[go: up one dir, main page]

JP2002317757A - 容量可変型斜板式圧縮機における斜板 - Google Patents

容量可変型斜板式圧縮機における斜板

Info

Publication number
JP2002317757A
JP2002317757A JP2001123038A JP2001123038A JP2002317757A JP 2002317757 A JP2002317757 A JP 2002317757A JP 2001123038 A JP2001123038 A JP 2001123038A JP 2001123038 A JP2001123038 A JP 2001123038A JP 2002317757 A JP2002317757 A JP 2002317757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
swash plate
sliding
layer
variable displacement
shoe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001123038A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Sugiura
学 杉浦
Takayuki Kato
崇行 加藤
Hideki Mizutani
秀樹 水谷
Takahiro Sugioka
隆弘 杉岡
Akira Onoda
晃 小野田
Tomohiro Murakami
智洋 村上
Shinobu Okubo
忍 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2001123038A priority Critical patent/JP2002317757A/ja
Priority to EP02008723A priority patent/EP1251274B1/en
Priority to US10/126,037 priority patent/US6666128B2/en
Priority to DE60231270T priority patent/DE60231270D1/de
Publication of JP2002317757A publication Critical patent/JP2002317757A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
    • F04B27/1054Actuating elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/04Heavy metals
    • F05C2201/0469Other heavy metals
    • F05C2201/0475Copper or alloys thereof
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2253/00Other material characteristics; Treatment of material
    • F05C2253/12Coating

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容量可変型斜板式圧縮機の高速稼動時におけ
る容量制御性の向上と、シューとの接触摺動性を向上さ
せることとを、構成材料に鉛を多量に使用することなく
両立させることが可能な斜板を提供すること。 【解決手段】 斜板10の基材には銅系の材料が用いら
れている。同斜板10の外周部のフロント側及びリヤ側
には、それぞれシュー20A,20Bと摺動する摺動面
30A,30Bが形成されている。同摺動面30A,3
0Bには、シュー20A,20Bとの接触摺動性を改善
するための摺動層31A,31Bが被覆形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用空調
装置に用いられる容量可変型斜板式圧縮機における斜板
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の容量可変型斜板式圧縮機は、駆
動軸に斜板が一体回転可能でかつ傾動可能に連結され、
同斜板にはシューを介して片頭型のピストンが係留され
ている。駆動軸の回転運動は、斜板及びシューを介して
ピストンの往復運動に変換される。同容量可変型斜板式
圧縮機の吐出容量の変更は、駆動軸に対する斜板の傾斜
角度を変更することで行われる。
【0003】前記斜板としては鉄系の材質製のものが一
般的に用いられている。しかし、斜板の重量が軽いと、
その傾斜角度調節に関与する、回転時の遠心力に基づく
回転運動のモーメントが適正に発生されない。従って、
特に駆動軸の高速回転時(圧縮機の高速稼動時)におい
て、吐出容量の制御性が悪化するおそれがある。このた
め、斜板としては、同じ寸法形状において鉄系の材料よ
りも重量を重くすることが可能な、銅系の材料を用いた
ものが存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、前記斜板にはそ
の回転によりシューが摺動されるため、同シューと斜板
との間の摺動部位が摩耗する問題を生じるおそれがあ
る。従来は、斜板の基材に、固体潤滑剤としての鉛を含
有する銅系材料を用いることで、前述した高速稼動時に
おける容量制御性の確保とシューに対する接触摺動性の
向上とを両立させていた。しかし、有害物質である鉛の
多量な使用は好ましくない。
【0005】本発明は、容量可変型斜板式圧縮機の高速
稼動時における容量制御性の向上と、シューとの接触摺
動性を向上させることとを、構成材料に鉛を多量に使用
することなく両立させることが可能な斜板を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、基材を銅系の材質製とするととも
に、シューとの摺動領域に摺動用の摺動層を形成してな
ることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機における斜
板である。
【0007】この構成においては、基材がシューと直接
接触しないため、同基材の銅系材料に鉛を含有させなく
とも、斜板とシューとの接触摺動性を良好とすることが
できる。従って、容量可変型斜板式圧縮機の高速稼動時
における容量制御性の向上と、シューとの接触摺動性を
向上させることとを、構成材料に鉛を多量に使用するこ
となく両立させることが可能となる。
【0008】請求項2の発明は請求項1において、前記
摺動層は、固体潤滑剤を含有する樹脂層よりなることを
特徴としている。この構成においては、摺動層を安価に
形成することができる。
【0009】請求項3の発明は請求項1又は2におい
て、前記摺動層は、溶射によって形成された金属層より
なることを特徴としている。この構成においては、耐摩
耗性に優れる摺動層を得ることができる。
【0010】請求項4の発明は請求項1又は2におい
て、前記摺動層は、メッキによって形成された金属層よ
りなることを特徴としている。この構成においては、耐
摩耗性に優れる摺動層を得ることができる。
【0011】請求項5の発明は請求項3又は4におい
て、前記摺動層は、金属層と、同金属層上に形成された
固体潤滑剤を含有する樹脂層とからなることを特徴とし
ている。
【0012】この構成においては、例えば、金属層がシ
ューと直接摺動する場合、同金属層はその変形し難い性
質(この性質が耐摩耗性を良好としている一面もある)
から割れ等が生じ易い。従って、摺動層の上層として軟
質な樹脂層を設けて、金属層とシューとを直接接触させ
ないことは、同金属層の割れ等の発生を防止する上で有
効となる。
【0013】請求項6の発明は請求項3〜5のいずれか
において、前記金属層は固体潤滑剤を含有することを特
徴としている。この構成においては、斜板とシューとの
接触摺動性がさらに良好となる。
【0014】請求項7の発明は請求項1〜6のいずれか
において、前記基材に用いられる銅系の材料は、鉛を含
有しないことを特徴としている。この構成においては、
斜板全体に使用される鉛の大幅な削減が達成され、環境
衛生に関して問題が生じることを抑制できる。
【0015】請求項8の発明は請求項1〜7のいずれか
において、前記基材は、銅系の無垢材料よりなることを
特徴としている。この構成においては、斜板の重量をよ
り重くすることができ、容量可変型斜板式圧縮機の容量
制御性がさらに向上される。
【0016】請求項9の発明は請求項1〜7のいずれか
において、前記基材は、銅系の焼結材料よりなることを
特徴としている。この構成においては、基材の表面が微
視的に凹凸状態となり、金属層又は樹脂層の材料がこの
微視的な凹凸面の凹部に入り込む。従って、基材に対す
る金属層又は樹脂層の結合性が高くなり、耐久性及び接
触摺動性に優れた摺動層を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、空調装置の冷凍
サイクルを構成する容量可変型斜板式圧縮機における斜
板に具体化した一実施形態について説明する。
【0018】(容量可変型斜板式圧縮機)図1に示すよ
うに、容量可変型斜板式圧縮機(以下単に圧縮機とす
る)は、シリンダブロック1と、その前端に接合された
フロントハウジング2と、シリンダブロック1の後端に
弁形成体3を介して接合されたリヤハウジング4とを備
え、これらは複数の通しボルト(図示略)により相互に
接合固定されて圧縮機のハウジングを構成する。
【0019】前記ハウジング内には、クランク室5、吸
入室6及び吐出室7が区画されている。シリンダブロッ
ク1には複数のシリンダボア1a(一つのみ図示)が形
成され、各ボア1aには片頭型のピストン8が往復動可
能に収容されている。ピストン8はその軽量化のため
に、アルミニウム系の材料よりなっている。吸入室6及
び吐出室7は、弁形成体3に設けられた各種フラッパ弁
を介して各ボア1aと選択的に連通可能となっている。
【0020】前記クランク室5内には駆動軸9が回転可
能に支持され、又、カムプレートたる斜板10が収容さ
れている。斜板10の中央部には挿通孔10aが貫設さ
れ、この挿通孔10aに駆動軸9が挿通されている。こ
の斜板10は、ヒンジ機構13及びラグプレート11を
介して駆動軸9に作動連結され、駆動軸9と同期回転可
能でかつ駆動軸9の軸線方向への摺動を伴いながら駆動
軸9に対し傾動可能となっている。
【0021】そして、斜板10の外周部が前後一対のシ
ュー20A,20Bを介して各ピストン8に摺動自在に
係留されることで、全てのピストン8が斜板10に作動
連結されている。なお、同シュー20A,20Bは、そ
の機械的強度やアルミニウム系の材料よりなるピストン
8との摺動等を配慮して、鉄系の材料(例えば軸受鋼)
よりなっている。
【0022】前記駆動軸9とともに所定角度に傾斜した
斜板10が回転すると、各ピストン8が斜板10の傾斜
角に対応したストロークで往復動され、各ボア1aで
は、吸入室6(吸入圧Ps領域)からの冷媒ガスの吸
入、吸入冷媒ガスの圧縮、及び吐出室7(吐出圧Pd領
域)への圧縮済み冷媒ガスの吐出が順次繰り返される。
【0023】前記斜板10は、傾斜角減少バネ14によ
ってシリンダブロック1に接近する方向(傾斜角減少方
向)に付勢されている。ただし、例えば駆動軸9上に固
定されたサークリップ15で斜板10の傾斜角減少方向
への傾動を規制することで斜板10の最小傾斜角θmi
nが制限される。他方、斜板10の最大傾斜角θmax
は、例えば斜板10のカウンタウェイト部10bがラグ
プレート11の規制部11aに当接することで制限され
る。
【0024】前記斜板10の傾斜角は、斜板10の回転
時に生じる遠心力に基づく回転運動のモーメント、傾斜
角減少バネ14の付勢作用に基づくバネ力によるモーメ
ント、ピストン8の往復慣性力によるモーメント、ガス
圧によるモーメント等の各種モーメントの相互バランス
に基づいて決定される。
【0025】前述したガス圧によるモーメントとは、シ
リンダボア1aの内圧とピストン8の背圧にあたるクラ
ンク室5の内圧(クランク圧Pc)との相互関係に基づ
いて発生するモーメントであり、クランク圧Pcに応じ
て傾斜角の減少方向にも増大方向にも作用する。図1の
斜板式圧縮機では、詳述しない制御弁16を用いてクラ
ンク圧Pcを調節することで前記ガス圧によるモーメン
トを適宜変更し、斜板10の傾斜角を最小傾斜角θmi
nと最大傾斜角θmaxとの間の任意の角度θに設定で
きるようになっている。
【0026】(斜板)図1及び図2(a)〜図2(c)
に示すように、前記斜板10の外周部のフロント側及び
リヤ側(ピストン8が配置される側)には、それぞれ摺
動面30A,30Bが形成されている。これらフロント
側及びリヤ側の環状摺動面30A,30Bは、前記一対
のシュー20A,20Bとそれぞれ摺動する。
【0027】前記斜板10は、その回転時の遠心力に基
づく回転運動のモーメントを適正に発生させるために、
例えば鉄系材料よりも重い銅系材料が基材に用いられて
いる。この銅系材料としては、鉛を含有しない青銅合金
或いは高力黄銅合金の無垢材料が用いられており、鋳造
や合金塊からの削り出し等によって斜板10が形作られ
ている。斜板10の基材に無垢材料を用いることで、例
えば後の別例にて述べる銅系の焼結材料を用いた場合と
比較して、より斜板10の重量を重くすることが可能と
なる。つまり、焼結材料は内部に微視的な空隙が多く、
無垢材料よりも軽くなりがちなのである。
【0028】そして、図2(a)に示すように、前記斜
板10の少なくとも摺動面30A,30Bには、シュー
20A,20Bとの接触摺動性を改善するための摺動層
31A,31Bが被覆形成されている。
【0029】図2(b)に示すように、前記各摺動層3
1A,31Bのうち、フロント側摺動面30Aに形成さ
れた摺動層31Aは、固体潤滑剤SLを分散含有する樹
脂層よりなっている。この摺動層31Aの膜厚は、例え
ば0.5〜10μmである。固体潤滑剤SLとしては、
例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラ
ファイト、窒化ホウ素、酸化アンチモン、酸化鉛、鉛、
インジウム、及びスズのうちの少なくとも一種が用いら
れている。また、樹脂としては、熱硬化性のポリアミド
イミドが用いられている。
【0030】前記摺動層31Aの形成にあたり、固体潤
滑剤SLを含有する液体樹脂材料の斜板10(基材)に
対する塗布には、スプレーコーティング法、ロールコー
ティング法或いはスクリーン印刷法等の周知の手法が採
用されている。そして、この塗装膜を乾燥した後に、同
塗装膜を200〜300℃で焼き固めることで摺動層3
1Aが形成される。
【0031】図2(c)に示すように、リヤ側摺動面3
0Bに形成された摺動層31Bは、二層構造をなしてい
る。この摺動層31Bにおいて第1層31B−1は、シ
ュー20A,20Bを構成する鉄系材料とは種類の異な
る金属層よりなっている。この第1層31B−1の膜厚
は、例えば60〜70μmである。
【0032】前記第1層31B−1を構成する金属材料
としては、例えば珪素含有のアルミニウム合金やアルミ
ニウムと珪素との金属間化合物(以下両者を含めて「A
l−Si系材料」と呼ぶ)が挙げられる。アルミニウム
系材料としてのAl−Si系材料では、珪素含有量に応
じて材料としての硬度や融点等の物性が種々変化する
が、ここで使用するAl−Si系材料は、珪素含有量が
10〜20重量%(好ましくは15〜18重量%)のも
のである。この第1層31B−1の形成には、周知の金
属溶射法が用いられている。
【0033】前記摺動層31Bにおいて第2層31B−
2は、第1層31B−1上に被覆形成されている。この
第2層31B−2は、フロント側の摺動層31Aと同様
に固体潤滑剤SLを含有する樹脂層であって、例えば
0.5〜10μmの膜厚を有している。
【0034】以上のように、摺動層31A,31Bを斜
板摺動面30A,30Bに形成することで、シュー20
A,20Bとの接触摺動性が改善される。すなわち、摺
動層31A,31Bの形成によって、斜板10とシュー
20A,20Bとの間にはオイルレス環境下においても
一定の潤滑性が確保される。
【0035】上記構成の本実施形態においては次のよう
な効果を奏する。 (1)前記斜板10によれば、圧縮機の高速稼動時にお
ける容量制御性の向上と、シュー20A,20Bとの接
触摺動性を向上させることとを、基材(銅系材料)に鉛
を使用することなく両立させることができる。特に斜板
10の大部分を占める基材に鉛を使用しないことは、斜
板10全体の鉛使用量を大きく削減するのに特に有効と
なり、環境衛生に優れる。なお、摺動層31A及び/又
は摺動層31Bの第2層31B−2,31Bに、固体潤
滑剤として鉛を用いたとしても、斜板10全体からして
みればその使用量は微量である。
【0036】(2)斜板10において、シリンダブロッ
ク1側に向かうリヤ側摺動面30Bと、同摺動面30B
と反対側に位置するフロント側摺動面30Aとでは、お
かれた状況が受承荷重的に異なっている。つまり、フロ
ント側摺動面30Aに対しては、冷媒ガスを吸入するた
めに、ピストン8をシリンダボア1aから引っ張り出そ
うとする際の吸入反力に基づく荷重が主として作用され
ている。他方、リヤ側摺動面30Bに対しては、冷媒ガ
スを圧縮するために、ピストン8をシリンダボア1aへ
押し込もうとする際の圧縮反力に基づく荷重が主として
作用されている。圧縮反力に基づく荷重は吸入反力に基
づく荷重よりも大きいのが一般的である。
【0037】つまり、前記摺動層31A,31Bにとっ
て耐摩耗性を要求されるのは、リヤ側摺動面30Bであ
る。従って、本実施形態においては、耐摩耗性に優れる
ものの形成コストが上昇しがちな金属層(第1層31B
−1)を、耐摩耗性が高く要求されるリヤ側摺動面30
Bにのみ形成し、耐摩耗性をそれほど要求されないフロ
ント側摺動面30Aの摺動層31Aについては、安価に
形成できる樹脂層のみとしている。よって、シュー20
A,20Bとの摺動に対する信頼性を要求レベル以上で
維持しつつ、摺動層31A,31Bの形成コストを削減
することができる。
【0038】(3)リヤ側摺動層31Bの第1層31B
−1には、珪素含有のAl−Si系材料が用いられてい
る。従って、第1層31B−1の硬度や融点等の物性が
好適となり、同層31B−1の耐摩耗性がさらに向上さ
れる。
【0039】(4)例えば、リヤ側摺動層31Bにおい
て、金属層である第1層31B−1がシュー20Bと直
接摺動する場合、同第1層31B−1はその変形し難い
性質(この性質が耐摩耗性を良好としている一面もあ
る)から割れ等が生じ易い。従って、摺動層31B−1
の上層として、軟質な樹脂層よりなる第2層31B−2
を設けて、第1層31B−1とシュー20Bとを直接接
触させないことは、同第1層31A−1の割れ等の発生
を防止する上で有効となる。
【0040】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で
以下のような態様でも実施できる。 ・上記実施形態において、フロント側摺動層31Aをリ
ヤ側摺動層31Bと同様に、金属層と固体潤滑剤SLを
含有する樹脂層との二層構造とすること。このようにす
れば、斜板10とシュー20A,20Bとの接触摺動性
がさらに良好となる。つまり、フロント側摺動層31A
とリヤ側摺動層31Bの構成を同じとすることも、本発
明の趣旨から逸脱するものではない。
【0041】・摺動層を、固体潤滑剤を含有する樹脂層
のみにより構成すること。つまり、例えば、上記実施形
態においてリヤ側摺動層31Bを樹脂層31B−2のみ
により構成すること。このようにすれば、摺動層の形成
コストをさらに低減することが可能となる。
【0042】・摺動層を金属層のみにより構成するこ
と。つまり、例えば、上記実施形態において摺動層31
A,31Bから樹脂層31A,31B−2を削除すると
ともに、フロント側摺動面30Aにリヤ側摺動層31B
と同様な金属層を被覆形成すること。
【0043】・摺動層を、メッキによって形成された金
属層により構成すること。メッキよりなる金属層は、例
えば樹脂層と比較して耐摩耗性に優れる。このメッキの
種類としては、例えば、ニッケル系やコバルト系や銅系
のものがあり、メッキの手法としては電気メッキや化学
メッキや無電解メッキが挙げられる。この場合、メッキ
中に固体潤滑剤を分散させる複合メッキを行えば、斜板
とシューとの接触摺動性をさらに良好することが可能と
なる。さらに、このメッキ層の上層として、固体潤滑剤
を含有する樹脂層を被覆形成すれば、同メッキ層におい
て上記実施形態の(3)と同様な効果(メッキ層の割れ
防止)が奏される。
【0044】・斜板の基材に銅系の焼結材料を用いるこ
と。このようにすれば、基材の表面は微視的に凹凸状態
となり、金属層又は樹脂層の材料がこの微視的な凹凸面
の凹部に入り込む。従って、基材に対する金属層又は樹
脂層の結合性が高くなり、耐久性及び接触摺動性に優れ
た摺動層を得ることができる。
【0045】・斜板の基材に用いられる銅系の材料にビ
スマスを含有させること。このようにすれば、例えば、
摺動層が摩滅されて、斜板の基材がシューと直接摺動す
る事態においても、両者の接触摺動性を或る程度良好に
維持することができる。
【0046】・金属層に固体潤滑剤を含有させること。
このようにすれば、斜板とシューとの接触摺動性がさら
に良好となる。上記実施形態から把握できる技術的思想
について記載する。
【0047】(1)前記金属層は、ピストンが配置され
る側の摺動面にのみ形成されている請求項3〜6のいず
れかに記載の容量可変型斜板式圧縮機における斜板。 (2)前記金属層は、Al−Si系材料よりなっている
請求項3〜6のいずれか又は前記(1)に記載の容量可
変型斜板式圧縮機における斜板。
【0048】
【発明の効果】上記構成の本発明の斜板によれば、容量
可変型斜板式圧縮機の高速稼動時における容量制御性の
向上と、シューとの接触摺動性を向上させることとを、
構成材料に鉛を多量に使用することなく両立させること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 容量可変型斜板式圧縮機の断面図。
【図2】 要部拡大断面図。
【符号の説明】
8…ピストン、9…駆動軸、10…斜板、20A,20
B…シュー、30A,30B…シューとの摺動領域であ
る摺動面、31A,31B…摺動層。
フロントページの続き (72)発明者 水谷 秀樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 杉岡 隆弘 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 小野田 晃 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 村上 智洋 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 大久保 忍 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB26 BB31 BB43 CC20 CC33

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸には斜板が一体回転可能でかつ傾
    動可能に連結され、同斜板にはシューを介して片頭型の
    ピストンが係留されており、駆動軸の回転運動が斜板及
    びシューを介してピストンの往復運動に変換されるとと
    もに、駆動軸に対する斜板の傾斜角度を変更することで
    吐出容量を変更可能な容量可変型斜板式圧縮機におい
    て、 基材を銅系の材質製とするとともに、シューとの摺動領
    域に摺動用の摺動層を形成してなることを特徴とする容
    量可変型斜板式圧縮機における斜板。
  2. 【請求項2】 前記摺動層は、固体潤滑剤を含有する樹
    脂層よりなる請求項1に記載の容量可変型斜板式圧縮機
    における斜板。
  3. 【請求項3】 前記摺動層は、溶射によって形成された
    金属層よりなる請求項1又は2に記載の容量可変型斜板
    式圧縮機における斜板。
  4. 【請求項4】 前記摺動層は、メッキによって形成され
    た金属層よりなる請求項1又は2に記載の容量可変型斜
    板式圧縮機における斜板。
  5. 【請求項5】 前記摺動層は、金属層と、同金属層上に
    形成された固体潤滑剤を含有する樹脂層とからなる請求
    項3又は4に記載の容量可変型斜板式圧縮機における斜
    板。
  6. 【請求項6】 前記金属層は固体潤滑剤を含有する請求
    項3〜5のいずれかに記載の容量可変型斜板式圧縮機に
    おける斜板。
  7. 【請求項7】 前記基材に用いられる銅系の材料は、鉛
    を含有しない請求項1〜6のいずれかに記載の容量可変
    型斜板式圧縮機における斜板。
  8. 【請求項8】 前記基材は、銅系の無垢材料よりなる請
    求項1〜7のいずれかに記載の容量可変型斜板式圧縮機
    における斜板。
  9. 【請求項9】 前記基材は、銅系の焼結材料よりなる請
    求項1〜7のいずれかに記載の容量可変型斜板式圧縮機
    における斜板。
JP2001123038A 2001-04-20 2001-04-20 容量可変型斜板式圧縮機における斜板 Pending JP2002317757A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001123038A JP2002317757A (ja) 2001-04-20 2001-04-20 容量可変型斜板式圧縮機における斜板
EP02008723A EP1251274B1 (en) 2001-04-20 2002-04-18 Swash plate in swash plate type compressor
US10/126,037 US6666128B2 (en) 2001-04-20 2002-04-18 Swash plate in swash plate type compressor
DE60231270T DE60231270D1 (de) 2001-04-20 2002-04-18 Taumelscheibe für einen Verdichter

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001123038A JP2002317757A (ja) 2001-04-20 2001-04-20 容量可変型斜板式圧縮機における斜板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002317757A true JP2002317757A (ja) 2002-10-31

Family

ID=18972653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001123038A Pending JP2002317757A (ja) 2001-04-20 2001-04-20 容量可変型斜板式圧縮機における斜板

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6666128B2 (ja)
EP (1) EP1251274B1 (ja)
JP (1) JP2002317757A (ja)
DE (1) DE60231270D1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006008994A (ja) * 2004-05-21 2006-01-12 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 摺動被膜、摺動部材、摺動被膜用組成物、摺動装置、斜板式コンプレッサ、摺動被膜の形成方法および摺動部材の製造方法
WO2006117901A1 (ja) 2005-04-27 2006-11-09 Taiho Kogyo Co., Ltd. 摺動装置
US7704337B2 (en) 2005-01-17 2010-04-27 Taiho Kogyo Co., Ltd. Method for making a slide member
US7892656B2 (en) 2004-11-11 2011-02-22 Taiho Kogyo Co., Ltd. Sliding device
US9021901B2 (en) 2004-12-28 2015-05-05 Taiho Kogyo Co., Ltd. Shoe
WO2016013558A1 (ja) * 2014-07-23 2016-01-28 Ntn株式会社 斜板式コンプレッサの半球シューおよび斜板式コンプレッサ

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1574712A4 (en) * 2002-12-16 2011-03-16 Panasonic Corp REFRIGERANT COMPRESSOR, AND REFRIGERATING MACHINE USING SUCH A COMPRESSOR
JP4049082B2 (ja) * 2003-06-19 2008-02-20 株式会社豊田自動織機 圧縮機
US20040259741A1 (en) * 2003-06-19 2004-12-23 Takahiro Sugioka Coating composition for use in sliding members
CN200985869Y (zh) * 2005-09-08 2007-12-05 松下电器产业株式会社 制冷剂压缩机
US9765764B2 (en) 2014-04-07 2017-09-19 Hanon Systems Hinge mechanism for a variable displacement compressor
AT519398B1 (de) * 2016-12-06 2019-05-15 Miba Sinter Austria Gmbh Verfahren zur Herstellung einer Taumelscheibe

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1068380A (ja) * 1997-07-09 1998-03-10 Toyota Autom Loom Works Ltd 斜板式圧縮機
JPH11193780A (ja) * 1997-12-26 1999-07-21 Toyota Autom Loom Works Ltd 片頭ピストン型斜板式圧縮機および斜板の製造方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6016513B2 (ja) * 1980-01-10 1985-04-25 大豊工業株式会社 斜板式コンプレツサ
JPS56159577A (en) * 1980-05-10 1981-12-08 Diesel Kiki Co Ltd Rotary swash plate type compressor
US4683804A (en) * 1985-01-18 1987-08-04 Taiho Kogyo Kabushiki Kaisha Swash plate type compressor shoe
US5330712A (en) * 1993-04-22 1994-07-19 Federalloy, Inc. Copper-bismuth alloys
DE4424610C2 (de) * 1994-07-13 1999-11-11 Danfoss As Hydraulische Kolbenmaschine
JP3568061B2 (ja) * 1995-05-17 2004-09-22 大豊工業株式会社 斜板式コンプレッサーの斜板及び斜板とシューとの組合わせ
JPH10153169A (ja) * 1996-11-21 1998-06-09 Sanden Corp 斜板式可変容量圧縮機
JPH10196531A (ja) * 1997-01-07 1998-07-31 Zexel Corp 可変容量型斜板式圧縮機及びその表面処理方法
DE19880312B4 (de) * 1997-02-14 2005-06-16 Taiho Kogyo Co., Ltd., Toyota Taumelscheibenkompressor
JP4023872B2 (ja) * 1997-06-26 2007-12-19 大豊工業株式会社 斜板式コンプレッサー用斜板
JPH11173263A (ja) * 1997-10-09 1999-06-29 Toyota Autom Loom Works Ltd 斜板式圧縮機
JP4293295B2 (ja) * 1998-03-27 2009-07-08 大豊工業株式会社 斜板式コンプレッサーの斜板
JP2000179453A (ja) * 1998-12-17 2000-06-27 Taiho Kogyo Co Ltd 斜板式コンプレッサーの斜板
US6129996A (en) * 1999-08-16 2000-10-10 Ford Motor Company Conversion coatings of tin with cobalt and bismuth for aluminum sliding surfaces
KR100432948B1 (ko) * 2000-07-14 2004-05-28 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 편측경사판식 압축기

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1068380A (ja) * 1997-07-09 1998-03-10 Toyota Autom Loom Works Ltd 斜板式圧縮機
JPH11193780A (ja) * 1997-12-26 1999-07-21 Toyota Autom Loom Works Ltd 片頭ピストン型斜板式圧縮機および斜板の製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006008994A (ja) * 2004-05-21 2006-01-12 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 摺動被膜、摺動部材、摺動被膜用組成物、摺動装置、斜板式コンプレッサ、摺動被膜の形成方法および摺動部材の製造方法
US7892656B2 (en) 2004-11-11 2011-02-22 Taiho Kogyo Co., Ltd. Sliding device
US9021901B2 (en) 2004-12-28 2015-05-05 Taiho Kogyo Co., Ltd. Shoe
US7704337B2 (en) 2005-01-17 2010-04-27 Taiho Kogyo Co., Ltd. Method for making a slide member
WO2006117901A1 (ja) 2005-04-27 2006-11-09 Taiho Kogyo Co., Ltd. 摺動装置
US8136417B2 (en) 2005-04-27 2012-03-20 Taiho Kogyo Co., Ltd. Sliding device
WO2016013558A1 (ja) * 2014-07-23 2016-01-28 Ntn株式会社 斜板式コンプレッサの半球シューおよび斜板式コンプレッサ
US10598167B2 (en) 2014-07-23 2020-03-24 Ntn Corporation Semispherical shoe for swash plate compressor and swash plate compressor

Also Published As

Publication number Publication date
US6666128B2 (en) 2003-12-23
EP1251274A2 (en) 2002-10-23
US20020159893A1 (en) 2002-10-31
EP1251274B1 (en) 2009-02-25
DE60231270D1 (de) 2009-04-09
EP1251274A3 (en) 2004-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4001257B2 (ja) 圧縮機
US6752065B2 (en) Sliding member and sliding device
JP2000257555A (ja) 圧縮機
US7021194B2 (en) Sliding component and compressor
JP3463540B2 (ja) 斜板式圧縮機
US6584886B2 (en) Compressor
JP2002317757A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機における斜板
JP2002180964A (ja) 圧縮機の摺動部品及び圧縮機
US6581507B2 (en) Single-headed piston type swash plate compressor
JP2002005013A (ja) 斜板式圧縮機
US6589021B2 (en) Single-headed piston type swash plate compressor
US7313997B2 (en) Copper alloy piston shoe
JP2002174168A (ja) アルミシュー
US6761106B2 (en) Swash plate for compressor
JPH09209926A (ja) 斜板式コンプレッサ
JP2002257041A (ja) 圧縮機における潤滑面形成対象部品
JP2002089441A (ja) 片側斜板式圧縮機
JP2002089439A (ja) 斜板式圧縮機
JP2008019715A (ja) 斜板式圧縮機及び斜板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100406