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JP2002047294A - 二座リン化合物及びそれを用いるヒドロホルミル化方法 - Google Patents

二座リン化合物及びそれを用いるヒドロホルミル化方法

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Publication number
JP2002047294A
JP2002047294A JP2000228821A JP2000228821A JP2002047294A JP 2002047294 A JP2002047294 A JP 2002047294A JP 2000228821 A JP2000228821 A JP 2000228821A JP 2000228821 A JP2000228821 A JP 2000228821A JP 2002047294 A JP2002047294 A JP 2002047294A
Authority
JP
Japan
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group
compound
general formula
represented
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000228821A
Other languages
English (en)
Inventor
Thierry Cassagne
ティエリ カサーニュ
Jerome Ririsu
ジェローム リリス
Hisao Urata
尚男 浦田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2000228821A priority Critical patent/JP2002047294A/ja
Publication of JP2002047294A publication Critical patent/JP2002047294A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ヒドロホルミル化反応において活性、選択
性、熱安定性の優れた新規な二座リン配位子を提供す
る。 【解決手段】 一般式A-aの二座リン化合物。 [−Ar1−Ar2−基は一般式a−I又はa−IIのビス
アリーレン基、Z1 〜Z4 はリンと結合する原子が窒素
で、1個以上の窒素を含む5員環の複素環式化合物又は
その縮合環式化合物である。 (R4とR5は独立にアルキル、アルコキシ、シクロアル
キル、シクロアルコキシ基、置換基を有してもよいシリ
ルもしくはシロキシ基又はハロゲンを表し、R1〜R3
6〜R8は独立に水素、アルキル、アルコキシ、シクロ
アルキル、シクロアルコキシ、ジアルキルアミノ、アリ
ール、アリールオキシ、アルキルアリール、アルキルア
リールオキシ、アリールアルキル、アリールアルコキ
シ、シアノ基、水酸基又はハロゲンを表す。) (R14とR15は独立に上記のR4とR5と同じ、R9〜R
13、R16〜R20はR1〜R3、R6〜R8と同じであ
る。)〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な二座リン化合
物及びそれを用いるオレフィン性化合物のヒドロホルミ
ル化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン性化合物を触媒の存在下に一
酸化炭素及び水素(水性ガス)と反応させて、アルデヒ
ド類またはその水素化物であるアルコール類を製造する
方法は、ヒドロホルミル化方法として周知である。ヒド
ロホルミル化反応の触媒としては通常、有機リン化合物
を配位子とする第8族金属の可溶性錯体が用いられてい
る。一般に、触媒の金属成分と共に用いられる配位子は
触媒反応に重大な影響を及ぼす。ヒドロホルミル化反応
においても配位子により反応の活性及び選択性が大きく
変化することが広く知られている。ヒドロホルミル化反
応を工業的に有利に実施するためには、反応活性及び選
択性の向上が重要な課題であり、そのための配位子の設
計が盛んに行なわれている。
【0003】ヒドロホルミル化反応の配位子として利用
されるリン化合物の一群としては種々のホスファイト化
合物が知られており、これまでにもトリアルキルホスフ
ァイトやトリアリールホスファイトの様な単純なモノホ
スファイト類の他に、分子中に複数の配位性リン原子を
有するポリホスファイト類等の種々のホスファイト化合
物が提案されている。例えば、特開昭62−11658
7号、特開平6−184036号、特開平11−130
718号公報には2つのホスファイト基のうちの少なく
とも1つが環状構造を有するビスホスファイト化合物が
開示されている。
【0004】他方、特開平5−178779号、特開平
10−45776号、特開平11−130720号公報
には、2つのホスファイト基が共に環化していないビス
ホスファイト化合物が開示されている。更に、USP5
710344には、少なくとも1つのP−C結合又は少
なくとも1つのP−N結合を有するリン原子を2つ有す
る二座配位子が、ペンテン酸エステル等の内部オレフィ
ンのヒドロホルミル化反応に使用できることが開示され
ている。
【0005】このように、ヒドロホルミル化反応に用い
る配位子として種々のリン化合物が提案されているが、
これまでに報告されている二座リン化合物を用いたヒド
ロホルミル化反応では、高い反応速度が得られる場合は
目的生成物である直鎖アルデヒドの選択性が不十分であ
り、逆に極めて高い直鎖選択性が得られる場合は反応速
度の点で不十分であった。更に、配位子自体の熱的安定
性も不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来、ヒ
ドロホルミル化反応に用いる配位子として種々のリン化
合物が提案されているが、これらを用いたヒドロホルミ
ル化反応では、高い反応速度と高い目的生成物の選択性
とが同時には満たされていないことから、商業生産にお
いて経済性の低下をもたらすことが危惧され、工業触媒
としては用い難いという問題があった。従って、高い反
応速度を保ちつつ、優れた目的生成物の選択性を与え、
且つ、熱的安定性の高い配位子を開発することが強く望
まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒドロホ
ルミル化反応において、反応活性及び目的生成物の選択
性を共に向上・維持するのに有効な配位子の検討を鋭意
進める過程で、特定の構造を有する新規な二座リン化合
物を見出し、これをヒドロホルミル化反応における触媒
の一成分、即ち触媒の金属成分と共に用いられる配位子
として用いると、反応が速い速度で進行し、極めて優れ
た目的生成物の選択性が得られ、且つ、熱的安定性にも
優れた性能を示すことを見出して本発明に到達した。即
ち本発明の第1の要旨は、下記一般式(A-a)で表さ
れる二座リン化合物。
【0008】
【化7】
【0009】[式中、−Ar1−Ar2−基は、下記一般
式(a−I)又は(a−II)で表されるビスアリーレン
基であり、Z1 〜Z4 はリン原子と結合する原子が窒素
原子であり、且つ、少なくとも1個の窒素原子を含む5
員環の複素環式化合物又はその縮合環式化合物である。
【0010】
【化8】
【0011】(式中、R4及びR5は、それぞれ独立にア
ルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロア
ルコキシ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換
基を有していてもよいシロキシ基及びハロゲン原子から
なる群から選ばれるものを表し、R1〜R3、R6〜R
8は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、ジアル
キルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキ
ルアリール基、アルキルアリールオキシ基、アリールア
ルキル基、アリールアルコキシ基、シアノ基、ヒドロキ
シ基及びハロゲン原子よりなる群から選ばれるものを表
す。)
【0012】
【化9】
【0013】(式中、R14及びR15はそれぞれ独立に一
般式(a−I)中のR4及びR5と同義であり、R9〜R
13、R16〜R20はそれぞれ独立に一般式(a−I)中の
1〜R 3、R6〜R8と同義である。)〕、に存する。
【0014】また、本発明の第2の要旨は、下記一般式
(A−b)で表される二座リン化合物。
【0015】
【化10】
【0016】〔式中、−Ar3−Ar4−基は、下記一般
式(b−I)又は(b−II)で表されるビスアリーレン
基であり、Z5 〜Z8 はリン原子と結合する原子が窒素
原子であり、且つ、少なくとも1個の窒素原子を含む5
員環の複素環式化合物又はその縮合環式化合物である。
【0017】
【化11】
【0018】(式中、R23及びR26は、それぞれ独立に
アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロ
アルコキシ基、置換基を有していてもよいシリル基、置
換基を有していてもよいシロキシ基及びハロゲン原子か
らなる群から選ばれるものを表し、R21、R22、R24
25、R27、R28は、それぞれ独立に水素原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコ
キシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオ
キシ基、アルキルアリール基、アルキルアリールオキシ
基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、シア
ノ基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子よりなる群から選
ばれるものを表す。)
【0019】
【化12】
【0020】(式中、R34及びR39はそれぞれ独立に一
般式(b−I)中のR23及びR26と同義であり、R31
33、R35〜R38、R40〜R42はそれぞれ独立に一般式
(b−I)中の R21、R22、R24、R25、R27、R28
と同義である。)〕、に存する。
【0021】また本発明の第3の要旨は、第8族金属化
合物の存在下に、オレフィン性化合物を一酸化炭素及び
水素と反応させて対応するアルデヒド類を製造するに当
り、請求項1〜6のいずれかに記載の二座リン化合物を
存在させることを特徴とするヒドロホルミル化方法、に
存する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の新規な二座リン化合物(A−a)は、より
具体的には、その−Ar1−Ar2−基が下記一般式(a
−I)又は(a−II)で表される。
【0023】
【化13】
【0024】上記式(a−I)又は(a−II)におい
て、R4、R5、R14及びR15は、例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル
基、デシル基等の炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアル
キル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等の炭素
数3〜12のシクロアルキル基、メトキシ基、エトキシ
基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ
基、トリメチルシリル基等のシリル基、トリメチルシロ
キシ基等のシロキシ基、塩素原子、フッ素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などのハロゲン原子が例示される。これ
らの内、メチル基、エチル基等の炭素数1〜3の低級ア
ルキル基、メトキシ基、エトシキ基等の炭素数1〜3の
低級アルコキシ基、塩素原子などのハロゲン原子が好ま
しく、メチル基、メトキシ基が特に好ましい。また、シ
リル基又はシロキシ基の置換基としては、炭素数1〜3
のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基が好まし
い。また、(a−I)のR1〜R3、R6〜R8、及び式
(a−II)のR9〜R13、R1 6〜R20は、水素原子の
他、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基等の炭素数1〜2
0のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル
基、アダマンチル基等の炭素数3〜20のシクロアルキ
ル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のア
リール基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数2
〜20のジアルキルアミノ基、フェノキシ基、ナフトキ
シ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基、ベンジル
基等の炭素数7〜20のアリールアルキル基、p−トリ
ル基、o−トリル基等の炭素数7〜20のアルキルアリ
ール基の他、シクロペンチルオキシ基等の炭素数3〜2
0のシクロアルコキシ基、2,3−キシレノキシ等の炭
素数7〜20のアルキルアリールオキシ基、2−(2−
ナフチル)エトキシ基等の炭素数7〜20のアリールア
ルコキシ基、シアノ基、ヒドロキシ基、フルオロ基、ク
ロロ基、ブロモ基等のハロゲン原子等が挙げられ、それ
ぞれ同一でも異なっていてもよい。式(a−I)及び
(a−II)のビスアリーレン基として好適なものとして
は、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′,6,6′−
テトラメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイ
ル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,
6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジ
イル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ペンチル−
6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′
−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ヘキシ
ル−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,
2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′
−ジメトキシ−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェ
ニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル
−5,5′−ジエトキシ−6,6′−ジメチル−1,
1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ
−t−ブチル−5,5′−ジエトキシ−6,6′−ジメ
チル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、
3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジ−t−ブトキ
シ−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,
2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ(シクロ
オクチル)−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニ
ル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ
−t−ブチル−6,6′−ジクロロ−1,1′−ビフェ
ニル−2,2′−ジイル基、等が挙げられる。
【0025】また、本発明の別の新規な二座リン化合物
(A−b)は、より具体的には、その−Ar3−Ar4
基が下記一般式(b−I)又は(b−II)で表される。
【0026】
【化14】
【0027】上記式(b−I)及び(b−II)におい
て、R23、R26、R34及びR39は、例えばn−プロピル
基、i−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イ
ソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、t−
ヘキシル基等の炭素数1〜10の直鎖あるいは分岐鎖の
アルキル基を表し、中でも炭素数3〜10のものが好ま
しく、炭素数4〜10のものが特に好ましい。更に芳香
環と結合する炭素原子が第3級のものが好ましく、t−
ブチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基等が例示さ
れる。またこのほか、炭素数1〜10、好ましくは1〜
5のアルコキシ基やシクロヘキシル基、シクロオクチル
基、アダマンチル基等の炭素数6〜14、好ましくは6
〜10のシクロアルキル基、トリメチルシリル基等のシ
リル基、トリメチルシロキシ基等のシロキシ基、塩素原
子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン
原子が挙げられる。シリル基又はシロキシ基の置換基
は、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアル
コキシ基が好ましい。また、(b−I)のR21、R22
24、R25、R27、R28、及び式(b−II)のR31〜R
33、R35〜R38、R40〜R42は、水素原子の他、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−
ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペ
ンチル基、t−ヘキシル基等の炭素数1〜20のアルキ
ル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマン
チル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基、フェニ
ル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基、メ
トキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキ
シ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基、ジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数2〜20のジアルキ
ルアミノ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等の炭素数6
〜20のアリールオキシ基、ベンジル基等の炭素数7〜
20のアリールアルキル基、p−トリル基、o−トリル
基等の炭素数7〜20のアルキルアリール基の他、シク
ロペンチルオキシ基等の炭素数3〜20のシクロアルコ
キシ基、2,3−キシレノキシ等の炭素数7〜20のア
ルキルアリールオキシ基、2−(2−ナフチル)エトキ
シ基等の炭素数7〜20のアリールアルコキシ基、シア
ノ基、ヒドロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基
等のハロゲン原子等が挙げられ、それぞれ同一でも異な
っていてもよい。
【0028】式(b−I)及び(b−II)のビスアリー
レン基として好適なものとしては、3,3′−ジ−t−
ブチル−5,5′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−
2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t
−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル
基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ペンチル−1,
1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,
5,5′−テトラ−t−ヘキシル−1,1′−ビフェニ
ル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−
5,5′−ジメトキシ−1,1′−ビフェニル−2,
2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′
−ジエトキシ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイ
ル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジ−t−
ブトキシ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル
基、3,3′,5,5′−テトラ(シクロオクチル)−
1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、等が挙げ
られる。
【0029】一般式(a−I)のR1及びR8、一般式
(a−II)のR9及びR20、一般式(b−I)のR21及び
28、一般式(b−II)のR31及びR34としては、上述
した置換基の中でも、二座リン化合物の熱安定性が高
く、またヒドロホルミル化触媒の配位子として用いた場
合には、高活性、高選択性を示すという点で、炭素数3
〜20の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基が好ましく、
中でも炭素数4〜18のアルキル基が更に好ましく、炭
素数4〜8の分岐状のアルキル基が特に好ましい。
【0030】式(A−a)及び式(A−b)中のZ1
8は、リン原子と結合する原子が窒素原子であり、且
つ、少なくとも1個、通常1〜4個、好ましくは1〜3
個の窒素原子を含む5員環の複素環式化合物又はその縮
合環式化合物である。Z1〜Z8としては、中でも、窒素
原子を1つ含む5員環の複素環式化合物であるのが好ま
しく、特にはピロールが好ましい。Z1〜Z8の具体例と
しては、下記に示したものが挙げられる。
【0031】
【化15】
【0032】Z1 〜Z8は、更に置換基を有していても
よく、置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、
ネオペンチル基、t−ペンチル基等の炭素数1〜12、
好ましくは1〜8、の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル
基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜12、好ま
しくは1〜8、のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル
基等の炭素数6〜18、好ましくは6〜10のアリール
基等が挙げられ、他に、ハロゲン原子、シアノ基、ニト
ロ基、トリフルオルメチル基、ヒドロキシル基、アミノ
基、アシル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル
基、アミド基、スルホニル基、スルフィニル基、シリル
基、チオニル基等が挙げられる。これらの置換基は一つ
のZに対して1〜5個置換していてもよい。
【0033】上記した一般式(A−a)及び(A−b)
で表される二座リン化合物の例を次に示す。
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】
【化21】
【0040】
【化22】
【0041】
【化23】
【0042】
【化24】
【0043】
【化25】
【0044】
【化26】
【0045】
【化27】
【0046】
【化28】
【0047】
【化29】
【0048】
【化30】
【0049】
【化31】
【0050】
【化32】
【0051】
【化33】
【0052】
【化34】
【0053】
【化35】
【0054】
【化36】
【0055】
【化37】
【0056】
【化38】
【0057】
【化39】
【0058】
【化40】
【0059】
【化41】
【0060】
【化42】
【0061】
【化43】
【0062】
【化44】
【0063】
【化45】
【0064】
【化46】
【0065】
【化47】
【0066】
【化48】
【0067】
【化49】
【0068】
【化50】
【0069】
【化51】
【0070】
【化52】
【0071】
【化53】
【0072】
【化54】
【0073】
【化55】
【0074】本発明の一般式(A−a)及び(A−b)
で表される二座リン化合物の合成法としては、(1)ク
ロロホスフィンを使用する方法と、(2)ポリ(ジハロ
ゲン化ホスホラス)化合物を経由する方法が挙げられ
る。以下に例えば、一般式(A−a)の−Ar1−Ar2
−基が(a−I)の場合を例にとって合成法を説明す
る。(1)の合成法としては、例えば特開平10−45
775に記載の方法により合成することができ、下記一
般式(a−I−1)(一般式(a−I−1)、中の、R
1〜R8は、一般式(a−I)中のR1〜R8と同義であ
り、Mはアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を示
す。)で表される、それぞれ置換基を有する1,1′−
ビフェニル−2,2′−ジオールのアルカリ金属塩又は
アルカリ土類金属塩と、下記一般式(B)及び/又は
(C)(式中、Z1 〜Z4 は一般式(A−a)のZ1
4 とそれぞれ同義である。)で表されるリン化合物と
を、接触させることにより調製することができる。
【0075】
【化56】
【0076】上記一般式(a−I−1)で表されるビス
アリーレンジオール塩は下記一般式(a−I−2)(一
般式(a−I−2)中の、R1〜R8は、それぞれ一般式
(a−I)中のR1〜R8と同義である。)で表される、
それぞれ置換基を有する1,1′−ビフェニル−2,
2′−ジオールと、n−BuLi、Na、NaH、KH
等のアルカリ金属化合物又は臭化メチルマグネシウム、
臭化エチルマグネシウム等のアルカリ土類金属化合物と
を、溶媒中、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下で
反応させることにより合成することができる。
【0077】
【化57】
【0078】上記金属化合物の使用量は、一般式(a−
I−2)で表されるビスアリーレンジオール1モルに対
して通常2モルあれば充分であるが、所望によりそれ以
上用いても良い。溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、トルエン等
の炭化水素類、ピリジン、トリエチルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素
化合物及びこれらの混合物が好適に用いられる。反応温
度は、−70℃〜溶媒沸点の範囲で適宜選択することが
できるが、反応の開始時は低目の例えば−30℃〜25
℃(室温)の間で行い、その後徐々に溶媒の沸点まで上
げるといった方法を採用することもできる。反応操作の
点からは、金属化合物としてn−BuLi、Na又はN
aHを用い、溶媒としてはテトラヒドロフランを用い
て、反応を行なうことが好ましい。反応時間は通常1分
〜48時間の範囲を選択することができるが、10分か
ら24時間程度が好ましい。
【0079】一般式(a−I−1)で示される化合物
は、次の工程では特に精製することなく反応液をそのま
ま用いてもかまわないが、予め貧溶媒による洗浄や再結
晶操作による単離等の処理を行っても良い。一般式
(B)、(C)で示されるリン化合物は、通常、三塩化
リン(PCl3)とZ1 −H、Z2 −H、Z3 −H又は
4 −H(式中、Z1 〜Z4 は一般式(A−a)のZ1
〜Z4 と同義である。)で表される複素環式化合物類を
塩基の存在下又は不在下、好ましくは窒素等の不活性ガ
ス雰囲気下、溶媒中又は無溶媒で反応を行うことにより
合成することができる。Z1 とZ2 またはZ3 とZ4
同一であるリン化合物は容易に合成できるので好まし
い。従ってZ1 とZ2 、Z3とZ4 の双方がそれぞれに
同一である場合がより好ましく、特に、Z1 、Z2 、Z
3 及びZ4 が同一である場合がさらに好ましい。
【0080】上記塩基としては、ピリジン、トリエチル
アミン、ジエチルアミン等の含窒素塩基、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の無機塩基が例示される。反応操作
の容易さから含窒素塩基が好んで用いられる。塩基の使
用量は、PCl3 1モルに対して2モル用いるのが普通
である。塩基の量が多すぎたり少なすぎたりすると不必
要なP(Z12 (Z2 )、P(Z1 )(Z22 、P
(Z13 、P(Z23 等のリン化合物やCl2
(Z1 )等のジクロロ化合物の副生量が増えるため好ま
しくない。
【0081】反応温度は任意の温度を選択することがで
きるが、例えば塩基として含窒素塩基を用いる場合で
は、反応の開始時は低目の温度、例えば0〜25℃(室
温)で行い、その後、反応温度を徐々に上げるといった
方法が好ましい。反応時間は1分から48時間の範囲を
選択することができるが、5分から10時間程度の反応
時間が好ましい。塩基の存在下で反応を行った際、反応
の進行に伴い副生する塩化水素と塩基との塩は、通常固
体として反応溶液中に存在するが、これは、好ましくは
窒素等の不活性ガス雰囲気下で、濾過する等の方法で反
応系から除去することができる。塩基の不在下で反応を
行う場合は、窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガ
スを反応系中にバブルすることにより、副生する塩化水
素を反応系から除去する方法等が例示される。
【0082】一般式(B)、(C)で示されるクロロホ
スフィン類は、上記の不必要なリン化合物類、及びジク
ロロ化合物との混合物として得られる場合があるが、こ
れらと特に分離することなく次の工程に進んでもかまわ
ない。一般式(B)と(C)のリン化合物をこれらの副
生物から分離する方法としては、ヘキサン、ヘプタン等
の脂肪族炭化水素溶媒を用いた再結晶化による方法及び
蒸留等が挙げられる。
【0083】一般式(A−a−I)の二座リン化合物
は、一般式(a−I−1)の化合物と、一般式(B)及
び/又は(C)の化合物とを溶媒中又は無溶媒下、25
℃以下の温度で1分以上接触させることにより合成する
ことができる。接触は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行
うのが好ましく、一般式(a−I−1)の化合物と、
(B)及び/又は(C)の化合物とを、好ましくは5℃
以下、更に好ましくは0℃以下、最も好ましくは−30
℃以下の温度で混合し、1分以上、好ましくは3分から
60分間その温度を維持した後、徐々に温度を上げて行
く方法により目的のビスホスファイト化合物を合成する
ことができる。温度の上昇速度としては、0.1℃/分
〜20℃/分の間で適宜選択することができるが、0.
5℃/分〜10℃/分の速度が好ましい。反応溶媒とし
ては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキ
サン等のエーテル類、ヘキサン、トルエン等の炭化水素
類、ピリジン、トリエチルアミン、N,N,N′,N′
−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素化合物類、
及びこれらの混合物を使用することができる。溶媒の量
は生成する目的物の溶解に必要な最少量を用いるのが望
ましいが、それ以上の量を用いても差し支えない。
【0084】次に、(2)ポリ(ジハロゲン化ホスホラ
ス)化合物を経由する方法について説明する。(2)の
合成法としては、例えば特開平2000−53688に
記載の方法により合成することができ、下記一般式(A
−a−1)の多座有機リン化合物と、Z1 −H、Z2
H、Z3 −H又はZ4 −H(式中、Z1 〜Z4 は一般式
(A−a)のZ1 〜Z4 と同義である。)で表される複
素環式化合物類とを反応させることにより合成する。
【0085】
【化58】
【0086】(式中、−Ar1−Ar2−は、一般式(A
−a)で表されたものと同一であり、Yはハロゲン原子
を表す。)本発明で使用するZ1 −H、Z2 −H、Z3
−H及びZ4 −Hは上述した式(B)又は(C)のリン
化合物を合成する過程で使用した複素環式化合物類と同
じものを使用できる。
【0087】一般式(A−a−1)で表わされるポリ
(ジハロゲン化ホスホラス)化合物を原料とし、一般式
(A−a)で表わされる二座リン化合物を製造するにあ
たり、塩基の共存は必須ではないが、その共存下では容
易に反応が進行するために有利である。塩基としては、
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウ
ムが例示され、アルカリ土類金属としてはマグネシウ
ム、カルシウムが例示され、炭素数1〜22の炭化水素
基を有する二級アミンとしては、ジエチルアミン、ジイ
ソプロピルアミンが例示され、炭素数1〜22の炭化水
素基を有する三級アミンとしては、トリエチルアミン、
トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブ
チルアミン、トリイソブチルアミン、トリオクチルアミ
ン、N,N−ジメチルアニリン、1ーメチルピロリジ
ン、1ーメチルピペリジン、1ーメチルー2ーピロリド
ン、1ーメチルー2ーピペリドン、複素環式芳香族化合
物としてピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、3−
ピコリン、1ーメチルピロールが挙げられ、中でもアル
カリ金属もしくは三級アミンが好適である。
【0088】ポリ(ジハロゲン化ホスホラス)化合物、
1H〜Z4H、および塩基を反応させる際の各成分の混
合順に制限は無いが、塩基としてアルカリ金属、アルカ
リ土類金属を用いる場合は、Z1H〜Z4Hと、塩基を反
応させた後、続いてポリ(ジハロゲン化ホスホラス)化
合物を反応させた方が良好な収率を与えるという点で有
利であり、塩基として二級アミンを用いる場合は、Z1
H〜Z4Hと、ポリ(ジハロゲン化ホスホラス)化合物
を混合した後に塩基を反応させるか、もしくはZ 1H〜
4Hと塩基を混合させた後、続いてポリ(ジハロゲン
化ホスホラス)化合物を反応させた方が良好な収率を与
えるという点で有利である。三級アミン、もしくは活性
水素原子を有しない複素環式芳香族化合物を用いる場
合、混合順序に制限は無いが、予めZ1H〜Z4Hと、も
しくは、Z1H〜Z4Hと塩基を混合させ続いてポリ(ジ
ハロゲン化ホスホラス)化合物を反応させた方が有利で
ある。
【0089】本発明の反応を行う際に用いる塩基の使用
量は特に制限されるものではなく、通常はポリ(ジハロ
ゲン化ホスホラス)化合物のリン原子に結合したハロゲ
ン原子の数に対して0.01モル倍から10000 モル倍の範囲
で選ばれ、好ましくは0.1 モル倍から100 モル倍、特に
好ましくは1モル倍から10モル倍の範囲で選ばれる。
【0090】本発明の反応を行う際に、反応溶媒の使用
は必須ではないが、必要ならば反応に不活性な溶媒を存
在させることが出来る。好ましい溶媒の具体例は、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、トル
エン、キシレン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水
素、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等
のケトン類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エ
チル等のエステル類、トリエチルアミン、トリプロピル
アミン、1ーメチルー2ーピロリドン、1ーメチルー2
ーピペリドン等の三級アミン類、ピリジン、2ーピコリ
ン等の複素環式芳香族化合物、ポリ(ジハロゲン化ホス
ホラス)化合物の製造時に副生する混合物が挙げられ、
ポリ(ジハロゲン化ホスホラス)化合物自体、Z1H〜
4Hを溶媒として用いることもできる。
【0091】本発明の反応を行う際に用いるZ1H〜Z4
Hの使用量は特に制限されるものではなく、通常はポリ
(ジハロゲン化ホスホラス)化合物のリン原子に結合し
たハロゲン原子の数に対して0.01モル倍から10000 モル
倍の範囲で選ばれ、好ましくは0.1 モル倍から100 モル
倍、特に好ましくは1モル倍から10モル倍の範囲で選
ばれる。
【0092】本発明の反応を行う際の反応温度は-78 ℃
から80℃の範囲で選ばれ、好ましくは-50 ℃から30℃、
特に好ましくは-30 ℃から10℃の範囲、最も好ましく
は、−15から5℃の範囲で選ばれる。
【0093】本発明に使用する溶媒および全ての薬品類
に混入する可能性のある、反応に活性な不純物の除去は
必須ではないが、除去を行ったほうが収率が向上するた
め経済的に有利であり好ましい。
【0094】本発明が適用出来る二座リン化合物の合成
法に制限は無いが、一般式(A−a−1)のポリ(ジハ
ロゲン化ホスホラス)化合物に対し、Z1H〜Z4Hは同
時に反応させても、段階的に反応させてもよいが、−P
(Z1 )(Z2 )基上のZ1とZ2 が事なる二座リン化
合物をより有利に合成する目的には段階的合成法が適し
ている。すなわち、一般式(A−a−1)で表わされる
ポリ(ジハロゲン化ホスホラス)化合物と、複素環式化
合物類を反応させる時に、各々のジハロゲン化ホスホラ
ス基の一つのハロゲン原子が優先的に置換される。その
ため、リン原子数と同じ数のZ1Hを反応させた後、や
はりリン原子数と同じ数のZ2Hを反応させることによ
り、各々−P(Z1 )(Z2 )基上のZ1 とZ2 、が異
なる二座リン化合物を合成する事が可能である。この方
法により合成される二座リン化合物は、配位子として触
媒反応に使用されるとともに、各々のリン原子がキラリ
ティーを持つため、配位子として不斉触媒反応への使用
や、不斉化合物の光学分割への用途に適する。また、高
分子材料への添加剤としての用途にも適する。
【0095】一般式(A−a−1)で表わされるポリ
(ジハロゲン化ホスホラス)化合物は、種々の反応によ
り合成する事が可能である。例えば、DE19513541では、
ビスフェノール類等のように、対応するポリヒドロキシ
化合物と三塩化リンとの反応により得られることが記載
されている。また、A. A. Kutyrev らは、1、4ーベン
ゾキノンと三塩化リンとの反応により、対応するジクロ
ロホスファイトが得られることを報告している(Zh.
Obshch. Khim. 62(8)、1768
−1771(1992))。更に、特開2000−53
688に記載されているように、ポリ(ビス(ジヒドロ
カルビルアミノ)ホスホラス)化合物とHYで表わされ
るハロゲン化水素を反応させる方法を採用する事によ
り、ポリ(ジハロゲン化ホスホラス)化合物を良好な収
率で、かつ、同時に副反応である分子内環化反応を抑制
することが出来る。
【0096】上述した合成法に従って、一般式(A−
a)の−Ar1−Ar2−基が、(a−II)の二座リン化
合物の場合や、一般式(A−b)の−Ar3−Ar4−基
が、(b−I)又は(b−II)の二座リン化合物の場合
についても、同様に合成することができる。上述した
(1)と(2)の方法の中でも、(1)の合成法の方が
好ましい。一般式(A−a)及び(A−b)の二座リン
化合物の精製方法としては、カラム展開(クロマトグラ
フィー)による方法、懸洗による方法、及び再結晶化に
よる方法等が挙げられる。カラム展開による方法として
は充填剤としてはシリカゲル、酸化アルミナ等を用いる
方法が挙げられる。またカラムの展開溶液としてはテト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メチル等の
エステル類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲ
ン化炭化水素類が挙げられ、これらの溶液は目的物の精
製に適するよう、単一溶媒、或いは2種類以上の溶媒を
混合して用いられる。
【0097】また、懸洗による精製方法としては、二座
リン合成反応の終了後、濾別、或いは水等の極性溶媒に
より副生した塩、例えば金属塩化物(MCl)又は含窒
素化合物の塩酸塩を反応溶液から除去した後、溶液を蒸
発乾涸し、残留物をアセトニトリル、ヘキサン、ヘプタ
ン等の脂肪族炭化水素類、アセトン、ジエチルケトン等
のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類
等の溶媒中で撹拌することにより、目的物をこれらの溶
媒に溶解させることなく、不要物を溶媒に溶解させる方
法により目的物を精製することができる。
【0098】再結晶化による精製方法としては、二座リ
ン化合物の合成反応の終了後、濾別、或いは水等の極性
溶媒により副生した塩、例えば金属塩化物又は含窒素化
合物の塩酸塩を反応溶液から除去した後、溶液を蒸発乾
涸し、残留物を溶解し得る最少量の溶媒に溶解させた
後、冷却することによる方法、及び、残留物を溶解し得
る溶媒に溶解した後、目的物の二座リン化合物の不溶も
しくは難溶の溶媒を添加し、所望により冷却することに
よる方法等により固体を析出させ、固体を濾過等の方法
により分離し、さらに固体が不溶の溶媒で洗浄する方法
等が挙げられる。二座リン化合物が可溶な溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が
挙げられ、難溶な溶媒としては、アセトニトリルの他、
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、アセトン、
ジエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール
等のアルコール類が例示される。
【0099】本発明においては、前述した新規な二座リ
ン化合物を用いてヒドロホルミル化反応を行うことで、
高い反応速度と優れた目的生成物の選択性を同時に満た
すことが可能となる。本発明のヒドロホルミル化方法に
おいて、反応原料として使用されるオレフィン性化合物
としては、分子内にオレフィン性二重結合を少なくとも
1つ有する有機化合物であれば特に制限はない。具体的
には、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、ペ
ンテン、ヘキセン、ヘキサジエン、オクテン、オクタジ
エン、デセン、ヘキサデセン、オクタデセン、イコセ
ン、ドコセン、スチレン、α−メチルスチレン、シクロ
ヘキセン、および、プロピレン〜ブテン混合物、1−ブ
テン〜2−ブテン〜イソブチレン混合物、1−ブテン〜
2−ブテン〜イソブチレン〜ブタジエン混合物等の低級
オレフィン混合物、プロピレン、n−ブテン、イソブチ
レン等の低級オレフィンの二量体〜四量体のようなオレ
フィンオリゴマー異性体混合物等のオレフィン類、アク
リロニトリル、アリルアルコール、1−ヒドロキシ−
2,7−オクタジエン、3−ヒドロキシ−1,7−オク
タジエン、オレイルアルコール、1−メトキシ−2,7
−オクタジエン、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メ
チル、オレイン酸メチル等の極性基置換オレフィン類等
が挙げられる。本発明においては、上述した中でも、極
性官能基を有しないオレフィン性化合物が好ましく、α
−オレフィンがより好ましく、プロピレンが最も好まし
い。
【0100】ヒドロホルミル化反応の触媒又はその前駆
体として用いる第8族金属化合物としては、第8族金属
の水素化物、ハロゲン化物、有機酸塩、無機酸塩、酸化
物、カルボニル化合物、アミン化合物、オレフィン配位
化合物、ホスフィン配位化合物またはホスファイト配位
化合物等が使用可能で、例えば、三塩化ルテニウム、テ
トラアンミンヒドロキソクロロルテニウムクロリド、ジ
クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等
のルテニウム化合物、酢酸パラジウム、塩化パラジウム
等のパラジウム化合物、三塩化オスミウム等のオスミウ
ム化合物、三塩化イリジウム、イリジウムカルボニル等
のイリジウム化合物、白金酸、ヘキサクロロ白金酸ナト
リウム、第二白金酸カリウム等の白金化合物、ジコバル
トオクタカルボニル、ステアリン酸コバルト等のコバル
ト化合物、三塩化ロジウム、硝酸ロジウム、酢酸ロジウ
ム、Rh(acac)(CO)2 、〔Rh(OAc)
(COD)〕2 、Rh4 (CO)12、Rh6 (C
O)16、HRh(CO)(PPh33 、〔Rh(OA
c)(CO)22 、〔Rh(μ−S(t−Bu))
(CO 22 、〔RhCl(COD)〕2 (acacは
アセチルアセトナト基を、OAc はアセチル基を、CO
Dは1,5−シクロオクタジエンを、Phはフェニル基
を、t−Buは第3ブチル基をそれぞれ表す)等のロジ
ウム化合物が挙げられるが、必ずしもこれらに限定され
るものではない。本発明においては、中でもコバルト、
ロジウム、ルテニウムが好ましく、ロジウムが最も好ま
しい。
【0101】本発明方法において、二座リン化合物は予
め上記の第8族金属化合物と錯体を形成させて用いるこ
とができる。二座リン化合物を含む第8族金属錯体は、
第8族金属の化合物と該二座リン化合物とから、公知の
錯体形成方法により容易に調製することができる。ま
た、場合によっては、第8族金属化合物と前記二座リン
化合物とをヒドロホルミル化反応帯域に供給してそこで
錯体を形成させて用いることもできる。第8族金属化合
物の使用量は、特に限定されるものではなく、触媒活性
及び経済性等から考慮される限界があるが、本発明にお
いては、通常ヒドロホルミル化反応帯域における濃度が
金属原子換算でオレフィン性化合物または反応溶媒1リ
ットルに対し0.05mg〜5g、好ましくは0.5m
g〜1gの範囲から選ばれる。
【0102】本発明において、二座リン化合物の使用量
は特に制限されるものではなく、触媒の活性、選択性に
対して望ましい結果が得られるように適宜設定される。
通常は第8金属1モル当たり約0.001〜500モ
ル、好ましくは0.1〜100モルの範囲から選ばれ
る。ヒドロホルミル化反応を行なうにあたって、反応溶
媒の使用は必須ではないが、必要ならばヒドロホルミル
化反応に不活性な溶媒を存在させることができる。好ま
しい溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン、トデ
シルベンゼン等の芳香族炭化水素、アセトン、ジエチル
ケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、ジ
−n−オクチルフタレート等のエステル類、アルデヒド
縮合体等のヒドロホルミル化反応時に副生する高沸点成
分又は、反応原料であるオレフィン性化合物等が挙げら
れる。
【0103】本発明のヒドロホルミル化方法を行なうた
めの反応条件は、従来通常に用いられたものと同様であ
り、反応温度は、通常、15〜200℃、好ましくは5
0〜150℃の範囲から選ばれ、CO分圧及びH2 分圧
は通常、0.001〜200気圧、好ましくは0.1〜
100気圧、特に好ましくは1〜50気圧の範囲から選
ばれる。水素と一酸化炭素とのモル比(H2 /CO)は
通常、10/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/6
の範囲から選択される。ヒドロホルミル化反応の方式と
しては、撹拌型反応槽または気泡塔型反応槽中で連続方
式または回分方式のいずれでも行なうことができる。
【0104】本発明の、一般式(A−a)又は(A−
b)で示される新規な二座リン化合物を用いたヒドロホ
ルミル化反応系では、生成したアルデヒドを蒸留等の方
法により分離した後に、この第8族金属及び二座リン化
合物を含む回収液を用いて、再びオレフィン性化合物の
ヒドロホルミル化反応を行うことができる。更に、連続
的にオレフィン性化合物をアルデヒドに転化する際に、
生成するアルデヒドの一部または全部を分離した残りの
反応液を、触媒液として連続的にヒドロホルミル化反応
槽に循環させることもできる。本発明の方法により得ら
れたアルデヒド類は、公知の方法、例えばUSP555
0302やUSP5667644に従って、そのまま水
添反応に供するか、又は二量化した後に水添反応に供す
ることにより、ノルマルブタノール、2−エチルヘキサ
ノール、ノニルアルコール等の可塑剤用に好適なアルコ
ールを製造することが可能となる。
【0105】
【実施例】次に本発明の具体的態様を、実施例により更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0106】実施例−1(テトラピロリルビスホスファ
イト(配位子1)の合成) PCl3(3.99g、29mmol)のトルエン(1
00ml)溶液に、蒸留したてのピロール(3.89
g、58mmol)とトリエチルアミン(8.82g、
87mmol)のトルエン(80ml)溶液を0℃にて
滴下した。60℃で2時間加熱したところ、ジピロリル
クロロホスフィンが83%の選択性で生成していること
31P−NMRにて確認された(δ104.4)。塩を
濾過した濾液を50mlまで濃縮した。別途、3,
3′,5,5′−テトラ−tert−ブチル−6,6′
−ジメチル−2,2−ビフェノール(6.37g、1
4.5mmol)のTHF溶液(40ml)をn−Bu
Li(29mmol)のヘキサン溶液とを0℃で混合
し、その後1.2時間加熱還流し、ビフェノールのLi
塩を得た。ジピロリルクロロホスフィンのトルエン溶液
に、ビフェノールのLi塩を0℃にて滴下した。反応
後、塩を濾別し、濾液を濃縮した。残った残さをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン:ヘ
キサン=1:5)により単離精製した結果、下記に示す
構造の配位子1を2.13g(19%)得た。 mp 215.6−216.3℃31 P−NMR(CDCl3) δ99.781 H−NMR(CDCl3) δ7.37(s,2H),
6.81(m,4H),6.68(m,4H),6.2
0(m,4H),6.15(m,4H),1.94
(s,6H),1.29(s,18H),1.06
(s,18H)
【0107】
【化59】
【0108】上記配位子1の構造は、リン31−核磁気
共鳴分光光度法、プロトン核磁気共鳴分光光度法(装置
はバリアン社製ユニティー300型)又は元素分析法を
用いて確認した。
【0109】反応例−1(配位子2を用いたヒドロホル
ミル化反応) 乾燥させた窒素雰囲気下、ガラス容器内に19.7mgの[Rh
(cod)(OAc)]2、下記に示した二座リン配位子2 214.4m
g、55mlの脱気脱水したトルエン、及び5mlの脱気脱水し
たヘプタン(反応後のガスクロマトグラフィー分析の内
部標準)を加え、均一な溶液を調製した。続いて、よく
乾燥した内容積200mlのステンレス鋼製上下攪拌型オー
トクレーブを乾燥窒素にて3回置換し、上記溶液を窒素
雰囲気下、窒素圧によりオートクレーブ内に圧入し密閉
した。更に4.5gのプロピレンをオートクレーブ内に圧入
して密閉した後、オートレーブを70℃まで昇温した。こ
の時、内圧は4kg/cm2であった。その後、合成ガス
(H2:CO=1:1)をオートレーブ内に導入してプロピレ
ンのヒドロホルミル化反応を開始したが、合成ガスは蓄
圧器より二次圧力調整器を介して導入し、反応中常にオ
ートクレーブ内の全圧が9kg/cm2になるようにした。5.0
時間後、蓄圧器の圧力低下がほぼ無くなり、反応を終了
した。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、
オートクレーブ内の気相及び液相を捕集し、それぞれを
ガスクロマトグラフィーを用いて成分分析した。その結
果、プロピレンの転化率は93.7%、C4-アルデヒド収率は
91.9%であり、C4-アルデヒドにおける目的物のn-ブチル
アルデヒドと副生成物のi-ブチルアルデヒドの比(n/i
比)は、25.5であった。また、蓄圧器の圧力低下率から
求めた反応速度定数は、0.53h-1であった。また、反応
液の31P-NMR測定を行った結果、100.8ppmに遊離の配位
子に基づくシグナルが、また、138〜142ppmにRh-P錯体
に基づくシグナルが観測されたが、それ以外、配位子の
分解に基づくシグナルは観測されなかった。
【0110】
【化60】
【0111】反応例−2(配位子1を用いたヒドロホル
ミル化反応) 反応例−1において用いた214.4mgの配位子2の代わり
に222.6mgの上記実施例−1で合成した二座リン配位子
1を用い、それ以外は同様の方法でプロピレンのヒドロ
ホルミル化反応を実施した。反応時間は2.0時間であっ
た。同様の分析を行った結果、プロピレンの転化率は9
6.6%、C4-アルデヒド収率は94.8%であり、C 4-アルデヒ
ドにおけるn/i比は、100.9であった。また、反応速度定
数は、2.16h- 1であった。また、反応液の31P-NMR測定を
行った結果、99.5ppmに遊離の配位子に基づくシグナル
が、また、137.7ppm(d, 2JRh-P=209.8Hz)にRh-P錯体
に基づくシグナルが観測されたが、それ以外、配位子の
分解に基づくシグナルは観測されなかった。
【0112】
【発明の効果】本発明の二座リン化合物は、水素化、ヒ
ドロホルミル化、ヒドロシアノ化、ヒドロカルボキシル
化、ヒドロアミド化、ヒドロエステル化、アルドール縮
合等の種々の有機反応において、均一系金属触媒の構成
要素として使用することの可能な新規化合物である。本
発明方法において、特定の構造を有する二座リン化合物
をヒドロホルミル化反応において触媒成分として用いる
ことにより、高い反応活性のみならず極めて高いアルデ
ヒド異性体選択性が得られるので、ヒドロホルミル化反
応を工業的に有利に実施することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 9/6506 C07F 9/6506 9/6524 9/6524 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 浦田 尚男 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC45 BA24 BA48 BE20 BE40 4H039 CA62 CL45 4H050 AB40

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A-a)で表される二座リ
    ン化合物。 【化1】 [式中、−Ar1−Ar2−基は、下記一般式(a−I)
    又は(a−II)で表されるビスアリーレン基であり、Z1
    〜Z4 はリン原子と結合する原子が窒素原子であり、
    且つ、少なくとも1個の窒素原子を含む5員環の複素環
    式化合物又はその縮合環式化合物である。 【化2】 (式中、R4及びR5は、それぞれ独立にアルキル基、ア
    ルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、
    置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有してい
    てもよいシロキシ基及びハロゲン原子からなる群から選
    ばれるものを表し、R1〜R3、R6〜R8は、それぞれ独
    立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアル
    キル基、シクロアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ア
    リール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、ア
    ルキルアリールオキシ基、アリールアルキル基、アリー
    ルアルコキシ基、シアノ基、ヒドロキシ基及びハロゲン
    原子よりなる群から選ばれるものを表す。) 【化3】 (式中、R14及びR15はそれぞれ独立に一般式(a−
    I)中のR4及びR5と同義であり、R9〜R13、R16
    20はそれぞれ独立に一般式(a−I)中のR1〜R 3
    6〜R8と同義である。)〕
  2. 【請求項2】 一般式(A−a)中の−Ar1−Ar2
    基が、一般式(a−I)で表されるものであり、一般式
    (a−I)において、R4及びR5が炭素数1〜3のアル
    キル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はハロゲン原子
    から選ばれる基である請求項1に記載の二座リン化合
    物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(A−b)で表される二座リ
    ン化合物。 【化4】 〔式中、−Ar3−Ar4−基は、下記一般式(b−I)
    又は(b−II)で表されるビスアリーレン基であり、Z5
    〜Z8 はリン原子と結合する原子が窒素原子であり、
    且つ、少なくとも1個の窒素原子を含む5員環の複素環
    式化合物又はその縮合環式化合物である。 【化5】 (式中、R23及びR26は、それぞれ独立にアルキル基、
    アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ
    基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有し
    ていてもよいシロキシ基及びハロゲン原子からなる群か
    ら選ばれるものを表し、R21、R22、R24、R25
    27、R28は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、
    アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ
    基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ
    基、アルキルアリール基、アルキルアリールオキシ基、
    アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、シアノ
    基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子よりなる群から選ば
    れるものを表す。) 【化6】 (式中、R34及びR39はそれぞれ独立に一般式(b−
    I)中のR23及びR26と同義であり、R31〜R33、R35
    〜R38、R40〜R42はそれぞれ独立に一般式(b−I)
    中の R21、R22、R24、R25、R27、R28と同義であ
    る。)〕
  4. 【請求項4】 一般式(A−b)中の−Ar3−Ar4
    基が、一般式(b−I)で表されるものであり、一般式
    (b−I)において、R23及びR26が炭素数1〜10の
    アルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基から選ば
    れる基である請求項3に記載の二座リン化合物。
  5. 【請求項5】 一般式(A−a)及び(A−b)中のZ
    1〜Z8が、各々置換基を有していてもよいピロリル基
    (pyrrory1)、インドリル基(indoly
    l)又はイミダゾリル基(imidazolyl)であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の二座リン化合物。
  6. 【請求項6】 一般式(a−I)、(a−II)、(b−
    I)及び(b−II)において、R1、R8、R9、R20
    21、R28、R31及びR42が、それぞれ独立に、置換基
    を有していてもよい炭素数3〜20のアルキル基から選
    ばれるものである請求項1〜5のいずれかに記載の二座
    リン化合物。
  7. 【請求項7】 第8族金属化合物の存在下に、オレフィ
    ン性化合物を一酸化炭素及び水素と反応させて対応する
    アルデヒド類を製造するに当り、請求項1〜6のいずれ
    かに記載の二座リン化合物を存在させることを特徴とす
    るヒドロホルミル化方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の二座リン化合物を存在
    させる請求項7に記載のヒドロホルミル化方法。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の二座リン化合物を存在
    させる請求項7に記載のヒドロホルミル化方法。
  10. 【請求項10】 オレフィン性化合物が極性官能基を有
    しない化合物である請求項7〜9のいずれかに記載のヒ
    ドロホルミル化方法。
  11. 【請求項11】 オレフィン性化合物がα−オレフィン
    である請求項7〜10のいずれかに記載のヒドロホルミ
    ル化方法。
  12. 【請求項12】 オレフィン性化合物がプロピレンであ
    る請求項7〜11のいずれかに記載のヒドロホルミル化
    方法。
  13. 【請求項13】 第8族金属化合物が、ロジウムである
    請求項7〜12のいずれかに記載のヒドロホルミル化方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項7〜13のいずれかの方法によ
    り得られたアルデヒド類をそのまま水素化反応に供する
    か、又は二量化した後に水素化反応に供給することによ
    りアルコールを製造する方法。
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