JP2003059536A - 非水電解質電池およびその製造方法 - Google Patents
非水電解質電池およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】電解液量の少ない非水電解質電池の高率放電性
能を改善する。 【解決手段】正・負極板の少なくとも一方とセパレータ
とに有孔性ポリマー電解質を備えた発電要素を作製する
第1の工程と、前記発電要素を電池容器に収納する第2
の工程と、正・負極板とセパレータと有孔性ポリマー電
解質との全空孔体積に対して30%以上100%以下の
非水電解液を注液する第3の工程とを備えた非水電解質
電池の製造方法において、第3の工程後、前記電池を4
0℃以上の温度で加熱する工程を有することを特徴とす
る。
能を改善する。 【解決手段】正・負極板の少なくとも一方とセパレータ
とに有孔性ポリマー電解質を備えた発電要素を作製する
第1の工程と、前記発電要素を電池容器に収納する第2
の工程と、正・負極板とセパレータと有孔性ポリマー電
解質との全空孔体積に対して30%以上100%以下の
非水電解液を注液する第3の工程とを備えた非水電解質
電池の製造方法において、第3の工程後、前記電池を4
0℃以上の温度で加熱する工程を有することを特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質電池お
よびその製造方法に関する。
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯用電子機器の急速な発展のため、そ
の電源に用いる電池の高性能化が早急に求められてい
る。その電池の一つが負極に金属リチウムを用いたリチ
ウム二次電池である。リチウムは金属の中で最も低い電
位を示し、比重も小さいことから、リチウム電池は高エ
ネルギー密度となる。しかし、充放電の繰り返しによっ
てリチウムのデンドライトが析出するため、サイクル性
能と安全性とに問題があった。
の電源に用いる電池の高性能化が早急に求められてい
る。その電池の一つが負極に金属リチウムを用いたリチ
ウム二次電池である。リチウムは金属の中で最も低い電
位を示し、比重も小さいことから、リチウム電池は高エ
ネルギー密度となる。しかし、充放電の繰り返しによっ
てリチウムのデンドライトが析出するため、サイクル性
能と安全性とに問題があった。
【0003】そこで、負極活物質にグラファイトやカー
ボンなどを用いたリチウムイオン二次電池が考案され
た。リチウムイオン二次電池ではデンドライトが生成し
にくいため、リチウム電池よりも安全性は改善された。
ボンなどを用いたリチウムイオン二次電池が考案され
た。リチウムイオン二次電池ではデンドライトが生成し
にくいため、リチウム電池よりも安全性は改善された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】リチウムイオン二次電
池などの非水電解質電池には、可燃性の電解液が多く含
まれていることから、外部からの加熱や内部短絡によっ
て電池温度が上昇した時、電解液と正・負極活物質とが
反応することによってガスが発生し、電池の安全性が損
なわれるという問題があった。そこで、電池内の電解液
量を減らすことによって安全性を改善することが考えら
れた。
池などの非水電解質電池には、可燃性の電解液が多く含
まれていることから、外部からの加熱や内部短絡によっ
て電池温度が上昇した時、電解液と正・負極活物質とが
反応することによってガスが発生し、電池の安全性が損
なわれるという問題があった。そこで、電池内の電解液
量を減らすことによって安全性を改善することが考えら
れた。
【0005】しかし、電解液量を正・負極板とセパレー
タとの全空孔体積に対して100%以下としたとき、電
池の高率放電性能が著しく低下するという問題があっ
た。その原因は、電解液が電池全体、特に多孔性の正極
板や負極板の内部、セパレータの孔中、極板とセパレー
タ間などに均一に浸透していないため、正・負極板間の
電流分布が不均一になるためであった。
タとの全空孔体積に対して100%以下としたとき、電
池の高率放電性能が著しく低下するという問題があっ
た。その原因は、電解液が電池全体、特に多孔性の正極
板や負極板の内部、セパレータの孔中、極板とセパレー
タ間などに均一に浸透していないため、正・負極板間の
電流分布が不均一になるためであった。
【0006】本発明はこれらの課題を解決するものであ
り、電解液量の少ない非水電解質電池の高率放電性能を
改善することを目的とする。
り、電解液量の少ない非水電解質電池の高率放電性能を
改善することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、非水
電解質電池の製造方法に関するもので、正・負極板の少
なくとも一方とセパレータとに有孔性ポリマー電解質を
備えた発電要素を作製する第1の工程と、前記発電要素
を電池容器に収納する第2の工程と、正・負極板とセパ
レータと有孔性ポリマー電解質との全空孔体積に対して
30%以上100%以下の非水電解液を注液する第3の
工程とを備えた非水電解質電池の製造方法において、第
3の工程後、前記電池を40℃以上の温度で加熱する工
程を有することを特徴とする。
電解質電池の製造方法に関するもので、正・負極板の少
なくとも一方とセパレータとに有孔性ポリマー電解質を
備えた発電要素を作製する第1の工程と、前記発電要素
を電池容器に収納する第2の工程と、正・負極板とセパ
レータと有孔性ポリマー電解質との全空孔体積に対して
30%以上100%以下の非水電解液を注液する第3の
工程とを備えた非水電解質電池の製造方法において、第
3の工程後、前記電池を40℃以上の温度で加熱する工
程を有することを特徴とする。
【0008】請求項1の発明によれば、電池内での電解
液の分布は均一となり、高率放電性能に優れた非水電解
質電池が得られる。
液の分布は均一となり、高率放電性能に優れた非水電解
質電池が得られる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載の非水電
解質電池の製造方法において、有孔性ポリマー電解質の
融点(Tpm)とセパレータの融点(Tsm)と電解液
の沸点(Teb)のうち、最も低い温度以下で電池を加
熱することを特徴とする。
解質電池の製造方法において、有孔性ポリマー電解質の
融点(Tpm)とセパレータの融点(Tsm)と電解液
の沸点(Teb)のうち、最も低い温度以下で電池を加
熱することを特徴とする。
【0010】請求項2の発明によれば、電池の優れた高
率放電性能を維持することができ、同時に電池の膨張を
防止することができる。
率放電性能を維持することができ、同時に電池の膨張を
防止することができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の非水電解質電池の製造方法において、放電状態の電池
を加熱することを特徴とする。
の非水電解質電池の製造方法において、放電状態の電池
を加熱することを特徴とする。
【0012】請求項3の発明によれば、電池の高率放電
性能の低下を抑制することができる。
性能の低下を抑制することができる。
【0013】請求項4の発明は、請求項1、2または3
記載の製造方法で得られた非水電解質電池において、電
池内のガスが1体積%以上の二酸化炭素を含むことを特
徴とする。
記載の製造方法で得られた非水電解質電池において、電
池内のガスが1体積%以上の二酸化炭素を含むことを特
徴とする。
【0014】請求項4の発明によれば、電池の高率放電
性能を著しく向上させることができる。
性能を著しく向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の非水電解質電池の製造方
法は、正・負極板の少なくとも一方とセパレータとに有
孔性ポリマー電解質を備えた発電要素を作製する第1の
工程と、前記発電要素を電池容器に収納する第2の工程
と、正・負極板とセパレータと有孔性ポリマー電解質と
の全空孔体積に対して30%以上100%以下の非水電
解液を注液する第3の工程とを備えた非水電解質電池の
製造方法において、第3の工程後、前記電池を40℃以
上の温度で加熱する工程を有することを特徴とする。
法は、正・負極板の少なくとも一方とセパレータとに有
孔性ポリマー電解質を備えた発電要素を作製する第1の
工程と、前記発電要素を電池容器に収納する第2の工程
と、正・負極板とセパレータと有孔性ポリマー電解質と
の全空孔体積に対して30%以上100%以下の非水電
解液を注液する第3の工程とを備えた非水電解質電池の
製造方法において、第3の工程後、前記電池を40℃以
上の温度で加熱する工程を有することを特徴とする。
【0016】有孔性ポリマー電解質とは、有孔性ポリマ
ーと有機電解液とを組み合せたもので、ポリマーの孔部
分に有機電解液を含むことによって、孔部分をリチウム
イオンが移動でき、さらにポリマー部分が有機電解液で
湿潤または膨潤することによって、ポリマー中もリチウ
ムイオンが移動できるものである。さらに、有孔性ポリ
マー電解質が網目状構造であることが好ましく、さらに
三次元網目状構造であることが好ましい。また、その多
孔度は10%以上90%以下であることが好ましく、さ
らに30%以上90%以下であることが好ましく、さら
に40%以上80%以下であることが好ましい。
ーと有機電解液とを組み合せたもので、ポリマーの孔部
分に有機電解液を含むことによって、孔部分をリチウム
イオンが移動でき、さらにポリマー部分が有機電解液で
湿潤または膨潤することによって、ポリマー中もリチウ
ムイオンが移動できるものである。さらに、有孔性ポリ
マー電解質が網目状構造であることが好ましく、さらに
三次元網目状構造であることが好ましい。また、その多
孔度は10%以上90%以下であることが好ましく、さ
らに30%以上90%以下であることが好ましく、さら
に40%以上80%以下であることが好ましい。
【0017】本発明の、非水電解質電池の製造方法の第
1の工程では、正・負極板の少なくとも一方とセパレー
タとに有孔性ポリマー電解質を備えた発電要素を作製す
る。正・負極板は活物質を含む多孔性の合剤層を備えて
おり、有孔性ポリマー電解質を備えた極板とは、その合
剤層の孔の内部や合剤層表面に有孔性ポリマー電解質が
存在しているものを意味し、また、有孔性ポリマー電解
質を備えたセパレータとは、セパレータの孔中や表面に
有孔性ポリマー電解質が存在しているものを意味する。
また、発電要素は、これらの正・負極板とセパレータと
を組み合わせて作製することができる。
1の工程では、正・負極板の少なくとも一方とセパレー
タとに有孔性ポリマー電解質を備えた発電要素を作製す
る。正・負極板は活物質を含む多孔性の合剤層を備えて
おり、有孔性ポリマー電解質を備えた極板とは、その合
剤層の孔の内部や合剤層表面に有孔性ポリマー電解質が
存在しているものを意味し、また、有孔性ポリマー電解
質を備えたセパレータとは、セパレータの孔中や表面に
有孔性ポリマー電解質が存在しているものを意味する。
また、発電要素は、これらの正・負極板とセパレータと
を組み合わせて作製することができる。
【0018】有孔性ポリマー電解質は、極板の合剤層中
やセパレータの孔中の少なくとも一部に存在すればよい
が、これらの孔中に均一に分布していることが好まし
い。また、正・負極板の少なくとも一方に有孔性ポリマ
ー電解質が備えられていればよいが、正・負極板の両方
に有孔性ポリマー電解質が備えられていることが好まし
い。さらに、セパレータが有孔性ポリマー電解質であっ
てもよい。
やセパレータの孔中の少なくとも一部に存在すればよい
が、これらの孔中に均一に分布していることが好まし
い。また、正・負極板の少なくとも一方に有孔性ポリマ
ー電解質が備えられていればよいが、正・負極板の両方
に有孔性ポリマー電解質が備えられていることが好まし
い。さらに、セパレータが有孔性ポリマー電解質であっ
てもよい。
【0019】本発明の、非水電解質電池の製造方法の第
2の工程では、第1の工程で得られた発電要素を電池容
器に収納する。そして、第3の工程では、正・負極板と
セパレータと有孔性ポリマー電解質との全空孔体積に対
して30%以上100%以下の非水電解液を注液する。
全空孔体積に対する電解液量が100%を越えると、電
池内に余分の電解液が存在するため、電池の安全性が低
下する。また、全空孔体積に対する電解液量が30%未
満になると、電解液不足となり、電極反応がすすまず、
放電容量が低下してしまう。
2の工程では、第1の工程で得られた発電要素を電池容
器に収納する。そして、第3の工程では、正・負極板と
セパレータと有孔性ポリマー電解質との全空孔体積に対
して30%以上100%以下の非水電解液を注液する。
全空孔体積に対する電解液量が100%を越えると、電
池内に余分の電解液が存在するため、電池の安全性が低
下する。また、全空孔体積に対する電解液量が30%未
満になると、電解液不足となり、電極反応がすすまず、
放電容量が低下してしまう。
【0020】正・負極板とセパレータと有孔性ポリマー
電解質との全空孔体積に対して30%以上100%以下
の電解液量を含む電池内では、電解液量が少ないため、
電解液が多孔性の正極板や負極板の内部、セパレータの
孔中、極板とセパレータ間などに均一に浸透せず、偏在
していることから、電池の高率放電性能は十分でなかっ
た。また、正・負極板の少なくとも一方とセパレータと
に有孔性ポリマー電解質を備えた非水電解質電池におい
ても、有孔性ポリマー電解質が室温付近で電解液を十分
に吸収しないことから、その高率放電性能は十分でなか
った。
電解質との全空孔体積に対して30%以上100%以下
の電解液量を含む電池内では、電解液量が少ないため、
電解液が多孔性の正極板や負極板の内部、セパレータの
孔中、極板とセパレータ間などに均一に浸透せず、偏在
していることから、電池の高率放電性能は十分でなかっ
た。また、正・負極板の少なくとも一方とセパレータと
に有孔性ポリマー電解質を備えた非水電解質電池におい
ても、有孔性ポリマー電解質が室温付近で電解液を十分
に吸収しないことから、その高率放電性能は十分でなか
った。
【0021】そこで本発明の非水電解質電池の製造方法
では、第3の工程後に、電池を40℃以上の温度で加熱
する工程を有することによって、極板やセパレータに備
えられた有孔性ポリマー電解質が電解液を十分に吸収す
るため、電解液が電池全体に浸透することから、電池の
温度を室温に戻した後でも、電池内での電解液の分布は
均一となり、その結果、その高率放電性能も良好とな
る。
では、第3の工程後に、電池を40℃以上の温度で加熱
する工程を有することによって、極板やセパレータに備
えられた有孔性ポリマー電解質が電解液を十分に吸収す
るため、電解液が電池全体に浸透することから、電池の
温度を室温に戻した後でも、電池内での電解液の分布は
均一となり、その結果、その高率放電性能も良好とな
る。
【0022】非水電解質電池の製造において、通常、電
解液を注液する工程の後、電池容器を封口する工程や、
電池を充電する工程を経る。本発明においては、電池を
加熱する工程は、電解液を注液する第3の工程の後に行
えばよく、電池を加熱する工程と、電池容器を封口する
工程と、電池を充電する工程とは、どのような順序で行
ってもよい。
解液を注液する工程の後、電池容器を封口する工程や、
電池を充電する工程を経る。本発明においては、電池を
加熱する工程は、電解液を注液する第3の工程の後に行
えばよく、電池を加熱する工程と、電池容器を封口する
工程と、電池を充電する工程とは、どのような順序で行
ってもよい。
【0023】ここで、電池を加熱する温度としては、4
0℃以上が好ましく、さらに、有孔性ポリマー電解質に
電解液を十分に吸収させるためには、60℃以上とする
ことが好ましく、さらに80℃以上とすることが好まし
い。
0℃以上が好ましく、さらに、有孔性ポリマー電解質に
電解液を十分に吸収させるためには、60℃以上とする
ことが好ましく、さらに80℃以上とすることが好まし
い。
【0024】また、電池の加熱温度を、有孔性ポリマー
電解質の融点(Tpm)とセパレータの融点(Tsm)
と電解液の沸点(Teb)のうち、最も低い温度以下と
することを特徴とする。
電解質の融点(Tpm)とセパレータの融点(Tsm)
と電解液の沸点(Teb)のうち、最も低い温度以下と
することを特徴とする。
【0025】加熱温度を有孔性ポリマー電解質の融点
(Tpm)以下とすれば、有孔性ポリマー電解質の孔が
閉塞しにくく、電池の優れた高率放電性能を維持するこ
とができる。さらに、有孔性ポリマー電解質の融点をT
pmとしたとき、(Tpm−10)℃以下とすることが
好ましく、(Tpm−20)℃とすることが好ましい。
(Tpm)以下とすれば、有孔性ポリマー電解質の孔が
閉塞しにくく、電池の優れた高率放電性能を維持するこ
とができる。さらに、有孔性ポリマー電解質の融点をT
pmとしたとき、(Tpm−10)℃以下とすることが
好ましく、(Tpm−20)℃とすることが好ましい。
【0026】電池の加熱温度がセパレータの融点(Ts
m)を超えると、セパレータの孔が塞がり、電池の高率
放電性能が著しく低下する。したがって、加熱温度をセ
パレータの融点(Tsm)以下とすれば、セパレータの
孔が閉塞せず、電池の優れた高率放電性能を維持するこ
とができる。さらに、加熱温度は、(Tsm−10)℃
以下が好ましく、(Tsm−20)℃以下がより好まし
い。
m)を超えると、セパレータの孔が塞がり、電池の高率
放電性能が著しく低下する。したがって、加熱温度をセ
パレータの融点(Tsm)以下とすれば、セパレータの
孔が閉塞せず、電池の優れた高率放電性能を維持するこ
とができる。さらに、加熱温度は、(Tsm−10)℃
以下が好ましく、(Tsm−20)℃以下がより好まし
い。
【0027】さらに、加熱温度を電解液の沸点(Te
b)以下とすれば、電解液がガスとなって、電池の内圧
が上昇し、電池が膨張するのを防止することができる。
b)以下とすれば、電解液がガスとなって、電池の内圧
が上昇し、電池が膨張するのを防止することができる。
【0028】本発明において、正・負極板とセパレータ
と有孔性ポリマー電解質との全空孔体積は、つぎのよう
に決定することができる。まず、非水電解質電池の充放
電を5回以上繰り返し、その電池から正極板と負極板と
セパレータと有孔性ポリマー電解質とを取り出す。つぎ
に、それらをジメチルカーボネート(DMC)などの溶
媒で洗浄し、乾燥してから、それらの空孔体積を水銀ポ
ロシメータで測定する。また、電池のサイクル性能をさ
らに向上させるためには、電解液量を40%以上とする
ことが好ましく、さらに、60%以上とすることが好ま
しい。
と有孔性ポリマー電解質との全空孔体積は、つぎのよう
に決定することができる。まず、非水電解質電池の充放
電を5回以上繰り返し、その電池から正極板と負極板と
セパレータと有孔性ポリマー電解質とを取り出す。つぎ
に、それらをジメチルカーボネート(DMC)などの溶
媒で洗浄し、乾燥してから、それらの空孔体積を水銀ポ
ロシメータで測定する。また、電池のサイクル性能をさ
らに向上させるためには、電解液量を40%以上とする
ことが好ましく、さらに、60%以上とすることが好ま
しい。
【0029】電池の加熱方法としては、恒温槽、ウオー
ターバス、オイルバス等を使用できる。また、加熱時間
は、電池の大きさや加熱温度に合わせて、最適な加熱時
間を選択すればよい。
ターバス、オイルバス等を使用できる。また、加熱時間
は、電池の大きさや加熱温度に合わせて、最適な加熱時
間を選択すればよい。
【0030】また、本発明は、上記非水電解質電池の製
造方法において、放電状態の電池を加熱することを特徴
とする。充電状態の電池を加熱したとき、正・負極活物
質と電解液との反応が進行しやすいことから、電池の高
率放電性能が著しく低下する。したがって、本発明で
は、放電状態の電池を加熱することによって、電池の高
率放電性能の低下を抑制する。
造方法において、放電状態の電池を加熱することを特徴
とする。充電状態の電池を加熱したとき、正・負極活物
質と電解液との反応が進行しやすいことから、電池の高
率放電性能が著しく低下する。したがって、本発明で
は、放電状態の電池を加熱することによって、電池の高
率放電性能の低下を抑制する。
【0031】ここで、放電状態の電池とは、室温での放
電容量をCD(Ah)とした時、充電状態から一定容量
を放電した状態を意味する。ここで、充電状態からの放
電容量をCx(Ah)とした時、放電深度を(Cx/C
D)×100で定義する。本発明において、電池を加熱
する場合の放電深度は、20%以上が好ましく、さら
に、50%以上がより好ましく、70%以上が最も好ま
しい。
電容量をCD(Ah)とした時、充電状態から一定容量
を放電した状態を意味する。ここで、充電状態からの放
電容量をCx(Ah)とした時、放電深度を(Cx/C
D)×100で定義する。本発明において、電池を加熱
する場合の放電深度は、20%以上が好ましく、さら
に、50%以上がより好ましく、70%以上が最も好ま
しい。
【0032】また、本発明は、上記製造方法で得られた
非水電解質電池において、電池内のガスが1体積%以上
の二酸化炭素を含むことを特徴とする。ここで、二酸化
炭素の含有率は、(二酸化炭素の体積/(二酸化炭素の
体積+その他のガスの体積))×100/体積%で定義
される。それらのガスの体積は、ガスクロマトグラフに
よって測定できる。さらに、その含有率を10体積%以
上とすることが好ましく、さらに、30体積%以上とす
ることが好ましく、50体積%以上とすることが好まし
い。さらに、二酸化炭素以外のガスは特に限定されない
が、大量に存在し、そして安価である空気が好ましい。
非水電解質電池において、電池内のガスが1体積%以上
の二酸化炭素を含むことを特徴とする。ここで、二酸化
炭素の含有率は、(二酸化炭素の体積/(二酸化炭素の
体積+その他のガスの体積))×100/体積%で定義
される。それらのガスの体積は、ガスクロマトグラフに
よって測定できる。さらに、その含有率を10体積%以
上とすることが好ましく、さらに、30体積%以上とす
ることが好ましく、50体積%以上とすることが好まし
い。さらに、二酸化炭素以外のガスは特に限定されない
が、大量に存在し、そして安価である空気が好ましい。
【0033】電池を加熱したとき、正・負極活物質と電
解液との反応が促進され、その結果、その高率放電性能
が低下する。本発明では、電池内に適量の二酸化炭素を
あらかじめ入れることによって、電池の高率放電性能が
著しく向上する。その理由は、負極活物質の表面での二
酸化炭素の還元によって、炭酸リチウムの被膜がその表
面に形成され、その結果、電解液の還元分解が抑制され
るためである。さらに、正極板における電解液の酸化分
解生成物である二酸化炭素をあらかじめ電池内に入れる
ことによって、その分解反応の進行を抑制できるためで
あると考えられる。
解液との反応が促進され、その結果、その高率放電性能
が低下する。本発明では、電池内に適量の二酸化炭素を
あらかじめ入れることによって、電池の高率放電性能が
著しく向上する。その理由は、負極活物質の表面での二
酸化炭素の還元によって、炭酸リチウムの被膜がその表
面に形成され、その結果、電解液の還元分解が抑制され
るためである。さらに、正極板における電解液の酸化分
解生成物である二酸化炭素をあらかじめ電池内に入れる
ことによって、その分解反応の進行を抑制できるためで
あると考えられる。
【0034】有孔性ポリマー電解質としては、充放電に
よる活物質の体積の膨張・収縮に対応できる柔軟性があ
るものが好ましく、さらに、ポリマーが電解液で湿潤ま
たは膨潤することが好ましい。具体的には、ポリビニリ
デンフルオライド(PVdF)、ポリアクリロニトリル
(PAN)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプ
ロピレンオキシド(PPO)、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)、ポリビニルフルオライド、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルアクリレート、
ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド、ポリカプロラクタム、ポリ
ビニルアルコール、ポリウレタン、ポリエチレンイミ
ン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ
スチレン、ポリイソプレン、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロースおよびこれらの誘導体を単独であ
るいは混合して用いることができる。
よる活物質の体積の膨張・収縮に対応できる柔軟性があ
るものが好ましく、さらに、ポリマーが電解液で湿潤ま
たは膨潤することが好ましい。具体的には、ポリビニリ
デンフルオライド(PVdF)、ポリアクリロニトリル
(PAN)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプ
ロピレンオキシド(PPO)、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)、ポリビニルフルオライド、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルアクリレート、
ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド、ポリカプロラクタム、ポリ
ビニルアルコール、ポリウレタン、ポリエチレンイミ
ン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ
スチレン、ポリイソプレン、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロースおよびこれらの誘導体を単独であ
るいは混合して用いることができる。
【0035】また、これらのポリマーを構成するモノマ
ーを組み合わせたものを用いることができる。具体的に
は、ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレ
ンコポリマー(P(VdF/HFP))、スチレンブタ
ジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレン系エラ
ストマー、フッ素系エラストマー、オレフィン系エラス
トマーなどを用いることをできる。それらのなかで、P
VdF、 P(VdF/HFP)、PAN、PEO、P
PO、PMMAおよびこれらの誘導体を単独あるいは混
合して使用することが好ましい。
ーを組み合わせたものを用いることができる。具体的に
は、ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレ
ンコポリマー(P(VdF/HFP))、スチレンブタ
ジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレン系エラ
ストマー、フッ素系エラストマー、オレフィン系エラス
トマーなどを用いることをできる。それらのなかで、P
VdF、 P(VdF/HFP)、PAN、PEO、P
PO、PMMAおよびこれらの誘導体を単独あるいは混
合して使用することが好ましい。
【0036】さらに、フッ素を含むポリマーがもっとも
好ましい。PVdFやP(VdF/HFP)などのフッ
素を含むポリマーは他のポリマーと比較すると電気化学
的に安定であるため、正・負極板およびセパレータのす
べてに使用することができる。
好ましい。PVdFやP(VdF/HFP)などのフッ
素を含むポリマーは他のポリマーと比較すると電気化学
的に安定であるため、正・負極板およびセパレータのす
べてに使用することができる。
【0037】有孔性ポリマーの製造方法としては、ポリ
マーをその溶液から相分離させる方法が望ましい。その
方法としては、ポリマー溶液の加熱または冷却による温
度変化、ポリマー溶液の溶媒の蒸発による濃度変化など
が挙げられるが、特にポリマー溶液からの溶媒の抽出、
すなわち溶媒抽出法が好ましい。具体的には、ポリマー
溶液を、ポリマーと非相溶性であり、かつポリマー溶液
の第1の溶媒と相溶性である第2の溶媒中に浸漬するこ
とによって、第1の溶媒を抽出する方法である。その結
果、第1の溶媒を除去した部分が孔となるため、有孔性
ポリマーを製造できる。この方法では、ポリマーに円形
の孔が形成される。
マーをその溶液から相分離させる方法が望ましい。その
方法としては、ポリマー溶液の加熱または冷却による温
度変化、ポリマー溶液の溶媒の蒸発による濃度変化など
が挙げられるが、特にポリマー溶液からの溶媒の抽出、
すなわち溶媒抽出法が好ましい。具体的には、ポリマー
溶液を、ポリマーと非相溶性であり、かつポリマー溶液
の第1の溶媒と相溶性である第2の溶媒中に浸漬するこ
とによって、第1の溶媒を抽出する方法である。その結
果、第1の溶媒を除去した部分が孔となるため、有孔性
ポリマーを製造できる。この方法では、ポリマーに円形
の孔が形成される。
【0038】また、有孔性ポリマーの製造方法として、
温度に対するポリマーの溶解度の変化を利用するものも
好ましい。この方法では、ある温度でポリマーを第3の
溶媒に溶解してから、ポリマー溶液の温度を下げること
によって、ポリマーが過飽和となるため、その溶液中で
ポリマーと第3の溶媒とが相分離する。それから第3の
溶媒を除去することによって、有孔性ポリマーを製造で
きる。
温度に対するポリマーの溶解度の変化を利用するものも
好ましい。この方法では、ある温度でポリマーを第3の
溶媒に溶解してから、ポリマー溶液の温度を下げること
によって、ポリマーが過飽和となるため、その溶液中で
ポリマーと第3の溶媒とが相分離する。それから第3の
溶媒を除去することによって、有孔性ポリマーを製造で
きる。
【0039】上記方法で得られた有孔性ポリマーを、電
解液で湿潤または膨潤させることによって、有孔性ポリ
マー電解質とする。
解液で湿潤または膨潤させることによって、有孔性ポリ
マー電解質とする。
【0040】有孔性ポリマーの製造方法に用いる第1の
溶媒としては、ポリマーが溶解できるものであればよ
く、具体的には、プロピレンカーボネート(PC)、エ
チレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート
(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチル
エチルカーボネート(MEC)などの炭酸エステル、ジ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル、メチルエチ
ルケトン、アセトンなどのケトン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−ピロリジノ
ン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げ
られる。
溶媒としては、ポリマーが溶解できるものであればよ
く、具体的には、プロピレンカーボネート(PC)、エ
チレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート
(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチル
エチルカーボネート(MEC)などの炭酸エステル、ジ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル、メチルエチ
ルケトン、アセトンなどのケトン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−ピロリジノ
ン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げ
られる。
【0041】また、第3の溶媒としては、ある温度での
ポリマーの溶解度が低く、そして、それより高い温度で
ポリマーが溶解しやすいものが好ましい。たとえば、メ
チルエチルケトン、アセトンなどのケトン、PC、E
C、DMC、DEC、MECなどの炭酸エステル、ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル、ジメチルホル
ムアミドなどが好ましい。それらのなかでも、第3の溶
媒としては、ケトンが好ましく、とくにメチルエチルケ
トンが好ましい。
ポリマーの溶解度が低く、そして、それより高い温度で
ポリマーが溶解しやすいものが好ましい。たとえば、メ
チルエチルケトン、アセトンなどのケトン、PC、E
C、DMC、DEC、MECなどの炭酸エステル、ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル、ジメチルホル
ムアミドなどが好ましい。それらのなかでも、第3の溶
媒としては、ケトンが好ましく、とくにメチルエチルケ
トンが好ましい。
【0042】また、第2の溶媒としては、ポリマーと非
相溶性であり、かつ第1の溶媒と相溶性であればよい。
たとえば、水、アルコール、アセトンなどが挙げられ
る。さらに、これらの混合溶液を使用してもよい。
相溶性であり、かつ第1の溶媒と相溶性であればよい。
たとえば、水、アルコール、アセトンなどが挙げられ
る。さらに、これらの混合溶液を使用してもよい。
【0043】本発明では、電池内に二酸化炭素を入れて
から、その容器の穴を閉じることによって、1体積%以
上の二酸化炭素をあらかじめ含む電池を製作する。ここ
で、二酸化炭素を入れる工程は電解液を入れる工程の前
に実施してもよく、その後に実施してもよい。また、二
酸化炭素と電解液とを同時に入れてもよい。さらに、初
回充電の工程は二酸化炭素を入れる工程の前に実施して
もよく、その後に実施してもよい。
から、その容器の穴を閉じることによって、1体積%以
上の二酸化炭素をあらかじめ含む電池を製作する。ここ
で、二酸化炭素を入れる工程は電解液を入れる工程の前
に実施してもよく、その後に実施してもよい。また、二
酸化炭素と電解液とを同時に入れてもよい。さらに、初
回充電の工程は二酸化炭素を入れる工程の前に実施して
もよく、その後に実施してもよい。
【0044】また、電池に電解液を入れてから充放電を
繰り返すまでは、その液の分布が不均一であることか
ら、初回充電時に、二酸化炭素が電池内に入っているこ
とが好ましい。それによって、負極活物質の表面に均一
な被膜が形成され、ガスの発生を抑制できる。さらに、
電池の容器を閉じる工程は、初回充電の工程の前に実施
してもよく、その後に実施してもよい。
繰り返すまでは、その液の分布が不均一であることか
ら、初回充電時に、二酸化炭素が電池内に入っているこ
とが好ましい。それによって、負極活物質の表面に均一
な被膜が形成され、ガスの発生を抑制できる。さらに、
電池の容器を閉じる工程は、初回充電の工程の前に実施
してもよく、その後に実施してもよい。
【0045】さらに、本発明では、電池を減圧してか
ら、そこに二酸化炭素を入れることが好ましい。そのと
き、電池を0.09MPa以下に減圧することが好まし
い。さらに、その圧力を、0.05MPa以下、さらに
0.01MPa以下とすることが好ましい。また、電池
の容器の穴を閉じた後のその中の圧力が、その外の圧力
以下であることが好ましい。
ら、そこに二酸化炭素を入れることが好ましい。そのと
き、電池を0.09MPa以下に減圧することが好まし
い。さらに、その圧力を、0.05MPa以下、さらに
0.01MPa以下とすることが好ましい。また、電池
の容器の穴を閉じた後のその中の圧力が、その外の圧力
以下であることが好ましい。
【0046】電解液の溶媒としては、非プロトン性溶媒
が好ましい。具体的には、EC、PC、ブチレンカーボ
ネート、DMC、DEC、MEC、γ−ブチロラクト
ン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、1、3−ジオキソラン、メチルアセテート、NM
P、4−メチル−1、3−ジオキソラン、N−メチルピ
ロリジン、エチルメチルケトン、メチルプロピオネー
ト、アセトン、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテ
ル、ジメチルエーテルなど、または、これらの混合物を
使用してもよい。
が好ましい。具体的には、EC、PC、ブチレンカーボ
ネート、DMC、DEC、MEC、γ−ブチロラクト
ン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、1、3−ジオキソラン、メチルアセテート、NM
P、4−メチル−1、3−ジオキソラン、N−メチルピ
ロリジン、エチルメチルケトン、メチルプロピオネー
ト、アセトン、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテ
ル、ジメチルエーテルなど、または、これらの混合物を
使用してもよい。
【0047】さらに、電解液に含有させる塩としては、
LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCl
O4、LiSCN、LiI、LiCF3SO3、 Li
C4F9SO3、 Li(CF3SO2)2N、LiC
l、LiBr、LiCF3CO2などのリチウム塩、ま
たは、これらの混合物が好ましい。
LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCl
O4、LiSCN、LiI、LiCF3SO3、 Li
C4F9SO3、 Li(CF3SO2)2N、LiC
l、LiBr、LiCF3CO2などのリチウム塩、ま
たは、これらの混合物が好ましい。
【0048】また、本発明の正極活物質としては、リチ
ウムの吸蔵・放出の可能な化合物であればよい。たとえ
ば、無機化合物としては、組成式LixMO2またはLi
yM2O4(ただし、Mは遷移金属、0≦x≦1、0≦y
≦2)で表される複合酸化物、トンネル状の孔を有する
酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物などを用いるこ
とができる。その具体例としては、LiCoO2、Li
NiO2、LiMn2O4、NiOOH、LiFeO2、T
iS2、TiO2、V2O5、MnO2などが挙げられる。
また、その一部を他の元素で置換した無機化合物を用い
てもよく、例えば、LiCo0.9Al0.1O2、
LiMn1.85Al0.15O4、LiNi0.5M
n1.5O4、 Ni0.80Co0.20OOHなど
が挙げられる。また、有機化合物としては、たとえばポ
リアニリンなどの導電性ポリマーなどが挙げられる。さ
らに、それらの正極活物質を混合して用いてもよい。
ウムの吸蔵・放出の可能な化合物であればよい。たとえ
ば、無機化合物としては、組成式LixMO2またはLi
yM2O4(ただし、Mは遷移金属、0≦x≦1、0≦y
≦2)で表される複合酸化物、トンネル状の孔を有する
酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物などを用いるこ
とができる。その具体例としては、LiCoO2、Li
NiO2、LiMn2O4、NiOOH、LiFeO2、T
iS2、TiO2、V2O5、MnO2などが挙げられる。
また、その一部を他の元素で置換した無機化合物を用い
てもよく、例えば、LiCo0.9Al0.1O2、
LiMn1.85Al0.15O4、LiNi0.5M
n1.5O4、 Ni0.80Co0.20OOHなど
が挙げられる。また、有機化合物としては、たとえばポ
リアニリンなどの導電性ポリマーなどが挙げられる。さ
らに、それらの正極活物質を混合して用いてもよい。
【0049】特に本発明では、正極活物質としてニッケ
ル酸リチウムを使用した非水電解質電池のサイクル性能
が向上する。本発明でのニッケル酸リチウムはとくに限
定されないが、代表的なものとして、LiNiO2およ
びその一部を他の元素に置換したものがある。具体的に
は、LiNi0.80Co0.20O2、 LiNi
0.80Al0.20O2、LiNi0.80Co
0.17Al0.03O2が挙げられる。さらに、ニッ
ケル酸リチウムに他の活物質が含まれていても、本発明
は効果的である。たとえば、コバルト酸リチウム、マン
ガン酸リチウムなどとの混合物が挙げられる。
ル酸リチウムを使用した非水電解質電池のサイクル性能
が向上する。本発明でのニッケル酸リチウムはとくに限
定されないが、代表的なものとして、LiNiO2およ
びその一部を他の元素に置換したものがある。具体的に
は、LiNi0.80Co0.20O2、 LiNi
0.80Al0.20O2、LiNi0.80Co
0.17Al0.03O2が挙げられる。さらに、ニッ
ケル酸リチウムに他の活物質が含まれていても、本発明
は効果的である。たとえば、コバルト酸リチウム、マン
ガン酸リチウムなどとの混合物が挙げられる。
【0050】また、導電剤として、正極活物質にアセチ
レンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、
導電性ポリマーなどを混合してもよい。
レンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、
導電性ポリマーなどを混合してもよい。
【0051】負極活物質としては、たとえばグラファイ
ト、カーボンなどの炭素材料、Al、Si、Pb、S
n、Zn、Cdなどとリチウムとの合金、LiFe2O
3などの遷移金属複合酸化物、WO2、MoO2などの
遷移金属酸化物、Li3−xM xN(ただし、Mは遷移
金属、0≦x≦0.8)などの窒化リチウム、もしくは
金属リチウムなどが挙げられる。また、これらの混合物
を用いてもよい。炭素材料としては、コークス、メソカ
ーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッ
チ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維などの易黒鉛化
性炭素、フェノール樹脂焼成体、ポリアクリロニトリル
系炭素繊維、擬等方性炭素、フルフリルアルコール樹脂
焼成体などの難黒鉛化性炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、黒
鉛化MCMB、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維、
黒鉛ウイスカーなどの黒鉛質材料、さらに、これらの混
合物がある。
ト、カーボンなどの炭素材料、Al、Si、Pb、S
n、Zn、Cdなどとリチウムとの合金、LiFe2O
3などの遷移金属複合酸化物、WO2、MoO2などの
遷移金属酸化物、Li3−xM xN(ただし、Mは遷移
金属、0≦x≦0.8)などの窒化リチウム、もしくは
金属リチウムなどが挙げられる。また、これらの混合物
を用いてもよい。炭素材料としては、コークス、メソカ
ーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッ
チ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維などの易黒鉛化
性炭素、フェノール樹脂焼成体、ポリアクリロニトリル
系炭素繊維、擬等方性炭素、フルフリルアルコール樹脂
焼成体などの難黒鉛化性炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、黒
鉛化MCMB、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維、
黒鉛ウイスカーなどの黒鉛質材料、さらに、これらの混
合物がある。
【0052】正極板および負極板の集電体としては、
鉄、銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどを使
用することができる。また、その形状としては、シー
ト、発泡体、焼結多孔体、エキスパンド格子などのいず
れでもよい。さらに、前記集電体に任意の形状で穴を開
けたものでもよい。
鉄、銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどを使
用することができる。また、その形状としては、シー
ト、発泡体、焼結多孔体、エキスパンド格子などのいず
れでもよい。さらに、前記集電体に任意の形状で穴を開
けたものでもよい。
【0053】活物質と導電剤と集電体とを接着する結着
剤としては、充放電による活物質の体積の膨張・収縮に
対応できる柔軟性があるものが好ましいことから、有孔
性ポリマー電解質と同様のポリマーを使用することがで
きる。例えば、正極板の結着剤としては、電気化学的に
安定なフッ素を含むポリマーが好ましく、具体的には、
PVdF、P(VdF/HFP)、フッ素系エラストマ
ーなどのポリマーおよびこれらの誘導体を単独であるい
は混合して用いることができる。。一方、負極板の結着
剤としては、PVdF、P(VdF/HFP)、フッ素
系エラストマーなどのフッ素を含むポリマー、スチレン
ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロースおよびこれらの誘
導体を単独であるいは混合して用いることができる。
剤としては、充放電による活物質の体積の膨張・収縮に
対応できる柔軟性があるものが好ましいことから、有孔
性ポリマー電解質と同様のポリマーを使用することがで
きる。例えば、正極板の結着剤としては、電気化学的に
安定なフッ素を含むポリマーが好ましく、具体的には、
PVdF、P(VdF/HFP)、フッ素系エラストマ
ーなどのポリマーおよびこれらの誘導体を単独であるい
は混合して用いることができる。。一方、負極板の結着
剤としては、PVdF、P(VdF/HFP)、フッ素
系エラストマーなどのフッ素を含むポリマー、スチレン
ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロースおよびこれらの誘
導体を単独であるいは混合して用いることができる。
【0054】セパレータとしては、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどポリオレフィンの微多孔性膜が好まし
い。また、ポリエチレンとポリプロピレンとを積層した
微多孔製膜を用いてもよい。
プロピレンなどポリオレフィンの微多孔性膜が好まし
い。また、ポリエチレンとポリプロピレンとを積層した
微多孔製膜を用いてもよい。
【0055】電池の容器としては、ステンレス、鉄、ア
ルミニウムなどの金属、アルミニウムなどの金属とポリ
マーとの積層体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリマーなどを使用することができる。
ルミニウムなどの金属、アルミニウムなどの金属とポリ
マーとの積層体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリマーなどを使用することができる。
【0056】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を用いて説明す
る。
る。
【0057】[実施例1]まず、非水電解質電池の加熱
温度と高率放電性能との関係を検討した。
温度と高率放電性能との関係を検討した。
【0058】正極板は、つぎのようにして製作した。ニ
ッケル酸リチウム(LiNi0.8 5Co
0.15O2)55wt%、アセチレンブラック2wt
%、PVdF4wt%、NMP39wt%を混合してか
ら、それを幅100mm、長さ600mm、厚さ20μ
mのアルミニウム箔の両面に塗布し、そして100℃で
乾燥した。
ッケル酸リチウム(LiNi0.8 5Co
0.15O2)55wt%、アセチレンブラック2wt
%、PVdF4wt%、NMP39wt%を混合してか
ら、それを幅100mm、長さ600mm、厚さ20μ
mのアルミニウム箔の両面に塗布し、そして100℃で
乾燥した。
【0059】負極板は、つぎのようにして製作した。グ
ラファイト50wt%、PVdF5wt%、NMP45
wt%を混合してから、それを幅100mm、長さ60
0mm、厚さ10μmの銅箔の両面に塗布し、そして1
00℃で乾燥した。
ラファイト50wt%、PVdF5wt%、NMP45
wt%を混合してから、それを幅100mm、長さ60
0mm、厚さ10μmの銅箔の両面に塗布し、そして1
00℃で乾燥した。
【0060】つぎに、6および4wt%のP(VdF/
HFP)のNMP溶液中に正・負極板をそれぞれ浸漬す
ることによって、極板の孔中にポリマー溶液を含浸し
た。ここで、このP(VdF/HFP)のVdFとHF
Pとのモル比はVdF:HFP=95:5であり、実施
例中では、とくに断りのない限りこのポリマーを使用し
た。その後、その極板をローラーの間に通すことによっ
て、極板の表面の余分なポリマー溶液を取り除いた。さ
らに、正・負極板を0.001mol/lのリン酸水溶
液および脱イオン水にそれぞれ浸漬することによって、
NMPの抽出をおこない、極板の孔中および表面に有孔
性ポリマーを形成した。
HFP)のNMP溶液中に正・負極板をそれぞれ浸漬す
ることによって、極板の孔中にポリマー溶液を含浸し
た。ここで、このP(VdF/HFP)のVdFとHF
Pとのモル比はVdF:HFP=95:5であり、実施
例中では、とくに断りのない限りこのポリマーを使用し
た。その後、その極板をローラーの間に通すことによっ
て、極板の表面の余分なポリマー溶液を取り除いた。さ
らに、正・負極板を0.001mol/lのリン酸水溶
液および脱イオン水にそれぞれ浸漬することによって、
NMPの抽出をおこない、極板の孔中および表面に有孔
性ポリマーを形成した。
【0061】その後、プレスをおこなうことによって、
正極板の厚さを270μmから165μmまで薄くして
から、幅26mm、長さ495mmのサイズに切断し
た。同様に、負極板の厚さを250μmから195μm
まで薄くしてから、幅27mm、長さ450mmのサイ
ズに切断した。
正極板の厚さを270μmから165μmまで薄くして
から、幅26mm、長さ495mmのサイズに切断し
た。同様に、負極板の厚さを250μmから195μm
まで薄くしてから、幅27mm、長さ450mmのサイ
ズに切断した。
【0062】つぎに、有孔性ポリマーを備えたポリエチ
レンセパレータをつぎのような方法で製作した。ポリエ
チレンセパレータには、厚み20μm、幅29.5m
m、多孔度40%のものを使用した。はじめに、そのセ
パレータを20wt%のP(VdF/HFP)溶液に浸
漬してから、取り出した後、2本のローラーの間を通し
た。その後、そのセパレータを脱イオン水のなかに浸漬
してから、乾燥した。有孔性ポリマーを備えたポリエチ
レンセパレータの厚みは23μmであった。
レンセパレータをつぎのような方法で製作した。ポリエ
チレンセパレータには、厚み20μm、幅29.5m
m、多孔度40%のものを使用した。はじめに、そのセ
パレータを20wt%のP(VdF/HFP)溶液に浸
漬してから、取り出した後、2本のローラーの間を通し
た。その後、そのセパレータを脱イオン水のなかに浸漬
してから、乾燥した。有孔性ポリマーを備えたポリエチ
レンセパレータの厚みは23μmであった。
【0063】つぎに、これらの正・負極板と有孔性ポリ
マーを備えたポリエチレンセパレータとを巻回してか
ら、高さ48.0mm、幅29.2mm、厚さ5.0m
mのアルミニウムの容器に挿入した。さらに、体積比
1:1のECとDECとの混合液に1mol/lのLi
PF6を加えた電解液を1.20g(正・負極板とセパ
レータと有孔性ポリマー電解質との全空孔体積に対して
100%の電解液量は2.00g、したがって、1.2
0gは全空孔体積の60%の電解液量)注入した。ここ
で有孔性ポリマーは、孔の部分に電解液を保持し、同時
にポリマー部分は電解液で膨潤して、有孔性ポリマー電
解質となる。
マーを備えたポリエチレンセパレータとを巻回してか
ら、高さ48.0mm、幅29.2mm、厚さ5.0m
mのアルミニウムの容器に挿入した。さらに、体積比
1:1のECとDECとの混合液に1mol/lのLi
PF6を加えた電解液を1.20g(正・負極板とセパ
レータと有孔性ポリマー電解質との全空孔体積に対して
100%の電解液量は2.00g、したがって、1.2
0gは全空孔体積の60%の電解液量)注入した。ここ
で有孔性ポリマーは、孔の部分に電解液を保持し、同時
にポリマー部分は電解液で膨潤して、有孔性ポリマー電
解質となる。
【0064】その後、電池を0.008MPaの減圧下
に置いた後、二酸化炭素を電池内に入れてから、148
mAの電流値で1時間充電し、そして電池の容器の穴を
閉じることによって、公称容量740mAhの電池を製
作した。なお、電池の容器には非復帰式の安全弁を備え
た。
に置いた後、二酸化炭素を電池内に入れてから、148
mAの電流値で1時間充電し、そして電池の容器の穴を
閉じることによって、公称容量740mAhの電池を製
作した。なお、電池の容器には非復帰式の安全弁を備え
た。
【0065】その後、これらの電池を恒温槽中に入れ、
30℃〜120℃の温度で15分間加熱してから、室温
に放置した。つぎに、これらの電池を、つぎのような条
件で試験した。25℃で、148mA定電流で4.2V
まで充電し、さらに4.2Vで2時間充電した。つぎ
に、高率放電に相当する1480mA定電流で2.75
Vまで放電した。
30℃〜120℃の温度で15分間加熱してから、室温
に放置した。つぎに、これらの電池を、つぎのような条
件で試験した。25℃で、148mA定電流で4.2V
まで充電し、さらに4.2Vで2時間充電した。つぎ
に、高率放電に相当する1480mA定電流で2.75
Vまで放電した。
【0066】電池の加熱温度と放電容量との関係を図1
に示す。図1から、40℃以上の温度で加熱することに
よって、放電容量は増加することがわかった。さらに、
加熱温度が60℃以上で放電容量は非常に増加し、80
℃〜100℃で放電容量は最も増大し、さらに、100
〜110℃でさえ放電容量は30℃で加熱した場合より
も増加することがわかった。しかし、120℃加熱で
は、放電容量は30℃で加熱した場合と同程度となっ
た。
に示す。図1から、40℃以上の温度で加熱することに
よって、放電容量は増加することがわかった。さらに、
加熱温度が60℃以上で放電容量は非常に増加し、80
℃〜100℃で放電容量は最も増大し、さらに、100
〜110℃でさえ放電容量は30℃で加熱した場合より
も増加することがわかった。しかし、120℃加熱で
は、放電容量は30℃で加熱した場合と同程度となっ
た。
【0067】電池を40℃以上の温度で加熱することに
よって、有孔性ポリマー電解質が電解液を十分に吸収す
るため、電解液が電池全体に浸透する。したがって、そ
の温度を室温に戻した後でさえ、極板の合剤層内、セパ
レータの孔中、極板とセパレータ間などでの電解液の分
布は均一となり、その結果、その高率放電性能が向上し
たものと考えられる。
よって、有孔性ポリマー電解質が電解液を十分に吸収す
るため、電解液が電池全体に浸透する。したがって、そ
の温度を室温に戻した後でさえ、極板の合剤層内、セパ
レータの孔中、極板とセパレータ間などでの電解液の分
布は均一となり、その結果、その高率放電性能が向上し
たものと考えられる。
【0068】また、電池の加熱温度が120℃では、セ
パレータや有孔性ポリマー電解質の融点を超えているた
め、セパレータの孔が塞がり、その結果、電池の高率放
電性能が低下したものと考えられ、また、100〜11
0℃での放電性能の若干の低下の原因は有孔性ポリマー
電解質の孔が閉塞するためであると考えられる。
パレータや有孔性ポリマー電解質の融点を超えているた
め、セパレータの孔が塞がり、その結果、電池の高率放
電性能が低下したものと考えられ、また、100〜11
0℃での放電性能の若干の低下の原因は有孔性ポリマー
電解質の孔が閉塞するためであると考えられる。
【0069】[実施例2]つぎに、電解液量と高率放電
性能との関係を検討した。実施例1の電池において、
0.40g〜2.60gの電解液量(正・負極板とセパ
レータと有孔性ポリマー電解質との全空孔体積に対して
20%〜130%の電解液量)を注入したものを製作
し、それを80℃の温度で15分間加熱した。その後、
これらの電池の試験を、実施例1と同様の条件で実施し
た。
性能との関係を検討した。実施例1の電池において、
0.40g〜2.60gの電解液量(正・負極板とセパ
レータと有孔性ポリマー電解質との全空孔体積に対して
20%〜130%の電解液量)を注入したものを製作
し、それを80℃の温度で15分間加熱した。その後、
これらの電池の試験を、実施例1と同様の条件で実施し
た。
【0070】電解液量と高率放電性能との関係を図2に
示す。図2から、全空孔体積に対して30%〜100%
の電解液量を含む電池では、放電容量が大きくなること
がわかった。つまり、電池を加熱することによって、電
解液量の少ない電池の高率放電性能が良好になることが
わかった。
示す。図2から、全空孔体積に対して30%〜100%
の電解液量を含む電池では、放電容量が大きくなること
がわかった。つまり、電池を加熱することによって、電
解液量の少ない電池の高率放電性能が良好になることが
わかった。
【0071】[実施例3]さらに、電池加熱時の、電池
の放電深度と放電容量との関係を検討した。実施例1の
電池を使用し、25℃で、148mA定電流で4.2V
まで充電し、さらに4.2Vで2時間充電した。つぎ
に、148mA定電流で2.75Vまで放電し、この時
の放電容量をCD(Ah)とし、この状態を電池の放電
深度100%とした。そして、放電深度0%の電池を、
148mA定電流で0.9CD(Ah)放電し、これを
放電深度90%の電池とした。同様にして、電池を一定
時間放電することにより、放電深度10%〜80%の電
池を製作した。つぎに、それらの電池を80℃で15分
間加熱してから、室温に放置した。その後、これの電池
を実施例1と同様の条件で充放電した。
の放電深度と放電容量との関係を検討した。実施例1の
電池を使用し、25℃で、148mA定電流で4.2V
まで充電し、さらに4.2Vで2時間充電した。つぎ
に、148mA定電流で2.75Vまで放電し、この時
の放電容量をCD(Ah)とし、この状態を電池の放電
深度100%とした。そして、放電深度0%の電池を、
148mA定電流で0.9CD(Ah)放電し、これを
放電深度90%の電池とした。同様にして、電池を一定
時間放電することにより、放電深度10%〜80%の電
池を製作した。つぎに、それらの電池を80℃で15分
間加熱してから、室温に放置した。その後、これの電池
を実施例1と同様の条件で充放電した。
【0072】電池加熱時の放電深度と放電容量の関係を
図3に示す。図3から、電池を少しでも放電した状態で
加熱すれば、まったく放電しない電池と比較して、放電
容量は増加することがわかった。特に、放電深度が20
%以上の電池を加熱した場合、放電深度が深くなるにし
たがって放電容量は増加することがわかった。放電状態
の電池を加熱することによって、正・負極活物質と電解
液との反応が進行しにくくなることから、高率放電性能
の低下を抑制するものと考えられる。
図3に示す。図3から、電池を少しでも放電した状態で
加熱すれば、まったく放電しない電池と比較して、放電
容量は増加することがわかった。特に、放電深度が20
%以上の電池を加熱した場合、放電深度が深くなるにし
たがって放電容量は増加することがわかった。放電状態
の電池を加熱することによって、正・負極活物質と電解
液との反応が進行しにくくなることから、高率放電性能
の低下を抑制するものと考えられる。
【0073】[実施例4]また、電池内ガス中の二酸化
炭素濃度と放電容量との関係を検討した。実施例1の電
池を使用し、電池内ガス中の二酸化炭素濃度を0、0.
5、1、10、20、30、40、50、60、70、
80、90および100体積%とし、これらの電池を放
電深度100%とし、80℃で15分間加熱してから、
室温に放置した。その後、これらの電池を実施例1と同
様の条件で充放電した。
炭素濃度と放電容量との関係を検討した。実施例1の電
池を使用し、電池内ガス中の二酸化炭素濃度を0、0.
5、1、10、20、30、40、50、60、70、
80、90および100体積%とし、これらの電池を放
電深度100%とし、80℃で15分間加熱してから、
室温に放置した。その後、これらの電池を実施例1と同
様の条件で充放電した。
【0074】電池内ガス中の二酸化炭素濃度と放電容量
との関係を図4に示す。図4から、電池内ガス中の二酸
化炭素濃度を1体積%以上とすることによって、放電容
量が増加することがわかった。さらに、電池内ガス中の
二酸化炭素濃度が高くなるにしたがって、放電容量は増
加することがわかった。このように、電池内に適量の二
酸化炭素をあらかじめ入れることによって、電池の高率
放電性能が著しく向上することがわかった。
との関係を図4に示す。図4から、電池内ガス中の二酸
化炭素濃度を1体積%以上とすることによって、放電容
量が増加することがわかった。さらに、電池内ガス中の
二酸化炭素濃度が高くなるにしたがって、放電容量は増
加することがわかった。このように、電池内に適量の二
酸化炭素をあらかじめ入れることによって、電池の高率
放電性能が著しく向上することがわかった。
【0075】その理由は、負極活物質の表面での二酸化
炭素の還元によって、炭酸リチウムの被膜がその表面に
形成され、その結果、高温での電解液の還元分解が抑制
されるためである。さらに、正極板での電解液の酸化分
解生成物の二酸化炭素をあらかじめ電池内に入れること
によって、高温でのその分解反応の進行を抑制できるた
めであると考えられる。
炭素の還元によって、炭酸リチウムの被膜がその表面に
形成され、その結果、高温での電解液の還元分解が抑制
されるためである。さらに、正極板での電解液の酸化分
解生成物の二酸化炭素をあらかじめ電池内に入れること
によって、高温でのその分解反応の進行を抑制できるた
めであると考えられる。
【0076】
【発明の効果】本発明の非水電解質電池の製造方法は、
正・負極板の少なくとも一方とセパレータとに有孔性ポ
リマー電解質を備えた発電要素を作製する第1の工程
と、前記発電要素を電池容器に収納する第2の工程と、
正・負極板とセパレータと有孔性ポリマー電解質との全
空孔体積に対して30%以上100%以下の非水電解液
を注液する第3の工程とを備えた非水電解質電池の製造
方法において、第3の工程後、前記電池を40℃以上の
温度で加熱する工程を有することを特徴とするものであ
る。
正・負極板の少なくとも一方とセパレータとに有孔性ポ
リマー電解質を備えた発電要素を作製する第1の工程
と、前記発電要素を電池容器に収納する第2の工程と、
正・負極板とセパレータと有孔性ポリマー電解質との全
空孔体積に対して30%以上100%以下の非水電解液
を注液する第3の工程とを備えた非水電解質電池の製造
方法において、第3の工程後、前記電池を40℃以上の
温度で加熱する工程を有することを特徴とするものであ
る。
【0077】電解液量の少ない電池内では、電解液が偏
在していることから、その電池の高率放電性能は十分で
なかった。また、正・負極板の少なくとも一方とセパレ
ータとに有孔性ポリマー電解質を備えた非水電解質電池
においても、そのポリマー電解質が室温付近で電解液を
十分に吸収しないことから、その性能は十分でなかっ
た。
在していることから、その電池の高率放電性能は十分で
なかった。また、正・負極板の少なくとも一方とセパレ
ータとに有孔性ポリマー電解質を備えた非水電解質電池
においても、そのポリマー電解質が室温付近で電解液を
十分に吸収しないことから、その性能は十分でなかっ
た。
【0078】本発明の製造方法により、極板やセパレー
タに備えられた有孔性ポリマー電解質が電解液を十分に
吸収するため、電解液が電池全体に浸透することから、
電池の温度を室温に戻した後も、電池内での電解液の分
布は均一となり、その結果、電池の高率放電性能も良好
となる。
タに備えられた有孔性ポリマー電解質が電解液を十分に
吸収するため、電解液が電池全体に浸透することから、
電池の温度を室温に戻した後も、電池内での電解液の分
布は均一となり、その結果、電池の高率放電性能も良好
となる。
【図1】電池の加熱温度と放電容量との関係を示す図。
【図2】電解液量と放電容量との関係を示す図。
【図3】電池加熱時の放電深度と放電容量との関係を示
す図。
す図。
【図4】電池内の二酸化炭素の濃度と放電容量との関係
を示す図。
を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 正・負極板の少なくとも一方とセパレー
タとに有孔性ポリマー電解質を備えた発電要素を作製す
る第1の工程と、前記発電要素を電池容器に収納する第
2の工程と、正・負極板とセパレータと有孔性ポリマー
電解質との全空孔体積に対して30%以上100%以下
の非水電解液を注液する第3の工程とを備えた非水電解
質電池の製造方法において、第3の工程後、前記電池を
40℃以上の温度で加熱する工程を有することを特徴と
する非水電解質電池の製造方法。 - 【請求項2】 有孔性ポリマー電解質の融点(Tpm)
とセパレータの融点(Tsm)と電解液の沸点(Te
b)のうち、最も低い温度以下で電池を加熱することを
特徴とする請求項1記載の非水電解質電池の製造方法。 - 【請求項3】 放電状態の電池を加熱することを特徴と
する請求項1または2記載の非水電解質電池の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項1、2または3記載の製造方法で
得られた非水電解質電池において、電池内のガスが1体
積%以上の二酸化炭素を含むことを特徴とする非水電解
質電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001243752A JP2003059536A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 非水電解質電池およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001243752A JP2003059536A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 非水電解質電池およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003059536A true JP2003059536A (ja) | 2003-02-28 |
Family
ID=19073794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001243752A Pending JP2003059536A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 非水電解質電池およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003059536A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005190901A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Sanyo Electric Co Ltd | リチウム二次電池の製造方法 |
JP2005190977A (ja) * | 2003-06-19 | 2005-07-14 | Sanyo Electric Co Ltd | リチウム二次電池及びその製造方法 |
JP2006066164A (ja) * | 2004-08-26 | 2006-03-09 | Sanyo Electric Co Ltd | リチウム二次電池の製造方法 |
JP2008071730A (ja) * | 2006-08-14 | 2008-03-27 | Sony Corp | 非水電解質二次電池 |
JP2010113804A (ja) * | 2008-10-08 | 2010-05-20 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 非水電解液二次電池 |
JP2013077404A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-25 | Toshiba Corp | 二次電池の製造方法 |
JP2017520084A (ja) * | 2014-05-20 | 2017-07-20 | ダイソン テクノロジー リミテッド | 電気化学セルを製造する方法 |
-
2001
- 2001-08-10 JP JP2001243752A patent/JP2003059536A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005190977A (ja) * | 2003-06-19 | 2005-07-14 | Sanyo Electric Co Ltd | リチウム二次電池及びその製造方法 |
JP4610213B2 (ja) * | 2003-06-19 | 2011-01-12 | 三洋電機株式会社 | リチウム二次電池及びその製造方法 |
JP2005190901A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Sanyo Electric Co Ltd | リチウム二次電池の製造方法 |
JP4636793B2 (ja) * | 2003-12-26 | 2011-02-23 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池 |
JP2006066164A (ja) * | 2004-08-26 | 2006-03-09 | Sanyo Electric Co Ltd | リチウム二次電池の製造方法 |
JP2008071730A (ja) * | 2006-08-14 | 2008-03-27 | Sony Corp | 非水電解質二次電池 |
JP2010113804A (ja) * | 2008-10-08 | 2010-05-20 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 非水電解液二次電池 |
JP2013077404A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-25 | Toshiba Corp | 二次電池の製造方法 |
JP2017520084A (ja) * | 2014-05-20 | 2017-07-20 | ダイソン テクノロジー リミテッド | 電気化学セルを製造する方法 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
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