【発明の詳細な説明】
新規なアミノ酸誘導体およびトロンビン阻害剤としての
その使用
発明の分野
本発明は、新規な医薬的に有用な化合物、特にトリプシン−様セリンプロテア
ーゼ、殊にトロンビンの競合阻害剤、医薬としてのそれらの使用、それらを含有
する医薬組成物およびそれらを製造するための合成経路に関するものである。
背 景
血液凝固は、止血(すなわち損傷された血管からの血液そう失の阻止)および
血栓症(すなわち、しばしば血管閉塞を招く血管中における血餅の形成)にかか
わる重要なプロセスである。
凝固は、複合した酸素反応系の結果である。この反応系における最後の工程の
一つは、活性な酵素トロンビンへのプロ酵素プロトロンビンの変換である。
トロンビンは、凝固において中枢的な役割を果たすことが知られている。トロ
ンビンは、血小板を活性化して血小板凝集を招き、フィブリノーゲンを、自発的
にフィブリン重合体に重合するフィブリン単量体に変換し、そしてこの重合体を
架橋結合させて不溶性のフィブリンを形成する第XIII因子を活性化する。さら
に、トロンビンは、第V因子および第VIII因子を活性化して、プロトロンビンか
らのトロンビンの“正のフィードバック”発生を招く。
それ故に、トロンビンの有効な阻害剤は、血小板の凝集およびフィブリンの形
成および架橋結合を阻害することによって、抗血栓活性を示すことが予期される
。さらに、抗血栓活性は、正のフィードバック機構の有効な阻害によって増強さ
れることが予期される。
従来の技術
トロンビンの低分子量の阻害剤の初期の開発は、ClaessonによってBlood Coag
ul.Fibrinol.(1994),5,411に記載されている。
フィブリノーゲンAα鎖に対する開裂部位のまわりに位置したアミノ酸配列に基
づくトロンビン阻害剤を報告している。これらの発表者等は、説明したアミノ酸
配列の中で、トリペプチド配列Phe-Val-Arg(P9-P2-P1、以下P3-P2-P1配列と称
する)がもっとも有効な阻害剤であることを示唆している。
P1−位にα,ω−アミノアルキルグアニジンを有するジペプチジル誘導体に基
づくトロンビン阻害剤は、米国特許第4,346,078号および国際特許出願WO 93/11
152から知られている。同様の構造的に関連したジペプチジル誘導体もまた、報
告されている。例えば、国際特許出願WO 94/29336は、例えばP1−位にアミノメ
チルベンズアミジン、環状アミノアルキルアミジンおよび環状アミノアルキルグ
アニジンを有する化合物を開示している。欧州特許出願0 648 780は、例えばP1
−位に環状アミノアルキルグアニジンを有する化合物を開示している。
また、P1−位に環状アミノアルキルグアニジン(例えば3−または4−アミノ
メチル−1−アミジノピペリジン)を有するペプチジル誘導体に基づくトロンビ
ン阻害剤が、欧州特許出願0 468 231、0 559 046および0 641 779から知られて
いる。
P1−位にアルギニンアルデヒドを有するトリペプチジル誘導体に基づくトロン
ビン阻害剤がはじめに、欧州特許出願0 185 390において開示された。
最近、P3−位において変性されたアルギニンアルデヒドを基にしたペプチジル
誘導体が報告されている。例えば、国際特許出願WO 93/18060はP3−位における
ヒドロキシ酸を開示しており、欧州特許出願0 526 877はデス−アミノ酸を開示
しておりそして欧州特許出願0 542 525はO−メチ
ルマンデル酸を開示している。
P1−位における求電子性ケトンに基づくセリンプロテアーゼ(例えばトロンビ
ン)の阻害剤もまた知られている。例えば、欧州特許出願0 195 212はペプチジル
α−ケトエステルおよびアミドを開示しており、欧州特許出願0 362 002はフル
オロアルキルアミドケトンを開示しており、欧州特許出願0 364 344はα,β,δ
−トリケト化合物を開示しておりそして欧州特許出願0 530 167は、P1−位にお
けるアルギニンのα−アルコキシケトン誘導体を開示している。
アルギニンおよびそのイソチオウロニウム同族体のC−末端ボロン酸誘導体に
基づくトリプシン−様セリンプロテアーゼの他の構造的に異なる阻害剤が、欧州
特許出願0 293 881から知られている。
最近、ペプチジル誘導体に基づくトロンビン阻害剤が、欧州特許出願0 669 31
7および国際特許出願WO 95/35309、WO 95/23609およびWO 94/29336に開示さ
れている。
しかしながら、トロンビンのようなトリプシン−様セリンプロテアーゼの有効
な阻害剤が要求されている。特に経口的に生物学的に利用することができそして
他のセリンプロテアーゼ以上にトロンビンの阻害に選択的である化合物が要求さ
れている。トロンビンに対して競合的阻害活性を示す化合物は、特に抗凝固剤と
してそしてそれ故に血栓症および関連した疾患の治療的処置に有用であることが
予期される。
発明の開示
本発明によれば、式I
の化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供される。
上記式において、
R1は、H、C(O)R11、SiR12R13R14またはC1-6アルキルを示しそして後者の基は
、場合によってはOR15または(CH2)qR16から選択された1個または2個以上の置
換分によって置換されているかまたは終結していてもよく;
R12、R13およびR14は、独立してH、フェニルまたはC1-6アルキルを示し;
R16は、C1-4アルキル、フェニル、OH、C(O)OR17またはC(O)N(H)R18を示し;
R18はH、C1-4アルキルまたはCH2C(O)OR19を示し;
R15およびR17は、独立して、H、C1-6アルキルまたはC7-9アルキルフェニルを
示し;
R11およびR19は、独立して、HまたはC1-4アルキルを示し;そして
qは、0、1または2を示し;
R2およびR3は、独立して、H、C1-4アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル
を示し;
Rxは、式IIa、IIbまたはIIc
〔式中、
k、lおよびmは、独立して、0、1、2、3または4を示し;
R4およびR5は、独立して、H、Si(Me)3、1−または2−ナフチル、多環式ヒ
ドロカルビル基、CHR41R42またはC1-4アルキル(後者の基は、場合によっては1
個または2個以上の弗素原子により置換されていてもよい)
またはC3-8シクロアルキルフェニル、メチレンジオキシフェニル、ベンゾジオキ
サニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンズ
オキサゾリル、ベンズイミダゾリル、クマラノニル、クマリニルまたはジヒドロ
クマリニル(後者の12個の基は、場合によっては1個または2個以上のC1-4アル
キル(後者の基は、場合によっては1個または2個以上のハロゲン置換分によっ
て置換されていてもよい)、C1-4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、
ニトロ、SO2NH2、C(O)OHまたはN(H)R43によって置換されていてもよい)を示し
;
R41およびR42は、独立して、シクロヘキシルまたはフェニルを示し;
R6およびR7は、独立して、H、C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、フェニル
(後者の基は、場合によっては1個または2個以上のC1-4アルキル(後者の基
は、場合によっては1個または2個以上のハロゲン置換分によって置換されてい
てもよい)、C1-4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2
、C(O)OHまたはN(H)R44によって置換されていてもよい)を示すかまたはこれら
が結合している炭素原子と一緒になってC3-8シクロアルキル環を形成し;
R43およびR44は、独立して、HまたはC(O)R45を示し;そして
R45は、H、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシを示す〕の構造フラグメント
を示し;
Yは、CH2、(CH2)2、CH=CH、(CH2)3、CH2CH=CHまたはCH=CHCH2(後者の3個の
基は、場合によってはC1-4アルキル、メチレン、オキソまたはヒドロキシによっ
て置換されていてもよい)を示し;
nは0、1、2、3または4を示し;そして
Bは、式IVa、IVbまたはIVc
(式中、X1およびX2は、独立して単一の結合またはCH2を示す)の構造フラグ
メントを示す。
式Iの化合物は、互変異性を示すことができる。すべての互変異性形態および
これらの混合物が、本発明の範囲に包含される。
式Iの化合物はまた、1個または2個以上の不斉炭素原子を含有することがで
きそしてそれ故に、光学的および(または)ジアステレオ異性を示すことができ
る。すべてのジアステレオ異性体は慣用の技術、例えばクロマトグラフィーまた
は分別結晶化を使用して分離することができる。慣用の技術、例えば分別結晶化
またはHPLC技術を使用して化合物のラセミ混合物または他の混合物を分離するこ
とによって、種々の立体異性体を単離することができる。このようにする代りに
、ラセミ化またはエピマー化を起こさない条件下において適当な光学的に活性な
出発物質を反応させることによって、または、例えばホモキラル酸による誘導化
次いで慣用の手段(例えばHPLC、シリカゲル上のクロマトグラフィー)によるジ
アステレオマー誘導体の分離によって、所望の光学的異性体を製造することがで
きる。立体異性体はすべて本発明の範囲に包含される。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R1 9
およびR45が示すことのできるおよびR4、R5およびYが置換されることのできる
アルキル基;R45が示すことのできるおよびR4およびR5が置換されることのでき
るアルコキシ基;R2、R3、R4、R5、R6、R7、R41およびR42が示すことのできるシ
クロアルキル基;およびR15およびR17が示
すことのできるアルキルフェニル基は、直鎖状または分枝鎖であることができそ
して飽和または不飽和であることができる。
R4、R5、R6およびR7が置換されることのできるおよびR4、R5、R6およびR7上の
置換分が置換されることのできるハロゲンは、弗素、塩素および臭素を包含する
。
式IIa、IIbおよびIIcのフラグメント中の炭素原子に隣接した点は、式Iの
化合物に対するフラグメントの結合の点を意味する。
式IVa、IVbおよびIVcのフラグメント中の炭素原子上の波線は、フラグメン
トの結合位置を意味する。
略号は、本明細書の最後に記載する。
本発明の他の見地によれば、
(a) Rxが式IIaの構造フラグメントを示す場合は、R4および(または)R5(適
当である場合の)が
(i)ハロゲン−置換されたC1-6アルキルによって置換されたフェニル;
(ii)メチレンジオキシフェニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ジ
ヒドロベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダ
ゾリル、クマラノニル、クマリニルまたはジヒドロクマリニルを示さない;
(b)Rxが式IIcの構造フラグメントを示す場合は、R6および(または)R7(適当
である場合の)が未置換フェニルを示すという条件で、上述したような式Iの化
合物が提供される。
本発明の他の見地によれば、
(a)Rxが式IIaの構造フラグメントを示す場合は、R4および(または)R5(適当
である場合の)が
(i)ハロゲン−置換されたC1-6アルキルによって置換されたフェニル;
(ii)メチレンジオキシフェニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ジ
ヒドロベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダ
ゾリル、クマラノニル、クマリニルまたはジヒドロクマリニルを示し;
(b)Rxが式IIcの構造フラグメントを示す場合は、R6および(または)R7(適当
である場合の)が置換されたフェニルを示すという条件で、上述したような式I
の化合物が提供される。
nが2を示しそしてBが式IVbの構造フラグメントを示す場合は、式Iの好ま
しい化合物は、X1およびX2が両方CH2を示さない化合物を包含する。
式Iの好ましい化合物は、
R1が場合によっては置換されていてもよいC1-6アルキルまたは特にHを示し;
Rxが、式IIaの構造フラグメントを示し;
Yが、CH2または(CH2)2を示し;
nが1を示し;
Bが式IVaの構造フラグメントを示す化合物を包含する。
フラグメント
が、S−配置にある式Iの化合物が好ましい。上記フラグメント中における窒素
および炭素原子上の波線は、フラグメントの結合位置を意味する。
式Iの好ましい化合物は、実施例1〜7、11、12、16〜39、41、42、43および
(R,S)-Ph-C(Me)(CH2OMe)-C(O)-Aze-Pabの化合物を包含する。
製造
また本発明によれば、例えば、カップリング系(例えばDMFの塩化オキザリル
、EDC、DCC、HBTUまたはTBTU)、適当な塩基(例えばピリジン、DMAP、TEAまたは
DIPEA)および適当な有機溶剤(例えば、ジクロロメタン、アセトニトリルまた
はDMF)の存在下において、
(a)式V
(式中、R1、R2、R3およびRxは上述した通りである)の化合物を式VI
(式中、Y、nおよびBは上述した通りである)の化合物とカップリングさせる
か、または
(b)式VII
(式中、R1、R2、R3、RxおよびYは上述した通りである)の化合物を式VII
H2N-(CH2)n-B VIII
(式中、nおよびBは上述した通りである)の化合物とカップリングさせること
からなる式Iの化合物の製法が提供される。
式Vの化合物は、商業的に入手することができるが、文献において公知である
かまたは既知の技術を使用して入手することができる。例えば、式Vの化合物は
、例えば適当な塩基(例えば水酸化リチウム)および適当な
溶剤(例えば、THFおよび(または)水)の存在下において室温で式IX
(式中、RはC1-6アルキルまたはC1-3アルキルフェニルでありそしてR1、R2、R3
およびRxは上述した通りである)の化合物を加水分解することによって製造する
ことができる。
式VIの化合物は、例えば式Iの化合物の合成に対して上述した条件のような条
件下において、式X
(式中、Yは上述した通りである)の化合物を、上述した式VIIIの化合物と反応
させることによって製造することができる。
式VIIの化合物は既知の技術を使用して容易に入手することができる。例えば
、式VIIの化合物は、式Iの化合物の合成に対して上述した条件のような条件下
において、上述した式Vの化合物を上述した式Xの化合物と反応させることによ
って製造することができる。
R1およびR3が両方Hを示す式IXの化合物は、適当な還元剤(例えば水素化硼素
ナトリウム)および適当な有機溶剤(例えば、MeOHまたはEtOH)の存在下におい
て、式XI
(式中、R、RxおよびR2は上述した通りである)の化合物を、例えば室温以下
の温度(例えば−70℃と−5℃の間の温度)で還元することによって製造するこ
とができる。
R1がHを示しそしてR3がC1-4アルキル、シクロヘキシルまたはフェニルを示す
式IXの化合物は、適当な有機溶剤(例えばTHF)の存在下において当業者によく
知られている条件下で、上述した式XIの化合物を式XII
R3aM XII
(式中、R3aはC1-4アルキル、シクロヘキシルまたはフェニルを示し、MはLiま
たはMgHalを示しそしてHalはCl、BrまたはIである)の有機金属試薬反応させる
ことによって製造することができる。
R1がHを示す式IXの化合物はまた、当業者によく知られている条件下で、式X
III
RO-C(O)-C(Rx)H2 XIII
(式中、RおよびRxは上述した通りである)の化合物を式XIV
R2-C(O)-R3 XIV
(式中、R2およびR3は上述した通りである)の化合物と反応させることによって
製造することができる。
R1、R2およびR3がすべてHを示し、Rxが上述したような式IIa(式中、kまた
はlのいずれも0を示さない)の構造フラグメントを示す式IXの化合物は、適当
な有機溶剤(例えばTHF)の存在下において適当な還元剤(例えばボラン)の存
在下で、式XV
(式中、Rxaはkまたは1のいずれも0を示さない上述したような式IIaの構造
フラグメントを示しそしてRは上述した通りである)の化合物を還元することに
よって製造することができる。
式XIの化合物は、J.Org.Chem.54,3831(1989)から知られているかまたは該
文献に記載されている方法と同様にして製造することができる。
式XVの化合物は、文献から公知であるかまたは既知の技術を使用し
て、例えば適当な塩基(例えば水素化ナトリウムまたはナトリウムエトキシド)
および適当な有機溶剤の存在下において、適当なマロン酸誘導体を式XVI
RxaL XVI
(式中、Lは脱離基(例えば、ハロゲン(Cl、Br、I)またはトシル)でありそ
してRxaは上述した通りである)のアルキル化剤と反応させることによって製造
することができる。
式VIII、X、XII、XIII、XIVおよびXVIの化合物は、商業的に入手すること
ができるか、文献から公知であるかまたは既知の技術を使用して入手することが
できる。
式I、V、VII、IX、XI、XIII、XVおよびXVIの化合物に含有されている、
とりわけ、フェニル基上の置換分は、標準技術を使用して相互変換することがで
きる。
式Iの化合物は、慣用の技術を使用して反応混合物から単離することができる
。
当業者に理解されるように、上述した方法において、中間体化合物の官能基は
、保護基によって保護されることが必要である。
保護することが望ましい官能基は、ヒドロキシ、アミノおよびカルボン酸を包
含する。ヒドロキシに対する適当な保護基は、トリアルキルシリルまたはジアリ
ールアルキルシリル基(例えばt−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニ
ルシリルまたはトリメチルシリル)およびテトラヒドロピラニルを包含する。カ
ルボン酸に対する適当な保護基は、C1-6アルキルまたはベンジルエステルを包含
する。アミノ、アミジノおよびグアニジノに対する適当な保護基は、t−ブチル
オキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルを包含する。アミジノおよび
グアニジノ窒素は、モノ−またはジ−保護することができる。
官能基の保護および脱保護は、カップリングの前後において行うことが
できる。
特に、式Iの化合物は、N−アシル化アミノ酸またはN−保護されたアミノ酸
のカップリングからなる方法によって製造することができる。N−保護されたア
ミノ酸を使用する場合は、アシル基はカップリング後に加えることができ、そし
て窒素原子の脱保護は、標準方法を使用して行うことができる。
保護基は、当業者によく知られている技術によってそして以下に記載するよう
にして除去することができる。
式Iの化合物を形成する最終の脱保護段階前に製造することのできる式Iの化
合物のある種の保護された誘導体は新規である。
本発明の他の見地によれば、式Ia
〔式中、
B1は、式IVd、IVeまたはIVf
(式中、D1およびD2は、独立してH、0H、ORa、OC(O)Rb、OC(O)ORc、C(O)ORd、C
(O)Reを示しそしてRa、Rb、Rc、RdおよびReは、独立して、フェニル、ベンジル
、(CH2)2OC(O)CH3またはC1-6アルキル(後者の基は、場合によっては酸素によっ
て中断されていてもよい)を示す)の構造フラグ
メントを示しそしてR1、R2、R3、Rx、Y、n、X1およびX2は上述した通りであり
、但し、D1およびD2は両方Hを示さない〕の化合物またはその医薬的に許容し得
る塩が提供される。
Ra、Rb、Rc、RdおよびReが示すことのできるアルキル基は、直鎖状または分枝
鎖状であることができそして飽和または不飽和であることができる。
式IVd、IVeまたはIVfのフラグメント中の炭素原子上の波線は、フラグメン
トの結合位置を意味する。
式Iaの好ましい化合物は、D1がHを示しそしてD2がOH、OCH3、OC(O)Rbまた
はC(O)ORd(式中、RbおよびRdは、上述した通りである)を示す化合物を包含
する。
式Iaの好ましい化合物は、実施例8、9、10、13、14、15、40および(R,S)-
Ph-C(Me)(CH2OMe)-C(O)-Pro-Pab(Z)の化合物を包含する。
式Iaの化合物はまた、当業者によく知られている技術によって式Iの化合物
から直接製造することができる。例えば、D1またはD2がOHを示す式Iaの化合物
は、例えば適当な塩基(例えばTEA)および適当な有機溶剤(例えばTHF)の存在
下において40℃で、D1またはD2(適当である場合の)がCOORdを示しそしてRdが
上述した通りである式Iaの相当する化合物を、ヒドロキシルアミン(またはそ
のハロゲン化水素酸塩)と反応させることによって製造することができる。
このようにする代りに、式Iaの化合物は、当業者によく知られている技術に
よって、式Iaの他の保護された誘導体を経て製造することができる。例えば、
D1またはD2がOC(O)ORcを示しそしてRcが上述した通りである式Iaの化合物は、
例えば適当な塩基(例えば、TEA、ピリジンまたはDMAP)および適当な有機溶剤
の存在下において室温で、D1またはD2(適当である場合の)がOHを示す式Iaの
相当する化合物を、式XVII
RcC(O)-O-C(O)Rc XVII
(式中、Rcは上述した通りである)の化合物と反応させることによって製造する
ことができる。
このようにする代りに、B1が式IVdまたはIVfの構造フラグメントを示し、D1
がHを示しそしてD2がOHまたはORa(式中、Raは上述した通りである)を示す式
Iaの化合物は、例えば適当な塩基(例えばTEA)および適当な有機溶剤(例え
ば、THF、CH3CN、DMFまたはDMSO)の存在下において40℃〜60℃で、式XVIII(式中、Baはフェニル−1,4−エンまたはシクロヘキシル−1,4−エンを示しそし
てR1、R2、R3、Rx、Yおよびnは、上述した通りである)の化合物を、式XIX
H2NORa1 XIX
(式中、Ra1はHまたはRaを示しそしてRaは上述した通りである)の化合物と反
応させることによって製造することができる。
式XVIIIの化合物は、例えば式Iの化合物に対して上述した方法と同様なやり
方で、ペプチドカップリング技術によって製造することができる。式XVIIおよ
びXIXの化合物は、商業的に入手することができるか、文献において公知である
かまたは既知の技術を使用して入手することができる。
保護基の使用は、J W F McOmieによって編集された“Protective Groups in O
rganic Chemistry”,Plenum Press(1973)および“Protective Groups in Organ
ic Synthesis”,2nd edition,T W Greene & P G M Wutz,Wiley-Interscience
(1991)に詳細に記載されている。
また当業者によって理解されるように、式Iの化合物(例えば式Iaの化合物
)のこのような保護された誘導体はそれ自体薬理学的活性を有して
いない場合もあるが、これらの化合物を非経口的にまたは経口的に投与しそして
その後体内で代謝させて薬理学的に活性である本発明の化合物を形成させること
ができる。それ故に、このような誘導体は、“プロドラッグ”として記載するこ
とができる。式Iの化合物のプロドラッグはすべて、本発明の範囲に包含される
。
特にプロドラッグとして有用である式Iの化合物の保護された誘導体は、式I
aの化合物を包含する。
式Iの化合物、その医薬的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体、な
らびにそれらのプロドラッグ(式Iの化合物のプロドラッグである式Iaの化合
物を包含する)は、以下一緒にして“本発明の化合物”と称す。
医薬的使用
本発明の化合物は、薬理学的活性を有しているために有用である。それ故にこ
れらの化合物は医薬として使用される。
すなわち、本発明の他の見地によれば、医薬として使用するための本発明の化
合物が提供される。
特に本発明の化合物は、例えば以下に記載した試験において証明されるように
、そのままでまたはプロドラッグの場合においては投与後に、トロンビンの強力
な阻害剤である。
すなわち本発明の化合物は、トロンビンの阻害を必要とする場合の状態に有用
であることが予期される。
すなわち、本発明の化合物は、ヒトを包含する動物の血液および組織における
血栓症および凝固性亢進(hypercoagulability)の治療または予防に使用される
。
凝固性亢進が血栓−塞栓疾患を招くということは知られている。挙げることの
できる凝固性亢進および血栓−塞栓疾患と関連がある状態は、活性化プロテイン
C抵抗、例えば第V因子−突然変異(第V因子Leiden)およ
び抗トロンビンIII、プロテインC、プロテインS、ヘパリン補因子IIにおける
先天性または後天性欠損を包含する。凝固性亢進および血栓−塞栓疾患と関連が
あることが知られている他の状態は、循環抗燐脂質抗体(ループス抗凝固因子)
、ホモシステイン血症、ヘパリン誘発血小板減少およびフィブリン溶解における
欠損を包含する。すなわち、本発明の化合物は、これらの状態の治療的処置およ
び(または)予防的処置に使用することができる。
さらに本発明の化合物は、例えばアルツハイマー病のような神経変性疾患にお
ける凝固性亢進の徴候なしに望ましくない過剰のトロンビンがある場合の状態の
治療に使用される。
挙げることのできる特定の疾患状態は、静脈血栓症および肺塞栓症、動脈血栓
症(例えば心筋梗塞、不安定狭心症、血栓症に基づく発作および末梢動脈血栓症
における)および普通動脈細動中の心房からのまたは経壁心筋梗塞後の左心室か
らの全身性塞栓症の治療的および(または)予防的処置を包含する。
さらに本発明の化合物は、血栓崩壊、経皮経管冠動脈拡張術(PTA)および冠
動脈バイパス手術後の再閉塞(すなわち血栓症)の予防;マイクロサージェリー
および一般的な血管手術後の再血栓症の阻止に利用されることが予期される。
さらに適応は、細菌、多発性外傷、中毒または他の何れかの機序によって起こ
る多発性血管内凝固の治療的および(または)予防的処置;血液が体中の異物表
面、例えば血管移植片、血管ステント、血管カテーテル、機械的および生物学的
人工弁または他の何れかの医療器具と接触する場合の抗凝固処置;および血液が
例えば心臓−肺器械を使用した心臓血管の手術または血液透析における場合に体
外の医療器械と接触する場合の抗凝固処置を包含する。
凝固プロセスに対する作用のほかに、トロンビンは多数の細胞(例えば
好中球、線維芽細胞、内皮細胞および平滑筋細胞)を活性化することが知られて
いる。それ故に、本発明の化合物はまた、特発性および成人呼吸窮迫症候群、放
射線による処置または化学療法後の肺線維症、敗血症性ショック、敗血症、限定
するものではないが浮腫を包含する炎症性応答、急性または慢性アテローム性動
脈硬化症、例えば冠動脈疾患、脳動脈疾患、末梢動脈疾患、再潅流損傷、および
経皮経管冠動脈拡張術(PTA)後の再狭窄の治療的および(または)予防的処置
に適している。
トリプシンおよび(または)トロンビンを阻害する本発明の化合物はまた、膵
炎の治療にも有用である。
本発明の他の見地によれば、トロンビンの阻害を必要とする場合の状態を処置
する方法が提供される。この方法は、本発明の化合物またはその医薬的に許容し
得る塩の有効量を、このような状態にかかっているまたはこのような状態に敏感
な患者に投与することからなる。
本発明の化合物は普通、医薬的に許容し得る投与形態の遊離塩基または医薬的
に許容し得る非毒性の有機または無機酸付加塩として活性化合物を含有する医薬
製剤の形態で、経口的に、静脈内的に、皮下的に、口腔的に、直腸的に、皮膚的
に、鼻的に、気管的に、気管支的に、何れかの他の非経口経路によってまたは吸
入を経て投与することができる。処置される疾患および患者および投与の経路に
よって、組成物は種々の投与量で投与することができる。
本発明の化合物はまた、異なる作用機序を有する抗血栓剤、例えば抗血小板剤
アセチルサリチル酸、チクロピジン、クロピドグレル、トロンボキサン受容体お
よび(または)シンセターゼ阻害剤、フィブリノーゲン受容体アンタゴニスト、
プロスタサイクリン模倣物およびホスホジエステラーゼ阻害剤およびADP−受容
体(P2T)アンタゴニストとの組み合わせおよび(または)一緒に投与することが
できる。
さらに本発明の化合物は、血栓疾患、特に心筋梗塞の処置において、血
栓崩壊剤、例えば組織プラスミノーゲンアクチベーター(天然の、組換えたまた
は変性した)、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼアニソイ
ル化プラスミノーゲン−ストレプトキナーゼアクチベーター複合体(APSAC)、動
物の唾液腺プラスミノーゲンアクチベーターなどとの組み合わせおよび(または
)一緒に投与することができる。
すなわち、本発明の他の見地によれば、医薬的に許容し得る補助剤、稀釈剤ま
たは担体と混合した本発明の化合物を含有する医薬処方が提供される。
ヒトの治療的処置における本発明の化合物の適当な一日当りの投与量は、経口
的投与においては体重1kg当り約0.001〜100mgそして非経口的投与においては体
重1kg当り約0.001〜50mgである。
本発明の化合物は、従来の技術において知られている化合物よりも、より有効
であり、毒性がより低く、より長く作用し、より広い範囲の活性を有し、より強
力であり、副作用がより少なく、より容易に吸収されまたは従来の技術において
知られている化合物よりもすぐれた他の有用な薬理学的性質を有しているという
利点を有している。
生物学的試験試験A トロンビン凝固時間(TT)の測定
pH7.4の緩衝溶液100μlおよび阻害剤溶液100μl中のヒトのトロンビン(T 67
69、Sigma Chem Co)を、1分間インキュベートした。それから、プールした正常
なクエン酸塩添加したヒトの血しょう100μlを加えそして凝固時間を自動装置(
KC 10、Amelung)において測定した。
凝固時間(秒)を、阻害剤濃度に対してプロットしそしてIC50TTを、補間法によ
って測定した。
IC50TTは、ヒトの血しょうに対するトロンビン凝固時間を2倍にする試験にお
ける阻害剤の濃度である。試験B 色素形成自動検査によるトロンビン阻害の測定
トロンビン阻害剤の力価は、96−ウエルハーフボリュームマイクロタイタープ
レート(Costar,Cambridge,MA,USA;Cat No 3690)を使用して、Plato 3300自
動マイクロプレートプロセッサー(Rosys AG,CH-8634,Hombrechtikon,Switzer
land)において、色素形成基質法により測定した。DMSO(72μl)中の試験物質の
原溶液(1ミリモル/L)を、DMSOで連続的に稀釈〔1:3(24+48μl)〕して10
種の異なる濃度を得、そしてこれらを検査に於ける試料として分析した。試験試
料2μlを、検査緩衝液124μlで稀釈し、検査緩衝液中の色素形成基質溶液(S-
2366,Chromogenix,
(ヒトのα−トロンビン、Sigma Chemical Co.)12μlを加えそして試料を混合し
た。最終の検査濃度は、試験物質0.00068〜13.3μモル/L、S-2366 0.30ミリモ
ル/L、α−トロンビン0.020 NIHU/mlであった。37℃における40分のインキュ
ベーション中の線状吸収増加を、阻害剤なしのブランクに比較して、試験試料の
阻害%の計算に使用した。トロンビン活性の50%の阻害を起こす阻害剤濃度に相
当するIC50−自動値を、log使用量対阻害%曲線から計算した。試験C ヒトのトロンビンに対する阻害定数Kiの測定
Ki測定は、Cobas Bio遠心分析器(Roche,Basel,Switzerland)上で37℃で実施
された色素形成基質法を使用して行った。試験化合物の種々の濃度を使用してヒ
トのα−トロンビンをインキュベーションした後の残留酵素活性を、3種の異な
る基質濃度で測定しそして405nmにおける光学吸収の変化として測定した。
試験化合物の溶液(100μl;普通はBS A10g/Lを含有する緩衝液または食塩
水中の溶液)を、BSA(10g/L)を含有する検査緩衝液(pH7.4のトリ
ス−HCl 0.05モル/L、NaClで調節されたイオン強度0.15)中において、ヒトの
α−トロンビン(Sigma Chemical Co.)200μlと混合しそしてCobas Bioにおいて
試料として分析した。水20μlと一緒に試料60μlを、検査緩
して吸収変化(ΔA/分)を監視した。S-2238の最終濃度は、16.24および50μ
モルでありそしてトロンビンの最終濃度は、0.125 NIH U/mlであった。
定常状態反応速度を使用して、ディクソンプロット、すなわち、阻害剤濃度対
1/(ΔA/分)の図を構成した。可逆的な競合阻害剤に対して、異なる基質濃度
に対するデータ点は、典型的にx=−Kiにおいて2点間に切りとった直線を形成
する。試験D 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の測定
APTTは、Stagoによって製造された試薬PTT Automated 5を使用して、プールし
た正常なヒトのクエン酸塩添加した血しょうにおいて測定した。阻害剤を血しょ
うに加え(血しょう90μlに対して阻害剤溶液10μl)次いで試薬および塩化カル
シウム溶液を加えそしてAPTTを、試薬生産者の使用説明書に従い、凝固分析器KC
10(Amelung)を使用して混合物中で測定した。凝固時間(秒)を、血しょう中の阻
害剤濃度に対してプロットしそしてIC50APTTを、補間法によって測定した。
IC50APTTは、活性化部分トロンボプラスチン時間を2倍にしたヒトの血しょう
における阻害剤の濃度として定義される。試験E 生体外のトロンビン時間の測定
エタノール:ソルトールTM:水(5:5:90)に溶解した式IおよびIaの化合
物の経口的または非経口的投与後のトロンビンの阻害を、実験の14日または2
日前に頸動脈から血液試料を採取するためのカテーテルをつけ
た意識のあるラットで検査した。
実験の日に、血液試料を化合物の投与後の決められた時間において、クエン酸
ナトリウム溶液(1L当り0.13モル)1部および血液9部を含有するプラスチック
管に取り出した。この管を遠心分離して血小板に乏しい血しょうを得た。この血
しょうを以下に記載するようなトロンビン時間の測定に使用した。
クエン酸塩を添加したラットの血しょう100μlを、食塩溶液(0.9%)100μl
で稀釈しそして血しょう凝固を、緩衝溶液(pH7.4)100μl中のヒトのトロンビン
(T 6769、Sigma Chem Co.USA)の添加によって開始した。凝固時間は、自動装置
(KC 10、Amelumg,Germany)において測定した。
式Iaの化合物を投与した場合は、ラットの血しょう中における式Iの適当な
活性トロンビン阻害剤の濃度は、プールしたクエン酸塩を添加したラットの血し
ょうにおけるトロンビン時間を食塩水に溶解した相当する“活性”トロンビン阻
害剤の既知濃度と関連させた標準曲線を使用して算出した。
ラットにおける式Iの活性トロンビン阻害剤の算出された血しょう濃度(トロ
ンビン時間延長は、上述した化合物によって起こされるということを仮定する)
を基にして、式Iaの相当するプロドラッグの経口的および(または)非経口的投
与後の曲線下の面積(AUCpd)を、台形公式およびデータを無限大に外挿して計算
した。
式Iaのプロドラッグの経口的または非経口的投与後の式Iの活性トロンビン
阻害剤の生物学的利用能は、以下のようにして計算した。
〔(AUCpd/投与量)/(AUC活性、非経口/投与量)〕×100
上記式において、AUC活性、非経口は、上述したような意識のあるラットに対
する式Iの相当する活性トロンビン阻害剤の非経口的投与後に得られたAUCを示
す。試験F 生体外の尿中におけるトロンビン時間の測定
エタノール:ソルトールTM:水(5:5:90)に溶解した本発明の化合物の経口
的または非経口的投与後に尿中に排出された式Iの活性トロンビン阻害剤の量を
、生体外の尿中におけるトロンビン時間の測定によって算出した(トロンビン時
間延長は、上述した化合物によって起こされると仮定する)。
意識のあるラットを代謝おりに入れて、本発明の化合物の経口的投与後24時間
尿および糞便を別個に集められるようにした。トロンビン時間を、以下のように
して集めた尿に対して測定した。
プールした正常なクエン酸塩添加したヒトの血しょう(100μl)を、濃縮した
ラットの尿またはその食塩水稀釈液と一緒に1分インキュベートした。それから
緩衝溶液(pH7.4;100μl)中のヒトのトロンビン(T 6769、Sigma Chem Co.)の
添加によって血しょう凝固を開始した。凝固時間は自動装置(KC 10;Amelumg)に
おいて測定した。
ラットの尿中における式Iの活性トロンビン阻害剤の濃度は、プールした正常
なクエン酸塩添加したヒトの血しょうにおけるトロンビン時間を濃縮したラット
の尿(またはその食塩水稀釈液)に溶解した上述した活性トロンビン阻害剤の既知
濃度と関連させた標準曲線の使用によって算出した。24時間にわたる全体のラッ
トの尿生産に尿中における上述した活性阻害剤の算出された平均濃度を掛けるこ
とによって、尿中に排出された活性阻害剤の量(AMOUNTpd)を計算することができ
る。
プロドラッグの経口的または非経口的投与後の式Iの活性トロンビン阻害剤の
生物学的利用能は、以下のようにして計算した。
〔(AMOUNTpd/投与量)/(AMOUNT活性、非経口/投与量)〕×100
上記式において、AMOUNT活性、非経口は、上述したような意識のあるラットに
対する式Iの相当する活性トロンビン阻害剤の非経口的投与後に尿素中に排出さ
れた量を示す。
本発明を、以下の実施例によって説明する。
実施例一般的実験操作
質量スペクトルは、エレクトロスプレーインターフェースを具備したFinnigan
MAT TSQ 700トリプル四重極質量分析計(FAB-MS)およびエレクトロスプレーイ
ンターフェースを具備したVG Platform II質量分析計(LC-MS)上で記録した。1H
NMRおよび13C NMR測定は、それぞれ300.13、399.96、499.82および599.94MHzの1
H周波数およびそれぞれ75.46、100.58、125.69および150.88MHzの13C周波数で操
作するBRUKER ACP 300およびVarian UNITY+400、500および600スペクトロメー
ター上で遂行した。分取用HPLCは、UV検出器(270〜290nm)を使用して、10〜50
ml/分の流速で逆相カラム(250mm、20または50mm;5〜7μM相クロマシルC8
)上で遂行した。出発物質の製造
実施例 A
H-Aze-Pab(Z)
(i)Boc-Aze-OH
ジ第3ブチルジカーボネート(13.75g;63ミリモル)を、室温で撹拌しながら
、水(50ml)およびTHF(100ml)中のL−アゼチジン−2−カルボン酸(H-Aze-
OH;5.777g;57ミリモル)およびNa2CO3(6.04g;57ミリモル)の混合物に加えた
。60時間後に、THFを真空中で除去しそして混合物を水でうすめ、2M KHSO4で
酸性にした。CH2Cl2で抽出し次いで乾燥(MgSO4)しそして溶剤を蒸発して残留
物を得、そしてそれをCH2Cl2:ヘキサンから結晶化して無色の結晶10.87g(95
%)を得た。
(ii)Boc-Aze-Pab(Z)
室温で、EDC(13.5g; 70ミリモル)を、アセトニトリル(270ml)中の
Boc-Aze-OH(10.87g;54ミリモル;上記工程(i)から)、H-Pab(Z)×HCl(18.3
1g;57ミリモル;国際特許出願WO 94/29336に記載されている方法によって製
造した)およびDMAP(9.9g;81ミリモル)の混合物に加えた。16時間後に、溶
剤を真空中で除去しそして酢酸エチルにより置換した。混合物を、水およびクエ
ン酸の水溶液で洗浄した。有機層を、乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去し
て残留物を得、これを、CH2Cl2、トルエン、ジイソプロピルエーテルおよび石油
エーテルの混合物から結晶することによって、Boc-Aze-Pab(Z)17.83gを得た。
(iii)H-Aze-Pab(Z)
Boc-Aze-Pab(Z)(2.44g;5.2ミリモル)を、トリフルオロ酢酸(10ml)およ
びCH2Cl2(10ml)の混合物に溶解した。30分後に、溶剤およびトリフルオロ酢酸
を真空中で除去しそして残留物をCH2Cl2に溶解した。有機相を、水性NaCO3(10
%)で洗浄し、乾燥(K2CO3)した。溶剤を真空中で除去して残留物を得、これ
をCH2Cl2から結晶化することによって無色の結晶としてH-Aze-Pab(Z)1.095g(5
7%)を得た。
実施例 B
H-Pic-Pab(Z)×2HCl
(i)Boc-Pic-OH
溶剤としてジオキサンの代わりにTMFを使用して、M.BodanszkyおよびA.Bodan
szky (“The Practice of Peptide Synthesis”,Springer-Verlag(1984))によ
って製造した。
(ii) Boc-Pic-Pab(Z)
Boc-Pic-OH(2.02g;8.8ミリモル:上記工程(i)から)、H-Pab(Z)×1HCl(2
.36g:7.4ミリモル;国際特許出願W094/29336に記載されている方法によって
製造した)およびDMAP 3.9g(32ミリモル)を、CH2Cl2(40ml)に溶解した。混合
物を、0℃に冷却しそしてEDC 1.99g(10.4ミリモル)を加えた。反応混合物を
、室温で3日間撹拌した。混合物を、0.2MKHS04溶液に注加しCH2Cl2で2回抽出
した。有機層を乾燥(Na2SO4)し蒸発した。粗製生成物を、溶離剤として7:3
のEt0Ac:トルエンを使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィ一
処理して生成物1.59g(44%)を得た。
FAB-MS m/z495(M+1)+ (iii) H-Pic-Pab(Z)×2HCl
Boc-Pic-Pab(Z)(1.59g;3.25ミリモル;上記工程(ii)から)を、HClで飽和
したEt0Ac 100mlに溶解した。反応混合物を、30分後に蒸発して、定量的収率で
標記生成物を得た。
FAB-MS m/z 395(M+1)+ 実施例 C
H-Aze-Pig(Z)×2HCl
(i)Boc-Aze-Pig(Z)
室温で、Boc-Aze-OH(1.03g;5.12ミリモル、上述した実施例A(i)から)を
、アセトニトリル(50ml)に溶解しDMAP(1.57g;12.8ミリモル)を得られた溶
液に加えた。それから、DMF(20ml)中のH-Pig(Z)×2HCl(1.86g;5.12ミリモル;
国際特許出願WO 94/29336に記載されている方法によって製造した)およびEDC(
1.47g;7.68ミリモル)を加えそして反応混合物を、室温で20時間撹拌した。そ
の後、反応混合物を濃縮し、CH2Cl2(100ml)でうすめそしてH2O(2×30ml)で洗
浄した。有機層を、乾燥(MgSO4)しそして蒸発した。粗製生成物(3.77g)を、
溶離剤としてCH2Cl2:MeOH(95:5)を使用して、シリカゲルカラム上でフラッ
シュクロマトグラフィー処理することによって粗製して標記化合物1.24g(51%
)を得た。
(ii) H-Aze-Pig(Z)×2HCl
HClで飽和した酢酸エチル(75ml)中のBoc-Aze-Pig(Z)(1.2g;2.53ミリモル
;上記工程(i)から)を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を、蒸発し、水で
うすめ、トルエンで抽出した。水層を凍結乾燥して標記化合物1.085g(96%)
を得た。
実施例 D
(R,S)-Ph-CH(CH2OTBDMS)-C(O)-Pro-OH
(i)(R,S)-Ph-CH(CH2OTBDMS)-C(O)OTBDMS
(R,S)−トロパ酸(6.6g;0.040モル)を、DMF(20ml)に溶解した。イミダゾー
ル(13.0g;0.192モル)およびTBDMS-Cl(14.4g;0.096モル)を加え、反応混
合物を室温で4日間撹拌した。H2O(0.5L)を加え、混合物を、エーテルで3回
抽出した。合した有機層を水性クエン酸(10%)、H2O、水性NaHCO3およびH2Oで
洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発した。粗製生成物を、さらに精製することなく
次の反応に使用した。
(ii)(R,S)-PhCH(CH2OTBDMS)-C(O)-OH
(R,S)-PhCH(CH2OTBDMS)-C(O)-OTBDMS(16.0g;0.040モル;上記工程(i)から
)、K2CO3(14.0g;0.10モル)、MeOH(400ml)およびH2O(150ml)の混合物を
、室温で一夜撹拌した。濃縮後、水層をエーテルで抽出した。pHをクエン酸で調
節し、水層を再びエーテルで3回抽出した。合した有機層をH2Oで洗浄し、乾燥
し、蒸発して、標記化合物9.7g(87%)を得た。
(iii)(R,S)-PhCH(CH2OTBDMS)-C(O)-Pro-OBn
EDC(遊離塩基;1.45ml;8.4ミリモル)を室温で、アセトニトリル(20ml)
中の(R,S)-PhCH(CH2OTBDMS)-C(O)OH(2.01g;72ミリモル;上記工程(ii)から)
、プロリンベンジルエステル塩酸塩(1.85g:7.6ミリモル)およびDMAP(1.41g;
11.5ミリモル)の混合物に加えた。18時間後に、溶剤を真空中で除去し、粗製生
成物を溶離剤として酢酸エチル:トルエン(2:1)を使用してシリカゲル上で
フラッシュクロマトグラフィー処理して生成物2.7g(80%)を得た。
(iv)(R,S)-PhCH(CH2OTBDMS)-C(O)-Pro-OH
(R,S)-PhCH(CH2OTBDMS)-C(O)-Pro-OBn(2.6g; 5.56ミリモル;上記工程
(iii)から)を、エタノール(100ml)に溶解し、Pd/C(10%;0.29g)を加え
た。混合物を、大気圧で3時間水素添加した。濾過後、溶剤を蒸発した。標記化
合物の収量は、1.7g(81%)であった。
13C NMR(75.5MHz; CDCl3)アミジンおよびカルボニル炭素:174.00,172.63
実施例 E
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシフェニル)−プロピオン酸
(i)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシフェニル)−プロピオン酸エ
チルエステル
エタノール中の3−オキソ−2−(3−メトキシフェニル)−プロピオン酸エ
チルエステル(0.067g;0.3ミリモル;J.Org.Chem.54,3831(1989)に記載され
ている方法によって製造した)の溶液に、−70℃でNaBH4(2当量)を加えた。−
70℃で2時間そして−5℃で4時間撹拌した後に、水を加え、反応混合物を濃縮
し、酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃
縮して標記化合物を得た。
(ii)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシフェニル)−プロピオン酸
上記工程(i)からの(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシフェニル)
−プロピオン酸エチルエステルを、THF:水(1:1)に溶解した。LiOH×H2O(
2当量)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、CH2
Cl2で抽出した。有機相を乾燥(MgSO4)し、濃縮して3−ヒドロキシ−2−(3−
メトキシフェニル)−プロピオン酸を得、これを、さらに精製することなく、次
の工程に使用した。
LC-MS m/z 195(M-1)- 実施例 F
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−プロピオン酸
3−オキソ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−プロピオン酸エチルエステル
から出発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
LC-MS m/z 225(M-1)- 実施例 G
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−ナフチル)−プロピオン酸
3−オキソ−2−(2−ナフチル)−プロピオン酸エチルエステルから出発し
て、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
LC-MS m/z 215(M-1)- 実施例 H
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジメチルフェニル)プロピオン酸
3−オキソ−2−(3,5−ジメチルフェニル)プロピオン酸エチルエステルから
出発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
実施例 I
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)プロピオン酸
3−オキソ−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)プロピオン酸エチルエ
ステルから出発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
LC-MS m/z 233(M-1)-
実施例 J
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
3−オキソ−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルエステルか
ら出発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
LC-MS m/z 181 (M-1)-
実施例 K
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸
3−オキソ−2−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸エチルエステルから
出発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
LC-MS m/z 183(M-1)-; FAB-MS m/z 185(M+1)+
実施例 L
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−クロロフェニル)プロピオン酸
3−オキソ−2−(3−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステルから出
発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
実施例 M
3−ヒドロキシ−2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)プロピオン
酸
3−オキソ−2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)プロピオン酸
エチルエステルから出発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
LC-MS m/z 301 (M-1)-
実施例 N
3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸
(i)3−ブロモメチル−5−メチルアニソール
CCl4の3,5−メチルアニソール(13.6g;0.1モル)、NBS(17.8g;0.1モル)
およびAIBN(1.1g;6.7ミリモル)の混合物を、2時間還流した。得られた混合
物を、冷却し、濾過しそして蒸発した。出発物質約20%を含有する粗製生成物を
、次の工程に使用した。
(ii) 3−メトキシ−5−メチルフェニルアセトニトリル
DMSO(25ml)中の3−ブロモメチル−5−メチルアニソール(17g;0.008モル;
上記工程(i)から)の溶液に、NaCN(8.2g;0.16モル)を加えた。混合物(シアン
化物の添加によって非常に加温された)を、1時間にわたって室温に冷却した。
それから、CH3CN(25ml)を加え、混合物を1時間還流した。反応混合物を濃縮し
、水(200ml)を加え、得られた溶液をエーテルで3回抽出した。合した有機相を
水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して黄色の油として標記生成物9g(70%
)を得た。このものは、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
(iii)3−メトキシ−5−メチルフェニル酢酸
水:i-PrOH(2:1)150ml中の3−メトキシ−5−メチルフェニルアセトニト
リル(9g;0.06モル;上記工程(ii)から)およびKOH(17g;0.3モル)の溶液
を、オートクレーブ中で撹拌しながら120℃で一夜、室温で2日間撹拌した。反
応混合物を濃縮し、エーテルで抽出した。水性相を酸性にし、エーテルで2回抽
出した。合した有機層を水で洗浄し、乾燥
(Na2SO4)し、蒸発して残留物を得た。これをEtOHに溶解し、活性炭で処理し、
濾過し、蒸発して黄色の結晶として標記化合物(8.1g;80%)を得た。
(iv)3−メトキシ−5−メチルフェニル酢酸エチル
EtOH(100ml)中の3−メトキシ−5−メチルフェニル酢酸(8.1g;0.045モル;
上記工程(iii)から)の溶液に、濃H2SO4を加え、溶液を40時間放置した。反応混
合物を濃縮し、粗製生成物を水とエーテルとの間に分配した。有機層を水性NaHC
O3および水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して褐色の油として標記化合物8.
0g(85%)を得た。
(v)3−オキソ−2−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸エ
チル
エーテル(75ml)中の3−メトキシ−5−メチルフェニル酢酸エチル(3.0g;14
ミリモル;上記工程(iv)から)およびギ酸エチル(1.9g; 26ミリモル)の溶液に
、小さなかたまりのNa(0.39g;17ミリモル)を加えた。溶液を0℃に冷却し、
EtOH(無水;0.24ml)を加えた。得られたスラリーに、エーテル(100ml)、EtOH
(5ml)および水を、スラリーが溶解するまで加えた。水性相を集め、水性HCl
でpH2に酸性化しそしてエーテルで抽出した。有機相を水性NaHCO3で洗浄し、乾
燥(Na2SO41)し、蒸発して標記化合物2g(59%)を得た。
(vi) 3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)−プロピ
オン酸エチル
MeOH(50ml)中の3−オキソ−2−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸エ
チル(1.9g;8.1ミリモル;上記工程(v)から)の撹拌溶液を、−15℃に冷却した
。そから、NaBH4(0.61g;16ミリモル)を、小量ずつ加えた。混合物を、−15〜
−5℃で3時間撹拌した。水を加え、得られた混合物を濃縮した。水性相をEtOA
cで抽出し、有機相を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して標記化合物2.0g
(59%)を得た。
(vii)3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)−プロピ
オン酸
MeOH:H20(1:1)200ml中の3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−5−メ
チルフェニル)プロピオン酸エチル(1.7g;7.1ミリモル;上記工程(vi)から)
およびNaOH(7.0g;180ミリモル)の溶液を、室温で2時間撹拌した。反応混合
物を濃縮し、エーテルで洗浄し、酸性にした。得られた混合物をエーテルで2回
抽出し、合した有機層を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して1.47g(98%
)を得た。
実施例 O
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2,5−ジメトキシフェニル)プロピオン酸
3−オキソ−(2,5−ジメトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステルから出
発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。実施例 P
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピオン酸
3−オキソ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステルか
ら出発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
実施例 Q
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸
3−オキソ−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸エチルエス
テルから出発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
実施例 R
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸
3−オキソ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸エチルエステルから出発して
、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
LC-MS m/z 215(M-1)-
実施例 S
(R,S)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)COOH
(i)(R,S)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)COOTBDMS
イミダゾール(6.7g;97.8ミリモル)およびTBDMS-Cl(7.4g;48.9ミリモル
)を、DMF(20ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシフェニル)
−プロピオン酸(4g;20.4ミリモル;上記実施例E(ii)から)の溶液に加えた
。反応混合物を、室温で3日間撹拌した。それから、水(0.5L)を加え、混合物
をエーテルで3回抽出した。合した有機相をクエン酸(10%)、水、水性NaHCO3
および水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発した。粗製生成物(黄色の油8.53g
;98%)をさらに精製することな
く、次の工程に使用した。
(ii)(R,S)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)COOH
(R,S)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)COOTBDMS(8.0g;18.8ミリモル
)、K2CO3(6.25g;45.2ミリモル)、MeOH(120ml)およびH20(40ml)の混合物
を室温で一夜撹拌した。濃縮後、水性層をエーテルで洗浄し、クエン酸で酸性に
し、エーテルで3回抽出した。合した有機相をH2Oで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、
蒸発して黄色の油として標記化合物5.0g(87%)を得た。
実施例 T
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−Boc−アミノフェニル)プロピオン酸
(i)3−アミノフェニル酢酸エチルエステル
EtOH(無水、20ml)中のm−アミノ安息香酸(3.0g;19.8ミリモル)および濃H2
SO4(2ml)の溶液を75℃で3日間加熱した。溶液を濃縮し、水性Na2CO3を加え、
混合物をエーテル(80ml)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2S
O4)し、濃縮して標記化合物2.9g(82%)を得た。
(ii)3−(Boc−アミノ)フェニル酢酸エチルエステル
THF(50ml)中の3−アミノフェニル酢酸エチルエステル(1.9g;11ミリモル
;上記工程(i)から)およびBoc2O(2.3g;11ミリモル)の溶液を室温で一夜撹
拌した。得られた混合物を濃縮し、水性HClを加えた。水性
混合物を、エーテルで抽出し、有機層を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮し
て標記化合物2.5g(84%)を得た。
(iii)2−((3−Boc−アミノ)フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエ
ステル
乾燥エチルエーテル(60ml)中の3−(Boc−アミノ)フェニル酢酸エチルエス
テル(2.4g;8.6ミリモル;上記工程(ii)から)およびギ酸エチル(1.1g;15
ミリモル)の溶液に、小片のNa(0.34g;15ミリモル)を加えた。混合物を氷浴中
で冷却し、その後、無水のEtOH 0.15mlを加えた。反応混合物を、室温で3日間
撹拌した。エチルエーテル:EtOH(50:5ml)を、そのようにして形成された灰色
のスラリーに加え、溶液をしばらくの間撹拌し、透明な黄色の溶液が形成される
まで水を加えた。相を分離し、有機相をH2Oで1回抽出した。水性相を3%水性H
Clで酸性にしてpH2とし、白色の沈澱を形成させた。小量のブラインを加え、水
性混合物をエチルエーテルで抽出した。有機相を水性NaHCO3(10%)で洗浄し、
乾燥(Na2SO4)し、蒸発した。標記生成物(1.7g;64%)を透明な帯褐色の油とし
て単離した。この油はさらに精製することなく、使用するのに十分に純粋であっ
た。
(iv)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−Boc−アミノフェニル)プロピオン酸
2−((3−Boc-アミノ)フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステル
(上記工程(iii)から)から出発して、上記実施例Eに記載した方法によって製
造した。実施例 U
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−(Boc−メチルアミノ)フェニル)プロピオ
ン酸
(i)3−(ホルミルアミノ)フェニル酢酸エチルエステル
ジイソプロピルエーテル(150ml)中の3−アミノフェニル酢酸エチルエステル
(3.0g;0.017モル;上記実施例T(i)から)およびギ酸(1.5g;0.034モル)の
溶液を、Dean-Starkトラップを使用して一夜還流した。溶液を濃縮乾固し、エー
テルに溶解し、稀HClで洗浄して残留する出発物質を除去した。乾燥(Na2SO4)
および濃縮によって、標記化合物(3.1g;89%)を得た。
(ii) 3−(メチルアミノ)フェニル酢酸エチルエステル
ボラン−ジメチルスルフィド複合体の溶液(THF中2M;20ml)をTHF(乾燥;100
ml)中の3−(ホルミルアミノ)フェニル酢酸エチルエステル(4.1g;0.02モル;
上記工程(i)から)の氷冷溶液に加え、反応混合物を1時間撹拌した。得られた
溶液を稀HClに注加し、混合物を15分放置し、その後、それをエーテルで洗浄し
て未反応物質を除去した。水溶液を、アルカリ性(NaHCO3)にし、エーテルで3
回抽出した。合した有機相を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して標記化合
物3.0g(78%)を得た。
(iii) 3−(N−Boc−メチルアミノ)フェニル酢酸エチルエステル
THF(100ml)中の3−(メチルアミノ)フェニル酢酸エチルエステル(3.0g;0.
016モル;上記工程(ii)から)およびBoc2O(3.4g:0.016モル)の溶液を室温で1
2日間撹拌した。得られた溶液を濃縮して標記化合物(4.9g;定量的)を得た。(iv)2−((N−Boc−メチルアミノ)フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エ
チルエステル
3−(N−Boc−メチルアミノ)フェニル酢酸エチルエステル(2.0g;6.8ミリ
モル;上記工程(iii)から)から、実施例T(iii)に記載した方法によって製造し
て、標記生成物1.6g(73%)を得た。
(v)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−Boc−アミノフェニル)プロピオン酸
2−((N−Boc−メチルアミノ)フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチル
エステル(上記工程(iv)から)から出発して上記実施例Eに記載した方法によっ
て製造した。
実施例 V
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−クロロ−5−メチルフェニル)プロピオン酸
(i)3−クロロ−5−メチルベンジルブロマイド
CCl4中の5−クロロ−m−キシレン(14.06g;0.1モル)、NBS(17.8g;0.1モ
ル)およびAIBN(1.1g;6.7ミリモル)の溶液を2時間還流した。得られた混合物
を冷却し、形成した固体の物質を濾過によって除去した。濃縮して標記化合物(
17.9g;80%)を得た。
(ii) 3−クロロ−5−メチルフェニルアセトニトリル
DMSO(25ml)中の3−クロロ−5−メチルベンジルブロマイド(17.6g;0.8モル
;上記工程(i)から)およびNaCN(8.2g;0.16モル)の溶液を製造した。得られた
やや加温された混合物を僅かに冷却し、室温で1時間撹拌した。それからCH3CN(
25ml)を加え、混合物を1時間還流した。冷却後に、水(200ml)を加え、得られた
溶液をエーテルで3回抽出した。合した有機相を水で3回洗浄し、乾燥(Na2SO4)
し、蒸発して粗製の標記生成物16.6g(80%)を得、これをさらに精製することな
く、次の工程に使用した。
(iii)3−クロロ−5−メチルフェニル酢酸
水:i-PrOH(2:1)150ml中の3−クロロ−5−メチルフェニルアセトニトリ
ル(13.3g:上記工程(ii)から)およびKOH(17g;0.3モル)の混合物を、オー
トクレーブ中で撹拌しながら120℃で一夜加熱し、室温で2日間放置した。i-PrO
Hを蒸発し、残りを酸性(6M HCl)にしてpH2とし、エーテルで3回抽出した
。合した有機層を水で2回洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して標記化合物(10.4
g;70%)を得た。
FAB-MS m/z 366(M-1)-
(iv)3−クロロ−5−メチルフェニル酢酸エチル
EtOH(25ml)中の3−クロロ−5−メチルフェニル酢酸(5.0g;27.09ミリモル
;上記工程(iii)から)および濃H2SO4(0.1ml)の溶液を、一夜還流した。溶液
を濃縮し、得られた混合物をNa2CO3溶液(75ml)中で処理した。エーテル(2×
75ml)による抽出後、合した有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸
発して標記化合物4.92g(85%)を得た。
(v)3−オキソ−2−(3−クロロ−5−メチルフェニル)プロピオン酸エチ
ル
乾燥エチルエーテル(50ml)中の3−クロロ−5−メチルフェニル酢酸エチル
(4.89g;23ミリモル;上記工程(iv)から)、ギ酸エチル(3.3g;41.4ミリモル
)およびNa(0.63g;27.6ミリモル;小さいかたまりで添加)から、上記実施例N
(v)に記載した方法と同様にして製造して、透明な油として標記化合物3.4g(61
%)を得た。この油は、放置することによって徐々に結晶化した。
FAB-MS m/z 238,240(M-1)-
(iv)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−クロロ−5−メチルフェニル)プロ
ピオン酸
3−オキソ−2−(3−クロロ−5−メチルフェニル)プロピオン酸エチル(
上記工程(v)から)から出発して、上記実施例Eに記載した方法によって製造し
た。
実施例 W
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピオン酸
(i)3,5-ジメトキシフェニル酢酸エチル
EtAH(50ml)中の3,5-ジメトキシフェニル酢酸(2.0g:10ミリモル)および濃
Na2SO4(0.2ml)の溶液を一夜還流した。溶液を濃縮し、得られた物質を水性NaO
H(1M)に溶解した。エーテル(2×75ml)による抽出、ブラインによる合し
た有機相の洗浄、乾燥(Na2SO4)および蒸発後、標記化合物2.0g(88%)を得
た。
(ii)2−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエス
テル
3,5−ジメトキシフェニル酢酸エチル(2.0g;8.9ミリモル;上記工程(i)か
ら)から、J.Org.Chem.54,3831(1989)に記載されている方法によって製造し
て、透明な油として標記生成物3.4g(61%)を得た。この油は、放置によって徐
々に結晶化した。生成物は、さらに精製することなく、次の工程に使用するのに
十分に純粋であった。
(iii)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピオン
酸
3−オキソ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル(
上記工程(ii)から)から、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
実施例 X
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル)プ
ロピオン酸
(i)2−クロロ−5−(Boc−アミノ)ベンジルアルコール
THF:DMF(200ml;1:1)中の5−アミノ−2−クロロ安息香酸(9.0g;33
ミリモル)の氷冷溶液に、TEA(4.0g;40ミリモル)次いでクロロギ酸イソブチ
ル(5.4g;40ミリモル;滴加)を加えた。それから、混合物をさらに30分撹拌し
、形成した白色の沈澱を濾過によって除去し、濾液を−15℃に冷却し、NaBH4(3.
8g;100ミリモル)および水(20ml)を加えた。15分後に、水(200ml)を加え、溶
液を室温で1時間撹拌した。蒸発後、残
留物をMeOHに溶解した。濾過および濃縮によって粗製生成物を得、これを、フラ
ッシュクロマトグラフィー(Si−ゲル、CH2Cl2:MeOH(9:1)により精製して
、標記化合物7.4g(87g)を得た。
(ii)2−クロロ−5−(Boc−アミノ)ベンジルメシレート
CH2Cl2(100ml)中の2−クロロ−5−(Boc−アミノ)ベンジルアルコール(7.
4g;29ミリモル;上記工程(i)から)の氷冷溶液に、TEA(2.9g;29ミリモル)
次いでMsCl(3.3g;29ミリモル;滴加)を加えた。2時間撹拌した後に、得られ
た混合物を水に注加した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃
縮して標記化合物10g(100%)を得た。
(iii)(2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル)アセトニトリル
DMSO中の2−クロロ−5−(Boc−アミノ)ベンジルメシレート(上記工程(ii)
から)の撹拌溶液に、NaCN(2.9g:60ミリモル)を加え、溶液を室温で一夜撹拌し
た。混合物を水(300ml)に注加しそして水懸濁液をエーテル(4×50ml)で抽出
した。合した有機層を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。フラッシュク
ロマトグラフィー(Si−ゲル;ヘプタン;EtOAc(8:2))処理後、標記化合物5.2
g(65%)を得た。
(iv)(2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル)酢酸
水:i-PrOH(37ml;2:1)中の(2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル
)アセトニトリル(5.2g;20ミリモル;上記工程(iii)から)の溶液に、KOH(5g
;89ミリモル)を加え、溶液を一夜還流した。次に、混合物を濃縮し、水;THF(
50ml;1:1)およびBoc2Oを加えそして混合物を一
夜撹拌した。THFを蒸発し、水相をエーテル(1×50ml)で洗浄し、稀HClで酸性に
しそしてEtOAc(3×30ml)で抽出した。合した有機層を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4
)し、濃縮して、標記化合物2.8g(50%)を得た。
(v)(2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル)酢酸エチル
アセトン(100ml)中の(2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル)酢酸(2
.8g;9.8ミリモル;上記工程(iv)から)の溶液に、K2CO3(2.1g;15ミリモル)を
加えた。それから、反応混合物を撹拌および還流しながら、EtI(70.6g;150ミ
リモル)を加えた。溶液を濃縮し、得られた混合物をエーテルおよび水(1:1
;60ml)での間に分配した。有機層を分離し、水層をエーテル(30ml)で1回抽
出した。合した有機相を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して、標記化合物
3.0g(98%)を得た。
(vi)2−(2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル)−3−オキソ−プロピ
オン酸エチルエステル
(2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル)酢酸エチル(3.0g;9.6ミリモ
ル;上記工程(v)から)から、J.Org.Chem.54,3831(1989)に記載されている
方法によって製造して、透明な帯褐色の油として標記生成物1.6g(49%)を得た
。この油は、さらに精製することなく、使用するのに十分に純粋であった。
(vii)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェ
ニル)プロピオン酸
2−(2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル)−3−オキソ−プロ
ピオン酸エチルエステル(上記工程(vi)から)から、上記実施例Eに記載した方
法によって製造した。
実施例 Y
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メチルフェニル)プロピオン酸
(i)2−(3−メチルフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステル
3−メチルフェニル酢酸エチル(3.0g;17ミリモル)から出発して、J.Org
.Chem.54,3831(1989)に記載されている方法によって製造して、標記化合物2.
5g(72%)を得た。これは、さらに精製することなく、次の工程に使用するのに
十分に純粋であった。(ii)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メチルフェニル)プロピオン酸
3−オキソ−2−(3−メチルフェニル)プロピオン酸エチルエステル(上記
工程(i)から)から、上記実施例Eに記載した方法によって製造して、標記化合
物1.6g(80%)を得た。
実施例 Z
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピオン酸
(i)(2,5-ジメチルフェニル)酢酸エチル
EtOH(40ml)中の(2,5-ジメチルフェニル)酢酸(3.0g;18.3ミリモル)およ
び濃H2SO4(0.1ml)の溶液を、6日にわたって還流した。溶液を濃縮し、エーテ
ル(40ml)を加え、得られた混合物をNa2CO3溶液(2×25ml)および水(1×25
ml)で洗浄した。有機相を乾燥(NgSO4)し、蒸発し
て、透明な無色の液体として標記化合物2.94g(84%)を得た。純度97%。
(ii)2−(2,5−ジメチルフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステ
ル
(2,5−ジメチルフェニル)酢酸エチル(2.92g;15ミリモル;上記工程(i)
から)から出発して、J.Org.Chem.54,3831(1989)に記載されている方法によ
って製造して、帯褐色の黄色の油として標記生成物2.89g(86%)を得た。
(iii)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピオン酸
3−オキソ−2−(2,5−ジメトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル(2
.87g;13ミリモル;上記工程(ii)から)から、上記実施例Eに記載した方法に
よって製造して、白色の粉末として標記生成物1.37g(55%)を得た。
実施例 AA
2−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−プロピ
オン酸
(i)4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル酢酸ベエンジル
Cs2CO3(17.88g;54.9ミリモル)を、CH3CN中のホモベニリン酸(2.0g;11ミ
リモル)の溶液に加え、その後BnBr(4.3g;24.15ミリモル)を10分にわたって滴
加した。混合物を一夜還流し、ハイフロを通して濾過し、濃縮した。得られた混
合物をEtOAc(100ml)に溶解し、水(30ml)を加え、水
性層を分離した。有機相をクエン酸溶液(5%、1×20ml)およびブラインで洗浄
し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して標記化合物4.25g(定量的)を得た。
(ii)2−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−3−オキソ−プロ
ピオン酸エチル
4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル酢酸ベンジル(4.12g;11.4ミリ
モル;上記工程(i)から)から、J.Org.Chem.54,3831(1989)に記載されてい
る方法によって製造して、標記生成物1.4g(31.5%)を得た。
LC-MS m/z 327(M-1)- (iii)2−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ
−プロピオン酸エチル
MeOH:CH2Cl2 (3:1;20ml)中の2−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフ
ェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチル(1.356g;3.47ミリモル;上記工
程(iii)から)の溶液を、−15〜−5℃に冷却し、NaBH4(0.264g;6.95ミリモ
ル)を、小量ずつ加えた。冷却した反応混合物を撹拌し、その後、それを室温に
する。水を加え、混合物を部分的に濃縮した。EtOAc(2×25ml)による抽出、
ブラインによる有機相の洗浄、乾燥(Na2SO4)および蒸発後、標記化合物1.32g(
97.1%)を得た。
(iv)2−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−3−ヒドロ
キシ−プロピオン酸
THF(12.5ml)中の2−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−3
−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル(1.29g;3.29ミリモル;上記工程(iii)か
ら)の溶液に、H20(5ml)中のLiOH(0.273g:6.75ミリモル)の溶液を加え、
混合物を室温で2.5時間撹拌した。得られた混合物を部分的に濃縮し、水(25ml
)を加え、混合物をCH2Cl2で2回洗浄し、水性HCl(2M)で酸性にし、CH2Cl2
で3回抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して
、黄色の粉末10.55g(定量的)を得た。純度83.2%。
実施例 AB
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジクロロフェニル)プロピオン酸
(i)3,5−ジクロロベンジルアルコール
3,5−ジクロロ安息香酸(15.3g;80ミリモル)、TEA(8.9g;88ミリモル)、ク
ロロギ酸i-Bu(12g;88ミリモル)およびNaBH4(9.0g;240ミリモル)から、上
記実施例X(i)に記載した方法によって製造して、標記化合物10.5g(74%)を
得た。(ii)3,5−ジクロロフェニルアセトニトリル
3,5−ジクロロベンジルアルコール(10.3g;58ミリモル;上記工程(i)から)
、TEA(6.5g;64ミリモル)およびMsCl(7.0g;61ミリモル)から、上記実施
例X(ii)およびX(iii)に記載した方法によって製造して、標記化合物9.6g(89
%)を得た。
(iii)3,5−ジクロロフェニル酢酸
3,5−ジクロロフェニルアセトニトリル(9.6g;52ミリモル;上記工程
(ii)から)およびKOH(12.3g;220ミリモル)から、上記実施例X(iv)に記載し
た方法によって製造して、標記化合物7.6g(72%)を得た。
(iv) 3,5−ジクロロフェニル酢酸エチル
3,5−ジクロロフェニル酢酸(7.5g;37ミリモル;上記工程(iii)から)およ
び濃H2SO4(0.1ml)から、上記実施例T(ii)に記載した方法によって製造して、標
記化合物3.0g(35%)を得た。
(v)2−(3,5−ジクロロフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステ
ル
3,5−ジクロロフェニル酢酸エチル(3.0g;12.9ミリモル;上記工程(iv)から
)から、上記のJ.Org.Chem.54,3831(1989)に記載されている方法によって製
造して、透明な油として標記生成物(3.0g;89%)を得た。この油は、さらに精
製することなく、次の工程に使用するのに十分に純粋であった。
(vi)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジクロロフエニル)プロピオン酸
2−(3,5−ジクロロフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステル(
上記工程(v)から)から、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
実施例 AC
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2,3−ジメトキシフェニル)プロピオン酸
(i)2,3−ジメトキシフェニル酢酸エチル
EtOH(無水;20ml)中の2,3−ジメトキシフェニル酢酸(2.52g;12.8ミリモル
)の溶液に、H2SO4(30μl)を加え、溶液を20時間還流した。得られた溶液を濃
縮し、エーテルに溶解し、エーテル溶液を水性NaHCO3(2×30ml)およびブライ
ンで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮して、標記化合物を得た。
(ii)2−(2,3−ジメトキシフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエス
テル
2,3−ジメトキシフェニル酢酸エチル(2.14g;9.5ミリモル;上記工程(i)か
ら)から、J.Org.Chem.54,3831(1989)に記載されている方法によって製造し
て、透明な帯緑色の黄色の油として標記生成物(1.53g;64%)を得た。この油
は、さらに精製することなく、次の工程に使用するのに十分に純粋であった。
(iii) (R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2,3−ジメトキシフェニル)プロピオン
酸
2−(2,3−ジメトキシフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステル
上記工程(ii)から)から、上記実施例Eに記載した方法によって製造した。
LC-MS m/z 225(M-1)- 実施例 AD
(R,S)−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−5−クロロフェニル)プロピオン酸
(i)3−メトキシ−5−クロロベンズアルデヒド
3,5−ジクロロアニソール(1.1g;6.8ミリモル)を、THF(乾燥;20ml)中のマ
グネシウム片(0.20g;8.2ミリモル)に小量ずつ加えた。はじめの添加後、EtBr(
0.1ml)を加えて反応を開始した。全体の添加後、反応混合物を60℃で一夜撹拌し
、その後混合物を0℃に冷却し、DMFを加えた。1時間撹拌した後に、混合物を
水性HClに注加し、濃縮し、エーテル(3×50ml)で抽出した。合した有機相を水
で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して標記化合物2.35gを得た。
(ii)3−メトキシ−5−クロロフェニルアセトアルデヒド
3−メトキシ−5−クロロベンズアルデヒド(2.35g:13.8ミリモル;上記工
程(i)から)から出発して、P.Weierstahl等によってLiebigs Ann.1389(1995
)に記載されている方法によって製造して、標記化合物2.0g(約54%)を得た
。
(iii)(3−メトキシ−5−クロロフェニル)酢酸
3−メトキシ−5−クロロフェニルアセトアルデヒド(102mg;0.55ミリモル;
上記工程(ii)から)から、S.E.de LaszloおよびP.G.WillardによってJ.Am.Ch
em.Soc.107,199(1985)に記載されている方法により製造して、標記化合物37m
g(33.6%)を得た。
LC-MS m/z 199(M-1)- (iv)(3−メトキシ−5−クロロフェニル)酢酸エチル
EtOH(25ml)中の(3−メトキシ−5−クロロフェニル)酢酸(0.983g;4.9
ミリモル;上記工程(iii)から)および濃H2SO4(0.1ml)の溶液を一夜還流した。
得られた混合物を濃縮し、水性Na2CO3(75ml)を加えた。混合物をエーテル(2
×75ml)で抽出し、合した有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮し
て、褐色の油として標記化合物0.989g(88.3%)を得た。
(v)2−(3−メトキシ−5−クロロフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸
エチルエステル
(3−メトキシ−5−クロロフェニル)酢酸エチル(0.989g;4.33ミリモル;
上記工程(iv)から)から出発して、J.Org.Chem.54,3831(1989)に記載されて
いる方法によって製造して、標記化合物0.347g(31.3%)を得た。この生成物は
、さらに精製することなく使用するのに十分に純粋であった。
(vi)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−5−クロロフェニル)プ
ロピオン酸
2−(3−メトキシ−5−クロロフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチ
ルエステル(上記工程(v)から)から出発して、上記実施例Eに記載した方法に
よって製造した。
実施例 AE
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−メチル−5−メトキシフェニル)プロ
ピオン酸
(i)2−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン
トルエン(300ml)中の2−ブロモ−5−メトキシベンズアルデヒド(5.0g;23.
2ミリモル)の溶液に、エタンジオール(2.16g;34.2ミリモル)およびp-TsOH(
20mg)を加え、その後、混合物を12時間還流した。得られた混合物を、室温に冷
却し、水性NaHCO3で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して、標記化合物5.918g
(98%)を得た。
(ii)2−(2−メチル−5−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン
THF(乾燥、60ml)中の2−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−1,3−ジオ
キソラン(5.44g;21ミリモル;上記工程(i)から)の溶液を、窒素雰囲気下で
−78℃に冷却し、n-BuLi(1.4M;19.5ml)を、注射器を経て滴加した。添加後
、溶液を−78℃で35分撹拌し、その後MeI(13.41g;94.5ミリモル)を加えた。
得られた混合物を徐々に撹拌して室温にし、水性NH4Clでクエンチし、エーテル
で抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して、褐色の油として標記化合物
4.25g(定量的)を得た。
(iii)2−メチル−5−メトキシベンズアルデヒド
THF(60ml)および水性HCl(5%;30ml)の混合物中の2−(2−メチル−5
−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン(4.2g;21.6ミリモル;上記工程(ii)
から)の溶液を、室温で一夜撹拌した。溶液を濃縮し、混合物をエーテルで抽出
した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して、暗褐色の液体2.956g(91%)を
得た。
(iv)(2−メチル−5−メトキシフェニル)酢酸エチル
2−メチル−5−メトキシベンズアルデヒド(上記工程(iii)から)から、上
記実施例AD(ii)〜AD(iv)に記載した方法によって製造して、標記生成物1.18
g(3工程にわたって30%)を得た。
(v)2−(2−メチル−5−メトキシフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸
エチルエステル
2−メチル−5−メトキシフェニル酢酸エチル(1.16g;5.57ミリモル;上記
工程(iv)から)から出発して、J.Org.Chem.54,3831(1989)に記載されている
方法によって製造して、標記生成物0.745g(57%)を得た。
この生成物は、さらに精製することなく、使用するのに十分に純粋であった。
(vi)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−メチル−5−メトキシフェニル)プ
ロピオン酸
2−(2−メチル−5−メトキシフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチ
ルエステル(上記工程(v)から)から、上記実施例Eに記載した方法によって製
造した。
実施例 AF
(i)トロピン酸メチルエステル
トルエン:CH2Cl2(150ml;2:1)中のトロピン酸(5.0g;30ミリモル)の溶
液に、DBU(4.6g;30ミリモル)次いでMeI(4.3g;30ミリモル)を加えた。混合
物を一夜撹拌し、水を加え、相を分離した。水相を、エー
テルで抽出し、合した有機相を水性NaHCO3、水性HClおよび水で洗浄し、乾燥(N
a2SO4)し、濃縮して、標記化合物0.95g(18%)を得た。
(ii)2−メチル−2−フェニル−3−メトキシプロピオン酸メチルエステル
DMF(10ml)中のトロピン酸メチルエステル(0.9g;5.0ミリモル;上記工程(i
)から)の冷溶液に、Na(0.87g;20ミリモル)を加え、得られた混合物を15分撹
拌し、その後MeI(2.8g;20ミリモル)を加え、混合物を室温で一夜撹拌した。
混合物を水(200ml)に注加し、得られた懸濁液をエーテル(4×25ml)で抽出した
。合した有機相を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して粗製物質0.70g(約65
%)を得た。このものは、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
(iii)(R,S)−2−メチル−2−フェニル−3−メトキシプロピオン酸
MeOH(50ml)中の2−メチル−2−フェニル−3−メトキシプロピオン酸メチ
ルエステル(0.7g;3.4ミリモル;上記工程(ii)から)の溶液に、水性NaOH(
2M;50ml)を加え、混合物を2時間撹拌した。混合物を水性HClで酸性にし、
エーテル(3×50ml)で抽出した。合した有機相を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し
、濃縮して、標記化合物0.40g(約61%)を得た。
実施例 AG
(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−クロロ−3−メチルフェニル)プロピオン酸
(i)2−クロロ−3−メチル安息香酸
亜硝酸ナトリウム(14.0g;0.2ミリモル)を、水(200ml)および水性NaOH(
30%;24ml)の混合物中の2−アミノ−3−メチル安息香酸(30.2g;0.2モル
)の溶液に加えた。溶液を0℃に冷却し、撹拌しながら、濃HCl(87.6ml)およ
び氷(100g)の混合物に滴加した。数分撹拌した後、得られた溶液を水性HCl(2
3%;100g)、CuCl(20g;0.2モル)および水(40ml)の氷冷混合物に加えた。
溶液を、室温で30分撹拌し、100℃で30分撹拌し、冷却し、得られた沈澱を濾過
によって単離し、水で洗浄し、そして一夜乾燥して白色の結晶性物質27.4g(80
.3%)を得た。
LC-M Sm/z 169,171(M-1)- (ii)2−クロロ−3−メチルベンジルアルコール
2−クロロ−3−メチル安息香酸(13.65g;0.08モル;上記工程(i)から)か
ら、上記の実施例X(i)に記載した方法によって製造して、白色の結晶として標
記化合物11.38g(90.8%)を得た。
(iii)2−クロロ−3−メチルフェニルアセトニトリル
2−クロロ−3−メチルベンジルアルコール(11.3g;72.15ミリモル;上記工
程(ii)から)から、上記の実施例X(ii)およびX(iii)に記載した方法によって製
造して、帯赤色の褐色の固体として標記化合物11.4g(93%)を得た。
(iv)2−クロロ−3−メチルフェニル酢酸エチル
2−クロロ−3−メチルフェニルアセトニトリル(5.28g;32ミリモル;上記
工程(iii)から)から、実施例T(ii)に記載した方法によって製造
して、標記生成物6.3g(88.2%)を得た。
(v)2−(2−クロロ−3−メチルフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エ
チルエステル
2−クロロ−3−メチルフェニル酢酸エチル(6.28g;29.53ミリモル;上記工
程(iv)から)から、J.Org.Chem.54,3831(1989)に記載されている方法によっ
て製造して標記生成物5.418g(76.2%)を得た。この生成物はさらに精製するこ
となく次の工程に使用するのに十分に純粋であった。
LC-MS m/z 239,241 (M-1)- (vi)(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−クロロ−3−メチルフェニル)プロ
ピオン酸
2−(2−クロロ−3−メチルフェニル)−3−オキソ−プロピオン酸
エチルエステル(5.39g;22.39ミリモル;上記工程(v)から)から、上記実施例
Eに記載した方法によって製造して、標記化合物4.03g(79.8%)を得た。
本発明の化合物
実施例 1
(R)-および(S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HCl
(i)(R)-および(S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab(Z)
DMF10ml中の(R,S)−トロピン酸(0.25g;1.5ミリモル)、H-Aze-Pab(Z)×2HCl
(0.73g;1.7ミリモル;上記実施例Aから)およびTBTU(0.53g;1.7ミリモル)の
混合物を、氷浴上で冷却した。DIPEA(0.78g;6.0ミリモ
ル)を加え、反応混合物を室温で48時間撹拌した。その後、反応混合物を濃縮し
、水(NaHCO3でpHを8に調節した)400mlでうすめ、酢酸エチル(3×75ml)で抽
出した。合した有機層を、水性NaHCO3(3×50ml)および水(1×50ml)で洗浄し
、乾燥(Na2SO4)し、蒸発した。粗製生成物(0.59g)を溶離剤としてCH2Cl2(
300ml)、CH2Cl2:THF(500ml:3:1)およびTHF(1750ml)を使用して、シリ
カゲルカラム(120g)上のフラッシュクロマトグラフィー処理により精製した
。20mlずつのフラクションを集めた。フラクション41-54を濃縮して、>99:1
のジアステレオマー比を有する化合物1A150mgを得た。フラクション70-90を濃
縮して89:11のジアステレオマー比を有する化合物1Bを得た。
化合物 1A: 13C NMR(100NHz; CDCl3)アミジンおよびカルボニル炭素:173.7,171.0,168.5,
164.4
化合物 1B:
13C NMR(100MHz; CDCl3),アミジンおよびカルボニル炭素:174.8,170.8,168.0
,164.7
(ii)(R)-または(S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HCl
化合物1A(100mg; 0.19ミリモル;上記工程(i)から)をエタノール10mlに溶解
し、5%Pd/C(52mg)を加えた。混合物を大気圧で5時間水素添加した。濾過お
よび蒸発後、生成物を水5mlに溶解し、HCl(1M)190μlを加えた。凍結乾燥後
、白色の粉末として標記生成物を得た。収量は、60mg(74%)(ジアステレオマ
ー比99:1)であった。 13C NMR(75MHz; D2O),アミジンおよびカルボニル炭素(ロータマー):177.4,
176.4,175.3,174.8,160.0,157.6
(iii)(S)-または(R)-PhCHCH2OH-C(O)-Aze-Pab×HCl
標記化合物は、化合物1B(上記工程(i)から)50mg(0.097ミリモル)から
、実施例1(ii)の方法によって製造した。収量は、32mg(79%)(ジアステレオ
マー比83:17)であった。
13C NMR(75 MHz; D2O)アミジンおよびカルボニル炭素:176.6,174.9,168.9
実施例 2
(R)−および(S)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HOAc
(i)(R)−および(S)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシフェニル)−プロ
ピオン酸(0.157g;0.8ミリモル;上記実施例Eから)の溶液に、H-Aze-Pab(Z)
×2HCl(0.387g;0.88ミリモル;上記実施例Aから)を加え、混合物を氷浴上で
冷却した。TBTU(0.283g;0.88ミリモル)およびDIPEA(0.414g;3.20ミリモ
ル)を加え、反応混合物を室温で48時間撹拌した。その後、反応混合物を蒸発し
、残留物をH2O(100ml)に溶解し次いで酢酸エチル(3×25ml)で抽出した。合
した有機層を水性NaHCO3(3×25ml)およびH2O(25ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4
)し、蒸発した。粗製生成物を溶離剤としてCH2Cl2:MeOH(98:2)、酢酸エチ
ル、酢酸エチル:EtOH(95:5)、酢酸エチル:EtOH(9:1)および酢酸エチル:
EtOH(85:15)を使用して、シリカゲルカラム上でフラッシュクロマトグラフィー
処理することによって精製した。若干のフラクションを濃縮して、88:12のジア
ステレオマー比を有する化合物2A177mgを得た。他のフラクションを濃縮して
、88:12のジアステレオマー比を有する化合物2B164mgを得た。
化合物 2A
化合物 2B
(ii)(R)−または(S)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HOAc
エタノール(7ml)中の化合物2A(0.164g;0.30ミリモル;上記工程(i)か
ら)の溶液に、酢酸(0.018g;0.30ミリモル)およびPd/C(5%;0.08g)を加
えた。反応混合物を、大気圧で4時間水素添加した。反応混合物をセライトを通
して濾過し、濾液を濃縮した。粗製生成物をH2Oに溶解し、凍結乾燥して標記化
合物128mg(91%)(ジアステレオマー比88:12)を得た。
LC-MS m/z 411(M+1)+ (iii)(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HOA
c
エタノール(7ml)中の化合物2B(0.142g;0.26ミリモル;上記工程(i)か
ら)の溶液に、酢酸(0.016g;0.26ミリモル)およびPd/C(5%;0.07g)を加
えた。反応混合物を大気圧で4時間水素添加した。反応混合物をセライトを通し
て濾過し、濾液を濃縮した。粗製生成物をH2Oに溶解し、凍結乾燥して、標記化
合物113mg(92%)(ジアステレオマー比88:12)を得た。
LC-MS m/z 411 (M+1)+ 実施例 3
(R,S)−3,4−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HOAc
(i)(R,S)−3,4−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)
−プロピオン酸(0.23g;1.0ミリモル;上記実施例Fから)、H-Aze-Pab(Z)×2H
Cl(0.48g;1.1ミリモル;上記実施例Aから)およびTBTU(0.35g;1.1ミリモ
ル)の混合物を氷浴上で冷却した。DIPEA(0.52g;4.0ミリモル)を加え、反応
混合物を室温で4日間撹拌した。その後、反応混合物を濃縮した。残留物を酢酸
エチル:H2O(1:2;300ml)でうすめ、pHを水性NaHCO3で9に調節し次いで酢
酸エチル(3×100ml)で抽出した。合した有機層を、水性NaHCO3(3×100ml)お
よびH2O(3×125ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発した。粗製生成物(0.
43g)を、溶離剤として酢酸エチル(200ml)、酢酸エチル:EtOH(95:5;200
ml)、酢酸エチル:EtOH(9:1;200ml)および酢酸エチル:EtOH(85:15;2
00ml)を使用して、シリカゲルカラム(50g)上でフラッシュクロマトグラフィ
ー処理することによって精製した。収量は、標記化合物244mg(42%)(ジアス
テレオマー比52:48)であった。
FAB-MS m/z 575(M+1)+ (ii)(R,S)−3,4−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HOAc
(R,S)−3,4−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab(Z)(0.095g;0.
17ミリモル;上記工程(i)から)、酢酸(0.010g;0.17ミリモル)およびPd/C
(5%、0.087g)をエタノール(10ml)に加え、得られた混合物を大気圧で5時
間水素添加した。反応混合物を濾過し、濾液を蒸発した。
残留物をH2Oに溶解し、凍結乾燥して、白色の粉末として標記化合物70mg(85%)
(ジアステレオマー比52:48)を得た。
LC-MS m/z 441(M+1)+ 実施例 4
(R)−および(S)−2−ナフチル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HOAc
(i)(R)−および(S)−2−ナフチル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab(Z)
DMF(10ml)中のH-Aze-Pab(Z)×2HCl(0.483g;1.1ミリモル;上記実施例Aか
ら)の溶液を氷浴上で冷却した。(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−ナフチル)−
プロピオン酸(0.216g;1.0ミリモル;上記実施例Gから)、TBTU(0.353g;1.1
ミリモル)およびDIPEA(0.517g;4.0ミリモル)を加え、混合物を室温で3日間
撹拌した。次に、反応混合物を蒸発し、残留物を酢酸エチル:H2Oの混合物に溶
解し次いで酢酸エチル(2×75ml)で抽出した。合した有機層を水性NaHCO3(3×
30ml)および水(25ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発した。粗製生成物を
溶離剤として酢酸エチル、酢酸エチル:EtOH(95:5)および酢酸エチル:EtOH
(9:1)を使用して、シリカゲルカラム上でフラッシュクロマトグラフィー処
理することにより精製した。若干のフラクションを濃縮して95:5のジアステレ
オマー比を有する化合物4A 204mg(36%)を得た。他のフラクションを濃縮し
て90:10のジアステレオマー比を有する化合物4B 219mg(39%)を得た。
化合物4A
LC-MS m/z 565(M+1)+ 化合物 4B
LC-MS m/z 565(M+1)+,587(M+Na)+ (ii) (R)−または(S)−2−ナフチル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HOAc
エタノール(7ml)中の化合物4A(0.175g:0.31ミリモル;上記工程(i)か
ら)の溶液に、酢酸(0.019g;0.31ミリモル)およびPd/C(5%;0.09g)を加
えた。反応混合物を、大気圧で4時間水素添加し、セライトを通して濾過し、濾
液を濃縮した。粗製生成物を、H2Oに溶解し、凍結乾燥して標記化合物136mg(89
%)(ジアステレオマー比95:5)を得た。
LC-MS m/z 431(M+1)+ (iii)(S)−または(R)−2−ナフチル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HOAc
エタノール(7ml)中の化合物4B(0.194g;0.34ミリモル;上記工程(i)か
ら)の溶液に、酢酸(0.021g;0.34ミリモル)およびPd/C(5%;0.09g)を加
えた。反応混合物を大気圧で4時間水素添加した。反応混合物を、セライトを通
して濾過し、濾液を濃縮した。粗製生成物をH2Oに溶解し、凍結乾燥して標記化
合物151mg(90%)(ジアステレオマー比90:10)を得た。
LC-MS m/z 431(M+1)+ 実施例 5
(R)-および(S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pig×HOAc
(i)(R)−および(S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pig(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−トロピン酸(0.132g;0.8ミリモル)、H-Aze-Pig(Z)×2
HCl(0.393g;0.88ミリモル;上記実施例Cから)およびTBTU(0.283g;0.88ミリ
モル)の混合物を、氷浴上で冷却した。DIPEA(0.414g;3.20ミリモル)を加え、
反応混合物を、室温で48時間撹拌した。次に、反応混合物を濃縮し、H2O(pHをNa
HCO3で8に調節した:175ml)でうすめ、酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。合し
た有機層を、水性NaHCO3(3×25ml)およびH2O(25ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し
蒸発した。粗製生成物(0.895g)を、溶離剤としてCH2Cl2、CH2Cl2:THF(4:
1、1:1、1:4)およびCH2Cl2:MeOH(95:5、9:1)を使用して、シリカ
ゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィー処理により精製した。若干のフラ
クションを濃縮して、>99:1のジアステレオマー比を有する化合物117mgを得
た。
(後にフラクションを濃縮して、87:13のジアステレオマー比を有する上記化合
物のエピマー156mgを得た)。
(ii) (S)-または(R)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pig×HOAc
(R)-または(S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pig(Z)(0.117g;0.22ミリモル;上記工
程(i)からの化合物)、酢酸(0.013g;0.22ミリモル)およびPd/C(5%;0.06g
)を、エタノール(5ml)に加えそして混合物を、大気圧で2.5時間水素添加し、
反応混合物をセライトを通して濾過しそして濾液を蒸発した。残留物をH2Oに溶
解しそして凍結乾燥して、標記化合物92mg(93%)(ジアステレオマー比>99:1
)を得た。
13C NMR(100.5MHz;D2O)アミジンおよびカルボニルシグナル175.95,172.69,15
5.85
実施例 6
(R,S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Pro-(R,S)-Hig×HOAc
(i)(R,S)-PhCH(CH2OTBDMS)-C(O)-Pro-(R,S)-Hig(Z)
EDC×HCl(0.24g;1.25ミリモル)を、アセトニトリル(10ml)中の(R,S)-Ph
CH(CH2OTBDMS)-C(O)-Pro-OH(0.38g;1.0ミリモル;上記実施例Dから)、(R,S)-H
-Hig-Z×2HCl〔0.36g;1.0ミリモル;Boc-(R,S)-Hig(Z)(国際特許出願WO 94/
29336参照)をEtOAc中でガス状HCl(g)と反応させ次いで蒸発乾固することにより
製造した〕およびDMAP(0.49g;4.0ミリモル)の混合物に加えそして反応混合
物を室温で4日間撹拌した。反応混合物を蒸発し、残留物をH2O(300ml;pHを9
に調節した)に溶解した。水性相を、酢酸エチル(3×150ml)で抽出した。合し
た有機層を、水性NaHCO3(2×150ml)およびH2O(3×150ml)で洗浄し、乾燥(
Na2SO4)、蒸発して標記化合物0.48gを得た。これは、さらに精製することなし
に、次の工程に使用した。
(ii)(R,S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Pro-(R,S)-Hig(Z)
TFA(6.5ml;CH2Cl2中10%)中の(R,S)-PhCH(CH2OTBDMS)-C(O)-Pro-(R,S)-Hig
(Z)(0.265g;0.41ミリモル;上記工程(i)から)を、0℃で30分撹拌した。混
合物のpHを、水性K2CO3で9に調節し次いでCH2Cl2(3×75ml)で抽出した。合し
た有機層をH2Oで洗浄、乾燥(Na2SO4)しそして蒸発した。粗製生成物(0.24g)
を、溶離剤としてCH2Cl2(200ml)、CH2Cl2:EtOH(95:5;200ml)およびCH2Cl2
:EtOH(9:1;400ml)を使用して、シリカゲルカラム(50g)上でフラッシュ
クロマトグラフィー処理することにより精製した。収量は、標記化合物109mg(5
0%)であった。
LC-MS m/z 536(M+1)+ 13C NMR(100.5MHz;CDCl3)アミジンおよびカルボニルシグナル:172.72,171.74,
163.77,159.14
(iii)(R,S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Pro-(R,S)-Hig×HOAc
EtOH(10ml)中の(R,S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Pro-Hig-Z(0.11g;0.21ミリモル
;上記工程(ii)から)、Pd/C(5%;0.06g)および酢酸(0.012g:0.21ミリモル)
の混合物を、大気圧で4時間水素添加した。反応混合物を濾過しそして濾液を蒸
発した。粗製生成物を、H2Oに溶解しそして凍結乾燥して標記化合物78mg(82%
)を得た。
LC-MS m/z 402(M+1)+ 13C NMR(75.5MHz;D2O)アミジンおよびカルボニルシグナル:174.90,173.48,1
54.84
実施例 7
(R)−および(S)−2,5−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×HOAc
(i)(R)−および(S)−2,5−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab(Z)
DMF(10ml)中のH-Aze-Pab(Z)×2HCl(0.387g;0.88ミリモル)を、氷浴上で
冷却した。3−ヒドロキシ−2−(2,5−ジメトキシフェニル)−プロピオン酸(0.
181g;0.8ミリモル)、TBTU(0.283g;0.88ミリモル)およびDIPEA(0.414g;3
.20ミリモル)を加えそして反応混合物を室温で4日間撹拌した。その後、反応
混合物を蒸発しそして残留物をH2O:酢酸エチル(2:1;150ml)の混合物に溶解
し次いで酢酸エチル(3×25ml)で
抽出した。合した有機層を水性NaHCO3(3×25ml)およびH2O(25ml)で洗浄し、
乾燥(Na2SO4)しそして蒸発した。粗製生成物(0.43g)を、溶離剤として酢酸
エチル、酢酸エチル:EtOH(99:1)、酢酸エチル:EtOH(97:3)および酢酸
エチル:EtOH(95:5)を使用して、シリカゲルカラム上におけるフラッシュク
ロマトグラフィー処理によって精製した。若干のフラクションを濃縮して、>99
:1のジアステレオマー比を有する化合物7A165mgを得た。他のフラクション
を濃縮して、93:7のジアステレオマー比を有する化合物7B 185mgを得た。
化合物 7A:
LC-MS m/z 575(M+1)+,597(M+Na)+ 化合物 7B:
LC-MS m/z 575(M+1)+,597(M+Na)+ (ii)(R)−または(S)−2,5−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×H
OAc
化合物7A(0.141g;0.25ミリモル;上記(i)から)を、EtOH(7ml)に溶
解した。酢酸(0.015g;0.25ミリモル)およびPd/C(5%;0.07g)を加えそ
して混合物を大気圧で3時間水素添加した。反応混合物をセライトを通して濾過
し、濾液を蒸発した。残留物をH2Oに溶解し、凍結乾燥して標記化合物113mg(90
%)(ジアステレオマー比>99:1)を得た。
LC-MS m/z 441(M+1)+ (iii)(R)−または(S)−2,5−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab×
HOAc
化合物5B(0.164g;0.286ミリモル;上記工程(i)から)を、EtOH(7ml)に
溶解した。酢酸(0.017g;0.286ミリモル)およびPd/C(5%;0.08g)を加えそし
て混合物を大気圧で3時間水素添加した。反応混合物をセライトを通して濾過し
、そして濾液を蒸発した。残留物をH2Oに溶解し凍結乾燥して標記化合物130mg(
91%)(ジアステレオマー比93:7)を得た。
LC-MS m/z 441(M+1)+ 実施例 8
(R,S)-PhCH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab-OH
(i)(R,S)-PhCH(CH2OTBDMS)-C(O)-Pro-Pab(Z)
アセトニトリル(7ml)中の(R,S)-Ph-CH(CH2OTBDMS)-C(O)-Pro-OH(0.753g;2
.0ミリモル;上記実施例D参照)、H-Pab(Z)×HCl(0.681g;2.1ミリモル)、DMAP
(0.366g:3.0ミリモル)およびEDC(500μl;2.7ミリモル)の混合物を、室
温で3日間撹拌した。反応混合物を蒸発しそして残留物を、溶離剤として酢酸エ
チル:トルエン(2:1)およびTHF:トルエン(3:7)を使用して、シリカゲ
ルカラム上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。標記化合物の収量
は、345mg(27%)であった。
FAB-MS m/z 643(M+1)+ (ii)(R,S)-Ph-CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab(Z)
CH2Cl2(8ml)中のトリフルオロ酢酸(2ml)の混合物に(R,S)-
PhCH(CH2OTBDMS)-C(O)-Pro-Pab(Z)(0.345g;0.54ミリモル;上記工程(i)から
)を加えそして反応混合物を室温で4時間撹拌した。混合物をCH2Cl2でうすめそ
してpHを、水性Na2CO3で7に調節した。有機層を乾燥(MgSO4)蒸発した。残留
物を分取用RPLCに付し標記化合物111mg(39%)を得た。
FAB-MS m/z 529(M+1)+; LC-MS m/z 527(M-1)-,529(M+1)+,551(M+Na)+ (iii) (R,S)-Ph-CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab-OH
(R,S)-Ph-CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab(Z)(0.111g;0.21ミリモル;上記工程(ii)
から)を、EtOH(4ml)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(0.206g;3.0ミリモル)
およびトリエチルアミン(1.3ml;9.3ミリモル)の混合物に加えた。反応混合物
を、室温で4日間撹拌した。粗製生成物を、分取用RPLCに付し、標記化合物50mg
(23%)を得た。
LC-MS m/z 411 (M+1)+,433(M+Na)+
実施例 9
(R)−または(S)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab-OH
THF 11ml中のヒドロキシルアミン塩酸塩(0.083g;1.2ミリモル)およびTEA
(0.405g;4.0ミリモル)の溶液を、35分超音波処理した。(R)−または(S)−3
−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab(Z)(上記実施例2(i)からの化
合物2A;0.109g;0.2ミリモル)を加えそして混合物を40℃で一夜撹拌した。
溶剤を蒸発しそして粗製物質を、溶離剤としてCH2Cl2:IPA:HOAc(100:0:0→
90:10:0→80:20:2)、の勾配を使用してシリカゲルカラム上のフラッシュ
クロマトグラフィー処理によって、次いでHPLC(CH3CN;NH4OAc(0.1M)(32.5
:67.5))によって精製した。凍結乾燥後、白色の粉末38ml(44%)を得た。
LC-MS m/z 427(M+1)+
実施例 10
(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)−CO−Pro−Pab(Z)
H−Pro-Pab(Z)(0.5g;1.1ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載され
ている方法によって製造された)次いでTBTU(0.353g;1.1ミリモル)次いでDIPEA
(0.517g;40ミリモル)を、0℃のDMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2
−(3−メトキシフェニル)−プロピオン酸(0.196g;1ミリモル:上記実施例E
(ii)から)の溶液に加えた。室温で4日間撹拌した後、反応混合物を濃縮しそし
てRPLC(CH3CN:H4NOAc(1M)(40:60))によって精製した。フラクションを濃
縮しそしてEtOAcで4回抽出した。それから、合した有機相を乾燥(Na2SO4)、
蒸発しジアステレオマーの粗製混合物を得た。混合物(0.84g)を、RPLC(CH3C
N:H4NOAc(1M)(34:66))によってクロマトグラフィー処理した。2種のジア
ステレオマー:化合物10A(0.352g;83%;よりはやく移動するジアステレオマ
ー;HPLCによる純度90.5%)および化合物10B(0.311g;74%;よりおそく移動
するジアステレオマー;HPLCによる純度96.9%)を得た。
化合物10B:
実施例 11
(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HOAc
Pd/C(5%;10mg)を、EtOH10ml中の(S)−または(R)−3−メトキシフェ
ニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(上記実施例10からの化合物
10B;10mg;0.018ミリモル)の酸性化(HOAc;2.7mg;0.045ミリモル)溶液に加え
た。反応混合物を、室温で3.5時間水素添加(1気圧)した。溶液を、濾過し、蒸
発しそしてCH3CN:H2O(50:50)20mlに溶解した。この溶液を、凍結乾燥して、
白色の粉末として標記化合物10mg(100%)を得た。
LC-MS m/z 425(M+1)+
実施例 12
(R,S)−3−アミノフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HOAc
(i)(R,S)−(3−Boc−アミノフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−Boc−アミノフェニル)プ
ロピオン酸(0.146g;0.8ミリモル;上記実施例Tから)の溶液を、0℃に冷却
した。H−Pro−Pab(Z)×HCl(0.339g;0.88ミリモル)、TBTU(0.283g;0.88ミ
リモル)およびDIPEA(0.414g;3.20ミリモル)を、上記順序で加えそして反応
混合物を、室温で4日間撹拌した。その後、DMFを蒸発しそして残留物を、分取
用HPLC(CH3CN:NH4OAc(10%);42:58)によって精製する。CH3CNを蒸発しそして
水溶液を凍結乾燥して、標記化合物(187mg;43%)を得た。
(ii) (R,S)−(3−Boc−アミノフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HOAc
Pd/C(10%;10mg)を、EtOH 10mlおよびHOAc(10滴)中の(R,S)−(3−Boc
−アミノフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(270mg;0.42ミリモル;上
記工程(i)から)の溶液に加えた。反応混合物を、室温で1
気圧で2時間水素添加した。得られた混合物をハイフロを通して濾過した。
溶液を蒸発し、水を加えそして溶液を凍結乾燥して、白色のフォーム状物質とし
て標記化合物214mg(100%)を得た。(iii)(R,S)−3−アミノフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HOAc
HCl(6M;10ml)中の(R,S)−(3−Boc−アミノフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)
−Pro-Pab(172mg;0.42ミリモル)の溶液を、室温で2時間撹拌しそして生成物を
凍結乾燥して、白色の物質として標記化合物153mg(76%;純度94.2%)を得た。
13C NMR(100MHz;D2O)174.6,174.3(ロータマーおよび(または)ジアステレオ
マー);172.1,171.9(ロータマーおよび(または)ジアステレオマー);166.1
実施例 13
(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab−OH
THF 11ml中のヒドロキシルアミン塩酸塩(149mg;2.15ミリモル)およびTEA(72
5mg;7.16ミリモル)の溶液を、35分間超音波処理した。(S)−または(R)−3
−メトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(上記実施例10からの化合
物10B;200mg;0.36ミリモル)を加えそして混合物を、40℃で一夜加熱した。溶
剤を蒸発しそして粗製物質を、はじめに、溶離剤としてCH2Cl2:IPA:HOAc(100
:0:0…>90:10:0…>80:20:2)の勾配を使用して、シリカゲルカラム
上のフラッシュクロマトグラフィー
処理によって、次にRPLC(CH3CN:NH4OAc(0.1M)(32.5:67.5))によって精製
した。凍結乾燥して、白色の粉末として標記化合物119mg(75%)を得た。
LC-MS m/z 441(M+1)+ 13C NMR(CD3OD)アミジンおよびカルボニル炭素:174.7;173.4;161.5
実施例 14
(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab−OC(O)
Et
(i)(R)−および(S)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)−C(O)−Pro−
Pab(Z)
DMF(100ml)中の(R,S)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)COOH(3g;
9.66ミリモル;上記実施例Sから)の溶液を、氷水中で冷却し、H−Pro−Pab(Z
)(4.8g;10.63ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載されている方法によ
って製造した)、TBTU(3.4g;10.63ミリモル)およびDIPEA(5.0g;38.65ミリ
モル)を加えた。混合物を、室温で5日間撹拌し、溶液を濃縮しそして残留物をH2
O 400mlおよびEtOAc 200mlの混合物に溶解した。有機層を分離しそして水性相
をEtOAc(3×50ml)で抽出した。合した有機相を、水性NaHCO3(10%)で2回
、水で1回洗浄し、乾燥(Na2SO4)、蒸発した。粗製生成物(褐色の固体6.25g)
を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー〔EtOAc:EtOH(95:5)〕に
よって精製して、濃密な褐色の油4.27gを得た。この物質を、さらに、RPLC〔CH3
CN:NH4OAc(10%)(70:30)〕によって精製して、2種のジアステレオマー:
化合物14A(1.49g;よりはやく移動する異性体)および化合物14B(1.0
g;よりおそく移動する異性体)を得た。
LC-MS m/z 672.6(M+1)+(ラセミ体)
(ii)(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)−C(O)−Pro−
Pab−OH
THF(50ml)中のヒドロキシルアミン×HCl(0.43g;6.2ミリモル)およびTEA(
2.1g;20.8ミリモル)の溶液を、2時間超音波処理し、その後、化合物14B(0
.70g;1.04ミリモル;上記工程(i)から)を加えた。溶液を、56℃で一夜撹拌
した。蒸発後、生成物を、RPLC〔CH3CN:NH4OAc(10%)(65:35)〕により精製
して、白色の粉末として標記化合物0.396g(69%)を得た。
(iii)(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)−C(O)−Pro
−Pab−OC(O)Et
(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)−C(O)−Pro−Pab
−OH(130mg;0.23ミリモル;上記工程(ii)から)、プロピオン酸無水物(1g;
7.7ミリモル)およびDMAP(9mg;0.07ミリモル)の混合物を、室温で35分撹拌し
た。それから、得られた混合物を蒸発して黄色の油を得た。この油を、RPLC〔CH3
CN:NH4OAc(10%)(70:30)〕によって精製して、標記生成物75mg(52%)(純度
:99.6%)を得た。
(iv)(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab
−OC(O)Et
TFA(0.2ml)を、CH2Cl2中の(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(C
H2OTBDMS)−C(O)−Pro−Pab−OC(O)Et(75mg;0.12ミリモル;上記工程(iii)か
ら)の冷却溶液に加えた。溶液を、0℃で35分撹拌し、その後溶液を固体のNa2C
O3でアルカリ性にしそしてCH2Cl2で抽出した。有機相を集め、洗浄(水)し、乾
燥(Na2SO4)しそして蒸発して、粗製生成物60mgを得た。RPLC〔CH3CN:NH4OAc(
10%)(42:58)〕によって精製しそして凍結乾燥した後、白色の粉末として標記
生成物41mg(67%)を得た。
LC-MS m/z 497(M+1)+ 実施例 15
(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(0)−Pro−Pab−OC(O)
CH3
(i)(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)−C(O)−Pro−
Pab−0C(O)CH3
(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OTBDMS)−C(O)−Pro−Pab
−OH(130mg;0.23ミリモル;上記実施例14(ii)から)、無水酢酸(1ml;10ミ
リモル)およびDMAP(9mg;0.07ミリモル)の混合物を、室温で90分撹拌した。
蒸発後、粗製生成物を、RPLC〔CH3CN:NH4OAc(10%)(60:40)〕によって精製
して、標記生成物78mg(57%)を得た。
LC-MS m/z 598(M+1)+
(ii)(S)−または(R)−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab-
OC(O)CH3
TFA 0.2mlを、CH2Cl2(2.5ml)中の(S)−または(R)−3−メトキシフェニル
-CH(CH2OTBDMS)−C(O)−Pro−Pab−(OC(O)CH3)(125mg;0.21ミリモル;上記工
程(i)から)の溶液に加えそして混合物を、室温で40分撹拌した。その後、溶液
を、水性Na2CO3でアルカリ性にしそしてCH2Cl2で抽出した。有機層を水で1回洗
浄し、乾燥(Na2SO4)しそして蒸発して、粗製生成物60mgを得た。RPLC〔CH3CN
:NH4OAc(10%)(60:40)〕による精製および凍結乾燥後、白色の粉末として標記
生成物36mg(36%)を得た。
LC-MS m/z 484(M+1)+
実施例 16
(R)−または(S)−3−(メチルアミノ)フェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab
×2HCl
(i)(R,S)−((3−Boc−メチルアミノ)フェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pa
b(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−Boc−アミノフェニル)プ
ロピオン酸(0.28g;0.95ミリモル;上記実施例Uから)の溶液を、0℃に冷却
した。H−Pro−Pab(Z)×HCl(0.46g;0.88ミリモル)、TBTU(0.32g;1.0ミ
リモル)およびDIPEA(0.44g;34ミリモル)を、上記順序で加えそして反応混
合物を、室温で4日間撹拌した。その後、DMFを蒸発しそして残留物を、分取用H
PLC(CH3CN:NH4OAc(10%);42:58)によって精製した。CH3CNを蒸発しそして
水溶液を凍結乾燥して,標記化合物(220mg;43%)を得た。
(ii)(R)−および(S)−((3−Boc−メチルアミノ)フェニル)−CH(CH2OH)−C(
O)−Pro−Pab
Pd/C(10%;10mg)を、EtOH10mlおよびHOAc(10滴)中の(R,S)−((3−Boc−
メチルアミノ)フェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(270mg;0.42ミリモ
ル;上記工程(i)から)の溶液に加えた。反応混合物を、室温で1気圧で2時間
水素添加しそして得られた混合物をハイフロを通して濾過した。溶液を蒸発し、
水を加えそして溶液を凍結乾燥して、白色のフォーム状物質として粗製の標記化
合物214mg(100%)を得た。この粗製生成物を、RPLC(CH3CN:NH4OAc(0.1M);
32:68)によって精製して、ジアステレオマーを分離した。CH3CNを蒸発しそし
て水溶液を凍結乾燥して、化合物16A(よりはやく移動するジアステレオマー)お
よび化合物16B(よりおそく移動するジアステレオマー)を得た。
化合物16A:
化合物16B:
(iii)(R)−または(S)−3−(メチルアミノ)フェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pr
o−Pab×HCl
HCl(6M;10ml)中の(R)−または(S)−((3−Boc−メチルアミノ)フェニル)
−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(上記工程(ii)からの化合物16B;172mg;0.42ミ
リモル)の溶液を、室温で2時間撹拌しそして生成物を凍
結乾燥して、白色の物質として標記化合物153mg(76%;純度94.2%)を得た。
FAB-MS m/z 424(M+1)+ 13C NMR(100MHz;D2O)174.6,171.9,166.6
実施例 17
(S)−PhCH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HCl
(i)(S)−トロピン酸
ラセミトロピン酸(10g;47ミリモル)を、G Fodor等によりActa Chem.Hung
.28,407(1961)に記載されている操作によって、(1R:2R)−(−)−1−
p−ニトロフェニル−2−アミノプロパン−1,3−ジオール(7.85g;47ミリモ
ル)を使用して分割して、標記化合物0.25g(5%)を得た。
〔α〕D 20=−77°;c=0.5(H2O)(Lit:−72°)
(ii)(S)−PhCH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)
CH2Cl2(30ml)中の(S)−トロピン酸(234mg;1.4ミリモル;上記工程(i)か
ら)、H−Pro−Pab(Z)(884mg;1.95ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記
載されている方法によって製造した)およびTEA(1ml;7ミリモル)の溶液を製
造しそして0℃に冷却した。その後、HBTU(570mg;1.5ミリモル)を加えそして溶
液を一夜撹拌した。この後に、溶剤を蒸発しそして粗製生成物をRPLCによって精
製して、標記生成物0.50g(68%)を得た。
LC-MS m/z 527(M-1)-
(iii)(S)−PhCH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HCl
Pd/C(10%;161mg)を含有するEtOH(25ml)中の(S)−PhCH(CH2OH)−C(O)−P
ro−Pab(Z)(220mg;0.42ミリモル;上記工程(ii)から)の溶液を、室温で大気
圧下で18時間水素添加した。得られた溶液をハイフロを通して濾過しそして蒸発
した。形成した固体を、H2Oに溶解し、水性2M HCl1mlを加え、溶液を凍結乾
燥した。白色の固体として、標記生成物(132mg;80%)を得た。
LC-MS m/z 394.5(M+1)+
実施例 18
(R,S)−3,5−ジメチルフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab×HOAc
(i)(R,S)−3,5−ジメチルフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジメチルフェニル)プロピ
オン酸(0.155g;0.8ミリモル;上記実施例Hから)の溶液を、0℃に冷却した
。H−Aze−Pab(Z)×2HCl(0.387g:0.88ミリモル;上記実施例Aから)次いでT
BTU(0.283g;0.88ミリモル)次いでDIPEA(0.414g;3.2ミリモル)を加えそし
て溶液を室温で4日間撹拌した。溶液を濃縮しそして得られた混合物をRPLC〔CH3
CN:NH4OAc(10%)(40:60)〕によって精製した。CH3CNを蒸発しそして水性相を
EtOAcで抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、蒸発乾固した。標記生成物(270mg
;62%)を、白色の固体として単離した。
(ii)(R,S)−3,5−ジメチルフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab×HOAc
EtOH(10ml)中の(R,S)−3,5−ジメチルフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pa
b(Z)(0.229g;0.42ミリモル;上記工程(i)から)の溶液に、酢酸(24μl)
およびPd/C(5%;0.115g)を加えた。溶液を、大気圧および室温で2.5時間水素
添加した。混合物をハイフロを通して濾過しそして得られた溶液を濃縮し、最小
量の水に溶解しそして凍結乾燥して、白色の固体として標記化合物0.174g(88
%;純度93.6%)を得た。
LC-MS m/z 409(M+1)+
実施例 19
(S)−または(R)−3−(トリフルオロメチル)フェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro
−Pab×HCl
(i)(R)−および(S)−3−(トリフルオロメチル)フェニル−CH(CH2OH)−C(O
)−Pro−Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−トリフルオロメチルフェニ
ル)プロピオン酸(0.25g;1.07ミリモル;上記実施例Iから)、H−Pro−Pab(
Z)(0.532g;1.17ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載されている方法
により製造した)およびTBTU(0.377g;1.7ミリモル)の溶液を、0℃に冷却しそ
してDIPEA(0.72g;4.27ミリモル)を加えた。得られた混合物を、室温で40時
間撹拌した。反応混合物を、濃縮し、水(400ml)を加えそしてpHを水性NaHCO3
で9に調節した。得られた混合物を、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合した有
機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして蒸発した。分取用HPLC〔CH3C
N:NH4OAc(0.1M)(45:55)〕によって、2種のジアステレオマー:化合物19A(8
7mg;0.15ミリモル;HPLCによる純度94.4%;よりはやく移動するジアステレオ
マー)および化合物19B(120mg;0.20ミリモル;HPLCによる純度91%;よりおそ
く移動するジアステレオマー)を得た。
LC-MS m/z 597(M+1)+(両ジアステレオマー)
(ii)(S)−または(R)−3−(トリフルオロメチル)フェニル−CH(CH2OH)
−CO−Pro−Pab×HCl
Pd/C(10%)を、EtOH(10ml)および水性HCl(1M;0.4ml)中の(R)−または
(S)−3−(トリフルオロメチル)フェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(11
8mg;0.20ミリモル;上記工程(i)からの化合物19B)の溶液に加えた。混合物
を、室温および大気圧で3時間水素添加した。得られた混合物を、ハイフロを通
して濾過しそして溶液を蒸発した。水を加えそして溶液を凍結乾燥して、白色の
固体として標記化合物66mg(66.9%)(HPLCによる純度94.5%)を得た。
LC-MS m/z 463(M+1)+
実施例 20
(R,S)−3−ヒドロキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HOAc
(i)(R,S)−3−ヒドロキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)
DMS(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシフェニル)−プロ
ピオン酸(0.146g;0.8ミリモル;上記実施例Jから)の溶液を、0℃に冷却し
た。H−Aze−Pab(Z)×HCl(0.399g;0.88ミリモル;上記実施例Aから)、TBTU
(0.283g;0.88ミリモル)およびDIPEA(0.414g;3.2ミリモル)を加えそして溶
液を、室温で4日間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた混合物を、RPLC〔
CH3CN:NH4OAc(10%)(42:58)〕によって精製した。CH3CNを蒸発し、水性溶液を
凍結乾燥した。標記生成物(187mg:43%)が白色の固体として単離された。(ii)(R,S)−3−ヒドロキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×
HOAc
酢酸(18μl)およびPd/C(5%)を、EtOH(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ
フェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(0.173g;0.32ミリモル;上記工程(
i)から)の溶液に加えた。溶液を、大気圧および室温で3時間水素添加した。
混合物を、ハイフロを通して濾過し、得られた溶液を濃縮し、最小量の水に溶解
しそして凍結乾燥して、綿毛状の白色結晶0.133g(89%;純度94.2%)を得た
。
LC-MS m/z 411(M+1)+
実施例 21
(R)−または(S)−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro
−Pab×HCl
(i)(R)−および(S)−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−CH(CH2OH)−C(O
)−Pro−Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−クロロ−5−メチルフェニ
ル)プロピオン酸(0.30g;1.4ミリモル;上記実施例Vから)の溶液を、0℃に冷
却した。H−Pro−Pab(Z)×HCl(0.70g;1.54ミリモル)、TBTU(0.99g;1.5
ミリモル)およびDIPEA(0.94g;5.5ミリモル)を上記順序で加えそして反応混合
物を室温で4日間撹拌した。その後、DMFを蒸発しそして得られた混合物を水(40
0ml)に注加しそしてpHを、水性NaHCO3(10%)で9に調節した。水性混合物を、
EtOAc(3×100ml)で抽出し、合した有機相を水性NaHCO3(10%)、水、ブライン
で洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した。粗製生成物(0.674g)を、RPLC(C
H3CN:NH4OAc(10%);45:55)によって精製し、それによってジアステレオマ
ーを分離した。CH3CNを蒸発しそして水溶液をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗
浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して、化合物21A(125mg;31%;よりはやく
移動するジアステレオマー)および化合物21B(102mg;25%;よりおそく移動す
るジアステレオマー)を得た。
化合物21B:
FAB-MS(m/z)577,579(M+1)+ (ii)(R)−または(S)−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−CH(CH2OH)−C(O
)−Pro−Pab×HCl
チオアニソール(1.04g;8.83ミリモル)を、TFA 3.7ml中の(R)−または(S)
−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(上記工
程(i)からの化合物21B;0.102g;0.18ミリモル)の溶液に加えた。反応混合物
を、室温で3時間撹拌した。得られた混合物を、水に溶解し、水溶液をエーテル
で2回洗浄しそして得られた溶液を凍結乾燥した。粗製生成物を、分取用HPLC(
CH3CN:NH4OAc(0.1M);35:65)によって精製した。CH3CNを蒸発しそして水溶液
を凍結乾燥して、白色の粉末として標記化合物50mg(59%)を得た。
13C NMR(100MHz;CD3OD)174.9,173.1,168.3
実施例 22
(S)−または(R)−3−フルオロフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HCl
(i)(R)−および(S)−3−フルオロフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(
Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−フルオロフェニル)プロピ
オン酸(0.2g;1.09ミリモル;上記実施例Kから)、H−Pro−Pab(Z)(0.542g
;1.19ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載されている方法によって製造
した)およびTBTU(0.383g;1.19ミリモル)の溶液を、0℃に冷却しそしてDIPE
A(0.73g;4.34ミリモル)を加えた。得られた混合物を、室温で22時間撹拌した
。反応混合物を濃縮し、水(400ml)を加えそしてpHを、水性NaHCO3で9に調節
した。合した有機相を、水性NaHCO3、水そしてそれからブラインで洗浄し、乾燥
(Na2SO4)し、そして蒸発した。それから、得られた混合物をEtOAc(3×100ml)
で抽出した。RPLC〔CH3CN:NH4OAc(0.1M)(45:55)〕によって、2種のジアス
テレオマー:化合物22A(85mg;0.16ミリモル;HPLCによる純度90%;よりはや
く移動するジアステレオマー)および化合物22B(95mg;0.17ミリモル;HPLCに
よる純度91%;よりおそく移動するジアステレオマー)を分離した。
LC-MS m/z 547(M+1)+(両ジアステレオマー)
(ii)(S)−または(R)−3−フルオロフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab
×HCl
Pd/C(10%)を、EtOH(10ml)および水性HCl(1M;0.4ml)中の化合物22B
(85mg;0.16ミリモル;上記工程(i)から)の溶液に加えそして混合物を室温お
よび大気圧で3時間水素添加した。得られた混合物を、ハイフロを通して濾過し
そして溶液を蒸発した。水を加えそして溶液を凍結乾燥して、白色の固体(純度
93.3%(HPLC))62.9mg(90.1%)を得た。
LC-MS m/z 413(M+1)+
実施例 23
(S)−および(R)−3−クロロフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HOAc
(i)(R,S)−3−クロロフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)
DMF(20ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−クロロフェニル)−プロピオ
ン酸(0.30g;1.5ミリモル;上記実施例Lから)、H−Pro−Pab(Z)(0.77g;1.
7ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載されている方法によって製造した
)、TBTU(0.55g;1.7ミリモル)およびDIPEA(0.41g;3.2ミリモル)の溶液を
、2日間撹拌した。得られた混合物を、トルエン:EtOAc(1:1;300ml)で抽
出し、有機層を集め、水性NaHCO3および水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして蒸
発した。フラッシュクロマトグラフィー(Siゲル、CH2Cl2:THF(7:3))によっ
て、標記化合物0.50g(59%)を得た。
FAB-MS m/z 562.4,564.5(M+1)+
(ii)(R)および(S)−(3−クロロフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×H
OAc
トリフルオロメタンスルホン酸(0.2g;1.3ミリモル)を、CH2Cl2およびアニ
ソール(43mg;0.40ミリモル)中の(R,S)−3−クロロフェニル−CH(CH2OH)-C(O
)−Pro−Pab(Z)(0.15g;0.27ミリモル;上記工程(i)から)の溶液に加えた。
得られた混合物を、1時間撹拌しそしてその後濃縮した。それから、水を加えそ
して水溶液のpHを、水性NaHCO3で約9に調節した。水性相をエーテルで洗浄しそ
して凍結乾燥して粗製生成物を得た。RPLCによって、2種のジアステレオマー:
化合物23A(11mg;19%;HPLCによる純度81.7%;よりはやく移動するジアステ
レオマー)および化合物23B(11mg;19%;HPLCによる純度90.0%;よりおそく
移動するジアステレオマー)を分離した。
化合物23A:
LC-MS m/z 428.4(M+1)+
化合物23B:
FAB-MS m/z 431 (M+1)+
実施例 24
(R,S)−3,5−ジメチルフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HOAc
(i)(R,S)−(3,5−ジメチルフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジメチルフェニル)ピロピ
オン酸(0.155g;0.8ミリモル;上記実施例Hから)の溶液を、0℃に冷却した
。H−Pro−Pab(Z)×2HCl(0.399g;0.88ミリモル;国際特許出願WO 97/0228
4に記載されている方法によって製造した)、TBTU(0.283g;0.88ミリモル)お
よびDIPEA(0.414g;3.2ミリモル)を上記順序で加えそして溶液を、室温で5
日間にわたって撹拌した。反応混合物を濃縮しそして残留物を、RPLC〔CH3CN:N
H4OAc(10%)(40:60)〕によって精製した。CH3CNを蒸発し、そして水性相をEtOAc
で抽出した。有機相を、乾燥(Na2SO4)しそして蒸発乾固した。標記生成物(300m
g;67%)を、明るい黄色の固体として単離した。
(ii)(R,S)−(3,5−ジメチルフェニル)-CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HOAc
酢酸(29μl)およびPd/C(5%;0.140g)を、EtOH(10ml)中の(R,S)−(3,
5−ジメチルフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(0.280g;0.50ミリモ
ル;上記工程(i)から)の溶液に加えた。溶液を、大気圧および室温で2.5時間
水素添加した。それから、混合物をハイフロを通して濾過しそして得られた溶液
を濃縮し、最小量の水に溶解しそして凍結乾燥して、白色の結晶0.174g(88%
;純度92.1%)を得た。
LC-MS m/z 423(M+1)+ 13
C NMR(100MHz;D2O)(カルボニルおよびアミジン炭素、ジアステレオマーおよ
び(または)ロータマー)174.93,173.17,173.02,166.55,166.40
実施例 25
(S)−または(R)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−CH(CH2OH)−C(O)
−Pro−Pab×HCl
(i)(R)および(S)−2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−CH(
CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)
DMF(10ml)中の3−ヒドロキシ−2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル)−プロピン酸(284mg;0.94ミリモル;上記実施例Mから)、H−Pro−Pab(Z
)×2HCl(468mg;1.03ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載されている方
法によって製造した)およびTBTU(332mg:1.03ミリモル)の溶液を、0℃に冷却し
そしてDIPEA(485mg;3.76ミリモル)を加えた。反応混合物を、室温で60時間撹
拌した。溶液を水400mlに注加し、pHを水性NaHCO3によって9に調節しそして溶
液をEtOAc 3×100mlで抽出した。合した有機相を、水性NaHCO3、水およびブラ
インで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして蒸発した。分取用HPLC〔CH3CN:NH4OAc(
0.1M)(55:45)〕によって、2種のジアステレオマー:化合物25A(161mg;0.2
4ミリモル;HPLCによる純度86.9%;よりはやく移動するジアステレオマー)お
よび化合物25B(241mg;0.36ミリモル;HPLCによる純度90.9%;よりおそく移動
するジアステレオマー)を分離した。
化合物25B:
(ii)(S)−または(R)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−
CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab
Pd/C(10%)をEtOH(10ml)および水性HCl(1M;0.7ml)中の化合物25B(23
5mg;0.35ミリモル;上記工程(i)から)の溶液に加えた。混合物を周囲温度およ
び大気圧で3時間水素添加した。反応混合物を濾過し、濃縮し、水を加え、得ら
れた溶液を凍結乾燥して、白色のフォーム状物質として標記化合物174mg(83.3
%)(HPLCによる純度92.7%)を得た。
LC-MS m/z 531(M+1)+
実施例 26
(R,S)−3−メトキシ−5−メチルフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HCl
(i)(R,S)−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−P
ab(Z)
CH2Cl2中の3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)−プロ
ピオン酸(0.19g;0.9ミリモル;実施例Nから)、H−Aze−Pab(Z)×2HCl(0.3
5g:0.99ミリモル;上記実施例Aから)およびTBTU(0.32g;0.99ミリモル)
の混合物を、氷浴上で冷却し、DIPEA(0.47g;3.7ミリモル)を加えた。混合物
を室温で一夜撹拌した。その後、CH2Cl2を蒸発し、粗製混合物をフラッシュクロ
マトグラフィー処理(CH2Cl2:THF:MeOH(11:2:1);Si−ゲル)した。集めた
フラクションをH2Oに溶解し、僅かに濁った水溶液をEtOAcで抽出した。有機層を
乾燥(Na2SO4)し、蒸発して標記化合物0.18g(35%)を得た。
(ii)(R,S)−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−P
ab×HCl
EtOH 10ml中の(R,S)−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)−CH(CH2OH)−C(0
)−Pro−Pab(Z)(100mg;0.17ミリモル;上記工程(i)から)、濃水性HCl(10滴
)およびPd/C(10%)の混合物を室温および大気圧で2時間にわたって水素添
加した。得られた混合物をハイフロを通して濾過し、濃縮し、最小量の水に溶解
した。凍結乾燥して、標記化合物75mg(90%)(HPLCによる純度92%)を得た。
LC-LM m/z 440(M+1)+
実施例 27
(R,S)−(2,5−ジメトキシフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HOAc
(i)(R,S)−(2,5−ジメトキシフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2,5−ジメトキシフェニル)−
プロピオン酸(0.23g;1.0ミリモル;上記実施例Oから)の溶液を、0℃に冷
却した。H−Pro−Pab(Z)×2HCl(0.500g;1.1ミリモル;国際特許出願WO 97
/02284に記載されている方法によって製造した)、TBTU(0.353g;1.1ミリモ
ル)およびDIPEA(0.517g;4.0ミリモル)を上記順序で加え、溶液を室温で3
日間にわたって撹拌した。DMFを蒸発し、得られた混合物をRPLC〔CH3CN:NH4OAc
(10%)(40:60)〕によって精製した。CH3CNを蒸発し、水性相をEtOAcで抽出し
た。有機相を乾燥(Na2SO4)し、蒸発乾固した。標記生成物(400mg;68%)を明
るいピンク色の固体として単離した。
(ii)(R,S)−(2,5−ジメトキシフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HOAc
酢酸(36μl)およびPd/C(5%;0.190g)をEtOH(10ml)中の(R,S)−(2,5
−ジメトキシフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(0.375g;0.64ミリモ
ル;上記工程(i)から)の溶液に加えた。溶液を大気圧および室温で3.5時間水
素添加した。混合物をハイフロを通して濾過し、得られた溶液を濃縮し、最小量
の水に溶解し、凍結乾燥して白色の結晶0.174g(88%;純度92.1%)を得た。
LC-MS m/z 455(M+1)+
実施例 28
(R,S)−(3,5−ジメトキシフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HCl
(i)(R,S)−(3,5−ジメトキシフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)
DMF 10ml中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)−プロ
ピオン酸(0.18g;0.8ミリモル;上記実施例Pから)、H−Pro−Pab(Z)×2HC
l(0.40g;0.88ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載されている方法によ
って製造した)およびTBTU(0.28g;0.88ミリモル)の混合物を、氷浴上で冷却
し、DIPEA(0.39g;3.0ミリモル)を加えた。混合物を、室温で一夜撹拌し、そ
の後、得られた混合物を濃縮した。粗製生成物を、フラッシュクロマトグラフィ
ー処理(CH2Cl2:THF:MeOH(10:3:1);Si−ゲル)した。水を、集めたフラク
ションに加え、得られた混合物をEtOAcで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、
蒸発して標記化合物0.32g(68%)を得た。 (ii)(R,S)−3,5−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HCl
濃HCl 10滴およびPd/C(10%)を、EtOH(10ml)中の(R,S)−(3,5−ジメトキ
シフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(0.16g;0.27ミリモル;上記工
程(i)から)の溶液に加えた。混合物を室温および大気圧で2時間水素添加した
。得られた混合物をハイフロを通して濾過し、蒸発乾固して標記化合物0.14g(
100%)(HPLCによる純度94.2%)を得た。
FAB-MS m/z 455(M+1)+
実施例 29
(R,S)−3,4−(メチレンジオキシフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×HCl
(i)(R,S)−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(
Z)
CH2Cl2(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,4−メチレンジオキシフ
ェニル)−プロピオン酸(0.21g;1.0ミリモル;上記実施例Qから)、H−Pro−P
ab(Z)×2HCl(0.50g;1.1ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載されて
いる方法によって製造した)、TBTU(0.35g;1.1ミリモル)およびDIPEA(0.47g
;3.7ミリモル)の溶液を7日間にわたって撹拌した。得られた混合物を蒸発し
、粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー処理(CH2Cl2:THF(7:3))によ
って精製した。問題の合したフラクションを濃縮し、粗製生成物をEtOAcに溶解
した。溶液を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して、標記化合物0.28g(49
%)を得た。 (ii)(R,S)−3,4−メチレンジオキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×H
Cl
濃HCl 6滴およびPd/C(10%)を、EtOH(10ml)中の(R,S)−(3,4−メチレン
ジオキシフェニル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)(90mg;0.16ミリモル:上
記工程(i)から)の溶液に加えた。混合物を、室温および大気圧で2時間水素添
加した。得られた混合物をハイフロを通して濾過し、蒸発乾固して標記化合物69
mg(92%)を得た。
FAB-MS 439(M+1)+ 13
C NMR(100MHz;CDCl3)(カルボニルおよびアミジン炭素;ロータマーおよび(ま
たは)ジアステレオマーのため複雑化)174.96,174.79,173.04,166.58,172.99
,166.45
実施例 30
(S)−または(R)−3−(1−ナフチル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro-Pab
(i)(R)−および(S)−3−(1−ナフチル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(1−ナフチル)−プロピオン酸
(0.3g;1.39ミリモル;上記実施例Rから)、H−Pro−Pab(Z)(0.692g;1.53
ミリモル;国際特許出願W0 97/02284に記載されている方法によって製造した)
およびTBTU(0.490g;1.53ミリモル)の溶液を0℃に冷却し、DIPEA(0.93g;
5.55ミリモル)を加えた。得られた混合物を、室温で60時間にわたって撹拌した
。DMFを部分的に蒸発し、残留物を、水400mlに注加した。pHを水性NaHCO3により
9に調節し、溶液をEt0Ac 3×100mlで抽出した。合した有機相を水性NaHCO3、
水およびブラインで洗滌し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発した。分取用HPLC〔CH3CN:
NH4OAc(0.1M)(45:55)〕によって、2種のジアステレオマー:化合物30A(26
2mg;0.45
ミリモル;HPLCによる純度92.4%;よりはやく移動するジアステレオマー)およ
び化合物30B(199mg;0.34ミリモル;HPLCによる純度99.9%;よりおそく移動す
るジアステレオマー)を分離した。
LC-MS m/z 580(M+1)+(両ジアステレオマー)
(ii)(S)−または(R)−3−(1−ナフチル)−CH(CH2OH)−C(O)−Pro−Pab×H
Cl
Pd/C(10%)をEtOH(10ml)および水性HCl(1M;0.66ml)中の化合物30B(1
90mg;0.16ミリモル;上記工程(i)から)の溶液に加え、混合物を室温および大
気圧で3時間水素添加した。得られた混合物をハイフロを通して濾過し、溶液を
蒸発した。水を加え、溶液を凍結乾燥して、白色のフォーム状の物質157mg(99.4
%)(HPLCによる純度99.8%)を得た。
LC-MS m/z 445(M+1)+
実施例 31
(R,S)−3,5−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab×HOAc
(i)(R,S)−3,5−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)−
プロピオン酸(0.27g;1.2ミリモル;上記実施例Wから)の溶液を0℃に冷却
した。H−Aze−Pab(Z)×2HCl(0.57g;1.3ミリモル;上記実施例Aから)、TBT
U(0.42g;1.3ミリモル)およびDIPEA(0.54g;4.2ミリモル)を上述した順序で
加え、溶液を室温で2日間撹拌した。DMFを蒸発し、粗製生成物を溶離剤としてC
H2Cl2:THF:MeOH(80:30:5)を使用して、シリカゲルカラム上のフラッシュク
ロマトグラフィー処理により精製して、標記生成物230mg(34%)を得た。
(ii)(R,S)−3,5−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab×HOAc
Pd/C(10%)を、EtOH(10ml)およびHOAc(10滴)中の(R,S)−3,5−ジメトキ
シフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab(Z)(270mg;0.42ミリモル;上記工程(
i)から)の溶液に加え、混合物を室温および大気圧で2時間水素添加した。得
られた混合物をハイフロを通して濾過した。溶液を蒸発し、水を加え、溶液を凍
結乾燥して標記化合物170mg(89%)を得た。
FAB-MS m/z 441(M+1)+ 13C NMR(100MHz:D2O)カルボニルおよびアミジン炭素:δ182.0;174.4;174.0;
(ロータマーおよび(または)ジアステレオマー);173.2;172.9; 172.8(ロータマ
ーおよび(または)ジアステレオマー)
実施例 32
(R,S)−2−クロロ−5−アミノフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab×HOAc
(i)(R,S)−2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze
−Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−クロロ−5−(Boc−アミ
ノ)フェニル)プロピオン酸(0.22g;0.7ミリモル;上記実施例Xから)の溶液
を0℃に冷却した。H−Aze−Pab(Z)×2HCl(0.32g;0.75ミリモル;上記実施
例Aから)、TBTU(0.24g;0.75ミリモル)およびDIPEA(0.32g;2.5ミリモル
)を上述した順序で加え、溶液を室温で2日間撹拌した。DMFを蒸発し、粗製生
成物を溶離剤としてCH2Cl2:THF:MeOH
(85:15:5)を使用して、シリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィ
ー処理により精製して、標記生成物180mg(39%)を得た。(ii)(R,S)−2−クロロ−5−アミノフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab×
HOAc
(R,S)−2−クロロ−5−(Boc−アミノ)フェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pa
b(Z)(170mg;0.26ミリモル;上記工程(i)から)、TFA(5.3ml;69ミリモル)お
よびチオアニソール(1.6g;13ミリモル)から、上記実施例23(ii)に記載した
方法によって製造して、標記生成物40mg(32%)を得た。
実施例 33
(S)−および(R)−3−メチルフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab×HOAc
(i)(R,S)−3−メチルフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メチルフェニル)−プロピ
オン酸(0.18g;1ミリモル;上記実施例Yから)の溶液を0℃に冷却した。H
−Aze−Pab(Z)×2HCl(0.48g;1.1ミリモル;上記実施例Aから)、TBTU(0.35
g;1.1ミリモル)およびDIPEA(0.52g;4ミリモル)を上述した順序で加え、
溶液を室温で2日間撹拌した。DMFを蒸発し、得られた物質を水性NaHCO3(300ml
)に溶解し、EtOAc(100ml)を加えた。相を分離し、水性相をEtOAc(4×75ml)で
抽出した。合した有機相を、水性
NaHCO3(1×75ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発した。粗製生成物(0.3
g)を、RPLC(CH3CN:NH4OAc(10%)(40:60)〕によって精製して、標記生成
物118mg(20%)を得た。
LC-MS m/z 528(M+1)+ (ii)(S)−および(R)−3−メチルフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab×H
OAc
Pd/C(5%;0.13g)を、EtOH(10ml)およびHOAc(17μl)中の(R,S)−3−
メチルフェニル−CH(CH2OH)−C(O)−Aze−Pab(Z)(114mg;0.22ミリモル;上記工
程(i)から)の溶液に加え、混合物を室温および大気圧で3時間水素添加した。
得られた混合物をハイフロを通して濾過した。溶液を蒸発し、水を加え、混合物
をEtOAcで洗浄し、溶液を凍結乾燥して粗製生成物48mgを得た。RPLC〔CH3CN:NH4
OAc(10%)(20:80)〕によって、ジアステレオマー:化合物33A(よりはやく移
動するジアステレオマー;17mg)および化合物33B(よりおそく移動するジアス
テレオマー;15mg;純度99.1%)を分離した。
化合物33A:
LC-MS m/z 395(M+1)+ 13C NMR(75MHz:D2O)カルボニルおよびアミジン炭素:δ175.7;174.6;(ロータ
マー);173.5;173.0(ロータマー)
実施例 34
(S)−または(R)−2,5−ジメチルフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab×HOAc
(i)(R)−および(S)−2,5−ジメチルフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピ
オン酸(0.27g;1.2ミリモル;上記実施例Zから)の溶液を0℃に冷却した。H-P
ro-Pab(Z)×2HCl(0.75g;1.65ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載され
ている方法によって製造した)、TBTU(0.53g、1.65ミリモル)およびDIPEA(0.78
g、6ミリモル)を上述した順序で加え、溶液を室温で2日間撹拌した。DMFを蒸
発し、水性NaHCO3を加え、水溶液をEtOAc(3×30ml)で抽出した。合した有機相
を水性NaHCO3(2×20ml)、H2Oで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して粗製生成物0
.35g(42%)を得た。分取用HPLC〔CH3CN:NH4OAc(10%);(45:55−80:20)〕に
よって、ジアステレオマー:化合物34A(よりはやく移動するジアステレオマー;
136mg;32%;純度97.6%)および化合物34B(よりおそく移動するジアステレオマ
ー;197mg;74%;純度98.4%)を分離した。
化合物34B:
(ii)(S)−または(R)−2,5−ジメチルフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab×HOA
c
EtOH(10ml)およびHOAc(10滴)中の(R)−または(S)−2,5−ジメチルフェニル−C
H(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab(Z)(61mg;0.11ミリモル;上記工程(i)からの化合物34B
)の溶液に、Pd/C(5%;45mg)を加え、混合物を室温およ
び大気圧で5時間水素添加した。得られた混合物をハイフロを通して濾過し、溶
液を濃縮し、水を加え、溶液を凍結乾燥して白色の粉末として標記化合物45mg(8
9%、純度97.8%)を得た。
LC-MS m/z 423(M+1)+ 実施例 35
(S)−または(R)−4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro
-Pab×HCl
(i)(R)−および(S)−4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH
)-C(O)-Pro-Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(4−ベンジルオキシ−3−メト
キシフェニル)プロピオン酸(0.27g;1.2ミリモル;上記実施例AAから)の溶液を
0℃に冷却した。H-Pro-Pab(Z)×2HCl(0.66g;1.46ミリモル;国際特許出願WO
97/02284に記載されている方法によって製造した)、TBTU(0.467g、1.46ミリモ
ル)およびDIPEA(0.69ml、5.29ミリモル)を、上述した順序で加え、溶液を室温で
3日間撹拌した。DMFを蒸発し、水性NaHCO3を加え、水溶液をEtOAc(3×100ml)
で抽出した。合した有機相を水性NaHCO3(1×20ml)、H2Oおよびブラインで洗浄
し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して粗製生成物0.983g(定量的)を得た。分取用HPLC
〔CH3CN:NH4OAc(10%)(50:50)〕によって、ジアステレオマー:化合物35A(よ
りはやく移動するジアステレオマー;136mg;32%;純度98.5%)および化合物34
B(よりおそく移動するジアステレオマー;163mg;47%;純度99.2%)を分離した
。
化合物35B:
(ii)(S)−または(R)−4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(
O)-Pro-Pab×HCl
Pd/C(10%)をEtOH(10ml)および水性HCl(1M;0.5ml)中の(R)−または(S)−
4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab(Z)(157m
g;0.24ミリモル;上記工程(i)からの化合物35B)の溶液に加え、混合物を室温
および大気圧で4.5時間水素添加した。得られた混合物をハイフロを通して濾過
し、溶液を濃縮し、水を加え、溶液を凍結乾燥して白色の粉末として標記化合物
104mg(90.9%;純度97.4%)を得た。
LC-MS m/z 441(M+1)+ 13C-NMR(100MHz;D2O)カルボニルおよびアミジン炭素:δ174.8;173.9;173.1;1
66.3(ロータマー)
実施例 36
(S)−または(R)−3,5−ジクロロフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab×HOAc
(i)(R)−および(S)−3,5−ジクロロフェニル−CH(CH2OH)-C(0)-Pro-Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3,5−ジクロロフェニル)プロピ
オン酸(0.35g;1.5ミリモル;上記実施例ABから)の溶液を0℃に冷却した。H-P
ro-Pab(Z)×2HCl(0.75g;1.65ミリモル;国際特許出願
WO 97/02284に記載されている方法によって製造した)、TBTU(0.53g;1.65ミリ
モル)およびDIPEA(0.78g;6ミリモル)を上述した順序で加え、溶液を室温で一
夜撹拌した。DMFを蒸発し、H2Oを加え、水溶液をEtOAc(3×30ml)で抽出した。
合した有機相を水性NaHCO3(2×20ml)、H2Oで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発し
て粗製生成物0.32g(36%)を得た。100%のEtOAc〜EtOAc:EtOH(100:5)の勾配
を使用したシリカゲル(110g)上のフラッシュクロマトグラフィー処理によって
、ジアステレオマー:化合物36A(よりはやく移動するジアステレオマー;153mg
;34%;純度89.2%)および化合物36B(よりおそく移動するジアステレオマー;1
66mg;37%;純度85.2%)を分離した。
化合物36B:
(ii)(S)−または(R)−3,5−ジクロロフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab×HOA
c
(R)−または(S)−3,5−ジクロロフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab(Z)(130mg
;0.22ミリモル;上記工程(i)からの化合物26B)、アニソール(35mg;0.33ミリ
モル)およびトリフルオロメタンスルホン酸(0.16g;1.1ミリモル)から、実施例
23(ii)に記載した方法によって製造して、標記化合物15mg(13%)を得た。
LC-MS m/z 463,465(M+1)+ 実施例 37
(S)−または(R)−2,3−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab×HOAc
(i)(R)−および(S)−2,3−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(0)-Pro-Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2,3−ジメトキシフェニル)プロ
ピオン酸(0.21g;0.93ミリモル;上記実施例ACから)の溶液を0℃に冷却した。
H-Pro-Pab(Z)×2HCl(0.46g;1.02ミリモル;国際特許出願W0 97/02284に記載
されている方法によって製造した)、TBTU(0.32g;1.0ミリモル)およびDIPEA(0.
48g;3.7ミリモル)を上述した順序で加え、溶液を室温で一夜撹拌した。DMFを
蒸発し、水性NaHCO3を加え、水溶液をEtOAc(4×50ml)で抽出した。合した有機
相を水性NaHCO3(2×20ml)、H2Oで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して粗製生成
物0.34g(62%)を得た。分取用HPLC〔CH3CN:NH4OAc(10%)(40:60)〕によって
、ジアステレオマー:化合物37A(よりはやく移動するジアステレオマー;70mg;
24%)および化合物37B(よりおそく移動するジアステレオマー;57mg;21%)を分
離した。
化合物37B:
LC-MS m/z 590(M+1)+
(ii)(S)−または(R)−2,3−ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab×H
OAc
Pd/C(5%;44mg)をEtOH(10ml)およびHOAc(15mg)中の(R)−または(S)−2,3−
ジメトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab(Z)(57mg;0.097ミリモル;上記
工程(i)からの化合物37B)の溶液に加え、混合物を室温および大気圧で4.5時間
水素添加した。得られた混合物をハイフロを通して濾過し、溶液を濃縮し、水を
加え、溶液を凍結乾燥して白色の粉末として標記化合物44mg(88%;純度97.2%)
を得た。
LC-MS m/z 455(M+1)+ 実施例 38
(S)−または(R)−3−メトキシ−5−クロロフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab
×HCl
(i)(R)−および(S)−3−メトキシ−5−クロロフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-P
ro-Pab(Z)
DMF(4ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(3−メトキシ−5−クロロフェ
ニル)プロピオン酸(0.112g;0.49ミリモル;上記実施例ADから)の溶液を0℃に
冷却した。H-Pro-Pab(Z)×2HCl(0.242g;0.53ミリモル;国際特許出願WO 97/0
2284に記載されている方法によって製造した)、TBTU(0.171g;0.53ミリモル)お
よびDIPEA(0.33ml;2.12ミリモル)を、上述した順序で加え、溶液を室温で5日
間撹拌した。DMFを蒸発し、H2Oを加え、溶液のpHを水性NaHCO3で9に調節し、水
溶液をEtOAc(3×30ml)で抽出した。合した有機相を水性NaHCO3(2×20ml)、H2O
およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して粗製生成物0.242g(83%)
を得た。分取用HPLC〔CH3CN:10%NH4OAc(45:55)〕によって、ジアステレオマ
ー:化合物38A(よりはやく移動するジアステレオマー;50mg;33%)および化合
物38B(よりおそく移動するジアステレオマー;44.8mg;31%)を分離した。
化合物38B:
LC-MS m/z 592,594(M+1)+
(ii)(S)−または(R)−3−メトキシ−5−クロロフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-P
ro-Pab×HCl
(R)−または(S)−3−メトキシ−5−クロロフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-P
ab(Z)(上記工程(i)からの化合物38B;44mg;0.074ミリモル)、TFA
(1.53ml;20ミリモル)およびチオアニソール(0.44ml;3.7ミリモル)から、実施
例23(ii)に記載した方法によって製造して、標記生成物18mg(49%)(純度93.5%)
を得た。
実施例 39
(S)−または(R)−2−メチル−5−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab
×HOAc
(i)(R)−および(S)−2−メチル−5−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-P
ro-Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−メチル−5−メトキシフェ
ニル)プロピオン酸(0.168g;0.8ミリモル;上記実施例AEから)の溶液を0℃に
冷却した。H-Pro-Pab(Z)×2HCl(0.399g;0.88ミリモル;国際特許出願WO 97/0
2284に記載されている方法によって製造した)、TBTU(0.283g;0.88ミリモル)お
よびDIPEA(0.414g;3.2ミリモル)を上述した順序で加え、溶液を室温で3日間
撹拌した。DMFを蒸発し、水を加え、水溶液をEtOAc(3×30ml)で抽出した。合し
た有機相を乾燥(Na2SO4)し、蒸発した。分取用HPLC〔CH3CN/10%NH4OAc(40:60
)〕によって、ジアステレオマー:化合物39A(よりはやく移動するジアステレオ
マー;147mg;64%;純度92.8%)および化合物39B(よりおそく移動するジアステ
レオマー;147mg;64%;純度99.1%)を分離した。
化合物39B:
LC-MS m/z 573(M+1)+ (ii)(S)−または(R)−2−メチル−5−メトキシフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-P
ro-Pab×HOAc
Pd/C(5%;70mg)をEtOH(10ml)およびHOAc(13ml)中の化合物39B(131mg;0.23
ミリモル)の溶液に加え、混合物を室温および大気圧で3時間水素添加した。得
られた混合物をハイフロを通して濾過し、溶液を濃縮し、水を加え、溶液を凍結
乾燥して、標記化合物96mg(84%;純度95.9%)を得た。
13C-NMR(100MHz;D2O):カルボニルおよびアミジン炭素176.0;174.3;167.6
LC-MS m/z 439(M+1)+
実施例 40
(R,S)-Ph-C(Me)(CH2OMe)-C(O)-Pro-Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−2−メチル−2−フェニル−3−メトキシプロピオン酸
(0.40g;2.1ミリモル;上記実施例AFから)の溶液を0℃に冷却した。H-Pro-Pab
(Z)×2HCl(0.93g;2.1ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載されている
方法によって製造した)、TBTU(0.64g;2.1ミリモル)およびDIPEA(0.90g;7ミ
リモル)を上述した順序で加え、溶液を室温で2日間撹拌した。DMFを蒸発し、水
性NaHCO3を加え、水溶液をEtOAc(3×30ml)で抽出した。合した有機相を水性NaH
CO3(2×20ml)、H2Oで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発して粗製生成物を得た。こ
のものはさらに、溶離剤
としてCH2Cl2:THF:MeOH(90:10:2)を使用して、シリカゲル上でフラッシュク
ロマトグラフィー処理することにより精製して0.50g(最後の3工程にわたって4
4%)を得た。
13C-NMR(100MHz;CDCl3)カルボニルおよびアミジン炭素:δ174.6;173.1;172.2;1
72.0;167.9:164.4(ジアステレオマーおよび(または)ロータマー)
実施例 41
(R,S)-Ph-C(Me)(CH2OMe)-C(O)-Pro-Pab×HCl
Pd/C(10%;20mg)をEtOH(10ml)および濃水性HCl(10滴)中の(R,S)-Ph-C(Me)(C
H2OMe)-C(O)-Pro-Pab(Z)(190mg;0.34ミリモル;上記実施例40から)の溶液に加
え、混合物を室温および大気圧で2時間水素添加した。得られた混合物をハイフ
ロを通して濾過し、溶液を濃縮し、水を加え、溶液を凍結乾燥して標記化合物16
0mg(100%;純度77%)を得た。
LC-MS m/z 423(M+1)+ 13C-NMR(100MHz;D2O):カルボニルおよびアミジン炭素176.4;176.3;176.1;175.
9;167.2;167.1(ジアステレオマーおよび(または)ロータマー)
実施例 42
(S)−または(R)−2−クロロ−3−メチルフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze
-Pab×HOAc
(i)(R)−および(S)−2−クロロ−3−メチルフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze
-Pab(Z)
DMF(10ml)中の(R,S)−3−ヒドロキシ−2−(2−クロロ−3−メチルフェニ
ル)プロピオン酸(0.3g;1.4ミリモル;上記実施例AGから)の溶液を0℃に冷却
した。H-Aze-Pab(Z)×2HCl(0.739g;1.68ミリモル;上記実施例Aから)、TBTU(
0.495g;1.54ミリモル)およびDIPEA(0.94g;5.6ミリモル)を上述した順序で加
え、溶液を室温で5日間撹拌した。反応混合物を濃縮し、水(400ml)に溶解し、
その後pHを水性NaHCO3で9に調節した。得られた混合物をEtOAc(3×30ml)で抽
出した。合した有機相を水性NaHCO3、水およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)
し、濃縮した。粗製生成物(0.636g)を、RPLC〔CH3CN:10%NH4OAc(40:60)〕に
よって精製し、それによってジアステレオマー:化合物42A(よりはやく移動する
ジアステレオマー;127mg;32%;純度95%)および化合物42B(よりおそく移動す
るジアステレオマー;131mg;33%;純度85%)を分離した。
化合物42B:
LC-MS m/z 563,564(M+1)+ (ii)(R)−または(S)−2−クロロ−3−メチルフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze
-Pab×HOAc
(R)−または(S)−2−クロロ−3−メチルフェニル−CH(CH2OH)-C(O)-Aze-Pab
(Z)(上記工程(i)からの化合物42B;129mg;0.23ミリモル)、TFA(4.7ml;62ミリ
モル)およびチオアニソール(1.35ml;11.5ミリモル)から、上記実施例23(ii)に
記載した方法によって製造して、標記生成物45mg
(40.2%)(純度90.4%)を得た。
LC-MS m/z 429,431(M+1)+ 13C-NMR(100MHz;CD3OD)カルボニルおよびアミジン炭素:δ174.0,172.9,167
.9
実施例 43
(S)−または(R)−2,3−(メチレンジオキシフェニル)−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab
×HOAc
標記化合物は、上記実施例29に記載した方法によって(R,S)−3−ヒドロキシ
−2−(2,3−メチレンジオキシフェニル)−プロピオン酸(0.26g)から出発し、(
2,3−メチレンジオキシフェニル)−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab(Z)を経て製造した
。後者の化合物は、RPLCによって2種のジアステレオマー:化合物43A(よりはや
く移動するジアステレオマー;0.27g;40%)および化合物43B(よりおそく移動
するジアステレオマー;0.18g;26%)に分離した。(R)−または(S)−(2,3−メ
チレンジオキシフェニル)−CH(CH2OH)-C(O)-Pro-Pab(Z)(化合物43B;130mg)を脱
保護することによって、標記化合物81mg(72%)を得た。
LC-MS m/z 439(M+1)+
実施例 44
実施例1〜7、11、12、16〜39、41、42および43の化合物(これらはすべて式
Iの化合物である)を、上記試験Aにおいて試験し、すべてが0.3μM未満のIC5 0
TT値を示すことが見出された。
実施例 45
実施例8、9、10、13、14、15および40の化合物(これらはすべて式
Iaの化合物である)を、上記試験Aにおいて試験し、すべてが1μMを越えるI
C50TT値を示すことが見出された。
実施例 46
実施例8、9、10、13、14、15および40の化合物(これらはすべて式Iaの化
合物である)を、上記試験Cにおいて試験し、すべてが式Iの相当する活性阻害
剤としてラットにおける経口的および(または)非経口的生物学的利用能を示すこ
とが見出された。
略号
AIBN= アゾビスイソブチロニトリル
aq= 水性
Aze= アゼチジン−2−カルボン酸
Boc= 第3ブチルオキシカルボニル
Bn= ベンジル
Bu= ブチル
Ch= シクロヘキシル
DBU= 1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−7−エン
DCC= ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIPEA= ジイソプロピルエチルアミン
DMAP= N,N−ジメチルアミノピリジン
DMF= ジメチルホルムアミド
DMSO= ジメチルスルホキシド
EDC= 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩
酸塩
Et= エチル
EtOH= エタノール
h= 時間
HBTU= 〔N,N,N',N'−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−
イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート〕
HCl= 塩酸
H-Hig= 1−アミジノ−3−アミノエチルピロリジン
H-Hig(Z)= 3−アミノエチル−1−(N−ベンジルオキシカルボニルアミジノ)
ピロリジン
HOAc= 酢酸
H-Pab= 1−アミジノ−4−アミノメチルベンゼン
H-Pab(Z)= 4−アミノメチル−1−(N−ベンジルオキシカルボニルアミジノ)
ベンゼン
H-Pig= 1−アミジノ−3−アミノメチルピペリジン
H-Pig(Z)= 3−アミノメチル−1−(N−ベンジルオキシカルボニルアミジノ)
ピペリジン
HPLC= 高性能液体クロマトグラフィー
Me= メチル
MeOH= メタノール
MsCl= メタンスルホニルクロライド
NBS= N−ブロモスクシンイミド
Ph= フェニル
Pr= プロピル
i-PrOH= i−プロパノール
RPLC= 分取用逆相高性能液体クロマトグラフィー
TBDMS= 第3ブチルジメチルシリル
TBTU= 〔N,N,N',N'−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)
ウロニウムテトラフルオロボレート〕
TEA= トリエチルアミン
THF= テトラヒドロフラン
THP= テトラヒドロピラニル
TMS= トリメチルシリル
p-TsOH= p−トルエンスルホン酸
WSCl= 水溶性カルボジイミド
Z= ベンジルオキシカルボニル
接頭辞n、i、sおよびtは、普通の意義ノルマル、イソ、第2および第3の
意味を有する。アミノ酸に対する立体化学は、特にことわらない限りはSによる
。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07D 207/16 C07D 207/16
401/04 401/04
405/06 405/06
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
US,UZ,VN,YU