JP2000274448A - ツインクラッチ - Google Patents
ツインクラッチInfo
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- JP2000274448A JP2000274448A JP11078511A JP7851199A JP2000274448A JP 2000274448 A JP2000274448 A JP 2000274448A JP 11078511 A JP11078511 A JP 11078511A JP 7851199 A JP7851199 A JP 7851199A JP 2000274448 A JP2000274448 A JP 2000274448A
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Landscapes
- Mechanical Operated Clutches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ツインクラッチの両摩擦ディスクに大きな位
相ズレが発生することを抑制する。 【解決手段】 このツインクラッチでは、中間プレート
11の移動量がプレッシャープレート10の移動量より
も少なくなるように、両者10,11の移動が連動させ
られる。摩耗追従機構は、第2摩擦ディスク4aの摩耗
量が第1摩擦ディスク3aの摩耗量よりも大きくなった
場合に、プレッシャープレート10と中間プレート11
との相対距離を、摩耗量の差に応じて変化させる。ま
た、トルク遮断からトルク伝達への移行時には、まず第
1摩擦ディスク3aを介してトルクの一部が伝達される
状態となった後、両摩擦ディスク3a,4aを介してト
ルク全体が伝達される状態となる。
相ズレが発生することを抑制する。 【解決手段】 このツインクラッチでは、中間プレート
11の移動量がプレッシャープレート10の移動量より
も少なくなるように、両者10,11の移動が連動させ
られる。摩耗追従機構は、第2摩擦ディスク4aの摩耗
量が第1摩擦ディスク3aの摩耗量よりも大きくなった
場合に、プレッシャープレート10と中間プレート11
との相対距離を、摩耗量の差に応じて変化させる。ま
た、トルク遮断からトルク伝達への移行時には、まず第
1摩擦ディスク3aを介してトルクの一部が伝達される
状態となった後、両摩擦ディスク3a,4aを介してト
ルク全体が伝達される状態となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ツインクラッチ、
特に、摩擦面を有するフライホイールとトランスミッシ
ョンのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮断を行
うツインクラッチに関する。
特に、摩擦面を有するフライホイールとトランスミッシ
ョンのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮断を行
うツインクラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】クラッチは、エンジン側のフライホイー
ルと変速機(トランスミッション)の入力側のシャフト
との間で動力を伝達あるいは遮断するための装置であ
る。一般にクラッチは、フライホイールに装着されるク
ラッチカバー組立体とクラッチディスク組立体とから構
成されている。クラッチディスク組立体は、外周部に摩
擦ディスクが設けられ、内周部にはトランスミッション
のシャフトに係合するハブが設けられている。摩擦ディ
スクとハブとは、複数のプレート状部材や弾性部材によ
って連結されている。クラッチカバー組立体は、クラッ
チディスク組立体の摩擦ディスクをフライホイールに対
して押圧又は押圧力を解除することで、クラッチの連結
及び連結解除を行うものである。クラッチカバー組立体
は、主として、フライホイールに固定されるクラッチカ
バーと、クラッチカバー内に配置され摩擦ディスクに近
接して配置されたプレッシャープレートと、クラッチカ
バーに支持されプレッシャープレートに押圧力を与える
ための押圧機構とから構成されている。
ルと変速機(トランスミッション)の入力側のシャフト
との間で動力を伝達あるいは遮断するための装置であ
る。一般にクラッチは、フライホイールに装着されるク
ラッチカバー組立体とクラッチディスク組立体とから構
成されている。クラッチディスク組立体は、外周部に摩
擦ディスクが設けられ、内周部にはトランスミッション
のシャフトに係合するハブが設けられている。摩擦ディ
スクとハブとは、複数のプレート状部材や弾性部材によ
って連結されている。クラッチカバー組立体は、クラッ
チディスク組立体の摩擦ディスクをフライホイールに対
して押圧又は押圧力を解除することで、クラッチの連結
及び連結解除を行うものである。クラッチカバー組立体
は、主として、フライホイールに固定されるクラッチカ
バーと、クラッチカバー内に配置され摩擦ディスクに近
接して配置されたプレッシャープレートと、クラッチカ
バーに支持されプレッシャープレートに押圧力を与える
ための押圧機構とから構成されている。
【0003】ところで、限られたスペースで大きなトル
ク伝達容量を確保しなければならない場合においては、
2つの摩擦ディスクを備えたツインクラッチが用いられ
ることがある。ツインクラッチは、第1及び第2摩擦デ
ィスクと、これらの間に配置された中間プレートとを有
している。中間プレートは、フライホイールに対して相
対回転不能にかつ軸方向に移動可能に装着されており、
両側面に第1及び第2摩擦ディスクに対する摩擦面が形
成されている。
ク伝達容量を確保しなければならない場合においては、
2つの摩擦ディスクを備えたツインクラッチが用いられ
ることがある。ツインクラッチは、第1及び第2摩擦デ
ィスクと、これらの間に配置された中間プレートとを有
している。中間プレートは、フライホイールに対して相
対回転不能にかつ軸方向に移動可能に装着されており、
両側面に第1及び第2摩擦ディスクに対する摩擦面が形
成されている。
【0004】ツインクラッチでは、クラッチ連結時に
は、クラッチカバー組立体のプレッシャープレートがダ
イヤフラムスプリング等の押圧部材によってフライホイ
ール側に押圧され、第1摩擦ディスクがフライホイール
と中間プレートとの間に挟まれ、第2摩擦ディスクが中
間プレートとプレッシャープレートとの間に挟まれる。
またクラッチレリーズ時には、プレッシャープレートへ
の押圧が解除され、プレッシャープレート及び中間プレ
ートがフライホイールから引き離されて、各摩擦ディス
クの連結が解除される。
は、クラッチカバー組立体のプレッシャープレートがダ
イヤフラムスプリング等の押圧部材によってフライホイ
ール側に押圧され、第1摩擦ディスクがフライホイール
と中間プレートとの間に挟まれ、第2摩擦ディスクが中
間プレートとプレッシャープレートとの間に挟まれる。
またクラッチレリーズ時には、プレッシャープレートへ
の押圧が解除され、プレッシャープレート及び中間プレ
ートがフライホイールから引き離されて、各摩擦ディス
クの連結が解除される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたツインク
ラッチにおいては、クラッチ動作(クラッチ連結、クラ
ッチレリーズ)時に第1摩擦ディスクと第2摩擦ディス
クとがほぼ同時につながることが好ましいと考えられ
る。なぜなら、第1摩擦ディスクと第2摩擦ディスクと
がほぼ同時につながれば、2つのクラッチディスク組立
体のダンパーにおける位相ずれが小さくなって、ダンパ
ー特性がずれることを抑えることができるからである。
ラッチにおいては、クラッチ動作(クラッチ連結、クラ
ッチレリーズ)時に第1摩擦ディスクと第2摩擦ディス
クとがほぼ同時につながることが好ましいと考えられ
る。なぜなら、第1摩擦ディスクと第2摩擦ディスクと
がほぼ同時につながれば、2つのクラッチディスク組立
体のダンパーにおける位相ずれが小さくなって、ダンパ
ー特性がずれることを抑えることができるからである。
【0006】さらに、クラッチの切れ特性に関しては、
レバーストロークに対する中間プレートのリフト量がプ
レッシャープレートのそれに対して全領域において常に
半分程度になることが好ましい。なぜなら、中間プレー
トがこれよりもプレッシャープレートに対して近づいた
り離れたりしている場合には、中間プレートが第1又は
第2摩擦ディスクと接触してクラッチの切れ性能が悪化
するからである。
レバーストロークに対する中間プレートのリフト量がプ
レッシャープレートのそれに対して全領域において常に
半分程度になることが好ましい。なぜなら、中間プレー
トがこれよりもプレッシャープレートに対して近づいた
り離れたりしている場合には、中間プレートが第1又は
第2摩擦ディスクと接触してクラッチの切れ性能が悪化
するからである。
【0007】特開昭63−235724号に開示されて
いるツインクラッチでは、上述の2つの目的を達成する
ためのレバー機構が設けられている。このレバー機構
は、主にレバー部材から構成されている。レバー部材
は、一端がクラッチカバーに揺動可能に支持されてお
り、他端が軸方向に移動可能になっている。このレバー
部材の他端は、プレッシャープレートに対してフライホ
イール側から当接している。中間プレートには、レバー
部材の中間部分にフライホイール側から当接する当接部
材が設けられている。このような構造により、クラッチ
動作時には中間プレートの軸方向移動量が常にプレッシ
ャープレートの軸方向移動量の1/2となり、両摩擦デ
ィスクが概ね同時につながるようにされている。
いるツインクラッチでは、上述の2つの目的を達成する
ためのレバー機構が設けられている。このレバー機構
は、主にレバー部材から構成されている。レバー部材
は、一端がクラッチカバーに揺動可能に支持されてお
り、他端が軸方向に移動可能になっている。このレバー
部材の他端は、プレッシャープレートに対してフライホ
イール側から当接している。中間プレートには、レバー
部材の中間部分にフライホイール側から当接する当接部
材が設けられている。このような構造により、クラッチ
動作時には中間プレートの軸方向移動量が常にプレッシ
ャープレートの軸方向移動量の1/2となり、両摩擦デ
ィスクが概ね同時につながるようにされている。
【0008】しかしながら、このように同時に両摩擦デ
ィスクがつながるように構成されていても、摩擦ディス
クの摩耗やクラッチ製造時の寸法精度や公差を考える
と、多少なりともどちらかの摩擦ディスクが先につなが
ることになる。そして、プレッシャープレート側の第2
摩擦ディスクが第1摩擦ディスクよりも早くつながるよ
うになった場合、それが時間的に短いものであるとして
も、第1摩擦ディスクがつながる前にプレッシャープレ
ートの押圧力により第2摩擦ディスクだけによってフラ
イホイールとトランスミッションのシャフトとが同期す
る現象が起こり、反動で第1摩擦ディスクが第2摩擦デ
ィスクと反対の方向に回転する恐れが高いことがわかっ
てきている。この状態で第1摩擦ディスクがつながる
と、先につながった第1摩擦ディスクと第2摩擦ディス
クとの位相ズレがかなり大きなものとなってしまう。
ィスクがつながるように構成されていても、摩擦ディス
クの摩耗やクラッチ製造時の寸法精度や公差を考える
と、多少なりともどちらかの摩擦ディスクが先につなが
ることになる。そして、プレッシャープレート側の第2
摩擦ディスクが第1摩擦ディスクよりも早くつながるよ
うになった場合、それが時間的に短いものであるとして
も、第1摩擦ディスクがつながる前にプレッシャープレ
ートの押圧力により第2摩擦ディスクだけによってフラ
イホイールとトランスミッションのシャフトとが同期す
る現象が起こり、反動で第1摩擦ディスクが第2摩擦デ
ィスクと反対の方向に回転する恐れが高いことがわかっ
てきている。この状態で第1摩擦ディスクがつながる
と、先につながった第1摩擦ディスクと第2摩擦ディス
クとの位相ズレがかなり大きなものとなってしまう。
【0009】また、上記公報のツインクラッチでは、第
2摩擦ディスクの摩耗量が第1摩擦ディスクの摩耗量よ
りも大きくなった場合に、レバー部材が当接部材を中間
プレートに対して軸方向フライホイール側に移動させる
ようにして、両摩擦ディスクが概ね同時に切れるという
切れ特性を維持させている。しかし、両摩擦ディスクが
ほぼ同時に切れるように設定している限り、第2摩擦デ
ィスクが第1摩擦ディスクよりも先につながる恐れが残
り、そのときには上記のように位相ズレがかなり大きく
なってしまう。
2摩擦ディスクの摩耗量が第1摩擦ディスクの摩耗量よ
りも大きくなった場合に、レバー部材が当接部材を中間
プレートに対して軸方向フライホイール側に移動させる
ようにして、両摩擦ディスクが概ね同時に切れるという
切れ特性を維持させている。しかし、両摩擦ディスクが
ほぼ同時に切れるように設定している限り、第2摩擦デ
ィスクが第1摩擦ディスクよりも先につながる恐れが残
り、そのときには上記のように位相ズレがかなり大きく
なってしまう。
【0010】本発明の課題は、ツインクラッチの両摩擦
ディスク(摩擦連結部)に大きな位相ズレが発生するこ
とを抑制することにある。
ディスク(摩擦連結部)に大きな位相ズレが発生するこ
とを抑制することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のツイン
クラッチは、摩擦面を有するフライホイールとトランス
ミッションのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮
断を行うツインクラッチであって、第1クラッチディス
ク組立体と、第2クラッチディスク組立体と、クラッチ
カバーと、中間部材と、プレッシャープレートと、押圧
機構と、連動機構と、摩耗追従機構とを備えている。第
1クラッチディスク組立体は、シャフトにトルクを伝達
することができる組立体であり、第1摩擦連結部を有し
ている。第1摩擦連結部は、フライホイールの摩擦面に
近接して配置されている。第2クラッチディスク組立体
は、シャフトにトルクを伝達することができる組立体で
あり、第2摩擦連結部を有している。第2摩擦連結部
は、第1摩擦連結部のフライホイール側と反対側に配置
されている。クラッチカバーは、第2摩擦連結部のフラ
イホイール側と反対側に配置され、フライホイールに固
定される。中間部材は、第1摩擦連結部と第2摩擦連結
部との軸方向間に配置されており、フライホイールに連
動して回転する。プレッシャープレートは、第2摩擦連
結部とクラッチカバーとの軸方向間に配置されており、
クラッチカバーに連動して回転する。押圧機構は、クラ
ッチカバーに支持される機構であり、プレッシャープレ
ートに対するフライホイール側への押圧及び押圧解除を
行う。連動機構は、中間部材の軸方向移動量がプレッシ
ャープレートの軸方向移動量よりも少なくなるように、
プレッシャープレートの移動と中間部材の移動とを連動
させる。摩耗追従機構は、第2摩擦連結部の摩耗量が第
1摩擦連結部の摩耗量よりも大きくなった場合に、プレ
ッシャープレートと中間部材との軸方向相対距離を、第
2摩擦連結部の摩耗量と第1摩擦連結部の摩耗量の差に
応じて変化させる。このツインクラッチでは、トルク遮
断からトルク伝達への移行時には、まず第1摩擦連結部
を介してトルクの一部が伝達される状態となる。そして
次に、第1及び第2摩擦連結部を介してトルク全体が伝
達される状態となる。
クラッチは、摩擦面を有するフライホイールとトランス
ミッションのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮
断を行うツインクラッチであって、第1クラッチディス
ク組立体と、第2クラッチディスク組立体と、クラッチ
カバーと、中間部材と、プレッシャープレートと、押圧
機構と、連動機構と、摩耗追従機構とを備えている。第
1クラッチディスク組立体は、シャフトにトルクを伝達
することができる組立体であり、第1摩擦連結部を有し
ている。第1摩擦連結部は、フライホイールの摩擦面に
近接して配置されている。第2クラッチディスク組立体
は、シャフトにトルクを伝達することができる組立体で
あり、第2摩擦連結部を有している。第2摩擦連結部
は、第1摩擦連結部のフライホイール側と反対側に配置
されている。クラッチカバーは、第2摩擦連結部のフラ
イホイール側と反対側に配置され、フライホイールに固
定される。中間部材は、第1摩擦連結部と第2摩擦連結
部との軸方向間に配置されており、フライホイールに連
動して回転する。プレッシャープレートは、第2摩擦連
結部とクラッチカバーとの軸方向間に配置されており、
クラッチカバーに連動して回転する。押圧機構は、クラ
ッチカバーに支持される機構であり、プレッシャープレ
ートに対するフライホイール側への押圧及び押圧解除を
行う。連動機構は、中間部材の軸方向移動量がプレッシ
ャープレートの軸方向移動量よりも少なくなるように、
プレッシャープレートの移動と中間部材の移動とを連動
させる。摩耗追従機構は、第2摩擦連結部の摩耗量が第
1摩擦連結部の摩耗量よりも大きくなった場合に、プレ
ッシャープレートと中間部材との軸方向相対距離を、第
2摩擦連結部の摩耗量と第1摩擦連結部の摩耗量の差に
応じて変化させる。このツインクラッチでは、トルク遮
断からトルク伝達への移行時には、まず第1摩擦連結部
を介してトルクの一部が伝達される状態となる。そして
次に、第1及び第2摩擦連結部を介してトルク全体が伝
達される状態となる。
【0012】請求項1に記載のツインクラッチでは、ト
ルク遮断からトルク伝達への移行時(以下、クラッチ連
結時という。)には、2つの摩擦連結部のうちフライホ
イール側にある第1摩擦連結部が先にトルクを伝え始め
る。そして、続けて両摩擦連結部によってトルクが伝達
される状態となる。すなわち、まず第1摩擦連結部がフ
ライホイール及び中間部材の少なくとも一方に接してト
ルクの一部を伝達し始めた後に、第2摩擦連結部がプレ
ッシャープレート及び中間部材と摩擦係合し第1摩擦連
結部がフライホイール及び中間部材と摩擦係合して、フ
ライホイールからトルクコンバータのシャフトへとトル
ク全体を伝達するようになる。
ルク遮断からトルク伝達への移行時(以下、クラッチ連
結時という。)には、2つの摩擦連結部のうちフライホ
イール側にある第1摩擦連結部が先にトルクを伝え始め
る。そして、続けて両摩擦連結部によってトルクが伝達
される状態となる。すなわち、まず第1摩擦連結部がフ
ライホイール及び中間部材の少なくとも一方に接してト
ルクの一部を伝達し始めた後に、第2摩擦連結部がプレ
ッシャープレート及び中間部材と摩擦係合し第1摩擦連
結部がフライホイール及び中間部材と摩擦係合して、フ
ライホイールからトルクコンバータのシャフトへとトル
ク全体を伝達するようになる。
【0013】ここでは、第1摩擦連結部だけによる最初
のトルク伝達は、トルク全体のうちの一部に留まってい
る。したがって、この状態では、第1摩擦連結部と第2
摩擦連結部との位相ズレは極めて小さいものである。そ
して、この後両摩擦連結部によりトルク全体が伝えられ
るようになるため、プレッシャープレートから直接押圧
力を受ける第2摩擦連結部がつながるときに第1摩擦連
結部が反動で反対方向に回転して両摩擦連結部に大きな
位相ズレが発生することが抑えられる。言い換えれば、
第2摩擦連結部がプレッシャープレートと中間部材との
間に挟持されて大きなトルクを伝え始めるときには既に
第1摩擦連結部がトルクの一部を伝えている状態である
ため、第2摩擦連結部がつながった反動で第1摩擦連結
部が第2摩擦連結部と反対の方向に回動することが殆ど
なくなり、両者の位相ズレを小さくすることができる。
のトルク伝達は、トルク全体のうちの一部に留まってい
る。したがって、この状態では、第1摩擦連結部と第2
摩擦連結部との位相ズレは極めて小さいものである。そ
して、この後両摩擦連結部によりトルク全体が伝えられ
るようになるため、プレッシャープレートから直接押圧
力を受ける第2摩擦連結部がつながるときに第1摩擦連
結部が反動で反対方向に回転して両摩擦連結部に大きな
位相ズレが発生することが抑えられる。言い換えれば、
第2摩擦連結部がプレッシャープレートと中間部材との
間に挟持されて大きなトルクを伝え始めるときには既に
第1摩擦連結部がトルクの一部を伝えている状態である
ため、第2摩擦連結部がつながった反動で第1摩擦連結
部が第2摩擦連結部と反対の方向に回動することが殆ど
なくなり、両者の位相ズレを小さくすることができる。
【0014】なお、クラッチ連結時において、第1摩擦
連結部を介してトルクの一部が伝達される状態となって
から第1及び第2摩擦連結部を介してトルク全体が伝達
される状態となるまでの時間が余り長くかかると、第1
摩擦連結部と第2摩擦連結部との位相ズレが大きくな
る。このため、第1摩擦連結部からつなぎ始めるように
しつつも、その後すばやく第2摩擦連結部がつながるよ
うに設定することが望ましい。
連結部を介してトルクの一部が伝達される状態となって
から第1及び第2摩擦連結部を介してトルク全体が伝達
される状態となるまでの時間が余り長くかかると、第1
摩擦連結部と第2摩擦連結部との位相ズレが大きくな
る。このため、第1摩擦連結部からつなぎ始めるように
しつつも、その後すばやく第2摩擦連結部がつながるよ
うに設定することが望ましい。
【0015】また、第2摩擦連結部の摩耗量が第1摩擦
連結部の摩耗量よりも大きくなった場合、何ら手当てを
しなければ、第2摩擦連結部がつながるタイミングが遅
くなって第1摩擦連結部だけによるトルクの伝達の時間
が長くなる。すると、第2摩擦連結部がつながる前にか
なりのトルクが伝達される状態となり、第2摩擦連結部
がつながるときには、両摩擦連結部の位相ズレが大きく
なってしまう。しかしながら、請求項1に記載のツイン
クラッチでは摩耗追従機構を設けているため、第1摩擦
連結部がトルクの一部を伝達し始めてから第1及び第2
摩擦連結部によりトルク全体を伝達するようになるまで
の時間が長くなることはない。このため、第2摩擦連結
部の摩耗量が第1摩擦連結部の摩耗量よりも大きくなっ
た場合にも、両摩擦連結部の位相ズレを許容範囲内に収
めることができる。
連結部の摩耗量よりも大きくなった場合、何ら手当てを
しなければ、第2摩擦連結部がつながるタイミングが遅
くなって第1摩擦連結部だけによるトルクの伝達の時間
が長くなる。すると、第2摩擦連結部がつながる前にか
なりのトルクが伝達される状態となり、第2摩擦連結部
がつながるときには、両摩擦連結部の位相ズレが大きく
なってしまう。しかしながら、請求項1に記載のツイン
クラッチでは摩耗追従機構を設けているため、第1摩擦
連結部がトルクの一部を伝達し始めてから第1及び第2
摩擦連結部によりトルク全体を伝達するようになるまで
の時間が長くなることはない。このため、第2摩擦連結
部の摩耗量が第1摩擦連結部の摩耗量よりも大きくなっ
た場合にも、両摩擦連結部の位相ズレを許容範囲内に収
めることができる。
【0016】請求項2に記載のツインクラッチは、請求
項1に記載のものであって、トルク遮断からトルク伝達
への移行時には、まず第1摩擦連結部がフライホイール
と中間部材との間で滑る。そして次に、第2摩擦連結部
がプレッシャープレートと中間部材との間に挟持され、
第1摩擦連結部がフライホイールと中間部材との間に挟
持される。
項1に記載のものであって、トルク遮断からトルク伝達
への移行時には、まず第1摩擦連結部がフライホイール
と中間部材との間で滑る。そして次に、第2摩擦連結部
がプレッシャープレートと中間部材との間に挟持され、
第1摩擦連結部がフライホイールと中間部材との間に挟
持される。
【0017】請求項2に記載のツインクラッチでは、ク
ラッチ連結時には、第1摩擦連結部がフライホイールと
中間部材との間で滑りながら、第2摩擦連結部に先行し
てトルクを伝え始める。そして、続けて第2摩擦連結部
がプレッシャープレート及び中間部材と摩擦係合し第1
摩擦連結部がフライホイール及び中間部材と摩擦係合し
て、フライホイールからトルクコンバータのシャフトへ
とトルク全体を伝達するようになる。
ラッチ連結時には、第1摩擦連結部がフライホイールと
中間部材との間で滑りながら、第2摩擦連結部に先行し
てトルクを伝え始める。そして、続けて第2摩擦連結部
がプレッシャープレート及び中間部材と摩擦係合し第1
摩擦連結部がフライホイール及び中間部材と摩擦係合し
て、フライホイールからトルクコンバータのシャフトへ
とトルク全体を伝達するようになる。
【0018】請求項3に記載のツインクラッチは、請求
項2に記載のものであって、付勢部材をさらに備えてい
る。付勢部材は、押圧機構による押圧力よりも小さい力
で、中間部材をフライホイール側に付勢する。トルク遮
断からトルク伝達への移行時には、まず第1摩擦連結部
が付勢部材の付勢力によりフライホイールと中間部材と
の間に挟まれながら滑る状態となる。そして次に、押圧
機構の押圧力により、第2摩擦連結部がプレッシャープ
レートと中間部材との間に挟持され、第1摩擦連結部が
フライホイールと中間部材との間に挟持される。
項2に記載のものであって、付勢部材をさらに備えてい
る。付勢部材は、押圧機構による押圧力よりも小さい力
で、中間部材をフライホイール側に付勢する。トルク遮
断からトルク伝達への移行時には、まず第1摩擦連結部
が付勢部材の付勢力によりフライホイールと中間部材と
の間に挟まれながら滑る状態となる。そして次に、押圧
機構の押圧力により、第2摩擦連結部がプレッシャープ
レートと中間部材との間に挟持され、第1摩擦連結部が
フライホイールと中間部材との間に挟持される。
【0019】請求項3に記載のツインクラッチでは、ク
ラッチ連結時には、第1摩擦連結部が付勢部材の付勢力
によりフライホイールと中間部材との間に挟まれながら
滑り、第2摩擦連結部に先行してトルクを伝え始める。
そして、続けて第2摩擦連結部がプレッシャープレート
及び中間部材と摩擦係合し第1摩擦連結部がフライホイ
ール及び中間部材と摩擦係合して、フライホイールから
トルクコンバータのシャフトへとトルク全体を伝達する
ようになる。
ラッチ連結時には、第1摩擦連結部が付勢部材の付勢力
によりフライホイールと中間部材との間に挟まれながら
滑り、第2摩擦連結部に先行してトルクを伝え始める。
そして、続けて第2摩擦連結部がプレッシャープレート
及び中間部材と摩擦係合し第1摩擦連結部がフライホイ
ール及び中間部材と摩擦係合して、フライホイールから
トルクコンバータのシャフトへとトルク全体を伝達する
ようになる。
【0020】ここでは、第1摩擦連結部だけによる最初
のトルク伝達は、押圧機構により押圧されるプレッシャ
ープレートの力によるものではなく、付勢部材の付勢力
によるものである。この付勢部材の付勢力は押圧機構に
よる押圧力よりも小さいため、この状態における第1摩
擦連結部と第2摩擦連結部との位相ズレは極めて小さい
ものである。そして、この後押圧機構の押圧力による摩
擦係合によって両摩擦連結部を介してトルク全体が伝え
られるようになるときには、既に第1摩擦連結部がトル
クの一部を滑りながら伝えているため、第2摩擦連結部
がつながった反動で第1摩擦連結部が第2摩擦連結部と
反対の方向に回動することが殆どなくなり、クラッチ連
結時の両者の位相ズレが小さくなる。
のトルク伝達は、押圧機構により押圧されるプレッシャ
ープレートの力によるものではなく、付勢部材の付勢力
によるものである。この付勢部材の付勢力は押圧機構に
よる押圧力よりも小さいため、この状態における第1摩
擦連結部と第2摩擦連結部との位相ズレは極めて小さい
ものである。そして、この後押圧機構の押圧力による摩
擦係合によって両摩擦連結部を介してトルク全体が伝え
られるようになるときには、既に第1摩擦連結部がトル
クの一部を滑りながら伝えているため、第2摩擦連結部
がつながった反動で第1摩擦連結部が第2摩擦連結部と
反対の方向に回動することが殆どなくなり、クラッチ連
結時の両者の位相ズレが小さくなる。
【0021】請求項4に記載のツインクラッチは、請求
項1から3のいずれかに記載のものであって、トルク伝
達からトルク遮断への移行時に、まず第2摩擦連結部を
介するトルク伝達を遮断し始め、次に両摩擦連結部を介
するトルク伝達を遮断するように設定されている。
項1から3のいずれかに記載のものであって、トルク伝
達からトルク遮断への移行時に、まず第2摩擦連結部を
介するトルク伝達を遮断し始め、次に両摩擦連結部を介
するトルク伝達を遮断するように設定されている。
【0022】請求項4に記載のツインクラッチでは、ト
ルク伝達からトルク遮断への移行時(以下、クラッチレ
リーズ時という。)に、まず第2摩擦連結部を介するト
ルク伝達を遮断し始める。そして、その後、第1及び第
2摩擦連結部を介するトルク伝達を遮断する。
ルク伝達からトルク遮断への移行時(以下、クラッチレ
リーズ時という。)に、まず第2摩擦連結部を介するト
ルク伝達を遮断し始める。そして、その後、第1及び第
2摩擦連結部を介するトルク伝達を遮断する。
【0023】ここでは、押圧機構の押圧力をプレッシャ
ープレートから直接受ける第2摩擦連結部の方からトル
クの遮断を始めている。この第2摩擦連結部をプレッシ
ャープレート及び中間部材から離していけば、必然的に
中間部材とフライホイールとの間にある第1摩擦連結部
にかかる押圧機構による押圧力も小さくなり、第2摩擦
連結部によるトルク伝達が小さくなるに従って第1摩擦
連結部によるトルク伝達も小さなものとなる。そして、
第2摩擦連結部を切った後すぐに第1摩擦連結部を切る
ようにすれば、ツインクラッチの切れ性能が確保され
る。
ープレートから直接受ける第2摩擦連結部の方からトル
クの遮断を始めている。この第2摩擦連結部をプレッシ
ャープレート及び中間部材から離していけば、必然的に
中間部材とフライホイールとの間にある第1摩擦連結部
にかかる押圧機構による押圧力も小さくなり、第2摩擦
連結部によるトルク伝達が小さくなるに従って第1摩擦
連結部によるトルク伝達も小さなものとなる。そして、
第2摩擦連結部を切った後すぐに第1摩擦連結部を切る
ようにすれば、ツインクラッチの切れ性能が確保され
る。
【0024】一方、第1摩擦連結部が第2摩擦連結部よ
りも摩耗すると、第1摩擦連結部を介するトルク伝達を
遮断するときのタイミングが相対的に早くなることにな
る。しかしながら、ここでは当初の設定として第1摩擦
連結部が切れ始めるタイミングを第2摩擦連結部が切れ
始めるタイミングよりも遅く設定しているため、第1摩
擦連結部が摩耗していっても、両者の切れ始めるタイミ
ングの時間差が小さくなるだけで済む。したがって、必
要なツインクラッチの寿命と両摩擦連結部の摩耗量を考
慮に入れて両摩擦連結部の切れ始めるタイミングの差を
当初に適切に設定しておけば、摩耗していったときに
も、第1摩擦連結部が第2摩擦連結部よりも大きく摩耗
したときに作用する摩耗追従機構を設けることなくツイ
ンクラッチの切れ性能や位相ズレの少なさを確保するこ
とができる。
りも摩耗すると、第1摩擦連結部を介するトルク伝達を
遮断するときのタイミングが相対的に早くなることにな
る。しかしながら、ここでは当初の設定として第1摩擦
連結部が切れ始めるタイミングを第2摩擦連結部が切れ
始めるタイミングよりも遅く設定しているため、第1摩
擦連結部が摩耗していっても、両者の切れ始めるタイミ
ングの時間差が小さくなるだけで済む。したがって、必
要なツインクラッチの寿命と両摩擦連結部の摩耗量を考
慮に入れて両摩擦連結部の切れ始めるタイミングの差を
当初に適切に設定しておけば、摩耗していったときに
も、第1摩擦連結部が第2摩擦連結部よりも大きく摩耗
したときに作用する摩耗追従機構を設けることなくツイ
ンクラッチの切れ性能や位相ズレの少なさを確保するこ
とができる。
【0025】また、第2摩擦連結部の摩耗量が第1摩擦
連結部の摩耗量よりも大きくなった場合、何ら手当てを
しなければ、第2摩擦連結部が切れるタイミングが相対
的に早くなって第1摩擦連結部だけによるトルクの伝達
の時間が長くなる。すなわち、両摩擦連結部の切れるタ
イミングが時間的に離れてしまい、切れ特性が悪化して
いまう。しかしながら、ここでは第2摩擦連結部が第1
摩擦連結部よりも大きく摩耗したときに作用する摩耗追
従機構が設けられているため、第2摩擦連結部が切れ始
めてから両摩擦連結部が完全に切れる状態となるまでの
時間が摩耗によって長くなることはない。これにより、
ツインクラッチの切れ性を良好に保つことができる。
連結部の摩耗量よりも大きくなった場合、何ら手当てを
しなければ、第2摩擦連結部が切れるタイミングが相対
的に早くなって第1摩擦連結部だけによるトルクの伝達
の時間が長くなる。すなわち、両摩擦連結部の切れるタ
イミングが時間的に離れてしまい、切れ特性が悪化して
いまう。しかしながら、ここでは第2摩擦連結部が第1
摩擦連結部よりも大きく摩耗したときに作用する摩耗追
従機構が設けられているため、第2摩擦連結部が切れ始
めてから両摩擦連結部が完全に切れる状態となるまでの
時間が摩耗によって長くなることはない。これにより、
ツインクラッチの切れ性を良好に保つことができる。
【0026】請求項5に記載のツインクラッチは、請求
項4に記載のものであって、トルク遮断からトルク伝達
への移行時に、まずプレッシャープレートが所定量だけ
フライホイールから離れるように設定されている。そし
て次に、中間部材がプレッシャープレートの移動に連動
し始め、プレッシャープレートの軸方向移動量に対して
中間部材の軸方向移動量が比例し且つ少なくなるよう
に、プレッシャープレート及び中間部材がフライホイー
ルから離れるように設定されている。
項4に記載のものであって、トルク遮断からトルク伝達
への移行時に、まずプレッシャープレートが所定量だけ
フライホイールから離れるように設定されている。そし
て次に、中間部材がプレッシャープレートの移動に連動
し始め、プレッシャープレートの軸方向移動量に対して
中間部材の軸方向移動量が比例し且つ少なくなるよう
に、プレッシャープレート及び中間部材がフライホイー
ルから離れるように設定されている。
【0027】請求項5に記載のツインクラッチでは、ク
ラッチレリーズ時に、まずプレッシャープレートを所定
量だけフライホイールから離すことで第2摩擦連結部を
介するトルク伝達を遮断し始める。このときには、中間
部材は移動せず、第1摩擦連結部は中間部材とフライホ
イールとの間に挟まれたままである。但し、このときに
は、第2摩擦連結部を介してプレッシャープレートから
作用していた押圧機構による押圧力が小さくなり、第1
摩擦連結部とフライホイール及び中間部材との圧着の度
合いは小さくなる。そして、その後、中間部材がプレッ
シャープレートに連動して移動し始め、第1及び第2摩
擦連結部を介するトルク伝達が遮断されていくことにな
る。
ラッチレリーズ時に、まずプレッシャープレートを所定
量だけフライホイールから離すことで第2摩擦連結部を
介するトルク伝達を遮断し始める。このときには、中間
部材は移動せず、第1摩擦連結部は中間部材とフライホ
イールとの間に挟まれたままである。但し、このときに
は、第2摩擦連結部を介してプレッシャープレートから
作用していた押圧機構による押圧力が小さくなり、第1
摩擦連結部とフライホイール及び中間部材との圧着の度
合いは小さくなる。そして、その後、中間部材がプレッ
シャープレートに連動して移動し始め、第1及び第2摩
擦連結部を介するトルク伝達が遮断されていくことにな
る。
【0028】
【発明の実施の形態】[第1実施形態] <ツインクラッチの全体構成>図1及び図2は、本発明
の一実施形態に係るツインクラッチ1を示している。こ
の種のツインクラッチは、車両、特に大型車両やトラク
ターのように必要なトルク伝達容量が大きい車両で採用
される。ツインクラッチ1は、エンジン側のフライホイ
ール2からトランスミッションの入力シャフト(図示せ
ず)にトルクを伝達及び遮断するための装置である。図
1におけるO−Oがツインクラッチ1の回転軸線であ
る。また、図2の矢印R1側がフライホイール2及びツ
インクラッチ1の回転方向であり、矢印R2がその逆回
転方向である。なお、以降、図1の左側を第1軸方向側
(エンジン側)と呼び、図1の右側を第2軸方向側(ト
ランスミッション側)と呼ぶこととする。
の一実施形態に係るツインクラッチ1を示している。こ
の種のツインクラッチは、車両、特に大型車両やトラク
ターのように必要なトルク伝達容量が大きい車両で採用
される。ツインクラッチ1は、エンジン側のフライホイ
ール2からトランスミッションの入力シャフト(図示せ
ず)にトルクを伝達及び遮断するための装置である。図
1におけるO−Oがツインクラッチ1の回転軸線であ
る。また、図2の矢印R1側がフライホイール2及びツ
インクラッチ1の回転方向であり、矢印R2がその逆回
転方向である。なお、以降、図1の左側を第1軸方向側
(エンジン側)と呼び、図1の右側を第2軸方向側(ト
ランスミッション側)と呼ぶこととする。
【0029】このツインクラッチ1は、主として、第1
クラッチディスク組立体3と、第2クラッチディスク組
立体4と、中間プレート11と、フライホイールスペー
サー7を介してフライホイール2に固定されるクラッチ
カバー組立体5とから構成されている。
クラッチディスク組立体3と、第2クラッチディスク組
立体4と、中間プレート11と、フライホイールスペー
サー7を介してフライホイール2に固定されるクラッチ
カバー組立体5とから構成されている。
【0030】<クラッチディスク組立体>第1クラッチ
ディスク組立体3と第2クラッチディスク組立体4は、
共に、捩じり振動を減衰するためのスプリングや摺動部
材等からなるダンパーを有しており、中心部にトランス
ミッションの入力シャフト(図示せず)がスプライン係
合する。また、両クラッチディスク組立体3,4は、そ
れぞれ摩擦フェーシング等からなる第1及び第2摩擦デ
ィスク3a,4aを外周部に有している。第1クラッチ
ディスク組立体3の第1摩擦ディスク3aはフライホイ
ール2の摩擦面2aに近接して配置されている。第2ク
ラッチディスク組立体4の第2摩擦ディスク4aは第1
摩擦ディスク3aから第2軸方向側に離れた位置に配置
されている。
ディスク組立体3と第2クラッチディスク組立体4は、
共に、捩じり振動を減衰するためのスプリングや摺動部
材等からなるダンパーを有しており、中心部にトランス
ミッションの入力シャフト(図示せず)がスプライン係
合する。また、両クラッチディスク組立体3,4は、そ
れぞれ摩擦フェーシング等からなる第1及び第2摩擦デ
ィスク3a,4aを外周部に有している。第1クラッチ
ディスク組立体3の第1摩擦ディスク3aはフライホイ
ール2の摩擦面2aに近接して配置されている。第2ク
ラッチディスク組立体4の第2摩擦ディスク4aは第1
摩擦ディスク3aから第2軸方向側に離れた位置に配置
されている。
【0031】<クラッチカバー組立体>クラッチカバー
組立体5は、摩擦ディスク3a,4aをフライホイール
2と一体回転するようにフライホイール2に連結させ、
又はその連結を解除するための機構である。クラッチカ
バー組立体5は、クラッチカバー8と、プレッシャープ
レート10と、押圧機構12とから構成されている。
組立体5は、摩擦ディスク3a,4aをフライホイール
2と一体回転するようにフライホイール2に連結させ、
又はその連結を解除するための機構である。クラッチカ
バー組立体5は、クラッチカバー8と、プレッシャープ
レート10と、押圧機構12とから構成されている。
【0032】<クラッチカバー>クラッチカバー8は、
環状の部材であり、フライホイール2の摩擦面2aから
第2軸方向側に離れて配置されている。クラッチカバー
8の外周部8bとフライホイール2の外周部との間に
は、フライホイールスペーサー7が配置されている。フ
ライホイールスペーサー7は、中間プレート11や第2
摩擦ディスク4aの外周側を覆う筒状の部材である。フ
ライホイールスペーサー7には、軸方向に貫通する孔7
d(図3参照)が複数設けられている。この孔7dを貫
通する第1ボルト9aによって、クラッチカバー8の外
周部8bがフライホイール2の外周部に固定される。ク
ラッチカバー8は、このフライホイールスペーサー7に
よって、フライホイール2に対してその軸方向の位置が
決められる。また、クラッチカバー8とフライホイール
スペーサー7とは、第2ボルト9b(図3参照)により
互いに固定されている。第2ボルト9bは、第1ボルト
9aより軸方向寸法が短く、フライホイールスペーサー
7に設けられたボルト孔7eに螺合している。フライホ
イールスペーサー7は、クラッチカバー8とともにフラ
イホイール2に固定される部材であり、広義の意味での
クラッチカバーであるとみなすことができる。フライホ
イールスペーサー7の第1軸方向側端面7aは、フライ
ホイール2の外周側に弧状に設けられた突出部2bに当
接している。突出部2bに前述の第1ボルト9aが螺合
するボルト孔が形成されている。第1軸方向側端面7a
とフライホイール2の他の部分(突出部2bが形成され
ていない部分)との間には、軸方向に隙間が確保されて
いる。さらに、図3に示すように、フライホイールスペ
ーサー7は、後述するレバー機構26等を配置するため
の切り欠き7bを有している。切り欠き7bは、第1軸
方向側が開いており、円周方向に等間隔で複数形成され
ている。
環状の部材であり、フライホイール2の摩擦面2aから
第2軸方向側に離れて配置されている。クラッチカバー
8の外周部8bとフライホイール2の外周部との間に
は、フライホイールスペーサー7が配置されている。フ
ライホイールスペーサー7は、中間プレート11や第2
摩擦ディスク4aの外周側を覆う筒状の部材である。フ
ライホイールスペーサー7には、軸方向に貫通する孔7
d(図3参照)が複数設けられている。この孔7dを貫
通する第1ボルト9aによって、クラッチカバー8の外
周部8bがフライホイール2の外周部に固定される。ク
ラッチカバー8は、このフライホイールスペーサー7に
よって、フライホイール2に対してその軸方向の位置が
決められる。また、クラッチカバー8とフライホイール
スペーサー7とは、第2ボルト9b(図3参照)により
互いに固定されている。第2ボルト9bは、第1ボルト
9aより軸方向寸法が短く、フライホイールスペーサー
7に設けられたボルト孔7eに螺合している。フライホ
イールスペーサー7は、クラッチカバー8とともにフラ
イホイール2に固定される部材であり、広義の意味での
クラッチカバーであるとみなすことができる。フライホ
イールスペーサー7の第1軸方向側端面7aは、フライ
ホイール2の外周側に弧状に設けられた突出部2bに当
接している。突出部2bに前述の第1ボルト9aが螺合
するボルト孔が形成されている。第1軸方向側端面7a
とフライホイール2の他の部分(突出部2bが形成され
ていない部分)との間には、軸方向に隙間が確保されて
いる。さらに、図3に示すように、フライホイールスペ
ーサー7は、後述するレバー機構26等を配置するため
の切り欠き7bを有している。切り欠き7bは、第1軸
方向側が開いており、円周方向に等間隔で複数形成され
ている。
【0033】<押圧機構>押圧機構12は、主に、複数
のコイルスプリング13と、レリーズレバー43とから
構成されている。
のコイルスプリング13と、レリーズレバー43とから
構成されている。
【0034】コイルスプリング13は、軸方向に延びて
配置されている。コイルスプリング13の一端はクラッ
チカバー8に第1軸方向側から当接しており、他端はプ
レッシャープレート10に第2軸方向側から当接してい
る。これにより、コイルスプリング13は、プレッシャ
ープレート10に対して第1軸方向側に押圧力を与えて
いる。コイルスプリング13の軸方向両側には、コイル
スプリング13の外周を覆うカバー14が設けられてい
る。
配置されている。コイルスプリング13の一端はクラッ
チカバー8に第1軸方向側から当接しており、他端はプ
レッシャープレート10に第2軸方向側から当接してい
る。これにより、コイルスプリング13は、プレッシャ
ープレート10に対して第1軸方向側に押圧力を与えて
いる。コイルスプリング13の軸方向両側には、コイル
スプリング13の外周を覆うカバー14が設けられてい
る。
【0035】レリーズレバー43は、図示しないクラッ
チ操作機構によりクラッチ連結部分に対する押圧力を解
除するための部材である。レリーズレバー43は、円周
方向に等間隔で並んで、複数配置されている。各レリー
ズレバー43は、放射状に延びており、クラッチカバー
8に固定される支持部46に回動自在に支持された支点
44と、プレッシャープレート10に回転可能に係合す
る作用部45とを有している。このレリーズレバー43
の径方向内側端部43aに図示しないレリーズ装置が第
2軸方向側から力を加えると、レリーズレバー43は支
点44を中心に回動し作用部45が第2軸方向側に移動
する。すなわち、プレッシャープレート10にコイルス
プリング13からの力以上の力が作用することで、プレ
ッシャープレート10は第2摩擦ディスク4aから離れ
て第2軸方向側に移動する。
チ操作機構によりクラッチ連結部分に対する押圧力を解
除するための部材である。レリーズレバー43は、円周
方向に等間隔で並んで、複数配置されている。各レリー
ズレバー43は、放射状に延びており、クラッチカバー
8に固定される支持部46に回動自在に支持された支点
44と、プレッシャープレート10に回転可能に係合す
る作用部45とを有している。このレリーズレバー43
の径方向内側端部43aに図示しないレリーズ装置が第
2軸方向側から力を加えると、レリーズレバー43は支
点44を中心に回動し作用部45が第2軸方向側に移動
する。すなわち、プレッシャープレート10にコイルス
プリング13からの力以上の力が作用することで、プレ
ッシャープレート10は第2摩擦ディスク4aから離れ
て第2軸方向側に移動する。
【0036】<プレッシャープレート>プレッシャープ
レート10は、第2摩擦ディスク4aの第2軸方向側に
近接して配置された環状の部材である。このプレッシャ
ープレート10は、第2摩擦ディスク4a側に摩擦面を
有している。また、プレッシャープレート10は、クラ
ッチカバー8に相対回転不能にかつ軸方向移動可能にな
っている。具体的には、円周方向に延びるように配置さ
れた複数の第1ストラッププレート18によって、プレ
ッシャープレート10がクラッチカバー8に固定されて
いる。各第1ストラッププレート18は、クラッチカバ
ー8内でコイルスプリング13の径方向外方に配置され
ている。第1ストラッププレート18のR1側端部は、
リベット19によりクラッチカバー8に固定されてい
る。第1ストラッププレート18のR2側端部は、プレ
ッシャープレート10の外周部に設けられた突出部10
aにボルト20で固定されている。なお、クラッチカバ
ー8には、図3に示すように、ボルト20の頭部に対応
する部分に孔8aが形成されている。
レート10は、第2摩擦ディスク4aの第2軸方向側に
近接して配置された環状の部材である。このプレッシャ
ープレート10は、第2摩擦ディスク4a側に摩擦面を
有している。また、プレッシャープレート10は、クラ
ッチカバー8に相対回転不能にかつ軸方向移動可能にな
っている。具体的には、円周方向に延びるように配置さ
れた複数の第1ストラッププレート18によって、プレ
ッシャープレート10がクラッチカバー8に固定されて
いる。各第1ストラッププレート18は、クラッチカバ
ー8内でコイルスプリング13の径方向外方に配置され
ている。第1ストラッププレート18のR1側端部は、
リベット19によりクラッチカバー8に固定されてい
る。第1ストラッププレート18のR2側端部は、プレ
ッシャープレート10の外周部に設けられた突出部10
aにボルト20で固定されている。なお、クラッチカバ
ー8には、図3に示すように、ボルト20の頭部に対応
する部分に孔8aが形成されている。
【0037】<中間プレート>中間プレート11は、第
1摩擦ディスク3aと第2摩擦ディスク4aとの間に配
置された環状のプレートである。この中間プレート11
は、第1及び第2摩擦ディスク3a,4aに対向する摩
擦面を軸方向両側面に有している。また、中間プレート
11は、フライホイールスペーサー7に対して、相対回
転不能にかつ軸方向移動可能にされている。具体的に
は、円周方向に沿って設けられた複数の第2ストラップ
プレート22によって、中間プレート11がフライホイ
ールスペーサー7に固定されている。第2ストラッププ
レート22は、中間プレート11の外周側部分において
フライホイール2に近接して配置されている。各第2ス
トラッププレート22は、弧状に延びる板状のばねであ
り、フライホイールスペーサー7の切り欠き7b内に配
置されている。これらの第2ストラッププレート22
は、R1側端部がボルト23によりフライホイールスペ
ーサー7の第1軸方向側端面7aに固定され、R2側端
部が中間プレート11に設けられた外方突出部11aの
第1軸方向側端面にボルト24により固定されている。
図3に示すクラッチ連結状態において、第2ストラップ
プレート22は、軸方向にたわんでおり、中間プレート
11に対してフライホイール2側に付勢力を与えてい
る。但し、第2ストラッププレート22の付勢力は、コ
イルスプリング13の押圧力に較べるとはるかに小さ
い。また、外方突出部11aは、プレッシャープレート
10の外周部から径方向外方に延び、フライホイールス
ペーサー7の切り欠き7b内に位置している。
1摩擦ディスク3aと第2摩擦ディスク4aとの間に配
置された環状のプレートである。この中間プレート11
は、第1及び第2摩擦ディスク3a,4aに対向する摩
擦面を軸方向両側面に有している。また、中間プレート
11は、フライホイールスペーサー7に対して、相対回
転不能にかつ軸方向移動可能にされている。具体的に
は、円周方向に沿って設けられた複数の第2ストラップ
プレート22によって、中間プレート11がフライホイ
ールスペーサー7に固定されている。第2ストラッププ
レート22は、中間プレート11の外周側部分において
フライホイール2に近接して配置されている。各第2ス
トラッププレート22は、弧状に延びる板状のばねであ
り、フライホイールスペーサー7の切り欠き7b内に配
置されている。これらの第2ストラッププレート22
は、R1側端部がボルト23によりフライホイールスペ
ーサー7の第1軸方向側端面7aに固定され、R2側端
部が中間プレート11に設けられた外方突出部11aの
第1軸方向側端面にボルト24により固定されている。
図3に示すクラッチ連結状態において、第2ストラップ
プレート22は、軸方向にたわんでおり、中間プレート
11に対してフライホイール2側に付勢力を与えてい
る。但し、第2ストラッププレート22の付勢力は、コ
イルスプリング13の押圧力に較べるとはるかに小さ
い。また、外方突出部11aは、プレッシャープレート
10の外周部から径方向外方に延び、フライホイールス
ペーサー7の切り欠き7b内に位置している。
【0038】<レバー機構>このツインクラッチ1はさ
らに、レバー機構(連動機構)26を有している。レバ
ー機構26は、クラッチ動作中に、中間プレート11の
軸方向移動量をプレッシャープレート10の軸方向移動
量に対して規制するための機構である。各レバー機構2
6は、フライホイールスペーサー7の切り欠き7b内に
配置されている。
らに、レバー機構(連動機構)26を有している。レバ
ー機構26は、クラッチ動作中に、中間プレート11の
軸方向移動量をプレッシャープレート10の軸方向移動
量に対して規制するための機構である。各レバー機構2
6は、フライホイールスペーサー7の切り欠き7b内に
配置されている。
【0039】各レバー機構26は、主として、レバー部
材27と、摩耗追従機構のスタッドピン61と、摩耗追
従機構のロールピン62と、摩耗追従機構のアジャスタ
部材63とから構成されている。
材27と、摩耗追従機構のスタッドピン61と、摩耗追
従機構のロールピン62と、摩耗追従機構のアジャスタ
部材63とから構成されている。
【0040】レバー部材27は、ツインクラッチ1の外
周接線方向に延びる部材であって、剛性が高く、軸方向
に曲がりにくい性質を有している。
周接線方向に延びる部材であって、剛性が高く、軸方向
に曲がりにくい性質を有している。
【0041】レバー部材27のR1側端部27aは、図
3に示すように折り曲げられており、第1円柱状部材2
8を介してフライホイールスペーサー7に支持されてい
る。第1円柱状部材28は、図3及び図4に示すように
レバー部材27のR1側端部27aに装着され、フライ
ホイールスペーサー7に設けられた穴7f(図4参照)
に挿入される。このときには、第1円柱状部材28の外
周面の一部に設けられた溝28aと穴7fとの間にグリ
ースが注入される。このグリースの存在によって、フラ
イホイールスペーサー7に対して第1円柱状部材28が
回転しやすくなる。また、図4に示すように、穴7fに
第1円柱状部材28が挿入された後には、止輪29がフ
ライホイールスペーサー7にはめ込まれる。
3に示すように折り曲げられており、第1円柱状部材2
8を介してフライホイールスペーサー7に支持されてい
る。第1円柱状部材28は、図3及び図4に示すように
レバー部材27のR1側端部27aに装着され、フライ
ホイールスペーサー7に設けられた穴7f(図4参照)
に挿入される。このときには、第1円柱状部材28の外
周面の一部に設けられた溝28aと穴7fとの間にグリ
ースが注入される。このグリースの存在によって、フラ
イホイールスペーサー7に対して第1円柱状部材28が
回転しやすくなる。また、図4に示すように、穴7fに
第1円柱状部材28が挿入された後には、止輪29がフ
ライホイールスペーサー7にはめ込まれる。
【0042】レバー部材27のR2側端部27bは、図
3に示すように折り曲げられており、第2円柱状部材5
1等を介してプレッシャープレート10に支持されてい
る。第2円柱状部材51は、レバー部材27のR2側端
部27bに装着され、嵌合部材52に設けられた穴(フ
ライホイールスペーサー7の穴7fと同等のもの)に挿
入される。このときには、第2円柱状部材51の外周面
の一部に設けられた溝と嵌合部材52の穴との間にグリ
ースが注入される。嵌合部材52には、第2円柱状部材
51と嵌合する穴の他に、レバー部材27との干渉を避
けるための溝も設けられている。また、嵌合部材52の
穴に第2円柱状部材51が挿入された後には止輪29が
嵌合部材52にはめ込まれるが、図3においては止輪及
び止輪がはめ込まれる穴の図示を省略している。なお、
嵌合部材52は、ボルト54によって、プレッシャープ
レート10に固定されるプレート53に固着されてい
る。
3に示すように折り曲げられており、第2円柱状部材5
1等を介してプレッシャープレート10に支持されてい
る。第2円柱状部材51は、レバー部材27のR2側端
部27bに装着され、嵌合部材52に設けられた穴(フ
ライホイールスペーサー7の穴7fと同等のもの)に挿
入される。このときには、第2円柱状部材51の外周面
の一部に設けられた溝と嵌合部材52の穴との間にグリ
ースが注入される。嵌合部材52には、第2円柱状部材
51と嵌合する穴の他に、レバー部材27との干渉を避
けるための溝も設けられている。また、嵌合部材52の
穴に第2円柱状部材51が挿入された後には止輪29が
嵌合部材52にはめ込まれるが、図3においては止輪及
び止輪がはめ込まれる穴の図示を省略している。なお、
嵌合部材52は、ボルト54によって、プレッシャープ
レート10に固定されるプレート53に固着されてい
る。
【0043】レバー部材27の中間部には、スタッドピ
ン61の第2軸方向側端部61bが固定されている。ス
タッドピン61は、レバー部材27の中間部から第1軸
方向側に延びており、第1軸方向側端がひと回り径の大
きな円板状の頭部61aとなっている。スタッドピン6
1の中央部分の周囲には、若干の隙間を開けてロールピ
ン62が配置されている。ロールピン62は、軸方向に
延びるスリットが形成されている部材であり、レバー部
材27とスタッドピン61の頭部61aとの間に配置さ
れており、これら両者の距離よりも短い軸方向長さを有
している。そして、このロールピン62は、クラッチ連
結時に第2軸方向側端がレバー部材27に接するよう
に、アジャスタ部材63によって摩擦係止されている。
したがって、ロールピン62の第1方向側端とスタッド
ピン61の頭部61aとの間には、図3に示すクラッチ
連結状態において隙間S1が存在する。また、アジャス
タ部材63は、ボルト64によって中間プレート11に
支持される部材であって、ロールピン62を覆う筒部を
有している。このアジャスタ部材63の筒部には、ロー
ルピン62の自身の拡張によりロールピン62が押しつ
けられる。
ン61の第2軸方向側端部61bが固定されている。ス
タッドピン61は、レバー部材27の中間部から第1軸
方向側に延びており、第1軸方向側端がひと回り径の大
きな円板状の頭部61aとなっている。スタッドピン6
1の中央部分の周囲には、若干の隙間を開けてロールピ
ン62が配置されている。ロールピン62は、軸方向に
延びるスリットが形成されている部材であり、レバー部
材27とスタッドピン61の頭部61aとの間に配置さ
れており、これら両者の距離よりも短い軸方向長さを有
している。そして、このロールピン62は、クラッチ連
結時に第2軸方向側端がレバー部材27に接するよう
に、アジャスタ部材63によって摩擦係止されている。
したがって、ロールピン62の第1方向側端とスタッド
ピン61の頭部61aとの間には、図3に示すクラッチ
連結状態において隙間S1が存在する。また、アジャス
タ部材63は、ボルト64によって中間プレート11に
支持される部材であって、ロールピン62を覆う筒部を
有している。このアジャスタ部材63の筒部には、ロー
ルピン62の自身の拡張によりロールピン62が押しつ
けられる。
【0044】<摩耗追従機構>上記のスタッドピン6
1、ロールピン62、及びアジャスタ部材63はまた、
摩耗追従機構を構成している。この摩耗追従機構は、中
間プレート11の動きをレバー部材27の中間部の動き
に追従させるとともに、第2摩擦ディスク4aの摩耗量
が第1摩擦ディスク3aの摩耗量より大きい場合に、そ
の摩耗量の差を補填してレバー機構26の機能を十分に
実現させるための機構である。
1、ロールピン62、及びアジャスタ部材63はまた、
摩耗追従機構を構成している。この摩耗追従機構は、中
間プレート11の動きをレバー部材27の中間部の動き
に追従させるとともに、第2摩擦ディスク4aの摩耗量
が第1摩擦ディスク3aの摩耗量より大きい場合に、そ
の摩耗量の差を補填してレバー機構26の機能を十分に
実現させるための機構である。
【0045】上記のようにロールピン62はアジャスタ
部材63の筒部に押しつけられているが、その押しつけ
力によって、ロールピン62はアジャスタ部材63の筒
部に対して軸方向に所定以上の力が作用するまでは移動
不能となっている。
部材63の筒部に押しつけられているが、その押しつけ
力によって、ロールピン62はアジャスタ部材63の筒
部に対して軸方向に所定以上の力が作用するまでは移動
不能となっている。
【0046】<ツインクラッチの動作>次に、図3及び
図5〜図9を用いて通常のクラッチ連結動作及びクラッ
チレリーズ動作について説明する。なお、図8は動作を
説明するための模式図であり、図9はレバーストローク
(レリーズレバー43の先端43aの軸方向ストロー
ク)に対するプレッシャープレート10及び中間プレー
ト11の軸方向移動量を示す切れ特性図である。図3,
図5(a),図8(a)は図9(a)におけるレバース
トローク0mmの状態を示し、図6,図5(b),図8
(b)は図9(a)におけるレバーストローク約4mm
の状態を示し、図7,図5(c),図8(c)は図9
(a)におけるレバーストローク20mmの状態を示
す。
図5〜図9を用いて通常のクラッチ連結動作及びクラッ
チレリーズ動作について説明する。なお、図8は動作を
説明するための模式図であり、図9はレバーストローク
(レリーズレバー43の先端43aの軸方向ストロー
ク)に対するプレッシャープレート10及び中間プレー
ト11の軸方向移動量を示す切れ特性図である。図3,
図5(a),図8(a)は図9(a)におけるレバース
トローク0mmの状態を示し、図6,図5(b),図8
(b)は図9(a)におけるレバーストローク約4mm
の状態を示し、図7,図5(c),図8(c)は図9
(a)におけるレバーストローク20mmの状態を示
す。
【0047】まず最初に、クラッチレリーズ動作につい
て説明する。
て説明する。
【0048】図3、図8(a)及び図5(a)に示すク
ラッチ連結状態からレリーズレバー43に図示しないレ
リーズ装置から押圧荷重が作用すると、クラッチカバー
8等の弾性変形による初期ロス(約2mm)を経た後、
まずプレッシャープレート10が第2軸方向側に移動し
始めて、図6、図8(b)及び図5(b)に示す状態に
移行する。具体的には、レリーズレバー43の先端(径
方向内側端部)43aが第1軸方向側に押されて、作用
部45が第1軸方向側に移動し、プレッシャープレート
10が第2摩擦ディスク4aから離れる方向に移動し始
める。
ラッチ連結状態からレリーズレバー43に図示しないレ
リーズ装置から押圧荷重が作用すると、クラッチカバー
8等の弾性変形による初期ロス(約2mm)を経た後、
まずプレッシャープレート10が第2軸方向側に移動し
始めて、図6、図8(b)及び図5(b)に示す状態に
移行する。具体的には、レリーズレバー43の先端(径
方向内側端部)43aが第1軸方向側に押されて、作用
部45が第1軸方向側に移動し、プレッシャープレート
10が第2摩擦ディスク4aから離れる方向に移動し始
める。
【0049】ここでは、プレッシャープレート10の移
動に伴ってレバー部材27のR2側端部27bが第2軸
方向側に持ち上がり、レバー部材27がフライホイール
スペーサー7に対する第1円柱状部材28の回転により
回動し、レバー部材27の中間部も第2軸方向側に持ち
上がる。このときには、第2円柱状部材51も嵌合部材
52に対して回転する。しかし、レバー部材27の中間
部が持ち上がってスタッドピン61が第2軸方向側に移
動しても、隙間S1がなくなってスタッドピン61の頭
部61aがロールピン62に当たるまでは、中間プレー
ト11はプレッシャープレート10の動きに連動しな
い。したがって、このときにはプレッシャープレート1
0が持ち上がることによって中間プレート11とフライ
ホイール2との間に挟持されている第1摩擦ディスク3
aにプレッシャープレート10を介するコイルスプリン
グ13からの押圧力はかからなくなるが、第1摩擦ディ
スク3aは第2ストラッププレート22の付勢力によっ
て中間プレート11とフライホイール2との間に挟持さ
れ続け、これらの間で滑りながらある程度のトルク伝達
を果たす。
動に伴ってレバー部材27のR2側端部27bが第2軸
方向側に持ち上がり、レバー部材27がフライホイール
スペーサー7に対する第1円柱状部材28の回転により
回動し、レバー部材27の中間部も第2軸方向側に持ち
上がる。このときには、第2円柱状部材51も嵌合部材
52に対して回転する。しかし、レバー部材27の中間
部が持ち上がってスタッドピン61が第2軸方向側に移
動しても、隙間S1がなくなってスタッドピン61の頭
部61aがロールピン62に当たるまでは、中間プレー
ト11はプレッシャープレート10の動きに連動しな
い。したがって、このときにはプレッシャープレート1
0が持ち上がることによって中間プレート11とフライ
ホイール2との間に挟持されている第1摩擦ディスク3
aにプレッシャープレート10を介するコイルスプリン
グ13からの押圧力はかからなくなるが、第1摩擦ディ
スク3aは第2ストラッププレート22の付勢力によっ
て中間プレート11とフライホイール2との間に挟持さ
れ続け、これらの間で滑りながらある程度のトルク伝達
を果たす。
【0050】レバーストロークが約4mmとなると、図
6、図8(b)及び図5(b)に示す状態となって、ロ
ールピン62とスタッドピン61の頭部61aとの間の
隙間S1(図3及び図8参照)がなくなり、ロールピン
62がスタッドピン61を介してレバー部材27の中間
部の動きに追従するようになる。これにより、ロールピ
ン62が摩擦係止しているアジャスタ部材63及び中間
プレート11も、レバー部材27の中間部の動きに追従
するようになる。したがって、これ以降、プレッシャー
プレート10の動きに連動して中間プレート11が第1
摩擦ディスク3aから離れる向きに移動するようにな
る。この時のプレッシャープレート10及び中間プレー
ト11の移動量の関係は、スタッドピン61がレバー部
材27の中間部に固定されているため、図9(a)に示
すように、中間プレート11の移動量がプレッシャープ
レート10の移動量の約半分になる。
6、図8(b)及び図5(b)に示す状態となって、ロ
ールピン62とスタッドピン61の頭部61aとの間の
隙間S1(図3及び図8参照)がなくなり、ロールピン
62がスタッドピン61を介してレバー部材27の中間
部の動きに追従するようになる。これにより、ロールピ
ン62が摩擦係止しているアジャスタ部材63及び中間
プレート11も、レバー部材27の中間部の動きに追従
するようになる。したがって、これ以降、プレッシャー
プレート10の動きに連動して中間プレート11が第1
摩擦ディスク3aから離れる向きに移動するようにな
る。この時のプレッシャープレート10及び中間プレー
ト11の移動量の関係は、スタッドピン61がレバー部
材27の中間部に固定されているため、図9(a)に示
すように、中間プレート11の移動量がプレッシャープ
レート10の移動量の約半分になる。
【0051】レバーストロークが最大値である20mm
となると、図7、図8(c)及び図5(c)に示すよう
にクラッチが完全に切れた(遮断された)状態となる。
ここでは、中間プレート11もレバー機構26を介して
プレッシャープレート10とともに押圧機構12によっ
て第2軸方向側に持ち上げられた状態となるため、第2
ストラッププレート22の力が第1摩擦ディスク3aに
届かなくなり、第1摩擦ディスク3aによるトルク伝達
も完全に遮断される。
となると、図7、図8(c)及び図5(c)に示すよう
にクラッチが完全に切れた(遮断された)状態となる。
ここでは、中間プレート11もレバー機構26を介して
プレッシャープレート10とともに押圧機構12によっ
て第2軸方向側に持ち上げられた状態となるため、第2
ストラッププレート22の力が第1摩擦ディスク3aに
届かなくなり、第1摩擦ディスク3aによるトルク伝達
も完全に遮断される。
【0052】次に、クラッチ連結動作について説明す
る。
る。
【0053】図7、図8(c)及び図5(c)に示すレ
バーストロークが20mmのクラッチレリーズ状態にお
いて、レリーズ装置からのレリーズレバー43の先端4
3aへの押圧が解除されていくと、プレッシャープレー
ト10がコイルスプリング13の力によって第1軸方向
側に移動していく。これに伴ってレバー部材27が第1
円柱状部材28を中心に回動し、スタッドピン61がレ
バー部材27の中間部に追随して第1軸方向側に移動す
る。
バーストロークが20mmのクラッチレリーズ状態にお
いて、レリーズ装置からのレリーズレバー43の先端4
3aへの押圧が解除されていくと、プレッシャープレー
ト10がコイルスプリング13の力によって第1軸方向
側に移動していく。これに伴ってレバー部材27が第1
円柱状部材28を中心に回動し、スタッドピン61がレ
バー部材27の中間部に追随して第1軸方向側に移動す
る。
【0054】そして、レバーストロークが約4mmとな
ると、図6、図8(b)及び図5(b)に示す状態とな
って、以後、スタッドピン61の頭部61aとロールピ
ン62の第1軸方向側端との間に隙間が生じてくる。こ
れ以降の状態では、スタッドピン61の頭部61aによ
るロールピン62の第1軸方向側への移動の規制がなく
なり、第1摩擦ディスク3aが中間プレート11とフラ
イホイール2との間に第2ストラッププレート22の付
勢力によって挟持される状態となって、第1摩擦ディス
ク3aは両者の間で滑りながらトルクの一部を伝達する
ことになる。
ると、図6、図8(b)及び図5(b)に示す状態とな
って、以後、スタッドピン61の頭部61aとロールピ
ン62の第1軸方向側端との間に隙間が生じてくる。こ
れ以降の状態では、スタッドピン61の頭部61aによ
るロールピン62の第1軸方向側への移動の規制がなく
なり、第1摩擦ディスク3aが中間プレート11とフラ
イホイール2との間に第2ストラッププレート22の付
勢力によって挟持される状態となって、第1摩擦ディス
ク3aは両者の間で滑りながらトルクの一部を伝達する
ことになる。
【0055】さらにプレッシャープレート10が第1軸
方向側に移動してくると、図3、図8(a)及び図5
(a)に示す状態となり、第2摩擦ディスク4aがプレ
ッシャープレート10と中間プレート11との間に、第
1摩擦ディスク3aが中間プレート11とフライホイー
ル2との間に、それぞれコイルスプリング13の押圧力
によって挟持されるようになる。ここでは、コイルスプ
リング13の大きな押圧力によって両摩擦ディスク3
a,4aが挟持され、トルク全体がフライホイール2か
らトランスミッションの入力シャフトへと伝達されるよ
うになる。
方向側に移動してくると、図3、図8(a)及び図5
(a)に示す状態となり、第2摩擦ディスク4aがプレ
ッシャープレート10と中間プレート11との間に、第
1摩擦ディスク3aが中間プレート11とフライホイー
ル2との間に、それぞれコイルスプリング13の押圧力
によって挟持されるようになる。ここでは、コイルスプ
リング13の大きな押圧力によって両摩擦ディスク3
a,4aが挟持され、トルク全体がフライホイール2か
らトランスミッションの入力シャフトへと伝達されるよ
うになる。
【0056】<摩耗追従機構の動作>図3及び図11
(a)に示すように両摩擦ディスク3a,4aが摩耗し
ていない状態から、摩耗して図10及び図11(b)に
示すように第2摩擦ディスク4aの摩耗量が第1摩擦デ
ィスク3aの摩耗量よりも大きくなると、本ツインクラ
ッチ1の摩耗追従機構が働く。
(a)に示すように両摩擦ディスク3a,4aが摩耗し
ていない状態から、摩耗して図10及び図11(b)に
示すように第2摩擦ディスク4aの摩耗量が第1摩擦デ
ィスク3aの摩耗量よりも大きくなると、本ツインクラ
ッチ1の摩耗追従機構が働く。
【0057】第2摩擦ディスク4aの摩耗量が第1摩擦
ディスク3aの摩耗量よりも大きくなると、クラッチ連
結時に、コイルスプリング13の力が摩擦係止している
ロールピン62とアジャスタ部材63とを軸方向に滑ら
せる。すなわち、ロールピン62のアジャスタ部材63
とは、ここにコイルスプリング13からの大きな力がか
かるとスライドするような摩擦力によって、互いに係止
された状態となっている。このロールピン62とアジャ
スタ部材63とのスライドによって、図11に示すよう
に、ロールピン62とスタッドピン61の頭部61aと
の間の隙間S1が広がることなく維持される。これによ
り、摩耗したときにも図9(a)に示す切れ特性が確保
される。
ディスク3aの摩耗量よりも大きくなると、クラッチ連
結時に、コイルスプリング13の力が摩擦係止している
ロールピン62とアジャスタ部材63とを軸方向に滑ら
せる。すなわち、ロールピン62のアジャスタ部材63
とは、ここにコイルスプリング13からの大きな力がか
かるとスライドするような摩擦力によって、互いに係止
された状態となっている。このロールピン62とアジャ
スタ部材63とのスライドによって、図11に示すよう
に、ロールピン62とスタッドピン61の頭部61aと
の間の隙間S1が広がることなく維持される。これによ
り、摩耗したときにも図9(a)に示す切れ特性が確保
される。
【0058】一方、第1摩擦ディスク3aの摩耗量が第
2摩擦ディスク4aの摩耗量よりも大きくなった場合に
は、上記の摩耗追従機構は作動せず、ロールピン62と
スタッドピン61の頭部61aとの間の隙間S1が小さ
くなることによって、ある程度までは摩耗量の差を吸収
することができる。第1摩擦ディスク3aの摩耗量が第
2摩擦ディスク4aの摩耗量よりも大きくなってくる
と、図9(b)に示すように、当初約2mmあったプレ
ッシャープレート10及び中間プレート11が移動し始
めるレバーストロークの差(st1)が、だんだんと小
さくなってくる。すなわち、摩耗量の差が大きくなると
図12(a)に示す所定の隙間S1が図12(b)に示
すように小さくなっていくが、この図12(b)に示す
隙間S2が小さくなるほど両摩擦ディスク3a,4aの
つながりや切れの同時性が向上していく(図9(b)参
照)。
2摩擦ディスク4aの摩耗量よりも大きくなった場合に
は、上記の摩耗追従機構は作動せず、ロールピン62と
スタッドピン61の頭部61aとの間の隙間S1が小さ
くなることによって、ある程度までは摩耗量の差を吸収
することができる。第1摩擦ディスク3aの摩耗量が第
2摩擦ディスク4aの摩耗量よりも大きくなってくる
と、図9(b)に示すように、当初約2mmあったプレ
ッシャープレート10及び中間プレート11が移動し始
めるレバーストロークの差(st1)が、だんだんと小
さくなってくる。すなわち、摩耗量の差が大きくなると
図12(a)に示す所定の隙間S1が図12(b)に示
すように小さくなっていくが、この図12(b)に示す
隙間S2が小さくなるほど両摩擦ディスク3a,4aの
つながりや切れの同時性が向上していく(図9(b)参
照)。
【0059】<本ツインクラッチの特徴> (1)本ツインクラッチ1では、第1摩擦ディスク3a
だけによる最初のトルク伝達は、トルク全体のうちの一
部に留まっている。したがって、この状態では、第1摩
擦ディスク3aと第2摩擦ディスク4aとの位相ズレは
極めて小さいものである。そして、この後両摩擦ディス
ク3a,4aによりトルク全体が伝えられるようになる
ため、プレッシャープレート10から直接コイルスプリ
ング13の押圧力を受ける第2摩擦ディスク4aがつな
がるときに第1摩擦ディスク3aが反動で反対方向に回
転して両摩擦ディスク3a,4aに大きな位相ズレが発
生することが殆どない。言い換えれば、第2摩擦ディス
ク4aがプレッシャープレート10と中間プレート11
との間に挟持されて大きなトルクを伝え始めるときには
既に第1摩擦ディスク3aがトルクの一部を伝えている
状態であるため、第2摩擦ディスク4aがつながった反
動で第1摩擦ディスク3aが第2摩擦ディスク4aと反
対の方向に回動することが殆どなくなり、両者の位相ズ
レが小さくなっている。
だけによる最初のトルク伝達は、トルク全体のうちの一
部に留まっている。したがって、この状態では、第1摩
擦ディスク3aと第2摩擦ディスク4aとの位相ズレは
極めて小さいものである。そして、この後両摩擦ディス
ク3a,4aによりトルク全体が伝えられるようになる
ため、プレッシャープレート10から直接コイルスプリ
ング13の押圧力を受ける第2摩擦ディスク4aがつな
がるときに第1摩擦ディスク3aが反動で反対方向に回
転して両摩擦ディスク3a,4aに大きな位相ズレが発
生することが殆どない。言い換えれば、第2摩擦ディス
ク4aがプレッシャープレート10と中間プレート11
との間に挟持されて大きなトルクを伝え始めるときには
既に第1摩擦ディスク3aがトルクの一部を伝えている
状態であるため、第2摩擦ディスク4aがつながった反
動で第1摩擦ディスク3aが第2摩擦ディスク4aと反
対の方向に回動することが殆どなくなり、両者の位相ズ
レが小さくなっている。
【0060】なお、クラッチ連結時において、第1摩擦
ディスク3aを介してトルクの一部が伝達される状態と
なってから両摩擦ディスク3a,4aを介してトルク全
体が伝達される状態となるまでの時間が余り長くかかる
と第1摩擦ディスク3aと第2摩擦ディスク4aとの位
相ズレが大きくなるため、図9(a)に示すように、第
1摩擦ディスク3aからつなぎ始めるようにしつつも、
その後すばやく第2摩擦ディスク4aがつながるように
設定している。
ディスク3aを介してトルクの一部が伝達される状態と
なってから両摩擦ディスク3a,4aを介してトルク全
体が伝達される状態となるまでの時間が余り長くかかる
と第1摩擦ディスク3aと第2摩擦ディスク4aとの位
相ズレが大きくなるため、図9(a)に示すように、第
1摩擦ディスク3aからつなぎ始めるようにしつつも、
その後すばやく第2摩擦ディスク4aがつながるように
設定している。
【0061】(2)また、第2摩擦ディスク4aの摩耗
量が第1摩擦ディスク3aの摩耗量よりも大きくなった
場合、何ら手当てをしなければ、第2摩擦ディスク4a
がつながるタイミングが遅くなって第1摩擦ディスク3
aだけによるトルクの伝達の時間が長くなる。すると、
第2摩擦ディスク4aがつながる前にかなりのトルクが
伝達される状態となり、第2摩擦ディスク4aがつなが
るときには、両摩擦ディスク3a,4aの位相ズレが大
きくなってしまう。
量が第1摩擦ディスク3aの摩耗量よりも大きくなった
場合、何ら手当てをしなければ、第2摩擦ディスク4a
がつながるタイミングが遅くなって第1摩擦ディスク3
aだけによるトルクの伝達の時間が長くなる。すると、
第2摩擦ディスク4aがつながる前にかなりのトルクが
伝達される状態となり、第2摩擦ディスク4aがつなが
るときには、両摩擦ディスク3a,4aの位相ズレが大
きくなってしまう。
【0062】これに対して本ツインクラッチ1では、上
記の摩耗追従機構を設けているため、隙間S1が大きく
ならず、第1摩擦ディスクがトルクの一部を伝達し始め
てから両摩擦ディスク3a,4aによりトルク全体を伝
達するようになるまでの時間が長くなることはない。こ
のため、第2摩擦ディスク4aの摩耗量が第1摩擦ディ
スク3aの摩耗量よりも大きくなった場合にも、両摩擦
ディスク3a,4aの位相ズレが許容範囲内に収まる。
記の摩耗追従機構を設けているため、隙間S1が大きく
ならず、第1摩擦ディスクがトルクの一部を伝達し始め
てから両摩擦ディスク3a,4aによりトルク全体を伝
達するようになるまでの時間が長くなることはない。こ
のため、第2摩擦ディスク4aの摩耗量が第1摩擦ディ
スク3aの摩耗量よりも大きくなった場合にも、両摩擦
ディスク3a,4aの位相ズレが許容範囲内に収まる。
【0063】(3)本ツインクラッチ1では、コイルス
プリング13の押圧力をプレッシャープレート10から
直接受ける第2摩擦ディスク4aの方からトルクの遮断
を始めている。この第2摩擦ディスク4aをプレッシャ
ープレート10及び中間プレート11から離していけ
ば、必然的に中間プレート11とフライホイール2との
間にある第1摩擦ディスク3aにかかるコイルスプリン
グ13による押圧力も小さくなり、第2摩擦ディスク4
aによるトルク伝達が小さくなるに従って第1摩擦ディ
スク3aによるトルク伝達も小さなものとなる。そし
て、第2摩擦ディスク4aを切った後すばやく第1摩擦
ディスク3aを切るように設定しているため、ツインク
ラッチ1の切れ性能が確保されている。
プリング13の押圧力をプレッシャープレート10から
直接受ける第2摩擦ディスク4aの方からトルクの遮断
を始めている。この第2摩擦ディスク4aをプレッシャ
ープレート10及び中間プレート11から離していけ
ば、必然的に中間プレート11とフライホイール2との
間にある第1摩擦ディスク3aにかかるコイルスプリン
グ13による押圧力も小さくなり、第2摩擦ディスク4
aによるトルク伝達が小さくなるに従って第1摩擦ディ
スク3aによるトルク伝達も小さなものとなる。そし
て、第2摩擦ディスク4aを切った後すばやく第1摩擦
ディスク3aを切るように設定しているため、ツインク
ラッチ1の切れ性能が確保されている。
【0064】一方、第1摩擦ディスク3aが第2摩擦デ
ィスク4aよりも摩耗すると、第1摩擦ディスク3aを
介するトルク伝達を遮断するときのタイミングが相対的
に早くなることになる。しかしながら、ここでは当初の
設定として第1摩擦ディスク3aが切れ始めるタイミン
グを第2摩擦ディスク4aが切れ始めるタイミングより
も若干遅く設定しているため、第1摩擦ディスク3aが
摩耗していっても、両者の切れ始めるタイミングの時間
差が小さくなるだけで済む(図9参照)。そしてここで
は、必要なツインクラッチ1の寿命と両摩擦ディスク3
a,4aの摩耗量を考慮に入れて両摩擦ディスク3a,
4aの切れ始めるタイミングの差を当初に適切に設定し
ているため、第1摩擦ディスク3aが第2摩擦ディスク
4aよりも大きく摩耗したときに作用するような摩耗追
従機構(上記ロールピン62やアジャスタ部材63から
成る摩耗追従機構とは別の機構)を設けていないにもか
かわらず、摩耗していったときのツインクラッチ1の切
れ性能や位相ズレの少なさが確保される。
ィスク4aよりも摩耗すると、第1摩擦ディスク3aを
介するトルク伝達を遮断するときのタイミングが相対的
に早くなることになる。しかしながら、ここでは当初の
設定として第1摩擦ディスク3aが切れ始めるタイミン
グを第2摩擦ディスク4aが切れ始めるタイミングより
も若干遅く設定しているため、第1摩擦ディスク3aが
摩耗していっても、両者の切れ始めるタイミングの時間
差が小さくなるだけで済む(図9参照)。そしてここで
は、必要なツインクラッチ1の寿命と両摩擦ディスク3
a,4aの摩耗量を考慮に入れて両摩擦ディスク3a,
4aの切れ始めるタイミングの差を当初に適切に設定し
ているため、第1摩擦ディスク3aが第2摩擦ディスク
4aよりも大きく摩耗したときに作用するような摩耗追
従機構(上記ロールピン62やアジャスタ部材63から
成る摩耗追従機構とは別の機構)を設けていないにもか
かわらず、摩耗していったときのツインクラッチ1の切
れ性能や位相ズレの少なさが確保される。
【0065】[第2実施形態]第1実施形態ではレバー
部材27のR2側端部27bを第2円柱状部材51等を
介してプレッシャープレート10に回転可能に支持して
いるが(図3参照)、これよりも簡易な図13及び図1
4に示すような構造を用いてレバー部材27のR2側端
部27bを支持させることもできる。
部材27のR2側端部27bを第2円柱状部材51等を
介してプレッシャープレート10に回転可能に支持して
いるが(図3参照)、これよりも簡易な図13及び図1
4に示すような構造を用いてレバー部材27のR2側端
部27bを支持させることもできる。
【0066】本実施形態では、図13及び図14に示す
ように、固定部材71と、支持部材72と、押さえ部材
73と、ワッシャー74と、ボルト75とによって、レ
バー部材27のR2側端部27bをプレッシャープレー
ト10に支持している。固定部材71は、ローレット7
1aが鋳物であるプレッシャープレート10に打ち込ま
れ、プレッシャープレート10に固定される。この固定
部材71の円柱部71bには、支持部材72及び押さえ
部材73が回転自在にはめ込まれる。すなわち、支持部
材72及び押さえ部材73はそれぞれ孔を有しており、
これらの孔を固定部材71の円柱部71bが貫通する状
態となる。その上で、支持部材72及び押さえ部材73
が固定部材71から抜けないように、ワッシャー74で
蓋がされ、ボルト75が円柱部71bの端面にねじ込ま
れる。支持部材72はまた、第1軸方向側の端部からツ
インクラッチ1の径方向外方に延びる支持部72aを有
している。この支持部72aは、押さえ部材73との間
にレバー部材27のR2側端部27bを挟み込み、R2
側端部27bに第1軸方向側から当接する。このように
支持部材72及び押さえ部材73はレバー部材27のR
2側端部27bを挟み込むが、R2側端部27bに当接
する面には溝72b,73aが設けられている。この溝
72b,73aにはグリースが注入されており、レバー
部材27のR2側端部27bが支持部材72及び押さえ
部材73に対してスライドし易いようになっている。
ように、固定部材71と、支持部材72と、押さえ部材
73と、ワッシャー74と、ボルト75とによって、レ
バー部材27のR2側端部27bをプレッシャープレー
ト10に支持している。固定部材71は、ローレット7
1aが鋳物であるプレッシャープレート10に打ち込ま
れ、プレッシャープレート10に固定される。この固定
部材71の円柱部71bには、支持部材72及び押さえ
部材73が回転自在にはめ込まれる。すなわち、支持部
材72及び押さえ部材73はそれぞれ孔を有しており、
これらの孔を固定部材71の円柱部71bが貫通する状
態となる。その上で、支持部材72及び押さえ部材73
が固定部材71から抜けないように、ワッシャー74で
蓋がされ、ボルト75が円柱部71bの端面にねじ込ま
れる。支持部材72はまた、第1軸方向側の端部からツ
インクラッチ1の径方向外方に延びる支持部72aを有
している。この支持部72aは、押さえ部材73との間
にレバー部材27のR2側端部27bを挟み込み、R2
側端部27bに第1軸方向側から当接する。このように
支持部材72及び押さえ部材73はレバー部材27のR
2側端部27bを挟み込むが、R2側端部27bに当接
する面には溝72b,73aが設けられている。この溝
72b,73aにはグリースが注入されており、レバー
部材27のR2側端部27bが支持部材72及び押さえ
部材73に対してスライドし易いようになっている。
【0067】ここでは、R2側端部27bのスライドや
支持部材72及び押さえ部材73の固定部材71に対す
る回転によって、第1実施形態と同様に、クラッチ動作
によってレバー部材27が傾いたときにも剛性の高いレ
バー部材27が大きな変形を強いられることがなくな
る。また、図3に示す嵌合部材52に第2円柱状部材5
1を嵌合させる構造よりも簡易な構造となる。
支持部材72及び押さえ部材73の固定部材71に対す
る回転によって、第1実施形態と同様に、クラッチ動作
によってレバー部材27が傾いたときにも剛性の高いレ
バー部材27が大きな変形を強いられることがなくな
る。また、図3に示す嵌合部材52に第2円柱状部材5
1を嵌合させる構造よりも簡易な構造となる。
【0068】[第3実施形態]第1実施形態においては
図3に示すレバー機構及び摩擦追従機構を採用している
が、図15に示すようなレバー機構及び摩耗追従機構を
採用することもできる。
図3に示すレバー機構及び摩擦追従機構を採用している
が、図15に示すようなレバー機構及び摩耗追従機構を
採用することもできる。
【0069】<レバー機構>図15に示すレバー機構及
び摩耗追従機構は、主として、弾性レバー部材127
と、高剛性部材183と、スタッドピン161と、ロー
ルピン162と、アジャスタ部材163とから構成され
ている。
び摩耗追従機構は、主として、弾性レバー部材127
と、高剛性部材183と、スタッドピン161と、ロー
ルピン162と、アジャスタ部材163とから構成され
ている。
【0070】弾性レバー部材127は、高剛性部材18
3よりも剛性が低く弾性変形を許容する部材である。こ
の弾性レバー部材127は、ツインクラッチ1の外周接
線方向に延びている。弾性レバー部材127のR1側端
部127aは、ボルト182によってフライホイールス
ペーサー7に固定されている。弾性レバー部材127の
R2側端部127bは、図15に示すように第1軸方向
側に盛り上がるように湾曲しており、その頂部が突出部
材153の突出部153aに第2軸方向側から当接して
いる。突出部材153は、プレッシャープレート10の
外周面にボルト154により固定されており、その突出
部153aが径方向外方に突出している。
3よりも剛性が低く弾性変形を許容する部材である。こ
の弾性レバー部材127は、ツインクラッチ1の外周接
線方向に延びている。弾性レバー部材127のR1側端
部127aは、ボルト182によってフライホイールス
ペーサー7に固定されている。弾性レバー部材127の
R2側端部127bは、図15に示すように第1軸方向
側に盛り上がるように湾曲しており、その頂部が突出部
材153の突出部153aに第2軸方向側から当接して
いる。突出部材153は、プレッシャープレート10の
外周面にボルト154により固定されており、その突出
部153aが径方向外方に突出している。
【0071】弾性レバー部材127の中間部には、スタ
ッドピン161の第2軸方向側端部が固定されている。
スタッドピン161は、弾性レバー部材127の中間部
から第1軸方向側に延びており、第1軸方向側端が一回
り径の大きな円板状の頭部161aとなっている。スタ
ッドピン161の中央部分にある円柱部の周囲には、若
干の隙間を開けてロールピン162が配置されている。
ロールピン162は、軸方向に延びるスリットが形成さ
れている部材であり、クラッチ連結時に第2軸方向側端
が間接部材184を介して高剛性部材183の中間部に
接するように、アジャスタ部材163によって摩擦係止
されている。ロールピン162の第1方向側端とスタッ
ドピン161の頭部161aとの間には、図15に示す
クラッチ連結状態において隙間が存在する。なお、アジ
ャスタ部材163は、中間プレート11に固定される部
材であって、ロールピン162を覆う筒部を有してい
る。このアジャスタ部材163の筒部には、ロールピン
162の自身の拡張によりロールピン162が押しつけ
られている。このロールピン162のアジャスタ部材1
63の筒部への押しつけ力によって、ロールピン162
はアジャスタ部材163の筒部に対して軸方向に所定以
上の力が作用するまでは移動不能となっている。
ッドピン161の第2軸方向側端部が固定されている。
スタッドピン161は、弾性レバー部材127の中間部
から第1軸方向側に延びており、第1軸方向側端が一回
り径の大きな円板状の頭部161aとなっている。スタ
ッドピン161の中央部分にある円柱部の周囲には、若
干の隙間を開けてロールピン162が配置されている。
ロールピン162は、軸方向に延びるスリットが形成さ
れている部材であり、クラッチ連結時に第2軸方向側端
が間接部材184を介して高剛性部材183の中間部に
接するように、アジャスタ部材163によって摩擦係止
されている。ロールピン162の第1方向側端とスタッ
ドピン161の頭部161aとの間には、図15に示す
クラッチ連結状態において隙間が存在する。なお、アジ
ャスタ部材163は、中間プレート11に固定される部
材であって、ロールピン162を覆う筒部を有してい
る。このアジャスタ部材163の筒部には、ロールピン
162の自身の拡張によりロールピン162が押しつけ
られている。このロールピン162のアジャスタ部材1
63の筒部への押しつけ力によって、ロールピン162
はアジャスタ部材163の筒部に対して軸方向に所定以
上の力が作用するまでは移動不能となっている。
【0072】高剛性部材183は、弾性レバー部材12
7よりも厚みの厚い板状部材であって、弾性レバー部材
127よりも剛性の高い部材である。この高剛性部材1
83は、ツインクラッチ1の外周接線方向に延びてい
る。
7よりも厚みの厚い板状部材であって、弾性レバー部材
127よりも剛性の高い部材である。この高剛性部材1
83は、ツインクラッチ1の外周接線方向に延びてい
る。
【0073】高剛性部材183のR1側端部183a
は、図15に示すように第2軸方向側に盛り上がるよう
に湾曲しており、その頂部が部材181のR2側部に第
1軸方向側から当接している。部材181は、R1側部
がボルト182によって弾性レバー部材127のR1側
端部127aとともにフライホイールスペーサー7に固
定されており、R1側部に対して第1軸方向側にオフセ
ットされているR2側部が高剛性部材183のR1側端
部183aに当接している。
は、図15に示すように第2軸方向側に盛り上がるよう
に湾曲しており、その頂部が部材181のR2側部に第
1軸方向側から当接している。部材181は、R1側部
がボルト182によって弾性レバー部材127のR1側
端部127aとともにフライホイールスペーサー7に固
定されており、R1側部に対して第1軸方向側にオフセ
ットされているR2側部が高剛性部材183のR1側端
部183aに当接している。
【0074】高剛性部材183のR2側端部183b
は、図15に示すように第2軸方向側に盛り上がるよう
に湾曲しており、その頂部が突出部材153の突出部1
53aに第1軸方向側から当接している。
は、図15に示すように第2軸方向側に盛り上がるよう
に湾曲しており、その頂部が突出部材153の突出部1
53aに第1軸方向側から当接している。
【0075】高剛性部材183の中間部には孔が設けら
れており、この孔に前述のスタッドピン161が貫通し
ている。そして、この高剛性部材183の中間部には、
第1軸方向側から間接部材184が当接している。
れており、この孔に前述のスタッドピン161が貫通し
ている。そして、この高剛性部材183の中間部には、
第1軸方向側から間接部材184が当接している。
【0076】また、高剛性部材183がスタッドピン1
61を中心として回転しないように、図示しない回り止
め部材が設けられている。
61を中心として回転しないように、図示しない回り止
め部材が設けられている。
【0077】<ツインクラッチの動作>次に、クラッチ
連結動作及びクラッチレリーズ動作について説明する。
連結動作及びクラッチレリーズ動作について説明する。
【0078】まず最初に、クラッチレリーズ動作につい
て説明する。
て説明する。
【0079】クラッチ連結状態からレリーズレバー43
に図示しないレリーズ装置から押圧荷重が作用すると、
プレッシャープレート10が第2軸方向側に移動し始め
る。ここでは、プレッシャープレート10の移動に伴っ
て弾性レバー部材127のR2側端部127bが第2軸
方向側に持ち上がって弾性レバー部材127が傾斜し、
弾性レバー部材127の中間部も第2軸方向側に持ち上
がる。しかし、弾性レバー部材127の中間部が持ち上
がってスタッドピン161が第2軸方向側に移動して
も、スタッドピン161の頭部161aとロールピン1
62との間の隙間がなくなってスタッドピン161の頭
部161aがロールピン162に当たるまでは、中間プ
レート11はプレッシャープレート10の動きに連動し
ない。したがって、このときにはプレッシャープレート
10が持ち上がることによって中間プレート11とフラ
イホイール2との間に挟持されている第1摩擦ディスク
3aにプレッシャープレート10を介するコイルスプリ
ング13からの押圧力はかからなくなるが、第1摩擦デ
ィスク3aは第2ストラッププレート22の付勢力によ
って中間プレート11とフライホイール2との間に挟持
され続け、これらの間で滑りながらある程度のトルク伝
達を果たす。
に図示しないレリーズ装置から押圧荷重が作用すると、
プレッシャープレート10が第2軸方向側に移動し始め
る。ここでは、プレッシャープレート10の移動に伴っ
て弾性レバー部材127のR2側端部127bが第2軸
方向側に持ち上がって弾性レバー部材127が傾斜し、
弾性レバー部材127の中間部も第2軸方向側に持ち上
がる。しかし、弾性レバー部材127の中間部が持ち上
がってスタッドピン161が第2軸方向側に移動して
も、スタッドピン161の頭部161aとロールピン1
62との間の隙間がなくなってスタッドピン161の頭
部161aがロールピン162に当たるまでは、中間プ
レート11はプレッシャープレート10の動きに連動し
ない。したがって、このときにはプレッシャープレート
10が持ち上がることによって中間プレート11とフラ
イホイール2との間に挟持されている第1摩擦ディスク
3aにプレッシャープレート10を介するコイルスプリ
ング13からの押圧力はかからなくなるが、第1摩擦デ
ィスク3aは第2ストラッププレート22の付勢力によ
って中間プレート11とフライホイール2との間に挟持
され続け、これらの間で滑りながらある程度のトルク伝
達を果たす。
【0080】ロールピン162とスタッドピン161の
頭部161aとの間の隙間がなくなると、ロールピン1
62がスタッドピン161を介して弾性レバー部材12
7の中間部の動きに追従するようになる。これにより、
ロールピン162が摩擦係止しているアジャスタ部材1
63及び中間プレート11も、弾性レバー部材127の
中間部の動きに追従するようになる。したがって、これ
以降、プレッシャープレート10の動きに連動して中間
プレート11が第1摩擦ディスク3aから離れる向きに
移動するようになる。この時のプレッシャープレート1
0及び中間プレート11の移動量の関係は、スタッドピ
ン161が弾性レバー部材127の中間部に固定されて
いるため、図9(a)に示すように、中間プレート11
の移動量がプレッシャープレート10の移動量の約半分
になる。
頭部161aとの間の隙間がなくなると、ロールピン1
62がスタッドピン161を介して弾性レバー部材12
7の中間部の動きに追従するようになる。これにより、
ロールピン162が摩擦係止しているアジャスタ部材1
63及び中間プレート11も、弾性レバー部材127の
中間部の動きに追従するようになる。したがって、これ
以降、プレッシャープレート10の動きに連動して中間
プレート11が第1摩擦ディスク3aから離れる向きに
移動するようになる。この時のプレッシャープレート1
0及び中間プレート11の移動量の関係は、スタッドピ
ン161が弾性レバー部材127の中間部に固定されて
いるため、図9(a)に示すように、中間プレート11
の移動量がプレッシャープレート10の移動量の約半分
になる。
【0081】図9(a)に示すレバーストロークが大き
くなると、クラッチが完全に切れた(遮断された)状態
となる。ここでは、中間プレート11もレバー機構を介
してプレッシャープレート10とともに押圧機構12に
よって第2軸方向側に持ち上げられた状態となるため、
第2ストラッププレート22の力が第1摩擦ディスク3
aに届かなくなり、第1摩擦ディスク3aによるトルク
伝達も完全に遮断される。
くなると、クラッチが完全に切れた(遮断された)状態
となる。ここでは、中間プレート11もレバー機構を介
してプレッシャープレート10とともに押圧機構12に
よって第2軸方向側に持ち上げられた状態となるため、
第2ストラッププレート22の力が第1摩擦ディスク3
aに届かなくなり、第1摩擦ディスク3aによるトルク
伝達も完全に遮断される。
【0082】次に、クラッチ連結動作について説明す
る。
る。
【0083】クラッチレリーズ状態において、レリーズ
装置からのレリーズレバー43の先端43aへの押圧が
解除されていくと、プレッシャープレート10がコイル
スプリング13の力によって第1軸方向側に移動してい
く。これに伴って弾性レバー部材127がR1側端部1
27aを中心に回動し、スタッドピン161が弾性レバ
ー部材127の中間部に追随して第1軸方向側に移動す
る。
装置からのレリーズレバー43の先端43aへの押圧が
解除されていくと、プレッシャープレート10がコイル
スプリング13の力によって第1軸方向側に移動してい
く。これに伴って弾性レバー部材127がR1側端部1
27aを中心に回動し、スタッドピン161が弾性レバ
ー部材127の中間部に追随して第1軸方向側に移動す
る。
【0084】そして、図9(a)に示すレバーストロー
クが約4mmとなると、スタッドピン161の頭部16
1aとロールピン162の第1軸方向側端との間に隙間
が生じてくる。これ以降の状態では、スタッドピン16
1の頭部161aによるロールピン162の第1軸方向
側への移動の規制がなくなり、第1摩擦ディスク3aが
中間プレート11とフライホイール2との間に第2スト
ラッププレート22の付勢力によって挟持される状態と
なって、第1摩擦ディスク3aは両者の間で滑りながら
トルクの一部を伝達することになる。
クが約4mmとなると、スタッドピン161の頭部16
1aとロールピン162の第1軸方向側端との間に隙間
が生じてくる。これ以降の状態では、スタッドピン16
1の頭部161aによるロールピン162の第1軸方向
側への移動の規制がなくなり、第1摩擦ディスク3aが
中間プレート11とフライホイール2との間に第2スト
ラッププレート22の付勢力によって挟持される状態と
なって、第1摩擦ディスク3aは両者の間で滑りながら
トルクの一部を伝達することになる。
【0085】さらにプレッシャープレート10が第1軸
方向側に移動してくると、第2摩擦ディスク4aがプレ
ッシャープレート10と中間プレート11との間に、第
1摩擦ディスク3aが中間プレート11とフライホイー
ル2との間に、それぞれコイルスプリング13の押圧力
によって挟持されるようになる。ここでは、コイルスプ
リング13の大きな押圧力によって両摩擦ディスク3
a,4aが挟持され、トルク全体がフライホイール2か
らトランスミッションの入力シャフトへと伝達されるよ
うになる。
方向側に移動してくると、第2摩擦ディスク4aがプレ
ッシャープレート10と中間プレート11との間に、第
1摩擦ディスク3aが中間プレート11とフライホイー
ル2との間に、それぞれコイルスプリング13の押圧力
によって挟持されるようになる。ここでは、コイルスプ
リング13の大きな押圧力によって両摩擦ディスク3
a,4aが挟持され、トルク全体がフライホイール2か
らトランスミッションの入力シャフトへと伝達されるよ
うになる。
【0086】<摩耗追従機構の動作>両摩擦ディスク3
a,4aが摩耗していない状態から、摩耗して第2摩擦
ディスク4aの摩耗量が第1摩擦ディスク3aの摩耗量
よりも大きくなると、摩耗追従機構が働く。
a,4aが摩耗していない状態から、摩耗して第2摩擦
ディスク4aの摩耗量が第1摩擦ディスク3aの摩耗量
よりも大きくなると、摩耗追従機構が働く。
【0087】第2摩擦ディスク4aの摩耗量が第1摩擦
ディスク3aの摩耗量よりも大きくなると、クラッチ連
結時に、コイルスプリング13の力が、突出部材15
3、高剛性部材183、及び間接部材184を介して、
ロールピン162に作用する。そして、この力は、摩擦
係止しているロールピン162とアジャスタ部材163
とを軸方向に滑らせる。このロールピン162とアジャ
スタ部材163とのスライドによって、ロールピン16
2とスタッドピン161の頭部161aとの間の隙間が
広がることなく維持される。これにより、摩耗したとき
にも図9(a)に示す切れ特性が確保される。
ディスク3aの摩耗量よりも大きくなると、クラッチ連
結時に、コイルスプリング13の力が、突出部材15
3、高剛性部材183、及び間接部材184を介して、
ロールピン162に作用する。そして、この力は、摩擦
係止しているロールピン162とアジャスタ部材163
とを軸方向に滑らせる。このロールピン162とアジャ
スタ部材163とのスライドによって、ロールピン16
2とスタッドピン161の頭部161aとの間の隙間が
広がることなく維持される。これにより、摩耗したとき
にも図9(a)に示す切れ特性が確保される。
【0088】一方、第1摩擦ディスク3aの摩耗量が第
2摩擦ディスク4aの摩耗量よりも大きくなった場合に
は、上記の摩耗追従機構は作動せず、ロールピン162
とスタッドピン161の頭部161aとの間の隙間が小
さくなる。これによって、ある程度までは摩耗量の差を
吸収することができる。第1摩擦ディスク3aの摩耗量
が第2摩擦ディスク4aの摩耗量よりも大きくなってく
ると、図9(b)に示すように、当初約2mmあったプ
レッシャープレート10及び中間プレート11が移動し
始めるレバーストロークの差(st1)が、だんだんと
小さくなってくる。すなわち、摩耗量の差が大きくなる
とロールピン162とスタッドピン161の頭部161
aとの間の隙間が小さくなっていくが、この隙間が小さ
くなるほど両摩擦ディスク3a,4aのつながりや切れ
の同時性が向上していく(図9(b)参照)。
2摩擦ディスク4aの摩耗量よりも大きくなった場合に
は、上記の摩耗追従機構は作動せず、ロールピン162
とスタッドピン161の頭部161aとの間の隙間が小
さくなる。これによって、ある程度までは摩耗量の差を
吸収することができる。第1摩擦ディスク3aの摩耗量
が第2摩擦ディスク4aの摩耗量よりも大きくなってく
ると、図9(b)に示すように、当初約2mmあったプ
レッシャープレート10及び中間プレート11が移動し
始めるレバーストロークの差(st1)が、だんだんと
小さくなってくる。すなわち、摩耗量の差が大きくなる
とロールピン162とスタッドピン161の頭部161
aとの間の隙間が小さくなっていくが、この隙間が小さ
くなるほど両摩擦ディスク3a,4aのつながりや切れ
の同時性が向上していく(図9(b)参照)。
【0089】
【発明の効果】本発明では、第2摩擦連結部がプレッシ
ャープレートと中間部材との間に挟持されて大きなトル
クを伝え始めるときには既に第1摩擦連結部がトルクの
一部を伝えている状態であるため、第2摩擦連結部がつ
ながった反動で第1摩擦連結部が第2摩擦連結部と反対
の方向に回動することが殆どなくなり、両者の位相ズレ
を小さくすることができる。さらに、ツインクラッチに
摩耗追従機構を設けているため、第2摩擦連結部の摩耗
量が第1摩擦連結部の摩耗量よりも大きくなった場合に
も、両摩擦連結部の位相ズレを許容範囲内に収めること
ができる。
ャープレートと中間部材との間に挟持されて大きなトル
クを伝え始めるときには既に第1摩擦連結部がトルクの
一部を伝えている状態であるため、第2摩擦連結部がつ
ながった反動で第1摩擦連結部が第2摩擦連結部と反対
の方向に回動することが殆どなくなり、両者の位相ズレ
を小さくすることができる。さらに、ツインクラッチに
摩耗追従機構を設けているため、第2摩擦連結部の摩耗
量が第1摩擦連結部の摩耗量よりも大きくなった場合に
も、両摩擦連結部の位相ズレを許容範囲内に収めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るツインクラッチの縦
断面概略図。
断面概略図。
【図2】ツインクラッチの一部透視平面図。
【図3】ツインクラッチの側面図。
【図4】第1円柱状部材のフライホイールスペーサーへ
の装着断面図。
の装着断面図。
【図5】ツインクラッチの動作説明図。
【図6】ツインクラッチの側面一状態図。
【図7】ツインクラッチの側面一状態図。
【図8】ツインクラッチの動作説明のための模式図。
【図9】ツインクラッチの切れ特性図。
【図10】ツインクラッチの側面一状態図。
【図11】ツインクラッチの摩擦ディスク摩耗の説明
図。
図。
【図12】ツインクラッチの摩擦ディスク摩耗の説明
図。
図。
【図13】第2実施形態のツインクラッチの側面図。
【図14】第2実施形態のレバー部材端部の支持構造
図。
図。
【図15】第3実施形態のツインクラッチの側面図。
1 ツインクラッチ 2 フライホイール 3 第1クラッチディスク組立体 3a 第1摩擦ディスク(第1摩擦連結部) 4 第2クラッチディスク組立体 4a 第2摩擦ディスク(第2摩擦連結部) 7 フライホイールスペーサー 8 クラッチカバー 10 プレッシャープレート 11 中間プレート(中間部材) 12 押圧機構 22 第2ストラッププレート(付勢部材) 26 レバー機構(連動機構)
Claims (5)
- 【請求項1】摩擦面を有するフライホイールとトランス
ミッションのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮
断を行うツインクラッチであって、 前記フライホイールの摩擦面に近接して配置された第1
摩擦連結部を有し、前記シャフトにトルクを伝達可能な
第1クラッチディスク組立体と、 前記第1摩擦連結部の前記フライホイール側と反対側に
配置された第2摩擦連結部を有し、前記シャフトにトル
クを伝達可能な第2クラッチディスク組立体と、 前記第2摩擦連結部の前記フライホイール側と反対側に
配置され、前記フライホイールに固定されるクラッチカ
バーと、 前記第1摩擦連結部と前記第2摩擦連結部との軸方向間
に配置され、前記フライホイールに連動して回転する中
間部材と、 前記第2摩擦連結部と前記クラッチカバーとの軸方向間
に配置され、前記クラッチカバーに連動して回転するプ
レッシャープレートと、 前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレ
ートに対する前記フライホイール側への押圧及び押圧解
除を行う押圧機構と、 前記中間部材の軸方向移動量が前記プレッシャープレー
トの軸方向移動量よりも少なくなるように、前記プレッ
シャープレートの移動と前記中間部材の移動とを連動さ
せる連動機構と、 前記第2摩擦連結部の摩耗量が前記第1摩擦連結部の摩
耗量よりも大きくなった場合に、前記プレッシャープレ
ートと前記中間部材との軸方向相対距離を、前記第2摩
擦連結部の摩耗量と前記第1摩擦連結部の摩耗量の差に
応じて変化させる摩耗追従機構と、を備え、 トルク遮断からトルク伝達への移行時には、まず前記第
1摩擦連結部を介してトルクの一部が伝達される状態と
なり、次に前記第1及び第2摩擦連結部を介してトルク
全体が伝達される状態となる、ツインクラッチ。 - 【請求項2】トルク遮断からトルク伝達への移行時に
は、まず前記第1摩擦連結部が前記フライホイールと前
記中間部材との間で滑り、次に前記第2摩擦連結部が前
記プレッシャープレートと前記中間部材との間に挟持さ
れ第1摩擦連結部が前記フライホイールと前記中間部材
との間に挟持される、請求項1に記載のツインクラッ
チ。 - 【請求項3】前記押圧機構による押圧力よりも小さい力
で前記中間部材を前記フライホイール側に付勢する付勢
部材をさらに備え、 トルク遮断からトルク伝達への移行時には、まず前記第
1摩擦連結部が前記付勢部材の付勢力により前記フライ
ホイールと前記中間部材との間に挟まれながら滑る状態
となり、次に前記押圧機構の押圧力により前記第2摩擦
連結部が前記プレッシャープレートと前記中間部材との
間に挟持され前記第1摩擦連結部が前記フライホイール
と前記中間部材との間に挟持される、請求項2に記載の
ツインクラッチ。 - 【請求項4】トルク伝達からトルク遮断への移行時に、
まず前記第2摩擦連結部を介するトルク伝達を遮断し始
め、次に両摩擦連結部を介するトルク伝達を遮断するよ
うに設定される、請求項1から3のいずれかに記載のツ
インクラッチ。 - 【請求項5】トルク遮断からトルク伝達への移行時に、
まず前記プレッシャープレートが所定量だけ前記フライ
ホイールから離れ、次に前記中間部材が前記プレッシャ
ープレートの移動に連動し始め前記プレッシャープレー
トの軸方向移動量に対して前記中間部材の軸方向移動量
が比例し且つ少なくなるように前記プレッシャープレー
ト及び前記中間部材が前記フライホイールから離れるよ
うに設定される、請求項4に記載のツインクラッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11078511A JP2000274448A (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | ツインクラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11078511A JP2000274448A (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | ツインクラッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000274448A true JP2000274448A (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=13663975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11078511A Pending JP2000274448A (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | ツインクラッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000274448A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1475550A1 (de) * | 2003-05-06 | 2004-11-10 | ZF Sachs AG | Reibungskupplung |
CN102588461A (zh) * | 2012-02-15 | 2012-07-18 | 桂林福达股份有限公司 | 一种减小离合器盖总成传动片内阻力的方法 |
-
1999
- 1999-03-23 JP JP11078511A patent/JP2000274448A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1475550A1 (de) * | 2003-05-06 | 2004-11-10 | ZF Sachs AG | Reibungskupplung |
CN102588461A (zh) * | 2012-02-15 | 2012-07-18 | 桂林福达股份有限公司 | 一种减小离合器盖总成传动片内阻力的方法 |
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