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JP2003120756A - 動力伝動用ベルト - Google Patents

動力伝動用ベルト

Info

Publication number
JP2003120756A
JP2003120756A JP2001321265A JP2001321265A JP2003120756A JP 2003120756 A JP2003120756 A JP 2003120756A JP 2001321265 A JP2001321265 A JP 2001321265A JP 2001321265 A JP2001321265 A JP 2001321265A JP 2003120756 A JP2003120756 A JP 2003120756A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
rubber layer
ethylene
power transmission
transmission belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001321265A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Takehara
剛 竹原
Isao Yoshida
勲 吉田
Keiji Takano
啓二 高野
Toshimichi Takada
俊通 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP2001321265A priority Critical patent/JP2003120756A/ja
Publication of JP2003120756A publication Critical patent/JP2003120756A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトのスリップ率を低減し、摩耗量を少な
く、そしてベルト走行時の騒音を軽減することができる
動力伝動用ベルトを提供する。 【解決手段】 ベルト長手方向に沿って心線2を埋設し
た接着ゴム層3と、圧縮ゴム層4を含む弾性体層からな
るVリブドベルト1であり、接着ゴム層3と圧縮ゴム層
4からなる弾性体層のうち少なくとも圧縮ゴム層4にエ
チレン−α−オレフィンエラストマー配合物の加硫物を
使用し、該エチレン−α−オレフィンエラストマー中の
エチレン含量が60〜75質量%であり、かつエチレン
−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して短
繊維の総添加量を5〜40質量部であり、短繊維として
綿とナイロンを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力伝動用ベルトに
係り、詳しくは特定のエチレン−α−オレフィンエラス
トマーを接着ゴム層と圧縮ゴム層の少なくとも一方に用
いることにより、ベルトのスリップ率を低減し、摩耗量
を少なく、そしてベルト走行時の騒音を軽減した動力伝
動用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー化、コンパクト化の
社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰
囲気温度は従来に比べて上昇して来ている。これにとも
なって動力伝動用ベルトの使用環境温度も高くなってき
た。従来、動力伝動用ベルトは主として天然ゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムが使用されて
きたが、高温雰囲気下では、早期にクラックが硬化した
圧縮ゴム層に生じた。
【0003】このようなベルトの早期破損現象に対し、
従来からクロロプレンゴムの耐熱性の改善が検討され、
ある程度の改良が行なわれてきたもののクロロプレンゴ
ムを使用している限り限界があって現在のところ充分な
効果を得るには至っていない。
【0004】このため、耐熱性に優れるクロロスルフォ
ン化ポリエチレンゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴ
ム等のように主鎖が高度に飽和され、又は完全に飽和さ
れているゴムの使用が検討されている。このうち、一般
にクロロスルフォン化ポリエチレンは動的疲労性、耐摩
耗性、耐油性においてはクロロプレンゴムと同等である
が、耐水性においては加硫系、特に受酸剤の影響が大き
いことが知られている。通常、クロロスルフォン化ポリ
エチレンの受酸剤としてはMgO、PbO等の酸化物が
使用されていた。
【0005】しかし、PbO、Pb34 等の鉛化合物
の受酸剤を使用すれば、耐水性の良好なベルトが得られ
るが、公害、衛生上の問題から鉛化合物の使用は好まし
くない。又、MgOを受酸剤として使用した場合には、
架橋反応中に生成するMgC l2 により耐水性は著しく
損なわれ、ベルトへの適応は不適当であった。一方、金
属酸化物以外の受酸剤としてエポキシ系の受酸剤を使用
すれば、耐水性の良好な組成物を得ることは可能である
が、臭気の問題等が生じて人体に不快感を与える問題が
あった。
【0006】また、この動力伝動用ベルトはクロロプレ
ンゴムを用いたベルトに比べると高温雰囲気下でのベル
ト走行寿命が大きく向上し優れた耐熱性を有している
が、−30℃以下の低温雰囲気下でのベルト走行寿命が
劣ることが明らかになった。この理由として、従来のク
ロロスルフォン化ポリエチレンゴムは、ポリエチレンを
クロロスルフォン化したもので、塩素を含有しているた
め低温下では塩素の凝集エネルギ−が大きくなって低温
領域でゴムの硬化が起こってゴム弾性を欠き、割れ易く
なるためと推定される。
【0007】このため、最近では、クロロプレンゴムに
代わってα−β−不飽和有機酸の金属塩で補強されたエ
チレン−α−オレフィンエラストマーを伝動ベルトに使
用することが、例えば特開平4−339843号公報、
特表平9−500930号公報、特開2000−266
74号、そして特開2000−283243号公報等に
開示されている。更に、特表2001−500910号
公報には、エチレン−α−オレフィン−ビニルノルボル
ネンのエラストマーの配合物を用いた伝動ベルトも示さ
れている。
【0008】上記のエチレン−プロピレン系ゴム(EP
R)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(E
PDM)等のエチレン−アルファ−オレフィンエラスト
マーは、優れた耐熱性、耐寒性を有し、比較的に安価
で、環境に優しいポリマーとして注目されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エチレン−プ
ロピレン−ジエン系ゴムはエチレン含量が高くなると、
シーティングの加工性が低下して圧延時にシートに穴が
あきやすくなり、更に耐摩耗性等の性能向上を目的とし
て短繊維を添加すると、更にシートに穴があいたり、破
れたりしやすくなるという欠点があった。一方、圧延時
のシーティング性を向上させるためにエチレン含有量を
低くすると、耐摩耗性が低下するという問題点が発生し
た。
【0010】更に、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴ
ムを用いた伝動ベルトは摩擦係数が低く、スリップしや
すいという問題があった。特に、この種の伝動ベルトを
注水しながら走行させた場合には、摩擦係数の減少が顕
著に見られた。
【0011】本発明はこのような問題に対処するもので
あり、ベルトのスリップ率を低減し、摩耗量を少なく、
そしてベルト走行時の騒音を軽減することができる動力
伝動用ベルトを提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1の
発明では、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着
ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層からなる動力伝動
用ベルトにおいて、接着ゴム層と圧縮ゴム層からなる弾
性体層のうち少なくとも圧縮ゴム層にエチレン−α−オ
レフィンエラストマー配合物の加硫物を使用し、該エチ
レン−α−オレフィンエラストマー中のエチレン含量が
60〜75質量%であり、かつエチレン−α−オレフィ
ンエラストマー100質量部に対して短繊維の総添加量
を5〜40質量部であり、短繊維として綿とナイロンを
添加した動力伝動用ベルトにあり、ベルトのスリップ率
を低減し、また摩耗量を少なくすることができる。
【0013】本願の請求項2の発明では、綿が3質量部
以上含んでいる動力伝動用ベルトにある。
【0014】本願の請求項3の発明では、動力伝動用ベ
ルトがベルト長手方向にそって心線を埋設した接着ゴム
と、ベルトの周方向に延びる複数のリブ部をもつ圧縮ゴ
ム層からなるVリブドベルトである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に示すVリブドベルト1は、
繊維材料を素材とする高強度で低伸度のコードよりなる
心線2を接着ゴム層3中に埋設し、更にその下側に弾性
体層である圧縮ゴム層4を具備している。この圧縮ゴム
層4にはベルト長手方向にのびる断面略三角形の複数の
リブ部7が配置され、またベルト背面にはゴム付帆布5
が付着している。無論、ゴム付帆布5をベルト背面に設
けず、ゴム層を露出させてもよい。
【0016】他のベルトとしてカットエッジタイプのV
ベルト21がある。このベルト21は、図2に示すよう
に心線23を埋設した接着ゴム層24と圧縮ゴム26と
から構成され、更に上記接着ゴム層24及び圧縮ゴム層
26の各表面層にゴム付帆布22を積層している。
【0017】前記圧縮ゴム層と接着ゴム層のうち少なく
とも圧縮ゴム層に使用されるエチレン−α−オレフィン
エラストマーは、エチレンとα−オレフィン(プロピレ
ン、ブテン、ヘキセン、あるいはオクテン)の共重合
体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィンと非共役
ジエンの共重合体であり、具体的にはエチレン−プロピ
レンゴム(EPM)やエチレン−プロピレン−ジエンタ
ーポリマー(EPDM)からなるゴムをいう。上記ジエ
ン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペ
ンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の
非共役ジエンが挙げられる。
【0018】そして、上記エチレン−α−オレフィンエ
ラストマーのエチレン含量は60〜75質量%である。
エチレン含量が75質量%を越えると、結晶化度が急激
に大きくなって低温特性が低下し、更に短繊維を加えた
場合のシーティングの加工性が悪くなり、圧延時にシー
トに穴があきやすく、破れたりしやすくなる。また一
方、60質量%未満になると、α−オレフィンであるプ
ロピレンの特性によってエラストマーの凝集がよくなっ
て短繊維を多く添加しても、圧延時においてシートに穴
があきにくくシーティングしやすくなるが、機械的強度
が低下してベルトの耐摩耗性が悪くなる。
【0019】エチレン−α−オレフィンエラストマー中
のジエン含量は、0.1〜3.5質量%、好ましくは
0.1〜3.0質量%であり、0.1質量%未満では、
ベルト走行によりゴムが軟化して劣化し、発音しやすく
なる。一方、3.5質量%を超えると、ジエン成分がポ
リマー主鎖であるエチレン−プロピレン鎖の屈曲の妨げ
に大きく関与し、ベルト屈曲走行時に圧縮ゴム層に亀裂
が発生しやすくなる。
【0020】また、本発明ではエチレン−α−オレフィ
ンエラストマーとしてジエン含量の違うものをブレンド
してもよく、ブレンドするポリマーの数は問わないが、
総ジエン含量は前記の範囲を満足する必要がある。ま
た、ブレンドはジエン成分を含有するエチレン−プロピ
レン−ジエンターポリマーとジエン成分を含有しないエ
チレン−プロピレンコポリマー等の間で行ってもよい。
【0021】エチレン−プロピレン−ジエンターポリマ
ーでは硫黄加硫させるための架橋サイトとして二重結合
を有するジエン成分を分子内に導入しているが、ジエン
含量が少ないと架橋密度が小さくなるため、市販品では
ジエン含量が3.5質量%を超えるものが多い。パーオ
キサイド加硫させる場合でも、ジエン含量が少なくなる
と、架橋密度が低下し、粘着摩耗しやすくなる。
【0022】パーオキサイドの共架橋剤としては、N,
N'−m−フェニレンジマレイミドを添加することがで
きる。N,N'−m−フェニレンジマレイミドの添加量
はエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部
に対して0.2〜10質量部であり、0.2質量部未満
の場合には、架橋密度が小さくなり耐摩耗性、耐粘着摩
耗性の改善効果が小さく、一方10質量部を越えると加
硫ゴムの伸びの低下が著しく、耐屈曲性に問題が生じ
る。
【0023】更に、硫黄をエチレン−α−オレフィンエ
ラストマー100質量部に対して0.01〜1質量部添
加することにより、加硫ゴムの伸びの低下を制御するこ
とができる。1質量部を越えると、物性が低下し、ベル
ト走行時の摩耗性が大きく、粘着摩耗性が発生する。
【0024】上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、
樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2・5−ジメチル−2
・5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,1
・3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベ
ンゼン、1・1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1分
間の半減期が150〜250℃のものが好ましい。その
添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100
質量部に対して約1〜8質量部であり、好ましくは1.
5〜4質量部である。
【0025】また、圧縮ゴム層には、ナイロン6、ナイ
ロン66のナイロンと綿とからなる短繊維を混入して圧
縮ゴム層の耐側圧性を向上させるとともに、プーリと接
する面になる圧縮ゴム層の表面をグラインダーによって
研磨加工して該短繊維を露出させる。圧縮ゴム層の表面
の摩擦係数は低下して、ベルト走行時の騒音を軽減する
効果がある。
【0026】上記短繊維が前述の効果を充分に発揮する
ためには、その短繊維の総添加量は5〜40質量部であ
り、そのうち綿は3質量部以上添加する必要がある。よ
り好ましくは、綿は3〜10質量部であり、ナイロンは
2〜30質量部である。短繊維の総添加量が5質量部未
満になると、配合として十分な補強性が得られずベルト
にしたときの耐摩耗性が十分でないという不具合が起
る。一方40質量部を超えると、ゴムへの混練が困難に
なり、繊維の分散も悪くなる。
【0027】更に、圧縮ゴム層には、必要に応じてカー
ボンブラック、シリカなどの補強剤、クレー、炭酸カル
シウムなどの充填剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤、
TAICなどの共架橋剤などの各種薬剤を添加してもよ
い。
【0028】また、エチレン−α−オレフィンエラスト
マーとともにニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、水素
化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したも
の、クロロスルフォン化ポリエチレン、クロロプレン、
ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム、C
SM、ACSM、SBRをブレンドすることもできる。
【0029】心線にはポリエチレンテレフタレート繊
維、エチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位
とするポリエステル繊維、ポリアミド繊維からなるコー
ドが使用され、ゴム組成物との接着性を改善する目的で
接着処理が施される。このような接着処理としては繊維
をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL液)に
浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するの
が一般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ
又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後に、R
FL液で処理する方法等もある。
【0030】本発明で使用するエチレン−2,6−ナフ
タレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下に適当な
条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることに
よって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフ
タレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第
3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成され
る。
【0031】上記心線の接着処理は、まず(1)未処理
コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選
ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップし
た後、(2)160〜200℃に温度設定した乾燥炉に
30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL液
からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)210
〜260ーCに温度設定した延伸熱固定処理機に30〜
600秒間通して−1〜3%延伸して延伸処理コードと
する。
【0032】RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初
期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使
用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブ
タジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリ
ル、NBR等である。
【0033】上記カバー帆布は綿、ポリアミド、ポリエ
チレンテレフタレート、アラミド繊維からなる糸を用い
て、平織、綾織、朱子織等に製織した布である。無論、
カバー帆布を使用しない場合もある。
【0034】また、上記圧縮ゴム層のゴム組成物には、
通常使用されるカーボンブラック、可塑剤、老化防止
剤、加工助剤を配合することができる。前記各成分を混
合する方法としては特に制限はなく、例えばバンバリー
ミキサー、ニーダー等を用い、適宜公知の手段、方法に
よって混練することができる。
【0035】上記Vリブドベルトの製造方法の一例は以
下の通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1
〜複数枚のカバー帆布と接着ゴム層とを巻き付けた後、
この上にコードからなる心線を螺旋状にスピニングし、
更に圧縮ゴム層を順次巻き付けて積層体を得た後、加硫
してスリーブを得る。
【0036】次に、スリーブを駆動ロールと従動ロール
に掛架され所定の張力下で走行させ、更に回転させた研
削ホイールを走行中の加硫スリーブに当接するように移
動してスリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100個の複数
の溝状部を一度に研削する。このようにして得られたス
リーブを駆動ロールと従動ロールから取り外し、該スリ
ーブを他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行さ
せ、カッターによって所定に幅に切断して個々のVリブ
ドベルトに仕上げる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1〜2、比較例1〜4 本実施例で製造したVリブドベルトでは、ポリエステル
繊維コードからなる心線を接着ゴム層内に埋設し、その
上側にゴム付綿帆布を2プライ積層し、他方接着ゴム層
の下側に設けた圧縮ゴム層に3個のリブをベルト長手方
向に配したものである。
【0038】ここで圧縮ゴム層を表1に示すゴム組成物
から調製し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダー
ロールで圧延したものを用いた。圧縮ゴム層には短繊維
が含まれベルト幅方向に配向している。接着ゴム層は表
1に示すゴム組成物から短繊維を除去したゴム配合にな
る。
【0039】
【表1】
【0040】ベルトの製造方法は従来の方法であり、ま
ずフラットな円筒モールドに2プライのゴム付綿帆布を
巻いた後、接着ゴム層を巻き付けて、心線をスピニング
し、圧縮ゴム層を設置した後、圧縮ゴム層の上に加硫用
ジャケットを挿入する。次いで、成形モールドを加硫缶
内に入れ、加硫した後、筒状の加硫スリーブをモールド
から取り出し、該スリーブの圧縮ゴム層をグラインダー
によってリブに成形し、成形体から個々のベルトに切断
する工程からなっている。
【0041】このようにして得られたVリブドベルトは
3PK1,000であり、このベルトの注水走行及びド
ライ時走行におけるスリップ率の試験結果を表2に示
す。
【0042】注水走行試験では、上記Vリブドベルトを
駆動プーリ(直径80mm)と従動プーリ(直径110
mm)に巻き付けてベルト張力を15kgfに調節し、
雰囲気温度23℃、従動プーリにトルク3kg・m、駆
動プーリの回転数2,000rpmで走行させ、更に無
水そして注水(注水量120ml/分)条件下で走行さ
せ、ベルトのスリップ率を駆動プーリと従動プーリの回
転数の比より求めた。
【0043】また、6%スリップ率における摩耗試験で
は、3リブのVリブドベルトを室温下で駆動プーリ(直
径80mm)従動プーリ(直径80mm)これにアイド
ラープーリ(直径120mm)からなる3軸のプーリに
懸架し、従動プーリにトルク0.7kg・m、雰囲気温
度23℃、駆動プーリの回転数3,000rpm、6%
のスリップ率で24時間走行させた後におけるベルト表
面の粘着摩耗量を測定した。摩耗量(%)は走行前後の
ベルト重量差を走行前のベルト重量で除した値である。
【0044】
【表2】
【0045】表2の走行試験の結果から明らかなよう
に、実施例1及び2は綿とナイロンの併用効果により、
注水時及びドライ時のスリップ率が小さくなり、また摩
耗試験においても摩耗量が少なくなった。一方、比較例
1はメタアラミドにより注水時のスリップが増大してい
る。比較例2は綿の存在によってスリップは抑えされて
いるが、耐摩耗性が十分でなかった。比較例3及び4は
綿とパラアラミドの存在により、ある程度のスリップが
抑えられるが、十分ではない。比較例5は短繊維量が多
すぎるためスリップが大きくなっていることが判る。
【0046】
【発明の効果】以上のように本願の請求項の発明では、
接着ゴム層と圧縮ゴム層からなる弾性体層のうち少なく
とも圧縮ゴム層にエチレン−α−オレフィンエラストマ
ー配合物の加硫物を使用し、該エチレン−α−オレフィ
ンエラストマー中のエチレン含量が60〜75質量%で
あり、かつエチレン−α−オレフィンエラストマー10
0質量部に対して短繊維の総添加量を5〜40質量部で
あり、短繊維として綿とナイロンを添加した動力伝動用
ベルトにあり、ベルトのスリップ率を低減し、また摩耗
量を少なくすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの縦断面図であ
る。
【図2】本発明に係るVカットエッジタイプのVベルト
の縦断面図である。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2,23 心線 3,24 接着ゴム層 4,26 圧縮ゴム層 5,22 ゴム付帆布 7 リブ部 21 Vベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77/00 C08L 77/00 F16G 5/20 F16G 5/20 A (72)発明者 高田 俊通 神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ 星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA08 AA09 AB03 AB06 AB33 AD02 AL09 4J002 AB012 BB151 CL012 CL032 FA042 GM01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層からなる動力
    伝動用ベルトにおいて、 接着ゴム層と圧縮ゴム層からなる弾性体層のうち少なく
    とも圧縮ゴム層にエチレン−α−オレフィンエラストマ
    ー配合物の加硫物を使用し、該エチレン−α−オレフィ
    ンエラストマー中のエチレン含量が60〜75質量%で
    あり、かつエチレン−α−オレフィンエラストマー10
    0質量部に対して短繊維の総添加量を5〜40質量部で
    あり、短繊維として綿とナイロンを添加したことを特徴
    とする動力伝動用ベルト。
  2. 【請求項2】 綿が3質量部以上含んでいる請求項1記
    載の動力伝動用ベルト。
  3. 【請求項3】 動力伝動用ベルトがベルト長手方向にそ
    って心線を埋設した接着ゴムと、ベルトの周方向に延び
    る複数のリブ部をもつ圧縮ゴム層からなるVリブドベル
    トである請求項1または2記載の動力伝動用ベルト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005125742A (ja) * 2003-09-30 2005-05-19 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルトの製造方法およびvリブドベルト
JP2006300149A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Bando Chem Ind Ltd 伝動ベルト
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