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JP2000006439A - 非水電解質二次電池用負極板及び非水電解質二次電池用正極板 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極板及び非水電解質二次電池用正極板

Info

Publication number
JP2000006439A
JP2000006439A JP10177098A JP17709898A JP2000006439A JP 2000006439 A JP2000006439 A JP 2000006439A JP 10177098 A JP10177098 A JP 10177098A JP 17709898 A JP17709898 A JP 17709898A JP 2000006439 A JP2000006439 A JP 2000006439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
positive electrode
binder
electrode plate
electrode material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP10177098A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Hara
賢二 原
Yuichi Takatsuka
祐一 高塚
Koji Higashimoto
晃二 東本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd filed Critical Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
Priority to JP10177098A priority Critical patent/JP2000006439A/ja
Publication of JP2000006439A publication Critical patent/JP2000006439A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 合剤層の集電体からの剥離、脱落を防止し
て、サイクル寿命を延ばすことができる非水電解質二次
電池を得る。 【解決手段】 複酸化物からなる正極材と、芳香族ポリ
アミドイミド樹脂または芳香族ポリアミドイミド樹脂と
合成ゴムの共重合体からなバインダとを溶媒にそれぞれ
分散して正極スラリーを作る。正極スラリーを正極集電
体に塗布してから、乾燥、圧延を行って、正極材層を有
する正極板を作る。バインダの正極材層に対する割合は
1〜15重量%とする。炭素材からなる負極材と、芳香
族ポリアミドイミド樹脂または芳香族ポリアミドイミド
樹脂と合成ゴムの共重合体からなるバインダとを溶媒に
それぞれ分散して負極スラリーを作る。負極スラリーを
負極集電体に塗布してから、乾燥、圧延を行って、負極
材層を有する負極板を作る。バインダの負極材層に対す
る割合は1〜20重量%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン電
池等の非水電解質二次電池並びに該電池に用いる負極板
及び正極板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化及びポータブル
化が進んでいる。そこで、高エネルギー密度を有するリ
チウムイオン電池等の非水電解質二次電池を電子機器の
電源として用いることが急速に進んでいる。一般に非水
電解質二次電池は、正極板と負極板とが非水電解質層を
介して積層されて構成されている。そして、例えばリチ
ウムイオン電池に用いる正極板は、リチウム複酸化物か
らなる正極材と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)か
らなる結着剤(バインダ)とをN−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)からなる溶媒に分散したスラリーを金属
箔からなる正極集電体上に塗布する。そしてこの溶媒を
乾燥した後にローラープレス機により圧縮成形して合剤
層(正極材層)を形成して完成する。また、負極板は、
リチウムイオンを吸蔵、放出する炭素材からなる負極材
と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる結着剤
(バインダ)とをN−メチル−ピロリドン(NMP)か
らなる溶媒に分散したスラリーを金属箔からなる負極集
電体上に塗布する。そしてこの溶媒を乾燥した後にロー
ラープレス機により圧縮成形して合剤層(負極材層)を
形成して完成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリフ
ッ化ビニリデンをバインダとして用いた場合、集電体と
正極材層または負極材層からなる合剤層との界面の密着
性、及び合剤どうしの相互の密着性が低いため、合剤層
を製品幅にカットするスリッティング等の極板裁断工程
時に合剤層が集電体から剥離、脱落して微少短絡や電池
容量のばらつきを起こすおそれがある。また電池が充放
電を繰り返すことにより、極板が膨脹、収縮するので電
池の充放電によっても合剤は集電体から剥離、脱落す
る。特に負極板は膨脹、収縮が大きいので負極材の集電
体からの剥離、脱落は著しい。そのため、電池に充放電
を繰り返すと極板の集電効率が低下し、リチウムとの反
応の不均一が生じて電池容量が低下するという問題があ
った。また、ポリフッ化ビニリデンは、高電圧下での異
常温度上昇により分解してフッ化水素を発生するおそれ
がある。フッ化水素は、負極板表面の負極材や析出した
金属リチウムと反応して異常発熱して、最悪の場合に
は、電池が破裂するおそれがある。
【0004】ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂以外
のバインダとしては、アクリルゴム、スチレンブタジエ
ンゴム等の合成ゴムやエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等
の合成樹脂が挙げられる。しかしながら、これらのバイ
ンダは、非水電解液に溶解したり、非水電解液により大
きく膨脹するため、集電体と合剤層との界面の密着性及
び合剤どうしの相互の密着性を長期間に亘って維持する
のが難しい。
【0005】また、耐電解液性を改良したバインダも近
年開発されているが、正極材または負極材とこれらのバ
インダとを均一分散することが非常に困難であるため、
バインダにセルロール、界面活性剤等の添加が必要にな
る。
【0006】本発明の目的は、正極材の集電体からの剥
離、脱落を防止できる非水電解質二次電池用正極板を提
供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、負極材の集電体から
の剥離、脱落を防止できる非水電解質二次電池用負極板
を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、サイクル寿命を延ば
すことができる非水電解質二次電池を提供することにあ
る。
【0009】本発明の他の目的は、サイクル寿命を延ば
すことができ、しかも安全な非水電解質二次電池を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、負極集電体上
に負極材とバインダとを含む負極材層が形成されてなる
非水電解質二次電池用負極板を対象にして、フェニル基
及びアミド基を含む芳香族熱可塑性樹脂、または芳香族
熱可塑性樹脂と合成ゴムの共重合体によりバインダを形
成し、バインダの負極材層に対する割合を1〜20重量
%とする。また、正極集電体上に正極材とバインダとを
含む正極材層が形成されてなる非水電解質二次電池用正
極板を対象にして、フェニル基及びアミド基を含む芳香
族熱可塑性樹脂、または芳香族熱可塑性樹脂と合成ゴム
の共重合体によりバインダを形成し、バインダの正極材
層に対する割合を1〜15重量%とする。芳香族熱可塑
性樹脂としては、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリア
ミドイミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂等を用
いることができる。また、芳香族熱可塑性樹脂と共重合
体を作る合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、
ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ア
クリルゴム等を用いることができる。
【0011】フェニル基及びアミド基を含む芳香族熱可
塑性樹脂または該芳香族熱可塑性樹脂と合成ゴムの共重
合体からなるバインダは耐熱性が高く、しかも接合性が
高く、集電体と正極材層または負極材層からなる合剤層
との界面の密着性、及び合剤どうしの相互の密着性を高
めることができる。また、このようなバインダは、非水
電解液に溶解し難いため、長期に亘って密着性を維持す
ることができる。そのため、本発明によれば、充放電サ
イクルによる電池の容量低下を抑えることができる。特
に負極板は膨脹、収縮が大きいので電池の容量低下を抑
える効果が高い。また、このようなバインダは、密着性
が高いため、バインダ量を減らすことができるので、合
剤の充填量を高めて電池容量を高めることができる。ま
た、この種のバインダは、高電圧下での異常温度上昇に
よっても分解し難い上、フッ素を含むものではないの
で、電池が破裂するような危険性がない。また、このよ
うなバインダは、正極材または負極材に容易に均一に分
散させることができる。
【0012】フェニル基及びアミド基を含む芳香族熱可
塑性樹脂は合成ゴムと共重合体を形成すると、バインダ
に柔軟性を付与することができ、密着性を更に高めるこ
とがる。末端にアミノ基を有するスチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム
は、フェニル基及びアミド基を含む芳香族熱可塑性樹脂
とブロック共重合を形成できる。末端にカルボキシル基
を有するアクリルゴムは、フェニル基及びアミド基を含
む芳香族熱可塑性樹脂とグラフト共重合を形成できる。
共重合体によりバインダを形成する場合、合成ゴムの共
重合体に対する割合を5〜60重量%とするのが好まし
い。合成ゴムの割合が60重量%を上回ると、共重合体
の弾性率が急激に低下して、応力緩和性が低下するた
め、極板の製造が困難になる。
【0013】これらのバインダを負極板に用いる場合に
は、負極材層に対するバインダの割合を1〜20重量%
とする。好ましくは3〜10重量%とする。バインダの
割合が1重量%を下回ると密着力を十分に高めることが
できない。バインダの割合が20重量%を上回ると密着
性に大きな変化はない上、負極材充填量が低下して電池
の初期容量を高めることができない。負極材量が一定量
以上に低下すると、充電時に負極材に挿入できる量以上
のリチウムイオンが正極材より放出され、負極材表面に
過剰なリチウムが析出する。そのため、電池容量が低下
する上、電池の安全性が著しく低下する。また、これら
のバインダを正極板に用いる場合には、正極材層に対す
るバインダの割合を1〜15重量%とする。好ましくは
3〜10重量%とする。バインダの割合が1重量%を下
回ると密着力を十分に高めることができない。バインダ
の割合が15重量%を上回ると密着性には大きな変化は
ない上、正極材充填量が低下して電池の初期容量を高め
ることができない。
【0014】正極材としては、リチウム及び遷移金属を
含む複酸化物を用いることができる。ここでの遷移金属
は、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Mo,
W,Cuから選ばれる少なくとも1種を用いることがで
きる。負極材としては、ピッチコークス,黒鉛,炭素繊
維,活性炭等の炭素材を用いることができる。非水電解
質は、リチウム塩からなる電解質に有機溶媒に溶解した
ものを用いることができる。有機溶媒としては、プロピ
レンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジ
メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチル
カーボネート、γ−ブチルラクトン、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、スルホラン、アセトニトリル及
びこれらの混合物等を用いることができる。リチウム塩
としては、LiClO4 、LiPF6 、LiPF4 、L
iBF4 、LiCl、LiBr、CH3 SO3 Li、L
iAsF6 等を用いることができる。
【0015】芳香族熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、
50000〜500000が好ましい。重量平均分子量
が50000を下回ると、耐電解液性が劣り、樹脂の膨
脹率が高くなる。そのため、集電体と合剤層との界面の
密着性及び合剤どうしの相互の密着性を長期に亘って維
持するのが難しい。重量平均分子量が500000を上
回ると、バインダが硬くなって極板の可撓性が低下す
る。そのため、極板を圧縮成形し難くなったり、巻回し
難くなる。
【0016】合成ゴムの重量平均分子量は、500〜5
000が好ましい。重量平均分子量が500を下回る
と、耐電解液性が劣り、圧縮成形時の応力復元力が大き
くなる。重量平均分子量が5000を上回ると、バイン
ダが硬くなって極板の可撓性が低下し、極板を圧縮成形
したり、巻回し難くなる。
【0017】本発明の正極板及び負極板を用いた非水電
解質二次電池は、正極集電体上に正極材と正極用バイン
ダとを含む正極材層が形成されてなる正極板と、負極集
電体上に負極材と負極用バインダとを含む負極材層が形
成されてなる負極板とが非水電解質層を介して積層され
て構成される。そして、正極用バインダ及び負極用バイ
ンダの少なくとも一方は、フェニル基及びアミド基を含
む芳香族熱可塑性樹脂、または該芳香族熱可塑性樹脂と
合成ゴムの共重合体からなり、正極用バインダがフェニ
ル基及びアミド基を含む芳香族熱可塑性樹脂、または該
芳香族熱可塑性樹脂と合成ゴムの共重合体からなる場合
は、正極用バインダの前記正極材層に対する割合は1〜
15重量%とし、負極用バインダがフェニル基及びアミ
ド基を含む芳香族熱可塑性樹脂、または該芳香族熱可塑
性樹脂と合成ゴムの共重合体からなる場合は、負極用バ
インダの負極材層に対する割合は1〜20重量%とす
る。
【0018】
【発明の実施の形態】試験に用いる正極板を次のように
して製造した。まず、平均粒子径10μmのコバルト酸
リチウム(Lix CoO2 )からなる正極材と、平均粒
子径3μmの炭素粉末からなる導電助剤と、表1に示す
各種の結着剤(バインダ)とをN−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)からなる溶媒にそれぞれ分散して正極ス
ラリーを作った。次に各正極スラリーを厚み20μmの
アルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布してか
ら、乾燥してNMPを取り除き、圧延を行って、それぞ
れ正極材層を形成した。なお、導電助剤は、正極材層に
対して5重量%であり、正極材層に対するバインダの量
は、表1に示す量であり、正極材層に対する正極材の量
はその残量[100−(導電助剤量+バインダ量)]%
である。また、表1に示す芳香族ポリアミドイミド樹脂
は下記の構造式を有している。
【0019】
【化1】 また、表1に示す共重合体は、芳香族ポリアミドイミド
樹脂とブタジエンゴムからなる合成ゴムとのブロック共
重合体であり、下記の構造式を有している。なお、表1
に示す共重合品の合成ゴムの共重合体に対する割合は3
0重量%である。
【0020】
【化2】 次に、これらを54mm幅にそれぞれ切断してバインダ
の材質及び量が異なる短冊状の各正極板を完成した。
【0021】次に各正極板の表面にニチバン株式会社製
の幅19mmのセロハンテープを貼り付け、300mm
/分の速度で180度剥離強度を測定して、正極材層の
集電体に対する密着強度を測定した。表1にはその結果
を示す。
【0022】
【表1】 表1に示すように、実施例の正極板は比較例の正極板に
比べて正極材層の集電体に対する密着強度が高いのが分
る。特に合成ゴムとの共重合品をバインダに用いた実施
例6〜10の正極板では、密着強度が高く、バインダの
量を少なくしても密着強度を高められるのが分る。ま
た、バインダの割合が1重量%を下回る比較例1,2,
4,5の正極板では、密着強度が低いのが分る。また、
バインダの割合が15重量%を上回る比較例3及び比較
例6の正極板(20重量%)は、バインダの割合が15
重量%の実施例5及び実施例10の正極板に比べて密着
強度が低下するのが分る。
【0023】試験に用いる負極板を次のようにして製造
した。まず、平均粒子径20μmの非晶質の炭素材料か
らなる負極材と、表2に示す各種の結着剤(バインダ)
とをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)からなる溶
媒にそれぞれ分散して負極スラリーを作った。次に各負
極スラリーを厚み10μmの銅箔からなる負極集電体の
両面に塗布してから、乾燥してNMPを取り除き、圧延
を行って、それぞれ負極材層を形成した。なお、負極材
層に対するバインダの量は、表1に示す量であり、負極
材層に対する負極材の量はその残量である。また、表2
に示す共重合品の合成ゴムの共重合体に対する割合は3
0重量%である。その後、これらを56mm幅にそれぞ
れ切断してバインダの材質及び量が異なる短冊状の各負
極板を完成した。次に前述の正極板と同様にして負極材
層の集電体に対する密着強度を測定した。表2にはその
結果を示す。
【0024】
【表2】 表2に示すように、実施例の負極板は比較例の負極板に
比べて負極材層の集電体に対する密着強度が高いのが分
る。特に合成ゴムとの共重合品をバインダに用いた実施
例17〜22の負極板では、密着強度が高く、バインダ
の量を少なくしても密着強度を高められるのが分る。ま
た、バインダの割合が1重量%を下回る比較例11,1
2,14,15の負極板では、密着強度が低いのが分
る。また、バインダの割合が20重量%を上回る比較例
13及び16の負極板(25重量%)もバインダの割合
が20重量%の実施例16及び22の負極板に比べて密
着強度が低下するのが分る。
【0025】次に、試験に用いる電池を次のようにして
製造した。まず、表1に示す正極板と表2に示す負極板
とを厚み25μm、幅58mmのポリエチレン微多孔膜
からなるセパレータを介して表3に示す組み合わせでそ
れぞれ積層して巻回して極板群を作った。そして、各極
板群を電池缶内に配置してから、予め負極集電体に溶接
してあるニッケルタブ端子を電池缶の底部に溶接した。
次にプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートと
を体積比1:1で混合した溶媒にLiPF6 からなるリ
チウム塩を1モル/lの濃度で溶解した非水電解液5m
lを電池溶液内にそれぞれ注入した。次に予め正極集電
体に溶接してあるアルミニウムタブ端子を電池蓋に溶接
した。そして、電池蓋を絶縁性のガスケットを介して電
池缶の上部に配置してから、これをかしめて電池缶内を
密閉して直径18mm、高さ65mmの円筒形の各非水
電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)を完成し
た。次に各電池を1400mA(制限電圧4.2V)の
電流で定電圧充電した後に、280mAで終止電圧2.
5Vまで放電して電池の初回容量を測定した。また、こ
の充放電を1サイクルとして周囲温度50℃において各
電池に充放電を繰り返して、初回容量の70%に至るま
でのサイクル数を求めた。また、各電池の正極材層また
は負極材層における剥離の有無を調べた。表3はその測
定結果を示している。また、表3に示す電池の内、比較
例27、実施例36及び実施例39の各電池のサイクル
寿命特性を図1に示す。
【0026】
【表3】 表3より正極板及び負極板の少なくとも一方の極板とし
て実施例の極板を用いた電池では、集電体と合剤層との
界面の密着性及び合剤どうしの相互の密着性が高いた
め、電池の初回容量を高めて、しかも電池のサイクル寿
命を延ばせるのが分る。また、図1より、実施例36及
び実施例39の各電池は、500サイクル経過後も容量
低下は少ないのに対して、正極板及び負極板のバインダ
にポリフッ化ビニリデンを用いた比較例27の電池で
は、容量低下が著しく、300サイクルで寿命に至って
いるのが分る。
【0027】次に完全充電状態の実施例及び比較例の電
池を恒温槽内に配置し、室温から10℃/分で昇温させ
て、各電池の高温放置特性を調べた。結果は、正極板及
び負極板のバインダにポリフッ化ビニリデンを用いた比
較例27の電池では、170℃付近から急激な電池温度
の上昇が見られ、直ちに電池が破裂したのに対して、実
施例の各電池は、電池温度が200℃に達しても異常な
温度上昇は見られなかった。
【0028】なお、上記各実施例では、フェニル基及び
アミド基を含む芳香族熱可塑性樹脂として、芳香族ポリ
アミドイミド樹脂を用いたが、芳香族ポリアミド樹脂、
芳香族ポリエーテルアミド樹脂を用いても芳香族ポリア
ミドイミド樹脂と同様の効果を得ることができた。ま
た、上記各実施例では、芳香族熱可塑性樹脂と共重合体
を作る合成ゴムとしてブタジエンゴムを用いたが、スチ
レンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴ
ム、アクリルゴム等を用いてもブタジエンゴムと同様の
効果を得ることができた。
【0029】なお、上記各実施例は、巻回形極板群を用
いた円筒形電池の例であるが、角形電池、コイン形電池
等の種々の電池に本発明は適用できる。
【0030】
【発明の効果】フェニル基及びアミド基を含む芳香族熱
可塑性樹脂または該芳香族熱可塑性樹脂と合成ゴムの共
重合体からなるバインダは耐熱性が高く、しかも接合性
が高く、集電体と正極材層または負極材層からなる合剤
層との界面の密着性、及び合剤どうしの相互の密着性を
高めることができる。また、このようなバインダは、非
水電解液に溶解し難いため、長期に亘って密着性を維持
することができる。そのため、本発明によれば、充放電
サイクルによる電池の容量低下を抑えることができる。
特に負極板は膨脹、収縮が大きいので電池の容量低下を
抑える効果が高い。また、このようなバインダは、密着
性が高いため、バインダ量を減らすことができるので、
合剤の充填量を高めて電池容量を高めることができる。
また、この種のバインダは、高電圧下での異常温度上昇
によっても分解し難い上、フッ素を含むものではないの
で、電池が破裂するような危険性がない。また、このよ
うなバインダは、正極材または負極材に容易に均一に分
散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験に用いた各電池のサイクル寿命特性を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 B41J 3/04 104K (72)発明者 東本 晃二 東京都中央区日本橋本町2丁目8番7号 新神戸電機株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA04 BB11 BD00 BD04 5H014 AA02 EE01 HH00 HH01 5H029 AJ05 AK03 AL06 AM03 AM07 BJ02 DJ08 EJ12 HJ00 HJ01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極集電体上に負極材とバインダとを含
    む負極材層が形成されてなる非水電解質二次電池用負極
    板において、 前記バインダは、フェニル基及びアミド基を含む芳香族
    熱可塑性樹脂、または前記芳香族熱可塑性樹脂と合成ゴ
    ムの共重合体からなり、 前記バインダの前記負極材層に対する割合は1〜20重
    量%であることを特徴とする非水電解質二次電池用負極
    板。
  2. 【請求項2】 前記芳香族熱可塑性樹脂として、芳香族
    ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミドイミド樹脂、芳香族
    ポリエーテルアミド樹脂から選ばれた少なくとも一つを
    用い、前記合成ゴムとして、スチレンブタジエンゴム、
    ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ア
    クリルゴムから選ばれた少なくとも一つを用いることを
    特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極
    板。
  3. 【請求項3】 前記合成ゴムの前記共重合体に対する割
    合は5〜60重量%であることを特徴とする請求項1に
    記載の非水電解質二次電池用負極板。
  4. 【請求項4】 前記芳香族熱可塑性樹脂の重量平均分子
    量は、50000〜500000であり、前記共重合体
    に用いる合成ゴムの重量平均分子量は、500〜500
    0であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質
    二次電池用負極板。
  5. 【請求項5】 正極集電体上に正極材とバインダとを含
    む正極材層が形成されてなる非水電解質二次電池用正極
    板において、 前記バインダは、フェニル基及びアミド基を含む芳香族
    熱可塑性樹脂、または前記芳香族熱可塑性樹脂と合成ゴ
    ムの共重合体からなり、 前記バインダの前記正極材層に対する割合は1〜15重
    量%であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極
    板。
  6. 【請求項6】 前記芳香族熱可塑性樹脂として、芳香族
    ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミドイミド樹脂、芳香族
    ポリエーテルアミド樹脂から選ばれた少なくとも一つを
    用い、前記合成ゴムとして、スチレンブタジエンゴム、
    ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ア
    クリルゴムから選ばれた少なくとも一つを用いることを
    特徴とする請求項5に記載の非水電解質二次電池用正極
    板。
  7. 【請求項7】 前記合成ゴムの前記共重合体に対する割
    合は5〜60重量%であることを特徴とする請求項5に
    記載の非水電解質二次電池用正極板。
  8. 【請求項8】 前記芳香族熱可塑性樹脂の重量平均分子
    量は、50000〜500000であり、前記合成ゴム
    の重量平均分子量は、500〜5000であることを特
    徴とする請求項5に記載の非水電解質二次電池用正極
    板。
  9. 【請求項9】 正極集電体上に正極材と正極用バインダ
    とを含む正極材層が形成されてなる正極板と、負極集電
    体上に負極材と負極用バインダとを含む負極材層が形成
    されてなる負極板とが非水電解質層を介して積層されて
    なる非水電解質二次電池において、 前記正極用バインダ及び前記負極用バインダの少なくと
    も一方は、フェニル基及びアミド基を含む芳香族熱可塑
    性樹脂、または前記芳香族熱可塑性樹脂と合成ゴムの共
    重合体からなり、 前記正極用バインダがフェニル基及びアミド基を含む芳
    香族熱可塑性樹脂、または前記芳香族熱可塑性樹脂と合
    成ゴムの共重合体からなる場合は、前記正極用バインダ
    の前記正極材層に対する割合は1〜15重量%であり、 前記負極用バインダがフェニル基及びアミド基を含む芳
    香族熱可塑性樹脂、または前記芳香族熱可塑性樹脂と合
    成ゴムの共重合体からなる場合は、前記負極用バインダ
    の前記負極材層に対する割合は1〜20重量%であるこ
    とを特徴とする非水電解質二次電池。
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