、オレフィン
−ビニルエステル共重合体等のラテックスであり、先と
同じく接着ゴム層、背ゴム層の構成原料との関係で水素
化ニトリルゴムが好適である。
【0035】以上の説明では歯付ベルトに本発明を適用
した例を説明したが、ベルトの種類は歯付ベルトに限ら
れるものではなく図2に示すような心線23を埋設した
接着ゴム層24と圧縮ゴム26とから構成され、更に上
記接着ゴム層24及び圧縮ゴム層26の各表面層にゴム
付帆布22を積層したカットエッジタイプのVベルト2
1や図示はしないがVリブドベルトなどのベルト、また
ベルトの用途についても動力伝達用、搬送用と様々なベ
ルトに適用することができるものである。
【0036】
【実施例】次に表1に示す配合でゴムを混練して各ゴム
シートを作成し、その物性を測定した。その結果を表2
に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】また、歯数:120歯、歯ピッチ:9.5
25mm、ベルト幅30mmの歯付ベルトを作成し、図
3に示すようなレイアウトにて走行試験を行った。走行
試験ではスラスト力と端面損傷度合いを評価した。端面
損傷度合いの評価は次のようにして行った。走行試験用
ベルトの両端歯部に白インクで歯部全面にマークを入れ
て、4000rpmで200時間走行させ走行後のマー
クの消え具合により端面の損傷を次の表3のように評価
した。また、走行試験の結果を表4に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表2および表4の結果からわかるように、
比較例1はTAICの量が2質量部と少ないため、十分
な硬度が得られず、背面のすべりが少なくなってスラス
ト力も大きくなっている。比較例2〜3はシリカを添加
していないために、心線との接着力が得られておらず界
面剥離が発生している。比較例4は不飽和カルボン酸を
含まないH−NBR単独であることから、あまり硬度が
高くならずすべりが少ないため端面損傷の度合いが大き
くなっている。比較例5は共架橋剤としてN−N′−m
−フェニレンビスマレイミドを用いている例であるが、
未架橋状態においてゴムの粘度が高すぎるため歯型が成
形できなかった。
【0043】一方実施例1〜5においてはTAICまた
はTACとシリカの増量による交互作用により、硬度が
大きく上昇しているとともに心線との接着状態も良好で
あり、剥離などの故障現象は発生しなかった。実施例6
については実施例の範囲ではあるものの不飽和カルボン
酸金属塩を含むH−NBRの量が多すぎると、高硬度の
ゴムにはなっているものの接着力が低下してしまうとい
うことがわかる。
【0044】比較例7、8についてはシリカの配合量が
40〜60質量部と特に多く配合されており、カーボン
を配合する場合とは応力−歪曲線の形が異なり、高度は
同じ95でもM100の数値が低くEBの数値が大きく
なる。しかし、接着力、ベルト物性ともに良好な結果と
なった。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では不飽
和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムを主
成分とした伝動もしくは搬送に用いられる伝動ベルト用
ゴム組成物において、不飽和カルボン酸金属塩を含有し
た水素化ニトリルゴム(H−NBR)をマトリックスゴ
ムとし、該マトリックスゴム100質量部に対してシリ
カを10〜60質量部添加し、共架橋剤としてトリアリ
ルイソシアヌレート(TAIC)もしくはトリアリルシ
アヌレート(TAC)を5〜20質量部配合し有機過酸
化物により架橋したゴムからなることを特徴とする。
【0046】このように不飽和カルボン酸金属塩を含有
したH−NBRにシリカと特定の共架橋剤を多量に配合
することによって、未架橋時には粘度が上がることがな
く圧延や成形などの加工が容易であり、架橋後は非常に
高硬度で強度の高いベルトを得ることができる。
【0047】請求項2では、マトリックスゴムは不飽和
カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素
化ニトリルゴムを1:1〜1:9の割合でブレンドした
ものである伝動ベルト用ゴム組成物としている。
【0048】必要に応じて不飽和カルボン酸金属塩を含
有したH−NBRと不飽和カルボン酸金属塩を含んでい
ないH−NBRをブレンドして用いることは可能であ
る。
【0049】請求項3ではシリカの配合量が30〜60
質量部である伝動ベルト用ゴム組成物としており、シリ
カの配合量をより多い範囲に限定することによって、よ
り高硬度なベルトを得ることができる。
【0050】請求項4では、不飽和カルボン酸金属塩を
含有した水素化ニトリルゴムを主成分とした伝動もしく
は搬送に用いられる伝動ベルトにおいて、不飽和カルボ
ン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリック
スゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対して
シリカを10〜60質量部添加し、共架橋剤としてトリ
アリルイソシアヌレートもしくはトリアリルシアヌレー
トを5〜20質量部および有機過酸化物を0.2〜10
質量部添加したことを特徴とする。
【0051】このように不飽和カルボン酸金属塩を含有
したH−NBRにシリカと特定の共架橋剤を多量に配合
することによって、未架橋時には粘度が上がることがな
く圧延や成形などの加工が容易であり、架橋後は非常に
高硬度で強度の高いベルトを得ることができる。
【0052】請求項5では、マトリックスゴムは不飽和
カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素
化ニトリルゴムを1:1〜1:9の割合でブレンドした
ものである伝動ベルトとしている。
【0053】必要に応じて不飽和カルボン酸金属塩を含
有したH−NBRと不飽和カルボン酸金属塩を含んでい
ないH−NBRをブレンドして用いることは可能であ
る。
【0054】請求項6ではシリカの配合量が30〜60
質量部であるベルトとしており、シリカの配合量をより
多い範囲に限定することによって、より高硬度なベルト
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である歯付ベルトの要部断面斜視
図である。
【図2】本発明の別の例であるカットエッジタイプのベ
ルトの断面図である。
【図3】走行試験のレイアウトを示す概要図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト 2 背ゴム 3 接着ゴム 4 心線 5 歯布 6 歯ゴム 21 Vベルト 31 ベルト 32 カムプーリ 33 ウォーターポンプ駆動プーリ 34 クランクプーリ 35 テンショナープーリ 36 アイドラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16G 1/06 F16G 1/06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素
    化ニトリルゴムを主成分とした伝動もしくは搬送に用い
    られるベルト用ゴム組成物において、不飽和カルボン酸
    金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴ
    ムとし、該マトリックスゴム100質量部に対してシリ
    カを10〜60質量部添加し、共架橋剤としてトリアリ
    ルイソシアヌレートもしくはトリアリルシアヌレートを
    5〜20質量部および有機過酸化物を0.2〜10質量
    部添加したことを特徴とする伝動ベルト用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金
    属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素化ニトリルゴ
    ムを1:1〜1:9の割合でブレンドしたものである請
    求項1記載の伝動ベルト用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 シリカの配合量が30〜60質量部であ
    る請求項1〜2記載の伝動ベルト用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素
    化ニトリルゴムを主成分とした伝動もしくは搬送に用い
    られるベルトにおいて、不飽和カルボン酸金属塩を含有
    した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マ
    トリックスゴム100質量部に対してシリカを10〜6
    0質量部添加し、共架橋剤としてトリアリルイソシアヌ
    レートもしくはトリアリルシアヌレートを5〜20質量
    部配合し有機過酸化物により架橋したゴムからなること
    を特徴とする伝動ベルト。
  5. 【請求項5】 マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金
    属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素化ニトリルゴ
    ムを1:1〜1:9の割合でブレンドしたものである請
    求項4記載の伝動ベルト。
  6. 【請求項6】 シリカの配合量が30〜60質量部であ
    る請求項4〜5記載の伝動ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006075600A1 (ja) 2005-01-13 2006-07-20 Bando Chemical Industries, Ltd. 摩擦伝動ベルト
EP1813835A3 (en) * 2006-01-31 2008-03-26 Mitsuboshi Belting Ltd. Toothed power transmission belt with cloth component thereon

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