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JPS6114359B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6114359B2
JPS6114359B2 JP53072290A JP7229078A JPS6114359B2 JP S6114359 B2 JPS6114359 B2 JP S6114359B2 JP 53072290 A JP53072290 A JP 53072290A JP 7229078 A JP7229078 A JP 7229078A JP S6114359 B2 JPS6114359 B2 JP S6114359B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
stationary
scroll member
pump
scroll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP53072290A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS547604A (en
Inventor
Ingusutoroomu Matsukaro Jon
Hosuto Haiden Uiriamu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arthur D Little Inc
Original Assignee
Arthur D Little Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US05/807,414 external-priority patent/US4160629A/en
Priority claimed from US05/807,413 external-priority patent/US4129405A/en
Application filed by Arthur D Little Inc filed Critical Arthur D Little Inc
Publication of JPS547604A publication Critical patent/JPS547604A/ja
Publication of JPS6114359B2 publication Critical patent/JPS6114359B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2/00Rotary-piston machines or pumps
    • F04C2/02Rotary-piston machines or pumps of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C2/025Rotary-piston machines or pumps of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents the moving and the stationary member having co-operating elements in spiral form

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Electromagnetic Pumps, Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスクロール形液体ポンプに関するもの
であり、そのような液体ポンプの、汲み上げられ
る液体の中に浸けることのできる実施例を含んで
いる。
同じピツチを有する2個の相互にはまり合つた
スピロイド曲線またはインボリユート曲線状らせ
ん要素がそれぞれ別の端板上に取り付けられてい
る形式の、一般に“スクロール形”と呼ばれるポ
ンプ、圧縮機およびエンジンがあることは当業者
には知られている。これらのらせん要素は角度的
にも半径方向にもずれていて、たとえば両者のら
せん曲面の間に少なくとも一対の接触線だけに沿
つて互いに線接触している。一対の線接触はスク
ロールの中央領域から外向きに引いた一本の半径
上にほぼ位置するように生じて、少なくとも1つ
の流体領域またはポケツトを形成する。これらの
ポケツトの位置はらせん中心の相対的旋回に伴つ
て変化し、すべてのポケツトは同じ相対的角度位
置を維持する。接触線がスクロール面に沿つて移
動すると、このようにして形成されたポケツトの
体積は変化する。圧縮機および膨張エンジンで
は、このようにして流体ポートに接続された最低
圧力領域と最高圧力領域が生じる。液体ポンプで
は体積比は全体を通じて1のままである。最外部
ポケツトと最内部ポケツトは液体ポートに接続さ
れており、液体の流れは最内部ポケツトから外側
向きに向うことも、最外部ポケツトから内側向き
に向うこともある。
膨張機および圧縮機と比較すると、スクロール
形液体ポンプは漏れの問題があまりないことおよ
び動作温度が低いことなど多くの長所を有する。
しかしこれらの長所も、スクロール形液体ポンプ
が相当大きい速度(たとえば少なくとも
1800rpm)で、しかも実質的に脈動のない状態で
運転されるようにならなければ、市場で受け容れ
られる装置という形で実現させることができな
い。本発明のスクロール形液体ポンプは、圧力の
脈動を除去するか、または脈動がポンプの性能と
効率に悪影響を与えるようなレベルより低い状態
まで圧力の脈動を減少させるための手段を内蔵し
ている。第62−84図に示すスクロール形ポン
プの実施例に関連して後述する説明からわかるよ
うに、スクロール形液体ポンプは、汲み上げられ
る液体、特に自己推進形車輛たとえば自動車の燃
料タンクの中に浸けることのできるような構造に
できる。
したがつて本発明の第1の目的は、スクロール
形液体ポンプの中に組み込まれたときに、ポンプ
の脈動のない液体流を静かに、相当の高速度で、
しかも最大の効率でもつて吐出するように動作す
ることを可能にさせる独特の静止および旋回スク
ロール部材を提供することである。これに伴うも
う一つの目的は、構造が簡単で経済的であり、一
部分がプラスチツクの例えば成形によつて作られ
るようになつているスクロール形液体ポンプを提
供することである。
本発明のもう一つの主目的は、その一つの実施
例として汲み上げられる液体の中に浸けるのに適
しているという上述の特性を有するスクロール形
液体ポンプを提供することである。本発明のもう
一つの目的は、軽質の燃料油を使用する自己推進
形車輛のための燃料ポンプとして使用できて、燃
料タンクの中に置くことができ、このために排気
制御装置を有する車輛の場合に生じる過度の高温
から隔離できるようになつているスクロール形液
体ポンプを提供することである。
本発明のさらにもう一つの目的は、高い燃料吐
出圧力を発生でき、自己起動形であり、騒音、振
動および出力流の振動を実質的に生じない運転が
可能で、長期間にわたる空運転に耐えることがで
き、弁を必要とせず、塵が入つても永久的損傷を
受けないという特徴を有する液浸形液体ポンプを
提供することである。さらにもう一つの目的は、
自動的スクロール密封を生じ、摩擦損失が最小で
あり、長期間にわたつて信頼のおける動作をし、
コストの低い、上述の特徴を有するスクロール形
液体ポンプを提供することである。本発明のその
他の目的は、一部は明らかであり、また一部は後
に明らかになるであろう。
本発明の一つの特徴に従えば、スクロール形液
体ポンプに組み込むのに適した、対になつたスク
ロール部材にして、中央部液体ポートを有する静
止スクロール部材であつて静止端板と、該静止端
板の一側面に固定され、1巻き半のインボリユー
ト曲線の形をしている静止インボリユートラツプ
と、該静止端板の該一側面に設けられた静止凹状
液体移送通路とから構成されているところの静止
スクロール部材と、駆動手段によつて該静止スク
ロール部材に対して旋回せしめられるように配置
されている旋回スクロール部材であつて、旋回端
板と該旋回端板の一側面に固定され、1巻き半の
インボリユート曲線の形をしている旋回インボリ
ユートラツプと、該旋回端板の該一側面に設けら
れた旋回凹状液体移送通路とから構成されている
ところの旋回スクロール部材との組み合わせを備
え、該静止および旋回凹状液体移送通路の位置と
形状が、該旋回インボリユートラツプがその旋回
サイクルの、本質的に遮断された3個の液体ポケ
ツトを形成する時点に達した実質的に直後に該両
通路が開いて液体が流れるような位置と形状にな
つていることを特徴とする対になつたスクロール
部材が提供される。
本発明のもう一つの特徴に従えば、容積形液体
ポンプにして、前述した本発明の対になつたスク
ロール部材と、該スクロール部材に軸方向接触が
生じるように該スクロール部材を強制する軸力付
与手段と、該スクロール部材の角度関係を固定さ
れた状態に維持する継手と、液体吸入口および液
体吐出口と、該旋回スクロール部材を旋回させ
て、これによつて該インボリユートラツプの側面
フランクと該端板とが体積の変化する移動液体ポ
ケツトと、該ポケツトの周囲の周辺部領域と吐出
領域とを形成するようにするための駆動手段との
組み合せを備えているこを特徴とする容積形液体
ポンプが提供される。
本発明のさらにもう一つの特徴に従えば汲み上
げられる液体の中に液浸させるのに適しており、
そして該スクロール部材を含む室をその内部に形
成するとともに、その一端に該液体吸入口を有
し、その他端に該液体吐出口を有しているハウジ
ングを含んでおり、そしてさらに、該駆動手段が
該室の内部で該スクロール部材と該ハウジングの
該液体吐出口側端部との間に配置されたモータを
含んでいて、このために該スクロール部材によつ
て汲み上げられて該ポンプの中を半径方向外側向
きに流れる液体が該駆動手段の周囲を流れて、該
軸力付与手段を与える所定の液体圧力を該室の内
部に維持する前述の容積形液体ポンプが提供され
る。
したがつて、本発明は、後述する構成の中で明
らかになる構成、要素の組み合わせおよび部品の
配列における特徴から成る。
本発明の本質と目的をさらに完全に理解するた
めには、添付図面に関連した以下の説明を参照さ
れたい。
スクロール装置内部の流体の密封されたポケツ
トは、端板によつて形成された2つの平行な平面
と、円のインボリユート曲線または他の適切な曲
線形状の形に形成された2つの柱面とによつて囲
まれる。スクロール部材の軸線は互いに平行にな
つている。このようにすることによつてのみ、ス
クロール部材の平担面の間の連続的密封接触が維
持されるからである。柱面間の2ケ所の線接触部
が移動するにつれて、密封されたポケツトはこれ
らの平行な平面の間で移動する。線接触部は一方
の柱状要素、たとえばスクロール部材が他方の柱
状要素内で施回することによつて移動する。これ
はたとえば一方のスクロール部材を静止状態に維
持して、他方のスクロール部材を旋回させること
によつて達成される。本発明のポンプではこのよ
うな機構によつてポンプ作用が実現されるので、
このポンプはスクロール形液体ポンプと呼ばれ
る。
以下の説明では、“スクロール要素”という用
語は、本発明の独得のポート機構を有する端板か
ら成る基本構成要素と移動線接触を生じる接触面
を形成するインボリユート曲線状構成要素とを指
すのに使用されている。“ラツプ”という用語は
移動線接触を生じるインボリユート状構成要素を
指すのに使用される。これらのラツプはたとえば
円の伸開線(インボリユート渦)、円弧などの形
状をしていて、高さと厚みとを有する。“スクロ
ール部材”という用語は、静止または旋回スクロ
ール要素がその一部を構成する静止または旋回構
成要素全体を指すのに使用される。
圧縮機および膨張機として使用されたスクロー
ル装置の場合は、スクロール部材のラツプは何巻
きでも希望通りの巻数のインボリユートにするこ
とができる。しかしスクロール形液体ポンプで
は、各スクロール部材のラツプは1巻き半のイン
ボリユートになるようにしなければならない。こ
の制約は、液体ポンプとして設計されるスクロー
ル装置の圧縮比が正確に1でなければならぬとい
う制約から生じたものである。スクロール装置の
圧縮比が1より大きいと、スクロール装置は閉じ
込められた液体を圧縮しようとする。液体は本質
的には非圧縮性であるから、1より大きい圧縮比
で動作するスクロール形ポンプは故障を起こした
り、機能が低下する。このようなわけでスクロー
ル形ポンプの圧縮比を1にするためにスクロール
部材のラツプは1巻き半だけのインボリユートに
しなければならない。ラツプの長さをこのように
すれば、スクロール部材間に形成された内部領域
とその周辺領域との間に希望通りの連続した密封
が達成されるとともに、閉じ込められた液体が圧
縮されることはない。
しかしラツプの長さを1巻き半のインボリユー
トに限定することによつて、効率の良い、実用的
なスクロール形液体ポンプを作る際の問題がすべ
て解決されたわけではない。なぜならポンプから
液体を吐出する際に生じる圧力の脈動という重要
な問題がこれではまだ解決されていないからであ
る。これらの圧力脈動の生じる原因は、吐出ポー
トに通じているスクロールポケツト(その位置が
中央であれ、周辺部であれ)の体積の変化速度が
このポケツトのために開いている吐出面積の変化
速度より大きいことにある。したがつて旋回スク
ロール部材を旋回させることによつて吐出ポケツ
ト内の液体が圧縮され、狭い吐出間隙の間を強制
的に通され、このために間けつ的な高圧パルスが
発生する。この圧力はスクロール部材を形成して
いるハードウエアを損傷するほど大きいことがあ
る。
小形の比較的効率の悪いポンプが比較的低速度
で作動している場合は、ある程度の圧力脈動は許
容できる。しかし液体ポンプを使用するほとんど
すべての場合に、脈動の比較的ない吐出流が得ら
れることと、相当の速度、たとえば1800rpmまた
はそれ以上の速度で作動できることとが必要にな
る。
本発明のスクロール形ポンプは、新しいポート
機構を採用することによつて、流量の比較的大き
い、脈動のないポンプ作用を実現する。この新し
いポート機構は、吐出ポートを開けることだけに
旋回スクロール部材ラツプの移動を利用している
場合に比べてずつと大きい速度で吐出ポートを開
くようにすることによつて、吐出ポケツト内の脈
動を生じる圧力を逃す。
スクロール形ポンプの中を流れる液体は周辺領
域から中央ポケツトの中へ流れ込む方式と、また
中央ポケツトから周辺領域へ流れ出る方式とがあ
るので、この新しいポート機構は中央ポケツト、
周辺領域または両者に組み合わされている。
第1〜4図は、流体が周辺領域から中央ポケツ
トの中へ流れ込む方式のスクロール形ポンプを形
成するスクロール部材に使用するのに適した静止
および旋回スクロール要素を示す。第1図の静止
スクロール要素10は、端板11と、端板11の
内面13と一体になつた、あるいは内面13上の
別の部材に取付けられたインボリユート曲線状ラ
ツプ12とから成る(たとえば米国特許第
3994635号参照)。インボリユートラツプ12の始
点はインボリユート生成半径に対する接線(a
tangent to the involute generating radius)と
して引いた、静止および旋回スクロール部材の両
インボリユートの接触点を通る接触点14の位置
にあり、終点はやはりインボリユート生成半径に
対する接線として引いた接触点15の位置にあ
る。このようにしてこのラツプは1巻き半のイン
ボリユート曲線の形になつており、外側フランク
面16と、内側フランク面17と、端面18とを
有している。
端板11は外面21から伸びる中央ボス20を
有する。このボス20は、第61図に示すように
液体ポンプ中の静止スクロール部材の中に静止ス
クロール要素が組み込まれるときにシールリング
を保持するように配置された環状溝22を有す
る。液体ポート23が端板11とボス20を貫通
して伸びており、内面13にはポート23と導通
する、凹状の移送通路24が形成されている。ポ
ート23と凹状移送通路24とが一緒になつてマ
ニホルド手段すなわち吐出領域を形成している。
第1図の上面図に示すように、移送通路24の一
つの主境界線25は端板11の中心26を通つて
接触点14および15に平行に引いた直線と一致
しており、もう一つの曲線状主境界線27は、第
5図のラツプ配向に示すように2個のスクロール
要素がそのラツプのフランク面の間に最大の4ケ
所での接触を生じるように配向されたときに、旋
回スクロール要素30(第3および4図)のイン
ボリユートラツプ32の外側フランク面34に形
状が一致するようになつている。したがつてこの
曲線状主境界線27は組み合わされるスクロール
要素のインボリユートラツプの縁の部分的軌跡と
定義してもよい。これらの主境界線は融合半径部
28を介して接続されている。移送通路24はイ
ンボリユート状境界線27をもつものではなしに
半円形にすることもできるが、正確なポート機能
をもたせるためには図示したようなインボリユー
ト形状の方が好ましい。凹状移送通路24はイン
ボリユートラツプの内部に位置しているのである
から、便宜上、“内側通路”と呼んでもよい。
第1および2図ではポート23は移送通路24
の境界線25と交差する位置に図示されている
が、ポート23が移送通路24と導通していてラ
ツプ12の一体構造を妨げないものである限り
は、ポート23をスクロール要素のラツプによつ
て形成された内側ポケツト内のどの位置に設ける
ことも本発明の範囲に属する。
第3および4図からわかるように、旋回スクロ
ール要素30は静止スクロール要素10と同じ形
状を有している。旋回スクロール要素30は端板
31と、端板31の内面33に固定された、ある
いは内面33と一体のインボリユート曲線状ラツ
プ32とによつて形成されている。ラツプ32は
外側接触フランク面34と、内側フランク面35
と、接触端面36とを有する。インボリユートラ
ツプ32の始点は、インボリユート生成半径に対
する接線として引いた、静止および旋回スクロー
ル要素の両インボリユートの接触点を通る接触線
37の位置にあり、終点はやはりインボリユート
生成線に対する接線として引いた接触線38の位
置にある。旋回スクロール要素の端板の内面38
には凹状移送通路39が形成されており、静止ス
クロール要素に対するその位置および形状は旋回
スクロール要素に対する静止スクロール要素の移
送通路24の位置および形状と同じ関係になつて
いる。すなわち移送通路39を規定する一つの直
線状主境界線40は端板の中心41を通つて接触
線37および38に平行に引いた直線と一致して
おり、もう一つの曲線状主境界線42は、2個の
スクロール要素が第5図に示すように最大の4ケ
所での接触を生じるように配向されたときに、静
止スクロール要素のラツプ12の外側フランク面
16を形成している縁の部分的軌跡と一致するよ
うになつている。これらの主境界線はやはり融合
半径部43を介して接続されている。スクロール
要素の端板にこれらの凹状移送通路24および3
9を組み合わせて使用することは本発明の装置の
独特のポート機構の一実施例を構成する。
スクロール要素がステンレス鋼のような金属で
作られる場合は、凹状移送通路は要素を機械加工
することによつて作ることができ、スクロール要
素がポリイミドのような合成樹脂で作られる場合
は、凹状移送通路は要素の成形の際に作ることが
できる。一般にこれらの凹状移送通路の深さはイ
ンボリユートラツプの幅にほぼ等しくすることが
好ましい。
第1〜4図に示すスクロール要素のポート機構
が実質的に脈動のない液体ポンプ作用を実現する
様子は第5〜20図に詳細に示されている。第5
〜第20図はこれらのスクロール部材を用いて半
径方向内側向きに流れるように液体を汲み上げる
スクロール形ポンプの動作を示すものであり、ポ
ンプ作用の1サイクルを8段階に分けて、各段階
におけるスクロール要素の位置を示している。奇
数番号の図は装置の中心線に垂直な面で切つたラ
ツプの断面図であり、これらの図に続く偶数番号
の図はラツプの対応する長さ方向断面図である。
第5−20図では第1−4図の構成要素と同じ構
成要素には第1−4図の場合と同じ参照番号が付
けられている。中心線に垂直な面で切つた断面図
(たとえば第5図、第7図等)では施回スクロー
ル要素の凹状移送通路39の輪郭を見ることは普
通はできないわけであるが、それぞれ組み合わさ
れた長さ方向断面図(たとえば第6図、第8図
等)における移送通路の位置をはつきりさせるた
めに、これらの通路39の輪郭を点線で記入して
ある。静止スクロール要素のボス20は図を簡単
にするために第6図、第8図等の長さ方向断面図
では省略されている。
スクロール形ポンプの動作の際には、旋回スク
ロール部材に取り付けられた旋回スクロール要素
30が静止スクロール部材に取り付けられた静止
スクロール要素10を旋回するように(第61図
を参照しながら後に詳述する手段によつて)駆動
され、このとき静止および旋回スクロール要素の
フランク面16および17と34および35とが
移動線接触を形成する。第61図について説明す
るときに述べるように、実際にはインボリユート
ラツプのフランク面の間にはたとえば約0.001〜
0.005インチ(0.0025〜0.127mm)の非常に小さい
間隙がある。旋回および静止スクロール要素の内
面33および13にそれぞれ接触している静止お
よび旋回スクロール要素の端面18および36が
移動ポケツト50,51および52を形成してお
り、これらのポケツトの体積およびこれらのポケ
ツト間の液体の導通状態が変化することによつて
ポンプの中で液体が移動する。液体は気体より粘
性がはるかに高く、また液体ポンプ内の体積比は
1以上というよりむしろ1に等しいので、ラツプ
の接触端面18および36の部分におけるポケツ
ト間の効果的な半径方向密封は圧縮機または膨張
機の場合ほど厳しくする必要はない。したがつて
米国特許第3994686号に記載されているような半
径方向密封手段を設ける必要はない。
第6図に示すある程度簡単化された長さ方向断
面図では、静止スクロール要素10が取り付けら
れているスクロール部材は環状突起54を有する
ハウジング53を含んでおり、この環状突起54
の端面55は、旋回スクロール端板31がその一
部になつている旋回スクロール部材57の内面5
6と移動接触する接触面として機能しており、こ
の移動接触によつて、汲み上げられる液体が周辺
ポート59を通つて入るための周辺領域58が形
成されている。第61図は両スクロール部材がス
クロール形ポンプの中に組み込まれた様子を一層
精密かつ詳細に示している。その他の偶数番号の
図すなち第8,10,……,20図ではスクロー
ル要素のラツプとポート機構を含む部分だけが図
示されているが、どの場合も周辺領域を有してい
ることを理解されたい。
これから説明するサイクルは中央ポケツト52
が密封状態になつている時点から始まるものとす
る。この時点ではポケツト50および51も密封
状態になつている。液体はポート23と移送通路
24とから成る吐出マニホルド手段を通つて吐出
される。この動作モードでは中央ポケツト52は
吐出領域として機能する第5図および第6図に示
すように、ポケツト50および51は体積最大の
状態になつており、ラツプフランク間およびラツ
プ端面と端板との間の僅かの間隙を無視すればポ
ケツト50および51と中央ポケツト52との間
は完全に密封されている。端板に凹状移送通路2
4と39のどちらも設けられていないと仮定して
みよう。この場合の影響は第7および8図からわ
かる。第7および8図は旋回スクロール部材が全
旋回量の1/8だけ施回し終つた時点におけるラツ
プ位置を示すものであり、旋回方向は破線の矢印
で示されている。ポケツト50,51,および5
2の体積は減少し始める。ポンプの中の液体は実
質的に非圧縮性であるから、この液体はポケツト
50および51からポケツト52へ、ラツプの移
動によつて生じた比較的狭い通路60および61
を通つて、圧力のかかつた状態で押し流される。
さらに中央ポケツト52と吐出ポート23の相対
的寸法はこの影響を強調するような大きさになつ
ている。のために装置内の圧力が上昇し、これは
スクロール装置のハードウエアに非常に悪い影響
を与えるとともに、強い衝撃圧力を生じ、効率が
悪くて騒音の多い運転状態になる。
静止および旋回スクロール部材の内面にそれぞ
れ凹状移送通路24および39が設けられている
場合は、このような望ましくない状況は実質的に
避けられる。第8図からわかるように、これらの
移送通路はポケツト52が閉じた実質的に直後に
開くような輪郭と配置になつている。したがつて
ラツプの位置によつてそれまで遮断されていたこ
れらの移送通路24および39は旋回ラツプの連
続的移動に伴つて開く。移送通路24および39
の大きさと深さは、ポケツト内部での圧力上昇を
抑え、ポート23を通る液体に脈動を生じさせな
いようにするだけの十分な流量容量が得られるよ
うに通路60と61を増加させるだけの大きさと
深さになつている。(図では液体の流れは実線の
矢印で示されている。) 第9−14図からわかるように、移送通路24
と39はポケツト50および51からポケツト5
2の中に向かう、実質的に脈動のない液体流を生
じさせるために、開いたままになつている。そし
てポケツト50,51および52の体積が減少し
て、これらのポケツトが実質的に1個の中央ポケ
ツトになつてしまうまで、これらの通路のために
吐出ポート23を通る滑らかな吐出が得られる。
ポケツト50,51および52の合計体積が減少
すると、液体が周辺領域58からスクロールラツ
プ間に形成されている、“開いた”ポケツトと呼
ばれるポケツト65と66の中へ入り始める。こ
れらのポケツト65と66は周辺領域58と直接
に導通しているという意味で開いている。第9図
および第10図からわかるように、施回がその最
初の1/4だけ進んだ時点では、ラツプの移動によ
つて形成される通路60と61が一層大きくな
り、移送通路24と39は完全に開いて、液体は
自由に中央ポケツト52の中に入り、さらに吐出
マニホルド手段を通る。通路60と61は第11
−14図に示すように施回が半分終るまでは拡大
し続ける。移送通路24と39はポケツト50,
51,52間に相変らず導通状態を生じさせ続け
るが、相当量の液体を通す必要はもはやなく、旋
回スクロール部材の移動によつて徐々に閉じて
く。第15−20図からわかるように、旋回が進
行すると、旋回が約3/4だけ終つた時点で中央ポ
ケツト52は独立したポケツトと考えられる状態
になり、“開いた”ポケツト65と66は周辺領
域58から十分に遮断された状態になつて、減少
しつつある通路67と68から周辺領域58に向
つて開いてはいるが、新しい外側ポケツト50と
51を形成したと考えてよい状態になる。
通路67と68が閉じると、中央ポケツト52
を含めてすべての閉じたポケツトは液体体積最大
の状態になつて、第5図および第6図に示した状
態が再現されて、新しいサイクルが始まる。通路
67と68が周辺領域に対して開いている限り、
移送通路24と39は閉じている。しかし上述し
たようにこれらのポケツトが閉じるのと実質的に
同時に、本発明のポート機構は作動状態になる。
第21−24図は本発明のポート機構を組み込
んでいて、液体が中央ポケツトから半径方向外向
きに周辺領域まで流れる形式のスクロール形ポン
プに使用するのに適している静止および旋回スク
ロール要素を示す。第21図の静止スクロール要
素70は端板71と内面73に一体の、または内
面73に固定されたインボリユート曲線状ラツプ
72とから成る。ラツプ72は、第1および2図
のラツプ12と同様に、接触線74から始まつて
接触線75で終わり、1巻き半のインボリユート
曲線を形成している。ラツプ72は外側フランク
面76と内側フランク面77と端面78とを有す
る。端板71の外面80には中央ボス79が設け
られている。液体ポート81が端板71とボス7
9を貫通して伸びている。
凹状移送通路85が端板71の内面73に設け
られている。第21図の上面図に示すように、移
送通路85の主内側境界線86は、静止スクロー
ル要素70と旋回スクロール要素90(第23お
よび24図)とがそのラツプのフランク面の間に
最大の4ケ所での接触を生じるように配向された
ときに、旋回スクロール要素90のインボリユー
トラツプ92の内側フランク面95に形状が一致
するようになつている。したがつてこの主境界線
86は、第1図の内側通路24の境界線27と同
様に、組み合されるスクロール要素のインボリユ
ートラツプの縁の部分的軌跡になつている。移送
通路85のもう1つの主境界線すなわち外側主境
界線87は内側境界線86から半径方向外向きに
隔てられて境界線86の輪郭に沿うような形状に
なつている。境界線86と87は融合半径88を
介して接続されている。境界線86と87の間隔
はスクロール要素のインボリユートラツプの厚さ
の約2倍であることが好ましい。このように移送
通路85は弧状のくぼみであつて、ラツプ72の
終端に隣接するか、または少し離れていて、約45
〜90度の角度範囲の弧に沿つて伸びている。移送
通路85はインボリユートラツプの外側に位置し
ているので、便宜上これを“外側”通路と呼ぶ。
第23図と第24図にそれぞれ上面図と断面図
を示す旋回スクロール要素90は端板91、内面
93に一体の、または内面93に固定されたイン
ボリユート曲線状ラツプ92とから成る。ラツプ
92は接触線74から始まつて接触線75で終わ
り、1巻き半のインボリユート曲線を形成してい
る。ラツプ92は外側接触フランク面94と、内
側フランク面95と、接触端面96とを有する。
静止スクロール要素の移送通路85に対応する凹
状移送通路97が端板91の内面93に設けられ
ている。第23図の上面図に示すように、移送通
路97の主内側境界線98は、両スクロール要素
がそのラツプのフランク面の間に最大の4ケ所で
の接触を生じるように配向されたときに、静止ス
クロール要素70のインボリユートラツプ72の
内側フランク面77の縁の部分的軌跡に形状が一
致するようになつている。移送通路97の主外側
境界線99は主内側境界線98と同じ輪郭をして
おり、これらの境界線は融合半径100によつて
接続されている。移送通路97の形状と大きさは
静止スクロール部材の弧状凹状移送通路85のそ
れらに一致している。
第21−24図に示すスクロール要素のポート
機構が実質的に脈動のないポンプ作用を実現する
様子を第25−40図を参照しながら詳細に説明
する。この場合はスクロール要素は液体を半径方
向外向きに移動させる。第5−20図の場合と同
様に、第25−40図はポンプ作用の1サイクル
中におけるスクロール要素の種々の位置を示すも
のであつて、奇数番号の図は装置の中心線に垂直
な面で切つたラツプの断面図であり、それぞれに
続く偶数番号の図はラツプの対応する長さ方向断
面図である。第25−40図では、凹状移送通路
85と97の開閉状態を明示するために、スクロ
ール部材を切る長さ方向平面は凹状移送通路85
および97と交差するように図毎に中心線のまわ
りに回転させてある。
第26図ではスクロール要素70と90が第6
図に示したものと同様にしてスクロール形ポンプ
に内蔵される様子が示されている。静止スクロー
ル要素70は環状突起部材106を有するハウジ
ング板105に取り付けられている。環状突起部
材106は旋回スクロール部材の突起108の内
面93に対する接触面107を形成している。こ
のようにして作られた、囲まれた領域の内部に周
辺液体領域110が形成されており、周辺領域1
10と液体貯槽(図示されていない)との間に液
体導通路を形成するようにハウジング板105を
貫通するポート109(1つ以上のポートでもよ
い)が設けられている。以下に説明する動作で
は、液体は半径方向外向きに流れて、ポート10
9はこのようにして作られた周辺吐出領域のため
の液体吐出ポートとして機能する。したがつて静
止スクロール部材のポート81は入口マニホルド
である。第25および26図に示す位置にラツプ
があるときは、2つの閉じた外側ポケツト111
および112と中央ポケツト113とが存在す
る。
本発明のポート機構の動作は第25−40図に
詳細に示されている。サイクルの開始点を、各ポ
ケツト111,112および113が互いに遮断
された状態で、体積が増大し始める直前の最小体
積状態にある時点にとろう。第1−20図を参照
しながら説明したポート機構の場合と同様に、フ
ランク摩耗を避けるためにラツプフランク面の間
にはたとえば約0.001〜0.005インチ(0.025〜
0.127mm)の僅かな間隙がつねにある。ここでも
弧状凹状移送通路が端板71と91に設けられて
いないものとまず仮定すると、旋回スクロールが
第25および26図に破線の矢印で示す向きに駆
動されたときに、ポケツト111と112の中の
液体が次第に増加していく圧力を受けることにな
ることがわかるであろう。この原因は、旋回スク
ロールラツプ92が静止スクロールラツプ72に
対して相対的に移動することによつて生じる開口
115および116(第27図)が十分に大きく
ないために、ポケツト111と112から周辺領
域110に流れる液体の流量が十分には大きくな
れず、このためにポケツト111と112の中の
液体に過度の圧力が生じるということにある。こ
の結果、圧力の脈動が発生し、スクロールハード
ウエアが損傷を受けることがある。
しかし凹状移送通路85と97が存在する場合
は、ポケツト111,112および113が閉じ
たほぼ直後に、さらに別の液体流通路が生じる。
すなわち旋回スクロールラツプが静止スクロール
ラツプに対して相対的に移動することによつて生
じる通路115と116を移送通路85と97が
増大させ、これによつて、圧力の脈動の原因とな
る液体の不当な加圧が避けられる。
第27−32図からわかるように、旋回スクロ
ール部材がその旋回行程の3/8だけ完了するまで
に移送通路85と97は閉じてしまう。なぜなら
この時点までに液体通路115と116がほぼ最
大の状態になつているので、移送通路85と97
が通路115と116を増強する必要がもはやな
いからである。もちろん中央ポケツト113はポ
ケツト111と112の一部であつた部分を次第
に含むようになり、このために、中央ポケツト1
13の中にさらに液体が取り入れられたときにポ
ケツト113の内部の液体圧力が十分に制御され
ることになる。図からわかるように、旋回行程が
進むにつれて、第25および26図に番号を付け
て示したポケツトの輪郭が次第にはつきりしなく
なり、ポケツト111および112の一部分が中
央ポケツト113と区別できないものになる。し
かし簡明化を目的として、第25および26図の
参照番号が第27−40図でも、またこれらの図
に関する説明でも使用されている。
ラツプ72と92の間の通路115と116
は、第35および36図に示すようにポンプ作用
がその1サイクルの4/3だけ終了した時点で実施
的に最大になる。このために移送通路85と97
は実質的に閉じた状態、すなわち作動しない状態
にあつてよい。1サイクルの最後の1/4の行程
(第37−40図)の間にポケツト111と11
2の中に残つている少量の液体が周辺領域110
に移送され、そして1サイクルが完了した時点で
は通路115と116は閉じる。第33−40図
から明らかなように、施回ラツプが静止ラツプに
対して相対的に移動することによつて達成された
ポートの状態が脈動のない液体の流れと吐出を得
るのに十分な状態になつているために、移送通路
85と97は閉じたままの状態を続ける。1サイ
クルが完了すると、ポケツト111,112およ
び113は第25図に示すように互いに遮断され
た状態になり、次のサイクルの始まる位置にあ
る。
本発明の液体ポート機構の動作に関する以上の
説明からわかるように、凹状液体移送通路の位置
と形状は、実質的に完全に遮断された3個の液体
ポケツトを形成するような位置に旋回インボリユ
ートラツプがその旋回サイクルの途中で達したほ
ぼ直後に凹状液体移送通路が開き、そして少なく
とも、旋回ラツプの移動によつて形成された、液
体吐出領域(中央部であれ周辺部であれ)の中に
液体を導通させるための液体通路がスクロール形
ポンプ内で相当大きい圧力脈動の発生を防止する
のに十分な大きさになるまでは凹状液体移送通路
が開いたままでいるような位置と形状になつてい
る。
スクロール形液体ポンプの多くの用途では、半
径方向外向きに液体が流れるように設計されたポ
ンプの方が半径方向内向きに液体が流れるように
設計されたポンプより好ましい。外向き流式ポン
プではポンプ内の液圧がスクロール部材を組み合
わされた状態に保持しようとするので、効率のよ
い動作が一般に得られる。さらに、もし希望する
ならば周辺領域のまわりに互いに隔てられた多重
ポートを設けることによつて、より大きい吐出ポ
ート手段を得ることができる。これらの要因は本
発明のポート機構を使用することによつて脈流の
一層効果的な減少または除去に寄与する。
第41−44図に示すようにスクロール要素の
端板に中央(内側)および周辺(外側)凹状移送
通路の両方を設けることも本発明の範囲に属す
る。第41および42図の静止スクロール要素1
20は、第1および2図または第21および22
図のスクロール要素の場合と同様に、端板121
と1巻き半のインボリユート曲線の形をしたラツ
プ122とを有する。スクロール要素120は中
央ポート123と、第1図の通路24と同じ形状
の中央部に位置する凹状移送通路124と、第2
1図の通路85と同じ形状の周辺部に位置する凹
状移送通路125とを有する。同様に第43およ
び44図の旋回スクロール要素130は、第3お
よび4図または第23および24図のスクロール
要素の場合と同様に、端板131と1巻き半のイ
ンボリユート曲線の形をしたラツプ132とを有
する。スクロール要素130は第3図と第23図
にそれぞれ示すものと大きさおよび形状が同じで
ある、中央部に位置する凹状移送通路133と周
辺部に位置する凹状移送通路134とを有する。
第45〜60図は、第25〜40図と同じ形式
の断面図であり、第46図、第48図等の偶数番
号のついた断面図を作るための長さ方向切断面は
移送通路の開く具合を明示するために回転させて
とつてある。第41−44図のスクロール要素を
内蔵するスクロール形液体ポンプは、液体を周辺
領域から半径方向内側向きに中央吐出領域の方に
流すのにも、あるいは中央部ポケツトから半径方
向外側向きに周辺吐出領域の方に流すのにも使用
できる。第45−60図に示した順序はこれらの
動作モードのうちの前者、すなわち半径方向内側
向きの動作モードを示している。しかし第45−
60を別の順序で眺めれば、後述するようにこれ
らの図は後者の動作モードすなわち半径方向外側
向きの動作モードにおけるポート機構の動作と見
ることもできる。したがつて第45−60図を両
方の動作モードを示すものとして使用するため
に、第1内側向きモードにおける液体の流れを示
す矢印は数字1の後にa,b,……,hの文字を
つけたものを円で囲むことによつて区別してあ
る。各文字はポンプ作用の1サイクル中の各段階
を順番に示すものであり、a,b,c,……の順
に施回行程がいままでの図の場合と同様に1/3ず
つ進行している。第2外側向きモードにおける流
れを示す矢印は数字2の後にa,b,……,hの
文字をつけたものを円で囲むことによつて区別し
てある。この場合も文字a,b,c……の順にポ
ンプ作用が進行しているが、後述するようにこの
場合はこれらの文字の順に図を探さなければなら
ない。
第46図は第41−44図のスクロール部材を
第26図の場合と同様に液体ポンプ中に組み込ん
だ状態を示しており、同じ要素には同じ参照番号
が使用されている。第45図からわかるように、
外側ポケツト135および136と中央ポケツト
137とがちようど閉じた時点からサイクルが始
まるとしよう。
以下の説明は第1動作モード、すなわち液体が
半径方向内側向きに流れるモードに関するもので
ある。第45−56図を眺め、これらの図を第5
−16図と比較することによつてわかるように、
中央部および周辺部凹状移送通路(124,13
3,125および134)の両方を有する本発明
のポート機構は中央部移送通路だけを有するポー
ト機構と同様に動作する。すなわち第41−44
図の静止および旋回スクロールを有していて、液
体を半径方向内側向きに移動させるように動作す
る液体ポンプでは、中央部移送通路124と13
3がラツプの移動によつて生じる中央部通路14
0と141を増大させるように機能して、吐出ポ
ート123を通る流量を大きくし、脈流の生じな
い状態にする。ポンプ作用の最初の5/8サイクル
の間は、ラツプの移動によつて生じる周辺部通路
142と143が液体をスクロールの中に入れる
のに十分な大きさになつているので、周辺部移送
通路は不要であり、動作しないままでいる。しか
し旋回スクロール部材がその旋回動作の5/8サイ
クルから3/4サイクルの間を移動する間(第55
−58図参照)に、旋回スクロールラツプは周辺
部移送通路125と134を開くように移動し、
このために周辺部通路を通つて開いたポケツト1
44と145の中に入る液体の流量が増加する。
開いたポケツト144と145はやがてはポケツ
ト135と136になる、その前段階のポケツト
である。このようにポケツト144と145の中
に入る液体の流量が増加することによつてスクロ
ールの中に液体が滑らかに流入し、したがつてス
クロールの中を通る流体の流量は一層一様にな
る。第57図−60図からわかるように、これら
の周辺部移送通路124と183はサイクルの完
了するまで開いたままの状態で動作し続ける。サ
イクルが完了した時点ではポケツト135と13
6が第45および46図に示すように閉じてい
る。
本発明のポート機構が第2モード、すなわち液
体を半径方向外側向きに移動させるモードで機能
する場合のポート機構の動作順序を追つていくた
めには、第45および46図から始めて、次に第
59および60図から第47および48図まで逆
に図をたどつていかなければならない。周辺部移
送通路125と134は、第59および60図と
第57および58図とに示す吐出期間中は、第2
7−30図に示した場合と同様に周辺部ラツプ通
路142と143を増大させる。この期間中は中
央部ポケツト137はポケツト135および13
6と本質的に一つになつており、これらのポケツ
ト間の導通には何の問題も生じない。中央部ポケ
ツトの中へ流体が流れ込むにしたがつてポケツト
135,136および137が次第に区別を生
じ、中央部移送通路124と133とが存在する
ためにこれらの生成しつつあるポケツトの中に液
体が滑らかに流れ込み、そしてラツプのフランク
面の間に良好な線接触状態を維持するようにラツ
プに作用する液体圧力が増加する。このポケツト
135,136及び137に区別を生じた状態は
第55および56図から第47および48図まで
続き、そして中央部ラツプ通路140と141が
減少し続けると、開いた状態の中央部移送通路1
24と133の役割は、滑らかで脈流のない液体
を入口ポート123および中央部ポケツト137
を介してポケツト135と136の中に導くため
に一層重要になつてくる。第45および46図に
示すようにこれらのポケツトが閉じると、スクロ
ールラツプは次のサイクルを開始する状態になつ
ていて、周辺移送通路125と134を再び開け
て液体を周辺領域138に吐出する状態になつて
いる。
第1−4図または第21−24図のスクロール
部材を半径方向内側向きまたは半径方向外側向き
のモードで作動させることは可能であるが、ほと
んどの用途、特に大形のスクロール形装置を比較
的高速度で運転する場合は、第41−44図に示
すような、中央部すなわち内側凹状移送通路と周
辺部すなわち外側凹状移送通路の両方を有するス
クロール部材を使用することが好ましい。
第61図は本発明のスクロール要素とポート機
構とを内蔵するスクロール形液体ポンプの長さ方
向断面図である。図示したスクロール部材は第4
2−44図に示したスクロール要素を内蔵するも
のであつて、ポンプ作用のサイクル中の第51お
よび52図に示す時点におけるものが第61図に
は示されている。第61図では、静止および旋回
スクロールの構成要素とこれらによつて形成され
るポケツトを指す参照番号は第41−44図と第
51および52図で使用したものと同じ番号が使
用されている。
第61図のポンプは、静止スクロール要素12
0が固定されている静止板151から成る静止ス
クロール部材150と、旋回スクロール要素13
0が固定されている旋回板153から成る旋回ス
クロール部材152と、継手部材154と、全体
を参照番号155で示す駆動機構と、全体を番号
156で示すクランク軸アセンブリ手段と、油溜
め158、冷却フアン159およびカバー160
を含むハウジング157とから成る。
静止スクロール部材の静止板151の端部は周
辺部環状突起165と外向きに伸びたフランジ1
66とになつていて、板151のこれらの部分は
装置のハウジングの一部を形成している。また静
止板151は液体通路168を形成する中央部柱
状突起167も有する。液体通路168は静止ス
クロールの中央ポート123に直結されていて、
この両者が、選択された動作モードにしたがつて
液体吸入口または液体吐出口として機能する液体
導管手段を構成している。静止スクロール要素1
20のボス79は突起167の中に伸びていて、
Oリング169によつて密封されている。中央部
柱状突起167の内側には液体導管(図示されて
いない)と係合するためのねじ170が形成され
ている。また静止板151の周辺部には少なくと
も1個の柱状突起175が設けられており、各周
辺部柱状突起157は周辺領域138と導通する
液体吸入口または液体吐出口176を形成してい
て、液体導管(図示されていない)と係合するた
めのねじ177が設けられている。
旋回スクロール部材の旋回板153の直径は、
旋回板153がつねにフランジ166の内縁より
先まで伸びているように十分に大きくなつてい
て、このために、もし希望するならば板153と
フランジ166との間にオイルシールリング18
0を置いてスクロールポケツトを装置の他の部分
から遮断することができる。このようにすること
によつて作動流体を実質的に他の液体と混ざらな
い状態に維持したまま駆動機構および軸受を油潤
滑することができる。ポンプ作用を受ける液体自
体が潤滑剤として機能できるような用途では、オ
イルシールリング180はなくてもよい。
全体を番号157で示すハウジングは静止スク
ロール部材の環状突起165と、フランジ166
と、主ハウジング部分181とから成る。主ハウ
ジング部分181はフランジ182を有し、下部
の油溜めハウジング183と一体になつている。
ハウジング157は、複数個のボルト184と1
個のOリングシール185とを用いて、フランジ
166および182を介してスクロール部材に固
定され、密封されている。
ポンプの動作の際には、2個のスクロール部材
の角度関係は一定に維持されなければならず、こ
れは継手部材154を用いて実現される。第61
図の装置の実施例に示した継手部材は米国特許第
3994638号に記載されている継手部材と実質的に
は同じ(該特許の第14図とその詳細な説明を参
照)である。第61図からわかるように、継手部
材はリング190から成る。リング190の一方
の側面には向い合わせのキー191が設けられて
いて、これらのキー191はハウジングのフラン
ジ182の内面に設けられたキー溝192に摺動
係合している。継手リング190の他方の側面に
は第2対のキー(図示されていない)が向い合わ
せに設けられていて、旋回スクロール部材の板1
53に設けられたキー溝(図示されていない)に
摺動係合している。適切な継手部材の別の実施例
はJohn E.McCulloughの名前で出願され、本出
願人に譲渡された1976年9月13日付米国特許出願
第722713号に記載され、特許請求されている。
旋回スクロール部材152は旋回板153に固
定された、あるいは旋回板153と一体の柱状軸
195を有する。旋回スクロール部材は、ハウジ
ングの外部にあつて圧縮機軸196を係合するモ
ータ(図示されていない)によつて駆動される。
軸196はオイルシール197を貫通してハウジ
ングの中まで伸びており、その端部はクランク板
198まで達している。クランク板198は軸1
96に固定されるか、または軸196と一体にな
つている。軸196は軸ベアリング199とクラ
ンクベアリング200によつてハウジングの中に
取り付けられている。
スクロール装置の駆動手段はJohn E.
McCulloughの名前で出願された上記米国特許出
願第761889号に記載されているものと同じであ
り、固定半径式クランク機構である。旋回スクロ
ール部材はベアリング取付台201を介して駆動
軸196に固定されている。取付台201は旋回
スクロール部材の遠心力を平衡させることを目的
としてつりあいおもり202を有している。ベア
リング取付台201はスナツプリング(図示され
ていない)によつて所定の位置に保持されたニー
ドルベアリング203を介して柱状軸195と係
合している。ベアリング取付台201と旋回スク
ロール部材の旋回スクロール板153の外面との
間にはスラスト軸受205がはさまれていて、こ
のベアリング205は両スクロール部材の端板と
ラツプ端面とを互に密着するように押し付け、所
望の軸方向密封を実現するための軸方向力付与手
段として作用する。スラストフエースベアリング
205は旋回スクロール部材152からの負荷を
クランクベアリング200を介して実質的にハウ
ジングまで伝える。
主軸196とクランク板198と、ベアリング
取付台201と、つりあいおもり202とが本発
明のスクロール形ポンプの調節可能な固定半径式
駆動機構を構成する。前述したように、液体ポン
プで使用される液体の粘性は圧縮機または膨張機
で使用される気体の粘性より大きく、また液体ポ
ンプでは体積比は1に維持されるので、このため
にスクロールラツプのフランク面の間に僅かな間
隙がある状態で運転することが可能である。この
ために旋回スクロール部材を駆動するのに固定半
径式クランクを使用し、フランク面の間に所定の
間隙を設けておくことが可能である。したがつて
旋回スクロール部材をクランク板198に固定す
るときに、静止スクロール部材のラツプに対する
旋回スクロール部材のラツプの位置の調節が行な
われる。これはクランク板198に対するベアリ
ング取付台201/つりあいおもり202アセン
ブリの位置を、ピボツトピン206と、ベアリン
グ取付台201/つりあいおもり202アセンブ
リのスロツト208を通つてクランク板198の
ねじ部まで伸びている固定ねじ(好ましくは4
本)とを用いて調節することによつて行なわれ
る。この機構は出願特許第761889号の第7図に詳
細に示されている。その第7図に図示、説明され
ている実施例では、スロツト208の形状は、ベ
アリング取付台201/つりあいおもり202ア
センブリをねじ207を用いてクランク板198
に固定する前にこのアセンブリを小さい円弧に沿
つて移動させ得るような形状になつている。
第61図は調節可能な固定半径式クランクを示
しているが、しかし調節可能ではない固定半径式
クランク、すなわち施回および静止スクロール部
材のラツプ間に望ましい間隙が形成されるように
ベアリング取付台201/つりあいおもり202
アセンブリがクランク板198に最初から永久的
に固定されるように設計および構成された固定半
径式クランクを使用することも可能である。その
ような構造の場合は、ベアリング取付台201/
つりあいおもり202アセンブリをクランク板1
98に固定するのに米国出願特許第761889号の第
8図に示すようなねじを少なくとも2本用いれば
よい。
スクロール部材のラツプ間に間隙を残すことに
よつて、ラツプの摩耗は大幅に減少するか、また
は全然生じなくなり、ラツプの特別な機構が不要
になることがわかつた。運転の際にはスクロール
部材のフランク間の間隙は約0.001〜0.005インチ
(0.025〜0.127mm)に保たれることが好ましい。
ラツプ間に間隙を作る方法はいくつかある。その
1つの方法では、装置を組み立てる際に間隙に等
しい厚さの薄い金属製シムをラツプ間にはさんで
おき、固定ねじ207を締めた後でこのシムを除
く。また別の方法では、試行組立ての際にスクロ
ール部材の旋回半径を測定しておいて、駆動クラ
ンクアセンブリの施回半径を、この測定値から所
望のフランク間隙を差し引いた値に設定する。液
体ポンプの設計および寸法がいかなるもであれ、
どのような旋回半径(機械の軸線210と旋回ス
クロール部材の軸線211の間の距離に等しい)
が望ましいのかを決定するために装置を運転し、
次にラツプ間に線接触が生じる場合の旋回半径よ
り僅かに小さい旋回半径になるようにベアリング
取付台201を設定することが一般に好都合であ
る。
ラツプ間に最終的に残る間隙の実際の大きさ
は、液体ポンプの大きさとポンプ作用を受ける液
体の粘性とに少なくともある程度は依存するのが
普通である。一般に装置が大きいほど、そして液
体の粘性が高いほど、間隙を大きくすることがで
きる。
第61図に示した装置の全体的説明の際に触れ
たように、装置のハウジングの下方部分183に
は油溜め158が設けられている。油溜め158
の中の潤滑油212は継手部材154に固定され
た少なくとも1本のオイルフインガ213によつ
て継手部材154とハウジング157の内部の
種々の軸および駆動ベアリングとに供給される。
オイルフインガの長さは、オイルフインガが周期
的に油212の中に浸つて、次にもち上げられて
油をハウジング内部の上方に向けてとばすような
長さになつており、これによつて油はハウジング
の中を循環して再び油溜めの中に戻る。クランク
板とベアリング取付台とを囲むハウジング空胴2
15の中に直接とばされた油の一部を軸ベアリン
グ199に導くための油通路214が設けられて
いる。ポンプ作用を受ける液体自体が潤滑剤とし
て機能できて、そのためにオイル−シーリング1
80が設けられていない場合は、ハウジングの内
部全体に普通は液体が満たされるので、オイルフ
インガを設ける必要はない。
たとえば高温の液体を汲み上げるというような
作動条件のもとでは、ポンプハウジングを空冷
し、ハウジングを介してポンプの要素と循環潤滑
油を冷却する手段を設けることが好ましい。その
ような手段が第61図に示されている。ダクトカ
バー217まで続く空気ダクト216が装置のハ
ウジングのまわりに取り付けられていて、複数個
のハウジングフイン部材218の駆動側端部上に
支持されている。冷却空気はフアン159によつ
て空気ダクトの中を循環させられる。フアン15
9はプーリ222の外周部のベルトに接触するリ
ム220と内周部の軸に係合するリング221と
の間に取り付けられた複数個のフアン羽根219
から成る。プーリ222は軸196のキー溝22
4と係合するキー223を介して主軸196に取
り付けられている。ダクトカバー217はハウジ
ングフイン部材218のスクロール部材側端部に
固定されていて、スクロール部材側端部の一部だ
けを覆つている。このために一連の空気吐出開口
225が覆われずに残つて、フアン159によつ
て導入された空気が装置ハウジングの周囲を駆動
側端部からスクロール部材側端部まで循環させら
れて、開口225を通つて吐出される。
第1−4図に示す静止および旋回スクロール要
素を有する液体ポンプが第61図に示す形に構成
された。密封リング180と、オイルフインガ2
13と、ハウジング冷却手段は省略された。この
ポンプは900rpmで運転され、SAE20ハイドロ−
リツクオイルを、ほぼ同じ容量をもつ歯車ポンプ
の場合とほぼ同じ効率で汲み上げることがわかつ
た。このポンプは静かに動作し、圧力の脈動は生
じなかつた。
ポンプを運転する場合に、ポンプ作用を受ける
液体の中にポンプ自体を浸しておくことが望まし
いことがある。従来はそのようなポンプに対する
需要はそれほど大きくはなかつたが、近年は自動
車または他の軽質の燃料を使用する自己推進形乗
物の燃料タンクの中に浸けておく小形ポンプに対
する要求が高まりつつある。そのようなポンプ
は、効率を上げるためには、ガソリンまたはデイ
ーゼルオイルのような汲み上げられる燃料の中に
ポンプ全体を浸せるものでなければならない。こ
のような特徴を有するポンプに対する要求が最近
高まつてきた背景には、放出制御装置の装着に対
する要求がある。この放出制御装置を使用する
と、これまで燃料ポンプが置かれていたフードの
下側の温度が上昇する。温度が上昇すると、燃料
ポンプを詰まらせる蒸気が発生するが、この問題
は、燃料ポンプを燃料タンク中に置いて過度の温
度から隔離し、燃料ポンプを高圧燃料配管を介し
てエンジンに接続することによつて容易に解決さ
れる。
自動車の燃料タンクの中にポンプを置いて使用
するということは、液体に浸すことのできるポン
プにどのような使用方法にも劣らぬ厳しい要求を
課すことになるので、本発明のポンプについての
以下の詳細な説明はそのような用途に使用される
場合を想定しているものとする。しかし本発明の
ポンプは燃料油以外の液体に対しても使用でき、
汲み上げられる液体の中以外の環境でも動作可能
であり、そしてたとえば自動車の燃料タンクの中
に置く場合にポンプに課せられる大きさの拘束に
合致するものよりずつと大きいというようなどん
な大きさにもできることは理解されるであろう。
さらに、エンジンの作動効率を高めることを目
的として電子的に制御される燃料計量システムが
開発されたことにより、燃料ポンプにはさらに新
たに要求が課せられることになつた。従来タンク
内設置方式に使用されてきた簡単な遠心ポンプで
は容易に発生できないほど高い燃料吐出圧力をこ
の計量システムは必要とする。
乗用車で使用するために燃料タンクポンプが満
たさなければならぬ諸要求の中には、長時間、た
とえば2000時間にわたつて保守をしなくても効率
良く信頼のおける動作をすること、1時間当り
185ポンドすなわち約31ガロン(84Kgすなわち約
120)の燃料を12psig(ゲージ圧0.8Kg/cm2)の
圧力で吐出できること、最大電流6.3Aの12V直流
モータで作動すること、タンクが空になつても最
低10分間は稼動することがある。さらにこのポン
プは自己始動式であり、騒音、振動、出力流の振
動が最小になるように作動し、そして自動車の燃
料タンクの開口を通り抜ける大きさでなければな
らぬ。ということはポンプの最大直径が17/8イン チ(4.76cm)を越えてはならないということであ
る。またポンプの製作コストは低くなけばならな
い。一般に使用されている形式のポンプ−すなわ
ち遠心式または従来の容積形ポンプ−はおそらく
これらの諸要求のすべてには合致しないことはす
ぐにわかるであろう。したがつてこの日的のため
に他の形式のポンプに目を向ける必要がある。ス
クロール形液体ポンプは上に掲げたすべての要求
を満たし、さらに非常に重要な利点をもたらすこ
とがわかつた。
汲み上げられる燃料の中に浸すのに適した本発
明のスクロール形液体ポンプの1つの実施例を第
62図に長さ方向断面図の形で示す。このポンプ
は主ハウジング240と、液体吸入口241と、
液体吐出口242と、スクロール形ポンプ手段2
43と、継手手段244と、旋回スクロール駆動
手段245と、モータ手段246と、軸方向荷重
支持手段247とから成る。液浸形ポンプに関す
る以下の詳細な説明では、最初にモータと液体吐
出口について説明する方が好都合であろう。とい
うのはポンプのこれらの要素は多かれ少なかれ従
来通りの設計になつているからである。モータ手
段246は電気モータであつて電機子248と、
ベアリングハウジング521(後述)と吐出端ブ
ロツク253のスカート252との間で中央ハウ
ジング部分250の中に位置し、保持されている
固定子磁石249とから成る。電機子248は駆
動軸254上に取り付けられていて、また正面形
整流子255も駆動軸254上に取り付けられて
いる。整流子255は炭素ブラシ256に接触し
ており、ブラシには、ポンプハウジングから外向
きに伸びる、向い合わせに置かれたねじ端子(第
63図も参照)257を介して電気的接続が形成
されている。
液体吐出口242は吐出端ブロツク253の中
の吐出導管258から成る。ポンプが作動してい
ないときおよび始動時にポンプの中を液体が逆流
するのを防止するために、吐出導管258の中に
は逆止弁259が設けられている。第62図に示
す逆止弁259は球260を有し、この球260
は環状リング支持体262上に支持された弾性体
リング261上に載せられて、ポート付き板26
4によつて導管258の中に保持されたばね26
3によつて保持されている。もちろんばね263
の強さは、自動車のガソリンタンク中の燃料ポン
プに対する所定の液体圧力、たとえば約1psig
(ゲージ圧0.07Kg/cm2)を受けると弁259が開
くような強さになつている。圧力リリーフ弁26
5も設けられている。リリーフ弁265は第62
図で吐出弁259と同様な構造に図示されてい
る。すなわち球266と、座リング267と、リ
ング支持体268と、ばね269と、ポート付き
ばね保持板270とから成る。ばね269の強さ
は、ハウジング内部の圧力が所定の最大液圧、た
とえば12psig(ゲージ圧0.84Kg/cm2)に達するま
ではリリーフ弁265を閉じた状態に維持するよ
うに選ばれている。第62図に示した吐出および
リリーフ弁259と265はたんなる一例であつ
て、他にも適切な形状のものであればどんな弁手
段を使用することも本発明の範囲にもちろん属す
る。
駆動軸254の端部は吐出端ブロツク253の
中央のくぼみ271aの内部にあり、駆動軸25
4は軸ベアリング271によつて支持されるとと
もに、位置決めされている。旋回要素の偏心のた
めにポンプの軸線に垂直な方向に生じる力を打ち
消すために、主つりあいおもり272が軸254
上に取り付けられている。主つりあいおもり27
2によつて発生するモーメントを打ち消すことに
よつて完全な動的平衡を達成するためには、副つ
りあいおもり手段を設ける必要がある。第62図
に示す実施例ではこの副つりあいおもりは正面形
整流子255の中に適切に位置するおもりを内蔵
させるか、あるいは電機子248の中に適切にお
もりを分散させるかすることによつて設けられ
る。
第64図と第65図はポンプの吐出端ブロツク
と、モータへの電気的接続を形成するための手段
との別の実施例を示すものである。吐出端ブロツ
ク273は階段状の形状をしていて、その端部は
ポンプの内部で密封リング275を介して中央ハ
ウジング部分250に対して密封されているスカ
ート状リング部分274の形になつている。リン
グ274は磁石249をポンプ内部に保持するよ
うに機能する。整流子277と接触する炭素ブラ
シ276は、端子279と接続されるように吐出
端ブロツク273を貫通して伸びる、向い合わせ
に置かれたブラシ保持具278によつて保持され
ている。駆動軸254の端部はくぼみ280の中
にあつて、駆動軸254はベアリング281によ
つて位置決めされ、支持されている。
第64図の実施例では独立した副つりあいおも
り282が軸254上に取り付けられている。第
65図に示す上面図からわかるように、第62図
および第63図を参照しながら説明したものと同
様な構造の、弁制御された吐出導管283と圧力
リリーフ弁284とが第64図の実施例に対して
も設けられている。
第62図ではポンプ内での液体の流れを矢印で
示してある。液体は吸入口241から入り、スク
ロール形ポンプ243によつてポンプ作用を受け
てスクロール形ポンプ室285からハウジング2
40によつて形成されたモータ室286の中に入
り、モータの周囲を流れ、弁259を通つて外へ
出る。ポンプ作用を受けた液体はこのようにポン
プの構成要素のための潤滑剤および冷却剤として
機能する。
スクロール形ポンプと、ポート機構と、軸方向
荷重支持手段と、継手手段とスクロール形ポンプ
の駆動手段とは第67−77図に詳細に図示され
ており、これらの図では同じ要素には同じ参照番
号が付けられている。
第66図からわかるように、スクロール形ポン
プ243は静止スクロール部材287と旋回スク
ロール部材288とから成る。静止スクロール部
材287は端板289と、端板289の内面すな
わち向い合う面291と一体になつているか、ま
たは内面291上の別個の部材に取り付けられて
いるインボリユート曲線状ラツプ290とから成
る(たとえば米国特許第3994635号参照)。端板2
89の周囲には一様な間隔で隔てられたキー溝2
92が設けられていて、ベアリングハウジング部
分251の内壁に固定されたキー293(第66
図参照)と係合して、静止スクロール部材をポン
プ内に固定された状態に維持する。
静止スクロール部材の端板289はポンプハウ
ジングの吸入口側端面として機能して、端板28
9の中央ポート296を介してスクロール形ポン
プの中央部領域に液体を導通させ得る形の吸入導
管295を形成する中央ボス294(第66図)
有している。第67図からわかるように、静止ス
クロール要素287は、第41図の凹状通路12
4と125に形状および機能の点でそれぞれ対応
している。内側凹状液体移送通路296と外側凹
状液体移送通路297とを有する。この実施例で
は中央ポートと内側凹状液体移送通路とは一つの
同じものになつている。別の実施例として静止ス
クロール部材287の中央ポートの形状を円形に
して、内側凹状液体通路の形状は第41図に示し
たものと同じにすることもできる。
第67図からわかるように、旋回スクロール部
材288は静止スクロール部材287と同じ形状
をしている。旋回スクロール部材288は端板2
98と、端板298の内面300に固定された、
または内面300と一体になつたインボリユート
曲線状ラツプ299とから成る。ラツプ299は
外側フランク面301と、内側フランク面302
と端面303とを有する。第67図からわかるよ
うに旋回スクロール要素288は、第43および
44図に示した凹状通路138および134に形
状および機能の点で対応している内側凹状液体移
送通路304と外側凹状液体移送通路305とを
有する。
第62図のスクロール形ポンプの動作はこれま
でに説明してきたものと同じであり、旋回スクロ
ール部材288を駆動することによつて移動ポケ
ツト306,307および308(第66図)が
形成される。これらのポケツトの体積およびポケ
ツト間の液体の導通状態が変化することによつて
液体がポンプの中を移動する。第66図からわか
るように、ポンプの周辺部吐出領域309はスク
ロールインボリユートラツプを囲んで、さらに施
回スクロール部材の端板の周囲まで伸びている。
液体の粘性は気体のそれよりずつと大きく、ま
たポンプ内の体積比は1以上というよりむしろ1
に等しいのであるから、両方のラツプのそれぞれ
の接触面337および303の部分におけるポケ
ツト間の効果的な半径方向密封は特に厳しくする
必要はない。ポンプの動作に関する以下の説明で
詳細に触れるように、ポンプを流れる液体の背圧
はラツプと端板を接触する方向に押し付けるのに
必要な軸方向力を生じるのに十分な大きさであ
る。さらにポンプの中を半径方向外向きに流れる
液体は、両スクロール部材のラツプのフランク面
が移動線接触を生じているときに、両フランクを
密封方向に互いに押し付けるような液圧をポンプ
の内部に生じる。この液侵形ポンプを脈動のない
状態で作動させるのは、第41−60図のスクロ
ール要素に関して説明したのと同様にして達成さ
れる。
駆動手段と、軸方向圧縮荷重支持手段と、継手
手段とは第66−68図に示されている。これら
の図面に示した実施例では、軸方向圧縮荷重支持
手段は全体を番号312で示すスラスト玉軸受か
ら成る。スラスト玉軸受312は、複数個の玉軸
受313が玉313を受ける形の等間隔に隔てら
れた穴316を有する2板の平行な玉保持リング
314と315によつて所望の間隔に隔てられて
保持されている形になつている。保持リング31
4と315は玉313の表面と接触することによ
つて隔てられた状態に保持され、このために両者
の間には複数個の半径方向液体通路317が形成
されており、液体が周辺部吐出領域309からの
通路317を通つてスクロール形ポンプ室285
の中に流入する。スクロール部材に作用する主負
荷は液体吐出圧によつて生じる圧縮負荷であり、
この負荷は軸方向荷重支持手段としてのスラスト
玉軸受312によつて支持される。したがつてス
クロール部材の摩耗は最小になり、ポンプの寿命
が長くなる。軸方向荷重支持手段がスクロール部
材の摩耗を最小に抑えることができるために、本
発明のポンプは相当高い吐出圧力状態で運転する
ことができ、このためにスクロールの良好な密封
が得られて、効率が高く、消費動力が最小の運転
が可能である。
運転の際には2つのスクロール部材287と2
88の角度関係は一定に維持しなければならな
い。これは第66図に全体を番号244で示す継
手部材を使用することによつて達成される。第6
6図と第68に示す継手部材244は実質的には
米国特許第3994633号に記載されている継手部材
(該特許の第14図とその説明を参照)と同じで
ある。第66図と第68図からわかるように、継
手部材は一方の側面上に向い合わせに置かれたキ
ー319を有するリング318から成り、これら
のキー319はベアリングハウジング251の環
状部分321の内面に設けられたキー溝320と
摺動係合している。(第66図に示す長さ方向断
面図は第68図に示す角度の付いた面66−66
で切断したものであるから、2組の向い合わせに
設けられたキー319およびキー溝320のうち
の一方の組だけしか第66図には図示されていな
い(第62図を参照)ことを理解されたい。)キ
ー319から90度ずれた向きの第2対のキー32
2が継手リング318の反対側の側面上に向い合
わせに設けられていて、旋回スクロール部材28
8の端板298に設けられたキー溝323と摺動
係合している。継手部材244はポンプの始動時
に旋回スクロール部材に初期軸方向予荷重をかけ
るためのばねとして機能する。
第72−77図と関連させて後述するように、
軸方向荷重支持手段と継手手段の機能を1つの装
置構成要素の中に結合させてしまうことも可能で
ある。
旋回スクロール部材駆動手段は第66図と第6
8図に詳細に示されている。第66図からわかる
ように、駆動軸254は軸ベアリングハウジング
325の中に保持された主軸ベアリング324に
よつて支持されている。軸ベアリングハウジング
325は外部環状リング部分321と内部ベアリ
ングハウジング326と内部環状リング部分32
7とを介して外部主ベアリングハウジング251
と一体になつている。駆動軸254の端部は平担
な短軸328になつていて、この短軸328が旋
回スクロール駆動ヨーク330のキー溝329
(第68図)と係合している。このような構造に
することによつて、旋回スクロール部材は遠心力
と液圧とに押されて、そのインボリユートラツプ
が静止スクロール部材のインボリユートラツプと
接触する位置まで、外側向きに移動させられる。
この移動した位置では、ヨーク330の中心33
1は旋回スクロール部材の旋回半径に等しい距離
だけ駆動軸254の中心332から離れている。
駆動ヨーク330は旋回スクール部材288の外
面335と一体になつたスクロール駆動ベアリン
グ支持リング334の中に支持されたスクロール
駆動ベアリング333の中に取り付けられてい
る。
ポンプが空運転の状態になつたとき、すなわち
普通ならばポンプが浸たされている液体がすべて
汲み上げられてしまつたときにスクロール駆動ベ
アリング333から熱を逃すための全金属製通路
(駆動ヨーク330と短軸328と駆動軸25
4)をこのスクロール駆動手段は形成している。
この駆動機構はベアリングを設けることによつて
摩擦損失を最小にする設計になつており、また旋
回スクロール部材にかかる転覆モーメントとモー
タベアリングにかかる負荷を最小にする設計にな
つている。このような構造のために、ポンプは空
運転に耐えるとともに、効率は高く、寿命は長
い。
第66図と第68図からわかるように、外側環
状ベアリングハウジングリング321は多数の等
間隔に隔てられた液体ポート336を有してお
り、このために液体が周辺部吐出領域309から
スクロールポンプ室285を通つてモータ室28
6の中に流入できる。
第69−71図はポンプの吸入口/スクロール
式ポンプ側端部の部分的長さ方向断面図であつ
て、独立した継手手段を内蔵するポンプの中にお
ける軸方向荷重支持手段のさらに別の3個の実施
例を示している。第69図の実施例では、スクロ
ール部材287および288自身が軸方向荷重支
持手段として機能している。すなち静止スクロー
ル部材および旋回スクロール部材のラツプ290
および299のそれぞれの接触端面337および
303が、組み合わされた相手のスクロール部材
の端板の向い合う面、すなわち旋回端板298の
面300および静止端板289の面291にそれ
ぞれ接触するときに、接触端面337および30
3が荷重を支持するというものである。第69図
の実施例は中程度の吐出圧力を必要とするポンプ
に一般に適している。
第70図に示す軸方向荷重支持手段は複数個の
半径方向通路339が貫通している環状スラスト
軸受338から成る。スラスト軸受338の平担
面340と341は静止および旋回スクロール部
材の向い合つた面291および300に接触して
おり、これによつてポンプの中の圧力のかかつた
液体の軸方向圧縮荷重をこのスラスト軸受に伝え
るようになつている。このスラスト軸受は有機合
成プラスチツク、たとえばポリイミドで作られて
いて、スクロール部材がやはり有機合成プラスチ
ツクで作られているポンプの中で使用されること
が好ましい。
第71図の実施例は第70図の実施例の修正形
であつて、環状スラスト軸受が使用されてはいる
が、このスラスト軸受は静止スクロール部材28
7の内面291と一体になつた環状リング突起3
42の形に作られている。吐出領域309とポン
プ室285との間に必要な液体の導通を生じさせ
るために多数の間隔をあけて配置された半径方向
通路343がリング突起342に設けられてい
る。軸方向荷重は旋回スクロール端板の面300
と接触している平担面344によつて支持され
る。
第72−74図は軸方向荷重支持手段が継手手
段としても機能するという形の、本発明のポンプ
の修正形を示す。荷重支持手段は、静止および旋
回スクロール部材の端板の表面291および30
0にそれぞれ設けられた円形のくぼみ346およ
び347の内部で円運動するようになつている。
複数個の等間隔に隔てられた球345から成る。
球345は貫通孔349を有する球保持器リング
348によつて半径方向および円周方向位置が維
持されている。第73図はスクロール要素がその
旋回サイクルのある一時点にあるときのくぼみ3
46および347の相対的位置を略図で示したも
のである。この図からわかるように、静止および
旋回スクロール部材のくぼみ346および347
の中心は同じ半径の円周上にあつて、両スクロー
ル部材の接線がすべて平行になるような1サイク
ル中の時点では軸方向に一致する。
球の直径Dsおよび旋回スクロール部材の旋回
半径Rpに対するくぼみ346および347の大
きさが第74図に略示されている。球345は、
1旋回サイクル中に、第74A図に示す中央位置
からあらゆる方向に旋回半径の半分、すなわちR
p/2に等しい距離だけ走行できなければならな
い。したがつてもしくぼみ346(または34
7)の深さが球の半径RSに等しくなつていれ
ば、くぼみの直径DIはDS+ROでなければなら
ない。しかしくぼみ346の深さはRSより小さ
いので、DIもDS+ROより僅かに小さくしなけ
ればならないことになる。第74A図はくぼみの
一断面形状を示し、第74B図は上面図を示す。
しかし適当な直径を有するくぼみを、縁が面取り
され、側部が直線状のくぼみの形に切ることも本
発明の範囲に属する。
第74C図はくぼみと保持器リングの拡大断面
図であつて、旋回スクロール部材の端板298
(およびそれに固定されたインボリユートラツ
プ)が静止スクロール部材に対して所望の角度関
係に維持されたまま静止スクロール部材の内部で
自由に旋回する様子を示そうとするものである。
球345はスクロール部材にかかる軸方向圧縮荷
重を支持するという点では第66図の多重スラス
ト玉軸受と同じ役割をしており、したがつて第7
2−74図に示すポンプの実施例は第66図の実
施例の場合と同じようにすぐれた動作性能を有す
る。独立した継手部材がない場合は、始動時にス
クロールに軸方向予荷重をかけておくために、駆
動ヨーク330と軸254の肩との間にばね座金
350が置かれる。
第75−77図は継手手段が荷重支持手段とし
ても機能する、本発明のポンプの修正形を示す。
全体を番号351で示す継手手段は静止および旋
回スクロール部材の端板289と298の間に置
かれている。継手部材は環状リング352になつ
ていて、この環状リング352は、旋回端板29
8の面300に設けられたキー溝354に摺動係
合する2個の向い合わせに配置されたキー353
と、静止端板289の面291に設けられたキー
溝356に摺動係合する2個の向い合わせに配置
された、キー353に対して直角な方向に向いて
いるキー355とを有する。第76図と第77図
とからわかるように、継手部材は一連の等間隔に
配置された支持台357を有する。支持台357
の平担面358および359は向い合わせのスク
ロール端板の面291および300と係合して、
軸方向圧縮荷重支持手段として機能する。また継
手部材には複数個の液体通路360が設けられて
いる。第72図の修正形の場合と同様に始動時に
軸方向予荷重を生じさせるための座金350が設
けられている。
第78−80図に示すポンプの実施例では、軸
方向圧縮荷重支持手段および継手手段のキーとし
て球状部材が用いられている。継手部材は第75
−77図の継手リング351の場合と同様に支持
台362と液体通路363とを有する形状の環状
リング361から成る。しかし継手リング上には
キーがない。旋回端板298の面300に向い合
う、各支持台362の面365には溝364が設
けられている。支持台の溝364に形状および軸
方向が対応する溝366が端板の面300に設け
られている。向い合つた溝364および366か
ら成る各対の内部には荷重支持用の球367(ベ
アリング部材)が置かれて、継手運動を受ける。
対になつた溝の深さの和は球367の直径より僅
かに小さい。溝364および366の縁から縁ま
での長さはD+RO(Dは球367の直径)に等
しいかまたはこれより小さい。同様にして支持台
362の面370と、これに向い合う、静止スク
ロール部材の端板289の面291とに溝368
と369(第79および80図)が設けられてい
て、これらの対になつた溝の各々の中で球371
が継手運動を受けるように位置している。溝36
8と369の長さ方向軸は溝364および366
の軸を90度回転させた方向になつている。したが
つて球367と371はスクロール部材に作用す
る軸方向圧縮荷重を支持するとともに、球が入れ
られている対になつた溝の軸に沿う拘束された運
動によつて、旋回および静止スクロール部材の間
の所望の角度関係を維持する。
第81−88図に示す軸方向荷重支持兼継手手
段は第78−80図に示した手段の修正形であつ
て、荷重支持兼継手手段として球の代わりにロー
ラを使用している。継手部材は第78−80図の
ものと全体に同じ形状であつて、周囲に等間隔に
配置された支持台と液体通路363とを有する環
状リング361になつている。互いに90度ずつ隔
てられた4個の支持台372には継手手段が組み
合わされている。残りの支持台373は軸方向荷
重支持手段としてのみ機能する。支持台372
の、旋回端板298の面300に向い合う面37
4には溝375が設けられている。面300にも
同様に4個の対応する溝376が設けられてい
て、両者の2個の溝によつて形成された閉じた軌
道の中をローラ377が走行できるようになつて
いる。溝375と376の深さの和はローラの直
径より僅かに小さく、ローラの走行距離は旋回半
径(RO)に等しい。支持台372の、静止スク
ロール部材の端板289の面291に向い合う面
379にも溝378が設けられている。同様に面
291にも溝378に対応する4個の溝380が
設けられている。第81図と第83図に示すよう
に溝378と380の向きと溝375と376の
向きとの関係は、溝378と380の中を走行す
るローラ381の軸線がローラ377の軸線と90
度の角度をなすような関係になつている。第78
および79図の球367および371の場合と同
様に、第81および82図に示す修正形のローラ
は軸方向荷重支持機能と継手機能の両方を有す
る。
本発明のポンプの使用法を第84図に示す。ポ
ンプはたとえば自動車の燃料タンクのようなタン
ク383の中に入つている、汲み上げられる液体
382の中に浸たされている。ポンプの吐出口2
42に固定された高圧配管384はタンク383
に設けられた適当な出口385から外に出て、所
望の液体受容器、たとえば自動車の気化器に接続
されるようになつている。同様にねじ端子257
に接続されたシールド電線386が出口385を
通つて外に出て、電源に接続されるようになつて
いる。フイルタ387がポンプの吸入手段241
に取付けられていて、液体の中に存在する、また
はタンクの底にたまつている屑をろ過するように
なつている。
本発明に従つて構成されたポンプは自己起動形
であり、比較的長時間、たとえば10分またはそれ
以上にてたる空運転状態が続いても性能が損われ
ない。このポンプは運転時の騒音、振動および出
力流の振動が最小であり、また塵が入つても駆動
装置の半径方向コンプライアンスのために永久的
損傷が生じることはない。スクロール部材の中を
流れる液体の方向によつてスクロールラツプのフ
ランク間の密封と半径方向密封とが自動的に生じ
る。したがつて本発明のポンプでは半径方向密封
手段をさらに付け加えたり、旋回スクロール部材
に作用する遠心力を打ち消すための手段を設けた
りする必要はない。
第62図に矢印で示すポンプ内の液体の独特な
流れ模様によつてポンプのすべての構成要素は完
全に自動的に潤滑され、そして液体吐出手段に組
み合わされた簡単な一方向弁と圧力リリーフ弁以
外は弁手段を必要としない。
本発明のポンプは自動車の燃料タンクの中に置
くのに特に適している。すなわちこのポンプは自
動車の燃料タンクの入口から挿入できるほど小さ
く(ポンプの最大直径は17/8(4.76cm)である)、 そしてポンプの吐出容量は12psig(ゲージ圧
0.844Kg/cm2)の圧力で燃料を1時間当り少なく
とも185ポンド(84Kg)吐出できる。さらにスク
ロール形ポンプの構成要素は適当な耐摩耗性の有
機台成プラスチツクによつて(たとえば成形によ
つて)作ることができ、その他のポンプ構成要素
も同様なプラスチツクまたは金属で作ることがで
きるので、このような液浸形燃料ポンプに対する
低コストという要求に合致し得る。
最初に掲げた目的は効果的に達成された。また
上述の構造を本発明の範囲から離れることなくあ
る程度変更できるので、以上の説明および添付図
面に示された事柄はすべてたんなる一例であつ
て、本発明はこれだけに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明に従つて構成さ
れた静止スクロール要素の一実施例で、液体流が
内側に向うスクロール形液体ポンプの中で使用す
るのに特に適しているものの上面図および断面図
である。第3図および第4図は、第1図および第
2図の静止スクロール要素と組み合わせて使用す
るための旋回スクロール要素の上面図および断面
図である。第5図〜第20図は、第1図〜第4図
の実施例の静止および旋回スクロール要素の横方
向断面図と長さ方向断面図とを交互に示したもの
であり、この実施例の中央部に位置する吐出ポー
トの動作を示している。第21図および第22図
は、本発明に従つて構成された静止スクロール要
素の別の実施例で、液体流が外側に向うスクロー
ル形液体ポンプの中で使用するのに特に適してい
るものの上面図および断面図である。第23図お
よび第24図は、第21図および第22図の静止
スクロール要素と組み合わせて使用するための旋
回スクロール要素の上面図および断面図である。
第25図〜第40図は、第21図〜第24図の実
施例の静止および旋回スクロール要素の横方向断
面図と長さ方向断面図とを交互に示したものであ
り、この実施例の周辺部に位置する吐出ポートの
動作を示している。第41図および第42図は、
本発明に従つて構成された静止スクロール要素の
さらに別の実施例で、中央部および周辺部吐出ポ
ートの両方を有し、液体が内側向きにも外側向き
に流れ得るものの上面図および断面図である。第
43図および第44図は、41図および第42図
の静止スクロール要素と組み合わせて使用するた
めの旋回スクロール要素の上面図および断面図で
ある。第45図〜60図は、第41図〜第44図
の実施例の静止および旋回スクロール要素の横方
向断面図と長さ方向断面図とを交互に示したもの
であり、液体が内側向きまたは外側向きに流れる
ときこの実施例の吐出ポートの動作を示してい
る。第61図は、本発明に従つて構成されたスク
ロール形液体ポンプの長さ方向断面図である。第
62図は、本発明に従つて構成されたスクロール
形液体ポンプで、ポンプを燃料の中に浸けてしま
う自動車用燃料ポンプとして特に適するものの長
さ方向拡大断面図である。第63図は第62図の
ポンプの吐出端の平面図である。第64図は第6
2図のポンプの修正形の部分的長さ方向断面図で
あり、モータとの電気的接続を形成するための別
の手段と、副つりあいおもりを形成するための別
の手段とを示している。第65図は第64図のポ
ンプの吐出端の平面図である。第66図は、本発
明のスクロール形液体ポンプの吸入口側端部の長
さ方向拡大断面図であつて、駆動および継手手段
と、スクロール部材と、ポート機構と、軸方向荷
重支持手段とを詳細に示している。第67図は、
第66図のポンプを機械の軸線に垂直な、第66
図の面67−67で切断した断面図である。第6
8図は、第66図のポンプを機械の軸線に垂直
な、第66図の面68−68で切断して断面図で
ある。第69図、第70図および第71図は、第
66図のポンプの軸方向荷重支持手段の(第66
図に示した実施例以外の)3種類の実施例を示す
もので、いずれも継手部材とは別個の要素になつ
ている。第72図は軸方向荷重支持手段と継手部
材が1つの装置構成要素の形に組み合わされてい
る1つの実施例を示す。第73図は、第72図の
面73−73で切断した第72図の装置の断面図
であり、使用されたスラスト玉軸受のそれぞれの
位置を示している。第74図は、第72図および
第78図のスラスト玉軸受を使用するときに含ま
れる要因の詳細を平面図および断面図の形で示し
たものである。第75図は、軸方向荷重支持手段
と継手部材が1つの装置構成要素の形に組み合て
されている別の実施例を示す。第76図および第
77図は、第75図の軸方向荷重支持兼継手手段
のそれぞれ平面図と断面図である。第78図は、
軸方向荷重支持兼継手手段のさらに別の実施例で
あり、球部材が荷重支持と継手の二重の機能を果
している。第79図および第80図は、第78図
の軸方向荷重支持兼継手手段のそれぞれ平面図と
断面図である。第81図は、第78図の軸方向荷
重支持兼継手手段の修正形であり、ローラが荷重
支持と継手の二重の機能を果している。第82図
および第88図は、第81図の軸方向荷重支持兼
継手手段のそれぞれ平面図と断面図である。第8
4図は本発明のポンプを浸けるための液体が入つ
ているタンクの断面図である。 10,70,120および287……静止スク
ロール要素、11,71,121および289…
…静止端板、12,72,122および290…
…静止インボリユートラツプ、13,73および
291……静止端板内面、16,17,76,7
7,290aおよび290b……フランク面、1
8,78および337……ラツプ端面、20,7
9および294……中央ボス、23,81および
123……液体ポート、24,85,124,1
25,296および297……静止凹状移送通
路、25,27,86および87……凹状移送通
路主境界線、30,90,130および288…
…旋回スクロール要素、81,91,131およ
び298……旋回端板、32,92,132およ
び299……旋回インボリユートラツプ、33,
93および300……旋回端板内面、34,3
5,94,95,301および302……フラン
ク面、36,96および303……ラツプ端面、
39,97,133,134,304および30
5……旋回凹状移送通路、40,42,97およ
び98……凹状移送通路主境界線、50,51,
111,112,135,136,306および
307……外側液体ポケツト、52,113,1
37および308……中央部液体ポケツト、5
8,110および309……周辺部領域、59お
よび109……周辺ポート、65,66,144
および145……開いたポケツト、150……静
止スクロール部材、152……旋回スクロール部
材、154……継手部材、155……駆動機構、
156……クランク軸アセンブリ手段、157…
…ハウジング、158……油溜め、159……冷
却フアン、160……カバー、196……駆動
軸、198……クランク板、201……ベアリン
グ取付台、202……つりあいおもり、240…
…主ハウジング、241……液体吸入口、242
……液体吐出口、243……スクロール形ポンプ
手段、244および351……継手手段、245
……旋回スクロール駆動手段、246……モータ
手段、247……軸方向荷重支持手段、254…
…駆動軸、258および283……吐出導管、2
59……逆止弁、265および284……圧力リ
リーフ弁、272および282……つりあいおも
り、285……スクロール形ポンプ室、292,
320,323,354および356……キー
溝、293,319,322,353および35
5……キー、312……スラスト玉軸受、328
……短軸、330……旋回スクロール駆動ヨー
ク、338……環状スラスト軸受、342……環
状リング突起、345,367および371……
球、346,347……くぼみ、350……ばね
座金、352および361……環状リング、35
7,362,372および373……支持台、3
81……ローラ、383……タンク、384……
高圧配管。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 スクロール形液体ポンプに組み込むのに適し
    た、対になつたスクロール部材にして、 (a) 中央部液体ポートを有する静止スクロール部
    材であつて、 (1) 静止端板と、 (2) 該静止端板の一側面に固定され、1巻き半
    のインボリユート曲線の形をしている静止イ
    ンボリユートラツプと、 (3) 該静止端板の該一側面に設けられた静止凹
    状液体移送通路とから構成されているところ
    の静止スクロール部材と、 (b) 駆動手段によつて該静止スクロール部材に対
    して旋回せしめられるように配置されている旋
    回スクロール部材であつて、 (1) 旋回端板と、 (2) 該旋回端板の一側面に固定され、1巻き半
    のインボリユート曲線の形をしている旋回イ
    ンボリユートラツプと、 (3) 該旋回端板の該一側面に設けられた旋回凹
    状液体移送通路とから構成されているところ
    の旋回スクロール部材との組み合わせを備
    え、該静止および旋回凹状液体移送通路の位
    置と形状が該旋回インボリユートラツプがそ
    の旋回サイクルの、本質的に遮断された3個
    の液体ポケツトを形成する時点に達した実質
    的に直後に該両通路が開いて液体が流れるよ
    うな位置と形状になつていることを特徴とす
    る対となつたスクロール部材。 2 該静止凹状液体移送通路の第1主境界線が該
    旋回インボリユートラツプ縁の部分的軌跡の形に
    なつており、該旋回凹状液体移送通路の第1主境
    界線が該静止インボリユートラツプ縁の部分的軌
    跡の形になつている特許請求の範囲第1項記載の
    対になつたスクロール部材。 3 該静止および旋回凹状液体移送通路が、(1)そ
    れぞれ該静止および旋回インボリユートラツプの
    内側に位置していて、そしてそれぞれ該静止およ
    び旋回端板の中心を通る直線で、それぞれ該静止
    および旋回インボリユートラツプの生成半径に対
    する接線として引いた接触線に平行になつている
    直線を第2主境界線とするか、または(2)それぞれ
    該静止および旋回インボリユートラツプの外側に
    位置していて、そして該第1主境界線と同じ形状
    で該第1主境界線から半径方向外側に隔てられて
    いる曲線を第2主境界線とするか、あるいは(3)該
    静止および旋回インボリユートラツプの内側と外
    側の両方に位置している特許請求の範囲第2項記
    載の対になつたスクロール部材。 4 該凹状液体移送通路の深さが該インボリユー
    トラツプの厚さにほぼ等しく、該外側凹状移送通
    路の該第2主境界線がラツプの厚さの約2倍に等
    しい距離だけ該第1主境界線から隔てられてお
    り、そして該外側凹状移送通路が約45〜90度の角
    度の弧に沿つて伸びている特許請求の範囲第3項
    記載の対になつたスクロール部材。 5 容積形液体ポンプにして、 (A) 対になつたスクロール部材であつて、 (a) 中央部液体ポートを有する静止スクロール
    部材であつて、 (1) 静止端板と、 (2) 該静止端板の一側面に固定され、1巻き
    半のインボリユート曲線の形をしている静
    止インボリユートラツプと、 (3) 該静止端板の該一側面に設けられた静止
    凹状液体移送通路とから構成されていると
    ころの静止スクロール部材と、 (b) 駆動手段によつて該静止スクロール部材に
    対して旋回せしめられるように配置されてい
    る旋回スクロール部材であつて、 (1) 旋回端板と、 (2) 該旋回端板の一側面に固定され、1巻き
    半のインボリユート曲線の形をしている旋
    回インボリユートラツプと、 (3) 該旋回端板の該一側面に設けられた旋回
    凹状液体移送通路とから構成されていると
    ころの旋回スクロール部材との組み合わせ
    を備え、該静止および旋回凹状液体移送通
    路の位置と形状が、該旋回インボリユート
    ラツプがその旋回サイクルの、本質的に遮
    断された3個の液体ポケツトを形成する時
    点に達した実質的に直後に該両通路が開い
    て液体が流れるような位置と形状になつて
    いる対となつたスクロール部材と、 (B) 該スクロール部材に軸方向接触が生じるよう
    該スクロール部材を強制する軸方向力付与手段
    と、 (C) 該スクロール部材の角度関係を固定された状
    態に維持する継手手段と、 (D) 液体吸入口および液体吐出口と、 (E) 該旋回スクロール部材を施回させて、これに
    よつて該インボリユートラツプの側面フランク
    と該端板とが体積の変化する移動液体ポケツト
    と、該ポケツトの周囲の周辺部領域と吐出領域
    とを形成するようにするための駆動手段との組
    み合せを備えていることを特徴とする容積形液
    体ポンプ。 6 該静止凹状液体移送通路の第1主境界線が該
    旋回インボリユートラツプ縁の部分的軌跡の形に
    なつており、該旋回凹状液体移送通路の第1主境
    界線が該静止インボリユートラツプ縁の部分的軌
    跡の形になつている特許請求の範囲第5項記載の
    容積形液体ポンプ。 7 該静止および旋回凹状液体移送通路が(1)それ
    ぞれ該静止および旋回インボリユートラツプの内
    側に位置していて、そしてそれぞれ該静止および
    旋回端板の中心を通る直線で、それぞれ該静止お
    よび旋回インボリユートラツプの生成半径に対す
    る接線として引いた接触線に平行になつている直
    線を第2主境界線とするか、または(2)それぞれ該
    静止および旋回インボリユートラツプの外側に位
    置していて、そして該第1主境界線と同じ形状で
    該第1主境界線から半径方向外側に隔てられてい
    る曲線を第2主境界線とするか、あるいは(3)該静
    止および旋回インボリユートラツプの内側と外側
    の両方に位置している特許請求の範囲第6項記載
    の容積形液体ポンプ。 8 該凹状液体移送通路の深さが該インボリユー
    トラツプの厚さにほぼ等しく、該外側凹状移送通
    路の該第2主境界線がラツプの厚さの約2倍に等
    しい距離だけ該第1主境界線から隔てられてお
    り、そして該外側凹状移送通路が約45〜90度の角
    度の弧に沿つて伸びている特許請求の範囲第7項
    記載の容積形液体ポンプ。 9 該液体吸入口が、(1)該周辺部領域と導通して
    いて、該液体吐出口が該液体ポケツトのうちの、
    該吐出領域として機能する内側ポケツトと導通し
    ているか、または(2)該液体ポケツトのうちの内側
    ポケツトと導通していて、該液体吐出口が該吐出
    領域として機能する該周辺部領域と導通している
    特許請求の範囲第5項記載の容積形液体ポンプ。 10 該駆動手段が該旋回スクロール部材を旋回
    させたときに該インボリユートラツプの側面フラ
    ンクの間に小さい間隙が維持され、このために該
    液体ポケツトの実質的完全性は維持したまま長期
    の運転期間にわたつて該側面フランクの摩耗が実
    質的に除去されるように該駆動手段が配設されて
    いる特許請求の範囲第5項記載の容積形液体ポン
    プ。 11 該駆動手段が、 (a) 端部がクランク板の中にあつて、機械の軸線
    上で回転できる駆動軸と、 (b) 該旋回スクロール部材から伸びていて、ベア
    リング取付台およびつりあいおもり手段が固定
    されていて、該旋回スクロール部材の旋回半径
    に等しい距離だけ該機械軸線から平行に隔てら
    れた軸心上で回転できる短軸と、 (c) 該ベアリング取付台およびつりあいおもり手
    段を該クランク板に、該間隔を形成するための
    所定の関係でもつて固定するための固定手段と
    の組み合せから成る特許請求の範囲第10項記
    載の容積形液体ポンプ。 12 該軸方向力付与手段が該ベアリング取付台
    およびつりあいおもり手段と該旋回スクロール部
    材の該端板との間で作用するスラスト軸受から成
    る特許請求の範囲第11項記載の容積形液体ポン
    プ。 13 汲み上げられる液体の中に液浸させるのに
    適しており、そして該スクロール部材を含む室を
    その内部に形成するとともに、その一端に該液体
    汲入口を有し、その他端に該液体吐出口を有して
    いるハウジングを含んでおり、そしてさらに、該
    駆動手段が該室の内部で該スクロール部材と該ハ
    ウジングの該液体吐出口側端部との間に配置され
    たモータを含んでいて、このために、該スクロー
    ル部材によつて汲み上げられた該ポンプの中を半
    径方向外側向きに流れる液体が該駆動手段の周囲
    を流れて、該軸方向力付与手段を与える所定の液
    体圧力を該室の内部に維持する特許請求の範囲第
    5項記載の容積形液体ポンプ。 14 圧力リリーフ弁を含んでおり、そして該液
    体吐出口が、該ポンプ内の液体圧力が所定の大き
    さに達したときに液体を該室から吐出させるよう
    に配設された圧力制御形一方向弁と組み合わされ
    た吐出導管から成る特許請求の範囲第13項記載
    の容積形液体ポンプ。 15 軸方向圧縮荷重支持手段を含んでいる特許
    請求の範囲第13項記載の容積形液体ポンプ。 16 該継手手段と該軸方向圧縮荷重支持手段と
    が継手兼荷重支持手段として機能する1個の要素
    から成る特許請求の範囲第15項記載の容積形液
    体ポンプ。 17 始動時に該旋回スクロール部材を該静止ス
    クロール部材に接触するように押し付けるための
    もう1つの軸方向力付与手段を含んでいる特許請
    求の範囲第13項記載の容積形液体ポンプ。 18 該ポンプの軸線に直角な方向に生じた力を
    打ち消すための主つりあいおもり手段と、該主つ
    りあいおもり手段によつて生じたモーメントを打
    ち消すための副つりあいおもり手段とを含んでい
    る特許請求の範囲第13項記載の容積形液体ポン
    プ。 19 該駆動手段が、端部が短軸の形になつた駆
    動軸と、該ポンプの作動中に該旋回スクロール部
    材の旋回半径に等しい距離だけ該駆動軸の軸心か
    ら平行に隔てられている旋回スクロール部材駆動
    ヨークとから成る特許請求の範囲第13項記載の
    容積形液体ポンプ。 20 該短軸および該駆動ヨークが金属で作られ
    ていて、金属−金属接触を形成しており、このた
    めに、該旋回スクロール部材駆動手段の中に、特
    に該ポンプを空運転させたときに、発生する熱を
    逃すための効果的な伝熱通路を形成している特許
    請求の範囲第19項記載の容積形液体ポンプ。
JP7229078A 1977-06-17 1978-06-16 Scrawl liquid pump Granted JPS547604A (en)

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