WO2003072366A1

WO2003072366A1 - Bobine d'enroulement pour un ruban encreur d'une imprimante a transfert thermique, cassette de ruban d'encre et mecanisme de support de cassette de ruban d'encre

Info

Publication number: WO2003072366A1
Application number: PCT/JP2003/002371
Authority: WO
Inventors: Takahisa Misawa; Yutaka Kato
Original assignee: Max Co., Ltd.
Priority date: 2002-02-28
Filing date: 2003-02-28
Publication date: 2003-09-04
Also published as: KR20050042202A; CN1612811A; TW200400124A; KR20040087313A; AU2003211545A1; CN1323850C; KR100545412B1; TWI225830B

Description

明細書熱転写印字機のインクリボン卷装用コア、インクリボンカセット及ぴインクリボンカセット保持機構技術分野

本発明は、熱転写印字機に使用されるインクリボン巻装用コア及ぴィンクリボンカセットに関する。

さらに、本発明は、熱転写印字機において、インクリボンカセットを強く保持リポンカセット保持機構に関する。背景技

一般に、配電盤などの電気設備に組み込まれた電線の種類や機能を示すために、電線には文字や記号が表示することが行なわれている。その場合、電線に直接に印刷することはできないので、短いチューブに文字や記号を印字しておき、このチューブに電線を揷通して表示している。また、本やバインダーの背表紙に文字や内容を表示したテープを貼着することが行なわれているが、このテープも表面に題名等の文字を印字したものである。

レ、ずれの場合も、印字は熱転写印字機によって行なわれて、るものであるが、熱転写印字機は、チューブやテープをプラテンローラなどの被印字材の表面に押しっけ、その上からインクリボンと印字へッドとを押しつけ、印字へッドを加熱してィンクリボンのィンクを溶かして文字や記号をチューブやテープに熱転写するものである。

インクリボンカセットを印字機に装着する前はィンクリボンの引き出しコアと卷き取りコアとはフリーの状態にあるため、コアに巻かれたリボンの巻きが緩むことがあり、この状態で印字機にセットされると、文字の印字に不具合を生じることがあった。また、インクリポンは消耗品であるから、使用済みのインクリボンは取り外し、新しいものを装填しなければならないのである力従来はインクリボンを予めカセットに収納しておき、カセットごと印字機に装填するカセット装填方式を採用してきた。

カセット方式のメリットは薄いインクリポンの扱いが容易であり、装填性もよい。その反面、デメリットとしては、インクリボンを使い切ると、カセット全てが廃棄されることになり、環境を損なうことになるほか、単価も高い。

カセット方式に対し、コアに卷かれたインクリポンのみを交換するコア巻き装填方式がある。これは、取り扱いはカセット方式とは異なっているが、単価も安く、廃棄する部分が少ないので、環境に対する負荷も小さくて済む。

また、上記のようなインクリボンカセットを熱転写印字機に装着したときは、インクリボンカセットが動かないように保持されていなければならない。そのため、従来は合成樹脂製の部材の弾性によりインクリポンカセットを押圧したり係合したりして保持させていた。

ところが、インクリボンカセットには、非装着時に内部のインクリボンが勝手に回転しないように、カセット容器の一部に切欠きを形成してインクリボン軸に係合させることで回り止めを形成しているものがある。この種の回り止めを備えたカセットにおいては、印字機本体に装着されることにより、印字機本体に設けられたテープリール回転軸が上記回り止めを押し上げてテープリールの係合を解除する構成になっている。この方式によれば、解除の際にインクリポンカセットに加えられる押し上げ力は大きいので、従来の合成樹脂部材による保持機構では十分に保持できない。発明の開示

本発明は上記問題点を解消し、インクリボンの非装着時での巻き緩みを最小部品数で無くすることができ、またカセット方式にもコア巻き方式にも対応できる熱転写用ィンクリボンカセットを提供することを第 1の課題とする。

また、上記熱転写用インクリボンカセットに適したインクリボン卷装用のコアを提供することを第 2の課題とする。

さらに、本発明は上記問題点を解消し、熱転写印字機に装着したインクリポンカセットを確実に保持することができる熱転写印字機のインクリポンカセット保持機構を提供することを第 3の課題とする。

前記第 1の課題を解決するため、本発明に係る熱転写用インクリボンカセットは、インクリボンを卷装したコアをカセット本体に収納した熱転写用インクリボンカセットにおいて、上記コアをカセット本体の上壁と底壁との間に回転自在に配置し、上記底壁には、コアの中心孔の下端部を熱転写印字機のインクリボン用回転軸に係合させるための貫通孔を形成し、上記上壁には、上記中心孔の上端部に係合する短軸部と上記コアの中心孔の上端の周囲に放射状に形成されたクラッチ部に係合可能な係合爪とを備えたフラップを上下に揺動可能に設けたことを特徴とする。

なお、前記フラップは、前記カセット本体の上壁に切り込みを入れることにより形成してもよい。

また、前記カセット本体の側壁には内部の前記コアを揷脱可能な開口部を形成してもよい。

前記第 2の課題を解決するため、本発明に係るインクリボン卷装用コアは、筒部と、前記筒部の内部に形成された中心孔と、前記筒部の上端に形成された凹部と、前記凹部に突設され、前記中心孔から放射状に設けられ、テーパ面を備える複数のクラッチ部とからなり、前記クラッチ部のテーパ面が、コア上端側にある先端部の肉厚を前記凹部側にある基端部よりも薄くし、コア中心側の部分の肉厚をコア外周側の部分の肉厚よりも薄くすることによって、前記凹部の鉛直方向に対して傾斜させられていることを特徴とする。

なお、前記クラツチ部は、前記クラツチ部のテーパ面として形成された前記第 1の側面と、前記凹部に対して略鉛直な面として形成された前記第 2の側面と、を備えてもよい。

また、前記筒部が、内面の長手方向に形成された突条を備えてもよい。

また、前記筒部の上下両端それぞれにフランジが設けられ、前記筒部の外面に小径部を形成してもよい。

さらに、前記第 2の課題を解決するため、上述の本発明に係るインクリボン巻装用コアの特徴をそれぞれ備える第 1のコアと第 2のコアとを組み合わせて、ィンクリボン卷装用コアセットとしてもよい。

なお、前記第 1のコアと前記第 2のコアにおいて、本発明に係るインクリボン卷装用コアとしての上述の特徴は、共通とする必要はなく、それぞれ異なる特徴から構成させても良い。

前記第 3の課題を解決するため、本発明に係る熱転写印字機のィンクリボン力セット保持機構は、熱転写印字機本体に、プラテンローラと印字ヘッドとを相対的に押圧又は離反方向に移動させる第 1のスライド部材と、インクリボンカセットの下部に配置されて第 1のスライド部材に連動する第 2のスライド部材とを設け、第 2のスライド部材には、上記第 1のスライド部材がプラテンローラと印字へッドとが離反状態から押圧方向に移動するときにインクリボンカセットに係合する係合部を形成したことを特徴とする。

なお、前記係合部は、前記第 2のスライド部材から起立した起立片と起立片の先端から横方向に突出形成された係合爪とから逆 L字形に形成され、且つ係合爪の内側には基部から先端にかけて傾斜する傾斜部が形成され、該傾斜部を前記ィンクリポンカセットの底壁に係合するようにしてもよい。図面の簡単な説明

図 1は、本発明に係る熱転写印字機の要部を示した平面図である。

図 2は、インクリポンカセットを底面からみた斜視図である。

図 3 ( a ) 及び図 3 ( b ) は、インクリボンカセットの装着態様を示す断面図である。

図 4は、第 1のスライド部材と第 2のスライド部材のスライド態様を示す拡大図である。

図 5は、第 1のスライド部材と第 2のスライド部材のスライド態様を示す拡大図である。

図 6は、第 1のスライド部材と第 2のスライド部材のスライド態様を示す拡大図である。図 7は、インクリボン交換時の印字機本体の平面図である。

図 8 ( a ) 及び図 8 ( b ) は、インクリポンカセットの斜視図である。

図 9は、底壁を除いた状態の底面図である。

図 1 0 ( a ) 及び図 1 0 ( b ) は、それぞれコア（巻き取りコア）の斜視図及び断面図である。

図 1 1は、インクリボンカセットの要部の断面図である。

図 1 2は、熱転写印字機の回転軸がフラップを押し上げた状態の断面図である図 1 3は、他のインクリポンカセットの平面図である。

図 1 4は、他のインクリボンカセットの平面図である。

なお、図中の符号、 104は第 1のスライド部材、 108はインクリポンカセット、 115は第 2のスライド部材、 118及び 119は係合部、 202はコア、 203は卷き取りコァ、 204はカセット本体、 209は上壁、 215はフラップ、 220は短軸部、 221は係合爪である。発明を実施するための最良の形態

最初に、図 1〜図 7を参照し、本発明に係る熱転写印字機の構成に関して、特にインクリボンカセット保持機構及びインクリボンカセットを説明する。

図 1において符号 101は熱転写印字機本体を示す。熱転写印字機本体 101には、プラテンローラ 102と印字ヘッド 103とが設けられている。プラテンローラ 102は一定の位置に固定されている。印字ヘッド 103は印字機本体に水平方向に回動自在に設けられ、図示しないパネによりプラテンローラ 102から離反するように付勢されている。また、印字ヘッド 103は第 1のスライド部材 104の起立片 105に係合している。このため、第 1のスライド部材 104がスライドすることにより、印字へッド 103はプラテンローラ 102に対して押圧又は離反する方向に移動可能になつている。

プラテンローラ 102と印字へッド 103とは相対的に押圧又は離反する方向に移動すればよい。したがって、第 1のスライド部材 104にプラテンローラ 102を連動させ、固定された印字へッド 103にプラテンローラ 102を押圧離反方向に移動させるように構成してもよい。

次に、熱転写印字機本体 101には 2本の回転軸 106、 107が設けられ、これらの回転軸 106、 107にはインクリポンカセット 108が装着される。インクリボンカセット 108の内部にはインクリボン 109とその巻き取りリール 110が収納配置されている。なお、図 2に示されるように、カセット 108の底壁 111の近傍には、インクリポン 109と卷き取りリール 110との間を横切る線 Pに対応する両端部の側壁は切欠きされて係合受け部 112、 113が形成され、また一端部には貫通穴 114が形成されている。

また、インクリボンカセット 108の下部には板状の第 2のスライド部材 11&が配置されている。第 2のスライド部材 115は、好ましくは金属等の強度の高い材料によって構成され、図 3 ( a ) に示されるように、その一側の両端には 1対の係合部 118、 I I⁹が形成されている。これらの係合部 118、 1119はそれぞれ起立した起立片 116と起立片 116の先端から横方向に突出形成された係合爪 117とからなり、起立片 116と係合片 117で逆 L字形に形成されている。各係合爪 117の内側には基部から先端にかけて傾斜する傾斜部 120が形成されている。なお、第 2のスラィド部材 115は引っ張りパネ 121により常時第 1のスライド部材 104側に移動するように付勢されている。

上記インクリボンカセット 108の両端の係合受け部 112、 113は、装着時に第 2 のスライド部材 115の係合部 118、 119に対応する位置に装着されるように形成さている。

また、第 2のスライド部材 115の先端側には図 4に示されるように略三角形の穴 122が形成され、この三角穴 122には上記第 1のスライド部材 104の先端に形成された突軸 123が係合している。これにより、第 1のスライド部材 104に第 2のスライド部材 115が一定の範囲で連動してスライドするように構成されている。なお、第 1のスライド部材 104のスライド量は第 2のスライド部材 115のスライド量の約 2倍程度に設定されている。

上記構成において、インクリボンの交換時には、適宜の手段によって第 1のスライド部材 104を図面における右側にスライドさせて、図 6及び図 7に示されるように、プラテンローラ 102と印字へッド 103とが離反するように移動させる。このように第 1のスライド部材 104をスライドさせたとき、突軸 123は第 2のスライド部材 115の三角穴 122の手前、つまり第 1のスライド部材 104側で図 4に示す部位に位置しているので、スライド量の半分程度スライドさせるまでは、突軸 123は三角穴 122の内側を移動するだけであるから、第 2のスライド部材 115は移動しない。第 1のスライド部材 104がスライド量の半分を越えると、上記突軸 123 は図 5に示す三角穴 122の奥の壁に当接するので、それ以上移動すると、突軸 123 が第 2のスライド部材 115を押して引っ張りバネ 121のパネ力に抗して第 2のスラィド部材 115も第 1のスライド部材 104に連動し、図 6の位置まで移動する。

次に、プラテンローラ 102と印字へッド 103との間からィンクリボン 109を引き出し、使用済みのインクリボンカセット 108を外し、熱転写印字機本体 101の回転軸に新しいインクリポンカセット 108を通して装着する。このとき、図 3 ( a ) に示すように、第 2のスライド部材 115の一方の係合部 118は、その中途部までィンクリポンカセット 108の底壁 111の貫通穴 114を通る。さらに印字ヘッド 103とプラテンローラ 10²との間に被印字材（図示せず）をセットした後、第 1のスライド部林 104を逆方向にスライドさせて印字へッド 103をプラテンローラ 102に押圧させるように移動させる。

第 1のスライド部材 104をスライドさせたとき、図 6に示されるように突軸 123 は第 2のスライド部材 115の三角穴 122の奥に位置しているが、図 1及び図 3 ( b ) に示されるように、第 2のスライド部材 115は引っ張りバネ 121のパネ力によつて常時第 1のスライド部材 104側に移動するように付勢されているので、第 1のスライド部材 104と連動して第 2のスライド部材 I I⁵も移動する。第 2のスライド部材 115がパネ力によって移動すると、その係合部 118、 119も同方向に移動し、係合部 118、 119の係合爪 117の傾斜部 120はインクリポンカセット 108の底壁 111の係合受け部 112、 113に係合するが、底壁 111は係合爪 117の傾斜部 120によって下方に押さえつけられるので、インクリボンカセット 108は強固に保持される。このように係合した時点で第 2のスライド部材 115は図 5の位置で停止し、それ以上は移動しない。一方、第 1のスライド部材 104はさらに移動するから、突軸 123は図 4のように三角穴 122の手前側に移動するとともに、印字へッド 103はプラテンローラ 102に対して押圧される。これにより、印字が可能となる。

以上のように、第 1のスライド部材 104とともに第 2のスライド部材 115が移動してインクリボンカセット 108に係合するので、第 2のスライド部材 115を金属等の高強度の材料によって構成することにより、インクリボンカセット 108は第 2 のスライド部材 115に確実に保持することができる。したがって、インクリポンカセット 108を印字機本体に装着したときに、図 3 ( b ) に示すように、印字機本体に設けられた回転軸 106、 107でィンクリボンカセット 108の回り止め 125を押し上げて回り止めを解除する場合でも、十分強固にインクリポンカセット 108を保持することができる。

また、第 2のスライド部材 115のストロークの前半でインクリボンカセット 108 の保持を完了し、その後は第 1のスライド部材 104との機械的接触が遮断されるから、インクリポンカセット 108の保持のために第 2のスライド部材 115が印字へッド 103を押圧するようなことがなく、印字ヘッド 103は一定の圧力でプラテン口ーラ 102に押圧されるから、印字品質に影響を及ぼすことはない。

なお、上述の第 1のスライド部材 104と第 2のスライド部材 115の移動は、インクリボンカセット 108だけでなく、印字用チューブやテープなどの消耗品を交換するときも同様に行なうものである。

また、インクリボンカセットの係合部と、この係合部に係合する第 2のスライド部材の部位は上述の例に限定されない。

続いて、図 8 ( a ) 〜図 1 4を参照し、本発明に係る熱転写印字機の構成に関して、特にインクリボン卷装用コア及びインクリポンカセットを説明する。

図 8 ( a ) 及び（b ) はインクリポンカセットの斜視図、図 9は底壁を除いた状態の底面図であり、図 1 0 ( a ) 及ぴ（b ) はそれぞれコアの斜視図及び断面図である。上図において符号 Aは熱転写用インクリポンカセットを示す。このィンクリボンカセット Aは、熱転写用インクリボン 201を卷装したコア 202とインクリポン 201の巻き取り用のコア 203とをカセット本体 204に収納したもので、コア 2 02と卷き取りコア 203は合成樹脂から成り、中央の筒部 aの上下両端にフランジ bを設け、筒部 aの内部に中心孔 206を形成したもので、筒部 aの上端には凹部 2 05が形成され、凹部 205には上記中心孔 206から放射状に複数の突片状のクラッチ部 207が形成されている。また、上記筒部 aの内面にはその長手方向に突条 208が形成されている。

図 1 0 ( a ) 及び（b ) では、特に卷き取りコア 20³の場合を例としてコアを図示している。卷き取りコア 203には、筒部 aの外面には小径部 261が設けられており、段差を形成している。印字ヘッド（図示せず）により印字された後のインクリボン 201は、印字されインクが消費された箇所の影響により歪むことがある。そのため、卷き取りコア 203にインクリボン 201が卷かれる時に、インクリポン 201の長さ方向の外縁部が円滑に巻き取りづらくなる場合がある。しかしながら、小径部 261を設けることにより、コア 202から送られ印字ヘッドにより印字された後のィンクリボン 201を最後まで円滑に巻き取ることが可能となる。

一方、図 9、図 1 3及び図 1 4に示されているように、コア 202には筒部 aの小径部 261及ぴフランジ bを設ける必要はなく、平滑な筒部 aにインクリボン 201 を直接卷いてもよい。筒部 aの小径部 261及びフランジ bを設けないことにより、カセット本体 204の内部でコア 202及び卷き取りコア 203をより近接させて配置させ、カセット本体を小型化することができる。

また、コア 202と巻き取りコア 203の配置は、特に限定されず、図 9に示されるものと逆の配置としてもよい。

図 1 0 ( a ) 及び（b ) に示されるように、コア 202及び卷き取りコア 203のクラツチ部 207には、凹部 205の鉛直方向に対して傾斜させたテーパ面を備えている。図 1 0 ( a ) に示されるように、このクラッチ部 207のテーパ面は、コア上端側にあたる先端部の肉厚を凹部 205側の基端部よりも薄くし、コア中心側の部分の肉厚をコア外周側の部分の肉厚よりも薄くすることにより形成されている。また、クラッチ部 207は、後述の係合爪 221と係合する 2つの側面のうち、一方の側面（第 1の側面 207a) のみをテーパ面としており、他方の側面（第 2の側面 207b ) は凹部 205に対して略鉛直な面としている。カセット本体 204は、上壁 209と底壁 210と側壁 211とからケース状に構成され、内部には上記コア 202とインクリボン 201の卷き取りコア 203とを回転自在に収納する収納部 212が設けられているとともに、上記コア 202から引き出されたインクリポン 201を巻き取りコア 203に卷き取る途中でインクリボン 201を露出させるための 1対のリボン小プーリ 213が設けられている。収納部 212は底壁 210上にインクリボンコア 202と卷き取りコア 203を位置決めするための円弧状の突縁 214の内側に形成されている。リポン小プーリ 213の内側には空間が形成され、該空間には熱転写印字機の印字ヘッド（図示せず）が位置するように構成されている。なお、図 2に示したィンクリボンカセット 108における係合受け部 112、 113のように、図 8 ( a ) の上下両端部の側壁に切欠きを形成しても良い。同様に、図 2に示したィンクリボンカセット 108における貫通穴 114のように、カセット本体 204の底壁 210に貫通穴を形成しても良い。このように係合受け部及び貫通穴を形成し、上述のィンクリボンカセット保持機構と組み合わせることで、熱転写印字機に装着されたインクリポンカセットを確実に保持することができる。

カセット本体 204の上壁 209には、コア 202と巻き取りコア 203に対応する位置に 2つのフラップ 215が形成されている。すなわち、フラップ 215は上壁 209に長短 2つの略 U字形の切りこみ 217、 218を向き合いに形成することにより、切りこみ 217、 218の内側に形成され、 2つの切り込み 217、 218の間には L字形の連結部 21 9が形成されている。図 1 1に示されるように、上記フラップ 215の一端の、上記コア 202と卷き取りコア 203の各中心に対応する部分には短軸部 220が形成され、短軸部 220のさらに先端の、上記コア 202及び卷き取りコア 203の各クラッチ部 207 に対応する部分には突起状の係合爪 221が形成されている。また、上記フラップ 2 15の反対側の端部は外部から押圧可能な押圧部 222が形成されている。この押圧部 222を押圧すると、フラップ 215は上記連結部 219を中心に上下にシーソー状に摇動する。

上記構成によれば、カセット本体 204内のインクリボンコア 202と巻き取りコア 203の中心孔 206の上部には上記カセット本体 204のフラップ 215の短軸部 220が揷入されるので、図 1 1のようにインクリボンコア 202と卷き取りコア 203とは上記短軸部 220を中心に回転自在となる。また、インクリポンコア 202と卷き取りコア 203の中心孔 206の上端周囲の放射状クラツチ部 207には上記フラップ 215の係合爪 221が係合するので、上記コア 202も巻き取りコア 203もロック状態となり、回転させることができない。したがって、熱転写印字機に装填しないときは、勝手に回転することがない。インクリポン 1がたるんでいるときは、図 1 2のようにフラップ 215の押圧部 222を押し込んでフラップ 215を揺動させ、その係合爪 221とィンクリポンコア 202又は卷き取りコア 203のクラッチ部 207との係合を外した後、底壁 210の貫通孔 216 (図 8参照）に露出したコア 202又は卷き取りコア 203を指や棒等で回せばよい。

なお、フラップをカセットの上壁とは一体に形成せず、カセットの上壁とは別体として形成してもよい。

図 1 2に示されるように、上記構成のィンクリボンカセットを熱転写印字機に装填するときは、熱転写印字機に設けられた回転軸 226を上記カセット本体 204の底壁 210に形成された貫通孔 216に揷通させるようにすればよい。そして、インクリボンカセットを図示しない手段によって熱転写印字機の所定位置に差し込んで固定するとき、回転軸 226の上端がフラップ 215の短軸部 220を押し上げるので、フラップ 215が摇動し、係合爪 221が浮き上がり、クラッチ部 207との係合が外れ、ロック状態が解除される。回転軸 226の外面にはその長手方向に沿って突条 223 が形成されている。回転軸 226がインクリボンカセット Aの貫通孔 216からインクリポンコア 202と卷き取りコア 203の各中心孔 206に揷通されると、回転軸 226の突条 223と中心孔 206の突条 208とが係合しあうので、回転軸 226が回転すると、インクリボンコア 202と卷き取りコア 203も回転することになる。

また、上述のように、本実施例ではクラッチ部 207において、係合爪 221と係合する 2つの側面のうち、第 1の側面 207aのみをテーパ面としており、第 2の側面 207bは凹部 205に対して略鉛直な面としている。そのため、コア 202及ぴ卷き取りコア 203の口ック状態における回転に対する抵抗は、コアを回転させる方向に応じて変化させることができる。すなわち、クラッチ部 207のテーパ面（第 1の側面 207a) と係合爪 221とが係合する方向に回転させた場合、クラッチ部 207の第 2 の側面 207bと係合爪 221とが係合する方向に回転させた場合と比べて、容易に回転させることができる。

インクリポンカセットが熱転写印字機に装填されていない状態でインクリボン 201がたるんだ時、使用者が自ら卷き取りコア 203を回転させる必要がある。そのような状況においては、上述のようなクラッチ部の構成を採用することにより、一方向にのみ回転させることを使用者に促し、インクリポン 201のたるみを容易に解消すことができる。

さらに、図 8に示されるように卷き取りコア 203に対応する貫通孔 216の縁は傾斜面 216aが設けられている。この傾斜面 216aにより、インクリボンカセットが熱転写印字機に装填されていない状態で卷き取りコア 203を回転させる場合には、カセット本体 204の底壁 210から露出している巻き取りコア 203の一部を、使用者の指と円滑に接触させることが可能となる。これにより、インクリボン 201がたるんだ時に容易に巻き取りコア 203を回転させることができる。

また、図 8では、傾斜面 216aが卷き取りコア 203に対応する貫通孔 216にのみ設けられた例を示しているが、コア 202に対応する貫通孔 216に設けても良い。

図 1 3は他のィンクリボンカセットの平面図である。この図に示したカセット本体 304のように、カセット本体の両側部において、側壁 211を切り欠いて開口部 224を形成してもよい。この開口部 224は、内部のインクリボンコア 202と巻き取りコア 203を揷脱可能な大きさに形成されている。このため、インクリボンコア 2 02と巻き取りコア 203とからなるインクリボン卷装用コアセットを自由に着脱することができる。すなわち、インクリボン卷装用コアセットを取り付けるときはフラップ 215の押圧部 222を強く押して短軸部 220を上に浮かしておき、インクリボンコア 202又は卷き取りコァ 203を上記開口部 224から挿入して収納部 212に収納し、フラップ 215の短軸部 220を下ろせばよい。これに対し、内部のインクリボンコア 202又は巻き取りコア 203を取り外すときも、同様にしてフラップ 215の押圧部 222を強く押して短軸部 220を上に浮かしておき、インクリポンコア 202又は巻き取りコァ 203を上記開口部から引っ張りだせばよい。

図 1 4は、さらに他のインクリボンカセットの平面図である。図 1 4に示されるカセット本体 404は、図 1 3に示されるカセット本体と同様に開口部 224a， 224 bを備えるが、コア 202が挿脱される開口部 224a近傍の底壁上に凸条 225が形成されている。凸条 225を設けることにより、コアを挿脱する時のコアとカセット本体の底壁との間の接触抵抗を減らし、インクリボンリボンの交換をより容易に行なうことができる。凸条 225を除いて、図 1 4に示されるカセット本体 404は、図 8〜図 1 3に示されるカセット本体 204， 304と同様であり、詳細な記述は省略する。なお、図 1 4では、凸条 225を開口部 224a側にのみ 3本設けた例を示しているが、凸条の形状、配置及び本数は特に限定されない。また、凸条は巻き取りコァ 203側の開口部 224bの底壁に設けても良い。

この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。

本出願は、 2002年 2月 28日出願の日本特許出願（特願 2002- 054824) 及び 2002年 2月 28日出願の日本特許出願（特願 2002- 054825) に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。産業上の利用可能性

上述のように本発明のインクリポン巻装用コア及びインクリポンカセットにおいては、インクリボン 201はカセット本体 204に装填されているので、熱転写印字機に装填するときは、熱転写印字機に設けられた回転軸 226を上記カセット本体 2 04の底壁 210に形成された貫通孔 216に揷通させるようにして装填すればよい。したがって、インクリポン 201の扱いが容易であり、装填性もよい。

また、フラップはカセットの上壁と一体に形成するときは、インクリポンの非装着時での卷き緩みを最小部品数で無くすることができる。

さらに、カセット本体 204の側部に開口部を形成したときは、コア 202に巻かれたインクリボン 201のみを交換することができるので、コア巻き装填方式としても採用することができる。これにより、取り扱いが簡単であるとともに、単価も安く、廃棄する部分が少ないので、環境に対する負荷も小さくて済むとともに、カセット方式にもコア卷き方式にも対応できる。

また、本発明の熱転写印字機のインクリポンカセット保持機構においては、第

1のスライド部材とともに第 2のスライド部材が移動してインクリボンカセットに係合する。これにより、熱転写印字機に装着したインクリボンカセットは、第 2のスライド部材によって確実に保持することができる。

4

Claims

請求の範囲

1 . 筒部と、

前記筒部の内部に形成された中心孔と、

前記筒部の上端に形成された凹部と、

前記凹部に突設され、前記中心孔から放射状に設けられ、テーパ面を備える複数のクラッチ部とからなり、

前記クラッチ部のテーパ面が、コア上端側にある先端部の肉厚を前記凹部側にある基端部よりも薄くし、コア中心側の部分の肉厚をコア外周側の部分の肉厚よりも薄くすることによって、前記凹部の鉛直方向に対して傾斜させられているインクリポン卷装用コア。

2 . 前記クラッチ部が、

テーパ面として形成された前記第 1の側面と、

前記凹部に対して略鉛直な面として形成された前記第 2の側面と、を備える請求項 1に記載のィンクリボン巻装用コア。

3 . 前記筒部が、内面の長手方向に形成された突条を備える請求項 1に記載のインクリボン巻装用コア。

4 . 前記筒部の上下両端それぞれにフランジが設けられ、

前記筒部の外面に小径部が形成されている請求項 1に記載のィンクリポン巻装用コア。

5 . 第 1のコアであって、

第 1の筒部と、

前記第 1の筒部の内部に形成された第 1の中心孔と、

前記第 1の筒部の上端に形成された第 1の凹部と、前記第 1の凹部に突設され、前記第 1の中心孔から放射状に設けられ、第 1のテーパ面を備える複数の第 1のクラッチ部とからなり、

前記第 1のクラツチ部の第 1のテーパ面が、第 1のコア上端側にある第 1の先端部の肉厚を前記第 1の回部側にある第 1の基端部よりも薄くし、第 1のコア中心側の部分の肉厚を第 1のコア外周側の部分の肉厚よりも薄くすることによって、前記第 1の回部の鉛直方向に対して傾斜させられている第 1のコァと、

第 2のコアであって、

第 2の筒部と、

前記第 2の筒部の内部に形成された第 2の中心孔と、

前記第 2の筒部の上端に形成された第 2の凹部と、

前記第 2の凹部に突設され、前記第 2の中心孔から放射状に設けられ、第 2のテーパ面を備える複数の第 2のクラッチ部とからなり、

前記第 2のクラツチ部の第 2のテーパ面が、第 2のコア上端側にある第 2の先端部の肉厚を前記第 2の凹部側にある第 2の基端部よりも薄くし、第 2のコア中心側の部分の肉厚を第 2のコア外周側の部分の肉厚よりも薄くすることによって、前記第 2の凹部の鉛直方向に対して傾斜させられ、

前記第 2の筒部の上下両端それぞれにフランジが設けられ、前記第 2の筒部の外面に小径部が形成されている第 2のコアと、からなるインクリボン卷装用コアセット。

6 . 前記第 1のクラッチ部及び前記第 2のクラッチ部のそれぞれが、

前記クラツチ部のテーパ面として形成された前記第 1の側面と、前記凹部に対して略鈴直な面として形成された前記第 2の側面と、を備える請求項 5に記載のインクリポン巻装用コアセット。

7 . 前記第 1の筒部及び前記第 2の筒部のそれぞれが、内面の長手方向に形成された突条を備える請求項 5に記載のインクリボン巻装用コアセット。

8 . 上壁と底壁とを備えるカセット本体と、

中心孔と前記中心孔の上端に放射状に形成された複数のクラッチ部とを備え、インクリボンを卷装し、前記カセット本体の上壁と底壁との間に回転自在に配置されるコアと、からなり、

前記カセット本体が、

前記底壁に形成され、前記コァの中心孔の下端部を熱転写印字機の回転軸と係合させるための貫通孔と、

前記上壁に設けられ、前記中心孔の上端部に係合する短軸部と前記クラツチ部に係合可能な係合爪とを具備し、上下に揺動可能なフラップとを備える熱転写用インクリボンカセット。

9 . 前記フラップが、前記カセット本体の前記上壁に切り込みを入れることにより形成されている請求項 8に記載の熱転写用インクリボンカセット。

1 0 . 前記カセット本体が、前記コアを揷脱するための開口部を具備する側壁を備えている請求項 8に記載の熱転写用インクリポンカセット。

1 1 . 前記開口部近傍の前記底壁上に、凸条が形成されている請求項 1 0に記載の熱転写用インクリポンカセット。

1 2 . 前記貫通孔の縁に傾斜面が設けられている請求項 8に記載の熱転写用ィンクリボンカセット。

1 3 . インクリボンカセットと、

プラテンローラと、

印字へッドと、

前記ブラテンローラと前記印字へッドとを相対的に押圧又は離反方向に移動させる第 1のスライド部材と、前記インクリボンカセットの下部に配置されて第 1のスライド部材に連動する第 2のスライド部材と備える熱転写印字機本体とからなり、

前記第 2のスライド部材は、前記第 1のスライド部材が前記プラテン口ーラと前記印字へッドとが離反状態から押圧方向に移動するときに前記ィンクリボンカセッ卜に係合する係合部を備える熱転写印字機のインクリボンカセット保持機構。

1 4 . 前記係合部が、

前記第 2のスライド部材から起立した起立片と、

前記起立片の先端から横方向に突出形成された係合爪とを備え、前記係合部が逆 L字形に形成され、

前記インクリボンカセットの底壁側となる前記係合爪の面に、基部から先端にかけて傾斜する傾斜部が形成され、

前記傾斜部が前記インクリボンカセットの底壁と係合可能とした請求項 1 3記載の熱転写印字機のィンクリボンカセット保持機構。