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JP2008291205A - ベルト用ゴム組成物及びゴムベルト及び自動二輪車駆動用歯付ベルト - Google Patents

ベルト用ゴム組成物及びゴムベルト及び自動二輪車駆動用歯付ベルト Download PDF

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JP2008291205A
JP2008291205A JP2007296038A JP2007296038A JP2008291205A JP 2008291205 A JP2008291205 A JP 2008291205A JP 2007296038 A JP2007296038 A JP 2007296038A JP 2007296038 A JP2007296038 A JP 2007296038A JP 2008291205 A JP2008291205 A JP 2008291205A
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rubber
belt
mass
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Takeshi Takehara
剛 竹原
Masakuni Yoshida
正邦 吉田
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

【課題】圧延性などの加工性を低下させることなく、硬度を高くすることのできるベルト用ゴム組成物及びゴムベルトの提供を行う。
【解決手段】不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムを主成分とした伝動若しくは搬送に用いられるベルト用ゴム組成物において、不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対してシリカを20〜80質量部添加し、有機過酸化物を0.2〜10質量部添加し、さらに耐熱性短繊維を添加したベルト用ゴム組成物及びゴムベルトである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルト用ゴム組成物及びゴムベルトに係り、詳しくは不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムを用いたベルトにおいて硬度を上げると共に圧延等の加工性に優れたベルト用ゴム組成物及びゴムベルトに関する。
近年、エンジンの高出力化、高回転化に伴い動力を伝達するベルトの使用環境温度が上昇し、ベルトに求められる負荷も大きくなっている。従来のベルトとしては主としてクロロプレンゴムを素材としていたが、クロロプレンゴムでは高雰囲気下で硬化しやすく早期に硬化によるクラックを生じたり、また、高温雰囲気下での側圧剛性不足によりベルトがプーリ内へ落ち込むように変形しディッシングと呼ばれる座屈変形を起こしてしまい動力の伝達ができなくなったり、心線と接着ゴムとの剥離が発生することによって心線が飛び出すポップアウトなどの故障を引き起こしベルト寿命に至ることがあった。
そこで特許文献1に開示されているように、耐摩耗性及び耐熱性に優れたベルトとして水素化ニトリルゴム(H−NBR)にメタクリル酸亜鉛などの不飽和カルボン酸金属塩を分散させたゴムを使用したベルトが提案されている。
又、特許文献2には水素化ニトリルゴムにメタクリル酸亜鉛などの不飽和カルボン酸金属塩を分散させて強度を向上させたゴムに、シリカとトリアリルイソシアヌレートを配合しても良いということが開示されている。
特開平5−271472号 特開平5−39364号
しかし、高負荷伝動の要求は更に高まっている。又、単に不飽和カルボン酸金属塩を含んだ水素化ニトリルゴムを用いるだけでは、未加硫ゴムの粘度が高くなってしまって加工性に劣るなどの不具合もあることから、ゴムの硬度は今までのものよりも高く、しかも圧延性などの加工性を低下させることなく、硬度を高くすることのできるベルト用ゴム組成物が特許文献3に開示している。
特開2005−194368号
しかし、高負荷伝動の要求は更に高まっている。又、単に不飽和カルボン酸金属塩を含んだ水素化ニトリルゴムを用いるだけでは、未加硫ゴムの粘度が高くなってしまって加工性に劣るなどの不具合もある。
又、自動二輪車に使用される歯付ベルトは、さらに高負荷のより厳しい条件で使用され、高硬度でかつモジュラスの高い歯部を有するベルトが要求されてきた。
そこで、これらのゴムを用いるとともに、配合内に短繊維、例えば耐熱性繊維等を含有するゴム組成物及びゴムベルトの提供を行う。
本発明は、不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対してシリカを20〜80質量部添加し、有機過酸化物を0.2〜10質量部添加し、さらに耐熱性短繊維を添加したベルト用ゴム組成物にある。
請求項2に記載の発明は、前記耐熱性短繊維が、アクリル酸化繊維、アラミド繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、PPS繊維、PBI繊維の中から、少なくとも一つ選ばれてなる請求項1に記載のベルト用ゴム組成物にある。
請求項3に記載の発明は、前記アラミド繊維がメタ系アラミド繊維である請求項2に記載のベルト用ゴム組成物にある。
請求項4に記載の発明は、前記耐熱性短繊維を1.0質量部〜10質量部添加する請求項1から3のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物にある。
請求項5に記載の発明は、マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素化ニトリルゴムを7:3〜1:9の割合で混合したものである請求項1から4のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物にある。
請求項6に記載の発明は、シリカの配合量が30〜60質量部である請求項1から5のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物にある。
請求項7に記載の発明は、前記ゴム組成物にフェノール樹脂を配合した請求項1から6のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物にある。
請求項8に記載の発明は、前記ベルト用ゴム組成物が歯付ベルトの歯ゴムに使用される請求項1から7のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物にある。
請求項9に記載の発明は、前記水素化ニトリルゴムのアクリロニトリル含有量が分布の中心値で水素化ニトリルゴム100質量部のうち40〜50質量部含まれる請求項1から8のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物にある。
請求項10に記載の発明は、不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムを主成分とした伝動若しくは搬送用途に用いられるベルトにおいて、不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対してシリカを20〜80質量部添加し、さらに耐熱性短繊維を含み、有機過酸化物により架橋したゴムからなるゴムベルトにある。
請求項11に記載の発明は、前記耐熱性短繊維が、アクリル酸化繊維、アラミド繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、PPS繊維、PBI繊維の中から、少なくとも一つ選ばれてなる請求項10に記載のゴムベルトにある。
請求項12に記載の発明は、前記アラミド繊維がメタ系アラミド繊維である請求項11に記載のゴムベルトにある。
請求項13に記載の発明は、前記耐熱性短繊維1.0質量部〜10質量部添加する請求項10から12のいずれかに記載のゴムベルトにある。
請求項14に記載の発明は、マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリゴムと水素化ニトリルゴムとを7:3〜1:9の割合で混合したものである請求項10から13のいずれかに記載のゴムベルトにある。
請求項15に記載の発明は、シリカの添加量が30〜60質量部である請求項10から14のいずれかに記載のゴムベルトにある。
請求項16に記載の発明は、前記マトリックスゴムにフェノール樹脂を添加した請求項10から15のいずれかに記載のゴムベルトにある。
請求項17に記載の発明は、前記ゴムベルトが歯付ベルトである請求項10から16のいずれかに記載のゴムベルトにある。
請求項18に記載の発明は、前記水素化ニトリルゴムのアクリロニトリル含有量が分布の中心値で水素化ニトリルゴム100質量部のうち40〜50質量部含まれる請求項10から17に記載のゴムベルトにある。
請求項19に記載の発明は、ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部と、心線が埋設された背部と、前記歯部と前記背部との間に設けられた接着層と、前記複数の歯部を被覆する歯布と、を備え、少なくとも前記歯部が不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対して補強材としてシリカを30〜60質量部、着色材としてのカーボンブラックを0〜5質量部添加したゴム組成物からなる自動二輪車駆動用歯付ベルトである。
請求項20に記載の発明は、前記ゴム組成物にさらに有機過酸化物を0.2〜10質量部、耐熱性短繊維を1.0質量部〜10質量部添加した請求項19に記載の自動二輪車駆動用歯付ベルトにある。
請求項21に記載の発明は、前記耐熱性短繊維がメタ系アラミド繊維である請求項20に記載の自動二輪車駆動用歯付ベルトにある。
請求項22に記載の発明は、前記マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素化ニトリルゴムを7:3〜1:9の割合で混合したものである請求項19から21のいずれかに記載の自動二輪車駆動用歯付ベルトにある。
請求項23に記載の発明は、ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部と、心線が埋設された背部と、前記複数の歯部を被覆する歯布と、を備え、少なくとも前記歯部を構成するゴムが、1mmせん断変形させるのに20mm幅当たり500Nから1000Nの力が必要である自動二輪車駆動用歯付ベルトにある。
請求項24に記載の発明は、前記心線と前記接着層との接着力が150N/25mm〜 N/25mmである請求項23に記載の自動二輪車駆動用歯付ベルトにある。
本発明によると、不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対してシリカを10〜60質量部添加し、有機過酸化物を0.2〜10質量部添加し、さらに耐熱性短繊維を添加したベルト用ゴム組成物であることから、不飽和カルボン酸金属塩を含有したH−NBRにシリカを配合する、未架橋時には粘度が上がることが無く圧延や成形などの加工が容易であり、架橋後は非常に高硬度で強度の高いベルトを得ることができると共に、接着性及び耐屈曲性に優れるという効果がある。
請求項2に記載の発明によると、前記耐熱性短繊維が、アクリル酸化繊維、アラミド繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、PPS繊維、PBI繊維の中から、少なくとも一つ選ばれてなる請求項1に記載のベルト用ゴム組成物であることから、高温雰囲気下での強度維持に優れるという効果がある。
請求項3に記載の発明によると、前記アラミド繊維がメタ系アラミド繊維である請求項2に記載のベルト用ゴム組成物にあることから、耐摩耗性に優れるという効果がある。
請求項4に記載の発明によると、前記耐熱性短繊維を1.0質量部〜10質量部添加する請求項1から3のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物にあることから、耐屈曲性を損なうことなく、高硬度の配合物が得られるという効果がある。
請求項5に記載の発明によると、マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素化ニトリルゴムを1:1〜1:9の割合で混合したものである請求項1から4のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物にあることから、必要に応じて不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含んでいない水素化ニトリルゴムをブレンドして用いることが可能となる効果がある。
請求項6に記載の発明によると、シリカの配合量が30〜60質量部である請求項1から5のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物にあることから、シリカの配合量をより多い範囲に限定することによって、より高硬度なベルトを得ることができる。
請求項7に記載の発明によると、前記ゴム組成物にフェノール樹脂を配合した請求項1から6のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物であることから、ゴム組成物と心線との接着性が向上するという効果がある。
請求項8に記載の発明によると、前記ベルト用ゴム組成物が歯付ベルトの歯ゴムに使用される請求項1から7のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物であることから、強度の大きさが要求される歯付ベルトの歯ゴムへの使用用途としては最適となる。
請求項9に記載の発明によると、前記水素化ニトリルゴムのアクリロニトリル含有量が分布の中心値で水素化ニトリルゴム100質量部のうち40〜50質量部含まれる請求項1から8のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物であることから、耐油性のあるアクリロニトリル含有量を増加させることにより、耐油性を増加させ、油中で使用してもベルトが膨潤しないという効果がある。
請求項10に記載の発明によると、不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対してシリカを10〜60質量部添加し、さらに耐熱性短繊維を含み、有機過酸化物により架橋したゴムからなるゴムベルトにあることから、心線との接着性、耐屈曲性に優れるという効果がある。
請求項11に記載の発明は、前記耐熱性短繊維が、アクリル酸化繊維、アラミド繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、PPS繊維、PBI繊維の中から、少なくとも一つ選ばれてなる請求項10に記載のゴムベルトであることから高温雰囲気下での走行においても耐久性が優れるという効果がある。
請求項12に記載の発明は、前記アラミド繊維がメタ系アラミド繊維である請求項11に記載のゴムベルトであることから耐摩耗性に優れるという効果がある。
請求項13に記載の発明は、前記耐熱性短繊維1.0質量部〜10質量部添加する請求項10から12のいずれかに記載のゴムベルトであることから、耐屈曲性を損なうことなく、高硬度のベルトが得られるという効果がある。
請求項14に記載の発明は、マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリゴムと水素化ニトリルゴムとを7:3〜1:9の割合で混合したものである請求項10から13のいずれかに記載のゴムベルトであることから、必要に応じて不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含んでいない水素化ニトリルゴムをブレンドして用いることが可能となる効果がある。
請求項15に記載の発明は、シリカの添加量が30〜60質量部である請求項10から14のいずれかに記載のゴムベルトであることから、シリカの配合量をより多い範囲に限定することによって、より高硬度のベルトを得ることができる。
請求項16に記載の発明は、前記マトリックスゴムにフェノール樹脂を添加した請求項10から15のいずれかに記載のゴムベルトであることから、ゴム組成物と心線との接着性が向上するという効果がある。
請求項17に記載の発明は、前記ゴムベルトが歯付ベルトである請求項10から16のいずれかに記載のゴムベルトであることから、強度の大きさが要求される歯付ベルトの歯ゴムへの使用用途としては最適となる。
請求項18に記載の発明は、前記水素化ニトリルゴムのアクリロニトリル含有量が分布の中心値で水素化ニトリルゴム100質量部のうち40〜50質量部含まれる請求項10から17に記載のゴムベルトであることから、耐油性のあるアクリロニトリル含有量を増加させることにより、耐油性を増加させ、油中で使用してもベルトが膨潤しないという効果がある。
請求項19に記載の発明は、ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部と、心線が埋設された背部と、前記歯部と前記背部との間に設けられた接着層と、前記複数の歯部を被覆する歯布と、を備え、少なくとも前記歯部が不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対して補強材としてシリカを30〜60質量部、着色材としてのカーボンブラックを0〜5質量部添加したゴム組成物からなる自動二輪車駆動用歯付ベルトであることから、自動二輪車駆動用歯付ベルトとして、歯部のゴムが強化されるとともに、補強材としてシリカを使用することでカーボンブラックの使用を着色剤としてのみの使用にとどめることができ、歯付ベルトの成形加工性が改良されるという効果がある。
請求項20に記載の発明は、前記ゴム組成物にさらに有機過酸化物を0.2〜10質量部、耐熱性短繊維を1.0質量部〜10質量部添加する請求項19に記載の自動二輪車駆動用歯付ベルトであることから、請求項19の効果に加えてさらに歯部の強度が上がり、より自動二輪車駆動用歯付ベルトとしての機能を備える効果がある。
請求項21に記載の発明は、前記耐熱性短繊維がメタ系アラミド繊維である請求項20に記載の自動二輪車駆動用歯付ベルトであることから、少なくとも歯部のゴムが耐摩耗性に優れるという効果がある。
請求項22に記載の発明は、前記マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素化ニトリルゴムを7:3〜1:9の割合で混合したものである請求項19から21のいずれかに記載の自動二輪車駆動用歯付ベルトであることから、必要に応じて不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含んでいない水素化ニトリルゴムをブレンドして用いることが可能となる効果がある。
請求項23に記載の発明は、ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部と、心線が埋設された背部と、前記複数の歯部を被覆する歯布と、を備え、少なくとも前記歯部を構成するゴムが、1mmせん断変形させるのに20mm幅当たり500Nから1000Nの力が必要である自動二輪車駆動用歯付ベルトであることから、ゴムのせん断変形力を限定することによって、高負荷が掛かる自動二輪車を駆動させた場合に、ベルト歯がせん断変形せずに長寿命とすることができる。
請求項24に記載の発明は、前記心線と前記接着層との接着力が150N/25mm〜 N/25mmである請求項23に記載の自動二輪車駆動用歯付ベルトであることから、請求項23の効果に加えて、心線と接着層との接着力が大きくなり、心線と接着層との剥離が発生せず自動二輪車駆動用歯付ベルトを長寿命とすることができる。
図1は本発明のベルトの一例を示す歯付ベルトの一例であり、本発明歯付ベルト1はベルト長手方向に沿ってガラス繊維コード又はアラミドコードなど、低伸度、高強力のロープからなる心線4を埋設した接着ゴム3の下部に歯布5を外表面に積層した歯ゴム6を配置すると共に、接着ゴム3の上部に背ゴム2を配層することによって構成されている。
ここで、上記の歯付ベルト1は接着ゴム層3、歯ゴム層6及び背ゴム層2の原料ゴムとして少なくとも歯ゴムについては、不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対してシリカを20〜80質量部、より好ましくは30〜60質量部添加し、有機過酸化物を0.2〜10質量部添加し、さらに耐熱性短繊維を配合したゴムの架橋物からなっている。
又、歯付ベルト1が自動二輪車駆動用に使用される場合は、少なくとも歯ゴムとして前記マトリックスゴム100質量部に対してシリカを30〜60質量部、着色剤としてカーボンブラックを0〜5質量部添加するのが好ましい。
この原料ゴムに用いられる水素化ニトリルゴムは特に限定されるものではないが水素添加率が80%以上であり、特に耐熱性、耐オゾン性の特性を発揮するためには90%以上が好ましい。水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは耐熱性、耐オゾン性が極度に低下するので好ましくなく、耐熱性を考慮すればヨウ素価は5〜35であることが好ましい。更に耐油性の観点から、結合アクリロニトリル量は分布の中心値で40〜50%の範囲が好ましい。又、ムーニー粘度(ML1+4(100°C))が70〜85のものであることが機械的強度や側圧剛性を良好にすること、また、屈曲性や加工性を良好にする上で好ましい。
不飽和カルボン酸金属塩はカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸と金属とがイオン結合したものであり、不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸が好ましく、金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、鉛、アンチモン等を用いることができる。
そして水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との組成比は98:2〜55:45とする。水素化ニトリルゴムが98より大きい割合になると耐摩耗性が不足することになり、55より小さい割合になると耐摩耗性は良いが、ベルトの屈曲性が悪くなるので好ましくない。又、この組成比を調整する為に不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと通常の水素化ニトリルゴムとをブレンドしてマトリックスゴムとすることも可能である。
有機過酸化物は架橋剤として用いられるものであって、ジ−t−ブチルパオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−t−ブチルぺロキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルぺロキシ)へキサン、t−ブチルぺロキシベンゾアート、t−ブチルぺロキシ−2−エチル−ヘキシルカーボネートなどを挙げることができる。その配合量としてはマトリックスゴム100質量部に対して0.2〜10質量部とする。0.2質量部未満であると架橋が十分に行われず、10質量部を超えると十分な弾性が得られなくなる。
シリカはマトリックスゴム100質量部に対して20〜80質量部、より好ましく、特に自動二輪車駆動用に使用される歯付ベルトの場合は、30〜60質量部の範囲で配合するものとする。10質量部未満であるとゴムと心線との間の接着力が乏しくなって心線の剥離による飛び出しなどの故障につながり、60質量部を超えると未加硫での粘度が大きくなりベルトが成形できなくなるので好ましくない。又、30質量部以上であることがより高硬度なベルトを得ることができることから好ましい。
耐熱性短繊維としては、アクリル酸化繊維、アラミド繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、PPS繊維、PBI繊維等が使用できる。好ましくはアラミド繊維、その中でもメタ系アラミド繊維であることが好ましい。短繊維の添加量は該マトリックスゴム100質量部に対して1.0質量部〜10質量部であることが好ましい。1.0質量部未満の場合は、短繊維の補強効果が不十分で、当該ゴムを使用してベルトを作製した際、高負荷での使用に耐えられない可能性が有り、10質量部を越えると短繊維の列理方向の伸びが低下し、当該ゴムを使用してベルトを作製した際、屈曲性が低下し、早期にクラックが発生する可能性がある。
又、前記ゴム組成物にフェノール樹脂を配合すると、心線との接着力が向上し好ましい。より好ましくは熱硬化性フェノール樹脂を配合すると良い。
又、上記以外にも通常ゴムに配合されるカーボンブラック、炭酸カルシウム、タルクなどの耐摩耗性を向上させる充填財、架橋補助剤、可塑剤、安定剤、加工補助剤、老化防止剤、着色剤などの添加剤を使用目的に応じて配合することは可能である。これらの配合剤を混合する方法も通常用いられる手段、例えばバンバリーミキサやニーダー等を用いて混練する方法が挙げられる。
又、シリカを30〜60質量部配合することによって、前記カーボンブラックは補強剤として配合しなくても十分にシリカが補強剤として機能するので、カーボンブラックは着色剤としてのみ配合することができる。添加量をゴムマトリックス100質量部に対して0〜5質量部添加することで、ベルトを着色でき、さらに、ベルトの加工性も損なわない。
心線4としては、低伸度高強力のロープが用いられ、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、エチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維などの有機繊維や、ガラス繊維などの無機繊維や金属繊維からなる撚成したロープが挙げられる。この心線4は一般にレゾルシン−ホルマリン−ラテックス処理した表面に更にゴム糊などをコーティングしたものも用いられる。
このような接着処理としては繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL液)に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するのが一般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行った後に、RFL液で処理する方法等もある。
RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBR等が挙げられるが、接着ゴム層、背ゴム層の構成原料より水素化ニトリルゴムが好適である。
歯布5は、綿、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アラミド繊維からなるフィラメント状又は紡績糸を用いて、平織、綾織、朱子織等に製織又は製編みした布を使用する。これらはその後、RFL処理にて接着処理して厚みを硬くし、スピニング工程での筒状のベルト帆布のしわの発生を阻止する。RFL処理はRFL液に0.1〜20秒間浸漬した後、100〜200°Cで30〜600秒にて乾燥させる。
このRFL処理で使用するRFL液は、前記心線のそれと同じくレゾルシンとホルマリンの初期縮合物とゴムラテックスとを混合したものであるが、この場合レゾルシンとホルマリンのモル比は1:0.5〜3にすることが接着力を高める上で好適である。また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物は、これをラテックスのゴム分100質量部に対してその樹脂分が10〜100質量部になるようにラテックスと混合した上、全固形物濃度が5〜40%になるように調節される。
尚、RFL液には適宜カーボンブラック液を混合して処理反を黒染めする場合もある。綿織物の場合には、RFL液に公知の界面活性剤を0.1〜13.0質量%加えると良い。
上記ラテックスはスチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、クロロスルフォン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、エビクロルヒドリン、天然ゴム、SBR、クロロプレンゴム、オレフィン−ビニルエステル共重合体等のラテックスであり、先と同じく接着ゴム層、背ゴム層の構成原料との関係で水素化ニトリルゴムが好適である。
又、二輪車駆動用歯付ベルトとしては、図4に示すように前記歯部と背部との間に接着層3を設ける。前記接着層3と心線との接着力としては、150N/25mm〜400N/25mmが好ましい。
接着力が150N/25mmより小さければ高負荷が掛かる二輪車を駆動した場合に心線と接着層とが剥離し、ベルトが早期に破損する。一方、接着力が400N/25mmより小さくなると、ゴムの硬度が高くなり、屈曲性が低下するという問題がある。
接着ゴム層3のゴム組成物については、耐熱性と耐油性を備えた水素化ニトリルゴムや、クロロプレンゴム、CSM、不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴム等を使用することができる。この場合、上記の心線との接着力を満たすゴム配合が選択される。
又、二輪車駆動用歯付ベルトとして使用する歯布5は、前記繊維織物として、少なくとも2種類の緯糸と1種類の経糸とが織成された多重織(2重織)構造のものを採用することもできる。この場合、経糸をナイロン繊維とし、緯糸にはフッ素系繊維、ナイロン繊維、及びウレタン弾性糸を使用することが好ましい。又、緯糸のうちの、少なくとも歯布5の表面側(歯付プーリとのかみ合い側)に位置する(露出する)緯糸としては、歯布5と歯付プーリとの間の摩擦を低減するために、摩擦係数が低いフッ素系繊維(例えばPTFE繊維)を使用することが好ましい。一方、歯布5の歯部6との接着側に位置する緯糸には、フッ素系繊維以外の繊維(ナイロン繊維やウレタン弾性糸)を使用することで、歯布5と歯部6を構成するゴムの接着力を高めることが可能となる。
この歯布5は、以下のような工程を含む一連の接着処理を経て、歯部6を構成するゴムに接着される。
(1)歯布5を構成する繊維織物を、レゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス処理液(以下、RFL処理液という)に含浸し、乾燥させる。
ここで、前記RFL処理液には、硫黄化合物の水分散物、キノンオキシム系化合物、メタアクリレート系化合物、マレイミド系化合物、のうち少なくとも一つの加硫助剤も又は、これらの加硫助剤を水に分散させたものを添加することが好ましい。
硫黄化合物の水分散物としては、例えば、硫黄の水分散物やテトラメチルチウラムジスルフィドなどが採用され得る。キノンオキシム系化合物としては、例えば、p−キノンジオキシムなどが採用され得る。メタアクリレート系化合物としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレートなどが採用され得る。マレイミド系化合物としては、例えばN,N´−m−フェニレンビスマレイミドやN,N´−(4,4´−ジフェニルメタンビスマレイミド)などが採用され得る。
尚、上述した「当該加硫助剤を水に分散させたもの」における「水」は、例えばアルコールなどのメタノールを若干程度含むものであってもよい。これによれば、「当該加硫助剤が水に対して不溶性の場合であっても、「当該加硫助剤」の水に対する親和性が向上して「当該加硫助剤」が分散し易くなる。
このように、RFL処理液に加硫助剤を添加することで以下の効果が期待される。即ち、RFL処理液中に含まれるゴムラテックス成分と外層ゴム(後記(2)のゴム糊処理や(3)のCoat処理で形成されるゴム糊又は圧延ゴムを意味する。Coat処理が省略される場合は歯部2を構成するゴムを意味する。)との層間の化学的結合力が強化されることで、接着性が向上し、歯布5の剥離が抑制される。更に期待される効果として、RFL処理液中に含まれるゴムラテックス成分自身の化学的結合力(架橋の力)が強化され、その結果、接着層の凝集破壊による剥離(即ち、層間剥離)よりも、接着対象である上記外層ゴムの破壊による剥離が先行すると考えられる。
又、RFL処理液に加硫助剤を添加することで以下の効果が期待される。即ち、RFL処理液中に含まれるゴムラテックス成分と外層ゴム(後記(2)のゴム糊処理や(3)のCoat処理で形成されるゴム糊又は圧延ゴムを意味する。Coat処理が省略される場合は歯部6を構成するゴムを意味する。)との層間の化学的結合力が強化されることで、接着性が向上し、歯布5の剥離が抑制される。更に期待される効果として、RFL処理液中に含まれるゴムラテックス成分自身の化学的結合力(架橋の力)が強化され、その結果、接着層の凝集破壊による剥離(即ち、層間剥離)よりも、接着対象である上記外層ゴムの破壊による剥離が先行すると考えられる。
又、RFL処理液に加硫助剤を添加する場合、繊維織物の含浸処理を2回に分けて実行してもよい。この場合、まず、1回目のRFL含浸処理においては、RFL処理液には、前述した何れの加硫助剤も添加しないこととする。これは、1回目の処理工程においては、ゴムラテックス成分の架橋よりもRFの熱硬化を優先するためである。
一方、2回目のRFL含浸処理においては、1回目のRFL処理液と比較してゴムラテックス成分を多く含み、硫黄化合物の水分散物、キノンオキシム系化合物、メタアクリレート系化合物、マレイミド系化合物、のうち少なくとも一つの加硫助剤、又は、加硫助剤を水に分散させたものを添加したRFL処理液を使用する。尚、1回目の含浸処理と2回目の含浸処理とで、RFL処理液のゴムラテックス成分の割合に差を設けるのは、親和性の異なる繊維とゴムの両方に対する、RFL層の接着性を高める為である。
(2)繊維織物に、ゴム組成物を溶剤に溶かしたゴム糊からなる接着処理剤を付着させた後にベーキング処理する、2種類のゴム糊処理(P1処理、S1処理)を行う。
(3)繊維織物の表面に、ゴム糊と圧延ゴムとをこの順にコーティングする。本工程は、Coat処理とも称される。「この順に」とあるのは、詳細には「繊維織物から歯部6へ向かって、この順に」を意味する。ここで、RFL処理液に加硫助剤を添加した場合には、このCoat処理で使用するゴム糊と圧延ゴムにも、RFL処理液に添加した加硫助剤と同一の加硫助剤を添加することが好ましい。これにより、(a)RFL処理液で処理された繊維織物とゴム糊の間の接着力、(b)RFL処理液で処理された繊維織物と圧延ゴムの間の接着力、(c)RFL処理液で処理された繊維織物と圧延ゴムの間の接着力、(c)RFL処理液で処理された繊維織物とゴム糊と圧延ゴムの間の接着力、の著しい改善が期待される。
尚、上記(1)〜(3)の処理は、全てを行う必要は無く、必要に応じて、いずれか一つ、或いは、2以上の複数を組み合わせて行う。例えば、(1)の処理においてRFL処理液に加硫助剤を添加する場合には、この処理のみで繊維織物とゴム間の接着力がかなり高められることから、(2)のゴム糊処理を省略しても良い。
以上の説明では歯付ベルトに本発明を適用した例を説明したが、ベルトの種類は歯付ベルトに限られるものではなく図2に示すような心線23を埋設した接着ゴム層24と圧縮ゴム26とから構成され、更に上記接着ゴム層24及び圧縮ゴム層26の各表面層にゴム付帆布22を積層したカットエッジタイプのVベルト21や図示はしないがVリブドベルト等のベルト、又ベルトの用途についても動力伝動用、搬送用と様々なベルトに適用することができるものである。もちろん強度の大きさが要求される歯付ベルトの歯ゴムに使用することがより好ましい。
次に表1に示す配合でゴムを混練りして各ゴムシートを作成し、その物性を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2008291205
Figure 2008291205
次に、自動二輪車用ベルトの配合として表3に示す配合でゴムを混練りして各ゴムシートを作成し、その物性を作成した。その結果を表4に示す。
又、歯数132歯、歯ピッチ13mm、ベルト幅20mmの歯付ベルトを作成し、図3に示すようなレイアウトにて第一走行試験を行った。第一走行試験の結果を表4に示す。
さらに、JISK6258に従って、実施例1から3のベルト、及び実施例10〜13のベルト、比較例2のベルトを100°CのIRM#903浸漬液に7日間浸漬し、体積変化率を測定した。その結果を表3に示す。さらに浸漬後のこれらのベルトを図3に示すレイアウトによって、雰囲気温度23°Cにて、ベルト幅1mm幅当たり15kgfという高負荷での第二走行試験を実施した。その結果を表3に示す。
Figure 2008291205
表2の結果からわかるように、実施例は比較例と比べて引裂き強さは大きくなっている。又、熱可塑性フェノール樹脂を配合した実施例2、実施例4、及び実施例6は比較例と比べてアラミド心線との接着力が大きく向上している。又、表3から、実施例1、実施例3、及び実施例4と比較例を比べると長寿命であることがわかる。とりわけ実施例1及び実施例4は500時間走行可能となった。
さらに、アクリロニトリル含有量が水素化ニトリルゴム100質量部に対して40質量部以上である実施例10、11、13は、アクリロニトリル含有量が40未満のベルトに比べて、油中での膨潤後に第二走行試験をすると、長時間の寿命を維持していた。
次に、自動二輪車用ベルトの配合として表4に示す配合でゴムを混練りしてH14M130歯20mm幅の歯付ベルトを作製し、歯ゴムの物性を測定した。その結果を表5に示す。
又、歯ゴムのせん断変形を変形が1mmのときの応力を調べた。測定方法は、JASOE110:2000に準じた。そのときの結果は、表7に示す。
Figure 2008291205
Figure 2008291205
次に、自動二輪車駆動用エンジンに対応した第三走行試験を行った。歯付ベルトは、ベルト歯がH14Mの丸歯タイプの歯で、ベルト歯数130歯、ベルト幅20mmのベルトを使用した。このとき、歯部及び背部は、表4に示すベルト内で同じゴム配合を用い、接着層としては表6に示す配合のゴムを使用した。ベルト走行試験を行った雰囲気温度は室温で、図5に示すようなレイアウトにて走行試験を行った。その結果を表7に示す。又、図5の駆動側プーリから従動側プーリへ30cm離れ、駆動側プーリから軸方向へ30cm離れた位置で音圧の測定を行った。その結果も表7に示す。
Figure 2008291205
Figure 2008291205
実施例14から26は、第三走行試験では全て500時間走行可能となった。実施例27及び28は実施例14〜26と比べてやや寿命が短くなったが、480時間は走行した。
一方、比較例2、4、5のベルトは24時間で歯欠けが発生し、短寿命となった。
本発明は、Vベルト、Vリブドベルト、歯付ベルト等の伝達力向上及び伝達力を向上させたときの加工性の維持等に利用可能である。
本発明のベルトの一例を示す歯付ベルトの斜視図である。 本発明の別の例であるカットエッジタイプのベルトの断面図である。 第一及び第二走行試験のレイアウトを示す概念図である。 本発明の二輪車駆動用歯付ベルトの一例を示す斜視図である。 第三走行試験のレイアウトを示す概念図である。
符号の説明
1 歯付ベルト
2 背ゴム
3 接着ゴム
4 心線
5 歯布
6 歯ゴム
21 Vベルト
31 ベルト
32 駆動側プーリ(Drプーリ)
33 従動側プーリ(Dnプーリ)

Claims (24)

  1. 不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムを主成分とした伝動若しくは搬送に用いられるベルト用ゴム組成物において、不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対してシリカを20〜80質量部添加し、有機過酸化物を0.2〜10質量部添加し、さらに耐熱性短繊維を添加したことを特徴とするベルト用ゴム組成物。
  2. 前記耐熱性短繊維が、アクリル酸化繊維、アラミド繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、PPS繊維、PBI繊維の中から、少なくとも一つ選ばれてなる請求項1に記載のベルト用ゴム組成物。
  3. 前記アラミド繊維がメタ系アラミド繊維である請求項2に記載のベルト用ゴム組成物。
  4. 前記耐熱性短繊維を1.0質量部〜10質量部添加する請求項1から3のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物。
  5. マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素化ニトリルゴムを7:3〜1:9の割合で混合したものである請求項1から4のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物。
  6. シリカの配合量が30〜60質量部である請求項1から5のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物。
  7. 前記ゴム組成物にフェノール樹脂を配合した請求項1から6のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物。
  8. 前記ベルト用ゴム組成物が歯付ベルトの歯ゴムに使用される請求項1から7のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物。
  9. 前記水素化ニトリルゴムのアクリロニトリル含有量が分布の中心値で水素化ニトリルゴム100質量部のうち40〜50質量部含まれる請求項1から8のいずれかに記載のベルト用ゴム組成物。
  10. 不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムを主成分とした伝動若しくは搬送用途に用いられるベルトにおいて、不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対してシリカを20〜80質量部添加し、さらに耐熱性短繊維を含み、有機過酸化物により架橋したゴムからなることを特徴とするゴムベルト。
  11. 前記耐熱性短繊維が、アクリル酸化繊維、アラミド繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、PPS繊維、PBI繊維の中から、少なくとも一つ選ばれてなる請求項10に記載のゴムベルト。
  12. 前記アラミド繊維がメタ系アラミド繊維である請求項11に記載のゴムベルト。
  13. 前記耐熱性短繊維1.0質量部〜10質量部添加する請求項10から12のいずれかに記載のゴムベルト。
  14. マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリゴムと水素化ニトリルゴムとを7:3〜1:9の割合で混合したものである請求項10から13のいずれかに記載のゴムベルト。
  15. シリカの添加量が30〜60質量部である請求項10から14のいずれかに記載のゴムベルト。
  16. 前記マトリックスゴムにフェノール樹脂を添加した請求項10から15のいずれかに記載のゴムベルト。
  17. 前記ゴムベルトが歯付ベルトである請求項10から16のいずれかに記載のゴムベルト。
  18. 前記水素化ニトリルゴムのアクリロニトリル含有量が分布の中心値で水素化ニトリルゴム100質量部のうち40〜50質量部含まれる請求項10から17に記載のゴムベルト。
  19. ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部と、心線が埋設された背部と、前記歯部と前記背部との間に設けられた接着層と、前記複数の歯部を被覆する歯布と、を備え、少なくとも前記歯部が不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムをマトリックスゴムとし、該マトリックスゴム100質量部に対して補強材としてシリカを30〜60質量部、着色材としてのカーボンブラックを0〜5質量部添加したゴム組成物からなることを特徴とする自動二輪車駆動用歯付ベルト。
  20. 前記ゴム組成物にさらに有機過酸化物を0.2〜10質量部、耐熱性短繊維を1.0質量部〜10質量部添加する請求項19に記載の自動二輪車駆動用歯付ベルト。
  21. 前記耐熱性短繊維がメタ系アラミド繊維である請求項20に記載の自動二輪車駆動用歯付ベルト。
  22. 前記マトリックスゴムは不飽和カルボン酸金属塩を含有した水素化ニトリルゴムと水素化ニトリルゴムを7:3〜1:9の割合で混合したものである請求項19から21のいずれかに記載の自動二輪車駆動用歯付ベルト。
  23. ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部と、心線が埋設された背部と、前記複数の歯部を被覆する歯布と、を備え、少なくとも前記歯部を構成するゴムが、1mmせん断変形させるのに20mm幅当たり500Nから1000Nの力が必要であることを特徴とする自動二輪車駆動用歯付ベルト。
  24. 前記心線と前記接着層との接着力が150N/25mm〜400N/25mmである請求項23に記載の自動二輪車駆動用歯付ベルト。
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