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JP2004029422A - 平滑なコア端面を有するポリマー光導波路及びその製造方法 - Google Patents

平滑なコア端面を有するポリマー光導波路及びその製造方法 Download PDF

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JP2004029422A
JP2004029422A JP2002186174A JP2002186174A JP2004029422A JP 2004029422 A JP2004029422 A JP 2004029422A JP 2002186174 A JP2002186174 A JP 2002186174A JP 2002186174 A JP2002186174 A JP 2002186174A JP 2004029422 A JP2004029422 A JP 2004029422A
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cut
polymer optical
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JP2002186174A
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Toshihiro Kuroda
黒田 敏裕
Shigeyuki Yagi
八木 成行
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Resonac Corp
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】平滑なコア端面を有する光導波路及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】コア端面を有するポリマー光導波路において、該コア端面の表面粗さRaが0.01〜0.06μmであることを特徴とするポリマー光導波路、及びポリマー光導波路のコアの中間位置にダイシングにより切り込みを形成することを特徴とする上記ポリマー光導波路の製造方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマー光導波路及びその製造方法に関し、特に、平滑なコア端面を有するポリマー光導波路及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のパソコンやインターネットの普及に伴い、情報伝送需要が急激に増大している。このため、伝送速度の速い光伝送を、パソコン等の末端の情報処理装置まで普及させることが望まれている。これを実現するには、光インターコネクション用に、高性能な光導波路を、安価かつ大量に製造する必要がある。
【0003】
光導波路の材料としては、ガラスや半導体材料等の無機材料や、樹脂が知られている。樹脂によって光導波路を製造する場合には、成膜工程を、塗布と加熱により大気圧中で行うことができるため、装置及び工程が簡単であるという利点がある。光導波路を構成する樹脂としては、種々のものが知られているが、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れるポリイミドが特に期待されている。ポリイミドにより光導波路を形成した場合、長期信頼性が期待でき、半田付けにも耐えることができる。
【0004】
樹脂製の光導波路デバイスは、一般的には、基板上に、光ファイバ搭載用のV溝を設け、さらに樹脂製の下部クラッド、コア(光導波路)及び上部クラッドを含む光導波路積層体を積層することにより製造される。さらに、図2に示すように、光導波路積層体上に搭載される光学素子との間で光の入出射を可能とするため、基板表面に対してある一定の角度を持ち、コアを切断する切り込みがダイシング技術等を用いて形成される。この切り込みとコアとの2つの境界面のうち、基板表面と鋭角をなす境界面が反射面とされ、この反射面が光を反射することによってコアと光導波路積層体上に搭載される光学素子との間で光の入出射が可能とされる。
【0005】
このような樹脂製の光導波路は、例えば、基板として直径約12.7cmのシリコンウエハを用意し、この基板の上に光導波路を縦横に多数配列して形成し、次いで、基板裏面にダイシングテープを貼付し、ブレードによりダイシングして、個々の光導波路に分離する。これにより、多数の光導波路を量産することができる。
このように生産される光導波路のコア端面は、光の端面反射減衰量を低下しないように鏡面仕上げ加工される。この鏡面加工には、ベルト研磨、反応性イオンエッチング(RIE)等が利用されている。しかし、ベルト研磨は、端面がコアの中間位置に配置されている場合には利用できない。また、RIEでは、端面の表面粗さRaが0.1μm程度の粗いものしか得られないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、平滑なコア端面を有するポリマー光導波路を提供することである。
本発明の他の目的は、平滑なコア端面を有するポリマー光導波路の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コア端面を有するポリマー光導波路において、該コア端面の表面粗さRaが0.01〜0.06μmであることを特徴とするポリマー光導波路を提供するものである。
本発明において好ましくは、端面がコアの中間位置に配置されている。
端面の表面粗さRaは好ましくは0.01〜0.02μmである。
本発明はさらに、ポリマー光導波路のコアにダイシングにより切り込みを形成することを特徴とする上記ポリマー光導波路の製造方法を提供するものである。本発明においてダイシングは、メタルレジン系砥粒又はダイヤモンド砥粒を用いたブレードにより行うことが好ましい。
この明細書において表面粗さRaとは、本発明
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の平滑なコア端面を有するポリマー光導波路は、例えば、以下の方法により製造することができる。しかし、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
以下、本発明のポリマー光導波路100の構成を図1及び図2を用いて説明する。
本発明のポリマー光導波路に使用される基板としては種々のものが挙げられるが、最も代表的なものは、シリコン基板である。
基板1の上面には、基板1を保護し、屈折率を調整するための二酸化珪素層2が備えられ、光導波路積層体10は、二酸化珪素層2の上に形成されている。光導波路積層体10は、二酸化珪素層2の上に、順に積層された、有機ジルコニウム化合物層(図示されていない)と、フッ素を含まない樹脂層(図示されていない)と、下部クラッド3と、コア4と、コア4を埋め込む上部クラッド5と、保護層(図示されていない)とを含んでいる。下部クラッド3、コア4及び上部クラッド5は、いずれもフッ素を含むポリイミド樹脂により形成されている。なお、有機ジルコニウム化合物層及びフッ素を含まない樹脂層は、基板1と下部クラッド3との接着性を高めるために配置されている。
【0009】
下部クラッド3及び上部クラッド5は、いずれも、第1のポリイミド樹脂膜からなる。下部クラッド3の膜厚は、約6μm、上部クラッド5の膜厚は、コア4の直上で約10μm、他の部分で約15μmである。コア4は、第2のポリイミド樹脂膜からなり、その膜厚は約6.5μmである。保護層は、第3のポリイミド樹脂膜であり、その膜厚は、コア4から離れた端部で約5μmである。
【0010】
光導波路積層体10には、図1及び2に示すようにコア4を横切って切り込み27が形成されている。
この切り込み27は、基板1の法線方向に対して、好ましくは5°〜50°の範囲の所望の角度αで傾斜している。この実施態様ではαは30°としてある。切り込み27がコア4を横切る面、すなわち切り込み27の切断面はコア4の伝搬光が散乱するのを防ぐために光学的に滑らかな面に形成する必要がある。
本発明は、この切り込みの形成をダイシングにより行うことを特徴とするものである。
【0011】
この切り込み27には、コア4を伝搬する光の一部を上向きに反射させる反射フィルム等所望の光学素子を挿入することができる。例えば、反射フィルムとして、波長を選択して一部波長の光を反射し、残りを透過するダイクロイックミラーフィルムや、特定の偏光を反射し、残りを透過する偏光ミラーフィルム等のフィルム状光学素子を挿入することができる。なお、切り込み27の間隙の幅tは、挿入する光学素子の厚さに対して広過ぎると光のロスが生じるため、挿入する光学素子の厚さに合わせた大きさにすることが望ましい。一般にに切り込みの幅tは15〜50μmにすることが望ましい。
光導波路積層体10の上面には電極107が配置されている。電極107は、例えば、切り込み27とコア4との境界面又は切り込み27に挿入された反射部材により、上方に向けて反射された光を受光する受光素子を搭載するために使用できる。
【0012】
基板1上の領域20に配置されたV溝21は、光ファイバを搭載するためのものである。V溝21は、予め定められた径の光ファイバを搭載した場合、コア4とアライメン卜した状態となるよう、その深さ及び幅が設計されている。従って、例えば、電極7上に発光素子を搭載した場合には、発光素子から発せられた光は、コア4に入射して、これを伝搬し、コア4から出射され、V溝21に搭載された光ファイバに高効率で入射する。また、電極107上に受光素子を搭載した場合には、光ファイバを伝搬してきた光が、光ファイバから出射されると高効率でコア4に入射して、これを伝搬し、切り込み27とコア4との境界面又は切り込み27に挿入された反射部材により、上方に向けて反射され、受光素子で受光される。
【0013】
V溝21は、シリコン単結晶の基板1を異方性エッチングすることにより形成された深さ約100μmの溝であり、断面はV字型である。V溝21が配置された領域20と光導波路積層体10との境界には、図1及び図2に示すように光導波路積層体10の端面を切断する際に形成された切り込み25が存在している。同様に、電極7の領域30と光導波路積層体10との境界にも切り込み26が存在している。
【0014】
実施例
次に、本発明のポリマー光導波路の製造方法をさらに具体的に説明する。
基板上に光ファイバ搭載用のV溝を形成する工程
ここでは、基板1として直径約12.7cmのシリコンウエハを用意し、この基板1の上に図1の構造を縦横に多数配列して形成し、後の工程でダイシングにより切り離して、個々のポリマー光導波路100に分離する。これにより、多数の図1のポリマー光導波路100を量産することができる。よって、成膜やパターニング等は、ウエハ状の基板1全体で一度に行う。
まず、ウエハ状の基板1の上面全体に、二酸化珪素層を熱酸化法や気相堆積法等により形成した後、フォトリソグラフィとシリコン単結晶の異方性を利用したウエットエッチングにより、V溝21を配列して形成する。
【0015】
このウエハ状の基板1の上に金属膜を成膜してパターニングすることにより、図1の電極7を形成する。これにより、ウエハ状の基板1には、V溝21と電極7とが多数配列されて形成される。
次に、ウエハ状の基板1の全体に有機ジルコニウム化合物層を形成する。この有機ジルコニウム化合物層の上に、フッ素を含まない樹脂層形成用組成物をスピンコートで塗布し、得られた塗膜を加熱して溶媒を蒸発させ、さらに加熱して硬化させることにより、フッ素を含まない樹脂層を形成する。フッ素を含まない樹脂層の厚さは、0.23μmとなるようにスピンコートの条件を制御する。
次に、ウエハ状の基板1の上面のうち、完成後のポリマー光導波路で光導波路積層体10が配置されていない領域20、30となる部分について、フッ素を含まない樹脂層と、有機ジルコニウム化合物層を除去する。ウエハ状の基板1にはポリマー光導波路を縦横に配列して製造しているため、ウエハ状の基板1の上面のうち、領域20及び領域30は、光導波路積層体10の両脇の帯状の部分である。この帯状の部分からフッ素を含まない樹脂層と有機ジルコニウム化合物層とを除去しておくことにより、下部クラッド3がこの帯状部分では基板1から剥がれやすくなるため、後述の工程で、基板1の領域20、30の部分から光導波路積層体10を帯状に剥がして除去することが可能になる。
【0016】
基板1上の領域20、30からフッ素を含まない樹脂層と有機ジルコニウム化合物層とを除去する方法について、具体的に説明する。
まず、ウエハ状の基板1の全面にレジスト液をスピンコートし、100℃で乾燥することによりレジスト膜を形成する。この後、水銀ランプでフォトマスクの像を露光する。フォトマスクは、光導波路積層体10を形成すべき部分にのみレジスト膜が残るように形成されている。その後、レジスト膜を現像する。これによりレジスト膜のみならず、フッ素を含まない樹脂層もウエットエッチングされ、両者をほぼ除去することができる。
この後、フッ酸を用いたウエットエッチングまたは反応性イオンエッチングにより、有機ジルコニウム化合物層を除去する。有機ジルコニウム化合物層は、膜厚が非常に薄いため、V溝21の内部の層もウエットエッチングまたは反応性イオンエッチングにより除去することができる。 最後に、 レジスト膜を除去する。
【0017】
基板上に下部クラッド3を形成する工程
次に、ウエハ状の基板1の上面全体に前述の第1のポリイミド樹脂膜形成用組成物(すなわち、下部クラッド3形成用組成物)をスピンコートして材料溶液膜を形成する。これを加熱硬化させ、厚さ6μmの下部クラッド3を形成する。
【0018】
下部クラッド3上にコア4を形成する工程
この下部クラッド3の上に、コア用の前述の第2のポリイミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートして材料溶液膜を形成する。これを加熱硬化させ、コア4となる厚さ6.5μmの第2のポリイミド樹脂膜を形成する。
【0019】
次に、第2のポリイミド樹脂膜(即ち、コア4となる層)上に、シリコン含有レジスト層(通常は膜厚約1μm程度)を設け、該レジスト層を所望のコア4のパターンを有するフォトマスクを介して露光、現像してレジストパターンを形成する。
該レジストパターンをエッチングマスクとして、コア4となる樹脂層をエッチングして、所望のコア4を形成する。エッチングは、レジストパターンをエッチングマスクとして、酸素イオンを用いた反応性イオンエッチング(O−RIE)により行う。これにより、基板1上に多数のポリマー光導波路を配列して一度に形成することができる。
【0020】
上部クラッド5及び保護層を形成する工程
次に、コア4及び下部クラッド3を覆うように、第1のポリイミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートする。得られた材料溶液膜を、加熱硬化させ第1のポリイミド樹脂膜の上部クラツド5を形成する。さらに、上部クラッド5の上面に、フッ素を含まないポリイミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートし、加熱硬化させて、上面がほぼ平坦でコア4から離れた端部の部分の厚さが約5μmのフッ素を含まないポリイミド樹脂膜の保護層を得る。
【0021】
次に、下部クラッド3から保護層までの各層は、これらが不要な領域20及び30にも配置されているため、これを剥がして除去する。すなわち、領域20と光導波路積層体10との境界、及び、光導波路積層体10と領域30との境界にそれぞれダイシングブレード(砥粒を表面に付着させたディスク形状の研削工具)を用いたダイシングにより切り込み25、26を入れ、下部クラッド3から保護層9までの各層を切断する。このとき、ダイシングによる切り込みの深さは、光導波路積層体10は切断されるが、基板1は切り離されない深さにする。先の工程で、領域20及び領域30の基板1の上面からは、有機ジルコニウム化合物層とフッ素を含まない樹脂層が除去されているため、領域20及び領域30では下部クラッド3と基板1との密着力は小さい。したがって、領域20及び領域30の上に搭載されている下部クラッド3から保護層間での各層は、切り込み25、26を入れたことにより、ウエハ状の基板1から帯状に容易に剥がすことができる。これにより、ウエハ状の基板1において、領域20及び領域30では基板上面(二酸化珪素層)が露出される。
【0022】
切り込み25、26を形成するためのダイシングは、複数回に分けて行うことが望ましい。ダイシングの回数を多くすると表面粗さRaの小さい平滑な切断面が得られ、端部の欠けの発生も少なくなるが、回数に比例して加工時間が長くなるので、通常は2回に分けることが望ましい。例えば、1回目のダイシングで樹脂層(約30μm厚)を切断し、2回目のダイシングで基板層(約100μm厚)まで切り込みを入れる。
他のダイシング条件は通常の方法と同じであり、ダイシングの際には、ブレードクーラー水を1.0〜2.0L/分、シャワー水を0.5〜2.0L/分程度供給する。ブレードの刃厚は50〜200μm程度、加工速度は1〜10mm/秒程度、さらに好ましくは1〜5mm/秒程度、ブレード回転数は、直径53mmのブレードの場合20000〜30000rpm程度が適当である。
【0023】
切り込み27を形成する工程
次に、ウエハ状の基板1のまま、光導波路積層体10にダイシングブレードを斜め方向(基板1の法線方向に対して30°)に切り込み、切り込み27を形成する。
切り込み27の形成に使用するダイシングブレードの粗さは、レジン砥粒を用いたブレードではJIS規格相当品で1000番以上3000番以下、好ましくは1500〜1700番が望ましく、ダイヤモンド砥粒を用いたブレードではJIS規格相当品で3000番以上7000番以下、好ましくは3000番以上4500番以下が望ましい。ブレードの粗さが粗過ぎると切り込み27の切削面、すなわちコアの端面が粗い面となり、コア4の伝搬光を散乱する。一方、ブレードの粗さが細か過ぎると、ダイシングブレードが目詰まりし易く、光導波路積層体10が基板1から剥がれるおそれがある。
【0024】
ダイシングブレードの外径は51mm、厚さは20μmであり、回転数は20000〜30000rpmが適当である。ダイシングブレードの送り速度は1mm/s〜5mm/sが望ましい。この範囲の送り速度は、半導体素子製造時のダイシングブレードの送り速度の約1/10である。このようにゆっくりした送り速度でダイシングブレードを、ポリイミド樹脂製の光導波路積層体10に切り込むことにより、切削面、すなわち、端面を研磨面と同程度に光学的に滑らかな面に形成することができる。また形成された切り込み27の形状は、先端部(底部)から開口部まで間隙の幅tが23μmで一定であり、高精度に形成されていた。また、切削面が光学的に滑らかであるため、仕上げのための研磨等は不要である。
【0025】
各種のブレードを用いて、回転数20000rpm、送り速度2.0mm/sでダイシングし、コアの中間位置に切り込み27を入れた際に得られた端面(10サンプル)の表面粗さRaの最大値及び最小値を表1に示す。
なお、切り込み25、26により形成された光導波路積層体のコア端面の表面粗さRaは0.02μmであった。
比較例1〜4
実施例1において、切り込み25を基板1の底部まで入れて領域20を切断除去したものの切り込み25切断面を、セリウム系、ジルコニア系又はダイヤモンド系砥粒を用い、ベルト研磨した。この際に得られた端面(10サンプル)の表面粗さRa(μm)の最大値及び最小値を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 2004029422
【0027】
上記結果は、ダイシングにより、ベルト研磨による仕上げと同等ないしそれ以上の平滑性を有する端面を形成できることを示している。
なお、この明細書において「表面粗さRa」は、JIS−B0601−1994に準拠して測定されたものであり、具体的条件は以下の通りである。
測定装置:
ミツトヨ製サーフテストSV−402
測定条件:
1)カットオフ値:0.25mm
2)評価長さ:1.25mm
試験片作成及び測定方法:
1)2回目のダイシングで基板の底部まで切り込みを入れて切断。
2)金属顕微鏡上に、上記試験片と測定装置(ポータブルタイプ)を置き、コアの切断面(ポリマー断面)に測定プローブをあわせて測定。
【0028】
ポリマー光導波路100を形成する工程
次に、ウエハ状の基板1をダイシングにより切断することにより、短冊状に切り出し、この短冊状の基板1をダイシングにより、個々のポリマー光導波路100に切り出し、ポリマー光導波路100を完成させる。なお、基板1を切断するダイシング工程の手順は、この手順に限られるものではなく、縦横にメッシュ状にダイシングしてポリマー光導波路100を形成することも可能である。
この実施態様の光導波路積層体のコア4は直線形状であるが、光導波路積層体10のコア4の形状は、ポリマー光導波路として必要とされる機能に合わせて直線形状に限らずy分岐やx型等の所望の形状にすることができる。また、コアの形状に合わせて、V溝21や、電極7、電極107を複数個備える構成にすることも可能である。
【0029】
また、こうして製造されるポリマー光導波路100は、下部クラッド3から上部クラッド5まで全ての層をポリイミド樹脂で形成しているため、Tgが高く、耐熱性に優れている。よって、本実施の形態のポリマー光導波路100は、高温になっても伝搬特性を維持できる。また、ポリイミド樹脂は、半田付け等の高温工程にも耐えることができるため、ポリマー光導波路の上にさらに別のポリマー光導波路や電気回路素子や発光素子を半田付けすることも可能である。
【0030】
本発明のポリマー光導波路100を用いて、光通信装置を製造することにより、光ファイバとコア4とのアライメントが容易で、結合効率の高い高性能な光通信装置を安価に製造することができる。
なお、本発明においてポリマー光導波路とは、基板として、ガラス、石英等の無機材料、シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウム、チタン等の半導体や、金属材料、ポリイミド、ポリアミド等の高分子材料、またはこれらの材料を複合化した材料を用いて、これら基板の上に、光導波路を設けたもの、及びさらに、光合波器、光分波路、光減衰器、光回折器、光増幅器、光干渉器、光フィルタ、光スイッチ、波長変換器、発光素子、受光素子あるいはこれらが複合化されたものなどを形成したものを指す。上記の基板上には、発光ダイオード、フォトダイオード等の半導体装置や金属膜を形成することもあり、更に基板の保護や屈折率調整などのために、基板上に、上述のとおり二酸化珪素被膜を形成したり、あるいは、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化タンタルなどの被膜を形成してもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明のポリマー光導波路は、端面の表面粗さが小さく伝搬光の反射減衰が少ない。このため、本発明のポリマー光導波路は、切り込みにミラーを設置した光スイッチ部品や、分光フィルタを配置した分光部品を、端面の表面粗さによる反射減衰のない光デバイスとして提供することができる。
また、本発明方法によれば、鏡面研磨加工した際に得られるような表面粗さの平滑端面を有する切り込みをコアの中間位置にも形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の模式化したポリマー光導波路100を示す斜視図である。
【図2】図1のポリマー光導波路のA−A´断面図である。
【符号の説明】
1:シリコン基板、2:二酸化珪素層、3:下部クラッド、4:コア、5:上部クラッド、7及び107:電極、10:光導波路積層体、20:光ファイバ搭載領域、21:V溝、25〜27:切り込み、30:電極搭載領域

Claims (6)

  1. コア端面を有するポリマー光導波路において、該コア端面の表面粗さRaが0.01〜0.06μmであることを特徴とするポリマー光導波路。
  2. 端面がコアの中間位置に配置されている請求項1記載のポリマー光導波路。
  3. 端面の表面粗さRaが0.01〜0.02μmである請求項2記載のポリマー光導波路。
  4. ポリマー光導波路のコアにダイシングにより切り込みを形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリマー光導波路の製造方法。
  5. コアの中間位置に切り込みを形成することを特徴とする請求項4記載のポリマー光導波路の製造方法。
  6. ダイシングを、メタルレジン系砥粒又はダイヤモンド砥粒を用いたブレードにより行う請求項4又は5記載の方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018084696A (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 住友ベークライト株式会社 光導波路フィルムおよび光学部品
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WO2024075496A1 (ja) * 2022-10-04 2024-04-11 イビデン株式会社 光導波路
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