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JPH11216824A - 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフイルム

Info

Publication number
JPH11216824A
JPH11216824A JP1919298A JP1919298A JPH11216824A JP H11216824 A JPH11216824 A JP H11216824A JP 1919298 A JP1919298 A JP 1919298A JP 1919298 A JP1919298 A JP 1919298A JP H11216824 A JPH11216824 A JP H11216824A
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JP
Japan
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film
layer
resin
magnetic recording
recording medium
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Application number
JP1919298A
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English (en)
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Inventor
Mitsumine Toujiyou
光峰 東條
Shunichi Uchida
俊一 内田
Toshifumi Osawa
利文 大澤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
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Publication of JPH11216824A publication Critical patent/JPH11216824A/ja
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製膜工程での耐削れ性、巻取り性、耐ブロッ
キング性に優れ、しかも電磁変換特性、ドロップアウト
特性、走行耐久性に優れた磁気記録媒体のベースとして
有用なポリエステルフイルムを提供する。 【解決手段】 単層又は2層以上からなるポリエステル
フイルム(層C)の片面に皮膜層Aが形成されていて、
該皮膜層Aは平均粒径10〜100nmの不活性粒子を
該とし樹脂を結合剤とする、平均突起高さが15〜10
0nmの突起Aaを1×106 〜1×108 個/mm2
の頻度で有し、かつ該樹脂のみによる平均突起高さ2〜
15nmの微小突起Abを1×106 〜3×108 個/
mm2の頻度で有する連続薄膜よりなる皮膜であり、該
皮膜層Aでの樹脂のみによる連続薄膜部の微小表面粗さ
RaS が0.4〜2.0nmであり、かつ該皮膜層Aを
形成した面の表面粗さRaA が0.3〜2nmであり、
そして該層Cは単層の場合は実質的に不活性粒子を含ま
ず、また2層以上の場合は皮膜層Aを形成する側の層に
不活性粒子を含まないことを特徴とする磁気記録媒体用
ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体用ポリ
エステルフイルムに関し、更に詳しくは製膜工程での耐
削れ性、巻取り性、耐ブロッキング性に優れ、しかも電
磁変換特性、ドロップアウト特性、走行耐久性に優れた
磁気記録媒体のベースとして有用なポリエステルフイル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】高密度磁気記録媒体として、非磁性支持
体上に強磁性金属薄膜を真空蒸着やスパッタリングの如
き物理沈着法やメッキ法によって形成した強磁性金属薄
膜磁気記録媒体が知られている。例えば、Coを蒸着し
た磁気テープ(特開昭54―147010号)、Co―
Cr合金を用いた垂直磁気記録媒体(特開昭52―13
4706号)等が知られている。このような蒸着、スパ
ッタ又はイオンプレーティング等の薄膜形成手段によっ
て形成される金属薄膜は、厚みが1.5μm以下と非常
に薄く、それにも拘らず磁気記録層の厚みが3μm以上
である塗布型磁気記録媒体(磁性体粉末を有機高分子バ
インダーに混入させて非磁性支持体上に塗布してなる磁
気記録媒体)と同等以上の性能が得られるという利点が
ある。
【0003】ところで、磁気記録媒体の静的特性である
保磁力Hcまたはヒステリシスループの角形比のような
磁気特性は、用いられる非磁性支持体の表面状態にあま
り依存しないという考えがある。このような考えによっ
たものの例として、米国特許第3787327号明細書
には真空蒸着によるCo―Crの多層構造体が開示され
ている。
【0004】しかしながら、金属薄膜型の磁気記録媒体
においては、非磁性支持体表面に形成される金属薄膜厚
さが薄く、非磁性支持体の表面状態(表面凹凸)がその
まま磁気記録層表面の凹凸として発現し、それが雑音の
原因となることが欠点とされている。
【0005】雑音の観点からは、非磁性支持体の表面状
態ができるだけ平滑であることが好ましい。一方ベース
フイルムの巻取り、巻出しといったハンドリングの観点
からは、フイルム表面が平滑であると、フイルム―フイ
ルム相互の滑り性が悪く、ブロッキング現象が発生し、
製品にはなり得ず、このためベースフイルム表面が粗で
あることが要求される。このように、電磁変換特性とい
う観点からは非磁性支持体の表面が平滑であることが要
求され、一方ハンドリング性の観点からは粗であること
が要求される。そこで、これら両者の二律背反する性質
を同時に満足することが必要となる。
【0006】更に、金属薄膜磁気記録媒体には、実際に
使用される時の重大な問題点として、金属薄膜面の走行
性がある。従来の磁性体粉末を有機高分子バインダーに
混入させてベースフイルムに塗布してなる塗布型磁気記
録媒体の場合には、該バインダー中に滑剤を分散させて
磁性面の走行性を向上させることができるが、金属薄膜
磁気記録媒体の場合には、このような対策をとることが
できず、走行性を安定して保つのは非常に困難であり、
特に高温高湿時の走行性が劣るなどの欠点を有してい
た。
【0007】この欠点の改良を目的として、特公昭62
―30105号公報には微細粒子と水溶性樹脂およびシ
ランカップリング剤を用いて微小突起をフイルム表面に
形成することが提案されている。また特公昭62―30
106号公報、特開昭59―229316号公報には微
細粒子と水溶性樹脂を用いて微小突起をフイルム表面に
形成することが提案されている。しかし、これらはいず
れも水溶性樹脂の台形状突起中に微細粒子を存在させた
ものであり、微細粒子をフイルム表面上に均一に存在さ
せたものではない。また特公平1―34456号公報に
は水溶性高分子の不連続皮膜と、これより高い突起を形
成する微細粒子とを夫々独立してフイルム表面に密着さ
せることが提案されている。しかし、これは突起が不連
続皮膜であり、また均一に分散していない微粒子による
ことからフイルム表面上の均一性に劣る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の欠点を解消し、製膜工程での耐削れ性、巻取り
性、耐ブロッキング性に優れ、しかも電磁変換特性、ド
ロップアウト特性、走行耐久性に優れた磁気記録媒体の
ベースとして有用なポリエステルフイルムを提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次の構成からなる。単層又は2層以上
からなるポリエステルフイルム(層C)の片面に皮膜層
Aが形成されていて、該皮膜層Aは平均粒径10〜10
0nmの不活性粒子を該とし樹脂を結合剤とする、平均
突起高さが15〜100nmの突起Aaを1×106
1×108 個/mm2 の頻度で有し、かつ該樹脂のみに
よる平均突起高さ2〜15nmの微小突起Abを1×1
6 〜3×108 個/mm2 の頻度で有する連続薄膜よ
りなる皮膜であり、該皮膜層Aでの樹脂のみによる連続
薄膜部の微小表面粗さRaS が0.4〜2.0nmであ
り、かつ該皮膜層Aを形成した面の表面粗さRaA
0.3〜2nmであり、そして該層Cは単層の場合は実
質的に不活性粒子を含まず、また2層以上の場合は皮膜
層Aを形成する側の層に不活性粒子を含まないことを特
徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。
【0010】本発明を以下に詳しく述べる。本発明のフ
イルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸又は
そのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル
形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルで
ある。かかるポリエステルの好ましい具体例としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレ
ート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ(1,
4―シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポ
リエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート等
が例示でき、これらの共重合体又はこれらと小割合の他
樹脂とのブレンド物なども含まれる。
【0011】かかるポリエステルは従来から知られてい
る方法で製造することができる。例えば、ポリエチレン
テレフタレートはテレフタル酸とエチレングリコールと
をエステル化反応又はジメチルテレフタレートとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応せしめ、次いで反応
生成物を重縮合せしめる方法で製造することができる。
【0012】本発明において、層Cのポリエステルフイ
ルムは、単層の場合は実質的に不活性粒子を含有しない
ことが必要であり、また2層以上の積層フイルムの場合
は皮膜層Aを形成する側の層に不活性粒子を含まないこ
とが必要である。
【0013】ここで、粒子を実質的に含有しないとは、
フイルム表面に突起を形成するような外部添加粒子や内
部析出粒子は含有しないが、例えばポリエステルの重合
に必要な触媒によって生じることのある、滑剤作用を実
質的に奏さない極々少量の粒子は含有しても差支えない
ことを意味する。例えば表面突起を形成するような粒子
は除き、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤等の他の添加剤を必要に応じて含有することができ
る。
【0014】本発明において、皮膜層Aを形成し、不活
性粒子をポリエステルフイルム表面に結合させる樹脂
(結合剤)としては、アルキッド樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル
樹脂、アクリル―ポリエステル樹脂等を例示することが
できる。これら樹脂は単一重合体でも共重合体でもよ
く、また混合体でもよい。
【0015】前記アクリル樹脂は、例えばアクリル酸エ
ステル(アルコール残基としては、メチル基、エチル
基、n―プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、
イソブチル基、t―ブチル基、2―エチルヘキシル基、
シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニル
エチル基等を例示できる);メタクリル酸エステル(ア
ルコール残基は上記と同じ);2―ヒドロキシエチルア
クリレート、2―ヒドロキシエチルメタクリレート、2
―ヒドロキシプロピルアクリレート、2―ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート等の如きヒドロキシ含有モノマ
ー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N―メチルメ
タクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、N―メチ
ロールアクリルアミド、N―メチロールメタクリルアミ
ド、N,N―ジメチロールアクリルアミド、N―メトキ
シメチルアクリルアミド、N―メトキシメチルメタクリ
ルアミド、N―フェニルアクリルアミド等の如きアミド
基含有モノマー;N,N―ジエチルアミノエチルアクリ
レート、N,N―ジエチルアミノエチルメタクリレート
等の如きアミノ基含有モノマー;グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テル等の如きエポキシ基含有モノマー;スチレンスルホ
ン酸、ビニルスルホン酸、及びそれらの塩(例えばナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等の如きス
ルホン酸基又はその塩を含有するモノマー;クロトン
酸、イタコン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、及びそれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等)等の如きカルボキシル基又はそ
の塩を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等の無水物を含有するモノマー;その他ビニルイソ
シアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリス
アルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、
アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステ
ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単量
体の組合せからつくられたものであるが、アクリル酸誘
導体、メタクリル酸誘導体の如き(メタ)アクリル単量
体の成分が50モル%以上含まれているものが好まし
く、特にメタクリル酸メチルの成分を含有しているもの
が好ましい。
【0016】かかるアクリル樹脂は分子内の官能基で自
己架橋することができるし、メラミン樹脂やエポキシ化
合物等の架橋剤を用いて架橋することもできる。
【0017】また前記ポリエステル樹脂を構成する酸成
分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸、2,6―
ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、コハク酸、5―ナトリウムスルホイソフタル酸、2
―カリウムスルホテレフタル酸、トリメリット酸、トリ
メシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p―ヒ
ドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩等の
多価カルボン酸を例示しうる。また、ヒドロキシ化合物
成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3―プロパンジオール、1,4―ブタ
ンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、p
―キシリレングリコール、ビスフェノールAのエチレン
オキシド付加物、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテ
トラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピ
オン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチ
ロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロ
ピオン酸カリウム等の多価ヒドロキシ化合物を例示しう
る。これらの化合物から常法によってポリエステル樹脂
をつくることができる。水性塗液をつくる場合には、5
―ナトリウムスルホイソフタル酸成分又はカルボン酸塩
基を含有するポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。
かかるポリエステル樹脂は分子内に官能基を有する自己
架橋型とすることができるし、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂のような硬化剤を用いて架橋することもできる。
【0018】更にまた、前記アクリル―ポリエステル樹
脂はアクリル変性ポリエステル樹脂とポリエステル変性
アクリル樹脂とを包含する意味で用いており、アクリル
樹脂成分とポリエステル樹脂成分とが互いに結合したも
のであって、例えばグラフトタイプ、ブロックタイプ等
を包含する。アクリル―ポリエステル樹脂は、例えばポ
リエステル樹脂の両端にラジカル開始剤を付加してアク
リル単量体の重合を行わせたり、ポリエステル樹脂の側
鎖にラジカル開始剤を付けてアクリル単量体の重合を行
わせたり、あるいはアクリル樹脂の側鎖に水酸基を付
け、末端にイソシアネート基やカルボキシル基を有する
ポリエステルと反応させてくし形ポリマーとする等によ
って製造することができる。
【0019】本発明において皮膜層Aに配合される不活
性粒子Aの材質としては、ポリスチレン、ポリスチレン
―ジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、メチ
ルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート共重
合架橋体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデ
ンフルオライド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナ
ミン樹脂等の如き有機質、シリカ、アルミナ、二酸化チ
タン、カオリン、タルク、グラファイト、炭酸カルシウ
ム、長石、二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫酸
バリウム等の如き無機質のいずれを用いてもよい。
【0020】また内外部のそれぞれの性質が異なる物質
で構成される多層構造のコア―シェル型粒子を用いても
よい。
【0021】前記不活性粒子Aの平均粒径は10〜10
0nm、好ましくは10〜50nmである。更に粒度分
布が均一であるものが好ましい。また不活性粒子Aを核
とし、樹脂を結合剤とする突起Aaの平均突起高さは1
5〜100nm、好ましくは20〜60nmである。こ
の平均粒径が10nmより小さい、あるいは突起高さが
15nmもより低いと、フイルムの滑り性が悪化し、ま
た磁気テープとした場合の走行耐久性が不足する。一
方、平均粒径が100nmより大きい、あるいは平均突
起高さが100nmより高いと、粒子の脱落が発生し、
耐削れ性が悪化する。また削り取られた粒子がフイルム
上に付着堆積して磁気テープとした場合にドロップアウ
トの増加を引き起こす。また、磁気ヘッドとのスペーシ
ングが大きくなり、高密度の磁気記録媒体として供する
ことが困難となる。
【0022】皮膜層Aでの突起Aaの表面突起頻度は1
×106 〜1×108 個/mm2 である。この表面突起
頻度が1×106 個/mm2 未満では磁気記録媒体とし
たときの走行耐久性が不足する。他方、1×108 個/
mm2 を超えると電磁変換特性に悪影響を及ぼす。好ま
しい表面突起頻度は2×106 〜5×107 個/m
2 、更に好ましくは3.0×106 〜3.0×107
個/mm2 である。
【0023】また、皮膜層Aは前記の樹脂(結合剤)の
みによる微小突起Abを有し、その平均突起高さは2〜
15nm、好ましくは2〜10nmであり、その頻度は
1×106 〜1×108 個/mm2 、好ましくは5×1
6 〜1×108 個/mm2である。また皮膜層Aの該
樹脂のみによる連続薄膜部の微小表面粗さRaS は0.
4〜2.0nm、好ましくは0.5〜1.5nmであ
る。微小突起Abの平均突起高さが2nmより小さい、
あるいはその頻度が1×106 個/mm2 を下まわる、
あるいは微小表面粗さRaS が0.4nmを下まわる場
合には、フイルムをロール状に巻取った場合にブロッキ
ング現象が発生する。また微小突起Abの平均突起高さ
が15nmより大きい、あるいはその頻度が3×108
個/mm2を超える、あるいは微小表面粗さRaS
2.0nmより大きい場合には、磁気記録媒体としたと
きの保磁力が低下し、電磁変換特性に悪影響を及ぼす。
【0024】皮膜層Aを形成した面のRaA は0.3〜
2nmであり、好ましくは0.5〜1.5nmである。
このRaA が0.3nmを下まわる場合にはフイルムの
滑り性が悪化し、磁気テープとした場合の走行耐久性が
不足する。一方2nmを超える場合には電磁変換特性が
悪化する。
【0025】皮膜層Aをポリエステルフイルム表面上に
形成させる方法としては、不活性粒子Aaと薄膜形成樹
脂を、場合によっては更に不活性粒子Acを、均一に分
散させた樹脂塗液、好ましくは水性エマルジョンないし
懸濁塗液をポリエステルフイルムの製造工程中にフイル
ム表面に塗布・乾燥固化する方法(インライン法)、ま
たは二軸配向したポリエステルフイルムに前記の塗液を
塗布・乾燥固化する方法(オフライン法)等を採用する
ことかできるが、前者のインライン法が好ましい。これ
らの塗液中に塗布を容易にさせるための界面活性剤を含
有させることは一向に差しつかえない。
【0026】上記の方法において、不活性Aaを核とす
る微小突起Aa、更には不活性粒子Acによる大突起A
cの形成と同時に薄膜形成樹脂のみによる微小突起も形
成する。フイルム表面に塗液を塗布した後の乾燥固化
は、該樹脂が連続薄膜を形成しかつ該樹脂の一部が微小
突起を形成する条件で行われる。その際、樹脂の熱特性
にもよるが、塗液中でのエマルジョンないし懸濁樹脂の
大きさや、乾燥の温度、時間等を適宜選択するのが望ま
しい。これらは後述する実施例から容易に理解できよ
う。さらに述べると、例えば塗液中での樹脂微粒子の大
きさは、光散乱法による粒径測定で25〜100nmの
平均粒径を有することが好ましい。かかる平均粒径の樹
脂微粒子は通常のエマルジョンないし懸濁液の調製法で
得ることができ、また市場から入手することもできる。
【0027】本発明においては、フイルムの巻取り性を
付与するために、層Cの皮膜層Aを形成した他方の片面
に連続薄膜よりなる皮膜層Bを設けることが好ましい。
【0028】皮膜層Bは不活性粒子Bを含有するが、こ
の不活性粒子Bとしては、ポリスチレン、ポリスチレン
―ジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、メチ
ルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート共重
合架橋体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデ
ンフルオライド、ポリアクリルニトリル、ベンゾクアナ
ミン樹脂等の如き有機質からなる粒子、シリカ、アルミ
ナ、二酸化チタン、カオリン、タルク、グラファイト、
炭酸カルシウム、長石、二硫化モリブデン、カーボンブ
ラック、硫酸バリウム等の如き無機質からなる粒子のい
ずれを用いてもよい。またシェルコア型の粒子であって
もよい。
【0029】前記皮膜層B中に含有させる不活性粒子B
の平均粒径は、10〜200nm、好ましくは20〜1
00nmである。皮膜層B中の不活性粒子Bの含有量は
3〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。粒
子Bの平均粒径が10nm未満、あるいは含有量が3重
量%未満であると、フイルムの巻取り性、製膜工程での
搬送性等の点で満足できず、またブロッキングを起し易
くなる。一方、平均粒径が200nmを超える場合には
粒子が塗膜から脱落しやすくなる。また皮膜層B中の不
活性粒子Bの含有量が50重量%を超える場合には皮膜
層B自体の強度が低下して削れ易くなる。
【0030】前記不活性粒子Bを含有して皮膜層を形成
する樹脂としては、皮膜層Aで例示した樹脂と同じ樹脂
を例示することができる。また、これらに更にセルロー
ス系樹脂を含有させてもよい。
【0031】前記皮膜層Bには、本発明の効果を損われ
ない範囲であれば、所望により他の成分、例えば界面活
性剤、安定剤、分散剤、UV吸収剤、増粘剤等を添加す
ることができる。
【0032】また、皮膜層Bを形成した面のRaB は1
〜30nm、好ましくは2〜20nmである。RaB
1nm未満の場合にはフイルムの巻取り性、製膜工程で
の搬送性が不足したり、ブロッキングを起こし易くな
る。一方RaB が30nmを超える場合には皮膜層Bが
削れ易くなる問題がある。
【0033】本発明の層Cは、従来から知られている方
法で製造することができる。
【0034】例えば、二軸配向ポリエステルフイルムで
説明すると、芯層が単層の場合、まずポリエステルを口
金より融点Tm℃〜(Tm+70)℃の温度でフイルム
状に押出した後、40〜90℃で急冷固化し未延伸フイ
ルムを得る。しかる後に、該未延伸フイルムを常法に従
って一軸方向(縦方向又は横方向)に(Tg−10)〜
(Tg+70)℃の温度(但し、Tg:ポリエステルの
ガラス転移温度)において2.5〜8.0倍の倍率、好
ましくは3.0〜7.5倍の倍率、で延伸し、次いで皮
膜層A、Bを形成する塗液をフイルム両面にそれぞれ塗
布し、その後に前記方向とは直角方向にTg〜(Tg+
70)℃の温度において2.5〜8.0倍の倍率、好ま
しくは3.0〜7.5倍の倍率、で延伸する。更に必要
に応じて縦方向及び/又は横方向に再度延伸してもよ
い。即ち、2段、3段、4段、或いは更に多段の延伸を
行うとよい。全延伸倍率は、面積延伸倍率として通常9
倍以上、好ましくは12〜35倍、更に好ましくは15
〜32倍である。更に引き続いて、二軸配向フイルムを
(Tg+70)〜(Tm−10)℃の温度、例えば18
0〜250℃で熱固定結晶化することによって優れた寸
法安定性が付与される。なお、熱固定時間は1〜60秒
間が好ましい。
【0035】共押出法の場合、2種のポリエステルを押
出口金内又は口金以前(一般に前者はマルチマニホール
ド方式、後者はフィードブロック方式と呼ぶ)で溶融状
態にて積層複合し、好適な厚み比となして共押出をして
2層積層の未延伸フイルムとし、その後は前記単層法と
同様に行う。
【0036】なお、ポリエステルフイルムの製造に際
し、ポリエステルに所望により添加剤例えば安定剤、着
色剤、溶融ポリマーの固有抵抗調整剤(制電剤)等を添
加含有させることができる。
【0037】本発明の磁気記録媒体用ポリエステルフイ
ルムは、皮膜層Aの表面に、真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の方法により、鉄、コバル
ト、クロム又はこれらを主成分とする合金もしくは酸化
物より成る強磁性金属薄膜層を形成し、またその表面
に、目的、用途、必要に応じてダイアモンドライクカー
ボン(DLC)等の保護層、含フッ素カルボン酸系潤滑
層を順次設け、更に皮膜層Bの表面に公知のバックコー
ト層を設けることにより、特に短波長領域の出力、S/
N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、
エラーレートの少ない高密度記録用蒸着型磁気記録媒体
とすることが出来る。この蒸着型電磁記録媒体は、アナ
ログ信号記録用Hi8、ディジタル信号記録用ディジタ
ルビデオカセットレコーダー(DVC)、データ8ミ
リ、DDSIV用テープ媒体として用いることができ、極
めて有用である。
【0038】本発明の磁気記録媒体用ポリエステルフイ
ルムは、また、皮膜層Aの表面に、鉄又は鉄を主成分と
する針状微細磁性粉をポリ塩化ビニール、塩化ビニール
・酢酸ビニール共重合体等のバインダーに均一分散し、
磁性層厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1μmと
なるように塗布し、更に皮膜層Bの表面に公知の方法で
バックコート層を設けることにより、特に短波長領域で
の出力、S/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロ
ップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用メタル
塗布型磁気記録媒体とすることが出来る。また、必要に
応じて皮膜層Aの上に、メタル粉含有磁性層の下地層と
して微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性
層と同様の有機バインダー中に分散、塗設することもで
きる。このメタル塗布型磁気記録媒体は、アナログ信号
記録用8ミリビデオ、Hi8、βカムSP、W―VH
S、ディジタル信号記録用ディジタルビデオカセットコ
ーダー(DVC)、データ8ミリ、DDSIV、ディジタ
ルβカム、D2、D3、SX等用テープ媒体として極め
て有用である。
【0039】本発明の磁気記録媒体用ポリエステルフイ
ルムは、また、皮膜層Aの表面に、酸化鉄又は酸化クロ
ム等の針状微細磁性粉、又はバリウムフェライト等の板
状微細磁性粉をポリ塩化ビニール、塩化ビニール・酢酸
ビニール共重合体等のバインダーに均一分散せしめ、磁
性層厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1μmとな
るように塗布せしめ、更に皮膜層Bの上に公知の方法で
バックコート層を設けることにより、特に短波長領域で
の出力、S/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロ
ップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用塗布型
磁気記録媒体とすることが出来る。また、必要に応じて
皮膜層Aの上に、該メタル粉含有磁性層の下地層として
微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と
同様の有機バインダー中に分散、塗設することも出来
る。この酸化物塗布型磁気記録媒体は、ディジタル信号
記録用データストリーマー用QIC等の高密度酸化物塗
布型磁気記録媒体として有用である。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。尚、例中の「部」は重量部である。また本発明
において用いた測定法は次の通りである。
【0041】(1)粒子の平均粒径(平均粒径:0.0
6μm以上) 島津製作所製CP―50型セントリフューグル パーテ
ィクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle
Size Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降
曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算
曲線から、50マスパーセントに相当する粒径「等価球
直径」を読み取り、この値を上記平均粒径とする(「粒
度測定技術」日刊工業新聞発行、1975年、242頁
〜247頁参照)。
【0042】(2)超微細粒子の平均粒径(平均粒径:
0.06μm未満) 小突起を形成する平均粒径0.06μm未満の粒子は、
光散乱法を用いて測定する。即ち、ニコム・インスツル
メンツ・インコーポレイテッド(NicompInst
ruments Inc.)社製のNICOMP MO
DEL 270 SUBMICRON PARTICL
E SIZER により求められる全粒子の50重量%
の点にある粒子の「等価球直径」をもって表示する。
【0043】(3)層厚 フイルムの全厚はマイクロメーターにてランダムに10
点測定し、その平均値を用いる。層厚は、薄い側の層厚
を以下に述べる方法にて測定し、また厚い側の層厚は全
厚より薄い側の層厚に引き算して求める。即ち、二次イ
オン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から深さ
5000nmの範囲のフイルム中の粒子の内最も高濃度
の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度
比(M+/C+ )を粒子濃度とし、表面から深さ500
0nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では当然粒子濃
度は低く、表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くな
る。本発明の場合、粒子濃度は一旦安定値1になった
後、上昇或いは減少して安定値2になる場合と、単調に
減少する場合とがある。この分布曲線をもとに、前者の
場合は(安定値1+安定値2)/2の粒子濃度を与える
深さをもって、また後者の場合は粒子濃度が安定値1の
1/2になる深さ(この深さは安定値1を与える深さよ
りも深い)をもって、当該層の層厚とする。
【0044】二次イオン質量分析装置(SIMS):P
ERKIN ELMER社製 6300の測定条件は下
記の通りである。 一次イオン種 :O2+ 一次イオン加速電圧:12KV 一次イオン電流:200mA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E―GUNN :0.5KV―3.0A 尚、表層から5000nmの範囲に最も多く含有する粒
子がシリコーン樹脂以外の有機高分子粒子の場合はSI
MSでは測定が難しいので、表面からエッチングしなが
らFT―IR(フーリエトランスフォーム赤外分光
法)、粒子によってはXPS(X線高電子分光法)等で
上記同様の濃度分布曲線を測定し、層厚を求める。
【0045】以上は共押出層の場合に有効な測定法であ
って、塗布層の場合はフイルムの小片をエポキシ樹脂に
て固定成形し、ミクロトームにて約60nmの厚みの超
薄切片(フイルムの流れ方向に平行に切断する)を作成
し、この試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製H―8
00型)にて観察し、層の境界面より層厚みを求める。
【0046】(4)フイルムの表面粗さ(中心線平均粗
さ:Ra) 中心線平均粗さ(Ra)はJIS―B601に準じて測
定する。本発明では(株)小坂研究所の触針式表面粗さ
計(SURFCORDER SE,30C )を用い、次の条件で測定して
求める。 (a)触針先端半径:2μm (b)測定圧力 :30mg (c)カットオフ :0.08mm (d)測定長 :8.0mm (e)データーのまとめ方:同一試料について6回繰返
し測定し、最も大きい値を1つ除き、残り5つのデータ
を用いて平均値として中心線平均粗さ(Ra)を求め
る。
【0047】(5)突起Aa、Abの頻度 Digital Instruments 社製の原子間力顕微鏡 Nano Scop
eIII、AFMのJスキャナーを使用し、以下の条件で2
μm×2μmの範囲を10ケ所測定し、AFM像より各
々の突起の数をカウントし、その平均値を面積換算によ
り個/mm2 当たりの突起個数として算出する。 走査モード;タッピングモード 面素数;256×256 データポイント スキャン速度;2.0Hz 測定環境;室温、大気中
【0048】(6)突起Aa、Abの平均高さ 前述のAFM像から各々の突起をランダムに100個選
定し、突起1個ずつの高さを測定し、その平均値をもっ
て突起の平均高さとする。
【0049】(7)微小表面粗さRaS 前述の2μm×2μmのAFM像から不活性粒子を核と
する突起Aaのない部分を選定してフイルム表面粗さ曲
線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取
り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向を
Y軸として、粗さ曲線をY=f(x)で表わしたとき、
次の式で与えられた値をnm単位で表わす。
【0050】
【数1】
【0051】実際にはこの測定は1枚のAFM像につ
き、0.4〜1.2μmの長さについて5ケ所の測定を
実施し、10枚のAFM像の合計50ケ所の平均値をも
って微小表面粗さRaS とする。
【0052】(8)耐削れ性 フイルムを25〜30cm長さ、幅1/2インチにサン
プリングし、レザー刃を皮膜層Bの面に対し90°の角
度、深さ0.5mmの条件であてがい、荷重500g/
0.5インチ、速度6.7cm/secで走行させたと
きに、レザー刃に付着した削れ粉の深さ方向の幅を顕微
鏡写真撮影(×160倍)して求めた。削れ粉の深さ方
向の幅が3μm未満を(○)、3〜5μmを(△)、5
μm超を(×)とする。削れ粉の深さ方向の幅が小さい
ほど削れ性に優れている。
【0053】(9)ブロッキング 2枚のフイルムの皮膜層A形成面と皮膜層B形成面を重
ね合わせ、これに150kg/cm2 の圧力を60℃に
おいて80%RHの雰囲気下65時間かけた後剥離し、
その剥離力で評価する(5cm当たりのg数)。なお、
評価は剥離力から下記の基準で行う。 ○:0〜10g/cm未満 △:10g/cm以下〜15g/cm未満 ×:15g/cm以上〜破れ
【0054】(10)巻取り性 スリット時の巻取り条件を最適化後、幅560mm×長
さ9000mのサイズで、10ロールのスリットを行
い、1週間放置後の、フイルムシワの発生のないロール
本を良品として、以下の基準にて巻取り性の評価をす
る。 良品ロール本数 判定基準 8本以上 ○ 3〜7本 △ 2本以下 ×
【0055】(11)磁気テープの製造及び特性評価 積層フイルムの皮膜層Aの表面に、真空蒸着法により、
コバルト100%の強磁性薄膜を0.02μmの厚みに
なるように2層(各層厚約0.1μm)形成し、その表
面にダイアモンドライクカーボン(DLC)膜、更に含
フッ素カルボン酸系潤滑層を順次設け、更に層C又は皮
膜層Bの表面に公知方法でバックコート層を設ける。そ
の後、8mm幅にスリットし、市販の8mmビデオカセ
ットにローディングする。次いで、以下の市販の機器を
用いてテープの特性を測定する。
【0056】保磁力Hcの測定 JIS C−2561に示される方法により、ヒステリ
シスループを測定し、保磁力Hcを求める。測定には試
料振動式磁力計(理研電子(株)製BHV−30)を使
用する。 ○; 1300 Oe超 △; 1000〜1300 Oe ×; 1000 Oe未満
【0057】C/N測定 記録波長0.5μm(周波数約7.4MHz)の信号を
記録し、その再生信号の6.4MHzと7.4MHzの
値の比をそのテープのC/Nとし、市販8mmビデオ用
蒸着テープのC/NをOdBとし、相対値で表す。 使用機器: 8mmビデオテープレコーダー:ソニー(株)製EDV
―6000 C/N測定:シバソク(株)製ノイズメーター ○ ;2dB超 × ;−2〜2dB × ;−2dB未満
【0058】ドロップアウト(D/O)測定 ドロップアウトカウンターを用いて、15μs/18d
Bにて1分間当たりの個数を測定する。 ○ :0〜20(個/分)未満 △ :20〜40(個/分) × :40(個/分)超
【0059】走行耐久性 40℃、80%RHで、テープ、走行速度85cm/分
で記録再生を500回繰り返した後のC/Nを測定し、
初期値からのずれを次の基準で判定する。 ○ :初期値に対して+0.0dB超 △ :初期値に対して−1.0dB〜+0.0dB × :初期値に対して−1.0dB未満
【0060】[実施例1]ジメチルテレフタレートとエ
チレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マ
ンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤
として亜燐酸を、添加して常法により重合し、実質的に
不活性粒子を含有しないポリエチレンテフタレート(P
ET)を得た。
【0061】このポリエチレンテレフタレートを170
℃で3時間乾燥後、押出機に供給し、溶融温度280〜
300℃にて溶融して、ダイよりシート状に押出し、急
冷して厚さ82μmの未延伸フイルムを得た。
【0062】得られた未延伸フイルムを予熱し、更に低
速・高速のロール間でフイルム温度95℃にて縦方向に
3.2倍に延伸し、急冷し、次いで縦延伸フイルムの一
方の面に表1、2の皮膜層Aの樹脂および粒子Aを含む
水分散性塗液を、他の面に皮膜層Bの樹脂および粒子B
を含む水分散性塗液を各々0.005μm、0.020
μm(延伸乾燥後)の厚みになるよう塗布し、続いてス
テンターに供給し、110℃にて横方向に4.1倍に延
伸した。得られた二軸延伸フイルムを220℃の熱風で
4秒間熱固定し、厚み6.0μmの磁気記録媒体用ポリ
エステルフイルムを得た。
【0063】[比較例1及び3]皮膜層Aと皮膜層Bの
樹脂及び粒子、芯層Cの厚みを表1、2のように変更す
る以外は実施例1と同様の方法で磁気記録媒体用ポリエ
ステルフイルムを得た。
【0064】[実施例2、比較例4]表1、2に示す芯
層Cの第一層、第二層用のポリエチレンテレフタレート
をそれぞれ2台の押し出し機に供給して、マルチマニホ
ールド型共押し出しダイを用いて積層し、皮膜層Aと皮
膜層Bの樹脂及び粒子を表1、2のように変更する以外
は実施例1と同様の方法で磁気記録媒体用ポリエステル
フイルムを得た。
【0065】[実施例3及び4、比較例2及び5]表
1、2に示す粒子を用い、かつジメチルテレフタレート
の代わりに2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルを
同モル量使用した以外は実施例1と同様の方法でポリエ
チレン―2,6―ナフタレート(PEN)を得た。
【0066】このポリエチレン―2,6―ナフタレート
を170℃で6時間乾燥後、実施例1と同様にして、各
実施例、比較例を満たす未延伸フイルムを得た。
【0067】得られた未延伸フイルムを予熱し、更に低
速・高速のロール間でフイルム温度135℃にて縦方向
に3.5倍延伸し、急冷し、次いで表1、2に示す皮膜
層A及び皮膜層Bの水性塗液を実施例1と同様に塗布
し、続いてステンターに供給し、155℃にて横方向に
5.6倍に延伸した。得られた二軸延伸フイルムを20
0℃の熱風で4秒間熱固定し、積層記録媒体用ポリエス
テルフイルムを得た。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】表2から明らかなように、本発明による磁
気記録媒体用ポリエステルフイルムは製膜工程での耐削
れ性、巻取り性、耐ブロッキング性に優れ、磁気記録媒
体として用いられる場合に電磁変換特性、ドロップアウ
ト特性、走行耐久性に極めて優れる。これに対し、本発
明の要件を満たさないものはこれらの特性を同時に満足
することはできない。
【0071】[発明の利用性]本発明の磁気記録媒体用
ポリエステルフイルムは全厚みが2.5〜20μm程度
であり、磁気記録媒体のベースに好適に用いられる。そ
して磁気記録媒体としては金属薄膜型のものに有用であ
る。また本発明のポリエステルフイルムは磁性層の厚み
が1μm以下の塗布型磁気記録媒体にも供し得る他に、
デジタル信号記録型磁気記録媒体にも使うことができ
る。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、製膜工程での耐削れ
性、巻取り性、耐ブロッキング性に優れ、しかも電磁変
換特性、ドロップアウト特性、走行耐久性に優れた磁気
記録媒体のベースフイルムとして有用なポリエステルフ
イルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 5/704 G11B 5/704 // B29K 67:00 105:16 B29L 7:00 9:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層又は2層以上からなるポリエステル
    フイルム(層C)の片面に皮膜層Aが形成されていて、
    該皮膜層Aは平均粒径10〜100nmの不活性粒子を
    該とし樹脂を結合剤とする、平均突起高さが15〜10
    0nmの突起Aaを1×106 〜1×108 個/mm2
    の頻度で有し、かつ該樹脂のみによる平均突起高さ2〜
    15nmの微小突起Abを1×106 〜3×108 個/
    mm2の頻度で有する連続薄膜よりなる皮膜であり、該
    皮膜層Aでの樹脂のみによる連続薄膜部の微小表面粗さ
    RaS が0.4〜2.0nmであり、かつ該皮膜層Aを
    形成した面の表面粗さRaA が0.3〜2nmであり、
    そして該層Cは単層の場合は実質的に不活性粒子を含ま
    ず、また2層以上の場合は皮膜層Aを形成する側の層に
    不活性粒子を含まないことを特徴とする磁気記録媒体用
    ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 皮膜層Aを形成する樹脂がアクリル樹
    脂、ポリエステル樹脂及びアクリル―ポリエステル樹脂
    からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂である請
    求項1に記載の磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 層Cの他の片面に連続薄膜よりなる皮膜
    層Bが形成されていて、該皮膜層Bは平均粒径10〜2
    00nmの不活性粒子を3〜50重量%含有し、表面の
    表面粗さRaB が1〜30nmである請求項1又は2に
    記載の磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のポリエステル
    フイルムの皮膜層Aの上に磁気記録層を設けてなる磁気
    記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101083240B1 (ko) * 2006-04-07 2011-11-15 코오롱인더스트리 주식회사 고투명 폴리에스테르 필름
US8585826B2 (en) 2008-11-25 2013-11-19 3M Innovative Properties Company Apparatus and method for cleaning flexible webs
WO2020105471A1 (ja) * 2018-11-19 2020-05-28 東レ株式会社 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム

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