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JP2001172854A - 衛生材料用の水分の吸収体及びその製造方法 - Google Patents

衛生材料用の水分の吸収体及びその製造方法

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Publication number
JP2001172854A
JP2001172854A JP35888299A JP35888299A JP2001172854A JP 2001172854 A JP2001172854 A JP 2001172854A JP 35888299 A JP35888299 A JP 35888299A JP 35888299 A JP35888299 A JP 35888299A JP 2001172854 A JP2001172854 A JP 2001172854A
Authority
JP
Japan
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water
resin emulsion
absorber
emulsion
resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP35888299A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Sugie
正治 杉江
Makoto Mori
誠 毛利
Masayuki Sado
優之 佐渡
Hisafumi Kuroda
尚史 黒田
Toshishige Yamamoto
利成 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon NSC Ltd
Original Assignee
Nippon NSC Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Nippon NSC Ltd filed Critical Nippon NSC Ltd
Priority to JP35888299A priority Critical patent/JP2001172854A/ja
Publication of JP2001172854A publication Critical patent/JP2001172854A/ja
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  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が改善され、吸水性の低減が防止
された衛生材料用の水分の吸収体及びそのような水分の
吸収体の製造方法を提供する。 【解決手段】 (A)繊維集合体を含んで成る水分の吸
収体であって、(A)繊維集合体を形成する繊維の少な
くとも一部分が、(B)水系樹脂エマルション及び
(C)再乳化形粉末樹脂から選択される少なくとも1種
に由来する樹脂によって、少なくとも部分的に結合され
ている衛生材料用の水分の吸収体である。このような水
分の吸収体は、例えば、(A)繊維集合体に(B)水系
樹脂エマルションを適用することによって製造できる。
また、(C)再乳化形粉末樹脂を(A)繊維集合体の表
面及び/又は内部に存在せしめ、水を適用することによ
っても製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙オムツ、失禁パ
ッド及び生理用ナプキン等の衛生材料に使用される水分
の吸収体、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙オムツ、失禁パッド及び生理用ナプキ
ン等の衛生材料は、水分(以下、本明細書においては
「水分」とは、塩類、固形分等を含んでよい一般的な
水、例えば蒸留水、イオン交換水等であって、具体的に
は、例えば、尿や血液等の体液をいう。)の吸収体が、
紙等で覆われ、その紙等の一部がホットメルト接着剤等
で止められて、着用者の肌に直接あたる通気性の高分子
シートと不透水性の不織布の間に設けられているという
構造を有する。これらの衛生材料は、衛生的であって、
吸水性及び保水性が高い等という特性が求められてい
る。この水分の吸収体は、通常、パルプでできた薄型の
繊維集合体であって、この繊維集合体中には必要に応じ
て、多量の水分を吸収し保持することができる吸水性高
分子を含んでいる。
【0003】しかし、このような水分の吸収体は、多量
の水分を吸収した状態では、機械的強度が十分ではない
ので、自重によって吸収体の形状が崩れて、割れてしま
い、衛生材料内部で通気性高分子シートと不織布の間で
吸収体が移動して、衛生材料内部における吸収体の分布
に偏りを生じ、その結果、充分に水分を吸収できず漏れ
を生ずるという問題が有る。この問題を解決するため
に、吸収体とティッシュの貼り合わせにホットメルト接
着剤を使用することによって水分の吸収体の機械的強度
を向上する方法が提案されている(特開平3−3706
2号公報参照)。しかし、この方法では、水分の吸収体
の機械的強度の改善効果が少なく、更に、水分の吸収体
の吸水性が低下するという問題も生じ得る。従って、吸
水性の低下が防止され、機械的強度、特に吸水時の機械
的強度が改善された衛生材料に用いられる水分の吸収
体、並びにそのような水分の吸収体の製造方法が求めら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解決するためになされたもので、その課題は、吸水性
の低減が防止され、機械的強度、特に吸水時の機械的強
度が改善された衛生材料用の水分の吸収体、そのような
水分の吸収体の製造方法、並びにそのような水分の吸収
体を用いる衛生材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水分の吸収
体の機械的強度、特に吸水時の機械的強度を改善しつつ
吸水性の低減を防止することについて種々検討を行った
結果、以下に詳細に説明するように、(A)繊維集合体
を含んで成る水分の吸収体において、(A)繊維吸収体
を形成する繊維同士を、(B)水系樹脂エマルション及
び(C)再乳化形粉末樹脂から選択される少なくとも1
種に由来する樹脂を用いて、結合することによって、
(A)繊維集合体を含んで成る水分の吸収体の機械的強
度、特に吸水時の機械的強度を向上しつつ吸水性の低減
を防止できることを見出して、本発明を完成するに至っ
たものである。
【0006】本発明者は、(A)繊維集合体を含んで成
る水分の吸収体の機械的強度を改善するには、繊維集合
体を構成する繊維を結合することによって繊維集合体の
強度を向上することが有効であると考えた。そこで、繊
維集合体の強度を増加しつつ吸水性を減少させないため
には、(A)繊維集合体の繊維に樹脂による適度の架橋
構造を付与すればよいと考えた。即ち、(A)繊維集合
体の繊維に適度の数の架橋構造を付与する樹脂をもたら
すものを用いることで、問題を解決することができると
考えた。
【0007】本発明者は、上述のような考察から、
(A)繊維集合体の繊維に適度の数の架橋構造を付与す
る樹脂をもたらすものとして、(B)水系樹脂エマルシ
ョン及び(C)再乳化形粉末樹脂を用いることができる
ことを見出して本発明を完成したものである。(B)水
系樹脂エマルション及び(C)再乳化形粉末樹脂の接着
力の主体となる成分は、いずれも、例えば、粒状、皮膜
状等の樹脂である。従って、(A)繊維集合体を形成す
る繊維と繊維の間に、これらの樹脂が侵入し、接触する
繊維同士を接着することができる。
【0008】本発明は、上述のような検討に基づいてな
されたものであり、本発明の1つの要旨によれば、
(A)繊維集合体を含んで成る水分の吸収体であって、
(A)繊維吸収体を形成する繊維同士が、(B)水系樹
脂エマルション及び(C)再乳化形粉末樹脂から選択さ
れる少なくとも1種に由来する樹脂を用いて、結合され
ていることを特徴とする衛生材料用の水分の吸収体を提
供する。
【発明の実施の形態】
【0009】本発明において「(A)繊維集合体」と
は、例えば、特にパルプでできた繊維集合体であって、
これは植物を原料として適当に処理することにより、そ
の構成している繊維を集めたものであり、より具体的に
はパルプを粉砕することによって製造される繊維の集合
体である。通常衛生材料用の水分の吸収体として用いら
れるものであれば、特に限定されるものではない。
【0010】本発明において(A)繊維集合体は、吸収
性高分子を含むことができる。例えば、その中及び/又
は表面に有してもよい。本発明において「吸収性高分
子」とは、多量の水分を吸収し、保持することができる
高分子をいい、衛生材料用の吸収性高分子として用いら
れるものであれば、特に限定されるものではない。
【0011】吸収性高分子として、例えば、ポリアクリ
ル酸塩、ポリビニルアルコール類及びポリアクリルアミ
ド類等の合成高分子、デンプン類及びセルロース類等の
天然高分子等を例示できる。これらは単独で又は組み合
わせて用いることができる。このような吸収性高分子
は、既知の方法で製造することができるが、市販のもの
を使用することができ、例えば、住友精化(株)製のア
クアキープ(商品名)及び三洋化成工業(株)製のサン
ウェット(商品名)等を例示できる。
【0012】本発明においては、「吸収性高分子」を、
(A)繊維集合体100g当たり、0.1〜50g加え
るのが好ましく、1〜20g加えるのがより好ましく、
1〜5g加えるのが特に好ましい。「吸収性高分子」が
(A)繊維集合体に存在している形態は、衛生材料用の
繊維集合体に通常用いられる形態でよく、繊維集合体の
特性に好ましくない効果を与える形態でなければ特に制
限されることはない。例えば、繊維集合体の上に粒状の
吸収性高分子が振りかけられてもよいし、繊維集合体の
中に粒状又は塊状の吸収性高分子が分散させられてもよ
いし、繊維集合体中に吸収性高分子がシート状に挿入さ
れてもよい。
【0013】本発明において「(B)水系樹脂エマルシ
ョン」とは、水を媒体とする樹脂のエマルションであっ
て、これを乾燥して得られる樹脂が、(A)繊維集合体
の繊維同士を接着することができるものであれば、特に
限定されるものではない。この乾燥して得られる樹脂の
ガラス転移温度(以下「Tg」ともいう)は、−50〜
100℃が好ましく、−20〜80℃がより好ましい。
【0014】なお本発明において「ガラス転移温度」と
は、以下のように、種々の温度における粘弾性の測定に
基づいて得られる値をいう。即ち、レオメトリック社製
のDVE4(商品名)を用い、樹脂(フィルム状)の粘
弾性の測定を行い、せん断モードにおいて、周波数1H
zで樹脂に与えられるひずみに対する応力を測定し、応
力とひずみの位相差δを求める。この測定を所定の温度
範囲において繰り返す。この応力とひずみの位相差δの
正接、即ち、tanδがピークトップを与える温度とし
て、ガラス転移温度は定義される。従って、樹脂の粘弾
性の測定において測定される温度に対するδの値から、
温度に対するtanδの曲線が得られ、その曲線のピー
クトップを与える温度がガラス転移温度として定義され
る。
【0015】このような(B)水系樹脂エマルションと
して、例えば、アクリル樹脂系エマルション、酢酸ビニ
ル樹脂系エマルション、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体系エマルション、スチレン−ブタジエン共重合体系エ
マルション、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルシ
ョン、ポリエステル樹脂系エマルション、ウレタン樹脂
系エマルション、ナイロン樹脂系エマルション及びポリ
オレフィン系エマルション等を例示できる。また、生理
処理用品自主基準関係資料集(社団法人日本衛生材料工
業連合会平成10年10月発行)等を参照できる。これ
らの(B)水系樹脂エマルションは、単独で又は組み合
わせて用いることができる。
【0016】このような(B)水系樹脂エマルション
は、既知の方法で製造することができる。製造方法とし
て、例えば、通常のエマルジョン重合方法(室井宗一
著、高分子ラテックスの化学、第51頁〜第54頁、高
分子刊行会1970年発行参照)及び強制乳化方法(特
公平6−102748号公報参照)等を例示できる。ま
た、(B)水系樹脂エマルションとして市販のものを使
用することができるが、これらに限定されるものではな
い。尚、これらの(B)水系樹脂エマルションの中で、
低臭気もしくは無臭のものを使用するのが好ましい。
【0017】尚、本発明において「水」とは、一般的な
水、例えば蒸留水、イオン交換水、純水等をいうが、本
発明の吸収体の特性に好ましくない影響を与えない範囲
で水溶性又は水に分散可能な有機溶剤、単量体、及びオ
リゴマー等を含んでもよく、水系樹脂エマルションの製
造の際に通常使用される乳化剤、重合反応開始剤、還元
剤、連鎖移動剤、及びpH調整剤等の各種添加剤を含ん
でもよい。
【0018】本発明において「(C)再乳化形粉末樹
脂」とは、乳化重合によって得られる合成樹脂エマルシ
ョンを粒子状態で乾燥して得られる粉末であり、水の存
在によって再乳化できる粉末をいい、再乳化形粉末樹脂
を再乳化した後のエマルションを乾燥して得られる樹脂
(実質的には、(C)再乳化形粉末樹脂自身である)
が、(A)繊維集合体の繊維同士を接着することができ
るものであれば、特に限定されるものではない。(C)
再乳化形粉末樹脂のガラス転移温度は、−50〜100
℃が好ましく、−20〜80℃が好ましい。
【0019】上述の(C)再乳化形粉末樹脂の製造方法
から、(C)は再乳化形粉末樹脂の粒子は、原料の合成
樹脂エマルションの粒子が凝集して形成されている。こ
こで「再乳化」とは、水の存在によって、原料の合成樹
脂エマルションの粒子の凝集によって形成される再乳化
形粉末樹脂の粒子の凝集が解け、再乳化形粉末樹脂の粒
子が、原料の合成樹脂エマルションの粒子の寸法と同様
の寸法となって水性エマルションを形成することをい
い、再乳化形粉末樹脂の粒子の凝集が解けず、再乳化形
粉末樹脂の粒子がそのままの寸法のままで分散すること
をいわない。従って、(C)再乳化形粉末樹脂は、再乳
化することによって元の合成樹脂エマルションと同様の
性質を有することができる。
【0020】但し、本発明の水分の吸収体の実際の製造
においては、(C)再乳化形粉末樹脂は、水の存在によ
って完全に再乳化する必要はなく、本発明が目的とする
(A)繊維集合体の繊維同士の結合を達成できればよ
い。
【0021】このような(C)再乳化形粉末樹脂とし
て、例えば、上述した(B)水系樹脂エマルションとし
て用いられる、アクリル樹脂系エマルション、酢酸ビニ
ル樹脂系エマルション、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体系エマルション、スチレン−ブタジエン共重合体系エ
マルション、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルシ
ョン、ポリエステル樹脂系エマルション、ウレタン樹脂
系エマルション、ナイロン樹脂系エマルション及びポリ
オレフィン系エマルション等を噴霧乾燥したものを例示
できる。これらの水性樹脂エマルションを乳化重合する
際に、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を保護コ
ロイドとして用いて乳化重合すると、水性樹脂エマルシ
ョンを噴霧乾燥する時に、エマルションの粒子がブロッ
キングし難いので、得られる(C)再乳化形粉末樹脂の
再乳化性が良好となり好ましい。
【0022】更に、抗粘結剤の存在下に水性樹脂エマル
ションを噴霧乾燥すると、エマルションの粒子がブロッ
キングし難く、得られる(C)再乳化形粉末樹脂の再乳
化性が良好となり好ましい。抗粘結剤として、例えば、
珪酸アルミニウム、シリカ、及び炭酸カルシウム等の微
粒子粉末を例示できる。これらの(C)再乳化形粉末樹
脂は、単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0023】(C)再乳化形粉末樹脂は、既知の方法で
製造することができるが、市販のものを使用することが
できる。尚、(A)繊維集合体が、吸収性高分子を含ん
でいる場合、少なくとも(C)再乳化形粉末樹脂を用い
るのが好ましく、(B)水系樹脂エマルションと併用し
ても、(C)再乳化形粉末樹脂を単独で用いてもよい。
【0024】(B)水系樹脂エマルション及び(C)再
乳化形粉末樹脂((B)と(C)の合計)は、100g
の(A)繊維集合体当たり、固形分で0.1〜50g存
在するのが好ましく、1〜20g存在するのがより好ま
しく、1〜10g存在するのが特に好ましい。尚、
(B)水系樹脂エマルションの固形分の濃度(又は水分
の含有量)は、水分の吸収体の製造方法に応じて適宜選
択されるべきものである。
【0025】上述したような衛生材料用の水分の吸収体
の製造方法には、いくつかの方法が考えられる。これを
以下、説明する。本発明の他の要旨によれば、新たな衛
生材料用の水分の吸収体の製造方法が提供され、それ
は、(A)繊維集合体を含んで成る水分の吸収体の製造
方法であって、(A)繊維集合体に(B)水系樹脂エマ
ルションを適用することを特徴とする衛生材料用の水分
の吸収体の製造方法である。
【0026】尚、本発明において「適用」とは、流体の
適量を(A)繊維集合体上に存在せしめることをいい、
通常の適用方法を用いることができ、例えば、塗工、塗
布及び噴霧等を例示できる。ここで「塗工」とは、従来
から流体を塗工する方法として通常用いられている塗工
方法であれば、限定されることなく使用することができ
る。更に「塗布」とは、従来から流体を塗布する方法と
して通常用いられている塗布方法であれば、限定される
ことなく使用することができる。また「噴霧」とは、従
来から流体を噴霧する方法として通常用いられている噴
霧方法であれば、限定されることなく使用することがで
きる。ここで(B)水系樹脂エマルションを、100g
の(A)繊維集合体に対して、固形分で0.1〜50g
を適用するのが好ましく、1〜20gを適用するのがよ
り好ましく、1〜10gを適用するのが特に好ましい。
【0027】この製造方法においては、(B)水系樹脂
エマルションは、(A)繊維集合体に適用されることに
よって(A)繊維集合体の繊維と繊維の間に侵入する。
侵入した(B)水系樹脂エマルションに由来する樹脂が
(A)繊維集合体中の繊維同士の間を結合すると考えら
れる。従って、(A)繊維集合体の機械的強度が改善さ
れ、水分の吸収体の機械的強度が高められることとな
る。但し、水分の吸収体が水分を吸収しても、この結合
は容易に切断されないで存在し得るので、水分の吸収体
の吸水時の機械的強度も改善されることとなる。
【0028】尚、この製造方法においては、(A)繊維
集合体に(B)水系樹脂エマルションを適用後、乾燥し
て、目的とする衛生材料用の水分の吸収体を製造するこ
とができる。本発明において「乾燥」とは、従来から水
分を除去するために、乾燥する方法として通常用いられ
ている乾燥方法であれば、限定されることなく使用する
ことができる。例えば、温風乾燥、減圧乾燥、及び自然
乾燥等を例示できる。
【0029】本発明の他の1つの要旨によれば、新たな
衛生材料用の水分の吸収体の製造方法が提供され、それ
は、(A)繊維集合体を含んで成る水分の吸収体の製造
方法であって、(C)再乳化形粉末樹脂を(A)繊維集
合体の表面及び/又は内部に存在せしめ、水を適用する
ことを特徴とする衛生材料用の水分の吸収体の製造方法
である。ここで「適用」には、上述した適用方法を用い
ることができる。
【0030】この製造方法において(C)再乳化形粉末
樹脂を(A)繊維集合体の表面又は内部に存在せしめる
方法として、例えば、(C)再乳化形粉末樹脂を(A)
繊維集合体の表面に振りかける方法、(C)再乳化形粉
末樹脂を(A)繊維集合体と混合する方法等を例示する
ことができる。ここで「振りかける方法」とは、従来か
ら粉末を振りかける方法として、通常用いられている振
りかける方法であれば、限定されることなく使用するこ
とができる。更に「混合する方法」とは、従来から粉末
を混合する方法として通常用いられている混合方法であ
れば、限定されることなく使用することができる。ここ
では(C)再乳化形粉末樹脂は、100gの(A)繊維
集合体当たり、固形分で0.1〜50g存在するのが好
ましく、1〜20g存在するのがより好ましく、1〜1
0g存在するのが特に好ましい。
【0031】この製造方法においては、(C)再乳化形
粉末樹脂は、(A)繊維集合体の表面及び/又は内部に
存在せしめられ、(A)繊維集合体に適用される水によ
って、再乳化する。この再乳化した水系樹脂エマルショ
ンに由来する樹脂が、(A)繊維集合体中の繊維同士を
結合すると考えられる。従って、(A)繊維集合体の機
械的強度が改善され、水分の吸収体の機械的強度が高め
られることとなる。但し、水分の吸収体が水分を吸収し
ても、この結合は容易に切断されないで存在し得るの
で、水分の吸収体の吸水時の機械的強度も改善されるこ
ととなる。
【0032】尚、この製造方法においては、水を(A)
繊維集合体に適用する時期によって3つの態様が考えら
れる。即ち、水を(A)繊維集合体に適用する時期が、
(C)再乳化形粉末樹脂を(A)繊維集合体の表面及び
/又は内部に存在せしめる前、存在せしめると同時、存
在せしめた後の3態様である。この製造方法は、水を
(A)繊維集合体に適用する時期によって特に制限され
ることはないが、水を(A)繊維集合体に適用する時期
は、(C)再乳化形粉末樹脂を(A)繊維集合体の表面
及び/又は内部に存在せしめた後が好ましい。
【0033】また、この製造方法の1つの態様として、
新たな衛生材料用の水分の吸収体の製造方法が提供さ
れ、それは、(A)繊維集合体を含んで成る水分の吸収
体の製造方法であって、水を適用し、(C)再乳化形粉
末樹脂を(A)繊維集合体の表面及び/又は内部に存在
せしめることを特徴とする衛生材料用の水分の吸収体の
製造方法が好ましい。
【0034】尚、この製造方法においては、得られる衛
生材料用の水分の吸収体を、更に乾燥して、目的とする
衛生材料用の水分の吸収体を製造することができる。こ
こで「乾燥」には、上述した乾燥方法を用いることがで
きる。
【0035】本発明の別の好ましい要旨によれば、新た
な衛生材料用の水分の吸収体の製造方法が提供され、そ
れは、(A)繊維集合体を含んで成る水分の吸収体の製
造方法であって、(C)再乳化形粉末樹脂を(A)繊維
集合体の表面及び/又は内部に存在せしめ、(B)水系
樹脂エマルションを適用することを特徴とする衛生材料
用の水分の吸収体の製造方法である。更に、(B)水系
樹脂エマルションと(C)再乳化形粉末樹脂(即ち、
(B)と(C)の合計)は、100gの(A)繊維集合
体当たり、固形分で0.1〜50g存在するのが好まし
く、1〜20g存在するのがより好ましく、1〜10g
存在するのが特に好ましい。ここで「存在」及び「適
用」には、各々上述した存在せしめる方法及び適用方法
を用いることができる。
【0036】この製造方法においては、(C)再乳化形
粉末樹脂及び(B)水系樹脂エマルションの両者を組み
合わせて使用する。(A)繊維集合体の表面及び/又は
内部に存在せしめる(C)再乳化形粉末樹脂は、(A)
繊維集合体に適用される(B)水系樹脂エマルションに
含まれる水によって、水系樹脂エマルションとなる。こ
の生成する水系樹脂エマルション及び(B)水系樹脂エ
マルションに由来する樹脂が(A)繊維集合体中の繊維
同士を結合すると考えられる。従って、(A)繊維集合
体の機械的強度が改善され、水分の吸収体の機械的強度
が高められることとなる。但し、水分の吸収体が水分を
吸収しても、この結合は容易に切断されないで存在し得
るので、水分の吸収体の吸水時の機械的強度も改善され
ることとなる。
【0037】尚、この製造方法においては、(B)水系
樹脂エマルションを(A)繊維集合体に適用する時期に
よって3つの態様が考えられる。即ち、(B)水系樹脂
エマルションを(A)繊維集合体に適用する時期が、
(C)再乳化形粉末樹脂を(A)繊維集合体の表面及び
/又は内部に存在せしめる前、存在せしめると同時、存
在せしめた後の3態様である。
【0038】この製造方法は、(B)水系樹脂エマルシ
ョンを(A)繊維集合体に適用する時期によって特に制
限されることはないが、(B)水系樹脂エマルションを
(A)繊維集合体に適用する時期は、(C)再乳化形粉
末樹脂を(A)繊維集合体の表面及び/又は内部に存在
せしめた後が好ましい。また、この製造方法の1つの態
様として、(B)水系樹脂エマルションを(A)繊維集
合体に適用する時期は、(C)再乳化形粉末樹脂を
(A)繊維集合体の表面及び/又は内部に存在せしめる
前が好ましい。
【0039】更に、この製造方法においては、必要に応
じて適量の水を、(A)繊維集合体に適用することがで
きる。水が適用される時期及び量は、適宜選択すること
ができる。例えば、この製造方法の1つの態様として、
(A)繊維集合体を含んで成る水分の吸収体の製造方法
であって、水を適用し、(C)再乳化形粉末樹脂を
(A)繊維集合体の表面及び/又は内部に存在せしめ、
(B)水系樹脂エマルションを適用することを特徴とす
る衛生材料用の水分の吸収体の製造方法が好ましい。更
に、この製造方法の別の態様として、(A)繊維集合体
を含んで成る水分の吸収体の製造方法であって、(B)
水系樹脂エマルションを適用し、(C)再乳化形粉末樹
脂を(A)繊維集合体の表面及び/又は内部に存在せし
め、水を適用することを特徴とする衛生材料用の水分の
吸収体の製造方法が好ましい。
【0040】尚、この製造方法においては、更に、得ら
れる衛生材料用の水分の吸収体を乾燥して、目的とする
衛生材料用の水分の吸収体を製造することができる。こ
こで「乾燥」には、上述した乾燥方法を用いることがで
きる。
【0041】上述したように本発明の製造方法は、いず
れも(A)繊維集合体の繊維に適度の数の架橋構造を付
与する樹脂をもたらすものとして(B)水系樹脂エマル
ション及び(C)再乳化形粉末樹脂から選択された少な
くとも1種を用いるので、機械的強度、特に吸水時の機
械的強度が改善され、吸水性の低減を防止した衛生材料
用の水分の吸収体の製造方法を提供する。更に、上述の
本発明の製造方法によって製造される衛生材料用の水分
の吸収体は、いずれも吸収体の機械的強度、特に吸水時
の吸収体の機械的強度が改善され、吸水性の低減が防止
されるので、本発明はそのような特性を有する衛生材料
用の水分の吸収体を提供する。
【0042】また、上述の本発明の水分の吸収体は、機
械的強度、特に吸水時の水分の吸収体の機械的強度が改
善されるから、本発明の水分の吸収体を衛生材料に用い
ると、自重によって吸収体の形状が崩れたり、割れると
いう問題が緩和され、又は解消される。更に、衛生材料
内部で通気性高分子シートと不織布の間で水分の吸収体
が移動して、衛生材料内部における水分の吸収体の分布
に偏りを生じ、その結果部分的に水分の吸収性が低下す
ることによる衛生材料の不良の発生という問題が緩和さ
れ、又は解消される。従って、本発明は、そのような衛
生材料を提供する。
【0043】上述のような衛生材料は、一旦本発明の衛
生材料用の水分の吸収体を製造した後、従来から知られ
ている衛生材料の製造方法(例えば、特開平8−337
954号公報及び特開平6−245955号公報等参
照)の中で本発明の水分の吸収体を用いることによって
製造することができる。また、本発明の衛生材料用の水
分の吸収体の製造方法を、従来から知られている衛生材
料の製造方法(例えば、特開平8−337954号公報
及び特開平6−245955号公報等参照)の一部とし
て組み込んで利用することによって、上述の衛生材料を
製造することができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一
態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0045】実施例1 (1)水系樹脂エマルションの製造 攪拌機、温度調節器、還流冷却器、2つの滴下槽、温度
計及び窒素導入管を備えた反応器にポリビニルアルコー
ル(重合度が1700、けん化度が88モル%、(株)
クラレ製、PVA217(商品名))の濃度が5重量%
である水溶液を85重量部加えた。攪拌しながら75℃
に加熱した後、100重量部の酢酸ビニルと15重量部
の1%過硫酸アンモニウム水溶液を各々別の滴下槽から
4時間かけて滴下した。滴下後、更に80℃で2時間攪
拌した後、室温に冷却し水を加えて、濃度が50重量%
の実施例1の水系樹脂エマルションを得た。
【0046】この実施例1の水系樹脂エマルションを5
0℃の乾燥器で48時間乾燥し、溶媒を除去して、実施
例1の水系樹脂エマルションを乾燥して得られる樹脂
(フィルム状)を得た。この実施例1の樹脂のガラス転
移温度は、レオメトリック社製のDVE4(商品名)を
用い、せん断モードにおいて、周波数1Hzで架橋構造
を有するウレタン樹脂に与えられたひずみに対する応力
を測定し、得られた応力とひずみの位相差δから、ta
nδを算出した。種々の温度で測定を繰り返し、温度に
対するtanδの曲線を得た。得られた曲線のピークト
ップを与える温度をガラス転移温度とした。ガラス転移
温度は、60℃であった。
【0047】(2)衛生材料用の水分の吸収体の製造 粉砕パルプから成る12cm×12cm×0.5cm
(目付8g)の繊維集合体に吸収性高分子(住友精化
(株)製、アクアキープ(商品名))を、100gの繊
維集合体当たり、5gとなる重量比で繊維集合体に振り
かけた後、濃度を30重量%に希釈した実施例1の水系
樹脂エマルションを繊維集合体に塗布した。実施例1の
水系樹脂エマルションを、水系樹脂エマルションの固形
分を、100gの繊維集合体当たり、5.5gとなるよ
うにスプレーを用いて塗布した。その後130℃で1分
間乾燥して、実施例1の衛生材料用の水分の吸収体を得
た。水分の吸収体を2cm×12cmの大きさに切断し
て試験片とした。
【0048】(3)衛生材料用の水分の吸収体の評価 衛生材料用の水分の吸収体の強度を、試験片の破断強度
をテンシロン(オリエンテック社製、RTM250(商
品名))を用いて、ヘッドスピード50mm/min及
びチャック間距離100mmの条件で測定することによ
って評価した。破断強度は、得られた試験片そのもの
(乾燥時)と、生理食塩水を1ml滴下した試験片(湿
潤時)について測定した。実施例1の試験片の1cm当
たりの乾燥時の破断強度は1.46×10-3Nであり、
1cm当たりの湿潤時の破断強度は0.6×10-3Nで
あった。これらの実施例1の結果は、表1に示した。
【0049】実施例2 攪拌機、温度調節器、還流冷却器、2つの滴下槽、温度
計及び窒素導入管を備えた反応器にポリビニルアルコー
ル(重合度が1700、けん化度が88モル%、(株)
クラレ製、PVA217(商品名))の濃度が5重量%
である水溶液を85重量部加えた。攪拌しながら75℃
に加熱した後、25重量部の酢酸ビニル、74重量部の
ブチルアクリレート及び1重量部のエチレングリコール
ジメタクリレートの混合液、並びに15重量部の1%過
硫酸アンモニウム水溶液を各々別の滴下槽から4時間か
けて滴下した。滴下後、更に80℃で2時間攪拌した
後、室温に冷却しポリビニルアルコール(重合度が50
0、けん化度が88モル%、(株)クラレ製、PVA2
05(商品名))の濃度が25重量%である水溶液を7
5重量部加えて、濃度が40重量%の実施例2の水系樹
脂エマルションを得た。
【0050】実施例1において、実施例1の水系樹脂エ
マルションの代わりに実施例2の水系樹脂エマルション
を用いた以外は、実施例1に記載された方法と同様の方
法を用いて実施例2の水系樹脂エマルションの固形分の
ガラス転移温度を測定した。更に、実施例1において、
実施例1の水系樹脂エマルションの代わりに実施例2の
水系樹脂エマルションを、100gの繊維集合体当た
り、6.0gとなるように繊維集合体に塗布した以外
は、実施例1に記載された方法と同様の方法を用いて実
施例2の衛生材料用の水分の吸収体及び試験片を得て、
試験片を評価した。結果は、表1に示した。
【0051】実施例3 実施例1において、100重量部の酢酸ビニルの代わり
に48重量部のブチルアクリレート、50重量部のメチ
ルメタクリレート、1重量部のメタクリル酸及び1重量
部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの
混合液を用い、85重量部の5重量%ポリビニルアルコ
ール(重合度が1700、けん化度が88モル%、
(株)クラレ製、PVA217(商品名))水溶液の代
わりに、1.5重量部の60重量%のドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム水溶液及び1.5重量部のポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレートを105重量部
の蒸留水に溶解した水溶液を用いた以外は、実施例1に
記載の方法と同様の方法を用いて、濃度が45重量%の
実施例3の水系樹脂エマルションを得た。
【0052】実施例1において、実施例1の水系樹脂エ
マルションの代わりに実施例3の水系樹脂エマルション
を用いた以外は、実施例1に記載された方法と同様の方
法を用いて実施例3の水系樹脂エマルションの固形分の
ガラス転移温度を測定した。更に、実施例1において、
実施例1の水系樹脂エマルションの代わりに実施例3の
水系樹脂エマルションを、100gの繊維集合体当た
り、5.0gとなるように繊維集合体に塗布した以外
は、実施例1に記載された方法と同様の方法を用いて実
施例3の衛生材料用の水分の吸収体及び試験片を得て、
試験片を評価した。結果は、表1に示した。
【0053】実施例4 実施例1において、100重量部の酢酸ビニルの代わり
に29重量部のブチルアクリレート、20重量部のエチ
ルアクリレート、50重量部のメチルメタクリレート及
び1重量部のエチレングリコールジメタクリレートの混
合液を用い、85重量部の5重量%ポリビニルアルコー
ル(重合度が1700、けん化度が88モル%、(株)
クラレ製、PVA217(商品名))水溶液の代わり
に、1.0重量部の重合性乳化剤(三洋化成工業
(製)、JS2(商品名))を用いて、濃度が45重量
%の実施例4の水系樹脂エマルションを得た。
【0054】実施例1において、実施例1の水系樹脂エ
マルションの代わりに実施例4の水系樹脂エマルション
を用いた以外は、実施例1に記載された方法と同様の方
法を用いて実施例4の水系樹脂エマルションの固形分の
ガラス転移温度を測定した。更に、実施例1において、
実施例1の水系樹脂エマルションの代わりに実施例4の
水系樹脂エマルションを、100gの繊維集合体当た
り、5.5gとなるように繊維集合体に塗布した以外
は、実施例1に記載された方法と同様の方法を用いて実
施例4の衛生材料用の水分の吸収体及び試験片を得て、
試験片を評価した。結果は、表1に示した。
【0055】実施例5 実施例1において、100重量部の酢酸ビニルの代わり
に54重量部のブチルアクリレート、45重量部のメチ
ルメタクリレート及び1重量部のエチレングリコールジ
メタクリレートの混合液を用い、85重量部の5重量%
ポリビニルアルコール(重合度が1700、けん化度が
88モル%、(株)クラレ製、PVA217(商品
名))水溶液に加えて、1.0重量部のポリオキシエチ
レン(20)ソルビタンモノラウレートを用いて、濃度
が45重量%の実施例5の水系樹脂エマルションを得
た。
【0056】実施例1において、実施例1の水系樹脂エ
マルションの代わりに実施例5の水系樹脂エマルション
を用いた以外は、実施例1に記載された方法と同様の方
法を用いて実施例5の水系樹脂エマルションの固形分の
ガラス転移温度を測定した。更に、実施例1において、
実施例1の水系樹脂エマルションの代わりに実施例5の
水系樹脂エマルションを、100gの繊維集合体当た
り、6.0gとなるように繊維集合体に塗布した以外
は、実施例1に記載された方法と同様の方法を用いて実
施例5の衛生材料用の水分の吸収体及び試験片を得て、
試験片を評価した。結果は、表1に示した。
【0057】実施例6 実施例1において、実施例1の水系樹脂エマルションの
代わりに、実施例2の水系樹脂エマルションを、100
gの繊維集合体当たり、5.5gとなるように繊維集合
体に塗布した後、再乳化形粉末樹脂(エロテックス社
製、エロテックスBN0107(商品名))を、100
gの繊維集合体当たり、2.0gとなるように繊維集合
体に振りかけた以外は、実施例1に記載の方法と同様の
方法を用いて実施例6の衛生材料用の水分の吸収体及び
試験片を得た。実施例1に記載された方法と同様の方法
を用いて実施例6の試験片を評価した。実施例1のガラ
ス転移温度の測定において、実施例1の水系樹脂エマル
ションの代わりに再乳化形粉末樹脂を用いた以外は、実
施例1に記載した方法と同様の方法を用いて、再乳化形
粉末樹脂から得られる樹脂のガラス転移温度を測定し
た。結果は、表1に示した。
【0058】実施例7 実施例1において、実施例1の水系樹脂エマルションの
代わりに、蒸留水を繊維集合体に噴霧した後、再乳化形
粉末樹脂(エロテックス社製、エロテックスBN010
7(商品名))を、100gの繊維集合体当たり、2.
0gとなるように繊維集合体に振りかけた以外は、実施
例1に記載の方法と同様の方法を用いて実施例7の衛生
材料用の水分の吸収体及び試験片を得た。実施例1に記
載された方法と同様の方法を用いて実施例7の試験片を
評価した。尚、別途、水に上述の再乳化形粉末樹脂を加
えた後、これを実施例1のガラス転移温度の測定におい
て、実施例1の水系樹脂エマルションの代わりに用いた
以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用い
て、この再乳化形粉末樹脂から得られる樹脂のガラス転
移温度を測定した。結果は、表1に示した。
【0059】実施例8 実施例1において、実施例1の水系樹脂エマルションの
代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション
(住友化学工業(株)製、スミカフレックス456(商
品名)、濃度は45重量%)を、100gの繊維集合体
当たり、4.0gとなるように繊維集合体に噴霧した以
外は、実施例1に記載の方法と同様の方法を用いて実施
例8の衛生材料用の水分の吸収体及び試験片を得た。実
施例1に記載された方法と同様の方法を用いて実施例8
の試験片を評価した。尚、別途、上述のエチレン−酢酸
ビニル共重合体エマルションを、実施例1のガラス転移
温度の測定において、実施例1の水系樹脂エマルション
の代わりに用いた以外は、実施例1に記載した方法と同
様の方法を用いて、このエチレン−酢酸ビニル共重合体
エマルションから得られる樹脂のガラス転移温度を測定
した。結果は、表1に示した。
【0060】実施例9 実施例1において、実施例1の水系樹脂エマルションの
代わりに、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(日本
ゼオン(株)製、ニッポールLX430(商品名)、濃
度は48重量%)を、100gの繊維集合体当たり、
3.5gとなるように繊維集合体に噴霧した以外は、実
施例1に記載の方法と同様の方法を用いて実施例9の衛
生材料用の水分の吸収体及び試験片を得た。実施例1に
記載された方法と同様の方法を用いて実施例9の試験片
を評価した。尚、別途、上述のスチレン−ブタジエンゴ
ムラテックスを、実施例1のガラス転移温度の測定にお
いて、実施例1の水系樹脂エマルションの代わりに用い
た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用い
て、このスチレン−ブタジエンゴムラテックスから得ら
れる樹脂のガラス転移温度を測定した。結果は、表1に
示した。
【0061】実施例10 241.7gの分子量が1000のポリプロピレングリ
コール及び62.3gの分子量が7500のポリエチレ
ングリコールを反応器にし込み、95℃に加熱して溶解
した後、111gのイソホロンジイソシアネートを加え
て、95℃で6時間反応させて、ウレタンプレポリマー
を得た。50℃に冷却後、2.63gのジエタノールア
ミン及び13.4gのノニオン系乳化剤(花王製のH9
60(商品名))を579.2gの含む水溶液を加え、
高せん断を加えて、プレポリマーを乳化した。さらに、
29.8gのイソホロンジアミンを含む129.8gの
水溶液を加えて、50℃において1時間鎖延長反応を行
い、濃度が40重量%の実施例10の水系ウレタン樹脂
エマルションを得た。
【0062】実施例1において、実施例1の水系樹脂エ
マルションの代わりに実施例10の水系樹脂エマルショ
ンを用いた以外は、実施例1に記載された方法と同様の
方法を用いて実施例10の水系樹脂エマルションの固形
分のガラス転移温度を測定した。更に、実施例1におい
て、実施例1の水系樹脂エマルションの代わりに実施例
10の水系樹脂エマルションを、100gの繊維集合体
当たり、5.0gとなるように繊維集合体に塗布した以
外は、実施例1に記載された方法と同様の方法を用いて
実施例10の衛生材料用の水分の吸収体及び試験片を得
て、試験片を評価した。結果は、表1に示した。
【0063】比較例1 実施例1において、実施例1の水系樹脂エマルションの
代わりに、蒸留水を繊維集合体に噴霧した以外は、実施
例1に記載の方法と同様の方法を用いて比較例1の衛生
材料用の水分の吸収体及び試験片を得た。実施例1に記
載された方法と同様の方法を用いて比較例1の試験片を
評価した。結果は、表1に示した。
【0064】
【表1】 a)水系樹脂エマルション及び再乳化された再乳化形粉
末樹脂を乾燥して得られる樹脂のガラス転移温度で、単
位は℃である。 b)水系樹脂エマルション及び再乳化形粉末樹脂(即
ち、両者の合計)の固形分が、100gの繊維集合体当
たりに存在する量であって、単位はgである。 c)試験片の1cm当たりの強度で示す。表示されてい
る数値に10-3を乗じた値が破断強度の値であって、単
位はNである(即ち、×10-3Nである)。 d)水系樹脂エマルションのガラス転移温度:−5℃ 再乳化形粉末樹脂のガラス転移温度:0℃
【0065】
【発明の効果】本発明の衛生材料用の水分の吸収体は、
(A)繊維集合体を含んで成る水分の吸収体であって、
(A)繊維集合体を形成する繊維同士が、(B)水系樹
脂エマルション及び(C)再乳化形粉末樹脂から選択さ
れる少なくとも1種に由来する樹脂を用いて、結合され
ているので、水分の吸収体の機械的強度、特に吸水時の
機械的強度が改善され、水分の吸収体の吸収性の低減が
防止される。
【0066】本発明の衛生材料用の水分の吸収体の製造
方法は、(A)繊維集合体を含んで成る水分の吸収体に
(B)水系樹脂エマルションを適用するので水分の吸収
体の機械的強度、特に吸水時の機械的強度を改善するこ
とができ、水分の吸収体の吸収性の低減を防止すること
ができる。本発明の衛生材料用の水分の吸収体の製造方
法は、(C)再乳化形粉末樹脂を(A)繊維集合体の表
面及び/又は内部に存在せしめ、水を適用するので水分
の吸収体の機械的強度、特に吸水時の機械的強度を改善
することができ、水分の吸収体の吸収性の低減を防止す
ることができる。
【0067】本発明の衛生材料用の水分の吸収体の製造
方法は、(C)再乳化形粉末樹脂を(A)繊維集合体の
表面及び/又は内部に存在せしめ、(B)水系樹脂エマ
ルションを適用するので水分の吸収体の機械的強度、特
に吸水時の機械的強度を改善することができ、水分の吸
収体の吸収性の低減を防止することができる。更に上述
の本発明の製造方法によって、機械的強度、特に吸水時
の機械的強度を改善し、水分の吸収体の吸収性の低減が
防止された衛生材料用の水分の吸収体を提供する。
【0068】更に上述の衛生材料用の水分の吸収体を用
ることによって、自重によって水分の吸収体の形状が崩
れたり、割れることによって、衛生材料内部で通気性高
分子シートと不織布の間で吸収体が移動して、衛生材料
内部における吸収体の分布に偏りを生じ、その結果部分
的に水分の吸収性が低下することによる衛生材料の不良
の発生という問題が緩和され、又は解消される衛生材料
を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/00 (72)発明者 山本 利成 大阪府箕面市船場西3−7−46 Fターム(参考) 3B029 BA12 BA17 4C003 AA07 AA12 AA22 AA27 GA02 4C098 AA09 CC40 DD05 DD06 DD14 DD23 DD27 4L047 AA08 AB02 BA13 BA17 BC05 BC14 CA19 CB01 CB07 CC03 CC04 CC05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)繊維集合体を含んで成る水分の吸
    収体であって、(A)繊維集合体を形成する繊維同士
    が、(B)水系樹脂エマルション及び(C)再乳化形粉
    末樹脂から選択される少なくとも1種に由来する樹脂を
    用いて、結合されていることを特徴とする衛生材料用の
    水分の吸収体。
  2. 【請求項2】 (A)繊維集合体を含んで成る水分の吸
    収体の製造方法であって、(A)繊維集合体に(B)水
    系樹脂エマルションを適用することを特徴とする衛生材
    料用の水分の吸収体の製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)繊維集合体を含んで成る水分の吸
    収体の製造方法であって、(C)再乳化形粉末樹脂を
    (A)繊維集合体の表面及び/又は内部に存在せしめ、
    水を適用することを特徴とする衛生材料用の水分の吸収
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 (A)繊維集合体を含んで成る水分の吸
    収体の製造方法であって、(C)再乳化形粉末樹脂を
    (A)繊維集合体の表面及び/又は内部に存在せしめ、
    (B)水系樹脂エマルションを適用することを特徴とす
    る衛生材料用の水分の吸収体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の製造方
    法によって製造されることを特徴とする衛生材料用の水
    分の吸収体。
  6. 【請求項6】 請求項1又は5に記載の衛生材料用の水
    分の吸収体を用いることを特徴とする衛生材料。
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