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JPH11335256A - 皮膚化粧料 - Google Patents

皮膚化粧料

Info

Publication number
JPH11335256A
JPH11335256A JP10141355A JP14135598A JPH11335256A JP H11335256 A JPH11335256 A JP H11335256A JP 10141355 A JP10141355 A JP 10141355A JP 14135598 A JP14135598 A JP 14135598A JP H11335256 A JPH11335256 A JP H11335256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
agrimol
skin
compound
agrimophor
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10141355A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Tada
明弘 多田
Takayuki Katagiri
崇行 片桐
Tomoyoshi Kato
朋美 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pola Orbis Holdings Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pola Chemical Industries Inc filed Critical Pola Chemical Industries Inc
Priority to JP10141355A priority Critical patent/JPH11335256A/ja
Publication of JPH11335256A publication Critical patent/JPH11335256A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色素沈着による皮膚の黒化をきわめて効果的
に予防または改善することができるばかりか、皮膚に対
する弊害がなく安全に使用することができる皮膚化粧料
を提供する。 【解決手段】 アグリモフォル、アグリモールA、アグ
リモールB、アグリモールC、アグリモールD、アグリ
モールE、アグリモールFおよびアグリモールGより選
ばれる一種または二種以上を、好ましくは、化粧料全量
に対して0.001〜10重量%の割合で含有させて皮
膚化粧料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は皮膚化粧料に関し、
詳しくは、メラニンの産生を抑制し、日焼け後の色素沈
着、シミ・ソバカス等の予防または改善効果を有する皮
膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】シミ、ソバカスや日焼け後の色素沈着
は、皮膚内に存在する色素細胞(メラノサイト)の活性
化によりメラニン産生が著しく亢進した結果生ずるもの
であり、特に中高年齢層の人々では、深刻な肌の悩みの
一つになっている。一般にメラニンは、メラノサイトの
中で生合成される酵素チロシナーゼの働きによって、チ
ロシンからドーパ、ドーパからドーパキノンに変化し、
ついで5,6−ジヒドロキシインドール等の中間体を経
て形成された後、メラノサイトから周りの基底細胞(ケ
ラチノサイト)に送り込まれて、そこに貯蔵されるもの
とされている。
【0003】従って、皮膚の色素沈着を予防、改善する
ためには、メラニン産生過程を阻害すること、あるいは
既に産生したメラニンを淡色漂白することが考えられ
る。このような考えに基づき、従来から種々の美白成分
が提案されてきた。例えば、チロシナーゼ活性を阻害し
てメラニン産生を抑制するものとして、グルタチオンに
代表される硫黄化合物が挙げられる。また、生成したメ
ラニンを淡色漂白するものとしては、過酸化水素、ヒド
ロキノン、ビタミンC等が用いられてきた。また、ケラ
チノサイト内のメラニンを減少させるものとしてビタミ
ンA酸やビタミンA類の局所投与が行われてきた。ある
いは、安全性等を考慮して、従来知られている植物から
の抽出物等の天然物を美白成分として用いる試みも多数
為されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、色素沈着
を予防、改善する美白成分は種々存在する。しかし、上
記ビタミンCに代表されるアスコルビン酸類は、湿性皮
膚外用剤の如き水分を多く含む系においては酸化されや
すく不安定であり、変色、変臭の原因となる点で問題で
あり、過酸化水素は保存時の安定性ならびに安全性上の
問題があり、さらに、グルタチオンや硫黄は著しい異臭
を放つため皮膚外用剤へ使用することは不適当である。
また、従来知られている植物からの抽出物等の天然物に
おいては、作用が緩慢であるため皮膚の黒化を十分効果
的に防止できないことがある。一方、ヒドロキノンの色
素沈着改善効果は一応認められているが、皮膚刺激性等
の安全性上問題があるため、一般には使用が制限されて
いる。
【0005】本発明は、かかる実状に鑑みてなされたも
のであり、色素沈着による皮膚の黒化をきわめて効果的
に予防または改善することができるばかりか、皮膚に対
する弊害がなく安全に使用することのできる皮膚化粧料
を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、培養細胞を用いメラニン産生抑制作
用を指標に広く種々の物質をスクリーニングした結果、
式(I)で表されるアグリモフォルおよび式(II)で表
されるアグリモールA〜Gにメラニン産生抑制活性があ
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0007】すなわち本発明は、下記式(I)で表され
るアグリモフォル、下記式(II)で表されるアグリモー
ルA、アグリモールB、アグリモールC、アグリモール
D、アグリモールE、アグリモールFおよびアグリモー
ルGより選ばれる一種または二種以上を含有することを
特徴とする皮膚化粧料である。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】 (但し、アグリモールAは、式(II)においてR1、R
3が共に−CHMe2でありR2が−CHMeEtであ
る化合物;アグリモールBは、式(II)においてR1、
R3が共にn−Pr−でありR2が−CHMeEtであ
る化合物;アグリモールCは、式(II)においてR1、
R2、R3の全てがn−Pr−である化合物;アグリモ
ールDは、式(II)においてR1が−CHMe2、R2
が−CHMeEtでありR3が−Meである化合物;ア
グリモールEは、式(II)においてR1、R3が共に−
MeでありR2が−CHMeEtである化合物;アグリ
モールFは、式(II)においてR1が−MeでありR
2、R3が共にn−Pr−である化合物;アグリモール
Gは、式(II)においてR1、R2、R3の全てがi−
Pr−である化合物である。)本発明の皮膚化粧料にお
けるアグリモフォルおよびアグリモールA〜Gより選ば
れる一種または二種以上の合計含有量として、具体的に
は、化粧料全量に対して0.001〜10重量%程度の
含有量を挙げることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の皮膚化粧料は、アグリモフォル、
アグリモールA、アグリモールB、アグリモールC、ア
グリモールD、アグリモールE、アグリモールFおよび
アグリモールGより選ばれる一種または二種以上を含有
することを特徴とする。まず、アグリモフォルおよびア
グリモールA〜Gについて説明する。
【0012】(1)アグリモフォルおよびアグリモール
A〜G 本発明に用いるアグリモフォルおよびアグリモールA〜
G(以下、「アグリモール類」ということがある)は、
それぞれ上記式(I)および式(II)で表される化合物
であって、公知の方法によってフロログルシノール等を
出発原料として容易に合成することができる。例えば、
アグリモールBは、以下に合成経路を説明するActa Pha
rmaceutica Sinica 1989,24(6):431〜437頁に記載の方
法で合成可能である。
【0013】下記合成経路(1)に従い、化合物(a)
で表されるフロログルシノールから化合物(h)で表さ
れる1−ブチリル−2,4−ジヒドロキシ−6−メトキ
シ−5−メチルベンゼンを得る。また、これとは別に下
記合成経路(2)に従い化合物(i)で表される1−メ
チルブタン酸から化合物(k)で表される1,3,5−
トリヒドロキシ−2−(1−メチルブチリル)ベンゼン
を得る。上記化合物(h)と化合物(k)から下記合成
経路(3)に従い、化合物(l)で表されるアグリモー
ルBを得る。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】 なお、上記合成経路で得られるアグリモールBとして、
(S)−(+)−アグリモールBとその光学異性体であ
る(R)−(−)−アグリモールBの2種類が挙げられ
るが、本明細書でいう「アグリモールB」とは、これら
の1種からなる単一化合物であってもよく、あるいは2
種からなる混合物であってもよい。また、アグリモール
B以外のアグリモール類やアグリモフォルについても、
これらの化合物が光学異性体を含む場合の扱いについて
は、上記アグリモールBの場合と同様である。
【0017】以上、アグリモールBを合成する具体例を
示したが、上記合成経路(1)において化合物(e)か
ら化合物(f)を得る反応において、n−Pr−COC
lを用いる替わりに、i−Pr−COClやMe2CH
−COCl、MeCH−COCl等を用い、また、上記
合成経路(2)において化合物(i)として1−メチル
ブタン酸を用いる替わりに酪酸やイソ酪酸等を用いるこ
とによりアグリモールB以外のアグリモール類を合成す
ることができる。さらに、これらを応用することにより
アグリモフォルの合成も可能である。
【0018】また、上記合成法以外にアグリモフォルお
よびアグリモールA〜Gは、それぞれこれらを含有する
天然に産する植物体、例えば、これらの全てを含有する
キンミズヒキ(仙鶴草)等の植物体から抽出、分離、精
製する方法でも入手可能であり、これら植物体から得ら
れるアグリモフォルやアグリモール類を本発明に用いる
ことも可能である。ここで、アグリモフォルおよび/ま
たはアグリモール類を含有する植物からアグリモフォル
および/またはアグリモール類を単離精製する方法とし
ては、一般に行われている単離精製方法を採用すること
ができる。
【0019】例えば、アグリモフォルおよび/またはア
グリモール類を含有する植物を適当な溶媒に適当な時間
浸漬する。この際、必要に応じて加熱、撹拌、還流等の
操作を行ってもよい。その後、濾過等により不溶物を取
り除いて、得られた濾液を必要に応じて濃縮した後、通
常の精製手段、例えば、液液抽出や、カラムクロマトグ
ラフィー等によって精製することによりアグリモフォル
およびアグリモールA〜Gを得ることができる。
【0020】この様にして、化学合成あるいは天然物か
ら抽出、分離、精製して得られるアグリモフォルおよび
/またはアグリモール類が本発明の皮膚化粧料に用いら
れるが、これら化合物はこれらを含有する組成物のかた
ちで本発明に用いることも可能である。具体的には、上
記天然物からこれら化合物を抽出、分離、精製する際に
得られる、これら化合物をある程度の濃度で含有する抽
出物、粗精製物等を本発明の皮膚化粧料に用いることが
可能である。
【0021】上記アグリモフォルおよびアグリモール類
には、色素細胞におけるメラニン産生を抑制する能力を
有することが、後述の実施例により確認されている。ま
た、後述の実施例によりアグリモフォルおよびアグリモ
ール類の安全性に問題がないことも確認されている。
【0022】次に、アグリモフォルおよび/またはアグ
リモール類を含有する本発明の皮膚化粧料について説明
する。
【0023】(2)本発明の皮膚化粧料 本発明の皮膚化粧料は、上記アグリモフォル、アグリモ
ールA、アグリモールB、アグリモールC、アグリモー
ルD、アグリモールE、アグリモールFおよびアグリモ
ールGより選ばれる一種または二種以上を含有すること
を特徴とする。本発明の皮膚化粧料は、含有するアグリ
モフォルおよび/またはアグリモール類が上述の様に色
素細胞におけるメラニン産生を抑制する能力を有するこ
とで、皮膚における色素沈着の発生や進行を予防、改善
することができ、皮膚を美白化する効果に優れる。
【0024】上記本発明の皮膚化粧料におけるアグリモ
フォルおよび/またはアグリモール類の含有量は、この
皮膚化粧料を通常の方法で用いた際に、皮膚における色
素沈着の発生や進行を予防、改善するのに十分な量、言
い換えれば美白用として有効に作用する量、すなわち有
効量であればよい。
【0025】この様なアグリモフォルおよび/またはア
グリモール類の有効量として具体的には、化粧料全量に
対してこれら化合物の合計含有量として、0.001〜
10重量%程度の含有量が挙げられ、好ましくは0.0
1〜1.0重量%程度の含有量が挙げられる。本発明の
皮膚化粧料における上記アグリモフォルおよび/または
アグリモール類の含有量が0.001重量%未満である
と、皮膚における色素沈着を予防、改善する効果が十分
に発揮されないことがあり、また、10重量%を越えて
配合しても、その量に応じるほどの効果の向上が期待で
きないことがある。
【0026】また、本発明の皮膚化粧料には、上記アグ
リモフォルおよび/またはアグリモール類以外にも、通
常、皮膚化粧料に用いられる成分、例えば、水、アルコ
ール類、炭化水素類、高級脂肪酸類、ロウ類、保湿剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、粉末
成分、色剤、香料、防腐剤、抗炎症剤、pH調整剤、金
属封鎖剤、糖類、各種皮膚栄養剤、各種生薬、さらに
は、上記アグリモフォルおよび/またはアグリモール類
以外の美白成分などの薬剤等を必要に応じて適宜配合す
ることができる。
【0027】具体的には、アルコール類としてエタノー
ル、プロパノール、セタノール、ステアリルアルコー
ル、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール等、炭化水素類としてワセリン、スクワラン、流
動パラフィン等、高級脂肪酸類としてステアリン酸、オ
レイン酸等、ロウ類としてゲイロウ等、保湿剤としてヒ
アルロン酸等、酸化防止剤として、トコフェロール、酢
酸トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン(BH
T)等、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン誘導体等、
界面活性剤類として、ポリオキシエチレンセチルエーテ
ル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノス
テアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンソルビタン
モノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレング
リコール、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルス
ルホコハク酸エステル、4級アルキルアミン、アルキル
ベタイン等、増粘剤としてアラビアゴム、カルボキシビ
ニルポリマー、キサンタンガム、ポリビニルアルコール
等、粉体成分としてタルク、シリカゲル、酸化チタン、
アクリル酸−メタクリル酸共重合体等、防腐剤としてパ
ラベン、グルコン酸クロルヘキシジン等、抗炎症剤とし
てグリチル酸ジカリウム、トラネキサム酸およびその誘
導体等、pH調整剤としてクエン酸塩、酢酸塩等、金属
封鎖剤としてエデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メ
タリン酸ナトリウム、グルコン酸等、糖類としてグルコ
ース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロー
ス、硫酸化トレハロース等が挙げられる。
【0028】また、これらのほかにはカフェイン、タン
ニン、ベラパミル、甘草抽出物、グラブリジン、グリチ
ルリチン酸およびその誘導体またはその塩、4−(1,
1−ジメチルエチル)−4’−メトキシ−ジベンゾイル
メタン、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0029】また、アグリモフォルおよび/またはアグ
リモール類以外の美白剤としては、ビタミンC、アスコ
ルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシ
ド、アルブチン、コウジ酸等が挙げられる。
【0030】本発明の皮膚化粧料は、皮膚の色素沈着の
予防又は改善のために用いることができ、そのような目
的であれば、医薬品、医薬部外品等の皮膚外用剤として
用いることもできる。
【0031】また、本発明の皮膚化粧料の剤形は任意で
あり、従来この種の皮膚化粧料に用いるものであればい
ずれでもよく、例えば、溶液、軟膏、クリーム、乳液、
ローション、パック、水性ゲル、オイルゲル、浴用剤等
が挙げられる。これらの皮膚化粧料は、各種剤形に応じ
て上記アグリモフォルおよび/またはアグリモール類の
適当量が配合される以外は、通常の皮膚化粧料と同様の
方法で製造することができる。
【0032】
【実施例】以下に本発明の皮膚化粧料に使用するアグリ
モフォルおよび/またはアグリモール類の合成例並びに
抽出・精製例と本発明の皮膚化粧料の実施例を示すが、
本発明はこれら、合成例、抽出・精製例、実施例に制限
されるものではない。まず、本発明の皮膚化粧料に使用
されるアグリモフォルおよび/またはアグリモール類の
合成例、抽出・精製例とそのメラニン産生抑制効果につ
いて説明する。
【0033】
【合成例】 アグリモールBの合成 上記合成経路(1)に従い、化合物(a)で表されるフ
ロログルシノールの40gから化合物(h)で表される
1−ブチリル−2,4−ジヒドロキシ−6−メトキシ−
5−メチルベンゼンを1.2g得た。また、これとは別
に上記合成経路(2)に従い化合物(i)で表される1
−メチルブタン酸の10gから化合物(k)で表される
1,3,5−トリヒドロキシ−2−(1−メチルブチリ
ル)ベンゼンを5.1g得た。上記で得られた化合物
(h)の1gと化合物(k)の0.5gから上記合成経
路(3)に従い、化合物(l)で表されるアグリモール
Bを42mg(収率3.6%)得た。
【0034】
【抽出・精製例】キンミズヒキの葉1000gを、10
Lのメタノールで室温で3日間抽出した。得られた抽出
液から不溶物を濾過で除去した後、得られた抽出濾液か
らエバポレーターを用いてメタノールを留去して残渣
(この残渣を以下、「抽出物(A)」と呼ぶ)を得た。
得られた残渣をジクロロメタン2Lと水2Lで液液分配
抽出した。ジクロロメタン層を分取し、これから溶媒を
留去して25.9gの固形物(この固形物を以下、「抽
出物(B)」と呼ぶ)を得た。
【0035】得られた固形物をシリカゲルのカラムにか
け、クロロホルムで溶離分画した。この画分1.8gを
再度シリカゲルカラムにかけ、溶出溶媒を酢酸エチル:
n−ヘキサン=1:9→2:8→3:7として溶離し、
アグリモフォルおよびアグリモールA〜Gを多量に含む
画分(この画分を以下、「精製物(C)」と呼ぶ)を乾
燥重量で0.5g得た。
【0036】<色素細胞に対するメラニン産生抑制効果
>上記合成例で得られたアグリモールBおよび上記抽出
・精製例で得られたキンミズヒキの抽出物(A)、抽出
物(B)、精製物(C)について、以下の方法により色
素細胞に対するメラニン産生抑制作用を評価した。
【0037】プラスチック培養フラスコ(25cm2
内の10%牛胎児血清を含むRPMI−1640培地5
mlに、2×105個のマウスメラノーマ細胞(B16
F−1細胞)を播種し、5%二酸化炭素、37℃の条件
下にて一昼夜培養を行った。その後、上記アグリモール
B、キンミズヒキ抽出物(A)、抽出物(B)または精
製物(C)のDMSO(ジメチルスルフォキシド)溶液
を、乾燥重量に換算して、培地中の濃度で以下の表1に
示す各種濃度(w/v%)となるように添加し、あるい
はコントロールとしてDMSO溶液のみを添加し、上記
培養と同様の条件(37℃、5%CO2)でさらに2日
間培養した。なお、前記培養は上記各試料の各濃度につ
いてn=5で行われた。
【0038】培養終了後、上記各培養フラスコから培地
を除去し、平衡リン酸緩衝塩溶液(PBS)で洗浄後、
トリプシン及びEDTA含有溶液を使用してフラスコ壁
面から細胞を剥離させ遠心分離器により細胞を回収し
た。この際、各フラスコ毎に回収した細胞の数を測定し
た。前記回収した細胞をPBSで洗浄した後、沈渣に1
N水酸化ナトリウムを加え加熱溶解した。冷却後、これ
にさらにクロロホルムを加えて撹拌し、再び遠心分離し
た。この遠心分離により得られた上清の400nmにお
ける吸光度を測定し、予め合成メラニンを用いて作成し
た検量線よりメラニン量を求めた。
【0039】この様にして測定したメラニン量を一定細
胞数あたりのメラニン量に換算し、次いで、このメラニ
ン量の各試料の各濃度についてのフラスコ5本の平均値
を算出した後、得られた平均メラニン量のコントロール
の一定細胞数あたりのメラニン量(5本の平均値)に対
する百分率を求めた。コントロールに対する一定細胞数
あたりのメラニン量の割合が60%以下のものについて
メラニン産生抑制効果「あり」と評価し、これを越える
ものについてはメラニン産生抑制効果「なし」と評価し
た。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】 表1の結果から明らかなように、キンミズヒキの抽出物
(A)、抽出物(B)、精製物(C)およびアグリモー
ルBは、いずれも色素細胞に対するメラニン産生抑制効
果を有することが確認された。これらのうちでも、アグ
リモフォルおよびアグリモールA〜Gを多量に含むキン
ミズヒキの精製物(C)およびアグリモールBは、少量
であってもこの効果が顕著に現れることが明かとなっ
た。なお、上記試験において上記各試料の色素細胞に対
する毒性は全く認められなかった。上記試験において上
記各試料の色素細胞に対する毒性は全く認められなかっ
た。
【0041】次に、上記で得られたアグリモールB、キ
ンミズヒキの精製物(C)を含有する本発明の皮膚化粧
料の実施例について説明する。なお、以下に用いる配合
量は全て重量%である。
【0042】
【実施例1】 水中油型クリーム 表2に示す(A)の各成分を混合して80℃に加熱し
た。また、(A)とは別に(B)の各成分を混合して8
0℃に加熱した。その後、(A)の成分に(B)の成分
を加えて撹拌乳化し、その後35℃まで冷却し、水中油
型クリームを得た。
【0043】また、比較のために実施例1の水中油型ク
リームにおいて、アグリモールBを精製水に置き換えた
以外は、全く実施例1と同様にして比較例1の水中油型
クリームを製造した。
【0044】
【表2】 <実使用テスト>次に、本発明の皮膚化粧料が皮膚にお
ける色素沈着の予防および改善という点でいかに優れて
いるかを実証するため、上記実施例1および比較例1で
得られた水中油型クリームを用いて長期連続使用による
実使用テストを行い、その効果を比較した。
【0045】色黒、シミ、ソバカスに悩む女性ボランテ
ィア40名に、統計的に同等なA、Bの2グループに分
かれてもらい、Aグループには顔面に実施例1の水中油
型クリームを、Bグループには顔面に比較例1の水中油
型クリームを、通常と同様の方法で、それぞれ3ヶ月間
連続使用してもらった。3ヶ月後の色素沈着に対する改
善効果を肉眼観察により評価した。その結果を表3に示
す。なお、表3最下欄の有効率(%)は、各グループに
おいて被験者全数に対するやや改善以上の効果が認めら
れた人数の割合を百分率で示したものである。
【0046】
【表3】 表3の結果に示されるように、実施例1のクリームは比
較例1のクリームに比し、格段に有効な皮膚色素沈着の
予防および改善効果を有し、美白効果に優れることが明
らかとなった。なお、上記試験期間中、実施例1のクリ
ームの塗布部位において、何れの被験者においても皮膚
に好ましくない反応は全く観察されず、本発明の皮膚化
粧料の安全性の高さも併せて確認された。
【0047】
【実施例2】 乳液 表4に示す(A)成分および(B)成分を、各々70℃
で撹拌しながら溶解した。(B)成分に(A)成分を加
え予備乳化を行った後、ホモミキサーで均一に乳化し
た。乳化後かき混ぜながら30℃まで冷却し、乳液を得
た。
【0048】
【表4】
【0049】
【実施例3】 化粧水 表5に示す(A)の各成分を混合し室温下にて溶解し
た。一方、(B)の各成分も混合し室温下にて溶解し
た。(B)成分を(A)成分に加えて可溶化し、化粧水
を得た。
【0050】
【表5】
【0051】
【実施例4】 パック料 表6に示す(A)成分を室温にて分散溶解した。これに
(B)成分を加えて均一に溶解して、パック料を得た。
【0052】
【表6】
【0053】
【発明の効果】本発明の皮膚化粧料においては、これが
含有するアグリモフォルおよび/またはアグリモール類
が優れたメラニン産生抑制作用を有し、これに基づき本
発明の皮膚化粧料は、皮膚における色素沈着を有効に予
防または改善することができるとともに、皮膚に対する
弊害がなく安全に使用することができる。また、本発明
の皮膚化粧料は美白効果に優れた化粧料として用いるこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で表されるアグリモフォ
    ル、下記式(II)で表されるアグリモールA、アグリモ
    ールB、アグリモールC、アグリモールD、アグリモー
    ルE、アグリモールFおよびアグリモールGより選ばれ
    る一種または二種以上を含有することを特徴とする皮膚
    化粧料。 【化1】 【化2】 (但し、アグリモールAは、式(II)においてR1、R
    3が共に−CHMe2でありR2が−CHMeEtであ
    る化合物;アグリモールBは、式(II)においてR1、
    R3が共にn−Pr−でありR2が−CHMeEtであ
    る化合物;アグリモールCは、式(II)においてR1、
    R2、R3の全てがn−Pr−である化合物;アグリモ
    ールDは、式(II)においてR1が−CHMe2、R2
    が−CHMeEtでありR3が−Meである化合物;ア
    グリモールEは、式(II)においてR1、R3が共に−
    MeでありR2が−CHMeEtである化合物;アグリ
    モールFは、式(II)においてR1が−MeでありR
    2、R3が共にn−Pr−である化合物;アグリモール
    Gは、式(II)においてR1、R2、R3の全てがi−
    Pr−である化合物である。)
  2. 【請求項2】 アグリモフォルおよびアグリモールA〜
    Gより選ばれる一種または二種以上の合計含有量が化粧
    料全量に対して0.001〜10重量%である請求項1
    記載の皮膚化粧料。
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