JPH1149698A - 安定性を向上させたラクトフェリンの水性製剤 - Google Patents
安定性を向上させたラクトフェリンの水性製剤Info
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- JPH1149698A JPH1149698A JP9205129A JP20512997A JPH1149698A JP H1149698 A JPH1149698 A JP H1149698A JP 9205129 A JP9205129 A JP 9205129A JP 20512997 A JP20512997 A JP 20512997A JP H1149698 A JPH1149698 A JP H1149698A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】長期間保存可能なラクトフェリンの水性製剤を
提供する。 【解決手段】多価の無機酸もしくは有機酸またはそれら
の塩を配合することによって、ラクトフェリンの安定性
を向上させたことを特徴とする水性製剤であって、多価
の無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩の濃度が0.
005%以上(w/v)である水性製剤である。例え
ば、点眼剤であれば、多価の無機酸もしくは有機酸また
はそれらの塩が0.01〜3.0%(w/v)であるこ
とが好ましく、0.1〜1.0%(w/v)であること
が特に好ましい。
提供する。 【解決手段】多価の無機酸もしくは有機酸またはそれら
の塩を配合することによって、ラクトフェリンの安定性
を向上させたことを特徴とする水性製剤であって、多価
の無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩の濃度が0.
005%以上(w/v)である水性製剤である。例え
ば、点眼剤であれば、多価の無機酸もしくは有機酸また
はそれらの塩が0.01〜3.0%(w/v)であるこ
とが好ましく、0.1〜1.0%(w/v)であること
が特に好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶液中でのラク
トフェリンの安定性を向上させたラクトフェリンの水性
製剤、および、水溶液中でのラクトフェリンの安定化方
法に関する。
トフェリンの安定性を向上させたラクトフェリンの水性
製剤、および、水溶液中でのラクトフェリンの安定化方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラクトフェリンは、ヒトや牛などの乳や
涙液に含まれているタンパク質であり、抗菌作用やリン
パ球の増殖作用などの薬理作用を有することが知られて
いる(特開平2−48534号公報)。また、優れた角
膜実質細胞増殖促進作用を有し角膜障害治療剤として有
用であること(WO92/08477号公報)、創接着
強度の強化作用を有し術後乱視予防剤として有用である
こと(特開平8−301785号公報)およびムチンを
含んだタンパク質の産生に対し優れた促進作用を有しム
チン産生促進剤として有用であること(特開平9−12
473号公報)がそれぞれ報告されている。
涙液に含まれているタンパク質であり、抗菌作用やリン
パ球の増殖作用などの薬理作用を有することが知られて
いる(特開平2−48534号公報)。また、優れた角
膜実質細胞増殖促進作用を有し角膜障害治療剤として有
用であること(WO92/08477号公報)、創接着
強度の強化作用を有し術後乱視予防剤として有用である
こと(特開平8−301785号公報)およびムチンを
含んだタンパク質の産生に対し優れた促進作用を有しム
チン産生促進剤として有用であること(特開平9−12
473号公報)がそれぞれ報告されている。
【0003】また、ラクトフェリンの様なタンパク性生
理活性物質は、製造技術等の進歩により量産が可能とな
り、医薬として利用することが盛んに研究されるように
なった物質である。
理活性物質は、製造技術等の進歩により量産が可能とな
り、医薬として利用することが盛んに研究されるように
なった物質である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
にタンパク性生理活性物質は、通常の低分子合成化合物
と比較すると不安定であり、水中の溶解性も悪く、水性
製剤への応用が非常に困難な物質である。
にタンパク性生理活性物質は、通常の低分子合成化合物
と比較すると不安定であり、水中の溶解性も悪く、水性
製剤への応用が非常に困難な物質である。
【0005】特に、安定性においては、化学的要因によ
る分解、脱アミド化、二量体化、酸化等や物理的要因に
よる相転移、非共有結合的凝集、吸着等の問題点があ
り、水性製剤における安定性を保持することは難しいと
されている。ラクトフェリンの場合においても、これを
水溶液として長期保存したとき、分解や凝集等によりラ
クトフェリンの含有量が著しく低下するという問題点が
ある。このように医薬として有用なラクトフェリンを水
溶液中で安定化させ、長期間保存可能な水性製剤を開発
することは非常に意義のあることである。
る分解、脱アミド化、二量体化、酸化等や物理的要因に
よる相転移、非共有結合的凝集、吸着等の問題点があ
り、水性製剤における安定性を保持することは難しいと
されている。ラクトフェリンの場合においても、これを
水溶液として長期保存したとき、分解や凝集等によりラ
クトフェリンの含有量が著しく低下するという問題点が
ある。このように医薬として有用なラクトフェリンを水
溶液中で安定化させ、長期間保存可能な水性製剤を開発
することは非常に意義のあることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、長期間保
存可能なラクトフェリンの水性製剤を開発するため、種
々の添加剤の配合について検討した結果、添加剤として
多価の無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩を配合す
ることで水溶液中でのラクトフェリンの安定性が向上す
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
存可能なラクトフェリンの水性製剤を開発するため、種
々の添加剤の配合について検討した結果、添加剤として
多価の無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩を配合す
ることで水溶液中でのラクトフェリンの安定性が向上す
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、多価の無機酸もしく
は有機酸またはそれらの塩を含有することを特徴とす
る、安定性を向上させたラクトフェリンの水性製剤に関
するものである。本発明は、また、ラクトフェリンの水
溶液に0.005%以上(w/v)の多価の無機酸もし
くは有機酸またはそれらの塩を添加することによるラク
トフェリンの安定化方法に関するものである。
は有機酸またはそれらの塩を含有することを特徴とす
る、安定性を向上させたラクトフェリンの水性製剤に関
するものである。本発明は、また、ラクトフェリンの水
溶液に0.005%以上(w/v)の多価の無機酸もし
くは有機酸またはそれらの塩を添加することによるラク
トフェリンの安定化方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】より具体的にいえば、本発明によ
る水性製剤は、0.005%以上(w/v)の多価の無
機酸もしくは有機酸またはそれらの塩を含有することを
特徴とするものである。
る水性製剤は、0.005%以上(w/v)の多価の無
機酸もしくは有機酸またはそれらの塩を含有することを
特徴とするものである。
【0009】本発明における多価の無機酸とは、二価以
上の多価アニオンを生成可能な無機酸、すなわち多塩基
酸を示す。このような無機酸の例としては、リン酸、硫
酸等が挙げられ、その塩としては、ナトリウム塩、カリ
ウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。好ましい
例として、リン酸や硫酸のナトリウム塩が挙げられ、特
に好ましい例として、リン酸ナトリウム、リン酸一水素
ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムが挙げられ
る。多価の無機酸は単独で用いてもよいし、2以上の組
合せで用いてもよい。
上の多価アニオンを生成可能な無機酸、すなわち多塩基
酸を示す。このような無機酸の例としては、リン酸、硫
酸等が挙げられ、その塩としては、ナトリウム塩、カリ
ウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。好ましい
例として、リン酸や硫酸のナトリウム塩が挙げられ、特
に好ましい例として、リン酸ナトリウム、リン酸一水素
ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムが挙げられ
る。多価の無機酸は単独で用いてもよいし、2以上の組
合せで用いてもよい。
【0010】本発明における多価の有機酸とは、二価以
上の多価アニオンを生成可能な有機酸を示す。有機酸の
例としては、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石
酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、コンドロイチ
ン硫酸等が挙げられ、その塩としては、ナトリウム塩、
カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアル
カリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。好ま
しい例として、クエン酸やマレイン酸のナトリウム塩が
挙げられ、特に好ましい例として、クエン酸ナトリウ
ム、クエン酸一水素ナトリウム、クエン酸二水素ナトリ
ウム、マレイン酸ナトリウムまたはマレイン酸一水素ナ
トリウムが挙げられる。
上の多価アニオンを生成可能な有機酸を示す。有機酸の
例としては、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石
酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、コンドロイチ
ン硫酸等が挙げられ、その塩としては、ナトリウム塩、
カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアル
カリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。好ま
しい例として、クエン酸やマレイン酸のナトリウム塩が
挙げられ、特に好ましい例として、クエン酸ナトリウ
ム、クエン酸一水素ナトリウム、クエン酸二水素ナトリ
ウム、マレイン酸ナトリウムまたはマレイン酸一水素ナ
トリウムが挙げられる。
【0011】多価の有機酸も単独で用いてもよいし、2
以上の組合せで用いてもよく、また上記多価の無機酸と
の組合せで用いてもよい。
以上の組合せで用いてもよく、また上記多価の無機酸と
の組合せで用いてもよい。
【0012】本発明の効果は、後述の安定性試験で詳細
に説明するが、0.005%以上(w/v)の多価の無
機酸もしくは有機酸またはそれらの塩を配合することに
より、ラクトフェリンの水溶液中での安定性が顕著に向
上した。上記酸またはその塩の配合量を増加させるに連
れラクトフェリンの安定性も向上するので、配合量の上
限は特に規定する必要はなく、上記酸またはその塩は通
常水性製剤として許容される範囲まで配合することがで
きる。無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩は水性製
剤の浸透圧に影響を与える。浸透圧があまり高くなりす
ぎる水性製剤は医薬として好ましくない。例えば、点眼
剤の場合には、浸透圧が高くなると点眼時の刺激性が強
くなるので、通常許容される浸透圧比の上限は2程度で
ある。配合する無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩
の種類により、それらの配合量が異なってくるので、一
概に配合濃度の上限を規定するのは困難であるが、例え
ば、リン酸二水素ナトリウム・二水和物の場合9.0%
(w/v)程度である。
に説明するが、0.005%以上(w/v)の多価の無
機酸もしくは有機酸またはそれらの塩を配合することに
より、ラクトフェリンの水溶液中での安定性が顕著に向
上した。上記酸またはその塩の配合量を増加させるに連
れラクトフェリンの安定性も向上するので、配合量の上
限は特に規定する必要はなく、上記酸またはその塩は通
常水性製剤として許容される範囲まで配合することがで
きる。無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩は水性製
剤の浸透圧に影響を与える。浸透圧があまり高くなりす
ぎる水性製剤は医薬として好ましくない。例えば、点眼
剤の場合には、浸透圧が高くなると点眼時の刺激性が強
くなるので、通常許容される浸透圧比の上限は2程度で
ある。配合する無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩
の種類により、それらの配合量が異なってくるので、一
概に配合濃度の上限を規定するのは困難であるが、例え
ば、リン酸二水素ナトリウム・二水和物の場合9.0%
(w/v)程度である。
【0013】本発明における無機酸もしくは有機酸また
はそれらの塩の配合量は、安定化効果および浸透圧比の
適正範囲を総合的に勘案すると、点眼剤の場合には、好
ましい範囲は0.01〜3.0%(w/v)で、特に好
ましい範囲は0.1〜1.0%(w/v)である。
はそれらの塩の配合量は、安定化効果および浸透圧比の
適正範囲を総合的に勘案すると、点眼剤の場合には、好
ましい範囲は0.01〜3.0%(w/v)で、特に好
ましい範囲は0.1〜1.0%(w/v)である。
【0014】本発明におけるラクトフェリンの配合量
は、用途により適宜選択できるが、例えば、点眼剤であ
れば0.01〜3.0%(w/v)、好ましくは0.1
〜1.0%(w/v)である。
は、用途により適宜選択できるが、例えば、点眼剤であ
れば0.01〜3.0%(w/v)、好ましくは0.1
〜1.0%(w/v)である。
【0015】本発明における水性製剤は、医薬品、食
品、化粧品等のライフサイエンス分野で広範囲に使用す
ることができ、特に医薬品として使用する場合、剤形と
して注射剤、点眼剤、点鼻剤等が挙げられ、これらは汎
用されている技術を用いて製剤化することができる。例
えば、点眼剤は、通常点眼剤に用いられる諸成分、例え
ば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等の等張化剤、酢酸
ナトリウム等の緩衝化剤、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノオレート、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン性界面活性
剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン等の防腐剤などを
用いて製剤化することができ、pHは眼科製剤に許容さ
れる範囲内にあればよいが、4〜8の範囲が好ましい。
品、化粧品等のライフサイエンス分野で広範囲に使用す
ることができ、特に医薬品として使用する場合、剤形と
して注射剤、点眼剤、点鼻剤等が挙げられ、これらは汎
用されている技術を用いて製剤化することができる。例
えば、点眼剤は、通常点眼剤に用いられる諸成分、例え
ば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等の等張化剤、酢酸
ナトリウム等の緩衝化剤、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノオレート、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン性界面活性
剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン等の防腐剤などを
用いて製剤化することができ、pHは眼科製剤に許容さ
れる範囲内にあればよいが、4〜8の範囲が好ましい。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の安定性試験の結果を示す実
施例を挙げるが、これらの例は本発明をよりよく理解す
るためのものであり、本発明の範囲を限定するものでは
ない。
施例を挙げるが、これらの例は本発明をよりよく理解す
るためのものであり、本発明の範囲を限定するものでは
ない。
【0017】 [製剤例] 1)点眼剤 処方例a ラクトフェリン 0.3% (w/v) 塩化ナトリウム 0.9% (w/v) マレイン酸二ナトリウム 0.005%(w/v) 塩化ベンザルコニウム 0.005%(w/v) 水酸化ナトリウム 適量 塩酸 適量 滅菌精製水 適量 pH 6
【0018】 処方例b ラクトフェリン 0.3% (w/v) 塩化ナトリウム 0.9% (w/v) リン酸二水素ナトリウム・二水和物 0.08% (w/v) 塩化ベンザルコニウム 0.005%(w/v) 水酸化ナトリウム 適量 塩酸 適量 滅菌精製水 適量 pH 6
【0019】 2)注射剤 処方例c ラクトフェリン 0.3% (w/v) 塩化ナトリウム 0.58% (w/v) リン酸二水素ナトリウム・二水和物 1.56% (w/v) 水酸化ナトリウム 適量 塩酸 適量 滅菌精製水 適量 pH 6
【0020】上記処方例a〜cの多価の無機酸もしくは
有機酸またはそれらの塩、ラクトフェリンおよびその他
の添加物の量を適宜変えることにより、多価の無機酸ま
たは有機酸もしくはそれらの塩の濃度が、0.005
%、0.01%、0.03%、0.05%、0.1%、
0.3%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、
3.0%(w/v)で、ラクトフェリンの濃度が、0.
01%、0.03%、0.05%、0.1%、0.3
%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、3.0
%(w/v)である点眼剤または注射剤を調製できる。
有機酸またはそれらの塩、ラクトフェリンおよびその他
の添加物の量を適宜変えることにより、多価の無機酸ま
たは有機酸もしくはそれらの塩の濃度が、0.005
%、0.01%、0.03%、0.05%、0.1%、
0.3%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、
3.0%(w/v)で、ラクトフェリンの濃度が、0.
01%、0.03%、0.05%、0.1%、0.3
%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、3.0
%(w/v)である点眼剤または注射剤を調製できる。
【0021】[サンプルの調製]表1に示す7種の水溶
液(水酸化ナトリウムまたは塩酸でpHを7とする)を
安定性試験用サンプルとした。
液(水酸化ナトリウムまたは塩酸でpHを7とする)を
安定性試験用サンプルとした。
【0022】
【表1】
【0023】[実験方法および結果]上記の各サンプル
を50℃でインキュベートし、経時的にサンプリングを
行い、ラクトフェリン(以下、LFと略記する)をHP
LCで測定した。式1に従いLFの残存率を算出した。
結果を図1〜3に示す。
を50℃でインキュベートし、経時的にサンプリングを
行い、ラクトフェリン(以下、LFと略記する)をHP
LCで測定した。式1に従いLFの残存率を算出した。
結果を図1〜3に示す。
【0024】
【式1】
【0025】[実験評価の基準および考察]図1に示す
ように、多価の有機酸またはそれらの塩の一例として、
マレイン酸二ナトリウムを用い、その各濃度によるラク
トフェリンの安定化効果について検討を行ったところ、
濃度の増大に伴いラクトフェリンの安定化効果が増大す
ることが明らかとなった。マレイン酸二ナトリウムの濃
度0.005%未満の製剤(参考処方1、2)では、2
0日保存時のラクトフェリンの残存率が約60%でしか
なく、目的とする安定な水性製剤は得られなかった。こ
れに対し、本発明処方すなわちマレイン酸二ナトリウム
の濃度0.005%以上の製剤(処方1、2)において
は、これらを20日保存してもラクトフェリンの残存率
は95%以上となり、非常に高い安定化効果が得られる
ことが認められた。また、多価の無機酸の塩であるリン
酸二水素ナトリウム・二水和物を配合した処方(処方
3)、および多価の有機酸の塩であるクエン酸二水素ナ
トリウムを配合した処方(処方4)においても非常に高
い安定化効果が得られることが認められた(図2および
図3)。
ように、多価の有機酸またはそれらの塩の一例として、
マレイン酸二ナトリウムを用い、その各濃度によるラク
トフェリンの安定化効果について検討を行ったところ、
濃度の増大に伴いラクトフェリンの安定化効果が増大す
ることが明らかとなった。マレイン酸二ナトリウムの濃
度0.005%未満の製剤(参考処方1、2)では、2
0日保存時のラクトフェリンの残存率が約60%でしか
なく、目的とする安定な水性製剤は得られなかった。こ
れに対し、本発明処方すなわちマレイン酸二ナトリウム
の濃度0.005%以上の製剤(処方1、2)において
は、これらを20日保存してもラクトフェリンの残存率
は95%以上となり、非常に高い安定化効果が得られる
ことが認められた。また、多価の無機酸の塩であるリン
酸二水素ナトリウム・二水和物を配合した処方(処方
3)、および多価の有機酸の塩であるクエン酸二水素ナ
トリウムを配合した処方(処方4)においても非常に高
い安定化効果が得られることが認められた(図2および
図3)。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、0.005%以上の多
価の無機酸ならびに有機酸またはそれらの塩を配合する
ことにより、水溶液中でのラクトフェリンの安定性を向
上させることができる。本発明の安定性を向上したラク
トフェリンの水性製剤は、医薬品、食品、化粧品等のラ
イフサイエンス分野で広範囲に使用することができ、特
に、長期間安定な注射剤、点眼剤、点鼻剤等の医薬用途
の水性製剤の提供を可能とするものである。
価の無機酸ならびに有機酸またはそれらの塩を配合する
ことにより、水溶液中でのラクトフェリンの安定性を向
上させることができる。本発明の安定性を向上したラク
トフェリンの水性製剤は、医薬品、食品、化粧品等のラ
イフサイエンス分野で広範囲に使用することができ、特
に、長期間安定な注射剤、点眼剤、点鼻剤等の医薬用途
の水性製剤の提供を可能とするものである。
【図1】マレイン酸二ナトリウムの各濃度によるラクト
フェリンの安定化効果を示す、保存期間とラクトフェリ
ン残存率の関係のグラフである。
フェリンの安定化効果を示す、保存期間とラクトフェリ
ン残存率の関係のグラフである。
【図2】リン酸二水素ナトリウム・二水和物によるラク
トフェリンの安定化効果を示す、保存期間とラクトフェ
リン残存率の関係のグラフである。
トフェリンの安定化効果を示す、保存期間とラクトフェ
リン残存率の関係のグラフである。
【図3】クエン酸二水素ナトリウムによるラクトフェリ
ンの安定化効果を示す、保存期間とラクトフェリン残存
率の関係のグラフである。
ンの安定化効果を示す、保存期間とラクトフェリン残存
率の関係のグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 多価の無機酸もしくは有機酸またはそれ
らの塩を含有することを特徴とする、安定性を向上させ
たラクトフェリンの水性製剤。 - 【請求項2】 多価の無機酸もしくは有機酸またはそれ
らの塩の濃度が0.005%以上(w/v)である請求
項1記載の水性製剤。 - 【請求項3】 無機酸が、リン酸または硫酸である請求
項1または2記載の水性製剤。 - 【請求項4】 有機酸が、クエン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、酒石酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸また
はコンドロイチン硫酸である請求項1または2記載の水
性製剤。 - 【請求項5】 ラクトフェリンの濃度が、0.01〜
3.0%(w/v)である請求項1記載の水性製剤。 - 【請求項6】 ラクトフェリンの水溶液に0.005%
以上(w/v)の多価の無機酸もしくは有機酸またはそ
れらの塩を添加することによるラクトフェリンの安定化
方法。
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