WO2023008366A1

WO2023008366A1 - 容器、及びリフィル容器

Info

Publication number: WO2023008366A1
Application number: PCT/JP2022/028611
Authority: WO
Inventors: 佳彦小橋
Original assignee: 株式会社資生堂
Priority date: 2021-07-30
Filing date: 2022-07-25
Publication date: 2023-02-02
Also published as: CN117597290A; JPWO2023008366A1

Abstract

交換可能な有底筒状の内容器と、前記内容器を収容する外容器と、蓋体とを備えた容器であって、前記内容器が、前記外容器に螺合により装着され、前記内容器の筒状部に、前記外容器を周方向に係止する係止片が設けられており、前記蓋体が前記内容器に装着された状態で、前記蓋体によって前記係止片の径方向の動きが抑制される。

Description

容器、及びリフィル容器

　本発明は、容器、及びリフィル容器に関する。

　内容物を収容する内容器と、当該内容器を収容する外容器とを備える容器であって、内容器が交換可能なものが知られている。このような容器において、内容器は、交換時には外容器からのスムーズな取外しが可能でなくてはならない一方、内容物の使用期間中には、内容器は外容器に固定され、内容器と外容器との意図せぬ離脱が回避されていることが重要である。そのため、内容器と外容器との係合手段について様々な検討がなされている。

　例えば、特許文献１には、内容器１と、内容器１を収容する外容器４とを備えた容器において、内容器１の口部下端の外周に突設されたフランジ２に、弾性を有する舌片２ａ、２ａが延長垂設された構成が記載されている。当該構成では、上記舌片２ａ、２ａに形成された係合用突条２ｃ、２ｃが、切欠き５の係合用突条５ｂ、５ｂとそれぞれ係合するようになっている。

　また、特許文献２には、内容物を収容するレフィル容器（内容器）３０と、レフィル容器３０を着脱自在に収容する広口容器（外容器）３１とを備えた二重容器であって、広口容器３１の口部３３の開口縁に切欠き部３７、３７が形成されており、レフィル容器３０が、上記切欠き部３７、３７に入り込む肉厚部４４、４４を備えた構成が記載されている。また、広口容器３１の口部３３の内周面には、上下の２つの凸部３８、３９が形成され、当該凸部３８、３９間に、レフィル容器３０の外周面に設けられた凸条５０が入り込むようになっている。

実用新案登録第２５８８２０１号公報特開２０１６－２２２２７３号公報

　特許文献１では係合用突条２ｃ、２と係合用突条５ｂ、５ｂとが係合することで、また特許文献２では凸部３８、３９と凸条５０とが係合することで、内容器と外容器とが互いに着脱可能になっている。しかしながら、係合部分には微細な寸法構成が必要であるため、使用される材料には制約があった。

　上記の点に鑑みて、本発明の一態様は、内容器と当該内容器を収容する外容器とを備える容器であって、材料の制約なしで構成可能なものを提供することを課題とする。

　本発明の一態様は、交換可能な有底筒状の内容器と、前記内容器を収容する外容器と、蓋体とを備えた容器であって、前記内容器が、前記外容器に螺合により装着され、前記内容器の筒状部に、前記外容器を周方向に係止する係止片が設けられており、前記蓋体が前記内容器に装着された状態で、前記蓋体によって前記係止片の径方向の動きが抑制される。

　本発明の一態様によれば、内容器と当該内容器を収容する外容器とを備え、材料の制約なしで構成可能な容器を提供できる。

第１実施形態による容器（蓋付き容器）の斜視図である。第１実施形態による容器を分解した状態を示す図である。第１実施形態による容器から蓋体を外した状態での斜視図である。図１のＩ－Ｉ線断面図である。図４のＩＩ－ＩＩ線断面の部分図であり、係止片の機能を説明するための図である。図４のＩＩ－ＩＩ線断面の部分図であり、係止片の機能を説明するための図である。係止片の機能について説明するための図である。第１実施形態によるリフィル容器の斜視図である。第２実施形態による容器の蓋体を外した状態での斜視図である。図８の軸線方向に直交する面に沿った断面の部分図である。第３実施形態による容器の蓋体を外した状態での斜視図である。

　以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は、明細書及び図面に示された形態に限定されることはない。

　＜第１実施形態＞
　本発明の第１実施形態による容器は、交換可能な有底筒状の内容器と、当該内容器を収容する外容器と、蓋体とを備えた、蓋付きの二重容器である。図１は、本形態による容器１００の構成要素が組み合わされた状態の斜視図であり、図２は、容器１００の分解図である。また、図３は、本形態による容器１００から蓋体４０を取り外した状態、すなわち内容器１０と外容器２０とからなる構成（二重容器）１を示す斜視図である。図４は、図３のＩ－Ｉ線断面であり、容器１００の軸線ＡＬの延在方向に沿った断面図である。なお、本明細書において、「軸線方向」とは、筒状である内容器１０の軸線（中心線）ＡＬに沿った方向である。軸線方向は、容器１００全体の軸線方向であり、外容器２０の軸線方向でもある。また、「径方向」とは、筒状である内容器１０の中心から周面に向かう方向であり、「上方」又は「上側」は、軸線方向で見て容器の開口の側を指し、「下方」又は「下側」は、軸線方向で見て開口と反対側、すなわち容器の底面の側を指す。

　図１～図３に示すように、本形態による容器１００は広口容器である。ここで、広口容器とは、開口に人の指を挿入できる程度に開口が広い容器であってよい。例えば、容器の内直径（開口の内直径又は最大内直径）が、開口位置から上下方向に向かって底面に達する距離と同等か又は当該距離以上である容器であってよい。容器１００の内直径（すなわち内容器１０の開口１７の直径）は、３０～１００ｍｍ程度であってよい。よって、本形態では、容器１００は、指で掬い上げて使用される内容物を収容するために好適に使用される。収容される内容物は、例えばクリーム状、ジェル状、ムース状等の粘度がある程度高い形態のものが好ましく、具体的には、クレンジングクリーム、洗顔クリーム、美容クリーム、保湿クリーム等の化粧品、クリーム状のヘアトリートメント剤、整髪料、ボディケア剤等の衛生日用品であってよい。

　内容器１０は、交換可能な部材（詰め替え容器）である。一方、外容器２０は、内容器１０が交換されても継続して使用される部材であってよく、外容器２０の外面には、内容物の原料、使用方法等の情報や装飾等が施されていてよい。

　内容器１０は、上述のように有底の円筒状であってよく、底部１１と、底部１１に接続した筒状部１２とを有していてよい。筒状部１２の内径及び／又は外径は、上下方向に沿って一定であってよいが、変化していてもよく、例えば開口１７に近付く程（上側に近付く程）、小さく又は大きくなっていてもよい。図３及び図４に示すように、底部１１と筒状部１２との接続部分は曲面となっていてよい。

　内容器１０の筒状部１２は、筒状部１２の主たる部分をなし且つ内容物に接触する周壁部１２ａと、周壁部１２ａより径方向外側に形成された、周方向にわたって筒状部１２の上縁１２ｔから垂下する環状垂下部１２ｂとを有する。別の言い方をすると、筒状部１２は上側で全体的に外側に折り返されていて、その折返し部分が環状垂下部１２ｂとなっている。環状垂下部１２ｂの軸線方向の長さ（高さ）は一定であることが好ましく、その長さは５～３０ｍｍであってよい。内容器１０の周壁部１２ａと環状垂下部１２ｂとは径方向に離間しており、隙間、若しくは下向きに開いたポケットが形成されている（図４）。

　外容器２０も有底の略円筒状であってよく、底部２１と底部２１に接続した筒状部２２とを有していてよい。なお、外容器２０は、内容器１０を支持することができれば、底部２１のない構成であってもよい。その場合、内容器１０を外容器２０に装着した状態の二重容器１を下から見た場合、内容器１０が露出していてよい。

　外容器２０の筒状部２２の径も一定であってもよいし、上下方向に沿って変化していてもよい。図示の例では、筒状部２２は、筒状部本体２２ａと、筒状部本体２２ａより上方部分を構成する上方周壁部２３を有している（図２～図４）。上方周壁部２３は、筒状部本体２２ａよりも内径及び外径が小さい部分であり、上方周壁部２３と筒状部本体２２ａとの移行部分には段部が形成されている。内容器１０と外容器２０とが装着された状態では、外容器２０の上方周壁部２３は、内容器１０の上述の周壁部１２ａと環状垂下部１２ｂとの間に形成された間隙内に配置され、上方周壁部２３の外周面が、環状垂下部１２ｂの内周面に対向する（図４、後にも詳述）。

　内容器１０が外容器２０に装着された状態にある二重容器１には、さらに蓋体４０を装着させることができる（図１、図２及び図４）。これにより内容器１０の開口１７を閉鎖し、内容物を外部環境から保護することができる。図１に示す例では、蓋体４０を装着した状態では、内容器１０は露出していない。そのため、蓋体４０と外容器２０とで外観（材料、色、模様等を含む）を同じくすることで、或いは反対に相違を際立たせることで、デザイン性、審美性の高い構成を得ることができる。なお、容器１００をより密に封止するために、蓋体４０の内側にはパッキン等を設けてもよい。蓋体４０は、内容器１０の環状垂下部１２ｂの外周面に形成された雄ネジ部１８ｍに螺合されるように形成されている。しかし、蓋体４０は螺合以外の形式、例えば上下方向の嵌合等によって二重容器１に装着されていてもよい。

　本形態では、内容器１０は、外容器２０に螺合によって装着される。別の言い方をすると、内容器１０の環状垂下部１２ｂの内周面と、外容器２０の外周面とがネジ結合によって係合される。具体的には、内容器１０の環状垂下部１２ｂの内周面に形成された雌ネジ部１８ｆと、外容器２０の上方周壁部２３に形成された雄ネジ部２８ｍとが螺合するように構成されている。

　内容器１０を外容器２０に装着する場合、まず、内容器１０の軸線ＡＬと外容器２０の軸線ＡＬとを合わせて上下方向に近付ける。これにより、外容器２０の上方周壁部２３を、内容器１０の周壁部１２ａと環状垂下部１２ｂとの間の間隙に挿入することができる。さらに、内容器１０の環状垂下部１２ｂの内周面に形成された雌ネジ部１８ｆと、外容器２０の上方周壁部２３の外周面に形成された雄ネジ部２８ｍとが上下方向で当接したら、内容器１０を外容器２０に対して相対的に回転させる。図示の例では、内容器１０を外容器２０に対して上から見て時計回りに回転させることで、両者を螺合（ネジ結合）させることができる。内容器１０の雌ネジ部１８ｆ、及び外容器２０の雄ネジ部２８ｍは、両者の螺合が、外容器２０の上方周壁部２３が内容器１０の筒状部１２の上縁１２ｔの下側の面に当接するまで進行するように、構成されていてよい。なお、内容器１０と外容器２０との螺合を確立するための相対回転の方向は限定されず、逆時計回りであってもよい。

　内容器１０と外容器２０とが螺合（ネジ結合）するため、内容器１０を外容器２０に装着するには、ネジ山に沿って回転させればよいので、ネジ山の案内によって装着動作を確実に行うことができる。また、内容器１０が一旦外容器２０に装着されると、内容器１０と外容器２０とは周方向全体にわたって係合されているので、両者は上下方向で確実に固定され、使用者の意図に反して両者が上下方向に分離してしまう可能性を低減できる。

　また従来、係合（例えば嵌合による係合）を形成するための部分には微細な寸法構成が必要とされ、例えば係合部分を、上下方向、径方向、及び周方向のいずれも微細に形成しなければならない場合がある。そのため、比較的脆弱な材料を使用した場合等には、製造において係合部分が損傷しやすくなることや、使用中に摩耗して所望の係合が得られないことがあった。さらに、材料によっては、例えば弾性若しくは粘弾性の小さい材料では、係合部分に寸法のバラつきが生じた場合に、その寸法のバラつきが係合力のバラつきに直接的に反映されてしまい、適切な係合が得られないことがあった。例えば、係合が硬すぎて使用者が操作できなかったり、逆に係合が緩すぎて使用中に内容器のガタつきが発生したりすることがあった。これに対し、本形態により内容器１０と外容器２０とを螺合により装着するようにしたことで、材料に関わらず適切な係合が得られ、容器に用いられる材料、特に外容器２０に用いられる材料の選択肢が広がる。よって、デザイン性、審美性等を考慮して、例えば外容器２０をガラス、陶器等で形成しても、内容器１０と外容器２０との係合を堅牢に構成できる。よって、外容器２０を繰り返し使用しても、内容器１０の交換がスムーズであり、また使用者の意図なく内容器１０と外容器２０とが互いに離脱することが防止される。

　さらに、本形態では、内容器１０の筒状部１２、より具体的には環状垂下部１２ｂに、外容器２０と係合可能な係止片１５が形成されている（図２～図４）。図２～図４に示すように、係止片１５は、環状垂下部１２ｂから部分的に切り出された、少なくとも径方向に変位可能な部材であってよい。図示の例では、係止片１５は内容器１０と一体的に形成されているが、係止片１５は内容器１０と別体であってもよい。なお、「径方向に変位可能」とは、係止片１５の一部又は全部が径方向に変位することを意味し、係止片１５が変形することにより係止片１５の一部が径方向に移動することも含み得るし、係止片１５全体が径方向に移動することも含み得る。図示の例では、係止片１５は、内容器１０の筒状部１２（より具体的には環状垂下部１２ｂ）に接続された固定端１５ａと、筒状部１２（より具体的には環状垂下部１２ｂ）から分離した自由端１５ｂとを有する、片持ち式のバネ部材である（図３）。係止片１５全体が、固定端１５ａを基部として弾性変形することができる。また、係止片１５の固定端１５ａから自由端１５ｂへと延びる延在方向は周方向となっている。そして、係止片１５は、固定端１５ａを軸として径方向外方に開くことが可能である。係止片１５の長さ、すなわち固定端１５ａから自由端１５ｂまでの長さは、５～１５ｍｍであってよい。

　次に、係止片１５の機能について、さらに図５Ａ、図６Ｂ及び図６も参照して説明する。図５Ａ、図５Ｂ及び図６はいずれも、容器１００の軸線方向に直交する方向（水平方向）で係止片１５を含む位置で切った断面図である（図４のＩＩ－ＩＩ線断面に対応）。但し、図５Ａ及び図５Ｂは、蓋体４０のない状態を、図６は、蓋体４０を装着した状態を示す。

　図５Ａに示すように、係止片１５は、内容器１０の環状垂下部１２ｂに周方向で固定端１５ａにて接続されている。また、固定端１５ａの周方向での反対側に位置する自由端１５ｂには、径方向内方に突出する突起１５ｃが形成されていてよい。突起１５ｃがあることで、自由端１５ｂの端面の面積が広くなっている。一方、外容器２０の上方周壁部２３の外周面には径方向外方に突出する凸部２３ｐが形成されている。係止片１５の突起１５ｃと、外容器２０の外周面に形成された凸部２３ｐとは径方向で見ると重なっている。そのため、内容器１０を外容器２０に対して回転させると、係止片１５の自由端１５ｂの端面は、凸部２３ｐに周方向で当接する（図５Ａ）。しかしながら、係止片１５は、上述のように径方向に変位可能であり、特に図示の例では径方向外側に弾性変形可能であるので、矢印Ａ１の方向（内容器１０を外容器２０に装着させる方向）及び矢印Ａ２の方向（内容器１０を外容器２０から取り外す方向）のいずれに回転させたとしても、係止片１５が半径方向外方（矢印Ａ３の方向）に開いて凸部２３ｐを乗り越えることができる。

　図５Ｂは、図５Ａの状態から、矢印Ａ２の方向に、すなわち内容器１０と外容器２０との螺合を緩めて内容器１０を外容器２０から取り外そうとする方向に、さらに回転させた状態の図である。図５Ｂに示すように、係止片１５は弾性変形して、径方向外方に開いて、外容器２０の凸部２３ｐより径方向外側に位置している。そして、図５Ｂの状態からさらに内容器１０を矢印Ａ２の方向に回転させると、係止片１５の突起１５ｃは、凸部２３ｐを乗り越えることができる。これにより、図５Ａ及び図５Ｂの状態（蓋体４０を装着していない状態）では、内容器１０と外容器２０との相対回転が可能となる。よって、内容器１０を交換しようとする場合には、使用者は、内容器１０、例えば環状垂下部１２ｂを持って外容器２０に対して相対回転させることで、内容器１０を取り外すことができる。

　これに対し、図５Ａ及び図５Ｂに示す状態にさらに蓋体４０を装着した場合には、係止片１５の挙動は異なる。図１及び図４に示すように、蓋体４０は、内容器１０の環状垂下部１２ｂの外周面に被せられている。より具体的には、蓋体４０の内周面に形成された雌ネジ部４８ｆが、環状垂下部１２ｂの外周面に形成された雄ネジ部１８ｍに螺合している（図４）。蓋体４０は、係止片１５を覆うように環状垂下部１２ｂに被せられていて、係止片１５に径方向で対向するようになっている。図６に示す断面で見ると、蓋体４０は、係止片１５の径方向外側に配置されている。そのため、係止片１５が径方向外方（矢印Ａ３の方向）へ変位しようとした場合、係止片１５の変位は、蓋体４０によって阻まれる。このような径方向の変位（変形）の制限があることで、係止片１５の突起１５ｃは、外容器２０の外周面に形成された凸部２３ｐを周方向に乗り越えることができない。よって、内容器１０と外容器２０との螺合を緩める方向に、すなわち内容器１０を外容器２０から取り外す方向（矢印Ａ２の方向）に、内容器１０を外容器２０に対して相対回転した場合、係止片１５の自由端１５ｂは凸部２３ｐに周方向で当接する。そして、その当接した状態からさらに内容器１０を矢印Ａ２方向への回転が制限され、内容器１０と外容器２０との螺合が緩まることを防止できる。このように、内容器１０に設けられた本形態の係止片１５は、外容器２０を周方向に係止できる。

　上述のような蓋体４０による相対回転の制限は、蓋体４０が装着されている状態では内容器１０と外容器２０との係脱が不能となることを意味する。係止片１５と凸部２３ｐとの係合がない従来の形態の場合には、蓋体４０が装着された状態であっても、内容器１０が外容器２０から外れてしまうので、蓋体４０と内容器１０とが硬く螺合している場合には、蓋体４０と内容器１０とが共に、外容器２０に対して相対回転する現象（共回りともいう）が生じ得る。本来、使用者は使用時には蓋体４０のみを外して、内容器１０を露出させる必要があるが、蓋体４０と内容器１０とが一体となって外容器２０から外れてしまうと容器１００の開口１７が現れないので、使用者は内容物に到達することができない。そのため、蓋体４０を内容器１０から取り外し、内容器１０を再び外容器２０に装着するという手間が発生し、不都合である。これに対し、本形態によれば、蓋体４０をした状態で内容器１０の外容器２０に対する回転が制限されるので、上記のとも共回りは生じず、使用者は特段の手間をかけずに、蓋体４０のみを取り外して内容物を使用することができる。

　また、図３及び図４に示すように、係止片１５は、上下方向で見て、環状垂下部１２ｂの雄ネジ部１８ｍが形成されている範囲外に、より具体的には雄ネジ部１８ｍが形成されている範囲の下側に配置されている。これにより、係止片１５をネジ山と重なることなく形成できるので、設計がより簡単になる。さらに、係止片１５は、環状垂下部１２ｂの雌ネジ部１８ｆが形成されている範囲よりも下に配置されていることが好ましい。

　内容器１０及び外容器２０の材料は特に限定されない。材料は樹脂であってもよいし、その他の樹脂よりも脆性の高い材料、例えばガラス、陶器、磁器等から形成されていてもよい。或いは、材料は金属等であってもよい。但し、少なくとも係止片１５が樹脂から形成されていると、径方向の弾性変形が可能になるため好ましい。また、環状垂下部１２ｂが、好ましくは内容器１０全体が、係止片１５と同じ樹脂から形成されていると好ましく、係止片１５を含む内容器１０が同じ樹脂から一体的に成形されていると好ましい。樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリ乳酸（ＰＬＡ）等が挙げられ、中でもポリプロピレン（ＰＰ）が好ましい。また、外容器２０の材料としても樹脂が使用されていてよいが、堅牢であり、且つ上品な印象を付与できることから、ガラスを使用することができる。本形態では、外容器２０をガラスから成形した場合であっても、損傷の可能性が少なく、また内容器１０と外容器２０とが適切に係合及び係脱できる構成を得ることができる。

　図７に、上述の内容器１０がリフィル容器１２０として利用されている形態を示す。リフィル容器１２０は、内容器１０と仮蓋体３０とを備えている。使用者は、内容器１０を交換する際には、リフィル容器１２０を仮蓋体３０が設けられたまま外容器２０に装着し、その後、仮蓋体３０を取り外すことができる。これにより、内容器１０の外容器２０への装着中に内容物がこぼれることを防止できる。仮蓋体３０は、内容器１０の上縁１２ｔに剥離可能に貼着された、内容器２０を密封するアルミフィルム（アルミシール）等であってよい。

　＜第２実施形態＞
　図８に、第２実施形態による容器２００の蓋体を外した状態、すなわち内容器と外容器との組み合わせ体（二重容器）２０１を示す。第２実施形態による容器２００は、上述の第１実施形態による容器１００（図１～図６）と基本的な構造は同じである。すなわち、交換可能な有底筒状の内容器２１０と、内容器２１０を収容する外容器２２０と、蓋体（図示せず）とを備え、内容器２１０が外容器２２０に螺合により装着されている。内容器２１０は、底部と筒状部２１２とを備えており、筒状部２１２が周壁部２１２ａと、周壁部２１２ａの外側で上縁２１２ｔから垂下する環状垂下部２１２ｂとを有しており、環状垂下部２１２ｂに係止片２１５が形成されている。また、外容器２２０は、底部２２１と筒状部２２２とを備えており、筒状部２２２の上方周壁部２２３が、内容器２１０の周壁部２１２ａと環状垂下部２１２ｂとの間の隙間に配置されている。内容器２１０と外容器２２０とは、内容器２１０の環状垂下部２１２ｂの雌ネジ部と、外容器２２０の上方周壁部２２３の雄ネジ部２２３ｍとの螺合によって係合している。但し、第２実施形態においては、係止片２１５及びその周辺の構成が異なっている。

　係止片２１５は、第１実施形態における係止片１５とは異なり、内容器２１０の環状垂下部２１２ｂにおいて雄ネジ部１８ｍが形成されている上下方向の範囲内に形成されている。よって、内容器２１０の雄ネジ部２１８ｍ（環状垂下部２１２ｂの外周面に形成されたネジ部）は周方向の途中で不連続になっており、その不連続部分に係止片２１５が形成されている。このように、係止片２１５が、内容器２１０の雄ネジ部２１８ｍが形成されている範囲内に形成されていることで、環状垂下部２１２ｂの上下方向長さを短くすることができる。そのため、デザインの選択肢が増え、また内容器１０の材料を節約することもできる。

　係止片２１５も、第２実施形態における係止片１５（図２～図６）と同様に、環状垂下部２１２ｂから切り出された、径方向に変位可能な部材である。係止片２１５も、内容器２１０（環状垂下部２１２ｂ）に接続された固定端２１５ａと、内容器２１０から分離した自由端２１５ｂとを有する片持ち式のバネ部材であってよい。係止片２１５の延在方向、すなわち固定端２１５ａから自由端２１５ｂへと延びる延在方向は、周方向である。

　また、本形態では、係止片２１５の径方向の厚みが、固定端２１５ａから自由端２１５ｂに向かうにつれて厚くなっている。また、係止片２１５は、固定端２１５ａ側で、環状垂下部２１２ｂの外周面と面一になっておらず、径方向内側に位置している。このような係止片２１５の形状によれば、固定端２１５ａを基部とした弾性変形がより容易となる。

　図９は、第２実施形態による容器２００を、係止片２１５を含む位置で、軸線方向に直交する面に沿って切った断面である。図９は、第1実施形態の説明で参照した図５Ａ、図５Ｂ及び図６に対応する図である。図９に示すように、係止片２１５は、自由端２１５ｂの側に径方向内方に突出する突起２１５ｃを備えており、これにより、自由端２１５ｂの端面の面積が広くなっている。一方、外容器２２０の上方周壁部２２３の外周面には、雄ネジ部２２８ｍが形成されているが、雄ネジ部２２８ｍのネジ山には不連続部分２２９が存在する。図９に示す状態では、突起２１５ｃが、雄ネジ部２２８ｍのネジ山の不連続部分２２９内に嵌っており、係止片２１５は付勢されていない状態である。

　係止片２１５は上述のように、径方向変位可能であり、より具体的には径方向に弾性的に変形可能であるので、図９に示す状態から、矢印Ａ１の方向（内容器２１０を外容器２２０に装着させる方向）及び矢印Ａ２の方向（内容器２１０を外容器２２０から取り外す方向）のいずれに回転させた場合、係止片２１５は半径方向外方（矢印Ａ３の方向）に開いて外容器２２０の雄ネジ部２２８ｍのネジ山の外側に移動することができる。特に、内容器２１０を外容器２２０から取り外すために矢印Ａ２の方向に、内容器２１０を外容器２２０に対して相対回転した場合、係止片２１５の突起２１５ｃは、雄ネジ部２２８ｍの一部（凸部２２３ｐ）を乗り越えることができる。

　これに対し、図９には、蓋体２４０が装着された場合の蓋体２４０の位置を一点鎖線で示す。蓋体２４０が装着されていると、蓋体２４０は係止片２１５の径方向外側に位置し、係止片２１５の係方向外方の動きを抑制する。そのため、矢印Ａ２の方向に相対回転させた場合、係止片２１５の自由端２１５ｂの端面が、雄ネジ部２２８ｍのネジ山の一部（凸部２２３ｐ）に周方向に当接して、それ以上の相対回転が起こらない。よって、蓋体２４０を装着している状態では、内容器２１０を外容器２２０から外す方向への相対回転（矢印Ａ２の方向の回転）が制限されることになる、すなわち外容器２２０が内容器２１０の係止片２１５によって周方向に係止された状態となるので、内容器２１０の外容器２２０からの係脱が起こらなくなる。第１実施形態と同様に、蓋体２４０を外そうとした場合に、内容器２１０が外容器２２０に対して回転して、蓋体２４０のみならず内容器２１０も共に回転して外れてしまう、いわゆる共回りを防止できる。

　図示の例では、係止片２１５の自由端２１５ｂが周方向に当接する部分（凸部２２３ｐ）は、外容器２２０の雄ネジ部２２８ｍの一部となっているが、第１実施形態で説明した２３ｐと同様の機能を有する凸部２２３ｐは、必ずしも雄ネジ部２２８ｍの一部でなくてもよい。係止片２１５の自由端２１５ｂが周方向に当接するのであれば、凸部２２３ｐは、雄ネジ部２２８のネジ山から逸脱した位置、形状、寸法で形成された部分であってよい。

　本形態では、図８及び図９に示すように、係止片２１５は、上下方向で、外容器２２０の上方周壁部２２３の雄ネジ部２２３ｍのネジ山に重なっていてよい。その場合、係止片２１５の内周面側に、突起２１５ｃ以外の部分に周方向に沿った溝が形成されていてもよい。

　また、本形態では、内容器２１０の環状垂下部２１２ｂに開口２１６が形成されており、係止片２１５は、その開口２１６の周方向の端の縁部に形成されていると言える。開口２１６は、係止片２１５の周方向長さの１．５倍以上の範囲で周方向に広がっていてよい（図８）。このような開口２１６は、内容器２１０と外容器２２０とのスムーズな螺合の助成、又は射出成形、注型等を利用した場合の製造上の観点から好ましい。

　＜第３実施形態＞
　図１０に、第３実施形態による、蓋体を外した状態の容器３００、すなわち内容器と外容器との組み合わせ体（二重容器）３０１を示す。第３実施形態による容器３００は、上述の第１実施形態による容器１００（図１～図６）及び第２実施形態による容器２００（図８及び図９）と基本的な構造は同じである。すなわち、交換可能な有底筒状の内容器３１０と、内容器３１０を収容する外容器３２０と、蓋体（図示せず）とを備え、内容器３１０が外容器３２０に螺合により装着されている。内容器３１０は、底部と筒状部３１２とを備えており、筒状部３１２が周壁部３１２ａと、周壁部３１２ａの外側で上縁３１２ｔから垂下する環状垂下部３１２ｂとを有しており、環状垂下部３１２ｂに係止片３１５が形成されている。また、外容器３２０は、底部３２１と筒状部３２２とを備えており、筒状部３２２の上方周壁部３２３が、内容器３１０の周壁部３１２ａと環状垂下部３１２ｂとの間の隙間に配置されている。内容器３１０と外容器３２０とは、内容器３１０の環状垂下部３１２ｂの雌ネジ部と、外容器３２０の上方周壁部３２３の雄ネジ部３２８ｍとの螺合によって係合している。

　第３実施形態における係止片３１５の機能も、第２実施形態における係止片２１５と同様であり、係止片２１５も外容器３２０を周方向に係止している。但し、第３形態では、内容器３１０の環状垂下部３１２ｂに雄ネジ部が形成されていないという点で、第２実施形態と異なる。すなわち、本形態では、蓋体（図示せず）は、内容器３１０ではなく、外容器３２０に螺合する。そのため、第１実施形態及び第２実施形態で説明したような、蓋体と内容器３１０とが硬く結合して生じ得る共回りの現象が生じにくいという点で、より好ましい。

　以上、本発明を、図面を参照して具体的な実施形態に基づき説明したが、これらの実施形態は例として提示したものにすぎず、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。本発明の開示の範囲内において、様々な変更、修正、置換、削除、付加、及び組合せ等が可能である。

　本出願は、２０２１年７月３０日に出願された日本国特許出願２０２１－１２６１００号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容をここに援用する。

　１、２０１、３０１　二重容器（容器）
　１０、２１０、３１０　内容器
　１１、２１１、３１１　底部
　１２、２１２、３１２　筒状部
　１２ａ、２１２ａ、３１２ａ　筒状部の周壁部
　１２ｂ、２１２ｂ、３１２ｂ　筒状部の環状垂下部
　１２ｔ、２１２ｔ、３１２ｔ　筒状部の上縁
　１５、２１５、３１５　係止片
　１５ａ、２１５ａ、３１５ａ　係止片の固定端
　１５ｂ、２１５ｂ、３１５ｂ　係止片の自由端
　１５ｃ、２１５ｃ　係止片の突起
　１８ｆ　内容器の雌ネジ部
　１８ｍ、２１８ｍ　内容器の雄ネジ部
　２０、２２０、３２０　外容器
　２２、２２２、３２２　外容器の筒状部
　２２ａ、２２２ａ、３２２ａ　外容器の筒状部本体
　２３、２２３、３２３　外容器の上方周壁部
　２３ｐ、２２３ｐ、３２３ｐ　凸部
　３０　仮蓋体
　４０、２４０　蓋体
　１００、２００、３００　容器

Claims

　交換可能な有底筒状の内容器と、前記内容器を収容する外容器と、蓋体とを備えた容器であって、
　前記内容器が、前記外容器に螺合により装着され、
　前記内容器の筒状部に、前記外容器を周方向に係止する係止片が設けられており、
　前記蓋体が前記内容器に装着された状態で、前記蓋体によって前記係止片の径方向の動きが抑制される、容器。
　前記蓋体が、前記内容器及び／又は前記外容器に螺合により装着される、請求項１に記載の容器。
　前記筒状部が、周壁部と、前記周壁部の外側で前記筒状部の上端から垂下する環状垂下部とを有し、前記内容器が前記外容器に収容された状態で前記環状垂下部が前記外容器の外周面に対向して配置され、
　前記係止片が、前記環状垂下部に形成されている、請求項１又は２に記載の容器。
　前記係止片が径方向に変位可能である、請求項３に記載の容器。
　前記係止片が、前記内容器に接続された固定端と、前記内容器から分離した自由端とを有する片持ちバネ部材であり、前記固定端から前記自由端への延在方向が周方向である、請求項４に記載の容器。
　前記外容器の外周面に凸部が形成され、
　前記係止片の前記自由端が、前記凸部に周方向に周方向に当接することにより、前記内容器の前記外容器に対する回転が制限される、請求項５に記載の容器。
　前記係止片が、軸線方向で見て前記環状垂下部に雄ネジ部が形成されている範囲内に形成されている、請求項６に記載の容器。
　前記係止片が、前記筒状部の軸線方向で見て、前記内容器の前記環状垂下部の雄ネジ部が形成されている範囲外に形成されている、請求項６に記載の容器。
　前記内容器の前記環状垂下部の外周面に雄ネジ部が形成されておらず、前記蓋体が、前記外容器に螺合する、請求項６に記載の容器。
　外容器に螺合により装着可能な有底筒状の内容器と、前記内容器を密封する仮蓋体とを備えたリフィル容器であって、
　前記内容器の筒状部に、前記内容器が前記外容器に装着された状態で前記外容器を周方向に係止するための係止片が設けられており、
　さらに蓋体が前記内容器に装着された時に、前記蓋体によって前記係止片の径方向の動きが制限される、リフィル容器。