【発明の詳細な説明】
シアンを含まない1価銅電気めっき液
技術分野
本発明は、基板上に銅を付着させるシアンを含まない1価銅電気めっき液に関
する。
背景技術
長年、銅めっきはシアンを含むめっき液を用いて巧く行なわれてきた。これら
の溶液では、銅は1価銅とシアンの錯体として存在する。また、その溶液は遊離
の又は錯体を形成していないアルカリシアン化物、アルカリ水酸化物、及び銅陽
極の溶解を援助するアルカリ酒石酸塩のような錯化剤が含まれる。これらの溶液
は満足すべきものであったが、工業界では有毒なシアンイオンの代用品が絶えず
探究されてきた。
1価銅の付着に必要とされる溶液は、1価銀の付着に必要とされるものとかな
り異なっている。1価銀は、通常は溶液に安定である。しかしながら、その溶液
に不安定である場合には、1価銀イオンが還元され、銀金属として沈殿する。1
価銀の還元は光によって促進する。
対照的に、銅溶液に安定であるのは1価イオンよりは2価イオンである。1価
銅イオンを含む溶液中で不安定である場合には、イオンを酸化して安定な2価銅
イオンを形成する。その酸化が起こる場合、1価銅イオンは、典型的には、空気
から溶液に入る酸素によって2価銅に酸化されるか、又は陽極で電気化学的に酸
化される。
シアンを含まない2価銅酸性めっき液が商業的に成功した。しかしながら、1
価銅溶液と同じ量の銅を付着させるためには全電流が2倍必要である。従って、
電流が一定の場合、めっき速度は1価銅溶液の1/2であり、電流のコストは2倍
かかる。更に、酸性溶液は、銅を鋼上に直接めっきする場合に銅の必要とされる
密着性を与えない。
シアンを含まない2価銅アルカリ性溶液は、良好な密着性をもって鋼上に直接
めっきすることができるが、商業的許容が制限された。銅が2価であることから
2価銅酸性溶液から銅をめっきするのに要する電流は1価銅をめっきするのに要
する電流の約2倍であり、電流が一定量の場合のめっき速度は1価銅溶液からめ
っきするのに用いられるものの約1/2である。
今までのところ、安定であり、シアンを含まず、かつ良好な密着性をもって鋼
に直接めっきすることができる市販の満足すべき1価銅アルカリ性めっき浴はな
い。1価銅ハロゲン化物、特に塩化第一銅又はヨウ化第一銅を過剰量のアルカリ
ハロゲン化物と含む浴が提案された。これらはいずれも商業的に許容されなかっ
た。
米国特許第1,969,553号には、チオ硫酸ナトリウム及び塩化第一銅を含む溶液
から1価銅をめっきする方法が記載されている。その方法は、更に研究され、電
気化学学会の第77回総会、1940年4月26日に報告された。更に最近、1981年5月
に英国へロゲートの金属仕上協会の年次テクニカルカンファランスでチオ硫酸第
一銅浴が報告された。その浴は銅がチオ硫酸イオンと錯体形成されている1価溶
液から銅をめっきし、亜硫酸イオンの添加により浴の安定性が改善されることが
報告された。該溶液のpHは6〜11の範囲であり、最適範囲は8.5〜9.5であり、pH
6以下の酸性溶液は不安定であることが報告された。更に、酸性にした亜硫酸イ
オンから生じる二酸化イオウがそれらの溶液から連続して発生した。著者らはこ
れらのめっき浴がピロリン酸第二銅アルカリ浴より顕著に改善されなかったと結
論しており、現在までチオ硫酸塩を含む1価銅めっき浴を含む研究は報告されて
いない。
米国特許第5,302,278号には、金属がチオ硫酸イオンによって錯体形成される
、有機スルフィン酸塩の安定剤を含む、銅、銀、又は金のような1価金属の少な
くとも1種を酸性条件下で電気めっきする溶液が開示されている。
米国特許第4,126,524号には、銀が有機ジカルボン酸のイミドと錯体を形成す
るシアンを含まない銀めっき浴が開示されている。実施例には、銀付着物に光沢
を与えるために又は着色するために銀との種々の合金が含まれることが記載され
ている。銀との合金の量は、数部/1000部から上限として約5%の範囲である。合
金イオンとしては1価銅と2価銅及び他の金属イオンが挙げられている。この
方法は商業的に成功したが、浴不安定性の場合も報告された。
欧州特許出願第0 705 919号には、シアンを含まない銀めっき液中にヒダント
イン化合物を用いることが開示されている。
しかしながら、良好な密着性をもって鋼を直接めっきすることができる安定な
シアンを含まない1価銅アルカリ性めっき浴が求められている。
発明の要約
本発明は、銅を1価イオン状態から付着させる実質的にシアンを含まないアル
カリ性めっき液に関する。本発明のめっき溶液は、1価銅イオン、2価銅イオン
を1価銅イオンに還元することができる還元剤、NaOH、KOH、NH4OH、又はNa2CO3
のような、溶液のpHを約7〜約10の範囲に十分維持するだけの量のアルカリ物質
、及び特定の錯化剤を含む。好ましい試薬としては、イミド又はヒダントイン化
合物が含まれる。
本発明のめっき液は、また、NaCl、KCl、Na2SO4、K4P2O7、Na3PO4、C6H5Na3O7
、C6H11NaO7、NH4Cl、又はKNaC4H4O6のような導電性塩の少なくとも1種、光沢
を与える添加剤、典型的には、有機アミン又はオキシアルキルポリアミン、例え
ば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、又はポリオキシプロ
ピルトリアミン、又は合金が含まれる。
本発明の実質的にシアンを含まないめっき液に使用するのに特に好ましい錯化
剤としては、スクシンイミド、3-メチル-3-エチルスクシンイミド、3-メチルス
クシンイミド、3-エチルスクシンイミド、3,3,4,4-テトラメチルスクシンイミド
、及びヒダントイン化合物、好ましくはジメチルヒダントインが挙げられる。有
用な還元剤としては、アルカリ亜硫酸塩、アルカリ重亜硫酸塩、ヒドロキシルア
ミン、及びヒドラジン、好ましくは亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
CuCl、CuCl2、CuSO4、又はCu2Oのような銅は、溶液1リットルあたり約2〜約3
0グラムの溶液中の銅濃度を十分与えるだけの量でめっき液に可溶な形で供給さ
れる。錯化剤は、錯化剤に対する銅のモル比約1:1〜約1:5、好ましくは約1:4を
十分与えるだけの量で存在する。適切な範囲は約4〜300g/lである。
本発明は、また、基板上に銅をめっきする方法であって、本発明のシアンを含
まないめっき液を調製する工程、該液の温度を約60〜160°F(15〜71℃)の温度
に調整する工程、該基板を陰極に取付ける工程、該陰極と取付けた基板を該めっ
き液に浸漬する工程、及び基板を陰極電流で電気めっきして銅を付着させる工程
を含む、前記方法に関する。
本発明は、また、基板上に銅をめっきする溶液を調製する方法であって、上記
の銅イオン源、還元剤、アルカリ物質、及び錯化剤と水及び任意の導電性塩、光
沢を与える添加剤、又は合金とを上記の量で混合する工程を含む、前記方法に関
する。
好適実施態様の詳細な説明
本発明は、シアンを含まない銅アルカリ性溶液及び銅をその溶液の1価イオン
状態から付着させる方法に関する。シアンの使用を避けるために、本発明の溶液
は有機イミド又はヒダントイン化合物のある種の錯化剤を混合する。予想外に、
めっき浴に可溶な銅化合物、2価銅イオンを1価銅イオンに還元することができ
る還元剤、及びイミド又はヒダントイン化合物の錯化剤を含むシアンを含まない
アルカリ性めっき液又はめっき浴が安定でありかつ良好な密着性をもって鋼又は
銅ベース基板上に銅をめっきすることができることを発見した。
本発明の1価イオン状態から銅を付着させるシアンを含まないアルカリ性溶液
は、典型的には、めっき浴に可溶な銅化合物としての銅、2価銅イオンを1価銅
イオンに還元することができる還元剤、pHを約7〜約10の範囲に調整するアルカ
リ物質、及び下記式Iのイミド化合物
下記式IIのイミド化合物又は下記式IIIのヒダントイン化合物
(式中、R1、R2、R3、及びR4は同じでも異なってもよく、各々独立して水素、ア
ルキル、又はアルコシキであり、そのアルキル及びアルコキシ部分は炭素原子1
〜4個を有し、R5、R6、R7、及びR8は同じでも異なってもよく、独立して水素、
炭素原子1〜5個を有するアルキル、アリール、又はアルコールである。)の少な
くとも1種の錯化剤が含まれる。
pHが約7〜約10の範囲のめっき液中、銅を1価イオン状態で維持する錯化剤と
還元剤との組合わせは本発明に必須である。還元剤を含まないと実質的に全ての
1価銅が典型的な条件下で2価銅に酸化され、錯化剤を含まないと1価銅はめっ
き浴に可溶なままであることができない。
溶液中に必要とされる錯化剤の量は、溶液中の銅の量に左右される。錯化剤に
対する銅のモル比は、典型的には約1:1〜約1:5の範囲であり、好ましくは1:4で
ある。典型的な濃度範囲は、約4〜300g/lであり、好ましい範囲は10〜100g/lで
ある。有効な錯化剤としては、スクシンイミド、3-メチル-3-エチルスクシンイ
ミド、3-メチルスクシンイミド、3-エチルスクシンイミド、3,3,4,4-テトラメチ
ルスクシンイミド、3,3,4-トリメチルスクシンイミド、マレイミド、及びヒダン
トイン化合物が挙げられる。最も好ましい錯化剤は、低コストと利用可
能性のためにジメチルヒダントインである。
めっき浴中の銅の量は、典型的には約2〜約30g/lの範囲であり、用途が一定の
場合に必要とされるめっき速度に左右される。銅は、めっき浴に可溶であり、浴
中の錯化剤によって錯体形成される銅を与え、かつ浴を分解しない、1価又は2
価銅化合物として供給される。有効な銅化合物としては、CuCl、CuCl2、CuSO4、
及びCu2Oが挙げられるがこれらに限定されない。塩化第一銅、CuClがその利用可
能性と低コストのために好ましい。
還元剤は、めっき浴中に存在する条件下で2価銅を1価銅に還元することがで
きる浴可溶性化合物である。有効な還元剤としては、酸化生成物がめっき浴を分
解しない限り、アルカリ亜硫酸塩及び重亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラ
ジン等が挙げられるがこれらに限定されない。酸化生成物として硫酸ナトリウム
を生成し、かつ低コストで用いうる亜硫酸ナトリウムは、最も好ましい還元剤で
ある。これらの還元剤は、典型的には約10〜150g/l以上、好ましくは約15〜60g/
lの濃度で用いられる。
本発明の溶液のpHは、典型的には約7〜約10、好ましくは約8〜約9の範囲であ
る。pHは、NaOH、KOH、NH4OH、Na2CO3等を含む、浴と適合しうる塩基又はアルカ
リ塩、好ましくは水酸化ナトリウムで調整される。
任意により、本発明の溶液は、導電性塩の少なくとも1種、銅付着物の均一性
又は光沢を与える添加剤、又は合金が含まれる。導電性塩は、必要な場合には浴
の導電性を向上させるために任意に添加される。浴に可溶でありかつ適合しうる
塩が用いられ、塩化物、硫酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、酒石酸
塩等が適する。特に好ましい塩としては、塩化ナトリウム、NaCl、塩化カリウム
、KCl、硫酸ナトリウム、Na2SO4、ピロリン酸カリウム、K4P2O7、リン酸ナトリ
ウム、Na3PO4、クエン酸ナトリウム、C6H5Na3O7、グルコン酸ナトリウム、C6H11
NaO7、塩化アンモニウム、NH4Cl、酒石酸ナトリウムカリウムのようなロッセル
塩、KNaC4H4O6等が挙げられる。これらの塩は、典型的には5〜75g/l、好ましく
は約10〜50g/lの量で用いられる。
必要な場合には、めっきした銅の光沢や均一性を向上させるために添加剤が本
発明の溶液に含まれる。有効な添加剤としては、トリエチレンテトラミンやテト
ラエチレンペンタミンのような有機アミン化合物、及びポリオキシプロピルトリ
アミンのようなオキシアルキルポリアミン等が挙げられる。アミンの使用量は、
浴の活性、即ち、付着物に光沢を与える能力に左右される。例えば、トリエチレ
ンテトラミンは溶液1リットルあたり好ましくは約0.05mlの濃度で用いられ、ポ
リオキシプロピルトリアミンは約0.1g/lを必要とする。従って、この添加剤の量
は0.01ml/l〜0.5g/lの範囲であり、通常の試験により求められる。
典型的なめっき液は、まず錯化剤を水に溶解し、次に銅化合物を結晶の形で又
はスラリーとして添加することにより調製される。該液を撹拌して銅化合物を溶
解し、pHを調整し、還元剤及び任意の導電性塩、添加剤、又は合金が添加される
。めっきについては、浴は約60〜約160°F(15〜71℃)、好ましくは約110〜約125
°F(43〜52℃)の範囲である温度で維持される。次に、基板を電気回路の一部で
ある陰極に取付け、該陰極と取付けた基板を該めっき液に浸漬し、電流を該基板
に銅を所望の厚さまでめっきするのに十分な量と時間該回路に供給することによ
り基板がめっきされる。電気めっき条件は慣用のものであり、最適値は当業者に
よる通常の実験により求められる。
実施例
下記の限定しない実施例は、本発明の好適実施態様を単に例示するものであり
、本発明を制限するものとして解釈すべきではない。本発明の範囲は、後記の請
求の範囲によって定義される。実施例1
下記の化合物を脱イオン水に溶解することにより1価銅めっき浴を調製した。
5,5ジメチルヒダントイン 90g/l
塩化第一銅 15g/l
重亜硫酸ナトリウム 30g/l
トリエチレンテトラミン 0.05ml/l
浴のpHを水酸化ナトリウムで8.5に調整した。温度を110〜125°F(43〜52℃)に
維持し、浴を電動スターラーで撹拌した。
黄銅と鋼のパネルを浴中5アンペア/平方フィートと10アンペア/平方フィート
(0.54アンペア/平方デシメートルと1.08アンペア/平方デシメートル)の陰極
電流密度で0.3ミル(7.5ミクロン)の厚さまでめっきした。めっき時間は、5A/ft2
で48分と10A/ft2で24分であった。付着した銅はベース金属に付着し、外観が光
沢であった。実施例2
銅イオン源として27g/lの塩化第二銅用いた以外は実施例1のように1価銅め
っき浴を調製した。黄銅と鋼のパネルを実施例1のようにめっきした。めっきし
た銅の外観と密着性は、実施例1とほとんど同じであった。実施例3
銅イオン源として15g/lの酸化第一銅用いた以外は実施例1のように1価銅め
っき浴を調製した。黄銅と鋼のパネルを実施例1のようにめっきした。めっきし
た銅の外観と密着性は、実施例1とほとんど同じであった。実施例4
銅イオン源として15g/lの水酸化第二銅用いた以外は実施例1のように1価銅
めっき浴を調製した。黄銅と鋼のパネルを実施例1のようにめっきした。めっき
した銅の外観と密着性は、実施例1とほとんど同じであった。実施例5
下記の化合物を脱イオン水に溶解することにより1価銅めっき浴を調製した。
5,5ジメチルヒダントイン 75g/l
塩化第二銅 27g/l
重亜硫酸ナトリウム 30g/l
トリエチレンテトラミン 0.05ml/l
浴のpHを水酸化ナトリウムで8.5に調整した。温度を110〜125°F(43〜52℃)に
維持し、浴を電動スターラーで撹拌した。黄銅と鋼のパネルを5A/ft2と10A/ft2(
0.54A/dm2と1.0854A/dm2)の陰極電流密度でめっきした。付着物は、外観が半光
沢であり、ベース金属に良好に付着した。実施例6
下記の化合物を脱イオン水に溶解することにより1価銅めっき浴を調製した。
5,5ジメチルヒダントイン 90g/l
塩化第二銅 27g/l
ヒドロキシルアミン塩酸塩 20g/l
トリエチレンテトラミン 0.05ml/l
浴のpHを水酸化ナトリウムで8.5に調整した。浴の温度を110〜125°F(43〜52
℃)に維持し、浴を電動スターラーで撹拌した。
黄銅と鋼のパネルを浴中5A/ft2と10A/ft2(0.54A/dm2と1.08A/dm2)の陰極電流
密度で0.3ミル(7.5ミクロン)の厚さまでめっきした。めっき時間は、5A/ft2で48
分と10A/ft2で24分であった。
付着物は、ベース金属に対して良好な密着性を有し、外観が半光沢〜光沢であ
った。実施例7
下記の化合物を脱イオン水に溶解することにより1価銅めっき浴を調製した。
スクシンイミド 90g/l
ロッセル塩 100g/l
塩化第二銅 27g/l
亜硫酸ナトリウム 30g/l
トリエチレンテトラミン 0.05ml/l
ゼラチン 0.5g/l
浴のpHを水酸化ナトリウムで8に調整した。温度を110〜125°F(43〜52℃)に
維持し、浴を電動スターラーで撹拌した。
黄銅と鋼のパネルを5A/ft2と10A/ft2(0.54A/dm2と1.08A/dm2)の陰極電流密度
で0.3ミル(7.5ミクロン)の厚さまでめっきした。
付着物は、ベース金属に対して良好に付着し、外観が鏡面光沢であった。実施例8
下記の化合物を脱イオン水に溶解することにより1価銅めっき浴を調製した。
スクシンイミド 90g/l
塩化第二銅 30g/l
亜硫酸ナトリウム 30g/l
塩化カリウム 88g/l
トリエチレンテトラミン 0.05ml/l
浴のpHを水酸化ナトリウムで8に調整した。浴の温度を110〜125°F(43〜52℃
)に維持し、めっき浴中の陰極を200rpm(100ft/分線速度に相当する)で回転させ
ることにより撹拌した。
回転陰極に取付けた鋼基板をこの浴中で高速めっきに供した。電気めっきを10
A/ft2(1.08A/dm2)の陰極電流密度で行った。
めっき速度は、0.1ミル、2.5ミクロン厚/60秒であった。付着物は、外観が平
滑〜半光沢であり、基板に密着性であった。実施例9
下記の化合物を脱イオン水に溶解することによりストライク銅めっき浴を調製
した。
5,5ジメチルヒダントイン 60g/l
ピロリン酸カリウム 30g/l
水酸化第二銅 2g/l
浴のpHを水酸化ナトリウムで8.5に調整した。温度を90〜110°F(32〜43℃)に
維持した。まず、亜鉛ダイキャスト部分を慣用の方法で洗浄及び活性化し、次に
、上記ストライク浴中10A/ft2(1.08A/dm2)で10分間電気めっきした。基板全体に
わたってピンク色の均一な銅コーティングが付着した。次に、該部分を実施例1
に記載された浴中10A/ft2(1.08A/dm2)で24分間電気めっきした。付着物は、外観
が均一な光沢であり、亜鉛ダイキャストベース金属に対する密着性は極めて良好
であった。
実施例で証明されたように、本発明のシアンを含まない1価銅アルカリ性めっ
き液は、鋼亜鉛、又は黄銅のような基板にめっきする場合に外観が光沢であり、
かつ基板に良好に付着している、銅板を与える。
本明細書に開示された発明が上記目的を果たすのに十分に適合することは明ら
かであるが、多くの変更や実施態様が当業者によって行われることが理解される
。従って、次の請求の範囲は、本発明の真意及び範囲内に入る変更や実施態様を
全て包含するものである。