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JP2003206322A - アルカリ可溶型ビニル系重合体 - Google Patents

アルカリ可溶型ビニル系重合体

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Publication number
JP2003206322A
JP2003206322A JP2002006267A JP2002006267A JP2003206322A JP 2003206322 A JP2003206322 A JP 2003206322A JP 2002006267 A JP2002006267 A JP 2002006267A JP 2002006267 A JP2002006267 A JP 2002006267A JP 2003206322 A JP2003206322 A JP 2003206322A
Authority
JP
Japan
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mass
parts
alkali
vinyl polymer
mpa
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002006267A
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English (en)
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JP2003206322A5 (ja
Inventor
Koji Terada
浩二 寺田
Yasutaka Doi
康敬 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2002006267A priority Critical patent/JP2003206322A/ja
Publication of JP2003206322A publication Critical patent/JP2003206322A/ja
Publication of JP2003206322A5 publication Critical patent/JP2003206322A5/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性に優れるとともに、アルカリ現像
型感光性樹脂組成物用のバインダー樹脂として好適に使
用できるアルカリ可溶型ビニル系重合体の提供。 【解決手段】 酸基含有ビニル系単量体及びアクリル酸
エステル単量体を構成成分とする共重合体であって、該
共重合体中に残存する重合開始剤の含有量が20ppm
以下であり、かつ残存するアクリル酸エステル類の含有
量が1000ppm以下であるアルカリ可溶型ビニル系
重合体。反応系内のゲージ圧力が0.1MPa以上とす
ることによって得られる、上述のアルカリ可溶型ビニル
系重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯蔵安定性に優れ
るとともに、アルカリ現像型感光性樹脂組成物用のバイ
ンダー樹脂として好適に使用できる、アルカリ可溶型ビ
ニル系重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の作製には、バインダー
樹脂、架橋剤、光重合性開始剤、熱重合禁止剤、染料、
溶剤等から構成される感光性樹脂組成物が広く使用され
ている。この感光性樹脂組成物としては、未露光部を有
機溶剤で溶解(現像)する溶剤現像型と、アルカリ水溶
液で現像するアルカリ現像型が知られているが、近年で
は環境への影響及び製造コストの有利さなどからアルカ
リ現像型が主流となっている。アルカリ現像型の感光性
樹脂組成物には、酸基を含有したアルカリ可溶型ビニル
系重合体がバインダー樹脂として多く使用されている。
【0003】感光性樹脂組成物においては、バインダー樹脂
中に残存する未反応の単量体や重合開始剤が、貯蔵安定
性や臭気の悪化の原因となるばかりでなく、感光性樹脂
組成物の光硬化を阻害する恐れがあるため、これらの残
存量は極力低減しておく必要がある。残存する未反応の
単量体を減少させる方法としては、反応終期に多量の重
合開始剤を用いて重合率を向上させる方法や蒸留により
取り除く方法、また、酸基あるいはアルカリ性基含有単
量体の場合には、イオン交換樹脂と接触させる方法、あ
るいは懸濁重合法にて製造する場合には水溶性の物質に
転化し、脱水・洗浄の際に排出する方法等が知られてい
る。また、残存する重合開始剤を減少させる方法として
は、反応温度の上昇や反応時間の長期化により熱分解を
完結させる方法や、分解を促進させる物質を添加する方
法等が知られている。例えば、特許第3193905号
公報には、重合終期において系の温度を上げることによ
って、重合率の向上及び重合開始剤の熱分解を促進し、
残存する単量体及び重合開始剤を低減させるとともに、
得られた樹脂溶液をアニオン交換樹脂と接触させること
によって、酸基含有単量体量を低減させることが提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、該公報に記載
されている樹脂溶液は、依然として単量体の残存量が多
く(3000ppm以上)、これを感光性樹脂組成物用
のバインダー樹脂として使用した場合は充分な貯蔵安定
性を得ることが困難であった。また、該公報に記載の製
造方法では、分子量分布の狭い樹脂を得ることが困難で
あるため、これを感光性樹脂組成物のバインダー樹脂と
して使用した場合は、充分な解像度が得られない傾向に
あった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、重合開始剤の含有量及びアクリル酸エステル類
の含有量が特定範囲であるアルカリ可溶型ビニル系重合
体が、貯蔵安定性に優れ、アルカリ現像型感光性樹脂組
成物用のバインダー樹脂として好適に使用できることを
見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、酸基含有ビニル系単量体
及びアクリル酸エステル単量体を構成成分とする共重合
体であって、該共重合体中に残存する重合開始剤の含有
量が20ppm以下であり、かつ残存するアクリル酸エ
ステル類の含有量が1000ppm以下であるアルカリ
可溶型ビニル系重合体に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のアルカリ可溶型ビニル系
重合体の構成成分である、酸基含有ビニル系単量体は、
構成成分としての比率が5〜40質量%の範囲であるこ
とが好ましい。これは、酸基含有ビニル系単量体を5質
量%以上使用することによって、本発明の重合体をアル
カリ現像型感光性樹脂組成物用のバインダー樹脂として
使用した場合における、現像液及び剥離液等のアルカリ
水溶液に対する溶解性、剥離性が良好となる傾向にある
ためである。より好ましくは10質量%以上である。ま
た、40質量%以下とすることによって、硬化塗膜の耐
水性が良好となる傾向にあるためである。より好ましく
は30質量%以下である。
【0008】本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体の構成
成分として使用される酸基含有ビニル系単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル
酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒド
ロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
テトラヒドロフタル酸、5−メチル−2−(メタ)アク
リロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アク
リロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルシュウ酸、2−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルシュウ酸、クロトン酸、フマル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、ソルビン酸等のカルボキシル基含有
ビニル系単量体等を挙げることができる。これらは1種
以上を適宜選択して使用することができるが、中でも他
のビニル系単量体との共重合性が良好であるという点か
ら、(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0009】本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体の構成
成分である、アクリル酸エステル単量体は、構成成分と
しての比率が1〜50質量%の範囲であることが好まし
い。これは、アクリル酸エステル単量体を1質量%以上
使用することによって、本発明の重合体をアルカリ現像
型感光性樹脂組成物用のバインダー樹脂として使用した
場合における、塗膜の柔軟性や、基板との密着性が良好
となる傾向にあるためである。より好ましくは5質量%
以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。
また、50質量%以下とすることによって、重合体の製
造時における重合速度が向上するとともに重合発熱が緩
和する傾向にあり、さらに、懸濁重合により製造する場
合において、得られる粒状ビニル系重合体の二次凝集が
防止される傾向にあるためである。より好ましくは40
質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下で
ある。
【0010】本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体の構成
成分として使用されるアクリル酸エステル単量体として
は、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレー
ト、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ラウリル
アクリレート、n−ステアリルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート等のアルキルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、
4−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキシヘ
キシルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレー
ト、ジアセトンアクリレート、アセトニルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセ
テート、アセトアセトキシエチルアクリレート、ブタン
ジオール−1,4−アクリレート−アセチルアセテート
等のカルボニル基含有アクリレート、グリシジルアクリ
レート等のエポキシ基含有アクリレート等を挙げること
ができる。これらは1種以上を適宜選択して使用するこ
とができるが、中でも他のビニル系単量体との共重合性
が良好であるという点から、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチル
アクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチ
ルアクリレートが好ましい。
【0011】本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体の構成
成分としては、上述の酸基含有ビニル系単量体やアクリ
ル酸エステル単量体以外の共重合性ビニル系単量体を必
要に応じて適宜選択して使用することができる。例え
ば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、
sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリ
ルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
ト、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド、N−ブチルマレイミド等のマレイミド誘導体、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6
−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等のヒドロキシア
ルキルメタクリレート、アクロレイン、ジアセトンアク
リルアミド、ホルミルスチロール、ビニルアルキルケト
ン、(メタ)アクリルアミドピバリンアルデヒド、ジア
セトンメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタク
リレート、アクリルアミドメチルアニスアルデヒド等の
アルデヒド基又はカルボニル基含有ビニル系単量体、
(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単量体、
アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート
等のエポキシ基含有ビニル系単量体、スチレン、α−メ
チルスチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニト
リル等のニトリル基含有ビニル系単量体等が挙げること
ができる。
【0012】本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体中に残
存する重合開始剤の含有量は、20ppm以下であるこ
とが必要である。これは20ppm以下とすることによ
って、該重合体溶液の貯蔵安定性が良好となり、粘度上
昇や着色が抑制され、感光性樹脂組成物のバインダー樹
脂として好適に使用することができるためである。より
好ましくは10ppm以下である。
【0013】また、本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体
中に残存するアクリル酸エステル単量体単位の含有量
は、1000ppm以下であることが必要である。これ
は1000ppm以下とすることによって、該重合体溶
液の貯蔵安定性が良好になり、感光性樹脂組成物のバイ
ンダー樹脂として好適に使用することができ、さらに、
本発明の重合体を懸濁重合により製造する場合におい
て、得られる粒状ビニル系重合体の二次凝集が防止され
る傾向にあるためである。より好ましくは500ppm
以下である。
【0014】本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体の分子
量分布(Mw/Mn)は、4以下であることが好まし
い。これはMw/Mnを4以下とすることによって、低
分子領域の割合が減少するため、これをバインダー樹脂
として使用した硬化塗膜の耐水性が向上するとともに、
分子量の違いによるアルカリ現像液に対する溶解性の差
異が低減される傾向にあり、優れた解像度が得られる傾
向にあるためである。より好ましくは3以下である。
【0015】本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体の重合
平均分子量(Mw)は、20000〜200000の範
囲であることが好ましい。これはMwを20000以上
とすることによって、これをバインダー樹脂として含有
する感光性樹脂組成物の硬化塗膜の耐水性及び強度が向
上し、プリント配線板用途に好適に使用できる傾向にあ
るためである。より好ましくは40000以上である。
また、Mwを200000以下とすることによって、基
板との密着性や未硬化部のアルカリ溶解性が良好になる
とともに、分子量分布(Mw/Mn)が比較的単分散化
し易くなる傾向にあるためである。より好ましくは15
0000以下である。
【0016】本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体は、懸
濁重合法や溶液重合法等によって製造することができ
る。また、本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体の製
造条件は、特に限定されるものではなく、必要に応じて
連鎖移動剤等を添加することもできるが、製造時におけ
る反応系内のゲージ圧力を0.1MPa以上とするのが
好ましく、10時間半減期温度が60〜120℃の範囲
である重合開始剤の中から、重合終期の後処理温度にお
ける半減期が10〜35分の範囲であるものを使用し、
後処理時間を半減期の6〜10倍にすることが好まし
い。
【0017】これはゲージ圧力を0.1MPa以上とするこ
とで、系内の温度を常圧での沸点以上に上昇させること
ができ、開始剤の分解及び単量体の重合反応をより促進
させ、重合体中に残存する開始剤及び単量体量を著しく
低減させることができるためであり、重合反応の何れの
段階においても系内の圧力を上げることができる。より
好ましくは0.15MPa以上である。
【0018】また、重合開始剤の10時間半減期温度を60
℃以上とすることによって、重合開始剤の低温時での分
解が抑制され、重合体中のアクリル酸エステル類の残存
量を効果的に低減させることができるとともに、重合開
始剤の取り扱いが容易となる傾向にあるためである。よ
り好ましくは、65℃以上である。また、120℃以下
とすることによって、残存するアクリル酸エステル類の
低減に有効な反応温度である100〜150℃の範囲に
おいて、比較的短時間の内に残存開始剤量を低減させる
ことができる傾向にあるためである。より好ましくは1
10℃以下である。
【0019】また、重合終期の後処理温度における半減期を
10分以上とすることで、開始剤の急激な分解を抑制
し、開始剤効率を向上させるとともに極度の発熱を抑制
することができるためである。また、35分以下とする
ことで、残存するアクリル酸エステル類を効率良く低減
させることができるとともに、比較的短時間の内に残存
開始剤量を低減させることができるためである。より好
ましくは、15〜25分の範囲である。
【0020】本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体の製造
時に使用できる、10時間半減期温度が60〜120℃
の範囲内である重合開始剤としては、例えば、1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキ
サノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペ
ルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペル
オキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキ
シ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ2
−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブ
チレート、t−ブチルペルオキシマレイン酸、t−アミ
ルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
t−ブチルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノ
エート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ヘキシ
ルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシアセ
テート、t−ブチルペルオキシm−トルオイルベンゾエ
ート、t−ブチルペルオキシベンゾエート等のペルオキ
シエステル類、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモ
ノカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルモ
ノカーボネート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキ
シルモノカーボネート等のペルオキシモノカーボネート
類、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオ
キシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオ
キシド、ステアロイルペルオキシド、コハク酸ペルオキ
シド、m−トルオイルペルオキシド、ベンゾイルペルオ
キシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド等のジアシ
ルペルオキシド類、ジクミルペルオキシド、t−ブチル
クミルペルオキシド等のジアルキルペルオキシド類等が
挙げられる。これらの中から重合終期の後処理温度にお
ける半減期が10〜35分の範囲であるものを1種以上
必要に応じて適宜選択して使用することができるが、中
でも開始剤効率が高く、残存するアクリル酸エステル類
の低減に有効であるという点から、ペルオキシエステル
類及びペルオキシモノカーボネート類が好ましい。より
好ましくは、アルキルペルオキシ2−エチルヘキサノエ
ート類及びアルキルペルオキシ2−エチルヘキシルモノ
カーボネート類である。
【0021】
【実施例】本発明を実施例により詳細に説明する。ま
た、実施例における性能の評価は、以下に示す方法を用
いて行った。 (1)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/
Mn) GPC[東ソー製 HLC−8120]を用いて測定
し、標準ポリスチレン換算にて算出した。
【0022】(2)残存単量体量 GC[ヒューレットパッカード製 5890 SERI
ESII]を用いて測定した。
【0023】(3)残存開始剤量 以下の式により開始剤分解速度(k)を求め、残存開始
剤量を算出した。 k=A・exp(−E/RT) A:頻度因子 E:活性化エネルギー R:気体定数 T:絶対温度
【0024】(4)粘度 JIS K 5400 回転粘度計法に準拠した。
【0025】(5)貯蔵安定性 得られたビニル系重合体を有機溶剤で溶解あるいは希釈
し、粘度が300〜1000mPa・sとなるポリマー
溶液を調製し、粘度ηを測定した。次に当該溶液を4
0℃の恒温槽で1週間保持した後、粘度ηを測定し
た。粘度上昇率(η−η)/η×100 を求
め、下記の基準により貯蔵安定性を判定した。 (判定基準) 粘度上昇率(%) 貯蔵安定性 5.0未満 良好 5.0以上 7.5未満 概ね良好 7.5以上10.0未満 やや不良 10.0以上 不良
【0026】(実施例1)加熱、冷却、密閉が可能な反応容
器中に脱イオン水170質量部とポリビニルアルコール
(ケン化度80%、重合度1,700)0.6質量部を
加え攪拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した
後、一度攪拌を停止し、メチルメタクリレート46質量
部、n−ブチルアクリレート29質量部、メタクリル酸
25質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.5質量
部、t−ブチルペルオキシベンゾエート(10時間半減
期温度 104℃)0.2質量部及びn−ドデシルメル
カプタン0.55質量部を加えて攪拌し、75℃に昇温
して1時間維持した後、反応容器を密閉し、系内のゲー
ジ圧力が0.40MPaとなるまで窒素加圧し、重合発
熱の最大値を確認した後、140℃に昇温して1.5時
間維持して反応を終了させた。得られた水性懸濁液を目
開き45μmのナイロン製濾過布により濾過し、脱イオ
ン水で洗浄した後、脱水し、40℃で16時間乾燥して
粒状ビニル系重合体を得た。得られたビニル系重合体は
Mw78,400、Mw/Mn=1.93、残存開始剤
量9ppm、残存アクリル酸エステル類350ppm、
30質量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶
液の粘度は744mPa・s、40℃の恒温槽で1週間
保持後の当該溶液粘度は769mPa・sであり、粘度
上昇率は3.4%であった。
【0027】(実施例2)加熱、冷却、密閉が可能な反応容
器中に脱イオン水170質量部とポリビニルアルコール
(ケン化度80%、重合度1,700)0.6質量部を
加え攪拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した
後、一度攪拌を停止し、メチルメタクリレート60質量
部、i−ブチルアクリレート10質量部、スチレン5質
量部、メタクリル酸25質量部、アゾビスイソブチロニ
トリル0.5質量部、t−ブチルペルオキシイソプロピ
ルカーボネート(10時間半減期温度 99℃)0.3
質量部及びn−ドデシルメルカプタン0.22質量部を
加えて攪拌し、75℃に昇温して1時間維持した後、反
応容器を密閉し、系内のゲージ圧力が0.30MPaと
なるまで窒素加圧し、重合発熱の最大値を確認した後、
130℃に昇温して2時間維持して反応を終了させた。
得られた水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過
布により濾過し、脱イオン水で洗浄した後、脱水し、4
0℃で16時間乾燥して粒状ビニル系重合体を得た。得
られたビニル系重合体はMw185,700、Mw/M
n=3.33、残存開始剤量16ppm、残存アクリル
酸エステル類490ppm、24質量%メチルエチルケ
トン/エタノール(90/10質量%)溶液の粘度は7
96mPa・s、40℃の恒温槽で1週間保持後の当該
溶液粘度は833mPa・sであり、粘度上昇率は4.
6%であった。
【0028】(実施例3)加熱、冷却、密閉が可能な反応容
器中に脱イオン水170質量部とポリビニルアルコール
(ケン化度80%、重合度1,700)0.6質量部を
加え攪拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した
後、一度攪拌を停止し、メチルメタクリレート29質量
部、n−ブチルメタクリレート25質量部、エチルアク
リレート21質量部、メタクリル酸25質量部、アゾビ
スイソブチロニトリル0.5質量部、t−ブチルペルオ
キシ2−エチルヘキシルカーボネート(10時間半減期
温度 98℃)0.15質量部及びn−ドデシルメルカ
プタン0.6質量部を加えて攪拌し、75℃に昇温して
45分間維持した後、反応容器を密閉し、系内のゲージ
圧力が0.30MPaとなるまで窒素加圧し、重合発熱
の最大値を確認した後、130℃に昇温して1.5時間
維持して反応を終了させた。得られた水性懸濁液を目開
き45μmのナイロン製濾過布により濾過し、脱イオン
水で洗浄した後、脱水し、40℃で16時間乾燥して粒
状ビニル系重合体を得た。得られたビニル系重合体はM
w68,400、Mw/Mn=1.81、残存開始剤量
13ppm、残存アクリル酸エステル類160ppm、
30質量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶
液の粘度は612mPa・s、40℃の恒温槽で1週間
保持後の当該溶液粘度は632mPa・sであり、粘度
上昇率は3.3%であった。
【0029】(実施例4)加熱、冷却、密閉が可能な反応容
器中に脱イオン水170質量部とポリビニルアルコール
(ケン化度80%、重合度1,700)0.6質量部を
加え攪拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した
後、一度攪拌を停止し、メチルメタクリレート48質量
部、t−ブチルアクリレート9質量部、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート20質量部、メタクリル酸23
質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部、t
−ブチルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート(10時間半減期温度 100℃)0.15質量部
及びn−ドデシルメルカプタン1質量部を加えて攪拌
し、75℃に昇温して45分間維持した後、反応容器を
密閉し、系内のゲージ圧力が0.30MPaとなるまで
窒素加圧し、重合発熱の最大値を確認した後、130℃
に昇温して2時間維持して反応を終了させた。得られた
水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布により
濾過し、脱イオン水で洗浄した後、脱水し、40℃で1
6時間乾燥して粒状ビニル系重合体を得た。得られたビ
ニル系重合体はMw45,200、Mw/Mn=1.8
2、残存開始剤量12ppm、残存アクリル酸エステル
類620ppm、30質量%プロピレングリコールモノ
メチルエーテル溶液の粘度は554mPa・s、40℃
の恒温槽で1週間保持後の当該溶液粘度は586mPa
・sであり、粘度上昇率は5.8%であった。
【0030】(実施例5)加熱、冷却、密閉が可能な反応容
器中に脱イオン水200質量部とポリビニルアルコール
(ケン化度80%、重合度1,700)0.6質量部を
加え攪拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した
後、一度攪拌を停止し、メチルメタクリレート38質量
部、n−ブチルアクリレート20質量部、エチルアクリ
レート8質量部、スチレン5質量部、メタクリル酸29
質量部、過酸化ベンゾイル(純度75%)1.5質量
部、t−アミルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキ
サノエート(10時間半減期温度 95℃)0.2質量
部及びα−メチルスチレンダイマー1.3質量部を加え
て攪拌し、85℃に昇温して40分間維持した後、反応
容器を密閉し、系内のゲージ圧力が0.30MPaとな
るまで窒素加圧し、重合発熱の最大値を確認した後、1
25℃に昇温して2時間維持して反応を終了させた。得
られた水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布
により濾過し、脱イオン水で洗浄した後、脱水し、40
℃で16時間乾燥して粒状ビニル系重合体を得た。得ら
れたビニル系重合体はMw51,600、Mw/Mn=
2.10、残存開始剤量16ppm、残存アクリル酸エ
ステル類780ppm、30質量%プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル溶液の粘度は488mPa・s、
40℃の恒温槽で1週間保持後の当該溶液粘度は523
mPa・sであり、粘度上昇率は7.2%であった。
【0031】(実施例6)加温、冷却、密閉が可能な反応容
器中にメチルエチルケトン22.9質量部、イソプロピ
ルアルコール37.1質量部を加え攪拌し、80℃に昇
温し、メチルメタクリレート17質量部、n−ブチルメ
タクリレート10質量部、メチルアクリレート28質量
部、n−ブチルアクリレート15質量部、メタクリル酸
30質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量
部、メチルエチルケトン51.4質量部からなる混合溶
液を3時間で滴下し、2時間維持した後、t−ブチルペ
ルオキシ2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温
度 74℃)2.0質量部を添加し、反応容器を密閉
し、110℃に昇温して1時間維持した後、80℃まで
冷却し、反応容器を開放して、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル74.3質量部を加えて反応を終了さ
せた。反応容器内の最大ゲージ圧は0.18MPaであ
った。得られたビニル系重合体は、Mw80,300、
Mw/Mn=2.62、残存開始剤量7ppm、残存ア
クリル酸エステル類820ppm、35質量%プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル/メチルエチルケトン
/イソプロピルアルコール(40/40/20質量%)
溶液の粘度は971mPa・s、40℃の恒温槽で1週
間保持後の当該溶液粘度は1,038mPa・sであ
り、粘度上昇率は6.9%であった。
【0032】(実施例7)加温、冷却、密閉が可能な反応容
器中にメチルエチルケトン50質量部、n−ブチルアク
リレート4質量部を加え攪拌し、80℃に昇温し、メチ
ルメタクリレート41質量部、n−ブチルメタクリレー
ト25質量部、t−ブチルアクリレート12質量部、メ
タクリル酸15質量部、アクリル酸3質量部、アゾビス
イソブチロニトリル0.7質量部、メチルエチルケトン
53質量部からなる混合溶液を4時間で滴下し、2時間
維持した後、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノ
エート(10時間半減期温度 74℃)2.5質量部を
添加し、反応容器を密閉し、110℃に昇温して1時間
維持した後、80℃まで冷却し、反応容器を開放して、
メチルエチルケトン6質量部、メタノール18.3質量
部を加えて反応を終了させた。反応容器内の最大ゲージ
圧は0.19MPaであった。得られたビニル系重合体
は、Mw45,300、Mw/Mn=1.92、残存開
始剤量11ppm、残存アクリル酸エステル類180p
pm、44質量%メチルエチルケトン/メタノール(8
5.6/14.4質量%)溶液の粘度は811mPa・
s、40℃の恒温槽で1週間保持後の当該溶液粘度は8
36mPa・sであり、粘度上昇率は3.1%であっ
た。
【0033】(実施例8)加温、冷却、密閉が可能な反応容
器中にアセトン50質量部、エチルアクリレート4質量
部を加え、室温にて反応容器を密閉し、攪拌して80℃
に昇温し、メチルメタクリレート35質量部、n−ブチ
ルメタクリレート25質量部、エチルアクリレート15
質量部、メタクリル酸21質量部、アゾビスイソブチロ
ニトリル0.6質量部、アセトン51.8質量部からな
る混合溶液を4時間で滴下し、2時間維持した後、t−
ヘキシルペルオキシ2−エチルヘキサノエート(10時
間半減期温度 70℃)2.5質量部を添加し、105
℃に昇温して1.5時間維持した後、55℃まで冷却
し、反応容器を開放して、メタノール25.5質量部を
加えて反応を終了させた。反応容器内の最大ゲージ圧は
0.35MPaであった。得られたビニル系重合体は、
Mw55,000、Mw/Mn=1.82、残存開始剤
量8ppm、残存アクリル酸エステル類50ppm、4
4質量%アセトン/メタノール(80/20質量%)溶
液の粘度は744mPa・s、40℃の恒温槽で1週間
保持後の当該溶液粘度は759mPa・sであり、粘度
上昇率は2.0%であった。
【0034】(実施例9)加温、冷却、密閉が可能な反応容
器中にアセトン55質量部を加え、室温にて反応容器を
密閉し、攪拌して80℃に昇温し、メチルメタクリレー
ト35質量部、n−ブチルメタクリレート20質量部、
エチルアクリレート25質量部、メタクリル酸20質量
部、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部、アセト
ン30質量部からなる混合溶液を3時間で滴下し、1時
間維持した後、90℃に昇温して、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート
(10時間半減期温度 65℃)3.0質量部、アセト
ン30質量部からなる混合溶液を1時間で滴下し、6時
間維持した後、55℃まで冷却し、反応容器を開放し
て、メタノール20.3質量部を加えて反応を終了させ
た。反応容器内の最大ゲージ圧は0.22MPaであっ
た。得られたビニル系重合体は、Mw89,600、M
w/Mn=2.66、残存開始剤量2ppm、残存アク
リル酸エステル類430ppm、42.5質量%アセト
ン/メタノール(85/15質量%)溶液の粘度は85
3mPa・s、40℃の恒温槽で1週間保持後の当該溶
液粘度は888mPa・sであり、粘度上昇率は4.1
%であった。
【0035】(比較例1)加熱、冷却、密閉が可能な反応容
器中に脱イオン水170質量部とポリビニルアルコール
(ケン化度80%、重合度1,700)0.6質量部を
加え攪拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した
後、一度攪拌を停止し、メチルメタクリレート46質量
部、n−ブチルアクリレート29質量部、メタクリル酸
25質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.5質量
部、ジ−t−ブチルペルオキシド(10時間半減期温度
126℃)0.2質量部及びn−ドデシルメルカプタ
ン0.55質量部を加えて攪拌し、75℃に昇温して1
時間維持した後、反応容器を密閉し、系内のゲージ圧力
が0.40MPaとなるまで窒素加圧し、重合発熱の最
大値を確認した後、145℃に昇温して3時間維持して
反応を終了させた。得られた水性懸濁液を目開き45μ
mのナイロン製濾過布により濾過し、脱イオン水で洗浄
した後、脱水し、40℃で16時間乾燥して粒状ビニル
系重合体を得た。得られたビニル系重合体はMw80,
500、Mw/Mn=1.94、残存開始剤量185p
pm、残存アクリル酸エステル類450ppm、30質
量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液の粘
度は758mPa・s、40℃の恒温槽で1週間保持後
の当該溶液粘度は818mPa・sであり、粘度上昇率
は7.9%であった。
【0036】(比較例2)加熱、冷却が可能な反応容器中に
脱イオン水170質量部とポリビニルアルコール(ケン
化度80%、重合度1,700)0.6質量部を加え攪
拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した後、一度
攪拌を停止し、メチルメタクリレート29質量部、n−
ブチルメタクリレート25質量部、エチルアクリレート
21質量部、メタクリル酸25質量部、アゾビスイソブ
チロニトリル0.5質量部、t−ブチルペルオキシ2−
エチルヘキシルカーボネート(10時間半減期温度 9
8℃)0.15質量部及びn−ドデシルメルカプタン
0.6質量部を加えて攪拌し、75℃に昇温して、重合
発熱の最大値を確認した後、100℃に昇温して5時間
維持して反応を終了させた。得られた水性懸濁液を目開
き45μmのナイロン製濾過布により濾過し、脱イオン
水で洗浄した後、脱水し、40℃で16時間乾燥して粒
状ビニル系重合体を得た。得られたビニル系重合体はM
w65,200、Mw/Mn=4.06、残存開始剤量
938ppm、残存アクリル酸エステル類5,470p
pm、30質量%プロピレングリコールモノメチルエー
テル溶液の粘度は585mPa・s、40℃の恒温槽で
1週間保持後の当該溶液粘度は691mPa・sであ
り、粘度上昇率は18.1%であった。
【0037】(比較例3)加熱、冷却、密閉が可能な反応容
器中に脱イオン水200質量部とポリビニルアルコール
(ケン化度80%、重合度1,700)0.6質量部を
加え攪拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した
後、一度攪拌を停止し、メチルメタクリレート38質量
部、n−ブチルアクリレート20質量部、エチルアクリ
レート8質量部、スチレン5質量部、メタクリル酸29
質量部、過酸化ベンゾイル(純度75%)1.5質量
部、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボ
ニトリル)(10時間半減期温度 88℃)0.2質量
部及びα−メチルスチレンダイマー1.3質量部を加え
て攪拌し、85℃に昇温して40分間維持した後、反応
容器を密閉し、系内のゲージ圧力が0.30MPaとな
るまで窒素加圧し、重合発熱の最大値を確認した後、1
20℃に昇温して2時間維持して反応を終了させた。得
られた水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布
により濾過し、脱イオン水で洗浄した後、脱水し、40
℃で16時間乾燥して粒状ビニル系重合体を得た。得ら
れたビニル系重合体はMw49,800、Mw/Mn=
2.45、残存開始剤量1ppm、残存アクリル酸エス
テル類4,140ppm、30質量%プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル溶液の粘度は470mPa・
s、40℃の恒温槽で1週間保持後の当該溶液粘度は5
26mPa・sであり、粘度上昇率は11.9%であっ
た。
【0038】(比較例4)加温、冷却、密閉が可能な反応容
器中にメチルエチルケトン22.9質量部、イソプロピ
ルアルコール37.1質量部を加え攪拌し、80℃に昇
温し、メチルメタクリレート17質量部、n−ブチルメ
タクリレート10質量部、メチルアクリレート28質量
部、n−ブチルアクリレート15質量部、メタクリル酸
30質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量
部、メチルエチルケトン51.4質量部からなる混合溶
液を3時間で滴下し、2時間維持した後、アゾビスイソ
ブチロニトリル(10時間半減期温度 65℃)1.0
質量部を添加し、反応容器を密閉し、110℃に昇温し
て1時間維持した後、80℃まで冷却し、反応容器を開
放して、プロピレングリコールモノメチルエーテル7
4.3質量部を加えて反応を終了させた。反応容器内の
最大ゲージ圧は0.26MPaであった。得られたビニ
ル系重合体は、Mw78,200、Mw/Mn=2.9
5、残存開始剤量0ppm、残存アクリル酸エステル類
3,110ppm、35質量%プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル/メチルエチルケトン/イソプロピル
アルコール(40/40/20質量%)溶液の粘度は9
43mPa・s、40℃の恒温槽で1週間保持後の当該
溶液粘度は1058mPa・sであり、粘度上昇率は1
2.2%であった。
【0039】(比較例5)加温、冷却が可能な反応容器中に
メチルエチルケトン50質量部、n−ブチルアクリレー
ト4質量部を加え攪拌し、80℃に昇温し、メチルメタ
クリレート41質量部、n−ブチルメタクリレート25
質量部、t−ブチルアクリレート12質量部、メタクリ
ル酸15質量部、アクリル酸3質量部、アゾビスイソブ
チロニトリル0.7質量部、メチルエチルケトン53質
量部からなる混合溶液を4時間で滴下し、2時間維持し
た後、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート
(10時間半減期温度 74℃)1質量部を添加して、
開放系のまま8時間維持した後、メチルエチルケトン6
質量部、メタノール18.3質量部を加えて反応を終了
させた。得られたビニル系重合体は、Mw42,40
0、Mw/Mn=4.19、残存開始剤量1,345p
pm、残存アクリル酸エステル類1,680ppm、4
4質量%メチルエチルケトン/メタノール(85.6/
14.4質量%)溶液の粘度は784mPa・s、40
℃の恒温槽で1週間保持後の当該溶液粘度は904mP
a・sであり、粘度上昇率は15.3%であった。
【0040】(比較例6)加温、冷却、密閉が可能な反応容
器中にアセトン55質量部を加え、室温にて反応容器を
密閉し、攪拌して80℃に昇温し、メチルメタクリレー
ト35質量部、n−ブチルメタクリレート20質量部、
エチルアクリレート25質量部、メタクリル酸20質量
部、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部、アセト
ン30質量部からなる混合溶液を3時間で滴下し、2時
間維持した後、t−ヘキシルペルオキシピバレート(1
0時間半減期温度 53℃)3.0質量部、アセトン3
0質量部からなる混合溶液を1時間で滴下し、3時間維
持した後、55℃まで冷却し、反応容器を開放して、メ
タノール20.3質量部を加えて反応を終了させた。反
応容器内の最大ゲージ圧は0.14MPaであった。得
られたビニル系重合体は、Mw90,500、Mw/M
n=2.65、残存開始剤量13ppm、残存アクリル
酸エステル類1,850ppm、42.5質量%アセト
ン/メタノール(85/15質量%)溶液の粘度は87
2mPa・s、40℃の恒温槽で1週間保持後の当該溶
液粘度は955mPa・sであり、粘度上昇率は9.5
%であった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明のアルカリ可溶型ビニル系重合体
は、貯蔵安定性に優れるとともに、アルカリ現像型感光
性樹脂組成物用のバインダー樹脂として好適に使用でき
るものであり、工業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AB15 CB10 CB13 CB14 CB43 CB52 4J100 AJ01P AJ02P AJ08P AJ09P AL03Q AL04Q AL05Q AL08P AL08Q AL09P AL10P BA03P BA04P BA14P BA16Q BA40P BC04P BC04Q CA04 DA39 FA03 FA29 JA05 JA37

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸基含有ビニル系単量体及びアクリル酸
    エステル単量体を構成成分とする共重合体であって、該
    共重合体中に残存する重合開始剤の含有量が20ppm
    以下であり、かつ残存するアクリル酸エステル類の含有
    量が1000ppm以下であるアルカリ可溶型ビニル系
    重合体。
  2. 【請求項2】 反応系内のゲージ圧力を0.1MPa以
    上とすることによって得られる、請求項1記載のアルカ
    リ可溶型ビニル系重合体。
  3. 【請求項3】 10時間半減期温度が60〜120℃の
    有機過酸化物系開始剤を使用することによって得られ
    る、請求項1又は2記載のアルカリ可溶型ビニル系重合
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010241968A (ja) * 2009-04-07 2010-10-28 Mitsubishi Rayon Co Ltd 焼成ペースト用アクリル樹脂及びその製造方法
WO2019150966A1 (ja) * 2018-02-05 2019-08-08 日本ゼオン株式会社 レジスト組成物およびレジスト膜

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