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JP3681106B2 - 有機絶縁膜材料および有機絶縁膜 - Google Patents

有機絶縁膜材料および有機絶縁膜 Download PDF

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JP3681106B2 JP2000106988A JP2000106988A JP3681106B2 JP 3681106 B2 JP3681106 B2 JP 3681106B2 JP 2000106988 A JP2000106988 A JP 2000106988A JP 2000106988 A JP2000106988 A JP 2000106988A JP 3681106 B2 JP3681106 B2 JP 3681106B2
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    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/06Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain of the macromolecule
    • C08G73/22Polybenzoxazoles
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  • Formation Of Insulating Films (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気特性、熱特性、機械特性及び物理特性に優れた有機絶縁膜材料並びに有機絶縁膜に関するものであり、有機絶縁膜は、半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜などとして半導体用途に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
絶縁膜材料には、必要とされる特性に応じて、無機系材料、有機系材料などの材料が様々な部分で用いられている。例えば、半導体用の層間絶縁膜としては、化学気相で作製した二酸化シリコン等の無機の絶縁膜が使用されている。しかしながら、近年の半導体装置の高機能化、高性能化に伴い、二酸化シリコン等の無機絶縁膜では、誘電率、吸水率が高いこと等が問題となっている。この改良手段のひとつとして有機材料の適用が検討されつつある。
【0003】
半導体用途の有機材料としては、耐熱性、機械特性などの優れたポリイミド樹脂が挙げられ、ソルダーレジスト、カバーレイ、液晶配向膜などに用いられている。しかしながら、一般にポリイミド樹脂は、イミド環にカルボニル基を2個有していることから、電気特性、吸水性に問題がある。これらの問題に対して、フッ素ならびにトリフルオロメチル基を、高分子内に導入することにより、電気特性と吸水性、耐熱性を改良することも試みられているが、現時点での要求に対応し得ない。
【0004】
このようなことから、ポリイミド樹脂に比べて、電気特性、吸水性に関して優れた性能を示すポリベンゾオキサゾール樹脂を、半導体用途の絶縁材料に適用することが試みられている。ポリベンゾオキサゾール樹脂は、電気特性、熱特性、物理特性のいずれかの特性のみを満足することは容易であり、例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸からなるポリベンゾオキサゾール樹脂は、非常に優れた耐熱分解性、高Tg等の耐熱性を有するが、一方、誘電率、誘電正接等の電気特性は満足しない。また、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとテレフタル酸からなるポリベンゾオキサゾール樹脂は、低誘電率等の良好な電気特性を示すが、耐熱性等は好ましくない。近年、さらに誘電率が2.5を下回るような低誘電率材料が期待されており、この要求を満たし、かつ他の電気特性、熱特性、及び物理特性のいずれにもすぐれた樹脂が得られていないのが現状である。
【0005】
一方、空気の誘電率は1であり、樹脂中に空気を導入して誘電率を下げることはScheuerleinらの米国特許第3,883,452号公報(1975年5月13日発行)の約20ミクロンの平均孔径を有する発泡重合体を生成させる方法から類推される。しかしながら、空気を樹脂に導入することによって効果的な絶縁体にするためには、樹脂はサブミクロンオーダーで、平均化された誘電率を有する必要がある。
【0006】
サブミクロンオーダーの微細孔を得る技術についてはHedrickらの米国特許第5,776,990号公報(1998年7月7日発行)には、ブロックコポリマーをサブミクロンオーダーに相分離させ、熱分解性のブロック成分を熱分解させることにより、サブミクロンオーダーの微細孔を有する樹脂を生成させることが開示されている。ブロックコポリマーがサブミクロンオーダーに相分離するのは公知(T.Hashimoto, M.Shibayama, M.Fujimura and H.Kawai,"Microphase Separation and the Polymer-polymer Interphase in Block polymers" in "Block Copolymers-Science and Technology",p.63, Ed. By D.J.Meier (Academic Pub., 1983))のことであり、天井温度の低いポリマー類が容易に分解することも高分子化学の分野では一般に良く知られていることである。
【0007】
しかしながら、誘電率、機械特性、電気特性、耐吸水性と耐熱性も満足させながら微細孔を有する樹脂組成物を得るためには、樹脂、ブロック化技術、熱分解成分を組み合わせるその選択が非常に限定され、すべての特性を満足できるものは得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の問題点を鑑み、鋭意検討を重ねた結果なされたもので、電気特性、熱特性及び耐吸水性のいずれにも優れた有機絶縁膜材料並びに有機絶縁膜を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、一般式(2)で表される構造を主構造とするポリベンゾオキサゾール樹脂層が微細孔を有してなることを特徴とする半導体用有機絶縁膜が、低誘電率であり、かつ他の電気特性、熱特性、及び物理特性にもすぐれることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
【化3】
Figure 0003681106
(但し、一般式(2)中のnは2〜1000までの整数を示す。Xは4価及びYは2価の有機基を表す。)
【0011】
すなわち、本発明は、
(1)ポリベンゾオキサゾール前駆体のカルボン酸末端と水酸基を有するオリゴマーとにより合成されたことを特徴とする有機絶縁膜材料において、前記ポリベンゾオキサゾール前駆体が、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸とにより合成された一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする有機絶縁膜材料
【化1】
Figure 0003681106
(但し、一般式(1)中のnは2〜1000までの整数を示す。Xは4価及びYは2価の有機基を表す。)
【0012】
(2)前記有機絶縁膜材料により得られる有機絶縁膜であって、一般式(2)で表される構造を主構造とするポリベンゾオキサゾール樹脂層が微細孔を有してなることを特徴とする有機絶縁膜、
である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の有機絶縁膜材料は、ポリベンゾオキサゾール前駆体として、一般式(1)で表される構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体の少なくとも一方のカルボン酸末端と水酸基を有するオリゴマーとを反応させた反応物からなるものであり、本発明の有機絶縁膜は、前記有機絶縁膜材料を用いた、一般式(2)で表される構造を主構造とするポリベンゾオキサゾール樹脂により形成される樹脂層が微細孔を有することを特徴とするもので、微細孔により樹脂層全体の誘電率を低減させるものである。
【0015】
【化4】
Figure 0003681106
(但し、一般式(1)中のnは2〜1000までの整数を示す。Xは4価及びYは2価の有機基を表す。)
【0016】
本発明の有機絶縁膜において、樹脂層が有する微細孔は、その孔径が50nm以下のものであり、好ましくは10nm以下、更に好ましくは5nm以下のものである。また、微小な空隙の割合としては、絶縁材の形成物全体に対し、5〜50vol%が好ましい。
【0017】
また、本発明において、有機絶縁膜樹脂層における微細孔は、本発明の有機絶縁膜材料に含まれるオリゴマー基を加熱することにより、熱分解、気化し、揮散させて形成するが、有機絶縁膜材料において、一般式(1)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体に対し、オリゴマーが5〜40%の重量比の割合で反応していることが好ましい。下限値より小さいと誘電率の低減効果が少なく、上限値より大きいと絶縁体の機械的強度が低下することがある。
【0018】
本発明においてポリベンゾオキサゾール前駆体の合成に用いるビスアミノフェノール化合物は、一般式(3)で表される通りであり、例えば3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4' −ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、4,4’ −ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル−エーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル−エーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)オクタフルオロビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス−(4−((3−ヒドロキシ−4−アミノ)−フェニロキシ)−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス−(4−((4−ヒドロキシ−3−アミノ)−フェニロキシ)−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−フルオレン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−ペンタフルオロエチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−ペンタフルオロエチルフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることができるが、必ずしもこれらに限られるものではない。また2種以上のアミノフェノールを組み合わせて使用することも可能である。
【0019】
【化5】
Figure 0003681106
(Xは4価の有機基を表す。)
【0020】
本発明においてポリベンゾオキサゾール前駆体の合成に用いるジカルボン酸については、一般式(4)で表される通りであり、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、3−フルオロフタル酸、2−フルオロフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸、パーフルオロスベリン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、4,4’−オキシジフェニル−1,1’−ジカルボン酸 、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4‘−ビフェニルジカルボン酸,2,2’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられるが、必ずしもこれらに限られるものではない。また2種以上のジカルボン酸を組み合わせて使用することも可能である。
【0021】
【化6】
Figure 0003681106
(Yは2価の有機基を表す。)
【0022】
本発明に用いるオリゴマーは、末端の片方もしくは両方に水酸基を有し、かつ加熱により分解するものであり、更に、オリゴマーの水酸基が、ポリベンゾオキサゾール前駆体のカルボン酸末端基と反応した反応物のオリゴマー部の熱分解温度により選ばれる。即ち、反応物のオリゴマー部が熱分解する温度が、用いるポリベンゾオキサゾール前駆体を閉環した樹脂の熱分解温度よりも低い水酸基を有するオリゴマーであれば、どのオリゴマーでも良い。例えば、前記オリゴマーの骨格が、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、テトラメチレンオキサイド、メチルメタクリレート、α−メチルスチレン、カーボナート及びカプロラクトン等の繰り返し単位からなる水酸基を有するオリゴマーをあげることができる。これらの内、繰り返し単位としては、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、メチルメタクリレート、α−メチルスチレン、カーボナート及びカプロラクトンが、好ましい。また、オリゴマーは、上記オリゴマーの共重合体であってもかまわない。
【0023】
これらの具体例としては、ポリカプロラクトンジオール、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、ポリカーボナート、ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドトリブロック共重合体などである。
【0024】
該オリゴマーは、分子量が500〜10,000の範囲のものが好ましい。分子量が500未満であると、誘電率が目的とするレベルまで低くできないことがあり、また分子量が10,000を越えるものでは、空隙が大きくなりすぎて、膜の機械的強度が低くなったり、膜表面に達する連続気泡ができてしまう等の問題が発生することがある。
【0025】
該オリゴマーの加熱分解前は、ポリベンゾオキサゾール前駆体に対して、5〜40%の重量比の該オリゴマーが、ポリベンゾオキサゾール前駆体のカルボン酸末端と反応していることが望ましい。重量比が5%未満であると、誘電率が低くできないことがあり、また重量比が40%を越えると、空隙が多くなりすぎて、機械的強度が低くなったり、絶縁膜表面に連続気泡ができてしまったり、熱的特性にも悪影響がでる等の問題が発生することがある。
【0026】
本発明の有機絶縁膜材料の製造方法は、ポリベンゾオキサゾール前駆体とオリゴマーとの反応により行われる。ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成方法の例としては、一般式(3)で表されるジアミノフェノール化合物と、一般式(4)で表されるジカルボン酸とを、活性エステル法や酸クロリド法により、反応させて、ポリベンゾオキサゾール前駆体を合成することができる。さらに、該前駆体のカルボン酸末端とオリゴマーの水酸基とを反応させて有機絶縁膜材料を得ることができる。
【0027】
本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前駆体の合成例としては、その合成方法のうち、酸クロリド法では、まず、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1’−ジカルボン酸等の一般式(4)で表されるジカルボン酸を、γ―ブチロラクトン等の非プロトン性の極性溶媒に溶解し、過剰量の塩化チオニル存在下で、室温ないし130℃で反応させることにより、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1−ジカルボン酸クロリド等の一般式(5)で表される酸クロリドを得る。このとき、N,N−ジメチルホルムアミドを適度に加えると、酸クロリドの収率が向上することは良く知られている。
【0028】
【化7】
Figure 0003681106
(Yは2価の有機基を表す)
【0029】
次に、2,2−ビス(3− アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の一般式(3)で表されるビスアミノフェノール化合物を、乾燥したγ−ブチルラクトン、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性の極性溶媒に、乾燥窒素雰囲気下で溶解する。このとき溶媒は、1種類、又は2種以上の混合溶媒を使用できる。ビスアミノフェノール化合物が溶解した後、10℃以下に冷却し、前述のように合成した4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1−ジカルボン酸クロリド等の酸クロリドを、γ−ブチルラクトン、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性の極性溶媒に溶かした溶液を窒素雰囲気下滴下する。このとき、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系の溶媒は、酸クロリドを分解するため、酸クロリドがアミド系以外の溶媒に溶ける限り、アミド系の溶媒はできるだけ使用しない方がよい。
【0030】
更に、γ−ブチルラクトン、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性の溶媒と、ピリジンからなる溶液を滴下する。ピリジン溶液の滴下終了後、続けて、もしくは、50℃以下の温度で数時間攪拌して、ポリベンゾオキサゾール前駆体を得る。更に、水酸基末端を有するオリゴマーを、そのまま一度に反応容器に投入するか、もしくは、γ−ブチルラクトン、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性の極性溶媒に溶かした溶液を滴下する。その後、室温まで戻しそのまま数時間から一日攪拌する。
【0031】
反応液について、蒸留水と、メタノール、エタノール等のアルコールとの混合溶液を貧溶媒とする再沈殿操作を行うことより、本発明の有機絶縁膜材料となるオリゴマーと反応したポリベンゾオキサゾール前駆体を得ることができる。このとき、貧溶媒として使用する蒸留水とアルコールとの混合溶液の混合比は、沈殿物のアルコールに対する溶解性で決める。即ち、アルコールの混合量が少なすぎると、未反応の原料を始めとする不純物が取りきれない。逆に、アルコールの混合量が多すぎると、オリゴマーと反応したポリベンゾオキサゾール前駆体が沈殿しない。この再沈殿操作で得られた沈殿物を濾過により集め、減圧乾燥することにより、本発明の有機絶縁膜材料を得る。
【0032】
半導体用途で不純物を除去する必要があるときは、更に、前述のようにして得られた有機絶縁膜材料を、蒸留水、メタノールやエタノール等のアルコールの水溶液、希シュウ酸水溶液、希塩酸、または希アンモニア水で、繰り返し洗うことや、もう一度、適当な溶媒に溶かし、再沈殿操作を繰り返し行うことにより、さらに精製を行うことができる。
【0033】
本発明の有機絶縁膜材料は、通常、これを溶剤に溶解し、ワニス状にして使用するのが好ましい。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を1種、または2種以上混合して用いることが出来る。
【0034】
本発明の有機絶縁膜材料は、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
【0035】
本発明の有機絶縁膜の製造方法は、まず、有機絶縁膜材料を上記溶剤に溶解し、ワニスとしたのち、適当な支持体、例えばガラス、金属、シリコーンウエハーやセラミック基盤等に塗布して、製膜する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。このようにして、塗膜を形成した後、加熱または、脱水剤で処理することにより、ベンゾオキサゾールを脱水閉環反応させ、ポリベンゾオキサゾール樹脂に変換し、塗膜を樹脂層とし、この樹脂層を、更に、加熱するが、好ましくは、ここで得たポリベンゾオキサゾール樹脂が熱分解しない範囲の温度で、かつ、オリゴマー基が熱分解する範囲の温度で、加熱することによりオリゴマー基を、熱分解及び気化し、揮散させ微細孔を形成させて、本発明の有機絶縁膜が得られる。
【0036】
また、本発明の有機絶縁膜材料に、必要により各種添加剤として、界面活性剤やカップリング剤等を添加し、半導体用層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として用いることができる。
【0037】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例の内容になんら限定されるものではない。
【0038】
ポリベンゾオキサゾール前駆体とオリゴマーとの反応およびワニスの合成例
(酸クロリドの合成例)
「合成例1」
4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1’−ジカルボン酸25g、塩化チオニル45ml及び乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す。)0.5mlを反応容器に入れ、75℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した。残査をヘキサンを用いて再結晶させて、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリド15gを得た。
【0039】
(有機絶縁膜材料の合成)
「実施例1」
2,2−ビス (3− アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン8.52g(23.3mmol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン40gに乾燥窒素雰囲気下で溶解し、10℃で、γ−ブチロラクトン80gに合成例1で得た4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリド10.73g(25.0mmol)を溶解したものを30分かけて滴下した。続いて、室温まで溶液の温度を戻し、室温で2時間攪拌した。その後、10℃、γ−ブチロラクトン20gにピリジン4.35gを溶解したものを30分かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、そのまま4時間攪拌して、ポリベンゾオキサゾール前駆体を得た。生成したポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量は11,000、重量平均分子量は22,000であった。
【0040】
次に、ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業株式会社製、プラクセル240、分子量4,000)13.6g(3.4mmol)を、上記で得たポリベンゾオキサゾール前駆体溶液中に一度に投入し、そのまま室温で24時間攪拌した。
【0041】
反応終了後、反応液を蒸留水1.5リットルとエタノール0.3リットルからなる混合溶液に滴下し、濾過により沈殿物を集めた。更に沈殿物を洗浄するために、沈殿物に蒸留水1.5リットルとエタノール0.15リットルからなる混合溶液を加え、室温で1時間攪拌し、濾過により沈殿物を集める操作を3回繰り返した。集めた沈殿物を減圧乾燥させ、乾燥させたものを、更にシクロヘキサン1リットルで5回洗浄した。洗浄したものを減圧乾燥させて、有機絶縁膜材料20gを得た。また、有機絶縁膜材料中に反応したオリゴマー成分の重量分率は、1H−NMR法により分析したところ39%であった。
上記で得た有機絶縁膜材料を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解して混合し、20%の溶液とした。0.1μmのテフロンフィルターで濾過しワニスを得た。
【0042】
(水酸基を有するオリゴマー成分の熱分解温度の測定)
ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業株式会社製、プラクセル240、分子量4,000)の熱分解温度を、窒素雰囲気下で熱重量分析により測定したところ、360℃であった。
【0043】
微細孔を有したポリベンゾオキサゾール樹脂層の製造実施例
「実施例2」
実施例1で得られたワニスを、スピンコーターを用いて、アルミニウムを蒸着したシリコンウエハー上に塗布した。このとき熱処理後の膜厚が、約1μmとなるようにスピンコーターの回転数と時間を設定した。塗布後、100℃のホットプレート上で120秒間乾燥した後、窒素を流入して、酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、150℃/30分、280℃/60分の順で加熱して脱水閉環反応させることで、有機絶縁膜材料をポリベンゾオキサゾール樹脂に変換した皮膜を得た。さらに、350℃/60分、400℃/30分加熱してオリゴマー基を分解し、有機絶縁膜を得た。皮膜上に、アルミニウムを蒸着してパターンニングを行い、所定の大きさの電極を形成した。シリコンウエハー側のアルミニウムと、この電極による容量を測定し、測定後に皮膜の電極隣接部を酸素プラズマによりエッチングして、表面粗さ計により膜厚を測定することにより、周波数1MHzにおける誘電率を算出したところ、2.1であった。この皮膜のIRスペクトルを、FT−IRにより測定したところ、1656cm-1にオキサゾールのアミドによる吸収は見られず、1053cm-1と1625cm-1にオキサゾールによる吸収が観察され、ポリベンゾオキサゾールが生成していることが確認された。TG−DTAにより、耐熱性を評価したところ、窒素雰囲気での5%重量減少温度は、513℃であった。
また、絶縁膜皮膜の断面をTEMにより観察したところ、得られた空隙は、平均孔径4nmで非連続であった。
【0044】
「実施例3」
実施例1で用いた4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸クロリド10.73g(25.0mmol)の代わりに、実施例1と同様の方法で得た2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸クロリド10.38g(25.0mmol)を、ポリカプロラクトンジオール(分子量4,000)13.6g(3.4mmol)の代わりにポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製、ユニオックス M−2000、分子量2,000)6.8g(3.4mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機絶縁膜材料のワニスを得た。ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル添加前に生成したポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量は12,000、重量平均分子量は23,000であった。また、有機絶縁膜材料中に反応したオリゴマー成分の重量分率は1H−NMR法により分析したところ40%であった。
【0045】
(水酸基を有するオリゴマー成分の熱分解温度の測定)
ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製、ユニオックス M−2000、分子量2,000)の熱分解温度を、窒素雰囲気下で熱重量分析により測定したところ、376℃であった。
【0046】
上記で得たワニスを用いて、実施例2と同様の操作を行い、絶縁膜を得て、評価を行った。
その結果、絶縁膜の誘電率は、2.2であった。5%重量減少温度は580℃であった。また、絶縁膜皮膜の断面をTEMにより観察したところ、得られた空隙は平均孔径5nmで非連続であった。
【0047】
「実施例4」
実施例1で用いた4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸クロリド10.73g(25.0mmol)の代わりに、実施例1と同様の方法で得た2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸クロリド10.38g(25.0mmol)とし、ポリベンゾオキサゾール前駆体とオリゴマーとの反応において、ポリカプロラクトンジオール(分子量4,000)13.6g(3.4mmol)の代わりにポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドのトリブロック共重合体オリゴマー(日本油脂株式会社製、分子量3,300)11.22g(3.4mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機絶縁膜材料のワニスを得た。ポリエチレンオキサイドポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドのトリブロック共重合体オリゴマー添加前に生成したポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量は12,000、重量平均分子量は23,000であった。また、有機絶縁膜材料中に反応したオリゴマー成分の重量分率は、1H−NMR法により分析したところ39%であった。
【0048】
(水酸基を有するオリゴマー成分の熱分解温度の測定)
ポリエチレンオキサイドポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドのトリブロック共重合体オリゴマーの熱分解温度を、窒素雰囲気下で熱重量分析により測定したところ、364℃であった。
【0049】
上記で得たワニスを用いて、実施例2と同様の操作を行い、絶縁膜を得て、評価を行った。
その結果、絶縁膜の誘電率は、2.1であった。5%重量減少温度は580℃であった。また、絶縁膜皮膜の断面をTEMにより観察したところ、得られた空隙は平均孔径4nmで非連続であった。
【0050】
「実施例5」
実施例1で用いた4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸クロリド10.73g(25.0mmol)の代わりに、実施例1と同様の方法で得た2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸クロリド10.38g(25.0mmol)とし、ポリベンゾオキサゾール前駆体とオリゴマーとの反応において、ポリカプロラクトンジオール(分子量4,000)13.6g(3.4mmol)の代わりにポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドのジブロック共重合体オリゴマー(日本油脂株式会社製、分子量2,000)6.8g(3.4mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機絶縁膜材料のワニスを得た。ポリエチレンオキサイドポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドのトリブロック共重合体オリゴマー添加前に生成したポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量は12,000、重量平均分子量は23,000であった。また、有機絶縁膜材料中に反応したオリゴマー成分の重量分率は、1H−NMR法により分析したところ27%であった。
【0051】
(水酸基を有するオリゴマー成分の熱分解温度の測定)
ポリエチレンオキサイドポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドのジブロック共重合体オリゴマーの熱分解温度を、窒素雰囲気下で熱重量分析により測定したところ、360℃であった。
【0052】
上記で得たワニスを用いて、実施例2と同様の操作を行い、絶縁膜を得て、評価を行った。
その結果、絶縁膜の誘電率は、2.2であった。5%重量減少温度は580℃であった。また、絶縁膜皮膜の断面をTEMにより観察したところ、得られた空隙は平均孔径3nmで非連続であった。
【0053】
「比較例1」
実施例1においてポリカプロラクトンジオールを投入する操作を省略する以外は、実施例1と同様の操作を行いワニスを得た。実施例2において、ワニスをここで得たワニスに代えた以外は実施例2と同様にして、ポリベンゾオキサゾール皮膜を作製した。その結果、誘電率は、2.6であった。また、絶縁膜皮膜の断面をTEMにより観察したところ、空隙は観察されなかった。
【0054】
「比較例2」
比較例1と同様の操作を行い得た20%ワニス10gに対して、実施例1で用いたポリカプロラクトンジオールを1.3g添加した。0.1μmのテフロンフィルターで濾過しワニスを得た。実施例2において、ワニスをここで得たワニスに代えた以外は実施例2と同様にしてポリベンゾオキサゾール皮膜を作製した。その結果、空隙率が39%だったが、上下電極がショートして誘電率は測定できなかった。5%重量減少温度は502℃であった。また、このポリベンゾオキサゾールの皮膜は、1μm以上の細孔もできていた。
【0055】
「比較例3」
実施例1で用いた、2,2−ビス (3− アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン8.52g(23.2mmol)を7.33g(20.0mmol)とし、ポリカプロラクトンジオール(分子量4,000)13.6g(3.4mmol)を40.0g(10.0mmol)とする以外は実施例1と同様にして、有機絶縁膜材料のワニスを得た。ポリカプロラクトンジオール添加前に生成したポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量は4,000、重量平均分子量は7,900であった。また、有機絶縁膜材料中に反応したオリゴマー成分の重量分率は、1H−NMR法により分析したところ69%であった。上記で得たワニスを用いて、実施例2と同様の操作を行い、絶縁膜を得て、評価を行った。
その結果、絶縁膜の誘電率は、空隙率が66%だったが、上下電極がショートし測定できなかった。5%重量減少温度は500℃であった。また、このポリベンゾオキサゾールの皮膜は、1μm以上の細孔もできていた。
【0056】
「比較例4」
実施例1で用いたポリカプロラクトンジオール(分子量4,000)13.6g(3.4mmol)の代わりに、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製、プラクセル H4、分子量40,000)136g(3.4mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機絶縁膜材料のワニスを得た。ポリカプロラクトン添加前に生成したポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量は11,000、重量平均分子量は22,000であった。また、有機絶縁膜材料中に反応したオリゴマー成分の重量分率は、1H−NMR法により分析したところ87%であった。
上記で得たワニスを用いて、実施例2と同様の操作を行い、絶縁膜を得て、評価を行った。
その結果、絶縁膜の誘電率は、空隙率が85%だったが、上下電極がショートし測定できなかった。5%重量減少温度は498℃であった。また、このポリベンゾオキサゾールの皮膜は、数μmの細孔もできていた。
【0057】
「比較例5」
実施例1で用いたポリカプロラクトンジオール(分子量4,000)13.6g(3.4mmol)の代わりにポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製、ユニオックス M400、分子量400)1.36g(3.4mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機絶縁膜材料のワニスを得た。ポリエチレングリコールモノメチルエーテル添加前に生成したポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量は11,000、重量平均分子量は22,000であった。また、有機絶縁膜材料中に反応したオリゴマー成分の重量分率は、1H−NMR法により分析したところ6%であった。
上記で得たワニスを用いて、実施例2と同様の操作を行い、絶縁膜を得て、評価を行った。
その結果、絶縁膜の誘電率は2.6であった。5%重量減少温度は520℃であった。絶縁膜断面観察では、空隙は観察されなかった。
【0058】
実施例2から5の絶縁膜は、いずれも誘電率が低く2.1〜2.2であり、さらに耐熱性が高いという良好な特性が得られた。
【0059】
比較例1では、実施例2と比較するとポリベンゾオキサゾール樹脂の被膜に細孔を含んでいないため耐熱性は同等で良好であるが、誘電率は実施例2の絶縁膜より大幅に高い2.6であった。
【0060】
比較例2では実施例2と比較すると、ワニスにオリゴマーを添加しただけであったため膜厚約1μmの皮膜を形成した場合には上下に貫通する穴が生成してしまい上下電極がショートしてしまった。
【0061】
比較例3ではオリゴマーの量が40%を越えたため膜厚約1μmの皮膜を形成した場合には上下に貫通する穴が生成してしまい上下電極がショートしてしまった。
【0062】
比較例4ではオリゴマーの分子量が10,000を越える高分子量物であったため膜厚約1μmの皮膜を形成した場合には上下に貫通する穴が生成してしまい上下電極がショートしてしまった。
【0063】
比較例5ではオリゴマーの分子量が500未満であったため誘電率が下がらず、実施例2の絶縁膜より大幅に高い2.6であった。
【0064】
【発明の効果】
本発明の有機絶縁膜材料及びこれにより得られる絶縁膜は、電気特性、熱特性、機械特性及び物理特性に優れるものである。従って、電気特性、熱特性、機械特性、物理特性が要求される様々な分野、例えば、半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜などとして有用である。

Claims (4)

  1. ポリベンゾオキサゾール前駆体のカルボン酸末端と水酸基を有するオリゴマーとにより合成されたことを特徴とする有機絶縁膜材料において、前記ポリベンゾオキサゾール前駆体が、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸とにより合成された一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする有機絶縁膜材料
    Figure 0003681106
    (但し、一般式(1)中のnは2〜1000までの整数を示す。Xは4価及びYは2価の有機基を表す。)
  2. 水酸基を有するオリゴマーの繰り返し単位の骨格が、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、メチルメタクリレート、α−メチルスチレン、カーボナート及びカプロラクトンからなる群から選ばれてなるオリゴマーであり、その分子量が、500〜10,000であることを特徴とする請求項に記載の有機絶縁膜材料。
  3. 水酸基を有するオリゴマーが、ポリベンゾオキサゾール前駆体に対し、5〜40%の重量比でポリベンゾオキサゾール前駆体のカルボン酸末端と反応していることを特徴とする請求項1または2に記載の有機絶縁膜材料。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の有機絶縁膜材料により得られる有機絶縁膜であって、一般式(2)で表される構造を主構造とするポリベンゾオキサゾール樹脂層が微細孔を有してなることを特徴とする有機絶縁膜。
    Figure 0003681106
    (但し、一般式(2)中のnは2〜1000までの整数を示す。Xは4価及びYは2価の有機基を表す。)
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