JP2003086243A - 非水電解液二次電池の製造方法および非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池の製造方法および非水電解液二次電池Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電解液にビニレンカーボネートを溶解させ
て、サイクル特性を向上させても、電池膨れの発生を抑
制できる非水電解液二次電池を提供する。 【解決手段】 本発明の非水電解液二次電池の製造方法
は、非水電解液にビニレンカーボネートを溶解させるビ
ニレンカーボネート溶解工程と、ビニレンカーボネート
が溶解された非水電解液に炭酸ガスを溶存させる炭酸ガ
ス溶存工程と、ビニレンカーボネートが溶解され、かつ
炭酸ガスが溶存した非水電解液を外装缶14内に注液す
る注液工程とを備えるようにしている。これにより、こ
の非水電解液二次電池10を高温で放置しても、これら
の炭酸ガスおよびビニレンカーボネートで形成された被
膜の作用により、電解液に溶解したビニレンカーボネー
トが酸化分解されることを抑制できるようになる。この
結果、非水電解液二次電池10を高温で放置しても、電
池膨れが生じることを防止できるようになる。
て、サイクル特性を向上させても、電池膨れの発生を抑
制できる非水電解液二次電池を提供する。 【解決手段】 本発明の非水電解液二次電池の製造方法
は、非水電解液にビニレンカーボネートを溶解させるビ
ニレンカーボネート溶解工程と、ビニレンカーボネート
が溶解された非水電解液に炭酸ガスを溶存させる炭酸ガ
ス溶存工程と、ビニレンカーボネートが溶解され、かつ
炭酸ガスが溶存した非水電解液を外装缶14内に注液す
る注液工程とを備えるようにしている。これにより、こ
の非水電解液二次電池10を高温で放置しても、これら
の炭酸ガスおよびビニレンカーボネートで形成された被
膜の作用により、電解液に溶解したビニレンカーボネー
トが酸化分解されることを抑制できるようになる。この
結果、非水電解液二次電池10を高温で放置しても、電
池膨れが生じることを防止できるようになる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオンを
挿入・脱離可能な炭素材料からなる負極活物質を含有す
る負極と、リチウムイオンを挿入・脱離可能な正極活物
質を含有する正極と、これらの正極と負極を隔離するセ
パレータと、非水電解液とを外装缶内に備えた非水電解
液二次電池の製造方法、およびこの製造方法により製造
された非水電解液二次電池に関する。
挿入・脱離可能な炭素材料からなる負極活物質を含有す
る負極と、リチウムイオンを挿入・脱離可能な正極活物
質を含有する正極と、これらの正極と負極を隔離するセ
パレータと、非水電解液とを外装缶内に備えた非水電解
液二次電池の製造方法、およびこの製造方法により製造
された非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小型軽量でかつ高容量で充放電可
能な電池としてリチウム二次電池で代表される非水電解
液二次電池が実用化されるようになり、小型ビデオカメ
ラ、携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子・通信機
器等に用いられるようになった。この種のリチウム二次
電池は、負極活物質としてリチウムイオンを挿入・脱離
可能な炭素系材料を用い、正極活物質としてリチウムイ
オンを挿入・脱離可能な、LiCoO2,LiNiO2,
LiMn2O4,LiFeO2等のリチウム含有遷移金属
酸化物を用い、有機溶媒にリチウム塩からなる溶質を溶
解した非水電解液を用いて構成される二次電池である。
能な電池としてリチウム二次電池で代表される非水電解
液二次電池が実用化されるようになり、小型ビデオカメ
ラ、携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子・通信機
器等に用いられるようになった。この種のリチウム二次
電池は、負極活物質としてリチウムイオンを挿入・脱離
可能な炭素系材料を用い、正極活物質としてリチウムイ
オンを挿入・脱離可能な、LiCoO2,LiNiO2,
LiMn2O4,LiFeO2等のリチウム含有遷移金属
酸化物を用い、有機溶媒にリチウム塩からなる溶質を溶
解した非水電解液を用いて構成される二次電池である。
【0003】ところで、このようなリチウム二次電池の
負極に用いられる炭素系材料上では、非水電解液が関与
して、電池特性に悪影響を及ぼす副反応が生じる。この
ため、炭素系材料からなる負極(炭素負極)が有機溶媒
と直接反応しないように、負極表面に被膜を形成すると
ともに、この被膜の形成状態や性質を制御することが重
要な課題になっている。このような負極表面被膜(SE
I:Solid ElectroyteInterface)を制御する技術とし
ては、一般的には、電解液中に特殊な添加剤を添加する
技術が知られている。代表的な添加剤しては、ビニレン
カーボネート(VC:以下ではVCという)が知られて
おり、このVCを有機溶媒にリチウム塩からなる溶質を
溶解した非水電解液に添加して用いるようにしている。
負極に用いられる炭素系材料上では、非水電解液が関与
して、電池特性に悪影響を及ぼす副反応が生じる。この
ため、炭素系材料からなる負極(炭素負極)が有機溶媒
と直接反応しないように、負極表面に被膜を形成すると
ともに、この被膜の形成状態や性質を制御することが重
要な課題になっている。このような負極表面被膜(SE
I:Solid ElectroyteInterface)を制御する技術とし
ては、一般的には、電解液中に特殊な添加剤を添加する
技術が知られている。代表的な添加剤しては、ビニレン
カーボネート(VC:以下ではVCという)が知られて
おり、このVCを有機溶媒にリチウム塩からなる溶質を
溶解した非水電解液に添加して用いるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したVCが添加さ
れた電解液をリチウム二次電池に用いると、炭素負極の
表面にSEIが形成されて、炭素負極上での非水電解液
が関与する副反応が抑制されてサイクル特性が向上す
る。ところが、VCが添加された電解液を用いたリチウ
ム二次電池は、高温保存時に電池膨れが発生するという
問題を生じた。これは、VCが添加された電解液を用い
たリチウム二次電池を高温で放置すると、VCが酸化分
解されて炭酸ガスを発生させ、電池膨れが生じたものと
推測される。特に、この電池膨れの問題は、高エネルギ
ー密度を実現するために、外装缶の厚みを薄くした角形
電池において顕著になる。そして、電池膨れが生じる
と、この電池を収納している電池ケース(保護回路や複
数の電池が収納された電池パックのケース)も膨れて、
電池ケースを装着する電子機器との嵌合が悪くなる等の
不具合を引き起こすようになる。
れた電解液をリチウム二次電池に用いると、炭素負極の
表面にSEIが形成されて、炭素負極上での非水電解液
が関与する副反応が抑制されてサイクル特性が向上す
る。ところが、VCが添加された電解液を用いたリチウ
ム二次電池は、高温保存時に電池膨れが発生するという
問題を生じた。これは、VCが添加された電解液を用い
たリチウム二次電池を高温で放置すると、VCが酸化分
解されて炭酸ガスを発生させ、電池膨れが生じたものと
推測される。特に、この電池膨れの問題は、高エネルギ
ー密度を実現するために、外装缶の厚みを薄くした角形
電池において顕著になる。そして、電池膨れが生じる
と、この電池を収納している電池ケース(保護回路や複
数の電池が収納された電池パックのケース)も膨れて、
電池ケースを装着する電子機器との嵌合が悪くなる等の
不具合を引き起こすようになる。
【0005】そこで、本発明者等は、非水電解液にVC
を添加しても、電池膨れを生じないような抑制手段につ
いて種々検討した結果、このようなVCが添加された非
水電解液に炭酸ガスを溶存させると、電池膨れを抑制で
きるという知見を得た。本発明はこのような知見に基づ
いてなされたものであって、非水電解液にVCを添加し
てサイクル特性を向上させても、電池膨れの発生を抑制
できる非水電解液二次電池の製造方法を提供することを
目的とする。
を添加しても、電池膨れを生じないような抑制手段につ
いて種々検討した結果、このようなVCが添加された非
水電解液に炭酸ガスを溶存させると、電池膨れを抑制で
きるという知見を得た。本発明はこのような知見に基づ
いてなされたものであって、非水電解液にVCを添加し
てサイクル特性を向上させても、電池膨れの発生を抑制
できる非水電解液二次電池の製造方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の非水電解液二次電池の製造方法は、非水電
解液にビニレンカーボネート(VC)を溶解させるビニ
レンカーボネート溶解工程と、VCが溶解された非水電
解液に炭酸ガスを溶存させる炭酸ガス溶存工程と、VC
が溶解され、かつ炭酸ガスが溶存した非水電解液を外装
缶内に注液する注液工程とを備えるようにしている。
め、本発明の非水電解液二次電池の製造方法は、非水電
解液にビニレンカーボネート(VC)を溶解させるビニ
レンカーボネート溶解工程と、VCが溶解された非水電
解液に炭酸ガスを溶存させる炭酸ガス溶存工程と、VC
が溶解され、かつ炭酸ガスが溶存した非水電解液を外装
缶内に注液する注液工程とを備えるようにしている。
【0007】このように、VCが溶解され、かつ炭酸ガ
スが溶存した非水電解液を外装缶内に注液すると、負極
活物質となる炭素材料に炭酸ガスが接触して、負極の表
面に炭酸の皮膜が形成されるようになる。これを充電す
ると、VCにより負極の表面に有機炭酸の被膜が形成さ
れる。すると、この非水電解質電池を高温で保存(放
置)しても、これらの被膜の作用により、VCが酸化分
解されることを抑制できるようになる。この結果、非水
電解液二次電池を高温で保存(放置)しても、電池膨れ
の発生を抑制できるようになる。
スが溶存した非水電解液を外装缶内に注液すると、負極
活物質となる炭素材料に炭酸ガスが接触して、負極の表
面に炭酸の皮膜が形成されるようになる。これを充電す
ると、VCにより負極の表面に有機炭酸の被膜が形成さ
れる。すると、この非水電解質電池を高温で保存(放
置)しても、これらの被膜の作用により、VCが酸化分
解されることを抑制できるようになる。この結果、非水
電解液二次電池を高温で保存(放置)しても、電池膨れ
の発生を抑制できるようになる。
【0008】そして、VCが溶解された非水電解液に炭
酸ガスを溶存させる際には、非水電解液に炭酸ガスが飽
和するまで溶存させるのが望ましい。この場合、VCが
溶解された非水電解液に、常温常圧で炭酸ガスを吹き込
む(バブリングする)ことにより炭酸ガスが飽和するま
で溶存させるのが好ましい。ここで、VCの含有量が非
水電解液の質量に対して5.0質量%を超えると、電池
の初期容量が低下する。逆に、VCの含有量が電解液の
質量に対して0.1質量%より少なくなると、非水電解
液との反応による劣化を防止する効果が減少する。この
ため、非水電解液に溶解したVCの含有量は、非水電解
液の質量に対して0.1〜5.0質量%にするのが望ま
しい。
酸ガスを溶存させる際には、非水電解液に炭酸ガスが飽
和するまで溶存させるのが望ましい。この場合、VCが
溶解された非水電解液に、常温常圧で炭酸ガスを吹き込
む(バブリングする)ことにより炭酸ガスが飽和するま
で溶存させるのが好ましい。ここで、VCの含有量が非
水電解液の質量に対して5.0質量%を超えると、電池
の初期容量が低下する。逆に、VCの含有量が電解液の
質量に対して0.1質量%より少なくなると、非水電解
液との反応による劣化を防止する効果が減少する。この
ため、非水電解液に溶解したVCの含有量は、非水電解
液の質量に対して0.1〜5.0質量%にするのが望ま
しい。
【0009】また、負極を構成する炭素材料としては、
(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下
の炭素材料(黒鉛)であると、初期放電容量が大きく
て、サイクル特性に優れ、かつ高温保存時の電池膨れの
少ない非水電解液二次電池が得られることが実験により
明らかになった。このため、負極を構成する炭素材料と
しては、(002)面の面間隔(d002)が0.340
nm以下の黒鉛を用いるのが好ましいということができ
る。なお、本発明は、正極活物質あるいは非水電解液の
種類などについては制限することなく使用することがで
きる。例えば、正極活物質としては、マンガン、コバル
ト、ニッケルを少なくとも1種含む金属酸化物、具体的
には、LiCoO2,LiNiO2,LiNi0.8Co0.2
O2,LiMn2O4などが好ましい。
(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下
の炭素材料(黒鉛)であると、初期放電容量が大きく
て、サイクル特性に優れ、かつ高温保存時の電池膨れの
少ない非水電解液二次電池が得られることが実験により
明らかになった。このため、負極を構成する炭素材料と
しては、(002)面の面間隔(d002)が0.340
nm以下の黒鉛を用いるのが好ましいということができ
る。なお、本発明は、正極活物質あるいは非水電解液の
種類などについては制限することなく使用することがで
きる。例えば、正極活物質としては、マンガン、コバル
ト、ニッケルを少なくとも1種含む金属酸化物、具体的
には、LiCoO2,LiNiO2,LiNi0.8Co0.2
O2,LiMn2O4などが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。 1.非水電解液二次電池 図1は本発明による非水電解液二次電池を示しており、
この非水電解液二次電池10は、負極板11と正極板1
2がセパレータ13を介して渦巻状に巻回して、扁平形
状にした電極群を角形の外装缶14内に収納して備えて
いる。この外装缶14の上部開口部は封口体15により
液密に封口されている。そして、負極板11から延出し
た負極リード11aは封口体15に絶縁体15bを介し
てかしめられた端子板15cに接続されている。
明する。 1.非水電解液二次電池 図1は本発明による非水電解液二次電池を示しており、
この非水電解液二次電池10は、負極板11と正極板1
2がセパレータ13を介して渦巻状に巻回して、扁平形
状にした電極群を角形の外装缶14内に収納して備えて
いる。この外装缶14の上部開口部は封口体15により
液密に封口されている。そして、負極板11から延出し
た負極リード11aは封口体15に絶縁体15bを介し
てかしめられた端子板15cに接続されている。
【0011】なお、端子板15cに設けられた透孔から
電解液を注液した後、負極端子15aを端子板15cに
溶接して透孔を塞ぐようになされている。また、電極群
の最外周はアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に
は正極合剤(正極スラリー)を塗布せずに配置されてい
る。この正極集電体の上端部の一部は切り起こされて正
極リード(図示せず)とし、この正極リードを外装缶1
4と封口体15との間に挟み込んで、レーザ溶接により
正極端子を兼ねる外装缶14に接続されている。なお、
電極群と封口体15との間にはスペーサ16が配置され
ていて、このスペーサ16により電極群が外装缶14内
に保持されている。
電解液を注液した後、負極端子15aを端子板15cに
溶接して透孔を塞ぐようになされている。また、電極群
の最外周はアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に
は正極合剤(正極スラリー)を塗布せずに配置されてい
る。この正極集電体の上端部の一部は切り起こされて正
極リード(図示せず)とし、この正極リードを外装缶1
4と封口体15との間に挟み込んで、レーザ溶接により
正極端子を兼ねる外装缶14に接続されている。なお、
電極群と封口体15との間にはスペーサ16が配置され
ていて、このスペーサ16により電極群が外装缶14内
に保持されている。
【0012】ここで、セパレータ13はポリエチレン製
の微多孔膜から形成されている。また、外装缶14はア
ルミニウム合金をプレス加工して角形に成形している。
また、封口体15もアルミニウム合金をプレス加工して
成形し、絶縁体15bを介して負極端子15bを備えて
いる。なお、高エネルギー密度の非水電解液二次電池と
するためには、外装缶14および封口体15の材質はア
ルミニウム合金が好ましいが、これに限定されるもので
はなく、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、マグネ
シウム等や、これらの金属を主体とした合金を電池構成
に応じて適宜用いることができる。この封口体15に
は、図示しない安全弁が設けられていて、電池内にガス
が発生して内圧が上昇すると、発生したガスを電池外に
放出するようになされている。以下では、このように構
成される非水電解液二次電池10の作製手順について、
詳細に説明する。
の微多孔膜から形成されている。また、外装缶14はア
ルミニウム合金をプレス加工して角形に成形している。
また、封口体15もアルミニウム合金をプレス加工して
成形し、絶縁体15bを介して負極端子15bを備えて
いる。なお、高エネルギー密度の非水電解液二次電池と
するためには、外装缶14および封口体15の材質はア
ルミニウム合金が好ましいが、これに限定されるもので
はなく、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、マグネ
シウム等や、これらの金属を主体とした合金を電池構成
に応じて適宜用いることができる。この封口体15に
は、図示しない安全弁が設けられていて、電池内にガス
が発生して内圧が上昇すると、発生したガスを電池外に
放出するようになされている。以下では、このように構
成される非水電解液二次電池10の作製手順について、
詳細に説明する。
【0013】2.非水電解液二次電池の作製
(1)負極板の作製
まず、(002)面の面間隔(d002)が0.336n
mで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が200nm
で平均粒径が20μmの塊状黒鉛(2950℃で焼成し
た人造黒鉛)の粉末を用意した。ついで、この黒鉛粉末
と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴム(SB
R)とのディスパージョン(固形分は48質量%)を水
に分散させた後、増粘剤となるカルボキシメチルセルロ
ース(CMC)を添加、混合して負極スラリーを調製し
た。なお、塊状黒鉛とSBRとCMCとの乾燥後の質量
組成比が塊状黒鉛:SBR:CMC=95:3:2とな
るように調製した。
mで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が200nm
で平均粒径が20μmの塊状黒鉛(2950℃で焼成し
た人造黒鉛)の粉末を用意した。ついで、この黒鉛粉末
と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴム(SB
R)とのディスパージョン(固形分は48質量%)を水
に分散させた後、増粘剤となるカルボキシメチルセルロ
ース(CMC)を添加、混合して負極スラリーを調製し
た。なお、塊状黒鉛とSBRとCMCとの乾燥後の質量
組成比が塊状黒鉛:SBR:CMC=95:3:2とな
るように調製した。
【0014】なお、結着剤としては、スチレン−ブタジ
エンゴム(SBR)に代えて、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和カル
ボン酸エステルを用いてもよい。あるいは、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸
などのエチレン性不飽和カルボン酸を用いてもよい。ま
た、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(C
MC)に代えて、メチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化ス
ターチ、カゼインなどを用いてもよい。
エンゴム(SBR)に代えて、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和カル
ボン酸エステルを用いてもよい。あるいは、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸
などのエチレン性不飽和カルボン酸を用いてもよい。ま
た、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(C
MC)に代えて、メチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化ス
ターチ、カゼインなどを用いてもよい。
【0015】ついで、銅箔からなる負極集電体を用意
し、上述のように作製した負極スラリーをこの負極集電
体の両面に、負極集電体の単位面積当たり100g/m
2をドクターブレード法により塗布して、負極活物質層
を形成した。この後、100℃で2時間真空乾燥させた
後、黒鉛材料の充填密度が1.6g/cm3になるよう
に圧延し、所定の形状に切断して帯状の負極板11を作
製した。なお、負極板11の一端部から延出して負極リ
ード11aが形成されている。
し、上述のように作製した負極スラリーをこの負極集電
体の両面に、負極集電体の単位面積当たり100g/m
2をドクターブレード法により塗布して、負極活物質層
を形成した。この後、100℃で2時間真空乾燥させた
後、黒鉛材料の充填密度が1.6g/cm3になるよう
に圧延し、所定の形状に切断して帯状の負極板11を作
製した。なお、負極板11の一端部から延出して負極リ
ード11aが形成されている。
【0016】(2)正極板の作製
平均粒径5μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)
粉末と導電剤としての人造黒鉛粉末を質量比で9:1の
割合で混合して正極合剤を調製した。この正極合剤と、
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)にポリフッ化ビ
ニリデン(PVdF)を5質量%溶解した結着剤溶液と
を固形分の質量比で95:5となるように混練して、正
極スラリーを調製した。
粉末と導電剤としての人造黒鉛粉末を質量比で9:1の
割合で混合して正極合剤を調製した。この正極合剤と、
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)にポリフッ化ビ
ニリデン(PVdF)を5質量%溶解した結着剤溶液と
を固形分の質量比で95:5となるように混練して、正
極スラリーを調製した。
【0017】ついで、アルミニウム箔からなる正極集電
体を用意し、上述のように作製した正極スラリーを正極
集電体の両面に、正極集電体の単位面積当たり240g
/m 2をドクターブレード法により塗布して、正極合剤
層を形成した。この後、150℃で2時間真空乾燥させ
た後、正極合剤の充填密度が3.2g/cm3になるよ
うに圧延し、所定の形状に切断して帯状の正極板12を
作製した。なお、正極板12においては、巻回時に最外
周に配置される部分には正極スラリーを塗布せず、アル
ミニウム箔を切り起こして正極リード(図示せず)を形
成している。
体を用意し、上述のように作製した正極スラリーを正極
集電体の両面に、正極集電体の単位面積当たり240g
/m 2をドクターブレード法により塗布して、正極合剤
層を形成した。この後、150℃で2時間真空乾燥させ
た後、正極合剤の充填密度が3.2g/cm3になるよ
うに圧延し、所定の形状に切断して帯状の正極板12を
作製した。なお、正極板12においては、巻回時に最外
周に配置される部分には正極スラリーを塗布せず、アル
ミニウム箔を切り起こして正極リード(図示せず)を形
成している。
【0018】(3)電解液の調製
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネ
ート(MEC)からなる混合溶媒(EC:MEC=3
0:70:体積比)にLiPF6を1モル/リットル溶
解して有機電解液を調製した。このように調製した有機
電解液を電解液xとした。ついで、この電解液xにVC
を所定量添加した。ここで、VCの含有量が、0.05
質量%になるように調製した有機電解液を電解液aと
し、0.1質量%になるように調製した有機電解液を電
解液bとし、1.0質量%になるように調製した有機電
解液を電解液cとし、5.0質量%になるように調製し
た有機電解液を電解液dとし、10.0質量%になるよ
うに調製した有機電解液を電解液eとした。
ート(MEC)からなる混合溶媒(EC:MEC=3
0:70:体積比)にLiPF6を1モル/リットル溶
解して有機電解液を調製した。このように調製した有機
電解液を電解液xとした。ついで、この電解液xにVC
を所定量添加した。ここで、VCの含有量が、0.05
質量%になるように調製した有機電解液を電解液aと
し、0.1質量%になるように調製した有機電解液を電
解液bとし、1.0質量%になるように調製した有機電
解液を電解液cとし、5.0質量%になるように調製し
た有機電解液を電解液dとし、10.0質量%になるよ
うに調製した有機電解液を電解液eとした。
【0019】一方、充分に乾燥、脱水処理を施した炭酸
ガス(CO2)を用意し、この炭酸ガスを室温常圧下
で、上述の電解液xに吹き込む(これをバブリングとい
う)ことにより、電解液x中に炭酸ガスが飽和するまで
溶解させた有機電解液を調製した。このように調製した
有機電解液を電解液yとした。同様に、上述の電解液a
中に炭酸ガスが飽和するまで溶解させて調製した有機電
解液を電解液fとし、上述の電解液b中に炭酸ガスが飽
和するまで溶解させて調製した有機電解液を電解液gと
し、上述の電解液c中に炭酸ガスが飽和するまで溶解さ
せて調製した有機電解液を電解液hとし、上述の電解液
d中に炭酸ガスが飽和するまで溶解させて調製した有機
電解液を電解液iとし、上述の電解液e中に炭酸ガスが
飽和するまで溶解させて調製した有機電解液を電解液j
とした。
ガス(CO2)を用意し、この炭酸ガスを室温常圧下
で、上述の電解液xに吹き込む(これをバブリングとい
う)ことにより、電解液x中に炭酸ガスが飽和するまで
溶解させた有機電解液を調製した。このように調製した
有機電解液を電解液yとした。同様に、上述の電解液a
中に炭酸ガスが飽和するまで溶解させて調製した有機電
解液を電解液fとし、上述の電解液b中に炭酸ガスが飽
和するまで溶解させて調製した有機電解液を電解液gと
し、上述の電解液c中に炭酸ガスが飽和するまで溶解さ
せて調製した有機電解液を電解液hとし、上述の電解液
d中に炭酸ガスが飽和するまで溶解させて調製した有機
電解液を電解液iとし、上述の電解液e中に炭酸ガスが
飽和するまで溶解させて調製した有機電解液を電解液j
とした。
【0020】なお、有機電解液の溶媒としては、エチレ
ンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート
(MEC)からなる混合溶媒に代えて、ジエチルカーボ
ネート(DEC)、プロピレンカーボネート、ブチレン
カーボネート、ビニレンカーボネート、シクロペンタノ
ン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメ
チルスルホラン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン
−2−オン、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネー
ト、ブチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボ
ネート、ブチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボ
ネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、酢酸メチル、酢酸エチルなどの単体、2成分混合
物あるいは3成分混合物を用いてもよい。また、有機電
解液の溶質としては、LiPF6に代えて、LiBF4、
LiCF 3SO3、LiAsF6、LiN(CF3S
O2)2、LiC(CF3SO2)3、LiCF3(CF2)3
SO3などを用いてもよい。
ンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート
(MEC)からなる混合溶媒に代えて、ジエチルカーボ
ネート(DEC)、プロピレンカーボネート、ブチレン
カーボネート、ビニレンカーボネート、シクロペンタノ
ン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメ
チルスルホラン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン
−2−オン、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネー
ト、ブチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボ
ネート、ブチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボ
ネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、酢酸メチル、酢酸エチルなどの単体、2成分混合
物あるいは3成分混合物を用いてもよい。また、有機電
解液の溶質としては、LiPF6に代えて、LiBF4、
LiCF 3SO3、LiAsF6、LiN(CF3S
O2)2、LiC(CF3SO2)3、LiCF3(CF2)3
SO3などを用いてもよい。
【0021】(4)非水電解液二次電池の作製
ついで、上述のようにして作製した負極板11と正極板
12とを用意し、これらの間にポリエチレン製微多孔膜
からなるセパレータ13を介在させて重ね合わせて渦巻
状に巻回した。ついで、これを扁平になるように押しつ
ぶして角柱状の電極群を作製した後、この角柱状の電極
群を外装缶14の開口部より挿入した。ついで、電極群
の上部にスペーサ16を配置した後、電極群の負極板1
1より延出する負極集電タブ11aを封口体15に設け
られた端子板15cの内底部に溶接した。一方、電極群
の正極板12より延出する正極リードを外装缶14と封
口体15との間に挟み込むようにして、封口体15を外
装缶14の開口部に配置した。ついで、外装缶14の開
口部の周壁と封口体15との間をレーザ溶接した。
12とを用意し、これらの間にポリエチレン製微多孔膜
からなるセパレータ13を介在させて重ね合わせて渦巻
状に巻回した。ついで、これを扁平になるように押しつ
ぶして角柱状の電極群を作製した後、この角柱状の電極
群を外装缶14の開口部より挿入した。ついで、電極群
の上部にスペーサ16を配置した後、電極群の負極板1
1より延出する負極集電タブ11aを封口体15に設け
られた端子板15cの内底部に溶接した。一方、電極群
の正極板12より延出する正極リードを外装缶14と封
口体15との間に挟み込むようにして、封口体15を外
装缶14の開口部に配置した。ついで、外装缶14の開
口部の周壁と封口体15との間をレーザ溶接した。
【0022】そして、上述のように調製した各電解液
x,a〜e,y,f〜jを各端子板15cに設けられた
透孔を通して、外装缶14内に注入した後、各負極端子
15aを各端子板15cに溶接して封止した。これによ
り、設計容量が700mAhで角形(厚み:5mm、
幅:30mm、高さ:48mm)のリチウム二次電池
X,A,B,C,D,E,Y,F,G,H,I,Jをそ
れぞれ作製した。ここで、各電解液を外装缶14内に注
液するに際しては、電解液を電極群に含浸させた後、減
圧の雰囲気で電極群の隙間に発生した気泡を脱泡しなが
ら行うため、電解液中に溶存した炭酸ガス(CO2)の
大部分は気化する。なお、電解液xを用いた非水電解液
二次電池を電池Xとした。同様に、電解液a〜eを用い
た非水電解液二次電池を電池A〜Eとした。また、電解
液yを用いた非水電解液二次電池を電池Yとし、電解液
f〜jを用いた非水電解液二次電池を電池F〜Jとし
た。
x,a〜e,y,f〜jを各端子板15cに設けられた
透孔を通して、外装缶14内に注入した後、各負極端子
15aを各端子板15cに溶接して封止した。これによ
り、設計容量が700mAhで角形(厚み:5mm、
幅:30mm、高さ:48mm)のリチウム二次電池
X,A,B,C,D,E,Y,F,G,H,I,Jをそ
れぞれ作製した。ここで、各電解液を外装缶14内に注
液するに際しては、電解液を電極群に含浸させた後、減
圧の雰囲気で電極群の隙間に発生した気泡を脱泡しなが
ら行うため、電解液中に溶存した炭酸ガス(CO2)の
大部分は気化する。なお、電解液xを用いた非水電解液
二次電池を電池Xとした。同様に、電解液a〜eを用い
た非水電解液二次電池を電池A〜Eとした。また、電解
液yを用いた非水電解液二次電池を電池Yとし、電解液
f〜jを用いた非水電解液二次電池を電池F〜Jとし
た。
【0023】3.サイクル特性試験
これらの各電池X,A,B,C,D,E,Y,F,G,
H,I,Jをそれぞれ用いて、室温(約25℃)で、7
00mAの充電電流で、電池電圧が4.2Vになるまで
定電流充電し、4.2Vの定電圧で電流値が20mAに
達するまで定電圧充電した。この後、700mAの放電
電流で、電池電圧が2.5Vに達するまで放電させると
いう充放電サイクルを500サイクル繰り返して行っ
て、500サイクル後の放電容量(mAh)を求めた。
ついで、初期の放電容量と500サイクル後の放電容量
との比率を求めて、サイクル特性として求めると、下記
の表1(電解液にCO2含有なし)および表2(電解液
にCO2含有あり)に示すような結果となった。
H,I,Jをそれぞれ用いて、室温(約25℃)で、7
00mAの充電電流で、電池電圧が4.2Vになるまで
定電流充電し、4.2Vの定電圧で電流値が20mAに
達するまで定電圧充電した。この後、700mAの放電
電流で、電池電圧が2.5Vに達するまで放電させると
いう充放電サイクルを500サイクル繰り返して行っ
て、500サイクル後の放電容量(mAh)を求めた。
ついで、初期の放電容量と500サイクル後の放電容量
との比率を求めて、サイクル特性として求めると、下記
の表1(電解液にCO2含有なし)および表2(電解液
にCO2含有あり)に示すような結果となった。
【0024】また、これらの各電池X,A,B,C,
D,E,Y,F,G,H,I,Jを用いて、室温(約2
5℃)で、700mAの充電電流で、電池電圧が4.2
Vになるまで定電流充電し、4.2Vの定電圧で電流値
が20mAに達するまで定電圧充電して、これらの各電
池X,A,B,C,D,E,Y,F,G,H,I,Jを
満充電した。ついで、これらの満充電後の各電池X,
A,B,C,D,E,Y,F,G,H,I,Jを80℃
の雰囲気中に3日間だけ放置した。放置後の各電池X,
A,B,C,D,E,Y,F,G,H,I,Jの電池厚
みの増加量(高温電池膨れ)を測定すると、下記の表1
(電解液にCO2含有なし)および表2(電解液にCO2
含有あり)に示すような結果となった。
D,E,Y,F,G,H,I,Jを用いて、室温(約2
5℃)で、700mAの充電電流で、電池電圧が4.2
Vになるまで定電流充電し、4.2Vの定電圧で電流値
が20mAに達するまで定電圧充電して、これらの各電
池X,A,B,C,D,E,Y,F,G,H,I,Jを
満充電した。ついで、これらの満充電後の各電池X,
A,B,C,D,E,Y,F,G,H,I,Jを80℃
の雰囲気中に3日間だけ放置した。放置後の各電池X,
A,B,C,D,E,Y,F,G,H,I,Jの電池厚
みの増加量(高温電池膨れ)を測定すると、下記の表1
(電解液にCO2含有なし)および表2(電解液にCO2
含有あり)に示すような結果となった。
【0025】
【表1】
【0026】上記表1の結果から明らかなように、VC
が無添加の電池Xの初期放電容量が700mAhと大き
いのに対して、VCの添加量が多くなるに伴って、初期
放電容量が685mAh(VCの添加量が5.0%の電
池D)あるいは640mAh(VCの添加量が10.0
%の電池E)と減少するが、反面、サイクル特性が向上
していることが分かる。これは、電解液にVCを添加す
ると、負極炭素表面にSEIが形成され、このSEIに
より電解液が関与する副反応が抑制されて、サイクル特
性が向上したと考えられる。これらのことから、電解液
に含有させるVCの含有量を0.1質量%以上で5.0
質量%以下とすれば、初期放電容量の減少を抑制しつ
つ、サイクル特性を向上させることが可能となるので好
ましいということができる。
が無添加の電池Xの初期放電容量が700mAhと大き
いのに対して、VCの添加量が多くなるに伴って、初期
放電容量が685mAh(VCの添加量が5.0%の電
池D)あるいは640mAh(VCの添加量が10.0
%の電池E)と減少するが、反面、サイクル特性が向上
していることが分かる。これは、電解液にVCを添加す
ると、負極炭素表面にSEIが形成され、このSEIに
より電解液が関与する副反応が抑制されて、サイクル特
性が向上したと考えられる。これらのことから、電解液
に含有させるVCの含有量を0.1質量%以上で5.0
質量%以下とすれば、初期放電容量の減少を抑制しつ
つ、サイクル特性を向上させることが可能となるので好
ましいということができる。
【0027】一方、電解液に添加したVCの添加量が多
くなるに伴って、サイクル特性が向上する反面、高温放
置による電池膨れが大きくなることが分かる。このメカ
ニズムは、現在のところ明確ではないが、VCが高温で
放置されると、逆にVCが酸化分解されて炭酸ガス(C
O2)を発生するようになるために、電池膨れが大きく
なると推定される。このことを防止するために、本発明
においては、VCが溶解された電解液に炭酸ガス(CO
2)を含有させるようにしている。この炭酸ガス(C
O2)の含有効果は下記の表2の結果に示されている。
くなるに伴って、サイクル特性が向上する反面、高温放
置による電池膨れが大きくなることが分かる。このメカ
ニズムは、現在のところ明確ではないが、VCが高温で
放置されると、逆にVCが酸化分解されて炭酸ガス(C
O2)を発生するようになるために、電池膨れが大きく
なると推定される。このことを防止するために、本発明
においては、VCが溶解された電解液に炭酸ガス(CO
2)を含有させるようにしている。この炭酸ガス(C
O2)の含有効果は下記の表2の結果に示されている。
【0028】
【表2】
【0029】上記表2の結果から明らかなように、VC
が無添加の電池Yの初期放電容量が700mAhと大き
いのに対して、上記表1の結果と同様に、VCの添加量
が多くなるに伴って、初期放電容量が684mAh(V
Cの添加量が5.0%の電池I)、640mAh(VC
の添加量が10.0%の電池J)と減少するが、反面、
サイクル特性が向上し、かつ電池膨れもほとんど増加し
ていない(表1の結果と比較して大幅に減少している)
ことが分かる。これは、負極炭素と炭酸ガス(CO2)
を含有した電解液とが接触したときに形成された炭酸被
膜(この炭酸被膜はVCによる有機炭酸被膜とは性質が
異なっている)によるものと推定される。このことは、
VCを含有する電解液に炭酸ガス(CO2)を含有させ
ても、あるいは含有させなくても、放電初期容量および
サイクル特性については無関係であることを示してい
る。
が無添加の電池Yの初期放電容量が700mAhと大き
いのに対して、上記表1の結果と同様に、VCの添加量
が多くなるに伴って、初期放電容量が684mAh(V
Cの添加量が5.0%の電池I)、640mAh(VC
の添加量が10.0%の電池J)と減少するが、反面、
サイクル特性が向上し、かつ電池膨れもほとんど増加し
ていない(表1の結果と比較して大幅に減少している)
ことが分かる。これは、負極炭素と炭酸ガス(CO2)
を含有した電解液とが接触したときに形成された炭酸被
膜(この炭酸被膜はVCによる有機炭酸被膜とは性質が
異なっている)によるものと推定される。このことは、
VCを含有する電解液に炭酸ガス(CO2)を含有させ
ても、あるいは含有させなくても、放電初期容量および
サイクル特性については無関係であることを示してい
る。
【0030】4.負極炭素材料の検討
ついで、本発明の電解液(VCおよびCO2を含有した
もの)を用いた場合に、負極に用いる炭素材料を代える
と、電池膨れが変化するかどうかを検討した。そこで、
まず、(002)面の面間隔(d002)が0.340n
m(d002=0.340nm)の炭素材料を用いたこと
以外は、上述と同様にして負極板11を作製した。この
負極板11と、上述と同様な正極板12を用いて電極群
を作製し、この電極群を外装缶14に挿入した。つい
で、VCの含有量が1.0質量%になるとともにCO2
を溶解させて調製した有機電解液(1M LiPF6 E
C/MEC+VC(1.0%)+CO2)を注液して、
上述と同様に、設計容量が700mAhで角形(厚み:
5mm、幅:30mm、高さ:48mm)の非水電解液
二次電池Kを作製した。
もの)を用いた場合に、負極に用いる炭素材料を代える
と、電池膨れが変化するかどうかを検討した。そこで、
まず、(002)面の面間隔(d002)が0.340n
m(d002=0.340nm)の炭素材料を用いたこと
以外は、上述と同様にして負極板11を作製した。この
負極板11と、上述と同様な正極板12を用いて電極群
を作製し、この電極群を外装缶14に挿入した。つい
で、VCの含有量が1.0質量%になるとともにCO2
を溶解させて調製した有機電解液(1M LiPF6 E
C/MEC+VC(1.0%)+CO2)を注液して、
上述と同様に、設計容量が700mAhで角形(厚み:
5mm、幅:30mm、高さ:48mm)の非水電解液
二次電池Kを作製した。
【0031】また、(002)面の面間隔(d002)が
0.347nm(d002=0.347nm)の炭素材料
を用いたこと以外は、上述と同様にして負極板11を作
製した。この負極板11と、上述と同様な正極板12を
用いて電極群を作製し、この電極群を外装缶14に挿入
した。ついで、VCの含有量が1.0質量%になるとと
もにCO2を溶解させて調製した有機電解液(1M Li
PF6 EC/MEC+VC(1.0%)+CO2)を注
液して、上述と同様に、設計容量が700mAhで角形
(厚み:5mm、幅:30mm、高さ:48mm)の非
水電解液二次電池Lを作製した。
0.347nm(d002=0.347nm)の炭素材料
を用いたこと以外は、上述と同様にして負極板11を作
製した。この負極板11と、上述と同様な正極板12を
用いて電極群を作製し、この電極群を外装缶14に挿入
した。ついで、VCの含有量が1.0質量%になるとと
もにCO2を溶解させて調製した有機電解液(1M Li
PF6 EC/MEC+VC(1.0%)+CO2)を注
液して、上述と同様に、設計容量が700mAhで角形
(厚み:5mm、幅:30mm、高さ:48mm)の非
水電解液二次電池Lを作製した。
【0032】これらの各電池K,Lを用いて、上述同様
な充放電サイクルを500サイクル繰り返して行って、
500サイクル後の放電容量(mAh)を求めた。つい
で、初期の放電容量と500サイクル後の放電容量との
比率を求めて、サイクル特性として求めると、下記の表
3に示すような結果となった。また、これらの各電池
K,Lを満充電した後、上述と同様に、80℃の雰囲気
中に3日間だけ放置して、放置後の各電池K,Lの電池
厚みの増加量(高温電池膨れ)を測定すると、下記の表
3に示すような結果となった。なお、下記の表3には、
電池H(負極炭素材料:d002=0.336nm、電解
液:1M LiPF6 EC/MEC+VC(1.0%)
+CO2)の結果も併せて示している。
な充放電サイクルを500サイクル繰り返して行って、
500サイクル後の放電容量(mAh)を求めた。つい
で、初期の放電容量と500サイクル後の放電容量との
比率を求めて、サイクル特性として求めると、下記の表
3に示すような結果となった。また、これらの各電池
K,Lを満充電した後、上述と同様に、80℃の雰囲気
中に3日間だけ放置して、放置後の各電池K,Lの電池
厚みの増加量(高温電池膨れ)を測定すると、下記の表
3に示すような結果となった。なお、下記の表3には、
電池H(負極炭素材料:d002=0.336nm、電解
液:1M LiPF6 EC/MEC+VC(1.0%)
+CO2)の結果も併せて示している。
【0033】
【表3】
【0034】上記表3の結果から明らかなように、(0
02)面の面間隔(d002)が0.347nm(d002=
0.347nm)の炭素材料を負極に用いた電池Lにあ
っては、電池H,Kに比較して、サイクル特性が低下し
ているとともに、高温保存時の電池膨れが大きくなって
いることが分かる。これは、(002)面の面間隔(d
002)が0.347nm(d002=0.347nm)まで
大きくなると、この炭素材料に炭酸ガス(CO2)を含
有した電解液が接触したときに形成される炭酸被膜が充
分に形成されなかったためと推定される。このことか
ら、負極に用いる炭素材料としては、(002)面の面
間隔(d002)が0.340nm以下の炭素材料を用い
るのが好ましいということができる。
02)面の面間隔(d002)が0.347nm(d002=
0.347nm)の炭素材料を負極に用いた電池Lにあ
っては、電池H,Kに比較して、サイクル特性が低下し
ているとともに、高温保存時の電池膨れが大きくなって
いることが分かる。これは、(002)面の面間隔(d
002)が0.347nm(d002=0.347nm)まで
大きくなると、この炭素材料に炭酸ガス(CO2)を含
有した電解液が接触したときに形成される炭酸被膜が充
分に形成されなかったためと推定される。このことか
ら、負極に用いる炭素材料としては、(002)面の面
間隔(d002)が0.340nm以下の炭素材料を用い
るのが好ましいということができる。
【0035】5.正極活物質材料の検討
ついで、本発明の電解液(VCおよびCO2含有のも
の)を用いた場合に、正極活物質の材料を代えると、電
池膨れの大きさが変化するかどうかを検討した。そこ
で、まず、正極活物質としてLiNi0.8Co0.2O2を
用いたこと以外は、上述と同様にして正極板12を作製
した。この正極板12と、上述と同様な負極板(d002
=0.336nmの炭素材料)11を用いて電極群を作
製し、この電極群を外装缶14に挿入した。ついで、V
Cの含有量が1.0質量%になるとともにCO2を溶解
させて調製した有機電解液(1M LiPF6 EC/M
EC+VC(1.0%)+CO2)を注液して、上述と
同様に、設計容量が700mAhで角形(厚み:5m
m、幅:30mm、高さ:48mm)の非水電解液二次
電池Mを作製した。
の)を用いた場合に、正極活物質の材料を代えると、電
池膨れの大きさが変化するかどうかを検討した。そこ
で、まず、正極活物質としてLiNi0.8Co0.2O2を
用いたこと以外は、上述と同様にして正極板12を作製
した。この正極板12と、上述と同様な負極板(d002
=0.336nmの炭素材料)11を用いて電極群を作
製し、この電極群を外装缶14に挿入した。ついで、V
Cの含有量が1.0質量%になるとともにCO2を溶解
させて調製した有機電解液(1M LiPF6 EC/M
EC+VC(1.0%)+CO2)を注液して、上述と
同様に、設計容量が700mAhで角形(厚み:5m
m、幅:30mm、高さ:48mm)の非水電解液二次
電池Mを作製した。
【0036】また、正極活物質としてLiMn2O4を用
いたこと以外は、上述と同様にして正極板12を作製し
た。この正極板12と、上述と同様な負極板(d002=
0.336nmの炭素材料)11を用いて電極群を作製
し、この電極群を外装缶14に挿入した。ついで、VC
の含有量が1.0質量%になるとともにCO2を溶解さ
せて調製した有機電解液(1M LiPF6 EC/ME
C+VC(1.0%)+CO2)を注液して、上述と同
様に、設計容量が700mAhで角形(厚み:5mm、
幅:30mm、高さ:48mm)の非水電解液二次電池
Nを作製した。
いたこと以外は、上述と同様にして正極板12を作製し
た。この正極板12と、上述と同様な負極板(d002=
0.336nmの炭素材料)11を用いて電極群を作製
し、この電極群を外装缶14に挿入した。ついで、VC
の含有量が1.0質量%になるとともにCO2を溶解さ
せて調製した有機電解液(1M LiPF6 EC/ME
C+VC(1.0%)+CO2)を注液して、上述と同
様に、設計容量が700mAhで角形(厚み:5mm、
幅:30mm、高さ:48mm)の非水電解液二次電池
Nを作製した。
【0037】さらに、正極活物質としてLiCoO2と
LiMn2O4との混合正極活物質(LiCoO2:Li
Mn2O4=50:50;質量比)を用いたこと以外は、
上述と同様にして正極板12を作製した。この正極板1
2と、上述と同様な負極板(d002=0.336nmの
炭素材料)11を用いて電極群を作製し、この電極群を
外装缶14に挿入した。ついで、VCの含有量が1.0
質量%になるとともにCO2を溶解させて調製した有機
電解液(1M LiPF6 EC/MEC+VC(1.0
%)+CO2)を注液して、上述と同様に、設計容量が
700mAhで角形(厚み:5mm、幅:30mm、高
さ:48mm)の非水電解液二次電池Oを作製した。
LiMn2O4との混合正極活物質(LiCoO2:Li
Mn2O4=50:50;質量比)を用いたこと以外は、
上述と同様にして正極板12を作製した。この正極板1
2と、上述と同様な負極板(d002=0.336nmの
炭素材料)11を用いて電極群を作製し、この電極群を
外装缶14に挿入した。ついで、VCの含有量が1.0
質量%になるとともにCO2を溶解させて調製した有機
電解液(1M LiPF6 EC/MEC+VC(1.0
%)+CO2)を注液して、上述と同様に、設計容量が
700mAhで角形(厚み:5mm、幅:30mm、高
さ:48mm)の非水電解液二次電池Oを作製した。
【0038】これらの各電池M,N,Oを用いて、上述
同様な充放電サイクルを500サイクル繰り返して行っ
て、500サイクル後の放電容量(mAh)を求めた。
ついで、初期の放電容量と500サイクル後の放電容量
との比率を求めて、サイクル特性として求めると、下記
の表4に示すような結果となった。また、これらの各電
池M,N,Oを満充電した後、上述と同様に、80℃の
雰囲気中に3日間だけ放置して、放置後の各電池K,L
の電池厚みの増加量(高温電池膨れ)を測定すると、下
記の表4に示すような結果となった。なお、下記の表4
には、電池H(正極活物質:LiCoO2、電解液:1
M LiPF6 EC/MEC+VC(1.0%)+C
O2)の結果も併せて示している。
同様な充放電サイクルを500サイクル繰り返して行っ
て、500サイクル後の放電容量(mAh)を求めた。
ついで、初期の放電容量と500サイクル後の放電容量
との比率を求めて、サイクル特性として求めると、下記
の表4に示すような結果となった。また、これらの各電
池M,N,Oを満充電した後、上述と同様に、80℃の
雰囲気中に3日間だけ放置して、放置後の各電池K,L
の電池厚みの増加量(高温電池膨れ)を測定すると、下
記の表4に示すような結果となった。なお、下記の表4
には、電池H(正極活物質:LiCoO2、電解液:1
M LiPF6 EC/MEC+VC(1.0%)+C
O2)の結果も併せて示している。
【0039】
【表4】
【0040】上記表4の結果から明らかなように、Li
CoO2を正極活物質として用いても、LiNi0.8Co
0.2O2を正極活物質として用いても、LiMn2O4を正
極活物質として用いても、あるいはLiCoO2とLi
Mn2O4との混合物を正極活物質として用いても、サイ
クル特性および高温保存時の電池膨れの大きさはそれほ
ど変わらないことが分かる。なお、正極活物質の種類に
より初期放電容量は変化するが、これは個々の正極活物
質の理論容量によるものである。このことから、どのよ
うな正極活物質を用いても本発明の電解液を用いれば効
果があるということができる。
CoO2を正極活物質として用いても、LiNi0.8Co
0.2O2を正極活物質として用いても、LiMn2O4を正
極活物質として用いても、あるいはLiCoO2とLi
Mn2O4との混合物を正極活物質として用いても、サイ
クル特性および高温保存時の電池膨れの大きさはそれほ
ど変わらないことが分かる。なお、正極活物質の種類に
より初期放電容量は変化するが、これは個々の正極活物
質の理論容量によるものである。このことから、どのよ
うな正極活物質を用いても本発明の電解液を用いれば効
果があるということができる。
【0041】
【発明の効果】上述したように、本発明の非水電解液二
次電池10においては、ビニレンカーボネートを溶解さ
せ、かつ炭酸ガスを溶存させた非水電解液を外装缶14
内に注液するようにしている。このため、このような電
解液を外装缶14内に注液すると、負極板11の炭素材
料は電解液中に溶存した炭酸ガスと接触して、負極板1
1の炭素表面に炭酸の皮膜が形成されることとなる。こ
の電池を充電すると、今度は、ビニレンカーボネートに
より負極板11の表面に有機炭酸の被膜が形成されるよ
うになる。これにより、この非水電解液二次電池10を
高温で保存(放置)しても、これらの被膜の作用によ
り、電解液に溶解したビニレンカーボネートが酸化分解
されることを抑制できるようになる。この結果、非水電
解液二次電池10を高温で保存(放置)しても、電池膨
れが生じることを防止できるようになる。
次電池10においては、ビニレンカーボネートを溶解さ
せ、かつ炭酸ガスを溶存させた非水電解液を外装缶14
内に注液するようにしている。このため、このような電
解液を外装缶14内に注液すると、負極板11の炭素材
料は電解液中に溶存した炭酸ガスと接触して、負極板1
1の炭素表面に炭酸の皮膜が形成されることとなる。こ
の電池を充電すると、今度は、ビニレンカーボネートに
より負極板11の表面に有機炭酸の被膜が形成されるよ
うになる。これにより、この非水電解液二次電池10を
高温で保存(放置)しても、これらの被膜の作用によ
り、電解液に溶解したビニレンカーボネートが酸化分解
されることを抑制できるようになる。この結果、非水電
解液二次電池10を高温で保存(放置)しても、電池膨
れが生じることを防止できるようになる。
【図1】 本発明の非水電解液二次電池を模式的に示す
断面図であり、図1(a)は、図1(b)のB−B断面
を示しており、図1(b)は、図1(a)のA−A断面
を示している。
断面図であり、図1(a)は、図1(b)のB−B断面
を示しており、図1(b)は、図1(a)のA−A断面
を示している。
10…非水電解液二次電池、11…負極板、11a…負
極リード、12…正極板、13…セパレータ、14…外
装缶(正極端子)、15…封口体、15a…負極端子、
15b…絶縁体、15c…端子板、16…スペーサ
極リード、12…正極板、13…セパレータ、14…外
装缶(正極端子)、15…封口体、15a…負極端子、
15b…絶縁体、15c…端子板、16…スペーサ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 藤原 一恭
大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三
洋電機株式会社内
(72)発明者 森本 卓弥
大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三
洋電機株式会社内
Fターム(参考) 5H029 AJ05 AJ12 AK03 AL07 AM02
AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02
BJ13 BJ14 CJ08 CJ13 CJ21
CJ23 CJ28 DJ16 DJ17 EJ09
EJ11 HJ01 HJ02 HJ12 HJ13
5H050 AA07 AA15 BA15 CA08 CA09
CB08 EA16 EA25 FA04 FA05
FA17 FA19 GA10 GA21 GA23
GA27 HA01 HA02 HA13
Claims (7)
- 【請求項1】 リチウムイオンを挿入・脱離可能な炭素
材料からなる負極活物質を含有する負極と、リチウムイ
オンを挿入・脱離可能な正極活物質を含有する正極と、
これらの正極と負極を隔離するセパレータとを外装缶内
に備え、この外装缶内に非水電解液を注液して形成する
非水電解液二次電池の製造方法であって、 非水電解液にビニレンカーボネートを溶解させるビニレ
ンカーボネート溶解工程と、 前記ビニレンカーボネートが溶解された非水電解液に炭
酸ガスを溶存させる炭酸ガス溶存工程と、 前記ビニレンカーボネートが溶解され、かつ炭酸ガスが
溶存した非水電解液を前記外装缶内に注液する注液工程
とを備えたことを特徴とする非水電解液二次電池の製造
方法。 - 【請求項2】 前記炭酸ガス溶存工程において、常温常
圧で炭酸ガスを前記ビニレンカーボネートが溶解された
非水電解液に吹き込むことにより該炭酸ガスを該非水電
解液に溶存させるようにしたことを特徴とする請求項1
に記載の非水電解液二次電池の製造方法。 - 【請求項3】 リチウムイオンを挿入・脱離可能な炭素
材料からなる負極活物質を含有する負極と、リチウムイ
オンを挿入・脱離可能な正極活物質を含有する正極と、
これらの正極と負極を隔離するセパレータと、非水電解
液とを外装缶内に備えた非水電解液二次電池であって、 前記負極表面には、少なくとも前記非水電解液に溶存し
た炭酸ガスに接触した際に形成された皮膜と、この非水
電解液二次電池の充電時に該非水電解液に溶解したビニ
レンカーボネートにより形成された被膜とが形成されて
いることを特徴とする非水電解液二次電池。 - 【請求項4】 リチウムイオンを挿入・脱離可能な炭素
材料からなる負極活物質を含有する負極と、リチウムイ
オンを挿入・脱離可能な正極活物質を含有する正極と、
これらの正極と負極を隔離するセパレータと、非水電解
液とを外装缶内に備えた非水電解液二次電池であって、 ビニレンカーボネートを含有するとともに、炭酸ガスを
飽和状態まで溶存させた非水電解液を用いたことを特徴
とする非水電解液二次電池。 - 【請求項5】 前記非水電解液に溶解したビニレンカー
ボネートの含有量は該電解液の質量に対して0.1〜
5.0質量%であることを特徴とする請求項3または請
求項4に記載の非水電解液二次電池。 - 【請求項6】 前記炭素材料は(002)面の面間隔
(d002)が0.340nm以下の炭素材料であること
を特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の
非水電解液二次電池。 - 【請求項7】 前記正極は、LiCoO2、LiNi
O2、LiNi0.8Co0.2O 2、LiMn2O4またはこれ
らの混合物を主成分とすることを特徴とする請求項3か
ら請求項6のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001270548A JP2003086243A (ja) | 2001-09-06 | 2001-09-06 | 非水電解液二次電池の製造方法および非水電解液二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001270548A JP2003086243A (ja) | 2001-09-06 | 2001-09-06 | 非水電解液二次電池の製造方法および非水電解液二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003086243A true JP2003086243A (ja) | 2003-03-20 |
Family
ID=19096188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001270548A Withdrawn JP2003086243A (ja) | 2001-09-06 | 2001-09-06 | 非水電解液二次電池の製造方法および非水電解液二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003086243A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004109839A1 (ja) | 2003-06-09 | 2004-12-16 | Sanyo Electric Co., Ltd. | リチウム二次電池及びその製造方法 |
JP2005149763A (ja) * | 2003-11-11 | 2005-06-09 | Toshiba Corp | 角形非水電解質二次電池 |
JP2006031948A (ja) * | 2004-07-12 | 2006-02-02 | Hitachi Maxell Ltd | 有機電解液および有機電解液電池 |
JP2009117383A (ja) * | 2009-01-29 | 2009-05-28 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解液二次電池 |
US8211569B2 (en) | 2003-06-19 | 2012-07-03 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Lithium secondary battery including a negative electrode which is a sintered layer of silicon particles and/or silicon alloy particles and a nonaqueous electrolyte containing carbon dioxide dissolved therein and method for producing same |
JP2021044156A (ja) * | 2019-09-11 | 2021-03-18 | 三洋化成工業株式会社 | リチウム含有炭素系負極活物質の製造方法及びリチウムイオン電池の製造方法 |
CN115398701A (zh) * | 2020-10-16 | 2022-11-25 | 株式会社Lg新能源 | 使用以可溶性气体饱和的电解液的电池单元制造方法 |
-
2001
- 2001-09-06 JP JP2001270548A patent/JP2003086243A/ja not_active Withdrawn
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004109839A1 (ja) | 2003-06-09 | 2004-12-16 | Sanyo Electric Co., Ltd. | リチウム二次電池及びその製造方法 |
US8609279B2 (en) | 2003-06-09 | 2013-12-17 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Lithium secondary battery and method for producing same |
US8211569B2 (en) | 2003-06-19 | 2012-07-03 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Lithium secondary battery including a negative electrode which is a sintered layer of silicon particles and/or silicon alloy particles and a nonaqueous electrolyte containing carbon dioxide dissolved therein and method for producing same |
JP2005149763A (ja) * | 2003-11-11 | 2005-06-09 | Toshiba Corp | 角形非水電解質二次電池 |
JP4599051B2 (ja) * | 2003-11-11 | 2010-12-15 | 株式会社東芝 | 角形非水電解質二次電池 |
JP2006031948A (ja) * | 2004-07-12 | 2006-02-02 | Hitachi Maxell Ltd | 有機電解液および有機電解液電池 |
JP4518547B2 (ja) * | 2004-07-12 | 2010-08-04 | 日立マクセル株式会社 | 有機電解液および有機電解液電池 |
JP2009117383A (ja) * | 2009-01-29 | 2009-05-28 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解液二次電池 |
JP2021044156A (ja) * | 2019-09-11 | 2021-03-18 | 三洋化成工業株式会社 | リチウム含有炭素系負極活物質の製造方法及びリチウムイオン電池の製造方法 |
JP7286489B2 (ja) | 2019-09-11 | 2023-06-05 | 三洋化成工業株式会社 | リチウム含有炭素系負極活物質の製造方法及びリチウムイオン電池の製造方法 |
CN115398701A (zh) * | 2020-10-16 | 2022-11-25 | 株式会社Lg新能源 | 使用以可溶性气体饱和的电解液的电池单元制造方法 |
EP4113690A4 (en) * | 2020-10-16 | 2024-12-04 | LG Energy Solution, Ltd. | METHOD FOR MANUFACTURING BATTERY CELL USING SOLUBLE GAS SATURATED ELECTROLYTE SOLUTION |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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