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JP2001044190A - 樹脂組成物、樹脂膜の形成方法及び半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂膜の形成方法及び半導体装置

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Publication number
JP2001044190A
JP2001044190A JP11221170A JP22117099A JP2001044190A JP 2001044190 A JP2001044190 A JP 2001044190A JP 11221170 A JP11221170 A JP 11221170A JP 22117099 A JP22117099 A JP 22117099A JP 2001044190 A JP2001044190 A JP 2001044190A
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JP
Japan
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resin
film
group
poly
resin film
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Application number
JP11221170A
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English (en)
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Inventor
Fumihiko Ota
文彦 太田
Patorisu Ranou
パトリス ラノウ
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Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP22117099A priority Critical patent/JP4332764B2/ja
Publication of JP2001044190A publication Critical patent/JP2001044190A/ja
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Publication of JP4332764B2 publication Critical patent/JP4332764B2/ja
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐熱性、耐湿性、機械的強度に優れ、電気的
な信頼性の高い、空孔を有する低比誘電率の樹脂膜を層
間絶縁膜又は表面保護膜として有する半導体装置を提供
する。 【解決手段】 (A)ポリキノリン樹脂又はポリキノキ
サリン樹脂、(B)前記(A)以外の樹脂、(C)下記
一般式(I)で表される化合物及び(D)溶剤を含んで
なる樹脂組成物、この樹脂組成物を基板に塗布し、加熱
して(C)一般式(I)で示される化合物と(D)溶剤
を蒸散除去した後、(B)前記(A)以外の樹脂を溶解
除去することを特徴とする樹脂膜の形成方法並びにこの
樹脂膜の形成方法で形成される樹脂膜を層間絶縁膜又は
表面保護膜として有してなる半導体装置。 〔一般式(I)中、3個のRは、水素原子、炭素数1〜
3のアルキル基、炭素数1〜11のアシルオキシ基、炭
素数6〜10のアリール基、−CX(Xはハロゲン原
子)、−NR′ (R′は炭素数1〜3のアルキル
基)、−NO又は−CNを示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂組成物、樹脂
膜の形成方法及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今の通信機器の小型化、高出力化、信
号の高速化に伴い、半導体装置の層間絶縁膜や表面保護
膜には耐熱性、機械特性等の他、低比誘電率化が求めら
れている。これは一般に配線の信号の伝搬速度(v)
と、配線材料が接する絶縁材料の比誘電率(ε)とは、
v=k/√ε(kは定数)で示される関係があり、信号
の伝搬速度を高速化するためには使用する周波数領域を
高くし、また、そのときの絶縁材料の比誘電率を低くす
る必要があるからである。このため耐熱性、機械特性、
吸湿性、接着性および成形性に優れ、かつ比誘電率が低
い材料が要求されている。
【0003】従来、低比誘電率の層間絶縁膜を形成する
一つの方法として、層間絶縁膜中に空孔を導入する方法
が提案されている。例えば特開平6−283864号公
報、特開平8−330300号公報、特開平10−17
3050号公報、及び特開平10−233446号公報
には熱又は光によってガスを発生する化合物を含有させ
た層間絶縁膜を形成後、光又は熱でガスを発生させて空
孔を形成する方法が提案されている。また、特開平8−
64679号公報、特開平8−162450号公報、特
開平9−219448号公報、及び特開平10−178
006号公報にはゾルーゲル法で空孔を有する層間絶縁
膜を形成する方法が提案されている。
【0004】また、特開平9−213797号公報、特
開平10−92804号公報、及び特開平10−928
08号公報では溶剤を含有する層間絶縁膜を形成し、減
圧もしくは超臨界状態で溶剤を絶縁膜中で気化させて空
孔を形成する方法が提案されている。また、特開平9−
232302号公報には水溶性と非水溶性の材料を分散
させた層間絶縁膜を形成し、その後水により水溶性材料
を取り除き空孔を形成する方法が提案されている。同様
に、特開平10−189568号公報にはボロン・リン
からなる微粒子を含有する層間絶縁膜を形成し、この粒
子以外をフッ酸系薬剤で選択的にエッチング除去して空
孔を形成する方法が提案されている。
【0005】しかし、第一の方法である光又は熱でガス
を発生させて空孔を形成する方法、第二の方法であるゾ
ルーゲル法で空孔を形成する方法、及び第三の方法であ
る溶剤を絶縁膜中で気化させて空孔を形成する方法は空
孔のサイズを制御することが極めて難しく、低比誘電率
の層間絶縁膜を安定して得ることが難しい。また、第四
の方法である水溶性の材料を選択的に除去して空孔を形
成する方法は空孔へ水分や水溶性材料が残留することに
より、比誘電率が大きくなる恐れがある。同様に、第五
の方法であるボロン・リンからなる微粒子を層間絶縁膜
膜含有させて、フッ酸系薬剤でエッチングすることによ
り空孔を形成する方法は微粒子径を制御することが難し
いことに加えて、フッ酸系薬剤による層間絶縁膜の劣化
を伴うことにより、実用に供することは困難である。
【0006】また、Polymer、34巻、p4717(1993)(J.He
drick)ではポリフェニルキノキサリンの両末端にポリ
(プロピレンオキシド)あるいはポリ(メチルメタクリ
レート)をブロック共重合させ、これを用いてポリフェ
ニルキノキサリン相が海となるナノメートルオーダーで
相分離した塗膜を形成し、その後ポリ(プロピレンオキ
シド)あるいはポリ(メチルメタクリレート)の分解温
度よりも高く、ポリフェニルキノキサリンの分解温度よ
りも低い温度で塗膜を加熱して、ポリ(プロピレンオキ
シド)あるいはポリ(メチルメタクリレート)相を分解
除去することで、空孔を有するポリフェニルキノキサリ
ン膜を形成する方法が提案されている。
【0007】また、Polym.Prepr.(ACS)、35巻、p347(19
94)(S.Jayaramam)、Polymer、36巻、p987(1995)(Y.C
halier)、J.Polym.Sci.,PartB:Polym.Phys.、33巻、p2
47(1995)(M.I.Sanchez)、Mat.Res.Soc.Symp.Proc.、4
31巻、p487(1996)、Polym.Prepr.Japan、46巻、p2817(1
997)(竹市)にはそれぞれポリイミドの両末端に熱分解
性成分としてポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(メチ
ルメタクリレート)、ポリ(α―メチルスチレン)、脂
肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート又はポリウ
レタンをブロック共重合で導入し、これを用いてポリイ
ミド相が海となるナノメートルオーダーで相分離した塗
膜を形成し、その後、前述と同様に加熱により熱分解成
分を除去して空孔を有するポリイミド膜を形成する方法
が提案されている。しかし、これの方法では、分解成分
を完全に除去するには300℃以上に加熱する必要があ
り、分解成分の可塑効果なども加わり、ポリイミドが秩
序構造をとって凝集し、空孔がつぶれてしまうという問
題がある。
【0008】一方、Synthetic Metals、78巻(1996),p47
-50(M.C.M.van der Sanden)にはポリキノリン樹脂を
カンファースルホン酸含有するクロロホルム溶液に溶解
させ、ポリ(メチルメタクリレート)のクロロホルム溶
液と今後させた後、基板の上にキャスティングして低温
(50℃)で加熱することにり、ナノメートルオーダー
で相分離した塗膜を形成し、その後、クロロホルム溶液
でポリ(メチルメタクリレート)相を除去することによ
り均一な空孔を有するポリキノリン樹脂膜を形成する方
法が提案されている。この方法では、加熱により空孔が
つぶれることはないが、低温で加熱した塗膜中にカンフ
ァースルホン酸が残留しており、クロロホルムで ポリ
(メチルメタクリレート)を除去する際に、ポリキノリ
ン樹脂相も溶解してしまい安定して空孔を得ることが難
しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、溶液の均一性が良好で、膜厚ムラがなく、均一性が
優れ、外観が良好で、耐熱性、耐湿性、機械的強度に優
れ、電気的な信頼性の高い、空孔を有する低比誘電率の
樹脂膜が容易に形成でき、得られた樹脂膜中にイオン性
不純物が残留しない樹脂組成物を提供するものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のの発明に加え
て、いっそう、樹脂膜が容易に形成できる樹脂組成物を
提供するものである。請求項3記載の発明は、請求項1
又は2記載の発明に加えて、いっそう、外観、膜の均一
性の優れた樹脂膜形成ができる樹脂組成物を提供するも
のである。
【0010】請求項4記載の発明は、膜厚ムラがなく、
均一性が優れ、外観が良好で、耐熱性、耐湿性、機械的
強度に優れ、電気的な信頼性の高い、空孔を有する低比
誘電率の樹脂膜を容易に環境問題のなく歩留まりよく形
成可能な、層間絶縁膜、表面保護膜を等に好適な樹脂膜
の形成方法を提供するものである。請求項5記載の発明
は、耐熱性、耐湿性、機械的強度に優れ、電気的な信頼
性の高い、空孔を有する低比誘電率の樹脂膜を層間絶縁
膜又は表面保護膜として有する半導体装置を提供するも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ポリキ
ノリン樹脂又はポリキノキサリン樹脂、(B)前記
(A)以外の樹脂、(C)下記一般式(I)
【化2】 〔一般式(I)中、3個のRは、それぞれ独立に、水素
原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜11のア
シルオキシ基、炭素数6〜10のアリール基、−CX3
(3個のXはそれぞれ独立にハロゲン原子である)、−
NR′3 +(3個のR′はそれぞれ独立に炭素数1〜3の
アルキル基である)、−NO2又は−CNを示す〕で表
される化合物及び(D)溶剤を含んでなる樹脂組成物に
関する。
【0012】また、本発明は、(B)前記(A)以外の
樹脂が、ポリオキシエチレン樹脂、ポリオキシプロピレ
ン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂又はポリエステル樹脂であることを特徴とする前
記樹脂組成物に関する。また、本発明は、(C)一般式
(I)で示される化合物が、1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニルイソプロピルア
ルコール又は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
−2−(トリフルオロメチル)−2−プロパノールであ
る前記樹脂組成物に関する。
【0013】また、本発明は、前記樹脂組成物を基板に
塗布し、加熱して(C)一般式(I)で示される化合物
と(D)溶剤を蒸散除去した後、(B)前記(A)以外
の樹脂を溶解除去することを特徴とする樹脂膜の形成方
法に関する。また、本発明は、前記樹脂膜の形成方法で
形成される樹脂膜を層間絶縁膜又は表面保護膜として有
してなる半導体装置に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における成分(A)のポリ
キノリン樹脂又はポリキノキサリン樹脂とは、繰り返し
単位中にキノリン環又はキノキサリン環を有する樹脂で
ある。ポリキノリン樹脂は、例えば、米国特許第4,0
00,187号明細書、米国特許第5,017,677
号明細書、米国特許第5,247,050号明細書、マ
クロモレキュールズ(Macromolecules)14巻(1981),870
-880ページ(J.K.Stille)等に合成法と共に記載されて
いる。また、Chem.Mater.4巻、95-104ページ(1992)(A
shwini K.Agrawal)、Chem.Mater.11巻、27-29(1999)
(Yunqi Liu)等に記載されている交互共重合体、ま
た、サイエンス(Science)、283巻、372-375ページ(19
99)(Samson A.Jenekhe)等に合成法と伴に記載されて
いるブロック共重合体等も挙げられる。
【0015】ポリキノキサリン樹脂は、例えば、J.Macr
omol.Sci.-Rev.Macromol.Chem.1971,C6,l(P.M.Hergenr
other)、Polymer34巻、4717(1993)(J.Hedrick)、Enc
yclopedia of Polymer Science and Technology;Inters
cience:NewYork,1969,vol.11p389(J.K.Stille)、Poly
mer Eng.and Sci.1976,16,303(P.M.Hergenrother)、
特開平3−122124号公報、特開平5−29511
4号公報等に合成法と共に記載されている。
【0016】また、ポリキノリン樹脂は、上記文献の合
成法とは別に、キノリン環を有するジフルオロモノマ、
ジオールモノマ及び必要に応じて用いるモノフルオロモ
ノヒドロキシモノマ(通常、フルオロ基とヒドロキシ基
とが、ほぼ当量となるような使用割合で、各モノマを使
用する)と塩基とを、無水溶媒中で加熱し、共沸的に水
を除去することにより、製造することもできる。また、
モノフルオロモノヒドロキシモノマと塩基とを、無水溶
媒中で加熱し、共沸的に水を除去することにより、製造
することもできる。このときの、加熱条件は、使用する
溶媒の共沸温度/還流温度を考慮して、適宜決定される
が、通常、100〜250℃で、1〜24時間とされ
る。
【0017】キノリン環を有するジフルオロモノマとし
ては、例えば、2−(2−フルオロフェニル)−5−フ
ルオロ−4−フェニルキノリン、2−(4−フルオロフ
ェニル)−5−フルオロ−4−フェニルキノリン、4−
(2−フルオロフェニル)−5−フルオロ−2−フェニ
ルキノリン、2−(4−フルオロフェニル)−7−フル
オロ−4−フェニルキノリン、2,4−ジフルオロキノ
リン、2,7−ジフルオロキノリン、2,5−ジフルオ
ロキノリン、2,7−ジフルオロ−6−フェニルキノリ
ン、4−(4−フルオロフェニル)−7−フルオロキノ
リン、6,6′−ビス〔2−(4−フルオロフェニル)
−4−フェニルキノリン〕、6,6′−ビス〔2−(2
−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン〕、6,
6′−ビス〔2−(4−フルオロフェニル)−4−te
rt−ブチルキノリン〕、6,6′−ビス〔4−(4−
フルオロフェニル)−2フェニルキノリン〕、6,6′
−ビス−4−フルオロキノリン、6,6′−ビス〔4−
(4−フルオロフェニル)−2−(2−ピリジル)キノ
リン〕、6,6′−ビス−2−フルオロキノリン、6,
6′−ビス〔4−(4−フルオロフェニル)−2−(メ
チル)キノリン〕、6,6′−ビス〔2−フルオロ−4
−フェニルキノリン〕、オキシ−6,6′−ビス〔2−
(4−フルオロフエニル)−4−フェニルキノリン〕、
1,4−ベンゼン−ビス−2,2−〔4−(4−フルオ
ロフェニル)キノリン〕、1,4−ベンゼン−ビス−
2,2−〔4−フルオロキノリン〕、1,4−ベンゼン
−ビス−4,4−〔2−(4−フルオロフェニル)キノ
リン〕、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソ
プロピリデン−ビス−〔(4−フェノキシ−4−フェ
ニル)−2−(4−フルオロキノリン)〕等が挙げられ
る。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0018】ジオールモノマとしては、例えば、レゾル
シノール、ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシビフ
ェニル、1,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン、3,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,3′−ジ
ヒドロキシビフェニル、メチル−2,4−ジヒドロキシ
ベンゾエート、イソプロピリデンジフェノール(ビスフ
ェノールA)、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェ
ノール(ビスフェノールAF)、トリフルオロイソプロ
ピリデンジフェノール、フェノールフタレイン、フェノ
ールレッド、1,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4、4′−フェニ
ルエチニル)ビフェノール等が挙げられる、これらは、
単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0019】モノフルオロモノヒドロキシモノマとして
は、例えば、2−(4−フルオロフェニル)−6−ヒド
ロキシ−4−フェニルキノリン、2−(2−フルオロフ
ェニル)−6−ヒドロキシ−4−フェニルキノリン、4
−(2−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−フ
ェニルキノリン、2,3−ジフェニル−4−(2−フル
オロフェニル)−6−ヒドロキシキノリン、2,3−ジ
フェニル−4−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロ
キシキノリン、2,3−ジフェニル−6−(2−フルオ
ロフェニル)−4−ヒドロキシキノリン、2,3−ジフ
ェニル−6−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキ
シキノリン、7−フルオロ−2−ヒドロキシキノリン、
7−フルオロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルキノリ
ン、7−(4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−
4−フェニルキノリン、7−フルオロ−4−ヒドロキシ
−4−フェニルキノリン、7−(4−フルオロフェニ
ル)−4−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン、2−
(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3−フェ
ニルキノリン、2−(4−フルオロフェニル)−6−ヒ
ドロキシ−3−フェニルキノリン、2−(4−フルオロ
フェニル)−8−ヒドロキシ−3−フェニルキノリン、
2−(4−フルオロフェニル)−8−ヒドロキシキノリ
ン、2−(2−フルオロフェニル)−4−(4−ヒドロ
キシフェニル)キノリン等が挙げられる。これらは、単
独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0020】合成に用いられる溶媒としては、例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチルウレ
ア、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ジフェニル
スルホン、トルエン、ジクロロベンゼン等が挙げられ
る。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。塩基としては、例えば、炭酸カリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、金属
ハイドライド、金属アマイド、ブチルリチウム等が挙げ
られる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせ
て使用される。
【0021】ポリキノリン樹脂としては、取扱性、電気
特性、低吸湿性等の点から、下記の一般式(II)又は一
般式(III)
【化3】 〔式中、R1及びR2は、各々独立に、アルキル基、アリ
ール基、アルコシキ基、アリルオキシ基、ホルミル基
(−COH)、ケトン基(−COR3)、エステル基
(−CO24若しくは−OCOR5)、アミド基(−N
6COR7若しくは−CONR89)、ヘテロアリール
基、シアノ基又は2つがつながって形成される不飽和結
合を含んでいてもよい2価の炭化水素基を示し(但し、
3〜R9は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘ
テロアリール基を示す)、m及びnは、各々独立に0〜
5の整数であり、Xは、無し(化学結合)、−O−、−
S−、−CO−、−SO−、−SO2−、−A−、−(O
−A)q−O−又は−Q−(但し、qは1〜3の整数であ
り、Aは、−Ar1−(アリーレン基)、−Hr1−(ヘ
テロアリレン基)、−Ar1−O−Ar1−、−Ar1
CO−Ar1−、−Ar1−S−Ar1−、−Ar1−SO
−Ar1−、Ar1−SO2−Ar1−又は−Ar1−Q−
Ar1を示し、Qは
【化4】 (L1及びL2はメチル基、トリフルオロメチル基又は2
つがつながって形成される不飽和結合を含んでいてもよ
い2価の炭化水素基を示す)を示し、Z1及びZ2は、そ
れぞれ独立に、無し(化学結合)又はアリーレン基を示
し、Yは、−O−又は−O−A−O−を示す〕で表され
る繰り返し単位を有するポリキノリン樹脂が好ましい。
【0022】上記一般式(II)又は一般式(III)の定
義中で、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチ
ル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ウンデシ
ル基、ドデシル基、ドコシル基等が挙げられる。アリー
ル基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナ
フチル基、アントラセニル基、ジフェニルフェニル基等
が挙げられる。ヘテロアリール基としては、例えば、ピ
リジル基、キノリニジル基、ピラジル基等が挙げられ
る。
【0023】R1が2つ、R2が2つ、並びにL1及びL2
がそれぞれ2つ、つながって形成される、不飽和結合を
含んでいてもよい2価の炭化水素基としては、例えば、
1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−
ペンチレン基等のアルキレン基、−CH=CH−CH=
CH−、
【化5】 などが挙げられる。
【0024】ポリキノキサリン樹脂としては、取扱性、
電気特性、低吸湿性等の点から、下記の一般式(IV)又
は一般式(V)
【化6】 〔式中、R1〜R9、X、Z1、Z2、Y、m及びnは、上
記一般式(II)、一般式(III)におけると同意義であ
る〕で表されるポリキノキサリン樹脂が好ましい。
【0025】ポリキノリン樹脂及びポリキノキサリン樹
脂の分子量は、本発明の組成物を基体に均一な膜として
塗布することができる限り特に限定されないが、ゲルパ
ーミェーションクロマトグラフィ(GPC)により標準
ポリスチレンの検量線を使用して測定したときの重量平
均分子量が、10,000〜1,000,000である
ことが好ましく、20,000〜200,000である
ことがより好ましい。樹脂の分子量は、形成する硬化塗
膜の膜厚、塗布方法等の塗膜形成の目的や条件に応じて
適宜選択することができる。数平均分子量では、1,0
00〜400,000であることが好ましく、5,00
0〜200,000であることがより好ましい。
【0026】本発明における成分(B)前記(A)以外
の樹脂としては、ポリオキシエチレン樹脂、ポリオキシ
プロピレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、これ
らは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0027】ポリオキシエチレン樹脂としてはエチレン
オキシドを重合したものであれば特に制限はない。ポリ
オキシプロピレン樹脂としてはプロピレンオキサイドを
重合したものであれば特に制限はない。アクリル樹脂と
しては、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(エチルア
クリレート)、ポリ(プロピルアクリレート)、ポリ
(イソプロピルアクリレート)、ポリ(n−ブチルアク
リレート)、ポリ(sec−ブチルアクリレート)、ポリ
(iso−ブチルアクリレート)、ポリ(t−ブチルアク
リレート)、ポリ(ヘキシルアクリレート)、ポリ(メ
チルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレー
ト)、ポリ(n−プロピルメタクリレート)、ポリ(イ
ソプロピルメタクリレート)、ポリ(n―ブチルメタク
リレート)、ポリ(sec−ブチルメタクリレート)、ポ
リ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(t−ブチルメ
タクリレート)、ポリ(n−ヘキシルメタクリレー
ト)、ポリ(2―エチルヘキシルメタクリレート)、ポ
リ(n−デシルメタクリレート)等が好ましい。
【0028】スチレン樹脂としては、スチレンモノマを
重合したものであれば特に制限はない。ポリカーボネー
ト樹脂としては、脂肪族ポリカーボネートが好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ポリ(エチレンアジペー
ト)、ポリ(エチレンスベレート)、ポリ(エチレンセ
バセート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ
(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(β―プロピオラ
クトン)、ポリ(β―ヒドロキシブチレート)等の脂肪
族ポリエステル樹脂が好ましい。
【0029】(B)前記(A)以外の樹脂の分子量はポ
リキノリン樹脂又はポリキノキサリン樹脂と混合した際
にナノスケールの相分離が形成できる限り特に限定され
ないが、ゲルパーミェーションクロマトグラフィ(GP
C)により標準ポリスチレンの検量線を使用して測定し
たときの重量平均分子量が、5,000〜1,000,
000であることが好ましく、8,000〜200,0
00であることがより好ましい。樹脂の分子量は、形成
する相分離相の孔径や膜厚に応じて適宜選択することが
できる。数平均分子量では、1,000〜400,00
0であることが好ましく、5,000〜200,000
であることがより好ましい。
【0030】(B)前記(A)以外の樹脂の配合量は
(A)ポリキノリン樹脂又はポリキノキサリン樹脂10
0重量部に対して1重量部から100重量部であること
が好ましく、10重量部から80重量部が好ましく、1
5重量部から65重量部がより好ましい。配合量が1重
量部未満では、得られたポリキノリン樹脂又はポリキノ
キサリン樹脂膜の比誘電率が十分に低くならない傾向に
あり、配合量が100重量部を越えると安定した空孔が
得られにくくなる傾向にある。
【0031】本発明における成分(C)の一般式(I)
の定義において、炭素数1〜3のアルキル基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙
げられ、これらはヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換
されていてもよい。ここにハロゲン原子としては、フッ
素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられ
る。炭素数1〜11のアシルオキシ基としては、アセチ
ルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。炭素
数6〜10のアリール基としては、フェニル基、トリル
基、ナフチル基等が挙げられる。
【0032】成分(C)の一般式(I)で示される化合
物としては、
【化7】
【化8】
【化9】 等が挙げられ、その中でも
【化10】 が好ましく、
【化11】 がより好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み
合わせて使用される。
【0033】本発明の成分(D)の溶剤としては、トル
エン、キシレン等の芳香族系溶剤、シクロペンタノン、
シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、γ−ブチロラクト
ン等のエステル系溶剤、クロロホルム、メチレンクロラ
イド等のハロゲン系溶剤、N−シクロヘキシルピロリド
ン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン等の
ピロリドン系で溶剤等が挙げられる。中でも、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶剤、シクロペンタノン、シ
クロヘキサノン等のケトン系溶剤、及びクロロホルム、
メチレンクロライド等のハロゲン系溶剤が好ましく。ト
ルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、シクロペンタノ
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤がより好まし
い。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。
【0034】(C)一般式(I)で示される化合物の配
合量は、(A)ポリキノリン樹脂又はポリキノキサリン
樹脂中に存在するイミン原子に対して1当量〜10当量
が好ましく、1当量〜5当量がより好ましく、1当量〜
3当量が特に好ましい。配合量が1当量未満及び10当
量を超えると十分な溶解性が得られない傾向がある。
【0035】(D)溶剤の配合量は、(A)ポリキノリ
ン樹脂又はポリキノキサリン樹脂とその他の樹脂を合わ
せて100重量部に対して100〜100000重量部
であることが好ましく、1000〜10000重量部が
より好ましく、1400〜2500重量部であることが
特に好ましい。溶剤の配合量が少なすぎると固形分の比
率が高くなるため、塗布性が悪く、塗膜面の厚みを一定
に保つことが困難となる傾向にある。また、溶媒が多す
ぎると、粘度が低くくなるため、安定した塗膜を得るこ
とが困難となる傾向にある。
【0036】(A)ポリキノリン樹脂又はポリキノキサ
リン樹脂と、(B)前記(A)以外の樹脂、(C)一般
式(I)で示される化合物及び(D)溶剤の混合は、特
に制限はなく、例えば室温で混合撹拌して本発明の樹脂
組成物とすることができる。また、加温された超音波水
槽中で混合することも、本発明の効果をより一層高める
ことができる。なお、本発明の効果を損なわない範囲に
おいて、その他の樹脂、添加剤等を混合することは何ら
制限されるものではない。
【0037】前記の樹脂組成物をシリコンウエハー等の
基板にスピンコーター等を用いて塗布し、80〜200
℃、好ましくは100〜160℃で5〜120分間程度
加熱して、(C)一般式(I)で示される化合物及び
(D)溶剤を蒸散除去して(A)ポリキノリン樹脂又は
ポリキノキサリン樹脂と(B)前記(A)以外の樹脂と
からなる膜を得、次いで、(A)ポリキノリン樹脂又は
ポリキノキサリン樹脂は溶解しないが(B)前記(A)
以外の樹脂を溶解可能な溶剤で処理して、前記膜から
(B)前記(A)以外の樹脂を溶解除去することにより
本発明の樹脂膜を形成することができる。この樹脂膜の
厚さは、特に制限されないが、概ね0.2〜1.5μm
である。また、この樹脂膜は、膜全体にほぼ均一に微細
な空孔を有し、その空孔の平均孔径は、1〜50nm、好
ましくは5〜30nmである。また、この樹脂膜の比誘電
率(C−V法で測定)は、2.0〜2.5程度である。
【0038】アルミニウム、銅等の導体パターンの形成
された半導体装置形成用の基板に本発明の樹脂膜を層間
絶縁膜及び/又は表面保護膜として形成、適用し、高信
頼性を有する半導体装置を得ることができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0040】合成例1(ポリキノリンの合成) メカニカルスターラ、凝縮器と窒素導入管を付けたディ
ーンスターク管及び温度計を備え付けた2リットルの丸
底三ツ口フラスコに、6,6′−ビス(2−(4″−フ
ルオロフェニル)−4−フェニルキノリン)114.7
5g(0.9225モル、1.03当量)、9,9−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン66.047
2g(0.18848モル、1.00当量)、炭酸カリ
ウム39.1g(0.28モル、1.5当量)、N−メ
チル−ピロリドン705ml、トルエン421mlを仕込ん
だ。反応混合物は窒素雰囲気下で15時間加熱された。
トルエンがディーンスターク管によって除かれ、反応混
合物はさらに200℃で12時間加熱された。ついで、
反応混合物はN−メチル−ピロリドンで希釈され、室温
まで冷却された。得られたポリマー溶液を3倍容量のア
セトンにゆっくり注ぐことによりポリマーを凝縮させ
た。ポリマーを濾過して集め、N−メチル−ピロリドン
に溶解し、三倍容量の水で凝縮した。また、ポリマーが
集められ真空下130℃で12時間乾燥した。ポリマー
の収量は170g(99%)であった。このものの数平
均分子量は、ポリスチレン換算で46,900、ガラス
転移点は約306℃であった。
【0041】得られたポリマーは、下記式(VI)の繰り
返し単位を有する。
【化12】
【0042】合成例2(ポリキノリンの合成) 6,6′−ビス(2−(4″−フルオロフェニル)−4
−フェニルキノリン)74.3g(0.124モル、
1.03当量)、4,4′−(1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン)ビスフェノ
ール40.6g(0.121モル、1.00当量)、無
水炭酸カリウム25g(0.181モル、1.5当量)
を1リットルのステンレスフラスコに加え、溶媒として
N−メチル−2−ピロリドン450ml、トルエン90ml
をさらに加えた。塩化カルシウム管及び水分除去のため
のディーンスターク管をつけた水冷式の冷却管、乾燥窒
素導入管、メカニカルスターラ、温度計を設置した。オ
イルバスを使用し、24時間加熱還流し、さらに24時
間トルエンとともに系中の水分を留去した。溶液は最初
は黄色であったが、段々茶褐色に変わり、この段階で黒
色になった。さらに反応温度を200℃まで上げ、6時
間反応させた。反応溶液は黒色から粘度の上昇とともに
深青色に変わっていった。N−メチル−2−ピロリドン
650mlを加えて希釈し冷却することによって反応を停
止した。得られたポリマー溶液を精製するために、水中
へ投入し沈殿させた。引き続いて、50℃の水中で2時
間撹拌し洗浄することを3度繰り返したのち、ポリマー
をろ別し、60℃の真空乾燥機で一昼夜乾燥させた。ポ
リマーの収量は101.1g(89.0%)であった。
このものの重量平均分子量は、ポリスチレン換算で8
7,000であった。
【0043】得られたポリマーは、下記式(V)の繰り
返し単位を有する。
【化13】
【0044】実施例1 合成例1で得られたポリキノリン樹脂100重量部に対
し、トルエン2340重量部及び1、1、1、3、3、
3−ヘキサフルオロー2−プロパノール260重量部を
加えて、室温で均一に混合させ、ポリキノリン樹脂溶液
を得た。重量平均分子量10、000のポリ(メチルメ
タクリレート)100重量に対してトルエン10、00
0重量部を加えて、室温で均一に混合させ、ポリ(メチ
ルメタクリレート)溶液を得た。次に密閉式の容器に入
れたポリキノリン樹脂溶液100重量部にポリ(メチル
メタクリレート)溶液100重量部を加えて密閉し、5
0℃に加温した超音波水漕中で5時間混合して樹脂組成
物を得た。
【0045】次にこの樹脂組成物をシリコンウエハー上
にスピンコート法により塗布し、熱風循環式オーブンに
て130〜140℃で30分加熱処理を行いポリキノリ
ン樹脂/ポリ(メチルメタクリレート)の膜を得た。次
に、この膜を形成したシリコンウエハをトルエン溶液中
に浸漬して室温で1時間攪拌してポリ(メチルメタクリ
レート)を溶解除去し、熱風式オーブン中で乾燥させて
樹脂膜を得た。この樹脂膜の比誘電率をC−V法で測定
したところ2.3であった。さらにこの樹脂膜をシリコ
ンウエハから剥がして透過型電子顕微鏡(TEM)で観
察したところ、平均孔径が約10nmの空孔が均一に分散
していることが分かった。
【0046】実施例2 実施例1において、重量平均分子量10、000のポリ
(メチルメタクリレート)に代えて重量平均分子量8、
000のポリスチレンを用いた以外は実施例1と同様に
して、樹脂膜を得た。この樹脂膜の比誘電率をC−V法
で測定したところ2.1であった。さらにこの樹脂膜を
シリコンウエハから剥がして透過型電子顕微鏡(TE
M)で観察したところ平均孔径が約20nmの空孔が均一
に分散していることが分かった。
【0047】実施例3 実施例1において、1、1、1、3、3、3−ヘキサフ
ルオロー2−プロパノール260重量部に代えて、1、
1、1、3、3、3−ヘキサフルオロー2−フェノール
ー2−プロパノール380重量部を用いた以外は実施例
1と同様にして、樹脂膜を得た。この樹脂膜の比誘電率
をC−V法で測定したところ2.1であった。さらにこ
の樹脂膜をシリコンウエハから剥がして透過型電子顕微
鏡(TEM)で観察したところ、平均孔径が約15nmの
空孔が均一に分散していることが分かった。
【0048】実施例4 実施例1においてトルエンに代えてクロロホルムを用い
た以外は実施例1と同様にして、樹脂膜を得た。この膜
の比誘電率をC−V法で測定したところ2.0であっ
た。さらにこの樹脂膜をシリコンウエハから剥がして透
過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、平均孔径
が約25nmの空孔が均一に分散していることが分かっ
た。
【0049】実施例5 実施例1において合成例1で得られたポリキノリン樹脂
に代えて合成例2で得られたポリキノリン樹脂を用いた
以外はは実施例1と同様にして、樹脂膜を得た。この樹
脂膜の比誘電率をC−V法で測定したところ2.1であ
った。さらにこの樹脂膜をシリコンウエハから剥がして
透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、平均孔
径が約15nmの空孔が均一に分散していることが分かっ
た。
【0050】比較例1 合成例1で得られたポリキノリン樹脂100重量部に対
し、トルエン2340重量部及び1、1、1、3、3、
3−ヘキサフルオロー2−プロパノール260重量部を
加えて、室温で均一に混合させ、ポリキノリン樹脂溶液
を得た。次にこの溶液をシリコンウエハー上にスピンコ
ート法により塗布し、熱風循環式オーブンにて130〜
140℃で30分加熱処理を行い膜を得た。この膜の比
誘電率をC−V法で測定したところ2.8であった。さ
らにこの膜をシリコンウエハから剥がして透過型電子顕
微鏡(TEM)で観察したところ、空孔は観察されなか
った。
【0051】比較例2 合成例2で得られたポリキノリン樹脂100重量部に対
し、トルエン2340重量部及び1、1、1、3、3、
3−ヘキサフルオロー2−プロパノール260重量部を
加えて、室温で均一に混合させ、ポリキノリン樹脂溶液
を得た。次にこの溶液をシリコンウエハー上にスピンコ
ート法により塗布し、熱風循環式オーブンにて130〜
140℃で30分加熱処理を行い膜を得た。この膜の比
誘電率をC−V法で測定したところ2.8であった。さ
らにこの膜をシリコンウエハから剥がして透過型電子顕
微鏡(TEM)で観察したところ、空孔は観察されなか
った。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】請求項1記載の樹脂組成物は、溶液の均
一性が良好で、膜厚ムラがなく、均一性が優れ、外観が
良好で、耐熱性、耐湿性、機械的強度に優れ、電気的な
信頼性の高い、空孔を有する低比誘電率の樹脂膜が容易
に形成でき、得られた樹脂膜中にイオン性不純物が残留
しないものである。請求項2記載の樹脂組成物は、請求
項1記載のの発明に加えて、いっそう、樹脂膜が容易に
形成できるものである。請求項3記載の樹脂組成物は、
請求項1又は2記載の発明に加えて、いっそう、外観、
膜の均一性の優れた樹脂膜形成ができるものである。
【0054】請求項4記載の樹脂膜の形成方法は、膜厚
ムラがなく、均一性が優れ、外観が良好で、耐熱性、耐
湿性、機械的強度に優れ、電気的な信頼性の高い、空孔
を有する低比誘電率の樹脂膜を容易に環境問題のなく歩
留まりよく形成可能な、層間絶縁膜、表面保護膜等の形
成に好適なものである。請求項5記載の半導体装置は、
耐熱性、耐湿性、機械的強度に優れ、電気的な信頼性の
高い、空孔を有する低比誘電率の樹脂膜を層間絶縁膜又
は表面保護膜として有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/16 C08L 101/00 Fターム(参考) 4F074 AA32 AA46 AA56E AA65 AA70 AA76 AD04 AD11 AD13 CB01 CB17 CB31 CC04X CC29X DA47 DA59 4J002 BC02X CF00X CG00X CH02X CM02W EA057 EB007 EC006 EE027 EH006 EL067 EN136 ES006 ET006 EV027 FD206 FD207 GQ01 GQ05 5F058 AA03 AA04 AA10 AC10 AF04 AG01 AH01 AH02 AH03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリキノリン樹脂又はポリキノキ
    サリン樹脂、(B)前記(A)以外の樹脂、(C)下記
    一般式(I) 【化1】 〔一般式(I)中、3個のRは、それぞれ独立に、水素
    原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜11のア
    シルオキシ基、炭素数6〜10のアリール基、−CX3
    (3個のXはそれぞれ独立にハロゲン原子である)、−
    NR′3 +(3個のR′はそれぞれ独立に炭素数1〜3の
    アルキル基である)、−NO2又は−CNを示す〕で表
    される化合物及び(D)溶剤を含んでなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B)前記(A)以外の樹脂が、ポリオ
    キシエチレン樹脂、ポリオキシプロピレン樹脂、アクリ
    ル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂又はポリ
    エステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)一般式(I)で示される化合物
    が、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プ
    ロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
    −2−フェニルイソプロピルアルコール又は1,1,
    1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロ
    メチル)−2−プロパノールである請求項1又は2記載
    の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3記載の
    樹脂組成物を基板に塗布し、加熱して(C)一般式
    (I)で示される化合物と(D)溶剤を蒸散除去した
    後、(B)前記(A)以外の樹脂を溶解除去することを
    特徴とする樹脂膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の樹脂膜の形成方法で形成
    される樹脂膜を層間絶縁膜又は表面保護膜として有して
    なる半導体装置。
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US7504276B2 (en) 2004-08-04 2009-03-17 Denso Corporation Micro device having micro system structure and method for method for manufacturing the same
WO2014192291A1 (ja) * 2013-05-28 2014-12-04 株式会社ニコン 回折光学素子、光学機器、および回折光学素子の製造方法

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