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JPH11279116A - シュウ酸ジアルキルの製造法 - Google Patents

シュウ酸ジアルキルの製造法

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Publication number
JPH11279116A
JPH11279116A JP10085509A JP8550998A JPH11279116A JP H11279116 A JPH11279116 A JP H11279116A JP 10085509 A JP10085509 A JP 10085509A JP 8550998 A JP8550998 A JP 8550998A JP H11279116 A JPH11279116 A JP H11279116A
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JP
Japan
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carbon monoxide
dialkyl oxalate
gas
reaction
compound
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Application number
JP10085509A
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English (en)
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JP3804818B2 (ja
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Keigo Nishihira
圭吾 西平
Shinichi Yoshida
信一 吉田
Hideji Tanaka
秀二 田中
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Priority to JP08550998A priority Critical patent/JP3804818B2/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、他の反応で生成する一酸化炭素、特
にイオン性ハロゲン化合物を含有する一酸化炭素を、反
応に悪影響を与えることなく再利用しながら、シュウ酸
ジアルキルを製造できる、新規なシュウ酸ジアルキルの
製造法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、(1)反応器で、一酸
化炭素と亜硝酸アルキルを反応させてシュウ酸ジアルキ
ルと一酸化窒素を生成させ、(2)凝縮器で、その生成
物をシュウ酸ジアルキル含有凝縮物と一酸化窒素含有非
凝縮ガスに分離し、(3)再生塔で、その非凝縮ガス
を、アルカリ処理されたイオン性ハロゲン化合物含有一
酸化炭素を導入しながら、分子状酸素及びアルキルアル
コールと接触させて亜硝酸アルキルを再生し、その再生
ガスと該一酸化炭素を反応器に供給することを特徴とす
るシュウ酸ジアルキルの製造法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一酸化炭素と亜硝酸ア
ルキルを反応させてシュウ酸ジアルキルを製造する方
法、特に、他の反応で生成する一酸化炭素を有効に利用
しながら、シュウ酸ジアルキルを製造する方法に関す
る。シュウ酸ジアルキルは、シュウ酸、オキサミド、グ
リコール酸、医薬合成原料などとして有用な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素と亜硝酸アルキルからシュウ
酸ジアルキルを製造する方法は、特公昭61−6057
号公報、特公昭61−26977号公報、特公昭57−
30095号公報などに開示されている。しかし、これ
らの公知文献には、他の反応で生成する一酸化炭素、特
に、分解性ハロゲン化合物を含有する一酸化炭素を、反
応に影響を与えることなく有効に利用してシュウ酸ジア
ルキルを製造する方法は全く開示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、他の反応で
生成する一酸化炭素、特に、イオン性ハロゲン化合物を
含有する一酸化炭素を、反応に悪影響を与えることなく
有効に利用しながら、シュウ酸ジアルキルを製造でき
る、新規なシュウ酸ジアルキルの製造法を提供すること
を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、(1)
一酸化炭素と亜硝酸アルキルを反応器に導入して白金族
金属触媒の存在下で反応させ、シュウ酸ジアルキルと一
酸化窒素を生成させる第1工程、(2)第1工程の生成
物を凝縮器に導いて、シュウ酸ジアルキルを含有する凝
縮液と一酸化窒素を含有する非凝縮ガスに分離する第2
工程、(3)第2工程の非凝縮ガスを再生塔に導くと共
に、イオン性ハロゲン化合物を含有する一酸化炭素をア
ルカリ処理して再生塔に導入し、該非凝縮ガスを分子状
酸素及びアルキルアルコールと接触させて、非凝縮ガス
中の一酸化窒素を亜硝酸アルキルに再生し、その再生ガ
スと該一酸化炭素を第1工程の反応器に供給する第3工
程の各工程から成ることを特徴とするシュウ酸ジアルキ
ルの製造法によって解決される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では、第1工程で、反応器
で、一酸化炭素と亜硝酸アルキルを反応させることによ
って、シュウ酸ジアルキルと一酸化窒素が生成する。こ
の反応は気相でも液相でも可能であるが、工業的には気
相で行われることが好ましい。次いで、第2工程で、凝
縮器で、第1工程の生成物を凝縮させることによって、
シュウ酸ジアルキルを含有する凝縮液と一酸化窒素を含
有する非凝縮ガスが分離される。
【0006】そして、第3工程で、再生塔で、非凝縮ガ
スを分子状酸素及びアルキルアルコールと接触させる
(非凝縮ガス中の一酸化窒素を分子状酸素及びアルキル
アルコールと反応させる)ことによって、亜硝酸アルキ
ルが再生される。その亜硝酸アルキルを含有するガス
(再生ガス)はシュウ酸ジアルキル生成の原料として第
1工程に供給される。本発明では、この第3工程におい
て、他の反応で生成する一酸化炭素、特に、他の反応で
生成する、イオン性ハロゲン化合物を含有する一酸化炭
素がアルカリ処理されて再生塔に導入され、シュウ酸ジ
アルキル生成の原料として第1工程で有効に再利用され
る。
【0007】前記の亜硝酸アルキルはを構成するアルキ
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6の低級ア
ルキル基が挙げられる。亜硝酸アルキルとしては、亜硝
酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−プロピル、亜硝酸
i−プロピル、亜硝酸n−ブチル、亜硝酸i−ブチルな
どの炭素数1〜4の亜硝酸アルキルが好ましく、その中
でも亜硝酸メチルが特に好ましい。また、前記のアルキ
ルアルコールとしてはこれら亜硝酸アルキルの構成成分
であるアルキルアルコールが使用される。
【0008】次に、本発明の各工程について、本発明の
一実施態様を示すフローシート(図1)に従って詳しく
説明する。第1工程で使用される白金族金属触媒として
は、白金族金属又はその化合物が好適に挙げられるが、
白金族金属化合物は還元されて白金族金属の形態で使用
されることが好ましい(特公昭61−6057号公報、
特公昭61−26977号公報など)。白金族金属とし
ては、例えば、白金金属、パラジウム金属、ロジウム金
属、イリジウム金属などが挙げられ、その化合物として
は、例えば、これら金属の無機酸塩(硝酸塩、硫酸塩、
リン酸塩等)、ハロゲン化物(塩化物、臭化物等)、有
機酸塩(酢酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩等)、錯体な
どが使用される。白金族金属又はその化合物の中では、
パラジウム金属又はその化合物が特に好ましい。
【0009】パラジウム化合物としては、例えば、パラ
ジウムの無機酸塩(硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、
リン酸パラジウム等)、パラジウムのハロゲン化物(塩
化パラジウム、臭化パラジウム等)、パラジウムの有機
酸塩(酢酸パラジウム、シュウ酸パラジウム、安息香酸
パラジウム等)、或いはパラジウムの錯体(トリメチル
ホスフィン等のアルキルホスフィン類、トリフェニルホ
スフィン等のアリールホスフィン類、ジエチルフェニル
ホスフィン等のアルキルアリールホスフィン類又はトリ
フェニルホスファイト等のアリールホスファイト類など
を配位子として有する錯体)などが使用される。
【0010】白金族金属触媒は、前記の白金族金属又は
その化合物が不活性な担体に白金族金属換算で好ましく
は0.01〜10重量%、更に好ましくは0.2〜2重
量%担持されている固体触媒の形態で使用されることが
工業的に好ましい。例えば、パラジウム金属又はその化
合物が、活性炭、アルミナ(α−アルミナ等)、シリ
カ、珪藻土、軽石、ゼオライト、モレキュラーシーブ、
スピネルなどの不活性な担体に前記担持量で担持された
ものが好ましい。白金族金属化合物が担体に担持された
固体触媒を使用する場合は、担持された白金族金属化合
物を、予め水素等の還元性物質で白金族金属に還元して
使用するか、又は反応前に反応器内で一酸化炭素等の還
元性物質で白金族金属に還元して使用することが好まし
い。なお、白金族金属触媒は公知の方法(含浸法、蒸発
乾固法など)により調製される。
【0011】第1工程で使用される白金族金属触媒に
は、例えば、鉄又はその化合物を含有させることができ
る(特開昭59−80630号公報)。鉄又はその化合
物としては、金属鉄、鉄(II)化合物又は鉄(III) 化合物
が挙げられる。鉄(II)化合物としては、例えば、硫酸第
一鉄、硝酸第一鉄、塩化第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウ
ム、乳酸第一鉄、水酸化第一鉄等が使用され、鉄(III)
化合物としては、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二
鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、乳酸第二鉄、水酸化第二
鉄、クエン酸第二鉄等が使用される。鉄又はその化合物
は、白金族金属:鉄(原子比)が好ましくは1000
0:1〜1:4、更に好ましくは5000:1〜1:3
の範囲内になるように使用される。なお、鉄又はその化
合物を含有する触媒は公知の方法により調製される。
【0012】第1工程で使用される一酸化炭素は純粋な
ものでもよいが、窒素などの不活性ガスで希釈されてい
てもよく、あるいは少量の水素ガス又はメタンを含んで
いてもよい。更に、本発明では、第1工程で消費された
一酸化炭素や循環ガスのパージで失われる一酸化炭素を
補うため、他の反応で生成する一酸化炭素、特にイオン
性ハロゲン化合物を含有する一酸化炭素もアルカリ処理
されて第2工程の再生塔に導入され、第1工程で使用す
ることができる。
【0013】第1工程の一酸化炭素と亜硝酸アルキルの
反応は、気相法であれば、例えば、図1に示すように、
一酸化炭素と亜硝酸アルキルを含有する原料ガスを導管
11を通して反応器1に導入し、白金族金属触媒と気相
で接触させる方法によって行われる(特公昭61−60
57号公報、特公昭61−26977号公報など)。こ
のとき、原料ガスと白金族金属触媒との接触時間は10
秒以下、更には0.2〜5秒であることが好ましく、反
応温度は50〜200℃、更には80〜150℃である
ことが好ましい。また、反応圧力は常圧から10kg/
cm2 G、更には常圧から5kg/cm2 Gの範囲であ
ることが好ましいが、2〜5kg/cm 2 Gの範囲であ
ることがより好ましい。なお、反応器としては、単管
式、又は多管式の熱交換器型反応器が有効である。
【0014】前記原料ガス中の一酸化炭素の濃度は2〜
90容量%の範囲で選ばれる。また、原料ガス中の亜硝
酸アルキルの濃度は広い範囲で変えられるが、満足でき
る反応速度を得るためには、原料ガス中の濃度が1容量
%以上となるように亜硝酸アルキルを存在させることが
好ましい。原料ガス中の亜硝酸アルキルの濃度は、例え
ば、5〜30容量%の範囲で選ばれる。
【0015】前記のようにして、第1工程で、シュウ酸
ジアルキルを含有する生成物(例えば、反応ガス)が得
られる。次いで、第2工程では、この生成物(例えば、
反応ガス)が導管12を通して凝縮器2(吸収塔)の底
部に導かれてシュウ酸ジアルキルが凝縮する温度に冷却
され、シュウ酸ジアルキルを含有する凝縮液と一酸化窒
素を含有する非凝縮ガスに分離される。このとき、シュ
ウ酸ジアルキルが非凝縮ガスに同伴することを防ぐため
に、該生成物を導管13を通して供給されるアルキルア
ルコールと接触させながら、そのアルコールの沸点以下
の温度で冷却して吸収させることが好ましい。例えば、
目的物がシュウ酸ジメチルの場合、該生成物100重両
部を30〜60℃でメタノール0.001〜0.1容量
部と接触させることが好ましい。第2工程の操作圧力は
常圧から10kg/cm2 G、更には常圧から5kg/
cm 2 Gの範囲であることが好ましいが、2〜5kg/
cm2 Gの範囲であることがより好ましい。なお、第2
工程のアルキルアルコールとしては、亜硝酸アルキルの
構成成分であるアルキルアルコールが使用される。
【0016】次に、第2工程の非凝縮ガスは、未反応の
一酸化炭素及び亜硝酸アルキル以外に、第1工程で生成
した一酸化窒素を含んでいるので、一酸化窒素を亜硝酸
アルキルに再生する第3工程に導かれる。第3工程で
は、この非凝縮ガスを導管14を通して再生塔3の底部
に導いて、導管17を通して供給される分子状酸素及び
導管19を通して供給されるアルキルアルコールと接触
させる(一酸化窒素を分子状酸素及び低級アルコールと
反応させる)ことによって亜硝酸アルキルが再生され
る。そして、再生塔3から導出される亜硝酸エステレ含
有ガス(再生ガス)が導管20を通して第1工程に供給
されて再使用される。また、この再生で生成した水はア
ルキルアルコールと共に導管21を通して再生塔から抜
き出される。水を含むアルキルアルコールは蒸留精製さ
れて、第2工程及び第3工程で使用されるアルキルアル
コールとして再使用することができる。第3工程のアル
キルアルコールとしては、前記のように、亜硝酸アルキ
ルの構成成分であるアルキルアルコールが使用される。
分子状酸素としては、酸素ガス又は空気などが使用され
る。なお、再生塔としては、充填塔、気泡塔、スプレー
塔、段塔などの通常の気液接触装置が用いられる。
【0017】前記の亜硝酸アルキルの再生においては、
再生ガス中の一酸化窒素の濃度が2〜7容量%になるよ
うに反応が制御される。このため、再生塔に導入される
非凝縮ガス中の一酸化窒素1モルに対して、分子状酸素
を0.08〜0.2モル供給して、再生の際の圧力にお
けるアルキルアルコールの沸点以下(例えば、0℃から
アルキルアルコールの沸点まで)の温度で、非凝縮ガス
と分子状酸素及びアルキルアルコールを接触させること
が好ましい。アルキルアルコールの供給量は非凝縮ガス
中の一酸化窒素1容量部に対して1〜5容量部であるこ
とが好ましく、接触時間は0.5〜20秒が好ましい。
また、操作圧力は常圧から10kg/cm2 G、更には
常圧から5kg/cm2 Gが好ましいが、2〜5kg/
cm2 Gであることがより好ましい。
【0018】本発明では、第3工程の再生塔に、他の反
応で生成する一酸化炭素、特に、他の反応で生成する、
イオン性ハロゲン化合物を含有する一酸化炭素がアルカ
リ処理されて導管18を通して導入される。そして、反
応(シュウ酸ジエステルの製造)に悪影響を与えること
なく、前記の再生ガスと共に第1工程の反応器に供給さ
れて有効に再利用される。このイオン性ハロゲン化合物
としては、例えば、塩化水素、塩素等のイオン性塩素化
合物が挙げられる。
【0019】前記のイオン性ハロゲン化合物を含有する
一酸化炭素としては、例えば、シュウ酸ジエステルを有
機リン化合物触媒の存在下で脱カルボニル反応させて、
炭酸エステルを生成させる際に発生する一酸化炭素が挙
げられる。シュウ酸ジエステルの脱カルボニル反応とし
ては、例えば、次に示す反応式に従って、有機リン化合
物触媒の存在下、シュウ酸ジアリールから炭酸ジアリー
ルと一酸化炭素が生成する反応が挙げられる。この反応
で生成する一酸化炭素は高純度であるが、反応条件や触
媒種により、イオン性ハロゲン化合物を、例えば、1容
量ppm〜1容量%程度含有する。更に、この反応で生
成する一酸化炭素は、場合により、微量のフェノールや
二酸化炭素も含有する。
【0020】
【化1】 (式中、Arは、フェニル基、ナフチル基等のアリール
基を表す。)
【0021】イオン性ハロゲン化合物を含有する一酸化
炭素は、第1工程の反応で消費される一酸化炭素や、反
応器、凝縮器及び再生塔を経由するガス循環系の循環ガ
スのパージによって系外に損失する一酸化炭素を補っ
て、第1工程の原料ガス組成を所望の範囲に維持できる
ように、第3工程の再生塔の底部に導入されることが好
ましい。再生塔の底部には、例えば、導管18から、第
2工程の非凝縮ガスが第3工程に供給される導管14を
経由して導入されてもよく、別途独立して導入されても
よい。
【0022】また、本発明では、イオン性ハロゲン化合
物を含有する一酸化炭素はアルカリ処理されて第3工程
の再生塔の底部に導入されることが好ましい。更に、本
発明では、必要に応じて、アルカリ処理の前及び/又は
後に、活性炭やアルミナ等の吸着剤による処理を行っ
て、前記の一酸化炭素から有機物(非イオン性ハロゲン
化合物など)を除去してもよい。
【0023】アルカリ処理は、イオン性ハロゲン化合物
を含有する一酸化炭素を、アルカリ水溶液と接触させる
方法やアルカリ系吸着剤と接触させる方法により行われ
る。これらはそれぞれ単独で行っても組み合わせて行っ
てもよいが、アルカリ水溶液と接触させる方法が有効で
ある。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属又はアル
カリ土類金属の水酸化物や炭酸塩が使用されるが、水酸
化ナトリウムが好ましい。これらアルカリ金属又はアル
カリ土類金属化合物の濃度は1〜50重量%程度である
ことが好ましい。また、アルカリ系吸着剤としては、ゼ
オライト、マグネシア、酸化亜鉛、活性炭や、それらに
塩基性のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合
物(金属を含む)が担持されたものなどが使用される。
【0024】アルカリ処理の温度は0〜100℃、更に
は10〜50℃であることが好ましく、圧力は常圧でも
加圧でもよい。また、処理(接触)時間は一酸化炭素中
に含まれるイオン性ハロゲン化合物を効果的に除去でき
れば特に制限されない。なお、アルカリ処理の装置とし
ては、通常の吸収塔やスクラバーなどの簡単な装置を使
用することができる。
【0025】なお、本発明では、前記の循環ガスのパー
ジによって系外に損失する窒素成分を補うために、第3
工程の再生塔の下部に、亜硝酸アルキル、窒素酸化物
(一酸化窒素、二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒
素等)、又は硝酸が導管16を通して導入される。この
ようにして、一酸化炭素が補給されると共に、必要に応
じて窒素成分も補給されて、再生された亜硝酸アルキル
を含有するガス(再生ガス)が第1工程に供給される。
【0026】前記の脱カルボニル反応は、有機リン化合
物触媒の存在下、液相で行われることが好ましい。脱カ
ルボニル反応が液相で行われる場合、触媒としては、脱
カルボニル反応を比較的低温(約100〜350℃)で
行うことができ、かつ炭酸エステルを高選択率(少なく
とも50%以上、特に60〜100%)で得ることがで
きる触媒が好ましい。
【0027】液相反応で使用される脱カルボニル触媒と
しては、例えば、有機リン化合物、好ましくは少なくと
も1個の炭素−リン結合を有する有機リン化合物からな
る触媒が挙げられる。このような有機リン化合物として
は、式(w)〜(z)で示されるホスフィン(w)、ホ
スフィンオキシド(x)、ホスフィンジハライド(y)
及びホスホニウム塩(z)から選ばれる少なくとも一種
の有機リン化合物からなる触媒を好適に挙げることがで
きる。
【0028】
【化2】
【0029】〔式中、R1 〜R13は、炭素数1〜16の
アルキル基、炭素数6〜16のアリール基及び炭素数7
〜22のアラルキル基から選ばれる少なくとも一種の基
を示し、Xは対イオンを形成しうる原子又は原子団を示
し、Y1 及びY2 は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等
のハロゲン原子をそれぞれ示す。化合物(w)〜(z)
は少なくとも1つが前述の基を有している。〕
【0030】前記のR1 〜R13で示される基としては、
例えば、炭素数1〜16のアルキル基(メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基等)、炭素数6〜16のアリール基
(フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル
基、クロロフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル
基、メトキシナフチル基、クロロナフチル基等)、炭素
数7〜22のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル
基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、
p−メチルフェネチル基等)が挙げられる。
【0031】前記のアリール基及びアラルキル基は、そ
の芳香環を形成している炭素と直接に結合する置換基と
して、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜16の
アルコキシ基、ニトロ基、及びハロゲン原子(フッ素原
子、塩素原子、臭素原子等)から選ばれる少なくとも1
個の置換基を有していてもよい。
【0032】前記の有機リン化合物(w)〜(z)とし
ては、それぞれが有する基(R1 〜R13)の全てがアリ
ール基であるものが好ましいが、その1〜2個(特に2
個)がアリール基であって、残部がアルキル基又はアラ
ルキル基であるものであってもよい。
【0033】式(w)のR1 〜R3 の全てがアリール基
であるホスフィンとしては、例えば、トリフェニルホス
フィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、ト
リス(4−トリル)ホスフィンが挙げられる。
【0034】式(x)のR4 〜R6 の全てがアリール基
であるホスフィンオキシドとしては、例えば、トリフェ
ニルホスフィンオキシド、トリス(4−クロロフェニ
ル)ホスフィンオキシド、トリス(4−トリル)ホスフ
ィンオキシドが挙げられる。
【0035】式(y)のR7 〜R9 の全てがアリール基
であるホスフィンジハライドとしては、例えば、トリフ
ェニルホスフィンジクロライド、トリフェニルホスフィ
ンジブロマイドが挙げられる。ホスフィンジハライドの
中では、トリフェニルホスフィンジクロライド等のトリ
アリールホスフィンジクロライドが好ましい。
【0036】式(z)のホスホニウム塩としては、R10
〜R13の全てがアリール基であって、しかも対イオンX
- がハロゲンイオン、脂肪族カルボン酸イオン、又はフ
ルオロボレートイオンなどであるホスホニウム塩が好適
であるが、R10〜R13の1〜3個、特に2〜3個がアリ
ール基であって、残部がアラルキル基又はアルキル基で
あり、更に対イオンX- がハロゲンイオン、脂肪族カル
ボン酸イオン、又はフルオロボレートイオンなどである
ものであってもよい。
【0037】式(z)のR10〜R13の全てがアリール基
であるホスホニウム塩としては、例えば、テトラフェニ
ルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウ
ムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムヨーダイ
ド、4−クロロフェニルトリフェニルホスホニウムクロ
ライド、4−クロロフェニルトリフェニルホスホニウム
ブロマイド、4−エトキシフェニルトリフェニルホスホ
ニウムクロライド、4−エトキシフェニルトリフェニル
ホスホニウムブロマイド、4−メチルフェニルトリフェ
ニルホスホニウムクロライド、4−メチルフェニルトリ
フェニルホスホニウムブロマイド等の対イオンX- がハ
ロゲンイオンであるホスホニウム塩などが挙げられる。
【0038】前記の有機リン化合物の中では、テトラア
リールホスホニウム塩が好ましい。その中ではテトラア
リールホスホニウムハライドが更に好ましいが、中でも
テトラフェニルホスホニウムクロライド等のテトラアリ
ールホスホニウムクロライドが特に好ましい。有機リン
化合物からなる脱カルボニル触媒は、単独であってもま
た二種以上の混合物であってもよく、更に反応液中に均
一に溶解及び/又は懸濁されていてもよい。脱カルボニ
ル反応で使用される有機リン化合物の量はシュウ酸ジエ
ステルに対して0.001〜50モル%、更には0.0
1〜20モル%程度であることが好ましい。
【0039】前記の有機リン化合物からなる脱カルボニ
ル触媒には、必要に応じて、無機又は有機のハロゲン化
合物系添加剤が添加されることが好ましい。有機リン化
合物として、ホスフィンやホスフィンオキサイドを使用
する場合や、ハライド及びハイドロジェンジハライド以
外のホスホニウム塩を使用する場合は、このハロゲン化
合物系添加剤を添加することが好ましい。添加されるハ
ロゲン化合物系添加剤は、有機リン化合物に対して0.
01〜150倍モル、更には0.05〜100倍モル程
度であることが好ましい。
【0040】無機ハロゲン化合物系添加剤としては、ア
ルミニウムのハロゲン化物(塩化アルミニウム、臭化ア
ルミニウム等)、白金族金属のハロゲン化物(塩化白
金、塩化ルテニウム、塩化パラジウム等)、リンのハロ
ゲン化物(五塩化リン等)、硫黄のハロゲン化物(塩化
チオニル等)、ハロゲン化水素(塩化水素等)、ハロゲ
ン単体(塩素等)などが挙げられる。
【0041】また、有機ハロゲン化合物系添加剤として
は、ハロゲン化アルキル(クロロホルム、四塩化炭素、
1,2−ジクロロエタン、塩化ブチル等)、ハロゲン化
アラルキル(塩化ベンジル等)、ハロゲン置換脂肪族カ
ルボン酸(クロロ酢酸、ブロモ酢酸等)、酸ハロゲン化
物(塩化オキサリル、塩化プロピオニル、塩化ベンゾイ
ル等)などが挙げられる。有機ハロゲン化合物として
は、このように、飽和炭素にハロゲン原子が結合してい
る構造(C−Hal)や、カルボニル炭素にハロゲン原
子が結合している構造(CO−Hal)を有するものが
好適である。但し、Halは塩素原子、臭素原子等のハ
ロゲン原子を表す。
【0042】脱カルボニル反応は、例えば、シュウ酸ジ
アリールと有機リン化合物を主成分とする触媒(及び必
要に応じてハロゲン化合物系添加剤)とを反応器に供給
し、発生する一酸化炭素を除去しながら、シュウ酸ジア
リールを液相で脱カルボニル反応させて炭酸ジアリール
を生成させることによって行われる。このとき、反応温
度は100〜450℃、更には160〜400℃、特に
180〜350℃であることが好ましい。また、反応圧
力は特に制限されるものではなく、例えば、10mmH
g〜10kg/cm2 Gの範囲であればよいが、生成す
る一酸化炭素を第3工程の再生塔に導入することを考慮
すれば、常圧から10kg/cm2 G、更には常圧から
5kg/cm2 Gの範囲、特に2〜5kg/cm2 Gの
範囲であることが好ましい。
【0043】以上のようにして、他の反応(例えば、シ
ュウ酸ジアリールの脱カルボニル反応)で生成する一酸
化炭素、特にイオン性ハロゲン化合物を含有する一酸化
炭素を、反応に悪影響を与えることなく(即ち、触媒活
性の低下や選択率の低下を引き起こすことなく)有効に
再利用しながら、シュウ酸ジアルキルを連続的に製造す
ることができる。
【0044】なお、シュウ酸ジアルキルは、凝縮器2か
ら導管15を通して抜き出される第2工程の凝縮液から
蒸留などにより分離・回収される。この操作は、凝縮液
が目的物のシュウ酸ジアルキルの他に、炭酸ジアルキ
ル、ギ酸アルキル等の副生物を少量含有するため、例え
ば、凝縮液を蒸留塔に導いて通常の操作で蒸留すること
によって行われる。
【0045】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。なお、分析はガスクロマトグラフィ
ーにより行った。また、シュウ酸ジメチル(DMO)の
空時収量(STY:g/L・hr)及び選択率(%)は
下式により求めた。但し、Lはリットルを示す。
【0046】
【数1】
【0047】
【数2】 (式中、aはシュウ酸ジメチル、bは炭酸ジメチル、c
は二酸化炭素の生成モル数をそれぞれ表す。)
【0048】参考例1 〔シュウ酸ジメチルの製造〕内径27.1mm、高さ5
00mmのチューブよりなるステンレス製反応器に、ペ
レット状α−アルミナ(直径5mm、長さ3mm)にパ
ラジウム(金属)が0.5重量%担持された固体触媒を
充填した。反応器のシェル側に熱水を通して触媒層の温
度を103〜115℃に保持した後、触媒層の上部か
ら、ダイアフラム式ガス循環ポンプにより、予め熱交換
器で90℃に予熱した原料ガス(組成:一酸化炭素2
2.0容量%、亜硝酸メチル10.0容量%、一酸化窒
素4.0容量%、メタノール5.2容量%、二酸化炭素
1.7容量%、窒素57.1容量%)を、1.15Nm
3 /hr、2kg/cm2 Gで供給して、シュウ酸ジメ
チルを製造した。
【0049】触媒層を通過したガスを、ラシヒリングを
充填した気液接触吸収塔(内径43mm、高さ1000
mm)の塔底に導いて、その塔頂から導入したメタノー
ル0.42L/hrと約35℃(塔頂温度30℃、塔底
温度40℃)で向流接触させた。そして、塔底から、凝
縮液(組成:シュウ酸ジメチル42.6重量%、炭酸ジ
メチル1.8重量%、ギ酸メチル0.03重量%、メタ
ノール42.6重量%)0.3kg/hrを得て、塔頂
から、非凝縮ガス(組成:一酸化炭素16.2容量%、
亜硝酸メチル4.9容量%、一酸化窒素8.1容量%、
メタノール15.9容量%、二酸化炭素1.8容量%、
窒素53.1容量%)1.23Nm3 /hrを得た。シ
ュウ酸ジメチルのSTYは450g/L・hr、選択率
は96.3%であった。
【0050】この非凝縮ガスに酸素13.8NL/hr
及び一酸化窒素0.5NL/hrを混合した混合ガス
を、気液接触式再生塔(内径83mm、高さ1000m
m)の底部に導いて、その塔頂から導入したメタノール
0.33L/hrと塔頂温度30℃、塔底温度40℃で
向流接触させ、ガス中の一酸化窒素を亜硝酸メチルに再
生した。再生塔の塔頂から導出された再生ガス(組成:
一酸化炭素18.2容量%、亜硝酸メチル10.4容量
%、一酸化窒素4.2容量%、メタノール5.4容量
%、二酸化炭素2.0容量%、窒素53.0容量%)
1.1Nm3 /hrは、前記循環ポンプに導いて2.1
kg/cm2 Gに昇圧し、一酸化炭素49NL/hr
(2.1kg/cm2 G)を補給した後、前記反応器に
供給した。その結果、反応成績は長時間(200時間以
上)安定していた。再生塔の塔底から導出された、5.
7重量%の水を含有するメタノール0.48L/hr
は、蒸留により水を除去した後、再生塔におけるメタノ
ール源として再使用した。
【0051】一方、前記の凝縮液は、その50時間分を
貯蔵して、蒸留塔(内径150mm、高さ7500m
m、塔底部容量100L)でバッチ蒸留したところ(塔
底温度140℃、圧力350mmHg)、純度99.9
重量%のシュウ酸ジメチル5.8kgが得られた。
【0052】参考例2 〔炭酸ジフェニルの製造〕シュウ酸ジフェニルにテトラ
フェニルホスホニウムクロライドを1.5モル%加え、
150℃に加熱して溶解した。この液を、温度計、攪拌
機及びオーバーフロー管を備えたガラス製反応器(内容
積1L)2個を連結した装置に、定量ポンプを用いて3
00mL/hrで供給すると共に、2個の反応器をマン
トルヒーターで加熱して230℃に保持してシュウ酸ジ
フェニルの脱カルボニル反応を行った。なお、各反応器
のオーバーフロー位置は600mLとした。供給開始2
0時間後、第2反応器のオーバーフロー液(脱カルボニ
ル反応の反応液)の組成は、シュウ酸ジフェニル14.
6重量%、炭酸ジフェニル85.1重量%であり、その
量は約270mL/hrであった。また、各反応器から
発生するガスの組成は一酸化炭素約100%であり、そ
の量は25NL/hrであった。但し、このガスには不
純物としてイオン性塩素化合物が200容量ppm、非
イオン性塩素化合物が120容量ppm含まれていた。
【0053】実施例1 〔シュウ酸ジメチルの製造〕参考例2の脱カルボニル反
応で発生した一酸化炭素25NL/hrをダイアフラム
式圧縮機で2.1kg/cm2 Gまで昇圧した後、5m
mラシヒリングを30cm充填した充填塔(内径32m
m、高さ450mm)の底部に供給した。塔の上部から
は5重量%水酸化ナトリウム水溶液を200ml/hr
で供給してガスと接触させた。次いで、塔頂から導出さ
れた一酸化炭素25NL/hr(2.1kg/cm
2 G)を参考例1の気液接触式再生塔の底部に供給した
ほかは、参考例1と同様にシュウ酸ジメチルを製造し
た。但し、一酸化炭素24NL/hr(2.1kg/c
2 G)は再生ガスに補給した。その結果、参考例1と
同様の反応成績で長時間(200時間以上)シュウ酸ジ
メチルを製造することができた。
【0054】比較例1 〔シュウ酸ジメチルの製造〕参考例2の脱カルボニル反
応で発生した一酸化炭素25NL/hrをダイアフラム
式圧縮機で2.1kg/cm2 Gまで昇圧して、一酸化
炭素24NL/hr(2.1kg/cm2 G)と共に再
生塔から導出される再生ガスに補給したほかは、参考例
1と同様にシュウ酸ジメチルを製造した。その結果、脱
カルボニル反応で発生した一酸化炭素の供給を開始して
初期(50時間程度)は実施例1と同様の反応成績であ
ったが、それ以降徐々に活性が低下すると共に選択率も
低下した。即ち、供給開始50時間後はシュウ酸ジメチ
ルのSTYが450g/L・hr、選択率が96.3%
であったが、200時間後はSTYが320g/L・h
r、選択率が93.7%になった。
【0055】比較例2 〔シュウ酸ジメチルの製造〕参考例2の脱カルボニル反
応で発生した一酸化炭素25NL/hrをダイアフラム
式圧縮機で2.1kg/cm2 Gまで昇圧した後、5m
mラシヒリングを30cm充填した充填塔(内径32m
m、高さ450mm)の下部に供給した。塔の上部から
は5重量%水酸化ナトリウム水溶液を200ml/hr
で供給してガスと接触させた。次いで、塔頂から導出さ
れた一酸化炭素25NL/hr(2.1kg/cm
2 G)を、一酸化炭素24NL/hr(2.1kg/c
2 G)と共に再生塔から導出される再生ガスに補給し
たほかは、参考例1と同様にシュウ酸ジメチルを製造し
た。その結果、脱カルボニル反応で発生した一酸化炭素
の供給を開始した当初から二酸化炭素の副生が増え、シ
ュウ酸ジメチルの選択率も93.6%に低下した。シュ
ウ酸ジメチルのSTYは435g/L・hrで若干低下
したが長時間維持された。
【0056】
【発明の効果】本発明により、他の反応で生成する一酸
化炭素、特にイオン性ハロゲン化合物を含有する一酸化
炭素を、反応に悪影響を与えることなく有効に利用しな
がら、シュウ酸ジアルキルを製造することができる。即
ち、本発明により、高い空時収量を維持し、かつ選択率
の低下を効果的に抑えて高い選択率を維持しながら、シ
ュウ酸ジアルキルを連続的に製造することができる。本
発明は、例えば、シュウ酸ジアリールの脱カルボニル反
応で反応系外へ除去される一酸化炭素を回収して、触媒
活性の低下や選択率の低下を引き起こすことなく、シュ
ウ酸ジアルキルの製造に再利用することができる。更
に、本発明では、該一酸化炭素中のフェノールや二酸化
炭素なども除去できるため、シュウ酸ジアルキルの製造
工程への不純物の混入を抑えて、その反応及び分離精製
における悪影響を少なくでき、不活性ガスの増加も抑え
ることができる。本発明の方法は工業的に非常に優れた
シュウ酸ジアルキルの製造法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様を示すフローシート
である。
【符号の説明】
1は反応器、2は凝縮器、3は再生塔を示し、11〜2
1は導管を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)一酸化炭素と亜硝酸アルキルを反
    応器に導入して白金族金属触媒の存在下で反応させ、シ
    ュウ酸ジアルキルと一酸化窒素を生成させる第1工程、 (2)第1工程の生成物を凝縮器に導いて、シュウ酸ジ
    アルキルを含有する凝縮液と一酸化窒素を含有する非凝
    縮ガスに分離する第2工程、 (3)第2工程の非凝縮ガスを再生塔に導くと共に、イ
    オン性ハロゲン化合物を含有する一酸化炭素をアルカリ
    処理して再生塔に導入し、該非凝縮ガスを分子状酸素及
    びアルキルアルコールと接触させて、非凝縮ガス中の一
    酸化窒素を亜硝酸アルキルに再生し、その再生ガスと該
    一酸化炭素を第1工程の反応器に供給する第3工程の各
    工程から成ることを特徴とするシュウ酸ジアルキルの製
    造法。
  2. 【請求項2】 イオン性ハロゲン化合物を含有する一酸
    化炭素が、シュウ酸ジエステルを有機リン化合物触媒の
    存在下で脱カルボニル反応させて炭酸エステルを生成さ
    せる際に発生する一酸化炭素である、請求項1記載のシ
    ュウ酸ジアルキルの製造法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化合物系添加剤を添加して脱カ
    ルボニル反応を行う、請求項2記載のシュウ酸ジアルキ
    ルの製造法。
  4. 【請求項4】 イオン性ハロゲン化合物がイオン性塩素
    化合物である、請求項1、2、又は3記載のシュウ酸ジ
    アルキルの製造法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013528572A (ja) * 2010-04-15 2013-07-11 中国石油化工股▲ふん▼有限公司 Co気相法によってシュウ酸エステルを生成する方法
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CN104892415A (zh) * 2015-04-17 2015-09-09 中国科学院福建物质结构研究所 草酸二甲酯制备过程中物料分离装置及工艺方法
WO2016002927A1 (ja) * 2014-07-04 2016-01-07 宇部興産株式会社 エステルの製造方法、及びエステルの製造装置

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