JP2000084856A - 弾性体を介して超砥粒層を設けた鏡面加工用超砥粒砥石 - Google Patents
弾性体を介して超砥粒層を設けた鏡面加工用超砥粒砥石Info
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- JP2000084856A JP2000084856A JP10295999A JP29599998A JP2000084856A JP 2000084856 A JP2000084856 A JP 2000084856A JP 10295999 A JP10295999 A JP 10295999A JP 29599998 A JP29599998 A JP 29599998A JP 2000084856 A JP2000084856 A JP 2000084856A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】遊離砥粒加工を固定砥粒加工化できるだけでな
く、粗粒超砥粒砥石をダイヤモンドロータリドレッサで
ツルーイング・ドレッシングすることによって、切れ味
が極めて良好で、寿命の長い鏡面加工用超砥粒砥石を提
供する。 【解決手段】平均粒径30〜200μmの超砥粒が結合
材によって一層固着されたカップ型砥石の超砥粒先端部
をツルーイングによって、先端部の相互の段差が5μm
以内の平坦部を形成し、さらにドレッシングによって、
平坦部に深さが5μm以内の微小な溝・凹部を形成し
て、これを切れ刃として作用させ、超砥粒層は弾性体を
介して金属製台金に固着して、わずかな超砥粒先端高さ
の不揃いを弾性変形によって減少させる。
く、粗粒超砥粒砥石をダイヤモンドロータリドレッサで
ツルーイング・ドレッシングすることによって、切れ味
が極めて良好で、寿命の長い鏡面加工用超砥粒砥石を提
供する。 【解決手段】平均粒径30〜200μmの超砥粒が結合
材によって一層固着されたカップ型砥石の超砥粒先端部
をツルーイングによって、先端部の相互の段差が5μm
以内の平坦部を形成し、さらにドレッシングによって、
平坦部に深さが5μm以内の微小な溝・凹部を形成し
て、これを切れ刃として作用させ、超砥粒層は弾性体を
介して金属製台金に固着して、わずかな超砥粒先端高さ
の不揃いを弾性変形によって減少させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン、ガラ
ス、セラミックス、フェライト、水晶、超硬合金等の硬
脆材料を鏡面加工するのに用いる超砥粒砥石に関するも
のである。
ス、セラミックス、フェライト、水晶、超硬合金等の硬
脆材料を鏡面加工するのに用いる超砥粒砥石に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】最近、半導体における高集積化やセラミ
ックス、ガラス、フェライトなどの加工において超精密
化などの急激な技術革新により、高精度な鏡面加工が要
求されている。この鏡面加工は一般的にラッピング加工
と呼ばれる研削方法で、ラップ定盤と工作物の間にラッ
プ液に混合した遊離砥粒を供給して、ラップ定盤と工作
物に圧力を加えながら擦り合わせ、遊離砥粒の転動作用
と引っかき作用により工作物を削り、高精度な鏡面を得
る加工法である。しかし、ラッピング加工に際しては遊
離砥粒を多く消費するため、使用済みの遊離砥粒と切り
粉とラップ液の混合物、すなわちスラッジと呼ばれるも
のが大量に発生し作業環境の悪化と公害発生が大きな問
題となっていた。
ックス、ガラス、フェライトなどの加工において超精密
化などの急激な技術革新により、高精度な鏡面加工が要
求されている。この鏡面加工は一般的にラッピング加工
と呼ばれる研削方法で、ラップ定盤と工作物の間にラッ
プ液に混合した遊離砥粒を供給して、ラップ定盤と工作
物に圧力を加えながら擦り合わせ、遊離砥粒の転動作用
と引っかき作用により工作物を削り、高精度な鏡面を得
る加工法である。しかし、ラッピング加工に際しては遊
離砥粒を多く消費するため、使用済みの遊離砥粒と切り
粉とラップ液の混合物、すなわちスラッジと呼ばれるも
のが大量に発生し作業環境の悪化と公害発生が大きな問
題となっていた。
【0003】この遊離砥粒を用いた研削方法を改め、固
定された微粒超砥粒による鏡面加工法の研究開発が盛ん
に行われている。例えば、シリコンのような硬脆材料を
延性モードにて研削加工するには、レジンボンド超砥粒
砥石が用いられる。研削作用面の単位面積当たりの作用
砥粒数を増やして最大砥粒切り込み深さを小さくするた
めに、微粒超砥粒を用いること、およびレジンボンドの
ような弾性に富んだ結合材を用いることが極めて有効で
あるからである。他の鏡面研削加工方法としては、メタ
ルボンド超砥粒砥石を電解により結合材を溶かしながら
ドレッシングして研削するようにしたELID研削加工
法などが良く知られている。
定された微粒超砥粒による鏡面加工法の研究開発が盛ん
に行われている。例えば、シリコンのような硬脆材料を
延性モードにて研削加工するには、レジンボンド超砥粒
砥石が用いられる。研削作用面の単位面積当たりの作用
砥粒数を増やして最大砥粒切り込み深さを小さくするた
めに、微粒超砥粒を用いること、およびレジンボンドの
ような弾性に富んだ結合材を用いることが極めて有効で
あるからである。他の鏡面研削加工方法としては、メタ
ルボンド超砥粒砥石を電解により結合材を溶かしながら
ドレッシングして研削するようにしたELID研削加工
法などが良く知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レジンボンド
超砥粒砥石においては、微細超砥粒を使用するため砥石
の切れ味が悪く、しかも砥石磨耗が大きいので加工面の
形状や精度の低下が起きやすく、頻繁にツルーイング・
ドレッシングをしなければならない問題があった。メタ
ルボンド超砥粒砥石においては、レジンボンドと同程度
の鏡面を得ようとするとボンド材が高剛性であるためレ
ジンボンドよりも更に細かい超砥粒にする必要があり、
いっそう切れ味が悪化する問題があった。さらに、両者
とも微粒超砥粒を用いるため、砥粒の脱落によるスクラ
ッチ傷を工作物に発生し易いことや砥石寿命が短い問題
があった。
超砥粒砥石においては、微細超砥粒を使用するため砥石
の切れ味が悪く、しかも砥石磨耗が大きいので加工面の
形状や精度の低下が起きやすく、頻繁にツルーイング・
ドレッシングをしなければならない問題があった。メタ
ルボンド超砥粒砥石においては、レジンボンドと同程度
の鏡面を得ようとするとボンド材が高剛性であるためレ
ジンボンドよりも更に細かい超砥粒にする必要があり、
いっそう切れ味が悪化する問題があった。さらに、両者
とも微粒超砥粒を用いるため、砥粒の脱落によるスクラ
ッチ傷を工作物に発生し易いことや砥石寿命が短い問題
があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、遊離砥粒加工
を固定砥粒加工化できるだけでなく、粗粒超砥粒砥石を
ダイヤモンドドレッサーでツルーイング・ドレッシング
することによって、切れ味が極めて良好で、寿命の長い
鏡面加工用超砥粒砥石を提供することにある。粗粒超砥
粒により大きな容量のチップポケットが切り粉の排出を
スムーズにして高能率加工を可能にし、わずかな超砥粒
先端高さの不揃いを弾性体の変形によって減少させ、平
坦部の微小な溝又は凹部が作用砥粒数を多くして微粒超
砥粒と同様な高品位な表面粗さが得られ、さらにNiめ
っきまたはレジンボンドにより粗粒超砥粒を強固に保持
するので砥粒の脱落がほとんどなく長寿命が得られる。
すなわち粗粒と微粒の両者の特長を兼ね備えた鏡面加工
用超砥粒砥石を提供することを目的とする。
を固定砥粒加工化できるだけでなく、粗粒超砥粒砥石を
ダイヤモンドドレッサーでツルーイング・ドレッシング
することによって、切れ味が極めて良好で、寿命の長い
鏡面加工用超砥粒砥石を提供することにある。粗粒超砥
粒により大きな容量のチップポケットが切り粉の排出を
スムーズにして高能率加工を可能にし、わずかな超砥粒
先端高さの不揃いを弾性体の変形によって減少させ、平
坦部の微小な溝又は凹部が作用砥粒数を多くして微粒超
砥粒と同様な高品位な表面粗さが得られ、さらにNiめ
っきまたはレジンボンドにより粗粒超砥粒を強固に保持
するので砥粒の脱落がほとんどなく長寿命が得られる。
すなわち粗粒と微粒の両者の特長を兼ね備えた鏡面加工
用超砥粒砥石を提供することを目的とする。
【0006】その特徴とするところは、平均粒径が30
〜200μmの超砥粒が結合材によって一層固着された
超砥粒層を有するカップ型超砥粒砥石であって、該超砥
粒の先端部がツルーイングによって、先端部の相互の段
差が5μm以内の平坦部を有し、さらにドレッシングに
よって該平坦部に深さが5μm以内の微小な溝または凹
部が形成されて、これが切れ刃として作用することと、
該超砥粒層が弾性体を介して金属製台金に固着され、わ
ずかな超砥粒先端高さの不揃いを弾性変形によって減少
させる機能を有する超砥粒砥石である。
〜200μmの超砥粒が結合材によって一層固着された
超砥粒層を有するカップ型超砥粒砥石であって、該超砥
粒の先端部がツルーイングによって、先端部の相互の段
差が5μm以内の平坦部を有し、さらにドレッシングに
よって該平坦部に深さが5μm以内の微小な溝または凹
部が形成されて、これが切れ刃として作用することと、
該超砥粒層が弾性体を介して金属製台金に固着され、わ
ずかな超砥粒先端高さの不揃いを弾性変形によって減少
させる機能を有する超砥粒砥石である。
【0007】ここで超砥粒の平均粒径が30〜200μ
mと限定したのは、硬脆材料の鏡面加工を目的とし、イ
ンフィード切り込み方式のロータリーテーブル式平面研
削盤に取り付けられる、超砥粒を一層固着したカップ型
超砥粒に最適な粒径の範囲を規定したもので、砥石寿命
と砥粒保持力を考慮すると大粒であるほど良い結果が得
られるので、超砥粒の平均粒径は50μm以上であるこ
とが好ましい。超砥粒の先端部はダイヤモンドロータリ
ドレッサ(RD)によってツルーイングして先端部の相
互の段差が5μm以内の平坦部を形成し、さらにドレッ
シングして、その平坦部に深さが5μm以内の微小な溝
または凹部を形成して切れ刃とする。ツルーイング・ド
レッシングするには切れ味が良く、ドレッシング抵抗の
低いRDを用いるのが成形精度と能率を考慮すると最も
好ましいが、RDの代用としてダイヤモンド粒度が#3
0(平均粒径650μm)程度で、ダイヤモンド砥粒の
先端部高さのバラツキを無くしたメタルボンド砥石また
は電着砥石を用いることも可能である。
mと限定したのは、硬脆材料の鏡面加工を目的とし、イ
ンフィード切り込み方式のロータリーテーブル式平面研
削盤に取り付けられる、超砥粒を一層固着したカップ型
超砥粒に最適な粒径の範囲を規定したもので、砥石寿命
と砥粒保持力を考慮すると大粒であるほど良い結果が得
られるので、超砥粒の平均粒径は50μm以上であるこ
とが好ましい。超砥粒の先端部はダイヤモンドロータリ
ドレッサ(RD)によってツルーイングして先端部の相
互の段差が5μm以内の平坦部を形成し、さらにドレッ
シングして、その平坦部に深さが5μm以内の微小な溝
または凹部を形成して切れ刃とする。ツルーイング・ド
レッシングするには切れ味が良く、ドレッシング抵抗の
低いRDを用いるのが成形精度と能率を考慮すると最も
好ましいが、RDの代用としてダイヤモンド粒度が#3
0(平均粒径650μm)程度で、ダイヤモンド砥粒の
先端部高さのバラツキを無くしたメタルボンド砥石また
は電着砥石を用いることも可能である。
【0008】超砥粒層は弾性体を介して金属製台金に固
着する。弾性体が変形することにより、最大で5μmあ
る超砥粒先端高さの不揃いを減少させるので弾性体には
ある程度の厚みが必要で、超砥粒砥石の結合材の種類、
超砥粒の平均粒径、砥粒集中度、工作物の種類、加工条
件、要求される工作物の精度によって厚みを決定する
が、少なくとも50μm以上の厚みが必要である。
着する。弾性体が変形することにより、最大で5μmあ
る超砥粒先端高さの不揃いを減少させるので弾性体には
ある程度の厚みが必要で、超砥粒砥石の結合材の種類、
超砥粒の平均粒径、砥粒集中度、工作物の種類、加工条
件、要求される工作物の精度によって厚みを決定する
が、少なくとも50μm以上の厚みが必要である。
【0009】また、超砥粒は、破砕性が高く、不規則形
状のレジンボンド用超砥粒であることと、研削作用面に
は、切り粉の排出を目的とした溝が研削作用面全体に対
して、面積比率で3〜40%設けられたことを特徴とす
るものである。レジンボンド用合成超砥粒は、メタルボ
ンド用合成超砥粒やソーブレード用合成超砥粒に比較し
て、破砕性が高いので、RDによるツルーイング・ドレ
ッシングより超砥粒先端に微小な切れ刃を形成させるの
に特に好適である。レジンボンド用合成超砥粒として
は、GEスーパーアブレイシブ社製、RVG、RVG−
D、RVG−W、または、トーメイダイヤ株式会社製、
IRV、IRV−NP、またはデ・ビアース社製、CD
A、CDA−Mなどが適用できる。切り粉の排出を目的
とした溝は、研削作用面に放射線状、網目状などの形態
で、研削作用面全体に対して、面積比率で3〜40%設
ける。外径がΦ150mm〜Φ400mmのカップ型超
砥粒砥石であれば、幅1mm〜10mmの溝を砥石の外
周を12〜64等分するように放射線状に設けるのが効
果的である。
状のレジンボンド用超砥粒であることと、研削作用面に
は、切り粉の排出を目的とした溝が研削作用面全体に対
して、面積比率で3〜40%設けられたことを特徴とす
るものである。レジンボンド用合成超砥粒は、メタルボ
ンド用合成超砥粒やソーブレード用合成超砥粒に比較し
て、破砕性が高いので、RDによるツルーイング・ドレ
ッシングより超砥粒先端に微小な切れ刃を形成させるの
に特に好適である。レジンボンド用合成超砥粒として
は、GEスーパーアブレイシブ社製、RVG、RVG−
D、RVG−W、または、トーメイダイヤ株式会社製、
IRV、IRV−NP、またはデ・ビアース社製、CD
A、CDA−Mなどが適用できる。切り粉の排出を目的
とした溝は、研削作用面に放射線状、網目状などの形態
で、研削作用面全体に対して、面積比率で3〜40%設
ける。外径がΦ150mm〜Φ400mmのカップ型超
砥粒砥石であれば、幅1mm〜10mmの溝を砥石の外
周を12〜64等分するように放射線状に設けるのが効
果的である。
【0010】また、超砥粒を一層固着するのに用いる結
合材をNiめっき、レジンボンドのいずれかとしたもの
である。金属製台金の表面に設けられた弾性体の表面に
Niめっき、またはレジンボンドにより超砥粒を一層の
み固着するもので、Niめっきの場合は、金属粒子等を
含有させ導電性を付与した弾性体に通電することによ
り、その表面に直接Niめっきする方法、または母型の
表面に超砥粒を予め仮固定してNiめっきして肉盛り
し、母型を除去する反転めっき法で得られた超砥粒層を
弾性体表面に固着する方法が適当である。レジンボンド
の場合は、ホットプレス法による方法、または液状レジ
ンを弾性体表面に塗布し、その上に超砥粒を均一に分散
させて散布し、オーブンに入れて加熱し、固着する方法
が適当である。
合材をNiめっき、レジンボンドのいずれかとしたもの
である。金属製台金の表面に設けられた弾性体の表面に
Niめっき、またはレジンボンドにより超砥粒を一層の
み固着するもので、Niめっきの場合は、金属粒子等を
含有させ導電性を付与した弾性体に通電することによ
り、その表面に直接Niめっきする方法、または母型の
表面に超砥粒を予め仮固定してNiめっきして肉盛り
し、母型を除去する反転めっき法で得られた超砥粒層を
弾性体表面に固着する方法が適当である。レジンボンド
の場合は、ホットプレス法による方法、または液状レジ
ンを弾性体表面に塗布し、その上に超砥粒を均一に分散
させて散布し、オーブンに入れて加熱し、固着する方法
が適当である。
【0011】また、弾性体は樹脂またはゴムとしたもの
である。樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系
樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ゴ
ムとしては、各種の合成ゴム、天然ゴムが適用できる。
なお、弾性体はヤング率の調整目的として、必要に応じ
て弾性体中に微粒ダイヤモンド、WC、TiCなどの炭
化物、Co、Feなど金属をフィラーとして充填しても
良い。
である。樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系
樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ゴ
ムとしては、各種の合成ゴム、天然ゴムが適用できる。
なお、弾性体はヤング率の調整目的として、必要に応じ
て弾性体中に微粒ダイヤモンド、WC、TiCなどの炭
化物、Co、Feなど金属をフィラーとして充填しても
良い。
【0012】
【発明の実施の形態】発明実施の形態については、実施
例の項で詳細に説明する。
例の項で詳細に説明する。
【0013】
【実施例】(実施例1)外径Φ250mm、幅5mm、
高さ40mmの鋼製台金を金型に組み込み、弾性体を形
成するために、フェノール系樹脂を均一に充填し、ホッ
トプレス法により台金表面にフェノール系樹脂を固着し
た。フェノール系樹脂層を規定の寸法に機械加工し、そ
の表面に液状フェノール樹脂を塗布し、粒度#230/
270(平均粒径64μm)のダイヤモンド砥粒を均一
に配置し、オーブンに入れて加熱してダイヤモンド砥粒
を一層固着した。さらに、反転めっき法で製作したRD
により、ダイヤモンド砥粒先端部をツルーイングによ
り、相互の段差が3μm以内とした平坦部を設け、さら
にドレッシングして、その平坦部に深さが1μmの溝、
凹部を形成し、実施例1の超砥粒砥石を完成させた。そ
して、実施例1の超砥粒砥石の性能を評価するために以
下の実験を行った。実施例1の超砥粒砥石を縦軸ロータ
リテーブル式平面研削盤に取り付け、湿式にて、単結晶
シリコンウエハを鏡面研削加工した。そのときの条件
は、砥石周速度が50m/秒、砥石の切り込み速度が5
μm/分、工作物回転数が50回転/分とした。その結
果、本実施例の切れ味は良好で、目づまりすることが無
く、長期間にわたって極めて安定した性能を発揮した。
この時に得られた工作物の表面粗さは、0.019μm
Raであった。
高さ40mmの鋼製台金を金型に組み込み、弾性体を形
成するために、フェノール系樹脂を均一に充填し、ホッ
トプレス法により台金表面にフェノール系樹脂を固着し
た。フェノール系樹脂層を規定の寸法に機械加工し、そ
の表面に液状フェノール樹脂を塗布し、粒度#230/
270(平均粒径64μm)のダイヤモンド砥粒を均一
に配置し、オーブンに入れて加熱してダイヤモンド砥粒
を一層固着した。さらに、反転めっき法で製作したRD
により、ダイヤモンド砥粒先端部をツルーイングによ
り、相互の段差が3μm以内とした平坦部を設け、さら
にドレッシングして、その平坦部に深さが1μmの溝、
凹部を形成し、実施例1の超砥粒砥石を完成させた。そ
して、実施例1の超砥粒砥石の性能を評価するために以
下の実験を行った。実施例1の超砥粒砥石を縦軸ロータ
リテーブル式平面研削盤に取り付け、湿式にて、単結晶
シリコンウエハを鏡面研削加工した。そのときの条件
は、砥石周速度が50m/秒、砥石の切り込み速度が5
μm/分、工作物回転数が50回転/分とした。その結
果、本実施例の切れ味は良好で、目づまりすることが無
く、長期間にわたって極めて安定した性能を発揮した。
この時に得られた工作物の表面粗さは、0.019μm
Raであった。
【0013】(実施例2)さらに実施例1と同様の方法
で、粒度#120/140(平均粒径126μm)のダ
イヤモンド砥粒を均一に配置し、オーブンに入れて加熱
しダイヤモンド砥粒を一層固着した。ツルーイング・ド
レッシング方法も同一とした。また同一条件で性能を評
価したところ、より切れ味が良好で、目づまりが無く安
定した性能を発揮した。工作物の表面粗さは、0.02
8μmRaであった。
で、粒度#120/140(平均粒径126μm)のダ
イヤモンド砥粒を均一に配置し、オーブンに入れて加熱
しダイヤモンド砥粒を一層固着した。ツルーイング・ド
レッシング方法も同一とした。また同一条件で性能を評
価したところ、より切れ味が良好で、目づまりが無く安
定した性能を発揮した。工作物の表面粗さは、0.02
8μmRaであった。
【0014】(実施例3)さらに実施例1、2と同様の
方法で、粒度#100/120(平均粒径151μm)
のダイヤモンド砥粒を均一に配置し、オーブンに入れて
加熱しダイヤモンド砥粒を一層固着した。ツルーイング
・ドレッシング方法も実施例1、2と同一とした。また
同一条件で性能を評価したところ、最も切れ味が良好
で、目づまりが無く安定した性能を発揮した。工作物の
表面粗さは、0.033μmRaであった。
方法で、粒度#100/120(平均粒径151μm)
のダイヤモンド砥粒を均一に配置し、オーブンに入れて
加熱しダイヤモンド砥粒を一層固着した。ツルーイング
・ドレッシング方法も実施例1、2と同一とした。また
同一条件で性能を評価したところ、最も切れ味が良好
で、目づまりが無く安定した性能を発揮した。工作物の
表面粗さは、0.033μmRaであった。
【0015】(比較例)比較例として、鋼製台金表面に
弾性体を設けず、直接に粒度#120/140(平均粒
径126μm)のダイヤモンド砥粒を均一に配置した電
着ダイヤモンド砥石を製作し、実施例と同様に反転めっ
き法で製作したRDにより、ダイヤモンド砥粒先端部を
ツルーイングにより、相互の段差が3μm以内とした平
坦部を設け、さらにドレッシングして、その平坦部に深
さが1μmの溝、凹部を形成し、比較例の超砥粒砥石を
完成させた。実施例と同一の条件で性能評価したとこ
ろ、切れ味は実施例と同等であったが工作物表面粗さ
は、0.040μmRaで最も粗いものであった。
弾性体を設けず、直接に粒度#120/140(平均粒
径126μm)のダイヤモンド砥粒を均一に配置した電
着ダイヤモンド砥石を製作し、実施例と同様に反転めっ
き法で製作したRDにより、ダイヤモンド砥粒先端部を
ツルーイングにより、相互の段差が3μm以内とした平
坦部を設け、さらにドレッシングして、その平坦部に深
さが1μmの溝、凹部を形成し、比較例の超砥粒砥石を
完成させた。実施例と同一の条件で性能評価したとこ
ろ、切れ味は実施例と同等であったが工作物表面粗さ
は、0.040μmRaで最も粗いものであった。
【0016】以上の結果より、実施例3のダイヤモンド
砥粒の平均粒径は比較例の約120%の大きさであるに
もかかわらず、比較例よりも細かい表面粗さが得られて
おり超砥粒層と台金の間の弾性体が有効に作用している
と考えられる。
砥粒の平均粒径は比較例の約120%の大きさであるに
もかかわらず、比較例よりも細かい表面粗さが得られて
おり超砥粒層と台金の間の弾性体が有効に作用している
と考えられる。
【0017】
【発明の効果】超砥粒層が弾性体を介して金属製台金に
固着されることにより、ツルーイング・ドレッシング後
の超砥粒先端高さのわずかな不揃いを弾性体の変形によ
って減少させ、極めて良好な鏡面が得られる。
固着されることにより、ツルーイング・ドレッシング後
の超砥粒先端高さのわずかな不揃いを弾性体の変形によ
って減少させ、極めて良好な鏡面が得られる。
【図1】一実施例の部分断面図を示す。
【図2】A部の拡大模式図を示す。
【図3】実施例1、2、3と比較例の性能評価を示す。
1 超砥粒 2 結合材 3 弾性体 4 台金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C063 AA02 AB05 BA02 BA24 BB02 BB07 BC02 BC03 BF02 EE15 FF23
Claims (4)
- 【請求項1】平均粒径が30〜200μmの超砥粒が結
合材によって一層固着された超砥粒層を有するカップ型
超砥粒砥石であって、該超砥粒の先端部がツルーイング
によって、先端部の相互の段差が5μm以内の平坦部を
有し、さらにドレッシングによって該平坦部に深さが5
μm以内の微小な溝または凹部が形成されて、これが切
れ刃として作用することと、該超砥粒層が弾性体を介し
て金属製台金に固着され、わずかな超砥粒先端高さの不
揃いを弾性変形によって減少させる機能を有することを
特徴とする超砥粒砥石。 - 【請求項2】上記の超砥粒は、破砕性が高く、不規則形
状のレジンボンド用超砥粒であることと、研削作用面に
は、切り粉の排出を目的とした溝が研削作用面全体に対
して、面積比率で3〜40%設けられたことを特徴とす
る請求項1記載の超砥粒砥石。 - 【請求項3】上記の結合材が、Niめっき、レジンボン
ドのいずれかであることを特徴とする請求項1または2
記載の超砥粒砥石。 - 【請求項4】上記の弾性体が樹脂またはゴムであること
を特徴とする請求項1、2または3記載の超砥粒砥石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10295999A JP2000084856A (ja) | 1998-09-09 | 1998-09-09 | 弾性体を介して超砥粒層を設けた鏡面加工用超砥粒砥石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10295999A JP2000084856A (ja) | 1998-09-09 | 1998-09-09 | 弾性体を介して超砥粒層を設けた鏡面加工用超砥粒砥石 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004291207A (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-21 | Toyoda Mach Works Ltd | 研削加工方法 |
CN100445037C (zh) * | 2007-09-21 | 2008-12-24 | 南京航空航天大学 | 用于化学机械抛光的分层冷冻磨料抛光垫及其制备方法 |
JP2009214278A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-09-24 | Nikon Corp | 研削用砥石 |
JP2011104714A (ja) * | 2009-11-17 | 2011-06-02 | Toyoda Van Moppes Ltd | 平面研削砥石の初期摩耗抑制方法 |
WO2019238040A1 (zh) * | 2018-06-13 | 2019-12-19 | 长沙理工大学 | 可正前角加工的有序微槽结构pcd砂轮及其制备方法 |
-
1998
- 1998-09-09 JP JP10295999A patent/JP2000084856A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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