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JPH1152128A - 誘電体多層膜光フィルタおよびその製造方法 - Google Patents

誘電体多層膜光フィルタおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH1152128A
JPH1152128A JP21424097A JP21424097A JPH1152128A JP H1152128 A JPH1152128 A JP H1152128A JP 21424097 A JP21424097 A JP 21424097A JP 21424097 A JP21424097 A JP 21424097A JP H1152128 A JPH1152128 A JP H1152128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric multilayer
optical filter
substrate
layer
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21424097A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Takeuchi
哲也 竹内
Kazumichi Miyabe
一道 宮部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP21424097A priority Critical patent/JPH1152128A/ja
Publication of JPH1152128A publication Critical patent/JPH1152128A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Optical Filters (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体蒸着膜層と樹脂基板の密着性が向上し
た低コストの誘電体多層膜光フィルタおよびその製造方
法を提供する。 【解決手段】(1)樹脂層がポリスチレン、非晶質ポリオ
レフィン、アクリル系重合体、ポリカーボネートなどの
汎用的透明樹脂材料、透明接着層および屈折率の異なる
誘電体多層膜を順次積層してなる誘電体多層膜光フィル
タ、および(2)表面が平滑な仮基板上に樹脂薄膜基板を
形成する工程、前記樹脂薄膜基板上にイオンアシスト蒸
着法により屈折率の異なる誘電体を積層した誘電体多層
膜を形成する工程、前記誘電体多層膜上に透明接着層を
設けた後透明樹脂層を形成する工程、および前記樹脂薄
膜基板と誘電体多層膜とを剥離する工程を有する誘電体
多層膜光フィルタの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信において用
いられる誘電体多層膜光フィルタおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】光通信においては、光路中に微細な間隙
を設けて、誘電体多層膜光フィルタを配設した部品(光
学要素)が使用される。この様な光学要素としては、直
線状の光ファイバの途中に入れて光ファイバ中を伝播す
る2つ以上の波長成分のうち不要な波長成分のみを除去
し、必要な波長成分のみを光ファイバー中を伝播させる
光学要素の他に、導波光を制御する機能を持つ方向性結
合器(ファイバカップラ)(例えば、二本の入力光ファ
イバの各々を通る2波長多重光を、波長を分けて他の二
本の出力光ファイバから出力する波長分離器)のような
ものがある。
【0003】ファイバを伝播する光の誘電体多層膜光フ
ィルタ配設溝部分での回折損失を少なくするためには、
溝部分は出来るだけ狭くする必要があるが、これは溝に
配設する誘電体多層膜光フィルタの厚みをいかに薄く出
来るかにかかっている。実用上は、例えば光ファイバと
してコア径10μm、比屈折率0.3%のものでは、溝幅
(誘電体多層膜光フィルタの厚み)を数10μm位まで
にすることによって入力光ファイバと出力光ファイバの
間隙によって生じる回折損失を0.5dB程度に抑えるこ
とができる。
【0004】従来は、このような誘電体多層膜光フィル
タは、厚さ0.5mm以上の光学ガラス等の硬質基板の上
に低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とを交互に10
μm程度まで積層した後、基板の誘電体層が存在しない
背面を研磨して所望の厚さとした後、所定の大きさに切
断する方法で製造されていたが、研磨工程や表面清浄作
業等に熟練を要すること、基板が割れやすく歩留まりが
悪いこと等から低価格化には限界があった。さらに、緻
密な誘電体多層膜を得るためにイオンアシスト蒸着法を
用いると多層膜に圧縮性の応力が残りフィルタに反りを
生じて薄く研磨できないという問題もあった。
【0005】そこで、基板として光学的に透明な樹脂フ
ィルムを用いて、その上に誘電体多層膜を積層する方法
が検討、開発されてきている。フィルム上に多層干渉膜
を形成する方法として、ポリエステルフィルムの両端を
巻き取り機構によって真直ぐに保持し、ロールで塗工を
行なう方法があるが(特開昭63-88505号等)、高精度に
制御された均一の膜厚の多層膜が得られないこと、巻き
取りの際にクラックを生じたり多層膜が剥がれたりする
こと、フィルム基板にある程度の強度が要求されるため
その厚みを薄くするには限界があること等から、誘電体
多層膜光フィルタには応用することは出来ない。
【0006】樹脂フィルムとしてポリイミド系フィルム
の薄膜を用いる方法も検討されている。これは、仮基板
面上にスピンコート等の塗布法によって密着形成したポ
リイミド系フィルム薄膜の上に、イオンアシスト蒸着法
によってSiO2とTiO2らなる多層膜を形成した後、
仮基板とポリイミド薄膜とを剥離しようというものであ
る。
【0007】特開平4-211203号には、仮基板として平滑
な面を有するものを使用することにより仮基板とポリイ
ミド薄膜とを剥離できること、得られる多層膜はカール
を生じて取扱いにくいものとなるが、カールの問題はポ
リイミドとして多層膜部よりも熱膨張率の小さいフッ素
化ポリイミドを使用することにより解決出来ることが記
載されている。
【0008】さらに、特開平9-159850号には、Si基板
上にスピンコート法によりポリイミド層を設け、その上
にイオンビーム蒸着法によりガラス多層膜を蒸着積層
し、その上にスピンコート法によりポリイミド被膜を設
けた後、Si基板をフッ化アンモン溶液で溶解して得ら
れる光学フィルタが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載の誘電
体多層膜光フィルタは、誘電体多層膜はイオンアシスト
蒸着法によって形成されるため、汎用的な透明樹脂フィ
ルムは使用できず、耐熱性のある透明樹脂であるフッ素
化ポリイミド系フィルム基板を使用する必要があるこ
と、さらに上に直接蒸着される基板表面が酸素プラズマ
に晒されて高温になり、誘電体多層膜層とフッ素化ポリ
イミド層との熱膨張率の違いや、フッ素化ポリイミド層
からの発生ガスにより誘電体多層膜層とフッ素化ポリイ
ミド層界面の密着性が低下してしまい、チップ化や組み
立て作業中に剥離することがある。
【0010】従って、本発明の目的は、蒸着法による誘
電体多層膜を、アクリル系重合体等の汎用的な透明樹脂
フィルムの基板上に形成してなる誘電体多層膜光フィル
タ、およびその製造方法を提供することにある。さら
に、本発明の他の目的は、光学的に透明な樹脂フィルム
と蒸着法による誘電体多層膜とを積層してなる誘電体多
層膜光フィルタであって、チップ化や組み立て作業中に
樹脂フィルムと誘電体多層膜界面で剥離が生じない誘電
体多層膜光フィルタの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、樹脂薄膜基
板上に誘電体多層膜をイオンアシスト蒸着し、その上に
透明樹脂層を形成した後、前記樹脂薄膜基板と誘電体多
層膜とをその界面で剥離する方法によれば、イオンアシ
スト蒸着による誘電体多層膜とその上の透明樹脂層との
密着性は蒸着時の酸素プラズマ等の影響を全く受けず、
通常の光学的に透明な樹脂を基板に使用でき、前記の課
題が解決されることを確認して本発明を完成するに至っ
た。
【0012】すなわち、本発明は、 1)透明樹脂層、透明接着層および屈折率の異なる誘電
体多層膜を順次積層してなる誘電体多層膜光フィルタ、 2)透明樹脂層がポリスチレン、非晶質ポリオレフィ
ン、アクリル系重合体、ポリカーボネートおよびフッ素
化ポリイミドから選択される前記1に記載の誘電体多層
膜光フィルタ。 3)表面が平滑な仮基板上に樹脂薄膜基板を形成する工
程、前記樹脂薄膜基板上にイオンアシスト蒸着法により
屈折率の異なる誘電体を積層した誘電体多層膜を形成す
る工程、前記誘電体多層膜上に透明接着層を設けた後透
明樹脂層を形成する工程、および前記樹脂薄膜基板と誘
電体多層膜とを剥離する工程を有することを特徴とする
誘電体多層膜光フィルタの製造方法、 4)透明樹脂層形成後に、透明樹脂層側から、透明樹脂
層、透明接着層および誘電体多層膜を樹脂薄膜基板まで
切断し、誘電体多層膜と樹脂薄膜基板とを剥離する前記
3に記載の誘電体多層膜光フィルタの製造方法、
【0013】5)透明樹脂層形成後に、誘電体多層膜と
樹脂薄膜基板とを剥離し、透明樹脂層、透明接着層およ
び誘電体多層膜を切断してチップ化する前記3に記載の
誘電体多層膜光フィルタの製造方法、 6)樹脂薄膜基板としてポリイミドまたはフッ素化ポリ
イミドを使用する前記3に記載の誘電体多層膜光フィル
タの製造方法、 7)透明樹脂として、ポリスチレン、非晶質ポリオレフ
ィン、アクリル系重合体、ポリカーボネートまたはフッ
素化ポリイミドを使用する前記3に記載の誘電体多層膜
光フィルタの製造方法、 8)透明接着剤として、チタンカップリング剤、シラン
カップリング剤またはジルコニウムカップリング剤を使
用する前記3に記載の誘電体多層膜光フィルタの製造方
法、および 9)前記3乃至8のいずれかに記載の方法により得られ
る誘電体多層膜光フィルタを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による誘電体多層膜光フィ
ルタの製造方法を添付図面(図1)に従って説明する。
まず、表面が平滑な仮基板(1)上に、樹脂薄膜基板
(2)を形成する(図1工程(a))。仮基板(1)と
しては、シリコン、ガラス(BK−7など)、石英ガラ
ス、セラミックス等が使用可能であるが、仮基板は最終
的にフィルタには含まれないため、安価で、さらにチッ
プ化作業を行ない易い点から切削しやすいものが良い。
好ましくは表面が平滑なシリコンやガラス系材料が用い
られる。
【0015】前記仮基板(1)上に形成する樹脂薄膜基
板(2)も最終的にはフィルタに含まれないため、最終
段階の剥離工程において蒸着誘電体層との剥離が可能な
ものであればよく、使用できる樹脂材料に特に制限はな
い。仮基板との整合性が良好で、次工程のイオンアシス
ト蒸着での温度上昇においても安定なものが好ましい。
蒸着誘電体層との密着性の点からポリイミドあるいはフ
ッ素化ポリイミドが特に好ましい。
【0016】以下、樹脂薄膜としてフッ素化ポリイミド
を使用した場合について説明する。樹脂薄膜基板(2)
としてのフッ素化ポリイミド層を形成するには、仮基板
上(1)に液状のフッ素化ポリイミド材料あるいはフッ
素化ポリイミドの前駆体であるフッ素化ポリアミド酸の
N,N−ジメチルアセトアミド溶液を所要の厚みに塗布
する。この時、仮基板(1)とフッ素化ポリイミド層
(2)の密着性を高めるために、前もってイソプロピル
トリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートや
トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウムなどの
カップリング剤で処理しておいてもよい。
【0017】液状のフッ素化ポリイミド材料あるいはフ
ッ素化ポリアミド酸溶液は、式(A)で示されるユニッ
トからなる重合体、または式(A)で示されるユニット
と式(B)で示されるユニットとからなる共重合体が使
用され、中でもモル比がA:B=100〜65:0〜3
5であるものが好ましい。
【0018】
【化1】
【0019】このような式(A)で示されるユニットか
らなる重合体の前駆体であるフッ素化ポリアミド酸、ま
たは(A)で示されるユニットと(B)で示されるユニ
ットとからなる共重合体の前駆体であるフッ素化ポリア
ミド酸は、ピロメリット酸二無水物(PMDA)と2,
2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミ
ノビフェニル(TFDB)とから、またはTFDBとP
MDAと2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)とか
ら製造することができる。また液状のワニスとして市販
されているものを利用することも出来る。
【0020】液状フッ素化ポリイミドあるいはフッ素化
ポリアミド酸溶液の塗布は均一な厚さに薄く塗布するた
めに、スピンコート法によって行なう。次に仮基板
(1)上に塗布した液状フッ素化ポリイミドあるいはフ
ッ素化ポリアミド酸溶液を乾燥後硬化させて(温度35
0℃,2時間程度加熱処理)、フッ素化ポリイミド薄膜
基板(2)を形成する(図1工程(a))。
【0021】上記のようにして得られた樹脂(フッ素化
ポリイミド)薄膜基板(2)の面上にイオンアシスト蒸
着法によってTiO2/SiO2からなる誘電体多層干渉
膜膜(3)を所要の厚みに形成する(図1工程
(b))。この場合第1層目はフィルタ設計に応じて、
TiO2およびSiO2のいずれとしてもよく、密着性は
いずれも問題はない。
【0022】次いで、誘電体多層膜(3)の面上に透明
接着剤層(4)を形成する(図1工程(c))。透明接
着剤としては、チタン系カップリング剤、シラン系カッ
プリング剤、ジルコニウム系カップリング剤などのカッ
プリング剤が使用できる。また前記誘電体多層膜の表面
層および後記の透明樹脂層に対して密着性を有するもの
であればエポキシ系、アクリル系等の各種光学接着剤な
ども使用できる。
【0023】本発明で使用されるジルコニウム系カップ
リング剤としては、ジルコニウムエステルおよびジルコ
ニウムキレート化合物が好ましい。ジルコニウムエステ
ルとしては、テトラプロピルジルコネート、テトラブチ
ルジルコネートなどが挙げられ、ジルコニウムキレート
化合物としては、テトラキス(アセチルアセトネート)
ジルコニウム、モノブトキシトリス(アセチルアセトネ
ート)ジルコニウム、ジブトキシビス(アセチルアセト
ネート)ジルコニウム、トリブトキシアセチルアセトネ
ートジルコニウム、テトラ(エチルアセチルアセテー
ト)ジルコニウム、モノブトキシトリス(エチルアセチ
ルアセテート)ジルコニウム、ジブトキシビス(エチル
アセチルアセテート)ジルコニウム、トリブトキシエチ
ルアセチルアセテート、テトラキス(エチルラクトネー
ト)ジルコニウム、ビス(ビスアセチルアセトネート)
ビス(エチルアセチルアセトネート)ジルコニウム、モ
ノアセチルアセトネートトリス(エチルアセチルアセト
ネート)ジルコニウム、モノブトキシモノアセチルアセ
トネートビス(エチルアセチルアセトネート)ジルコニ
ウムなどが挙げられる。
【0024】カップリング剤溶液の塗布は均一な厚さに
薄く塗布するためにスピンコート法によって行なう。塗
布後、乾燥させて(温度250℃、2時間程度加熱処
理)、カップリング剤層(4)を形成する。カップリン
グ剤層の厚みは均一に形成できれば薄いほどよい。
【0025】透明接着剤層(4)の上に透明樹脂層
(5)を形成する(図1工程(d))。透明樹脂層
(5)は本発明の光フィルタの基板となるものである
が、イオンアシスト蒸着に晒されないため耐熱性を有す
る必要はなく、光学的に透明であれば特に制限なく使用
することができる。具体的には、ポリスチレン、非晶質
ポリオレフィン、アクリル系重合体、ポリカーボネー
ト、フッ素化ポリイミドなどが使用できるが、安定性な
どの点からフッ素化ポリイミドが好ましい。透明樹脂層
としてのフッ素化ポリイミド層の形成は前記の樹脂薄膜
基板(2)の形成と同様に液状フッ素化ポリイミドある
いはフッ素化ポリアミド酸溶液を塗布することによって
行なうことができる。均一な厚さに薄く塗布するため
に、スピンコート法の利用が好ましい。塗布後、乾燥後
硬化させて(温度350℃,2時間程度加熱処理)、フ
ッ素化ポリイミド薄膜からなる透明樹脂層(5)を形成
する。
【0026】次に、樹脂薄膜基板(2)に届く程度まで
切れ目(6)を形成し(図1工程(e))、樹脂薄膜基
板(2)と誘電体多層膜(3)とを界面(7)から剥離
しチップ化された誘電体多層膜光フィルタを得る(図1
工程(f))。樹脂薄膜基板(2)と誘電体多層膜
(3)との剥離は水中で切れ目にナイフの刃先等の鋭利
なものを入れることによって容易に行なうことが出来
る。
【0027】別の方法として、剥離と切断の作業工程を
入れ替えてもよい。すなわち、図2に示すように(図2
の工程(a)〜(d)は図1の工程(a)〜(d)に同
じ。)、誘電体多層膜フィルタを剥離した後(図2工程
(e))、切断してチップ化された誘電体多層膜光フィ
ルタを得ることもできる(図2(f))。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこの実施例によって限定される
ものではない。実施例1 直径30mm、厚さ0.5mmのBK−7ガラス上にフッ
素化ポリイミド用ワニス(日立化成工業社製:OPIN
1805(50Ps),成分A:成分B=80:20)
をスピンコート法により加熱硬化後の厚みが10μmと
なるように塗布した後、最高温度350℃にて2時間加
熱処理を行ない、フッ素化ポリイミド層を形成した。こ
の上にイオンアシスト蒸着法によって、TiO2/Si
2からなる誘電体多層膜を約10μmの厚みに形成し
た。次にこの上にジルコニウムカップリング剤(日立化
成工業社製:OPIカプラー)をスピンコート法により
乾燥後の厚みが0.01μm以下となるように塗布し、25
0℃で30分加熱した。この上にフッ素化ポリイミド用
ワニス(日立化成工業社製:OPIN1805(50P
s),成分A:成分B=80:20)をスピンコート法
により加熱硬化後の厚みが10μmとなるように塗布し
た後、最高温度350℃にて2時間加熱処理を行ない、
フッ素化ポリイミド層を形成した。次にBK−7ガラス
基板上のフィルタをダイシングソーによって流水しなが
ら、碁盤目状に2mm×1mmの切れ目を入れた。水中
で切れ目にナイフ刃先を入れることによって容易に剥離
した。作製したフィルタの表面と裏面に粘着テープ(住
友スリーエム(株)製,メンディングテープ810)を
貼り付けた後引き剥がす剥離実験を行なったが、蒸着層
の剥離は見られなかった。
【0029】実施例2 透明樹脂層としてのフッ素化ポリイミド用ワニス(日立
化成工業社製:OPIN1805(50Ps),成分
A:成分B=80:20)の代わりにノルボルネン樹脂
(日本合成ゴム製ARTON−G)のトルエン溶液を使
用し、同様にスピンコート法により加熱硬化後の厚みが
10μmとなるように塗布した後、最高温度120℃に
て3時間加熱処理を行ない、透明樹脂層を形成した他
は、実施例1と同様に操作を行ない光フィルタチップを
得た。実施例1と同様に剥離実験に供した結果、蒸着層
の剥離は見られず、密着性は良好であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂薄膜基板上に誘電
体多層膜をイオンアシスト蒸着し、その上に透明樹脂層
を形成した後、前記樹脂薄膜基板と誘電体多層膜とをそ
の界面で剥離して誘電体多層膜光フィルタを製造するた
め、イオンアシスト蒸着による誘電体多層膜とその上の
透明樹脂層との密着性が蒸着時の酸素プラズマ等の影響
を全く受けず、透明樹脂層は耐熱性が要求されず、アク
リル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の汎用透明樹脂材料
が使用できること、得られる誘電体多層膜光フィルタは
誘電体多層膜と樹脂薄膜基板との密着性がよく、チップ
化や組み立て作業を安定して行なうことができ、光フィ
ルタの低コスト化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による誘電体多層膜フィルタの製造工
程を示す。
【図2】 本発明による誘電体多層膜フィルタの他の製
造工程を示す。
【符号の説明】
1 仮基板 2 樹脂薄膜基板 3 誘電体多層膜 4 透明接着剤層 5 透明樹脂層 6 切れ目 7 剥離界面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33/04 C08L 33/04 69/00 69/00 79/08 79/08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂層、透明接着層および屈折率の
    異なる誘電体多層膜を順次積層してなる誘電体多層膜光
    フィルタ。
  2. 【請求項2】 透明樹脂層がポリスチレン、非晶質ポリ
    オレフィン、アクリル系重合体、ポリカーボネートおよ
    びフッ素化ポリイミドから選択される請求項1に記載の
    誘電体多層膜光フィルタ。
  3. 【請求項3】 表面が平滑な仮基板上に樹脂薄膜基板を
    形成する工程、前記樹脂薄膜基板上にイオンアシスト蒸
    着法により屈折率の異なる誘電体を積層した誘電体多層
    膜を形成する工程、前記誘電体多層膜上に透明接着層を
    設けた後透明樹脂層を形成する工程、および前記樹脂薄
    膜基板と誘電体多層膜とを剥離する工程を有することを
    特徴とする誘電体多層膜光フィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 透明樹脂層形成後に、透明樹脂層側か
    ら、透明樹脂層、透明接着層および誘電体多層膜を樹脂
    薄膜基板まで切断し、誘電体多層膜と樹脂薄膜基板とを
    剥離する請求項3に記載の誘電体多層膜光フィルタの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 透明樹脂層形成後に、誘電体多層膜と樹
    脂薄膜基板とを剥離し、透明樹脂層、透明接着層および
    誘電体多層膜を切断してチップ化する請求項3に記載の
    誘電体多層膜光フィルタの製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂薄膜基板としてポリイミドまたはフ
    ッ素化ポリイミドを使用する請求項3に記載の誘電体多
    層膜光フィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 透明樹脂として、ポリスチレン、非晶質
    ポリオレフィン、アクリル系重合体、ポリカーボネート
    またはフッ素化ポリイミドを使用する請求項3に記載の
    誘電体多層膜光フィルタの製造方法。
  8. 【請求項8】 透明接着剤として、チタンカップリング
    剤、シランカップリング剤またはジルコニウムカップリ
    ング剤を使用する請求項3に記載の誘電体多層膜光フィ
    ルタの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項3乃至8のいずれかに記載の方法
    により得られる誘電体多層膜光フィルタ。
JP21424097A 1997-08-08 1997-08-08 誘電体多層膜光フィルタおよびその製造方法 Pending JPH1152128A (ja)

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