[go: up one dir, main page]

JPH11351271A - ツインクラッチ - Google Patents

ツインクラッチ

Info

Publication number
JPH11351271A
JPH11351271A JP16308398A JP16308398A JPH11351271A JP H11351271 A JPH11351271 A JP H11351271A JP 16308398 A JP16308398 A JP 16308398A JP 16308398 A JP16308398 A JP 16308398A JP H11351271 A JPH11351271 A JP H11351271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flywheel
plate
clutch
pressure plate
intermediate plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16308398A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Tanaka
優喜 田中
Hideyuki Imanaka
秀幸 今中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Exedy Corp filed Critical Exedy Corp
Priority to JP16308398A priority Critical patent/JPH11351271A/ja
Publication of JPH11351271A publication Critical patent/JPH11351271A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発進性の悪化や摩擦ディスクの位相ずれを抑
える。 【解決手段】 ツインクラッチ1は、第1,第2摩擦連
結部5a,6a、中間プレート7、プレッシャープレー
ト17、第1ストラッププレート31、第2ストラップ
プレート32、及びクリップ33を備える。第1ストラ
ッププレート31は、プレッシャープレート17をフラ
イホイール2から離れる方向に付勢する。クリップ33
は、被支持部33aと、中間プレート7に当接する接触
部33bと、弾性部33cとを有し、中間プレート7を
プレッシャープレート17から離れるように付勢する。
被支持部33aは、第1ストラッププレート31の動き
に連動し、プレッシャープレート17がフライホイール
2から離れる距離の概ね半分の距離だけ、フライホイー
ル2から離れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン側のフラ
イホイールと変速機の入力シャフトとの間で動力を伝達
あるいは遮断するためのクラッチ、特に、中間プレート
を挟んで2つの摩擦連結部が配置されているツインクラ
ッチに関する。
【0002】
【従来の技術】限られたスペースで大きなトルク伝達容
量を確保しなければならない場合、2つの摩擦ディスク
(摩擦連結部)を備えたツインクラッチが用いられる。
ツインクラッチは、第1及び第2摩擦ディスクと、これ
らの間に配置された中間プレートとを有している。中間
プレートは、フライホイールに対して相対回転不能にか
つ軸方向に移動可能に装着されており、両側面に第1及
び第2摩擦ディスクに対する摩擦面が形成されている。
【0003】ここでは、クラッチ接続時には、クラッチ
カバー組立体のプレッシャープレートがダイアフラムス
プリング等の押圧部材によってフライホイール側に押圧
され、第1摩擦ディスクがフライホイールと中間プレー
トとの間に圧接され、第2摩擦ディスクが中間プレート
とプレッシャープレートとの間に圧接される。またクラ
ッチレリーズ時には、プレッシャープレートの押圧が解
除され、中間プレートがストラッププレートによってフ
ライホイールから引き離されて、各摩擦ディスクの圧接
が解除される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなツインク
ラッチにおけるレリーズ時の動作について詳細に説明す
ると、まず、レリーズ時には、プレッシャープレートの
押圧が解除され、プレッシャープレートは中間プレート
から離れる。これにより、第2摩擦ディスクではクラッ
チがオフ状態(トルクを伝達しない状態)となる。そし
て、プレッシャープレートが所定距離だけ中間プレート
から離れると、プレッシャープレートに固定されている
ピンが中間プレートに係止し、以降はピンに引っかけら
れた中間プレートがプレッシャープレートとともにフラ
イホイールから離れる方向に移動する。これにより第1
摩擦ディスクもクラッチがオフ状態となる。
【0005】また、クラッチを接続する場合は、上述の
動作とは逆の動作をすることによってクラッチの接続が
行われる。上記のようなツインクラッチにおけるプレッ
シャープレートと中間プレートの移動量(リフト量)
と、レリーズストロークとの関係(クラッチ切れ特性)
を図6に示す。この図6から明らかなように、ここで
は、プレッシャープレートが移動を開始してから中間プ
レートが移動開始するまでの間に、タイムラグが存在す
る。このタイムラグは、プレッシャープレートに固定さ
れているピンの係止部分と中間プレートとの間に設定さ
れた隙間によって決定される。
【0006】このようにタイムラグが存在すると、車両
の発進性の悪化や両摩擦ディスクの位相ずれといった不
具合が起こる。すなわち、タイムラグが大きい場合に
は、発進時において、一旦第1摩擦ディスクが接続され
た後、所定の時間が経過してから第2摩擦ディスクが接
続されるといった、いわゆる2段つながりが発生する。
このため、スムーズな発進が行えない。また、タイムラ
グが大きい場合には、一旦第1摩擦ディスクが接続され
て所定の捩じり角度だけ作動した後に第2摩擦ディスク
が作動するといった、いわゆる摩擦ディスクの位相ずれ
が発生し、所望の捩じり特性が得られない。
【0007】また、摩擦ディスク、特にプレッシャープ
レートに対向する第2摩擦ディスクは長期間の使用によ
って摩耗するが、このように摩擦ディスクが摩耗した時
にもクラッチ切れ特性の劣化を抑えることが望まれる。
本発明の課題は、車両の発進性の悪化や摩擦ディスクの
位相ずれといった不具合を抑えることができ、かつ摩擦
ディスク(摩擦連結部)の摩耗にも対応することのでき
るツインクラッチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のツイン
クラッチは、エンジン側のフライホイールと変速機の入
力シャフトとの間で動力を伝達あるいは遮断するための
ツインクラッチであって、第1摩擦連結部と、第2摩擦
連結部と、出力部と、中間プレートと、クラッチカバー
組立体と、第1付勢部材と、第2付勢部材と、弾性部材
とを備えている。
【0009】第1摩擦連結部は、フライホイールに接近
して配置されている。第2摩擦連結部は、第1摩擦連結
部のフライホイールとは反対側に、第1摩擦連結部から
軸方向に離れて配置されている。出力部は、第1摩擦連
結部及び第2摩擦連結部から変速機の入力シャフトへと
動力を伝達する。
【0010】中間プレートは、フライホイールに対して
回転不能にかつ軸方向に移動可能に装着されている。こ
の中間プレートの両側面には、それぞれ第1摩擦連結
部、第2摩擦連結部が当接する摩擦面が形成されてい
る。クラッチカバー組立体は、クラッチカバーと、プレ
ッシャープレートと、押圧部材とを含んだ組立体であ
る。クラッチカバーは、フライホイールに固定される。
プレッシャープレートは、第2摩擦連結部の中間プレー
トとは反対側に配置される。押圧部材は、クラッチカバ
ーに支持されており、プレッシャープレートをフライホ
イール側に押圧する。
【0011】第1付勢部材は、プレッシャープレートを
フライホイールから離れる第1方向に付勢する。この第
1付勢部材は、レリーズ操作時においてクラッチカバー
組立体による押圧が解除されたときに、プレッシャープ
レートをフライホイールから離す。第2付勢部材は、中
間プレートをフライホイールから離れる第1方向に付勢
する。この第2付勢部材は、レリーズ操作時においてク
ラッチカバー組立体による押圧が解除されたときに、中
間プレートをフライホイールから離す。
【0012】弾性部材は、被支持部と、接触部と、弾性
部とを有している。被支持部は、レリーズ操作時におい
て、第1付勢部材の動きに連動し、第1付勢部材の付勢
力によってプレッシャープレートがフライホイールから
離れる距離の概ね半分の距離だけ、フライホイールから
離れる。接触部は、中間プレートに当接する。弾性部
は、被支持部と接触部との間に配置される。この弾性部
材は、中間プレートをプレッシャープレートから離れる
ように付勢する。
【0013】このツインクラッチの接続を解除して、エ
ンジン側のフライホイールから変速機の入力シャフトへ
と伝達されている動力を切断するときには、まず、押圧
部材によるプレッシャープレートのフライホイール側へ
の押圧を解除する。この押圧が解除されると、第1付勢
部材の付勢力によってプレッシャープレートがフライホ
イールから離れるように移動する。これにより、第2摩
擦連結部がプレッシャープレート及び中間プレートから
離れ、フライホイールから中間プレート、第2摩擦連結
部、及び出力部を経て入力シャフトに伝達されていた動
力の流れが切断される。また、第1付勢部材の付勢力に
よってプレッシャープレートがフライホイールから離れ
るときには、ほぼ同時に、中間プレートをプレッシャー
プレートから離れるように付勢していた弾性部材の付勢
力、言い換えれば中間プレートをフライホイール側に付
勢していた弾性部材の付勢力が小さくなる。すなわち、
弾性部材が、第1付勢部材の動きに連動して、プレッシ
ャープレートがフライホイールから離れる距離の概ね半
分の距離だけフライホイールから離れるため、弾性部材
の中間プレートに対する付勢力が小さくなる。これによ
り、中間プレートが、第2付勢部材の付勢力によって、
プレッシャープレートがフライホイールから離れる距離
の概ね半分の距離だけ、フライホイールから離れるよう
に移動する。これにより、第1摩擦連結部がフライホイ
ール及び中間プレートから離れ、フライホイールあるい
は中間プレートから第1摩擦連結部及び出力部を経て入
力シャフトに伝達されていた動力の流れが切断される。
【0014】このように、本ツインクラッチでは、プレ
ッシャープレートのフライホイール側への押圧を解除す
ると、プレッシャープレートがフライホイールから離
れ、これとほぼ同時に、プレッシャープレートがフライ
ホイールから離れた距離の概ね半分の距離だけ中間プレ
ートがフライホイールから離れる。このため、第1及び
第2摩擦連結部は、ほぼ同時に、フライホイール、中間
プレート、あるいはプレッシャープレートから離れ、プ
レッシャープレートがフライホイールから離れる移動を
開始してから中間プレートが移動を開始するまでの間の
タイムラグが小さい。したがって、車両の発進性の悪化
や両摩擦連結部の位相ずれといった不具合が抑えられ
る。
【0015】また、弾性部材に弾性部が存在するため、
長期間の使用等によって各摩擦連結部、特に第2摩擦連
結部が摩耗したときにも、これをある程度吸収すること
ができる。このため、摩擦連結部の摩耗によるツインク
ラッチの切れ特性や各部材に与える悪影響が抑えられ
る。請求項2に記載のツインクラッチは、請求項1に記
載のツインクラッチにおいて、第1付勢部材は、一端が
クラッチカバーあるいはフライホイールに軸方向に相対
移動不能に支持されている。また第1付勢部材の他端
は、プレッシャープレートに、軸方向に相対移動不能に
支持されている。そして、弾性部材の被支持部は、第1
付勢部材のほぼ中央部分に、軸方向に相対移動不能に支
持されている。
【0016】ここでは、プレッシャープレートをフライ
ホイールから離れる第1方向に付勢する第1付勢部材の
一端が、フライホイールあるいはフライホイールに固定
されるクラッチカバーに、他端が、プレッシャープレー
トに軸方向に相対移動不能に支持されている。そして、
この第1付勢部材のほぼ中央部分に、弾性部材の被支持
部が軸方向に相対移動不能に支持されている。
【0017】プレッシャープレートが第1付勢部材の付
勢力によってフライホイールから離れるように移動する
と、両者(プレッシャープレート及びフライホイール)
が第1付勢部材の両端につながっていることから、第1
付勢部材の中央部分は両者の相対移動量のほぼ半分だけ
移動することになる。したがって、第1付勢部材のほぼ
中央部分に支持されている弾性部材の被支持部は、第1
付勢部材の付勢力によってプレッシャープレートがフラ
イホイールから離れる距離の概ね半分の距離だけ、フラ
イホイールから離れる。
【0018】請求項3に記載のツインクラッチは、請求
項1又は2に記載のツインクラッチにおいて、弾性部材
は板状部材から成形されたクリップである。また、弾性
部材の弾性部は、円弧形状部を含んでいる。ここでは、
弾性部材がクリップであるため、ツインクラッチの組立
性が良く、コストも小さくなる。また、弾性部に円弧形
状部を含ませているため、弾性部材の弾性変形量に対す
る反力の特性を多彩に設定することが可能であり、この
特性を適正に設定することによって、例えば第2摩擦連
結部が摩耗したときのツインクラッチの切れ特性の劣化
を最小限に抑制することも可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】[全体構成]図1及び図2は、本
発明の一実施形態としてのツインクラッチ1を示してい
る。ツインクラッチ1は、エンジン側のフライホイール
2から変速機の入力シャフト(図示せず)にトルクを伝
達及び遮断するための装置である。このツインクラッチ
1は、主に、第1クラッチディスク組立体5と、第2ク
ラッチディスク組立体6と、両クラッチディスク組立体
5,6の間に配置された中間プレート7と、フライホイ
ール2にフライホイールスペーサ8を介して固定された
クラッチカバー組立体9とから構成されている。
【0020】[クラッチディスク組立体]第1クラッチ
ディスク組立体5と第2クラッチディスク組立体6と
は、ともに捩じり振動を減衰するためのスプリング及び
摺動部材等から成るダンパーを有しており、中心部には
変速機の入力シャフト(図示せず)がスプライン係合し
ている。また、外周部には、それぞれ摩擦フェーシング
等から成る第1,第2摩擦連結部5a,6aを有してい
る。第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦連結部5
aはフライホイール2及び中間プレート7の摩擦面に対
向し、第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦連結部
6aは中間プレート7の変速機側(図1の右側)の摩擦
面に対向している。
【0021】[中間プレート]中間プレート7は、環状
のプレートであり、両側面には第1,第2摩擦連結部5
a,6aに対向する摩擦面を有している。また、この中
間プレート7の外周には径方向外方に延びる複数の突起
7aが設けられており、この突起7aはフライホイール
スペーサ8に形成された切欠き8a内に延びている。図
1のP矢視図である図2に示すように、中間プレート7
の突起7aには、第2ストラッププレート(第2付勢部
材)32の一端が取付ボルト32aによって固定されて
いる。また第2ストラッププレート32の他端は、取付
ボルト32bによってフライホイールスペーサ8に固定
され、フライホイールスペーサ8はクラッチカバー組立
体9のクラッチカバー15とともに取付ボルト15aに
よってフライホイール2に固定されている。
【0022】このような構成により、中間プレート7は
フライホイール2及びクラッチカバー組立体9に対して
相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に固定されること
となる。また、第2ストラッププレート32は、中間プ
レート7とフライホイール2との間の回転方向の動力伝
達部材としての機能とともに、付勢部材としても機能し
ており、中間プレート7をフライホイール2から離れる
方向に付勢している。
【0023】[クラッチカバー組立体]クラッチカバー
組立体9は、主に、フライホイールスペーサ8を介して
フライホイール2に固定されるクラッチカバー15と、
クラッチカバー15に第1ストラッププレート31(第
1付勢部材)を介して相対回転不能にかつ軸方向に移動
可能に固定されるプレッシャープレート17と、プレッ
シャープレート17をフライホイール2側に押圧するた
めのダイヤフラムスプリング18とを有している。
【0024】プレッシャープレート17は、第2クラッ
チディスク組立体6の第2摩擦連結部6aに対向する摩
擦面を有し、摩擦面の背面(変速機側の面)には円周上
に配置された複数の突起17bを有している。そして、
この突起17bにダイヤフラムスプリング18の外周端
が接している。ダイヤフラムスプリング18の一部は、
スタッドピン19及びワイヤリング20によってクラッ
チカバー15に支持されている。ダイヤフラムスプリン
グ18の内周端には、図示しないレリーズ装置が当接可
能であり、レリーズ装置がダイヤフラムスプリング18
の内周端をフライホイール2側に移動させることによ
り、プレッシャープレート17への押圧力が解除される
ようになっている。
【0025】また、プレッシャープレート17の外周に
は径方向外方に延びる複数の突起17aが設けられてお
り、この突起17aはフライホイールスペーサ8に形成
された切欠き8a内に延びている。図2に示すように、
プレッシャープレート17の突起17aには、第1スト
ラッププレート31の一端が取付ボルト31aによって
固定されている。また第1ストラッププレート31の他
端は、取付ボルト31bによってクラッチカバー15に
固定される。この第1ストラッププレート31は、プレ
ッシャープレート17とクラッチカバー15との間で回
転方向の動力を伝達するとともに、プレッシャープレー
ト17をフライホイール2から離れる方向に付勢してい
る。
【0026】この第1ストラッププレート31ととも
に、クリップ(弾性部材)33が取付ボルト31aによ
ってプレッシャープレート17の突起17aに固定され
ている。このクリップ33は、曲げ加工された帯板状の
部材であり、図2に示すように、固定部33dと、接触
部33bと、弾性部33cと、被支持部33aとを有し
ている。固定部33dは、取付ボルト31aによってプ
レッシャープレート17の突起17aに固定される。接
触部33bは、中間プレート7の突起7aに変速機側か
ら当接する。弾性部33cは、円弧状の断面を有する部
分(円弧形状部)を有し、接触部33bと被支持部33
aとの間に位置する。被支持部33aは、固定部33d
と弾性部33cとの間の部分であり、バンド34によっ
て第1ストラッププレート31のほぼ中央部分に軸方向
相対移動不能に拘束されている。このため、クリップ3
3の被支持部33a、弾性部33c、及び接触部33b
は、第1ストラッププレート31の中央部分の移動にし
たがって、第1ストラッププレート31の両端の相対移
動量のほぼ半分だけ軸方向に移動する。なお、このクリ
ップ33は、中間プレート7がプレッシャープレート1
7から離れるように付勢している。
【0027】[動作] <クラッチ接続時>クラッチ接続状態では、ダイヤフラ
ムスプリング18がプレッシャープレート17をフライ
ホイール2側に押圧しており、中間プレート7もフライ
ホイール2側に押圧されている(図3参照)。ここで
は、第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦連結部5
aはフライホイール2と中間プレート7との間に圧接さ
れ、第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦連結部6
aが中間プレート7とプレッシャープレート17との間
に圧接される。したがって、フライホイール2からのト
ルクは両クラッチディスク組立体5,6を介して変速機
側に伝達される。このときのフライホイール2と中間プ
レート7の変速機側の面との軸方向の距離はh1であ
り、フライホイール2とプレッシャープレート17の変
速機側の面との軸方向の距離はh2である。
【0028】<クラッチレリーズ時>クラッチレバーに
よるクラッチレリーズ操作によって、ダイヤフラムスプ
リング18の内周端部がフライホイール2側に押され、
これによってダイヤフラムスプリング18による各プレ
ート7,17への押圧力(図2の矢印Fで示す力)が解
除される。すると、第1ストラッププレート31によっ
てプレッシャープレート17がクラッチカバー15側に
持ち上げられる(図4参照)。すなわちプレッシャープ
レート17がフライホイール2から離れる方向に移動す
る。
【0029】また、これと同時に、中間プレート7は第
2ストラッププレート32によってフライホイール2か
ら離れる方向に移動させられる。ここでは、クリップ3
3が存在するため、中間プレート7は、第1ストラップ
プレート31の両端の相対移動量のほぼ半分、すなわ
ち、フライホイール2とプレッシャープレート17との
相対移動量のほぼ半分だけ軸方向に移動する。したがっ
て、プレッシャープレート17がフライホイール2から
離れる方向に移動すると、その移動量のほぼ半分だけ中
間プレート7がフライホイール2から離れる方向に移動
する(図4参照)。このときのフライホイール2と中間
プレート7の変速機側の面との軸方向の距離はh3であ
り、フライホイール2とプレッシャープレート17の変
速機側の面との軸方向の距離はh4である。そして、 (h3−h1)≒0.5×(h4−h2) の関係が成り立つ。
【0030】以上の様子を図5に示す。クラッチレバー
の操作によりダイヤフラムスプリング18の押圧力が解
除されてプレッシャープレート17がクラッチカバー1
5側に移動し始めると、ほぼ同時に中間プレート7もク
ラッチカバー15側にリフトし始める。そして、中間プ
レート7のクラッチカバー15側へのリフト量は、プレ
ッシャープレート17のクラッチカバー15側へのリフ
ト量のほぼ半分である。
【0031】これを、図6に示す従来におけるクラッチ
レバーのストローク(レバーストローク)とリフト量と
の相関図と比較する。図6に示す従来のものの場合、途
中まではプレッシャープレートと中間プレートとが同じ
量だけ移動して、途中から中間プレートに移動が止まっ
てプレッシャープレートだけが移動を続ける。そして、
最終的には中間プレートの移動量の倍だけプレッシャー
プレートが移動することになる。しかしながら、途中ま
ではプレッシャープレートと中間プレートとが同じ量だ
け移動するため、ツインクラッチの切れ方としては、ま
ず第1摩擦連結部5aによる動力伝達が切れて、次に第
2摩擦連結部6aによる動力伝達が切れることになる。
したがって、両摩擦連結部5a,6aの切れに位相ずれ
が生じるとともに、半クラッチ状態において第2摩擦連
結部6aの負荷が大きくなってしまう。
【0032】これに対して、図5に示す本実施形態に係
るものの場合、常に中間プレート7のリフト量がプレッ
シャープレート17のリフト量のほぼ半分であるため、
第1摩擦連結部5aによる動力伝達も第2摩擦連結部6
aによる動力伝達もほぼ同時に切れることになる。ま
た、ツインクラッチ1を接続させる時にも、第1摩擦連
結部5aによる動力伝達及び第2摩擦連結部6aによる
動力伝達がほぼ同時につながる。このため、両摩擦連結
部5a,6aの位相ずれが殆どなく、中間プレート7は
レリーズ全域においてプレッシャープレート17のほぼ
半分の切れ代が得られる。これにより、ツインクラッチ
1の切れ性が従来よりも向上しているとともに、位相ず
れによる騒音問題が解消されている。また、両摩擦連結
部5a,6aにかかる負荷のバランスが向上している。
【0033】また、ここではクリップ33により中間プ
レート7とプレッシャープレート17との移動量(リフ
ト量)を調整しているため、ツインクラッチ1の組立性
が良く、コストも小さくなっている。また、弾性部33
cに円弧形状部を含ませているため、クリップ33の弾
性変形量に対する反力の特性を多彩に設定することが可
能であり、この特性を適正に設定することによって、第
2摩擦連結部6aが摩耗したときのツインクラッチ1の
切れ特性の劣化を最小限に抑制している。これについて
は、以下に詳述する。
【0034】<摩擦部材の摩耗時>第2クラッチディス
ク組立体6の第2摩擦連結部6aが摩耗すると、摩耗す
る前に較べて、クラッチ接続時におけるプレッシャープ
レート17のフライホイール2との距離(h2)及びプ
レッシャープレート17の中間プレート7との距離(h
2−h1)が短くなる。したがって、クリップ33が剛
体であったならば、第1ストラッププレート31が不要
な変形を余儀なくされるとともに、両摩擦連結部5a,
6aの切れ及び接続の位相ずれが大きくなる。
【0035】しかしながら、本実施形態においては、ク
リップ33に弾性部33cを設けてクリップ33の軸方
向変形量と反力との関係を最適に設定し、第2摩擦連結
部6aが摩耗したときにも第1ストラッププレート31
が変形を起こさないようにしている。また、第2摩擦連
結部6aが摩耗していても図5に示すような切れ特性を
確保できるように、クリップ33の軸方向変形量と反力
との関係(クリップ33の特性)が設定されている。な
お、クリップ33の特性は、弾性部33cの各部での厚
みや曲率を変化させることによって生成している。
【0036】〔他の実施形態〕 (a)クラッチカバー組立体9において押圧部材として
ダイヤフラムスプリング18を採用したが、コイルスプ
リングを採用した場合にも、本発明を同様に適用でき
る。 (b)レリーズ機構として、ダイヤフラムスプリングの
内周端をフライホイール側に押す形式の装置に本発明を
適用したが、ダイヤフラムスプリングの内周端を変速機
側に引っ張ってレリーズを行う装置にも、本発明を同様
に適用できる。
【0037】
【発明の効果】本発明では、ツインクラッチに弾性部材
を配備させているため、プレッシャープレートのフライ
ホイール側への押圧を解除すると、プレッシャープレー
トがフライホイールから離れるとほぼ同時に、プレッシ
ャープレートがフライホイールから離れた距離の概ね半
分の距離だけ中間プレートがフライホイールから離れ
る。これにより、車両の発進性の悪化や両摩擦連結部の
位相ずれといった不具合が抑えられる。
【0038】また、第2摩擦連結部が摩耗したときに
も、弾性部材の弾性部によってこれを吸収することがで
き、摩擦連結部の摩耗によるツインクラッチの切れ特性
や各部材に与える悪影響が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるツインクラッチの
縦断面概略図。
【図2】ツインクラッチの側面図(図1のP矢視図)。
【図3】ツインクラッチのクラッチ接続状態図。
【図4】ツインクラッチのクラッチレリーズ状態図。
【図5】クラッチ切れ特性図。
【図6】従来のクラッチ切れ特性図。
【符号の説明】
1 ツインクラッチ 2 フライホイール 5 第1クラッチディスク組立体(第1摩擦連結部,
出力部) 6 第2クラッチディスク組立体(第2摩擦連結部,
出力部) 7 中間プレート 8 フライホイールスペーサ 9 クラッチカバー組立体 15 クラッチカバー 17 プレッシャープレート 18 ダイヤフラムスプリング(押圧部材) 31 第1ストラッププレート(第1付勢部材) 32 第2ストラッププレート(第2付勢部材) 33 クリップ(弾性部材) 33a 被支持部 33b 接触部 33c 弾性部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン側のフライホイールと変速機の入
    力シャフトとの間で動力を伝達あるいは遮断するための
    ツインクラッチであって、 前記フライホイールに接近して配置された第1摩擦連結
    部と、 前記第1摩擦連結部の前記フライホイールと反対側に、
    前記第1摩擦連結部から軸方向に離れて配置された第2
    摩擦連結部と、 前記第1摩擦連結部及び前記第2摩擦連結部から前記入
    力シャフトへと動力を伝達する出力部と、 前記フライホイールに対して回転不能にかつ軸方向に移
    動可能に装着され、両側面にそれぞれ前記第1摩擦連結
    部、第2摩擦連結部が当接する摩擦面を有する中間プレ
    ートと、 前記フライホイールに固定されたクラッチカバーと、前
    記第2摩擦連結部の前記中間プレートと反対側に配置さ
    れたプレッシャープレートと、前記クラッチカバーに支
    持され前記プレッシャープレートを前記フライホイール
    側に押圧する押圧部材とを含むクラッチカバー組立体
    と、 前記プレッシャープレートを前記フライホイールから離
    れる第1方向に付勢し、レリーズ操作時において前記ク
    ラッチカバー組立体による押圧が解除されたときに前記
    プレッシャープレートを前記フライホイールから離す第
    1付勢部材と、 前記中間プレートを前記第1方向に付勢し、レリーズ操
    作時に前記クラッチカバー組立体による押圧が解除され
    たときに前記中間プレートを前記フライホイールから離
    す第2付勢部材と、 レリーズ操作時に前記第1付勢部材の動きに連動して前
    記第1付勢部材の付勢力により前記プレッシャープレー
    トが前記フライホイールから離れる距離の概ね半分の距
    離だけ前記フライホイールから離れる被支持部と、前記
    中間プレートに当接する接触部と、前記被支持部と前記
    接触部との間に配置される弾性部とを有し、前記中間プ
    レートを前記プレッシャープレートから離れるように付
    勢する弾性部材と、を備えたツインクラッチ。
  2. 【請求項2】前記第1付勢部材は、一端が前記クラッチ
    カバーあるいは前記フライホイールに軸方向に相対移動
    不能に支持され、他端が前記プレッシャープレートに軸
    方向に相対移動不能に支持されており、 前記弾性部材の被支持部は、前記第1付勢部材のほぼ中
    央部分に軸方向に相対移動不能に支持されている、請求
    項1に記載のツインクラッチ。
  3. 【請求項3】前記弾性部材は、板状部材から成形された
    クリップであり、 前記弾性部材の弾性部は、円弧形状部を含んでいる、請
    求項1又は2に記載のツインクラッチ。
JP16308398A 1998-06-11 1998-06-11 ツインクラッチ Pending JPH11351271A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16308398A JPH11351271A (ja) 1998-06-11 1998-06-11 ツインクラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16308398A JPH11351271A (ja) 1998-06-11 1998-06-11 ツインクラッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11351271A true JPH11351271A (ja) 1999-12-24

Family

ID=15766868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16308398A Pending JPH11351271A (ja) 1998-06-11 1998-06-11 ツインクラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11351271A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3317787B2 (ja) クラッチ押圧組立体
JP3518959B2 (ja) ツインクラッチ
JPH08170652A (ja) 摩擦トルク装置
JP3991239B2 (ja) クラッチ・カバー・アセンブリ及びクラッチ・カバー
JPH1151076A (ja) 連結機構
US6039161A (en) Twin-clutch device
JP2004324748A (ja) クラッチ装置
JP2000274447A (ja) ツインクラッチ
JP4322038B2 (ja) 乾式多板クラッチ
JP2011185359A (ja) トルクリミッタ付きダンパ装置
JPH11351271A (ja) ツインクラッチ
JPH1182544A (ja) クラッチ
JP3578599B2 (ja) ダイナミックダンパー及び連結機構
JP3668592B2 (ja) ダイナミックダンパー及びフライホイール組立体
JPH11201182A (ja) 多板クラッチ、多板クラッチの仮組み部材、及び多板クラッチのフライホイールへの組み付け方法
JP3651734B2 (ja) ダイナミックダンパー及びフライホイール組立体
EP1630438B1 (en) Clutch device for vehicle
JP2000205298A (ja) ツインクラッチ
JP2000329157A (ja) ツインクラッチ
JP2000346091A (ja) フライホイールスペーサ組立体とツインクラッチ
JP2000274448A (ja) ツインクラッチ
JP3717099B2 (ja) ツインクラッチ
JP2001263371A (ja) クラッチ装置
JPH0222505Y2 (ja)
JPH10227316A (ja) ツインクラッチ