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JP2000133592A - シリコン層の製造方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents

シリコン層の製造方法および半導体装置の製造方法

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Publication number
JP2000133592A
JP2000133592A JP10304928A JP30492898A JP2000133592A JP 2000133592 A JP2000133592 A JP 2000133592A JP 10304928 A JP10304928 A JP 10304928A JP 30492898 A JP30492898 A JP 30492898A JP 2000133592 A JP2000133592 A JP 2000133592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
tin
based metal
layer
insulating substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP10304928A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisayoshi Yamoto
久良 矢元
Hideo Yamanaka
英雄 山中
Hajime Yagi
肇 矢木
Yuichi Sato
勇一 佐藤
Koji Otsu
孝二 大津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP10304928A priority Critical patent/JP2000133592A/ja
Publication of JP2000133592A publication Critical patent/JP2000133592A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンエピタキシー層を膜厚の制御性よく
形成することが困難であり、また大型の低融点ガラス基
板上にシリコンエピタキシー層を形成することは困難で
あった。 【解決手段】 絶縁基体11の表面側に結晶成長のシー
ド12を形成した後、絶縁基体11の表面側に所定の膜
厚のシリコン薄膜14と、スズもしくはスズ鉛合金から
なるスズ系金属層15とを形成し、次いで加熱処理によ
り、スズ系金属層15を溶解するとともにその溶融液中
にシリコン薄膜14を溶解してシリコン含有スズ系金属
溶融液16を生成し、その後冷却処理により、結晶成長
のシード12を起点にしてシリコン含有スズ系金属溶融
液16中のシリコンを結晶成長させ、シリコン層17を
形成するシリコン層の製造方法である。またそのシリコ
ン層17に所定の処理を施して半導体素子を形成する半
導体装置の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン層の製造
方法および半導体装置の製造方法に関し、詳しくは、ス
ズ系金属層を溶解した溶液中にシリコン薄膜を溶解させ
た後、その溶解したシリコンを結晶成長させるシリコン
層の製造方法およびそのシリコン層を用いた半導体装置
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基板上に形成された単結晶シリコン層を
用いてMOSFET(Metal-oxide-semiconductor fiel
d effect transistor の略)である薄膜トランジスタ
(以下TFTという、TFTはThin Film Transistor
の略)は、ポリシリコン層を用いたものと比べて数倍も
大きい電子移動度を有し、高速動作に適していること
が、例えば "First MOS transistors on Insulator by
Siluicon Satulated LiquidSolution Epitaxy." IEEE E
LECTRON DEVICE LETTERS,13 [5] (May 1992) R.P.Zingg
et al.,p.294-296、特公平4−57098号公報、応
用物理”薄膜トランジスタ”, 65 [8] (1996) 松村正
清,p.842-848等に開示されている。
【0003】上記半導体素子が形成される単結晶シリコ
ン層を基板上に形成する技術としては、以下の成膜技術
(1)〜(4)が知られている。
【0004】(1)単結晶シリコン基板をシードにし
て、920℃〜930℃に加熱されたインジウム・シリ
コン溶液またはインジウム・ガリウム・シリコン溶液か
ら、冷却処理によりシリコンエピタキシー層を形成し、
この層の上にシリコン半導体層を形成する技術が、"VER
Y-LOW-TEMPERATURE LIQUID-PHASE EPITAXIAL GROWTH OF
SILICON." MATERIALS LETTERS, 9 [2,3] (Jan. 1990) S
oo Hong Lee,p53-56 、"MOS transistors with epitaxi
al Si,laterally grown over SiO2 by liquid phase ep
itxy." J.Applied Physics A,54 [1] (1992) R.Bergman
n et al.,p.103-105 、"First MOS transistors on Ins
ulator by Silicon Satulated Liquid Solution Epitax
y." IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS,13 [5] (May 1992)
R.P.Zingg et al.,p.294-296等の文献に開示されてい
る。
【0005】(2)サファイア基板上にシリコンをエピ
タキシャル成長させる技術は、"High-quality CMOS in
thin (100nm)silicon on saphire." IEEE ELECTRON DEV
ICELETTERS, 9 (Jan. 1988) G.A.Garcia,R.E.Reedy,and
M.L.Burger,p.32-34に開示されている。
【0006】(3)酸素イオン注入法により、絶縁基板
上にシリコン層を形成する技術は、"CMOS device fabri
cation on buried SiO2 layers formed by oxygen impl
antation into silicon."Electron.Lett.,14 [18] (Au
g. 1978) K.Izumi,M.Doken,,and H.Ariyoshtl,p.593-59
4に開示されている。
【0007】石英基板の上にステップを形成し、この上
にポリシリコン層を形成し、次にこれをレーザ光または
ストリップヒータで1400℃以上に加熱する。加熱さ
れたポリシリコン層は、石英基板上に形成されたステッ
プを核にして、エピタキシャル成長層を形成する技術
は、”グラフォエピタキシー”電子通信学会誌,66 [5]
(May 1983) 古川静二郎,p.486-489 、"Crystallograph
ic orientatin of silicon on an amorphous substrate
using an artificial surface-relief gratingand las
er crystallization." Appl. Phys. Letter,35 [1] (J
uly. 1979) Geis,M.W.,et al.,p.71-74 、"Silicon gra
phoepitaxy" Jpn.J.Appl.Phys.,Suppl.20-1 (1981) Gei
s,M.W.,et al.,p.39-42 等に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
での公知技術では、歪点が比較的低く、しかも大型のガ
ラス基板上に、エピタキシャル成長のような結晶成長技
術により単結晶シリコン層を形成することは困難であっ
た。また、ガラス基板上に段差を形成し、これを結晶成
長のシードにしてシリコン単結晶を成長させる技術(グ
ラフォエピタキシー技術)では、低温でかつ均一にシリ
コン結晶を成長させることは困難であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたシリコン層の製造方法および半導
体装置の製造方法である。
【0010】すなわち、本発明のシリコン層の製造方法
は、絶縁基体の表面側に結晶成長のシードを形成する工
程と、その絶縁基体の表面側に所定の膜厚のシリコン薄
膜とスズもしくはスズ鉛合金からなるスズ系金属層とを
形成する工程と、加熱処理により、スズ系金属層を溶解
するとともにその溶融液中にシリコン薄膜を溶解してシ
リコン含有スズ系金属溶融液を生成する工程と、冷却処
理により、結晶成長のシードを起点にしてシリコン含有
スズ系金属溶融液中のシリコンを結晶成長させ、絶縁基
体の表面側にシリコン層を形成する工程とを備えてい
る。
【0011】または、絶縁基体の表面側に結晶成長のシ
ードを形成した後、絶縁基体の表面側にシリコンを含有
するスズもしくはシリコンを含有するスズ鉛合金からな
るシリコン含有スズ系金属層を形成し、その後加熱処理
により、シリコン含有スズ系金属層を溶解してシリコン
含有スズ系金属溶融液を生成し、さらに冷却処理によ
り、結晶成長のシードを起点にしてシリコン含有スズ系
金属溶融液中のシリコンを結晶成長させ、上記シリコン
層を形成してもよい。
【0012】ここで、結晶成長のシードとは、下地の結
晶方位を受け継いで結晶成長させる(通常のエピタキシ
ャル成長)シードおよび下地の形状によって結晶成長さ
せる(例えばグラフォエピタキシー)シードの両方を含
む。
【0013】上記シリコン層の製造方法では、結晶成長
のシードを形成した絶縁基体の表面側に、シリコン薄膜
と、スズもしくはスズ鉛合金からなるスズ系金属層とを
形成して、加熱処理により、スズ系金属層を溶解すると
ともにその溶融液中にシリコン薄膜を溶解してシリコン
含有スズ系金属溶融液を生成することから、その加熱温
度はスズ系金属層が溶解しさらにその溶融液にシリコン
薄膜が溶解する400℃〜650℃程度の加熱処理で十
分である。また、結晶成長のシードを形成した絶縁基体
の表面側に、シリコンを含有するスズもしくはシリコン
を含有するスズ鉛合金からなるシリコン含有スズ系金属
層を形成して、加熱処理により、シリコン含有スズ系金
属層を溶解することから、その加熱温度はシリコンの含
有量が0.0005w%〜0.03w%とすれば、シリ
コン含有スズ系金属層が溶解する400℃〜650℃程
度の加熱処理で十分である。
【0014】その後、冷却処理により、結晶成長のシー
ドを起点にしてシリコン含有スズ系金属溶融液中のシリ
コンを結晶成長させていること、上記シリコン薄膜は6
50℃以下の化学的気相成長法(以下CVDという、C
VD:Chemical Vapour Deposition)、スパッタリング
等の成膜方法で形成することが可能であること、また上
記結晶成長のシードも、例えば段差を形成する際のエッ
チング工程、シリコンとの格子整合性を有するような物
質からなるシード層を例えばサファイア薄膜を用いて形
成する工程も、低温プロセスが可能であることから、本
発明のプロセスは650℃以下で行える。そのため、上
記絶縁基体には、いわゆる低融点ガラス基板を用いるこ
とが可能になる。また低融点ガラスで形成されている長
尺ロールガラスを用いることも可能になる。
【0015】しかも、上記シリコン層は、単結晶で形成
され、その電子移動度は例えば540cm2 /Vs程度
になり、バルクのシリコン基板と同程度の電子移動度が
得られる。なお、本明細書でいう単結晶とは、亜粒界や
転位を含む単結晶も含めていう。
【0016】また、シリコン薄膜を溶解させる金属溶融
液にスズ系金属を用いていることから、出来上がったシ
リコン層にスズ系金属のスズ、鉛等が含有されたとして
も、それらはシリコン層中でキャリアにはならない。そ
のため、シリコン層は高抵抗なものとなる。またシリコ
ン層中に残留するスズは、結晶欠陥を電気的に不活性に
するため、接合リークが低減され、電子移動度を高め
る。
【0017】本発明の半導体装置の製造方法は、絶縁基
体の表面側に結晶成長のシードを形成する工程と、その
絶縁基体の表面側に所定の膜厚のシリコン薄膜と、スズ
もしくはスズ鉛合金からなるスズ系金属層とを形成する
工程と、加熱処理により、スズ系金属層を溶解するとと
もにその溶融液中にシリコン薄膜を溶解してシリコン含
有スズ系金属溶融液を生成する工程と、冷却処理によ
り、結晶成長のシードを起点にしてシリコン含有スズ系
金属溶融液中のシリコンを結晶成長させ、絶縁基体の表
面側にシリコン層を形成する工程と、シリコン層上のス
ズ系金属層を除去する工程と、シリコン層に所定の処理
を施して半導体素子を形成する工程とを備えている。
【0018】または、絶縁基体の表面側に結晶成長のシ
ードを形成した後、絶縁基体の表面側にシリコンを含有
するスズもしくはシリコンを含有するスズ鉛合金からな
るシリコン含有スズ系金属層を形成し、その後加熱処理
により、シリコン含有スズ系金属層を溶解してシリコン
含有スズ系金属溶融液を形成し、さらに冷却処理によ
り、結晶成長のシードを起点にしてシリコン含有スズ系
金属溶融液中のシリコンを結晶成長させ、上記シリコン
層を形成してもよい。
【0019】上記半導体装置の製造方法では、上記説明
したシリコン層の製造方法を用いて絶縁基体上にシリコ
ン層を形成していることから、絶縁基体に低融点ガラス
を用いて、その上に上記説明した特性のシリコン層が得
られる。そして、そのシリコン層に所定の処理を施して
半導体素子を形成することから、その半導体素子は、バ
ルクのシリコン基板に形成したのと同様の高性能な特性
が得られる。例えばシリコン層にチャネル領域、ソース
領域、ドレイン領域を形成した絶縁ゲート型電界効果ト
ランジスタは、高速動作、大電流密度のトランジスタと
なる。このように、シリコン層には、高速で大電流密度
のトップゲート型TFT、ボトムゲート型TFT、デュ
アルゲート型TFT、エレクトロルミネッセンス素子、
電界放出型表示素子用トランジスタ、ダイオード、容
量、抵抗、光電池(太陽電池)、発光素子、受光素子等
の半導体素子を形成することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のシリコン層の製造方法お
よび半導体装置の製造方法に係わる実施の形態を以下に
説明する。
【0021】まず、絶縁基体の表面側に、反応性イオン
エッチングなどの異方性ドライエッチングにより段差を
形成して結晶成長のシードを設ける。または、低温成膜
技術として、減圧CVD法、プラズマCVD法もしくは
スパッタリングによって、絶縁基体の表面側に結晶成長
のシードなるものでシリコンとの格子整合性を有するよ
うな物質、例えばサファイアからなるシード層を形成す
る。
【0022】その後、減圧CVD法、プラズマCVD
法、スパッタリングなどの低温成膜技術によって、絶縁
基体の表面側にシリコン薄膜を5nm〜50nmの所定
の膜厚に形成する。さらに、スズもしくはスズ鉛合金か
らなるスズ系金属層を、シリコン薄膜の230倍〜70
000倍の厚さに形成する。なお、このシリコン薄膜と
スズ系金属層はどちらを先に形成してもよい。
【0023】もしくは、絶縁基体の表面側にシリコンを
含有するスズもしくはシリコンを含有するスズ鉛合金か
らなるシリコン含有スズ系金属層を形成してもよい。
【0024】次いで、水素雰囲気、水素と不活性なガス
との混合ガス雰囲気もしくは不活性なガス雰囲気下で、
シリコン含有スズ系金属溶融液を生成する温度以上絶縁
基体の最高使用温度以下(ガラス基板の場合には歪点未
満)の温度範囲内でその絶縁基体を加熱処理する。な
お、上記雰囲気は還元性雰囲気であってもよい。
【0025】具体的には、上記スズ系金属層をスズ層で
形成した場合には400℃〜650℃、望ましくは50
0℃〜600℃に加熱し、上記スズ系金属層をスズ鉛合
金層で形成した場合には350℃〜600℃、望ましく
は450℃〜550℃に加熱して、上記スズ系金属層を
溶解してスズ系金属溶融液を生成するとともに、そのス
ズ系金属溶融液中にシリコン薄膜を溶解する。このよう
にして、シリコン含有スズ系金属溶融液を生成する。こ
の加熱処理には、電気炉、ランプ加熱装置等を用いて基
板全体を均一に加熱する方法、レーザ光、電子ビームな
どを照射して局所的に加熱する方法等による。
【0026】一方、シリコン含有スズ系金属層を形成し
た場合には、水素雰囲気、水素と不活性なガスとの混合
ガス雰囲気もしくは不活性なガス雰囲気下で、400℃
〜650℃、望ましくは500℃〜600℃に加熱し、
シリコン含有スズ系金属層を溶解してシリコン含有スズ
系金属溶融液を生成する。なお、上記雰囲気は還元性雰
囲気であってもよい。
【0027】上記加熱温度は、スズ系金属溶融液中に溶
解するシリコンの割合により異なる。図7に示すシリコ
ン−スズ(Si−Sn)の状態図、図8に示すスズに対
するシリコンの溶解度曲線(縦軸にシリコンの溶解度、
下横軸に温度Tとしたときの104 /T(K)、上横軸
に温度(℃)を示す)からも明らかなように、シリコン
の割合が少なくなるに応じてシリコンを含むスズ系金属
溶融液の融点が低下する。例えばシリコンを0.000
5w%〜0.03w%含有するスズ溶融液は400℃〜
650℃で生成することができる。したがって、絶縁基
体11には最高使用温度(ほぼガラスの歪点)の低い、
いわゆる低融点ガラスを用いるこことも可能になる。こ
のような低融点ガラスには、歪点が例えば665℃のア
ルミノケイ酸ガラス、歪点が例えば510℃のホウケイ
酸ガラスがある。
【0028】また、上記絶縁基体には、従来から用いら
れている石英基板も用いることが可能であり、またセラ
ミックス基板を用いることが可能である。さらに加熱温
度によっては高耐熱性の樹脂〔例えばフッ素樹脂(フッ
化ポリアリルエーテル系樹脂:熱分解温度=500℃、
シクロポリマライズドフロリネーテッドポリマー系樹
脂:熱分解温度=420℃、ポリテトラフルオロエチレ
ン系樹脂:熱分解温度=450℃等)〕基板を用いるこ
とも可能になる。
【0029】そして、加熱温度で一定時間(例えば30
秒〜60分、好ましくは5分〜10分)保持した後、冷
却処理により、結晶成長のシードを起点にして、上記シ
リコン含有スズ系金属溶融液中に溶解しているシリコン
を結晶成長させる。その結果、絶縁基体の表面側にシリ
コン単結晶が析出されてシリコン層を形成する。このシ
リコン単結晶は亜粒界や転位を含む場合もある。シリコ
ン層の厚さは、例えばシリコン含有スズ系金属溶融液に
含まれるシリコン濃度によって調整される。
【0030】このように、シリコン薄膜を溶解させる金
属溶融液にスズ系金属を用いていることから、出来上が
ったシリコン層にスズ系金属のスズ、鉛が含有されたと
しても、それらはシリコン層中でキャリアにはならな
い。そのため、シリコン層は高抵抗なものとなる。また
シリコン層中に残留するスズは結晶欠陥を電気的に不活
性にするため、接合リークを低減し、電子移動度を高め
る。
【0031】また、上記シリコン薄膜の成膜時やシリコ
ン含有スズ系金属層の成膜時に、例えばホウ素のような
p型不純物を混入し、その際に不純物濃度を所望の量に
制御しておけば、上記シリコン層は所望の濃度のp型シ
リコン層となる。一方、例えばリン、ヒ素、アンチモン
のようなn型不純物を混入し、その際に不純物濃度を所
望の量に制御しておけば、上記シリコン層は所望の濃度
のn型シリコン層となる。
【0032】また、シリコン層を形成するプロセスが6
50℃以下となるので、絶縁基体に低融点ガラスを用い
ることが可能になり、大型のガラス基板(1m2 以上の
面積を有するガラス基板)上にシリコン層を形成するこ
とも可能になる。また、長尺ロール化されたガラス板
に、結晶成長によりシリコン層を連続的にもしくは非連
続的に形成することも可能になる。結晶成長のシードに
段差を用いた場合には、その段差を起点にして結晶を成
長させ、いわゆる島状にシリコン層を形成することも可
能である。またさらに結晶成長を進めて、絶縁基体の表
面側全体にシリコン層を形成することも可能である。一
方、結晶成長のシードにシード層を用いた場合には、そ
のシード層上の全面にシリコン層を形成することが可能
になる。そのため、シリコン層を島状に形成する場合に
は、予め結晶成長前にシード層を島状にパターニングし
ておくか、または生成したシリコン層を島状にパターニ
ングすればよい。
【0033】なお、上記低融点ガラスを用いた場合に
は、低融点ガラスの構成元素が結晶成長により形成した
シリコン層に拡散しやすいため、低融点ガラス基板とシ
リコン層との間に拡散を防止するバリア層として、例え
ば窒化シリコン膜を例えば1nm〜100nm程度の厚
さに形成しておくことが好ましい。
【0034】上記のようにしてシリコン層を形成した
後、そのシリコン層上に析出したスズ系金属を酸(例え
ば塩酸)を用いて選択的に除去する。このようにして絶
縁基体上に形成されたシリコン層は、540cm2 /V
s程度の電子移動度が得られ、かつ単結晶の高抵抗なシ
リコン層となる。そのため、予め適量のp型不純物を混
入して形成すれば所望の濃度のp型のシリコン層とな
り、nチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタの活
性領域(チャネル領域、ソース領域、ドレイン領域)を
作製するのに都合がよい。また予め適量のn型不純物を
混入して形成すれば所望の濃度のn型のシリコン層とな
り、pチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタの活
性領域(チャネル領域、ソース領域、ドレイン領域)を
作製するのに都合がよい。また部分的にシリコン層の導
電型と異なる不純物をドーピングすればCMOSトラン
ジスタも作製することができる。
【0035】次に本発明のシリコン層の製造方法に係わ
る好ましい実施の形態の詳細を以下に説明する。
【0036】まず、本発明のシリコン層の製造方法に係
わる第1の実施の形態を、図1の製造工程図によって説
明する。
【0037】図1の(1)に示すように、絶縁基体11
の表面側に結晶成長のシード12を形成する。ここでは
上記絶縁基体11に低融点ガラス基板を用いた。その絶
縁基体11の表面側に段差を形成して、それを上記結晶
成長のシード12とした。その段差の製造方法は、一例
として、絶縁基体11上にレジスト膜を形成した後、リ
ソグラフィー技術によりレジスト膜をパターニングして
エッチングマスク13を形成する。そして反応性イオン
エッチングのような異方性ドライエッチング技術によ
り、絶縁基板11を例えばフッ素ラジカルを用いてエッ
チングを行い、絶縁基体11に結晶成長のシード12と
なる段差を形成する。この段差は、例えば深さd(例え
ば0.1μm)、幅w(例えば1.5μm〜1.9μ
m)の凹部よりなる。その後、エッチングマスク13に
用いたレジスト膜を除去する。
【0038】その後図1の(2)に示すように、上記絶
縁基体11の表面側に、上記結晶成長のシード12を被
覆する状態に、いわゆる低温成膜技術により所定の膜厚
のシリコン薄膜14を形成する。ここでは、上記シリコ
ン薄膜14を、多結晶シリコンもしくは非晶質シリコン
で例えば10nmの厚さに形成した。このシリコン薄膜
14は、例えば5nm〜50nm(好ましくは10nm
〜40nm)の厚さに形成される。また、上記低温成膜
技術としては、例えばプロセス温度(基板温度)が例え
ば500℃〜650℃の減圧CVD法、もしくは基板温
度を400℃以下に設定したスパッタリング、プラズマ
CVD法等を用いる。
【0039】続いて、上記シリコン薄膜14上にスズも
しくはスズ鉛合金からなるスズ系金属層15を形成す
る。上記スズ系金属層15は、低温成膜技術として、例
えばスパッタリング(基板温度が150℃以下)によっ
て、上記シリコン薄膜14の膜厚の例えば230倍〜7
0000倍の厚さに堆積される。ここでは、スズ系金属
層15を例えば40μm〜50μmの厚さに形成した。
なお、上記シリコン薄膜14と上記スズ系金属層15
は、どちらを先に形成してもよい。また、上記スズ系金
属層15をスズ鉛合金で形成する場合には、一例として
スズ(15%)+鉛(85%)のスズ鉛合金で形成す
る。このスズと鉛の比率は一例であって、その値に限定
されることはなく、適宜選択することができる。
【0040】次いで加熱処理を行う。この加熱処理は、
水素雰囲気、水素と不活性なガスとの混合ガス雰囲気も
しくは不活性なガス雰囲気下で、上記絶縁基体11を4
50℃〜600℃の範囲における所定の温度に加熱し
て、上記スズ系金属層15を溶解してスズ系金属溶融液
を生成するとともに、このスズ系金属溶融液中に上記シ
リコン薄膜14を溶解する。その結果、図1の(3)に
示すように、絶縁基体11の表面側にシリコン含有スズ
系金属溶融液16を生成する。なお、上記雰囲気は還元
性雰囲気であってもよい。
【0041】そして一定時間、例えば10秒〜60分、
好ましくは5分〜10分、加熱温度で保持した後、冷却
処理により、結晶成長のシード12を起点にシリコン含
有スズ系金属溶融液16中のシリコンを結晶成長(グラ
フォエピタキシャル成長)させて、図1の(4)に示す
ように、絶縁基体11の表面側に単結晶シリコンのシリ
コン層17を形成する。その際、上記シリコン層17上
にはスズ系金属(図示省略)が析出している。上記シリ
コン層17は、段差底部と段差側壁とがほぼ直角に形成
されているため、(100)面のシリコン単結晶が得ら
れる。上記析出は、シリコン含有スズ系金属溶融液16
から生じるため、シリコン本来の析出温度よりも低温で
生じる。
【0042】上記図示したように、結晶成長のシード1
2が段差のみで形成されている場合には、その段差を起
点として単結晶シリコンが析出されて成長し、シリコン
層17をいわゆる島状に形成される。またシリコン含有
スズ系金属溶融液15中のシリコンの比率、言い換えれ
ばシリコン薄膜13の膜厚を変えて単結晶シリコンの析
出を行えば、絶縁基板11の表面側全体にわたってシリ
コン層17を形成することも可能である。
【0043】その後、塩酸等の酸を用いてシリコン層1
7上のスズ系金属(図示省略)を除去する。その結果、
絶縁基体11上に結晶成長のシード12を起点として単
結晶シリコンを析出してなるシリコン層17が形成され
て、いわゆるSOI(Silicon on Insulatorの略であ
り、以下SOIという)基板18が形成される。なお、
図1の(4)では、スズ系金属を除去した状態を示し
た。
【0044】上記第1の実施の形態では、結晶成長のシ
ード12を段差により構成したが、絶縁基体11の表面
側にシリコンとの格子整合性を有するような物質からな
るシード層を形成して結晶成長のシードとし、絶縁基体
上にシリコン層を形成することも可能である。その一例
を図2によって説明する。この図2では、前記図1によ
って説明したのと同様の構成部品には同一符号を付与す
る。
【0045】図2の(1)に示すように、絶縁基体11
上にシード層21を形成する。このようなシード層21
は、例えば、サファイア、スピネル、もしくはフッ化カ
ルシウムで形成することが可能である。例えばシード層
21をサファイアで形成する場合には、高密度プラズマ
CVD法、触媒CVD法等を用いて、例えば1nm〜5
00nm、好ましくは5nm〜20nm程度の厚さに堆
積して形成する。
【0046】その後、前記図1によって説明したのと同
様に、シリコン薄膜14、スズ系金属層15を成膜する
工程より以降の工程を行えばよい。すなわち、図2の
(2)に示すように、シード層21上に、シリコン薄膜
14およびスズ系金属層15を積層して形成する。その
後加熱処理により、シリコン薄膜14およびスズ系金属
層15を溶融して、図2の(3)に示すように、シリコ
ン含有スズ系金属溶融液16を生成する。そして一定時
間保持した後、冷却処理を行い、図2の(4)に示すよ
うに、シード層21上にシリコン単結晶を析出させてシ
リコン層17を形成する。この場合には、シード層21
の全域に単結晶シリコンが析出してシリコン層17が形
成される。その後、シリコン層17上に析出しているス
ズ系金属(図示省略)を塩酸等の酸を用いて除去する。
なお、図面では析出したスズ系金属を除去した状態を示
した。
【0047】このように、サファイアを結晶成長のシー
ド12として用いた場合、サファイアは単結晶シリコン
と格子定数がほとんど同じであるため、シード層21の
表面上の全域に(100)単結晶シリコン〔サファイア
面が(11 ̄02)の場合〕もしくは(111)単結晶
シリコン〔サファイア面が(0001)の場合〕がエピ
タキシャル成長する。この析出は、シリコン含有スズ系
金属溶融液16から生じるため、シリコン本来の析出温
度より低温で生じる。
【0048】また、前記図1によって説明したのと同様
にして絶縁基体11に段差を形成した後、その段差を被
覆する状態に絶縁基体の表面側に上記説明したようなシ
ード層21を形成して結晶成長のシード12とすること
も可能である。この場合には、シリコン層はシード層2
1の表面上の全域に単結晶シリコンがエピタキシャル成
長する。
【0049】さらに前記図2によって説明したのと同様
にして絶縁基体11にシリコンとの格子整合性を有する
ようなサファイア、スピネル、フッ化カルシウム等の物
質からなるシード層21を形成した後、そのシード層2
1に前記図1によって説明したのと同様にして段差を形
成して結晶成長のシード12とすることも可能である。
この場合には、シリコン層はシード層21の表面上の全
域に単結晶シリコンがエピタキシャル成長する。
【0050】上記第1の実施の形態によるシリコン層の
製造方法では、結晶成長のシード12を形成した絶縁基
体11の表面側に、シリコン薄膜14とスズ系金属層1
5とを形成して、加熱処理により、スズ系金属層15を
溶解するとともにその溶融液中にシリコン薄膜14を溶
解してシリコン含有スズ系金属溶融液16を生成するこ
とから、その加熱温度はシリコン含有スズ系金属溶融液
が生成される400℃〜650℃程度の加熱処理で十分
である。
【0051】その後、冷却処理により、結晶成長のシー
ド12を起点にしてシリコン含有スズ系金属溶融液16
中のシリコンを結晶成長させていること、上記シリコン
薄膜14は650℃以下の低温成膜技術で形成すること
が可能であること、また上記結晶成長のシード12とな
る段差を形成する際のエッチング工程、シード層21の
形成工程も、低温プロセスが可能であることから、本発
明のプロセスは650℃以下で行える。そのため、上記
絶縁基体11には、いわゆる低融点ガラス基板を用いる
ことが可能になる。また低融点ガラスで形成されている
長尺ロールガラスを用いることも可能になる。
【0052】次に本発明のシリコン層の製造方法に係わ
る第2の実施の形態を、図3の製造工程図によって説明
する。図3では、前記図1によって説明した構成部品と
同様のものには同一符号を付与する。
【0053】第2の実施の形態では、絶縁基体の表面側
に結晶成長のシードを形成する工程までは、前記図1に
よって説明したプロセスと同様である。図3の(1)に
示すように、絶縁基体11の表面側に段差からなる結晶
成長のシード12が形成されている。そして、上記絶縁
基体11の表面側に、いわゆる低温成膜技術により、シ
リコンを含有するスズもしくはシリコンを含有するスズ
鉛合金からなるシリコン含有スズ系金属層31を形成す
る。ここでは、上記シリコン含有スズ系金属層31を、
例えば30μmの厚さに形成した。このシリコン含有ス
ズ系金属層31の厚さは、シリコンの含有量および析出
形成するシリコン層17の厚さに応じて決定される。ま
た、上記低温成膜技術としては、例えばプロセス温度
(基板温度)が例えば500℃〜650℃の減圧CVD
法、プラズマCVD法、もしくは基板温度を400℃以
下に設定したスパッタリングを用いる。
【0054】次いで加熱処理を行う。この加熱処理は、
水素雰囲気、水素と不活性なガスとの混合ガス雰囲気も
しくは不活性なガス雰囲気下で、上記絶縁基体11を4
50℃〜600℃の範囲における所定の温度に加熱す
る。その結果、シリコン含有スズ系金属層31が溶解さ
れて、図3の(2)に示すように、上記絶縁基体11の
表面側にシリコン含有スズ系金属溶融液32が生成され
る。そして上記加熱温度に、例えば60秒〜30分間、
好ましくは5分〜10分間保持する。ここでは例えば5
分間保持する。なお、上記雰囲気は還元性雰囲気であっ
てもよい。
【0055】その後、前記図1によって説明したのと同
様にして、冷却処理を行う。この冷却処理により、結晶
成長のシード12を起点にシリコン含有スズ系金属溶融
液32中のシリコンを結晶成長(グラフォエピタキシャ
ル成長)させて、絶縁基体11の表面側に単結晶シリコ
ンのシリコン層17を形成する。その際、上記シリコン
層17上にはスズ系金属(図示省略)が析出する。上記
シリコン層17は、段差底部と段差側壁とがほぼ直角に
形成されているため、(100)面のシリコン単結晶が
得られる。
【0056】その後、塩酸等の酸を用いてシリコン層1
7上のスズ系金属(図示省略)を除去する。その結果、
図3の(3)に示すように、絶縁基体11上に結晶成長
のシード12を起点として単結晶シリコンを析出してな
るシリコン層17が形成されて、いわゆるSOI基板1
8が形成される。
【0057】上記第2の実施の形態では、結晶成長のシ
ード12を段差により構成したが、前記図2によって説
明したのと同様に、絶縁基体11の表面側にシリコンと
の格子整合性を有するような物質からなるシード層21
を形成して結晶成長のシード12とすることも可能であ
る。このようなシード層21は、サファイア、スピネ
ル、フッ化カルシウム等で形成することが可能である。
例えばシード層21をサファイアで形成する場合には、
高密度プラズマCVD法、触媒CVD法等を用いて、例
えば1nm〜500nm、好ましくは5nm〜20nm
程度の厚さに堆積して形成する。
【0058】その後、前記図3によって説明したのと同
様に、シリコン含有スズ系金属層31を成膜する工程よ
り以降の工程を行えばよい。
【0059】また、前記図1によって説明したのと同様
にして絶縁基体11に段差を形成した後、その段差を被
覆する状態に絶縁基体11の表面側に上記説明したよう
なシード層21を形成して結晶成長のシード12とする
ことも可能である。さらに前記図2によって説明したの
と同様にして絶縁基体11にシリコンとの格子整合性を
有するようなサファイア、スピネル、フッ化カルシウム
等の物質からなるシード層21を形成した後、そのシー
ド層21に前記図1によって説明したのと同様にして段
差を形成して結晶成長のシード12とすることも可能で
ある。
【0060】上記第2の実施の形態によるシリコン層の
製造方法では、結晶成長のシード12を形成した絶縁基
体11の表面側に、シリコン含有スズ系金属層31を形
成して、加熱処理により、そのシリコン含有スズ系金属
層31を溶解してシリコン含有スズ系金属溶融液32を
生成することから、その加熱温度はシリコン含有スズ系
金属溶融液32が生成される400℃〜650℃程度の
加熱処理で十分である。
【0061】その後、冷却処理により、結晶成長のシー
ド12を起点にしてシリコン含有スズ系金属溶融液32
中のシリコンを結晶成長させていること、上記シリコン
含有スズ系金属層31は650℃以下の低温成膜技術で
形成することが可能であること、また上記結晶成長のシ
ード12となる段差を形成する際のエッチング工程、シ
ード層21の形成工程も、低温プロセスが可能であるこ
とから、本発明のプロセスは650℃以下で行える。そ
のため、上記絶縁基体11には、いわゆる低融点ガラス
基板を用いることが可能になる。また低融点ガラスで形
成されている長尺ロールガラスを用いることも可能にな
る。
【0062】また、上記第1,第2の実施の形態で形成
されるシリコン層17は、単結晶で形成され、その電子
移動度は例えば540cm2 /Vs程度になり、バルク
のシリコン基板と同程度の電子移動度が得られる。
【0063】また、シリコン含有スズ系金属溶融液1
6,32からシリコン層17を析出形成していることか
ら、できあがったシリコン層17にスズ系金属のスズ、
鉛等が含有されたとしても、それらはシリコン層17中
でキャリアにはならない。そのため、シリコン層17は
高抵抗なものとなる。またシリコン層17中に残留する
スズは、結晶欠陥を電気的に不活性にするため、接合リ
ークが低減され、電子移動度を高める。
【0064】また、上記シリコン薄膜14を成膜する
時、もしくはシリコン含有スズ系金属層31を成膜する
時に、例えばホウ素のようなp型不純物を混入し、その
際に不純物濃度を所望の量に制御しておけば、上記シリ
コン層17は所望の濃度のp型シリコン層となる。一
方、例えばリン、ヒ素、アンチモン等のn型不純物を混
入し、その際に不純物濃度を所望の量に制御しておけ
ば、上記シリコン層17は所望の濃度のn型シリコン層
となる。
【0065】次に本発明の半導体装置の製造方法に係わ
る好ましい実施の形態の詳細を図4〜図6の製造工程図
によって以下に説明する。図4〜図6では、一例とし
て、CMOSトランジスタの製造方法を以下に説明し、
前記図1によって説明したのと同様の構成部品には同一
符号を付与する。
【0066】図4の(1)に示すように、前記図1(シ
リコン層の形成方法に係わる第1の実施の形態)によっ
て説明したプロセスを行うことによって、絶縁基体11
上に単結晶シリコンを析出させてシリコン層17を形成
する。この図では、代表して、段差を結晶成長のシード
に用いた場合を示したが、前記図3(シリコン層の形成
方法に係わる第2の実施の形態)によって説明したプロ
セスを行うことによって、絶縁基体11上に単結晶シリ
コンを析出させてシリコン層17を形成してもよい。図
面では、塩酸等の酸を用いてシリコン層17上に析出し
たスズ系金属(図示省略)を選択的に除去した状態を示
した。
【0067】その後、上記シリコン層17に所定の処理
を施して半導体素子を形成する。以下、半導体素子とし
てCMOSトランジスタを形成する製造方法を説明す
る。
【0068】図4の(2)に示すように、上記シリコン
層17(17p,17n)を被覆する状態で上記絶縁基
体11上に、ゲート絶縁膜51を形成する。このゲート
絶縁膜51は、例えばプラズマCVD法により、まず酸
化シリコン膜を例えば200nmの厚さに堆積した後、
次いで窒化シリコン膜を例えば50nmの厚さに堆積し
て形成した。そのときの各成膜温度は、例えば400℃
に設定した。
【0069】次いで図4の(3)に示すように、ゲート
絶縁膜51上にレジスト膜52を例えば回転塗布法によ
り形成する。そしてリソグラフィー技術により、pチャ
ネルMOSトランジスタのチャネルを形成する領域上を
開口する開口部53を形成してレジストマスクを形成す
る。すなわち、シリコン層17n上はレジスト膜52に
被覆されている。その後、このレジスト膜52をマスク
に用いて、pチャネルMOSトランジスタのチャネルイ
オン注入をゲート絶縁膜51を介してシリコン層17p
に行う。イオン注入条件としては、例えば、不純物にリ
ンイオン(P+)を用い、打ち込みエネルギーを50k
eV、ドーズ量を1×1011atoms/cm2 に設定
する。その後、上記レジスト膜52を除去する。なお、
図面ではレジスト膜52を除去した状態を示した。
【0070】続いて図5の(4)に示すように、ゲート
絶縁膜51上にレジスト膜54を例えば回転塗布法によ
り形成する。そしてリソグラフィー技術により、nチャ
ネルMOSトランジスタのチャネルを形成する領域上を
開口する開口部55を形成してレジストマスクを形成す
る。すなわち、シリコン層17p上はレジスト膜54に
被覆されている。その後、このレジスト膜54をマスク
に用いて、pチャネルMOSトランジスタのチャネルイ
オン注入をゲート絶縁膜51を介してシリコン層17n
に行う。イオン注入条件としては、例えば、不純物にホ
ウ素イオン(B+ )を用い、打ち込みエネルギーを30
keV、ドーズ量を2.7×1011atoms/cm2
に設定する。その後、上記レジスト膜54を除去する。
なお、図面ではレジスト膜54を除去した状態を示し
た。
【0071】次いで図5の(5)に示すように、例えば
スパッタリングにより、上記ゲート絶縁膜51上にゲー
ト電極膜56を、例えばモリブデン(15%)タンタル
(85%)膜で、例えば500nmの厚さに形成する。
【0072】その後、ゲート電極膜56上にレジスト膜
57を例えば回転塗布法により形成する。そしてリソグ
ラフィー技術により、ゲート電極が形成される領域上に
レジスト膜57(57p,57n)を残す。そしてレジ
スト膜57をマスクに用いてドライエッチング技術によ
り、ゲート電極膜56をパターニングする。その結果、
図5の(6)に示すように、各シリコン層17(17
p,17n)上にゲート絶縁膜51を介してゲート電極
58(58p,58n)を形成する。その後、上記レジ
スト膜57を除去する。なお、図面ではレジスト膜57
を除去した状態を示した。
【0073】次に図6の(7)に示すように、ゲート電
極58、ゲート絶縁膜51等を覆う状態にレジスト膜5
9を例えば回転塗布法により形成する。そしてリソグラ
フィー技術により、nチャネルMOSトランジスタのチ
ャネルを形成する領域上を開口する開口部60を形成し
てレジストマスクを形成する。すなわち、シリコン層1
7p上はレジスト膜59に被覆されている。その後、こ
のレジスト膜59およびゲート電極58nをマスクに用
いて、nチャネルMOSトランジスタのソース、ドレイ
ンイオン注入をゲート絶縁膜51を介してシリコン層1
7nに行う。イオン注入条件としては、例えば、不純物
にヒ素イオン(As+ )を用い、打ち込みエネルギーを
70keV、ドーズ量を5×1015atoms/cm2
に設定する。その後、上記レジスト膜59を除去する。
なお、図面ではレジスト膜59を除去した状態を示し
た。
【0074】次いで図6の(8)に示すように、ゲート
電極58、ゲート絶縁膜51等を覆う状態にレジスト膜
61を例えば回転塗布法により形成する。そしてリソグ
ラフィー技術により、pチャネルMOSトランジスタの
チャネルを形成する領域上を開口する開口部62を形成
してレジストマスクを形成する。すなわち、シリコン層
17n上はレジスト膜61に被覆されている。その後、
このレジスト膜61およびゲート電極58pをマスクに
用いて、pチャネルMOSトランジスタのソース、ドレ
インイオン注入をシリコン層17pに行う。イオン注入
条件としては、例えば、不純物に二フッ化ホウ素イオン
(BF2 + )を用い、打ち込みエネルギーを30ke
V、ドーズ量を1×1015atoms/cm2 に設定す
る。その後、上記レジスト膜61を除去する。なお、図
面ではレジスト膜61を除去した状態を示した。
【0075】その後図6の(9)に示すように、ソー
ス、ドレインの活性化アニーリングを、例えば1000
℃、10秒間のランプ加熱により行い、上記ゲート電極
58pの一方側のシリコン層17pにソース領域62p
を形成し、他方側のシリコン層17pにドレイン領域6
3pを形成して、pチャネルMOSトランジスタ50p
が完成する。それとともに、上記ゲート電極58nの一
方側のシリコン層17nにソース領域62nを形成し、
他方側のシリコン層17nにドレイン領域63nを形成
して、nチャネルMOSトランジスタ50nが完成す
る。そしてゲート電極58n下でかつソース領域62n
とドレイン領域63nとの間のシリコン層17nがnチ
ャネルMOSトランジスタ50nのチャネル領域にな
り、ゲート電極58p下でかつソース領域62pとドレ
イン領域63pとの間のシリコン層17pがpチャネル
MOSトランジスタ50pのチャネル領域になる。この
ようにして、CMOSトランジスタ50が完成する。
【0076】その後、図示はしないが、例えばCVD法
により、上記nチャネルMOSトランジスタ50n、p
チャネルMOSトランジスタ50p等を覆う状態に、酸
化シリコン膜を例えば200nmの厚さに成膜し、さら
にリンシリケートガラス(PSG)膜を例えば500n
mの厚さに成膜して、層間絶縁膜を形成する。上記PS
G膜はリン濃度の例えば3.5w%〜4.0w%として
形成される。
【0077】次いで層間絶縁膜上にレジスト膜を例えば
回転塗布法により成膜した後、リソグラフィー技術によ
り、電極を形成する所定の領域上に開口部を形成してレ
ジストマスクを形成する。その後、このレジスト膜をマ
スクに用いて、層間絶縁膜をエッチングし、接続孔を形
成する。そして上記レジストマスクを除去した後、例え
ばスパッタリングにより、上記接続孔の内部を含む上記
層間絶縁膜上に電極形成膜を例えばアルミニウム−シリ
コンを例えば1.0μmの厚さに堆積して形成する。こ
のスパッタリング時の基板温度は例えば150℃に設定
した。
【0078】その後、上記電極形成膜上にレジスト膜を
例えば回転塗布法により成膜した後、リソグラフィー技
術により、上記レジスト膜をパターニングして、電極を
形成する所定の領域上にレジスト膜を残す。そしてこの
レジスト膜をマスクに用いて、電極形成膜をエッチング
し、電極および配線を形成する。その後上記レジストマ
スクを除去する。
【0079】上記第1の実施の形態による半導体装置の
製造方法では、上記説明したシリコン層の製造方法を用
いて絶縁基体11上にシリコン層17を形成しているこ
とから、絶縁基体11に低融点ガラスを用いて、その上
に上記説明した特性のシリコン層17を得ることができ
る。そして、そのシリコン層17に所定の処理を施して
半導体素子としてnチャネルMOSトランジスタ50n
とpチャネルMOSトランジスタ50pとを形成してC
MOSトランジスタ50が完成されることから、そのC
MOSトランジスタ50は、バルクのシリコン基板に形
成したのと同様の高性能な特性が得られる。すなわち、
上記nチャネルMOSトランジスタ50nとpチャネル
MOSトランジスタ50pとは、高速動作、大電流密度
のトランジスタとなる。
【0080】上記説明では、CMOSトランジスタを説
明したが、上記シリコン層17には、高速で大電流密度
のトップゲート型TFT、ボトムゲート型TFT、デュ
アルゲート型TFT、エレクトロルミネッセンス素子、
電界放出型表示素子用トランジスタ、ダイオード、容
量、抵抗、光電池(太陽電池)、発光素子、受光素子等
の半導体素子を形成することも可能である。
【0081】上記各実施の形態で説明した各種数値は、
一例であってその値に限定されるものではなく、適宜変
更することが可能である。
【0082】
【発明の効果】以上、説明したように本発明のシリコン
層の製造方法によれば、結晶成長のシードを形成した絶
縁基体の表面側に、シリコン薄膜とスズ系金属層とを形
成して加熱処理を行うことで、もしくはシリコン含有ス
ズ系金属層を形成して加熱処理を行うことで、シリコン
含有スズ系金属溶融液を生成するので、その加熱処理は
シリコン含有スズ系金属溶融液を生成する400℃〜6
50℃程度の加熱温度で十分である。また結晶成長のシ
ードの形成、シリコン薄膜とスズ系金属層の形成、シリ
コン含有スズ系金属層等の形成プロセスも650℃以下
のいわゆる低温プロセスが可能であるので、絶縁基体に
は、安価ないわゆる低融点ガラス基板を用いることが可
能になる。そのため、低融点ガラスで形成されている長
尺ロールガラスを用いることも可能になる。しかも、上
記シリコン層は、単結晶で形成され、その電子移動度は
例えば540cm2 /Vs程度になり、バルクのシリコ
ン基板と同程度の電子移動度が得られる。
【0083】また、シリコン含有スズ系金属溶融液から
シリコン層を形成しているので、出来上がったシリコン
層にスズ系金属のスズ、鉛等が含有されたとしても、そ
れらはシリコン層中でキャリアにはならない。そのた
め、シリコン層は高抵抗なものとなる。またシリコン層
中に残留するスズは、結晶欠陥を電気的に不活性にする
ので、接合リークを低減することができ、電子移動度を
高めることができる。
【0084】本発明の半導体装置の製造方法によれば、
本発明のシリコン層の製造方法を用いて絶縁基体上にシ
リコン層を形成しているので、絶縁基体に低融点ガラス
を用いることが可能になり、シリコン層は電子移動度は
例えば540cm2 /Vs程度のものが得られるので、
そのシリコン層に形成した半導体素子は、バルクのシリ
コン基板に形成したのと同様に高性能な特性が得られ
る。例えば絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、高速
動作、大電流密度のトランジスタとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン層の製造方法に係わる第1の
実施の形態を示す製造工程図である。
【図2】結晶成長のシードをシリコンとの格子整合性を
有するような物質からなるシード層で形成した場合のシ
リコン層の製造方法を説明する製造工程図である。
【図3】本発明のシリコン層の製造方法に係わる第2の
実施の形態を示す製造工程図である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法に係わる実施の
形態を示す製造工程図である。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法に係わる実施の
形態を示す製造工程図(続き1)である。
【図6】本発明の半導体装置の製造方法に係わる実施の
形態を示す製造工程図(続き2)である。
【図7】シリコン−スズの状態図である。
【図8】スズに対するシリコンの溶解度曲線を示す図で
ある。
【符号の説明】
11…絶縁基体、12…結晶成長のシード、14…シリ
コン薄膜、15…スズ系金属層、16…シリコン含有ス
ズ系金属溶融液、17…シリコン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢木 肇 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 佐藤 勇一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 大津 孝二 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BA01 BA04 BA07 CA03 EB01 ED04 EH10 HA06 5F052 AA01 AA17 AA24 CA09 DA01 DA02 DB02 DB03 DB07 EA13 EA16 FA12 FA19 GC06 GC07 GC09 GC10 HA03 JA04 5F053 AA03 AA22 AA25 BB24 DD01 FF05 GG01 HH05 LL10 PP12 PP13 RR20

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基体の表面側に結晶成長のシードを
    形成する工程と、 前記絶縁基体の表面側に所定の膜厚のシリコン薄膜と、
    スズもしくはスズ鉛合金からなるスズ系金属層とを形成
    する工程と、 加熱処理により、前記スズ系金属層を溶解するとともに
    その溶融液中に前記シリコン薄膜を溶解してシリコン含
    有スズ系金属溶融液を生成する工程と、 冷却処理により、前記結晶成長のシードを起点にして前
    記シリコン含有スズ系金属溶融液中のシリコンを結晶成
    長させ、前記絶縁基体の表面側にシリコン層を形成する
    工程とを備えたことを特徴とするシリコン層の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁基体の表面側に段差を形成して
    前記結晶成長のシードとすることを特徴とする請求項1
    記載のシリコン層の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記絶縁基体の表面側にシリコンとの格
    子整合性を有するような物質からなるシード層を形成し
    て前記結晶成長のシードとすることを特徴とする請求項
    1記載のシリコン層の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素雰
    囲気、水素と不活性なガスとの混合ガス雰囲気もしくは
    不活性なガス雰囲気下で、前記シリコン含有スズ系金属
    溶融液を生成する温度以上前記絶縁基体の最高使用温度
    以下の温度範囲内で加熱することを特徴とする請求項2
    記載のシリコン層の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素雰
    囲気、水素と不活性なガスとの混合ガス雰囲気もしくは
    不活性なガス雰囲気下で、前記シリコン含有スズ系金属
    溶融液を生成する温度以上前記絶縁基体の最高使用温度
    以下の温度範囲内で加熱することを特徴とする請求項3
    記載のシリコン層の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記シリコン薄膜の成膜時にp型不純物
    もしくはn型不純物を混入して前記シリコン層の導電型
    および不純物濃度を制御することを特徴とする請求項2
    記載のシリコン層の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記シリコン薄膜の成膜時にp型不純物
    もしくはn型不純物を混入して前記シリコン層の導電型
    および不純物濃度を制御することを特徴とする請求項3
    記載のシリコン層の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記絶縁基体は低融点ガラスからなり、 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素雰囲気、水素と不
    活性なガスとの混合ガス雰囲気もしくは不活性なガス雰
    囲気下で、前記シリコン含有スズ系金属溶融液を生成す
    る温度以上前記低融点ガラスの歪点未満の温度で加熱す
    ることを特徴とする請求項2記載のシリコン層の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記絶縁基体は低融点ガラスからなり、 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素雰囲気、水素と不
    活性なガスとの混合ガス雰囲気もしくは不活性なガス雰
    囲気下で、前記シリコン含有スズ系金属溶融液を生成す
    る温度以上前記低融点ガラスの歪点未満の温度で加熱す
    ることを特徴とする請求項3記載のシリコン層の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 絶縁基体の表面側に結晶成長のシード
    を形成する工程と、 前記絶縁基体の表面側にシリコンを含有するスズもしく
    はシリコンを含有するスズ鉛合金からなるシリコン含有
    スズ系金属層とを形成する工程と、 加熱処理により、前記シリコン含有スズ系金属層を溶解
    してシリコン含有スズ系金属溶融液を生成する工程と、 冷却処理により、前記結晶成長のシードを起点にして前
    記シリコン含有スズ系金属溶融液中のシリコンを結晶成
    長させ、前記絶縁基体の表面側にシリコン層を形成する
    工程とを備えたことを特徴とするシリコン層の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記絶縁基体の表面側に段差を形成し
    て前記結晶成長のシードとすることを特徴とする請求項
    10記載のシリコン層の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記絶縁基体の表面側にシリコンとの
    格子整合性を有するような物質からなるシード層を形成
    して前記結晶成長のシードとすることを特徴とする請求
    項10記載のシリコン層の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素
    雰囲気、水素と不活性なガスとの混合ガス雰囲気もしく
    は不活性なガス雰囲気下で、前記シリコン含有スズ系金
    属の融点以上前記絶縁基体の最高使用温度以下の温度範
    囲内で加熱することを特徴とする請求項11記載のシリ
    コン層の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素
    雰囲気、水素と不活性なガスとの混合ガス雰囲気もしく
    は不活性なガス雰囲気下で、前記シリコン含有スズ系金
    属の融点以上前記絶縁基体の最高使用温度以下の温度範
    囲内で加熱することを特徴とする請求項12記載のシリ
    コン層の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記シリコン含有スズ系金属層の成膜
    時にp型不純物もしくはn型不純物を混入して前記シリ
    コン層の導電型および不純物濃度を制御することを特徴
    とする請求項11記載のシリコン層の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記シリコン含有スズ系金属層の成膜
    時にp型不純物もしくはn型不純物を混入して前記シリ
    コン層の導電型および不純物濃度を制御することを特徴
    とする請求項12記載のシリコン層の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記絶縁基体は低融点ガラスからな
    り、 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素雰囲気、水素と不
    活性なガスとの混合ガス雰囲気もしくは不活性なガス雰
    囲気下で、前記シリコン含有スズ系金属層の融点以上前
    記低融点ガラスの歪点未満の温度で加熱することを特徴
    とする請求項11記載のシリコン層の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記絶縁基体は低融点ガラスからな
    り、 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素雰囲気、水素と不
    活性なガスとの混合ガス雰囲気もしくは不活性なガス雰
    囲気下で、前記シリコン含有スズ系金属層の融点以上前
    記低融点ガラスの歪点未満の温度で加熱することを特徴
    とする請求項12記載のシリコン層の製造方法。
  19. 【請求項19】 絶縁基体の表面側に結晶成長のシード
    を形成する工程と、 前記絶縁基体の表面側に所定の膜厚のシリコン薄膜と、
    スズもしくはスズ鉛合金からなるスズ系金属層とを形成
    する工程と、 加熱処理により、前記スズ系金属層を溶解するとともに
    その溶融液中に前記シリコン薄膜を溶解してシリコン含
    有スズ系金属溶融液を生成する工程と、 冷却処理により、前記結晶成長のシードを起点にして前
    記シリコン含有スズ系金属溶融液中のシリコンを結晶成
    長させ、前記絶縁基体の表面側にシリコン層を形成する
    工程と、 前記シリコン層上に析出したスズ系金属層を除去する工
    程と、 前記シリコン層に所定の処理を施して半導体素子を形成
    する工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  20. 【請求項20】 前記絶縁基体の表面側に段差を形成し
    て前記結晶成長のシードとすることを特徴とする請求項
    19記載の半導体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記絶縁基体の表面側にシリコンとの
    格子整合性を有するような物質からなるシード層を形成
    して前記結晶成長のシードとすることを特徴とする請求
    項19記載の半導体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素
    雰囲気、水素と不活性なガスとの混合ガス雰囲気もしく
    は不活性なガス雰囲気下で、前記シリコン含有スズ系金
    属溶融液を生成する温度以上前記絶縁基体の最高使用温
    度以下の温度範囲内で加熱することを特徴とする請求項
    20記載の半導体装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素
    雰囲気、水素と不活性なガスとの混合ガス雰囲気もしく
    は不活性なガス雰囲気下で、前記シリコン含有スズ系金
    属溶融液を生成する温度以上前記絶縁基体の最高使用温
    度以下の温度範囲内で加熱することを特徴とする請求項
    21記載の半導体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記シリコン薄膜の成膜時にp型不純
    物もしくはn型不純物を混入して前記シリコン層の導電
    型および不純物濃度を制御することを特徴とする請求項
    20記載の半導体装置の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記シリコン薄膜の成膜時にp型不純
    物もしくはn型不純物を混入して前記シリコン層の導電
    型および不純物濃度を制御することを特徴とする請求項
    21記載の半導体装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記絶縁基体は低融点ガラスからな
    り、 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素雰囲気、水素と不
    活性なガスとの混合ガス雰囲気もしくは不活性なガス雰
    囲気下で、前記シリコン含有スズ系金属溶融液を生成す
    る温度以上前記低融点ガラスの歪点未満の温度範囲内で
    加熱することを特徴とする請求項20記載の半導体装置
    の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記絶縁基体は低融点ガラスからな
    り、 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素雰囲気、水素と不
    活性なガスとの混合ガス雰囲気もしくは不活性なガス雰
    囲気下で、前記シリコン含有スズ系金属溶融液を生成す
    る温度以上前記低融点ガラスの歪点未満の温度範囲内で
    加熱することを特徴とする請求項21記載の半導体装置
    の製造方法。
  28. 【請求項28】 絶縁基体の表面側に結晶成長のシード
    を形成する工程と、 前記絶縁基体の表面側にシリコンを含有するスズもしく
    はシリコンを含有するスズ鉛合金からなるシリコン含有
    スズ系金属層とを形成する工程と、 加熱処理により、前記シリコン含有スズ系金属層を溶解
    してシリコン含有スズ系金属溶融液を形成する工程と、 冷却処理により、前記結晶成長のシードを起点にして前
    記シリコン含有スズ系金属溶融液中のシリコンを結晶成
    長させ、前記絶縁基体の表面側にシリコン層を形成する
    工程と、 前記シリコン層上に析出したスズ系金属層を除去する工
    程と、 前記シリコン層に所定の処理を施して半導体素子を形成
    する工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  29. 【請求項29】 前記絶縁基体の表面側に段差を形成し
    て前記結晶成長のシードとすることを特徴とする請求項
    28記載の半導体装置の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記絶縁基体の表面側にシリコンとの
    格子整合性を有するような物質からなるシード層を形成
    して前記結晶成長のシードとすることを特徴とする請求
    項28記載の半導体装置の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素
    雰囲気、水素と不活性なガスとの混合ガス雰囲気もしく
    は不活性なガス雰囲気下で、前記シリコン含有スズ系金
    属の融点以上前記絶縁基体の最高使用温度以下の温度範
    囲内で加熱することを特徴とする請求項29記載の半導
    体装置の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素
    雰囲気、水素と不活性なガスとの混合ガス雰囲気もしく
    は不活性なガス雰囲気下で、前記シリコン含有スズ系金
    属の融点以上前記絶縁基体の最高使用温度以下の温度範
    囲内で加熱することを特徴とする請求項30記載の半導
    体装置の製造方法。
  33. 【請求項33】 前記シリコン含有スズ系金属層の成膜
    時にp型不純物もしくはn型不純物を混入して前記シリ
    コン層の導電型および不純物濃度を制御することを特徴
    とする請求項29記載の半導体装置の製造方法。
  34. 【請求項34】 前記シリコン含有スズ系金属層の成膜
    時にp型不純物もしくはn型不純物を混入して前記シリ
    コン層の導電型および不純物濃度を制御することを特徴
    とする請求項30記載の半導体装置の製造方法。
  35. 【請求項35】 前記絶縁基体は低融点ガラスからな
    り、 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素雰囲気、水素と不
    活性なガスとの混合ガス雰囲気もしくは不活性なガス雰
    囲気下で、前記シリコン含有スズ系金属層の融点以上前
    記低融点ガラスの歪点未満の温度で加熱することを特徴
    とする請求項29記載の半導体装置の製造方法。
  36. 【請求項36】 前記絶縁基体は低融点ガラスからな
    り、 前記加熱処理は、前記絶縁基体を水素雰囲気、水素と不
    活性なガスとの混合ガス雰囲気もしくは不活性なガス雰
    囲気下で、前記シリコン含有スズ系金属層の融点以上前
    記低融点ガラスの歪点未満の温度で加熱することを特徴
    とする請求項30記載の半導体装置の製造方法。
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